JP7137442B2 - 仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法 - Google Patents

仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法 Download PDF

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Description

本発明は、迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を入手することができる仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法に関する。
近年、日本を訪れる訪日外国人旅行者等が増加しつつある。訪日外国人旅行者等は、クレジットカード等のカード決済ではなく、貨幣により商品の購入又はサービスの提供を受けたい場合がある。このような場合に、訪日外国人旅行者等は、外国通貨の貨幣を日本円の貨幣に両替する。
このため、外国通貨の貨幣を日本円の貨幣に両替する自動取引装置が知られている。例えば、特許文献1には、外貨両替処理と釣銭準備処理とを切り換えて実行することができる貨幣処理装置が開示されている。このため、この特許文献1を用いることにより、訪日外国人旅行者等は、手持ちの外国通貨の貨幣分に相当する日本円の貨幣を入手することができる。
特開2017-157155公報
しかしながら、上記特許文献1のものは、訪日外国人旅行者等が外国通貨の貨幣を所持していることが前提となる。言い換えると、この訪日外国人旅行者等が仮想通貨を保有していたとしても、少額の外国通貨の貨幣のみしか所持していない場合には、十分な日本円の貨幣を入手することができないという問題がある。
なお、仮想通貨を保有する訪日外国人旅行者等が、スマートフォン等の携帯端末装置から仮想通貨取引所のサイトにアクセスして仮想通貨の出金申請を行うことにより、日本円の貨幣を取得することも可能であるが、自らの銀行口座に反映されるまでに時間を要する。例えば、午前11時30分までの出金申請であれば当日に反映されるが、午後11時30分以降の出金申請であれば翌営業日に反映される。このため、訪日外国人旅行者等が、迅速に仮想通貨に相当する日本円の貨幣を入手することが難しい。
これらのことから、訪日外国人旅行者等が、いかにして迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する日本円の貨幣を入手できるようにするかが重要な課題となっている。なお、この課題は、仮想通貨を有する日本在住者が日本円の貨幣を入手する場合にも同様に生ずる課題である。また、訪日外国人旅行者(日本へのインバウンド)だけではなく、日本以外のA国へのインバウンドによりA国で流通する貨幣を入手する場合にも同様に生ずる課題である。
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を入手することができる仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、貨幣を収納する貨幣収納部と、利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定部と、前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を前記貨幣収納部から出金処理する貨幣処理部とを備え、前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を優先して前記送金先口座とする制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を前記送金先口座とする場合の手数料を、他の口座を前記送金先口座とする場合の手数料に対して優遇する制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を前記送金先口座とする場合の取引レートを、他の口座を前記送金先口座とする場合の取引レートに対して優遇する制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記貨幣処理部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座が前記送金先口座である場合には、前記送金取引の完了を条件として出金処理を行い、前記利用者の仮想通貨の口座と異なる管理手段により管理される口座が前記送金先口座である場合には、前記送金取引の開始を条件として出金処理を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記送金取引特定部により特定された送金取引の内容を含むコードを生成して出力するコード生成部をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明は、仮想通貨に係る取引と貨幣の出金とを行う仮想通貨取引装置と、利用者の仮想通貨の口座を管理する管理手段とを有する仮想通貨取引システムであって、前記仮想通貨取引装置は、貨幣を収納する貨幣収納部と、前記利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定部と、前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を前記貨幣収納部から出金処理する貨幣処理部とを備え、前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を優先して前記送金先口座とする制御を行うことを特徴とする。
また、本発明は、上記発明において、前記管理手段は、前記送金先口座の残高を他の管理手段により管理される他の口座に一括して移動可能であることを特徴とする。
また、本発明は、仮想通貨に係る取引と貨幣の出金とを行う仮想通貨取引装置における仮想通貨取引方法であって、利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を送金先の候補として優先する制御を行う優先候補制御工程と、前記利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定工程と、前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を前記貨幣収納部から出金処理する貨幣処理工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を入手することが可能となる。
図1は、本実施例に係る仮想通貨取引システムの概念を説明するための説明図である。 図2は、図1に示した仮想通貨取引装置の外観構成を示す図である。 図3は、図2に示した仮想通貨取引装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 図4は、図3に示した紙幣処理ユニットの構成を示す図である。 図5は、仮想通貨選択画面及び出金額入力画面の一例を示す図である。 図6は、出金額確認画面及び2次元コード表示画面の一例を示す図である。 図7は、図2及び図3に示した仮想通貨取引装置の処理手順を示すフローチャート(その1)である。 図8は、図2及び図3に示した仮想通貨取引装置の処理手順を示すフローチャート(その2)である。 図9は、事業者Bのウオレット間における仮想通貨の移動についての説明図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法の好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例では、利用者Aが仮想通貨取引所Xで仮想通貨を購入し、この利用者Aの仮想通貨の口座であるウオレットA1が仮想通貨取引所Xのサーバ装置50上で管理されているものとする。また、仮想通貨取引装置10から紙幣の出金を行う場合を示すこととする。
<定義>
本実施例に示す「仮想通貨」とは、(1)物品購入・サービス提供を受ける場合に、代価の弁済のために不特定の者に対して使用できるもので、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却ができる財産的価値で、電子情報処理組織を用いて移転できるもの、(2)不特定の者を相手方として(1)と相互に交換を行うことができる財産的価値で、電子情報 処理組織を用いて移転できるもののいずれかをいう(改正資金決済法第2条第5項を参照)。例えば、ビットコイン(BTC)、オルトコイン、コインチェックなどが該当する。
また、本実施例における「仮想通貨取引所」とは、日本の金融庁に対して仮想通貨交換業者として登録された仮想通貨取引事業者(以下、単に「事業者」と言う)により運営される仮想通貨の取引が可能な取引所である。この仮想通貨取引所は、自社のサーバ装置を用いて、仮想通貨を利用する利用者のウオレットを管理するものとする。
また、本実施例における「ウオレット」とは、仮想通貨の口座であり、仮想通貨取引所のサーバ装置などにより各口座の残高が管理される。なお、サーバ装置は物理的に1つの装置である必要は無く、複数のサーバ装置による分散型の管理も可能である。この場合には、複数のサーバ装置が仮想通貨の口座を管理する管理手段として機能する。さらに、複数の装置が仮想の記憶領域を形成するクラウド型の管理も可能であり、この場合には仮想の記憶領域が仮想通貨の口座を管理する管理手段として機能することになる。
<仮想通貨取引システムの概念>
次に、本実施例に係る仮想通貨取引システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係る仮想通貨取引システムの概念を説明するための説明図である。ここでは利用者Aが特定の仮想通貨(例えば、ビットコイン)のユーザであり、仮想通貨取引所Xのサーバ装置50において、利用者AのウオレットA1が管理されているものとする。
また、事業者Bによって仮想通貨取引装置10が、空港、港湾、商業施設などの所定の位置に設置されている。事業者Bは、仮想通貨取引所Xのサーバ装置50にウオレットB1を有し、仮想通貨取引所Yのサーバ装置70にウオレットB2を有している。
ここで、利用者Aが、自ら所有する仮想通貨を用いて貨幣を入手したい場合がある。例えば、この利用者Aが海外から日本へのインバウンドであり、少額の外国通貨の貨幣のみしか所持していない場合には、外貨両替所に赴いたとしても十分な日本円の貨幣を入手することができない。また、この利用者Aが、仮想通貨を所有している場合には、携帯端末装置30から仮想通貨取引所のサイトにアクセスして仮想通貨の出金申請を行うことにより、日本円の貨幣を取得することも可能であるが、自らの銀行口座に反映されるまでに時間を要し、迅速に仮想通貨に相当する日本円の貨幣を入手することが難しい。仮想通貨を有する日本在住者が日本円の貨幣を入手する場合にも同様の問題点が生ずる。
このため、本実施例に係る仮想通貨取引システムでは、利用者Aのウオレットから事業者Bのウオレットに仮想通貨を送金する取引を実行し、事業者Bが仮想通貨取引装置10から貨幣を出金することで、仮想通貨から日本円の貨幣への両替を可能としている。
通常、仮想通貨は分散型ネットワークにより管理され、仮想通貨の送金取引はブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認とを伴う。すなわち、送金取引を開始するときにブロックチェーンを生成し、マイニングによる整合性の承認によって送金取引が完了することになる。しかし、送金取引の完了までには時間を要するため、仮想通貨取引装置10は送金開始(ブロックチェーンの生成)の時点で貨幣を出金する。換言するならば、仮想通貨取引装置10は、マイニングによる整合性の承認が得られていないというリスクを負って迅速な貨幣の出金を行うことになる。また、ブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認について手数料が発生する。
一方で、送金元のウオレットと送金先のウオレットが同一のサーバ装置によって管理されているケースであれば、サーバ装置の内部で送金金額分の仮想通貨の移動を行えばよく、ブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認が不要となる。このため、送金取引が完了してから仮想通貨取引装置10による貨幣の出金を行っても利用者Aを待たせることがない。また、ブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認についての手数料も不要となる。
図1では、サーバ装置50が利用者AのウオレットA1と事業者BのウオレットB1とを管理し、サーバ装置70が事業者BのウオレットB2を管理している。従って、ウオレットA1からウオレットB1に送金処理を行う場合には、ロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認が不要であり、ウオレットA1からウオレットB2に送金処理を行う場合には、ロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認が必要となる。
そこで、仮想通貨取引装置10は、利用者Aのウオレットと同一のサーバ装置50により管理されるウオレットを優先して送金先口座とする制御を行う。例えば、ウオレットA1の口座と同一のサーバ装置50により管理されるウオレットB1を送金先とする場合に利用者Aから徴収する手数料を、サーバ装置70のウオレットB2を送金先とする場合の手数料に対して優遇することで、利用者AがウオレットB1を送金先として選択するよう促す。また、ウオレットB1を送金先とする場合の取引レートを、ウオレットB2を送金先とする場合に比して優遇してもよい。
具体的には、利用者Aは、仮想通貨取引装置10に対して会員カードを挿入して、所定の出金操作を行う(ステップS1)。その詳細な説明については後述するが、会員カードを受け付けたならば、仮想通貨取引装置10は、会員カードに記憶された会員が暗証番号により認証されたことを条件に、複数の仮想通貨のいずれの仮想通貨から日本円の紙幣に両替して出金するかを示す仮想通貨両替画面を表示部に表示する。そして、例えば、仮想通貨VC1を日本円に両替する項目が選択されたならば、利用者Aから出金する金額の入力操作を受け付ける。
このとき、仮想通貨取引装置10は、会員カードから特定される利用者Aの口座と同一のサーバ装置50に管理される口座を優先口座として決定し(ステップS2)、利用者Aから徴収する手数料や取引レートの優遇によって、利用者Aが優先口座を送金先として選択するように促す。
なお、事業者が同一の種別の仮想通貨について異なるサーバ装置にそれぞれ口座を持っているケースにおいて、どのサーバ装置の口座を送金先とするかは利用者にとって重要ではない。例えば、ウオレットB1を送金先としても、ウオレットB2を送金先としても利用者Aにとっては違いが無い。
一方、利用者が複数の種別の仮想通貨を持っている場合には、仮想通貨の種別を選択することで、同一のサーバ装置の口座を送金先にできる場合がある。例えば、利用者Aが仮想通貨VC1と仮想通貨VC2の口座を有しており、利用者Aの仮想通貨VC1の口座と事業者Bの仮想通貨VC1の口座とは同一のサーバに管理されているが、利用者Aの仮想通貨VC2の口座と事業者Bの仮想通貨VC2の口座とは同一のサーバに管理されていない場合、利用者Aは仮想通貨VC1を選ぶことで、同一のサーバ装置の口座を送金先とすることができる。そして、利用者Aにとって、仮想通貨の種別の選択は重要である。
そこで、仮想通貨取引装置10は、利用者Aの口座と同一のサーバ装置に事業者Bの口座がある仮想通貨の種別を優先して選択させるよう仮想通貨両替画面を生成し、表示部に表示する。
仮想通貨取引装置10は、仮想通貨の種別の選択により送金先を確定し、出金額の指定を受け付けたならば、出金額に対応する仮想通貨VC1の数を送金金額として算出し、送金先と、送金金額と、タイムスタンプとを含む送金取引の取引内容を確定する(ステップS3)。そして、仮想通貨取引装置10は、取引内容を2次元コード化する。
ここで、2次元コードに「送金金額(仮想通貨VC1の数)」を含める理由は、携帯端末装置30からサーバ装置50へ仮想通貨送金指示する仮想通貨VC1の数を特定できるようにするためである。また、「送金先(事業者BのウオレットB1のID)」を含める理由は、携帯端末装置30からサーバ装置50へ仮想通貨送金指示する送金先のウオレットを特定するためである。さらに、「タイムスタンプ」を含める理由は、仮想通貨取引装置10による取引であることを特定するためである。例えば、事業者Bが複数の仮想通貨取引装置10を設置している状況で、サーバ装置50が送金取引を行った場合に、どの仮想通貨取引装置10から出金するかを特定する必要が生じる。ここで、仮想通貨取引装置10が2次元コードを介してタイムスタンプをサーバ装置50に通知しておけば、取引内容に含まれるタイムスタンプを手掛かりに、出金指示を行う仮想通貨取引装置10を特定することができる。なお、ここでは仮想通貨取引装置10が1台だけ設置されている場合を示しているため、仮想通貨取引装置10からサーバ装置50へのタイムスタンプの通知に関する説明を省略する。
仮想通貨取引装置10は、出金額と、送金金額(仮想通貨VC1の数)と、2次元コードと、取消ボタンとを含む画面を表示部に表示する。図1では、出金額が「10,000円」であり、仮想通貨VC1の数が「0.0080」である場合を示している。
その後、利用者Aが、携帯端末装置30を用いて2次元コードを読み取り(ステップS5)、携帯端末装置30が2次元コードに含まれる情報を取得したならば、携帯端末装置30は、利用者Aの仮想通貨VC1のウオレットA1を管理する仮想通貨取引所Xのサーバ装置50に対して仮想通貨送金指示を行う(ステップS6)。この仮想通貨送金指示には、2次元コードに含まれる取引内容(送金金額、送信先、タイムスタンプ)が含まれる。
サーバ装置50は、仮想通貨送金指示を受け付けたならば、利用者AのウオレットA1から仮想通貨VC1の数を減算し、事業者BのウオレットB1に送金する送金取引を行う(ステップS7)。
仮想通貨取引装置10は、サーバ装置50による送金取引が行われたことを確認し(ステップS8)、紙幣処理ユニットから出金する(ステップS9)。これにより、利用者Aは、仮想通貨VC1に対応する日本円の紙幣を入手することができる。
送金先が同一のサーバ装置50であるならば、仮想通貨取引装置10は、送金取引の完了を条件として出金を行う。ブロックチェーンの生成やマイニングによる整合性の承認が不要で、送金取引が早期に完了するためである。この場合、仮想通貨取引装置10は、サーバ装置50に適宜問い合せを行い、送金取引の完了を確認すればよい。
一方、送金先が他のサーバ装置であるならば、仮想通貨取引装置10は、送金取引の開始を条件として出金を行う。利用者Aに対する紙幣の出金を迅速に行うためである。この場合、仮想通貨取引装置10がサーバ装置50に適宜問い合せを行い、送金取引の開始を確認してもよいし、送金先のサーバ装置から出金指示を待つ構成でもよい。本実施例では、他のサーバ装置を送金先とする場合には、送金先のサーバ装置が出金指示を行う構成を例に説明を行う。
例えば、サーバ装置70が送金先であれば、サーバ装置70は、サーバ装置50からの送金取引の開始を検知したときに、仮想通貨取引装置10に対して出金指示を行う。この出金指示には、取引を特定する取引コードが含まれる。
なお、複数の仮想通貨取引装置10が設置されている場合には、サーバ装置70は、各仮想通貨取引装置10が取引開始時にサーバ装置70に送信したタイムスタンプと、サーバ装置50からの仮想通貨送金に含まれるタイムスタンプとを用いて、出金指示を行う仮想通貨取引装置10を特定する。そして、仮想通貨取引装置10は、サーバ装置70から出金指示を受け付けたならば、この出金指示に含まれる取引コードに対応する紙幣を紙幣処理ユニットから出金する。
以上のように、仮想通貨取引装置10は、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を送金先の候補として優先し、利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定し、送金取引の内容に従った送金を条件として、仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を貨幣収納部から出金処理する。このため、利用者に対して迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を提供することができる。また、事業者は、マイニングによる整合性の承認が得る前に出金するというリスクを回避し、ブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認についての手数料を削減できる。
<仮想通貨取引装置10の構成>
次に、図1に示した仮想通貨取引装置10の構成について説明する。図2は、図1に示した仮想通貨取引装置10の外観構成を示す図であり、図3は、図2に示した仮想通貨取引装置10の内部構成を示す機能ブロック図であり、図4は、図3に示した紙幣処理ユニット20の構成を示す図である。図5は、仮想通貨選択画面及び出金額入力画面の一例を示す図であり、図6は、出金額確認画面及び2次元コード表示画面の一例を示す図である。
図2に示した仮想通貨取引装置10は、事業者Bにより空港、港湾、商業施設などの所定の位置に設置される装置であり、利用者Aが所有する仮想通貨を日本円の紙幣に両替して出金する場合に用いられる。この仮想通貨取引装置10は、略直方体の形状をなし、表示部11、操作部12、カード挿入口13a、レシートプリンタ14、紙幣投入口21a及び紙幣投出口22aが装置の表面に設けられている。なお、図2に示す装置の外形は一例であり、略直方体の形状及び各部の配置は任意のものとすることができる。
表示部11は、液晶パネル、有機エレクトロルミネセンス(有機EL)又はディスプレイ装置などの表示デバイスであり、図1において説明した仮想通貨両替画面などを表示する。操作部12は、テンキー又はキーボードなどの入力デバイスである。ここでは、表示部11と操作部12を別々に設けた場合を示したが、タッチパネル式液晶パネルなどを用いて両者を一体化することもできる。
カード挿入口13aは、利用者が所持する会員カードを挿入する挿入口であり、このカード挿入口13aに挿入された会員カードの会員IDは、後述するカードリーダ13において読み取られる。また、会員カードの挿入時にパスワードの入力が求められるため、このパスワードは操作部12から入力される。
レシートプリンタ14は、紙幣の出金がなされた場合に、取引結果を示すレシートを印字して発行する装置である。このレシートには、会員番号、タイムスタンプ、出金額、仮想通貨の数、取引レートなどの情報が印字される。
紙幣投入口21aは、紙幣の挿入を受け付けるための入金口である。ここではその詳細な説明を省略するが、事業者Bが紙幣の補充を行う場合などに紙幣投入口21aに紙幣が挿入され、挿入された紙幣は紙幣収納部に収納される。紙幣投出口22aは、出金額に対応する紙幣が利用者Aに向けて排出するための出金口である。
次に、図2に示した仮想通貨取引装置10の内部構成について説明する。図3に示すように、仮想通貨取引装置10は、表示部11、操作部12、カードリーダ13、レシートプリンタ14、通信部15、記憶部16、制御部17及び紙幣処理ユニット20を有する。なお、すでに表示部11、操作部12及びレシートプリンタ14については説明したため、ここではその説明を省略する。
カードリーダ13は、会員カードに記憶された情報を読み取る読取装置であり、会員カードがICカードである場合には、接触式によりICカードに記憶された会員IDを読み取る。なお、ここでは説明の便宜上接触式により会員IDを読み取ることとしたが、近距離無線通信を用いて非接触で会員IDを読み取ることもできる。また、会員カードが磁気カードである場合には、ICカードの一部に磁気記録された会員IDを読み取る磁気リーダとすることもできる。なお、ここでは説明の便宜上、会員カードを用いた認証を行う場合を示すこととするが、携帯端末装置30からの会員IDを仮想通貨取引装置10に送信して認証を行うこともできる。
通信部15は、サーバ装置50やサーバ装置70と通信するための通信部である。例えば、無線LAN及びインターネット網を介してサーバ装置50やサーバ装置70と通信する場合には、この通信部15は、無線LANのルータの役割を有することになる。仮想通貨取引装置10とサーバ装置50との通信は、サーバ装置50に送金取引に係る問い合せを行う場合に用いられる。仮想通貨取引装置10とサーバ装置70と通信は、サーバ装置70からの出金指示の受信などに用いられる。
記憶部16は、不揮発性メモリ又はハードディスク装置により構成される記憶デバイスであり、在高データ16a、換金レートデータ16b、会員データ16c、取引データ16d及びログデータ16e等を記憶する。
在高データ16aは、紙幣処理ユニット20の各紙幣収納部27a~27c(以下、「紙幣収納部27」と総称する)に収納された紙幣の枚数つまり在高を記憶するデータである。
換金レートデータ16bは、仮想通貨を日本円に換金する場合の取引レートを換金レートとして示すデータであり、定期的に更新される。
会員データ16cは、会員を一意に識別する会員ID、暗証番号などの会員データを含むデータである。この会員データ16cは、会員カードを受け付けて会員の認証を行う場合に参照される。なお、この会員データ16cを会員認証用サーバ装置に記憶しておき、仮想通貨取引装置10が会員の認証を行う場合には、仮想通貨取引装置10から会員認証用サーバ装置に対して認証依頼を行うよう構成することもできる。なお、仮想通貨取引装置10からサーバ装置に対して認証依頼を行うのではなく、携帯端末装置30から会員認証用サーバ装置にアクセスして会員認証を行い、その結果を会員認証用サーバ装置から仮想通貨取引装置10に通知するよう構成することもできる。会員認証用サーバ装置は、サーバ装置50やサーバ装置70であってもよいし、別途設けてもよい。
取引データ16dは、取引を一意に識別する取引ID、会員ID、出金額、仮想通貨の数、取引日時などの情報を含むデータである。仮想通貨取引装置10は、利用者Aから出金操作を受け付けて2次元コードを表示部に表示した場合に、新たに取引IDを発行して取引データを生成する。ある取引IDの出金処理が完了したならば、取引データ16dは削除され、ログデータ16eに移行される。なお、このログデータ16eは、取引済の取引データ16dからなるログデータである。
制御部17は、仮想通貨取引装置10の全体制御を行う制御部であり、出金額受付部17aと、送金取引特定部17bと、2次元コード生成部17cと、表示制御部17dと、認証処理部17eと、出金処理部17fとを有する。実際には、出金額受付部17a、送金取引特定部17b、2次元コード生成部17c、表示制御部17d、認証処理部17e及び出金処理部17fに対応するプログラムを記憶部16などに記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPUで実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
出金額受付部17aは、利用者Aの所有する仮想通貨に基づいて、日本円の出金額を受け付ける受付部である。出金額受付部17aは、紙幣処理ユニット20に収納された紙幣の在高に基づいて、出金額の指定を受け付ける。例えば、千円札の在高が不足する場合には、一万円単位で出金額の指定を受け付けることになる。
送金取引特定部17bは、利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先の口座とを含む送金取引の内容を特定する処理部である。送金先の特定にあたり、送金取引特定部17bは、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を優先して送金先の口座とする制御を行う。
具体的には、送金取引特定部17bは、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を送金先とする場合の手数料を、他の口座を送金先とする場合の手数料に対して優遇する。または、送金取引特定部17bは、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を送金先とする場合の換金レートを、他の口座を前記送金先口座とする場合の取引レートに対して優遇する。
送金取引特定部17bは、優遇する口座を優先口座とし、優先口座を送金先とすることのできる仮想通貨の種別を利用者に報知して、利用者による仮想通貨の種別の選択を促し、送金先を特定する。また、送金取引特定部17bは、出金額受付部17aにより受け付けた出金額に対応する仮想通貨の数を算出し、送金金額として特定する。具体的には、送金取引特定部17bは、記憶部16に記憶した換金レートデータ16bを参照しつつ、仮想通貨の数を算出する。なお、仮想通貨の送金金額は整数である必要はない。
送金取引特定部17bは、送金先と、送金金額と、タイムスタンプとを含む送金取引の取引内容とする。また、送金取引特定部17bは、取引を一意に識別する取引ID、会員ID、出金額、送金取引の取引内容などの情報を含む取引データ16dを生成して記憶部16に格納する。また、送金取引特定部17bは、取引IDを取引コードとし、取引内容とともに所定のサーバ装置(例えばサーバ装置70)に送信することができる。
2次元コード生成部17cは、送金取引特定部17bにより特定された送金取引の取引内容(送金先、送金金額、タイムスタンプ)を2次元コード化する。この2次元コード生成部17cにより生成された2次元コードは、表示制御部17dにより表示部11に表示制御され、携帯端末装置30による読み取りが可能になる。
表示制御部17dは、表示部11に対する各種表示制御を行う制御部である。具体的には、図5(a)に示す仮想通貨選択画面G1、図5(b)に示す送金先口座選択画面G2、図5(c)に示す出金額入力画面G3、図6(a)に示す出金額確認画面G4、図6(b)に示す2次元コード表示画面G5などを表示部11に表示制御する。
認証処理部17eは、カードリーダ13により会員カードに記憶された会員IDが読み取られた場合に、正当な会員であるか否かの認証を行う処理部である。具体的には、会員により操作部12から入力された暗証番号と、記憶部16に記憶された会員データ16cに含まれる会員IDに対応する暗証番号とが一致する場合には、正当な会員であると認証される。正当な会員であると認証された場合には、仮想通貨取引装置10による日本円の出金が可能となり、正当な会員でないと認証された場合には、仮想通貨取引装置10による日本円の出金が不能となる。なお、ここでは会員データ16cを記憶部16に記憶する場合を示したが、この会員データ16cを会員認証用サーバ装置に記憶する場合には、カードリーダ13により読み取られた会員IDと操作部12から受け付けた暗証番号とを会員認証用サーバ装置に送信して認証依頼を行い、会員認証用サーバ装置から認証結果を受け取ることになる。
出金処理部17fは、送金取引の取引内容に従った送金を条件として、出金額分の紙幣を紙幣投出口22aから出金する貨幣処理部である。出金処理部17fは、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座が送金先である場合には、送金取引の完了を条件として出金処理を行い、利用者の仮想通貨の口座と異なるサーバ装置により管理される口座が送金先である場合には、送金取引の開始を条件として出金処理を行う。
また、出金処理部17fは、紙幣投出口22aから出金した紙幣が利用者Aにより取り出されたならば、該当する取引データ16dを記憶部16から削除するとともに、この取引データ16dをログデータ16eに追記する処理を行う。
紙幣処理ユニット20は、制御部17の制御により、紙幣収納部27への紙幣の収納及び紙幣収納部27からの紙幣の払い出しを行うユニットである。図4に示すように、紙幣処理ユニット20は、紙幣受入部21と、紙幣払出部22と、カセット装着部23と、出金リジェクト部24と、周回搬送部25と、紙幣識別部26と、金種別の紙幣収納部27とを有する。
紙幣受入部21は、紙幣投入口21aに対する紙幣の投入を受け付け、1枚ずつ周回搬送部25に繰り出す処理部である。紙幣払出部22は、周回搬送部25から1枚ずつ搬送された紙幣を一時的に貯留し、払い出すべき全ての紙幣が揃った場合に紙幣投出口22aから投出することで紙幣を払い出す処理部である。
カセット装着部23は、売上金の回収や釣銭の補充に用いる収納カセット28を着脱可能である。出金リジェクト部24は、金種が識別できない等、出金に適さない紙幣を内部に集積する。例えば、出金処理時において紙幣収納部27から繰り出された紙幣のうち、重送や斜行等の搬送異常により紙幣識別部26で識別することができなかった紙幣は出金リジェクト部24に搬送される。なお、紙幣受入部21から取り込まれた紙幣のうち、入金処理時において汚損等により紙幣識別部26で識別することができなかった紙幣は、入金リジェクト紙幣として紙幣払出部22に返却される。
複数の紙幣収納部27a~27cは、それぞれ対応する金種が設定されており、設定された金種の紙幣を収納するとともに、収納されている紙幣を1枚ずつ繰出可能である。なお、各紙幣収納部27a~27cに収納された紙幣の枚数つまり在高は、記憶部16の在高データ16aに含まれている。制御部17は、紙幣の取り込みがなされた場合や紙幣の払い出しが行われた場合には、その都度記憶部16の在高データ16aを更新する。
周回搬送部25は、環状の周回搬送路を有しており、紙幣受入部21、紙幣払出部22、カセット装着部23、出金リジェクト部24及び複数の紙幣収納部27と周回搬送路との間には接続搬送路が設けられている。また、周回搬送路には、紙幣の金種、真偽、正損、表裏、搬送状態等の識別を行う紙幣識別部26が設けられている。
周回搬送部25は、図4における時計回りの方向及び反時計回りの方向に周回搬送路を回転駆動することで、紙幣を1枚ずつ搬送することができる。具体的には、紙幣を紙幣収納部27に収納する場合には、周回搬送路を図4における時計回りに回転駆動し、紙幣を紙幣収納部27から繰り出す場合には、周回搬送路を図4における反時計回りに回転駆動することになる。この回転駆動の制御に加え、周回搬送路と各接続搬送部との間で紙幣の搬送経路を切り換えることで、周回搬送部25は、紙幣の搬送先を制御する。
<表示画面の一例>
次に、図2及び図3に示した表示部11に表示される表示画面の一例について説明する。図5(a)は仮想通貨選択画面G1を示し、図5(b)は送金先口座選択画面G2を示し、図5(c)は出金額入力画面G3の一例を示している。図6(a)は出金額確認画面G4の一例を示し、図6(b)は2次元コード表示画面G5の一例を示している。
図5(a)に示した仮想通貨選択画面G1は、利用者Aが仮想通貨取引装置10に会員カードを挿入し、正当な会員として認証された場合に、表示部11に表示される表示画面である。仮想通貨選択画面G1では、優先口座に対応する仮想通貨の種別と、優先口座に対応しない仮想通貨の種別が識別可能に表示される。
図5(a)では、優先口座に対応する仮想通貨の種別は、「優遇レートのある通貨」として表示され、仮想通貨VC1から日本円への両替(仮想通貨VC1→日本円)と、仮想通貨VC2から日本円への両替(仮想通貨VC2→日本円)とが該当している。優先口座に対応しない仮想通貨の種別は、「それ以外」として表示されている。すなわち、優先口座に対応する仮想通貨の種別は直接表示され、直接選択可能であるのに対し、優先口座に対応しない仮想通貨の種別の表示と選択には「それ以外」を選択する必要がある。このように表示と操作負荷の制御により、優先口座に対応する仮想通貨の種別を選択するよう促すことができる。
図5(b)に示した送金先口座選択画面G2は、図5(a)に示した仮想通貨選択画面G1上で「仮想通貨VC1→日本円」が選択された場合に、表示部11に表示される表示画面である。送金先口座選択画面G2では、「VC1を日本円に両替します。送金先口座を選択して下さい」とのメッセージと、選択可能な口座とが表示される。
図5(b)では、ウオレットB1とウオレットB2が選択可能な口座として表示されている。また、ウオレットB1には「仮想通貨取引所X レート947152.00」との説明が付され、ウオレットB2には「仮想通貨取引所Y レート1247152.00」との説明が付されている。さらに、優遇口座であるウオレットB1には、優遇を受けられる旨の表示を行い、ウオレットB1の選択を促している。
図5(c)に示した出金額入力画面G3は、図5(b)に示した送金先口座選択画面G2上でウオレットB1が選択された場合に、表示部11に表示される表示画面である。この出金額入力画面G3で出金額の入力操作と所定の確定操作が行われたならば、出金額が確定する。
図6(a)に示した出金額確認画面G4は、図5(c)の出金額入力画面G3において出金額が入力され、所定の確定操作が行われた場合に、表示部11に表示される表示画面である。この出金額確認画面G4には、出金額(例えば、「10,000円」)及び仮想通貨VC1の数(例えば、「0.0080」)が含まれる。
図6(b)に示した2次元コード表示画面G5は、図6(a)の出金額確認画面G4において確認操作が行われた場合に、表示部11に表示される表示画面である。この2次元コード表示画面G5には、2次元コードが含まれる。利用者Aは、この2次元コードを携帯端末装置30により読み取る。なお、所定時間経過後に2次元コード表示画面G5が非表示とし、「出金までお待ち下さい」等のメッセージを表示することもできる。
<仮想通貨取引装置10の処理手順>
次に、図2及び図3に示した仮想通貨取引装置10の処理手順について説明する。図7及び図8は、図2及び図3に示した仮想通貨取引装置10の処理手順を示すフローチャートである。図7に示すように、仮想通貨取引装置10の操作部12から所定の操作を受け付けたならば(ステップS101)、利用者Aに対して「会員カードを挿入し、暗証番号を入力して下さい」等のメッセージを表示部11に表示する。
その後、利用者Aがカード挿入口13aに会員カードを挿入し、カードリーダ13により会員カードに記憶された会員IDを読み取るとともに、操作部12から暗証番号の入力を受け付けたならば(ステップS102)、利用者Aが会員であるか否かの認証処理を行う(ステップS103)。具体的には、利用者Aが操作部12から入力した暗証番号と、記憶部16に記憶した会員データ16cに含まれる会員IDに対応する暗証番号とが一致したならば、正当な会員であると認証する。
その結果、利用者Aが正当な会員であると認証されない場合には(ステップS104;No)、ステップS102に移行して同様の処理を繰り返す。なお、利用者Aが所定の回数正当でないと認証された場合には、この会員カードを用いた利用を禁止するよう構成することもできる。
これに対して、利用者Aが正当な会員であると認証された場合には(ステップS104;Yes)、送金取引特定部17bは、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を優先口座として抽出し(ステップS105)、優先口座に対応する仮想通貨の選択を促す仮想通貨選択画面を表示し、仮想通貨の選択を受け付ける(ステップS106)。そして、選択された仮想通貨の口座から送金先口座を選択させる送金先口座選択画面を表示し、送金先口座の選択を受け付ける(ステップS107)。
また、出金額受付部17aは、出金額入力画面を用いて出金額を受け付ける(ステップS108)。送金取引特定部17bは、出金額受付部17aにより受け付けた出金額に対応する仮想通貨の数を算出し、送金金額とする(ステップS109)。そして、出金額確認画面を表示し、確認操作を受け付けて(ステップS110)、取引内容を特定する(ステップS111)。
2次元コード生成部17cは、特定された送金取引の取引内容(送金先、送金金額、タイムスタンプ)から2次元コードを生成し、2次元コード表示画面を表示部11に表示する(ステップS112)。
その後、送金取引特定部17bは、取引ID、会員ID、出金額、送金取引の取引内容などの情報を含む取引データ16dを生成し(ステップS113)、この取引データ16dを記憶部16に一時記憶する(ステップS114)。
ここで、利用者Aは、携帯端末装置30を用いて2次元コードを読み取り、サーバ装置50に仮想通貨送金指示を行う。サーバ装置50は、送金先が自装置で管理する口座であれば、利用者の口座から送金先の口座に送金金額分の仮想通貨の移動を行って送金取引を完了する。送金先がサーバ装置50以外、例えばサーバ装置70が管理する口座であれば、サーバ装置50は、利用者AのウオレットA1から仮想通貨の数を減算し、サーバ装置70が管理する事業者BのウオレットB2に向けて仮想通貨の送金取引を開始する。サーバ装置70は、仮想通貨の送金取引の開始を検知したならば、送信完了を待つことなく、仮想通貨取引装置10に対して出金指示を行う。この出金指示には、取引コードが含まれる。
出金処理部17fは、ステップS114の後、送金先が同一サーバであるか否かを判定する(ステップS115)。送金先が同一サーバであるならば(ステップS115;Yes)、出金処理部17fは、サーバ装置50に適宜問い合せを行い、送金取引の完了を確認する(ステップS116)。確認の結果、送金取引が完了していなければ(ステップS116;No)、出金処理部17fは、ステップS116に移行し、送金取引の完了を待機する。
送金先が同一サーバでないならば(ステップS115;No)、出金処理部17fは、送金取引が開始されたか否かを判定する(ステップS117)。具体的には、出金処理部17fは、サーバ装置70が送金取引を開始したときに出力する出金指示を受信したか否かを判定することになる。送金取引が開始されていなければ(ステップS117;No)、出金処理部17fは、ステップS117に移行し、送金取引の開始を待機する。
ステップS116で送金完了を確認した場合(ステップS116;Yes)、若しくはステップS117で送金開始と判定した場合(ステップS117;Yes)、出金処理部17fは、出金額を特定し(ステップS118)、特定した出金額の紙幣を払い出す(ステップS119)。その後、該当する取引データ16dを削除するとともに(ステップS120)、この取引データ16dをログデータ16eに追加し(ステップS121)、レシートを発行して(ステップS122)、処理を終了する。
次に、事業者Bのウオレット間における仮想通貨の移動について説明する。図9は、事業者Bのウオレット間における仮想通貨の移動についての説明図である。図9では、サーバ装置50は、利用者AのウオレットA1、利用者CのウオレットC1、利用者DのウオレットD1及び事業者BのウオレットB1を管理している。また、サーバ装置70は、事業者BのウオレットB2を管理している。
事業者BのウオレットB1は、図9(a)に示すように、ウオレットA1、ウオレットC1及びウオレットD1からの送金取引における送金先として用いることができる。このように複数の送金取引における送金先として用いた後、図9(b)に示すように、ウオレットB1からサーバ装置70のウオレットB2に送金取引を行うことで、ウオレットA1、ウオレットC1及びウオレットD1からの送金金額の合計を、一括してウオレットB2に送金することができる。
ウオレットB1からウオレットB2への送金取引にはブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認が発生し、手数料が発生する。しかし、ウオレットA1、ウオレットC1及びウオレットD1がウオレットB2を送金先としていれば、それぞれの送金取引で手数料が必要となるのに対し、一旦ウオレットB1を送金先として送金金額を蓄積した後にウオレットB2への送金取引を一括して行うことで、手数料が発生する回数を減らすことができるのである。
図9では、複数の利用者がウオレットB1への送金取引を行う場合を例示したが、1人の利用者が複数回ウオレットB1への送金取引を行う場合であっても、複数回の送金金額を蓄積した後にウオレットB2への送金取引を一括して行うことで、手数料が発生する回数を減らすことができる。そこで、利用者による仮想通貨取引装置10の利用頻度や利用金額を管理しておき、利用頻度や利用金額の高い利用者に対して手数料や換金レートの優遇をおこなうようにしてもよい。
上述してきたように、本実施例に係る仮想通貨取引装置10は、利用者の仮想通貨の口座と同一のサーバ装置により管理される口座を送金先の候補として優先し、利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定し、送金取引の内容に従った送金を条件として、仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を貨幣収納部から出金処理する。このため、利用者に対して迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を提供することができる。また、事業者は、マイニングによる整合性の承認が得る前に出金するというリスクを回避し、ブロックチェーンの生成とマイニングによる整合性の承認についての手数料を削減できる。
なお、上記の実施例では、仮想通貨取引装置10が取引内容を2次元コードとして表示し、携帯端末装置30が2次元コードを読み取ってサーバ装置50に仮想通貨送金を指示する構成について説明を行ったが、利用者の操作を受けた仮想通貨取引装置10がサーバ装置50に対して仮想通貨送金を指示する構成としてもよい。
また、利用者によって仮想通貨の種別と送金先の事業者とが指定された場合に、指定された事業者が有する複数の口座うち、利用者と同一のサーバ装置により管理される口座を送金先として自動的に選択する構成としてもよい。
また、上記の実施例では、事業者Bが複数の仮想通貨取引装置10を設置している場合に、サーバ装置70が、タイムスタンプを手掛かりに出金指示を行う仮想通貨取引装置10を特定する場合を示したが、複数の仮想通貨取引装置10が全く同じ時刻にそれぞれの表示部11に2次元コードを表示した場合には、同一のタイムスタンプが複数存在し、仮想通貨取引装置10を特定することができなくなる。この状況を回避するためには、2次元コードに取引IDを含めるとともに、2次元コードの表示後に仮想通貨取引装置10からサーバ装置70に取引IDを送信し、携帯端末装置30からサーバ装置50への仮想通貨送金指示、サーバ装置50からサーバ装置への仮想通貨送金に取引IDを含めるようにして、サーバ装置70が出金指示を行う仮想通貨取引装置10を特定できるようにすることもできる。なお、取引IDの代わりにGPS等で取得した仮想通貨取引装置10の位置情報を含めることもできる。同様に、仮想通貨取引装置10を識別する装置IDを取引IDの代わりに用いることも可能である。
また、複数の仮想通貨取引装置10と複数のウオレットとを1対1に対応させ、送金先のウオレットによって出金指示の宛先となる仮想通貨取引装置10を特定可能としてもよい。さらに、複数の仮想通貨取引装置10と複数のウオレットとを1対1に対応させつつ、タイムスタンプを用いて送金指示の宛先を特定してもよい。
また、上記の実施例では、紙幣のみを出金可能な構成を例に説明を行ったが、硬貨の収納と搬送に係る構成をさらに設け、紙幣と硬貨の出金が可能な構成としてもよい。
また、上記の実施例では、仮想通貨取引装置10が2次元コードを生成する構成を例に説明を行ったが、2次元コードを他の装置(例えばサーバ装置70)が生成し、生成した2次元コードを仮想通貨取引装置10に送信して表示させる構成としてもよい。
また、上記の実施例では、2次元コードを用いる場合を例示したが、バーコード等、他のコードを用いてもよいことは言うまでもない。
また、上記の実施例では、送金先が同一サーバ(すなわちサーバ装置50)である場合には、仮想通貨取引装置10がサーバ装置50に問い合せを行って送金完了を確認し、出金を実行する構成を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。送金先が同一サーバであっても、サーバ装置70からの出金指示をうけて仮想通貨取引装置10が出金を実行する構成としてもよい。
この場合には、仮想通貨取引所Xのサーバ装置50は、事業者BのウオレットB1への送金を行った場合に、事業者B(又は仮想通貨取引所Yのサーバ装置70)に通知し、この通知に基づいてサーバ装置70が仮想通貨取引装置10に出金指示を送信することになる。
また、上記の実施例では、仮想通貨に相当する紙幣を出金する構成を例に説明を行ったが、仮想通貨に相当する電子マネーなどの有価価値を付与する構成としてもよい。
また、上記の実施例では、日本の通貨を出金する構成を例に説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではない。日本以外の国で、当該国の通貨を出金する構成として実施することも可能である。
また、上記の実施例では説明を省略したが、仮想通貨取引装置10が所定の出金操作を受け付けた場合に、仮想通貨に関するリスクの説明を出力するよう構成してもよい。例えば、「仮想通貨の価格は、毎日ほぼ24時間変動しています。対象の仮想通貨に対する信用の失墜などにより価格そのものがゼロとなる可能性があることも重ねて御認識ください。」などのメッセージを表示部11に表示することができる。
また、上記の実施例では説明を省略したが、仮想通貨取引装置10からの出金には適宜制限を設けることもできる。例えば、1回の出金の上限金額を10万円、1日の出金の上限回数を3回とすることができる。さらに、かかる制限に3日以上抵触した場合には、マネーロンダリングなどの不正の疑いがあると判定するよう構成することもできる。
また、上記の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
本発明に係る仮想通貨取引装置、仮想通貨取引システム及び仮想通貨取引方法は、迅速かつ効率的に仮想通貨に相当する貨幣を入手可能とする場合に有用である。
10 仮想通貨取引装置
11 表示部
12 操作部
13 カードリーダ
13a カード挿入口
14 レシートプリンタ
15 通信部
16 記憶部
16a 在高データ
16b 換金レートデータ
16c 会員データ
16d 取引データ
16e ログデータ
17 制御部
17a 出金額受付部
17b 送金取引特定部
17c 2次元コード生成部
17d 表示制御部
17e 認証処理部
17f 出金処理部
20 紙幣処理ユニット
21 紙幣受入部
21a 紙幣投入口
22 紙幣払出部
22a 紙幣投出口
23 カセット装着部
24 出金リジェクト部
25 周回搬送部
26 紙幣識別部
27、27a、27b、27c 紙幣収納部
28 収納カセット
30 携帯端末装置
50、70 サーバ装置
A 利用者
A1、B1、B2 ウオレット
B 事業者
X、Y 仮想通貨取引所

Claims (8)

  1. 貨幣を収納する貨幣収納部と、
    利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定部と、
    前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を前記貨幣収納部から出金処理する貨幣処理部と
    を備え、
    前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を優先して前記送金先口座とする制御を行うことを特徴とする仮想通貨取引装置。
  2. 前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を前記送金先口座とする場合の手数料を、他の口座を前記送金先口座とする場合の手数料に対して優遇する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の仮想通貨取引装置。
  3. 前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を前記送金先口座とする場合の取引レートを、他の口座を前記送金先口座とする場合の取引レートに対して優遇する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の仮想通貨取引装置。
  4. 前記貨幣処理部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座が前記送金先口座である場合には、前記送金取引の完了を条件として出金処理を行い、前記利用者の仮想通貨の口座と異なる管理手段により管理される口座が前記送金先口座である場合には、前記送金取引の開始を条件として出金処理を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の仮想通貨取引装置。
  5. 前記送金取引特定部により特定された送金取引の内容を含むコードを生成して出力するコード生成部をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の仮想通貨取引装置。
  6. 仮想通貨に係る取引と貨幣の出金とを行う仮想通貨取引装置と、利用者の仮想通貨の口座を管理する管理手段とを有する仮想通貨取引システムであって、
    前記仮想通貨取引装置は、
    貨幣を収納する貨幣収納部と、
    前記利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定部と、
    前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を前記貨幣収納部から出金処理する貨幣処理部と
    を備え、
    前記送金取引特定部は、前記利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を優先して前記送金先口座とする制御を行うことを特徴とする仮想通貨取引システム。
  7. 前記管理手段は、前記送金先口座の残高を他の管理手段により管理される他の口座に一括して移動可能であることを特徴とする請求項6に記載の仮想通貨取引システム。
  8. 仮想通貨に係る取引と貨幣の出金とを行う仮想通貨取引装置における仮想通貨取引方法であって、
    利用者の仮想通貨の口座と同一の管理手段により管理される口座を送金先の候補として優先する制御を行う優先候補制御工程と、
    前記利用者の仮想通貨の口座からの送金金額と送金先口座とを含む送金取引の内容を特定する送金取引特定工程と、
    前記送金取引の内容に従った送金を条件として、前記仮想通貨の送金金額に対応する貨幣を貨幣収納部から出金処理する貨幣処理工程と
    を含むことを特徴とする仮想通貨取引方法。
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