JP7137368B2 - ナトリウム排泄促進用及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物 - Google Patents

ナトリウム排泄促進用及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物 Download PDF

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Description

本発明は、アンペロプシンを有効成分として含有する体内ナトリウム排泄促進用及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物、それを含有する飲食品に関する。
食事中の食塩含有量を減らすことが健康維持の上で重要であると久しくいわれている。厚生労働省が2014年3月に発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書によれば、18歳以上の男性は1日当たり8.0グラム未満、18歳以上の女性は1日当たり7.0グラム未満という目標量が定められている。さらに、日本高血圧学会減塩委員会は、高血圧予防のために、1日6グラム未満という制限を勧めている。また、世界保健機関(WHO)は、世界中の人の食塩摂取目標を1日5グラムとしているが、米国では心血管疾患の予防のためのガイドラインは、塩分の最大摂取量が1日3.8~6.0グラムとなっている。食塩の過剰摂取は、腎臓の負担を高め、高血圧の原因となることが広く知られている。
高血圧の要因とされる食塩は、塩化ナトリウムであり、これはナトリウムイオンと塩素イオンが結合した無機塩であるが、特に高血圧の要因とされるものはナトリウムイオンである。ナトリウムは生体のホメオスタシスを維持する上で必須の成分であるが、過剰に存在すると、心拍出量の増加や末梢血管抵抗の増加を引き起こし、血圧を上昇させる要因となる。また細胞外液中でナトリウムをはじめとする電解質の濃度は厳密に保たれているが、この調節には腎臓が大きな役割を果たしている。すなわち、ナトリウム濃度が正常より高いと飲水行動が促され、腎臓では水分の再吸収が促進される。反対にナトリウム濃度が低い場合は腎臓での水分の排泄が促進される。血中ナトリウムが過剰の状態では、ナトリウム濃度を一定に保つため体内での水分量が増加し細胞外液量が過剰な状態となる。腎臓のナトリウム排泄能を超えて塩分を摂取している場合、上記のメカニズムで体液量が増加して高血圧をきたす。また塩分過剰摂取によりナトリウム排泄に関する遺伝子が不活性化されることも報告されている。
したがって、ナトリウムの摂取量を減らすか、あるいは吸収を抑制するか、またはナトリウム排泄量を増加させることにより高血圧、腎機能低下、動脈硬化などのナトリウム過剰摂取に伴うリスクを低下させることができる。ナトリウム摂取量の抑制の場合は、ナトリウムイオンに代えて一部をカリウム塩とした減塩や、食塩の配合量を減らした減塩食などがすでに普及している。ナトリウム吸収抑制の場合については、いくつかの発明が提案されている。特許文献1には、牛乳由来の蛋白質を蛋白質分解酵素により分解して得られるペプチドまたはペプチド混合物にナトリウム排泄促進作用を有することから、これを電解質排泄促進剤として利用することが記載されている。特許文献2には、褐藻類(コンブ、トロロコンブ及びモズクを除く)の水抽出物及び熱水抽出物並びにそれらの金属塩(ナトリウム塩は除く)のうちの少なくとも一種を有効成分とするナトリウムイオン排泄促進剤が記載されている。特許文献3には、酵母細胞壁または酵母細胞壁多糖類を有効成分とするナトリウムイオン排泄促進剤が記載されている。
本出願人も、オリゴ糖の一種であるダイフラクトースアンハイドライドにナトリウム及びカリウムの排泄促進作用を見いだし、これをナトリウム及び/又はカリウムの排泄促進剤とする特許を取得している(特許文献4)。
しかし、生体内のナトリウム排泄促進や摂取したナトリウムの吸収抑制の目的に適したものは少なく、探索が続けられている。
このような背景にあって、本発明者らは、天然物や天然抽出物について、体内のナトリウム排泄の促進や、摂取ナトリウムの吸収を抑制する物質や、摂取したナトリウムの吸収抑制の探索を行っている。そして、中国や東南アジア地域の伝統的な食品である藤茶に体内のナトリウム排泄を促進する作用が存在することを発見した。藤茶には様々な薬効が存在することが知られている。その作用は、急性肝炎などの肝臓疾患治療効果(特許文献5)、抗菌効果(特許文献6)、色素退色防止作用(特許文献7)など多岐に渡っている。しかし藤茶に体内のナトリウム排泄を促進する作用や吸収を抑制する作用が存在することは、食経験の長い食品でありながらこれまでまったく知られていなかった。
国際公開第2001/084948号 特開2002-087980号公報 特開2005-179306号公報 特許第4721684号公報 特開2003-026584号公報 特開2002-159566号公報 特開2002-065201号公報
本発明者らは、上記のような背景技術をもとに研究を行い、藤茶抽出物が強い体内のナトリウム排泄を促進する作用やナトリウム吸収抑制作用を有していることを発見した。そして、さらに研究を進めたところ、この作用の本質が藤茶中に含まれるフラボノイドの一種であるアンペロプシンであることを発見し、本発明をなした。
すなわち、本発明の課題はアンペロプシンを有効成分とする体内のナトリウム排泄促進及び/又はナトリウム吸収抑制する組成物を提供することにある。さらには、本発明は、体内のナトリウム排泄促進及び/又は体内へのナトリウム吸収を抑制するための飲食品を提供することにある。
本発明の主な構成は以下の通りである。
(1)アンペロプシンを有効成分として含有するナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
(2)アンペロプシンを10質量%以上含有するナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
(3)藤茶抽出物を含むナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
(4)アンペロプシンを10質量%以上含有する(3)記載のナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
本発明によりあらたなナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物が提供される。
ヒトに対するアンペロプシン投与の影響を評価するプラセボ対照並行群間二重盲検比較試験によるナトリウム排泄促進効果を示すグラフである。 マウスを用いた動物試験において、藤茶抽出物に含まれるアンペロプシンがナトリウム吸収を抑制し、糞中のナトリウム量が増加することを示すグラフである。
本発明は、アンペロプシンを有効成分として含有するナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物に係る発明である。
藤茶は、ブドウ科蛇葡萄属の植物であり、中国名を顕歯蛇葡萄という。学名は、Ampelopsis grossedentataである。主には中国の広西、広東、雲南、貴州、湖南、湖北、江西、福建などの省並びに自治区に分布している。中国の広西、湖南などの省や自治区の壮族や瑶族の人々がこの茎および葉から作った飲料を常用しており、風邪、のどの痛みなどにも利用されている。アンペロプシンは、藤茶の示す肝臓疾患の治療作用や抗菌作用の活性本体として特定されている。
アンペロプシンは、下記の式で表される。
Figure 0007137368000001
アンペロプシンは、例えば、藤茶(Ampelopsis grossedentata)、大叶蛇葡萄(Ampelopsis megalophylla)、広東蛇葡萄(Ampelopsis cantoniensis)、ケンポナシ(Hovenia dulcis)、オノエヤナギ(Salix sachalinensis)、ヨレハマツ(Pinus contorta)、アフリカブラックウッド(Erythrophleum africanum)及びカツラ(Cercidiphyllum japonicum)から選ばれる植物の抽出物より単離精製することができる。これらの中でも、藤茶が好ましい。
具体的には、Ampelopsis属植物である藤茶(Ampelopsis grossedentata)から、下記のようにしてアンペロプシンを得ることができる。
すなわち、乾燥させた藤茶の枝葉部を含水エタノールで抽出した抽出物を濃縮し、例えば多孔性樹脂(DIAION(登録商標)HP-20)を用いたカラムクロマトグラフィーにかけ、80容量%含水メタノールで溶出される分画にアンペロプシンが得られる。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶により、更に精製することができる。精製されたアンペロプシンは、試薬としても販売されており、これを用いることもできる。
本発明のナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物としては、上記のアンペロプシンを10質量%以上含有するものであれば使用可能である。このような組成物を藤茶から得るためには以下のような操作を行う。
乾燥した藤茶の葉又は茎の粉砕物又は粉末を抽出原料とし、水又は親水性有機溶媒若しくはこれらの混合溶媒に投入し、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で任意の装置を用いて抽出することにより得ることができる。
抽出に用いる有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。
また、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。なお、水と親水性有機溶媒との混合系溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して30~90質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して10~40質量部、多価アルコールの場合は水10質量部に対して10~90質量部添加することが好ましい。
抽出溶媒を満たした処理槽に、藤茶の乾燥・粉砕物を投入し、必要に応じて時々撹拌しながら、30分~2時間静置して可溶性成分を溶出した後、ろ過して固形物を除去し、この抽出液から抽出溶媒を留去し、乾燥することにより抽出物が得られる。抽出溶媒量は、抽出原料の通常5~15倍量(質量比)であることが好ましく、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50~95℃で1~4時間程度である。また、抽出溶媒として水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合には、通常40~80℃で30分~4時間程度である。
得られた抽出液から抽出溶媒を留去するとペースト状の濃縮物が得られる。更に乾燥すれば、固形の抽出物が得られる。本発明においては、アンペロプシンの含有量が10質量%以上、好ましくは20質量%以上であれば、上記抽出液又はその濃縮液の状態であっても良い。これらは、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交換樹脂、液―液向流分配などの方法により精製してから用いても構わない。
したがって、上記の藤茶から抽出しアンペロプシンの濃度を高めた抽出物も本発明の組成物として使用可能である。
組成物中のアンペロプシンの含有量は、HPLCなど公知の分析方法で分析することができる。定量方法の概略は次のとおりである。
・試料溶液の調製
試料(抽出物)約20mgを精秤し、蒸留水を加えて超音波処理して溶解し、正確に50mLとする。この溶液2mLを50mLに正確に希釈し、試料溶液とする。
・標準溶液の調製と検量線作成
標準品(Dihydromyricetin SIGMA-ALDRICH社製)2.00mgを精秤し、100%アセトニトリルを適量加えて超音波処理して溶解し、さらにアセトニトリルを加えて正確に25mLとし、アンペロプシン標準原液80μg/mLを調製する。この標準原液を蒸留水にて正確に5倍希釈して、16μg/mLアンペロプシン標準溶液を調製する。HPLCへの注入量を10、20、40μLとし、アンペロプシンのピークに基づいて検量線を作成する。
・HPLC測定条件
下記表1の条件に設定する。
Figure 0007137368000002
本発明のナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物は、そのまま、あるいは各種賦形剤を添加して製剤化する。製剤としては顆粒剤、錠剤、カプセル剤を例示することができる。
また組成物をそのまま飲食品として用いること、あるいは製剤化したものを医薬又は飲食品として用いることもできる。
なお製剤化に当たっては、賦形剤やその他の有効成分を本発明の組成物の目的を阻害しない範囲で使用することができる。具体的には、シクロデキストリン、へミセルロース、リグニン、グアーガム、コンニャクマンナン、イサゴール、アルギン酸、寒天、カラギーナン、キチン、カルボキシルメチルセルロース、ポリデキストロースなどの食物繊維や増粘剤、食用油、カルシウム、鉄、ナトリウム、亜鉛、銅、カリウム、リン、マグネシウム、ヨウ素、マンガン、セレンなどのミネラル;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などの脂溶性又は水溶性のビタミン群、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、アラビアガム、キサンタンガム、トラガカントガム、ローカストビーンガムなどの乳化剤や分散剤、増量剤、保存料・酸化防止剤、風味調整剤や香料、塩化ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、グリシン、コハク酸、乳酸ナトリウムなどの呈味料、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸、アジピン酸、フマル酸、リンゴ酸などの酸味料、マルチトール、アスパルテームなどの低カロリー甘味料、着色剤などである。
なお本発明の組成物には、アンペロプシンを10~2500mg、好ましくは50~300mg、特に好ましくは100~200mgを含有するように調製する。
以下に本発明の組成物の製造例及びこの組成物を用いた試験例を示し、本発明をさらに説明する。
<藤茶抽出物の製造例>
乾燥藤茶の重量に対して10倍量の70%エタノールで抽出物を得た。その後、抽出物を濃縮させ活性炭を用いて不純物を取り除きながら濾過をした。濃縮物にγシクロデキストリンを適当量配合し、噴霧乾燥で本発明の組成物を製造した。
<ヒト試験>
ヒトにおけるナトリウム排泄量促進効果をプラセボ対照並行群間二重盲検比較試験により検討した。
1.試験方法
(1)試験品(以下「被験食品」)
被験食品はアンペロプシン150mg含有カプセル剤(藤茶エキス末500mg)、プラセボとしてデンプン500mg含有カプセル剤を用いた。
(2)試験対象者
1)選択基準
(1)スクリーニング検査での血圧(収縮期)が130mmHg以上160mmHg
未満である者
(2)同意取得時の年齢が20歳以上80歳未満の検査施設への通所が可能な者
(3)BMIが18.5kg/m以上30.0kg/m未満の者
(4)文書同意を取得した者
2)除外基準
(1)重度な消化器疾患、肝疾患、腎疾患、循環器疾患、血液疾患、内分泌系疾患、
または悪性新生物が疑われる者、またはその既往がある者
(2)腎障害、左室肥大と診断された者
(3)二次性高血圧症の者
(4)ブドウ科の植物にアレルギーを引き起こす恐れのある者
(5)現在降圧薬服薬中、もしくは医師による降圧治療を受けている者
(6)試験期間中、医師による治療または投薬を受ける予定のある者
(7)試験期間中、特定保健用食品、機能性表示食品及びその他のサプリメントを摂
取する予定のある者
(8)試験期間中、食生活(食事回数、食事内容、アルコール摂取量)が変化する可
能性のある者
(9)試験期間中、生活習慣を変更する可能性のある者(夜間勤務、長期の旅行、転
勤など)
(10)現在喫煙中、もしくは過去1年以内に喫煙歴のある者
(11)スクリーニング検査における随時尿検査で推定1日塩分摂取量が男性で8.0
g未満、女性で7.0g未満の者
(12)妊娠中あるいは妊娠の可能性のある女性または授乳中の女性
(13)試験期間中に他の臨床試験に参加する予定のある者
(14)その他、担当医師が不適当と判断した者
(3)評価項目
1)主要評価項目
尿中Na量 測定は電極法による。
2)安全性評価項目
有害事象、臨床検査値
(4)投与試験
1)試験デザイン
プラセボ対照並行群間二重盲検比較試験
2)試験期間(14週間)
藤茶エキス末摂取前を初期観察期とする。その後、被験者を無作為に2群に振り分け、藤茶エキス末500mgもしくはプラセボを12週間摂取させる。
来院はスクリーニング検査、摂取開始日、摂取4週後、摂取8週後、摂取12週後の5回とする。
試験 初期観察期・摂取期(全14週間)
3)摂取方法
選択、除外基準に抵触しないことを確認した上で、1日1回朝食後に前記の被験食品(藤茶エキス末)摂取を開始する。

摂取期間 12週間
摂取方法 1日1回3粒を朝食後に経口摂取
4)併用薬剤・併用療法
併用薬剤の使用及び併用療法は原則禁止とする。但し、医師の判断により必要に応じて治療を開始することができる。薬剤などの使用状況について使用薬物・用量・期間等について調査する。
5)調査項目
(1)背景調査
スクリーニング検査で年齢、性別、現病歴、既往歴、生活歴(喫煙、飲酒、服薬状況、健康食品の使用の使用状況)を調査する。
(2)血液検査
一般血液検査(白血球、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、血小板数)、一般生化学検査(TG、TC、HDL-C、LDL-C、血糖、HbA1c(NGSP)、γ-GTP、AST、ALT、総ビリルビン、総蛋白、アルブミン、A/G比、ALP、LDH、CPK、クレアチニン、尿酸、尿素窒素、Na、K、Cl、LAP)、キマーゼ、レニン、アルドステロンを測定する。
血液検査については、空腹時採血とし、スクリーニング検査と摂取12週後検査の計2回行う。
尿検査についてはスポット尿を用い、尿中Na及び尿中Crを測定する。また、スクリーニング検査のみ安全性確認のため尿中アルブミンを測定する。
(3)胸写・負荷心電図、ABI、PWV
スクリーニング検査で安全性確認のため実施する。心電図測定における負荷方法は階段の昇降とする。
(4)食事調査
来院日に検査前日の食事内容を調査する。
(5)日誌
飲酒内容、食生活の変化、体調の変化、試験食品の摂取状況を調査する。
6)中止基準
・被験者より中止の申し出があった場合
・有害事象で担当医師が試験を継続することが好ましくないと判断した場合
・その他、試験責任医師が中止を必要と判断した場合
7)有害事象
(1)有害事象の重症度
・軽度 :日常的活動が妨げられない程度の有害事象
・中等度:日常的活動が妨げられる程度の有害事象
・重度 :日常的活動が不能となる有害事象
(2)重篤な有害事象
・死亡に至るもの
・生命を脅かすもの
注:その事象の発現時点において患者が死の危険にさらされている場合をいい、仮にもっと重度であれば死を招いたかもしれないという意味ではない。
・治療のため入院または入院期間の延長が必要となるもの
・永続的または顕著な障害・機能不全に陥るもの
・先天異常を来すもの
・その他の医学的に重要な状態と判断される事象又は反応
(3)試験食品との関連性
・なし:試験食品との間に合理的な可能性がない場合
・あり:試験食品との間に少なくとも合理的な可能性があり、因果関係が否定できない場合
・不明:試験食品との因果関係が情報不足のため判定できない場合
(4)転帰
有害事象の転帰を以下の6段階で判定する。
・回復
・軽快
・未回復
・回復したが後遺症あり
・死亡
・不明
(5)重篤な有害事象が発生した際の報告
重篤である有害事象が発生し、試験責任者が当該有害事象を知った後、速やかに試験実施機関の長に報告し、試験担当者に連絡するとともに、重篤な有害事象に関する報告書を作成し、試験実施機関の長に提出する。
8)統計解析
二元配置分散分析を実施する。
2.試験実施症例数
各群6症例で両群合わせて12症例とする。
3.試験結果
A.ナトリウム排泄量の測定結果を図1に示す。
アンペロプシン投与群(藤茶)は投与開始8週目に、排泄量が増加し、12週目にはさらに排泄量が増加した。一方プラセボ群はナトリウム排泄量が減少傾向にあった。
被験食摂取群とプラセボ群の比較の結果、12週間後には、両群間で有意な差が観察された。アンペロプシン含有の藤茶は尿中ナトリウム排泄量を増加させることが明らかとなった。また有害な事象は観察されず、途中中止の被験者はいなかった。
<動物試験>
マウスを用いた動物試験によりアンペロプシン含有藤茶抽出物が消化管でのナトリウム吸収を抑制することを確認した試験例を以下に示す。
1.試験方法
(1)試験品 :藤茶エキス(以下「藤茶」という。)(1gあたりアンペロプシン300mg含有)
(2)使用動物
種 :マウス
系統 :C57BL/6J
微生物学的グレード:SPF
性別 :雄
入手時の週齢 :6週齢
投与時の週齢 :7週齢
使用動物数 :18匹
供給源 :日本エスエルシー株式会社
(3)検疫及び馴化
検疫・馴化期間 :入手日を含めて6日間
観察及び測定 :入手時に動物の健康状態を肉眼的に確認して異常の認められない動物を飼育室に収容し、試験と同様の飼育条件及び飼育環境下で6日間検疫・馴化飼育した。検疫・馴化期間中は、毎日の一般状態観察及び入手日と検疫終了日に電子天秤(UW4200S、(株)島津製作所)を用いて体重測定を行った。検疫・馴化期間中の一般状態に全例異常はみられず、体重増加も良好であった。
(4)識別方法
個体識別 :入手時にフェルトペンで尾根部に個体識別番号を表記した。群分け後は仮番号と本番号との対応表を用いて識別した。
(5)飼料
種類 :固型飼料MF
供給源 :オリエンタル酵母工業株式会社
給餌方法 :飼料をステンレス製給餌器に入れ自由摂取させた。
(6)飲水
1)検疫馴化期間中及び投与開始前
種類 :水道水
給水方法 :水道水を透明ポリカーボネイト製給水瓶に入れ、金属製ノズルを介して自由摂取させた。
2)投与開始後
種類 :2%食塩水
調製方法 :電子天秤にて塩化ナトリウム160 gを秤量し、蒸留水(全自動蒸留水製造装置アクエリアス、GSH-500、アドバンテック東洋(株))に溶かして8000 mLとした。
給水方法 :透明ポリカーボネイト製給水瓶に入れ、金属製ノズルを介して自由摂取させた。
(7)試験群構成
1群6匹を用い、下記表2に示す3群を設定した。
Figure 0007137368000003
(8)供試動物の抽出及び群分け方法
投与開始前日に検疫・馴化期間中の体重増加が順調で一般状態にも異常を認めない動物から無作為に3群に分けた。
(9)試験日数
試験日数は、試験品投与開始日を「Day0」と定義した。
(10)体重測定
測定頻度 :Day -1、7、14、21及び28
検査匹数 :18匹
測定方法 :電子天秤(UW4200S、(株)島津製作所)を用いて測定した。
(11)試験品の投与方法
投与経路 :経口投与
投与匹数 :18匹
投与量 :600mg/kg
投与容量 :10mL/kg(最新の体重にて投与量を算出した)
投与方法 :ポリプロピレン製ディスポーザブル注射筒及びマウス用胃ゾンデを用いて強制投与した。
投与回数 :1回/日の28日間(Day0~Day27)。
(12)摂水量の測定
測定頻度 :投与開始日以降、3日に一度の割合で測定した。
実施匹数 :18匹
測定方法 :電子天秤(UW4200S、(株)島津製作所)を用いて測定した。
(13)採糞
採取頻度 :投与開始前及びDay26~27
実施匹数 :18匹
採取・処理方法 :代謝ケージを用い、24時間の糞を採取した。糞は回収し電子天秤(AG204DR、メトラー・トレド株式会社)を用いて湿重量を測定後、超低温槽で凍結保存した。
(14)糞測定試料の調製
糞を濃縮遠心機(CC-105株式会社トミー精工)にて2時間以上乾燥させ、乾燥重量を測定後、一部を採取した。一部採取分の重量を測定後、重量の2.5倍量の注射用水を加えて冷蔵下に24時間放置し、遠心分離(4°C、15000rpm、10分間)して得た上清を測定試料とした。
(15)糞中ナトリウム(Na)の測定
糞測定試料を用いて、糞中Na量を全自動電解質分析装置(EA07、株式会社アットウィル)で測定した。糞中Na量は糞重量及び添加蒸留水量より、重量当たりの量を算出した。
(16)統計学的処理
測定値は、群ごとの平均±標準誤差(mean±S.E.)で表し、コントロール1.水道水負荷群、コントロール2.2%食塩水負荷群、藤茶+2%食塩水負荷群の有意差検定を実施した。
2.試験結果
(1)体重
試験群のいずれの動物も順調な体重増加を示した。
(2)摂水量
試験群のコントロール1.水道水負荷群とコントロール2.2%食塩水負荷群を比較すると、コントロール2.2%食塩水負荷群はDay4から最終測定日(Day25)まで飲水量が有意な高値(p<0.01)を示した。コントロール1.水道水負荷群と藤茶+2%食塩水負荷群を比較すると、藤茶+2%食塩水負荷群はDay4から最終測定日(Day25)まで飲水量が高値を示した。コントロール2.2%食塩水負荷群と藤茶+2%食塩水負荷群を比較すると、差は認められなかった。
(3)糞中Na総量
投与開始前では、いずれの群間でも糞中Na総量に差は認められなかった。
投与Day27では、コントロール1.水道水負荷群とコントロール2.2%食塩水負荷群間では、コントロール2.2%食塩水負荷群の糞中Na総量は高値(p<0.01)を示した。
コントロール1.水道水負荷群と藤茶+2%食塩水負荷群を比較すると、藤茶+2%食塩水負荷群の糞中Na総量は、高値(p<0.01)を示した。
コントロール2.2%食塩水負荷群と藤茶+2%食塩水負荷群を比較すると、図2に示すとおり、藤茶+2%食塩水負荷群の糞中Na量は高値を示した(P<0.1)。
以上の試験から、試験品藤茶エキスに含有されるアンペロプシンは、経口で摂取した食塩の吸収を阻害することが明らかとなった。

Claims (4)

  1. アンペロプシンを有効成分として含有するナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナト
    リウム吸収抑制用組成物。
  2. アンペロプシンを10質量%以上含有するナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナト
    リウム吸収抑制用組成物。
  3. 乾燥藤茶のエタノール又は含水エタノール抽出物を含む、ナトリウム排泄促進用組成物及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
  4. アンペロプシンを10質量%以上含有する請求項3記載のナトリウム排泄促進用組成物
    及び/又はナトリウム吸収抑制用組成物。
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