JP7137205B2 - 弁部材及び弁部材を備えた流体管路装置 - Google Patents

弁部材及び弁部材を備えた流体管路装置 Download PDF

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Description

本発明は、流体圧を利用してより確実に管路を閉止することを可能にする弁部材およびその弁部材を用いた管継手などの流体管路装置に関し、特に、使用による劣化を少なくするためにゴムや樹脂などの材料を用いずに管路の確実な閉止を可能とするのに適した弁部材及び流体管路装置に関する。
流体を扱う流体管路装置では、相互に連結されて管路を形成する管部材間の確実な密封、管継手のように管路が開閉される流体管路装置での管路閉止状態における確実な密封が重要である。このような密封を行うためには、従来からゴムや合成樹脂などを用いたシール材、弁部材が多く用いられてきた。
しかし近年ではこのようなゴムや合成樹脂などの従来からの材料を用いたものでは適切な密封ができないような流体を扱う流体管路装置が出てきている。例えば、ロケット燃料として用いられる液体水素は零下253℃以下での取り扱いが求められ、また、水素自動車で燃料として用いられる水素ガスは30MPaまたは70MPaの超高圧での取り扱いが求められる。
これに対してゴムや樹脂などを用いない流体管路装置が開発なされている(例えば、特許文献1~5参照)。これらは主にメタルシールに関するものである。
特開2002-364750 特開2008-303894 特開平3-113176 特許第5842285 WO2015075996A1
本発明は、常温における液体や気体を扱う流体管路装置にも用いることができるが、上述のような液体水素や水素ガスの他、液体窒素、液体酸素、LNGガス(液化天然ガス)などの超高圧下や極低温下の流体を扱う流路装置の開閉を適切に且つ繰り返し行うことを可能とする弁部材及びそれを用いた管継手などに流体管路装置を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、
管路内に設定されて該管路を開放する開位置と該管路を閉止する閉位置との間で該管路の長手軸線方向で変位するようにされた弁部材であって、
弁部材本体と、
該弁部材本体の周縁に設けられた可撓性を有する環状の密封部を備え、
該密封部が、該弁部材が該閉位置にあるときに該管路の周壁面に係合して該管路を閉止し、該管路内の流体の圧力を受けて該管路の周壁面に押圧されるようになされた弁部材を提供する。
この弁部材では、管路内をその長手軸線方向で開位置から閉位置に変位されたときに、該密封部が該管路の該周壁面に係合し、該管路内の流体の圧力により該密封部が該周壁面に押圧されるようにしているために当該管路の閉止をより確実に行うことを可能とする。
具体的には、
該密封部が該弁部材本体の該周縁に隣接する環状の基端部分から径方向外側の環状の先端部分に延びるに従い先細りとなる断面を有し、該先端部分が該管路の該周壁面に係合し該管路内の流体の圧力を受けて押圧されるようにすることができる。これは、先細りとすることにより管路内の流体の圧力による密封部の管路の周壁面への押圧を効率的に行えるようにしようとするものである。
より具体的には、該密封部が該基端部分から該先端部分に向かうに従い該閉位置から該開位置に向かう方向に傾斜しており、該密封部の外周面が円錐形状とされるようにすることができる。これは、管路の周壁面が密封部の外周面に対応して円錐形状にされた密封面部(弁座部)を有する場合に、その密封面部に当該弁部材の密封部が効率的に密封係合することを可能にするためのものである。
上記の弁部材は金属からなるようにすることができる。金属製とすることにより、上述の極低温や超高圧の流体に対しても耐久性をもって密封閉止することが可能とするものである。
本発明はまた、
管路を有する管部材と、
該管路内に設定されて該管路を開放する該開位置と該管路を閉止する該閉位置との間を該管路の長手軸線方向で変位するようにされた上述のいずれかの弁部材と、
を有する流体管路装置を提供する。
具体的には、
該管部材内に設けられて該弁部材を該開位置から該閉位置に付勢する付勢部材を有し、
該管部材は、該管路を画定する周壁面が、該弁部材が該管路内の流体圧を受けずに該付勢手段により該閉位置にされた状態において、該弁部材の該密封部と係合する密封面部を有し、
該管部材は、該閉位置にされた該弁部材が該弁部材によって閉止された該管路内の流体圧により該閉位置から変位されるのを阻止する係止部を更に有するようにすることができる。
該弁部材を該閉位置に留めて該密封部が該管路内の流体圧により該密封面部に押圧されるようにするものである。
より具体的には、該弁部材の該密封部は該弁部材本体の該周縁に隣接する環状の基端部分と、径方向外側の環状の先端部分とを有しており、該基端部分から該先端部分に向かう従い該閉位置から該開位置に向かう方向に傾斜して、該密封部の外周面が円錐形状とされており、該周壁面の該密封面部は該外周面に対応するように円錐形状とされており、該密封面部の該円錐形状をなす角度は、該弁部材が該管路内の流体圧を受けずに該付勢手段により該閉位置にされた状態において、該外周面が該先端部分において該密封面部に係合し、該先端部分から該基端部分においては隙間が生じるような角度となるようにすることができる。閉止された該管路内の流体圧がかけられたときに該先端部分が確実に該密封係合面に押し付けられるようにするものである。
上記流体管路装置は、該管部材が該管路の一端の連結用開口と、該連結用開口に隣接して該管路内に設けられた弁部材支持部とを有し、該弁部材が、該弁部材支持部より内側の該管路内に配置され、該弁部材本体から該連結用開口の方向に延びて該弁部材支持部に該長手軸線方向で貫通するように設けられた弁部材支持孔内に摺動可能に通された支持ガイド部を有するようにして当該流体管路装置を管継手部材として構成し、
該支持ガイド部は、当該管継手部材に連結される対応する管継手部材と連結されたときに、該対応する管継手部材によって押し込まれて、該弁部材が該閉位置から該開位置に向けて変位されるようにすることができる。
該弁部材支持部は、該閉位置とされた該弁部材が該弁部材によって閉じられた該管路内の流体圧によって該連結用開口に向けて押圧されたときに該弁部材本体と係合して該弁部材が該閉位置から変位するのを阻止するようにされる。弁部材を閉位置から変位するのを阻止することにより、弁部材が閉止した管路内の流体の圧力を確実に受けて密封部が管路の周壁面の密封面に確実に押圧されるようにするものである。閉位置とは、弁部材がそのような流体の圧力を確実に受けるようにする位置であり、開位置から閉位置に向かって変位した弁部材の密封部が密封面部に最初に係合した位置だけでなく、密封部と密封面部との係合関係が保たれて当該弁部材が係止部材に係合するまでの位置をも含むものとする。
また、該管部材は、該開位置にある該弁部材よりも該管路の内側位置に設けられ、該連結用開口から離れる方向で該開位置から変位される該弁部材に係合して該弁部材の更なる変位を阻止する変位阻止部材を有すようにすることができる。
上述の流体管路装置では、該管部材が、相互に連結されて該管路を画定する少なくとも2つの管エレメントを有し、該少なくとも2つの管エレメントの一方が他方を部分的に受け入れて連結されるようになされており、該一方の内周面には雌ネジ部が、他方の外周面には該雌ネジ部にねじ係合される雄ネジ部が設けられており、該内周面及び該外周面の一方には該管エレメントの長手軸線方向で傾斜の付けられた環状傾斜面が、他方には該雄ネジ部が該雌ネジ部にねじ込まれたときに該環状傾斜面に該長手軸線方向で押圧されて該環状面に密封係合される環状角部が設けられるようにすることができる。環状傾斜面に対する環状角部の押圧により効果的な密封部を形成できるようにするものである。
以下、本発明を添付図面に示した実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明に係る管路部材の一実施形態としての管継手部材を一対備えてなる管継手を示す縦断面図であり、一対の管継手部材が連結された状態を示している。 図2は、図1の管継手における一方の管継手部材の縦断面図である。 図3は、図1の管継手における他方の管継手部材の縦断面図である。 図4の(1)~(4)は、弁部材の密封部と、該密封部が係合する管部材の管路の周壁面との種々の形状を示す断面図である。
図1は、図示しないロケットに液体燃料としての液体水素を供給するのに適した燃料供給管路で用いられる管継手10を示しており、本発明にかかる流体管路装置は、管継手10を構成する図で見て左右の管継手部材12、14としてそれぞれ具体化されている。図示の例では、左側の管継手部材12はロケットに装着されてロケット内の燃料タンクに連通され、右側の管継手部材14は地上の(図示しない)液体水素の貯留タンクから延びる液体水素供給ホースの先端に連結されるようになっている。管継手部材12、14はその基本的構成は同じであり、以下においては左側の管継手部材12について述べ、右側の管継手部材14の相違部分については左側の管継手部材12の説明の後に補足的に述べることにする。
管継手部材12は、管部材16と、管部材16の管路18内に設定された弁部材20とを有し、好ましくは、これらは全て金属(例えば、SUS316Lなどステンレススチール)で作られる。管部材16は、図示しないロケット内で燃料タンクから延びる管路に連結される第1管エレメント16aと、第1管エレメント16aに連結されて第1管エレメント16aと共に当該管継手部材12の管路18を形成する第2管エレメント16bとからなる。弁部材20は管路18を開放した図1に示す開位置と該開位置から図で見て右側に変位して管路18を閉止する図2に示す閉位置との間で管路18の長手軸線方向で変位可能とされている。
弁部材20は、管部材16内に設けられた付勢部材(具体的にはコイルスプリング)21によって開位置から閉位置に向けて付勢されている。弁部材20は管路18内を横断方向に拡がる断面を有する円盤状の弁部材本体22と、弁部材本体22の周縁から当該弁部材本体22の径方向外側に延びる環状の密封部24とを有する。密封部24は弁部材本体22の周縁に隣接する環状の基端部分24aと、該基端部分24aよりも径方向外側の環状の先端部分24bとを有しており、基端部分24aから先端部分24bに向かう従い、閉位置から開位置に向かう方向(図で見て左方向)に傾斜して且つ先細りとなる断面を有するようにされており、密封部24の外周面24e及び内周面24iがそれぞれ円錐形状とされている。密封部24は、弁部材20が閉位置(図2)にあるときには管路18の周壁面18aに係合して管路18を閉止し、管路18内の流体の圧力を受けて周壁面18aに押圧されるようになされている。図示の例では、周壁面18aは弁部材20の密封部24の外周面24eにほぼ対応するように円錐形状とされた密封面部(弁座面部)18bを有しており、弁部材20の密封部24は密封面部18bに係合されるようにされている。図2は、弁部材20が付勢部材21によって閉止位置に戻され、流体の圧力はかけられていない状態を示している。密封面部18bの上述の円錐形状をなす角度は、弁部材20が管路18内の流体圧を受けずに付勢手段21により閉位置にされた状態において、図2に示すように弁部材20の外周面24eがその先端部分24bにおいて密封面部18bに係合し、外周面24eの他の部分では密封面部18bとの間に微小な隙間が生じるような角度とされている。
図示の例では、第1管エレメント16aは第2管エレメント16b内に部分的に受け入れられて連結されており、第1管エレメント16aの外周面に設けた雄ネジ26aを第2管エレメント16bの内周面に設けた雌ネジ26bにねじ込んで第1及び第2管エレメント16a、16bの連結を行うようになっており、この連結が行われた状態では第1管エレメント16aに形成された環状角部28が第2管状部材16bの内周面に形成された環状傾斜面30に押圧され密封係合されるようにされている。この実施形態とは逆に、この環状角部28を第2管状部材16bの内周面に設け、環状傾斜面30を第1管エレメント16aの外周面に設けるようにすることもできる。図示の例では第1及び第2管エレメント16a、16bはステンレススチール等の金属により作られており、環状角部28と環状傾斜面30との押圧係合により、ゴムや合成樹脂などのシール材無しに、確実な密封部が形成されるようになっている。
また、図2に明瞭に示すが、管部材16は管路18の図で見て右端の連通用開口34と、連通用開口34に隣接して管路18内に設けられた弁部材支持部32とを有しており、弁部材20が、弁部材支持部32より内側の管路18内に配置されている。弁部材支持部32にはその中心部分に管路18の長手軸線方向で貫通された弁部材支持孔36と、弁部材支持孔36の周囲に間隔をあげて設けられ長手方向で貫通した複数の連通孔40とが設けられている。弁部材20は、弁部材本体22から連通用開口24の方向(右方向)に延びて弁部材支持部32の弁部材支持孔36内に摺動可能に通された細長い支持ガイド部42を有しており、該支持ガイド部42は、図で見て右側の管継手部材14が管継手部材12に連結されたときに押し込まれて、当該弁部材20が閉位置から開位置に変位されるようにする。
弁部材支持部32は、図2に示すように、弁部材20が付勢部材21によって閉位置に戻された状態では、弁部材本体22が当該弁部材支持部32に係合しない位置(弁部材支持部32との間に僅かの隙間を生じるような位置)とされており、弁部材20によって閉じられた管路18内の流体の圧力が当該弁部材20にかかったときに密封部24がその弾性変形により密封面部18bにより強く押圧されると共に弁部材20も弁部材支持部32に向かって僅かに変位して密封部24がさらに強く密封面部18bに押圧密着されるようにすると共に、弁部材20がそのような密封係合が行われる閉位置から過剰に変位するのを阻止し、弁部材20を実質的に、当該弁部材20の密封部24が密封面部18bに係合する閉位置に保持するようにしている(すなわち、弁部材支持部32は特許請求の範囲の記載における「係止部」を構成している)。
第1管エレメント16aには管路18を長手軸線方向に延びる筒状部材44が設けられており、付勢部材21としてのコイルスプリングは筒状部材44の周りに設定されて第1管エレメント16aと弁部材20との間に圧縮設定され、弁部材20を図2の示す位置に付勢するようになっている。この筒状部材44は、図2に示すように、管路18の長手軸線方向で弁部材20から僅かに離れた位置とされており、弁部材20が図1に示す開位置にあるときに管路内の流体圧の変動などで開位置から過剰に左方に変位されるのを防止する作用もなす(すなわち、筒状部材44は特許請求の範囲の記載における「変位阻止部材」を構成している)。
図3には、右側の管継手部材14が示されており、管継手部材12の構成要素と実質的に同じ構成要素には同じ参照番号を付して示してある。管継手部材14が管継手部材12と異なる点は、それら管継手部材12、14を連結固定するためのロック機構50を備えることである。このロック機構50は、第2管エレメント16bの図で見て左端部周縁に沿って間隔をあけて取り付けられた複数のロックエレメント52を有している。ロックエレメント52は図3に示すロック解除位置と、図1に示すロック位置との間で枢動可能とされている。具体的には、ロックエレメント52は、第2管状部材16bに枢着された基部ブロック54と、基部ブロック54に設けられた挿通孔56に通された締付ボルト58のネジ部58aの先端部がねじ係合された係合ブロック60とを有している。また、ロック機構50は第2管エレメント16bの右端外周に固定された筒状ベース部材62と、筒状ベース部材62の外周に取り付けられ、筒状ベース部材62の長手方向で摺動可能とされたロック解除リング64とを有している。左右の管継手部材12、14が連結されるときは、筒状ベース部材62は左側の管継手部材12の右端部を受け入れるように嵌合し、ロックエレメント52を係合ブロック60が管継手部材12のロック用環状突起66に係合する位置として締付ボルト58を回して、係合ブロック60がロック用環状突起66に押し付けられるようにする。左右の管継手部材12、14を連結解除するときは、ロック解除リング64を図1の位置から筒状ベース部材62上で、図で見て右方に変位させる。基部ブロック54の内側面54aは傾斜が付けられており、ロック解除リング64を右方に変位させて該傾斜した内側面54aと摺動させると、くさび効果によりロックエレメント52は図1で見て時計方向に強制的に回動され、係合ブロック60がロック用環状突起66から外されて、管継手部材12、14の連結が解除される。
本発明に係る図1に示す管継手10においては、左右の管継手部材12、14を連結したときにそれらの間を外部から密封するために、上述した弁部材20と同様のメカニズムで行われている密封方法が用いられている。すなわち、左側の管継手部材12の右端の連通用開口34を画定している周壁面18aは円錐状とされており、その内側には右側の管継手部材14の左端に形成された先細りの環状密封部68が嵌合されている。この環状密封部68は左右の管継手部材12、14が連結されて流体が流されると、該流体の圧力により半径方向外側に付勢され、周壁面18aに押圧されて密封係合されるようになっている。
以上においては、ロケットへの液体水素供給のための流体管路で用いられる管継手を本発明の実施形態として説明した。この実施形態で示した管継手の弁部材を含む全てのエレメントをSAS316Lで作成し、零下253℃の極低温から常温へ、または70MPaの超高圧から常圧への反復使用実験を行ったが、弁部材の劣化は極めて少ないことが示された。この実施形態として示された管継手(流体管路装置)では、従来の管継手で使用されていたゴムや合成樹脂製のシール部分がなく、このためロケットへの液体水素供給や水素自動車への水素ガス供給といった過酷な条件のもとでも反復継続使用を可能とする。しかし、本発明は超高圧や極低温ではない流体を扱う管路においても適用可能であり、そのような場合には必ずしも金属で作る必要はない。また、弁部材20の密封部24と、該密封部24が係合する管部材16の管路18の周壁面18における密封面部(弁座面部)18bとの形状は、図4の(1)~(4)に例示するように種々のものとすることができる。
管継手10
管継手部材12、14
管部材16
第1管エレメント16a
第2管エレメント16b
管路18
周壁面18a
密封面部(弁座面部)18b
弁部材20
付勢部材21
弁部材本体22
密封部24
基端部分24a
先端部分24b
外周面24e
内周面24i
雄ネジ26a
雌ネジ26b
環状角部28
環状傾斜面30
弁部材支持部32(係止部)
連通用開口34
弁部材支持孔36
連通孔40
支持ガイド部42
筒状部材44
ロック機構50
ロックエレメント52
基部ブロック54
内側面54a
挿通孔56
締付ボルト58
ネジ部58a
係合ブロック60
筒状ベース部材62
ロック解除リング64
ロック用環状突起66
環状係止部68

Claims (13)

  1. 管路内に配置されて該管路を開放する開位置と該管路を閉止する閉位置との間で該管路の長手軸線方向で変位する弁部材であって、
    弁部材は弁部材本体と、該弁部材本体と連続する密封部を備え、
    該弁部材は金属で構成され、
    該密封部は該弁部材本体側から先端部分に向けて先拡がりの径になる環状であり、
    該密封部は弾性変形可能な可撓性があり、該弁部材が該閉位置にあるときは該管路の周壁面に係合して該管路を閉止し、該管路内の流体の圧力を受けると弾性変形して該周壁面に押圧されるようになされた弁部材。
  2. 密封部の傾斜は、該弁部材が該閉位置にあるときは該密封部の先端部分側が該管路の周壁面に係合して該管路を閉止し、弁部材本体側が該周壁面に係合せずに該周壁面との間に隙間が生じる傾斜であり、該係合状態で管路内の流体の圧力を受けると弾性変形して、係合していない弁部材本体側も該周壁面に押圧されて該周壁面と密着する傾斜である請求項1に記載の弁部材。
  3. 封部が弁部材本体側から先端部分に延びるに従い先細りとなる断面を有し、該先端部分が管路の周壁面に係合する請求項1又は請求項2に記載の弁部材。
  4. 封部が弁部材本体側から先端部分に向かうに従い該閉位置から該開位置に向かう方向に外側拡がりに傾斜しており、該密封部の外周面が円錐形状とされている請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の弁部材。
  5. 管路を有する管部材と、
    該管路内に配置されて該管路を開放する該開位置と該管路を閉止する該閉位置との間を該管路の長手軸線方向で変位するようにされた請求項1乃至4の何れか一項に記載の弁部材と、
    を有する流体管路装置。
  6. 部材の管路内に設けられて弁部材を開位置から閉位置に付勢する付勢部材を有し、
    該管部材は、該管路を画定する周壁面が、該弁部材が該管路内の流体圧を受けずに該付勢部材により該閉位置にされた状態において、該弁部材の該密封部と係合する密封面部を有し、
    該管部材は、該閉位置にされた該弁部材が該弁部材によって閉止された該管路内の流体圧により該閉位置から変位されるのを阻止する弁部材支持部を更に有する請求項5に記載の流体管路装置。
  7. 部材の密封部は弁部材本体の周縁に隣接する環状の基端部分と、径方向外側の環状の先端部分とを有しており、該基端部分から該先端部分に向かう従い該閉位置から該開位置に向かう方向に傾斜して、該密封部の外周面が円錐形状とされており、管路の周壁面の密封面部が密封部の外周面に対応するように円錐形状とされており、該密封面部の該円錐形状をなす角度は、該弁部材が該管路内の流体圧を受けずに該付勢部材により該閉位置にされた状態において、該外周面が該先端部分において該密封面部に係合し、該先端部分から該基端部分においては隙間が生じるような角度となるようにされている請求項6に記載の流体管路装置。
  8. 部材が管路の一端の連通用開口と、該連通用開口に隣接して該管路内に設けられた弁部材支持部とを有し、弁部材が、該弁部材支持部より内側の該管路内に配置され、該弁部材本体から該連通用開口の方向に延びて該弁部材支持部に該長手軸線方向で貫通するように設けられた弁部材支持孔内に摺動可能に通された支持ガイド部を有するようにして当該流体管路装置を管継手部材として構成し、
    該支持ガイド部は、当該管継手部材に連結される対応する管継手部材と連結されたときに、該対応する管継手部材によって押し込まれて、該弁部材が該閉位置から該開位置に向けて変位されるようにされた請求項5乃至7の何れか一項に記載の流体管路装置。
  9. 部材支持部は、閉位置とされた弁部材が弁部材によって閉じられた管路内の流体圧によって連通用開口に向けて押圧されたときに弁部材本体と係合して該弁部材が該閉位置から変位するのを阻止するようにされている請求項8に記載の流体管路装置。
  10. 部材は、開位置にある弁部材よりも管路の内側位置に設けられ、連通用開口から離れる方向で該開位置から変位される該弁部材に係合して該弁部材の更なる変位を阻止する変位阻止部材を有する請求項8又は9に記載の流体管路装置。
  11. 部材は、相互に連結されて管路を画定する少なくとも2つの管エレメントを有し、該少なくとも2つの管エレメントの一方は他方を部分的に受け入れて連結されるようになされており、該一方の管エレメントの内周面には雌ネジ部が、他方の外周面には該雌ネジ部にねじ係合される雄ネジ部が設けられており、該内周面及び該外周面の一方には該管エレメントの長手軸線方向で傾斜の付けられた環状傾斜面が、他方には該雄ネジ部が該雌ネジ部にねじ込まれたときに該環状傾斜面に該長手軸線方向で押圧されて該環状傾斜面に密封係合される環状角部が設けられている請求項5乃至10のいずれか一項に記載の流体管路装置。
  12. 二つの管継手部材を連結した流体管路装置において、
    管継手部材が請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の流体管路装置の管継手部材であり、
    両管継手部材は、夫々の管継手部材の弁部材支持部及び支持ガイド部同士が突き合わされて連結され、一方の管継手部材の弁部材支持部から突設された環状密封部が、他方の管継手部材の弁部材支持部に設けられた連通用開口に密に嵌入されている流体管路装置。
  13. 請求項12記載の流体管路装置において、
    一方の管継手部材の連通用開口は周壁面を備え、他方の管継手部材は環状密封部を備え、
    該環状密封部は連結された両管継手部材の管路内に流体が流されると、該流体の圧力により半径方向外側に付勢されて周壁面に押圧されて密封係合されるようになっている流体管路装置。
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