JP7136143B2 - クレーンの上部スプレッダ格納方法、および、クレーンの上部スプレッダ格納装置 - Google Patents

クレーンの上部スプレッダ格納方法、および、クレーンの上部スプレッダ格納装置 Download PDF

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Description

本発明は、クレーンの上部スプレッダを格納する、クレーンの上部スプレッダ格納方法、および、クレーンの上部スプレッダ格納装置に関する。
特許文献1には、作業現場で分解および組立てが行われるクレーンであって、第2スプレッダ(上部スプレッダ)が係合可能なスプレッダ保持部をガントリ又はマストに設けたクレーンが開示されている。第2スプレッダをスプレッダ保持部に係合させる際に、起伏ロープに張力を付与することで、クレーンの分解後も起伏ロープに張力を保持させている。これにより、分解したクレーンを搬送する間に起伏ロープが第1スプレッダ及び第2スプレッダから外れて次の組立て時に起伏ロープを掛け直す必要が生じることが防止される。
また、特許文献2には、輸送時に、ブライドルユニット(上部スプレッダ)とベイルユニット(下部スプレッダ)とが一体化されてマストベースの背面側に載置される移動式クレーンが開示されている。ブライドルユニットとベイルユニットとを一緒に輸送することで、ブーム起伏ロープを抜き取る必要がなくなる。また、クレーンの分解、組み立て作業において複数のシーブにブーム起伏ロープを掛け回す作業が不要になる。
特開2019-77541号公報 特開2012-116605号公報
しかしながら、特許文献1のものは、補助クレーンで吊り下げた上部スプレッダを、ブーム側に設けられた雑役ウインチで引っ張りながら、起伏ウインチで起伏ロープを巻き取っている。そのため、補助クレーンの操作と、雑役ウインチの操作と、起伏ウインチの操作とを同期させる必要がある。しかし、補助クレーンで吊り下げられた上部スプレッダを雑役ウインチで引っ張るのは、吊り荷を横方向から引っ張る、所謂横引きに相当し、補助クレーンが不安定になりやすい。そこで、上部スプレッダの引っ張りを弱くして、起伏ロープを緩んだ状態で巻き取るしかなく、起伏ウインチの乱巻きの発生の原因となりやすい。また、補助クレーンにより吊り下げた上部スプレッダを、吊り下げた姿勢(立った姿勢)からガントリに格納する姿勢(格納姿勢)(横に倒れた姿勢)にして、格納位置に位置させることも容易ではない。また、スプレッダ保持部の位置に合わせて起伏ロープの長さを調整する必要があるが、起伏ロープの巻き取りは運転室にいるオペレータが行うため、起伏ロープの長さを直接確認することができず、別の作業者がオペレータに伝える等する必要があるが、起伏ロープを適切な長さに巻き取ったかどうかは起伏ロープが緩んだ状態のため判断が難しく、適切なタイミングで伝えることは容易ではない。また、上部スプレッダは重量が重いので、スプレッダ保持部から位置ずれしていると人手による位置合わせが困難であり、位置合わせができておらず、適切な固定ができていなければ、輸送中の振動や衝撃により落下する恐れがある。
また、特許文献2のものは、上部スプレッダと下部スプレッダとを一体化するまでロープを起伏ウインチで巻き取らねばならず、上部スプレッダと下部スプレッダとがぶつかり破損することとのないよう慎重に作業する必要があり、作業とそれにかかる時間が増えることで作業負荷が増加する。また、補助クレーンで吊り下げた上下部スプレッダを起伏ウインチで強く引っ張りすぎると補助クレーンが不安定になりやすい。そこで、特許文献1と同様に、上下部スプレッダの引っ張りを弱くして、起伏ロープを緩んだ状態で巻き取るしかなく、起伏ウインチの乱巻きの発生の原因となりやすい。また、上下部スプレッダが一体であると、スプレッダ単体よりも重量が重くなり、大きさも大きくなることから、人力では移動不可能である。また、特許文献1と同様に、格納位置に合わせて起伏ロープの長さを調整する必要があるが、起伏ロープの巻き取りは運転室にいるオペレータが行うため、起伏ロープの長さを直接確認することができず、別の作業者がオペレータに伝える等する必要があるが、適切な長さに巻き取ったかどうかは起伏ロープが緩んだ状態のため判断が難しく、適切なタイミングで伝えることは容易ではない。
上記のように、上部スプレッダの引っ張りを弱くして、起伏ロープを緩んだ状態で巻き取ると、上下部スプレッダから起伏ロープが脱索したり、起伏ウインチが乱巻きしたりすることが起こりやすくなる。そこで、クレーン120の側面図である図9に示すように、一旦、上部スプレッダ140を立てた姿勢で補助クレーン150で吊り下げて、下部スプレッダ128の上方まで持っていき、起伏ロープ141に張力を掛けながら起伏ロープ141を徐々に巻き取る。起伏ロープ141を所定の長さまで巻き取った後に、上部スプレッダ140を格納位置まで移動させて、ガントリ126上に載置し固定することが考えられる。
しかし、上部スプレッダ140をガントリ126に固定するには、上部スプレッダ140を、吊り下げた姿勢(立った姿勢)から、格納姿勢(横に倒れた姿勢)にして、ガントリ126上に載置しなくてはならない。そのため、吊り下げている上部スプレッダ140を一旦どこかに置いて格納姿勢にしてから吊り直すといった作業が必要になる。また、上部スプレッダ140の固定位置が決まっているため、起伏ロープ141を所定の長さにする必要があるが、起伏ロープ141が緩んでいるので適切な長さであるのか判断が難しい。そのため、起伏ロープ141が短い場合には、所定の格納位置におけず、再度作業をし直す必要がある。一方、起伏ロープ141が長い場合には、起伏ロープ141が絡まったり引っかかったりしやすく、同じく作業をやり直す必要があった。
本発明の目的は、上部スプレッダの格納時の作業性を向上させることが可能なクレーンの上部スプレッダ格納方法、および、クレーンの上部スプレッダ格納装置を提供することである。
本発明のクレーンの上部スプレッダ格納方法は、下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられたブームと、前記上部旋回体に折り畳み可能に取り付けられた一対のガントリ主柱を有するガントリと、前記ガントリの先端部に取り付けられた下部スプレッダと、前記ブームの先端部に一端が接続されたブームガイラインの他端に取り付けられた上部スプレッダと、前記下部スプレッダと前記上部スプレッダとの間に掛け渡されたブーム起伏ロープと、前記上部旋回体に設けられ、前記ブーム起伏ロープを巻き取り又は繰り出すブーム起伏用ウインチと、を有するクレーンにおける上部スプレッダ格納方法であって、前記上部スプレッダの前記ブーム起伏ロープが掛け回される側の部分である上部スプレッダ基端部に、前記上部スプレッダから突出するように当接部材が固定されており、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納された際に、前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側とその反対側とを結ぶ方向を厚み方向としたときに、前記当接部材における突出方向の先端部には、前記当接部材の先端に向かうほど前記厚み方向の長さが短くなる形状の倒伏誘導部が設けられており、前記当接部材が前記上部スプレッダの下側となるようにして、前記上部スプレッダを吊り下げる吊り下げステップと、吊り下げた状態の前記上部スプレッダを前記下部スプレッダの上方に配置し、前記ブーム起伏ロープに張力を掛けながら前記ブーム起伏ロープを所定の長さまで巻き取る巻き取りステップと、前記ブーム起伏ロープを前記所定の長さまで巻き取った後に、折り畳まれた状態の前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部を当接させる当接ステップと、を有し、前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部を当接させた状態で前記上部スプレッダを下降させると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記倒伏誘導部が前記ガントリ主柱上を移動することで、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納される格納姿勢になることを特徴とする。
また、本発明のクレーンの上部スプレッダ格納装置は、下部走行体と、前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられたブームと、前記上部旋回体に折り畳み可能に取り付けられた一対のガントリ主柱を有するガントリと、前記ガントリの先端部に取り付けられた下部スプレッダと、前記ブームの先端部に一端が接続されたブームガイラインの他端に取り付けられた上部スプレッダと、前記下部スプレッダと前記上部スプレッダとの間に掛け渡されたブーム起伏ロープと、前記上部旋回体に設けられ、前記ブーム起伏ロープを巻き取り又は繰り出すブーム起伏用ウインチと、を有するクレーンにおける上部スプレッダ格納装置であって、前記上部スプレッダの前記ブーム起伏ロープが掛け回される側の部分である上部スプレッダ基端部に固定され、前記上部スプレッダから突出する当接部材を有し、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納された際に、前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側とその反対側とを結ぶ方向を厚み方向としたときに、前記当接部材における突出方向の先端部には、前記当接部材の先端に向かうほど前記厚み方向の長さが短くなる形状の倒伏誘導部が設けられており、折り畳まれた状態の前記ガントリ上に前記上部スプレッダを格納する際に、前記当接部材が前記上部スプレッダの下側となるようにして、前記上部スプレッダが吊り下げられ、この状態で前記上部スプレッダが前記下部スプレッダの上方に配置されて、前記ブーム起伏ロープに張力が掛けられながら前記ブーム起伏ロープが所定の長さまで巻き取られた後に、折り畳まれた状態の前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部が当接され、前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部が当接された状態で前記上部スプレッダが下降されると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記倒伏誘導部が前記ガントリ主柱上を移動することで、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納される格納姿勢になることを特徴とする。
本発明によると、上部スプレッダが吊り下げられた状態で、ブーム起伏ロープに張力が掛けられながらブーム起伏ロープが所定の長さまで巻き取られる。これにより、上下部スプレッダからブーム起伏ロープが脱索したり、ブーム起伏用ウインチが乱巻きしたりするのが抑制される。そして、ブーム起伏ロープが所定の長さまで巻き取られた後に、折り畳まれた状態のガントリ主柱上に当接部材が当接される。このとき、ガントリ主柱上に当接部材を当接させると、倒伏誘導部の形状に沿って上部スプレッダの姿勢が変化することで、上部スプレッダがガントリ主柱上に格納される格納姿勢になる。よって、吊り下げている上部スプレッダを格納姿勢にしてガントリ上に載置するために、上部スプレッダを一旦どこかに置いて格納姿勢にしてから吊り直すといった作業を行う必要がない。これにより、上部スプレッダの格納時の作業性を向上させることができる。
タワークレーンの側面図であり、タワークレーンが組み立てられた状態を示す図である。 タワークレーンの側面図であり、タワークレーンが分解された状態を示す図である。 上部スプレッダの側面図である。 図3をA方向から見た図である。 上部スプレッダの姿勢変化を示す図である。 図5の要部Bの拡大図であり、直線状の傾斜面を備えた倒伏誘導部を有する当接部材を示す図である。 図5の要部Bの拡大図であり、曲線状の傾斜面を備えた倒伏誘導部を有する当接部材を示す図である。 図5の要部Bの拡大図であり、先端に円弧面を備えた倒伏誘導部を有する当接部材を示す図である。 上部スプレッダがガントリ上に載置された状態を示す図である。 図7の要部Cの拡大図である。 従来のタワークレーンの側面図であり、タワークレーンが分解された状態を示す図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(タワークレーンの構成)
本実施形態のクレーンの上部スプレッダ格納装置(上部スプレッダ格納装置)1は、タワークレーン20の側面図である図1に示すように、タワークレーン20に設けられている。タワークレーン20は、クローラ式の下部走行体21の上部に上部旋回体22が旋回可能に搭載された(設けられた)構成となっている。なお、タワークレーン20は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。また、本発明の適用対象はタワークレーンに限定されず、例えば、ラッフィングクレーンや、ブームだけを備えてジブ及びストラットを備えない一般的なクレーンに本発明を適用することも可能である。図1では、タワークレーン20が吊り荷を吊る作業姿勢をとった状態を図示している。
上部旋回体22は、旋回フレーム23と、タワー(ブーム)24と、ジブ25と、ガントリ26と、ストラット27と、下部スプレッダ28と、フック用ウインチ46と、ジブ起伏用ウインチ47と、ブーム起伏用ウインチ48と、カウンタウエイト29と、バックストップ30と、ジブバックストップ44と、を有している。
旋回フレーム23は、旋回ベアリング(図示せず)を介して下部走行体21に取り付けられている。タワー24は、旋回フレーム23の前部に、旋回フレーム23に対して起伏可能に連結されている(取り付けられている)。タワー24は、下部ブーム24a、中間ブーム24b、上部ブーム24c、および、タワーキャップ24dで構成されている。タワーキャップ24dは、タワー24の先端部である。タワーキャップ24dには、ブームガイライン39の一端が接続されている。
ジブ25は、タワー24の腹面側(図中右側)においてタワーキャップ24dに回動可能に連結されている。ジブ25は、タワー24に対して起伏可能である。ジブ25の先端には、ジブポイントシーブ31が設けられている。このジブポイントシーブ31からは巻上ロープ32を介してフック33が吊り下げられている。巻上ロープ32は、タワーキャップ24dの背面側に連結された三角ガイド45に軸支されたシーブ、および、ジブポイントシーブ31に巻回されたうえで、フック33に巻回されている。
ガントリ26は、旋回フレーム23の後部に取り付けられている。ガントリ26は、旋回フレーム23に折り畳み可能に取り付けられた一対のガントリ主柱を有する。ストラット27は、側方からの平面視で三角形状であって、タワー24の背面側(図中左側)においてタワーキャップ24dに回動可能に連結されている。ストラット27は、フロントストラット27aと、リアストラット27bと、連結部材27cとを有している。フロントストラット27aは、タワーキャップ24dに基端部(図中下部)が回動可能に連結されている。リアストラット27bは、タワーキャップ24dに基端部(図中右部)が回動可能に連結されている。連結部材27cは、一端部がリアストラット27bの先端部に連結され、他端部がフロントストラット27aの先端部に連結されている。フロントストラット27aの先端とジブ25の先端とは、ジブガイライン34により連結されている。
タワー24の下部背面側に取り付けたジブ起伏用下部スプレッダ35と、ストラットガイライン36の一端に連結したジブ起伏用上部スプレッダ37との間には、ジブ起伏ロープ38が掛け渡されている。ストラットガイライン36の他端は、リアストラット27bの先端に接続されている。
下部スプレッダ28は、ガントリ26の先端部に取り付けられている。下部スプレッダ28と、ブームガイライン39の他端に連結された(取り付けられた)上部スプレッダ40との間には、ブーム起伏ロープ41が掛け渡されている。
フック用ウインチ46、ジブ起伏用ウインチ47、および、ブーム起伏用ウインチ48は、旋回フレーム23の中央部にそれぞれ配置されている。フック用ウインチ46は、巻上ロープ32を巻き取り又は繰り出してフック33の巻き上げ又は巻き下げを行う。ジブ起伏用ウインチ47は、ジブ起伏ロープ38を巻き取り又は繰り出すことで、ストラット27を、タワー24の先端部との結合点を中心に起伏させる。その結果、ジブ25がタワー24との結合点を中心として起伏する。ブーム起伏用ウインチ48は、ブーム起伏ロープ41を巻き取り又は繰り出すことで、タワー24を、その支点であるブームフットピン42回りに起伏させる。
カウンタウエイト29は、旋回フレーム23の後部に搭載されている。バックストップ30は、タワー24の下部背面側に取り付けられ、タワー24の背面から旋回フレーム23に向かって延びている。バックストップ30は、旋回フレーム23に固定されたバックストップ受け(図示せず)に受けられることで、タワー24の後側への回動を規制する。
ジブバックストップ44は、ジブ25を構成する下部ジブ25aの背面側に取り付けられ、下部ジブ25aの背面からタワーキャップ24dに向かって延びている。ジブバックストップ44は、タワーキャップ24dに受けられることで、ジブ25の後側への回動を規制する。
タワークレーン20は、作業現場で分解および組立てが行われる。タワークレーン20は、複数の部分に分解され、複数のトレーラー等に分けて積載されて、次の作業現場まで搬送され、その作業現場で再度組み立てられる。
タワークレーン20の側面図である図2に示すように、タワークレーン20の分解時には、タワー24が分解され、下部ブーム24aのみが上部旋回体22に取り付けられた状態にされる。また、一対のガントリ主柱26aが折り畳まれ、ガントリ26上に下部スプレッダ28が載置される。また、上部スプレッダ40からはブームガイライン39が取り外されて、上部スプレッダ40が下部ブーム24a上に載置される。
(上部スプレッダ格納装置の構成)
上部スプレッダ40の側面図である図3、および、図3をA方向から見た図である図4に示すように、上部スプレッダ格納装置1は、当接部材2と、パッド3と、を有している。
図3に示すように、上部スプレッダ40において、下部スプレッダ28に向かう側(図中左側)は、上部スプレッダ基端部40aとなっている。ここで、下部スプレッダ28に向かう側とは、具体的には、上部スプレッダ40と下部スプレッダ28とに掛け渡されたブーム起伏ロープ41に張力が掛けられた状態(図1参照)において、上部スプレッダ40から下部スプレッダ28に向かう側のことである。上部スプレッダ基端部40aは、ブーム起伏ロープ41が掛け回される側の部分である。上部スプレッダ基端部40aには、ブーム起伏ロープ41が掛け回される複数のシーブが設けられている。
当接部材2は、上部スプレッダ基端部40aに設けられ、上部スプレッダ40から突出している。具体的には、当接部材2は、上部スプレッダ40と下部スプレッダ28とに掛け渡されたブーム起伏ロープ41に張力が掛けられた状態において、上部スプレッダ40から下部スプレッダ28に向かう向き(図中左方)に突出している。
図3において、上部スプレッダ40の下面は、タワークレーン20が吊り荷を吊る作業姿勢のときに上部スプレッダ40がタワー24の背面(図1の左側の面)に対向する面である。当接部材2は、上部スプレッダ40の下面側に配置されている。
当接部材2における突出方向の先端部には、倒伏誘導部であるローラ11が設けられている。ローラ11は、回転自在である。
ここで、後述するように、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上に格納される際には、図3に示す上部スプレッダ40の下面がガントリ主柱26aに対向するようにして、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上に載置される。このときの上部スプレッダ40の姿勢を格納姿勢という。
上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上に格納された際に、当接部材2がガントリ主柱26aに対向する側(図3の下側)とその反対側とを結ぶ方向を厚み方向とする。倒伏誘導部であるローラ11は、当接部材2の先端に向かうほど厚み方向の長さが短くなる形状である。
図2において、一対のガントリ主柱26aが互いに対向する方向(紙面に直交する方向)を幅方向とする。図4に示すように、当接部材2は幅方向に一対設けられている。一対の当接部材2は、一対の当接部材2同士の幅方向における間隔が一対のガントリ主柱26a同士の幅方向における間隔と同等になるように、幅方向に並んで配置されている。
図3に戻って、パッド(摺動部材)3は、上部スプレッダ40の下面に設けられている。図4に示すように、パッド3も一対設けられている。一対のパッド3もまた、パッド3同士の幅方向における間隔が一対のガントリ主柱26a同士の幅方向における間隔と同等になるように、幅方向に並んで配置されている。後述するように、パッド3は、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上で格納姿勢になった際に、ガントリ主柱26aと摺動可能に接触する。
このような構成において、図2に示すように、補助クレーン50によって、上部スプレッダ40が立った姿勢で吊り下げられ、矢印で示すように、下部スプレッダ28の上方まで移動される。このとき、一対の当接部材2が上部スプレッダ40の下側となるようにして、上部スプレッダ40が吊り下げられる。
吊り下げられた状態の上部スプレッダ40が下部スプレッダ28の上方に配置され、ブーム起伏ロープ41(図1参照)に張力が掛けられながらブーム起伏ロープ41が所定の長さまで巻き取られる。張力を掛けながらブーム起伏ロープ41を巻き取ることで、上部スプレッダ40および下部スプレッダ28からブーム起伏ロープ41が脱索したり、ブーム起伏用ウインチ48が乱巻きしたりするのが抑制される。
ブーム起伏ロープ41が所定の長さまで巻き取られた後には、上部スプレッダ40が吊り下げられた姿勢(立った姿勢)で、ガントリ主柱26a上に当接部材2が当接される。このとき、上部スプレッダ40の姿勢変化を示す図である図5に示すように、ガントリ主柱26a上に一対の当接部材2を当接させると、ローラ11が回転することで、上部スプレッダ40が吊り下げられた姿勢から、格納姿勢(図3に示す上部スプレッダ40の下面を下にして横に倒れた姿勢)になる。よって、吊り下げている上部スプレッダ40を格納姿勢にしてガントリ主柱26a上に載置するために、上部スプレッダ40を一旦どこかに置いて格納姿勢にしてから吊り直すといった作業を行う必要がない。これにより、上部スプレッダ40の格納時の作業性を向上させることができる。
なお、ローラ11は回転しない構成であってもよい。このような構成であっても、ガントリ主柱26a上に当接部材2を当接させると、ローラ11の形状に沿って上部スプレッダ40の姿勢が好適に変化する。
また、図4に示すように、ローラ11は、幅方向に並んで一対設けられる構成に限定されず、一対のガントリ主柱26aを跨ぐように1本のローラ11が設けられた構成であってもよい。
また、図3に示すように、一対の当接部材2は、上部スプレッダ基端部40a、且つ、上部スプレッダ40の下面側に設けられる構成に限定されず、上部スプレッダ基端部40aであれば、上部スプレッダ40の上面側や、上部スプレッダ40の下面側と上面側との間の任意の位置に設けられていてもよい。
また、図5の要部Bの拡大図である図6A、図6B、図6Cに示すように、上部スプレッダ40は、当接部材2の代わりに、板状や棒状の当接部材61を有していてもよい。当接部材61における突出方向の先端部(図中下側の端部)には、当接部材61の先端に向かうほど厚み方向(図中左右方向)の長さが短くなる形状の倒伏誘導部62,63,64が設けられている。
図6Aに示す倒伏誘導部62は、上部スプレッダ40の下面側(図中右側)に、直線状に傾斜した傾斜面を有している。ガントリ主柱26a上に当接部材61を当接させると、矢印で示すように、傾斜面がガントリ主柱26aに当接するように上部スプレッダ40の姿勢が変化する。つまり、倒伏誘導部62の形状に沿って上部スプレッダ40の姿勢が変化する。
図6Bに示す倒伏誘導部63は、上部スプレッダ40の下面側(図中右側)に、曲線状に傾斜した傾斜面を有している。ガントリ主柱26a上に当接部材61を当接させると、矢印で示すように、傾斜面の形状に沿って上部スプレッダ40の姿勢が変化する。図6Aに示す倒伏誘導部62の直線状の傾斜面や、図6Bに示す倒伏誘導部63の曲線状の傾斜面は、板状や棒状の当接部材61に対して加工が容易である。板状の当接部材61の先端にこれらの倒伏誘導部を形成した場合、当接部材61の姿勢を変化させやすくなる。
図6Cに示す倒伏誘導部64は、その先端に円弧面を有している。この円弧面により、上部スプレッダ40の姿勢を好適に変化させることができる。そして、このような円弧面を有する倒伏誘導部64は、当接部材61を丸棒などで製造することで容易に形成できるので、製造が容易でコストを削減することができる。なお、同じ倒伏誘導部が、傾斜面と円弧面とをそれぞれ有していてもよい。
以上から、傾斜面を備えた倒伏誘導部62,63よりも、円弧面を備えた倒伏誘導部64の方が好ましく、ローラ11がさらに好ましい。
なお、倒伏誘導部は、階段状であってもよい。ここで、倒伏誘導部の形状に沿うとは、倒伏誘導部のガントリ主柱26aに当接する部分の形状に沿うことを意味する。例えば、倒伏誘導部が階段状であれば、倒伏誘導部の形状に沿うとは、ガントリ主柱26aに当接する角の部分に沿うことを意味する。
図7に、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上に載置された状態を示す。上部スプレッダ40が格納姿勢になると、パッド3がガントリ主柱26aと摺動可能に接触する。
図7の要部Cの拡大図である図8に示すように、上部スプレッダ格納装置1は、可撓部材4と、ブラケット5と、を有している。可撓部材4はロープやワイヤであり、上部スプレッダ40に取り付けられたシャックル49にその一端が繋がれる。ブラケット5は、ガントリ26に設けられ、可撓部材4の他端を繋ぐことが可能である。よって、上部スプレッダ40とブラケット5とを可撓部材4で繋ぎ、可撓部材4とブーム起伏ロープ41とに張力を掛けることで、上部スプレッダ40をガントリ26に固定することができる。このとき、格納位置にピン留めするのに比べて、細かな位置合わせが不要なので、作業性をより向上させることができる。
また、上部スプレッダ格納装置1は、巻取機構6を有している。巻取機構6は、レバーホイストや、チェーンブロック、ウインチ等であり、上部スプレッダ40とブラケット5とを繋いだ可撓部材4を巻き取ることが可能である。巻取機構6で可撓部材4を巻き取ることで、可撓部材4とブーム起伏ロープ41とに好適に張力を掛けることができる。ここで、巻取機構6で可撓部材4を巻き取っていくと、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上を移動していく。このとき、ローラ11の回転とパッド3の摺動とによって、上部スプレッダ40をガントリ主柱26a上で移動させやすくすることができる。
(上部スプレッダ格納装置の動作)
次に、上部スプレッダ格納装置1の動作(上部スプレッダ格納方法)について、図面を参照しつつ説明する。
まず、図2に示すように、補助クレーン50で、一対の当接部材2が上部スプレッダ40の下側になるようにして、上部スプレッダ40を立てた姿勢で吊り下げる(吊り下げステップ)。
次に、吊り下げた状態の上部スプレッダ40を下部スプレッダ28の上方に配置し、ブーム起伏ロープ41に張力を掛けながらブーム起伏ロープ41を所定の長さまで巻き取る(巻き取りステップ)。張力を掛けながらブーム起伏ロープ41を巻き取ることで、上部スプレッダ40および下部スプレッダ28からブーム起伏ロープ41が脱索したり、ブーム起伏用ウインチ48が乱巻きしたりするのが抑制される。
次に、上部スプレッダ40を吊り下げた姿勢(立てた姿勢)で、折り畳まれた状態のガントリ主柱26a上に当接部材2を当接させる(当接ステップ)。ガントリ主柱26a上に当接部材2を当接させると、図5に示すように、一対のローラ11の回転に伴って上部スプレッダ40の姿勢が変化することで、上部スプレッダ40が吊り下げられた姿勢から、格納姿勢(図3に示す上部スプレッダ40の下面を下にして横に倒れた姿勢)になる。よって、吊り下げている上部スプレッダ40を格納姿勢にしてガントリ主柱26a上に載置するために、上部スプレッダ40を一旦どこかに置いて格納姿勢にしてから吊り直すといった作業を行う必要がない。
次に、図8に示すように、上部スプレッダ40とブラケット5とを可撓部材4で繋ぐ(係留ステップ)。なお、シャックル49に可撓部材4を繋ぐタイミングはいつでもよい。そして、巻取機構6で可撓部材4を巻き取り、可撓部材4とブーム起伏ロープ41とに張力を掛けることで、ガントリ26に対して上部スプレッダ40を緊縛する(緊縛ステップ)。これにより、上部スプレッダ40をガントリ26に固定することができる。このとき、格納位置にピン留めするのに比べて、細かな位置合わせが不要である。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る上部スプレッダ格納装置1および上部スプレッダ格納方法によると、上部スプレッダ40が吊り下げられた状態で、ブーム起伏ロープ41に張力が掛けられながらブーム起伏ロープ41が所定の長さまで巻き取られる。これにより、上部スプレッダ40および下部スプレッダ28からブーム起伏ロープ41が脱索したり、ブーム起伏用ウインチ48が乱巻きしたりするのが抑制される。そして、ブーム起伏ロープ41が所定の長さまで巻き取られた後に、折り畳まれた状態のガントリ主柱26a上に当接部材2が当接される。このとき、ガントリ主柱26a上に当接部材2を当接させると、ローラ11の形状に沿って上部スプレッダ40の姿勢が変化することで、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上に格納される格納姿勢になる。よって、吊り下げている上部スプレッダ40を格納姿勢にしてガントリ主柱26a上に載置するために、上部スプレッダ40を一旦どこかに置いて格納姿勢にしてから吊り直すといった作業を行う必要がない。これにより、上部スプレッダ40の格納時の作業性を向上させることができる。
また、図3に示すように、当接部材2は、上部スプレッダ40と下部スプレッダ28とに掛け渡されたブーム起伏ロープ41に張力が掛けられた状態において、上部スプレッダ40から下部スプレッダ28に向かう向きに突出している。よって、当接部材2が上部スプレッダ40の下側となるようにして、上部スプレッダ40を吊り下げることで、ブーム起伏ロープ41に張力を十分にかけた状態でブーム起伏ロープ41を巻き取り、上部スプレッダ40と下部スプレッダ28との間の長さを調整することができる。これにより、当接部材2を好適にガントリ主柱26a上に当接させることができる。
ここで、図6A、図6Bに示すように、倒伏誘導部62,63が、上部スプレッダ40が格納姿勢のときに当接部材2がガントリ主柱26aに対向する側に、直線状または曲線状に傾斜した傾斜面を有している場合には、この傾斜面により、上部スプレッダ40の姿勢を好適に変化させることができる。そして、このような傾斜面は加工が容易である。
また、図6Cに示すように、倒伏誘導部64が、その先端に円弧面を有している場合には、この円弧面により、上部スプレッダ40の姿勢を好適に変化させることができる。そして、このような円弧面を有する倒伏誘導部64は、当接部材61を丸棒などで製造することで容易に形成できるので、製造が容易でコストを削減することができる。
また、図3に示すように、倒伏誘導部が回転自在なローラ11である場合には、ローラ11の回転に伴って上部スプレッダ40の姿勢を変化させることで、上部スプレッダ40を容易に格納姿勢にすることができる。
また、図8に示すように、上部スプレッダ40がガントリ主柱26a上で格納姿勢になった際に、パッド3がガントリ主柱26aと摺動可能に接触する。パッド3の摺動によって、上部スプレッダ40をガントリ主柱26a上で移動させやすくすることができる。
また、図8に示すように、上部スプレッダ40とブラケット5とを可撓部材4で繋ぎ、可撓部材4とブーム起伏ロープ41とに張力を掛けることで、上部スプレッダ40をガントリ26に固定することができる。このとき、格納位置にピン留めするのに比べて、細かな位置合わせが不要なので、作業性をより向上させることができる。
また、図8に示すように、巻取機構6で可撓部材4を巻き取ることで、可撓部材4とブーム起伏ロープ41とに好適に張力を掛けることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 上部スプレッダ格納装置
2 当接部材
3 パッド(摺動部材)
4 可撓部材
5 ブラケット
6 巻取機構
11 ローラ(倒伏誘導部)
20 タワークレーン(クレーン)
21 下部走行体
22 上部旋回体
23 旋回フレーム
24 タワー(ブーム)
24a 下部ブーム
25 ジブ
26 ガントリ
26a ガントリ主柱
27 ストラット
28 下部スプレッダ
29 カウンタウエイト
30 バックストップ
31 ジブポイントシーブ
32 巻上ロープ
33 フック
34 ジブガイライン
35 ジブ起伏用下部スプレッダ
36 ストラットガイライン
37 ジブ起伏用上部スプレッダ
38 ジブ起伏ロープ
39 ブームガイライン
40 上部スプレッダ
41 ブーム起伏ロープ
42 ブームフットピン
44 ジブバックストップ
46 フック用ウインチ
47 ジブ起伏用ウインチ
48 ブーム起伏用ウインチ
49 シャックル
50 補助クレーン
61 当接部材
62,63,64 倒伏誘導部
120 クレーン
126 ガントリ
128 下部スプレッダ
140 上部スプレッダ
141 起伏ロープ
150 補助クレーン

Claims (16)

  1. 下部走行体と、
    前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、
    前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられたブームと、
    前記上部旋回体に折り畳み可能に取り付けられた一対のガントリ主柱を有するガントリと、
    前記ガントリの先端部に取り付けられた下部スプレッダと、
    前記ブームの先端部に一端が接続されたブームガイラインの他端に取り付けられた上部スプレッダと、
    前記下部スプレッダと前記上部スプレッダとの間に掛け渡されたブーム起伏ロープと、
    前記上部旋回体に設けられ、前記ブーム起伏ロープを巻き取り又は繰り出すブーム起伏用ウインチと、
    を有するクレーンにおける上部スプレッダ格納方法であって、
    前記上部スプレッダの前記ブーム起伏ロープが掛け回される側の部分である上部スプレッダ基端部に、前記上部スプレッダから突出するように当接部材が固定されており、
    前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納された際に、前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側とその反対側とを結ぶ方向を厚み方向としたときに、
    前記当接部材における突出方向の先端部には、前記当接部材の先端に向かうほど前記厚み方向の長さが短くなる形状の倒伏誘導部が設けられており、
    前記当接部材が前記上部スプレッダの下側となるようにして、前記上部スプレッダを吊り下げる吊り下げステップと、
    吊り下げた状態の前記上部スプレッダを前記下部スプレッダの上方に配置し、前記ブーム起伏ロープに張力を掛けながら前記ブーム起伏ロープを所定の長さまで巻き取る巻き取りステップと、
    前記ブーム起伏ロープを前記所定の長さまで巻き取った後に、折り畳まれた状態の前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部を当接させる当接ステップと、
    を有し、
    前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部を当接させた状態で前記上部スプレッダを下降させると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記倒伏誘導部が前記ガントリ主柱上を移動することで、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納される格納姿勢になることを特徴とするクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  2. 前記当接部材は、前記上部スプレッダと前記下部スプレッダとに掛け渡された前記ブーム起伏ロープに張力が掛けられた状態において、前記上部スプレッダから前記下部スプレッダに向かう向きに突出していることを特徴とする請求項1に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  3. 前記倒伏誘導部が、前記上部スプレッダが格納姿勢のときに前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側に、直線状または曲線状に傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  4. 前記倒伏誘導部が、その先端に円弧面を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  5. 前記倒伏誘導部が回転自在なローラであり、
    前記ガントリ主柱上に前記ローラを当接させた状態で前記上部スプレッダを下降させると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記ガントリ主柱上で前記ローラ転することで、前記上部スプレッダが前記格納姿勢になることを特徴とする請求項1又は2に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  6. 前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上で前記格納姿勢になった際に、前記上部スプレッダに設けられた摺動部材が、前記ガントリ主柱と摺動可能に接触することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  7. 前記上部スプレッダと、前記ガントリに設けられたブラケットとを、可撓部材で繋ぐ係留ステップと、
    前記可撓部材と前記ブーム起伏ロープとに張力を掛けることで、前記ガントリに対して前記上部スプレッダを緊縛する緊縛ステップと、
    を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  8. 前記緊縛ステップにおいて、巻取機構で前記可撓部材を巻き取ることで、前記可撓部材と前記ブーム起伏ロープとに張力を掛けることを特徴とする請求項7に記載のクレーンの上部スプレッダ格納方法。
  9. 下部走行体と、
    前記下部走行体の上部に旋回可能に設けられた上部旋回体と、
    前記上部旋回体に起伏可能に取り付けられたブームと、
    前記上部旋回体に折り畳み可能に取り付けられた一対のガントリ主柱を有するガントリと、
    前記ガントリの先端部に取り付けられた下部スプレッダと、
    前記ブームの先端部に一端が接続されたブームガイラインの他端に取り付けられた上部スプレッダと、
    前記下部スプレッダと前記上部スプレッダとの間に掛け渡されたブーム起伏ロープと、
    前記上部旋回体に設けられ、前記ブーム起伏ロープを巻き取り又は繰り出すブーム起伏用ウインチと、
    を有するクレーンにおける上部スプレッダ格納装置であって、
    前記上部スプレッダの前記ブーム起伏ロープが掛け回される側の部分である上部スプレッダ基端部に固定され、前記上部スプレッダから突出する当接部材を有し、
    前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納された際に、前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側とその反対側とを結ぶ方向を厚み方向としたときに、
    前記当接部材における突出方向の先端部には、前記当接部材の先端に向かうほど前記厚み方向の長さが短くなる形状の倒伏誘導部が設けられており、
    折り畳まれた状態の前記ガントリ上に前記上部スプレッダを格納する際に、前記当接部材が前記上部スプレッダの下側となるようにして、前記上部スプレッダが吊り下げられ、この状態で前記上部スプレッダが前記下部スプレッダの上方に配置されて、前記ブーム起伏ロープに張力が掛けられながら前記ブーム起伏ロープが所定の長さまで巻き取られた後に、折り畳まれた状態の前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部が当接され、
    前記ガントリ主柱上に前記倒伏誘導部が当接された状態で前記上部スプレッダが下降されると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記倒伏誘導部が前記ガントリ主柱上を移動することで、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上に格納される格納姿勢になることを特徴とするクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  10. 前記当接部材は、前記上部スプレッダと前記下部スプレッダとに掛け渡された前記ブーム起伏ロープに張力が掛けられた状態において、前記上部スプレッダから前記下部スプレッダに向かう向きに突出していることを特徴とする請求項9に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  11. 前記倒伏誘導部が、前記上部スプレッダが格納姿勢のときに前記当接部材が前記ガントリ主柱に対向する側に、直線状または曲線状に傾斜した傾斜面を有していることを特徴とする請求項9又は10に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  12. 前記倒伏誘導部が、その先端に円弧面を有していることを特徴とする請求項9~11のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  13. 前記倒伏誘導部が回転自在なローラであり、
    前記ガントリ主柱上に前記ローラが当接された状態で前記上部スプレッダが下降されると、前記倒伏誘導部を支点にして前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱に対して傾くとともに、前記ガントリ主柱上で前記ローラ転することで、前記上部スプレッダが前記格納姿勢になることを特徴とする請求項9又は10に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  14. 前記上部スプレッダに設けられ、前記上部スプレッダが前記ガントリ主柱上で前記格納姿勢になった際に、前記ガントリ主柱と摺動可能に接触する摺動部材を有することを特徴とする請求項9~13のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  15. 前記上部スプレッダに一端が繋がれる可撓部材と、
    前記ガントリに設けられ、前記可撓部材の他端を繋ぐことが可能なブラケットと、
    を有することを特徴とする請求項9~14のいずれか1項に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
  16. 前記上部スプレッダと前記ブラケットとを繋いだ前記可撓部材を巻き取ることが可能な巻取機構を有することを特徴とする請求項15に記載のクレーンの上部スプレッダ格納装置。
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