JP7134351B2 - 回転電機の検査装置、および回転電機の検査方法 - Google Patents

回転電機の検査装置、および回転電機の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機の検査装置、および回転電機の検査方法に関する。
発電機等の回転電機においては、回転子の回転に伴う遠心力が応力として回転子自身に加わるので、回転子の経年的な劣化が懸念されている。特に、電力会社では、大型の回転電機が発電機、例えばタービン発電機として用いられる。回転電機が大型化するほど、回転子も大型化する。回転子の回転速度が同じであっても、回転子が大きくなるほど、回転子に加わる応力はより大きくなる。そのため、回転子の回転速度が同じであっても、回転電機が大型化するほど、回転子が損傷する恐れが高くなる。
一般的に、タービン発電機として用いられる回転電機の回転子は、鉄心とも呼ばれる回転子コア、回転子巻線および保持環を含む。回転子巻線は、回転子コアに形成されたスロット内に収容されるとともに、その一部は回転子コアの軸方向端部においてスロットの外側に延出している。その回転子巻線の延出部分を保持するため、回転子コアの両端部には保持環が取り付けられている。
通常、保持環は、遠心力によって回転子コアから外れないように焼嵌め等によって回転子コアに強固に固定されている。このため、保持環には比較的に強い応力が生じやすい。保持環の応力を抑制する手法は種々提案されている。例えば保持環が回転子コアに対して軸方向に移動することを防止するため、回転子コアの外周部に径方向に突出するロックキーを設け、保持環の内周部にロックキーを受け入れるロックキー溝を形成することが行われている(例えば、特許文献1参照)。ロックキー溝の形状および寸法は、保持環の応力集中が抑制されるように設定される。
米国特許第6566785号明細書
継続使用する場合、回転子には、非常に大きな応力が繰り返し加わることになる。そのため、例え応力集中を抑制するための対策を講じたとしても、最終的には回転子が損傷する恐れが高い。従来、使用中の回転子の損傷を回避するために、定期的に回転電機を分解して部品毎に検査を実施し、部品の補修、部品交換等の適切な処置が行われている。分解しての検査は、視認し難い箇所に損傷が生じている恐れがあるからである。しかし、回転電機を分解しての部品の検査には、多大な時間およびコストが必要になる。それにより、回転電機の稼働率も大きく低下する。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、回転子の視認し難い箇所に生じた損傷の推定が可能な回転電機の検査装置、および回転電機の検査方法を提供することにある。
本発明に係る回転電機の検査装置は、回転電機が有する回転子の検査すべき範囲である検査対象部に生じる損傷の位置、及び損傷の規模と、回転子の外面に設定される計測対象部に生じる変形量との間の関係を示す傾向情報を記憶した記憶部と、計測対象部に生じた変形量を計測する計測部と、傾向情報、及び計測部が計測した計測対象部の変形量を基に、計測対象部に生じた損傷の位置、及び規模を推定する損傷推定部と、を備える。
本発明に係る回転電機の検査方法は、回転電機が有する回転子の検査すべき範囲である検査対象部に生じる損傷の位置、及び損傷の規模と、回転子の外面に設定される計測対象部に生じる変形量との間の関係を示す傾向情報を生成する第1ステップと、計測対象部に生じた変形量を計測する第2ステップと、傾向情報、及び第2ステップで計測した計測対象部の変形量を基に、計測対象部に影響する損傷の発生の有無を推定する第3ステップと、を含む。
本発明によれば、回転子の視認し難い箇所に生じた損傷の推定を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る回転電機の検査装置を用いて構築された検査システムの構成例を示す図である。 保持環およびその周辺部の外観斜視図である。 回転子コアの断面図である。 軸垂直面で回転子コアを2つの領域に分割した場合に、一方の領域に設けられるスロットと回転子巻線との間の関係について説明するための模式図である。 保持環およびその周辺部の一部切り欠き斜視図である。 保持環およびその周辺部の断面図である。 保持環に形成されたランダムパターンの例について説明するための一部切り欠き斜視図である。 保持環に形成されたランダムパターンの他の例について説明するための一部切り欠き斜視図である。 保持環に接合されるエンドプレートの他の例を説明する図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の検査装置の機能的な構成の例を示すブロック図である。 保持環のエアパス部周辺部分におけるモデル化の範囲例を説明する図である。 保持環のスロット周辺部分におけるモデル化の範囲例を説明する図である。 保持環のエアパス部周辺部分におけるモデル化の範囲の変形例を説明する図である。 保持環のスロット周辺部分におけるモデル化の範囲の変形例を説明する図である。 傾向情報生成処理の例を示すフローチャートである。 検査装置によって実現される全体的な処理の例を示すフローチャートである。 ひずみ分析処理の例を示すフローチャートである。 ひずみ分析処理の例を示すフローチャートである。 損傷推定処理の例を示すフローチャートである。 損傷状況推定処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る回転電機の検査装置の各機能の実現にプロセッサの実行を想定した場合のハードウェア構成例を示す図である。
以下、本発明に係る回転電機の検査装置、および回転電機検査方法の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。以下の説明では、同一の、同一と見なせる、或いは対応する構成要素には同一の符号を用いる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る回転電機の検査装置を用いて構築された検査システムの構成例を示す図である。図1には、検査システム200の他に、検査対象となる回転電機100および情報処理装置300を示している。
この回転電機100は、例えば発電機として用いられるものである。発電機として用いられる回転電機100には、例えば原動機としてのタービンから回転力が伝達される。なお、検査対象とする回転電機100の種類およびその使用法は、特に限定されない。例えば回転電機100は、電力を回転力に変換するものであってもよい。
検査システム200を説明する前に、検査対象の回転電機100について具体的に説明する。この回転電機100は、図1に示すように、フレーム1と、そのフレーム1内に設けられたガスクーラー2と、固定子3と、および回転子4とを備える。フレーム1内には発電によって生じる熱を除去するための冷媒、例えば冷却ガスが循環されている。ガスクーラー2は、その冷媒を冷却する。
固定子3は、固定子コア31および固定子巻線32を含む。固定子コア31は、外形が円筒形状であり、フレーム1内に固定的に設けられる。固定子コア31の内周部には、溝状の形状をした複数のスロットが形成される。固定子コア31の各スロット内に電機子巻線としての固定子巻線32が挿入される。固定子巻線32の一部は固定子コア31の両端部から引き出され、コイルエンド32aを形成する。一方のコイルエンド32aには、フレーム1の外部に延びる図示しないメインリードが接続される。メインリードを通して、発電された電力が回転電機100から外部に供給される。
回転子4は、一対の回転軸41、回転子コア42および保持環43a、43bを含む。一対の回転軸41は回転子コア42を挟むように設けられる。一対の回転軸41の軸心と回転子コア42の軸心とは互いに一致する。以下、一対の回転軸41および回転子コア42の軸心と平行な方向を軸方向と呼ぶ。また、一対の回転軸41および回転子コア42の軸心を中心とし、軸方向に垂直な方向を径方向と呼ぶ。一対の回転軸41および回転子コア42の軸心を中心とし、軸方向、及び径方向に垂直な方向を周方向と呼ぶ。
一対の回転軸41は、フレーム1に設けられた軸受けにより回転可能に支持されている。回転子4は、図示しない原動機であるタービンにより固定子3に対して相対的に回転される。固定子コア31および固定子巻線32は、回転子コア42の径方向外方に位置し、回転子コア42により発生される磁束を受けることにより固定子巻線32に電流が生じる。保持環43a、43bは、回転子コア42の状態を保持するための部品である。保持環43a、43bは、回転子コア42の一端部および他端部にそれぞれ取り付けられ、固定子コア31の外部にそれぞれ露出している。
タービン発電機として用いられる図1に示す回転電機100では、デジタル画像相関法により回転子4の外面に生じる変形量を計測することを想定している。検査システム200は、外面に生じる変形量を計測し、その計測結果を用いて、その外面の形状に影響を及ぼす部分の状態を評価するために構築されたシステムである。外面に影響を及ぼす部分が検査対象部であり、変形量を計測する外面が計測対象部として設定される。検査対象部は、回転子4のうちで比較的に損傷が発生し易い部分を想定して決定され、計測対象部は、検査対象部に応じて設定される。本実施の形態では、変形量として、ひずみを計測するようにしている。計測する変形量は、ひずみに限定されない。
この検査システム200は、図1に示すように、撮像装置210a、210b、駆動機構211a、211b、検査装置220および表示装置240を含む。撮像装置210a、210bは、回転電機100のフレーム1内に配置される。撮像装置210a、210bは、回転子4の外面の一部に設定される計測対象部を撮像することにより、計測対象部の画像データを生成し、生成した画像データを検査装置220に送信する。駆動機構211a、211bは、撮像装置210a、210bをフレーム1内で移動させることにより、撮像装置210a、210bの撮像範囲を変更することができる。
本実施の形態では、保持環43a、43bの外面に計測対象部が設定される。そのため、撮像装置210aは、保持環43aの近傍に設けられ、駆動機構211aによって移動させられつつ保持環43aを撮像する。撮像装置210bは、保持環43bの近傍に設けられ、駆動機構211bによって移動させられつつ保持環43bを撮像する。
撮像装置210a、210bは、特定の初期期間に保持環43a、43bを撮像し、撮像により生成した画像データを初期画像データとして検査装置220に送信する。初期期間とは、例えば、回転電機100が製造されてから回転電機100の運転が開始される前までの期間である。回転電機100の運転が開始された後、撮像装置210a、210bは、予め定められた検査時期に保持環43a、43bを撮像し、生成した画像データを検査画像データとして検査装置220に送信する。検査時期は、例えば、回転電機100の運転が開始されてから一定の周期で到来するように定められる。この周期は、回転電機100の運転が開始されてからの経過時間が長くなるにつれて徐々に短くなるように更新してもよい。この周期は、単なる経過時間ではなく、回転電機100の実際の運転時間であってもよい。また、回転子4に加わる応力は、回転子4の回転回数、回転速度、回転加速度等に依存するので、周期は、回転子4の回転回数、回転速度および回転加速度のうちの少なくとも一つに基づいて定めてもよい。フレーム1内の温度または湿気によって回転子4の劣化速度は異なるので、周期は、フレーム1内の温度または湿気に基づいて定めてもよい。異なる指標に基づく周期を複数、定め、定めた複数の周期のなかの一つを選択するようにしてもよい。
本実施の形態では、撮像装置210a、210bによる保持環43a、43bの撮像は、原動機により回転子4が低速で回転される状態で行われる。例えば、撮像装置210a、210bの各々がストロボ光源および撮像素子を含む場合、撮像装置210a、210bは、回転子4の回転に同期してストロボ光源を発光させるとともに撮像素子に撮像を行わせるように制御される。回転子4の回転中に撮像を行わせる場合、撮像装置210a、210bを周方向に移動させることなく、保持環43a、43bの周方向の全体を撮像することができる。そのため、駆動機構211a、211bの構成を簡単にすることができ、検査に必要な撮像装置の数も抑えられる。
検査装置220は、撮像装置210a、210bを制御し、撮像装置210a、210bにより生成された画像データに基づいて、デジタル画像相関法により計測対象部におけるひずみの分布の変化をひずみ変化情報として生成する。デジタル画像相関法は、対象物の変形の前後に対象物の表面を撮像した場合に、得られた画像データの輝度分布から対象物の表面に生じた変位量と、その変位方向とを同時に求めることができる方法である。そのため、ひずみ変化情報には、計測対象部における変位量、変位方向、及び位置の各情報が含まれる。表示装置240は、検査装置220により生成された種々の情報を入力し、入力した情報を表示する。
検査装置220の詳細について説明する前に、回転子4の詳細について説明する。ここで、複数の図における各部の位置関係を明確にするため、互いに垂直なX方向、Y方向およびZ方向を定義し、必要に応じて、図中にX方向、Y方向およびZ方向を表す矢印を示す。X方向は、上記軸方向に平行な方向である。Y方向およびZ方向は、上記径方向のうちの一つと平行な方向である。
回転子4の詳細は、本実施の形態で計測対象部が設定される保持環43a、43bおよびそれらの周辺部の構成に着目し、図2~図7を参照して、具体的に説明する。ここでは、混乱を避けるために、主に保持環43aおよびその周辺部の構成について説明する。これは、保持環43bおよびその周辺部は、保持環43aおよびその周辺部と同様の構成であるためである。なお、2つの保持環43a、43bを区別する必要のないような場合、符号として「43」を付すこととする。これは、他の構成要素でも同様である。
図2は、保持環およびその周辺部の外観斜視図である。図2に示すように、回転軸41の一端部には、フランジ部5aが形成される。フランジ部5aに原動機であるタービンの回転軸が接続される。それにより、タービンからの動力が回転軸41に伝達される。
上記のように、回転子コア42は回転軸41と同軸であり、軸方向に延びる。保持環43aは、外形が円筒形状であり、回転子コア42と回転軸41との連結部を取り囲むように設けられる。回転子コア42の外周部には、軸方向に延びる1対の磁極部421、複数のスロット423および複数の抜け止め部424が形成されている。図2においては、1対の磁極部421のうち一方の磁極部421のみが示されている。各磁極部421には、軸方向に延びる複数のエアパス部422が形成されている。
図3は、回転子コアの断面図である。図3に示す断面図は、軸方向に垂直な面である軸垂直面で回転子コア42を切断した場合のものである。図3に示すように、周方向において、回転子コア42の軸垂直面の外周部に連続的な凹凸が形成される。軸垂直面において、各エアパス部422および各スロット423は凹状である。実際には、図2に示すように、各エアパス部422および各スロット423は、軸方向に延びる溝状の形状である。各スロット423の周方向上の幅501は、全て同じとなっている。各エアパス部422および各スロット423は、周方向上、離して形成される。
各磁極部421は、磁極中央部421aおよび一対の磁極端部421bを含む。周方向において磁極中央部421aを挟むように一対の磁極端部421bが設けられる。磁極中央部421aと一対の磁極端部421bとの間に複数のエアパス部422が設けられる。具体的には、各磁極部421の一端部から中央部に向けて一対のエアパス部422が軸方向に沿って定められた長さだけ延びる。また、各磁極部421の他端部から中央部に向けて一対のエアパス部422が軸方向に沿って定められた長さだけ延びる。各エアパス部422の周方向上の幅502は、同じとなっている。各エアパス部422を通して、回転子コイルエンド、つまり後述の回転子巻線44A、44Bの両端部を冷却したガスが放出される。
ここで、図3に示すように、回転子コア42の軸心C1を通り、軸方向に平行であり、かつ一対の磁極部421を結ぶ線と垂直な仮想面VPを定義する。回転子コア42の外周部は、仮想面VPを境界とする領域R1および領域R2に分けることができる。一方の磁極部421は、周方向における領域R1の中央に設けられ、他方の磁極部421は、周方向における領域R2の中央に設けられる。複数のスロット423および複数の抜け止め部424は、周方向において一対の磁極部421の間で交互に並ぶように設けられる。領域R1の複数のスロット423内には、界磁巻線としての回転子巻線44Aが挿入される。領域R2の複数のスロット423内には、界磁巻線としての回転子巻線44Bが挿入される。このように、各スロット423は、回転子巻線44A、44Bのうちの一方の挿入用となっている。
各スロット423内において、回転子巻線44A、44Bの径方向外方には、くさび48が配置される。各抜け止め部424は、鉤状の先端部を有し、くさび48の径方向上の移動を制限する。これにより、遠心力によって各スロット423から回転子巻線44A、44Bが抜け出ることが防止される。周方向における各磁極部421の幅は、周方向における各抜け止め部424の幅よりも大きくなっている。各抜け止め部424の幅の設定を通して、回転子巻線44A、44Bの巻数を変化させることができる。また、各磁極部421の幅の設定を通して、回転子コア42から発生される磁束の大きさを変化させることができる。本実施の形態では、周方向における磁極中央部421aおよび磁極端部421bの各々の幅が、周方向における各抜け止め部424の幅よりも大きい。
図4は、軸垂直面で回転子コアを2つの領域に分割した場合に、一方の領域に設けられるスロットと回転子巻線との間の関係について説明するための模式図である。図4には、領域R1および回転子巻線44Aが平面的に示されている。なお、図4においては、横方向が軸方向、つまりX方向であり、縦方向が周方向である。領域R2に設けられるスロット423および回転子巻線44Bは、図4に示すスロット423および回転子巻線44Aと同様である。
図4に示すように、回転子巻線44Aは、軸方向に延びる複数の線状部441と、周方向に延びる複数の線状部442とを含み、磁極部421の周りで螺旋を描くように巻かれている。複数の線状部441は、領域R1の複数のスロット423内にそれぞれ挿入されるとともに、複数のスロット423の軸方向上、外側にそれぞれ両端部が延出する。複数の線状部442は、複数のスロット423の軸方向上、外側に配置される。回転子巻線44Aの一端部E1および他端部E2は、回転子コア42に設けられた内部通路を通して回転子コア42の軸方向外側に引き出され、図示しない励磁機に接続される。
図5は、保持環およびその周辺部の一部切り欠き斜視図である。図5には、磁極部421、エアパス部422、スロット423および抜け止め部424の各々に関して、その端部のみを示している。回転子巻線44Aの各線状部441は、スロット423の端部から軸方向外側に延出し、一つの線状部442とつながる。保持環43aは、スロット423の外側に延出する回転子巻線44Aの部分を覆うように設けられる。スロット423の軸方向外側において、保持環43aと回転子巻線44Aとの間には、円筒状の絶縁部材45が配置される。保持環43aの一端部は、磁極部421および複数の抜け止め部424の端部に接合される。保持環43は、各線状部441、442をその内部に保持する。それにより、保持環43は、回転子コア42に挿入されている回転子巻線44Aの状態を保持する。
以下、保持環43aの回転子コア42側の端部をコア側端部431、別の端部をプレート側端部432とそれぞれ呼ぶ。また、保持環43aのコア側端部431が接合される磁極部421および複数の抜け止め部424の端部を含む部分を取付部425と呼ぶ。この取付部425は、保持環43a用に回転子コア42に形成された部分である。その軸方向におけるコア側端部431の幅は、軸方向における回転子コア42の取付部425の幅と等しい。言い換えれば、径方向において、コア側端部431と取付部425とは互いに重なる。保持環43aのプレート側端部432は、回転軸41の径方向外方に位置する。
遠心力によって保持環43aが回転子コア42から外れないように、保持環43aのコア側端部431は回転子コア42の取付部425に強固に接合させる必要がある。そこで、本実施の形態では、保持環43aのコア側端部431が焼嵌めにより回転子コア42の取付部425に接合されている。
コア側端部431は、軸方向に垂直な端面431aを含み、プレート側端部432は、軸方向に垂直な端面432aを含む。プレート側端部432の端面432aには、円環状のエンドプレート9が取り付けられる。保持環43aの回転子コア42との焼嵌め時には、保持環43aのコア側端部431が収縮するため、保持環43aの形状が全体的に変形する可能性がある。そこで、プレート側端部432の端面432aにエンドプレート9を取り付けることにより、保持環43aの変形を抑制させている。エンドプレート9は、回転軸41に接触せず、エンドプレート9の内周面と回転軸41の外周面との間には空間が形成される。
遠心力によってエンドプレート9が保持環43aから外れないように、エンドプレート9はプレート側端部432に強固に固定させる必要がある。そのため、本実施の形態では、エンドプレート9は焼嵌めによりプレート側端部432に接合されている。
焼嵌めにより2つの部品を接合させる場合、その2つの部品ともに、大きな応力が発生する。その応力は、部品を損傷し易くさせる。このことから、保持環43に計測対象部を設定することにより、回転電機100に発生する損傷、より具体的には検査対象部として想定した部分に発生する損傷の有無を推定することができる。本実施の形態において、保持環43に計測対象部を設定しているのは、このためである。
図6は、保持環およびその周辺部の断面図である。図6の断面は、軸方向に平行な面である軸平行面で保持環43aおよびその周辺部を切断した場合のものである。その軸平行面は、一つのスロット423内の線状部441に沿った面としている。なお、図6においては、左方向が回転子コア42の中央に向かう方向、つまり図5での右方向に相当する。
図6に示すように、スロット423内に回転子巻線44Aの線状部441が配置される。図6中において、スロット423の端部423aが点線で示されている。線状部441は、スロット423の端部423aを超えて軸方向に延びる。上記のように、スロット423内において、回転子巻線44Aの線状部441に重なるようにくさび48が配置される。くさび48が抜け止め部424の鈎状の先端部により径方向上、固定される結果、スロット423内から線状部441が抜け出ることが防止される。軸方向において、くさび48と隣り合うようにくさび49が配置される。くさび49は、くさび48と絶縁部材45との間に位置する。くさび49により、絶縁部材45が軸方向において位置決めされる。
回転子コア42の取付部425およびくさび48には、周方向に沿って凹部425rが形成される。それにより、取付部425の一部である抜け止め部424が保持環43aと接合する部分である接合部は、凹部425rによって、軸方向上、第1接合部504、第2接合部505に分割されている。第1接合部504は、軸方向上、凹部435rより回転子コア42の中心側に位置する接合部である。第2接合部505は、軸方向上、凹部435rよりフランジ部5a側に位置する接合部である。端面431aは、保持環43aの回転子コア42の中心側に位置する側面である。
保持環43aのコア側端部431の内周部には、凹部425rと軸方向上、同じ幅の凹部43rが周方向に沿って形成されている。この凹部425r、43r内にリングキー47が配置される。リングキー47は、回転子コア42の図3に示す軸心C1を中心とする円環形状を有する。リングキー47により、保持環43aが回転子コア42に対して軸方向に移動することが防止される。
上記のように、検査装置220は、計測対象部の検査画像データに基づいて、デジタル画像相関法により計測対象部のひずみ変化情報を生成する。デジタル画像相関法では、検査画像データに含まれるランダムパターンの変化に基づいて、計測対象部におけるひずみの分布の変化が得られる。ひずみ分布が得られるように、計測対象部である保持環43a、43bの外面には、ランダムパターンが形成される。ランダムパターンとは、規則性を有さないパターンであり、例えば、ランダムに配置された多数のドットにより構成される。ランダムパターンは、想定されるひずみに対して十分な分解能でデジタル画像相関法による計測を実施することができるように形成される。
図7は、保持環に形成されたランダムパターンの例について説明するための一部切り欠き斜視図である。なお、図7の斜視図は、図5の斜視図とは視点が異なり、回転子コア42のより中央側に視点がある。図7には、保持環43aに対するランダムパターンP1の形成例が示されるが、保持環43bにも同様なランダムパターンが形成される。
図7の例では、撮像対象が保持環43aの外周面の全体と想定している。この想定では、図7に示すように、外周面の全体にランダムパターンP1が形成される。ランダムパターンP1は、例えば、保持環43aの外周面に塗料を塗布することによって形成される。具体的には、例えばコントラストが大きく異なる2色、より具体的には、例えば白と黒の塗料によって形成される。白色の塗料が保持環43a、43bの外周面の全体に塗布され、その上に複数の微細な黒点が不均一に配置されるように黒色の塗料が塗布される。これにより、白黒の2色からなるランダムパターンP1が形成される。黒点の大きさは、例えば数μm~数mmの範囲で設定すればよい。黒点が小さいほど、デジタル画像相関法によるひずみの分解能が向上する。また、黒点間の距離が小さいほど、デジタル画像相関法によるひずみの分解能が向上する。黒点の大きさ、黒点間の距離は、計測すべきひずみの大きさおよび計測対象部で想定される変形量に基づいて設定される。それにより、計測対象部として、ランダムパターンP1の全体、またはその一部を設定することができる。
保持環43a、43bは、回転子コア42およびエンドプレート9と強固に接合されるため、これらの接合部分には、回転電機100の運転中だけでなく回転電機100の停止時においても、応力が集中しやすい。また、保持環43a、43bと回転子コア42との間には、これらの相対的な軸方向の移動を阻止するリングキー47が配置されており、このリングキー47と接触する保持環43a、43bの部分および回転子コア42の部分にも応力が集中しやすい。それにより、保持環43a、43bには、定常的にひずみの分布が生じている。保持環43a、43bにおけるひずみの分布は、保持環43a、43bにき裂等の損傷が生じた場合はもとより、その周辺部にき裂等の損傷が生じた場合にも変化する。このようなことから、本実施の形態では、計測対象部として設定した保持環43a、43bの外周面の画像データを用いて、保持環43a、43bだけでなく、回転子コア42およびエンドプレート9の状態も検査する。それにより、検査対象部には、保持環43a、43bの他に、取付部425、及びエンドプレート9が含まれている。
なお、検査対象部、及び計測対象部は、上記のようなものに限定されない。検査対象部、及び計測対象部は、回転子4の構成に応じて設定すればよい。
保持環43a、43bの外周面、言い換えれば撮像装置210a、210bによる撮像が可能な外面上に生じたき裂等は、撮像により得られた画像データから比較的に容易に特定することができる。このことから、ひずみを計測しての検査では、視認し難い箇所、つまり撮像が不可能、或いは撮像が困難な箇所に生じた損傷の存在を推定するのが主に想定されている。その検査により、保持環43a、43bの外周面にき裂等の損傷が生じる前の段階での対応がより可能となる。検査のために、回転電機100を分解する必要性は小さくなる。そのため、検査対象部の視認し難い箇所に生じた損傷を特定することにより、回転電機100の稼働率はより向上させることができ、回転電機100のより適切な状態での運転も可能となる。それにより、稼働率をより向上させつつ、回転電機100をより長寿命化させることも容易となる。
なお、ランダムパターンP1は、図8に示すように、保持環43a、43bのコア側端部431の外周面に加え、コア側端部431の端面431aにも形成してもよい。端面431aにもランダムパターンP1を形成させた場合、検査対象部に存在する損傷の推定精度、つまり検査精度をより向上させることができる。
また、エンドプレート9は、図9に示すように、回転子コア42のエアパス部422に導入される冷却ガスの量を調整するためのふさぎ板25が取り付けられたものであってもよい。
図10は、本発明の実施の形態1に係る回転電機検査装置の機能的な構成の例を示すブロック図である。本実施の形態による回転電機検査装置は、検査装置220として実現されている。この検査装置220は、図10に示すように、機能構成として、撮像制御部221、画像データ取得部222、画像データ記憶部223、ひずみ変化情報生成部225、傾向情報記憶部226、損傷位置推定部228、損傷規模推定部229および運転条件決定部231を含む。
撮像制御部221は、上記の初期期間および検査時期に計測対象部を撮像するために、撮像装置210a、210bおよび駆動機構211a、211bを制御する。撮像制御部221の制御によって、撮像装置210a、210bは、撮像を行い、画像データを検査装置220に送信する。画像データ取得部222は、撮像装置210a、220bから送信された画像データを取得する。初期期間での撮像により取得された画像データは、初期画像データとして、画像データ取得部222により、画像データ記憶部223に記憶される。検査時期での撮像により取得された画像データは、検査画像データとして、画像データ取得部222により、画像データ記憶部223に記憶されると共に、ひずみ変化情報生成部225に出力される。
画像データ記憶部223は、画像データ取得部222から与えられた初期画像データおよび検査画像データを記憶する。ひずみ変化情報生成部225は、画像データ取得部222から与えられた検査画像データに基づいて、デジタル画像相関法により保持環43a、43bのひずみ変化情報を生成する。このひずみ変化情報は、初期期間から現時点までの期間における計測対象部の変形量をひずみの分布の変化量として表す情報である。
具体的には、ひずみ変化情報生成部225は、画像データ記憶部223に記憶された初期画像データと、画像データ取得部222から与えられた検査画像データとを比較し、その差分に基づいて、ひずみ変化情報を生成する。ひずみ変化情報生成部225は、生成したひずみ変化情報を損傷位置推定部228および損傷規模推定部229に出力する。ひずみ変化情報生成部225は、本実施の形態における狭義の計測部に相当する。広義の計測部には、更に撮像制御部221、画像データ取得部222、および画像データ記憶部223が含まれる。
なお、ひずみ変化情報生成部225が生成するひずみ変化情報は、上記のものとは異なる内容であってもよい。例えばひずみ変化情報は、検査時期が到来する毎に、画像データ記憶部223に記憶された前回の検査画像データと、画像データ取得部222から与えられた今回の検査画像データとを比較し、その差分に基づいて生成されるものであってもよい。より具体的には、ひずみ変化情報は、前回の検査時期から今回の検査時期までの期間における計測対象部のひずみの分布の変化量を表す情報であってもよい。その場合、各検査時期で生成されたひずみ変化情報を記憶するひずみ変化情報記憶部を検査装置220に追加してもよい。このひずみ変化情報記憶部を追加することにより、計測対象部の各位置におけるひずみの総変化量を特定することができる。
傾向情報記憶部226は、回転子4に想定した検査対象部にき裂等の損傷が生じた場合における計測対象部のひずみの分布の変化の傾向を表す傾向情報226aを記憶する。本実施の形態では、傾向情報226aは、回転子4に生じた損傷の位置と回転子4におけるひずみの分布との間の対応関係を示すと共に、それらと損傷の規模との間の対応関係を示している。この傾向情報226aは、実測、或いはシミュレーション等の数値計算に基づいて生成することができる。き裂は、回転子4に発生する損傷の例であり、保持環43a、43bでは主に想定する損傷である。想定する損傷としては、他に、欠け、割れ、等がある。このことから、傾向情報226aは、損傷の種類別、損傷の規模別、及び損傷の位置別に複数、生成され、傾向情報記憶部226に記憶される。
損傷位置推定部228は、ひずみ変化情報生成部225から与えられたひずみ変化情報および傾向情報記憶部226に記憶された傾向情報226aに基づいて、回転子4において損傷が生じている位置を推定する。この場合、損傷位置推定部228は、ひずみ変化情報が全ての傾向情報226aのうちで最も近くなるものを選択するか、または、ひずみ変化情報と近い複数の傾向情報226aを内挿して別の傾向情報を一時的に生成することで、損傷が生じている位置を推定することができる。損傷が生じている位置は、以下、損傷位置と呼ぶ。
本実施の形態において、傾向情報226aは、複種類の分布情報を含む。言い換えれば、傾向情報226aを構成する分布情報は、複数の種類に分けられる。複数種類の分布情報は、回転子4の異なる部位に対応する。各分布情報は、対応する部位に損傷が生じた場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。各種類の分布情報には、通常、想定する損傷の形状を含む規模が異なる複数の分布情報が含まれる。損傷位置推定部228は、ひずみ変化情報および複数の分布情報との比較に基づいて、損傷位置を推定する。損傷位置推定部228は、推定した損傷位置を損傷規模推定部229および運転条件決定部231に出力する。
損傷規模推定部229は、ひずみ変化情報生成部225から与えられたひずみ変化情報に基づいて、損傷位置推定部228により推定された損傷位置に存在すると考えられる損傷の規模である損傷規模を推定する。推定される損傷規模は、ここでは損傷の種類およびその大きさを含む。例えば損傷がき裂であれば、き裂の長さの他に、形状が更に含まれる。この場合、損傷規模推定部229は、ひずみ変化情報が全ての傾向情報226aのうちで最も近くなるものを選択するか、または、ひずみ変化情報と近い複数の傾向情報226aを内挿して別の傾向情報を一時的に生成することで、損傷規模を推定することができる。損傷規模推定部229は、推定した損傷規模を運転条件決定部231に出力する。損傷位置推定部228および損傷規模推定部229は、本実施の形態における損傷推定部に相当する。
上記のように、損傷位置推定部228および損傷規模推定部229は、共に傾向情報226aを参照し、損傷位置および損傷規模を推定する。このことから、これらは、後述するように、実際には同じ処理の実行により実現される。図10では、推定する対象を明確にする意味もあり、それらを分けて示している。
運転条件決定部231は、損傷位置推定部228により推定された損傷位置および損傷規模推定部229により推定された損傷規模に基づいて、適正な回転電機100の運転条件を決定し、決定した運転条件を表示装置240に出力する。運転条件には、回転電機100が運転を継続可能と推定される時間である運転可能時間および回転子4の適正と推定される回転速度である適正速度が含まれる。ここでの適正速度とは、例えば上限とする回転速度である。運転条件決定部231は、材料特性および破壊力学に基づく公知の方法により、損傷位置および損傷規模から運転可能時間および適正速度を算出する。運転条件決定部231は、本実施の形態における時間推定部および速度推定部に相当する。
回転子4に加わる応力は回転子4の回転速度に依存するので、回転子4の回転速度を制限することにより、回転子4に加わる応力を低減することができる。運転可能時間は、回転子4を適正速度で回転させた場合に、その時点から回転電機100を安定的に運転させることが可能と推定される時間である。そのため、運転可能時間は、部品の補修または部品交換を行うメンテナンス時期の目安ともなる。従って、運転可能時間および適正速度を含む運転条件は、作業者にとって、回転電機100の稼働率をより向上させるうえで有用な情報である。
表示装置240は、運転条件決定部231から情報として与えられた運転条件を表示する。作業者は、表示装置240の表示内容に基づいて、回転子4の回転速度を適正速度に調整することで、回転速度を制限しながらであっても回転電機100の運転を継続させることができる。運転可能時間は、運転を継続させたとしても、回転電機100にとって深刻な不具合が発生しないと考えられる時間である。そのため、これら運転条件の提供により、回転電機100の長寿命化を支援することができる。また、作業者は、表示された運転可能時間に基づいて、部品の補修、部品交換等を適切な時期に実施することができる。それにより、深刻な不具合の発生を回避、或いは抑制しつつ、回転電機100の稼働率をより向上させることもできる。
運転条件決定部231は、回転子4の回転速度を制御する図示しない制御装置に、決定した適正速度を出力してもよい。この場合、制御装置によって回転子4の回転速度を自動的に適正速度以下に制限させることができる。また、運転条件決定部231は、図示しない警報装置に、決定した運転可能時間を出力してもよい。この場合、回転電機100の運転時間が運転可能時間に近づく、または達したときに、警報装置に警報、例えば警報ブザーの放音を行わせてもよい。これにより、作業者に対し、部品の補修、部品交換等を行うべき時期でのメンテナンスをより確実に行わせることができる。従って、損傷による回転電機100への悪影響は、より抑えられるようになる。
検査装置220は、ひずみ変化情報生成部225により生成されたひずみ変化情報、損傷位置推定部228により推定された損傷位置、損傷規模推定部229により推定された損傷規模のうち少なくとも一つを表示装置240に表示されるようにしてもよい。この場合、作業者は、表示装置240の表示を見て、より多くの情報を取得することができる。その結果、作業者は、現在の回転電機100の状態に応じた対応をより容易に行えるようになる。このことから、表示装置240に表示される情報を作業者が選択できるようにしてもよい。
上記のように、傾向情報記憶部226に記憶された傾向情報226aは、回転子4に生じた損傷の損傷位置、および損傷規模の推定に用いられる。図1に示す情報処理装置300は、傾向情報226aの生成に用いられる装置である。この情報処理装置300が生成した傾向情報226aは、例えば通信ネットワーク、或いは記録媒体を介して、検査装置220にロードされ、傾向情報記憶部226に記憶される。
情報処理装置300は、例えばシミュレーションにより、傾向情報226aを生成する。傾向情報226aの生成に用いる方法は、特に限定されないが、例えばFEM(Finite Element Method)、BEM(Boundary Element Method)、FDM(Finite Difference Method)等を用いることができる。
上記のように、傾向情報226aは、分布情報の集合体である。本実施の形態では、傾向情報226aには、第1~第5の分布情報が含まれる。第1の分布情報は、保持環43のコア側端部431で損傷が発生した場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。第2の分布情報は、保持環43のプレート側端部432で損傷が発生した場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。第3の分布情報は、コア側端部431とプレート側端部432との間の保持環43の部分である中間部で損傷が発生した場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。第4の分布情報は、回転子コア42の取付部425、つまり何れかの磁極部421或いは何れかの抜け止め部424で損傷が発生した場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。第5の分布情報は、エンドプレート9で損傷が発生した場合の計測対象部におけるひずみの分布を表す。
何れの分布情報も、例えば保持環43の一部分をモデル化した試験片による実機摸擬試験、試験片による実機摸擬試験とシミュレーションによる構造解析、または、シミュレーションによる構造解析を用いて生成される。これは、計測対象部が保持環43であり、損傷によって保持環43の外面に生じるひずみの分布を特定する必要があるためである。ここで、図11および図12を参照し、保持環43におけるモデル化の範囲例について具体的に説明する。図11は、保持環のエアパス部周辺部分におけるモデル化の範囲例を説明する図である。図12は、保持環のスロット周辺部分におけるモデル化の範囲例を説明する図である。図11および図12に示すモデル化の範囲例は、全て第4の分布情報の生成のために決定されたものである。
図11において、モデル化範囲A1は、回転子コア42の周方向上、一つのエアパス部422、そのエアパス部422を挟む磁極端部421bおよび磁極中央部421aのそのエアパス部422側の各一部を含む。軸方向上では、モデル化範囲A1は、取付部425と一致するか、或いはその取付部425を含む。このモデル化範囲A1は、エアパス部422を挟む磁極端部421bおよび磁極中央部421aのうちの何れか一方のエアパス部422側の一部に損傷、例えばき裂、或いは欠けが発生し易いと想定したものである。
ひずみの分布は、保持環43のモデル化範囲A1に対応する外面部分のみ計測すればよい。このことから、モデル化範囲A1は、保持環43に設定される一つの計測対象部の最小範囲に相当する。このことから、傾向情報226aにより、計測対象部の数、各計測対象部の位置、およびその範囲が決定される。
なお、モデル化範囲A1は、図13に示すように、一つのエアパス部422に対し、2つ設定してもよい。図13に示す例は、磁極端部421b或いは磁極中央部421aのエアパス端部521が損傷し易いと想定したものである。それにより、各モデル化範囲A1は、周方向上、エアパス端部521が中央か、或いは中央付近に位置している。
図12において、モデル化範囲A2は、スロット423毎に設定されている。各モデル化範囲A2は、周方向上の幅がスロット423の幅501より大きく、対応するスロット423が中央か、或いは中央付近に位置している。このようなモデル化範囲A2を設定したのは、上記モデル化範囲A1と同様の理由からである。各モデル化範囲A2は、何れも一つの計測対象部の最小範囲を示す。
なお、モデル化範囲A2は、図14に示すように、一つのスロット423に対し、2つ設定してもよい。図14に示す例は、磁極端部421b或いは抜け止め部424の端部であるスロット端部522が損傷し易いと想定したものである。それにより、各モデル化範囲A2は、周方向上、スロット端部522が中央か、或いは中央付近に位置している。
図11~図14に示すようにモデル化範囲を設定した場合、画像データのなかで保持環43を表す部分の全てを処理しなくともすむようになる。その結果、処理の負荷は抑えられ、処理に要する時間はより短くなる。モデル化範囲を適切に設定することにより、検査精度の低下を回避することができる。このようなことから、モデル化範囲の設定は、検査精度を高く維持させつつ、処理の負荷を抑えるうえで有用である。
タービン発電機として用いられる回転電機では、保持環は直径が500mm~2000mm程度、軸方向の長さが1000mm程度の大きさである。保持環の外周面全体の面積は、1,570,000mm2~6,280,000mm2程度となる。しかし、図11~図14に示すようにモデル化範囲を設定した場合、保持環の外周面全体を撮像しなくともよくなる。これは、撮像に要する時間がより短くなることの他に、傾向情報の生成、ひずみ変化情報の生成を含め、検査に必要な計算量もより小さくできることを意味する。検査精度は高く維持させることができる。このようなことから、検査装置220に要求される処理性能もより低くなる。
図15は、傾向情報生成処理の例を示すフローチャートである。この傾向情報生成処理は、傾向情報226aの生成のために情報処理装置300が実行する処理である。図21に示すように、検査装置220のようなプロセッサ51およびメモリ52を情報処理装置300が備えていると想定する。その想定では、この傾向情報生成処理は、例えばプロセッサ51が、メモリ52上に存在する傾向情報226aの生成用のプログラムを実行することにより実現される。次に図15を参照し、傾向情報生成処理について詳細に説明する。ここでは、傾向情報生成処理を実行する主体として、便宜的にプロセッサ51を想定する。なお、この傾向情報生成処理の実行は、本実施の形態における第1ステップの実行に相当する。
上記プログラムは、例えば構造解析用の各種モデルデータ、境界条件、荷重条件、教師データ等の各種データを読み込み、傾向情報生成処理を実行するようになっている。各種モデルデータには、図11および図12に示すようなモデル化範囲を想定して作成されたものが含まれる。境界条件、及び荷重条件は、構造解析を行ううえでの条件を指定する。教師データには、例えば損傷の種類、損傷の発生位置、および損傷の大きさを含む形状を示す損傷の教師データが含まれる。構造解析と同じようにモデル化した試験片に、加工などで損傷を再現し、取得した教師データを補完するように、構造解析による教師データを作成してもよい。ここでは、これら各種データは情報処理装置に搭載されたメモリ52に記憶されていると想定する。
先ず、ステップS51において、プロセッサ51は、各種モデルデータをメモリ52から読み出す。次に、ステップS52において、プロセッサ51は、境界条件、荷重条件および教師データを含むデータをメモリ52から読み出す。その後、ステップS53において、プロセッサ51は、損傷が無い状態での構造解析を行い、保持環43の外周面上のひずみを求める。
ステップS53の次に移行するステップS54において、プロセッサ51は、損傷の教師データを選択する。次に、ステップS55において、プロセッサ51は、教師データが示す損傷が発生した状況を想定した構造解析を対応するモデルデータ毎に行い、保持環43の外面上でのひずみ変化量をそれぞれ求める。それにより、例えば教師データが図13に示すようなモデル化範囲A1に生じる損傷を想定したものであった場合、少なくとも2つのモデルデータのそれぞれで構造解析が行われる。例えば教師データが図11および図12にそれぞれ示すようなモデル化範囲A1およびA2に生じる損傷を想定したものであった場合、少なくとも2つのモデルデータのそれぞれで構造解析が行われる。このような構造解析により、一つの損傷の教師データで一つ以上の分布情報が生成されることになる。それにより、各分布情報は、教師データが示す損傷の種類、損傷位置、およびひずみ分布の変化量の間の関係を示す情報として生成される。
次に、ステップS56において、プロセッサ51は、全損傷の教師データを使用したか否かを判定する。解析に用いていない損傷の教師データが存在する場合、ステップS56での判定はNOとなり、ステップS57に移行する。全ての損傷の教師データを使用した場合、ステップS56での判定はYESとなってステップS58に移行する。
ステップS57において、プロセッサ51は、構造解析に用いる損傷の教師データを使用していない損傷の教師データに変更する。その後、ステップS55に移行する。それにより、全ての損傷の教師データを使用するまで、ステップS55~S57で形成される処理ループが繰り返し実行される。その結果、損傷の教師データ毎、およびモデルデータ毎に、分布情報が生成されることとなる。
ステップS58への移行は、生成すべき分布情報の生成が完了したことを意味する。このことから、ステップS58において、プロセッサ51は、生成した分布情報をまとめた傾向情報226aを生成する。その後、この傾向情報生成処理が終了する。なお、生成された傾向情報226aは、メモリ52に保存してもよいが、指定された保存先に出力するようにしてもよい。保存先は、記録媒体であってもよく、通信ネットワークを介して送信可能な別の情報処理装置であってもよい。その情報処理装置は、検査装置220であってもよい。
上記のように、本実施の形態では、傾向情報226aを検査装置220とは別の情報処理装置300に生成させているが、検査装置220に傾向情報226aを生成させてもよい。このようなこともあり、傾向情報226aを生成させる情報処理装置は、特に限定されない。
次に、検査装置220が実行する処理について、図16~図20に示すフローチャートを参照して具体的に説明する。
検査装置220の図10に示す構成要素は、電子回路等のハードウェアで実現されてもよい。そのハードウェアは、プログラムを実行可能なものであってもよい。プログラムを実行可能なハードウェアの構成例としては、図21に示すように、プログラムが実行可能な処理装置であるプロセッサ51、およびそのプログラムの実行に必要なメモリ52を備えたものが考えられる。この例では、画像データ記憶部223および傾向情報記憶部226は、メモリ52に相当し、他の構成要素は、メモリ52を用いてプログラムを実行するプロセッサ51により実現される。他の構成要素とは、具体的には、撮像制御部221、画像データ取得部222、ひずみ変化情報生成部225、損傷位置推定部228、損傷規模推定部229および運転条件決定部231である。ここでは、便宜的に、処理を実行する主体としてプロセッサ51を想定し、説明を行うこととする。メモリ52は、画像データ記憶部223および傾向情報記憶部226を指す意味で用いる。
図16は、検査装置によって実現される全体的な処理の例を示すフローチャートである。始めに図16を参照し、この全体的な処理について詳細に説明する。
先ず、ステップS1において、プロセッサ51は、初期画像データを取得するための制御を行い、その制御によって撮像装置210a、210bから送信される画像データを初期画像データとしてメモリ52に保存する。このステップS1の処理の実行により、撮像制御部221および画像データ取得部222が実現される。なお、ステップS1の処理は、例えば作業者が図示しない操作部等を操作して、初期画像データの取得を指示することにより実行される。
ステップS1に続くステップS2~S4は、予め定められた設定により、自動的に実行される処理である。回転電機100の運転を開始した後は、ステップS2~S4の処理の実行により、回転子4に発生する損傷に対応するための検査が自動的に行われることとなる。
ステップS2では、プロセッサ51は、検査時期が到来したか否かを判定する。検査時期の到来判定用に設定された条件が満たされたような場合、ステップS2の判定はYESとなってステップS3に移行する。その条件が満たされていないような場合、ステップS2の判定はNOとなり、ステップS2に戻る。それにより、検査を行ってから次の検査時期が到来するまでの間、検査は行われない。
ステップS3では、プロセッサ51は、検査画像データを取得するための制御を行い、その制御によって撮像装置210a、210bから送信される画像データを検査画像データとしてメモリ52に保存する。このステップS3の処理の実行によっても、撮像制御部221および画像データ取得部222が実現される。
ステップS4では、プロセッサ51は、メモリ52に保存された初期画像データおよび今回、取得された検査画像データを用いて損傷の発生の有無を推定するためのひずみ分析処理を実行する。このひずみ分析処理の実行後、上記ステップS2に戻る。
図16において、ステップS3、S4の処理の実行は、本実施の形態における狭義の第2ステップの実行に相当する。ひずみ変化情報の生成には、初期画像データが必要なことから、広義の第2ステップの実行には、ステップS1の処理も含まれる。ステップS4の処理の実行は、本実施の形態における第3ステップの実行に相当する。
図17および図18は、ステップS4として実行されるひずみ分析処理の例を示すフローチャートである。次に図17および図18を参照し、ひずみ分析処理について詳細に説明する。ひずみ変化情報生成部225、損傷位置推定部228、損傷規模推定部229および運転条件決定部231は、このひずみ分析処理の実行により実現される。
ステップS11において、プロセッサ51は、メモリ52にアクセスして、初期画像データおよび今回、取得された検査画像データを読み出し、ひずみ変化情報を生成する。このひずみ変化情報は、上記のように、デジタル画像相関法により計測対象部におけるひずみの分布の変化を示す情報であり、計測対象部毎に生成される。ステップS11の処理の実行により、ひずみ変化情報生成部225が実現される。
次にステップS12において、プロセッサ51は、生成したひずみ変化情報に基づいて、計測対象部におけるひずみの分布が初期期間から規定値以上に変化しているか否かを判定する。生成されたひずみ変化情報において、表されるいずれかの部分の変位量が規定値以上となっているひずみ変化情報が存在する場合、ステップS12の判定はYESとなってステップS13に移行する。そのようなひずみ変化情報が存在しない場合、ステップS12の判定はNOとなり、ここでひずみ分析処理が終了する。なお、ステップS12でのYESの判定は、いずれかの計測対象部に影響を及ぼす損傷が発生していると推定したことを意味する。それにより、ステップS12の判定処理は、損傷の発生の有無を推定することに相当する。
上記のように、傾向情報226aには、第1~第5の分布情報が含まれる。第1~第5の分布情報は、損傷を想定する部品、或いはその部品の位置が違いに異なる。このことから、ステップS13~S27では、いずれかの部分の変位量が規定値以上となっているひずみ変化情報に対応する計測対象部毎に、その計測対象部に規定値以上の変位量を発生させた損傷の規模、および損傷位置の推定が行われる。以下、いずれかの部分の変位量が規定値以上となっているひずみ変化情報は、対象ひずみ変化情報と呼ぶ。対象ひずみ変化情報は、一つ以上である。規定値は、計測対象部別に設定される。損傷位置推定部228および損傷規模推定部229は、ステップS13~S27の処理の実行により実現される。ステップS12の判定処理は、例えば損傷位置推定部228の一部の機能を実現させる。
ステップS13において、プロセッサ51は、対象ひずみ変化情報に対応する計測対象部のうちに、保持環43のコア側端部431に位置している計測対象部が存在するか否かを判定する。コア側端部431に位置している計測対象部が存在する場合、ステップS13の判定はYESとなってステップS14に移行する。そのような計測対象部が存在しない場合、ステップS13の判定はNOとなって図18のステップS19に移行する。
ステップS14では、プロセッサ51は、対象ひずみ変化情報が表すひずみの分布と類似するひずみの分布を表す第1の分布情報が存在するか否かを判定する。ひずみの分布が対象ひずみ変化情報と類似する第1の分布情報が存在する場合、ステップS14の判定はYESとなってステップS15に移行する。そのような第1の分布情報が存在しない場合、ステップS14の判定はNOとなってステップ17に移行する。
ステップS14での類似性の判定は、より具体的には、例えば第1の分布情報毎に、第1の分布情報と対象ひずみ変化情報との間のひずみの分布の一致度を算出し、算出した一致度のうちに、予め定めたしきい値より大きい一致度が存在するか否かにより行えばよい。一致度の算出方法は、特に限定されないが、最小二乗法、正則化最小二乗法等を用いてもよい。最小二乗法、正則化最小二乗法等を用いて一致度を算出する場合、しきい値以下の一致度が算出されることにより、類似している第1の分布情報が存在すると判定すればよい。
ステップS15、S16では、プロセッサ51は、第1の分布情報のうちで参照すべき第1の分布情報を抽出し、抽出した第1の分布情報を用いて、保持環43のコア側端部431に発生した損傷の位置、および損傷規模を推定する。その推定が終了した後は図18のステップS19に移行する。
ステップS17への移行は、回転子コア42の取付部425に損傷が発生していると推定されることを意味する。このことから、ステップS17、S18では、プロセッサ51は、第4の分布情報のうちで参照すべき第4の分布情報を抽出し、抽出した第4の分布情報を用いて、取付部425に発生した損傷の位置、および損傷規模を推定する。その推定が終了した後は図18のステップS19に移行する。ここで推定される損傷の位置は、何れかの磁極部421或いは何れかの抜け止め部424の位置である。
ステップS19において、プロセッサ51は、対象ひずみ変化情報に対応する計測対象部のうちに、保持環43のプレート側端部432に位置している計測対象部が存在するか否かを判定する。プレート側端部432に位置している計測対象部が存在する場合、ステップS19の判定はYESとなってステップS20に移行する。そのような計測対象部が存在しない場合、ステップS19の判定はNOとなってステップS25に移行する。
ステップS20では、プロセッサ51は、対象ひずみ変化情報が表すひずみの分布と類似するひずみの分布を表す第2の分布情報が存在するか否かを判定する。ひずみの分布が対象ひずみ変化情報と類似する第2の分布情報が存在する場合、ステップS20の判定はYESとなってステップS21に移行する。そのような第2の分布情報が存在しない場合、ステップS20の判定はNOとなってステップ23に移行する。なお、ステップS20での類似性の判定は、上記ステップS14と同様に行えばよい。
ステップS21、S22では、プロセッサ51は、第2の分布情報のうちで参照すべき第2の分布情報を抽出し、抽出した第2の分布情報を用いて、保持環43のプレート側端部432に発生した損傷の位置、および損傷規模を推定する。その推定が終了した後はステップS25に移行する。
ステップS23への移行は、保持環43のプレート側端部432ではなく、エンドプレート9に損傷が発生していると推定されることを意味する。このことから、ステップS23、S24では、プロセッサ51は、第5の分布情報のうちで参照すべき第5の分布情報を抽出し、抽出した第5の分布情報を用いて、エンドプレート9に発生した損傷の位置、および損傷規模を推定する。その推定が終了した後はステップS25に移行する。
ステップS25において、プロセッサ51は、対象ひずみ変化情報に対応する計測対象部のうちに、保持環43の中間部に位置している計測対象部が存在するか否かを判定する。保持環43の中間部に位置している計測対象部が存在する場合、ステップS25の判定はYESとなってステップS26に移行する。そのような計測対象部が存在しない場合、ステップS25の判定はNOとなってステップS28に移行する。なお、ステップS25でのNOの判定は、対象ひずみ変化情報が全て処理されたことを意味する。
ステップS26、S27では、プロセッサ51は、第3の分布情報のうちで参照すべき第3の分布情報を抽出し、抽出した第3の分布情報を用いて、保持環43の中間部に発生した損傷の位置、および損傷規模を推定する。その推定が終了した後はステップS28に移行する。
ステップS28において、プロセッサ51は、推定された損傷位置および損傷規模に基づいて、材料特性および破壊力学に基づく公知の方法により、適正な運転条件を決定する。プロセッサ51は、決定した運転条件を表示装置240に表示させる。これにより、作業者は、表示装置240の表示に基づいて、回転子4の回転速度を適正速度に調整する、回転電機100の運転を停止すべき時期、つまりメンテナンスを行うべき時期を検討する、といった対応をとることができる。その結果、回転電機100の長寿命化もより容易に実現できるようになる。
図19は、損傷推定処理の例を示すフローチャートである。ステップS15、S16の処理、ステップS17、S18の処理、ステップS21、S22の処理、ステップS23、S24の処理、およびステップS26、S27の処理は、実際には、この損傷推定処理として実行される。次に図19を参照して、損傷推定処理について詳細に説明する。
まず、ステップS31において、プロセッサ51は、対応する分布情報を傾向情報226a中から取得する。対応する分布情報とは、実行する状況によって変化する。例えばステップS17、S18として実行される場合、対応する分布情報は第1の分布情報となる。
次にステップS32において、プロセッサ51は、取得した分布情報を用いて、損傷が発生した位置および損傷規模を推定する損傷状況推定処理を実行する。損傷状況推定処理の実行後はステップS33に移行する。
損傷状況推定処理は、対象ひずみ変化状況のうち、取得した分布情報が想定する位置に対応する対象ひずみ変化情報毎に実行する必要がある。このことから、ステップS33において、プロセッサ51は、他に処理すべき対象ひずみ変化情報があるか否かを判定する。処理すべき対象ひずみ変化情報が存在する場合、ステップS33の判定はYESとなってステップS32に戻る。それにより、処理すべき対象ひずみ変化情報毎に、損傷が発生した位置および損傷規模の推定が行われる。一方、処理すべき対象ひずみ変化情報が存在しない場合、ステップS33の判定はNOとなり、ここで損傷推定処理が終了する。
図20は、ステップS32として実行される損傷状況推定処理の例を示すフローチャートである。次に図20を参照し、損傷状況推定処理について詳細に説明する。上記のように、損傷状況推定処理で参照される分布情報は、損傷推定処理中のステップS31で取得された分布情報である。参照される対象ひずみ変化情報は、損傷状況推定処理の実行時に選択されていた対象ひずみ変化情報である。
先ず、ステップS41において、プロセッサ51は、ステップS31で取得済みの分布情報のうちから、ひずみ分布が対象ひずみ変化情報と最も近い分布情報を抽出する。
次にステップS42において、プロセッサ51は、抽出した分布情報とひずみ変化情報が全ての傾向情報226aのうちで最も近くなるものを選択するか、または、ひずみ変化情報と近い複数の傾向情報226aを内挿して別の傾向情報を一時的に生成することで、対象ひずみ変化情報が表すひずみ分布を発生させた損傷の位置、および損傷の規模を推定する。その後に移行するステップS43では、プロセッサ51は、推定結果を例えばメモリ52に保存する。推定結果を保存した後、損傷状況推定処理が終了する。
なお、本実施の形態では、保持環43と回転子コア42とが焼嵌めにより互いに接合されるが、溶接等の他の方法で保持環43と回転子コア42とを接合させてもよい。同様に、保持環43とエンドプレート9との接合も、溶接等の他の方法で行ってもよい。接合に溶接を用いたとしても、残留応力が生じることから、保持環43に計測対象部を設定するのが望ましい。
デジタル画像相関法によりひずみ分布の変化を求める場合は、初期画像データは、回転電機100の運転開始後に最初に取得される画像データとしてもよい。メンテナンスの実施後の保持環43は、適切な状態であると想定し、メンテナンス実施後に、初期画像データを取得するようにしてもよい。その初期画像データは、デフォルトとして用意された画像データであってもよい。
デジタル画像相関法によりひずみ分布の変化を求める場合は、回転子4が低速回転されている状況で撮像を行うようになっている。しかし、撮像は、回転子4が停止した状態に行えるようにしてもよい。つまり、駆動機構211a、211bは、撮像装置210a、210bを周方向上、移動できるものであってもよい。撮像は、回転子4が高速回転している状況時に行うようにしてもよい。その場合、回転子4の高速回転時におけるひずみの分布の変化に基づく損傷の推定を行うことができる。また、撮像装置は、保持環43a、43bのそれぞれの撮像用に複数、設置してもよい。そのように撮像装置を設置した場合、画像データを送信する撮像装置により、参照すべき分布情報を特定するか、或いは対象となる分布情報の範囲をより狭めることができる。
本実施の形態では、傾向情報226aに第1~第5の分布情報が含まれる。傾向情報226aに、第1~第5の分布情報の全てを含めなくともよい。つまり例えば保持環43のコア側端部431、或いはプレート側端部432にのみ計測対象部を設定し、損傷の推定を行うようにしてもよい。損傷が発生し易い位置が予め判明しているような場合、損傷の発生を推定する範囲を狭めても、高い検査精度を維持させることができる。検査に要する計算量は、より低減させることができる。
本実施の形態では、損傷が発生していると推定した場合、損傷位置、および損傷規模を併せて推定するようにしている。損傷位置、および損傷規模は、推定しないようにしてもよい。これは、損傷の発生が推定される旨を作業員に通知するだけであっても、回転電機100の適切な運転を作業員が行うのを支援できるからである。併せて推定する内容は、損傷位置、および損傷規模のうちの一方のみとしてもよい。
また、本実施の形態では、検査装置220は、撮像装置210a、210bの制御を行っている。検査装置220は、撮像装置210のような撮像装置の制御を行わないものであってもよい。つまり例えば検査装置220は、単に撮像装置の撮像により得られた画像データを用いて、損傷の推定を行うものであってもよい。その場合、検査装置220は、例えば通信ネットワークを介して送信される画像データを受信し、損傷の推定を行うものであってもよい。そのような通信ネットワークに接続させた場合、検査装置220に複数台の回転電機100の検査を行わせることもできる。
1 フレーム、3 固定子、4 回転子、9 エンドプレート、41 回転軸、42 回転子コア、43a,43b 保持環、44A,44B 回転子巻線、100 回転電機、200 検査システム、210a,210b 撮像装置、211a,211b 駆動機構、220 検査装置、221 撮像制御部、222 画像データ取得部、223 画像データ記憶部、225 ひずみ変化情報生成部(計測部)、226 傾向情報記憶部、226a 傾向情報、228 損傷位置推定部(損傷推定部)、229 損傷規模推定部(損傷推定部)、231 運転条件決定部(時間推定部および速度推定部)、240 表示装置、300 情報処理装置、421 磁極部、422 エアパス部、423 スロット、424 抜け止め部、431 コア側端部、431a 端面、432 プレート側端部。

Claims (15)

  1. 回転電機が有する回転子の検査すべき範囲である検査対象部に生じる損傷の位置、及び前記損傷の規模と、前記回転子の外面に設定される計測対象部に生じる変形量との間の関係を示す傾向情報を記憶した記憶部と、
    前記計測対象部に生じた前記変形量を計測する計測部と、
    前記傾向情報、及び前記計測部が計測した前記計測対象部の前記変形量を基に、前記計測対象部に生じた前記損傷の前記位置、及び前記規模を推定する損傷推定部と、
    を備える回転電機の検査装置。
  2. 前記検査対象部には、回転子コアに挿入されている回転子巻線の状態を保持するための保持環が含まれ、前記保持環の外面の少なくとも一部は、前記計測対象部として設定される、
    請求項1に記載の回転電機の検査装置。
  3. 前記検査対象部には、前記回転子コアに前記保持環用に形成された取付部が更に含まれる、
    請求項2に記載の回転電機の検査装置。
  4. 前記保持環の外面に設定される前記計測対象部は、前記回転子コアの軸方向上、前記取付部が存在する範囲を含む、
    請求項3に記載の回転電機の検査装置。
  5. 前記保持環の外面に設定される前記計測対象部は、前記回転子コアの軸方向上、前記回転子コアに溝状に形成されたエアパス部が存在する範囲を含む、
    請求項3または4に記載の回転電機の検査装置。
  6. 前記保持環の外面に設定される前記計測対象部は、前記回転子コアの軸方向上、前記回転子巻線の挿入用に前記回転子コアに形成されたスロットが存在する範囲を含む、
    請求項3~5の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  7. 前記保持環の外面に設定される前記計測対象部は、前記回転子コアの軸方向上、前記保持環が取り付けられるエンドプレートが存在する範囲を含む、
    請求項3~6の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  8. 前記エンドプレートは、前記検査対象部に含まれる、
    請求項7に記載の回転電機の検査装置。
  9. 前記損傷には、き裂が含まれる、
    請求項1~8の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  10. 前記計測部が計測した前記計測対象部の前記変形量を基に、前記回転電機の運転が継続可能な時間を推定する時間推定部、
    を更に備える請求項1~9の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  11. 前記計測部が計測した前記計測対象部の前記変形量を基に、前記回転子の上限とすべき回転速度を推定する速度推定部、
    を更に備える請求項1~10の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  12. 前記計測部は、前記回転電機が製造されてから前記回転電機の運転が開始される前までの期間である初期期間に撮像装置によって前記計測対象部を撮像することにより取得された初期画像データと、検査時期に前記撮像装置によって前記計測対象部を撮像することにより取得された検査画像データとに基づいて前記変形量を求める
    請求項1~11の何れか1項に記載の回転電機の検査装置。
  13. 請求項1~11の何れか1項に記載の回転電機の検査装置と、
    前記計測対象部を撮像する撮像装置と、
    前記検査装置にて推定された記計測対象部に生じた前記損傷の前記位置、及び前記規模を表示する表示装置と
    を備え、
    前記計測部は、前記回転電機が製造されてから前記回転電機の運転が開始される前までの期間である初期期間に前記撮像装置によって前記計測対象部を撮像することにより取得された初期画像データと、検査時期に前記撮像装置によって前記計測対象部を撮像することにより取得された検査画像データとに基づいて前記変形量を求めることを特徴とする検査システム。
  14. 回転電機が有する回転子の検査すべき範囲である検査対象部に生じる損傷の位置、及び前記損傷の規模と、前記回転子の外面に設定される計測対象部に生じる変形量との間の関係を示す傾向情報を生成する第1ステップと、
    前記計測対象部に生じた前記変形量を計測する第2ステップと、
    前記傾向情報、及び前記第2ステップで計測した前記計測対象部の前記変形量を基に、前記計測対象部に影響する前記損傷の発生の有無を推定する第3ステップと、
    を含む回転電機の検査方法。
  15. 前記第3ステップで推定された前記計測対象部に影響する前記損傷の発生の有無を表示装置に表示するステップを更に含み、
    前記第2ステップは、前記回転電機が製造されてから前記回転電機の運転が開始される前までの期間である初期期間に前記計測対象部を撮像することにより取得された初期画像データと、検査時期に前記計測対象部を撮像することにより取得された検査画像データとに基づいて前記変形量を求める
    請求項14に記載の回転電機の検査方法。
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