JP7190233B2 - 回転電機の検査装置および回転電機の検査方法 - Google Patents

回転電機の検査装置および回転電機の検査方法 Download PDF

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Description

本願は、回転電機の検査装置および回転電機の検査方法に関する。
回転電機の固定子のコイルの保持構造は、コイルの抜け止めとして固定子鉄芯と接触する楔と、その楔とコイルの間に設置されたリップルバネで構成される。このリップルバネは、回転電機運転中にコイルに生じる電磁加振力によりコイルが振動するのを防ぐために設置されており、一定の保持力が発生するようにたわんだ形状で組み付けられている。この保持構造では、コイル主絶縁部などの樹脂物の経年的な寸法変化により、リップルバネのたわみが減少し、保持力が低下する。そのため、定期的な楔の緩み検査により、リップルバネの保持力の低下量を監視している。
リップルバネの保持力の低下による固定子楔の緩みを検査する方法として、定期的な検査によりバネの反力の測定を行い、反力の低下量を監視する方法がある。例えば特許文献1に示される弾性体からなる波形のコイル固定用部材を固定子コイル上に配置し、そのコイル固定用部材の最大波高部上に対応して監視用スリットを設けた楔を配置して、この楔の監視用スリットと対向する回転子の位置に光学式変位検出器のセンサ部を配置して、運転中のコイル固定用部材のバネ圧信号を常時監視できるようにしている。
特開平01-298929号公報
従来の回転電機の検査装置および回転電機の検査方法は、楔またはその支持構造を変更して、緩み検出用のセンサを設置しており、楔またはその支持構造の強度が低下する可能性がある。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、構造の変更が不要であり、工程の増加がなく検査を行うことができる回転電機の検査装置および回転電機の検査方法を得ることを目的とする。
本願に開示される回転電機の検査装置は、
環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査装置において、
前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力部と、
前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力部に入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶部と、
前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測部と、
前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定部と、
前記推定反力から前記楔の緩みの良または不良を判定する判定部とを備えたものである。
また、本願に開示される回転電機の検査方法は、
環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査方法において、
前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力ステップと、
前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力ステップにて入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶ステップと、
前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測ステップと、
前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定ステップとを備えたものである。
本願に開示される回転電機の検査装置および回転電機の検査方法によれば、
構造の変更が不要であり、工程の増加がなく検査を行うことができる。
実施の形態1による回転電機および回転電機の検査装置の構成を示す模式図である。 図1に示した固定子コアの軸方向に垂直な断面の構成を示す模式図である。 図2に示した固定子コアの周方向に垂直なT-T線の断面の構成を示す模式図である。 図2に示したスロットの軸方向に垂直な断面の構成を示す模式図である。 図4に示したスロットの内部の構成を示す斜視図である。 図5に示しスロット内の楔の構成を示す平面図である。 図5に示しスロット内の楔の構成を示す断面図である。 図1に示した回転電機の検査装置の構成を示すブロック図である。 図7に示した回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図7に示した回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図7に示した回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図4に示したスロットにおける楔、バネ、固定子コアの構成を示した図である。 図11Aに示した構成をモデル化して示した図である。 図11Aに示した楔の検査対象面における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。 実施の形態1における変形反力関係を示した式である。 図4に示したスロットにおける楔、バネ、固定子コアの構成を示した図である。 図12Aに示した構成をモデル化して示した図である。 図12Aに示した楔の検査対象面における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。 実施の形態1における回転電機の検査装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2における回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図4に示したスロットにおける楔、バネ、固定子コアの構成を示した図である。 図15Aに示した構成をモデル化して示した図である。 図15Aに示した楔の検査対象面における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。 実施の形態2における変形反力関係を示した式である。 実施の形態3における回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図4に示したスロットにおける楔、バネ、固定子コアの構成を示した図である。 図17Aに示した構成をモデル化して示した図である。 図17Aに示した楔の検査対象面における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。 実施の形態3における変形反力関係を示した式である。 実施の形態4における回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。 図4に示したスロットにおける楔、バネ、固定子コアの構成を示した図である。 図19Aに示した構成をモデル化して示した図である。 図19Aに示した楔の検査対象面における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。 実施の形態4における変形反力関係を示した式である。 実施の形態5における回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。
以下の説明において、回転電機100における各方向を、それぞれ周方向X、軸方向Z、径方向Y、径方向Yの外側YO、径方向Yの内側YIとして示す。よって、回転電機100の固定子3、回転子4など、他の部分においても、これらの方向を基準として各方向を示して説明する。また、検査対象の回転電機100は、原動機としてのタービンから回転力を得るタービン発電機の例を示す。また、固定子3の検査対象面50とは、楔34の検査対象面50である。また、当該検査対象面50の変形としては、主にひずみを例として説明する。また、ひずみの計測方法としては、デジタル画像相関法を例として説明する。尚、他の例の場合については、適宜説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1による回転電機の検査装置および検査対象である回転電機の構成を示す模式図である。図2は図1に示した回転電機の固定子コア(以下、コアと称す)の軸方向Zに垂直な断面を示す模式図である。図2はコア内のスロットを示し、ここでは、円筒座標系でスロット内の構造の方向を示す。図3は図1に示した回転電機のコアの周方向Xに垂直(図2におけるT-T線)な断面を示す模式図である。
図4は図2に示したスロットの軸方向に垂直な断面の構成を示す模式図である。図5は図4に示したスロットの内部の構成を示す斜視図である。図6はスロット内の楔の構成を示す図であり、図6Aは楔の構成を示す平面図、図6Bは楔の構成を示す断面図である。図7は図1に示した回転電機の検査装置の構成を示すブロック図である。図8から図10は図7に示した回転電機の検査装置の検査方法を示すフローチャートである。
図1において、回転電機100は、フレーム1と、当該フレーム1内に収容されるガスクーラ2、固定子3および回転子4とを備える。フレーム1内には発電によって生じる熱を除去するための冷媒、例えば、冷却ガスが循環され、ガスクーラ2はその冷媒を冷却する。固定子3は、固定子コア31(以下、コア31と称す)31および巻線36を含む。コア31は円筒形状を有し、フレーム1内に固定して設置される。
図2に示すように、コア31の径方向Yの外側YOには複数のスロット33が形成される。コア31の各スロット33内には巻線36が収容される。そして、図4および図5に示すように、各スロット33内の巻線36上には、バネ35を介して楔34が設置される。図3に示すように、楔34は各スロット33内のそれぞれにおいて、軸方向Zに複数個それぞれ設置される。楔34はコア31のスロット33中の構造物である、巻線36が抜け出さないように組み付けられる。
図1に示すように、巻線36の一部はコア31の軸方向Zの両端から引き出され、コイルエンド部32Aを形成する。軸方向Zの両端の内、一方のコイルエンド部32Aには、フレーム1の外部に延びる図示しないメインリードが接続される。メインリードを介して、回転電機100で発電された電力が外部に取り出される。
回転子4は、一対の回転軸41、回転子コア42および保持環43A、43Bを有する。回転子4は固定子3の径方向Yの外側YOに所定の間隔を隔てて設置される。一対の回転軸41は回転子コア42を挟むように設けられる。一対の回転軸41の軸心と回転子コア42の軸心とは互いに一致する。一対の回転軸41および回転子コア42の軸心と平行な軸方向Zは、回転電機100の軸方向Zと同一である。また、一対の回転軸41および回転子コア42の軸心を中心とする径方向Yは、回転電機100の径方向Yと同一である。また、一対の回転軸41および回転子コア42の軸心を中心とする周方向Xは、回転電機100の周方向Xと同一である。
一対の回転軸41は、フレーム1に設けられた軸受けにより回転可能に支持される。回転子4は、図示しない原動機、本例ではタービンにより固定子3に対して相対的に回転される。コア31および巻線36は、回転子コア42の径方向Yの外側YOに位置し、回転子コア42により発生される磁束を受けることにより巻線36に電流が生じる。保持環43A、43Bは、回転子コア42の軸方向Zの一端および他端にそれぞれ取り付けられ、コア31の外部にそれぞれ露出する。
図1、図7に示すように、回転電機100の検査装置220(以下、検査装置220と称す)は、撮像装置210A、210B、駆動装置211A、211B、および表示装置240にそれぞれ接続されている。撮像装置210A、210Bは、回転電機100のフレーム1内に配置される。撮像装置210A、210Bは、検査対象面50を有する楔34を撮像し、当該検査対象面50の画像データを生成し、生成した画像データを検査装置220に送信する。
駆動装置211A、211Bは、撮像装置210A、210Bをフレーム1内の回転子コア42とコア31との径方向Y間の空間を軸方向Zに移動させる。これにより、回転電機100の回転子4の分解を行わずに検査対象面50を有する楔34を撮像でき、検査期間の短縮が可能になる。撮像装置210Aは、コア31の径方向Yの外側YOに設けられ、駆動装置211Aによって軸方向Zに移動されつつコア31を撮像する。撮像装置210Bは、コア31の径方向Yの外側YOに設けられ、駆動装置211Bによって軸方向Zに移動されつつコア31を撮像する。
撮像装置210A、210Bは、特定の初期期間にコア31を撮像し、生成した画像データを初期画像データとして検査装置220に送信する。尚、初期期間とは、例えば、楔34がコア31に組み付けられる前、すなわち、楔34に力が加わらない状態の期間を指す。
そして、回転電機100の運転が開始された後、撮像装置210A、210Bは、予め定められた検査期間にコア31を撮像し、生成した画像データを検査画像データとして検査装置220に送信する。検査期間とは、例えば、回転電機100の運転が開始されてから一定の周期で到来するように定められている期間、あるいは、回転電機100の運転が開始されてからの経過時間が長くなるにつれて検査期間の間隔が徐々に短くなるように定められている期間、あるいは、単なる経過時間ではなく、回転電機100の実際の運転時間に基づいて定められた期間、あるいは、フレーム1内の温度または湿気によってコア31の劣化速度は異なるため、フレーム1内の温度または湿気に基づいて定められた期間のいずれでもよい。
検査装置220は、撮像装置210A、210Bにより生成された検査画像データに基づいて、デジタル画像相関法により検査対象面50におけるひずみの分布の変化をひずみ変形分布として生成する。デジタル画像相関法は、検査対象面50の変形の前後に検査対象面50を撮像し、得られたデジタル画像データの輝度分布から検査対象面50に変位量と変位方向を同時に求める方法である。尚、ひずみの変形分布とは、検査対象面50における変位量および変位方向を含む。表示装置240は、検査装置220により生成された種々の情報を表示する。
図4はスロット33の軸方向Zに垂直な断面を示す模式図である。スロット33には出力電流が流れる巻線36が設置される。巻線36に流れる電流により生じる電磁加振力により、巻線36が振動する。よって、この振動により巻線36が動かないように保持するために、バネ35と、抜け止めの楔34とがスロット33内に設置される。巻線36は、導体37と絶縁部38とから構成される。絶縁部38は樹脂材にて形成される。図5はスロット33の斜視図である。バネ35は軸方向Zに波打った形状であり、楔34を組み付ける際にバネ35をつぶして一緒に組み付けることで、コア31からの反力で巻線36が保持される。
図6は楔34の模式図である。楔34の回転電機100の回転子42側であって、コア31と接触して回転電機100の回転子42側から見えない部分を除く部分に、ランダムパターンを塗布して検査対象面50が形成される。ランダムパターンは検査対象面50の周方向Xおよび軸方向Zの全面に形成される。このランダムパターンは塗布方法ではなく、パターンが作成されたシートを貼り付けて形成してもよい。このランダムパターンは図3に示したコア31内の全ての楔34に形成してもよい。当該検査対象面50にランダムパターンを形成することで、楔34のひずみの変化が大きく、撮像装置210A、210Bで撮像が容易に行える。また、ランダムパターンのようにパターンをランダムに形成することで、ひずみを計測する精度が向上するとともに、計測するひずみの方向を自由に決定できる。
図7は、検査装置220の機能的な構成を示すブロック図である。図7に示すように、検査装置220は、制御部221、取得部222、第1記憶部223、生成部224、検査部225、第2記憶部226、入力部227、関係記憶部228、推定部229、判定部230、決定部231、および計測部20を含む。
制御部221は、初期期間および予め設定された検査期間に検査対象面50を撮像するように撮像装置210A、210Bおよび駆動装置211A、211Bを制御する。取得部222は、撮像装置210A、220Bから送信された初期画像データ、および、それ以後の検査画像データを取得し、各画像データを第1記憶部223および生成部224に出力する。
第1記憶部223は、取得部222から与えられた初期画像データおよび検査画像データを記憶する。生成部224は、取得部222から与えられた検査画像データおよび第1記憶部223に記憶されている初期画像データおよび検査画像データに基づいて、デジタル画像相関法により楔34のひずみの変形分布を生成し検査部225に出力する。
具体的には、生成部224は、第1記憶部223に記憶された初期画像データと、取得部222から与えられた検査画像データとを比較し、その差分に基づいて、ひずみ変化が起きる前から現時点までの期間における検査対象面50のひずみの分布の変化をあらわすひずみ変形分布を生成する。
また、生成部224は、検査期間が到来する毎に、第1記憶部223に記憶された前回の検査期間における検査画像データと、取得部222から与えられた今回の検査期間における検査画像データとを比較し、その差分に基づいて、前回の検査期間から今回の検査期間までの期間(以下、当該期間を運転期間と称す)における、検査対象面50のひずみの分布の変化をあらわすひずみ変形分布を生成してもよい。この場合、各検査期間のひずみ変形分布に基づいて、各運転期間におけるひずみの分布の変化の度合い(以下、ひずみ変化度と称す)を求めることができる。
尚、このひずみ変化度に基づいて、楔34の異常判定を行ってもよい。例えば、前回の運転期間におけるひずみ変化度と今回の運転期間におけるひずみ変化度との差分が規定値を超えた場合に、楔34に異常が生じたと判定し、作業者に通知してもよい。また、検査装置220が、各検査期間に生成されたひずみ変形分布を記憶させ、複数の検査期間における複数のひずみ変形分布の比較に基づいて、異常判定を行うこともできる。
第2記憶部226は、検査対象の回転電機100の形状情報と、楔34の組み付け時の基準から楔34に緩みが生じた場合における、検査対象面50のひずみの変形分布の傾向をあらわす傾向情報を記憶する。傾向情報は、楔34に生じた緩み量と、楔34におけるひずみの変形分布との対応関係を示し、実測またはシミュレーション等に基づいて生成される。検査部225は、生成部224から与えられたひずみの変形分布と第2記憶部226に記憶された傾向情報とに基づいて計測異常ではないと判断された楔34の検査対象面50の計測結果を推定部229に出力する。よって、計測部20は取得部222、生成部224、検査部225、第1記憶部223、および第2記憶部226を含む。
入力部227は、楔34に力が加わっていない状態での条件が入力され、関係記憶部228に出力される。関係記憶部228は、入力部227にて入力された条件に基づいて、楔34の検査対象面50の変形分布と反力との変形反力関係を取得して記憶する。推定部229は、計測部20にて計測された楔34の検査対象面50の計測結果と、関係記憶部228に保存されている変形反力関係とから推定反力を推定する。
判定部230は、推定部229にて推定された推定反力と基準値とを比較して楔34の判定を行い、判定結果を決定部231に出力する。決定部231は、判定部230の判定結果から楔34の更新の有無を決定し、適正な回転電機100の運転条件を決定し、決定した運転条件を表示装置240に出力する。運転条件は、回転電機100が運転を継続可能な時間(以下、運転可能時間と称す)および回転電機100の出力(以下、適正出力と称す)を含む。この場合、決定部231は、楔34の緩み量および発生位置から運転可能時間および適正出力を算出できる。
楔34に加わる電磁加振力は回転電機100の出力に依存するので、回転電機100の出力を制限することにより、楔34に加わる電磁加振力を低減できる。運転可能時間は、補修または部品交換を行うべき時期の目安となる時間であり、回転電機100を適正出力で運転させた場合にその時点から回転電機100を安定的に運転させることが可能な時間である。
表示装置240は、決定部231から与えられた運転条件を表示する。作業者は、表示装置240の表示に基づいて、回転電機100を適正出力に調整することで、出力を制限しながらであっても回転電機100の長寿命化を実現できる。また、作業者は、表示された運転可能時間に基づいて、補修または部品交換を適切な時期に実施できる。
また、決定部231は、回転電機100の出力を制御する図示しない制御装置に、決定した適正出力を出力してもよい。この場合、制御装置によって回転電機100の出力を自動的に適正出力に調整できる。また、決定部231は、図示しない警報装置に、決定した運転可能時間を出力してもよい。この場合、回転電機100の運転時間が運転可能時間に近づくまたは達した時に、警報部が警報(例えば、警報ブザー)を発令する。これにより、作業者は、補修または部品交換を行うべき時期を容易に把握できる。
また、計測部20の計測結果のひずみの変形分布、推定部229により推定された楔34の緩み量としての推定反力など少なくとも1つが表示装置240に表示されるように構成してもよい。この場合、作業者は、表示装置240の表示を見て、種々の情報を取得できる。
次に、上記のように構成された実施の形態1の回転電機100の検査装置220の検査方法について図8から図11を交えて説明する。図11Aは実際の楔34、バネ35、コア31の構成を示した図である。図11Bは図11Aに示した構成をモデル化して示した図である。図11Cは図11Aに示した楔34の検査対象面50における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。図11Dは実施の形態1における変形反力関係を示した式である。
まず、回転電機100の組立時、または、回転電機100を分解した定期点検などで、楔34の緩み無しの時、および緩んだ楔34を交換した時の、楔34のスロット33から露出している所定の面に、例えばランダムパターン(または、図形パターン)を塗布して検査対象面50を形成する。尚、検査対象面50のランダムパターンは楔34の設置前に予め形成されている場合も考えられる。そして、楔34に力が加わらない状態における、検査対象面50の初期画像データを制御部221により駆動装置211A、211Bおよび撮像装置210A、210Bを制御して撮像し、取得部222が取得し、第1記憶部223に記憶する(図8のステップST1)。尚、楔34の検査対象面50の画像データの取得方法は、以下においても同様であるためその説明は適宜省略する。
次に、運転時間などで様々な要因により予め決定された検査時期が到来したか否かを判定する(図8のステップST2)。検査時期が到来していない場合(NO)には、ステップST2を繰り返す。また、検査時期が到来している場合(YES)には、取得部222は楔34の検査対象面50の検査画像データを取得し、第1記憶部223に記憶する(図8のステップST3)。そして、楔34におけるひずみ分析処理(図8のステップST4)を行う。そして、当該動作は、検査期間中繰り返し実施される。
次に、図8に示した“ひずみ分析処理(ステップST4)”の処理内容について図9に基づいて説明する。生成部224は、取得部222が取得した検査画像データと、第1記憶部223が記憶している前回の検査画像データとから、ひずみ変形分布の情報を生成する(図9のステップST11)。次に、ひずみ変形分布の変化の有無を判定する(図9のステップST12)。そして、変化無し(NO)の場合には、ステップST11の動作を繰り返す。また、変化あり(YES)の場合には、検査部225は当該ひずみ変形分布が、想定されるひずみ変形分布、すなわち第2記憶部226に記憶されている傾向情報と類似しているか否かを判定する(図9のステップST14)。
そして、類似していない場合(NO)には、計測異常であることを出力する(図9のステップST150)。また、類似している場合(YES)には、推定部229は、計測部20の計測結果に基づいて楔34の緩み量としての推定反力を推定する(図9のステップST15)。次に、判定部230は、楔34の推定反力と予め設定された基準値とを比較して、基準値以上であれば楔34の緩みが発生していない、すなわち良と判定し、基準値未満であれば楔34の緩みが発生している、すなわち不良と判定する(図9のステップST16)。次に、ステップST16にて判定された結果に基づいて、回転電機100の運転条件を決定し、表示装置240に出力する(図9のステップST17)。
次に、図9に示した“楔34の緩み量を推定する(ステップST15)”の処理内容について図10および図11に基づいて説明する。まず、計測部20は楔34の検査対象面50の計測変形分布の計測結果を取得する(図10のステップST19、計測ステップ)。具体的に、計測変形分布としては、楔34の検査対象面50における2点以上のひずみの分布が計測される。例えば、図11Cに示した、楔34の各計測位置におけるY1、Y2、Yn(nは2以上の整数)の変形量の値である。
次に、入力部227から、楔34に力が加わっていない時の検査対象面50の形状、および楔34の形状の情報が入力される(図10のステップST18、入力ステップ)。すなわち、図11Aの実際の形状の情報が入力される。次に、関係記憶部228は、コア31と楔34との接触部300のモデル化を行い、当該モデルにバネ35の反力Fを加える位置をモデル化する。例えば、図11Bに示すように、実際の楔34(図11A)の軸方向Zにおいて、反力Fは一定として、楔34を2次元のモデルにする。そして、楔34とスロット33との接触部300を拘束条件として、反力Fが楔34に加わる範囲を荷重が負荷される範囲としてモデルに反映する。
上記モデルを、材料力学または有限要素法などの数値解析により解き、図11Dに示す検査対象面50の変形分布(Y1、Y2、・・・Yn)と、反力Fとの変形反力関係を取得し、関係記憶部228に記憶する(図10のステップST20、関係記憶ステップ)。尚、ここでは変形反力関係の取得を、数値解析にて行う例を示したが、これに限られることはなく、実験的に求めることも考えられる。また、このことは以下の実施の形態においても同様であるためその説明は省略する。
次に、ステップST20にて記憶されている変形反力関係(図11D)とステップST19の計測結果から、バネ35の反力Fを推定して推定反力として出力する。具体的には、推定部229が、ステップST19の楔34の検査対象面50の計測変形分布、ここでは計測位置が3箇所における変形量のY1、Y2、Ynから、ステップST20で保存した変形反力関係を設定し、反力Fを推定反力として推定する(図10のステップST21、推定ステップ)。図11Cに示したように、検査対象面50の変形分布(Y1、Y2・・・Yn)と、バネ35の反力Fとの変形反力関係に示すように、計測位置およびひずみの変形量と、変形反力関係から反力Fが推定される。
尚、上記実施の形態1において、楔34の検査対象面50の計測位置である計測点については特に示していないが、図12を用いて他の例について説明する。図12Aは図4に示したスロット33における実際の楔34、バネ35、コア31との構成を示した図である。図12Bは図12Aに示した構成をモデル化して示した図である。図12Cは図12Aに示した楔34の検査対象面50における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。
例えば、図12に示すように、楔34の検査対象面50の計測点として、ひずみの変化量が最大となる、楔34の検査対象面50の計測点を、周方向Xの中央点XM(変形値はYM)と、計測できるひずみ分布の端部となるコア31との接触部300の近傍の2点XE1(変形値はYE1)、XE2(変形値はYE2)を計測点とすると精度よく分布を把握できる。さらに、計測点を追加することで分布をさらに精度よく把握し、推定反力を精度よく推定できる。尚、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
尚、上記実施の形態1においては、楔34の変形分布は、デジタル画像相関法によるひずみ変形分布の例を示したが、これに限られることはなく、例えば、楔34の検査対象面50の変位または角度のいずれの変形分布を使用してもよい。変形分布を計測するパラメータは、計測が行い易いパラメータを選択できる。計測方法はひずみゲージ、光ファイバ、ひずみセンサ、サンプリングモアレカメラなどでもよい。尚、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
尚、上記実施の形態1においては、図7においては検査装置220をそれぞれの部位にて示したが、当然のことながら、例えば図13に示すように、検査装置220は、少なくとも一部の機能がソフトウェアで実現されるプロセッサ51と、情報を記憶するメモリ52とを有していれば実現可能である。尚、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
また、上記実施の形態1においては、巻線を、バネを介して固定する楔を有する固定子の例を示したが、これに限られることはなく、巻線を、バネ機能を有する楔にて固定する固定子の場合も考えられる。その場合は、バネ機能を有する楔の反力に基づいて、上記示したバネと同様に行うことができる。尚、このことは以下の実施の形態においても同様であるため、その説明は適宜省略する。
上記のように構成された実施の形態1の回転電機の検査装置によれば、
環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査装置において、
前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力部と、
前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力部に入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶部と、
前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測部と、
前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定部と、
前記推定反力から前記楔の緩みの良または不良を判定する判定部とを備え、
また、回転電機の検査方法によれば、
環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査方法において、
前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力ステップと、
前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力ステップにて入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶ステップと、
前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測ステップと、
前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定ステップとを備え、
さらに、前記推定反力から前記楔の緩みの良または不良を判定する判定ステップを備えたので、
楔の検査対象面の計測変形分布から楔の緩みが推定されるので、楔の形状および楔を支持する支持構造を変形することなく、また、回転電機を分解することなく、楔の状態を短時間で効率良く検査することが可能となる。よって、当該検査に要因により楔の強度が低下することがなくなる。
また、前記計測部は、計測点として、前記楔の前記検査対象面の周方向における中央点を含み、
2点以上計測する場合は、前記検査対象面の前記コアに一番近い点を含み、
計測するので、
楔の複数点を計測点としているので、複数回の計測を必要とせず、一度の計測で反力の変化を効率良く検査できる。
また、前記楔の前記検査対象面の前記変形分布および前記計測変形分布は、前記検査対象面のひずみ、変位、または、角度のいずれかの分布であるので、
楔の緩みの変化を確実に判定できる。
実施の形態2.
本実施の形態2は、上記実施の形態1で示した検査装置220および回転電機100の検査方法において、図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する”処理の内容が異なる。よって、この異なる“楔34の緩み量を推定する”処理の内容についてのみ図14および図15を用いて説明する。
図14は本実施の形態2における、上記実施の形態1の図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する処理”の内容を示すフローチャートである。尚、上記実施の形態1の図10にて当該類似の処理を示している。図15Aは図4に示したスロット33における実際の楔34、バネ35、コア31の構成を示した図である。図15Bは図15Aに示した構成をモデル化して示した図である。図15Cは図15Aに示した楔34の検査対象面50における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。図15Dは実施の形態2における変形反力関係を示した式である。
次に、上記実施の形態1にて示した“楔34の緩み量を推定する(ステップST15)”の処理内容の異なる部分を中心に、図14および図15に基づいて説明する。まず、実施の形態1の図10のステップST18に相当する図14のステップST24では、図10のステップST18の内容に追加して、回転電機100のコア31と楔34との接触部300の形状および楔34とバネ35との接触部の形状が入力される。そして、この形状情報には寸法公差が含まれている。
次に、実施の形態1の図10のステップST20に相当する図14のステップST25では、上記実施の形態1の図10のステップST20の内容に追加して、コア31と楔34との接触部300の寸法公差の範囲内で変化させて、材料力学または有限要素法などの数値解析により解き、検査対象面50の変形分布と反力との関係である変形反力関係を取得する。具体的には図15に示すように、コア31と楔34の接触箇所毎に材料力学または有限要素法などの数値解析により解き、図15に示す検査対象面50の変形分布と反力との関係を取得する。当該取得結果は関係記憶部228に記憶する。
次に、ステップST25で保存した変形反力関係と、図14のステップST19にて取得した、楔34の検査対象面50の計測変形分布としてひずみを2点以上計測して入力する。そして、図14のステップST19の計測結果から、図14のステップST26で推定反力を推定する。図15の検査対象面50の変形分布と反力との関係に示すように、計測した位置およびひずみの変形値と関係記憶部228に保存した変形反力関係からひずみ位置および値の分布が、もっとも一致するコア31と楔34との接触箇所を求める。次に、その接触箇所を境界条件として検査対象面50の変形分布と反力の変形反力関係を、関係記憶部228から選択し、ステップST19の計測結果を入力して推定反力を推定する。
尚、本実施の形態2においては、楔34と楔34を支持する構造としての、コア31およびバネ35との寸法公差を付加するため、例えば、上記実施の形態1にて示した図12に示すように、計測点は、ひずみの変化量が最大となる楔34の検査対象面50の計測位置を周方向Xの中央点XM(変形値はYM)と、計測できるひずみ分布の端部となるコア31との接触部300近傍の2点XE1(変形値はYE1)、XE2(変形値はYE2)とをそれぞれ計測すると分布を把握できる。さらに、検査対象面50の周方向Xの中央点XMから寸法公差の最大値と最小値とだけずれた位置を計測点として追加することで、コア31と楔34との接触部分がずれても変化量の最大値を求められ、推定反力を精度よく推定できる。
上記のように構成された実施の形態2の回転電機の検査装置および回転電機の検査方法によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、
前記入力部は、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記楔を支持する構造との寸法公差が入力され、
前記関係記憶部に記憶される前記変形反力関係は、前記寸法公差の内で変化させて取得されるものであり、
また、前記入力ステップは、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記楔を支持する構造との寸法公差が入力され、
前記関係記憶ステップは、記憶される前記変形反力関係が、前記寸法公差の内で変化させて取得されるものであるため、
楔と楔を支持する構造、例えばコアの接触状況を反映して楔の緩みを判定できるため、緩みの判定精度を向上できる。
また、前記計測部は、計測点として、前記楔の前記検査対象面の周方向における中央点を含み、
2点以上計測する場合は、前記検査対象面の前記コアに一番近い点を含み、
3点以上計測する場合は、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記コアとの接触位置の寸法公差の最大値または最小値だけ前記楔の前記検査対象面の前記中央点から周方向にずらした点として計測するので、
楔の複数点を計測点としているので、複数回の計測を必要とせず、一度の計測で反力の変化を効率良く検査できる。
実施の形態3.
本実施の形態3は、上記実施の形態1で示した検査装置220および回転電機100の検査方法において、図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する”処理の内容が異なる。よって、この異なる“楔34の緩み量を推定する”処理の内容についてのみ図16および図17を用いて説明する。
図16は本実施の形態3における、上記実施の形態1の図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する処理”の内容を示すフローチャートである。尚、上記実施の形態1の図10にて当該類似の処理を示している。図17Aは図4に示したスロット33における実際の楔34、バネ35、コア31の構成を示した図である。図17Bは図17Aに示した構成をモデル化して示した図である。図17Cは図17Aに示した楔34の検査対象面50における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。図17Dは実施の形態3における変形反力関係を示した式である。
次に、上記実施の形態1にて示した“楔34の緩み量を推定する(ステップST15)”の処理内容の異なる部分を中心に、図16および図17に基づいて説明する。まず、実施の形態1の図10のステップST18およびステップST20と同様に変形反力関係を取得して保存する。次に、楔34の検査対象面50の計測変形分布としてひずみを1点以上、複数回計測して入力する(図16のステップST29)。
次に、ステップST20で保存した変形反力関係と、ステップST29の計測結果から、推定反力としての反力変化量を推定する(図16のステップST32)。具体的には、ステップST29の計測の時間間隔をあけて複数回行い、計測した変形量の差分を求める。図17Cに示すように、検査対象面50の変形の差分の変化量ΔYを求める。次に、その変化量ΔYとステップST20で保存した検査対象面50の変形の変化量ΔYと反力の変形反力関係を、関係記憶部228から選択し、変化量ΔYを入力して推定反力としての反力変化量ΔFを推定する。以下の工程は推定反力である反力変化量ΔFに基づいて、楔34の良または不良などが判定されるものである。
上記のように構成された実施の形態3の回転電機の検査装置および回転電機の検査方法によれば、上記実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、
前記計測部は、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
前記推定部は、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求めるものであり、
また、前記計測ステップは、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
前記推定ステップは、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求めるものであるため、
楔の検査対象面の計測点の数を削減でき、計測時間を削減できる。
実施の形態4.
本実施の形態4は、上記実施の形態1で示した検査装置220および回転電機100の検査方法において、図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する”処理の内容が異なる。よって、この異なる“楔34の緩み量を推定する”処理の内容についてのみ図18および図19を用いて説明する。また、本実施の形態4では、上記実施の形態2と同様に、変形反力関係は、寸法公差の内で変化させて取得されている。
図18は本実施の形態4における、上記実施の形態1の図9に示したステップST15の“楔34の緩み量を推定する処理”の内容を示すフローチャートである。尚、上記実施の形態1の図10にて当該類似の処理を示している。図19Aは図4に示したスロット33における実際の楔34、バネ35、コア31の構成を示した図である。図19Bは図19Aに示した構成をモデル化して示した図である。図19Cは図19Aに示した楔34の検査対象面50における計測位置と変形量との関係を示したグラフである。図19Dは実施の形態4における変形反力関係を示した式である。
次に、上記実施の形態1にて示した“楔34の緩み量を推定する(ステップST15)”の処理内容の異なる部分を中心に、図18および図19に基づいて説明する。まず、実施の形態2の図14のステップST24およびステップST25と同様に変形反力関係を取得して関係記憶部228に記憶する。また、実施の形態3のステップST29と同様に計測を行う。
次に、ステップST25で保存した変形反力関係と、ステップST29の計測結果から、推定反力を推定する(図18のステップST37)。まず、ステップST29の計測の時間間隔をあけて複数回行い、計測した変形量の差分である変化量を求める。具体的には図19に示すように、検査対象面50の変形量の差分である変化量ΔYを求める。図19の検査対象面50の変形と反力との関係に示すように、計測したひずみ位置および変化量ΔYと、関係記憶部228に保存した位置およびひずみの変形値が、一致するコア31と楔34との接触箇所を求める。次に、その接触箇所を境界条件として検査対象面50の変形の変化量ΔYと反力との関係を、関係記憶部228から選択し、ステップST29の計測結果を入力して推定反力を推定する。
上記のように構成された実施の形態4の回転電機の検査装置および回転電機の検査方法によれば、上記各実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、
前記計測部は、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
前記推定部は、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求めるものであり、
また、前記計測ステップは、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
前記推定ステップは、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求めるものであるため、
楔の検査対象面の計測点の数を削減でき、計測時間を削減できる。
さらに、楔と楔を支持する構造、例えばコアの接触状況を反映して、楔の緩みを判定でき、緩みの判定精度を向上できる。
実施の形態5.
本実施の形態5は、実施の形態1で示した検査装置のなかで、図7に示した決定部231の処理内容が異なる。この点についてのみ説明する。図20は実施の形態5の回転電機の検査方法のフローチャートを示す。
上記各実施の形態にて得られたいずれかの推定反力を入力する(図20のステップST40)。次に、回転電機100が運転中に楔34に加わる力として、巻線36の形状および巻線36流れる電流量を入力する(図20のステップST41)。次に、ステップ40とステップST41との入力より、回転電機100の運転中の巻線36の振動値を推定する(図20のステップST42)。具体的には、ステップST41の入力から回転電機100の運転中に生じる電磁加振力を推定し、ステップST40で入力した推定反力よりも大きくなったら巻線36が振動すると判定する。
そして、電磁加振力より反力が小さくなった楔の数と振動値との関係を予め数値解析で求め、計測した楔34の推定反力のコア31内の分布から、巻線36の振動値を推定する。次に、ステップST42で推定した結果を基に、予め設定されている巻線36の振動値の基準値以上であるか否かを判定する。基準値以上であると推定されたスロット33の楔34の更新を決定する(図20のステップST43)。
上記のように構成された実施の形態5の回転電機の検査装置および回転電機の検査方法によれば、上記各実施の形態と同様の効果を奏するとともに、
前記回転電機の前記固定子および前記巻線の形状情報、前記回転電機の運転中に前記楔に加わる外力および前記推定反力から、前記コアの前記スロットに設置されている前記巻線全体の前記回転電機の運転中に振動する振動値を推定して、前記スロットの前記楔の更新の有無を決定する決定ステップを備えたので、
楔を更新する箇所をスロット毎に決定することができ、楔の更新時間を削減できる。
本開示は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されるが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 フレーム、100 回転電機、2 ガスクーラ、20 計測部、210A 撮像装置、210B 撮像装置、211A 駆動装置、211B 駆動装置、220 検査装置、221 制御部、222 取得部、223 第1記憶部、224 生成部、225 検査部、226 第2記憶部、227 入力部、228 関係記憶部、229 推定部、230 判定部、231 決定部、240 表示装置、3 固定子、31 コア、32A コイルエンド部、33 スロット、34 楔、35 バネ、36 巻線、37 導体、38 絶縁部、4 回転子、41 回転軸、42 回転子コア、43A 保持環、43B 保持環、50 検査対象面、X 周方向、Y 径方向、YO 外側、YI 内側、Z 軸方向。

Claims (12)

  1. 環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査装置において、
    前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力部と、
    前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力部に入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶部と、
    前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測部と、
    前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定部と、
    前記推定反力から前記楔の緩みの良または不良を判定する判定部とを備えた回転電機の検査装置。
  2. 前記入力部は、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記楔を支持する構造との寸法公差が入力され、
    前記関係記憶部に記憶される前記変形反力関係は、前記寸法公差の内で変化させて取得される請求項1に記載の回転電機の検査装置。
  3. 前記計測部は、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
    前記推定部は、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求める請求項1に記載の回転電機の検査装置。
  4. 前記計測部は、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
    前記推定部は、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求める請求項2に記載の回転電機の検査装置。
  5. 前記計測部は、計測点として、前記楔の前記検査対象面の周方向における中央点を含み、
    2点以上計測する場合は、前記検査対象面の前記コアに一番近い点を含み、
    3点以上計測する場合は、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記コアとの接触位置の寸法公差の最大値または最小値だけ前記楔の前記検査対象面の前記中央点から周方向にずらした点を含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置。
  6. 前記楔の前記検査対象面の前記変形分布および前記計測変形分布は、前記検査対象面のひずみ、変位、または、角度のいずれかの分布である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の回転電機の検査装置。
  7. 環形状のコアの径方向の内側に形成されたスロットに配置された巻線を、バネを介してまたはバネ機能を有して固定する楔を有する固定子と、前記固定子の径方向の内側に所定の間隔を隔てて配置された回転子とを備えた回転電機を検査する回転電機の検査方法において、
    前記楔に力が加わらない状態の前記楔の前記スロットから露出する検査対象面の形状を入力する入力ステップと、
    前記楔の前記検査対象面における前記バネまたは前記楔の反力と、前記入力ステップにて入力された前記楔の前記検査対象面の形状からの変形分布との関係を変形反力関係として取得して記憶する関係記憶ステップと、
    前記楔の前記検査対象面の計測変形分布を計測する計測ステップと、
    前記計測変形分布と前記変形反力関係とから推定反力を推定する推定ステップとを備えた回転電機の検査方法。
  8. 前記入力ステップは、前記回転電機の組み付け時の前記楔と前記楔を支持する構造との寸法公差が入力され、
    前記関係記憶ステップは、記憶される前記変形反力関係が、前記寸法公差の内で変化させて取得される請求項7に記載の回転電機の検査方法。
  9. 前記計測ステップは、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
    前記推定ステップは、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求める請求項7に記載の回転電機の検査方法。
  10. 前記計測ステップは、前記楔の前記検査対象面の前記計測変形分布を複数回計測し、
    前記推定ステップは、前記計測変形分布の複数回の時間変化と前記変形反力関係とから前記推定反力として反力の変化量を求める請求項8に記載の回転電機の検査方法。
  11. 前記推定反力から前記楔の緩みの良または不良を判定する判定ステップを備えた請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機の検査方法。
  12. 前記回転電機の前記固定子および前記巻線の形状情報、前記回転電機の運転中に前記楔に加わる外力および前記推定反力から、前記コアの前記スロットに設置されている前記巻線全体の前記回転電機の運転中に振動する振動値を推定して、前記スロットの前記楔の更新の有無を決定する決定ステップを備えた請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の回転電機の検査方法。
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