JPH099579A - ロータ検査装置 - Google Patents

ロータ検査装置

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JPH099579A
JPH099579A JP17449095A JP17449095A JPH099579A JP H099579 A JPH099579 A JP H099579A JP 17449095 A JP17449095 A JP 17449095A JP 17449095 A JP17449095 A JP 17449095A JP H099579 A JPH099579 A JP H099579A
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Morimichi Miura
守道 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁石を膜体により巻き付け固定してなるロー
タの膜体の巻き付け強度を膜体を破損させることなくか
つ簡易に検査する。 【構成】 ロータ検査装置10は、ロータ40の固定台
11と、ロータ40の永久磁石44と対極の磁石14を
有し磁石14の位置を調整することにより永久磁石44
にロータ40の回転軸から遠ざかる方向の力Fを作用さ
せる力作用装置12と、ロータ40に所定波長の光を照
射した際に反射する光を撮影するCCDカメラ18と、
判定処理装置20とを備える。永久磁石44に力Fを作
用させる前と作用させたときとの反射光による画像を重
ね合わせて得る干渉縞に基づいて永久磁石44のロータ
40の回転軸からの距離の変位△rを求め、この変位△
rと作用させた力Fとから永久磁石44をロータ本体4
2に巻き付け固定している固定膜48の巻き付け強度の
適否を判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロータ検査装置に関
し、詳しくは、磁石を膜体により巻き付け固定してなる
ロータの該膜体の巻き付け強度を検査するロータ検査装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、パーマネント・マグネット形モ
ータ(PMモータ)の性能を向上させるためには、ステ
ータとロータの間隔を極力小さくする必要があるが、こ
の間隔を小さくし過ぎると、ステータやロータの製造誤
差等により、回転するロータがステータに接触し破損す
る場合を生じる。このため、ステータとロータの間隔は
ステータやロータの製造誤差に基づいて定められ、ステ
ータおよびロータは、その製造誤差が所定の許容範囲内
にあるかの検査がなされる。ステータは、モータ駆動時
には固定部材であるから、製造誤差はその寸法を測定す
ることにより容易に検査が可能であるが、ロータは、モ
ータ駆動時には回転する部材であるから、製造誤差は回
転しているときに生じる誤差を検査する必要がある。
【0003】こうしたロータの検査装置としては、従
来、マグネットロータをステータコイルによって回転駆
動させてロータの動釣合いを検出すると共にマグネット
ロータに取り付けられた磁石からの磁気を検出しマグネ
ットロータの重量的な不釣合いと磁化状態の不均一性に
基づく不釣合いとの重畳した動釣合いを検出してロータ
の異常を検査するもの(例えば、特開平1−21953
2号公報など)や、ロータをステータコイルにより回転
駆動させた状態でステータコイルのうち励磁されていな
いコイルに誘起した交流電圧特性を検出してロータの異
常を検査するもの(例えば、特開平5−196702号
公報など)等が提案されている。これらのロータ検査装
置は、いずれもステータコイルに交流電圧を印加し、ロ
ータを回転駆動させロータの挙動を磁気等を用いて検出
し、ロータの挙動に異常がないか否かを判断している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
たロータを回転させて異常を検査する装置では、ロータ
を所定の回転数まで回転させる必要があり、検査が完了
するまでの工程数が多く、検査に長時間かかるという問
題があった。また、ロータの動釣合いの異常や励磁され
ていないステータコイルに誘起した交流電圧特性の異常
には、ロータに取り付けられた磁石の重量および磁力の
誤差やロータ自身の製造誤差など種々の要素が含まれる
から、これらの異常に対する要因を特定することができ
ず、判定結果に過誤が生じやすいという問題があった。
【0005】一方、PMモータのロータは、ロータ本体
に磁石を膜体(例えば、ガラス繊維強化プラスチック
(GFRP)を膜状に形成したもの)で巻き付け固定し
て形成されている場合が多いから、製造誤差が許容範囲
内にあるロータ本体と磁石とを用いれば、ロータの回転
時の動向は、磁石に巻き付けた膜体の張力を測定するこ
とにより予測でき、この張力の測定によりロータを検査
することができる。こうした膜体の張力を測定する手法
として、歪ゲージを膜体表面に接着した後に膜体を切断
し、切断時に測定される歪に基づいて求める手法がある
が、この手法は破壊試験であるため、試験に供したロー
タはモータの組み付けに使用し得なくなり、全数検査が
できず、実際に組み付けるロータを検査することができ
ないという問題があった。また、歪ゲージを用いる手法
では、GFRPがガラス繊維をエポキシ樹脂で含浸して
熱硬化させたものであることから、歪ゲージを設置し切
断する部分のガラス繊維の方向によっては、測定される
歪が異なり、正しく膜体の張力を測定するのは困難であ
った。
【0006】本発明のロータ検査装置は、こうした問題
を解決し、磁石を膜体により巻き付け固定してなるロー
タの膜体の巻き付け強度を膜体を破損させることなく検
査することを目的とし、次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のロータ検査装置
は、磁石を膜体により巻き付け固定してなるロータの該
膜体の巻き付け強度を検査するロータ検査装置であっ
て、前記ロータに巻き付け固定された磁石に、該ロータ
の中心軸から遠ざかる方向の力を作用させる力作用手段
と、該力作用手段により前記磁石に前記力を作用させた
とき、該磁石の前記ロータの中心軸からの距離の変位を
検出する変位検出手段と、該検出された変位と前記力と
に基づいて前記膜体の巻き付け強度の適否を判定する判
定手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】ここで、前記ロータ検査装置において、前
記力作用手段は、前記磁石と対向して配置され、前記磁
石からの距離の調節が可能な該磁石と対極の磁石である
構成とすることもできる。また、前記ロータ検査装置に
おいて、前記力作用手段は、前記磁石と対向して配置さ
れ、磁極の強さの調節が可能な電磁石である構成とする
こともできる。
【0009】また、前記ロータ検査装置において、前記
ロータは、前記磁石に代えて着磁可能な未着磁部材を前
記膜体により巻き付け固定してなる構成とすることもで
きる。
【0010】
【作用】以上のように構成された本発明のロータ検査装
置は、力作用手段が、ロータに巻き付け固定された磁石
に、ロータの中心軸から遠ざかる方向の力を作用させ
る。変位検出手段は、この力作用手段により磁石にロー
タの中心軸から遠ざかる方向の力を作用させたとき、磁
石のロータの中心軸からの距離の変位を検出する。判定
手段は、この検出された変位と磁石に作用させたロータ
の中心軸から遠ざかる方向の力とに基づいて磁石をロー
タに巻き付け固定する膜体の巻き付け強度の適否を判定
する。
【0011】ここで、前記ロータ検査装置において、力
作用手段を、ロータに巻き付け固定された磁石と対向し
て配置されこの磁石からの距離の調節が可能な対極の磁
石とすれば、力作用手段である磁石とロータに巻き付け
固定された磁石との距離を調節することによりロータに
巻き付け固定された磁石に作用させる力の大きさの調節
が可能になる。また、前記ロータ検査装置において、力
作用手段を、ロータに巻き付け固定された磁石と対向し
て配置され磁極の強さの調節が可能な電磁石とすれば、
電磁石の磁極の強さを調節することによりロータに巻き
付け固定された磁石に作用する力の大きさの調節が可能
になる。
【0012】また、前記ロータ検査装置において、ロー
タを、磁石に代えて着磁可能な未着磁部材を膜体により
巻き付け固定してなるものとすれば、力作用手段は、ロ
ータに巻き付け固定された未着磁部材にロータの中心軸
から遠ざかる方向の力を作用させる。変位検出手段は、
この力作用手段により未着磁部材にロータの中心軸から
遠ざかる方向の力を作用させたとき、未着磁部材のロー
タの中心軸からの距離の変位を検出する。そして、判定
手段は、この検出された変位と未着磁部材に作用させた
ロータの中心軸から遠ざかる方向の力とに基づいて未着
磁部材をロータに巻き付け固定する膜体の巻き付け強度
の適否を判定する。
【0013】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は本発明の好適な一実施例であるロータ検
査装置10にモータのロータ40を検査可能に設置した
様子を示す斜視図、図2はロータ検査装置10の機能の
概略を示すブロック図である。
【0014】ロータ検査装置10の構成を説明する前
に、まず、ロータ40の構成について説明する。図1お
よび図2に示すように、ロータ40は、パーマネント・
マグネット形モータ(PMモータ)のロータであり、け
い素鋼板からなるロータ本体42と、ロータ本体42の
外周面に隣接する磁極が異なるよう設置された4つの永
久磁石44,45と、永久磁石44,45をロータ本体
42に巻き付け固定する固定膜48とから構成される。
固定膜48は、例えば、ガラス繊維強化プラスチック
(GFRP)により形成されており、ガラス繊維をエポ
キシ樹脂に含浸した後に、張力をかけてロータ本体42
の外周に仮付けされた永久磁石44,45の外周に巻き
付け、その後、加熱して硬化させ、巻き付け時の張力を
残存させて形成されたものである。
【0015】ロータ検査装置10は、図1および図2に
示すように、ロータ40を固定するの固定台11と、ロ
ータ40の永久磁石44にロータ40の回転軸から遠ざ
かる方向の力を作用させる力作用装置12と、ロータ4
0の測定面に所定波長の光(例えば、波長λが0.78
μmの半導体レーザ)を照射しその反射光を撮影するC
CDカメラ18と、CCDカメラ18により撮影した反
射光の画像を処理すると共に画像処理の結果等から固定
膜48の巻き付け強度の適否を判定する判定処理装置2
0と、判定処理装置20による画像処理および判定結果
を表示する表示装置30とを備える。
【0016】力作用装置12は、永久磁石44と対極に
磁化され固定台11にロータ40を永久磁石44が下方
となるよう設置した際にこの永久磁石44に対向する位
置に配置された磁石14と、この磁石14の位置を調節
することにより磁石14と永久磁石44との距離を調節
する位置調節機構16と、磁石14と永久磁石44との
距離を検出する距離センサ17とを備える。位置調節機
構16は、磁石14を支持する支持部16aと、支持部
16aの下部に設けられた孔に嵌挿され支持部16aを
支持する螺刻された棒状部材の支持棒16bと、支持部
16aの図1中正面から裏面に向けて嵌挿され支持部1
6aの内部で支持棒16bの螺刻部と螺合する螺合部を
有するハンドル部材16cとからなり、ハンドル部材1
6cを回転させることにより支持部16aを上下させる
構成となっている。
【0017】判定処理装置20は、マイクロコンピュー
タを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予
め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを
実行するCPU22、CPU22で各種演算処理を実行
するのに必要な制御プログラムや制御データ等が予め格
納されたROM24、同じくCPU22で各種演算処理
を実行するのに必要な各種データが一時的に読み書きさ
れるRAM26、CCDカメラ18からの画像データや
距離センサ17からの検出信号を入力すると共に表示装
置30に画像データを出力する入出力ポート28等を備
える。
【0018】こうして構成されたロータ検査装置10
は、次のようにしてロータ40の固定膜48の巻き付け
強度の適否を判定する。図3は、実施例のロータ検査装
置10によりロータ40の固定膜48の巻き付け強度の
判定過程を例示するフローチャートである。
【0019】まず、ロータ検査装置10の固定台11に
ロータ40を、ロータ40の永久磁石44が鉛直下方に
位置するよう設置する(ステップS100)。このとき
永久磁石44と対抗する磁石14は、位置調節機構16
により最下段の初期位置まで下げられている。この状態
で、CCDカメラ18により所定波長の光(例えば、波
長λが0.78μmの半導体レーザ)を永久磁石44に
巻き付けられた固定膜48表面に照射した際に固定膜4
8表面で反射される光を撮影し、画像データとして判定
処理装置20の入出力ポート28を介してRAM26に
記憶する(ステップS110)。
【0020】次に、力作用装置12の位置調節機構16
のハンドル部材16cを回転させて磁石14と永久磁石
44との距離を所定の距離R0以下に近づけ、永久磁石
44にロータ40の回転軸から遠ざかる方向の所定の力
F0以上の力Fを作用させる(ステップS120)。こ
こで、所定の距離R0は、永久磁石44に所定の力F0
以上の力を作用させるのに必要な距離として設定され
る。また、所定の力F0は、永久磁石44が固定膜48
の張力に抗して力Fの方向に変位し得る最小の力以上の
力として設定されるものである。
【0021】続いて、距離センサ17により検出される
磁石14と永久磁石44との距離を入出力ポート28を
介して読み込み、永久磁石44に作用する力Fを次式
(1)により算出する(ステップS130)。なお、式
(1)中で、m1およびm2は磁石14および永久磁石
44の磁極の強さであり、Rは磁石14と永久磁石44
との距離である。
【0022】
【数1】
【0023】永久磁石44にこうした力Fを作用させた
状態で、再びCCDカメラ18により所定波長λの光を
固定膜48表面に照射した際に固定膜48表面で反射さ
れる光を撮影し、画像データとしてRAM26に記憶す
る(ステップS140)。次に、永久磁石44に力Fを
作用させる前に記憶した画像と、永久磁石44に力Fを
作用させたときに記憶した画像とを重ね合わせる(ステ
ップS150)。すると、重ね合わせた画像には、力F
を作用させる前の反射光と力Fを作用させたときの反射
光とが干渉することにより生じる干渉縞(スペックルパ
ターン)が表われるから、その干渉縞数Nを計測し(ス
テップS160)、次式(2)より力Fの作用による永
久磁石44のロータ40の回転軸からの距離の変位△r
を算出する(ステップS170)。ここで、式(2)
中、θは変位△rと入射光の角度である。
【0024】
【数2】
【0025】こうして永久磁石44の変位△rを算出す
ると、この変位△rと式(1)で算出した力Fとの組み
合わせが適正な組み合わせの領域にあるかを判定するこ
とにより、固定膜48の巻き付け強度の適否を判定する
(ステップS180)。図4に、永久磁石44に作用す
る力Fと変位△rとの適正な組み合わせの領域の一例を
示す。この図では、変位△rと力Fとの組み合わせが、
直線Aの右側のハッチングされた領域にあるときには固
定膜48の巻き付け強度は適正であると判定し、左側の
ハッチングされていない領域にあるときには固定膜48
の巻き付け強度は適正でないと判定する。この図の直線
Aは、次式(3)で示され、直線Aが力Fの軸と交差す
る点の力F0(所定の力)は次式(4)で示される。な
お、式(3)および式(4)中、T0は永久磁石44に
力Fを作用させていないときの固定膜48の張力(初期
張力)、nは固定膜48の巻き数、Eは固定膜48の縦
弾性係数、Sは固定膜48の断面積、rはロータの半
径、αはロータ40の回転軸の永久磁石44の両端の角
度である。
【0026】
【数3】
【0027】この式(3)は、次のようにして導き出さ
れる。永久磁石44に力Fが作用すると、その力の釣り
合い図5のように示すことができる。ここで、Tは永久
磁石44に力Fを作用させたときの固定膜48の張力で
ある。この系におけるフックの法則(σ=Eε)は次式
(5)として表わされる。張力Tは、力の釣り合いから
次式(6)のように表わすことができるから、これを式
(5)に代入して整理すると上記式(3)が導かれる。
【0028】
【数4】
【0029】ここで、前述の所定の力F0は、適正な巻
き付け強度となる固定膜48の初期張力T0を上記式
(4)に代入することにより求めることができ、所定の
距離R0は、この所定の力F0を上記式(1)に代入す
ることにより求めることができる。永久磁石44と磁石
14との距離Rと力Fとの関係を参考までに示せば、図
6のようになる。なお、図6中の力Fの軸は対数座標軸
である。
【0030】以上説明した実施例のロータ検査装置10
によれば、ロータ40の永久磁石44に作用させたロー
タ40の回転軸から遠ざかる方向の力Fと、この力Fを
作用させたときの永久磁石44のロータ40の回転軸か
らの距離の変位△rとから固定膜48の巻き付け強度の
適否を判定することができる。この際、ロータ40の固
定膜48を破損しないから、判定したロータ40をその
まま組み付けてモータとすることができ、製品の歩留り
を向上させることができる。また、ロータ40を回転さ
せる必要がないので、ロータ40を高回転させて動釣合
いを検出する装置に比して装置は簡易なものとなり、検
査もより短時間で行なうことができる。このため、モー
タの製造工程のうち永久磁石44の固定膜48による巻
き付け固定の工程の直後に、実施例のロータ検査装置1
0によるロータ40の検査を行なえば、固定膜48の巻
き付け強度に不良が生じたときに、すぐに前工程である
永久磁石44の固定膜48による巻き付け固定の工程で
の不具合を究明することができる。
【0031】また、永久磁石44の変位△rを、所定波
長(例えば、波長λが0.78μm)の光を用い、その
干渉縞(スペッタクルパターン)に基づいて求めるか
ら、変位△rをμmのオーダーで検出することができ
る。この結果、固定膜48の巻き付け強度の適否をより
適正に行なうことができる。
【0032】実施例のロータ検査装置10では、力作用
装置12に永久磁石44と対極の磁石14を備え、磁石
14と永久磁石44との距離を調節することにより永久
磁石44にロータ40の回転軸から遠ざかる方向の力F
を作用させたが、磁石14に代えて、鉄や着磁前のネオ
ジ鉄あるいは鉄以外の強磁性体を用いる構成としてもよ
い。また、実施例のロータ検査装置10では、ロータ本
体42に固定膜48により永久磁石44を巻き付け固定
したロータ40の固定膜48の巻き付け強度の適否を判
定したが、永久磁石44に代えて着磁前のネオジ鉄をロ
ータ本体42に巻き付け固定したロータ40の固定膜4
8の巻き付け強度の適否を判定する構成としてもよい。
【0033】また、実施例のロータ検査装置10では、
力作用装置12に永久磁石44と対極の磁石14を備
え、磁石14と永久磁石44との距離を調節することに
より永久磁石44にロータ40の回転軸から遠ざかる方
向の力Fを調整したが、磁石14に代えて力作用装置1
2に電磁石を備え、電磁石へ流す電流を調節することに
より電磁石の磁極の強さを調節し、これにより永久磁石
44に作用させる力Fを調整する構成としてもよい。こ
の場合、永久磁石44と電磁石との距離を調整する位置
調節機構16を備えない構成としてもよい。
【0034】実施例のロータ検査装置10では、0.7
8μmの波長の光を用いたが、この波長に限られるもの
でなく、如何なる波長の光を用いてもよい。
【0035】実施例のロータ検査装置10では、測定し
た1つの変位△rと力Fとの組み合わせが、図4に示し
た変位△rと力Fとの適正な組み合わせの領域にあるか
否かにより固定膜48の巻き付け強度の適否を判定した
が、図7に示すように、変位△rと力Fとの組み合わせ
を複数測定してプロットし、複数の組み合わせ点から推
測される直線(図中破線B)が力Fの座標軸に交わる点
の力F1を求め、この力F1を所定の力F0と比較して
固定膜48の巻き付け強度の適否を判定する構成として
もよい。この場合、推測される力F1を式(4)のF0
に代えて代入することにより、力Fが作用していないと
きの固定膜48の張力T0を求めることができる。
【0036】実施例のロータ検査装置10では、スペッ
クルパターンを解析して永久磁石44のロータ40の回
転軸からの距離の変位△rを求めたが、直接変位△rを
計測する手法など如何なる方法で変位△rを求める構成
としてもよい。
【0037】実施例のロータ検査装置10では、永久磁
石44に力Fを作用させる前と作用させたときとに、そ
れぞれ所定波長の光を照射し、その反射光を画像として
取り込み、それぞれ得られた画像を重ね合わせることに
より得るスペックルパターンを解析して永久磁石44の
ロータ40の回転軸からの距離の変位△rを求め、固定
膜48の巻き付け強度の適否を判定したが、これに加え
て、さらに永久磁石44に作用させた力Fを取り除いた
後に所定波長の光を照射し、その反射光を画像として取
り込み、この画像と力Fを作用させたときの画像とを重
ね合わせることにより得るスペックルパターンを解析し
て力Fを取り除いた際の永久磁石44のロータ40の回
転軸からの距離の変位△r1を求め、変位△rと変位△
r1とを比較することにより、固定膜48の適否を判定
するものとしてもよい。この場合、単に固定膜48の初
期張力T0による巻き付け強度の判定ばかりでなく、固
定膜48の焼成不良やエポキシ樹脂の成分不良等により
生じる不良をも判定することができる。
【0038】実施例では、ロータ検査装置10にロータ
40をセットした後、一部手動で固定膜48の巻き付け
強度の適否を判定する構成としたが、力作用装置12の
位置調節機構16を判定処理装置20からの駆動信号に
より駆動するアクチュエータとして構成すると共に、図
3に示すフローチャートを制御フローとして判定処理装
置20のROM24に書き込み、固定膜48の巻き付け
強度の適否の判定を自動化する構成も好適である。
【0039】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明のロータ検査
装置によれば、ロータに巻き付け固定された磁石に、ロ
ータの中心軸から遠ざかる方向の力を作用させたときの
磁石のロータの中心軸からの距離の変位を検出し、この
変位と磁石に作用する力とに基づいて磁石をロータに巻
き付け固定する膜体の巻き付け強度の適否を判定するこ
とができる。この結果、ロータに何等損傷を与えないか
らロータの歩留りを高くすることができる。また、ロー
タを回転させる必要がないから容易かつ短時間に検査す
ることができる。
【0041】前記ロータ検査装置において、力作用手段
を、ロータに巻き付け固定された磁石と対向して配置さ
れこの磁石からの距離の調節が可能な対極の磁石とすれ
ば、力作用手段である磁石とロータに巻き付け固定され
た磁石との距離を調節することによりロータに巻き付け
固定された磁石に作用する力の大きさを調節することが
できる。
【0042】前記ロータ検査装置において、力作用手段
を、ロータに巻き付け固定された磁石と対向して配置さ
れ、磁極の強さの調節が可能な対極の電磁石とすれば、
電磁石の磁力を調節することによりロータに巻き付け固
定された磁石に作用する力の大きさを調節することがで
きる。
【0043】前記ロータ検査装置において、ロータを、
磁石に代えて着磁可能な未着磁部材を膜体により巻き付
け固定してなるものとすれば、着磁前でも膜体の巻き付
け強度の適否を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例であるロータ検査装置
10にPMモータのロータ40を検査可能に設置した様
子を示す斜視図である。
【図2】ロータ検査装置10の機能の概略を示すブロッ
ク図である。
【図3】固定膜48の巻き付け強度の判定の様子を示す
フローチャートである。
【図4】永久磁石44に作用する力Fと変位△rとの適
正な組み合わせを示すマップである。
【図5】永久磁石44に力Fを作用させた際の力の釣り
合いを示す説明図である。
【図6】永久磁石44に作用する力Fと、永久磁石44
と磁石14との距離Rとの関係を示すグラフである。
【図7】固定膜48の初期張力T0と釣り合う力F1を
求める様子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ロータ検査装置 11…固定台 12…力作用装置 14…磁石 16…位置調節機構 16a…支持部 16b…支持棒 16c…ハンドル部材 17…距離センサ 18…CCDカメラ 20…判定処理装置 22…CPU 24…ROM 26…RAM 28…入出力ポート 30…表示装置 40…ロータ 42…ロータ本体 44,45…永久磁石 48…固定膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石を膜体により巻き付け固定してなる
    ロータの該膜体の巻き付け強度を検査するロータ検査装
    置であって、 前記ロータに巻き付け固定された磁石に、該ロータの中
    心軸から遠ざかる方向の力を作用させる力作用手段と、 該力作用手段により前記磁石に前記力を作用させたと
    き、該磁石の前記ロータの中心軸からの距離の変位を検
    出する変位検出手段と、 該検出された変位と前記力とに基づいて前記膜体の巻き
    付け強度の適否を判定する判定手段とを備えたロータ検
    査装置。
  2. 【請求項2】 前記力作用手段は、前記磁石と対向して
    配置され、前記磁石からの距離の調節が可能な該磁石と
    対極の磁石である請求項1記載のロータ検査装置。
  3. 【請求項3】 前記力作用手段は、前記磁石と対向して
    配置され、磁極の強さの調節が可能な電磁石である請求
    項1記載のロータ検査装置。
  4. 【請求項4】 前記ロータは、前記磁石に代えて着磁可
    能な未着磁部材を前記膜体により巻き付け固定してなる
    請求項1記載のロータ検査装置。
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