JP7133040B2 - 光触媒シート - Google Patents

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Description

本開示は、負極活物質と正極活物質とを用いたZスキーム型(二段階光励起型)の光触媒シートに関する。本願は、2019年1月25日に日本で出願された特願2019-11347号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
生活の安心・安全性への要求が高まる一方、省エネや資源削減などの要求がある中、光触媒による殺菌・抗菌効果が従来技術として利用されている。特許文献1には、透明な基板上に透明電極層を設け、透明電極層上に太陽電池部と還元助触媒層とを並べて設けた光触媒装置が開示されている。
特許文献1の光触媒装置では、さらに、太陽電池部上に酸化助触媒層を設けている。この太陽電池部は、n型半導体層とi型半導体層とp型半導体層とが積層されたいわゆるpin構造のフォトダイオードである。
n型半導体層は、n型のナノ結晶シリコン層およびこの上に積層したn型のナノ結晶シリコン酸化物層により構成されている。i型半導体層は、i型のアモルファスシリコン酸化物層により構成されている。p型半導体層は、p型のアモルファスシリコン酸化物層、p型のナノ結晶シリコン層、p型のナノ結晶シリコン酸化物層をこの順に積層して構成されている。
また、還元助触媒層は、例えば、白金、金、銀、ニッケル、コバルト、銅、カーボン、パラジウムなどの金属またはこれらの合金から構成されている。
特開2017-221911号公報
しかしながら、特許文献1に記載の光触媒装置では、透明電極層上に設けられた太陽電池部と還元助触媒層とのうち、太陽電池部でしか発電されない。そのため、還元助触媒層では電子が生成されず、太陽電池部で発生した電子を利用しているため、還元助触媒層の還元力が低い。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、シートの全面で発電が可能であり、光触媒反応の効率を向上させることのできる光触媒シートを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の第1の態様である光触媒シートは、基材と、正極活物質を含み、前記基材上に積層された正極層と、負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記正極層上に部分的に積層された負極層とを有することを特徴としている。
また、上記の課題を解決するために、本開示の第2の態様である光触媒シートは、基材と、負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記基材上に積層された負極層と、正極活物質を含み、前記負極層上に部分的に積層された正極層とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、光触媒シートの一方の面において、正極層の露出した領域と、負極層の露出した領域とを存在させることができ、負極層および正極層の両方で光触媒として反応が可能であるため、光触媒シートのほぼ全面で発電可能となって発電ロスが無くなる。また、負極層および正極層のそれぞれの光の吸収波長を独立して設定可能であり、幅広い吸収スペクトルを有する光触媒シートを形成することができる。これらにより、光触媒反応の効率を向上させることができる。
また、上記光触媒シートは、前記負極層が、粒状の前記負極活物質の集合体を含む構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記正極層が、粒状の前記正極活物質の集合体を含む構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記負極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されている構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記正極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されている構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記正極層上に部分的に積層されたキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層を有しており、前記負極層は、前記キャリア輸送層上に積層されている構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記負極層上に部分的に積層されたキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層を有しており、前記正極層は、前記キャリア輸送層上に積層されている構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記粒状の前記負極活物質が増感剤を担持している構成とすることができる。
また、上記光触媒シートでは、前記正極活物質は、酸化鉄(III)、酸化タングステン、バナジウム酸塩の何れかを含む構成とすることができる。
また、上記光触媒シートでは、前記負極活物質は、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、タンタル酸塩の何れかを含む構成とすることができる。
また、上記光触媒シートでは、前記キャリア輸送物質は、ヨウ化銅、酸化ニッケル、PEDOT、PEDOT-PSS、piro-OMeの何れかを含むホール輸送材料を有する構成とすることができる。
また、上記光触媒シートでは、前記キャリア輸送物質は、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を有する構成とすることができる。
また、上記光触媒シートでは、記増感剤は、有機増感剤、無機増感剤、および量子ドットの何れかを含む構成とすることができる。
また、上記光触媒シートは、前記正極層の露出面積と前記負極層の露出面積とが異なる構成とすることができる。
上記の構成によれば、正極層の露出面積と負極層の露出面積とを調整することで、正極層における発生電子数と負極層における発生電子数とを一致させることができる。
また、上記光触媒シートは、前記正極層の膜厚と前記負極層の膜厚とが異なる構成とすることができる。
上記の構成によれば、正極層の膜厚と負極層の膜厚とを調整することで、正極層における発生電子数と負極層における発生電子数とを一致させることができる。
本開示の光触媒シートでは、光触媒シートのほぼ全面で発電可能となって発電ロスが無くなり、また、負極層および正極層のそれぞれの光の吸収波長を独立して設定することで、幅広い吸収スペクトルを有することができるため、光触媒反応の効率を向上させることができるといった効果を奏する。
図1Aは、実施の形態1に係る光触媒シートの平面図である。 図1Bは、図1AのA-A断面図である。 図1Cは、正極層と負極層との界面の概略構成を示す断面拡大図である。 図2は、実施の形態1に係る光触媒シートの負極および正極の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。 図3Aは、実施の形態1に係る光触媒シートの製造工程を表す断面図である。 図3Bは、実施の形態1に係る光触媒シートの製造工程を表す断面図である。 図4Aは、負極層の形成時に使用する負極活物質粒子の製造工程を示す断面図である。 図4Bは、負極層の形成時に使用する負極活物質粒子の製造工程を示す断面図である。 図4Cは、負極層の形成時に使用する負極活物質粒子の製造工程を示す断面図である。 図5は、実施の形態1に係る光触媒シートの変形例の構成を示す断面図である。 図6は、比較例1~3に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図7は、比較例1に係る光触媒シートの酸化チタン、および、比較例2に係る光触媒シートの酸化タングステンの光の吸収スペクトルの一例を表す図である。 図8は、実施の形態1に係る光触媒シートに対する試験の結果を表す図である。 図9は、実施の形態2に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図10は、実施の形態2に係る光触媒シートの負極および正極の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。 図11は、実施の形態2に係る光触媒シートに対する試験の結果を表す図である。 図12は、実施の形態3に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図13は、実施の形態3に係る光触媒シートの負極および正極の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。 図14は、実施の形態3に係る光触媒シートに対する試験の結果を表す図である。 図15は、実施形態4に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図16は、実施形態4に係る光触媒シートの負極および正極の光の吸収スペクトルを表す図である。 図17は、実施の形態4に係る光触媒シートに対する試験の結果を表す図である。 図18は、実施の形態5に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図19は、実施の形態6に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。 図20は、実施の形態6に係る光触媒シートの変形例の構成を示す断面図である。
〔実施の形態1〕
(光触媒シートの構成)
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1Aは、本実施の形態1に係る光触媒シート10の概略平面図である。図1Bは、図1AのA-A断面図である。図1Cは、正極層2と負極層2の界面の概略構成を示す断面拡大図である。
光触媒シート10は、基材1と、基材1上に積層された正極層2と、正極層2上に部分的に積層された負極層3とを有している。すなわち、光触媒シート10の一方の面では、正極層2の露出した領域と、負極層3の露出した領域とが存在する。尚、正極層2は基材1上の全面(もしくはほぼ全面)に積層されていることが好ましいが、一部に正極層2の積層されない領域があってもよい。
基材1は、絶縁性の板状の部材である。基材1としては、例えば、ガラス基板、ガラスエポキシ基板、またはフィルム基板などを用いることができる。当該フィルム基板の材質としては、例えば、ポリイミドまたはポリエステルなどを挙げることができる。さらに、基材1は建造物の壁面であってもよい。基材1の、正極層2が積層される表面は平坦であってもよく、凹凸があってもよい。基材1の厚さやサイズは光触媒シート10を設置する場所に応じて適宜変更することができる。
正極層2は、正極活物質2aを含んでおり、その露出領域において物質を酸化するための電極となる。正極層2に含まれる正極活物質2aは、分解対象の物質の酸化電位(分解対象が水の場合、水の酸化電位)より貴である価電子帯準位をもつ材料であることが好ましい。正極層2に含まれる正極活物質2aの伝導帯準位は特に限定されないが、より貴であることが好ましい。これにより、正極層2の光の吸収波長をより長波長化することができる。
正極層2に含まれる正極活物質2aとしては、例えば、酸化鉄(III)、酸化タングステンなどの酸化物、バナジウム酸塩などの複合酸化物の何れかを少なくとも含むことが好ましい。バナジウム酸塩の一例としては、バナジウム酸ビスマスを挙げることができる。正極活物質2aは粒子状であることが好ましい。正極活物質2aの粒子の粒径は、10nm~500μmであることが好ましく、20nm~50μmであることがより好ましい。
正極層2の平均厚みは、0.1μm~500μmであることが好ましい。正極層2の平均厚みが0.1μm未満であれば、光を十分に吸収できなくなる虞がある。正極層2の厚みが500μmを超えると、これ以上の効果が得られない虞がある。正極層2の平均厚みの測定方法は、接触段差計や断面SEMで測定することができる。
負極層3は、負極活物質3aを含んでおり、物質を還元するための電極である。また、負極層3は、キャリア(正孔および/または電子)を輸送するキャリア輸送物質3bを含んでいる。負極層3に含まれる負極活物質3aは、分解対象の物質の還元電位(分解対象の物質が水であれば、水の還元電位)より卑である伝導帯準位をもつ材料であることが好ましい。負極層3に含まれる負極活物質3aの価電子帯準位は特に限定されないが、より卑であることが好ましい。これにより、負極層3の光の吸収波長をより長波長化することができる。
負極層3に含まれる負極活物質3aとしては、例えば、酸化チタンなどの金属酸化物、チタン酸ストロンチウムやタンタル酸塩などの複合金属酸化物、硫化カドミウムなどの硫化物の何れかを含むことが好ましい。タンタル酸塩の一例としては、タンタル酸カリウムを挙げることができる。負極活物質3aは粒子状であることが好ましい。負極活物質3aの粒子の粒形は、1nm~500μmであることが好ましい。
キャリア輸送物質3bは、粒状の負極活物質3aの集合体内の細孔に充填されている。このキャリア輸送物質3bは、一般的にキャリア輸送に使用される材料であれば特に限定はなく、例えば、ヨウ化銅(CuI)、酸化ニッケル(NiO)などの無機材料を用いることができる。または、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフエン)、PEDOT‐PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))、および、Spiro‐OMe‐TADなどの何れかを含むホール輸送材料を用いることができる。または、キャリア輸送物質3bは、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を用いてもよい。キャリア輸送物質3bの形状は粒状であっても良く、非結晶であっても結晶であってもよい。
負極層3の平均厚みは、特に限定されないが、100nm~1000μmであることが好ましい。負極層3の平均厚みが100nm未満であれば、光を十分に吸収できなくなる虞がある。負極層3の平均厚みが1000μmを超えると、これ以上の効果が得られない虞がある。負極層3の平均厚みの測定方法は、接触段差計で測定することができる。
図1Aに示す例では、負極層3は図中のX方向に沿って一定間隔のストライプ状に形成されており、正極層2および負極層3の各露出領域は図中のy方向が長手方向となっている。ここで、光触媒シート10における正極層2および負極層3の平面的なレイアウトは特に限定されるものではないが、正極層2および負極層3の各露出領域は、面内の少なくとも1方向については寸法が小さくなるように形成されていることが好ましい。これは、光触媒シート10がZスキーム型(二段階光励起型)の光触媒として機能するには、正極層2の露出領域と負極層3の露出領域との間でキャリア(電子または正孔)が輸送される必要があり、この輸送距離が長くなるとキャリア輸送の抵抗が増大してZスキーム効果が低下するためである。負極層3をストライプ状に形成する図1A~図1Cの例は、ストライプの幅およびピッチを小さくすることでX方向におけるキャリア輸送距離を短くすることができ、正極層2および負極層3のレイアウトの好適例の一つであると言える。
尚、図1Aに示す平面視において、正極層2の短手方向(x軸方向)の幅は10μm~10mmであることが好ましく、負極層3の短手方向(x軸方向)の幅は10μm~10mmであることが好ましい。また、正極層2および負極層3の長手方向(y軸方向)の幅は特に限定されない。
また、図1Cの断面拡大図では、正極層2および負極層3は互いに接触しているが、正極層2に含まれる正極活物質2aと、負極層3に含まれる負極活物質3aとが接触していると、負極層3から正極層2へ電子移動が起こるため、光触媒としての性能が低下する。このため、正極層2に含まれる正極活物質2aと、負極層3に含まれる負極活物質3aとの間には、実際にはキャリア輸送物質3bが介在しており、正極活物質2aと負極活物質3aとが直接接触することはない。もしくは、接触しているものがあっても、その割合は僅かである。
図2は、本実施の形態1に係る光触媒シート10の正極層2および負極層3の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。図2におけるグラフ101は負極層3の光の吸収率(abs)を表し、グラフ102は正極層2の光の吸収率(abs)を表している。図2では、一例として、負極層3に含まれる負極活物質3aが酸化チタン(TiO)であり、正極層2に含まれる正極活物質2aが酸化鉄(III)(α‐Fe)である場合を表している。
グラフ102は、波長が530nm近傍でピーク波長となっており、ピーク波長から長波長側は急激に吸収率が低下している。よって、正極層2における正極活物質2aとして、伝導帯準位がより貴である材料を用いることで、グラフ102のピーク波長をより長波長側へ移動させることができ、この結果、正極層2の光の吸収率を増加させることができる。
グラフ101は、波長が360nm近傍でピーク波長となっており、ピーク波長から長波長側は急激に吸収率が低下している。よって、負極層3における負極活物質3aとして、価電子帯準位がより卑である材料を用いることで、グラフ101のピーク波長をより長波長側へ移動させることができ、この結果、負極層3の光の吸収率を増加させることができる。
続いて、図3A、図3Bおよび図4A~図4Cを用いて本実施の形態1に係る光触媒シート10の製造工程について説明する。図3A及び図3Bは、光触媒シート10の製造工程を表す図である。図4A~図4Cは、負極層3の形成時に使用する負極活物質粒子の製造工程を示す図である。尚、図3A及び図3Bおよび図4A~図4Cを用いて説明する光触媒シート10の各部材の材料および各工程で用いる方法は一例である。
(正極層形成工程)
図3Aは、基材1上に正極層2を形成する正極層形成工程を示している。この正極層形成工程では、まず、正極活物質2aの粒子を所定の溶媒に分散させて正極活物質粒子のスラリーを作製する。そして、この正極活物質粒子のスラリーを、基材1上に塗布し、乾燥させる。これにより、基材1上に正極層2が形成される。
(負極層形成工程)
図3Bは、正極層2上に負極層3を形成する負極層形成工程を示している。この負極層形成工程では、後述する方法で作成される負極活物質粒子のスラリーを、例えばスクリーン印刷にて正極層2上に塗布し、乾燥させる。これにより、複数の負極層3が正極層2上にパターン形成される。これにより、光触媒シート10が完成する。
ここで使用する負極活物質粒子のスラリーは、まず、負極活物質の微粒子を含むペーストを、基材1とは別途用意したガラス基材1A上に印刷し、乾燥後、所定の温度で所定の時間焼成する。これにより、図4Aに示すように、ガラス基材1A上に負極活物質膜31が形成される。
こうして形成された負極活物質膜31にキャリア輸送物質3bを含ませるため、キャリア輸送物質3bを含む溶液の滴下あるいはスピンコート(2000rpm、30s)等を行う。滴下されたキャリア輸送物質3bを含む溶液は重力または毛細管現象によって負極活物質膜31内に浸透し、これにより、図4Bに示すように、ガラス基材1A上にキャリア輸送物質3bを含ませた負極活物質膜32が形成される。キャリア輸送物質3bを含む溶液は、例えば、キャリア輸送物質3bを有機溶媒へ溶解して撹拌することで作成する。
次いで、負極活物質膜32を形成したガラス基材1Aを純水の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、波長300nm~11000nm、周波数10000~1000000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションを行う。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、ガラス基材1Aから負極活物質膜32を剥離しつつ微粒子化する。この結果、キャリア輸送物質3bを含ませた負極活物質粒子が形成される。
そして、上記負極活物質粒子の集合体である粉末を、所定の溶媒に分散させる。これにより、上述の負極活物質粒子のスラリーが作成される。
尚、正極層形成工程において用いる正極活物質粒子のスラリー作製用の正極活物質粒子も、負極層形成工程において作成した負極活物質の粒子と同様に、ガラス基材上へ正極活物質の微粒子を含むペーストを印刷および焼成して、ガラス基材上に正極活物質膜を形成し、当該正極活物質膜に対しレーザアブレーションを行うことで形成してもよい。
また、負極層形成工程と、正極層形成工程との順を逆にして、基材1上に、先に負極層3をパターン形成した後、その上に正極層2を形成してもよい。但し、この場合は、負極層3および正極層2を共に露出するために、正極層2の形成後に基材1を剥離する必要がある。基材1の剥離には、例えば、カッターナイフによる切削剥離を用いることができる。図5に示すように、こうして形成される光触媒シート11は、正極層2に負極層3が埋め込まれた構成となる。すなわち、光触媒シート11では、正極層2および負極層3の露出側の面で、正極層2および負極層3の露出面が同一の平面に存在する。
(光触媒シートの主な効果)
ここで、一般的に光触媒として、酸化チタンからなる光触媒が用いられている。この酸化チタンは、紫外光(波長が約400nm程度以下)を主に吸収し、紫外光よりも波長が長波長である光は吸収せずに透過する。
しかし、酸化チタンを用いた光触媒を屋外において用いたとしても、紫外光は全太陽光の1%程度しか含まれておらず効率よく太陽光を吸収することができない。
また、酸化チタンからなる光触媒を屋内において用いたとしても、紫外光は、全蛍光灯の光における1/1000程度しかなく、LED光に至っては含まれていないため、効率よく光触媒としての機能を発揮することができない。
さらに、可視光を吸収する光触媒(可視光応答型の光触媒と称する場合がある)も商品化されているが、吸収スペクトルは紫外光より少し長波長化(波長が500nm以下)した程度であり、これまで、根本的な反応効率の改善には至っていなかった。
これは、主として、以下の2点の原因が考えられる。
・従来の可視光応答型の光触媒は、酸化チタンを中心にした金属酸化物材料に不純物をドープし、吸収波長を長波長化する試みで作製されたものが多数であるため。この不純物が再結合してしまうため光触媒の大幅な長波長化に繋がりにくい。
・吸収波長の異なる2つの材料を組み合わせたZスキーム(タンデム)型も検討されている。このZスキーム(タンデム)型は微粒子の光触媒での検討が多く、正極と負極の反応制御が難しく、光触媒の大幅な長波長化に繋がりにくい。
そこで、図1A~図1Cに示したように、本実施の形態1に係る光触媒シート10は、基材1と、基材1上に全面的に積層された正極層2と、正極層2上に部分的に積層された負極層3とを備えている。そして、光触媒シート10の一方の面では、正極層2の露出した領域と、負極層3の露出した領域とが存在している。
これにより、図2に示したように、負極層3および正極層2によって、従来の光触媒と比べて、吸収スペクトルを大幅に長波長側へ移動させることができる。このため、光触媒シート10は、屋外であっても太陽光を効率よく吸収し、屋内であっても、蛍光体またはLEDなどからの光を効率よく吸収することができる。
このように、光触媒シート10は、特に可視光を効率よく吸収することができるため、この結果、効率よく光触媒としての機能を発揮することができる。すなわち、光触媒シート10によると、光触媒反応の効率を向上させることができる。
さらに、特許文献1に記載された光触媒装置のような透明電極層上の一部領域に設けられた太陽電池部でしか発電しない構成とは異なり、光触媒シート10では、負極層3および正極層2の両方で光触媒として反応が可能である。つまり、光触媒シート10では、光触媒シート10のほぼ全面で発電可能である。
これは、酸化極では光を吸収して酸化力の高いヒドロキシラジカル(・OH)を発生し、還元極では光を吸収して還元力が高い(換言すると電子準位が高い)スーパーオキシドラジカル(・O2-)が発生し、どちらも有機物の分解や殺菌の作用を有するため、全面が光触媒として有効に反応可能であるためである。
一方、特許文献1に記載された光触媒装置では、還元極は、酸化極で発生した電子をそのまま利用しているため(すなわち、還元極ではエネルギー(光)を得ていないため)、還元力が低く物質を分解することができない。
このように光触媒シート10は、特許文献1に記載された光触媒装置とは異なり、発電効率がよい。
また、光触媒シート10は、当該光触媒シート10の同一面で負極層3と正極層2との両方が露出するように形成している。このため、負極層3と、正極層2とのそれぞれの光の吸収波長を独立して設定可能であり、幅広い吸収スペクトルを有する光触媒シート10を形成することができる。
また、光触媒シート10における負極層3および正極層2はそれぞれ、負極活物質粒子または正極活物質粒子の集合体として構成されているため、正極層2で発生するOHラジカルと、負極層3で発生するO2-が容易に反応するために光触媒反応が容易に起こる。これにより、効率よく光触媒機能を発揮することができる。
尚、この負極層3および正極層2それぞれを構成する「粒子」とは、1nm~500nmの微粒子が結合して1μm~100μmのクラスターとなっている場合、および/または、粒子自体が数1μm~100μmとなっている場合を含むものとする。
そして、光触媒シート10は、負極層3と正極層2とが基材1に対して同一面方向に設けられたシート状であるため、基材1の裏面(負極層3と正極層2とが設けられていない側の面)を壁面に対向配置することで、壁面に設置しても光触媒機能を発揮することができる。
また、特許文献1に記載された光触媒装置は、太陽電池部を構成する半導体として、アモルファスシリコンを使用している。しかし、このアモルファスシリコンの起電力は0.6eV程度であるため、物質を酸化するホールの順位は水の酸化還元電位より卑である。よって、特許文献1に記載された光触媒装置は、実際は、光触媒として機能しない。
一方、本実施の形態1に係る光触媒シート10において、物質を酸化するための電極である正極層2を、分解対象の物質の酸化電位(分解対象が水の場合、水の酸化電位)より貴である価電子帯準位をもつ材料により構成することで、十分に光触媒として機能させることができる。
以下に本実施の形態1の具体的な実施例に基づいて効果を説明する。
(実施例1)
実験に使用した実施例1の光触媒シート10は、図3A及び図3B,4A~図4Cを用いて説明した光触媒シート10の製造工程によって作製した。ここで、実施例1に係る光触媒シート10の負極層3に含まれる負極活物質3aは酸化チタンであり、キャリア輸送物質3bはヨウ化銅であり、正極層2に含まれる正極活物質2aは酸化鉄(III)である。
正極層形成工程では、まず、酸化鉄(III)(α‐Fe)の微粒子(粒径100um、キシダ化学製)をエチレングリコールモノメチルエーテル(シグマアルドリッチ製)に分散させて酸化鉄(III)スラリーを作製した。そして、この酸化鉄(III)スラリーを、基材1上に塗布し、120℃で0.5h乾燥させた。これにより、基材1上に正極層2を形成した。
負極層形成工程では、後述する方法で作成された酸化チタン(TiO)スラリーを、スクリーン印刷にて正極層2上に塗布し、120℃で乾燥させた。スクリーン印刷機には、例えばニューロング精密工業製のLS-34TVAを使用した。これにより、複数の負極層3が正極層2上にパターン形成され、光触媒シート10が完成した。尚、実施例1における光触媒シート10は、正極層2の上に負極層3を一定の間隔で125列積層させた。基材1の面積は、5cm×5cmとした。正極層2の厚みは18μmとした。1列の負極層3の面積は5cm×200μmとした。また、1列の負極層3の厚みは20μmとした。隣り合う負極層3の間隔は200μmとした。
尚、ここで使用した酸化チタン(TiO)スラリーは、まず、酸化チタン(TiO)ペースト(例えば、日揮触媒化成製)を、基材とは別途用意したガラス基材(ニューロング精密工業製)上に印刷し、500℃で1h焼成して、ガラス基材上に酸化チタン膜を形成した。
こうして形成された酸化チタン膜にキャリア輸送物質3bを含ませるため、ヨウ化銅(CuI)溶液を滴下して、スピンコート(2000rpm、30s)を行った。滴下されたヨウ化銅溶液は酸化チタン膜内に浸透し、これにより、ガラス基材上にキャリア輸送物質3bを含ませた酸化チタン膜が形成される。ヨウ化銅溶液は、例えば、1mol/Lとなるようヨウ化銅(CuI)をプロピルスルフィド(何れもシグマアルドリッチ製)へ溶解して撹拌することで作成した。
次いで、キャリア輸送物質3bを含ませた酸化チタン膜を形成したガラス基材を純水の入った容器に浸漬させ、レーザー照射装置(西進商事製)を用いて、純水に浸漬させた酸化チタン膜に波長1024nm、周波数14000Hzのレーザー光を60秒照射し、酸化チタン膜を粉砕した。粉砕後、剥がれた基材と、キャリア輸送物質3bを含ませた酸化チタンの粒子とを500μm径のふるいで分離した。キャリア輸送物質3bを含ませた酸化チタンの粒子の集合体である粉末を、低沸点溶媒であるエチレングリコールモノメチルエーテル(例えば、シグマアルドリッチ製)に分散させ、上述の酸化チタンスラリーを作成した。
(比較例1~3)
図6は、比較例1~3に係る光触媒シートの構成を表す断面図である。比較例1~3に係る光触媒シートは、基材1上に単層の触媒層4を積層した構成であり、比較例1では触媒層4を酸化チタン(TiO)、比較例2では触媒層4を酸化タングステン(WO)、比較例3では触媒層4を酸化鉄(Fe)としている。
比較例1に係る光触媒シートは以下のように作製した。基材1(青板ガラス、松浪硝子社製)上に、酸化チタン(TiO)ペースト(PST‐18NR、日揮触媒化成製)を、スクリーン印刷(ニューロング精密工業製)によって、5cm×200μmのパターンが250列配置されるよう印刷し、120℃で20min乾燥させた後、500℃で1h焼成した。これを4回繰り返すことにより、基材1上に、触媒層4として膜厚20μmの酸化チタン膜が形成された光触媒シートを完成させた。
比較例2に係る光触媒シートは以下のように作製した。まず、酸化タングステン(WO、5g、和光純薬工業製)をテンピネオール(100ml、キシダ化学製)に分散し、エチルセルロース(4g、日新化成社製)を添加して混練器で約12h混練して酸化タングステンペーストを作製した。後は、比較例1と同様に、基材1上に、作製した酸化タングステンペーストを、印刷、乾燥、および焼成することで、基材1上に、触媒層4として酸化タングステン膜が形成された光触媒シートを完成させた。
比較例3に係る光触媒シートは以下のように作製した。まず、酸化鉄(Fe、5.4g、キシダ化学製)を用いて、比較例2と同様にして酸化鉄ペーストを作製した。後は、比較例1、2と同様に、基材1上に、作製した酸化鉄ペーストを、印刷、乾燥、および焼成することで、基材1上に、触媒層4として酸化鉄膜が形成された光触媒シートを完成させた。
図7は、比較例1に係る光触媒シートの酸化チタン、および、比較例2に係る光触媒シートの酸化タングステンの光の吸収スペクトルの一例を表す図である。グラフ201は、比較例1に係る光触媒シートの酸化チタンの光の吸収スペクトルを表している。グラフ202は、比較例2に係る光触媒シートの酸化タングステンの光の吸収スペクトルを表している。グラフ201・202両方とも、短波長側から400nmへ至る前に吸収率が急激に低下している。
図8は、実施例1および比較例1~3に係る試験の結果を表す図である。ここでは、JIS R 1702の試験を行った。当該試験では、蛍光灯500Lx下にて、大腸菌および黄色ブドウ球菌(約1×10個/5cm角基板)の生菌が10%以下までに減少するに至るまでの時間を、比較例1、比較例2、比較例3、および実施例1に係る光触媒シートのそれぞれについて計測した。
図8に示すように、実施例1に係る光触媒シート10によると、比較例1~3に係る光触媒シートの何れと比べても、飛躍的に大腸菌および黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施の形態2〕
図9は、本実施の形態2に係る光触媒シート10Aの構成を表す断面図である。光触媒シート10Aは、光触媒シート10(図1A~図1C参照)の負極層3を負極層3Aへ変更した構成である。光触媒シート10Aの他の構成は光触媒シート10と同様である。
実施の形態1で説明した光触媒シート10において負極層3における光の吸収波長幅が狭くて負極層3に流れる電流が低い場合は、本実施の形態2に係る光触媒シート10Aのように、負極層3に増感剤を含有させた負極層3Aを有してもよい。
負極層3Aは、酸化チタンなどの負極層3と同じ材料によって構成される負極活物質粒子が、増感剤を担持した構成である。負極層3Aにおいて担持される増感剤の材料は、特に限定されないが、負極層3Aの吸収波長幅が、負極層3よりも広がればよい。負極層3Aにおいて担持される増感剤の材料の具体例としては、有機増感剤、無機増感剤および量子ドットなどを挙げることができる。有機増感剤としては、例えば、有機色素、および金属錯体色素などを挙げることができる。無機増感剤としては、例えば、SbClなどを挙げることができる。
負極層3Aでは、負極層3Aに含まれる負極活物質粒子のうち、少なくとも一部の粒子が増感剤を担持していればよい。そして、負極層3Aでは、増感剤を担持する粒子と、増感剤を担持しない粒子とがキャリア輸送物質に接触していることが好ましい。
光触媒シート10Aの製造工程は、光触媒シート10の製造工程における負極層形成工程に、負極層3Aとなる負極活物質に増感剤を担持させる工程を加えた点が相違する。当該増感剤を担持させる工程では、増感剤を溶媒に溶解して作製した溶液を用いる。光触媒シート10Aの製造工程の他の工程は、光触媒シート10の製造工程と同様である。
図10は、実施の形態2に係る光触媒シート10Aの負極層3Aおよび正極層2の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。図10では、一例として、負極層3Aは酸化チタン(TiO)が増感剤として酸化チタンよりもさらに粒径の細かい硫化アンチモンを担持した材料からなり、正極層2は酸化鉄(III)(α‐Fe)からなる場合を表している。
図10におけるグラフ111は負極層3Aの光の吸収率(abs)を表し、グラフ102は正極層2の光の吸収率(abs)を表している。
図10に示すように、グラフ111は、500nm近傍でピーク波長となり当該ピーク波長前後の波長でも傾斜がなだらかであり、550nm近傍から750nm近傍にかけてなだらかに傾斜している。750nmより長波長側は急激に吸収率が低下している。このように、増感剤を担持させることで、負極層3Aは、負極層3よりも吸収波長幅を広げることができる。
以下に本実施の形態2の具体的な実施例に基づいて効果を説明する。具体的には、実施の形態1に係る光触媒シート10(実施例1)と、本実施の形態2に係る光触媒シート10A(実施例2)との機能の比較を行った。
(実施例2)
実施例2の光触媒シート10Aは、実施例1で作成した光触媒シート10を増感色素:ルテニウム金属錯体N719(Greatcell Solar(旧Dyesol)社製)をエタノールに分散させた分散液(500ml)に6h浸漬し、0.5h室温で乾燥させたものを利用した。
図11は、実施例1,2に係る試験の結果を表す図である。ここでも、実施の形態1における第1実施例と同様、JIS R 1702の試験を行った。図11に示すように、実施例2に係る光触媒シート10Aは、実施例1に係る光触媒シート10と比べても、飛躍的に大腸菌および黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施の形態3〕
図12は、本実施の形態3に係る光触媒シート10Bの構成を表す断面図である。光触媒シート10Bは、光触媒シート10(図1A~図1C参照)の負極層3の面積を変更し、負極層3の露出面積と正極層2の露出面積とが異なるようにした構成である。光触媒シート10Bの他の構成および製造工程は光触媒シート10と同様である。
実施の形態1で説明した光触媒シート10において正極層2における光の吸収波長幅が狭くて正極層2に流れる電流が低い場合など、負極層3および正極層2のそれぞれに流れる電流値を考慮して、負極層3の露出面積と正極層2の露出面積との面積を異ならせてもよい。例えば、露出面における面積当たりの負極層3と正極層2との分解対象物の分解電流を測定し、その逆数の比となるように、負極層3と正極層2とのそれぞれの面積を決定する。
図12に示す例は、光触媒シート10Bにおいて、正極層2の露出面積を負極層3の露出面積より大きくした構成を表している。図13は、本実施の形態3に係る光触媒シート10Bの負極層3および正極層2の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。図13におけるグラフ121は負極層3の光の吸収率(abs)を表し、グラフ122は正極層2の光の吸収率(abs)を表している。
図13に示すように、吸収波長幅(グラフ122)が狭く発生電子数が少ない正極層2の露出面積を負極層3の露出面積よりも大きくすることで、正極層2における発生電子数を、吸収波長幅(グラフ121)が広い負極層3における発生電子数と一致させることができる。
尚、逆に、光触媒シート10Bにおいて、負極層3における光の吸収波長幅が狭くて負極層3に流れる電流が低い場合などには、負極層3の露出面積を正極層2の露出面積よりも大きくしてもよい。これにより、負極層3の光の吸収波長幅を広げることができる。
以下に本実施の形態3の具体的な実施例に基づいて効果を説明する。具体的には、実施の形態1に係る光触媒シート10(実施例1)と、本実施の形態3に係る光触媒シート10B(実施例3)との機能の比較を行った。
(実施例3)
図14は、実施例1,3に係る試験の結果を表す図である。ここでも、実施の形態1における第1実施例と同様、JIS R 1702の試験を行った。図14に示すように、実施例3に係る光触媒シート10Bは、実施例1に係る光触媒シート10と比べても、飛躍的に大腸菌および黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施の形態4〕
図15は、本実施の形態4に係る光触媒シート10Cの構成を表す断面図である。光触媒シート10Cは、光触媒シート10B(図12参照)の負極層3の膜厚を変更した構成である。光触媒シート10Cの他の構成および製造工程は光触媒シート10Bと同様である。尚、負極層3の膜厚は、例えば、スクリーンマスクのメッシュ数、乳剤厚、および総厚により調整することができる。
実施の形態3の光触媒シート10Bでは、正極層2の露出面積と負極層3の露出面積との面積比を調整することで、正極層2における発生電子数と負極層3における発生電子数とを一致させることを説明した。これに対し、本実施の形態4に係る光触媒シート10Cは、上記面積比だけでなく、負極層3の膜厚の調整を合わせて行うことで、正極層2における発生電子数と負極層3における発生電子数とを一致させるものである。
図16は、本実施の形態4に係る光触媒シート10Cの負極層3および正極層2の光の吸収スペクトルの一例を表す図である。図16におけるグラフ121は負極層3の光の吸収率(abs)を表し、グラフ122は正極層2の光の吸収率(abs)を表している。
光触媒シート10Cにおいては、負極層3の膜厚を厚くすることで、図16に示す矢印Cに示すように、負極層3の光の吸収波長幅を広げることができる。そして、負極層3の光の吸収波長幅が広がれば、その分、負極層3の露出面積を小さくし、正極層2の露出面積を大きくしても、正極層2における発生電子数と負極層3における発生電子数とを一致させることができる。
尚、本実施の形態4に係る光触媒シート10Cは、負極層3の膜厚を大きくした場合、負極層3の側面での光吸収により、散乱光の吸収も可能となる。
以下に本実施の形態4の具体的な実施例に基づいて効果を説明する。具体的には、実施の形態3に係る光触媒シート10B(実施例3)と、本実施の形態4に係る光触媒シート10C(実施例4)との機能の比較を行った。
(実施例4)
実施例4の光触媒シート10Cは、負極層3の膜厚および面積が異なるのみで、その製造工程は実施例3と同じである。
図17は、実施例3,4に係る試験の結果を表す図である。ここでも、実施の形態1における第1実施例と同様、JIS R 1702の試験を行った。図17に示すように、実施例4に係る光触媒シート10Cは、実施例3に係る光触媒シート10Bと比べても、飛躍的に大腸菌および黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施の形態5〕
図18は、本実施の形態5に係る光触媒シート10Dの構成を表す断面図である。本実施の形態5に係る光触媒シート10Dは、基材1と、基材1上に積層された正極層2と、正極層2上に部分的に積層されたキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層5と、キャリア輸送層5に積層された負極層3とを含む。すなわち、光触媒シート10Dは、図1A~図1Cの光触媒シート10に対し、正極層2と負極層3との間にキャリア輸送層5が形成された構成とされている。
本実施の形態5に係る光触媒シート10Dでは、実施の形態1の正極層形成工程の後、正極層2上に適宜間隔を空けて、キャリア輸送物質を含む溶液を滴下し、スピンコート等でキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層5を形成する。その後、キャリア輸送層5の上に、負極活物質粒子のスラリーを、例えばスクリーン印刷にてキャリア輸送層5上に塗布し、乾燥させることで負極層3を形成する。
〔実施の形態6〕
図19は、本実施の形態6に係る光触媒シート10Eの構成を表す断面図である。本実施の形態6に係る光触媒10Eは、基材1上に正極層2が積層されているが、正極層2の表面(基材1と正極層2の界面と反対側の面)に複数の溝が形成され、該溝に負極層3が形成されている形態である。本実施の形態6に係る光触媒シート10Eでは、正極層2の露出した概略表面と、負極層3の露出した概略表面とが同一面上にあることが好ましい。光触媒シート10Eは、正極層2に形成された溝に負極層3を形成することで、負極層3が正極層2に保護される形態とすることができる。
正極層2に形成される溝は、負極層3が形成可能な範囲の深さを有すれば特に限定されることはない。正極層2に溝を形成する方法は、正極活物質2aに採用される材料によって、適宜変更されるが、正極層2に凹凸形状を形成できる方法であれば特に限定されない。なお、本実施の形態6の変形例として、図20に示すように、正極層2に形成された溝に、先にキャリア輸送層5が形成され、さらにその上に負極層3が形成された光触媒シート10E’であってもよい。
〔実施の形態7〕
上記の実施の形態1~6は、基材1に正極層2を積層し、正極層2上に部分的に負極層3(およびキャリア輸送層5)を積層した構造とした。しかしながら、本開示はそれに限定されるものではなく、基材1に負極層3を積層し、負極層3上に部分的に正極層2を積層した構造としてもよい。このような構造であっても、光触媒シートの同一面で負極層3と正極層2との両方が露出するため、負極層3と、正極層2とのそれぞれの光の吸収波長を独立して設定可能であり、幅広い吸収スペクトルを有する光触媒シートを形成することができる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

Claims (17)

  1. 基材と、
    正極活物質を含み、前記基材上に積層された正極層と、
    負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記正極層上に部分的に積層された負極層とを有し、
    前記負極層が、粒状の前記負極活物質の集合体を含み、
    前記負極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されていることを特徴とする光触媒シート。
  2. 基材と、
    負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記基材上に積層された負極層と、
    正極活物質を含み、前記負極層上に部分的に積層された正極層とを有し、
    前記負極層が、粒状の前記負極活物質の集合体を含み、
    前記負極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されていることを特徴とする光触媒シート。
  3. 請求項1または2の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記正極層が、粒状の前記正極活物質の集合体を含むことを特徴とする光触媒シート。
  4. 請求項項に記載の光触媒シートであって、
    前記正極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されていることを特徴とする光触媒シート。
  5. 基材と、
    正極活物質を含み、前記基材上に積層された正極層と、
    負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記正極層上に部分的に積層された負極層とを有し、
    前記正極層が、粒状の前記正極活物質の集合体を含み、
    前記正極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されていることを特徴とする光触媒シート。
  6. 基材と、
    負極活物質とキャリア輸送物質とを含み、前記基材上に積層された負極層と、
    正極活物質を含み、前記負極層上に部分的に積層された正極層とを有し、
    前記正極層が、粒状の前記正極活物質の集合体を含み、
    前記正極活物質の集合体内の細孔に前記キャリア輸送物質が充填されていることを特徴とする光触媒シート。
  7. 請求項5または6に記載の光触媒シートであって、
    前記負極層が、粒状の前記負極活物質の集合体を含むことを特徴とする光触媒シート。
  8. 請求項1または5に記載の光触媒シートであって、
    前記正極層上に部分的に積層されたキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層を有しており、
    前記負極層は、前記キャリア輸送層上に積層されていることを特徴とする光触媒シート。
  9. 請求項2または6に記載の光触媒シートであって、
    前記負極層上に部分的に積層されたキャリア輸送物質を含むキャリア輸送層を有しており、
    前記正極層は、前記キャリア輸送層上に積層されていることを特徴とする光触媒シート。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    記負極活物質が増感剤を担持していることを特徴とする光触媒シート。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記正極活物質は、酸化鉄(III)、酸化タングステン、バナジウム酸塩の何れかを含むことを特徴とする光触媒シート。
  12. 請求項1から11の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記負極活物質は、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、タンタル酸塩の何れかを含むことを特徴とする光触媒シート。
  13. 請求項1から12の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記キャリア輸送物質は、ヨウ化銅、酸化ニッケル、PEDOT、PEDOT-PSS、piro-OMeの何れかを含むホール輸送材料を有することを特徴とする光触媒シート。
  14. 請求項1から13の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記キャリア輸送物質は、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を有することを特徴とする光触媒シート。
  15. 請求項10に記載の光触媒シートであって、
    前記増感剤は、有機増感剤、無機増感剤、および量子ドットの何れかを含むことを特徴とする光触媒シート。
  16. 請求項1から15の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記正極層の露出面積と前記負極層の露出面積とが異なることを特徴とする光触媒シート。
  17. 請求項1から16の何れか1項に記載の光触媒シートであって、
    前記正極層の膜厚と前記負極層の膜厚とが異なることを特徴とする光触媒シート。
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