JP7110342B2 - 光触媒クラスター及び光触媒分散系 - Google Patents

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Description

本開示は光触媒、光触媒クラスター、光触媒分散系及び光触媒の製造方法に関する。
生活の安心及び安全性への要求が高まる一方、省エネ及び資源削減等の要求がなされる中、光触媒による殺菌効果及び抗菌効果が従来技術として利用されている。
特許文献1には、バンドギャップエネルギーの異なる膜状半導体を、導電体層を介して積層することで一体化した半導体光触媒が記載されている。
特開昭61-107945号公報
しかしながら、特許文献1の半導体光触媒は、導電体層を介して、バンドギャップエネルギーの異なる膜状半導体が積層されている層状の形状を有する。このため、光の入射方向によっては、一方の膜状半導体で吸収した光が、他方の膜状半導体で吸収できなくなるため、光の入射方向を考慮して半導体光触媒を設置する必要があり、利便性が低い。
本開示の一態様は、利便性が高い光触媒を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る光触媒は、キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備えている。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る光触媒の製造方法は、第1の金属酸化物を含む第1層上にキャリア輸送材料を含む第2層を積層する工程と、前記第2層上に第2の金属酸化物を含む第3層を積層する工程と、前記第1層、前記第2層及び前記第3層を含む積層体を粉砕する工程と、を含む。
本開示の一態様によれば、利便性が高い光触媒、光触媒クラスター、光触媒分散系及び光触媒の製造方法を実現することができる。
実施形態1の光触媒粒子の構成を表す側面図である。 複数の実施形態1の光触媒粒子が固着したクラスターの構成を表す斜視図である。 実施形態1に係る光触媒粒子の負極及び正極の光の吸収スペクトルを表す図である。 実施形態1に係る光触媒粒子の製造工程を表す図である。 比較例1に係る光触媒体の酸化チタン、及び、比較例2に係る光触媒体の酸化タングステンの光の吸収スペクトルを表す図である。 実施例1に係る試験の結果を表す図である。 実施例1に係る大腸菌死滅時間の光触媒粒径依存性の実験結果を示す図である。 実施形態2に係る光触媒粒子の構成を表す断面図である。 実施形態2に係る光触媒粒子の負極及び正極の光の吸収スペクトルを表す図である。 実施例2に係る試験の結果を表す図である。 実施形態3に係る光触媒粒子の構成を表す断面図である。 実施形態3に係る光触媒粒子の製造工程を表す図である。 実施形態3に係る光触媒粒子の負極及び正極の光の吸収スペクトルの様子を表す図である。 実施例3に係る試験の結果を表す図である。
〔実施形態1〕
図1は、実施形態1の光触媒粒子1の構成を表す側面図である。図2は、光触媒粒子(光触媒)1が互いに固着してクラスターを形成している構成を表す斜視図である。光触媒粒子1は、キャリア輸送層3と、キャリア輸送層3の表面の一部に設けられた負極2と、キャリア輸送層3の表面の他の一部に設けられた正極4とを備える。負極2と正極4とは、キャリア輸送層3を介して互いに離れている。
負極2は、物質を還元するための電極である。負極2は、複数の金属酸化物粒子(第1の金属酸化物の粒子)2pの集合体である。金属酸化物粒子2pは、数十から数百nmの、例えば酸化チタン等により構成される粒子である。負極2は、金属酸化物粒子2pが多数焼結して、2次粒子径(光触媒粒子径)が数百nmから数百μmのクラスターとなっている。その金属酸化物粒子2pの表面に、光の吸収波長を広くするための増感剤(有機、無機)が担持されていてもよい。
負極2の製造方法は、図4を用いて後述するが、キャリア輸送材料をウエットで塗布し、乾燥する前に還元極となる酸化物のクラスターをちりばめる。それによりキャリア輸送材料が還元極の酸化物クラスターの細孔内部へ浸透する。細孔がすべてキャリア輸送材料で埋まると、光触媒として作用する酸化チタン表面(触媒活性部分)がなくなってしまうので、図1のように、負極2の半分、または少なくとも一部は、キャリア輸送層3より出ている必要がある。
負極2の製造方法としては、上記の逆で、基板上に還元極の酸化物を形成し、キャリア輸送材料を塗布して、基板まで浸透する前に乾燥して固定化し、その上に酸化極の酸化物を成膜して、レーザスクライブによるアブレーションやメカニカルスクライブ等で粒子化することも可能である。
負極2を構成する複数の金属酸化物粒子2pは、水の酸化還元電位より卑である伝導体準位をもつ材料であることが好ましい。負極2を構成する複数の金属酸化物粒子2pの価電子帯準位は特に限定されないが、より卑であることが好ましい。これにより、負極2の光の吸収波長をより長波長化することができるためである。
負極2を構成する複数の金属酸化物粒子2pとしては、例えば、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、タンタル酸塩の何れかを含むことが好ましい。タンタル酸塩の一例としては、タンタル酸カリウムを挙げることができる。
金属酸化物粒子2pの平均粒径Sは、1nm~500nmであることであることがさらに好ましい。ここで、金属酸化物粒子2pの平均粒径Sの測定方法はレーザー回折散乱式粒度分布測定器などにより測定することができる。また、金属酸化物粒子2pは複数の粒子が集合したクラスターを形成していることが好ましい。金属酸化物粒子2pのクラスターの平均粒径は、1μm~100μmであることが好ましい。
1個の光触媒粒子1に含まれる金属酸化物粒子2pの密度は、キャリア輸送層3の単位面積当たり1×10個/mm~1×1013個/mmであることが好ましい。1個の光触媒粒子に含まれる金属酸化物粒子2pの密度の測定方法は、電子線マイクロアナライザなどにより測定することができる。
キャリア輸送層3は、一般的にキャリア輸送に使用される材料であれば特に限定はなく、例えば、ヨウ化銅(CuI)、酸化ニッケル(NiO)などの無機材料を用いることができる。または、キャリア輸送層3は、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフエン)、PEDOT‐PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(スチレンスルホン酸))、及び、Spiro‐OMeTAD等の何れかを含むホール輸送材料を用いることができる。または、キャリア輸送層3は、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を用いてもよい。キャリア輸送層3の厚みは、0.5um~50umであることが好ましい。
正極4は、物質を酸化するための電極である。正極4は、金属酸化物を含む層である。正極4は多孔質層であることが好ましく、表面積は、10m/g~100m/gであることが好ましい。
正極4に含まれる金属酸化物(第2の金属酸化物)は、水素の酸化還元電位より貴である価電子帯準位をもつ材料であることが好ましい。正極4に含まれる金属酸化物は、伝導帯準位は特に限定されないが、より貴であることが好ましい。これにより、正極4の光の吸収波長をより長波長化することができるためである。
正極4に含まれる金属酸化物としては、例えば、酸化鉄(III)、酸化タングステン、バナジウム酸塩の何れかをことが好ましい。バナジウム酸塩の一例としては、バナジウム酸ビスマスを挙げることができる。
正極4に対してキャリア輸送層3の被覆率は、5~80%であることが好ましい。キャリア輸送層3の被覆率の測定方法は、断面SEM観察などにより測定する。
このように、光触媒粒子1は、金属酸化物層である正極4にキャリア輸送層3が積層され、キャリア輸送層3に複数の金属酸化物粒子2pの集合体である負極2が設けられた構成である。
つまり、光触媒粒子1は、負極2とキャリア輸送層3と正極4とを有する複合粒子である。このため、光触媒粒子1は、平均粒径Sが500nm~150umとなる。これにより、複合粒子である光触媒粒子1内で酸化還元反応を効率よく行わせることができる。光触媒粒子1の平均粒径Sが500nm未満であれば、光触媒粒子1の光吸収する能力が小さく触媒能力が低下する恐れがある。一方、光触媒粒子1は、平均粒径Sが150μmよりも大きすぎると表面積が減少し、触媒反応の反応効率が低下する恐れがある。光触媒粒子1の平均粒径5の測定方法は、まず、SEMを用いて、光触媒粒子1のSEM像を撮影する。そのあと、画像解析ソフトを用いて、SEM画像から無作為に10個の粒子を選びだし、それらの粒子の面積を求める。次にその大粒粒子が球形であると仮定して、平均粒径Sを求める。
また、図2に示すように、複数の光触媒粒子1が互いにランダムな方向に固着してクラスター(集合体)を形成していることが好ましい。1つの光触媒粒子1に負極2と正極4とが1つの粒子内に存在するため、複数の光触媒粒子1を含むクラスターは、光の入射方向に関係なく光触媒機能を発揮することができる。
光触媒粒子1のクラスターは、平均粒径が200μm以上、2000μm以下にすることで、複合粒子である光触媒粒子1内で酸化還元反応をより効率的に行わせることができる。光触媒粒子1のクラスターの平均粒径の測定方法は、光触媒粒子1の平均粒径Sの測定方法と同じく、まず、SEMを用いて、光触媒粒子1のSEM像を撮影する。そのあと、画像解析ソフトを用いて、SEM画像から無作為に10個の大粒粒子を選びだし、それらの大粒粒子の面積を求める。次にその大粒粒子が球形であると仮定して、光触媒粒子1のクラスターの平均粒径を求める。
図3は、実施形態1に係る光触媒粒子1の負極2及び正極4の光の吸収スペクトルを表す図である。吸収スペクトルは、紫外可視(UV-bis)分光測定器で測定できる。図3におけるグラフ11nは負極2の光の吸収率(abs)を表し、グラフ11pは正極4の光の吸収率(abs)を表している。
図3では、一例として、負極2が酸化チタン(TiO)であり、正極4が酸化鉄(III)(α‐Fe)である場合を表している。グラフ11nは、波長が360nm近傍でピーク波長となっており、ピーク波長から長波長側は急激に吸収率が低下している。よって、負極2を構成する材料として、価電子帯準位がより卑である材料を用いることで、グラフ12nのピーク波長をより長波長側へ移動させることができ、この結果、負極2の光の吸収率を増加させることができる。
グラフ11pは、波長が530nm近傍でピーク波長となっており、ピーク波長から長波長側は急激に吸収率が低下している。よって、正極4を構成する材料として、伝導帯準位がより貴である材料を用いることで、グラフ11pのピーク波長をより長波長側へ移動させることができ、この結果、正極4の光の吸収率を増加させることができる。
(光触媒粒子1の製造工程)
図4は、実施形態1に係る光触媒粒子1の製造工程を表す図である。なお、図4を用いて説明する光触媒粒子1の各部材の材料及び各工程で用いる方法は一例である。
[1]まず、図4の(a)(b)に示すように基材(第1の基板)7上に、正極4となる第1膜(第1層)4aを形成する(第1膜形成工程)。
第1膜形成工程では、まず、例えば、第1の金属酸化物である酸化鉄(III)(α‐Fe)の微粒子(平均粒径45um、キシダ化学製)をテルピネオール(シグマアルドリッチ製)に分散させて酸化鉄(III)のペーストを作製する。
そして、図4の(a)(b)に示すように、当該酸化鉄(III)のペーストを、例えば、スクリーン印刷を用いて基材7へ塗布し、120℃で乾燥させた後、さらに500℃で1時間焼成する。これにより、基材7の表面上に、正極4となる層状の第1膜4aを形成する。
[2]次いで、図4の(c)に示すように、第1膜4a上に、キャリア輸送層3となる、キャリア輸送材料を含む第2膜(第2層)3aを形成する(第2膜形成工程)。
第2膜形成工程では、まず、例えば、1mol/Lとなるようヨウ化銅(CuI)をプロピルスルフィド(何れも、例えばシグマアルドリッチ製)へ溶解して撹拌することでヨウ化銅溶液を作成する。そして、当該ヨウ化銅溶液を基材7上へ滴下して、スピンコート(2000rpm、30s)等を行う。これにより、第1膜4aの全面にキャリア輸送層3となる第2膜3aが形成される。
[3]次いで、図4の(d)(e)に示すように、第2膜3a上に、負極2となる第3膜(第3層)2bを形成する(第3膜形成工程)。
第3膜形成工程では、まず、例えば、第2の金属酸化物である酸化チタン(TiO)ペースト(例えば、日揮触媒化成製)を、基材7とは別途用意したガラス基材(第2の基板)71(ニューロング精密工業製)上に印刷し、500℃で1h焼成する。
図4の(d)に示すように、これにより、ガラス基材71上に、酸化チタン(第2の金属酸化物)を含む酸化チタン膜(第4層)2aが形成される。
次いで、酸化チタン膜2aを形成したガラス基材71を純水の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、波長1024nm、周波数14,000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションを行う。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、ガラス基材71から酸化チタン膜2aを剥離しつつ、粉砕することで微粒子化する。レーザアブレーションを用いることで、酸化チタン膜2aの成膜条件を低温で行うことができ、微粒子に酸化チタン膜2aとほぼ同一の組成を持つ粒子を作成することができる。この結果、酸化チタン微粒子が形成される。この酸化チタン微粒子の平均粒径は1nm~500nmであることが好ましい。酸化チタン微粒子が形成するクラスターの粒径測定は断面SEM測定によって行うことができる。
そして、酸化チタン微粒子の集合体である粉末を、例えば、低沸点溶媒であるエチレングリコールモノメチルエーテル(例えば、シグマアルドリッチ製)に分散させる。これにより、酸化チタンスラリーが作成される。
次いで、酸化チタンスラリーを、例えば、スクリーン印刷にてキャリア輸送層3上に塗布し、120℃で乾燥させる。
図4の(e)に示すように、これにより、負極2となる第3膜(第3層)2bが第2膜3a上に形成される。
[4]次いで、図4の(f)に示すように、順に積層された積層体である第1膜4a、第2膜3a及び第3膜2bを形成した基材7を、純水の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、波長1024nm、周波数14,000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションにより粉砕する。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、基材7から、第1膜4aを剥離しつつ、第1膜4a、第2膜3a及び第3膜2bを粉砕して微粒子化する。この結果、光触媒粒子1(図1)が形成される。
このように、光触媒粒子1は、負極2だけを微粒子化(クラスター化)するのではなく、負極2、キャリア輸送層3及び正極4として順に積層した積層体を一気にレーザアブレーションして光触媒粒子1(クラスター)にする。
(光触媒粒子1の主な効果)
ここで、一般的に光触媒として、酸化チタンからなる光触媒が用いられている。この酸化チタンは、紫外光(波長が約400nm程度以下)を主に吸収し、紫外光よりも波長が長波長である光は吸収せずに透過する。
しかし、酸化チタンを用いた光触媒を屋外において用いたとしても、紫外光は全太陽光の1%程度しか含まれておらず効率よく太陽光を吸収することができない。
また、酸化チタンからなる光触媒を屋内において用いたとしても、紫外光は、全蛍光灯の光における1/1000程度しかなく、LED光に至っては含まれていないため、効率よく光触媒としての機能を発揮することができない。
さらに、可視光を吸収する光触媒(可視光応答型の光触媒と称する場合がある)も商品化されているが、吸収スペクトルは紫外光より少し長波長化(波長が500nm以下)した程度であり、これまで、根本的な反応効率の改善には至っていなかった。
これは、主として、以下の2点の原因が考えられる。
・従来の可視光応答型の光触媒は、酸化チタンを中心にした金属酸化物材料に不純物をドープし、吸収波長を長波長化する試みで作製されたものが多数であるため。この不純物が再結合してしまうため光触媒の大幅な長波長化に繋がりにくい。
・吸収波長の異なる2つの材料を組み合わせたZスキーム(タンデム)型も検討されている。このZスキーム(タンデム)型は微粒子の光触媒での検討が多く、正極と負極の反応制御が難しく、光触媒の大幅な長波長化に繋がりにくい。
そこで、図1に示したように、本実施形態に係る光触媒粒子1は、キャリア輸送層3と、キャリア輸送層3の表面の一部に設けられた金属酸化物粒子を含む負極2と、キャリア輸送層3の表面の他の一部に設けられた金属酸化物粒子を含む正極4とを備えている。
光触媒粒子1は、分散媒に分散させて使用することが好ましい。分散媒としては、液体または気体であってもよく、特に限定される必要はない。分散媒に分散された光触媒粒子1は、スプレー缶等に封入され、分散媒等と共に光触媒粒子1をコーティングしたい所定の領域に噴霧して使用することが好ましい。また、複数の光触媒粒子1を固着させてクラスターを形成させてもよい。1つの光触媒粒子1に負極2と正極4とが1つの粒子内に存在するため、複数の光触媒粒子1を含む分散系やクラスターを噴霧することで、光の入射方向に関係なく光触媒機能を発揮することができる。
換言すると、分散媒中において多数の光触媒粒子1が平面方向や垂直方向に存在するため、光の入射方向に関係なく、光触媒機能を発揮することができる。なお、作製途中の(負極+キャリア輸送増+正極)の膜のままだと片面にしか光が当たらないためタンデム(二段階励起)にならず、光触媒粒子1のように粒子化することで多方向からの光に応答可能となる。
また、1つの粒子内に負極2と正極4とが存在するため、負極2と、正極4とのそれぞれの光の吸収波長を独立して設定することができる。これにより、幅広い吸収スペクトルを有する光触媒粒子1を形成することができる。
また、光触媒粒子1は、負極2と正極4とを含む粒子形状を有する。そのため、光触媒粒子1を複数含む分散系やクラスターは、光入射方向に制約が無く光触媒機能を発揮することができる。このため、特許文献1に記載の半導体光触媒とは異なり、タンデム型でありながら、光入射側から順にバンドギャップを時間が小さくする等のハンドリングを行う必要がない。このように、光触媒粒子1は、利便性が高い。
加えて、光触媒粒子1は、粒子状であるため、タンデム型でありながら、被殺菌体への接触面積を大きくすることができる。つまり、効率よく、被殺菌体の殺菌を行うことができる。
さらに、光触媒粒子は、負極2と正極4とが同一のキャリア輸送層3と接触している。このため、光の吸収波長が異なる負極2と正極4との間を、キャリア輸送層3を通ってキャリア(電子及び正孔)が移動することができる。これによって、キャリアの再結合を抑制し、光触媒としての機能を向上させることができる。
また、特許文献1に記載された半導体光触媒は、膜状である電極それぞれの反応面がお互いに反対側方向を向いているため、正極で発生するO2-ラジカルと負極で発生するHの反応による促進される光触媒効果は期待できない。
一方、光触媒粒子1は、負極2と正極4とを有する粒子であるため、正極4で発生するO2-ラジカルと負極2で発生するHが容易に反応するため光触媒の機能を容易に発揮することができる。
なお、光触媒粒子1では、負極2及び正極4のどちらでも発電することができる。負極2と正極4とを併せ持った粒子(クラスター)が、様々な方向を向いてフィルム状に固着している、または溶媒中で分散しているため、様々な方向から光に対して、負極2及び正極4の両方で発電可能である。
また、特許文献1に記載された半導体光触媒は、膜状である電極それぞれの反応面がお互いに反対側方向を向いているため、壁面などへ設置すると光触媒機能を発揮できない。
一方、光触媒粒子1は、負極2と正極4とを有する粒子であるため、光触媒粒子1の集合体を配した部材を壁面などへ設置しても、当該部材における光触媒粒子1の集合体を配した面において光触媒機能を発揮させることができる。
光触媒粒子1は、負極2は層状であってもよいが、粒子状であることが好ましい。これにより、表面に担持できる増感剤の量が飛躍的に増加するためである。
(光触媒分散液)
光触媒粒子1を使用する場合、複数の光触媒粒子1を分散媒5に分散させた光触媒分散液6としてもよい。図2は、複数の光触媒粒子1が集合したクラスターを分散させた光触媒分散液の模式図である。分散媒5は、水などの水系分散媒であってもよく、エタノール、メタノール、テンピネオールなどの有機系分散媒であってもよい。
光触媒分散液6の粘度については限定されない。光触媒分散液6が粘度の小さい液体であれば、スプレー缶等に高圧ガス等とともに封入してもよい。そのようにすることで、所望する光触媒粒子1を噴霧することが可能である。また、光触媒分散液6は粘度の高いペースト状であってもよい。
(実施例1)
光触媒粒子1と、単層の半導体層を有する比較例に係る光触媒体とで、光触媒としての機能の比較を行った。
実験に使用した実施例1に係る光触媒体は、図4を用いて説明した製造工程によって作製した光触媒粒子1を、水に分散させ、光触媒粒子1の濃度が30%の光触媒分散液5mlを5cm×5cmのガラス基材上に塗布して成膜することで作製した。すなわち、実施例1にて用いた光触媒粒子1の負極2は酸化チタン(TiO)であり、キャリア輸送層3はヨウ化銅(CuI)であり、正極4は酸化鉄(III)(α‐Fe)である。
比較例1に係る光触媒体は以下のように作製した。
基材上に、酸化チタン(TiO)ペースト(PST‐18NR、日揮触媒化成製、TiO濃度:約17%)を、スクリーン印刷(ニューロング精密工業製)によって印刷した。スクリーン印刷は、版上に10~100gの酸化チタンペーストを載せてスキージで押し込むことにより開口部(オープン)からガラス基材へ酸化チタンペーストを転写した。そして、ガラス基材上に印刷した酸化チタンペーストを、120℃で20min乾燥させた後、500℃で1h焼成した。これにより、基材上に膜厚3μmの酸化チタン膜が形成された、比較例1に係る光触媒体を完成させた。
比較例2に係る光触媒体は以下のように作製した。
まず、酸化タングステン(WO、和光純薬工業製)をテンピネオール(キシダ化学製)50mlに分散し、エチルセルロースを添加して混練器で約12h混練して酸化タングステンペースト(WO固形分濃度20wt%)を作製した。後は、比較例1に係る光触媒体と同様に、基材上に、作製した酸化タングステンペーストを、印刷、乾燥、及び焼成することで、基材上に、酸化タングステン膜が形成された、比較例2に係る光触媒体を完成させた。
図5は、比較例1に係る光触媒体の酸化チタン、及び、比較例2に係る光触媒体の酸化タングステンの光の吸収スペクトルを表す図である。
グラフ211は、比較例1に係る光触媒体の酸化チタンの光の吸収スペクトルを表している。グラフ212は、比較例2に係る光触媒体の酸化タングステンの光の吸収スペクトルを表している。
グラフ211・212両方とも、短波長側から400nmへ至る前に吸収率が急激に低下している。
図6は、実施例1に係る試験の結果を表す図である。
図6に示すように、比較例1に係る光触媒体と、比較例2に係る光触媒体と、実施例1に係る光触媒体とを用いて、JIS R 1702の試験を行った。当該試験では、蛍光灯500Lx下にて、大腸菌及び黄色ブドウ球菌の生菌が10%以下に減少するまでの時間を、比較例1、比較例2、及び実施例1に係る光触媒体それぞれについて計測した。
図6に示すように、実施例1に係る光触媒体によると、比較例1に係る光触媒体、及び比較例2に係る光触媒体と比べて、飛躍的に大腸菌及び黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
図7は、実施例1に係る大腸菌の生菌が10%以下に減少するまでの時間(大腸菌不活性化時間)の光触媒粒子(クラスタ-)の粒径依存性の実験結果を示す図である。図7によると、粒径が小さすぎると(<1μm)光の吸収する力が弱くなるため光触媒効果が減少し、粒径が大きすぎると(>200μm)表面積が減ることにより触媒効果が減少することが分かった。
〔実施形態2〕
図8は、実施形態2に係る光触媒粒子1Aの構成を表す断面図である。光触媒粒子1Aは、光触媒粒子1(図1参照)の負極2を負極2Aへ変更した構成である。光触媒粒子1Aの他の構成は光触媒粒子1と同様である。
実施形態1で説明した光触媒粒子1において負極2における光の吸収波長幅が狭くて負極2に流れる電流が低い場合は、本実施形態に係る光触媒粒子1Aのように負極2Aに増感剤を担持させてもよい。
負極2Aは、酸化チタン等の金属酸化物粒子2pが増感剤12を担持した粒子2Apの集合体である。負極2Aにおいて担持される増感剤12の材料は、特に限定されないが、負極2Aの吸収波長幅が、負極2(図1参照)よりも広がればよい。
増感剤12の材料の例としては、有機増感剤、無機増感剤及び量子ドット等を挙げることができる。有機増感剤としては、例えば、有機色素、及び金属錯体色素等を挙げることができる。無機増感剤としては、例えば、SbCl等を挙げることができる。
なお、正極4に増感剤12を担持させてもよい。正極4に担持させる増感剤12の材料は、上述した負極2Aにおいて担持される増感剤12の材料と同様である。
図8に示すように、負極2Aを構成する粒子のうち、少なくとも一部が、増感剤12を担持する粒子2Apである。そして、負極2Aは、増感剤12を担持する粒子2Apがキャリア輸送層3に接触していることが好ましい。
また、正極4に増感剤12を含有させた構成であってもよい。正極4に増感剤12を含有させる場合も、正極4を構成する粒子のうち、少なくとも一部の微粒子が増感剤12を担持する。そして、正極4は、増感剤12を担持する粒子がキャリア輸送層3に接触していることが好ましい。
ここで、負極2Aのように増感剤12を担持させると、可視光の殆どは増感剤12が光を吸収し、励起された電子を酸化物へ注入することで、酸化物の還元能力を向上させる。電子を注入した増感剤12はカチオン(+1価)になるためキャリア輸送層3から電子を貰って中性(元の状態)になる。よって、増感剤12がキャリア輸送層3と接触していることが好ましい。
光触媒粒子1Aの製造工程は、光触媒粒子1の製造工程における第1膜形成工程及び第4膜形成工程の少なくとも一方に、負極又は正極となる金属酸化物粒子に増感剤を担持させる工程を加えた点が相違する。光触媒粒子1Aの製造工程の他の工程は、光触媒粒子1の製造工程と同様である。
ここで、負極及び正極のうち、増感剤12を担持する部分をキャリア輸送層3と接触させるための方法として下記(1)又は(2)の方法を採ることができる。
(1)キャリア輸送層3となるキャリア輸送材料をウエットで塗布し、乾燥する前に負極となる酸化物のクラスター(増感剤12担持済み)を散りばめる。それにより、キャリア輸送層3を構成するキャリア輸送材料が負極の酸化物クラスターの細孔内部へ浸透する。この結果、必然的に増感剤12にキャリア輸送層3が接触することになる。
(2)上記(1)とは逆で、基板上に負極の酸化物を形成し、増感剤12を担持(増感剤12を溶解した溶液中に浸漬、など)させた後に、キャリア輸送層3となるキャリア輸送材料を塗布し、基板まで浸透する前に乾燥して固定化する。この方法によっても、増感剤12とキャリア輸送層3とを接触させることができる。
(実施例2)
実施例2に係る光触媒粒子1Aを実施形態2で説明した方法によって作製した。具体的には、酸化チタン膜2aを形成したガラス基材71を、増感色素N719を含む分散液(シグマアルドリッチ製、濃度0.2mmol)に浸漬させ、4h以上静置させ、負極2に増感色素を吸着させ、それ以外は実施例1と同じ方法で光触媒粒子1を作製した。
図9は、実施例2に係る光触媒粒子1Aの負極2A及び正極4の光の吸収スペクトルを表す図である。
図9では、一例として、負極2Aは酸化チタン(TiO)が増感色素N719を担持した材料からなり、正極は酸化鉄(III)(α‐Fe)が増感色素N719を担持した材料からなる場合を表している。
図9におけるグラフ11Anは負極2Aの光の吸収率(abs)を表し、グラフ11pは正極4の光の吸収率(abs)を表している。
図9に示すように、グラフ11Anは、500nm近傍でピーク波長となり当該ピーク波長前後の波長でも傾斜がなだらかであり、550nm近傍から750nm近傍にかけてなだらかに傾斜している。750nmより長波長側は急激に吸収率が低下している。
このように、増感剤12を担持させることで、負極2Aは、負極2よりも吸収波長幅を広げることができる。
なお、増感剤12の具体例としては、有機色素の例としてはN719色素を挙げることができ、無機増感剤の例として硫化アンモチンを挙げることができる。
図10は、実施例2に係る試験の結果を表す図である。
図10に示すように、比較例1に係る光触媒体と、比較例2に係る光触媒体と、実施例1に係る光触媒体と、実施例2に係る光触媒体とを用いて、JIS R 1702の試験を行った。
比較例1に係る光触媒体と、比較例2に係る光触媒体と、実施例1に係る光触媒体とは、実施例1で説明した方法によって作製した。
本試験では、蛍光灯500Lx下にて、大腸菌及び黄色ブドウ球菌の生菌が10%以下に減少するまでの時間を、比較例1、比較例2、実施例1に係る光触媒体、及び実施例2に係る光触媒体それぞれについて計測した。
図10に示すように、実施例2に係る光触媒体は、実施例1に係る光触媒体と比べても、飛躍的に大腸菌及び黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施形態3〕
図11は、実施形態3に係る光触媒粒子1Bの構成を表す断面図である。光触媒粒子1Bは、光触媒粒子1(図1参照)の正極4を正極4Bへ変更した構成である。光触媒粒子1Bの他の構成は光触媒粒子1と同様である。
実施形態1で説明した光触媒粒子1において正極4における光の吸収波長幅が狭い場合又は正極4の表面積が小さい場合等により正極4に流れる電流が低い場合は、本実施形態に係る光触媒粒子1Bのように多孔体である正極4Bをキャリア輸送層3に付着させてもよい。
正極4Bは、複数の金属酸化物粒子4Bpの集合体である。金属酸化物粒子4Bpの平均粒径は、20nm~50μmであることが好ましく、200nm~1μmであることがさらに好ましい。また、金属酸化物粒子4Bpの集合体の平均粒径は、1μm~50μmであることが好ましい。正極4に含まれる金属酸化物粒子の平均粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定器などにより測定することができる。金属酸化物粒子4Bpの材料は、正極4(図1参照)と同様である。なお、複数の金属酸化物粒子4Bpそれぞれに増感剤12(図8参照)を担持させてもよい。
(光触媒粒子1Bの製造方法)
図12は、実施形態3に係る光触媒粒子1Bの製造工程を表す図である。なお、図12を用いて説明する光触媒粒子1Bの各部材の材料及び各工程で用いる方法は一例である。
[1]第1膜形成工程では、まず、例えば、酸化鉄(III)(α‐Fe)の微粒子(平均粒径45μm、キシダ化学製)をテルピネオール(シグマアルドリッチ製)に分散させて酸化鉄(III)のペーストを作製する。
そして、図12の(a)(b)に示すように、当該酸化鉄(III)のペーストを、例えば、スクリーン印刷を用いてガラスからなる基材(第3の基板)7Aへ塗布し、120℃で乾燥させた後、さらに500℃で1時間焼成する。これにより、基材7Aの表面上に、層状の酸化鉄(第1の金属酸化物)を含む第5膜(第5層)4cを積層する。
そして、図12の(c)に示すように、第5膜4cを積層した基材7Aを純粋の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、例えば、波長1024nm、周波数14,000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションを行う。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、基材7Aから第5膜4cを、剥離しつつ、粉砕することで微粒子化する。レーザアブレーションを用いることで、第5膜4cの成膜条件を低温で行うことができ、微粒子に第5膜4cとほぼ同一の組成を持つ粒子を作成することができる。この結果、酸化鉄(III)のより細かい微粒子のクラスターが形成される。
そして、第5膜4cが微粒子化した酸化鉄(III)微粒子の集合体である粉末を、例えば、テルピネオール(シグマアルドリッチ製)に分散させる。これにより、酸化鉄(III)スラリーが作成される。
次いで、図12の(d)に示すように、第5膜4cが微粒子化した酸化鉄(III)スラリーを、例えば、スクリーン印刷にて、ガラスからなる基材(第1の基板)7Bの表面上に積層する。これにより、基材7B上に、第5膜4cが微粒子化した集合体を含む、正極4Bとなる第1膜(第1層)4bが形成される。
[2]次いで、第2成膜形成工程では、図12の(e)に示すように、第1膜4b上に、キャリア輸送層3となる第2膜(第2層)3aを形成する(第2膜形成工程)。第2膜形成工程では、まず、例えば、1mol/Lとなるようヨウ化銅(CuI)をプロピルスルフィド(何れも、例えばシグマアルドリッチ製)へ溶解して撹拌することでヨウ化銅溶液を作成する。そして、当該ヨウ化銅溶液を基材7B上へ滴下して、スピンコート(2000rpm、30s)等を行う。これにより、第1成膜4bの全面にキャリア輸送層3となる第2膜3aが形成される。
[3]次いで、図12の(f)(g)に示すように、第2膜3a上に、負極2となる第3膜(第3層)2bを形成する(第3膜形成工程)。第3膜形成工程では、まず、例えば、酸化チタン(TiO)ペースト(例えば、日揮触媒化成製)を、基材7Bとは別途用意したガラス基材(第2の基板)71(ニューロング精密工業製)上に印刷し、500℃で1h焼成する。これにより、図12の(f)に示すように、ガラス基材71上に、酸化チタン(第2の金属酸化物)を含む酸化チタン膜(第4層)2aが形成される。
次いで、図12の(f)に示すように、酸化チタン膜2aを形成したガラス基材71を純水の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、波長1024nm、周波数14,000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションを行う。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、ガラス基材71から酸化チタン膜2aを剥離しつつ、粉砕することで微粒子化する。
そして、酸化チタン微粒子の集合体である粉末を、例えば、低沸点溶媒であるエチレングリコールモノメチルエーテル(例えば、シグマアルドリッチ製)に分散させる。これにより、酸化チタンスラリーが作成される。次いで、酸化チタンスラリーを、例えば、スクリーン印刷にてキャリア輸送層3上に塗布し、120℃で乾燥させる。
図12の(h)に示すように、これにより、負極2となる第3膜(第3層)2bが第2膜3a上に形成される。
[4]次いで、図12の(i)に示すように、順に積層された積層体である第1膜4b、第2膜3a及び第3膜2bを形成した基材7Bを、純水の入った容器(不図示)に浸漬し、例えば、波長1024nm、周波数14,000Hzのレーザー光Lを照射するレーザアブレーションにより粉砕する。このレーザー光Lを照射する装置としては、例えば、西進商事製の装置を用いることができる。これにより、基材7Bから、第1膜4bを剥離しつつ、第1膜4b、第2膜3a及び第3膜2bを粉砕して微粒子化する。この結果、光触媒粒子1B(図11)が形成される。
図13は、実施形態3に係る光触媒粒子1Bの負極2及び正極4Bの光の吸収スペクトルの様子を表す図である。
図13におけるグラフ11nは負極2の光の吸収率(abs)を表し、グラフ11pは正極4(図1参照)の光の吸収率(abs)を表している。
光触媒粒子1Bにおいて、正極4Bを多孔体とすることで、図13に示す矢印Bに示すように、正極4よりも光の吸収波長幅を広げることができる。
(実施例3)
図14は、実施例3に係る試験の結果を表す図である。
図14に示すように、比較例1に係る光触媒体と、比較例2に係る光触媒体と、実施例1に係る光触媒体と、実施例2に係る光触媒体と、実施例3に係る光触媒体とを用いて、JIS R 1702の試験を行った。
比較例1に係る光触媒体と、比較例2に係る光触媒体と、実施例1に係る光触媒体とは、実施例1で説明した方法によって作製した。実施例2に係る光触媒体は実施例2で説明した方法によって作製した。実施例3に係る光触媒体は実施形態3で説明した方法によって作製した。すなわち、実施例3に係る光触媒体は、実施例1の製造方法に、第1成膜形成過程でレーザアブレーションを用いたこと以外は、実施例1と同様にして光触媒粒子を作製した。
本試験では、蛍光灯500Lx下にて、大腸菌及び黄色ブドウ球菌の生菌が10%以下に減少するまでの時間を、比較例1、比較例2、実施例1に係る光触媒体、実施例2に係る光触媒体、及び実施例3に係る光触媒体それぞれについて計測した。
図14に示すように、実施例3に係る光触媒体は、実施例1に係る光触媒体と比べても、飛躍的に大腸菌及び黄色ブドウ球菌の殺菌時間が短縮されていることが分かった。
〔実施形態4〕
本開示の実施形態4に係る光触媒分散系について以下に説明する。実施形態4に係る光触媒分散系は、実施形態1に係る光触媒粒子1と、バインダとなる粒子と、光触媒粒子1およびバインダとを分散させた分散媒とを含む。尚、実施形態4において、光触媒粒子1は、光触媒粒子1A、1Bに置き換えられてもよい。
バインダは、光触媒粒子1を分散媒に分散させるために添加され、光触媒粒子1よりも平均粒径が小さい粒子である。バインダとしては、分散媒の中に安定して分散される材料であればよい。また、バインダは、光触媒粒子1とは異なる第2の光触媒粒子であることが好ましい。第2の光触媒粒子は、光触媒特性を示す金属酸化物を含む粒子である。第2の光触媒粒子に含まれる金属酸化物は、例えば、酸化タングステン、酸化チタン、酸化鉄、バナジウム酸ビスマスである。光触媒粒子1に含まれる正極4における発生電流向上の観点では、光触媒粒子1の正極4に酸化タングステンが用いられている場合は、第2の光触媒粒子にも酸化タングステンの粒子を用いることが好ましい。
第2の光触媒粒子1の平均粒径は、0.1μm~400μmであることが好ましい。0.1μm未満であれば、凝集が生じ得る恐れがあり、400μmを超える場合は、表面積が不足して光触媒性能の低下が生じ得る恐れがある。
分散媒は、光触媒粒子1やバインダが安定に分散できれば、特に限定されることなく、水、有機系溶媒に限定されない。有機系溶媒としては、エタノールやプロパノールなどのアルコールや、ヘキサン、トルエン、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、プロピレンカーボネートなどのカーボネート系などを用いることができる。
光触媒粒子1は、光触媒分散系に対して、3wt%~20wt%であることが好ましく、3wt%未満の場合、添加の効果が現れない恐れがあり、20wt%を超えるときは、凝集が生じる恐れがある。一方で、第2光触粒子は、光触媒分散系に対して、3wt%~30wt%であることが好ましい。光触媒粒子1と第2の光触媒粒子の合計が5wt%~35wt%であることが好ましい。光触媒粒子1と第2の光触媒粒子の合計が35wt%を超えると凝集が生じる。
(実施例4)
実施例1で作成した光触媒粒子1(平均粒径80μm)を0.7mgと、第2の光触媒粒子2として平均粒径100μmの酸化タングステン(WO、富士フイルム和光純薬工業社製)0.7mgを水8.6mlに分散させ、水スラリー(光触媒分散系)を作成した。
(実施例5)
実施例4において、実施例1で作成した光触媒粒子1を2.5mgに置き換えたこと以外は、実施例4と同じ条件で水スラリーを作成した。
(実施例6)
実施例4において、第2の光触媒粒子として酸化タングステンを加えないこと以外は、実施例4と同じ条件で水スラリーを作成した。
(実施例7)
実施例4において、酸化タングステンを酸化ケイ素(SiO、シーアイ化成社製)1mgに置き換えて、実施例4と同じ条件で水スラリーを作成した。
(実施例8)
実施例4において、酸化タングステンをPVA(ポリビニルアルコール、濃度70%)1mlに置き換えて、実施例4と同じ条件で水スラリーを作成した。
(比較例3)
実施例4において、光触媒粒子1を加えずに、第2の光触媒粒子として酸化タングステン(WO、富士フイルム和光純薬工業社製)の量を0.7mgから2倍にする以外、実施例4と同じ条件で水スラリーを作成した。
表1に実施例4~8および比較例3の水スラリーの条件をまとめた。
Figure 0007110342000001
(指紋除去試験)
各実施例4~8、比較例3の通り準備された水スラリーをそれぞれ10cm×10cm角のFTOガラスに、塗布し、120℃で乾燥し、膜厚50nmの光触媒膜A~Fを形成した。また、トリオレイン(和光純薬工業株式会社製)、65wt%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製)、ケラチンを、トリオレイン:65wt%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液:ケラチン=10:7:5(質量比)で混合し、人工指紋液を得た。
上記で得られた人工指紋液をガラス基板上に均一に塗布し、液膜を得た。続いて、市販のゴム版(10cm×10cm角)を上記の液膜に1.5Nの力で押しつけ、上記の液膜をゴム版に転写した。続いて、上記の液膜が転写されたゴム版を各光触媒膜上へ1.5Nの力でそれぞれ押しつけ、光触媒膜A~F上に人工指紋跡を転写した。
次に、人工指紋跡が転写された光触媒膜A~Fを500lxの蛍光灯の下に設置し、紫外光1~2mW/cmの環境下で、2hずつ照射し、光学顕微鏡にて光触媒膜A~Fの人工指紋跡の変化を観察した。
光触媒膜A~Fに付着された人工指紋跡の面積の割合は、光学顕微鏡によって撮影した画像を用いて、光触媒膜A~Fの膜上で除去されなかった人工指紋跡が占める面積より算出した。
以下の表2に指紋除去実験結果をまとめる。
Figure 0007110342000002
上記の実験結果から、第2の光触媒粒子である酸化タングステンWOのみ含まれている光触媒膜よりも、光触媒粒子1と第2の光触媒粒子の両方を含む光触媒膜の方が指紋を除去する速度が速いことが分かった。
また、実施例6~実施例8の実験結果より、24h蛍光灯照射後の指紋付着面積と48h蛍光灯照射後の指紋付着面積に大きな変化は見られず、光触媒膜全体で指紋を10%以下までに除去することができなかった。この結果より、バインダとしてSiOやPVAを加えた実施例7および実施例8の水スラリーよりもバインダとして第2の光触媒粒子である酸化タングステンが含まれていた実施例4および実施例5の水スラリーの方が光触媒粒子1の分散性が高く、光触媒膜前面において指紋が除去できていることが分かった。
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
〔援用の記載〕
本国際出願は、2018年6月22日に日本特許庁に出願された日本国特許出願第2018-119276号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第2018-119276号の全内容を参照により本国際出願に援用する。

Claims (14)

  1. 複数の光触媒粒子が互いにランダムな方向に固着してクラスターを形成しており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送材料を含むキャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記負極は、複数の第1の金属酸化物の粒子同士が接した第1の金属酸化物の粒子の集合体であり、
    前記キャリア輸送材料は、前記複数の第1の金属酸化物の粒子の集合体の細孔内部へ浸透していることを特徴とする光触媒クラスター
  2. 光触媒の平均粒径が500nm以上、150μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の光触媒クラスター
  3. 前記キャリア輸送層は、ヨウ化銅、酸化ニッケル、PEDOT、PEDOT‐PSS、Spiro‐OMeTADの何れかを含むホール輸送材料を有することを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の光触媒クラスター
  4. 前記負極と、前記正極とのうち少なくとも一方は、増感剤を担持していることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の光触媒クラスター
  5. 前記増感剤は、有機増感剤、無機増感剤及び量子ドットの何れかを含むことを特徴とする請求項に記載の光触媒クラスター
  6. 前記増感剤が担持された部分は、前記キャリア輸送層と接触していることを特徴とする請求項又はに記載の光触媒クラスター
  7. 複数の光触媒粒子が液体または気体である分散媒に分散されており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送材料を含むキャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記負極は、複数の第1の金属酸化物の粒子同士が接した第1の金属酸化物の粒子の集合体であり、
    前記キャリア輸送材料は、前記複数の第1の金属酸化物の粒子の集合体の細孔内部へ浸透していることを特徴とする光触媒分散系。
  8. キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備えた光触媒と、
    前記光触媒が分散された液体または気体である分散媒と、を備える光触媒分散系であって、
    前記光触媒の平均粒径よりも小さい第2光触媒粒子を含む、光触媒分散系。
  9. 請求項に記載された光触媒分散系であって、
    前記第2光触媒粒子は、前記光触媒粒子の吸収ピークと異なる吸収ピークをもつことを特徴とする光触媒分散系。
  10. 請求項又はに記載された光触媒分散系であって、
    第2光触媒粒子は酸化タングステン、酸化チタン、酸化鉄およびバナジウム酸ビスマスの何れかを含む、光触媒分散系。
  11. 複数の光触媒粒子が互いにランダムな方向に固着してクラスターを形成しており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記キャリア輸送層は、ヨウ化銅、酸化ニッケル、PEDOT、PEDOT‐PSS、Spiro‐OMeTADの何れかを含むホール輸送材料を有することを特徴とする光触媒クラスター
  12. 複数の光触媒粒子が互いにランダムな方向に固着してクラスターを形成しており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記キャリア輸送層は、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を有することを特徴とする光触媒クラスター
  13. 複数の光触媒粒子が液体または気体である分散媒に分散されており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記キャリア輸送層は、ヨウ化銅、酸化ニッケル、PEDOT、PEDOT‐PSS、Spiro‐OMeTADの何れかを含むホール輸送材料を有することを特徴とする光触媒分散系。
  14. 複数の光触媒粒子が液体または気体である分散媒に分散されており、
    前記光触媒粒子は、キャリア輸送層と、当該キャリア輸送層の表面の一部に設けられた第1の金属酸化物を含む負極と、当該キャリア輸送層の表面の他の一部に設けられた第2の金属酸化物を含む正極とを備え、
    前記キャリア輸送層は、フラーレン、フラーレン誘導体、シロール系化合物、トリアジン系化合物の何れかを含む電子輸送材料を有することを特徴とする光触媒分散系。
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