<第1の実施形態>
以下、図1~図40を用いて本発明の第1実施形態に係るワイパブレード10について説明する。なお、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。また、各図においては、説明の都合上、図面の縮尺を適宜変更している。
図1~図17に示されるワイパブレード10は、車両(自動車)のウインドシールドガラスG(図13~図17以外では図示省略)の外表面である払拭面WSに付着した雨滴等を払拭するためのものであり、所謂トーナメント構造のワイパブレードとされている。このワイパブレード10は、ワイパアーム12(図1以外では図示省略)の先端部に連結され、該ワイパアーム12から払拭面WS側への押圧力を受ける構成になっている。上記のワイパアーム12は、ワイパブレード10と共に車両用ワイパを構成している。ワイパアーム12の基端部は、ワイパモータ(図示省略)の駆動力にて所定角度範囲内で往復回動されるピボット軸(図示省略)に固定され、該ピボット軸の往復回動によってワイパアーム12が往復揺動される。これにより、ワイパアーム12の先端部に連結されたワイパブレード10が、ウインドシールドガラスGの下端部に設定された下側反転位置と、当該下側反転位置よりもウインドシールドガラスGの上端側に設定された上側反転位置との間で往復揺動される構成になっている。
このワイパブレード10は、払拭面WSを払拭するためのブレードラバー14と、ブレードラバー14を把持するワイパレバーアッセンブリ20とによって構成されている。図1~図20に示されるように、ワイパレバーアッセンブリ20は、ワイパアーム12の先端部が長手方向中央部に連結されるメインレバー22と、メインレバー22の長手方向両側に設けられた一対の可動カバー60と、メインレバー22及び一対の可動カバー60に対してそれぞれ回動可能に連結(言い換えれば、一対のヨークレバー96に対してそれぞれ可動カバー60が回動可能に連結)された一対のヨークレバー96とによって構成されている。このワイパレバーアッセンブリ20は、一対の可動カバー60及び一対のヨークレバー96によってブレードラバー14を把持する構成になっている。
以下、ワイパブレード10の上記各構成要素について詳細に説明する。なお、以下の説明では、各図中に適宜示される矢印UP、FRを、それぞれワイパブレード10の上方、前方とし、矢印BEが向く側をワイパブレード10の基端側(揺動中心側)とする。ワイパブレード10の上下方向は、払拭面WSと直交する方向であり、ワイパブレード10の前後方向は、ワイパブレード10の幅方向であり払拭方向と略一致している。以下、単に前後上下の方向を用いて説明する場合、ワイパブレード10に対する方向を示すものとする。
(ブレードラバーについて)
ブレードラバー14は、例えばゴムによって長尺状に形成されている。このブレードラバー14は、ワイパレバーアッセンブリ20によって把持される上部14Aと、当該上部14Aから下側(払拭面WS側)へ延出され、下端部が払拭面WSに押し当てられる払拭部14Bとを有している。ブレードラバー14の上部14Aには、前後方向(幅方向)の両側に開口した一対のバッキング用溝16がブレードラバー14の長手方向に沿って形成されている。これらのバッキング用溝16には、それぞれ金属板からなるバッキング(図示省略)が嵌め込まれる構成になっている。これらのバッキングは、ワイパアーム12から受ける払拭面WSへの押圧力をブレードラバー14の長手方向に分散させるものである。また、ブレードラバー14の上部14Aには、一対のバッキング用溝16よりも下側に、前後方向(幅方向)の両側に開口した一対の把持用溝18がブレードラバー14の長手方向に沿って形成されている。これらの把持用溝18の上下方向の位置は、ワイパレバーアッセンブリ20の後述する把持部80、110に対応している。
(ワイパレバーアッセンブリについて)
ワイパレバーアッセンブリ20は、前述したようにメインレバー22と、一対の可動カバー60と、一対のヨークレバー96とによって構成されている。なお、このワイパレバーアッセンブリ20では、先端側(ワイパブレード10の揺動中心とは反対側)の部位と、基端側(ワイパブレード10の揺動中心側)の部位とが、対称又は略対称の形状に形成されている。
(メインレバーについて)
メインレバー22は、例えば樹脂材料によって形成されたものであり、ワイパブレード10の長手方向に長尺状をなしている。このメインレバー22は、ワイパレバーアッセンブリ20の長手方向中間部を構成している。このメインレバー22は、長手方向中央部が連結部22Aとされており、この連結部22Aの長手方向両側が一対の腕部22Bとされている。
図21及び図22に示されるように、連結部22Aは、上下方向視でメインレバー22の長手方向を長手とする矩形枠状に形成されている。連結部22Aには、当該連結部22Aを上下方向に貫通した開口部24が形成されている。この開口部24は、メインレバー22の長手方向を長手とする長尺状に形成されている。この開口部24内の長手方向中央部には、連結部22Aの前後の壁部を繋いだ金属製の連結軸26が一体成形にて設けられている。この連結軸26には、連結クリップ28を介してワイパアーム12の先端部が連結される構成になっている。
一対の腕部22Bは、連結部22Aからワイパブレード10の長手方向両側へ一体に延出されている。これらの腕部22Bは、図7、図8、図13、図14に示されるように、メインレバー22の長手方向視で下側(払拭面WS側)に開口した開断面形状をなしており、各腕部22Bの下面は、メインレバー22の長手方向視(ブレードラバー14の長手方向視)で上側へ凹んでいる。図13、図14、図21~図23に示されるように、各腕部22Bは、上壁30と、上壁30の前端部から下側へ延出された前壁32と、上壁30の後端部から下側へ延出された後壁40と、上壁30の前後方向中央部よりも若干後方側から下側へ延出された後内壁42と、後内壁42の前面と上壁30の下面との間に架け渡された複数の補強リブ44(図23参照)とを備えている。複数の補強リブ44は、メインレバー22の長手方向に並んで配置されており、上壁30及び後内壁42に一体に接続されている。
また、上記の前壁32は、前後方向に対向した前外壁34及び前内壁36と、前外壁34と前内壁36とを前後に繋いだ複数の補強リブ38とを有している。前外壁34は、上壁30の前端部から前側かつ下側へ延出されており、前内壁36は、前外壁34よりも若干後方側で上壁30の前端部から下側へ延出されている。前内壁36は、前外壁34よりもメインレバー22の長手方向の寸法が小さく設定されており、各腕部22Bの連結部22A側には前内壁36が設けられていない構成になっている。複数の補強リブ38は、メインレバー22の長手方向に並んで配置されており、上壁30、前外壁34及び前内壁36に一体に接続されている。
図13及び図14に示されるように、前外壁34の下端部は、前内壁36の下端部よりも若干下側に配置されている。前内壁36の下端部と後壁40の下端部とは、上下方向において略同じ位置(高さ)に配置されている。後内壁42の下端部は、前内壁36及び後壁40の各下端部よりも上側に配置されている。
上記ように構成された各腕部22B(すなわちメインレバー22の長手方向両側)の上面は、上壁30及び前外壁34の上面によって構成されている。各腕部22Bの上面には、それぞれ車両前方側(つまり幅方向前方側)へ向かって下り勾配のフィン面(第1フィン面)46が形成されている。各フィン面46は、車両後方側へ向かうほど払拭面WSから離れるように傾斜又は湾曲(ここでは湾曲)している。各フィン面46は、各上壁30の上面における車両前方側の部位に形成されており、メインレバー22の長手方向に延在している。これらのフィン面46は、各腕部22Bの前後方向(幅方向)の中央部よりも若干後側まで延びており、後側へ向かうほど勾配が大きるように湾曲している。これらのフィン面46が車両走行時の走行風を受けることにより、ブレードラバー14に対して払拭面WS側への押圧力が作用する構成になっている。上記各フィン面46が形成された各腕部22Bは、前後方向(幅方向)の前部側よりも後部側で高さ寸法(上下方向の寸法)が拡大している。
また、図13、図14、図21~図23に示されるように、各腕部22B(すなわちメインレバー22の長手方向両側)には、ヨークレバー96の一部を収容するためのメイン収容室48が形成されている。メイン収容室48は、上壁30の下側で前壁32と後壁40との間に形成されており、下側(払拭面WS側)及びメインレバー22の長手方向外側に開口している。また、メイン収容室48は、幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法(上下方向の寸法)が拡大している。メイン収容室48の前後方向中央部付近には、前述した後内壁42が設けられており、メイン収容室48の上部が後内壁42によって前後に仕切られている。また、メイン収容室48と前述した連結部22Aとの間には、補強リブ50(図22及び図23参照)が設けられており、当該補強リブ50によってメイン収容室48と連結部22A内とが仕切られている。
また、図13、図18~図23に示されるように、メインレバー22の長手方向両端部において、各メイン収容室48の前後両面には、それぞれ凸部(軸部)52、54が形成されている。詳細には、メイン収容室48の前面を形成する前内壁36の下端部に、後側へ突出した凸部52が形成されており、メイン収容室48の後面を形成する後壁40の下端部に、前側へ突出した凸部54が形成されている。これらの凸部52、54は、メインレバー22の前後方向に対向して(同軸状に)配置されており、互いに接近する方向へ突出している。各凸部52、54は、前後方向視で略半円形状をなしており、円弧状の曲面が上側へ凸をなす姿勢で配置されている。また、各凸部52、54の対向面(メイン収容室48の前後方向中央側を向く面)は、下側へ向かうほど前後方向外側へ向かうように傾斜又は湾曲している。
また、図20及び図23に示されるように、前内壁36には、上記の凸部52に対するメインレバー22の長手方向両側に、上下に延びる一対のスリット56が形成されている。前内壁36は、これら一対のスリット56の間の部位(すなわち上記の凸部52が形成された部位)が可撓部36Aとされており、可撓部36Aに対してメインレバー22の長手方向両側に位置する部位がそれぞれ補強部36Bとされている。可撓部36Aは、前述した補強リブ38によって補強されておらず、補強部36Bは、前述した補強リブ38によって補強されている。このため、可撓部36Aは、補強部36Bよりも幅方向前後に撓み易くなっている。
また、図22及び図23に示されるように、後内壁42の下端部には、下側から切り欠かれた切欠部58が形成されている。この切欠部58は、上記の凸部52、54の付近に形成されている。この切欠部58は、「被係合部」とされている。
(可動カバーについて)
一対の可動カバー60は、例えば樹脂材料によって長尺状に形成されている。これらの可動カバー60は、図1~図3、図5及び図6に示されるように、メインレバー22の長手方向を長手としてメインレバー22の長手方向両側に配置されている。各可動カバー60は、図9~図12、図15~図19、及び図24に示されるように、各可動カバー60の長手方向視で下側(払拭面WS側)に開口した開断面形状をなしており、各可動カバー60の下面は、各可動カバー60の長手方向視(ブレードラバー14の長手方向視)で上側へ凹んでいる。各可動カバー60は、上壁62と、上壁62の前端部から下側へ延出された前壁64と、上壁62の後端部から下側へ延出された後壁72と、前壁64と後壁72との間で上壁62の下面から下側へ延出(突出)された縦リブ(内壁)75と、前壁64と縦リブ75と後壁72とを前後方向に繋いだ複数の補強リブ76とを備えている。縦リブ75は、各可動カバー60の長手方向に延在している。複数の補強リブ76は、各可動カバー60の長手方向中間部に配置されており、各可動カバー60の長手方向に間隔を有して並んでいる。これら複数の補強リブ76は、上壁62、前壁64、後壁72及び縦リブ75と一体に接続されている。
各可動カバー60において、複数の補強リブ76よりもメインレバー22側には、縦リブ75が設けられておらず、後内壁74が設けられている。後内壁74は、上壁62の下面における前後方向中央部よりも若干後側から下側へ延出(突出)されている。また、各可動カバー60は、上記複数の補強リブ76よりもメインレバー22側において、後内壁74の前面と上壁62の下面との間に架け渡された複数の補強リブ78(図24参照)を備えている。これらの補強リブ78は、各可動カバー60の長手方向に間隔を有して並んで配置されており、上壁62及び後内壁74に一体に接続されている。
また、図24に示されるように、上記の前壁64は、上記複数の補強リブ76よりもメインレバー22側の部位が、前後方向に対向した前外壁66及び前内壁68と、前外壁66と前内壁68との間に架け渡された複数の補強リブ70によって構成されている。前外壁66は、上壁62の前端部から前側かつ下側へ延出されており、前内壁68は、前外壁66よりも若干後側で上壁62の前端部から下側へ延出されている。前内壁68は、前外壁66よりも可動カバー60の長手方向の寸法が小さく設定されており、上記複数の補強リブ76側には前内壁68が設けられていない構成になっている。複数の補強リブ70は、可動カバー60の長手方向に並んで配置されており、上壁62、前外壁66及び前内壁68に一体に接続されている。
図15及び図16に示されるように、前外壁66の下端部は、前内壁68の下端部よりも下側に配置されている。前内壁68の下端部と後壁72の下端部とは、上下方向において略同じ位置(高さ)に配置されている。後内壁74の下端部は、前内壁68及び後壁72の各下端部よりも上側に配置されている。なお、縦リブ75の前後の配置や上下の長さについては、後で詳述する。
各可動カバー60の長手方向一端部(メインレバー22とは反対側の端部)には、ブレードラバー14の長手方向端部を把持する把持部80が形成されている。把持部80は、前壁64及び後壁72から下側へ延出された前後一対の把持片82を有している。幅方向前後の把持片82の先端部(下端部)は、互いに接近する側へ屈曲されており、前述した一対の把持用溝18内に嵌合している。これにより、ブレードラバー14の長手方向端部が把持部80によって把持されている。
上記ように構成された各可動カバー60の上面は、上壁62及び前外壁66の上面によって構成されている。各可動カバー60の上面には、それぞれ車両前方側へ向かって下り勾配のフィン面(第2フィン面)84が形成されている。各フィン面84は、車両後方側へ向かうほど払拭面WSから離れるように傾斜又は湾曲(ここでは湾曲)している。各フィン面84は、各上壁62の上面における車両前方側の部位に形成されており、可動カバー60の長手方向に延在している。これらのフィン面84は、各可動カバー60の前後方向(幅方向)の中央部よりも若干後側まで延びており、後側へ向かうほど勾配が大きるように湾曲している。これらのフィン面84が車両走行時の走行風を受けることにより、ブレードラバー14に対して払拭面WS側への押圧力が作用する構成になっている。上記各フィン面84が形成された各可動カバー60は、前後方向(幅方向)の前部側よりも後部側で高さ寸法(上下方向の寸法)が拡大している。
また、上記各可動カバー60には、前述した複数の補強リブ76よりもメインレバー22側に、ヨークレバー96の一部を収容するための可動収容室86が形成されている。図15、図16、図20及び図24に示されるように、可動収容室86は、上壁62の下側で前壁64と後壁72との間に形成されており、下側(払拭面WS側)及びメインレバー22側に開口している。また、可動収容室86は、前後方向(幅方向)の前部側よりも後部側で高さ寸法(上下方向の寸法)が拡大している。可動収容室86の前後方向中央部付近には、前述した後内壁74が設けられており、可動収容室86の上部が後内壁74によって前後に仕切られている。
また、図15、図18~図20、及び図24に示されるように、可動カバー60の長手方向他端部(メインレバー22側の端部)において、各可動収容室86の幅方向前後の両面には、それぞれ凸部88、90が形成されている。詳細には、可動収容室86の前面を形成する前内壁68の下端部に、後側へ突出した凸部88が形成されており、可動収容室86の後面を形成する後壁72の下端部に、前側へ突出した凸部90が形成されている。これらの凸部88、90は、可動カバー60の前後方向に対向して配置されており、互いに接近する方向へ突出している。各凸部88、90は、前後方向視で略半円形状をなしており、円弧状の曲面が上側へ凸をなす姿勢で配置されている。また、各凸部88、90の対向面(可動収容室86の前後方向中央側を向く面)は、下側へ向かうほど前後方向外側へ向かうように傾斜又は湾曲している。
また、図20及び図24に示されるように、前内壁68には、上記の凸部88に対する可動カバー60の長手方向両側に、上下に延びる一対のスリット92が形成されている。前内壁68は、これら一対のスリット92の間の部位、すなわち上記の凸部88が形成された部位が可撓部68Aとされており、可撓部68Aに対して可動カバー60の長手方向両側に位置する部位がそれぞれ補強部68Bとされている。可撓部68Aは、前述した補強リブ70によって補強されておらず、補強部68Bは、前述した補強リブ70によって補強されている。このため、可撓部68Aは、補強部68Bよりも幅方向前後に撓み易くなっている。
また、図20及び図24に示されるように、可動収容室86内において、後内壁74の下端部には、下側から切り欠かれた切欠部94が形成されている。この切欠部94は、上記の凸部88、90の付近に形成されている。この切欠部94は、「被係合部」とされている。
(ヨークレバーについて)
一対のヨークレバー96は、図5、図6、図18~図20、図25、図26に示されるように、メインレバー22及び各可動カバー60の長手方向を長手とする長尺状に形成されている。各ヨークレバー96は、金属製の金属部98(図27~図29参照)と、金属部98の外側に設けられた樹脂製の樹脂部としてのヨークレバー本体部108とによって構成されている。金属部98は、例えばインサート成形によってヨークレバー本体部108に埋め込まれている。なお、樹脂部としてのヨークレバー本体部108に金属部98が埋め込まれた構成に限らず、金属部の一部(例えば後述する把持部110及び凹部114、116、118、120の周辺部)にアウトサート成形などによって樹脂部が取り付けられた構成にしてもよい。
上記の金属部98は、例えばステンレス鋼からなる金属板がプレス成形されて製造されたものであり、ヨークレバー96の長手方向を長手とする長尺状をなしている。この金属部98は、上下方向を板厚方向とする板状部98Aと、板状部98Aの幅方向後端部から上側へ延出された立壁部98Bとによって構成されており、長手方向から見た断面がL字状をなしている。
金属部98の長手方向中間部には、一対の貫通孔100、102が金属部98の長手方向に並んで形成されている。これらの貫通孔100、102は、板状部98Aと立壁部98Bとの間の屈曲部に形成されている。また、立壁部98Bの上端部には、上側に突出した一対の突出部104、106が金属部98の長手方向に並んで形成されている。これらの突出部104、106は、上記一対の貫通孔100、102の上方に配置されており、前後方向視で上側へ凸をなす略半円形状に形成されている。
上記の金属部98が埋め込まれたヨークレバー本体部108は、金属部98と同様の形状に成形されており、長手方向から見た断面がL字状をなしている。具体的には、ヨークレバー本体部108は、上下方向を板厚方向とする板状部108Aと、板状部108Aの幅方向後端部から上側へ延出された立壁部108Bとによって構成されており、長手方向から見た断面がL字状をなしている。
板状部108A内には、金属部98の板状部98Aが埋め込まれており、立壁部108B内には、金属部98の立壁部98Bが埋め込まれている。ヨークレバー本体部108の下部を構成する板状部108Aは、ヨークレバー本体部108の上部を構成する立壁部108Bよりも幅方向の寸法が小さく設定されている。また、上記の立壁部108Bが設けられたヨークレバー本体部108(ヨークレバー96)は、幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法(上下方向の寸法)を段差状に拡大されており、長手方向から見た断面がL字状をなしている。
板状部108Aの長手方向両端部には、ブレードラバー14の長手方向中間部を把持する把持部110が形成されている。各把持部110は、板状部108Aの前端部及び後端部から下側へ延出された前後一対の把持片112を有している。前後の把持片112の先端部(下端部)は、互いに接近する側へ屈曲されており、前述した一対の把持用溝18内に嵌合している。これにより、ブレードラバー14の長手方向中間部が各把持部110によって把持されている。なお、前側の把持片112は、板状部108Aから前側へ突出してから下側へ延びており、板状部よりも前側に配置されている。言い換えれば、板状部108Aの長手方向両端部に設けられた前側の把持片112の間において、板状部108Aが後側へ切り欠かれた構成になっている。また、上記各把持部110の間においては、板状部108Aの下面(ヨークレバー96の下面)と、ブレードラバー14の上面との間に隙間97(図13~図16参照)が形成されている。
また、板状部108Aの長手方向中間部の前面には、ヨークレバー本体部108の長手方向に並ぶ一対の凹部114、116が形成されており、板状部の長手方向中間部の後面には、ヨークレバー本体部108の長手方向に並ぶ一対の凹部118、120が形成されている。一対の凹部114、116と一対の凹部118、120とは、ヨークレバー本体部108の長手方向及び上下方向において位置を揃えて配置されており、前後方向(幅方向)に対向している。また、上記の凹部114、116、118、120は、前後方向(幅方向)の外側及び下側が開放されて(前後方向外側及び下側に開口して)おり、前後方向視で略半円形状をなしている。これらの凹部114、116、118、120は、円弧状の曲面が上側へ凸をなす姿勢で配置されている。また、板状部108Aの後面に形成された凹部118、120は、前述した一対の貫通孔100、102と対応する位置に形成されている。これにより、凹部118、120の周辺においてヨークレバー本体部108の肉厚を確保しつつ、ヨークレバー本体部108の前後方向寸法及び上下方向寸法を小型化するようにしている。なお、ヨークレバー本体部108は、上記凹部114、116の周辺部が前側に突出した前突部(符号省略)とされており、上記凹部118、120の周辺部が後側に突出した後突部(符号省略)とされている。
また、板状部108Aの長手方向中間部の幅方向における前面には、前側に突出した複数の前側突起122がヨークレバー本体部108の長手方向に並んで形成されており、板状部108A及び立壁部108Bの長手方向中間部の幅方向における後面(ヨークレバー本体部108の長手方向中間部の幅方向における後面)には、後側に突出した複数の後側突起124がヨークレバー本体部108の長手方向に並んで形成されている。前側突起122は、上記の前突部(凹部114、116の周辺部)よりも板状部108Aの前面からの突出量が大きく設定されており、後側突起124は、上記の後突部(凹部118、120の周辺部)よりもヨークレバー本体部108の後面からの突出量が大きく設定されている。前側突起122の上下方向寸法は、板状部108Aの上下方向寸法と同等に設定されており、後側突起124の上下方向寸法は、ヨークレバー本体部108の上下方向寸法と同等に設定されている。
また、立壁部108Bの長手方向中間部の幅方向における前面には、前側に突出した複数の内側突起126がヨークレバー本体部108の長手方向に並んで形成されている。これらの内側突起126の上下方向寸法は、立壁部108Bの上下方向寸法と同等に設定されている。さらに、立壁部108Bの長手方向中間部の幅方向における前面には、前側に突出した一対の係合凸部128、130がヨークレバー本体部108の長手方向に並んで形成されている。一対の係合凸部128、130は、本発明における「係合部」に相当する。これら一対の係合凸部128、130は、上記複数の内側突起126よりも立壁部108Bから前側へ突出しており、板状部108Aの上面にも一体に接続されている。つまり、立壁部108Bと板状部108Aの境界部において両者に跨って設けられている。また、一対の係合凸部128、130は、複数の内側突起126よりも上下方向の寸法が小さく設定されている。これら一対の係合凸部128、130は、前述した一対の凹部114、116及び一対の凹部118、120の付近に形成されている。
また、立壁部108Bの長手方向中間部の上面には、上側に突出した一対の後側加圧部132、134がヨークレバー本体部108の長手方向に並んで形成されている。これらの後側加圧部132、134は、前述した一対の凹部118、120の上方に配置されており、前後方向視で上側へ凸をなす略半円形状をなしている。これらの後側加圧部132、134の内部には、前述した一対の突出部104、106が埋め込まれている。さらに、立壁部108Bの長手方向両端部の上面には、上側に突出した一対の接触部136、138が形成されている。
上記構成のヨークレバー96は、メインレバー22のメイン収容室48内と可動カバー60の可動収容室86内とに亘って長手方向に収容されており、メインレバー22及び可動カバー60に対して前後に延びる軸線回りに回動可能に連結されている。具体的には、メインレバー22に同軸状に配置された凸部52、54がヨークレバー96の凹部114、118に嵌合されることで、メインレバー22とヨークレバー96とが回動可能に連結されており、可動カバー60に同軸状に配置された凸部88、90がヨークレバー96の凹部116、120に嵌合されることで、可動カバー60とヨークレバー96とが回動可能に連結されている。つまり、ヨークレバー96は、上部側の立壁部108Bよりも前後に幅広な下部側の板状部108Aにおいてメインレバー22及び可動カバー60と回動可能に連結されている。
図13~図16に示されるように、メインレバー22の前内壁36と後壁40との間、及び可動カバー60の前内壁68と後壁72との間には、ヨークレバー96の板状部108Aが収容されている。また、メインレバー22の後内壁42と後壁40との間、及び可動カバー60の後内壁74と後壁72との間には、ヨークレバー96の立壁部108Bが収容されている。つまり、メインレバー22及び可動カバー60は、立壁部108Bを前後に挟んで対向した一対の対向壁(後壁40及び後内壁42と、後壁72及び後内壁74)を有している。
ヨークレバー96の長手方向両端部に設けられた把持部110のうち、メインレバー22側の把持部110は、メインレバー22の前内壁36と補強リブ50(図22及び図23参照)との間でメイン収容室48内に出没可能に収容されている。また、メインレバー22とは反対側の把持部110は、可動カバー60の前内壁68と補強リブ76との間で可動収容室86内に収容されている。
ヨークレバー96の後部に設けられた立壁部108Bの上面から突出した後側加圧部132、134及び接触部136、138のうち、後側加圧部132及び接触部136は、メイン収容室48の上面(上壁30の下面)に接しており、後側加圧部134及び接触部138は、可動収容室86の上面(上壁62の下面)に接している。なお、上記の後側加圧部132、134(立壁部108B)は、フィン面46、84よりも後側に配置されており、ブレードラバー14に対して上方且つ後方側に配置されている。
ヨークレバー96に形成された複数の前側突起122は、メインレバー22の前壁32に設けられた補強部36B側、及び可動カバー60の前壁64に設けられた補強部68B側へ向けて突出しており、補強部36B、68Bに対して接触又は近接して対向している。また、ヨークレバー96に形成された複数の内側突起126は、メインレバー22の後内壁42側、及び可動カバー60の後内壁74側へ向けて突出しており、後内壁42、74に対して接触又は近接して対向している。また、ヨークレバー96に形成された複数の後側突起124は、メインレバー22の後壁40側、及び可動カバー60の後壁72側へ向けて突出しており、後壁40、72に対して接触又は近接して対向している。なお、本実施形態では、複数の後側突起124は、後壁40、72の上部から下部までに対して接触又は近接して対向しているが、これに限らず、後壁40、72の少なくとも上部側に対して接触又は近接して対向するものであればよい。
また、ヨークレバー96に形成された一対の係合凸部128、130のうち、係合凸部128は、メインレバー22の後内壁42に形成された切欠部58(図23参照)内に配置されており、係合凸部130は、可動カバー60の後内壁74に形成された切欠部94(図24参照)内に配置されている。これらの係合凸部128、130及び切欠部58、94は、荷重伝達部(符号省略)を構成している。この荷重伝達部は、メインレバー22及び可動カバー60とヨークレバー96との間で、それらの長手方向に沿って作用する荷重を、係合凸部128と切欠部58の端部との係合、及び係合凸部130と切欠部94の端部との係合によって受け止める構成になっている。
また、図12、図17~図19に示されるように、ヨークレバー96よりもワイパブレード10の長手方向外側では、上側へ凹んだ可動カバー60の下面とブレードラバー14との間に、ワイパブレード10の長手方向に延びる隙間61が形成されている。この隙間61内すなわちワイパレバーアッセンブリ20の内部空間には、可動カバー60の前壁64とブレードラバー14との間の隙間63(図17参照;以下、「前側開口63」と称する)を通って車両の走行風が侵入する構成になっている。隙間61内に侵入した走行風は、可動カバー60の後壁72とブレードラバー14との間の隙間(符号省略)を通ってワイパブレード10の幅方向後側へと流出する。
但し、本実施形態では、ヨークレバー96よりもワイパブレード10の長手方向外側において、可動カバー60の下面には、縦リブ75が突出形成されている。この縦リブ75は、可動カバー60の下面から下側へ突出され、上記の隙間61内に配置されている。この縦リブ75は、ブレードラバー14における幅方向の後端部の上方に配置されており、可動カバー60の長手方向(ブレードラバー14の長手方向)に延在している。この縦リブ75は、本発明における「塞き止め部」に相当するものであり、上記の隙間61内に流入する走行風を、上記の隙間61内に塞き止める構成とされている。
なお、上記の「塞き止める」は、隙間61内からの走行風の流出を完全に遮断するものである必要はなく、上記の流出を制限(抑制)するものであればよい。また、図17において、Pは、ブレードラバー14の前端面に対する縦リブ75の前後方向(幅方向)の距離(以下、「縦リブ位置P」と称する)を示しており、Gは、縦リブ75とブレードラバー14との間の隙間65の幅(以下、「リブ×ラバー隙G」と称する)を示しており、Eは、前側開口63の幅(以下、「開口幅E」と称する)を示している。本実施形態に係るワイパブレード10では、上記の縦リブ位置P、リブ×ラバー隙G、及び開口幅Eを調整することにより、車両の高速走行時における可動カバー60における内部空間(隙間61内部)の圧力を調整可能とされている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成のワイパブレード10では、ワイパレバーアッセンブリ20は、ワイパアーム12が連結されるメインレバー22と、メインレバー22に回動可能に連結されたヨークレバー96と、ヨークレバー96に回動可能に連結された可動カバー60とを有している。メインレバー22及び可動カバー60のそれぞれの上面からは、幅方向前方側へ向かって下り勾配のフィン面46、84が形成されている。このワイパレバーアッセンブリ20の下側(払拭面WS側)には、ブレードラバー14が配置されている。このブレードラバー14は、ヨークレバー96及び可動カバー60に把持され、払拭面WSに押し当てられる。
ここで、このワイパブレード10では、ブレードラバー14の長手方向視で上側へ凹んだ可動カバー60の下面から縦リブ75が下側へ突出されている。この縦リブ75は、可動カバー60とブレードラバー14との間のワイパレバーアッセンブリ20の内部空間を構成する可動カバー60における内部空間(隙間61)に配置されており、ブレードラバー14の長手方向に延在している。この縦リブ75は、隙間61内に流入する走行風を、隙間61内に塞き止める。これにより、車両の高速走行時には、隙間61内の圧力が高くなり、当該圧力の高まりを塞き止め部によって調整して、ブレードラバー14に発生する揚力が適切に低減される。その結果、可動カバー60の下側において、ブレードラバー14の浮き上がりが抑制されるので、払拭性能が向上する。
上記の揚力低減効果について、図30~図32を用いて補足説明する。車両の高速走行時には、本実施形態に係るワイパブレード10に対して、図30に模式的に示されるように力が作用する。この図30において、下向きの矢印は、負の揚力(払拭面WSへの押圧力)を示しており、上向きの矢印は、正の揚力(払拭面から浮き上がる方向の力)を示している。
ワイパアーム12及びメインレバー22に発生する負の揚力は、ヨークレバー96におけるブレードラバー14の把持部110(支持点)に分配される(図30においてドットを付した矢印参照)。また、可動カバー60に発生する負の揚力は、車両の高速走行時等において可動カバー60のフィン面84が走行風を受けることにより、可動カバー60自体に押圧力が生じてヨークレバー96におけるブレードラバー14の把持部110(支持点)と可動カバー60におけるブレードラバー14の把持部80(支持点)とに押圧力が作用する(図30においてハッチングを付した矢印参照)。一方、ブレードラバー14に発生する正の揚力は、ブレードラバー14の長手方向の全域で発生する(図30に示される白抜きの矢印参照)。
このため、図31に示される比較例400のように、可動カバー60が縦リブ75を備えていない構成では、ワイパレバーアッセンブリ20とブレードラバー14との間の隙間を通過する走行風Wによってワイパレバーアッセンブリ20の内部空間が相対的に低圧状態となり、特に可動カバー60の把持部80とヨークレバー96との間(可動カバー60の内部空間におけるヨークレバー96が配置されていない長手方向の範囲)で、ブレードラバー14に浮き上がりが発生する場合がある。具体的には、この比較例400では、高速走行時の走行風Wによって、ブレードラバー14の前方領域FA及び可動カバー60の上方領域UAが高圧になり、ワイパブレード10の後方領域RA及び隙間61内の領域GAが相対的に低圧になる。このため、可動カバー60には負の揚力が発生し、ブレードラバー14には、正の揚力が発生する。この正の揚力は、ブレードラバー14の浮き上がりの原因となる。
これに対し、本実施形態では、図32に示されるように可動カバー60が内部空間において長手方向に沿って連続的に縦リブ75を備えているので、隙間61内での走行風Wの塞き止めを、所定速度において想定した走行風に基づき予め調整し設定することにより、隙間61内の領域GAの圧力を適切に高めることができる。この領域GAの圧力によってブレードラバー14に発生する揚力を低減することができる。
しかも、本実施形態では、ブレードラバー14の長手方向視で上側へ凹んだ可動カバー60の下面から下側へ突出された縦リブ75が、ブレードラバー14における幅方向の後端部の上方に配置されている。この縦リブ75よりも幅方向の前側すなわちブレードラバー14における幅方向の後端部よりも前側では、縦リブ75によって塞き止められる走行風の圧力が高くなるので、ブレードラバー14における幅方向の前端部の上方に縦リブ75が配置されている場合と比較して、ブレードラバー14の上面の広い範囲に上記の高い圧力を作用させることができる。その結果、ブレードラバー14に発生する揚力の低減効果が向上する。
また、本実施形態では、メインレバー22の長手方向両側には、払拭面WS側(下側)に開口し且つ幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法を拡大されたメイン収容室48がそれぞれ形成されており、各可動カバー60には、払拭面WS側(下側)に開口し且つ幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法を拡大された可動収容室86が形成されている。そして、各メイン収容室48内と各可動収容室86内とに亘って収容された一対のヨークレバー96が、メインレバー22及び各可動カバー60に対して前後に延びる軸線回りに回動可能に連結されている。
ここで、メインレバー22及び可動カバー60は、車両前方側へ向かって下り勾配のフィン面46、84が上面に形成されており、幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法が大きくなっている。このため、上記のように幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法を拡大されたメイン収容室48及び可動収容室86を形成しても、高さ寸法の増加を抑制できる。しかも、メイン収容室48内及び可動収容室86内に亘って収容されたヨークレバー96は、幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法を拡大されているので、当該拡大によってヨークレバー96の強度を確保しつつ、メイン収容室48内及び可動収容室86内にヨークレバー96をコンパクトに収容することができる。これにより、このワイパブレード10(ワイパレバーアッセンブリ20)では、払拭面WSからの高さを低く抑えることができるので、空力特性を向上させることができる。また、可動カバー60のフィン面84が走行風を受けることにより、可動カバー60自体に押圧力が生じてブレードラバー14、特に可動カバー60の把持部80が保持する先端部分に押圧力が付与されることになるため、払拭面WSからの高さを低く抑えながらも高速走行時には払拭面WSの湾曲曲率の大きな部分を払拭する先端部においても押圧力として付勢できる。
上記の空力特性について補足説明する。ワイパブレード10(ワイパレバーアッセンブリ20)の空力特性を向上させるためには、メインレバー22及び可動カバー60の高さ寸法を小さく設定することに加えて、メインレバー22及び可動カバー60のフィン面46、84を走行風の風上から風下に向けて緩やかに傾斜又は湾曲させることが好ましい。そのためには、メインレバー22の各腕部22B及び可動カバー60の高さ寸法(上下方向寸法)を、幅方向の前部側へ向かうほど低くする必要がある。この点、本実施形態では、ヨークレバー96は、幅方向の前部側よりも後部側で高さ寸法を拡大されており、幅方向の前部側で高さ寸法が低くなっているので、各腕部22B及び可動カバー60の形状設定の自由度が高くなり、フィン面46、84を好ましい形状に設定し易くなる。その結果、空力特性(特に揚力の低減)を飛躍的に向上させることが可能となる。
また、上記のヨークレバー96は、長手方向視でL字状に形成されており、前部側よりも後部側で高さ寸法を段差状(段付状)に拡大されている。このため、ヨークレバー96の強度を効率的に確保しながらも、メイン収容室48内及び可動収容室86内にヨークレバー96をコンパクトに収容することができるので、ワイパレバーアッセンブリ20の払拭面WSからの突出高さを低く抑えて空力特性を一層向上させることができる。
しかも、上記のヨークレバー96では、金属製の金属部98が樹脂製のヨークレバー本体部108に埋め込まれているので、ヨークレバー96が樹脂部のみで構成されている場合と比較して、ヨークレバーの強度確保と小型化との両立が容易になる。また、金属部98の露出が低減されるため防錆や防眩のための塗装(一般に黒色の塗装)が不要にできるので、製造コストの低減にも寄与する。
また、本実施形態では、メイン収容室48及び可動収容室86の幅方向前後の両面に形成された凸部52、54、88、90が、ヨークレバー96の幅方向前後の両面に形成された4つ凹部114、118、116、120にそれぞれ嵌入することで、ヨークレバー96がメインレバー22及び可動カバー60と回動可能に連結されている。これにより、例えば、軸部材を用いてメインレバー22及び可動カバー60とヨークレバー96とを回動可能に連結する場合と比較して、メインレバー22及び可動カバー60とヨークレバー96との各回動連結部の構成が簡素になる。
しかも、本実施形態では、ヨークレバー96の幅方向前後の両面に形成された4つ凹部114、116、118、120は、前後方向外側及び下側が開放されており、前後方向視で略半円形状に形成されている。これにより、例えば上記各凹部114、116、118、120が前後方向視で円形に形成される場合と比較して、ヨークレバー96の高さ寸法を小さく設定することができる。その結果、本ワイパレバーアッセンブリ20では、払拭面WSからの突出高さをより一層低く抑えることができる。
さらに、本実施形態では、ヨークレバー96は、上部側の立壁部108Bよりも前後に幅広な下部側の板状部108Aにおいてメインレバー22及び可動カバー60と回動可能に連結されている。これにより、メインレバー22及び可動カバー60とヨークレバー96との各回動連結部の軸長を幅方向に長く設定することができるので、メインレバー22及び可動カバー60に対するヨークレバー96の姿勢(長手方向から見た姿勢、つまり傾動姿勢)の変化を抑制できる。
また、本実施形態では、ヨークレバー96の後部側には、上側へ突出した立壁部98Bが形成されており、メインレバー22及び可動カバー60は、立壁部98Bを前後に挟んで対向した一対の対向壁(後壁40及び後内壁42と、後壁72及び後内壁74)を有している。これにより、上記一対の対向壁と立壁部108Bとの係合によって、メインレバー22及び可動カバー60に対するヨークレバー96のガタつきを抑制することができる。
また、本実施形態では、ヨークレバー96の後部側に設けられた立壁部98Bの上面には、メイン収容室48の後部側の上面及び可動収容室86の後部側の上面に接する一対の後側加圧部132、134が設けられている。これにより、ワイパアーム12からの押圧力や払拭面WSからの反力などが、一対の後側加圧部132、134を介してヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との間で伝達されるので、ヨークレバー96とメインレバー22との各回動連結部に上記の力が加わることを防止又は抑制できる。これにより、上記各回動連結部の連結強度を低く設計できるので、ヨークレバー96の高さ方向に小型化することができ、払拭面WSからのワイパレバーアッセンブリ20(ワイパブレード10)の突出高さを一層低く抑えることができる。しかも、上記の後側加圧部132、134(立壁部108B)は、フィン面46、84よりも後側に配置されているので、後側加圧部132、134がフィン面46、84の形状に制約を与えることを防止又は抑制でき、フィン面46、84の形状設定の自由度が向上する。
また、本実施形態では、メインレバー22及び可動カバー60は、メイン収容室48及び可動収容室86の各前面を形成する前壁32、64を有しており、各前壁32、64は、凸部52、88が形成された可撓部36A、68Aと、可撓部36A、68Aよりも補強された補強部36B、68Bとを有している。このため、メイン収容室48及び可動収容室86の幅方向前後の両面に形成された凸部52、54、88、90を、ヨークレバー96の幅方向前後の両面に形成された凹部114、118、116、120にそれぞれ嵌入させる際には、上記の可撓部36A、68Aが撓むことにより、これらの可撓部36A、68Aに形成された凸部52、88を、ヨークレバー96の凹部114、116に容易に嵌入させることができる。
しかも、ヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との間に幅方向前後方向(払拭方向)の荷重が作用した際には、ヨークレバー96から補強部36B、68Bに対応して当接可能に突出した複数の前側突起122が、メインレバー22及び可動カバー60の前壁32、64に設けられた補強部36B、68Bに当接する。これにより、可撓部36A、68Aに上記の荷重が加わることを防止又は抑制できるので、可撓部36A、68Aに形成された凸部52、88がヨークレバー96の凹部114、116から不用意に外れることを防止できる。
さらに、本実施形態では、メインレバー22及び可動カバー60は、メイン収容室48及び可動収容室86の各後面を形成する後壁40、72と、後壁40、72が後端部から下側へ延出された上壁30、62とをそれぞれ有しており、各後壁40、72の下端部には、凸部54、90が形成されている。このため、メイン収容室48及び可動収容室86の幅方向前後の両面に形成された凸部52、54、88、90を、ヨークレバー96の幅方向前後の両面に形成された4つ凹部114、118、116、120にそれぞれ嵌入させる際には、上記の後壁40、72が撓むことにより、これらの後壁40、72の下端部に形成された凸部54、90を、ヨークレバー96の凹部114、116に容易に嵌入させることができる。
しかも、ヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との間に幅方向前後方向(払拭方向)の荷重が作用した際には、ヨークレバー96から突出した複数の後側突起124が、後壁40、72の上部側(すなわち後壁40、72の下部側よりも前後に撓み難い部位)において当接することで、撓み支点からの距離が短くなり後壁40、72の撓みを抑制することができる。その結果、後壁40、72に形成された凸部54、90がヨークレバー96の凹部114、116から不用意に外れることを防止可能となる。
また、本実施形態では、ヨークレバー96から突出した複数の前側突起122、複数の後側突起124、及び複数の内側突起126が、メインレバー22及び可動カバー60の前内壁36、68、後壁40、72、及び後内壁42、74に対してそれぞれ点状に接触する。このため、ヨークレバー96が上記の各壁に対して広い面積で面状に接触する構成と比較して、寸法の管理が容易になる。
さらに、本実施形態では、メインレバー22及び可動カバー60の後内壁42、74に形成された切欠部58、94と、ヨークレバー96に設けられた係合凸部128、130とによって構成された荷重伝達部を備えている。この荷重伝達部は、メインレバー22及び可動カバー60とヨークレバー96との間でそれらの長手方向に沿って作用する荷重が、上記の切欠部58、94の端部と係合凸部128、130との係合で受け止められる。これにより、上記の荷重がヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との各回動連結部に作用することを防止又は抑制できる。
(空力解析)
次に、図33A~図38Bを用いて、本実施形態に係るワイパブレード10の空力解析結果について説明する。図33A~図33G、図34A~図34D、図36A~図38Bは、コンピュータを用いた空力解析図である。なお、図33A~図33Gでは、ブレードラバー14及び可動カバー60に対する符号の付与を省略している。この空力解析では、図17に示される縦リブ位置P、リブ×ラバー隙G、及び開口幅Eを個別に調整(変更)し、ワイパブレード10に発生する揚力を解析した。先ず、図33A~図33Hを用いて、縦リブ位置Pの変更に伴う揚力の変化について説明する。
図33A~図33Gでは、リブ×ラバー隙G及び開口幅Eを一定に設定し、縦リブ位置PをP1~P7に変更している。縦リブ位置P1~P7は、P1<P2<P3<P4<P5<P6<P7の関係に設定されている。この縦リブ位置Pの変更と、ブレードラバー14に発生する揚力との関係を、図33Hに線図にて示す。この図33Hにおいては、縦リブ位置P1~P7におけるブレードラバー14に発生する揚力を「△」で示している。この点は、図34E~図35Dにおいても同様である。
図33A~図33Gにより、縦リブ75の幅方向前方で隙間61内の圧力が高くなり、縦リブ75の幅方向後方で隙間61内の圧力が低くなることが分かる。また、これらの図33A~図33Hにより、縦リブ75がブレードラバー14における幅方向の後端部の上方に配置されている場合に、ブレードラバー14の揚力低減効果が高くなることが分かる。
次に、図34A~図34Eを用いて、リブ×ラバー隙Gの変更に伴うブレードラバー14の揚力の変化について説明する。図34A~図34Dでは、縦リブ位置P及び開口幅Eを一定に設定し、リブ×ラバー隙GをG1~G4に変更している。リブ×ラバー隙GをG1~G4は、G1<G2<G3<G4の関係に設定されている。このリブ×ラバー隙Gの変更と、ブレードラバー14に発生する揚力との関係を、図34Eに線図にて示す。
図34A~図34Eにより、リブ×ラバー隙Gが小さいほど、縦リブ75の幅方向前方で隙間61内の圧力が高くなり、ブレードラバー14に発生する揚力が低減することが分かる。
次に、図35A~図35Dを用いて、縦リブ位置P及びリブ×ラバー隙Gの変更に伴うブレードラバー14の揚力の変化について説明する。図35A~図35Dでは、開口幅Eを一定に設定している。また、図35Aでは、リブ×ラバー隙GをG1に設定して縦リブ位置Pを変化させている。同様に、図35Bではリブ×ラバー隙GをG2に設定し、図35Cではリブ×ラバー隙GをG3に設定し、図35Dではリブ×ラバー隙GをG4に設定して、縦リブ位置Pを変化させている。
図35A~図35Dにより、縦リブ位置P及びリブ×ラバー隙Gを変更すると、ブレードラバー14に発生する揚力が変化することが分かる。
以上の空力解析により、以下のことが確認された。すなわち、隙間61内(可動カバー60内)の内部圧力を変えることで、ブレードラバー14に発生する揚力を調整可能であること、及び、隙間61内の圧力は、隙間61内に流入する走行風の量(気流量)と、隙間61内から流出する走行風の量とを変えることにより、調整可能であることが確認された。
また、可動カバー60が縦リブ75を備えていない構成(図36A参照)と比較して、可動カバー60が縦リブ75を備えている構成(図36B及び図36C参照)では、可動カバー60の内部においてブレードラバー14の上方を高圧にできることが確認された。さらに、縦リブ75の幅方向前方が幅方向後方よりも高圧になることから、ブレードラバー14の上面における幅方向全域を高圧にするためには、ブレードラバー14における幅方向の後端部の上方付近に縦リブ75を配置させることが効果的であることが確認された。
また、リブ×ラバー隙Gを小さく設定した場合(図37A参照)には、リブ×ラバー隙Gを大きく設定した場合(図37B参照)と比較して、縦リブ75の幅方向前方がより高圧になることが確認された。さらに、開口幅Eを小さく設定した場合(図38A参照)と比較して、開口幅Eを大きく設定した場合(図38B参照)には、隙間61内への走行風の流入量を変える(増加させる)ことでも縦リブ75の幅方向前方がより高圧になることが確認され、ブレードラバー14に発生する揚力(隙間61の内圧)を調整可能であることが分かった。
(第1実施形態の補足説明)
上記の第1実施形態では、ヨークレバー96の後部側の上面(立壁部98Bの上面)に、メイン収容室48の後部側の上面及び可動収容室86の後部側の上面に接する一対の後側加圧部132、134が設けられた構成にしたが、これに限るものではない。すなわち、図39及び図40に示される変形例のように、ヨークレバー96の前部側の上面(板状部108Aの上面)に、メイン収容室48の前部側の上面及び可動収容室86の前部側の上面に接する一対の前側加圧部140、142が設けられた構成にしてもよい。
この変形例では、ワイパアーム12からの押圧力や払拭面WSからの反力などが、上記一対の前側加圧部140、142を介してヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との間で伝達されるので、ヨークレバー96とメインレバー22及び可動カバー60との各回動連結部に上記の力が加わることを防止又は抑制できる。これにより、上記各回動連結部をヨークレバー96の高さ方向に小型化することができる。その結果、上記実施形態と同様に、払拭面WSからのワイパレバーアッセンブリ20(ワイパブレード10)の突出高さを一層低く抑えることができる。しかも、上記の前側加圧部140、142は、ブレードラバー14の上方に配置されているため、ワイパアーム12からの押圧力をブレードラバー14に対して上方から(前後にオフセットさせずに)加えることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図41には、本発明の第2実施形態に係るワイパブレード200が図14に対応した断面図にて示されており、図42には、第2実施形態に係るワイパブレード200が有するワイパレバーアッセンブリ20の先端側部分の構成が図18に対応した斜視図にて示されている。第2実施形態に係るワイパブレード200は、第1実施形態に係るワイパブレード10と基本的に同様の構成とされているが、ヨークレバー96の下面に塞き止め部としてのレバー突条202が突出形成されている。なお、この第2実施形態では、ワイパレバーアッセンブリ20が、第1実施形態の前述した変形例と同様の構成とされている。
上記のレバー突条202は、ヨークレバー本体部108と一体成形されたものであり、ヨークレバー本体部108の下面における幅方向の後端部から突出され、ブレードラバー14の長手方向に延在している。このレバー突条202は、ブレードラバー14よりも前後方向(幅方向)の後側に配置されており、ブレードラバー14とヨークレバー96との間の隙間97に対して幅方向の後側から対向している。このレバー突条202の幅方向前端面は、ブレードラバー14の幅方向後端面よりも幅方向後側に配置されている(図41の二点鎖線FS参照)。このレバー突条202によってヨークレバー96が補強されており、ヨークレバー96の曲げ強度が向上している。なお、レバー突条202によるヨークレバー96の補強効果を向上させるためには、レバー突条202の幅をヨークレバー96の幅方向後端面(図41の二点鎖線RS参照)まで拡大することが好ましい。
この実施形態では、上記以外の構成は、第1実施形態と同様とされている。したがって、この実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも、この実施形態では、ヨークレバー96の下面における幅方向の後端部から突出されたレバー突条202が、ブレードラバー14の長手方向に延在している。このレバー突条202は、ブレードラバー14とヨークレバー96との間の隙間97内に流入する走行風を当該隙間97内に塞き止める。これにより、ヨークレバー96の存在によって可動カバー60やメインレバー22の下面からの縦リブ75の形成が困難な場合であっても、隙間97内の圧力を高めることができるので、ヨークレバー96の下側においてブレードラバー14の浮き上がりを抑制することができる。
しかも、レバー突条202よりも幅方向の前側すなわちヨークレバー96における幅方向の後端部よりも前側では、レバー突条202によって塞き止められる走行風により圧力が高くなるので、ヨークレバー96における幅方向の前端側にレバー突条202が形成されている場合と比較して、ブレードラバー14の上面の広い範囲に上記の高い圧力を作用させることができる。その結果、ブレードラバー14に発生する揚力の低減効果が向上する。
さらに、本実施形態では、上記のレバー突条202がブレードラバー14よりも幅方向の後側に配置されている。これにより、ブレードラバー14が払拭面WSの湾曲に追従して上下動する際に、当該上下動がレバー突条202とブレードラバー14との接触によって妨げられないようにすることができる。
さらに、本実施形態では、上記のレバー突条202によってヨークレバー96が補強されている。これにより、例えばヨークレバー96を樹脂のみによって構成する(金属部98を省略する)ことが可能となる。
次に、図43A~図43Cを用いて、第2実施形態に係るワイパブレード200の空力解析結果について説明する。図43Aは、ヨークレバー96がレバー突条202を有していない比較例の空力解析図であり、図43Bは、第2実施形態に係るワイパブレード200の空力解析図であり、図43Cは、第2実施形態に係るワイパブレード200において、レバー突条202の突出量(上下方向寸法)を大きく設定した状態での空力解析図である。図43A~図43Cにより、ヨークレバー96にレバー突条202を設けることで、ブレードラバー14とヨークレバー96との間の隙間97内の圧力を高くできること、及び、レバー突条202の突出量を大きく設定することで、ブレードラバー14に発生する揚力をより低減できることが確認された。
<第3の実施形態>
図44には、本発明の第3実施形態に係るワイパブレード300が図14に対応した断面図にて示されており、図45には、第3実施形態に係るワイパブレード300において、ヨークレバー96の下面に凹部304が形成された例が図44に対応した断面図にて示されている。第3実施形態に係るワイパブレード300は、第1実施形態に係るワイパブレード10と基本的に同様の構成とされているが、ブレードラバー14の上面に塞き止め部としてのラバー突条302が突出形成されている。なお、この第3実施形態では、ワイパレバーアッセンブリ20が、第1実施形態の前述した変形例と同様の構成とされている。
上記のラバー突条302は、ブレードラバー14と一体に成形されたものであり、ブレードラバー14の上面における幅方向の後端部から突出されている。このラバー突条302は、ブレードラバー104の長手方向の全域に亘って延在しており、ヨークレバー96とブレードラバー14との間の隙間97内にも配置されている。また、図45に示される例では、ヨークレバー96の下面には、ラバー突条302に対応する位置に、ラバー突条302を収容可能な凹部304が形成されている。
この実施形態では、上記以外の構成は、第1実施形態と同様とされている。したがって、この実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果が得られる。しかも、この実施形態では、ブレードラバー14の上面における幅方向の後端部から突出されたラバー突302が、ヨークレバー96とブレードラバー14との間の隙間97に配置されており、ブレードラバー14の長手方向に延在している。これにより、隙間97内に流入する走行風をラバー突条302によって塞き止めることができ、隙間97内の圧力を高めることができる。その結果、ヨークレバー96の下側においてブレードラバー14の浮き上がりを抑制することができる。
しかも、ラバー突条302よりも幅方向の前側すなわちブレードラバー14の上面における幅方向の後端部よりも前側では、ラバー突条302によって塞き止められる走行風により圧力が高くなるので、ブレードラバー14の上面における幅方向の前端側にラバー突条302が形成されている場合と比較して、ブレードラバー14の上面の広い範囲に上記の高い圧力を作用させることができる。その結果、ブレードラバー14に発生する揚力の低減効果が向上する。
また、図45に示される例では、ヨークレバー96の下面において、ラバー突条302に対応する位置に、ラバー突条302を収容可能な凹部304が形成されている。これにより、ブレードラバー14が払拭面WSの湾曲に追従して上下動する際に、当該上下動がラバー突条302とヨークレバー96との接触によって妨げられないようにすることができる。
次に、図46A~図46Bを用いて、第3実施形態に係るワイパブレード300の空力解析結果について説明する。なお、ブレードラバー14がラバー突条302を有していない比較例の空力解析図としては上記第2実施形態の図43Aと同じであり、図46Aは、第3実施形態に係るワイパブレード300の空力解析図であり、図46Bは、第3実施形態に係るワイパブレード300において、ヨークレバー96の下面に凹部304が形成されている場合の空力解析図である。図46A~図46Bにより、ブレードラバー14の上面にラバー突条302を設けることで、ブレードラバー14とヨークレバー96との間の隙間97内の圧力を高くできることが確認された。また、図46Bにより、上記の凹部304は、ブレードラバー14に発生する揚力に影響を及ぼさないことが確認された。
以上、幾つかの実施形態を示して本発明について説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。