JP7130531B2 - 衝撃吸収機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構に関するものである。
車両の衝突時の衝突荷重を受けてその衝撃を吸収できるように構成された衝撃吸収機構に関する技術が、特許文献1、2に記載されている。
特許文献1、2には、車両前方衝突時にバンパーリインフォースがサイドメンバ側に押された際に、バンパーリインフォースとサイドメンバの間に設けた木材がボルト等の連結材に押されて圧縮するかまたはせん断が生じることで衝撃が吸収される衝撃吸収機構について記載されている。
国際公開第2014/077314号 特開2017-7598号公報
しかしながら、これらの衝撃吸収機構では、ボルト等の連結材が円形断面を有するため、衝突時にバンパーリインフォースがサイドメンバ側に押された際、ボルト等の連結材が木材を押し分けて木材が裂けるような挙動が生じ、木材が想定通りに圧縮あるいはせん断されずに意図した衝撃吸収がなされない場合がある。
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために第1の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、前記一方の部材に連結された第1の連結材と、を具備し、前記第1の連結材は、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材に面した平面部または凹面部を有し、前記衝撃吸収材の部材軸方向と直交する面の一部に接触して衝突時に前記衝撃吸収材を押圧し、前記衝撃吸収材の部材軸方向から見た時に、前記第1の連結材と前記他方の部材との間では、前記第1の連結材と重複する位置に前記一方の部材に連結された他の連結材が存在せず、前記第1の連結材は、棒材であり、前記平面部または凹面部が、前記棒材に取付けられた別部品に形成されたことを特徴とする衝撃吸収機構である。
第1の発明では、衝撃吸収に大きく寄与する上記した第1の連結材が円形断面でなく、上記の平面部または凹面部を有する。これにより、衝突時に連結材が衝撃吸収材を押し分けにくくなり、木製の衝撃吸収材が連結材に押し分けられて裂けるのを防いで意図した衝撃吸収を実現することが可能になる。連結材としてはボルトなどの棒材を用いることができ、これを上記の荷重受け部材や被伝達部材に好適に固定できる。平面部や凹面部は棒材に取付ける別部品に形成されたものとすることで、既製品に簡単に平面部等を付加できる。
第2の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、前記一方の部材に連結された第1の連結材と、を具備し、前記第1の連結材は、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材に面した平面部または凹面部を有し、前記衝撃吸収材の部材軸方向と直交する面の一部に接触して衝突時に前記衝撃吸収材を押圧し、前記衝撃吸収材の部材軸方向から見た時に、前記第1の連結材と前記他方の部材との間では、前記第1の連結材と重複する位置に前記一方の部材に連結された他の連結材が存在せず、前記第1の連結材は、棒材であり、前記衝撃吸収材の前記一方の端部の端面が被覆され、前記第1の連結材は、衝突時に前記端面を押圧し、前記第1の連結材の長手方向と直交する断面において前記平面部または凹面部に隣接する隣接面と、前記端面とが、前記第1の連結材の側方において所定の角度を成し、前記所定の角度を、45度以上180度未満とすることを特徴とする衝撃吸収機構である。
第2の発明では、衝撃吸収に大きく寄与する上記した第1の連結材が円形断面でなく、上記の平面部または凹面部を有する。これにより、衝突時に連結材が衝撃吸収材を押し分けにくくなり、木製の衝撃吸収材が連結材に押し分けられて裂けるのを防いで意図した衝撃吸収を実現することが可能になる。また、衝撃吸収材の一方の端部の端面が被覆され、第1の連結材は衝突時に端面を押圧し、第1の連結材の長手方向と直交する断面において平面部または凹面部に隣接する隣接面と端面とが第1の連結材の側方において所定の角度を成し、所定の角度を45度以上180度未満とすることにより、衝突時に第1の連結材が衝撃吸収材を押圧する際に被覆を早期に破断させることができ、被覆の引張り等により衝突時に連結材が受ける荷重が不安定になるのを防いで意図した衝撃吸収を実現することが可能になる。
本発明によれば、好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構を提供できる。
衝撃吸収機構2の配置を示す概略図。 衝撃吸収機構2を示す図。 衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2を示す図。 バンパーリインフォース11の変位とボルト3が受ける荷重の関係を示す図。 ボルト3aとカラー30を示す図。 連結材の断面形状の例。 連結材の断面形状の例。 衝撃吸収機構2aを示す図。 衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2aを示す図。 衝撃吸収機構2a’を示す図。 ボルト3付近の拡大図。 被覆1aの引張りと破断を示す図。 バンパーリインフォース11の変位とボルト3が受ける荷重の関係を示す図。 衝撃吸収機構2bを示す図。 衝撃吸収機構2cを示す図。 衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2cを示す図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の実施形態に係る衝撃吸収機構2の配置を示す概略図である。衝撃吸収機構2は車両10に設けられ、衝突時に車両10に加わる衝撃を吸収して衝突荷重を軽減するためのものである。衝撃吸収機構2は、フロントバンパー(不図示)のバンパーリインフォース11と車両10のサイドメンバ9の間に配置される。
図1の左右は車両前後方向に対応し、図1の上下は車両幅方向に対応する。以下、「前」というときは車両10の前側を指し、図1の左側に対応する。「後」は車両10の後側を指し、図1の右側に対応する。
バンパーリインフォース11は車両前方衝突時の荷重を受ける荷重受け部材であり、車両10の前部で車両幅方向に延びるように配置される。
サイドメンバ9はバンパーリインフォース11で受けた衝突荷重が伝達される被伝達部材である。サイドメンバ9は車両幅方向の左右に配置され、各サイドメンバ9とバンパーリインフォース11の間に衝撃吸収機構2が設けられる。
図2は衝撃吸収機構2を示す図である。図2(a)は衝撃吸収機構2の水平方向の断面を示す図、図2(b)、(c)はそれぞれ図2(a)の線a-a、線b-bによる鉛直方向の断面を示す図である。
図2に示すように、衝撃吸収機構2は、衝撃吸収材1、ボルト3、ケーシング7等を有する。
衝撃吸収材1は木製の柱状部材であり、部材軸方向を車両前後方向(図2(a)、(b)の左右方向に対応する)として、部材軸方向の両端部がそれぞれバンパーリインフォース11側、サイドメンバ9側となるように配置される。また、本実施形態ではこの部材軸方向が木材の年輪の軸心方向(木材の繊維方向)に対応している。
衝撃吸収材1はケーシング7の内部に設けられる。ケーシング7はアルミ等の金属製の筒体である。
衝撃吸収材1およびケーシング7の前端部はバンパーリインフォース11に当接する。ケーシング7の前端部はブラケット13によりバンパーリインフォース11に固定される。
サイドメンバ9の前端部は筒状となっており、衝撃吸収材1およびケーシング7の後端部(一方の端部)はサイドメンバ9(一方の部材)の筒状部分の内部空間に挿入される。
ボルト3は金属製の頭付ボルトであり、衝撃吸収材1の部材軸方向と直交する面(図2(c)に示す面)の一部に接触するように配置される。ボルト3はサイドメンバ9の前端部に連結される棒材(連結材)である。
ここで、衝撃吸収材1の部材軸方向から見た時(図2(a)の矢印参照)に、ボルト3とバンパーリインフォース11(他方の部材)の間では、ボルト3と重複する位置にサイドメンバ9に連結された他のボルト3等(他の連結材)が存在せず、このボルト3が衝撃吸収に大きく寄与することとなる。
ボルト3の軸部はサイドメンバ9の下面からサイドメンバ9、ケーシング7および衝撃吸収材1を貫通し、軸部の先端がナット4によってサイドメンバ9の上面に固定される。これによりボルト3がサイドメンバ9の前端部に固定され、ボルト3によって衝撃吸収材1が保持される。
ボルト3の軸部には、バンパーリインフォース11側に面した平面部5が形成される。平面部5はボルト3の軸部を加工して軸部と一体に形成され、ボルト3の軸方向と直交する断面(以下、単に断面ということがある)が、円の一部を直線で切り取った形状となる。ボルト3は車両幅方向(図2(a)の上下方向に対応する)に2ケ所配置されるが、その本数や配置は特に限定されない。
図3は矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2を示す図である。
図3に示すように、矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11がサイドメンバ9側に押されると、その初期段階において、衝撃吸収材1のうち車両幅方向においてボルト3の平面部5と対応する位置にある部分が、平面部5によって前方に押圧されて圧縮される。これにより衝撃吸収材1に局所的な圧縮が発生して木材が硬化し、圧縮部19が形成される。以降、衝撃吸収材1は、ボルト3の平面部5によってせん断変形しながらサイドメンバ9の内部に進入する。
以上の過程において、平面部5は前記のように衝撃吸収材1を押し分けることなく、より大きな荷重を安定して受け止めることができる。なお、この際ケーシング7は衝撃吸収材1の側方への膨れを防いでボルト3が受け止める衝突荷重の低下を防止する。
図4は、上記の衝突過程におけるバンパーリインフォース11の変位とボルト3が受ける荷重(衝撃吸収材1の圧縮によって吸収される荷重)の関係を、縦軸を荷重、横軸をバンパーリインフォース11のサイドメンバ9側への変位として示した図である。
本実施形態の衝撃吸収機構2では、ボルト3が前記の平面部5を有するので、衝撃吸収材1に用いた木材が裂けるのを防止できる。従って、円形断面のボルトを用いた従来例では点線21に示すように木材が裂けることにより低荷重で変位が進むのに比べ、本実施形態ではバンパーリインフォース11の移動中、実線23に示すように大きな荷重を安定して受け止めることができる。衝撃吸収材1の衝撃吸収量は実線23で示す荷重の変位による積分値で表され、従来例と比較して大幅に増加する。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ボルト3が円形断面でなく平面部5を有するので、衝突時にボルト3が衝撃吸収材1を押し分けにくくなり、衝撃吸収材1が裂けるのを防いで意図した衝撃吸収を実現することが可能になる。すなわち、衝突初期に圧縮部19を確実に形成し、より大きな荷重を受け止めることができる。その後は衝撃吸収材1がボルト3によってせん断変形しながら安定して破壊が進み、衝突荷重の変動が少ないという木材の利点を生かしてより大きな衝撃を吸収できる。
しかしながら本発明はこれに限らない。例えば本実施形態では衝撃吸収材1の年輪の軸心方向が部材軸方向に対応しているが、部材軸方向と異なる方向であってもよい。
また平面部5はボルト3の軸部を加工して軸部と一体に形成するものに限らない。例えば図5(a)に示すように、ボルト3aの軸部の周囲に別部品として平面部5を有するカラー30を取付けてもよい。これにより既製のボルト3aに簡単に平面部5を付加できる。図5(b)は図5(a)の線c-cによる断面であり、カラー30の断面の外形は円の一部を直線で切り取った形状で第1の実施形態と同様の平面部5が形成される。
また本実施形態では金属製のボルトを連結材として用いているが、連結材はサイドメンバ9に連結されたものであればよく、ボルトに限らずピン等でもよい。その材質も金属に限らず、セラミックなどでもよい。
また、連結材の断面形状も第1の実施形態で説明したものに限らない。図6は他の断面形状の例を示す図である。例えば図6(a)は半円形と矩形とを組み合わせた形状であり、矩形部分に平面部5を有する。また図6(b)は四角形状、図6(c)は六角形状でありそれぞれ多角形状の断面を有し、前記と同様に平面部5を有する。
また、平面部5の代わりに凹面部を設けても前記と同様の効果が得られ、例えば図7(a)のように円の一部を円弧で切り取った形状としたり、図7(b)のように矩形の一部を円弧で切り取った形状として凹面部6を設けてもよい。また凹面部は円弧状の曲面に限らず、例えば図7(c)のように、矩形の一部を楔形に切り取った断面形状とし、直線によって楔状に形成された凹面部6を設けてもよい。このように、連結材の断面形状は、バンパーリインフォース11側に平面部5または凹面部6を有するものであればよい。
以下、本発明の別の例について、第2~第5の実施形態として説明する。各実施形態はそれまでに説明した実施形態と異なる点について説明し、同様の構成については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。また、第1の実施形態も含め、各実施形態で説明する構成は必要に応じて組み合わせることができる。
[第2の実施形態]
図8は第2の実施形態の衝撃吸収機構2aを示す図である。図8(a)は衝撃吸収機構2aの水平方向の断面を示す図、図8(b)は図8(a)の線d-dによる鉛直方向の断面を示す図である。
この衝撃吸収機構2aは、衝撃吸収材1の後端面(部材軸方向と直交する面)の一部にボルト3の平面部5が当接するように設けられる点で第1の実施形態と異なる。
図9は矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2aを示す図である。衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11がサイドメンバ9側に押された場合、本実施形態でも、初期段階で衝撃吸収材1に局所的な圧縮が発生して木材が硬化し、圧縮部19が形成され、その後、衝撃吸収材1がボルト3の平面部5によってせん断変形しながらサイドメンバ9の内部に進入する。
第2の実施形態でもボルト3の平面部5は衝撃吸収材1を押し分けることなく大きな荷重を安定して受け止めることができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに第2の実施形態では、ボルト3を衝撃吸収材1に貫通させず、平面部5を衝撃吸収材1の後端面に当接させることにより、衝撃吸収材1等に孔を空ける必要が無く簡易な構成となる。また圧縮部19を長くとることができ、より多くの荷重を吸収できる。一方、第1の実施形態のようにボルト3が衝撃吸収材1を貫通する場合、衝撃吸収材1の保持を好適に行うことができる。
[第3の実施形態]
第2の実施形態では衝撃吸収材1の周囲に筒状のケーシング7を設けているが、第3の実施形態では、図10の衝撃吸収機構2a’のようにケーシング7を省略して樹脂などにより衝撃吸収材1の全面を被覆する。すなわち、衝撃吸収材1の部材軸方向の側面および両端面が被覆され、被覆1aにより衝撃吸収材1を外界から保護して劣化を防ぐ。ボルト3の平面部5は、衝撃吸収材1の被覆された後端面(衝撃吸収材1の部材軸方向と直交する面)の一部に当接する。
図11はボルト3付近の拡大図であり、ボルト3の軸方向(長手方向)と直交する断面を示したものである。衝撃吸収機構2a’では、ボルト3の平面部5に隣接する隣接面8と、衝撃吸収材1の被覆された後端面とが、所定の適切な角度θを成すことで、衝突過程において衝撃吸収材1が前記のようにせん断変形する際に、衝撃吸収材1の後端面の被覆1aを早期に破断させる。
すなわち、本実施形態でも、衝突時にボルト3の平面部5が衝撃吸収材1の後端面を押圧し、衝撃吸収材1のうち車両幅方向において平面部5と対応する位置にある部分が圧縮され、その他の部分は平面部5によってせん断変形しながらサイドメンバ9の内部に進入する。この時、図12(a)に示すように仮に被覆1aが早期に破断せず、サイドメンバ9内に進入した衝撃吸収材1に引張られて伸びると、被覆1aが弾性域にある間は被覆1aの引張力Tがボルト3に作用してボルト3に加わる荷重が増加する。その後、衝撃吸収材1がサイドメンバ9内に更に進入し、被覆1aが更に伸びて降伏するとボルト3に加わる荷重は急激に減少する。このように、被覆1aが早期に破断しないと衝突初期にボルト3が受ける荷重が大きく変動して不安定になり、意図した衝撃吸収が実現されない恐れがある。
一方、本実施形態では、前記した隣接面8と衝撃吸収材1の被覆された後端面とが成す角度θを適切な値に定めることで、図12(b)に示すように衝撃吸収材1のせん断変形時に被覆1aを早期に破断させる(せん断破壊させる)ことができ、ボルト3に加わる荷重が上記のように変動するのを防ぎ、意図した衝撃吸収を実現することができる。
ここで、上記の角度θは、図11に示すように、平面部5と隣接面8の境界Bにおける隣接面8の接線Cと、衝撃吸収材1の被覆された後端面とが、ボルト3の側方において成す角度θをいうものとし、その値は180度未満となる。本実施形態ではボルト3の断面が円の一部を直線で切取った形状であるため、角度θは直線による切取位置に応じて変化する。例えば角度θが90度のときボルト3の断面は半円状となっているが、図11のようにボルト3の断面が半円より大きい場合、角度θは90度未満となる。
そして、本実施形態では被覆1aを早期に破断させるため角度θを45度以上とする。なお、角度θは、ボルト3の車両幅方向の両側において同じ値(本実施形態では45度以上)に定められる。
図13は、第3の実施形態におけるバンパーリインフォース11の変位とボルト3が受ける荷重の関係を、縦軸を荷重、横軸をバンパーリインフォース11のサイドメンバ9側への変位として示した図である。
実線25は角度θを45度以上とし、被覆1aを早期に破断させた場合(図12(b)参照)であり、ボルト3にはほぼ一定の荷重が加わり、衝突直後から本来の衝突荷重を安定して受け止めることができる。
一方、点線27は角度θを45度未満とし、被覆1aが早期に破断しない場合(図12(a)参照)であり、被覆1aの引張り等により衝突初期にボルト3が受ける荷重に大きな変動が生じて不安定になり、最大荷重が当初の想定より増加する恐れもある。
このように、第3の実施形態では、角度θを45度以上とすることで、衝突時にボルト3が衝撃吸収材1を押圧する際に被覆1aを早期に破断させることができ、被覆1aの引張り等により衝突時にボルト3が受ける荷重が不安定になるのを防いで意図した衝撃吸収を実現することが可能になる。
なお、第3の実施形態においても、連結材の断面形状は上記したものに限らない。例えば図6(a)~(c)に示すような平面部5を有するものや、図7(a)~(c)に示すような凹面部6を有するものを用いることも可能である。この場合も好ましい角度θ(平面部5または凹面部6の隣接面8と、衝撃吸収材1の被覆された後端面とがボルト3の側方において成す角度)の範囲は前記と同様である。
また、本発明者は実験により角度θが60度の場合に被覆1aが早期に破断することを確認しており、より好ましくは角度θを60度以上とすることで被覆1aの早期の破断を確実なものとできる。
[第4の実施形態]
図14は第4の実施形態に係る衝撃吸収機構2bを示す図である。図14(a)は衝撃吸収機構2bの水平方向の断面を示す図、図14(b)は図14(a)の線e-eによる鉛直方向の断面を示す図である。
この衝撃吸収機構2bは、連結材としてボルト3の代わりに板材3bが用いられる点で第2の実施形態と異なる。なお、本実施形態ではケーシング7が省略されており、衝撃吸収材1の前端部がブラケット13によりバンパーリインフォース11に固定され、後端部がサイドメンバ9の前端部の筒状部分に挿入される。
板材3bはサイドメンバ9の前端部に連結され、バンパーリインフォース11側に平面部5aを有し、この平面部5aが衝撃吸収材1の後端面の一部に当接する。
第4の実施形態では、衝突時に板材3bの平面部5aが前記したボルト3の平面部5と同様に機能し、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また板材3bを用いることで、広い面で荷重を受け止めることができる。
[第5の実施形態]
図15は第5の実施形態の衝撃吸収機構2cを示す図である。図15(a)は衝撃吸収機構2cの水平方向の断面を示す図であり、図15(b)、(c)はそれぞれ図15(a)の線f-f、線g-gによる鉛直方向の断面を示す図である。
この衝撃吸収機構2cは、衝撃吸収材1のせん断による衝撃吸収を行う点で第1の実施形態と異なる。
すなわち、衝撃吸収機構2cでは、衝撃吸収材1の前端部(他方の端部)が筒状のバンパーリインフォース11aの後壁に設けられた開口110からバンパーリインフォース11a(他方の部材)の内部空間に挿入される。
また衝撃吸収機構2cはバンパーリインフォース11aに連結されるボルト3を有し、当該ボルト3の軸部がバンパーリインフォース11aの下面からバンパーリインフォース11aおよび衝撃吸収材1を貫通し、軸部の先端がナット4によってバンパーリインフォース11aの上面に固定される。このボルト3はサイドメンバ9側に平面部5が位置するように配置され、衝撃吸収材1の前端面とバンパーリインフォース11aの前壁の間には隙間が設けられる。
衝撃吸収材1の後端部は前記と同様サイドメンバ9の前端部に挿入され、ボルト3の軸部がサイドメンバ9の下面からサイドメンバ9および衝撃吸収材1を貫通し、軸部の先端がナット4によってサイドメンバ9の上面に固定される。
ここで、部材軸方向から見た時(図15(a)の矢印参照)に、衝撃吸収材1の前端部のボルト3と後端部のボルト3は異なる位置に配置され、これらの平面部5同士が向き合わないようになっている。また部材軸方向から見た時に、衝撃吸収材1の前端部のボルト3とサイドメンバ9の間では、前端部のボルト3と重複する位置にバンパーリインフォース11aに連結された他のボルト3等(他の連結材)が存在しない。
またバンパーリインフォース11aの前壁において衝撃吸収材1の後端部のボルト3と車両幅方向に対応する位置には開口111が形成される。なお、本実施形態でも前記のケーシング7は省略されている。
図16は矢印Aに示す方向に衝突荷重が加わった状態の衝撃吸収機構2cを示す図である。
図16に示すように衝突荷重が加わりバンパーリインフォース11aがサイドメンバ9側に押されると、衝突初期には第1の実施形態と同様の衝撃吸収材1の圧縮が生じる(圧縮部19参照)。なお、衝撃吸収材1の前端部のボルト3はその平面部5により衝撃吸収材1を後方に押圧する。
ただし本実施形態では、その後、衝撃吸収材1の前端部のボルト3によって衝撃吸収材1が後方に押され、衝撃吸収材1の後端部のボルト3によって衝撃吸収材1が前方に押されることで、前端部のボルト3と後端部のボルト3の車両幅方向の間で衝撃吸収材1のせん断が誘発される。
そして、前端部のボルト3と車両幅方向に対応する位置の衝撃吸収材1-1は、サイドメンバ9の内部を後方に進む。一方、後端部のボルト3と車両幅方向において対応する位置の衝撃吸収材1-2は、バンパーリインフォース11a内を開口111に向かって前方に進む。
第5の実施形態では、せん断の発生によって衝撃が吸収され、サイドメンバ9側に伝達される衝突荷重を軽減することができる。この場合もボルト3の平面部5によって衝撃吸収材1が裂けるのを防ぐことで、大きな荷重を受け止めることができるとともに衝撃吸収材1にせん断が発生しやすくなり、意図した衝撃吸収が実現できる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば前記の各実施形態では車両10のバンパーリインフォース11とサイドメンバ9の間に衝撃吸収機構を設置しているが、衝撃吸収機構は車両10において衝突時の荷重を受ける荷重受け部材と当該荷重が伝達される被伝達部材の間に設ければよく、上記のバンパーリインフォース11とサイドメンバ9の間に設けるものに限らない。例えば車両側突時の衝突荷重を軽減することを目的として、車両側部のボディー本体と車両内部のバッテリーケース等の間に設けてもよい。また車両10の種類も特に限定されない。
1:衝撃吸収材
1a:被覆
2、2a、2a’、2b、2c:衝撃吸収機構
3、3a:ボルト
3b:板材
4:ナット
5、5a:平面部
6:凹面部
7:ケーシング
8:隣接面
9:サイドメンバ
10:車両
11、11a:バンパーリインフォース
13:ブラケット
19:圧縮部
21、27:点線
23、25:実線
30:カラー
110:開口

Claims (2)

  1. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、
    衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、
    部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、
    前記一方の部材に連結された第1の連結材と、
    を具備し、
    前記第1の連結材は、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材に面した平面部または凹面部を有し、前記衝撃吸収材の部材軸方向と直交する面の一部に接触して衝突時に前記衝撃吸収材を押圧し、
    前記衝撃吸収材の部材軸方向から見た時に、前記第1の連結材と前記他方の部材との間では、前記第1の連結材と重複する位置に前記一方の部材に連結された他の連結材が存在せず、
    前記第1の連結材は、棒材であり、
    前記平面部または凹面部が、前記棒材に取付けられた別部品に形成されたことを特徴とする衝撃吸収機構。
  2. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構であって、
    衝突荷重を受ける荷重受け部材と前記衝突荷重が前記荷重受け部材から伝達される被伝達部材の間に設けられ、
    部材軸方向の一方の端部が前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち一方の部材の内部空間に挿入された木製の柱状の衝撃吸収材と、
    前記一方の部材に連結された第1の連結材と、
    を具備し、
    前記第1の連結材は、前記荷重受け部材と前記被伝達部材のうち他方の部材に面した平面部または凹面部を有し、前記衝撃吸収材の部材軸方向と直交する面の一部に接触して衝突時に前記衝撃吸収材を押圧し、
    前記衝撃吸収材の部材軸方向から見た時に、前記第1の連結材と前記他方の部材との間では、前記第1の連結材と重複する位置に前記一方の部材に連結された他の連結材が存在せず、
    前記第1の連結材は、棒材であり、
    前記衝撃吸収材の前記一方の端部の端面が被覆され、
    前記第1の連結材は、衝突時に前記端面を押圧し、
    前記第1の連結材の長手方向と直交する断面において前記平面部または凹面部に隣接する隣接面と、前記端面とが、前記第1の連結材の側方において所定の角度を成し、
    前記所定の角度を、45度以上180度未満とすることを特徴とする衝撃吸収機構。
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