JP7130517B2 - 脈波センサ、及び振動センサ - Google Patents

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Description

本発明は、脈波センサ、及び振動センサに関する。
圧力センサを利用して、心臓の拍動に伴って伝わる血管(動脈)の圧力波を脈波として測定する脈波センサが知られている(例えば、特許文献1)。このよう脈波センサでは、血管の脈動に起因した皮膚の変動を、シール部材の開口部を皮膚に押し当てることで形成される密閉空間(空気室)の内部の圧力変化として、圧力センサが検出することで、脈波を検出している。
特開2016-63936号公報
しかしながら、上述したような従来の脈波センサでは、例えば、低周波の検出感度がほぼ直流に近い超低周波まで及んでおり、脈波だけでなく呼吸や体動などによる低周波ノイズを同時に検出していた。そのため、従来の脈波センサでは、SN比(Signal-to-Noise ratio)が低下して検出感度が低下する可能性があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、検出感度を向上させることができる脈波センサ、及び振動センサを提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、第1空気室を有するセンサ筐体と、生体側に開口された開口部を生体表面に押し当てることで形成される第2空気室を有するアタッチメント部と、前記第1空気室と前記第2空気室とを連通する連通孔と、前記第1空気室の内部の圧力と前記第2空気室の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーとを有するセンサ基板と、前記第1空気室と前記第2空気室とが所定の容積に設定されることにより、前記カンチレバーの撓み変形に基づく前記第2空気室の内部の圧力変動の検出信号が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、からなり、前記カンチレバーは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状に形成され、基端部が前記センサ基板に片持ち状に支持された状態で前記センサ筐体の開口内側に配設され、前記連通孔として、前記カンチレバーの外周縁と前記センサ筐体の開口端との間に、前記カンチレバーの外周縁に沿ってギャップが形成されており、前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とは、前記圧力変動の検出信号の周波数特性が、下限周波数fcLOWになるように設定され、前記下限周波数fcLOWは、次式(A)
fcLOW=k・G ・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (A)
〔式中、kは比例定数、Gは前記ギャップの幅(μm)、V1は第1空気室の容積(ml)、V2は第2空気室の容積(ml)である。〕
によって表されることを特徴とする脈波センサである。
また、本発明の一態様は、上記の脈波センサにおいて、前記比例定数kは、0.005~0.02の範囲内であることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の脈波センサにおいて、内部に所定の容積の中空を有し、前記第1空気室の容積を変更する容積変更部を備え、前記センサ筐体は、前記容積変更部と接続される変更開口部を備え、前記変更開口部に接続される前記容積変更部によって、前記第1空気室の容積が変更可能に構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の脈波センサにおいて、前記脈波検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む抵抗値変化検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記抵抗値変化検出回路からの出力信号に基づいて前記脈波を検出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、第1空気室を有するセンサ筐体と、生体側に開口された開口部を生体表面に押し当てることで形成され、第2空気室を有するアタッチメント部と、前記第1空気室と前記第2空気室とを連通する連通孔と、前記第1空気室の内部の圧力と前記第2空気室の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーとを有するセンサ基板と、前記第1空気室と前記第2空気室とが所定の容積に設定されることにより、前記カンチレバーの撓み変形に基づく前記第2空気室の内部の圧力変動の検出信号が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて振動を検出する検出部と、からなり、前記カンチレバーは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状に形成され、基端部が前記センサ基板に片持ち状に支持された状態で前記センサ筐体の開口内側に配設され、前記連通孔として、前記カンチレバーの外周縁と前記センサ筐体の開口端との間に、前記カンチレバーの外周縁に沿ってギャップが形成されており、前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とは、前記圧力変動の検出信号の周波数特性が、下限周波数fcLOWになるように設定され、前記下限周波数fcLOWは、次式(A)
fcLOW=k・G ・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (A)
〔式中、kは比例定数、Gは前記ギャップの幅(μm)、V1は第1空気室の容積(ml)、V2は第2空気室の容積(ml)である。〕
によって表されることを特徴とする振動センサである。
本発明によれば、検出感度を向上させることができる。
第1の実施形態による脈波センサの一例を示す構成図である。 第1の実施形態における圧力センサの一例を示す断面図である。 第1の実施形態における圧力センサの一例を示す平面図である。 第1の実施形態における脈波検出部の一例を示す回路図である。 キャビティを備えない場合の動作原理を説明する図である。 第1の実施形態による脈波センサの動作原理を説明する図である。 第1の実施形態におけるキャビティの容積とカットオフ周波数との関係を示す図である。 第1の実施形態における脈波センサの検出結果の一例を示す図である。 第2の実施形態による脈波センサの一例を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態による脈波センサについて図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態による脈波センサ1の一例を示す構成図である。
図1(a)に示すように、本実施形態による脈波センサ1(振動センサの一例)は、使用者の手首WR(生体の一例)に装着されて使用され、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈BV(測定対象血管の一例)の圧力波を脈波として測定するセンサである。具体的には、脈波センサ1は、主に手首WRの裏側(手の平側)に装着される。
なお、橈骨動脈BVは、人体の腕部の長さ方向に沿って延びる動脈であり、橈骨動脈BVの血管幅は、一般的に2mm~4mmの範囲内とされている。本実施形態では、橈骨動脈BVが延びる方向を走行方向M1(本発明に係る第1方向)といい、手首WRの裏側の平面視で走行方向M1に対して直交するように交差する方向を交差方向M2(本発明に係る第2方向)という。
また、図1(b)は、本実施形態による脈波センサ1の図1(a)のA-Aに沿った断面図である。
図1(b)に示すように、脈波センサ1は、圧力センサ10と、センサ基板20と、キャビティ筐体21と、アタッチメント部30と、脈波検出部40とを備えている。
なお、本実施形態では、皮膚SKからセンサ基板20に向かう方向を上方といい、その反対方向を下方という。
センサ基板20は、例えば、回路基板であり、センサ基板20の上側主面(第1主面)には、後述するSOI基板50、キャビティ筐体21、及び脈波検出部40が実装されている。また、センサ基板20には、当該センサ基板20を厚み方向に貫通する貫通孔22が形成されている。センサ基板20は、皮膚SK(手首WR表面)に対して対向配置された状態で手首WRに固定される。
なお、センサ基板20の平面視で、互いに直交する2方向のうちの一方の方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。センサ基板20は、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。ただし、センサ基板20の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
また、本実施形態では、橈骨動脈BVの走行方向M1にセンサ基板20の左右方向L2が一致し、且つ交差方向M2にセンサ基板20の前後方向L1が一致するように、脈波センサ1が手首WRに固定されるものとする。
アタッチメント部30は、センサ基板20から下方に向けて(皮膚SK(手首WR表面)に向けて突出するように形成されている。アタッチメント部30は、センサ基板20に対して一体に組み合わされるとともに、皮膚SK側に開口した開口部31を皮膚SKに押し当てることで密閉される空気室32(第2空気室の一例)を内部に有する。すなわち、アタッチメント部30の内側に位置する内部空間が空気室32に対応する。
圧力センサ10は、センサ基板20に支持されるとともに、空気室32の内部の圧力変化に応じて変位する。圧力センサ10は、キャビティ筐体21と、SOI基板50とを備える。
キャビティ筐体21(センサ筐体の一例)は、SOI基板50を覆うように、センサ基板20の上側に配置され、底箱状に形成されている筐体である。すなわち、キャビティ筐体21は、センサ基板20によりキャビティ筐体21の開口面(キャビティ5の開口面)を覆うように、センサ基板20の上側主面に配置されている。換言すると、センサ基板20は、キャビティ筐体21の開口面を覆うように配置されている。キャビティ筐体21は、例えば、四角形状(立方形状)の有底箱状に形成されている。
ここで、図2及び図3を参照して、圧力センサ10の構成の詳細について説明する。
図2は、本実施形態における圧力センサ10の一例を示す断面図である。また、図3は、本実施形態における圧力センサ10の一例を示す平面図である。なお、図2に示す圧力センサ10の断面図は、図3に示すB-B線に沿った縦断面図に相当する。
図2及び図3に示すように、圧力センサ10は、空気室32の内部の圧力変化に応じて撓み変形可能なカンチレバー3とキャビティ5(第1空気室の一例)とを備えている。
カンチレバー3は、センサ基板20の上面に対して重なった状態で接合された半導体基板によって形成されている。本実施形態では、半導体基板として、シリコン支持層51、シリコン酸化膜等の絶縁層52及びシリコン活性層53を、下方からこの順番で配置されたSOI基板50を例に挙げて説明している。従って、カンチレバー3は、SOI基板50によって形成されている。
ただし、カンチレバー3はSOI基板50によって形成される場合に限定されるものではない。なお、シリコン支持層51を一定電位に維持する(例えば、シリコン支持層51をセンサ基板20のグラウンド等に接続)等して、SOI基板50に厚さ方向の電位差の変動が生じることを抑制することが好ましい。
また、SOI基板50は、センサ基板20と同様に、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。シリコン支持層51及び絶縁層52には、これらシリコン支持層51及び絶縁層52を厚み方向に貫通するとともに、センサ基板20と同様に貫通孔22が形成されている。
貫通孔22は、空気室32内に貫通しているとともに、後述するギャップG1及びギャップG2を通じてカンチレバー3の上方に位置するキャビティ5に連通している。これにより、ギャップG1及びギャップG2と、貫通孔22を通じて、空気室32内とキャビティ5とは互いに連通している。すなわち、圧力センサ10は、キャビティ5の内部と外部とを連通する連通孔(ギャップG1及びギャップG2)と、カンチレバー3とを備えている。
カンチレバー3は、片持ち状に支持された状態でSOI基板50に形成されている。カンチレバー3は、基端部3bが片持ち支持されており、基端部3bが半導体基板に接続され、且つ先端部3aが自由端とされた片持ち梁構造とされ、キャビティ5を覆うように配置されている。また、カンチレバー3は、基端部3bから先端部3aに向けて一方向に延びる板状であり、キャビティ5の内部と外部(空気室32の内部)との圧力差に応じて撓み変形する。また、カンチレバー3は、レバー本体2と、レバー本体2を片持ち状態で支持する複数のレバー支持部4とを有し、キャビティ5を覆うように配置される。
なお、本実施形態では、前後方向L1に沿ってレバー支持部4からレバー本体2に向かう方向を前方といい、その反対方向を後方という。
ギャップG1は、平面視でキャビティ5の内部に連通する領域内に形成され、空気をキャビティ5の内外に流通させる連通孔として機能する。ギャップG1は、連通孔として、カンチレバー3の外周縁とキャビティ筐体21の開口端との間に、カンチレバー3の外周縁に沿って形成されている。なお、ギャップG1の幅を、ギャップ幅G(μm(マイクロメートル))とする。
カンチレバー3の基端部3bには、当該カンチレバー3を厚さ方向に貫通する平面視コ形状(C形状)のギャップG2(区画溝)が形成されている。ギャップG2は、左右方向L2に間隔をあけて、前後方向L1に互いに平行に配置された2つの直線ギャップのうちの1つに後述するギャップG3に接続されて形成されている。このギャップG2は、カンチレバー3の基端部3bにおいて圧力センサ10の左右方向L2の中央部に配置されている。これにより、カンチレバー3は基端部3bを中心として撓み変形し易い構造とされている。
2つのレバー支持部4は、ギャップG2を挟んで左右方向L2に並ぶように配置され、レバー本体2と半導体基板とを接続するとともにレバー本体2を片持ち状態で支持している。従って、カンチレバー3は、これらレバー支持部4を中心に撓み変形する。
なお、2つのレバー支持部4の左右方向L2に沿った支持幅は、同等とされている。従って、カンチレバー3が撓み変形した際、一方のレバー支持部4に作用する応力と、他方のレバー支持部4に作用する応力とは同等とされている。
上述したカンチレバー3には、ピエゾ抵抗(抵抗素子)であるドープ層6(不純物半導体層)が全面に亘って形成されている。このドープ層6は、例えばリン等のドープ材(不純物)がイオン注入法や拡散法等の各種の方法によりドーピングされることで形成されている。
ドープ層6のうち、カンチレバー3が形成された部分(レバー支持部4に形成されている部分を含む)は、上述した抵抗R1(変位検出抵抗)として機能する。抵抗R1は、レバー支持部4の撓み量に応じて抵抗値が変化する。
また、ドープ層6の上面には、ドープ層6よりも電気抵抗率が小さい導電性材料(例えば、Au(金)等)からなる外部電極7が形成されている。この外部電極7は、抵抗R1(変位検出抵抗)の第1端(例えば、外部電極7A)及び第2端(例えば、外部電極7B)として機能する。
シリコン活性層53には、当該シリコン活性層53を複数の領域に区画する複数の溝部が形成されている。本実施形態では、ギャップG1及びギャップG3が、シリコン活性層53の上面から絶縁層52に達する深さで形成されている。
ギャップG1は、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。ギャップG1は、前端部がSOI基板50の前方側の側面に達し、且つ後端部が連通孔として連通するように形成されている。これにより、ドープ層6(ピエゾ抵抗)及び外部電極7のうち、前方側に位置する部分は、ギャップG1によって左右方向L2に分断されている。
ギャップG3は、シリコン活性層53のうちギャップG2よりも後方側に位置する領域に、ギャップG2に接続されて形成されているとともに、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。ギャップG3は、前端部がギャップG2に連通し、且つ後端部がSOI基板50の後方側の側面に達するように形成されている。これにより、ドープ層6(ピエゾ抵抗)及び外部電極7のうち、ギャップG3によって左右方向L2に分断されている。
上述したギャップG1及びギャップG3によって、外部電極7は、外部電極7A及び外部電極7Bに区画されている。従って、外部電極7A及び外部電極7Bは、後述する変位検出抵抗(抵抗R1)を経由する通電経路を除き、直接的な相互の電気的接続は切り離されている。
図1の説明に戻り、脈波検出部40は、圧力センサ10の変位に基づいて橈骨動脈BV(測定対象血管)の脈波を検出する。脈波検出部40は、キャビティ5と空気室32とが所定の容積に設定されることにより、カンチレバー3の撓み変形に基づく空気室32の内部の圧力変動の検出が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて脈波を検出する。ここで、図4を参照して、脈波検出部40の詳細な構成について説明する。
図4は、本実施形態における脈波検出部40の一例を示す回路図である。
図4に示すように、脈波検出部40(検出部の一例)は、ホイートストンブリッジ回路41と、差動増幅回路42とを備えている。
ホイートストンブリッジ回路41(抵抗値変化検出回路の一例)は、圧力センサ10が有する抵抗R1(変位検出抵抗)と、抵抗R2と、抵抗R3と、抵抗R4とを備えている。
抵抗R1(変位検出抵抗)は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN1に接続されており、キャビティ5内と空気室32内の差圧に応じて抵抗値が変化する。抵抗R1は、例えば、ピエゾ抵抗(ドープ層6)である。また、抵抗R2は、第1端がノードN1に、第2端が電源GNDに接続されている。
また、抵抗R3は、第1端が電圧Vccの供給線に、第2端がノードN2に接続され、抵抗R4は、第1端がノードN2に、第2端が電源GNDに接続されている。抵抗R1は、圧力センサ10内に構成されており、抵抗R3及び抵抗R4は、圧力センサ10の外部に備えられた外付け抵抗である。また、抵抗R2は、例えば、抵抗R1と温度特性が同一になるように形成された抵抗であり、圧力センサ10内に構成されてもよいし、圧力センサ10の近傍の外部に備えられてもよい。なお、抵抗R1と抵抗R2との温度特性を一致させることにより、脈波検出部40は、温度変動による検出結果への影響を低減することができる。
差動増幅回路42は、例えば、計測アンプ(インスツルメンテーションアンプ)であり、ノードN1とノードN2との電位差を増幅して出力信号Sとして出力する。なお、この電位差は、ドープ層6(ピエゾ抵抗)の抵抗値変化に応じた値、すなわちカンチレバー3の変位に基づいた値となる。差動増幅回路42は、反転入力端子(-端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
なお、外部電極7Aは、抵抗R1の第1端として機能し、電圧Vccの供給線が接続される。外部電極7Bは、抵抗R1の第2端及び抵抗R2の第1端として機能し、ノードN1を介して差動増幅回路42の反転入力端子(-端子)が接続される。
本実施形態による脈波センサ1では、上述したキャビティ5の容積と、空気室32の容積とを調整することで、脈波の検出を、所定の周波数特性に設定することが可能である。そこで、図5及び図6を参照して、本実施形態における検出の周波数特性を、所定の周波数特を設定する動作原理について説明する。
まず、図5を参照して、上述した図1に示す脈波センサ1において、キャビティ筐体21を備えない(キャビティ5を備えない)場合の動作原理を説明する。
図5は、キャビティ5を備えない場合の動作原理を説明する図である。
図5において、グラフの縦軸は、上から順に、空気室32の容積Vと、空気室32の内部の圧力Pを示し、横軸は、時間tを示している。また、波形W1は、容積Vの時間変化の波形を示している。また、波形W2は、圧力Pの時間変化を示し、波形W3は、圧力Pと初期値P0との差分である圧力差ΔPの時間変化を示している。なお、時刻t0において、空気室32の容積Vの初期値は、容積V(t0)であり、圧力Pの初期値は、圧力P0である。
時刻t1において、橈骨動脈BVの脈動によって動脈上部の皮膚SKが上方向に変位し、容積V(t0)から容積V(t1)に減少した場合(波形W1参照)に、圧力Pは、圧力P0から圧力P(t1)に上昇する。この時刻t1における圧力の変化量(圧力差ΔP)を圧力差ΔP1(=P(t1)-P0)とする。
空気室32の内部の空気は、ギャップG1(連通孔)を通じて空気室32の外部に抜けていくため、圧力P及び圧力差ΔPは、時間の経過とともに減少する(波形W2及び波形W3参照)。
また、時刻t2において、圧力差ΔPは、0.368ΔP1となり、キャビティ筐体21を備えない場合の時定数は、τaとなり、脈波の検出における下限周波数であるカットオフ周波数fcLOWであるこの場合にカットオフ周波数fcaは、下記の式(1)により表される。
fcLOW=fca=1/(2πτa) ・・・ (1)
但し、πは、円周率である。
また、キャビティ筐体21を備えない場合に、空気室32の容積V、ギャップG1の幅をギャップ幅Gとすると、カットオフ周波数fcLOWは、下記の式(2)により表される。
fcLOW=k・G/V ・・・ (2)
但し、kは、比例定数である。
次に、図6を参照して、上述した図1に示す脈波センサ1において、キャビティ筐体21を備える場合の本実施形態における動作原理を説明する。
図6は、本実施形態による脈波センサ1の動作原理を説明する図である。
図6において、グラフの縦軸は、上述した図5と同様に、上から順に、空気室32の容積V2と、キャビティ5の内部の圧力P1、空気室32の内部の圧力P2、及びこの2つの圧力差ΔPとを示し、横軸は、時間tを示している。なお、この図に示す例では、キャビティ5の容積を容積V1とし、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが等しい場合を示している。
また、図6において、波形W4は、容積V2の時間変化の波形を示している。また、波形W5は、空気室32の内部の圧力P2の時間変化を示し、波形W6は、キャビティ5の内部の圧力P1の時間変化を示し、波形W7は、圧力P2と圧力P1との差分である圧力差ΔPの時間変化を示している。なお、時刻t0において、空気室32の容積V2の初期値は、容積V2(t0)であり、圧力P1及び圧力P2の初期値は、圧力P0である。
時刻t1において、橈骨動脈BVの脈動によって動脈上部の皮膚SKが上方向に変位し、容積V2(t0)から容積V2(t1)に減少した場合(波形W4参照)に、圧力P2は、圧力P0から圧力P2(t1)に上昇する。この時刻t1における圧力の変化量(圧力差ΔP)を圧力差ΔP1(=P2(t1)-P1(t1))とする。
空気室32の内部の空気は、ギャップG1(連通孔)を通じて空気室32の外部に抜けていくため、圧力P2は、時間の経過とともに減少し、圧力P1は、時間の経過とともに増加する(波形W5及び波形W6参照)。また、圧力差ΔPは、時間の経過とともに減少する(波形W7)。
また、時刻t3において、圧力差ΔPは、0.368ΔP1となり、キャビティ筐体21を備える場合の時定数は、τbとなり、脈波の検出における下限周波数であるカットオフ周波数fcLOWであるこの場合にカットオフ周波数fcbは、下記の式(3)により表される。
fcLOW=fcb=1/(2πτb) ・・・ (3)
この場合、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが等しいため、圧力P2及び圧力P1は、(P0+ΔP1/2)に収束する。また、図5及び図6に示すように、キャビティ筐体21を備える場合の時定数τbは、キャビティ筐体21を備えない場合の時定数τaより短く(τb<τa)、キャビティ筐体21を備えることで、カットオフ周波数fcLOWを高くすることができる。例えば、上述した比例定数k、及びギャップ幅Gが同一であり、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが等しいとすると、キャビティ筐体21を備える場合のカットオフ周波数fcbは、キャビティ筐体21を備えない場合のカットオフ周波数fcaの2倍となる(fcb=2fca)。
また、キャビティ筐体21を備える本実施形態による脈波センサ1におけるカットオフ周波数fcLOWは、キャビティ5の容積V1、空気室32の容積V2、ギャップG1の幅をギャップ幅Gとすると、下記の式(4)により表される。なお、比例定数kは、例えば、0.005~0.02の範囲内が好ましい。
fcLOW=k・G・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (4)
図7は、本実施形態におけるキャビティ5の容積V1とカットオフ周波数fcLOWとの関係を示す図である。
図7において、グラフの縦軸は、カットオフ周波数fcLOWを示し、横軸は、キャビティ5の容積V1を示している。また、波形W8は、比例定数k=0.00625、ギャップ幅G=4μm、空気室32の容積V2=1ml(ミリリットル)とした場合のキャビティ5の容積V1に対するカットオフ周波数fcLOWの変化を示している。なお、波形W8は、上述した式(4)に基づくシミュレーション結果である。
図7の波形W8において、例えば、キャビティ5の容積V1が、1mlである場合(V1=V2の場合)のカットオフ周波数fcLOWは、0.2Hzである。なお、キャビティ筐体21がない場合には、同様の条件において、上述した式(2)により、カットオフ周波数fcLOWは、0.1Hzである。すなわち、本実施形態では、空気室32の容積V2と等しいキャビティ5の容積V1のキャビティ筐体21を設けることで、下限のカットオフ周波数fcLOWを2倍にすることが可能である。
また、波形W8に示すように、キャビティ5の容積V1が、空気室32の容積V2より大きい場合(V1>V2の場合)に、本実施形態におけるカットオフ周波数fcLOWは、0.2Hzより低くなり、0.1Hzに近づく。
また、キャビティ5の容積V1が、空気室32の容積V2より小さい場合(V1<V2の場合)に、本実施形態におけるカットオフ周波数fcLOWは、0.2Hzより高くなる。
このように、本実施形態では、空気室32の容積V2を固定し、キャビティ5の容積V1を変更することで、下限のカットオフ周波数fcLOWを変更することができる。なお、キャビティ5の容積V1を固定し、空気室32の容積V2を変更した場合も同様である。すなわち、本実施形態では、圧力変動の検出が、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とに基づく所定の周波数特性(所定の下限周波数fcLOW)になるように、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが設定されている。
次に、本実施形態による脈波センサ1の動作について説明する。
図1に示すように、アタッチメント部30の開口部31を、手首WRの測定箇所(例えば、橈骨動脈BVの位置)の皮膚SKに押し当てると、アタッチメント部30が皮膚SKに密着される。これにより、空気室32の気密性が確保され、橈骨動脈BVの脈動によって生じる動脈上部の皮膚変位が、空気室32の内部の圧力変化に変換される。
次に、圧力センサ10のカンチレバー3は、空気室32の内部の圧力変化に応じて撓み変形する。これにより、カンチレバー3に形成された抵抗R1が、カンチレバー3の撓み変形に応じて抵抗値が変化する。そして、脈波検出部40のホイートストンブリッジ回路41は、抵抗R1の抵抗値の変化を検出し、差動増幅回路42が、当該抵抗値の変化を増幅して出力する。その結果、脈波検出部40は、図8に示すような、脈波の検出結果を出力する。
図8は、本実施形態における脈波センサ1の検出結果の一例を示す図である。
この図において、グラフの縦軸は、検出信号の電圧[V]を示し、横軸は、時間[sec(秒)]を示している。また、波形W8は、脈波センサ1による脈波の検出結果を示している。脈波センサ1は、図8の波形W8に示すような、脈波の検出結果を出力する。
なお、脈波センサ1において、例えば、圧力検出の周波数特性は、上述した式(4)により、下限のカットオフ周波数fcLOW(下限周波数)が設定されている。カットオフ周波数fcLOWは、例えば、体動や呼吸などのノイズを除去するように、0.数Hz程度に設定されている。すなわち、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが、上述した式(4)により、カットオフ周波数fcLOWが、所定の周波数(例えば、0.数Hz)になるように設定されている。
以上説明したように、本実施形態による脈波センサ1は、キャビティ筐体21(センサ筐体)と、アタッチメント部30と、センサ基板20と、脈波検出部40とを備える。キャビティ筐体21は、内部にキャビティ5(第1空気室)が形成される。アタッチメント部30は、開口した開口部31を生体表面に押し当てることで密閉される空気室32(第2空気室)を内部に有する。センサ基板20は、キャビティ5の内部の圧力と空気室32の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバー3と、キャビティ5と空気室32とを連通する連通孔(ギャップG1)とを有し、キャビティ筐体21の開口面を覆うように配置されている。脈波検出部40は、カンチレバー3の撓み変形に基づいて、空気室32の内部の圧力変動を検出し、当該圧力変動に基づいて、測定対象血管の脈波を検出する。そして、圧力変動の検出が、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とに基づく所定の周波数特性(例えば、下限のカットオフ周波数fcLOWが所定の値)になるように、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが設定されている。
すなわち、本実施形態による脈波センサ1は、キャビティ筐体21(センサ筐体)と、アタッチメント部30と、センサ基板20と、脈波検出部40と、からなる。キャビティ筐体21は、キャビティ5(第1空気室)を有する。アタッチメント部30は、皮膚SK側(生体側)に開口された開口部31を皮膚SK表面(生体表面)に押し当てることで形成される空気室32(第2空気室)第2空気室を有する。センサ基板20は、キャビティ5と空気室32とを連通する連通孔(例えば、貫通孔22)とキャビティ5の内部の圧力と空気室32の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバー3とを有する.。脈波検出部40は、キャビティ5と空気室32とが所定の容積に設定されることにより、カンチレバー3の撓み変形に基づく空気室32の内部の圧力変動の検出が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて脈波を検出する。
これにより、本実施形態による脈波センサ1は、圧力変動の検出が、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とにより、所定の周波数特性(例えば、下限のカットオフ周波数fcLOWが所定の値)になるように設定されているため、例えば、体動や呼吸などのノイズ成分を低減することができる。そのため、本実施形態による脈波センサ1は、SN比を向上させることができ、脈波の検出感度を向上させることができる。また、本実施形態による脈波センサ1は、体動などの影響を低減することができるため、長時間測定においても連続した脈波測定が可能となる。
また、本実施形態では、カンチレバー3は、基端部3bから先端部3aに向けて一方向に延びる板状に形成され、基端部3bがセンサ基板20に片持ち状に支持された状態でキャビティ筐体21の開口内側に配設されている。また、上述した連通孔として、カンチレバー3の外周縁とキャビティ筐体21の開口端との間に、カンチレバー3の外周縁に沿ってギャップG1が形成されている。キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とは、圧力変動の検出の周波数特性が、下限のカットオフ周波数fcLOW(下限周波数)(Hz)になるように設定され、下限周波数fcLOW(Hz)は、次式(A)(上述した式(4))によって表される。
fcLOW=k・G2・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (A)
〔式中、kは比例定数、Gはギャップの幅(μm)、V1はキャビティ5の容積(ml)、V2は空気室32の容積(ml)である。〕
これにより、本実施形態による脈波センサ1は、上記式(A)(上述した式(4))による簡易な手法により、キャビティ5の容積V1と、空気室32の容積V2を適切に設定することで、下限周波数fcLOW(Hz)を適切に設定することができる。本実施形態による脈波センサ1は、例えば、体動や呼吸などのノイズ成分(例えば、0.0数Hz~0.数Hzの低周波成分)を低減するように、容易に下限周波数fcLOW(Hz)を設定することが可能である。また、本実施形態による脈波センサ1は、フィルタ回路を追加せずに低周波のノイズ成分を低減することができるため、構成を簡略化することができる。
また、本実施形態による脈波センサ1は、例えば、キャビティ筐体21を備え、空気室32の容積V2と同等の容積V1を有する構成にすることで、キャビティ筐体21を備えずにキャビティ5のない構成に比べて、カットオフ周波数fcLOWを2倍に高めることが可能である。これにより、本実施形態による脈波センサ1は、キャビティ5の容積V1と、空気室32の容積V2とを変更することで、効率よくカットオフ周波数fcLOWを変更することができる。
また、本実施形態では、比例定数kは、例えば、0.005~0.02の範囲内であることが好ましい。
このような範囲に比例定数kを設定することで、本実施形態による脈波センサ1は、下限のカットオフ周波数fcLOWをより正確に所望する値に設定することが可能となる。
また、本実施形態では、脈波検出部40は、カンチレバー3の撓み変形に応じて抵抗値が変化する抵抗R1(変位検出抵抗)を含む抵抗値変化検出回路(例えば、ホイートストンブリッジ回路41)を有し、抵抗R1の抵抗値変化に対応したCホイートストンブリッジ回路41)からの出力信号に基づいて脈波を検出する。
これにより、本実施形態による脈波センサ1は、空気室32の内部の圧力変化をカンチレバー3の撓み変形に応じて抵抗値を変化として検出できるため、抵抗値変化検出回路(ホイートストンブリッジ回路41)という簡易な構成により、高感度(高精度)に脈波を検出することができる。
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による脈波センサ1aについて説明する。
本実施形態では、キャビティ5の容積V1を変更可能な構成にする変形例について説明する。
図9は、本実施形態による脈波センサ1aの一例を示す構成図である。
図9は、脈波センサ1aの断面図を示し、図9において、図1に示す構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、脈波センサ1aは、圧力センサ10と、センサ基板20と、アタッチメント部30と、脈波検出部40とを備えている。また、本実施形態における圧力センサ10は、キャビティ筐体21aと、チューブ24と、容積変更部25と、SOI基板50とを備える。本実施形態では、キャビティ筐体21aが、チューブ24及び容積変更部25を装着可能に構成されている点を除いて、基本的には、第1の実施形態の構成と同様である。
キャビティ筐体21aは、容積変更部25と接続される変更開口部23を備える。キャビティ筐体21aのその他の構成は、上述した第1の実施形態のキャビティ筐体21と同様である。なお、本実施形態では、キャビティ筐体21a内の空間を第1キャビティ5Aとし、第1キャビティ5Aの容積を容積V11とする。
変更開口部23は、例えば、キャビティ筐体21aの側面に配置されており、チューブ24を介して、容積変更部25と接続可能に構成されている。
チューブ24は、例えば、塩化ビニールやシリコンゴムで構成された管であり、キャビティ筐体21aの変更開口部23と、容積変更部25の開口部とを接続する。チューブ24は、キャビティ筐体21aと容積変更部25との間で空気が流動できるように接続される。なお、本実施形態では、チューブ24の容積を容積V1tとする。
容積変更部25は、内部に所定の容積(容積V12)の中空を有し、第1キャビティ5Aの容積V11を変更する。なお、容積変更部25の内部の空間を、第2キャビティ5Bとする。
本実施形態による脈波センサ1aの動作は、キャビティ5の容積V1が、以下の式(5)により表される点を除いて、第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
キャビティ5の容積V1=V11+V1t+V12 ・・・ (5)
ここで、容積V11は、第1キャビティ5Aの容積を示し、容積V1tは、チューブ24の容積を示し、容積V12は、第2キャビティ5Bの容積を示す。
以上説明したように、本実施形態による脈波センサ1aは、キャビティ筐体21aと、容積変更部25とを備える。容積変更部25は、内部に所定の容積(容積V12)の中空を有し、第1キャビティ5Aの容積V11(第1の実施形態におけるキャビティ5の容積V1)を変更する。キャビティ筐体21aは、容積変更部25と接続される変更開口部23を備る。変更開口部23に接続される容積変更部25によって、第1キャビティ5Aの容積V11(第1の実施形態におけるキャビティ5の容積V1)が変更可能に構成されている。
これにより、本実施形態による脈波センサ1aは、容積変更部25を追加することで、脈波の検出における周波数特性(例えば、カットオフ周波数FcLOW)を変更することができる。本実施形態による脈波センサ1aは、例えば、容積の異なる容積変更部25を何種類か用意し、容積変更部25を変更することで、検出に必要な適切なカットオフ周波数FcLOWに変更することができる。
なお、上述した実施形態では、固定の容積(所定の容積)の容積変更部25を変更して、容積V1(第1空気室の容積)を変更する例を説明したが、容積変更部25は、円筒形の筒(シリンジ)と、可動式の押子(プランジャ)を有する構造にして、可動式の押子により、容積V1(第1空気室の容積)を変更するようにしてもよい。
この場合、脈波センサ1aは、可動式の押子の位置を変更することで、検出の周波数特性をダイナミック(動的)に変更することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、人体の腕部を走行する橈骨動脈BVを測定対象血管として、手首WRに装着する脈波センサ1(1a)を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。脈波センサ1(1a)は、例えば、腕部を巻回するように固定ベルトを取り付けることで、腕部により脈波を検出するようにしてもよい。この場合、測定対象血管としては、橈骨動脈BVに限定されるものではなく、例えば尺骨動脈或いは上腕動脈であってもよい。
また、脈波センサ1(1a)は、例えば、人体の脚部の巻回するように固定ベルトを取り付けることで、脚部により脈波を検出するようにしてもよい。この場合、測定対象血管としては、例えば、大腿動脈であってもよい。また、脈波センサ1(1a)は、例えば、家畜等の飼育動物或いは実験動物等に装着して、脈波を検出するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、振動センサの一例として、測定対象血管の上の皮膚SKに押し当てて、脈波を検出する脈波センサ1(1a)の例を説明しているが、これに限定されるものではなく、他の測定対象に押し当てて、他の振動を検出するようにしてもよい。すなわち、振動センサは、上述したキャビティ筐体21と、アタッチメント部30と、センサ基板20と、検出部とを備え、アタッチメント部30は、開口した開口部31を測定対象に押し当てることで密閉される空気室32(第2空気室)を内部に有する。検出部は、カンチレバー3の撓み変形に基づいて、空気室32の内部の圧力変動を検出し、当該圧力変動に基づいて、測定対象の振動を検出する。圧力変動の検出が、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とに基づく所定の周波数特性(例えば、下限のカットオフ周波数fcLOWが所定の値)になるように、キャビティ5の容積V1と空気室32の容積V2とが設定されている。すなわち、、検出部(脈波検出部40)は、キャビティ5と空気室32とが所定の容積に設定されることにより、カンチレバー3の撓み変形に基づく空気室32の内部の圧力変動の検出が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて振動(脈波)を検出する。
これにより、振動センサは、上述した脈波センサ1(1a)と同様の効果を奏し、SN比を向上させることができ、振動の検出感度を向上させることができる。
振動センサは、例えば、振動センサは、モータ、ポンプ、ファン、ベヤリング、各種機構部品などの振動を検出するようにしてもよい。
1、1a 脈波センサ
2 レバー本体
3 カンチレバー
3a 先端部
3b 基端部
4 レバー支持部
5 キャビティ
5A 第1キャビティ
5B 第2キャビティ
6 ドープ層(ピエゾ抵抗)
7、7A、7B 外部電極
10 圧力センサ
20 センサ基板
21、21a キャビティ筐体
22 貫通孔
23 変更開口部
24 チューブ
25 容積変更部
30 アタッチメント部
31 開口部
32 空気室
40 脈波検出部
41 ホイートストンブリッジ回路
42 差動増幅回路
50 SOI基板
51 シリコン支持層
52 絶縁層
53 シリコン活性層
BV 橈骨動脈
R1、R2、R3、R4 抵抗
G1、G2、G3 ギャップ
SK 皮膚
WR 手首

Claims (5)

  1. 第1空気室を有するセンサ筐体と、
    生体側に開口された開口部を生体表面に押し当てることで形成される第2空気室を有するアタッチメント部と、
    前記第1空気室と前記第2空気室とを連通する連通孔と、前記第1空気室の内部の圧力と前記第2空気室の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーとを有するセンサ基板と、
    前記第1空気室と前記第2空気室とが所定の容積に設定されることにより、前記カンチレバーの撓み変形に基づく前記第2空気室の内部の圧力変動の検出信号が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、
    からなり、
    前記カンチレバーは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状に形成され、基端部が前記センサ基板に片持ち状に支持された状態で前記センサ筐体の開口内側に配設され、
    前記連通孔として、前記カンチレバーの外周縁と前記センサ筐体の開口端との間に、前記カンチレバーの外周縁に沿ってギャップが形成されており、
    前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とは、前記圧力変動の検出信号の周波数特性が、下限周波数fcLOWになるように設定され、
    前記下限周波数fcLOWは、次式(A)
    fcLOW=k・G ・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (A)
    〔式中、kは比例定数、Gは前記ギャップの幅(μm)、V1は第1空気室の容積(ml)、V2は第2空気室の容積(ml)である。〕
    によって表されることを特徴とする脈波センサ。
  2. 前記比例定数kは、0.005~0.02の範囲内である
    ことを特徴とする請求項に記載の脈波センサ。
  3. 内部に所定の容積の中空を有し、前記第1空気室の容積を変更する容積変更部を備え、
    前記センサ筐体は、前記容積変更部と接続される変更開口部を備え、
    前記変更開口部に接続される前記容積変更部によって、前記第1空気室の容積が変更可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載の脈波センサ。
  4. 前記脈波検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む抵抗値変化検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記抵抗値変化検出回路からの出力信号に基づいて前記脈波を検出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の脈波センサ。
  5. 第1空気室を有するセンサ筐体と、
    生体側に開口された開口部を生体表面に押し当てることで形成され、第2空気室を有するアタッチメント部と、
    前記第1空気室と前記第2空気室とを連通する連通孔と、前記第1空気室の内部の圧力と前記第2空気室の内部の圧力との圧力差に応じて撓み変形するカンチレバーとを有するセンサ基板と、
    前記第1空気室と前記第2空気室とが所定の容積に設定されることにより、前記カンチレバーの撓み変形に基づく前記第2空気室の内部の圧力変動の検出信号が所定の周波数特性を持ち、当該圧力変動に基づいて振動を検出する検出部と、
    からなり、
    前記カンチレバーは、基端部から先端部に向けて一方向に延びる板状に形成され、基端部が前記センサ基板に片持ち状に支持された状態で前記センサ筐体の開口内側に配設され、
    前記連通孔として、前記カンチレバーの外周縁と前記センサ筐体の開口端との間に、前記カンチレバーの外周縁に沿ってギャップが形成されており、
    前記第1空気室の容積と前記第2空気室の容積とは、前記圧力変動の検出信号の周波数特性が、下限周波数fcLOWになるように設定され、
    前記下限周波数fcLOWは、次式(A)
    fcLOW=k・G ・(V1+V2)/(V1・V2) ・・・ (A)
    〔式中、kは比例定数、Gは前記ギャップの幅(μm)、V1は第1空気室の容積(ml)、V2は第2空気室の容積(ml)である。〕
    によって表されることを特徴とする振動センサ。
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