JP2020048943A - 脈波センサ及び脈波測定方法 - Google Patents

脈波センサ及び脈波測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生体表面に対する装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定すること。【解決手段】生体表面S1に押し当てられる開口部及び内部にセンサ室11を有するアタッチメント部12と、アタッチメント部が生体表面に押し当てられた際に、生体の脈動に対応して変化するセンサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサ14と、圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、生体表面に押し当てられたアタッチメント部の押し当て状態に基づいて、脈波の測定状態を検出する測定状態検出部17と、を備える脈波センサ1を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、脈波センサ及び脈波測定方法に関する。
従来、心臓の拍動に伴って伝わる血管(動脈)の圧力波を脈波として測定する脈波センサが知られている。
この種の脈波センサとして、例えば下記特許文献1に示されるように、血管の脈動に起因した皮膚の変動(上下動)を測定することで、脈波を測定する非侵襲的な脈波センサが知られている。
この脈波センサは、圧力センサ、シール部材及び粘着テープを主に備えている。圧力センサは、円形の薄膜状に形成されたダイヤフラム部と、ダイヤフラム部を支持する支持基板と、ダイヤフラム部に設けられたピエゾ抵抗と、を備えている。支持基板には、被測定部位である皮膚側に開口した円形の開口部が形成されている。ダイヤフラム部は、開口部を塞ぐように支持基板に支持されている。シール部材は、弾性変形可能な環状に形成され、支持基板と皮膚との間に位置するように支持基板に取り付けられている。
この脈波センサによれば、シール部材を皮膚に押し当てた状態で粘着テープを腕に固定することで、開口部の内部空間、すなわち皮膚とダイヤフラム部との間に画成された空間を密閉室にすることが可能とされている。そして、血管の脈動に起因した皮膚の変動に対応してダイヤフラム部が変位する。これにより、ダイヤフラム部の応力変化をピエゾ抵抗の抵抗変化として検出することができ、この抵抗変化をモニタすることで脈波の測定が可能とされている。
特開2016−63936号公報
上記従来の脈波センサにおいて、脈波を高精度且つ高S/N比で測定するためには、血管から最も近い皮膚表面、すなわち血管の直上に位置する皮膚表面に脈波センサを密着させた状態で固定しておく必要がある。
しかしながら上記脈波センサでは、皮膚表面に対して適切に密着した状態で固定されているか否かを、例えば目視等によって判断するしかなく、脈波センサの装着状態を正確に判断することが難しい。そのため、例えば皮膚表面に対する密着が不十分となる場合があり、S/N比が低下(悪化)する可能性があった。
さらに、粘着テープを利用して皮膚表面に脈波センサを固定できるものの、皮膚自体が弾性を有しているので、体動や姿勢変化等の影響によって、皮膚表面と脈波センサとの相対位置が変化し易い。そのため、脈波センサと血管との相対位置が変化してしまい、同様にS/N比が低下する可能性があった。
この場合、脈波の測定結果の信頼性を回復するために、脈波センサの位置を修正することが必要とされるが、皮膚表面を通じて血管の位置を目視することが困難であるうえ、脈波センサの装着状態をそもそも把握することが難しいので、脈波センサの位置修正を適切に行うことが難しい。
しかも、脈波センサの位置修正を行う場合には、粘着テープを剥がして脈波センサの位置調整を行った後に、粘着テープを再び貼り付けて、開口部の内部空間の密閉状態を確保し、ピエゾ抵抗の出力確認をするといった手順を行う必要がある。このとき、脈波センサの位置修正が確定するまでに、微調整を複数回にわたって行う場合が多いので、位置修正作業が煩雑となってしまう。それに加え、粘着テープの張り直しを繰り返し行った場合には、粘着テープの粘着力が低下してしまうので、開口部の内部空間の気密性を維持することが難しくなり、測定精度が低下する不都合があった。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、その目的は、生体表面に対する装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定することができる脈波センサ及び脈波測定方法を提供することである。
(1)本発明に係る脈波センサは、生体表面に押し当てられる開口部及び内部にセンサ室を有するアタッチメント部と、前記アタッチメント部が前記生体表面に押し当てられた際に、生体の脈動に対応して変化する前記センサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサと、前記圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、前記生体表面に押し当てられた前記アタッチメント部の押し当て状態に基づいて、前記脈波の測定状態を検出する測定状態検出部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る脈波センサによれば、アタッチメント部を生体表面に対して押し当てることで、生体の脈動に対応してセンサ室の内圧を変化させることができると共に、センサ室の内圧変化に応じて圧力センサを変位させることができる。従って、脈波検出部により、圧力センサの変位に基づいて脈波の検出を行うことができる。
特に、測定状態検出部によって、生体表面に対するアタッチメント部の押し当て状態に基づいて脈波の測定状態を検出できるので、生体に対する脈波センサの装着状態を把握することができる。そのため、生体表面に対する脈波センサの装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定することができる。
(2)前記アタッチメント部における前記生体表面側に設けられ、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て時に弾性変形可能な弾性体を備え、前記測定状態検出部は、前記弾性体に取り付けられ、該弾性体の弾性変形に対応した応力信号を出力する応力センサを備えても良い。
この場合には、弾性体を介してアタッチメント部を生体表面に対して押し当てることができるので、生体表面の表面形状に対応して弾性体を弾性変形させることができる。そのため、生体表面に対して弾性体を密着させることができ、センサ室内を密閉状態に維持することが可能である。従って、生体の脈動に対応してセンサ室の内圧を反応良く変化させることができ、脈波を精度良く測定することができる。
特に、応力センサが弾性体の弾性変形に対応した応力信号を出力するので、応力信号をモニタすることで弾性体の変形状態を把握することができる。これにより、例えば弾性体のどの部分が、どの程度、弾性変形しているか、或いは脈波の測定中に弾性体の弾性変形がどのように変化したのか等の弾性体の状態を把握することができる。従って、生体表面に対する弾性体を介したアタッチメント部の押し当て状態を把握することができ、脈波の測定状態、すなわち生体に対する脈波センサの装着状態を把握することができる。
(3)前記弾性体は、前記生体表面側に開口したリング状に形成されても良い。
この場合には、弾性体を介してアタッチメント部を生体表面に対して押し当てたときに、弾性体の開口部が生体表面によって閉塞されるので、センサ室内をより密閉状態に維持し易い。特に、弾性体が特定の角部を有さないリング状に形成されているので、弾性体を全周に亘って均等に弾性変形させ易く、センサ室内を密閉状態に維持し易い。
(4)前記弾性体は、前記アタッチメント部の開口部を塞ぐ弾性膜状に形成され、前記弾性体と協働して前記センサ室を覆う密閉部材を有し、前記センサ室の内圧は、外気圧よりも高い圧力に設定され、前記弾性体を前記生体表面側に向けて予め膨出するように弾性変形させても良い。
この場合には、密閉部材を備えているので、弾性体と協働してセンサ室を覆うことができ、生体表面に対する弾性体を介したアタッチメント部の押し当てに関係なく、例えばセンサ室内を密閉状態に維持することが可能である。しかも、センサ室の内圧が外気圧よりも高い圧力に設定され、弾性体が生体表面側に向けて凸状に膨らむように予め膨出している。そのため、生体表面に対して弾性体を適切に密着させながら、生体表面に対して弾性体を介してアタッチメント部を押し当てることができる。従って、生体の脈動に起因した生体表面の変動に対応して弾性体を弾性変形させることができると共に、さらに弾性体の弾性変形に対応してセンサ室の内圧を変化させることができる。これにより、センサ室の内圧変化に応じて圧力センサを変位させることができ、圧力センサの変位に基づいて脈波の検出を行うことができる。
特に、センサ室内を常に密閉状態に維持することが可能であるので、生体表面との間に気密性を保つ必要性がない。そのため、例えば脈波の測定中に、傾きの修正作業や位置ずれの修正作業を容易に行い易い。さらに、弾性体によってセンサ室内が閉塞されているので、例えば生体表面から分泌される汗や皮脂、或いは塵埃等から圧力センサが影響を受けてしまうことを防止することができる。これにより、圧力センサの品質を維持し易く、さらに安定した脈波の測定を行うことができる。
(5)前記弾性体は、前記生体表面の弾性よりも低い弾性の弾性材料で形成されても良い。
この場合には、大きな押し当て力を必要とせずに、弾性体を弾性変形させながら生体表面に対して弾性体を密着させることができる。
(6)前記応力センサは、前記弾性体に対して、前記アタッチメント部の周方向に間隔をあけて複数取り付けられても良い。
この場合には、応力センサを複数有しているので、各応力センサからの応力信号に基づいて生体表面に対するアタッチメント部の押し当て状態をより精度良く把握することができる。例えば、各応力センサからの応力信号の平均値に基づいて、押し当て力を精度良く把握することが可能となる。また、各応力センサからの応力信号の出力差に基づいて、アタッチメント部が傾く等して押し当て方向が変化したことを精度良く把握することが可能となる。さらに、各応力センサからの応力信号の強弱や変化量等に基づいて、初期の押し当て位置から、どの方向にどの程度、位置ずれしたかを精度良く把握することが可能となる。従って、生体に対する脈波センサの装着状態をより精度良く把握することができ、安定した脈波の測定に繋げることができる。
(7)前記応力信号に基づいて、前記生体表面に対する前記弾性体を介した前記アタッチメント部の押し当てに関する押し当て情報を算出する処理部と、前記押し当て情報を外部に報知する報知部と、を備えても良い。
この場合には、処理部が応力信号に基づいて生体表面に対するアタッチメント部の押し当てに関する各種の押し当て情報を算出し、報知部が算出された押し当て情報を周囲に報知する。これにより、例えばユーザは、報知部を介して脈波センサの装着状態を容易且つ正確に把握することができる。従って、生体表面に対する脈波センサの装着状態を一定の状態により安定して維持し易い。
(8)前記報知部は、前記押し当て情報を表示する表示部でも良い。
この場合には、表示部を視認することで、視覚を通じて生体表面に対するアタッチメント部の押し当て情報を把握することができるので、生体に対する脈波センサの装着状態をさらに適切に把握することができる。
(9)前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て力を算出し、前記表示部は、算出された前記押し当て力を表示するときに、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示を行っても良い。
この場合には、表示部に、生体表面に対するアタッチメント部の実際の押し当て力を、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示できるので、例えばユーザは押し当て力の強弱を容易に判断でき、最適な押し当て力で脈波センサを装着し易い。
(10)前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て方向を算出し、前記表示部は、算出された前記押し当て方向を表示しても良い。
この場合には、表示部に、生体表面に対するアタッチメント部の実際の押し当て方向を表示できるので、例えばユーザは押し当て方向を容易に判断でき、生体に対して適切な姿勢で脈波センサを装着し易い。
(11)前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て位置からの位置ずれ量及び位置ずれ方向を算出し、前記表示部は、算出された前記位置ずれ量及び前記位置ずれ方向を表示するときに、前記押し当て位置を中心として、前記位置ずれ量に対応した矢印長さ、及び前記位置ずれ方向に対応した矢印方向で構成される矢印を表示しても良い。
この場合には、脈波の測定中に、脈波センサが初期の押し当て位置から位置ずれしたとしても、表示部に表示された矢印の矢印長さ及び矢印方向に基づいて、位置ずれ量及び位置ずれ方向を容易且つ適切に把握することができる。従って、脈波センサの位置ずれを適切に修正し易い。
(12)前記処理部は、前記圧力センサの変位及び前記押し当て情報に基づいて、前記脈波検出部による検出結果の信頼性を算出し、前記表示部は、算出した信頼性を表示しても良い。
この場合には、脈波の測定中に脈波の測定結果の信頼性が表示されるので、使い易い脈波センサとすることができる。
(13)前記アタッチメント部を前記生体に対して取り外し可能に固定する固定部材を備えても良い。
この場合には、例えばバンド等の固定部材を利用して、脈波センサを例えば手首等に対して安定且つ強固に装着することができる。
(14)前記圧力センサは、前記センサ室内に連通する連通孔が形成された基板と、前記連通孔を覆うように前記基板に片持ち状態で接続され、前記連通孔を通じた前記センサ室内の内圧変化に応じて撓み変形するカンチレバーと、を備え、前記カンチレバーは、前記基板の平面視で、所定のギャップをあけた状態で前記連通孔の内側に配置されることで、前記連通孔を部分的に覆うように形成され、前記脈波検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む抵抗値変化検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記抵抗値変化検出回路からの出力信号に基づいて前記脈波を検出しても良い。
この場合には、生体の脈動に対応してセンサ室の内圧が変化すると、これに対応してカンチレバーが撓み変形する。これにより、カンチレバーの撓み量(変位量)に対応して変位検出抵抗の抵抗値が変化するので、抵抗値変化検出回路から出力される出力信号が変化する。従って、カンチレバーの撓み量に基づいた出力信号の変化をモニタすることで、センサ室の内圧変化を検出することができ、結果的に脈波の検出を行うことができる。
特に、基板に片持ち状態で接続されたカンチレバーを利用するので、センサ室の内圧変化が微小であったとしても、内圧変化にカンチレバーを反応良く追従させて撓み変形させることができるので、脈波を感度良く測定することができる。
(15)前記センサ室は、血管幅が2mm〜4mmの範囲内の動脈に起因する前記生体表面の変動に対応して内圧が変化しても良い。
この場合には、血管幅が2mm〜4mmの範囲内の動脈とされている橈骨動脈を測定対象血管とすることができ、人体の腕部、特に手首に装着する脈波センサとして好適に利用することができる。
(16)本発明に係る脈波測定方法は、生体表面に押し当て可能とされ、内部にセンサ室を有するアタッチメント部と、前記センサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサと、前記圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、前記生体表面に押し当てられた前記アタッチメント部の押し当て状態に基づいて、前記脈波の測定状態を検出する測定状態検出部と、を備え、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て時に、生体の脈動に対応して前記センサ室の内圧が変化する脈波センサを利用して、前記脈波を測定する脈波測定方法であって、前記測定状態検出部による検出結果に基づいて、前記生体表面に対する前記脈波センサの装着状態を判断する判断工程と、前記脈波センサの装着状態が予め決められた状態である場合に、前記脈波の検出を開始する測定工程と、を備えていることを特徴とする。
本発明に係る脈波測定方法によれば、脈波測定を開始する前段階で生体に対する脈波センサの装着状態を適切に把握することができるので、生体表面に対する脈波センサの装着状態を一定の状態に維持することが可能である。そして、脈波センサの装着状態が適切である場合に、脈波の測定を開始できるので、脈波を精度良く測定することができる。
(17)前記測定工程の際、前記測定状態検出部による検出結果に基づいて、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て位置からの位置ずれ方向及び位置ずれ量を算出しても良い。
この場合には、脈波の測定中に、脈波センサが初期の押し当て位置から位置ずれしたとしても、例えばユーザは位置ずれ量及び位置ずれ方向を容易且つ適切に把握することができる。従って、脈波センサの位置ずれを適切に修正することが可能となる。
本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法によれば、生体表面に対する装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定することができる。
本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第1実施形態を示す図であって、脈波センサを手首に装着している状態を示す図である。 図1に示す矢印A−A線に沿った断面図である。 図2に示す脈波センサの縦断面図である。 図2に示す脈波センサを構成するブロック図である。 図3に示す圧力センサ周辺の詳細を示す縦断面図である(図6に示すB−B線に沿った縦断面図に相当)。 図3に示す圧力センサの平面図である。 図4に示す脈波検出部における検出回路の構成図である。 図3に示す矢印C−C線に沿った断面図である。 図3に示す状態から、脈波センサを手首に対して離間させた状態を示す図である。 図3に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に傾いた状態を示す図である。 図3に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に位置ずれした状態を示す図である。 図4に示す表示部の画面の一例を示す図である。 図12に示す画面の一部を拡大した図である。 図1に示す脈波センサを利用して脈波を検出する場合の一例を示したフローチャートである。 図1に示す脈波センサを利用して脈波を検出する場合の一例を示したフローチャートである。 図8に示す応力センサの取り付けに関する変形例を示した図である。 図8に示す応力センサの取り付けに関する別の変形例を示した図である。 本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第2実施形態を示す図であって、脈波センサを手首に装着している状態を示す縦断面図である。 図18に示す矢印D−D線に沿った断面図である。 図18に示す状態から、脈波センサを手首に対して離間させた状態を示す図である。 図18に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に傾いた状態を示す図である。 図18に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に位置ずれした状態を示す図である。 図19に示す応力センサの取り付けに関する変形例を示した図である。 図19に示す応力センサの取り付けに関する別の変形例を示した図である。 本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第3実施形態を示す図であって、脈波センサを手首に装着している状態を示す縦断面図である。 図25に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に傾いた状態を示す図である。 本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第4実施形態を示す図であって、脈波センサを手首に装着している状態を示す縦断面図である。 図27に示す状態から脈波センサが手首に対して交差方向に傾いた状態を示す図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の脈波センサ1は、使用者の手首S(本発明に係る生体)に装着されて使用され、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈Rの圧力波を脈波として測定するセンサとされている。具体的には、脈波センサ1は主に手首Sの裏側(手の平側)に装着される。
従って本実施形態では、測定対象血管として橈骨動脈Rを利用する場合について説明する。従って、橈骨動脈Rの脈動が本発明に係る生体の脈動に相当する。
なお、橈骨動脈Rは人体の腕部の長さ方向に沿って延びる動脈であり、血管幅は一般的に2mm〜4mmの範囲内とされている。本実施形態では、橈骨動脈Rが延びる方向を走行方向M1といい、手首Sの裏側の平面視で走行方向M1に対して直交するように交差する方向を交差方向M2という。
脈波センサ1は、手首Sに装着されるセンサ筐体2と、センサ筐体2を手首Sに対して取り外し可能に固定する固定ベルト(本発明に係る固定部材)3と、を備えている。
なお、本実施形態では、手首表面S1(本発明に係る生体表面)からセンサ筐体2に向かう方向を上方といい、その反対方向を下方という。
さらに脈波センサ1は、手首表面S1に対して対向配置された状態で、センサ筐体2を介して手首Sに固定されるセンサ基板10と、センサ基板10に対して一体に組み合わされると共に、手首表面S1に対して押し当て可能とされ、且つ手首表面S1側に開口して、内部にセンサ室11を有する筒状のアタッチメント部12と、アタッチメント部12の下端部(アタッチメント部12における手首表面S1側)に設けられ、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て時に弾性変形可能な弾性体13と、センサ基板10に支持されると共に、センサ室11の内圧変化に応じて変位する圧力センサ14と、圧力センサ14の変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部15(図4参照)と、弾性体13を介して手首表面S1に押し当てられたアタッチメント部12の押し当て状態に基づいて、脈波の測定状態を検出する測定状態検出部17と、を備えている。
なお、図1では、脈波センサ1を簡略化して図示していると共に、橈骨動脈Rと弾性体13との位置関係を理解し易いように図示している。
センサ筐体2は、本体ケース20と、該本体ケース20に対して図示しない締結部材等を介して一体的に組み合された裏蓋21と、を備え、内部に各種の構成部品を収容可能な図示しない収容空間が形成されている。
固定ベルト3は、手首Sを巻回するように延びた第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26を備えている。
第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26は、センサ筐体2を間に挟むようにセンサ筐体2の両側に配置され、基端部が例えば裏蓋21に対して回動可能にそれぞれ連結されている。ただし、この場合に限定されるものではなく、第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26の基端部は本体ケース20に対して連結されていても構わない。
図2に示すように、第1固定ベルト25の先端部側には、該第1固定ベルト25を厚さ方向に貫通する図示しない複数の固定孔が形成されている。これら複数の固定孔は、第1固定ベルト25の延在方向に沿って、一定の間隔をあけて形成されている。第2固定ベルト26の先端部側には、第1固定ベルト25が挿通される尾錠枠27a、及び固定孔内に挿通される図示しないつき棒を有する尾錠27が取り付けられている。
このように固定ベルト3が構成されているので、第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26を手首Sに巻回し、つき棒を固定孔内に挿通することで、第1固定ベルト25及び第2固定ベルト26を連結することが可能となる。これにより、センサ筐体2が手首Sの裏側に位置するように、脈波センサ1を手首Sに対して安定且つ強固に装着することが可能となる。なお、第2固定ベルト26には、環状の遊革28が第2固定ベルト26に沿って移動可能に挿通されている。
図3に示すように、センサ基板10は、例えば回路基板とされ、裏蓋21に対して一体的に組み合されている。
なお、センサ基板10の平面視で、互いに直交する2方向のうちの一方の方向を前後方向L1といい、他方向を左右方向L2という。センサ基板10は、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。ただし、センサ基板10の形状はこの場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。
本実施形態では、橈骨動脈Rの走行方向M1にセンサ基板10の左右方向L2が一致し、且つ交差方向M2にセンサ基板10の前後方向L1が一致するように、固定ベルト3によって脈波センサ1が手首Sに装着される。
センサ基板10には、該センサ基板10を厚み方向に貫通する貫通孔30が形成されている。さらに、センサ基板10上には、後述するSOI基板31が配置されていると共に、脈波の測定に必要とされる各種の電子部品が実装されている。
センサ筐体2内の収容空間には、図4に示すように、例えば演算処理部であるCPU40、メモリ41、表示部42、通信部43、通信アンテナ44及び電源部45が少なくとも収容されている。
CPU40は、脈波センサ1の作動を総合的に制御する機能を有している。さらにCPU40は、脈波を検出する脈波検出部15及び、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当てに関する押し当て情報を算出する情報算出部46を少なくとも有している。なお、CPU40は例えばセンサ基板10上に実装されている。
メモリ41には、CPU40に各種の演算処理を実行させるためのプログラム或いはテーブルが予め格納されている。さらにメモリ41は、脈波検出部15によって検出された脈波、及び情報算出部46によって算出された各種の押し当て情報を記憶する機能を有している。なお、メモリ41は例えばセンサ基板10上に実装されている。
表示部42は、脈波検出部15によって検出された脈波、及び情報算出部46によって算出された各種の押し当て情報を少なくとも表示可能とされ、例えば本体ケース20の上面に露出するように配置されている。この表示部42は、脈波及び各種の押し当て情報等を外部に報知する報知部としても機能する。なお、表示部42に、その他の各種の情報、例えば時刻、日付或いは曜日等に関する情報を表示させても構わない(図12参照)。
通信部43は、脈波検出部15によって検出された脈波、及び情報算出部46によって算出された各種の押し当て情報を、通信アンテナ44を介して外部機器Eと無線通信する機能を有している。なお、外部機器Eとしては、例えば情報端末或いはサーバ等が挙げられるが、特定の機器に限定されるものではない。
ただし、通信部43及び通信アンテナ44は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
電源部45は、例えばボタン電池等の交換可能な一次電池、或いは充放電可能な二次電池等とされている。さらに、本体ケース20には、図示しない入力ボタン等の入力部が設けられ、入力部による入力操作によって、例えば脈波センサ1の電源のオンオフ操作やCPU40を介した各構成部品の制御操作を行うことが可能とされている。
図3に示すように、アタッチメント部12は、センサ基板10から下方に向けて(手首表面S1に向けて)突出するように形成され、例えばリング状(円環状)に形成されている。これにより、アタッチメント部12の下端部は、裏蓋21よりも下方に配置されている。アタッチメント部12は、例えば所定の剛性を有する硬質材料によって形成され、内側に位置する内部空間がセンサ室11とされている。
なお、アタッチメント部12の中心軸線O方向から見た平面視で中心軸線Oに交差する方向を径方向といい、中心軸線O回りに周回する方向を周方向という。
弾性体13は、アタッチメント部12の形状に対応して、手首表面S1側に開口したリング状に形成され、アタッチメント部12の下端部に一体的に固定されている。
なお、アタッチメント部12に対する弾性体13の固定方法としては、特定の方法に限定されるものではないが、例えば接着や溶着等によって固定して構わない。さらには、二色成形或いはインサート成形等によって、アタッチメント部12と弾性体13とを一体的に固定しても構わない。
弾性体13は、手首表面S1の弾性よりも低い弾性の弾性材料、例えば合成ゴム、シリコン、高分子ゲル等によって形成されている。より具体的には、弾性体13は、JIS K6253(加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法)で準拠されるデュロメータタイプEの硬度70以下程度の硬さを満足する弾性とされている。
このように形成された弾性体13は、厚み方向(上下方向)に潰れるように弾性変形可能とされているうえ、アタッチメント部12の下端部との接続部分を基点として径方向に湾曲するように弾性変形可能とされている。
弾性体13は、該弾性体13を介してアタッチメント部12を手首表面S1に対して押し当てたときに、手首表面S1の表面形状(凹凸等)に対応して弾性変形することで、手首表面S1に対して密着可能とされている。そして、手首表面S1に対する弾性体13の密着によって、センサ室11を密閉状態にすることが可能とされている。これにより、センサ室11は、橈骨動脈Rの脈動に起因する手首表面S1の変動(上下動)に対応して内圧が変化する。
図3及び図5に示すように、圧力センサ14は、センサ室11の内圧変化に応じて撓み変形可能なカンチレバー50を備えている。
カンチレバー50は、センサ基板10の上面に対して重なった状態で接合された半導体基板によって形成されている。本実施形態では、半導体基板として、シリコン支持層32、シリコン酸化膜等の絶縁層33及びシリコン活性層34を、下方からこの順番で熱的に張り合わせたSOI基板(本発明に係る基板)31を例に挙げて説明している。従って、カンチレバー50は、SOI基板31によって形成されている。
ただし、カンチレバー50はSOI基板31によって形成される場合に限定されるものではない。なお、シリコン支持層32を一定電位に維持する(例えば、シリコン支持層32をセンサ基板10のグラウンド等に接続)等して、SOI基板31に厚さ方向の電位差の変動が生じることを抑制することが好ましい。
図5及び図6に示すように、SOI基板31は、センサ基板10と同様に、前後方向L1に沿った長さが左右方向L2に沿った長さよりも長い平面視長方形状に形成されている。シリコン支持層32及び絶縁層33には、これらシリコン支持層32及び絶縁層33を厚み方向に貫通すると共に、センサ基板10に形成された貫通孔30に連通する連通孔35が形成されている。
連通孔35は、貫通孔30を通じてセンサ室11内に連通していると共に、後述する第1ギャップ37を通じてカンチレバー50の上方に位置する上部空間36に連通している。これにより、第1ギャップ37、連通孔35及び貫通孔30を通じて、センサ室11内と上部空間36内とは互いに連通している。
シリコン活性層34は、絶縁層33の上面に該絶縁層33の全面に亘って形成されている。そのため、シリコン活性層34は連通孔35を上方から覆っている。さらにシリコン活性層34のうち、SOI基板31の平面視で連通孔35の内側に位置する部分には、該シリコン活性層34を厚さ方向に貫通する平面視C形状の第1ギャップ(本発明に係るギャップ)37が形成されている。シリコン活性層34のうち第1ギャップ37の内側に位置する部分が、上記カンチレバー50とされている。従って、カンチレバー50は、SOI基板31の平面視で、第1ギャップ37をあけた状態で連通孔35を部分的に覆っている。なお、第1ギャップ37のギャップ幅は、例えば数百nm〜数十μmの微小幅とされている。
カンチレバー50は、片持ち状に支持された状態でSOI基板31に形成されている。
具体的にはカンチレバー50は、先端部が自由端とされたレバー本体51と、レバー本体51とシリコン活性層34とを一体的に接続すると共に、レバー本体51を片持ち状態で支持する2つのレバー支持部52とを備え、連通孔35を上方から覆うように配置されている。これにより、カンチレバー50は、レバー本体51の先端部側が自由端とされた片持ち梁構造とされ、レバー支持部52を中心としてセンサ室11の内圧変化に応じて撓み変形する。
なお、本実施形態では、前後方向L1に沿ってレバー支持部52からレバー本体51に向かう方向を前方といい、その反対方向を後方という。
カンチレバー50の基端部には、該カンチレバー50を厚さ方向に貫通する第2ギャップ38が形成されている。第2ギャップ38は、カンチレバー50の基端部においてSOI基板31における左右方向L2の中央部に位置するように形成されている。なお、第2ギャップ38のギャップ幅は、第1ギャップ37のギャップ幅と同等とされている。
2つのレバー支持部52は、第2ギャップ38を間に挟んで左右方向L2に並ぶように配置されている。これにより、先に述べたように、カンチレバー50はレバー支持部52を中心として撓み変形し易い構造とされている。
第2ギャップ38は、前後方向L1に沿って直線状に延びると共に、左右方向L2に間隔をあけて互いに平行に配置された第1直線ギャップ38a及び第2直線ギャップ38bと、左右方向L2に沿って直線状に延びると共に、第1直線ギャップ38aと第2直線ギャップ38bとを接続する第3直線ギャップ38cと、を備え、全体として平面視C形状に形成されている。
なお、第2直線ギャップ38bは、第1直線ギャップ38aよりも後方に向かって長く形成されており、後述する第2溝部57に接続されている。
なお、2つのレバー支持部52の左右方向L2に沿った支持幅は、互いに同等とされている。従って、カンチレバー50が撓み変形した際、一方のレバー支持部52に作用する応力と、他方のレバー支持部52に作用する応力とは同等とされている。
シリコン活性層34には、カンチレバー50を含むようにピエゾ抵抗層(圧電抵抗層)53が形成されている。ピエゾ抵抗層53は、平面視で連通孔35よりも一回り大きいサイズとなるように形成されている。これにより、ピエゾ抵抗層53は、少なくともカンチレバー50の全面に亘って形成されている。なお、ピエゾ抵抗層53は、例えばリン等のドーパント(不純物)がイオン注入法や拡散法等の各種の方法によりドーピングされることで形成されている。
ピエゾ抵抗層53のうちカンチレバー50が形成された部分、すなわち、レバー本体51及び2つのレバー支持部52が形成された部分は、カンチレバー50の撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗54として機能する。
シリコン活性層34のうちピエゾ抵抗層53を除いた領域には、例えばピエゾ抵抗層53よりも電気抵抗率が小さい導電性材料(例えばAU等)からなる外部電極55が形成されている。
なお、ピエゾ抵抗層53及び外部電極55の上面に、図示しない絶縁膜を保護膜として被膜することで、外部との電気的な接触を防止することも可能である。
シリコン活性層34には、該シリコン活性層34を複数の領域に区画する複数の溝部が形成されている。本実施形態では、第1溝部56及び第2溝部57が、シリコン活性層34の上面から絶縁層33に達する深さで形成されている。
第1溝部56は、シリコン活性層34のうち第1ギャップ37よりも前方側に位置する領域に形成されていると共に、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。第1溝部56は、前端部がSOI基板31の前方側の側面に達し、且つ後端部が第1ギャップ37に連通するように形成されている。これにより、ピエゾ抵抗層53及び外部電極55のうち、第1ギャップ37よりも前方側に位置する部分は、第1溝部56によって左右方向L2に分断されている。
第2溝部57は、シリコン活性層34のうち第2ギャップ38よりも後方側に位置する領域に形成されていると共に、前後方向L1に沿って直線状に延びるように形成されている。より具体的には、第2溝部57は、シリコン活性層34のうち第2ギャップ38における第2直線ギャップ38bよりも後方側に位置する領域に形成されている。そして、第2溝部57は、前端部が第2直線ギャップ38bに連通し、且つ後端部がSOI基板31の後方側の側面に達するように形成されている。これにより、ピエゾ抵抗層53及び外部電極55のうち、第2ギャップ38よりも後方側に位置する部分は、第2溝部57によって左右方向L2に分断されている。
上述した第1溝部56及び第2溝部57によって、外部電極55は第1外部電極55a及び第2外部電極55bに区画されている。従って、第1外部電極55a及び第2外部電極55bは、後述する変位検出抵抗54を経由する通電経路を除き、直接的な相互の電気的接続は切り離されている。
なお、第2溝部57は、第2直線ギャップ38bに接続される場合に限定されるものではない。例えば、第1直線ギャップ38aを第2直線ギャップ38bよりも後方に向かって長く形成し、第2溝部57と第1直線ギャップ38aとを接続させても構わない。
図6に示すように、変位検出抵抗54は、第1外部電極55a及び第2外部電極55bに対してそれぞれ電気接続されている。これにより、第1外部電極55a及び第2外部電極55b間に電圧が印加されると、この電圧印加に起因する電流は、第1外部電極55aから変位検出抵抗54を経由して第2外部電極55bに流れる。
脈波検出部15は、図7に示すように、変位検出抵抗54を含むホイートストンブリッジ回路60を有する検出回路61を備え、変位検出抵抗54の抵抗値変化に対応したホイートストンブリッジ回路(本発明に係る抵抗値変化検出回路)60からの出力信号Vに基づいて脈波を検出する。
検出回路61は、ホイートストンブリッジ回路60と、ホイートストンブリッジ回路60に対して所定の基準電圧Vccを印加する基準電圧発生回路62と、差動増幅回路63と、を備えている。
ホイートストンブリッジ回路60は、変位検出抵抗54及び第1固定抵抗64が直列接続された枝辺と、第2固定抵抗65及び第3固定抵抗66が直列接続された枝辺と、が基準電圧発生回路62に対して並列に接続されている。
変位検出抵抗54は、第1端が基準電圧Vccの供給線に接続され、第2端がノードN1に接続されている。第1固定抵抗64は、第1端がノードN1に接続され、第2端が電源線GNDに接続されている。第2固定抵抗65は、第1端が基準電圧Vccの供給線に接続され、第2端がノードN2に接続されている。第3固定抵抗66は、第1端がノードN2に接続され、第2端が電源線GNDに接続されている。なお、第1固定抵抗64、第2固定抵抗65及び第3固定抵抗66は、例えばセンサ基板10に実装された外付け抵抗とされている。
差動増幅回路63は、例えば計測アンプであって、センサ基板10上に取り付けられている。差動増幅回路63は、ノードN1とノードN2との間の電位差を所定の増幅率で増幅して出力信号Vとして出力する。なお、この電位差は、ピエゾ抵抗層53の抵抗値変化に応じた値、すなわちカンチレバー50の変位に基づいた値となる。差動増幅回路63は、反転入力端子(−端子)がノードN1に接続され、非反転入力端子(+端子)がノードN2に接続されている。
なお、第1外部電極55aは変位検出抵抗54の第1端として機能し、基準電圧Vccの供給線が接続される。第2外部電極55bは変位検出抵抗54の第2端及び第1固定抵抗64の第1端として機能し、ノードN1を介して差動増幅回路63の反転入力端子(−端子)が接続される。
上述した検出回路61を含む脈波検出部15は、CPU40を構成する一部とされ、センサ基板10に実装されている。
図3及び図5に示すように、センサ基板10の上面には、SOI基板31を上方から覆うように有頂筒状に形成され、センサ基板10に対して例えば密に接触した蓋部材70が組み合わされている。よって、蓋部材70の内側が上部空間36として機能する。ただし、蓋部材70は必須なものではなく、具備しなくても構わない。
図3及び図8に示すように、測定状態検出部17は、弾性体13に取り付けられ、該弾性体13の弾性変形に対応した応力信号を出力する応力センサ16を備えている。
具体的には、応力センサ16は、上下方向に延びる縦長の帯状に形成され、アタッチメント部12と弾性体13との接続部分を上下方向に跨ぐように、アタッチメント部12及び弾性体13の内周面側に取り付けられている。つまり、応力センサ16は、上端部がアタッチメント部12における下端部の内周面側に固定され、下端部が弾性体13における上端部の内周面側に固定されるように取り付けられている。
なお、応力センサ16の固定方法としては、特に限定されるものではないが、例えば接着や印刷等による固定が挙げられる。
応力センサ16は、周方向に間隔をあけて複数取り付けられている。本実施形態では、2つの応力センサ16が、アタッチメント部12の中心軸線Oを中心として周方向に180度の間隔をあけて配置されるように取り付けられている。さらに2つの応力センサ16は、交差方向M2に沿って並ぶように配置されている。これにより、2つの応力センサ16は、平面視で橈骨動脈Rを挟んで交差方向M2に向かい合うように配置されている。
応力センサ16は、例えば歪ゲージとされ、弾性体13の弾性変形に対応した抵抗値変化に基づく応力信号を出力する。従って、2つの応力センサ16は、弾性体13のうち該応力センサ16自身が取り付けられた部分の弾性変形に対応した応力信号をそれぞれ出力する。
図4に示すように、CPU40は情報算出部(本発明に係る処理部)46を備えている。情報算出部46は、応力センサ16から出力された応力信号に基づいて、手首表面S1に対する弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当てに関する各種の押し当て情報を算出する。
押し当て情報としては、例えば、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て力、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て方向、及び手首表面S1に対するアタッチメント部12の初期の押し当て位置からの位置ずれ量及び位置ずれ方向等である。
情報算出部46は、押し当て力を算出する押し当て力算出部71と、押し当て方向を算出する方向算出部72と、位置ずれ量及び位置ずれ方向を算出する位置ずれ算出部73と、を備えている。
押し当て力算出部71について説明する。
図9に示すように、脈波センサ1の装着前の状態では、弾性体13が手首表面S1から離間しているので、該弾性体13は弾性変形することなく初期状態を維持している。押し当て力算出部71は、このときに2つの応力センサ16から出力された応力信号を初期値として、メモリ41を介して記録する。
次いで、図3に示すように、手首表面S1に対して弾性体13を接触させながらアタッチメント部12を押し当てると、押し当て力に応じて弾性体13は圧縮するように弾性変形する。そのため、2つの応力センサ16は、弾性体13の弾性変形に対応した応力信号をそれぞれ出力する。
押し当て力算出部71は、2つの応力センサ16から出力された各応力信号について、初期値からの変化量(変化率)を算出すると共に、各応力信号の初期値からの変化量の平均値を算出する。これにより、押し当て力算出部71は、手首表面S1に対する弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当て力を算出することが可能とされている。
方向算出部72について説明する。
方向算出部72は、2つの応力センサ16から出力された各応力信号の出力差に基づいて、押し当て方向を算出することが可能とされている。
例えば、図3に示すように、弾性体13が全体に亘って均等に圧縮するように弾性変形している場合には、2つの応力センサ16から出力された各応力信号は同等の信号となる。従って、2つの応力信号から出力された各応力信号の出力差は、予め決められた所定範囲内に収まる。この場合、方向算出部72は、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾くことなく押し当てられ、押し当て方向が手首表面S1に対して略垂直であることを算出する。
これに対して、図10に示すように、例えば手首表面S1に対してアタッチメント部12が交差方向M2に傾いた状態で押し当てられた場合には、弾性体13が不均等に圧縮するように弾性変形する。つまり、弾性体13のうち一方の応力センサ16が取り付けられた部分が、他方の応力センサ16が取り付けられている部分よりも、大きく弾性変形する。そのため、2つの応力センサ16から出力された各応力信号は異なる信号となり、予め決められた所定範囲外の出力差が生じる。
これにより、方向算出部72は、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾いた状態で押し当てられ、押し当て方向が手首表面S1に対して垂直ではないことを算出する。従って、方向算出部72は、大きな応力信号を出力している側に押し当て方向が傾いていることを算出することが可能とされている。
位置ずれ算出部73について説明する。
位置ずれ算出部73は、2つの応力センサ16から出力された各応力信号の正負の変化及び変化量に基づいて、押し当て位置からの位置ずれ量及び位置ずれ方向を算出することが可能とされている。
位置ずれ算出部73は、図3に示すように、手首表面S1に対してアタッチメントが垂直に押し当てられたときの、2つの応力センサ16から出力された応力信号を初期値としてメモリ41を介して記録する。この状態から、図11に示すように、例えば体動等によって脈波センサ1と手首Sとが交差方向M2に相対的に位置ずれした場合には、弾性体13は手首表面S1(皮膚)に引きずられるように径方向に湾曲するように弾性変形する。そのため、一方の応力センサ16が弾性体13の弾性変形に伴って圧縮するように変位すると共に、他方の応力センサ16が弾性体13の弾性変形に伴って引っ張られるように変位する。そのため、2つの応力センサ16が出力する各応力信号は、正負が逆の信号となる。
これにより、位置ずれ算出部73は、各応力信号の正負の変化に基づいて、押し当て位置からの位置ずれ方向を算出することが可能となる。さらに、位置ずれ算出部73は、各応力信号の初期値からの変化量(変化率)に基づいて、位置ずれ量を算出することが可能となる。
表示部42は、上述した押し当て力算出部71、方向算出部72及び位置ずれ算出部73によってそれぞれ算出された、押し当て力、押し当て方向、位置ずれ量及び位置ずれ方向を表示することが可能とされている。
特に表示部42は、押し当て力算出部71によって算出された押し当て力を表示するときに、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示を行う。
具体的には、図12及び図13に示すように、表示部42の画面42aには押し当て力の適正範囲、及び適正範囲に対する強弱を段階的に示す複数のライト窓80が形成されている。表示部42は、算出された押し当て力に対応して、複数のライト窓80のいずれか1つを点灯させる。このとき、表示部42は、算出された押し当て力が、適正範囲内である場合には、複数のライト窓80のうち2本の境界ラインで挟まれた3つのライト窓80のいずれか1つを点灯させ、適正範囲よりも押し当て力が強い場合には、適正範囲を示すライト窓80よりも画面42a上の上方に位置するライト窓80のいずれか1つを点灯させ、適正範囲よりも押し当て力が弱い場合には、適正範囲を示すライト窓80よりも画面42a上の下方に位置するライト窓80のいずれか1つを点灯させる。
これにより、点灯したライト窓80を視認することで、算出された押し当て力が適正範囲内であるか否かを判断することが可能とされている。
なお、表示部42はライト窓80を点灯させる際に、異なる色を発色するように点灯させても構わない。例えば、適正範囲を示すライト窓80を点灯させる場合には緑色に点灯させ、適正範囲を示すライト窓80よりも画面42a上の下方に位置するライト窓80を点灯させる場合には、下方に向けて黄色、橙色、赤色の順に色が変化するように点灯させても構わない。
なお、図12及び図13では、色の変化を示す例として、異なるハッチングをライト窓80に図示している。
さらに表示部42は、位置ずれ算出部73によって算出された位置ずれ量及び位置ずれ方向を表示するときに、押し当て位置を中心として、位置ずれ量に対応した矢印長さ、及び位置ずれ方向に対応した矢印方向で構成される矢印82を画面42aに表示する。
表示部42の画面42aには、押し当て位置を中心とした円形のガイドサークル83が同心円状に複数表示されている。複数のガイドサークル83の1つは、例えば太線表示され、その内側の領域が位置ずれ量の許容範囲内であることを示す許容サークル84とされている。
そして表示部42は、ガイドサークル83に矢印82を重ね合わせた状態で表示する。これにより、矢印方向及び矢印長さを視認することで、位置ずれ量及び位置ずれ方向を判断することが可能であると共に、許容サークル84との関係に基づいて位置ずれ量が許容範囲内であるか否かを判断することが可能とされている。
さらにCPU40は、図4に示すように、圧力センサ14におけるカンチレバー50の変位状態、及び情報算出部46で算出された押し当て情報に基づいて、脈波検出部15の検出結果の信頼性を算出する信頼性算出部74を備えている。
信頼性算出部74は、脈波検出部15におけるホイートストンブリッジ回路60からの出力信号Vに基づいて脈波が適切に検出されたか否かを判断すると共に、情報算出部46による押し当て情報に基づいて、脈波の測定中に脈波センサ1が適切に手首表面S1に押し当てられているか否かを判断する。そして、信頼性算出部74は、上記各判断に基づいて、脈波検出部15の検出結果の信頼性を算出する。
そして表示部42は、信頼性算出部74で算出された信頼性を表示する。具体的には、図12及び図13に示すように、表示部42は信頼性に応じて異なる色を発色する円形の信頼性マーク85を画面42aに表示する。このとき表示部42は、信頼性が高い場合には緑色で信頼性マーク85を表示し、信頼性が低い場合には赤色で信頼性マーク85を表示する。ただし、色の種類は、この場合に限定されるものではなく、適宜変更して構わない。さらに、信頼性マーク85を点灯表示させても構わないし、脈拍と同期して点滅するように信頼性マーク85を点滅表示させても構わない。
なお、図12及び図13では、ガイドサークル83に重なるように信頼性マーク85を表示している例を示す。
(脈波センサの作用)
次に、上述のように構成された脈波センサ1を利用して、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈Rの脈波を測定する脈波測定方法について説明する。
この場合には、図3に示すように、弾性体13を介してアタッチメント部12を手首表面S1に対して押し当てることで、手首表面S1に対して弾性体13を密着させながら弾性体13を弾性変形させることができる。また、弾性体13の開口部が手首表面S1によって閉塞されるので、センサ室11内を密閉状態にすることができる。
特に、弾性体13が特定の角部を有さないリング状に形成されているので、弾性体13を全周に亘って均等に弾性変形させ易い。従って、センサ室11内を確実に密閉状態にすることが可能となる。
センサ室11内を密閉にすることができるので、橈骨動脈Rの脈動に起因した手首表面S1の変動(図3に示す矢印のような上下動)に対応して、センサ室11の内圧を変化させることができると共に、センサ室11の内圧変化に応じて圧力センサ14を変位させることができる。従って、脈波検出部15により、圧力センサ14の変位に基づいて脈波の検出を行うことができる。
具体的には、橈骨動脈Rの脈動に起因した手首表面S1の変動に対応してセンサ室11の内圧が変化すると、これに対応してカンチレバー50が図3に示す矢印の如く上下に撓み変形する。これにより、カンチレバー50の撓み量(変位量)に対応して変位検出抵抗54の抵抗値が変化するので、ホイートストンブリッジ回路60から出力される出力信号Vが変化する。従って、脈波検出部15によって、カンチレバー50の撓み量に基づいた出力信号Vの変化をモニタすることで、センサ室11の内圧変化を検出することができ、結果的に脈波の検出を行うことができる。
従って、本実施形態の脈波センサ1によれば、非侵襲的に、しかも橈骨動脈Rを圧迫せずに脈波を検出することができるので、例えばユーザに対して不快感を与えることなく、長時間に亘って脈波の測定を行うことができる。
特にカンチレバー50は、レバー本体51を片持ち状態で支持するレバー支持部52を中心に撓み変形する。そのため、変位検出抵抗54のうち主にレバー支持部52に形成された部分は、感度への寄与度(貢献度)が大きい応力検知部位とされ、カンチレバー50の撓み量に正確に対応して抵抗値が変化する。そのため、ホイートストンブリッジ回路60から出力された出力信号Vに基づいて、脈波の検出を精度良く且つ感度良く行うことができる。
しかも、SOI基板31におけるシリコン活性層34を利用して半導体プロセス技術によりカンチレバー50を形成できるので、容易に薄型化(例えば数十〜数百nm)し易い。従って、センサ室11の内圧変化が微小であったとしても、内圧変化にカンチレバー50を反応良く追従させて撓み変形させることができる。この点においても、脈波の検出を精度良く且つ感度良く行うことができる。
さらに、弾性体13を介してアタッチメント部12を手首表面S1に対して押し当てるので、手首表面S1の表面形状に対応して弾性体13を弾性変形させることができる。そのため、手首表面S1に対して弾性体13を確実に密着させることができ、センサ室11内を高い密閉状態に維持し易い。従って、脈波を安定して測定することができる。
さらに、弾性体13が手首表面S1の弾性よりも低い弾性の弾性材料で形成されているので、大きな押し当て力を必要とせずに、弾性体13を弾性変形させながら、手首表面S1に対して弾性体13を密着させることができる。従って、ユーザに対してさらに不快感を与え難い。
さらに本実施形態の脈波センサ1では、弾性体13に応力センサ16が取り付けられているので、弾性体13を介してアタッチメント部12を手首表面S1に対して押し当てたときに、応力センサ16が弾性体13の弾性変形に対応した応力信号を出力する。
そのため、応力センサ16からの応力信号をモニタすることで、弾性体13の変形状態を把握することができる。これにより、例えば弾性体13のどの部分が、どの程度、弾性変形しているか、或いは脈波の測定中に弾性体13の弾性変形がどのように変化したのか等の弾性体13の状態を把握することができる。
従って、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て状態を把握することができ、この押し当て状態に基づいて脈波の測定状態を検出することができる。従って、手首Sに対する脈波センサ1の装着状態を把握することができる。そのため、手首Sに対する脈波センサ1の装着状態を一定の状態に維持し易く、長時間に亘って脈波を精度良く測定することができる。
以上説明したように、本実施形態の脈波センサ1によれば、手首表面S1に対する装着状態を一定の状態に維持し易く、長時間に亘って脈波を精度良く測定することができる。
特に、応力センサ16を複数(2つ)有しているので、各応力センサ16からの応力信号に基づいて手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て状態をより精度良く把握することができる。例えば、各応力センサ16からの応力信号の平均値に基づいて、押し当て力を精度良く把握することが可能となる。また、各応力センサ16からの応力信号の出力差に基づいて、アタッチメント部12が傾く等して押し当て方向が変化したことを精度良く把握することが可能となる。さらに、各応力センサ16からの応力信号の正負の変化及び変化量に基づいて、初期の押し当て位置から、どの方向にどの程度、位置ずれしたかを精度良く把握することが可能となる。
従って、手首Sに対する脈波センサ1の装着状態を、より精度良く把握することができ、安定した脈波の測定に繋げることができる。
ここで、手首Sに対する脈波センサ1の装着状態に着目しながら、脈波を検出する場合について、図14に示すフローチャートを参照しながら、より詳細に説明する。
入力部を介して脈波センサ1の電源を入れて、脈波の測定を開始させると、はじめに表示部42が脈波センサ1を手首表面S1から離間させる旨の表示を行う(ステップS1)。これにより、ユーザは、例えば脈波センサ1を手首Sに装着している場合には、図9に示すように、脈波センサ1を手首Sから一旦取り外す。
すると押し当て力算出部71は、2つの応力センサ16から出力された応力信号を初期値としてメモリ41を介して記録する(ステップS2)。つまり、押し当て力算出部71は、弾性変形する前の弾性体13の初期状態における応力センサ16の応力信号を記録する。そして、押し当て力算出部71が応力信号の初期値を記録すると、表示部42は脈波センサ1を手首Sに押し当てる旨の表示を行う(ステップS3)。
これによりユーザは、図3に示すように、手首表面S1に対して弾性体13を接触させながらアタッチメント部12を押し当て、弾性体13を弾性変形させた状態で固定ベルト3を介して脈波センサ1を手首Sに装着する。
脈波センサ1の装着後、脈波検出部15が、先に述べたようにカンチレバー50の撓み量に基づいたホイートストンブリッジ回路60からの出力信号Vの変化を検出する。すると、信頼性算出部74は、検出した出力信号Vの出力変動幅(脈波信号の振幅幅)が所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS4)。
信頼性算出部74は、出力信号Vの出力変動幅が所定範囲外の場合、脈波センサ1の装着状態が不十分、或いは橈骨動脈Rの直上に脈波センサ1が適切に装着されていないため、カンチレバー50が適切に変位していないと判断する。従って、この場合には、表示部42が装着位置の変更を促す旨の表示を行う(ステップS5)。
これに対して、出力信号Vの出力変動幅が所定範囲内であると信頼性算出部74が判断した場合には、押し当て力算出部71が、応力センサ16から出力される応力信号について、先ほど記憶した初期値からの変化量(変化率)を算出すると共に、各応力信号の初期値からの変化量の平均値を算出する。
これにより、押し当て力算出部71は、手首表面S1に対する弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当て力を算出する。そして表示部42が、押し当て力算出部71によって算出された押し当て力を表示する(ステップS6)。
このとき表示部42は、図12及び図13に示すように、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示を行う。つまり表示部42は、算出された押し当て力が、適正範囲内である場合には、複数のライト窓80のうち2本の境界ライン81で挟まれた3つのライト窓80のいずれか1つを点灯させ、適正範囲よりも押し当て力が強い場合には、適正範囲を示すライト窓80よりも画面42a上の上方に位置するライト窓80のいずれか1つを点灯させ、適正範囲よりも押し当て力が弱い場合には、適正範囲を示すライト窓80よりも画面42a上の下方に位置するライト窓80のいずれか1つを点灯させる。
これによりユーザは、点灯したライト窓80を視認することで、算出された押し当て力が適正範囲内であるか否かを判断することができる(ステップS7)。そのため、ユーザは、算出された押し当て力が適正範囲外である場合には、押し当て力の調整を行う(ステップS8)。
次いで、押し当て力算出部71によって算出された押し当て力が適正範囲内である場合には、方向算出部72が押し当て方向を算出する。すなわち、方向算出部72は、2つの応力センサ16から出力された各応力信号の出力差に基づいて、押し当て方向を算出する。そして、表示部42が、方向算出部72によって算出された押し当て方向を表示する(ステップS9)。
さらに押し当て力算出部71は、2つの応力センサ16から出力された応力信号の出力差が予め決められた所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS10)。押し当て力算出部71は、応力信号の出力差が予め決められた所定範囲内である場合には、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾くことなく押し当てられ、押し当て方向が手首表面S1に対して略垂直であることを算出する。
従って、この場合には、CPU40が手首Sに対して脈波センサ1が適切な押し当て力で押し当てられ、且つ適切な押し当て方向で装着されていると判断する。
なお、ここまでの各工程が、測定状態検出部17による検出結果、すなわち応力センサ16からの応力信号に基づいて、手首表面S1に対する脈波センサ1の装着状態を判断する判断工程に相当する。
そしてCPU40が、手首Sに対して脈波センサ1が適切な押し当て力で押し当てられ、且つ適切な押し当て方向で装着されていると判断した場合には、脈波の検出を開始する測定工程を行う(ステップS11)。
これに対して、2つの応力センサ16から出力された応力信号の出力差が予め決められた所定範囲外である場合には、押し当て力算出部71は、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾いた状態で押し当てられ、押し当て方向が手首表面S1に対して垂直ではないことを算出する。従って、ユーザは、表示部42に表示された押し当て方向に基づいて、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾くことなく押し当てられるように、押し当て方向の調整を行う(ステップS12)。
上述のように脈波の検出が開始すると、位置ずれ算出部73は、脈波の検出中、2つの応力センサ16から出力された各応力信号の正負の変化及び変化量に基づいて、押し当て位置からの位置ずれ量及び位置ずれ方向の算出を行う。そして、表示部42が、位置ずれ算出部73によって算出された位置ずれ方向及び位置ずれ量を表示する。
このとき表示部42は、図12及び図13に示すように、押し当て位置を中心として、位置ずれ量に対応した矢印長さ、及び位置ずれ方向に対応した矢印方向で構成される矢印82を画面42aに表示する。これにより、ユーザは、矢印82を視認することで、位置ずれ量及び位置ずれ方向を判断することができると共に、許容サークル84との関係に基づいて、位置ずれ量が許容範囲内であるか否かを判断することができる。
そして、ユーザは、2つの応力センサ16から出力された応力信号の出力差が予め決められた所定範囲内であるか否かを判断する(ステップS13)と共に、範囲外である場合には、表示部42に表示された矢印82を参考に脈波センサ1の位置ずれを調整する(ステップS14)。
なお、脈波センサ1の位置ずれを修正した後、信頼性算出部74は、脈波検出部15におけるホイートストンブリッジ回路60からの出力信号Vの出力変動幅が所定範囲内であるか否かを再度判断する(ステップS15)。そして、信頼性算出部74は、出力信号Vの出力変動幅が所定範囲内である場合には、位置ずれ修正が適切に行われたと判断する。
上述したように、本実施形態の脈波センサ1によれば、情報算出部46が応力センサ16からの応力信号に基づいて手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当てに関する各種の押し当て情報を算出し、表示部42が算出された押し当て情報を表示する。従って、ユーザは表示部42を介して脈波センサ1の装着状態を容易且つ正確に把握することができ、脈波センサ1の装着状態を適切に把握することができる。従って、手首表面S1に対する脈波センサ1の装着状態を一定の状態に安定して維持し易い。
しかも、表示部42を視認することで、視覚を通じて、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て情報を把握することができるので、手首Sに対する脈波センサ1の装着状態をさらに適切に把握し易い。
さらに、表示部42に、手首表面S1に対するアタッチメント部12の実際の押し当て力を、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示できるので、ユーザは押し当て力の強弱等を容易に把握でき、最適な押し当て力で脈波センサ1を装着できるように調整等を行える。
押し当て力が弱い場合には、センサ室11内の気密を維持することが難しくなり、センサ室11内の密閉性が低下する。そのため、検出できる脈波信号が小さくなり、S/N比が悪くなってしまう。これとは逆に押し当て力が強い場合には、橈骨動脈R周囲の生体組織を圧迫してしまい、血行を悪くしてしまう。そのため、脈波の検出結果の信頼性が低下するうえ、脈波センサ1が手首に強く押し当たって圧迫感を感じさせてしまうので、ユーザに対して装着時の不快感を与え易い。
しかしながら、本実施形態の脈波センサ1によれば、最適な押し当て力で脈波センサ1を装着できるので、上述した不都合が生じ難い。
さらに、表示部42に、手首表面S1に対するアタッチメント部12の実際の押し当て方向を表示できるので、ユーザは押し当て方向を容易に把握でき、適切な姿勢で脈波センサ1を装着できるように調整等を行える。
図10に示すように、押し当て方向が手首表面S1に対して略垂直でない場合には、弾性体13が部分的に大きく弾性変形するので、手首表面S1に対して押し当て力が局所的に強く作用し易い。そのため、脈波センサ1が手首に対して局所的に強く押し当たることで、部分的な圧迫感を感じさせてしまうので、先ほどと同様にユーザに対して装着時の不快感を与え易い。さらに、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾いて押し当たるので、手首表面S1からアタッチメント部12が部分的に浮き易く、センサ室11内の気密が低下或いは損なわれるおそれがある。
しかしながら、本実施形態の脈波センサ1によれば、手首表面S1に対して略垂直に押し当たるように適切な姿勢で脈波センサ1を装着できるので、上述した不都合を生じさせることがない。
さらには、脈波の測定中に、図11に示すように、脈波センサ1が初期の押し当て位置から位置ずれしたとしても、図12及び図13に示すように、表示部42に表示された矢印82の矢印長さ及び矢印方向に基づいて、位置ずれ量及び位置ずれ方向を容易且つ適切に把握することができる。従って、脈波センサ1の位置ずれを適切に調整することが可能である。
さらに、本実施形態の脈波センサ1は、信頼性算出部74を備えているので、脈波の測定中に、脈波の測定結果の信頼性を表示することができる。この場合について、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
脈波の測定中、信頼性算出部74は、脈波検出部15におけるホイートストンブリッジ回路60からの出力信号Vの出力変動幅を取得する(ステップS20)。さらに信頼性算出部74は、情報算出部46で算出された押し当て情報を取得する(ステップS21)。例えば、2つの応力センサ16から出力された応力信号の出力差を取得する。そして信頼性算出部74は、これらの取得情報から、脈波検出部15による検出結果の信頼性を算出する(ステップS22)。
表示部42は、信頼性算出部74で算出された信頼性を表示する(ステップS23)。具体的には、図12及び図13に示すように、表示部42は信頼性に応じて異なる色を発色する円形の信頼性マーク85を表示する。このとき表示部42は、信頼性が高い場合には緑色で信頼性マーク85を表示し、信頼性が低い場合には赤色で信頼性マーク85を表示する。
これにより、ユーザは、信頼性マーク85を視認することで、脈波の測定結果の信頼性を容易に把握することができる。従って、ユーザは、測定結果の信頼性を常に把握することができ、使い易く、利便性に優れた脈波センサ1とすることができる。
(第1実施形態の変形例)
上述した第1実施形態では、応力センサ16を2つ設けた場合を例にして説明したが、応力センサ16の数は2つに限定されるものではない。例えば、弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当て力だけを算出する場合には、応力センサ16が1つだけでも構わない。
ただし、本実施形態のように応力センサ16を2つ設けることで、押し当て力、押し当て方向、位置ずれ量及び位置ずれ方向をそれぞれ算出することができるので好ましい。
また、押し当て力、押し当て方向、位置ずれ量及び位置ずれ方向をそれぞれ算出する場合、2つ以上の応力センサ16を利用しても構わない。例えば、図16に示すように3つの応力センサ16を周方向に均等に配置しても構わないし、図17に示すように4つの応力センサ16を周方向に均等に配置しても構わない。
このように構成した場合であっても、第1実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。特に、これらの場合には、応力センサ16を3つ以上設けているので、押し当て方向及び位置ずれ方向を検知するときに、交差方向M2だけの一軸方向の検知ではなく、例えば交差方向M2及び走行方向M1の2軸方向の検知が可能となり、好ましい。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、手首表面S1に対してアタッチメント部12を離間させた状態においては、センサ室11内が開放された開放側の脈波センサ1を例に挙げて説明したが、本実施形態ではセンサ室11内が常時密閉された密閉側の脈波センサとされている。
図18に示すように、本実施形態の脈波センサ90は、弾性体91がアタッチメント部12の開口部を塞ぐ弾性膜状に形成されている。また、SOI基板31に組み合わされた蓋部材70は、弾性体91と協働してセンサ室11を覆う密閉部材として機能する。これにより、弾性体91と蓋部材70とによって囲まれたセンサ室11内は、常に密閉された状態とされている。従って、本実施形態では、蓋部材70は必須な部材とされている。
さらに、センサ室11の内圧は、外気圧よりも高い圧力に設定され、弾性体91を手首表面S1側に向けて予め膨張するように弾性変形させている。具体的には、センサ室11内には高圧気体が封入され、以下の気圧範囲を維持するように、センサ室11の内圧が調整されている。
・(外気圧)<(センサ室11の内圧)≦(外気圧+300mmHg(40KPa))
なお、高圧気体としては、例えば乾燥窒素ガス、アルゴンガス、圧縮空気等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本実施形態の弾性体91としては、例えば所定の膜厚の樹脂フィルムが挙げられる。この場合、ガス透過性の低い、すなわちガスバリア性の高い樹脂フィルムが好ましい。また、樹脂に限定されるものではなく、例えば金属フィルムであっても構わないし、その他の材質からなる薄膜フィルムであっても構わない。さらには、単層膜の樹脂フィルムとしても構わないし、多層膜の樹脂フィルムとしても構わない。
本実施形態の応力センサ16は、図18及び図19に示すように、縦長の帯状に形成され、弾性体91の内面に、該内面に沿うように取り付けられていると共に、周方向に間隔をあけて2つ取り付けられている。
2つの応力センサ16は、第1実施形態と同様に、アタッチメント部12の中心軸線Oを中心として周方向に180度の間隔をあけて配置されるように取り付けられていると共に、交差方向M2に沿って並ぶように配置されている。これにより、2つの応力センサ16は、平面視で橈骨動脈Rを挟んで交差方向M2に向かい合うように配置されている。
ただし、本実施形態の応力センサ16は、弾性体91の内面に全体が接するように取り付けられている。このため、2つの応力センサ16は、弾性体91のうち該応力センサ16自身が取り付けられた部分の弾性変形、すなわち弾性体91の曲率の変化に対応した抵抗値変化に基づく応力信号をそれぞれ出力する。
(脈波センサの作用)
次に、上述のように構成された脈波センサ90を利用して、心臓の拍動に伴って伝わる橈骨動脈Rの脈波を測定する脈波測定方法について説明する。
本実施形態の脈波センサ90の場合であっても、基本的には第1実施形態と同様の方法で脈波の検出を行うことができる。
それに加え、本実施形態の場合には、図20に示すように、センサ室11を覆う蓋部材70と弾性体91とが協働してセンサ室11を囲んでおり、手首表面S1に対する弾性体91を介したアタッチメント部12の押し当てに関係なく、センサ室11内を常に密閉状態に維持している。しかも、センサ室11の内圧が外気圧よりも高い圧力に設定され、弾性体91が手首表面S1側に向けて凸状に膨らむように予め膨出している。
そのため、図18に示すように、手首表面S1に対して弾性体91を適切に密着させ、且つ弾性体91の張りを保ちながら、手首表面S1に対して弾性体91を介してアタッチメント部12を押し当てることができる。従って、橈骨動脈Rの脈動に起因した手首表面S1の変動に対応して弾性体91を弾性変形させることができると共に、さらに弾性体91の弾性変形に対応してセンサ室11の内圧を変化させることができる。これにより、センサ室11の内圧変化に応じて、圧力センサ14のカンチレバー50を変位させることができ、カンチレバー50の変位に基づいて脈波の検出を行うことができる。
従って、本実施形態の脈波センサ90であっても、第1実施形態と同様に、非侵襲的に、しかも橈骨動脈Rを圧迫せずに脈波を検出することができ、ユーザに対して不快感を与えることなく長時間に亘って脈波の測定を行うことができる。
さらに、弾性体91が手首表面S1側に向けて凸状に膨らむように膨出した弾性膜状に形成されているので、手首表面S1に対して弾性体91を介してアタッチメント部12を押し当てたときに、弾性体91は全体が僅かに潰れるように弾性変形する。これにより、弾性体91は、曲率が変化するように弾性変形する。従って、応力センサ16は、弾性体91の曲率変化に対応した応力信号を出力する。
従って、第1実施形態と同様に、応力センサ16からの応力信号をモニタすることで、弾性体91の変形状態、すなわち潰れ具合を把握することができる。これにより、例えば弾性体91のどの部分が、どの程度、弾性変形しているか、或いは脈波の測定中に弾性体91の弾性変形がどのように変化したか等の弾性体91の状態を把握することができる。
従って、手首表面S1に対するアタッチメント部12の押し当て状態を把握することができると共に、結果的に手首Sに対する脈波センサ90の装着状態を把握することができる。その結果、本実施形態の脈波センサ90であっても、第1実施形態と同様に、手首Sに対する脈波センサ90の装着状態を一定の状態に維持し易く、長時間に亘って脈波を精度良く測定することができる。
本実施形態の脈波センサ90において、押し当て力の算出を行う場合には、図20に示すように、脈波センサ90の装着前の状態において、押し当て力算出部71が2つの応力センサ16から出力された応力信号を初期値として記録する。次いで、図18に示すように、手首表面S1に対して弾性体91を接触させながらアタッチメント部12を押し当てると、弾性体91が潰れるように弾性変形するので、各応力センサ16は、弾性体91の曲率変化に対応した応力信号をそれぞれ出力する。
押し当て力算出部71は、2つの応力センサ16から出力された各応力信号について、初期値からの変化量(変化率)を算出すると共に、各応力信号の初期値からの変化量の平均値を算出する。これにより、押し当て力算出部71は、手首表面S1に対する弾性体91を介したアタッチメント部12の押し当て力を算出することが可能である。
さらに、図18に示す状態から、例えば図21に示すように手首表面S1に対してアタッチメント部12が交差方向M2に傾いた状態で押し当てられた場合には、弾性体91が径方向に不均等に潰れるように弾性変形する。つまり、弾性体91のうち一方の応力センサ16が取り付けられた部分が、他方の応力センサ16が取り付けられている部分よりも、大きな曲率半径となるように弾性変形する。そのため、2つの応力センサ16から出力された各応力信号は異なる信号となり、予め決められた所定範囲外の出力差が生じる。
これにより、方向算出部72は、手首表面S1に対してアタッチメント部12が傾いた状態で押し当てられ、押し当て方向が手首表面S1に対して垂直ではないことを算出する。従って、方向算出部72は、大きな応力信号を出力している側に押し当て方向が傾いていることを算出することが可能である。
さらに、図18に示す状態から、例えば図22に示すように脈波センサ90と手首Sとが交差方向M2に相対的に位置ずれした場合には、弾性体91は径方向に不均等に潰れるように弾性変形する。つまり、弾性体91のうち一方の応力センサ16が取り付けられた部分が、他方の応力センサ16が取り付けられている部分よりも、大きな曲率半径となるように弾性変形する。そのため、2つの応力センサ16から出力された各応力信号は異なる信号となり、予め決められた所定範囲外の出力差が生じる。
従って、各応力信号の大小関係に基づいて、押し当て位置からの位置ずれ方向を算出することが可能となる。さらに、各応力信号の変化量(変化率)に基づいて、位置ずれ量を算出することが可能となる。特に、位置ずれが生じた場合には、瞬間的に応力信号が変化する傾向にあるので、応力信号の時間変化等により、位置ずれが生じたことを精度良く算出し易い。
上述のように、本実施形態の脈波センサ90であっても、第1実施形態と同様に、押し当て力、押し当て方向、位置ずれ方向及び位置ずれ量を算出することができ、手首表面S1に対する脈波センサ90の装着状態を一定の状態に維持し易い。
さらに、センサ室11内を常に密閉状態に維持できるので、手首表面S1との間に気密性を保つ必要性がない。そのため、例えば脈波の測定中に、傾きの修正作業や位置ずれの修正作業を容易に行い易い。さらに、弾性体91によってセンサ室11内が閉塞されているので、例えば手首表面S1から分泌される汗や皮脂、或いは塵埃等から圧力センサ14が影響を受けてしまうことを防止することができる。これにより、圧力センサ14の品質を維持し易く、さらに安定した脈波の測定を行うことができる。
(第2実施形態の変形例)
上述した第2実施形態では、応力センサ16を2つ設けた場合を例にして説明したが、応力センサ16の数は2つに限定されるものではなく、第1実施形態の変形例と同様に、1つでも構わないし、3つ以上の応力センサ16を設けても構わない。
例えば、図23に示すように3つの応力センサ16を周方向に均等に配置しても構わないし、図24に示すように4つの応力センサ16を周方向に均等に配置しても構わない。
このように構成した場合であっても、第2実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。特に、これらの場合には、応力センサ16を3つ以上設けているので、押し当て方向及び位置ずれ方向を検知するときに、交差方向M2だけの一軸方向の検知ではなく、例えば交差方向M2及び走行方向M1の2軸方向の検知が可能となり、好ましい。
さらに、第2実施形態において、手首表面S1に対する弾性体91の滑りを抑制するために、例えば弾性体91の外表面(手首表面S1に対する接触面)に、手首表面S1に対する摩擦力を増大させる処理を施しても構わない。
例えば、弾性体91の外表面に弱粘着層を形成することで、手首表面S1に対する吸着性を高めても構わない。さらに、弾性体91の外表面に、例えば微細な吸着孔を複数形成することで、自己吸着性を高めるいわゆる吸盤構造を形成しても構わない。
これらのことにより、手首表面S1に対する弾性体91の摩擦力を増大させることができ、手首表面S1に対して弾性体91を押し当てたときに、弾性体91が滑ってしまうことを防止し易い。従って、脈波をより安定して測定することができるうえ、手首表面S1に対する位置ずれをより効果的に検出し易くなる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第3実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第1実施形態では、測定状態検出部17が応力センサ16を具備し、応力センサ16からの応力信号をモニタすることで弾性体13の変形状態を把握し、これによって手首表面S1に対する弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当て状態を把握し、脈波の測定状態、すなわち手首Sに対する脈波センサ1の装着状態を把握した。
本実施形態では、応力センサ16を利用することなく、測定状態検出部が手首表面S1に押し当てられたアタッチメント部12の押し当て状態に基づいて、脈波の測定状態、すなわち手首Sに対する脈波センサの装着状態を把握する場合を説明する。
図25に示すように、本実施形態の脈波センサ100は、測定状態検出部101が、手首表面S1に向けて検出光Kを照射する光源102と、手首表面S1で反射された検出光Kを受光する受光部103と、を備えている。
光源102は、検出光Kとして例えば所定の波長のレーザ光を照射するレーザ光源とされている。光源102は、例えばアタッチメント部12の内周面に取り付けられており、手首表面S1に向かうように検出光Kを斜め下方に向けて照射することが可能とされている。光源102は、例えばCPU40からの制御信号によって検出光Kを照射するように構成されている。
受光部103は、例えばフォトディテクタであり、検出光Kを受光したときに、受光信号を例えばCPU40に出力する。これにより、受光信号の有無に基づいて、手首表面S1で反射された検出光Kを受光したか否かを把握することが可能とされている。
受光部103は、光源102と同様にアタッチメント部12の内周面に取り付けられている。具体的には、受光部103は、光源102に対して、アタッチメント部12の中心軸線Oを中心として周方向に180度の間隔をあけて配置されるように取り付けられている。さらに光源102及び受光部103は、交差方向M2に沿って並ぶように配置されている。これにより、光源102及び受光部103は、平面視で橈骨動脈Rを挟んで交差方向M2に向かい合うように配置されている。
特に、図25に示すように、手首表面S1に対して弾性体13を介してアタッチメント部12を所定の押し当て力で押し当て、且つ手首表面S1に対して略垂直にアタッチメント部12を押し当てたときに、手首表面S1で反射した検出光Kが受光部103に入射するように、光源102及び受光部103が取り付けられている。
(脈波センサの作用)
上述のように構成された本実施形態の脈波センサ100によれば、受光部103からの受光信号に基づいて、手首表面S1に対する弾性体13を介したアタッチメント部12の押し当て状態を把握することができ、手首Sに対する脈波センサ100の装着状態を把握することができる。
例えば、図25に示すように、手首表面S1に対して弾性体13を介してアタッチメント部12を所定の押し当て力で押し当て、且つ手首表面S1に対して略垂直にアタッチメント部12を押し当てた場合には、光源102から照射された検出光Kは、手首表面S1で反射した後に受光部103に入射する。これにより、受光部103は、検出光Kを受光すると共に受光信号をCPU40に出力する。従って、受光部103から受光信号が出力されてきたことを受けて、手首表面S1に対して適切な押し当て力、適切な押し当て方向でアタッチメント部12が押し当てられたことを検出(把握)することができる。
これに対して、例えば手首表面S1に対して弾性体13を介してアタッチメント部12が所定の押し当て力で押し当てられていない場合には、手首表面S1で反射した検出光Kが受光部103に入射することがない。また、例えば図26に示すように、手首表面S1に対して弾性体13を介してアタッチメント部12が交差方向M2に傾いた状態で押し当てられた場合には、同様に、手首表面S1で反射した検出光Kが受光部103に入射することがない。従って、これらの場合には、受光部103から受光信号が出力されることがない。
以上のことから、受光信号の有無に基づいて、手首表面S1に対して適切な押し当て力、及び適切な押し当て方向でアタッチメント部12が押し当てられたか否かを検出(把握)することができる。そのため、本実施形態の場合であっても、手首Sに対する脈波センサ100の装着状態を把握することができる。
従って、手首表面S1に対する脈波センサ100の装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定することが可能である。
なお、脈波の測定中に、例えば体動等によって脈波センサ100が位置ずれした場合には、手首表面S1で反射した検出光Kが受光部103から外れる。そのため、位置ずれしたことを適切に把握することが可能である。
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態において、複数組の光源102及び受光部103をアタッチメント部12の内周面に設けても構わない。この場合には、複数の受光部103から出力された受光信号に基づいて、さらに精度良く脈波センサ100の装着状態を把握することが可能となる。それに加え、押し当て方向或いは位置ずれ方向の検出を行うことも可能になるので、好ましい。
さらに、上記第3実施形態において、受光部103として例えば4分割フォトディテクタ等の分割受光素子で構成し、検出光Kの入射位置に対応した受光信号を出力するように構成しても構わない。この場合には、分割受光素子から出力される各受光信号に基づいて、押し当て方向或いは位置ずれ方向をさらに検出し易くなるので、好ましい。しかもこの場合には、1つの受光部103であっても、押し当て方向或いは位置ずれ方向を検出することが可能となるので、好ましい。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る脈波センサ及び脈波測定方法の第4実施形態について図面を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第2実施形態及び第3実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
本実施形態では、第2実施形態で説明した密閉型の脈波センサ90に光源102及び受光部103を適用した場合について説明する。
図27に示すように、本実施形態の脈波センサ110は、第2実施形態と同様に、アタッチメント部12の開口部を塞ぐ弾性膜状の弾性体91を備えている。そして、アタッチメント部12の内周面に、光源102及び受光部103が取り付けられている。
本実施形態では、光源102から照射された検出光Kは、手首表面S1に密着した弾性体91の内面で反射した後に、受光部103に入射可能とされている。
(脈波センサの作用)
上述のように構成された本実施形態の脈波センサ110によれば、第2実施形態及び第3実施形態と同様の作用効果を奏功することができる。
特に、手首Sに対する脈波センサ110の装着状態については、例えば図27に示すように、手首表面S1に対して弾性体91を介してアタッチメント部12を所定の押し当て力で押し当て、且つ手首表面S1に対して略垂直にアタッチメント部12を押し当てた場合には、光源102から照射された検出光Kは、手首表面S1に密着した弾性体91の内面で反射した後に受光部103に入射する。
これに対して、例えば手首表面S1に対して弾性体91を介してアタッチメント部12が所定の押し当て力で押し当てられていない場合には、手首表面S1に密着した弾性体91の内面で反射した検出光Kが受光部103に入射することがない。また、例えば図28に示すように、手首表面S1に対して弾性体91を介してアタッチメント部12が交差方向M2に傾いた状態で押し当てられた場合には、同様に反射した検出光Kが受光部103に入射することがない。従って、これらの場合には、受光部103から受光信号が出力されることがない。
従って、本実施形態の場合であっても、受光信号の有無に基づいて、手首表面S1に対して適切な押し当て力、及び適切な押し当て方向でアタッチメント部12が押し当てられたか否かを検出(把握)することができる。そのため、手首Sに対する脈波センサ110の装着状態を把握することができる。従って、手首表面S1に対する脈波センサ110の装着状態を一定の状態に維持し易く、脈波を精度良く測定することが可能である。
また、脈波の測定中に、例えば体動等によって脈波センサ110が位置ずれした場合には、反射した検出光Kが受光部103から外れる。そのため、位置ずれしたことを適切に把握することが可能である。
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態において、弾性膜状の弾性体91の内面に、金属薄膜等を成膜して、検出光Kの反射率を向上させることが好ましい。この場合には、受光部103による受光精度が向上するので、受光信号に基づいて脈波センサ110の装着状態をより精度良く把握することが可能となる。
なお、反射率を向上させることができれば、金属薄膜等に限定されるものではない。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形例には、例えば当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、均等の範囲のものなどが含まれる。
例えば、上記各実施形態では、人体の腕部を走行する橈骨動脈を測定対象血管として、手首に装着する脈波センサを例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではない。例えば、腕部を巻回するように固定ベルトを取り付けることで、腕部に装着する脈波センサとしても構わない。この場合、測定対象血管としては、橈骨動脈に限定されるものではなく、例えば尺骨動脈或いは上腕動脈であって構わない。
さらには、人体の脚部の巻回するように固定ベルトを取り付けることで、脚部に装着する脈波センサとしても構わない。この場合、測定対象血管としては、例えば大腿動脈であって構わない。さらには、本発明に係る脈波センサを、例えば家畜等の飼育動物或いは実験動物等に装着することも可能である。
また、上記各実施形態では、圧力センサの一例として、カンチレバーを利用したセンサを例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、センサ室の内圧変化に応じて変位するセンサであれば、その他の構造を採用しても構わない。
例えば、センサ室の内圧変化に応じて変位する薄膜のダイヤフラムを有する圧力センサを採用しても構わない。この場合であっても、同様の作用効果を奏功することができる。ただし、カンチレバーを利用する場合には、センサ室の微小な内圧変化であってもカンチレバーを反応良く追従させながら変形させることができるので、脈波をより精度良く、且つ感度良く検出でき、好ましい。
また、上記各実施形態では、ホイートストンブリッジ回路を利用して、変位検出抵抗の抵抗値変化を検出したが、この場合に限定されるものではない。変位検出抵抗の抵抗値変化を検出できれば、抵抗値変化検出回路をどのように構成しても構わない。
さらに、上記各実施形態では、手首表面に対する各種の押し当て情報を、表示部に表示させることで、ユーザに報知させた場合を例に挙げて説明したが、この場合に限定されるものではなく、例えば音声や振動等によって報知するように構成しても構わない。
S…手首(生体)
S1…手首表面(生体表面)
1、90、100、110…脈波センサ
3…固定ベルト(固定部材)
11…センサ室
12…アタッチメント部
13、91…弾性体
14…圧力センサ
15…脈波検出部
16…応力センサ
17、101…測定状態検出部
31…SOI基板(基板)
35…連通孔
37…第1ギャップ(ギャップ)
42…表示部(報知部)
46…情報算出部(処理部)
50…カンチレバー
54…変位検出抵抗
60…ホイートストンブリッジ回路(抵抗値変化検出回路)
82…矢印

Claims (17)

  1. 生体表面に押し当てられる開口部及び内部にセンサ室を有するアタッチメント部と、
    前記アタッチメント部が前記生体表面に押し当てられた際に、生体の脈動に対応して変化する前記センサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサと、
    前記圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、
    前記生体表面に押し当てられた前記アタッチメント部の押し当て状態に基づいて、前記脈波の測定状態を検出する測定状態検出部と、を備えることを特徴とする脈波センサ。
  2. 請求項1に記載の脈波センサにおいて、
    前記アタッチメント部における前記生体表面側に設けられ、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て時に弾性変形可能な弾性体を備え、
    前記測定状態検出部は、前記弾性体に取り付けられ、該弾性体の弾性変形に対応した応力信号を出力する応力センサを備えている、脈波センサ。
  3. 請求項2に記載の脈波センサにおいて、
    前記弾性体は、前記生体表面側に開口したリング状に形成されている、脈波センサ。
  4. 請求項2に記載の脈波センサにおいて、
    前記弾性体は、前記アタッチメント部の開口部を塞ぐ弾性膜状に形成され、
    前記弾性体と協働して前記センサ室を覆う密閉部材を有し、
    前記センサ室の内圧は、外気圧よりも高い圧力に設定され、前記弾性体を前記生体表面側に向けて予め膨出するように弾性変形させている、脈波センサ。
  5. 請求項2から4のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記弾性体は、前記生体表面の弾性よりも低い弾性の弾性材料で形成されている、脈波センサ。
  6. 請求項2から5のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記応力センサは、前記弾性体に対して、前記アタッチメント部の周方向に間隔をあけて複数取り付けられている、脈波センサ。
  7. 請求項2から6のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記応力信号に基づいて、前記生体表面に対する前記弾性体を介した前記アタッチメント部の押し当てに関する押し当て情報を算出する処理部と、
    前記押し当て情報を外部に報知する報知部と、を備えている、脈波センサ。
  8. 請求項7に記載の脈波センサにおいて、
    前記報知部は、前記押し当て情報を表示する表示部である、脈波センサ。
  9. 請求項8に記載の脈波センサにおいて、
    前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て力を算出し、
    前記表示部は、算出された前記押し当て力を表示するときに、予め決められた押し当て力の適正範囲と関連付けて表示を行う、脈波センサ。
  10. 請求項8又は9に記載の脈波センサにおいて、
    前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て方向を算出し、
    前記表示部は、算出された前記押し当て方向を表示する、脈波センサ。
  11. 請求項8から10のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記処理部は、前記押し当て情報として、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て位置からの位置ずれ量及び位置ずれ方向を算出し、
    前記表示部は、算出された前記位置ずれ量及び前記位置ずれ方向を表示するときに、前記押し当て位置を中心として、前記位置ずれ量に対応した矢印長さ、及び前記位置ずれ方向に対応した矢印方向で構成される矢印を表示する、脈波センサ。
  12. 請求項8から11のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記処理部は、前記圧力センサの変位及び前記押し当て情報に基づいて、前記脈波検出部による検出結果の信頼性を算出し、
    前記表示部は、算出した信頼性を表示する、脈波センサ。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記アタッチメント部を前記生体に対して取り外し可能に固定する固定部材を備えている、脈波センサ。
  14. 請求項1から13のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記圧力センサは、
    前記センサ室内に連通する連通孔が形成された基板と、
    前記連通孔を覆うように前記基板に片持ち状態で接続され、前記連通孔を通じた前記センサ室内の内圧変化に応じて撓み変形するカンチレバーと、を備え、
    前記カンチレバーは、前記基板の平面視で、所定のギャップをあけた状態で前記連通孔の内側に配置されることで、前記連通孔を部分的に覆うように形成され、
    前記脈波検出部は、前記カンチレバーの撓み変形に応じて抵抗値が変化する変位検出抵抗を含む抵抗値変化検出回路を有し、前記変位検出抵抗の抵抗値変化に対応した前記抵抗値変化検出回路からの出力信号に基づいて前記脈波を検出する、脈波センサ。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の脈波センサにおいて、
    前記センサ室は、血管幅が2mm〜4mmの範囲内の動脈に起因する前記生体表面の変動に対応して内圧が変化する、脈波センサ。
  16. 生体表面に押し当て可能とされ、内部にセンサ室を有するアタッチメント部と、前記センサ室の内圧変化に応じて変位する圧力センサと、前記圧力センサの変位に基づいて脈波を検出する脈波検出部と、前記生体表面に押し当てられた前記アタッチメント部の押し当て状態に基づいて、前記脈波の測定状態を検出する測定状態検出部と、を備え、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て時に、生体の脈動に対応して前記センサ室の内圧が変化する脈波センサを利用して、前記脈波を測定する脈波測定方法であって、
    前記測定状態検出部による検出結果に基づいて、前記生体表面に対する前記脈波センサの装着状態を判断する判断工程と、
    前記脈波センサの装着状態が予め決められた状態である場合に、前記脈波の検出を開始する測定工程と、を備えていることを特徴とする脈波測定方法。
  17. 請求項16に記載の脈波測定方法において、
    前記測定工程の際、前記測定状態検出部による検出結果に基づいて、前記生体表面に対する前記アタッチメント部の押し当て位置からの位置ずれ方向及び位置ずれ量を算出する、脈波測定方法。
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