しかし、揚重機を使用するときはクレーン操縦者、玉掛作業者及び指揮者等が必要となるため人員が必要であり、且つ揚重機周辺の他作業者は作業を中断し退避する必要がある。また、現場で揚重機を使用するには届け出等が必要である場合があり、その手続きを行う手間が掛かる。そのため、人の手によって建築用足場に用いられる小型の揚重機を運搬することが好ましいが、法律や規則により、建築現場での一人当たりの運搬可能重量が決められており、建築用足場に用いられる小型の揚重機は、重量が重いため人力で建築用足場の上段に運ぶことができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、建築用足場に用いられる小型の揚重機を人力で建築用足場の上段へ持ち運べるように、小分けに分解でき、建築用足場の上段で組み立てることができる揚重機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に掛かる揚重機は、鉛直方向に長尺な柱部と前記柱部から水平方向に伸びる長尺な棒状のアーム部と前記アーム部に吊り下げられる巻上げ装置とを備える起重機本体と、鉛直方向に長尺な棒状で前記柱部が固定される取付部と、水平方向に長尺な角型鋼材で、両端が建築用足場を構成する二本の縦パイプ材の上端に固定される基部と、前記基部に載置固定され、前記取付部が取り付けられる揚重機台と、鉛直方向に長尺な棒状で、下端が水平方向に長尺な姿勢の丸パイプ材を介して二本の前記縦パイプ材に固定され、前記揚重機台を貫通し、前記揚重機台に取り付けられた前記取付部が固定される縦補強部と、長尺な棒状で、一端が前記取付部の上端及び前記縦補強部の上端に固定され、他端が前記取付部からみて前記起重機本体が固定される反対方向にある前記建築用足場を構成するパイプ材に固定される後補強部と、を備え、前記起重機本体と、前記取付部と、前記揚重機台と、前記基部と、前記縦補強部と、前記後補強部と、が着脱自在であることを特徴とする。
上記課題を解決するために本発明に掛かる揚重機は、鉛直方向に長尺な柱部と前記柱部から水平方向に伸びる長尺な棒状のアーム部と前記アーム部に吊り下げられる巻上げ装置とを備える起重機本体と、鉛直方向に長尺な棒状で前記柱部が固定される取付部と、前記建築用足場に沿って左右一対ずつ配置されるように前記建築用足場を構成する縦パイプ材に固定されるガイドレールと、前記ガイドレールに嵌合する転動輪と水平方向に長尺な角型鋼材の基部とを備える台車と、前記基部に載置固定され、前記取付部が取り付けられる揚重機台と、鉛直方向に長尺な棒状で、下端が水平方向に長尺な姿勢の丸パイプ材を介して二本の前記縦パイプ材に固定され、前記揚重機台を貫通し、前記揚重機台に取り付けられた前記取付部が固定される縦補強部と、長尺な棒状で、一端が前記取付部の上端及び前記縦補強部の上端に固定され、他端が前記取付部からみて前記起重機本体が固定される反対方向にある前記建築用足場を構成するパイプ材に固定される後補強部と、を備え、前記起重機本体と、前記取付部と、前記揚重機台と、前記ガイドレールと、前記台車と、前記縦補強部と、前記後補強部と、が着脱自在であることを特徴とする。
さらに、前記台車は、水平方向の一方に長尺な形状であり、前記転動輪を当該台車の長尺な方向に回動自在なように取り付けるための少なくとも四つ以上の長尺方向転動輪取付部と、前記転動輪を当該台車の短尺な方向に回動自在なように取り付けるための少なくとも4つ以上の短尺方向転動輪取付部と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記台車は、少なくとも二つ以上の子台車からなり、少なくとも二つ以上の前記子台車は、互いに着脱可能であることを特徴とする。
さらに、前記ガイドレールは、長尺なリップ溝形鋼であり、前記ガイドレールには、開閉ガイドレールが含まれ、前記開閉ガイドレールは、当該開閉ガイドレールの一方のリップと、当該リップと直角に繋がる面と、の一部が、当該開閉ガイドレールから切り離された可動板と、前記可動板が前記開閉ガイドレールから切り離される前の位置にある状態と前記開閉ガイドレールの前記可動板が切り離された箇所を開放するように前記可動板が回動した状態とに移行可能な開閉部を備え、さらに、前記開閉ガイドレールは、前記可動板が前記開閉ガイドレールから切り離される前の位置にある状態を維持する閉状態維持部を備えることを特徴とする。
さらに、前記揚重機台は、水平方向に広がる板状の土台部と、前記土台部の下面から下方向に向かって伸びる板状の第一挟持部と、前記第一挟持部に対して平行に広がり、前記第一挟持部とで前記基部を挟むように前記土台部の下面から下方向に向かって伸びる板状の第二挟持部と、鉛直方向に伸びる筒状で前記第一挟持部の前記第二挟持部に対面する面の反対側の面に接するように前記土台部を貫通し、前記土台部及び前記第一挟持部に固定される縦補強部挿入筒と、鉛直方向に伸びる筒状で前記縦補強部挿入筒と隣り合うように前記第一挟持部と前記第二挟持部との間の前記土台部の上面に固定される取付部挿入筒と、を備えることを特徴とする。
さらに、前記揚重機台は、当該揚重機台の下面に、前記基部の上面に接する少なくとも二つ以上の回動当接部を備え、前記回動当接部は、前記基部の長尺方向に沿って走行できるように回動自在であることを特徴とする。
さらに、前記縦補強部は、長尺な円柱状又は長尺な角柱状であることを特徴とする。
さらに、前記後補強部は、長尺な円柱状又は長尺な角柱状であることを特徴とする。
さらに、前記取付部は、長尺な円柱状又は長尺な角柱状であることを特徴とする。
本発明に係る揚重機によると、起重機本体と、取付部と、揚重機台と、基部と、縦補強部と、後補強部と、に小分けに分解することができ、小分けにしたそれぞれの部材を一つずつ運搬することで、運搬時の重量を軽量化できる。
本発明に係る揚重機によると、起重機本体と、取付部と、揚重機台と、ガイドレールと、台車と、縦補強部と、後補強部と、に小分けに分解することができ、小分けにしたそれぞれの部材を一つずつ運搬することで、運搬時の重量を軽量化できる。また、縦補強部と、後補強部と、を取り外した状態で、ガイドレールに沿って台車を走行させることで、揚重機を移動させることができる。
さらに、台車の転動輪を長尺方向転動輪取付部又は短尺方向転動輪取付部のどちらか一方に取り付けることを選択することで、建築用足場の幅に合わせて、台車の走行させる向きを変更することができる。
さらに、台車を子台車に小分けにすることができるため、小分けにしたそれぞれの子台車を一つずつ運搬することで、運搬時の重量を軽量化することができる。
さらに、開閉ガイドレールの開閉部を開き、そこから台車の転動輪をガイドレールに嵌合させることができる、又は台車の転動輪をガイドレールから取り外すことができる。そのため、ガイドレールの端から台車の転動輪をガイドレールに嵌合させる、又はガイドレールの端から台車の転動輪をガイドレールから取り外す作業に比べ、安全に作業が行える。
さらに、縦補強部が揚重機台を貫通することで揚重機台を支持し、また、縦補強部挿入筒が、土台部と、第一挟持部の前記第二挟持部に対面する面の反対側の面と、に固定されることで釣り荷の重量により力が掛かる第一挟持部の強度を上げることができる。
さらに、基部の上面に回動当接部が接することで、縦補強部と、後補強部と、を取り外した状態で、揚重機台は、基部の上面を走行することができ、揚重機を移動させることができる。
初めに、本発明に係る揚重機の実施形態について、第一実施形態として図面を参照しつつ説明する。第一実施形態の揚重機1aは、図4に示すように、起重機本体2と、起重機本体2が固定される取付部8と、取付部8が取り付けられる揚重機台12aと、揚重機台12aが載置され固定される基部38aと、揚重機台12aを支持する縦補強部26と、取付部8及び縦補強部26を支持する後補強部29と、を備える。
図1に示すように、基部38aは、水平方向に長尺で、長尺方向の両端に鉛直方向に貫通する固定穴77を有する角型鋼材である。そして、基部38aは、連結部材96と、二つのジャッキ部材91と、によって建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。
図1に示すように、連結部材96は、水平方向に広がる厚みのある円盤状の係止部95と、係止部95上面から上方に伸びる雄ネジの上部94と、係止部95下面から下方に伸びる雄ネジの下部93と、を備え、上部94及び下部93の夫々に水平方向に貫通する固定穴92を有する部材である。ジャッキ部材91は、水平方向に広がる厚みのある円盤状であり、連結部材96の上部94又は下部93と螺合するように、当該ジャッキ部材91の中央には鉛直方向に貫通する雌ネジ90を有する部材である。まず、上方から縦パイプ材98の上端に連結部材96の下部93を挿入し、係止部95を縦パイプ材98の上端に係止させる。このとき、縦パイプ材98には、連結部材96の下部93の固定穴92と重なる位置に固定穴97を有し、ボルト89を縦パイプ材98と、連結部材96の下部93と、を貫通するように、固定穴92と、固定穴97と、に通し、ボルト89の先端からナット88を締め付けることで、連結部材96と、縦パイプ材98と、を固定する。そして、上方から連結部材96の上部94に一つ目のジャッキ部材91を螺合させる。次に、連結部材96の上部94が基部38aの固定穴77を通り、一つ目のジャッキ部材91の上面に基部38aが載置されるように、上方から基部38aを連結部材96の上部94に取り付ける。次に、上方から連結部材96の上部94に二つ目のジャッキ部材91を螺合させ、二つのジャッキ部材91で基部38aを締め付けることで、基部38aは、建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。このとき、一つ目のジャッキ部材91の連結部材96の上部94に螺合する高さを変更することで、縦パイプ材98の上端に固定される基部38aの高さを変更することができる。図1で、基部38aは、建築用足場100の左右に跨るように建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定されているが、長さの異なる基部38aを用いることで、どの建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定されても良い。
次に、縦補強部26について説明する。図1及び図3に示すように、縦補強部26は、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材である。建築用足場100を構成する二本の縦パイプ材98に水平方向に長尺な鋼材の丸パイプ材27をクランプ87によって固定し、さらに丸パイプ材27に鋼材の丸パイプ材28をクランプ28によって固定する。そして、縦補強部26の上端が建築用足場100の上方に突出するように、丸パイプ材28に当該縦補強部26の下端をクランプ87で固定する。このとき、後述する揚重機台12aが当該揚重機台12aが備える第一挟持部14と、第二挟持部15と、で基部38を挟み、且つ縦補強部挿入筒19に縦補強部26が挿入できるように、縦補強部26は基部38aと少しの間隔をあけて隣接するように固定される。
次に、揚重機台12aについて説明する。図2(a)は、揚重機台12aの正面図であり、図2(b)は、揚重機台12aの鳥瞰図であり、図2(c)は、揚重機台12aの側面図である。図2に示すように、揚重機台12aは、土台部13と、第一挟持部14と、第二挟持部15と、縦補強部挿入筒19と、取付部挿入筒20と、二つの回動当接部21と、を備える。土台部13は、水平方向に方形に広がる板状の部材である。第一挟持部14は、土台部13の下面から下方向に向かって伸びる板状の部材である。第二挟持部15は、第一挟持部14に対して平行に広がり、第一挟持部14と間をあけて前記土台部13の下面から下方向に向かって伸びる板状の部材である。第一挟持部14と、第二挟持部15と、の間の長さは、基部38aの水平方向の短尺方向の長さと同じ長さであり、第一挟持部14と、第二挟持部15と、で基部38aを挟むようになされている。また、第一挟持部14と、第二挟持部15と、の鉛直方向の長さは、基部38aの鉛直方向の長さより長い。縦補強部挿入筒19は、鉛直方向に伸びる筒状の部材であり、土台部13を鉛直方向に貫通し、且つ第一挟持部14の第二挟持部15に対面する面の反対側の面に接するように土台部13及び第一挟持部14に溶接で固定される。取付部挿入筒20は、縦補強部挿入筒19と隣り合うように第一挟持部14と第二挟持部15との間の土台部13の上面に固定される鉛直方向に伸びる筒状の部材である。回動当接部21は、水平方向に長尺な円柱状の軸部22と、軸部22を回動自在にするように軸部22の両端を固定する二つのピローブロック23と、からなる。図2(b)に示すように、第一挟持部14に平行な板状の二枚の取付板25が、第一挟持部14の面内方向に広がり第一挟持部14を挟むように揚重機台12aの下面に固定され、同様に、第二挟持部15に平行な板状の二枚の取付板25が、第二挟持部15の面内方向に広がり第二挟持部15を挟むように揚重機台12aの下面に固定される。そして図2に示すように、夫々の取付板25には、L字型鋼材24が一つずつ固定される。L字型鋼材24は、当該L字型鋼材24の一方の面が上方を向き、当該L字型鋼材24の他方の面が取付板25に面し、且つ二つのL字型鋼材24で第一挟持部14と、第二挟持部15と、を挟み込むように、夫々の取付板25に固定される。そして、回動当接部21は、当該回動当接部21の軸部22の回動方向が、第一挟持部14及び第二挟持部15の面内方向に平行な方向になるように、L字型鋼材24の上面にピローブロック23が固定されることで、回動当接部21は、揚重機台12aに固定される。このとき、二つの回動当接部21が、第一挟持部14及び第二挟持部15を水平方向で挟むように備えられる。また、回動当接部21の軸部22の下端が、土台部13の下面より低くなるようにピローブロック23はL字型鋼材によって揚重機台12aに取り付けられる。
そして、図3に示すように、揚重機台12aは、縦補強部26を縦補強部挿入筒19に下方から挿入するように、基部38aに載置される。このとき、第一挟持部14と、第二挟持部15と、によって、基部38aを挟むように、基部38aの上面に載置される。そして、図2(c)に示すように、第一挟持部14及び第二挟持部15は、第一挟持部14及び第二挟持部15の基部38aより下方に飛び出した箇所に、夫々固定穴16を有しており、ボルト17を、固定穴16と、固定穴16と、に通し、ボルト17の先端からナット18を締め付けることで、揚重機台12aは基部38aに固定される。
次に、取付部8と、起重機本体2とについて説明する。図3及び図4に示すように、取付部8は、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材9と、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材10と、T型の鋼材であるブリッジ材11と、からなり、ブリッジ材11によって、丸パイプ材9と、丸パイプ材10と、が互いに隙間を空けて平行に並ぶように、溶接で固定することで形成されたものである。本実施形態では、二本の丸パイプ材によって取付部8を形成しているが、一本の丸パイプ材であっても良い。そして、揚重機台12aの取付部挿入筒20に、上方から取付部8の丸パイプ材9の下端を挿入することで取付部8は揚重機台12aに取り付けられ、丸パイプ材9と、縦補強部26と、をクランプ87で固定することで、取付部8は縦補強部26に固定される。図3及び図4に示すように、起重機本体2は、鉛直方向に長尺な角型鋼材の柱部3と、水平方向に長尺な角型鋼材であり、基端が柱部3の下端に固定されるアーム部5と、アーム部5に取付けられる図示しない巻上げ装置と、を備えるものである。図示しないが本実施形態では、巻上げ装置は、ホイストである。また、柱部3の上端とアーム部5の先端とに両端が固定されるテンションバー7を備え、アーム部5が固定される柱部3の下端と、テンションバー7の一端が固定される柱部3の上端と、はアーム部5が柱部3を中心に水平方向に回動できる構造となっている。そして、柱部3は、起重機本体2を取付部8に固定する為のクランプ4を備え、当該クランプ4に取付部8を固定することで、起重機本体2は、取付部8に固定される。取付部8を縦補強部26に固定することと、起重機本体2を取付部8に固定することと、はどちらを先に行ってもよい。
次に、後補強部29について説明する。図4に示すように、後補強部29は、長尺な鋼材の丸パイプ材である。本実施例では、二本の後補強部29が使用される。まず、縦補強部26の上端と、取付部8の丸パイプ材9の上端と、に水平方向に長尺な鋼材の丸パイプ材30が三連クランプ86によって固定される。次に、丸パイプ材30に二本の後補強部29の夫々の一端がクランプ87によって固定される。そして、取付部8から見て、起重機本体2が固定される方向の反対方向に位置する建築用足場100を構成するパイプ材99に、二本の後補強部29の夫々の他端が、クランプ87によって固定される。これにより、本実施形態の揚重機1aが重量物を吊り下げたときに、揚重機1aの全体に、アーム部5の先端から下方に向かって回転するような力が掛かるが、後補強部29が縦補強部26の上端と、取付部8の上端と、を、取付部8から見て、起重機本体2が固定される方向の反対方向に向かって引っ張るように支持することで、揚重機1aのバランスがとられる。また、縦補強部26によって、揚重機台12aと、取付部8と、が支持されることで、揚重機1aのバランスがとられ、且つ揚重機台12aの縦補強部挿入筒19が、第一挟持部14に接し溶接で固定されることで、釣り荷の重量により力が掛かる第一挟持部14の強度を上げている。そして、起重機本体に備える巻上げ装置によって建築用部材等の釣り荷を運搬することができる。
以上のように、一実施形態の揚重機1aは、起重機本体2と、取付部8と、揚重機台12aと、基部38aと、縦補強部26と、後補強部29と、がボルトとナットやクランプによって固定されており、容易に小分けに分解することと、又は組み立てることと、ができ、小分けにして運搬することで、運搬時の重量を軽くすることができる。
また、後補強部29と、縦補強部26と、第一挟持部14と第二挟持部15とに使用されるボルトと、ナットと、を取り外すことで、図5(a)及び図5(b)に示すように、揚重機台12aを基部38aの長尺方向に沿って、移動させることができ、揚重機1aの位置の調整ができる。図5(a)及び図5(b)は、起重機本体2及び取付部8を省略した図である。
続いて、本発明に係る揚重機の実施形態について、第二実施形態として図面を参照しつつ説明する。第二実施形態の揚重機1bは、図16に示すように、起重機本体2と、起重機本体2が固定される取付部8と、取付部8が取り付けられる揚重機台12bと、揚重機台12bが載置され固定される基部38bを備える台車31と、台車31を建築用足場100に沿って走行可能とするガイドレール45と、揚重機台12bを支持する縦補強部26と、取付部8及び縦補強部26を支持する後補強部29と、を備える。
図6(a)は、ガイドレール45の断面図であり、図6(b)は、ガイドレール45の長尺方向を省略し、ガイドレール45の両端を示す側面図である。図6に示すように、ガイドレール45は、水平方向に長尺なリップ溝形鋼であり、リップ46によって解放された面が水平方向を向く姿勢で後述するガイドレール連結金具61によって、複数のガイドレール45が一直線上に連結され、且つ建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。また、図6(a)に示しように、ガイドレール45は、その断面が上下対象であり、図6(b)に示すように、ガイドレール45の長尺方向の両端のリップ46によって解放された面に対向する面51に、後述するガイドレール連結金具61と、当該ガイドレール45と、を固定するための固定穴48を有する。そして、ガイドレール45は、当該ガイドレール45の内部47に後述する転動輪42が嵌合し、転動輪42が回動することで、転動輪42が取り付けられた台車31が当該ガイドレール45に沿って走行できるようにするものである。
図10に示すように、ガイドレール連結金具61は、リップ溝形鋼であるガイドレール固定部62と、鉛直方向に伸びる円筒状で、ガイドレール固定部62のリップ63によって解放された面に対向する面64に固定される取付用貫通筒65と、を備える。そして、図13に示すように、ガイドレール連結金具61は、連結部材96と、二つのジャッキ部材91と、によって建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。
図13に示しように、連結部材96は、水平方向に広がる厚みのある円盤状の係止部95と、係止部95の上面から上方に伸びる雄ネジの上部94と、係止部95の下面から下方に伸びる雄ネジの下部93と、を備え、上部94及び下部93の夫々に水平方向に貫通する固定穴92を有する部材である。ジャッキ部材91は、水平方向に広がる厚みのある円盤状であり、連結部材96の上部94又は下部93と螺合するように、当該ジャッキ部材91の中央には鉛直方向に貫通する雌ネジ90を有する部材である。まず、上方から縦パイプ材98の上端に連結部材96の下部93を挿入し、係止部95を縦パイプ材98の上端に係止させる。このとき、縦パイプ材98には、連結部材96の下部93の固定穴92と重なる位置に固定穴97を有し、ボルト89を縦パイプ材98と、連結部材96の下部93と、を貫通するように、固定穴97と、固定穴92と、に通し、ボルト89の先端からナット88を締め付けることで、連結部材96と、縦パイプ材98と、を固定する。そして、上方から連結部材96の上部94に一つ目のジャッキ部材91を螺合させる。次に、連結部材96の上部94が取付用貫通筒65を通り、一つ目のジャッキ部材91の上面に取付用貫通筒65が載置されるように、上方からガイドレール連結金具61を連結部材96の上部94に取り付ける。次に、上方から連結部材96の上部94に二つ目のジャッキ部材91を螺合させ、二つのジャッキ部材91で取付用貫通筒65を締め付けることで、ガイドレール連結金具61は、建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。このとき、一つ目のジャッキ部材91の連結部材96の上部94に螺合する高さを変更することで、縦パイプ材98の上端に固定されるガイドレール連結金具61の高さを変更することができる。ガイドレール連結金具61は、図15に示すように、建築用足場100に沿って左右一対ずつ配置されるように建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。また、図13に示すように、建築用足場100に沿って左右一対に固定された二つのガイドレール連結金具61は互いにガイドレール固定部62が向かい合うように建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。
図10に示すように、建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定されたガイドレール連結金具61に、二本のガイドレール45の端同士が互いに接するように、ガイドレール固定部62の両端から夫々ガイドレール45が挿入されることで、二本のガイドレール45を連結させる。このとき、ガイドレール固定部62のリップ63と、ガイドレール45のリップ46と、が重なるようにガイドレール45はガイドレール固定部62に挿入される。そして、ガイドレール連結金具61は、ガイドレール固定部62のリップ63によって解放された面に対向する面64に、当該ガイドレール連結金具61に挿入された二本のガイドレール45の夫々が有する固定穴48と重なる二つの固定穴66を有しており、ガイドレール45の内部47から図示しないボルトをガイドレール45と、ガイドレール連結金具61と、を貫通するように固定穴48と、固定穴66と、に通し、図示しないボルトの先端から図示しないナットを締め付けることで、ガイドレール45と、ガイドレール連結金具61と、を固定する。よって、ガイドレール45は、建築用足場100を構成する縦パイプ材98の上端に固定される。ガイドレール45と、ガイドレール連結金具61と、を固定するために使用されるボルトは、後述する台車31の走行を妨げないように、低頭ボルトが使用されるが、番線を用いた固定等の後述する台車31の走行を妨げない他の固定方法でも良い。また、ガイドレール固定部62のリップ63は、後述する転動輪42の走行を妨げないようにガイドレール45のリップ46より図6(a)に示すガイドレール45の二つのリップ46の間50に向かってはみ出さない大きさであり、取付用貫通筒65の内径は、連結部材96の上部94の外径よりも大きく、且つ後述する連結部材96の係止部95の外径より小さい。
次に、台車31について説明する。図12(a)及び図12(b)に示すように、台車31は、基部38bと、長尺方向転動輪取付部39と、短尺方向転動輪取付部40と、転動輪42と、を備え、ガイドレール45に沿って走行することができるものである。また、図11に示すように、台車31は、二つの子台車32を連結することで形成される。子台車32は、互いに平行な二本の水平方向に長尺な角型鋼材33と、鉛直方向に広がり水平方向に長尺な互いに平行な二枚の板材34と、によって角型鋼材33と、板材34と、が互いに直角に繋がり中央が開放されるように方形に固定されることで形成され、一方の板材34に水平方向に貫通する四つの固定穴35を有するものである。基部38bは、水平方向に長尺な角型鋼材であり、当該基部38bの両端が、二本の平行な角型鋼材33の互いに向かい合う面に夫々直角になるように固定される。そして、同形状の二つの子台車32を、互いに有する四つの固定穴35が重なるように隣接させ、ボルト36を、重なり合った固定穴35と、固定穴35と、に通し、ボルト36の先端からナット37を締め付けることで、二つの子台車32を連結固定させることで台車31が形成される。よって、台車31は容易に二つの子台車32に分解することができ、また、容易に二つの子台車32を連結させ台車31を形成することができるため、台車31を運搬するときは、子台車32に分解し小分けにすることで、運搬時の重量を軽くすることができる。
転動輪42は、図13に示すように、水平方向に長尺な円柱状の軸部43と、軸部43の一端に固定されるタイヤ44と、によって形成されるものである。また、台車は、幅が異なる建築用足場でも、台車の向きを変更することで、建築用足場を構成する縦パイプ材の上端に固定されたガイドレールに沿って台車が走行できるように、台車を上方から見下ろしたときに、長さの異なる辺からなる長方形になるように形成され、本実施例では、図12(a)に示すように、基部38bの長尺方向に垂直な水平方向の台車31の長さ69が、基部38bの長尺方向に平行な水平方向の台車31の長さ70より長い長方形となっている。そして、台車31は、当該台車31の向きを変えてもガイドレール45に沿って走行できるように、台車31の長尺方向が当該台車31がガイドレール45に沿って走行するときの進退方向となるように転動輪42を取付け固定する長尺方向転動輪取付部39と、台車31の短尺方向が当該台車31がガイドレール45に沿って走行するときの進退方向となるように転動輪42を取付け固定する短尺方向転動輪取付部40と、を備える。
長尺方向転動輪取付部39はピローブロックであり、台車31を支える四つの転動輪42を取付け固定できるように、四つの長尺方向転動輪取付部39がL字型鋼41によって台車31に固定される。図12に示すように、L字型鋼材41が、当該L字型鋼材41の入隅が台車31の水平方向に長尺な一対の側面71の下端の出隅に面するように夫々二つずつ溶接で固定され、夫々のL字型鋼材41の下面に長尺方向転動輪取付部39が固定される。このとき、長尺方向転動輪取付部39は、当該長尺方向転動輪取付部39に取り付けた転動輪42が、台車31の水平方向に長尺な側面71の面内方向と平行に回動自在になるように固定される。短尺方向転動輪取付部40は、ピローブロックであり、台車31を支える四つの転動輪42を取付け固定できるように、四つの短尺方向転動輪取付部40がL字型鋼材41によって台車31に固定される。図12に示すように、L字型鋼材41が、当該L字型鋼材41の入隅が台車31の水平方向に短尺な一対の側面72の下端の出隅に面するように夫々二つずつ溶接で固定され、夫々のL字型鋼材41の下面に短尺方向転動輪取付部40が固定される。このとき、短尺方向転動輪取付部40は、当該短尺方向転動輪取付部40に取り付けた転動輪42が、台車31の水平方向に短尺な側面72の面内方向と平行に回動自在になるように固定される。そして、図12(a)に示すように、四つの短尺方向転動輪取付部40に、夫々転動輪42の軸部43を取り付けることで、台車31の短尺方向を進退方向とした向きで、台車31をガイドレール45に沿って走行させることができ、図12(b)に示すように、四つの長尺方向転動輪取付部39に、夫々転動輪42の軸部43を取り付けることで、台車31の長尺方向を進退方向とした向きで、台車31をガイドレール45に沿って走行させることができる。転動輪42は、図13に示すように、当該転動輪42の軸部43を短尺方向転動輪取付部40又は長尺方向転動輪取付部39に回動可能なように取付け固定され、転動輪42の軸部43の短尺方向転動輪取付部40又は長尺方向転動輪取付部39に固定される位置を調整することで、四つの転動輪42が、建築用足場100に沿って左右一対に固定される二本のガイドレール45に嵌合できるよう微調整ができるようになされている。
次に、開閉ガイドレール52について説明する。図7(b)及び図8(b)は、開閉ガイドレール52の長尺方向を省略した斜視図である。図7及び図8に示すように、開閉ガイドレール52は、ガイドレール連結金具61に干渉しない位置に開閉部53と、閉状態維持部56と、を備えたガイドレール45である。開閉部53は、可動板54と、蝶番55と、からなる。図8に示すように、可動板54は、ガイドレール45の一方のリップ46aと、当該リップ46aと直角に繋がる面74と、の一部がガイドレール45から切り離されものである。蝶番55は、可動板54と、ガイドレール45のリップ46によって解放された面に対向する面51と、に固定され、可動板54を回動自在にするものである。開閉部53は、図7に示すように、可動板54がガイドレール45から切り離される前の位置にある閉状態と、図8に示すように、可動板54が蝶番55によって回動することで、可動板54が切り離されたガイドレール45の箇所が開放された開状態と、に移行することができる。閉状態維持部56は、水平方向に広がる板状で一つの固定穴75を有する二枚の固定板57と、板状で二つの固定穴76を有する被固定板58と、からなる。図8に示すように、開閉部53が開状態のときに、二枚の固定板57は、可動板54が切り離されたガイドレール45の箇所を挟むようにガイドレール45の一方のリップ46aと直角に繋がる面74に固定される。被固定板58は、図7に示すように、開閉部53が閉状態のときに二枚の固定板57と重なり、且つ図8(a)に示すように、可動板54とで蝶番55を挟むように、蝶番55に固定される。図7(a)に示すように、開閉部53が閉状態のときに、二枚の固定板57が有する計二つの固定穴75と、被固定板58が有する二つの固定穴76と、が、重なるようになされており、ボルト59を、固定穴75と、固定穴76と、に通し、ボルト59の先端からナット60を締め付けることで、固定板57と、被固定板58と、を固定し、開閉部53を閉状態に維持することができる。
そして、図9に示すように、開閉部53を開状態にすることで、転動輪42をガイドレール45に嵌合させることと、転動輪42をガイドレール45から取り出すことと、が安全且つ容易に可能である。また、ガイドレール45は上下対象であるため、図9(a)及び図9(b)に示すように、開閉部53が下方、又は上方どちらに向けても使用可能である。開閉ガイドレール52は、二本の開閉ガイドレール52が互いに向かい合う一対になるように、建築用足場100を構成する縦パイプ材98に固定されることで、台車31に備えた転動輪42を同時に二本ずつガイドレール45に嵌合させること、又はガイドレール45から取り出すこと、が可能となる。
次に、縦補強部26について説明する。図13及び図15に示すように、縦補強部26は、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材である。建築用足場100を構成する二本の縦パイプ材98に水平方向に長尺な鋼材の丸パイプ材27をクランプ87によって固定し、さらに丸パイプ材27に鋼材の丸パイプ材28をクランプ87によって固定する。そして、縦補強部26の上端が建築用足場100の上方に突出するように、丸パイプ材28に当該縦補強部26の下端をクランプ87で固定する。このとき、図15に示すように、台車31は、後述する揚重機台12bが、当該揚重機台12bが備える第一挟持部14と、第二挟持部15と、で台車31が備える一方の基部18を挟み、且つ縦補強部挿入筒19に縦補強部16が挿入できるように、縦補強部26が当該台車31の一方の基部38bと少しの間隔をあけて隣接する位置に配置される。
次に、揚重機台12bについて説明する。図14(a)は、揚重機台12bの正面図であり、図14(b)は、揚重機台12bの鳥瞰図であり、図14(c)は、揚重機台12b12の側面図である。図14に示すように、揚重機台12bは、土台部13と、第一挟持部14と、第二挟持部15と、縦補強部挿入筒19と、取付部挿入筒20と、二つの回動当接部21と、を備える。土台部13は、水平方向に方形に広がる板状の部材である。第一挟持部14は、土台部13の下面から下方向に向かって伸びる板状の部材である。第二挟持部15は、第一挟持部14に対して平行に広がり、第一挟持部14と間をあけて前記土台部13の下面から下方向に向かって伸びる板状の部材である。第一挟持部14と、第二挟持部15と、の間の長さは、台車31の基部38bの水平方向の短尺方向の長さと同じ長さであり、第一挟持部14と、第二挟持部15と、で基部38bを挟むようになされている。また、第一挟持部14と、第二挟持部15と、の鉛直方向の長さは、基部38bの鉛直方向の長さより長い。縦補強部挿入筒19は、鉛直方向に伸びる筒状の部材であり、土台部13を鉛直方向に貫通し、且つ第一挟持部14の第二挟持部15に対面する面の反対側の面に接するように土台部13及び第一挟持部14に溶接で固定される。取付部挿入筒20は、縦補強部挿入筒19と隣り合うように第一挟持部14と第二挟持部15との間の土台部13の上面に固定される鉛直方向に伸びる筒状の部材である。回動当接部21は、水平方向に長尺な円柱状の軸部22と、軸部22を回動自在にするように軸部22の両端を固定する二つのピローブロック23と、からなる。一本のL字型鋼材24が、当該L字型鋼材24の一方の面が上方を向き、当該L字型鋼材24の他方の面が第二挟持部15の第一挟持部14に対面する面の反対側の面に面するように、第二挟持部15に固定され、さらに、二本のL字型鋼材24が、当該L字型鋼材24の一方の面が上方を向き、且つ縦補強部挿入筒19を水平方向で挟むように、当該L字型鋼材24の他方の面が第一挟持部14の第二挟持部15に対面する面の反対側の面に面するように、第一挟持部14に固定される。そして、回動当接部21は、当該回動当接部21の軸部22の回動方向が、が第一挟持部14及び第二挟持部15の面内方向に平行な方向になるように、L字型鋼材24の上面にピローブロック23が固定されることで、回動当接部21は、揚重機台12bに固定される。このとき、二つの回動当接部21が、第一挟持部14及び第二挟持部15を水平方向で挟むように備えられる。また、回動当接部21の軸部22の下端は、土台部13の下面より低くなるようにピローブロック23はL字型鋼材24によって揚重機台12bに取り付けられる。
そして、図15に示すように、揚重機台12bは、縦補強部26を縦補強部挿入筒19に下方から挿入するように、台車31の基部38bに載置される。このとき、第一挟持部14と、第二挟持部15と、によって、縦補強部26に間を空けて隣接する一方の基部38bを挟むように、基部38bの上面に載置される。そして、図14(c)に示すように、第一挟持部14及び第二挟持部15は、第一挟持部14及び第二挟持部15の基部38bより下方に飛び出した箇所に、夫々固定穴16を有しており、ボルト17を、固定穴16と、固定穴16と、に通し、ボルト17の先端からナット18を締め付けることで、揚重機台12bは基部38bに固定される。
次に、取付部8と、起重機本体2と、について説明する。図15及び図16に示すように、取付部8は、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材9と、鉛直方向に長尺な鋼材の丸パイプ材10と、T型の鋼材であるブリッジ材11と、からなり、ブリッジ材11によって、丸パイプ材9と、丸パイプ材10と、が互いに隙間を空けて平行に並ぶように、溶接で固定することで形成されたものである。本実施形態では、二本の丸パイプ材によって取付部8を形成しているが、一本の丸パイプ材であっても良い。そして、揚重機台12bの取付部挿入筒20に、上方から取付部8の丸パイプ材9の下端を挿入することで取付部8は揚重機台12bに取り付けられ、丸パイプ材9と、縦補強部26と、をクランプ87で固定することで、取付部8は縦補強部26に固定される。図15及び図16に示すように、起重機本体2は、鉛直方向に長尺な角型鋼材の柱部3と、水平方向に長尺な角型鋼材であり、基端が柱部3の下端に固定されるアーム部5と、アーム部5に取付けられる図示しない巻上げ装置と、を備えるものである。図示しないが本実施形態では、巻上げ装置は、ホイストである。また、柱部3の上端とアーム部5の先端とに両端が固定されるテンションバー7を備え、アーム部5が固定される柱部3の下端と、テンションバー7の一端が固定される柱部3の上端と、はアーム部5が柱部3を中心に水平方向に回動できる構造となっている。そして、柱部3は、起重機本体2を取付部8に固定する為のクランプ4を備え、当該クランプ4に取付部8を固定することで、起重機本体2は、取付部8に固定される。取付部8を縦補強部26に固定することと、起重機本体2を取付部8に固定することと、はどちらを先に行ってもよい。
次に、後補強部29について説明する。図16に示すように、後補強部29は、長尺な鋼材の丸パイプ材である。本実施例では、二本の後補強部29が使用される。まず、縦補強部26の上端と、取付部8の丸パイプ材9の上端と、に水平方向に長尺な鋼材の丸パイプ材30が三連クランプ86によって固定される。次に、丸パイプ材30に二本の後補強部29の夫々の一端がクランプ87によって固定される。そして、取付部8から見て、起重機本体2が固定される方向の反対方向に位置する建築用足場100を構成するパイプ材99に、二本の後補強部29の夫々の他端が、クランプ87によって固定される。これにより、本実施形態の揚重機1bが重量物を吊り下げたときに、揚重機1bの全体にアーム部5の先端から下方に向かって回転するような力が掛かるが、後補強部29が縦補強部26の上端と、取付部8の上端と、を、取付部8から見て、起重機本体2が固定される方向の反対方向に向かって引っ張るように支持することで、揚重機1bのバランスがとられる。また、縦補強部26によって、揚重機台12bと、取付部8と、が支持されることで、揚重機1bのバランスがとられ、且つ揚重機台12bの縦補強部挿入筒19が、第一挟持部14に接し溶接で固定されることで、釣り荷の重量により力が掛かる第一挟持部14の強度を上げている。そして、起重機本体に備える巻上げ装置によって建築用部材等の釣り荷を運搬することができる。
以上のように、一実施形態の揚重機1bは、起重機本体2と、取付部8と、揚重機台12bと、基部38bを備える台車31と、縦補強部26と、後補強部29と、ガイドレール45と、がボルトとナットやクランプによって固定されており、容易に小分けに分解することと、組み立てることと、ができ、小分けにして運搬することで、運搬時の重量を軽くすることができる。
また、図17に示すように、揚重機1bの組み立て後に、後補強部29と、縦補強部26と、を取り外し、台車31をガイドレール45に沿って走行させることで、揚重機1bの移動を簡単に行うことができる。そのため、ガイドレール45に沿って揚重機1bを移動させるときに、起重機本体2と、取付部8と、揚重機台12bと、台車31と、縦補強部26と、後補強部29と、に分解する必要がない。そして、揚重機1bを使用するときは、縦補強部26と、後補強部29と、を取付け固定するだけで良い。
また、揚重機台12bの回動当接部21が基部38bの上面に接しているため、後補強部29と、縦補強部26と、第一挟持部14と第二挟持部15とに使用されるボルト17と、ナット18と、を取り外した状態で回動当接部21を回動させることで、図18(a)及び図18(b)に示すように、揚重機台12bを基部38bの長尺方向に沿って、移動させることができ、揚重機1bの位置の調整ができる。図18(a)及び図18(b)は、起重機本体2及び取付部8を省略した図である。
上記はあくまで本発明に係る揚重機の実施形態を示したものであるため、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。