JP7127897B1 - 力覚センサの校正方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】力覚センサのメンテナンス性の向上と低価格化を図ることができる力覚センサの校正方法を提供する。【解決手段】本発明による力覚センサの校正方法は、ロボット1のアーム4に、力覚センサ10を介して負荷体40を保持する保持工程と、少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す運転成分値を補正するための校正データをロボット1のコントローラ20により算出する校正工程と、を備えている。校正工程は、第1の姿勢に位置づけられた力覚センサ10の検出値に基づいて第1校正成分値を算出する第1成分値算出工程と、第1の姿勢とは異なる第2の姿勢に位置づけられた力覚センサ10の検出値に基づいて第2校正成分値を算出する第2成分値算出工程と、第1校正成分値および第2校正成分値に基づいて、校正データを算出するデータ算出工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、力覚センサの校正方法に関する。
従来より、所定の軸方向に作用した力および所定の軸周りに作用したモーメント(トルク)を電気信号として出力する力覚センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。この力覚センサは、産業用ロボットを初めとして、協働ロボット、生活支援ロボット、医療用ロボットおよびサービスロボット等、各種ロボットの力制御等に幅広く利用されている。このため、安全性および高性能化だけでなく、メンテナンス性の向上と低価格化が求められている。
特許第6214072号公報
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、力覚センサのメンテナンス性の向上と低価格化を図ることができる力覚センサの校正方法を提供することを目的とする。
本発明は、
XYZ三次元座標系の原点としての中心点を有する前記力覚センサであって、6軸成分のうちの少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを検出するための力覚センサを、コントローラを備えたロボットに取り付けた状態で校正する力覚センサの校正方法であって、
前記ロボットのアームに、前記力覚センサを介して負荷体を保持する保持工程と、
少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す運転成分値であって、前記ロボットの運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データを前記コントローラにより算出する校正工程と、を備え、
前記校正工程は、
第1の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第1校正成分値を算出する第1成分値算出工程と、
第1の姿勢とは異なる第2の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第2校正成分値を算出する第2成分値算出工程と、
前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて、前記校正データを算出するデータ算出工程と、を含む、力覚センサの校正方法、
を提供する。
なお、上述した力覚センサの校正方法において、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、X軸、Y軸およびZ軸のうちのいずれか1つの軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢である、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて算出される零点成分値と、力感度と、を含み、
前記力感度は、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値の一方と、前記零点成分値と、前記負荷体の質量とに基づいて算出される、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて算出される零点成分値と、モーメント感度と、を含み、
前記モーメント感度は、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値の一方と、前記零点成分値と、前記負荷体の質量と、前記力覚センサの中心点から前記負荷体の重心までの距離とに基づいて算出される、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正工程は、第1校正工程を有し、
前記第1校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
前記第1校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、Y軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、Y軸およびZ軸は水平方向に沿っている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、X軸方向の力に対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、Y軸周りのモーメントに対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正工程は、第2校正工程を有し、
前記第2校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
前記第2校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、Y軸方向の力に対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、X軸周りのモーメントに対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正工程は、第3校正工程を有し、
前記第3校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
前記第3校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびY軸は水平方向に沿っている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、Z軸方向の力に対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記負荷体の重心は、Z軸上に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正工程は、第4校正工程を有し、
前記第4校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
前記第4校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、Z軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記校正データは、Z軸周りのモーメントに対応する前記運転成分値を補正するための校正データを含む、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記負荷体の重心は、X軸上に配置されている、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記第1の姿勢および前記第2の姿勢の少なくとも一方において、X軸、Y軸およびZ軸の少なくとも2つは、鉛直方向に対して傾斜している、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記力覚センサは、作用した力またはモーメントにより生じた変位を検出して前記検出値を出力する複数の検出素子を含み、
前記力覚センサは、各々の前記検出値に対応する出力値を前記コントローラに出力する、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記力覚センサは、検出対象となる力またはモーメントにより生じた変位を検出して前記検出値を出力する複数の検出素子を含み、
前記力覚センサは、各々の前記検出値に基づいて算出された、少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す成分値を前記コントローラに出力する、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記負荷体は、ツールを介して前記力覚センサに保持される、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記第1成分値算出工程および前記第2成分値算出工程において、前記ロボットの前記アームを静止した状態で前記検出値を検出する、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記第1成分値算出工程および前記第2成分値算出工程の少なくとも一方において、前記ロボットの前記アームが移動している状態で前記検出値を検出する、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記データ算出工程において算出された前記校正データを、コントローラのコントローラ記憶部に記録する記録工程を更に備える、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記データ算出工程において算出された前記校正データを、前記力覚センサのセンサ記憶部記録するまたは外部記憶部に記録する記録工程を更に備える、
ようにしてもよい。
また、上述した力覚センサの校正方法において、
前記データ算出工程において算出された前記校正データに基づいて、前記力覚センサの故障診断を行う診断工程を更に備える、
ようにしてもよい。
本発明によれば、力覚センサのメンテナンス性の向上と力覚センサの低価格化を図ることができる。
図1は、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法が適用されるロボットの一例を示す斜視図である。 図2は、第1の実施の形態における力覚センサの校正システムを示す図である。 図3は、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法を説明するためのフローチャートである。 図4Aは、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法の第1校正工程において、力覚センサを第1の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図4Bは、図4Aの第1校正工程において、力覚センサを第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図5Aは、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法の第2校正工程において、力覚センサを第1の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図5Bは、図5Aの第2校正工程において、力覚センサを第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図6Aは、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法の第3校正工程において、力覚センサを第1の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図6Bは、図6Aの第3校正工程において、力覚センサを第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図7Aは、第1の実施の形態における力覚センサの校正方法の第4校正工程において、力覚センサを第1の姿勢に位置づけた状態を上方から見た図である。 図7Bは、図7Aの力覚センサを正面から見た図である。 図7Cは、図7Aの第4校正工程において、力覚センサを第2の姿勢に位置づけた状態を上方から見た図である。 図7Dは、図7Cの力覚センサを正面から見た図である。 図8は、図2に示す力覚センサの校正システムの変形例を示す図である。 図9Aは、第2の実施の形態における力覚センサの校正方法の第3校正工程において、力覚センサを第1の姿勢に位置づけた状態を正面から見た図である。 図9Bは、図9Aの第3校正工程において、力覚センサを第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。 図10は、第3の実施の形態における力覚センサの校正方法において、力覚センサにツールを介して負荷体を保持させた状態を示す図である。 図11は、第4の実施の形態における力覚センサの校正方法において、負荷体に取り付けられた加速度センサおよび角速度センサを示す図である。 図12は、第5の実施の形態における力覚センサの校正システムを示す図である。 図13は、第6の実施の形態における力覚センサの校正システムを示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件および物理的特性並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「等しい」等の用語や寸法、物理的特性の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
(第1の実施の形態)
まず、図1~図7Dを用いて、本発明の第1の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。本実施の形態による力覚センサの校正方法は、力覚センサ10を、コントローラ20を備えたロボット1に取り付けた状態で校正する方法である。ロボット1の例としては、産業用ロボット、協働ロボット、生活支援ロボット、医療用ロボットおよびサービスロボット等の各種ロボットが挙げられる。以下では、産業用ロボットを例にとって説明する。
まず、力覚センサ10を取り付けるロボット1について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態における力覚センサの校正方法が適用されるロボット1の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、産業用ロボット1は、ロボット本体2と、ツール3と、力覚センサ10と、コントローラ20と、を備えている。ロボット本体2は、ロボットアーム4を含んでいる。ロボットアーム4は、多関節アーム構造を有している。
ロボットアーム4の先端に、力覚センサ10が取り付けられている。より具体的には、ロボットアーム4の先端に、ツール3が取り付けられている。ロボットアーム4とツール3との間に、力覚センサ10が取り付けられている。力覚センサ10は、図示しない電気ケーブルを介して、コントローラ20に電気的に接続されている。ツール3の例としては、グリッパー50(図10参照)、およびツールチェンジャー(図示せず)等が挙げられる。
コントローラ20は、図1に示すように、ロボット本体2とは別体に構成されていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、コントローラ20は、ロボット本体2に内蔵されていてもよい。
力覚センサ10は、検出対象として、6軸成分のうちの少なくとも1つの軸成分の力またはモーメント(またはトルク)を検出するためのセンサとして構成されている。本実施の形態においては、力覚センサ10は、6軸成分を検出可能に構成されている。より具体的には、力覚センサ10の中心点Oを原点とするXYZ三次元座標系を定義したときに、力覚センサ10は、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fz、X軸周りのモーメントMx、Y軸周りのモーメントMy、Z軸周りのモーメントMzを検出可能に構成されている。しかしながら、このことに限られることはなく、いずれか1つの軸成分の力またはモーメントを検出可能に構成されていてもよく、6軸成分のうちのいくつかの軸成分の力またはモーメントを検出可能に構成されていてもよい。
力覚センサ10の具体的な構成は任意である。例えば、力覚センサ10は、受力体と、支持体と、起歪体と、検出素子11(図2参照)と、検出回路12と、を備えていてもよい。図示しない受力体は、ツール3にボルト等で着脱可能に取り付けられている。図示しない支持体は、ロボットアーム4にボルト等で着脱可能に取り付けられている。図示しない起歪体は、受力体と支持体とに接続されており、受力体に作用した力またはモーメントによって弾性変形可能に構成されている。
力覚センサ10は、ツール3に取り付けられる第1センサ面10a(図4A等参照)と、ロボットアーム4に取り付けられる第2センサ面10bと、を含んでいてもよい。第1センサ面10aは受力体に形成され、第2センサ面10bは支持体に形成されている。第1センサ面10aおよび第2センサ面10bは、XY平面に沿っていてもよい。第1センサ面10aおよび第2センサ面10bの法線方向に、Z軸が定義されてもよい。力覚センサ10は、XYZ三次元座標系の原点としての中心点Oを有していてもよい。この中心点Oは、第1センサ面10aと第2センサ面10bとの中間位置に位置していてもよい。また、中心点Oは、Z軸方向に沿って見たときに、力覚センサ10の中心に位置していてもよい。
検出素子11は、起歪体の弾性変形により生じた起歪体の変位を検出する。例えば、検出素子11は、静電容量を検出する素子として構成されていてもよい。この場合、検出素子11は、起歪体に設けられた変位電極11aと、受力体または支持体に設けられた固定電極11bと、を含んでいてもよい。変位電極11aと固定電極11bは、互いに対向する。検出回路12は、検出素子11により検出された検出値に電気的処理を施して、電気信号としてコントローラ20に出力する。
このように構成された力覚センサ10の受力体が、力またはモーメントの作用を受けると、起歪体が弾性変形して歪みを生じ、変位する。この起歪体の変位が検出素子11により検出されて検出値が出力される。検出値は、検出回路12において電気的に処理されて、力覚センサ10から上述したコントローラ20に出力される。検出回路12の詳細については後述する。
力覚センサ10から出力された電気信号は、上述した電気ケーブルを介してコントローラ20に送信される。コントローラ20は、受信した電気信号に基づいてロボット1の力制御を行い、ロボット本体2およびツール3の動作を制御する。ロボット1の力制御では、力覚センサ10の検出素子11から出力される検出値に基づいて算出される成分値が参照される。成分値は、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す値であり、軸成分毎に算出される。
このようにして算出される成分値は、製造上の誤差(例えば、加工誤差など)などにより、力覚センサ10毎に異なる。このため、力覚センサ10の成分値は校正されることが一般的である。一般的な力覚センサは、マイクロコンピュータを内蔵し、ロボットアーム4に取り付けられる前の単品の状態で校正を行うように構成されている。マイクロコンピュータにより後述する零点成分値および感度が算出され、算出された零点成分値および感度は、力覚センサに記憶される。温度校正を行う場合には、力覚センサを恒温槽内で温度を変えながら零点成分値および感度を測定していた。
本実施の形態による力覚センサの校正方法は、上述の成分値を校正する方法である。以下、本実施の形態による力覚センサの校正方法について説明する。ここではまず、本実施の形態による力覚センサの校正方法を実施するための力覚センサの校正システム30について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態における力覚センサの校正システム30を示す図である。以下では、説明を簡略化するために、力覚センサ10の後述する正側感度と負側感度とに差は無く、他軸感度は発生しないとする。正側感度と負側感度とに差が存在している場合であっても、本実施の形態による力覚センサの校正方法を適用することができる。また、他軸感度が発生する場合であっても、本実施の形態による力覚センサの校正方法を適用することができる。
図2に示すように、本実施の形態による力覚センサの校正システム30(以下、単に校正システム30と記す)は、上述した検出素子11と、検出回路12と、成分値算出部21と、データ算出部22と、入力部23と、コントローラ記憶部24と、を備えている。
検出素子11は、上述したように、力覚センサ10の構成要素である。検出素子11は、検出対象となる力またはモーメントにより生じた変位を検出して、検出値を出力する。本実施の形態による検出素子11は、上述したように静電容量を検出する素子として構成されており、静電容量値を示す検出値を検出回路12に出力する。力覚センサ10内に複数の検出素子11が構成されている。例えば、力覚センサ10が、複数の起歪体を含んでいる場合には、各起歪体に1つ以上の検出素子11が設けられていてもよい。この場合、各検出素子11により検出された検出値に基づいて、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す成分値が算出される。例えば、力覚センサ10が、8つの検出素子11を備えていてもよい。
検出回路12は、力覚センサ10の構成要素である。検出回路12は、上述したように、各検出素子11から出力された検出値を電気的に処理して、電気信号を出力する。検出回路12は、C/V変換器13と、A/Dコンバータ14と、を含んでいてもよい。各検出素子11に、C/V変換器13およびA/Dコンバータ14がそれぞれ接続されている。本実施の形態においては、力覚センサ10は、各検出素子11の検出値に対応する出力値をコントローラ20に出力する。すなわち、検出回路12は、検出素子11の検出値毎に出力値を示す電気信号を出力する。検出回路12の出力値は、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す成分値になっていない。検出回路12から出力された電気信号は、コントローラ20の成分値算出部21に送信される。
成分値算出部21は、コントローラ20の構成要素であってもよい。成分値算出部21は、検出回路12から出力された電気信号に基づいて、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す成分値を算出する。より具体的には、成分値算出部21は、所定の算出式を用いて軸成分毎に成分値を算出して、算出された成分値を示す電気信号を出力する。以下の説明では、力覚センサ10の校正時に算出された成分値を校正成分値と称する。力覚センサ10の校正時には、校正成分値を示す電気信号はデータ算出部22に送信される。また、以下の説明では、ロボット1の運転時に算出された成分値を運転成分値と称する。ロボット1の運転時には、運転成分値を示す電気信号は後述する補正部35に送信される。成分値算出部21は、力覚センサ10の校正時とロボット1の運転時とで、電気信号の送信先を、データ算出部22と補正部35との間で切り替えるように構成されていてもよい。
データ算出部22は、コントローラ20の構成要素である。データ算出部22は、成分値算出部21から出力された校正成分値に基づいて、校正データを算出する。校正データは、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を補正するためのデータである。校正データは、零点成分値、力感度およびモーメント感度を含んでいてもよい。零点成分値、力感度およびモーメント感度の詳細については後述する。
入力部23は、後述する負荷体40、41の質量と、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40、41の重心Gまでの距離Lを入力可能に構成されている。例えば、入力部23は、タッチパネルで構成されていてもよく、キーボードで構成されていてもよい。入力部23の構成は任意である。
コントローラ記憶部24は、上述したデータ算出部22で算出された校正データとしての各零点成分値、各感度を記憶する。コントローラ記憶部24は、例えば、メモリであってもよい。
コントローラ20は、補正部35を含んでいてもよい。補正部35は、上述した校正システム30の構成要素でなくてもよい。補正部35は、上述した成分値算出部21から出力された運転成分値を補正するように構成されている。補正部35は、上述したコントローラ記憶部24に記録された各零点成分値および各感度を用いて、運転成分値を補正する。
なお、上述した校正システム30は、機能毎にハードウェアとして校正されていてもよいが、あるいは、ソフトウェアとして校正されていてもよく、校正システム30の構成は任意である。例えば、コントローラ20にマイクロコンピュータを搭載することで、校正システム30の機能を実現させてもよい。この場合、マイクロコンピュータを実行するためのコンピュータプログラムによって、校正システム30の各機能が実現されてもよい。このことにより、低価格化を図ることができるとともに、汎用性を向上させることができる。例えば、図2に示す校正システム30の構成を、後述する図13に示す構成に容易に変更することができる。後述する他の実施の形態における校正システム30についても同様である。
次に、本実施の形態における力覚センサの校正方法について図3~図7Dを参照して説明する。ここでは、力覚センサ10の各軸成分の校正データを算出することにより力覚センサ10を校正する例について説明する。まず、図3を用いて、本実施の形態における力覚センサの校正方法の概略を説明する。図3は、力覚センサの校正方法を説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、本実施の形態における力覚センサの校正方法は、準備工程S1と、保持工程S2と、校正工程S3と、記録工程S4と、を備えている。
まず、準備工程S1として、上述した力覚センサ10と負荷体40(図4A等参照)および負荷体41(図7A等参照)とを準備する。負荷体40、41の詳細は後述する。また、入力部23から、負荷体40、41の質量と、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40、41の重心までの距離Lが入力される。なお、この入力は、準備工程S1において行われなくてもよく、後述する校正工程S3において校正データを算出するまでに行えばよい。
準備工程S1の後、保持工程S2として、ロボットアーム4に、力覚センサ10を介して負荷体40、41が保持される。力覚センサ10の第2センサ面10bが、図示しないボルト等を用いてロボットアーム4に取り付けられる。力覚センサ10の第1センサ面10aに、図示しないボルト等を用いて負荷体40、41が取り付けられる。
保持工程S2の後、校正工程S3として、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データがコントローラ20により算出される。運転成分値は、少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示していてもよい。本実施の形態における力覚センサ10は、6軸成分を検出可能に構成されている。この場合、校正データは、軸成分毎に運転成分値を補正するためのデータを含んでいてもよい。
校正工程S3は、第1配置工程S11と、第1成分値算出工程S12と、第2配置工程S13と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいてもよい。
第1配置工程S11として、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられる。ロボットアーム4を駆動させて、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけてもよい。
第1配置工程S11の後、第1成分値算出工程S12として、第1の姿勢に位置づけられた力覚センサ10に負荷体40、41の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第1校正成分値が算出される。
ここで、第1の姿勢とは、軸成分毎に第1校正成分値を算出するために適した姿勢であってもよい。第1の姿勢は、軸成分毎に異なる姿勢であってもよく、複数の軸成分の第1校正成分値が同じ姿勢で算出されてもよい。
第1成分値算出工程S12の後、第2配置工程S13として、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられる。ロボットアーム4を駆動させて、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけてもよい。
第2配置工程S13の後、第2成分値算出工程S14として、第2の姿勢に位置づけられた力覚センサ10に負荷体40、41の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第2校正成分値が算出される。
ここで、第2の姿勢とは、軸成分毎に第2校正成分値を算出するために適した姿勢であってもよい。第2の姿勢は、軸成分毎に異なる姿勢であってもよく、複数の軸成分の第2校正成分値が同じ姿勢で算出されてもよい。また、第2の姿勢は、第1の姿勢とは異なる姿勢である。例えば、第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸、Y軸およびZ軸のうちのいずれか1つの軸方向に沿って見たときに、負荷体40、41が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であってもよい。
第2成分値算出工程S14の後、データ算出工程S15として、第1校正成分値および第2校正成分値に基づいて、上述した校正データが算出される。校正データの算出は、軸成分毎に行われてもよい。例えば、同一の軸成分の第1の校正成分値および第2校正成分値から、当該軸成分の校正データが算出される。校正データは、上述したように、零点成分値と、力感度と、モーメント感度と、を含んでいてもよい。
零点成分値は、第1校正成分値および校正成分値に基づいて算出される。零点成分値は、オフセット電圧値または中点電圧値などとも称される。零点成分値は、軸成分毎に算出される。
力感度は、第1校正成分値および第2校正成分値の一方と、零点成分値と、負荷体40、41の質量とに基づいて算出される。力感度は、力覚センサ10に作用した力に関する感度である。力感度は、軸成分毎に算出され、1Nあたりの成分値を示す。
モーメント感度は、第1校正成分値および第2校正成分値の一方と、零点成分値と、負荷体40、41の質量と、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40、41の重心までの距離とに基づいて算出される。モーメント感度は、力覚センサ10に作用したモーメントに関する感度である。モーメント感度は、モーメントの軸成分毎に算出され、1Nmあたりの成分値を示す。
データ算出工程において算出される零点成分値、力感度およびモーメント感度を用いて、後述するように、ロボット1の運転時に算出される運転成分値が補正される。
次に、校正工程S3についてより詳細に説明する。本実施の形態における校正工程S3は、第1校正工程S31と、第2校正工程S32と、第3校正工程S33と、第4校正工程S34と、を有している。第1校正工程S31~第4校正工程S34の各々は、上述した第1配置工程S11と、第1成分値算出工程S12と、第2配置工程S13と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいる。第1校正工程S31においては、力Fxに対応する校正データと、モーメントMyに対応する校正データが算出される。第2校正工程S32においては、力Fyに対応する校正データと、モーメントMxに対応する校正データが算出される。第3校正工程S33においては、力Fzに対応する校正データが算出される。第4校正工程S34においては、モーメントMzに対応する校正データが算出される。
まず、第1校正工程S31について、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。図4Aは、第1校正工程S31において、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけた状態を示す図であり、図4Bは、第1校正工程S31において、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。
第1校正工程S31の第1配置工程S11においては、力覚センサ10が、図4Aに示す第1の姿勢に位置づけられる。負荷体40は、Y軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の左側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
負荷体40は、単純な形状を有する錘であってもよい。このことにより、負荷体40の重心Gの位置を容易に求めることができる。例えば、負荷体40は、円筒状に形成された本体40aと、本体40aの一方の端部に形成されたフランジ40bと、本体40aとフランジ40bとを接続する首部40cと、を含んでいてもよい。首部40cは、円筒状に形成されていてもよく、本体40aよりも小さい外径を有していてもよい。負荷体40のフランジ40bが、力覚センサ10の第1センサ面10aに取り付けられる。負荷体40の質量Wは、本体40aとフランジ40bと首部40cの合計質量としてもよい。この合計質量の重心点を、負荷体40の重心Gとしてもよい。
図4Aに示すように、第1の姿勢では、X軸は鉛直方向に沿っており、X軸方向正側は、図4Aの下側を向いている。鉛直方向は、図4A等に示す重力方向gに沿っていてもよい。Y軸は水平方向に沿っており、Y軸方向正側は図4Aの紙面表側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図4Aの左側を向いている。
第1校正工程S31の第1成分値算出工程S12において、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、負荷体40が静止し、図4Aに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がX軸方向正側に作用する。このため、力覚センサ10に、X軸方向の力+Fxが作用するとともに、Y軸周りのモーメント+Myが作用する。X軸方向正側を向く力を正の力とし、Y軸方向正側に向かって時計回りのモーメントを正のモーメントとする。
力覚センサ10が第1の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。検出値は、C/V変換器13により電圧変換され、電圧変換された検出値は、A/Dコンバータ14によりアナログ信号からデジタル信号に変換され、電気信号が形成される。A/Dコンバータ14から出力される電気信号は、デジタル値(絶対値)を示す電気信号になる。力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、X軸方向の力Fxに対応する第1校正成分値VFx1が算出されるとともに、Y軸周りのモーメントMyに対応する第1校正成分値VMy1が算出される。
第1校正工程S31の第2配置工程S13において、力覚センサ10が、図4Bに示す第2の姿勢に位置付けられる。図4Bに示す負荷体40は、図4Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、Y軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の右側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図4Bに示すように、第2の姿勢では、X軸は鉛直方向に沿っており、X軸方向正側は、図4Bの上側を向いている。Y軸は水平方向に沿っており、Y軸方向正側は図4Bの紙面表側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図4Bの右側を向いている。
このように、第1校正工程S31における第1の姿勢および第2の姿勢は、Y軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢になっている。言い換えると、第2の姿勢は、第1の姿勢から、負荷体40がY軸を中心にして180°回転した姿勢になっている。
第1校正工程S31の第2成分値算出工程S14において、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図4Bに示すように、負荷体の40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がX軸方向負側に作用する。このため、力覚センサ10に、X軸方向の力-Fxが作用するとともに、Y軸周りのモーメント-Myが作用する。
力覚センサ10が第2の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1成分値算出工程S12と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、X軸方向の力Fxに対応する第2校正成分値VFx2が算出されるとともに、Y軸周りのモーメントMyに対応する第2校正成分値VMy2が算出される。
第1校正工程S31のデータ算出工程S15においては、軸成分毎に校正データが算出される。第1校正工程S31において算出される校正データは、X軸方向の力Fxに対応する運転成分値を補正するためのFx校正データと、Y軸周りのモーメントMyに対応する運転成分値を補正するためのMy校正データと、を含んでいる。
Fx校正データは、零点成分値VFx0と、力感度SFxと、を含んでいる。零点成分値VFx0は、第1校正成分値VFx1と第2校正成分値VFx2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000002
力感度SFxは、第1校正成分値VFx1と、零点成分値VFx0と、負荷体40の質量Wとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000003
なお、第1校正成分値VFx1の代わりに、第2校正成分値VFx2を用いて力感度SFxが算出されてもよい。本実施の形態においては、説明を簡略化するために、第1校正成分値VFx1を用いて算出される力感度SFx(正側感度)と、第2校正成分値VFx2を用いて算出される力感度SFx(負側感度)は等しいと仮定している。このため、力感度については、第1校正成分値VFx1および第2校正成分値VFx2のうちのいずれか一方を用いて算出すればよい。
My校正データは、零点成分値VMy0と、モーメント感度SMyと、を含んでいる。零点成分値VMyは、第1校正成分値VMy1と第2校正成分値VMy2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000004
モーメント感度SMyは、第1校正成分値VMy1と、零点成分値VMy0と、負荷体40の質量Wと、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40の重心Gまでの距離Lとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000005
なお、第1校正成分値VMy1の代わりに、第2校正成分値VMy2を用いてモーメント感度SMyが算出されてもよい。本実施の形態においては、説明を簡略化するために、第1校正成分値VMy1を用いて算出されるモーメント感度SMy(負側感度)と、第2校正成分値VFx2を用いて算出されるモーメント感度SMy(正側感度)は等しいと仮定している。このため、力感度については、第1校正成分値VMy1および第2校正成分値VMy2のうちのいずれか一方を用いて算出すればよい。
次に、第2校正工程S32について、図5Aおよび図5Bを参照して説明する。図5Aは、第2校正工程S32において、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけた状態を示す図であり、図5Bは、第2校正工程S32において、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。
第2校正工程S32の第1配置工程S11においては、力覚センサ10が、図5Aに示す第1の姿勢に位置づけられる。図5Aに示す負荷体40は、図4Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の右側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図5Aに示すように、第1の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図5Aの紙面表側を向いている。Y軸は鉛直方向に沿っており、Y軸方向正側は図5Aの下側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図5Aの右側を向いている。
第2校正工程S32の第1成分値算出工程S12において、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図5Aに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がY軸方向正側に作用する。このため、力覚センサ10に、Y軸方向の力+Fyが作用するとともに、X軸周りのモーメント-Mxが作用する。Y軸方向正側を向く力を正の力とし、X軸方向正側に向かって時計回りのモーメントを正のモーメントとする。
力覚センサ10が第1の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1校正工程S31と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Y軸方向の力Fyに対応する第1校正成分値VFy1が算出されるとともに、X軸周りのモーメントMxに対応する第1校正成分値VMx1が算出される。
第2校正工程S32の第2配置工程S13において、力覚センサ10が、図5Bに示す第2の姿勢に位置付けられる。図5Bに示す負荷体40は、図5Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の左側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図5Bに示すように、第2の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図5Bの紙面表側を向いている。Y軸は鉛直方向に沿っており、Y軸方向正側は図5Bの上側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図5Bの左側を向いている。
このように、第2校正工程S32における第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢になっている。言い換えると、第2の姿勢は、第1の姿勢から、負荷体40がX軸を中心にして180°回転した姿勢になっている。
第2校正工程S32の第2成分値算出工程S14において、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図5Bに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がY軸方向負側に作用する。このため、力覚センサ10に、Y軸方向の力-Fyが作用するとともに、X軸周りのモーメント+Mxが作用する。
力覚センサ10が第2の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1成分値算出工程S12と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Y軸方向の力Fyに対応する第2校正成分値VFy2が算出されるとともに、X軸周りのモーメントMxに対応する第2校正成分値VMx2が算出される。
第2校正工程S32のデータ算出工程S15においては、軸成分毎に校正データが算出される。第2校正工程S32において算出される校正データは、Y軸方向の力Fyに対応する運転成分値を補正するためのFy校正データと、X軸周りのモーメントMxに対応する運転成分値を補正するためのMx校正データと、を含んでいる。
Fy校正データは、零点成分値VFy0と、力感度SFyと、を含んでいる。零点成分値VFy0は、第1校正成分値VFy1と第2校正成分値VFy2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000006
力感度SFyは、第1校正成分値VFy1と、零点成分値VFy0と、負荷体40の質量Wとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000007
なお、上述した力感度SFxと同様に、第1校正成分値VFy1の代わりに、第2校正成分値VFy2を用いて力感度SFyが算出されてもよい。
Mx校正データは、零点成分値VMx0と、モーメント感度SMxと、を含んでいる。零点成分値VMxは、第1校正成分値VMx1と第2校正成分値VMx2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000008
モーメント感度SMxは、第1校正成分値VMx1と、零点成分値VMx0と、負荷体40の質量Wと、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40の重心Gまでの距離Lとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000009
なお、上述したモーメント感度SMyと同様に、第1校正成分値VMx1の代わりに、第2校正成分値VMx2を用いてモーメント感度SMxが算出されてもよい。
次に、第3校正工程S33について、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。図6Aは、第3校正工程S33において、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけた状態を示す図であり、図6Bは、第3校正工程S33において、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。
第3校正工程S33の第1配置工程S11においては、力覚センサ10が、図6Aに示す第1の姿勢に位置づけられる。図6Aに示す負荷体40は、図4Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の下側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図6Aに示すように、第1の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図6Aの紙面表側を向いている。Y軸は水平方向に沿っており、Y軸方向正側は図6Aの左側を向いている。Z軸は鉛直方向に沿っており、Z軸方向正側は図6Aの下側を向いている。
第3校正工程S33の第1成分値算出工程S12において、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図6Aに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がZ軸方向正側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸方向の力+Fzが作用する。Z軸方向正側を向く力を正の力とする。
力覚センサ10が第1の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1校正工程S31と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Z軸方向の力Fzに対応する第1校正成分値VFz1が算出される。
第3校正工程S33の第2配置工程S13において、力覚センサ10が、図6Bに示す第2の姿勢に位置付けられる。図6Bに示す負荷体40は、図6Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の上側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図6Bに示すように、第2の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図6Bの紙面表側を向いている。Y軸は水平方向に沿っており、Y軸方向正側は図6Bの右側を向いている。Z軸は鉛直方向に沿っており、Z軸方向正側は図6Bの上側を向いている。
このように、第3校正工程S33における第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢になっている。言い換えると、第2の姿勢は、第1の姿勢から、負荷体40がX軸を中心にして180°回転した姿勢になっている。
第3校正工程S33の第2成分値算出工程S14において、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図6Bに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力がZ軸方向負側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸方向負側を向く力-Fzが作用する。
力覚センサ10が第2の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体40の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1成分値算出工程S12と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Z軸方向の力Fzに対応する第2校正成分値VFz2が算出される。
第3校正工程S33のデータ算出工程S15においては、軸成分毎に校正データが算出される。第3校正工程S33において算出される校正データは、Z軸方向の力Fzに対応する運転成分値を補正するためのFz校正データを含んでいる。
Fz校正データは、零点成分値VFz0と、力感度SFzと、を含んでいる。零点成分値VFz0は、第1校正成分値VFz1と第2校正成分値VFz2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000010
力感度SFzは、第1校正成分値VFz1と、零点成分値VFz0と、負荷体40の質量Wとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000011
なお、上述した力感度SFxと同様に、第1校正成分値VFz1の代わりに、第2校正成分値VFz2を用いて力感度SFzが算出されてもよい。
次に、第4校正工程S34について、図7A~図7Dを参照して説明する。図7Aは、第4校正工程S34において、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけた状態を上方から見た図であり、図7Bは、図7Aの力覚センサ10を正面から見た図である。図7Bは、第4校正工程S34において、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけた状態を上方から見た図であり、図7Dは、図7Cの力覚センサ10を正面から見た図である。
第4校正工程S34の第1配置工程S11においては、力覚センサ10が、図7Aおよび図7Bに示す第1の姿勢に位置づけられる。負荷体41は、Z軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の右側に位置する。負荷体41の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るX軸上に配置されている
負荷体41は、第1校正工程S31~第3校正工程S33で用いた負荷体40と異なる形状を有していてもよい。例えば、負荷体41は、立方体状に形成された本体41aと、本体41aと力覚センサ10とを接続する接続片41bと、を含んでいてもよい。接続片41bは、板状に形成されていてもよい。負荷体41の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るX軸上に配置されている。すなわち、負荷体41の重心GがX軸上に配置されるように、負荷体41の本体41aおよび接続片41bが形成されている。負荷体41の質量Wは、本体41aと接続片41bの合計質量としてもよい。この合計質量の重心点を、負荷体41の重心Gとしてもよい。
図7Aおよび図7Bに示すように、第1の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図7Bの右側を向いている。Y軸は鉛直方向に沿っており、Y軸方向正側は図7Bの上側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図7Bの紙面表側を向いている。
第4校正工程S34の第1成分値算出工程S12において、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図7Bに示すように、負荷体41の負荷としての負荷体41の質量Wによる重力がY軸方向負側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸周りのモーメント-Mzが作用する。Z軸方向正側に向かって時計回りのモーメントを正のモーメントとする。
力覚センサ10が第1の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体41の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1校正工程S31と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Z軸周りのモーメントMzに対応する第1校正成分値VMz1が算出される。
第4校正工程S34の第2配置工程S13において、力覚センサ10が、図7Cおよび図7Dに示す第2の姿勢に位置付けられる。図7Cおよび図7Dに示す負荷体41は、図7Aおよび図7Bに示す負荷体41と同様であってもよい。負荷体41は、Z軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の左側に位置する。負荷体41の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るX軸上に配置されている。
図7Cおよび図7Dに示すように、第2の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図7Dの左側を向いている。Y軸は鉛直方向に沿っており、Y軸方向正側は図7Dの下側を向いている。Z軸は水平方向に沿っており、Z軸方向正側は図7Dの紙面表側を向いている。
このように、第4校正工程S34における第1の姿勢および第2の姿勢は、Z軸方向に沿って見たときに、負荷体41が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢になっている。言い換えると、第2の姿勢は、負荷体41がZ軸を中心にして180°回転した姿勢になっている。
第4校正工程S34の第2成分値算出工程S14において、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられている状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図7Dに示すように、負荷体41の負荷としての負荷体41の質量Wによる重力がY軸方向正側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸周りのモーメント+Mzが作用する。
力覚センサ10が第2の姿勢で静止するとともに力覚センサ10に負荷体41の負荷が作用した状態で、力覚センサ10の各検出素子11において静電容量値を示す検出値が出力される。第1成分値算出工程S12と同様にして、力覚センサ10の出力値として、各検出値に対応する電気信号が、検出回路12からコントローラ20に出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、Z軸周りのモーメントMzに対応する第2校正成分値VMz2が算出される。
第4校正工程S34のデータ算出工程S15においては、軸成分毎に校正データが算出される。第4校正工程S34において算出される校正データは、Z軸周りのモーメントMzに対応する運転成分値を補正するためのMz校正データを含んでいる。
Mz校正データは、零点成分値VMz0と、モーメント感度SMzと、を含んでいる。零点成分値VMzは、第1校正成分値VMz1と第2校正成分値VMz2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000012
モーメント感度SMzは、第1校正成分値VMz1と、零点成分値VMz0と、負荷体41の質量Wと、力覚センサ10の中心点Oから負荷体41の重心までの距離Lとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000013
なお、上述したモーメント感度SMyと同様に、第1校正成分値VMz1の代わりに、第2校正成分値VMz2を用いてモーメント感度SMzが算出されてもよい。
また、図7A~図7Dに示す力覚センサ10には、図示しないが、力Fyが作用している。このため、第4校正工程S34において、第2校正工程S32と同様にして、Y軸方向の力Fyに対する運転成分値を補正するためのFy校正データを算出してもよい。また、図7A~図7Dに示す負荷体41の重心Gを、力覚センサ10の中心点Oを通るY軸上に配置してもよい。この場合、力覚センサ10のX軸を鉛直方向に沿わせるとともに、Y軸を水平方向に沿わせることにより、第1校正工程S31と同様にして、X軸方向の力Fxに対する運転成分値を補正するためのFx校正データを算出することもできる。
このようにして、6軸成分の校正データが算出され、校正工程S3が終了する。なお、第1校正工程S31~第4校正工程S34の順番は、特に限られることはなく、任意である。また、第1校正工程S31~第4校正工程S34の各々のデータ算出工程S15は、第1校正工程S31~第4校正工程S34の各々の第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14が終了した後に行ってもよい。
校正工程S3の後、記録工程S4として、データ算出工程S15において算出された校正データが、図2に示すようなコントローラ記憶部24に記録される。この場合、コントローラ記憶部24には、各零点成分値と、各力感度と、各モーメント感度とが、記録される。2度目以降の校正の場合には、記憶されていた各零点成分値、各力感度および各モーメント感度は、削除せずに記憶しておいてもよく、あるいは、記憶されていた各零点成分値、各力感度および各モーメント感度を更新してもよい。
このようにして、本実施の形態による力覚センサ10の校正が終了する。力覚センサ10の校正の終了後、ロボット1の運転を行うことができる。
次に、本実施の形態におけるロボット1の運転方法について説明する。
ロボット1の運転時には、ロボットアーム4に、力覚センサ10を介してツール3が取り付けられる。ツール3の一例として、グリッパー50(図10参照)が力覚センサ10に取り付けられてもよい。この場合には、グリッパー50がワークを把持すると、力覚センサ10に力またはモーメントが作用する。すると、上述した第1校正工程S31の第1成分値算出工程S12と同様にして、力覚センサ10からコントローラ20に、各検出素子11の検出値に対応する電気信号が出力される。コントローラ20の成分値算出部21において、各検出値に対応する電気信号に基づいて、成分値として、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す運転成分値が算出される。ここでは、軸成分毎の運転成分値が算出される。
算出された各運転成分値は、補正部35において補正される。補正部35は、上述したコントローラ記憶部24に記録された校正データを用いて、対応する運転成分値が補正される。
例えば、力Fxに対応する運転成分値VFxを補正する場合には、上述したFx校正データが用いられる。Fx校正データは、零点成分値VFx0と、力感度SFxと、を含んでいる。より具体的には、まず、運転成分値VFxと零点成分値VFx0との差ΔVFxが、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000014
続いて、差ΔVFxに相当する力の大きさΔFxが、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000015
その後、以下の式を用いて、力覚センサ10に作用した力Fxが算出される。Fxは、力覚センサ10の定格荷重を示す。
Figure 0007127897000016
他の軸成分である力Fy、Fz、モーメントMx、My、Mzについても同様にして算出することができる。
このようにして、ロボット1の運転中、力覚センサ10に作用する力またはモーメントが算出される。コントローラ20は、算出された力の値またはモーメントの値に基づいて、ロボットアーム4の力制御を行う。より具体的には、コントローラ20は、補正後の運転成分値が、ロボットアーム4の許容値以下であるか否かを判断する。補正後の運転成分値が許容値以下であると判断される場合には、ロボット1の運転が継続される。補正後の運転成分値が許容値を超えると判断される場合には、ロボットアーム4の動作を変更したり、場合によってはロボット1の運転を停止したりする。
ロボット1の運転後に力覚センサ10の校正を行う場合には、力覚センサ10をロボットアーム4から取り外すことなく、取り付けた状態で行うことができる。すなわち、上述した保持工程S2、校正工程S3および記録工程S4を行うことにより、力覚センサ10の校正を行うことができる。この場合、コントローラ記憶部24に記録された最新の校正データを用いて、その後のロボット1の運転時に、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを算出することができ、力覚センサ10の検出精度の低下を抑制することができる。
このように本実施の形態によれば、力覚センサ10をロボットアーム4に取り付けた状態で力覚センサ10の校正が行われ、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データが、ロボット1のコントローラ20によって算出される。このことにより、力覚センサ10の校正を、力覚センサ10の使用環境下で行うことができる。このため、力覚センサ10の校正を行うために、力覚センサ10をロボットアーム4から取り外す作業を不要にできるとともに、校正後の力覚センサ10を、ロボットアーム4に取り付ける作業も不要にできる。このため、力覚センサ10のメンテナンス性を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、力覚センサ10をロボットアーム4に取り付けた状態で力覚センサ10の校正が行われ、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データが、ロボット1のコントローラ20によって算出される。このことにより、力覚センサ10に、校正データを算出するための構成を設けることを不要にできる。校正データを算出するための構成は、マイクロコンピュータで構成される場合があるが、マイクロコンピュータは比較的高価である。このため、校正データをコントローラ20によって算出する場合、力覚センサ10の構成を簡素化することができるとともに、力覚センサ10の低価格化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、力覚センサ10をロボットアーム4に取り付けた状態で力覚センサ10の校正が行われ、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データが、ロボット1のコントローラ20によって算出される。このことにより、力覚センサ10の校正を、ロボット1の使用環境下で行うことができる。この場合、力覚センサ10の温度校正を不要にできる。ここで、力覚センサ10は、温度特性を有しており、周囲温度によって零点成分値および感度が変化し得る。このため、一般的な力覚センサ10では温度校正を行っている。例えば、ロボット1に取り付けられる前の単体の状態で、力覚センサ10を恒温槽で温度を変えながら零点成分値および感度を測定し、力覚センサ10の記憶部に記録していた。このため、恒温槽を含む測定装置の準備と、温度校正に多くの時間が費やされることとに起因して、力覚センサ10の低価格化が困難になっていた。これに対して本実施の形態によれば、上述したように力覚センサ10の温度校正を不要にできる。この結果、力覚センサ10の低価格化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、力覚センサ10が第1の姿勢に位置づけられた場合に算出された第1校正成分値と、力覚センサ10が第2の姿勢に位置づけられた場合に算出された第2校正成分値とに基づいて、校正データが算出される。第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸、Y軸およびZ軸のうちのいずれか1つの軸方向に沿って見たときに、負荷体40、41が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられた姿勢になっている。このことにより、校正データを容易に算出することができるとともに、校正データの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、校正データは、零点成分値と力感度とを含み、零点成分値は、第1校正成分値および第2校正成分値に基づいて算出される。力感度は、第1校正成分値および第2校正成分値の一方と、零点成分値と、負荷体40、41の質量とに基づいて算出される。このことにより、力覚センサ10に作用した力を示す運転成分値を補正するための校正データを得ることができる。
また、本実施の形態によれば、校正データは、零点成分値とモーメント感度とを含み、零点成分値は、第1校正成分値および第2校正成分値に基づいて算出される。モーメント感度は、第1校正成分値および第2校正成分値の一方と、零点成分値と、負荷体40、41の質量と、力覚センサ10の中心点Oから負荷体40、41の重心Gまでの距離とに基づいて算出される。このことにより、力覚センサ10に作用したモーメントを示す運転成分値を補正するための校正データを得ることができる。
また、本実施の形態によれば、校正工程S3は第1校正工程S31を有し、第1校正工程S31は、第1成分値算出工程S12と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいる。第1校正工程S31における第1の姿勢および第2の姿勢は、Y軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられた姿勢になっている。そして、第1の姿勢および第2の姿勢において、Y軸およびZ軸は水平方向に沿っている。このことにより、X軸方向の力Fxに対応する運転成分値を補正するための校正データと、Y軸周りのモーメントMyに対応する運転成分値を補正するための校正データと、を容易に得ることができる。
また、本実施の形態によれば、校正工程S3は第2校正工程S32を有し、第2校正工程S32は、第1成分値算出工程S12と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいる。第2校正工程S32における第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられた姿勢になっている。そして、第1の姿勢および第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っている。このことにより、Y軸方向の力Fyに対応する運転成分値を補正するための校正データと、X軸周りのモーメントMxに対応する運転成分値を補正するための校正データと、を容易に得ることができる。
また、本実施の形態によれば、校正工程S3は第3校正工程S33を有し、第3校正工程S33は、第1成分値算出工程S12と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいる。第3校正工程S33における第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられた姿勢になっている。そして、第1の姿勢および第2の姿勢において、X軸およびY軸は水平方向に沿っている。このことにより、Z軸方向の力Fzに対応する運転成分値を補正するための校正データを容易に得ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1校正工程S31~第3校正工程S33において、負荷体40の重心Gが、Z軸上に配置されている。このことにより、各校正工程S31~S33において運転成分値を補正するための校正データを算出する際に、他軸感度が発生することを防止できる。このため、校正データの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、校正工程S3は第4校正工程S34を有し、第4校正工程S34は、第1成分値算出工程S12と、第2成分値算出工程S14と、データ算出工程S15と、を含んでいる。第4校正工程S34における第1の姿勢および第2の姿勢は、Z軸方向に沿って見たときに、負荷体41が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられた姿勢になっている。そして、第1の姿勢および第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っている。このことにより、Z軸周りのモーメントMzに対応する運転成分値を補正するための校正データと、を容易に得ることができる。
また、本実施の形態によれば、第4校正工程S34において、負荷体41の重心Gが、X軸上に配置されている。このことにより、Z軸周りのモーメントMzに対応する運転成分値を補正するための校正データを算出する際に、他軸感度が発生することを防止できる。このため、校正データの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、力覚センサ10は、各々の検出素子11の検出値に対応する出力値をコントローラ20に出力する。このことにより、各検出値に基づいて軸成分毎の成分値を算出するための構成を力覚センサ10に設けることを不要にできる。成分値を算出するための構成は、マイクロコンピュータで構成される場合があるが、マイクロコンピュータは比較的高価である。このため、力覚センサ10の構成を簡素化することができるとともに、力覚センサ10の低価格化を図ることができる。
また、本実施の形態によれば、第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14において、ロボットアーム4は静止している。このことにより、負荷体40、41を静止させることができ、校正データを容易に算出することができるとともに、校正データの精度を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、データ算出工程S15において算出された校正データを、コントローラ記憶部24に記録することができる。このことにより、ロボット1の運転時に算出される運転成分値を容易に補正することができ、力覚センサ10に作用した力またはモーメントの検出精度を向上させることができる。
なお、上述した本実施の形態においては、校正工程S3が、第1校正工程S31と、第2校正工程S32と、第3校正工程S33と、第4校正工程S34と、を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。軸成分毎の校正データを算出することができれば、校正工程S3の手順は任意である。また、第1校正工程S31においては、Fx校正データとMy校正データが算出される例について説明したが、Fx校正データと、My校正データは、別々の工程で算出されてもよい。第2校正工程S32についても同様である。
また、上述した本実施の形態においては、検出素子11から出力された検出値が、C/V変換器13により電圧変換され、A/Dコンバータ14によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて、コントローラ20に出力される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、検出素子11から出力された検出値が、図示しないC/F変換器により周波数変換されてもよい。この場合、変換された周波数をカウンターで数えることにより、検出値をアナログ信号からデジタル信号に変換することができる。このデジタル信号が、C/F変換器からコントローラ20に出力されてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す成分値を算出する成分値算出部21が、コントローラ20の構成要素である例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、力覚センサ10が、軸成分毎の成分値をコントローラ20に出力してもよい。この場合、成分値算出部21は、力覚センサ10の構成要素であってもよい。この場合の成分値算出部21は、A/Dコンバータ14においてデジタル信号変換された電気信号に基づいて、力またはモーメントを示す成分値を算出するように校正される。算出された成分値は、力覚センサ10の出力値として、力覚センサ10からコントローラ20に出力される。
また、上述した本実施の形態においては、検出素子11が、静電容量を検出する素子として構成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、検出素子11は、歪みを検出する素子として構成されていてもよい。この場合、図8に示すように、検出素子11は、起歪体に設けられた歪みゲージ11cを含んでいてもよい。検出素子11は、歪みを示す検出値を検出回路12に出力する。以下、検出素子11が歪みゲージ11cを含んでいる例について、より詳細に説明する。図8は、図2に示す校正システム30の変形例を示す図である。
図8に示すように、本実施の形態における力覚センサ10の検出回路12は、成分値算出部15を含んでいる。すなわち、本実施の形態における成分値算出部15は、力覚センサ10の構成要素になっている。成分値算出部15は、検出素子11から出力された検出値に基づいて、力覚センサ10に作用した力またはモーメントを示す成分値を算出する。例えば、成分値算出部15は、ホイートストンブリッジ回路を含んでいてもよい。各歪みゲージ11cをホイートストンブリッジ回路で適切に接続することにより、軸成分毎の成分値を示す電気信号を後述するアンプ回路16に出力することができる。
本実施の形態による検出回路12は、成分値算出部15から出力された成分値を電気的に処理して、電気信号を出力する。検出回路12は、アンプ回路16と、A/Dコンバータ17と、を更に含んでいてもよい。成分値算出部15にアンプ回路16およびA/Dコンバータ17が接続されている。成分値算出部15により算出された成分値は、アンプ回路16において増幅される。増幅された成分値は、A/Dコンバータ17によりアナログ信号からデジタル信号に変換され、電気信号が形成される。形成された電気信号は、各軸成分に対応する信号となり、力覚センサ10の出力値として、検出回路12からコントローラ20に出力される。このようにして、本実施の形態における力覚センサ10は、力またはモーメントを示す成分値をコントローラ20に出力する。
本実施の形態によるコントローラ20は、切替部26を含んでいてもよい。切替部26は、力覚センサ10の検出回路12から出力された成分値を示す電気信号の送信先を、データ算出部22と補正部35との間で切り替えるように構成されている。例えば、力覚センサ10の校正時には、切替部26は、検出回路12からの電気信号をデータ算出部22に送信する。この場合、検出回路12からの成分値が、校正成分値としてデータ算出部22に送信される。一方、力覚センサ10の運転時には、切替部26は、検出回路12からの電気信号を補正部35に送信する。この場合、検出回路12からの成分値が、運転成分値として補正部35に送信される。
このように検出素子11が歪みを検出する素子として構成されている場合においても、力覚センサ10の校正を行うことができる。
このように、力覚センサ10は、各々の検出素子11の検出値に基づいて算出された少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す成分値をコントローラ20に出力する。この場合においても、ロボット1に取り付けた状態で力覚センサ10の校正を行うことができる。このため、力覚センサ10のメンテナンス性を向上させることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図9Aおよび図9Bを用いて、本発明の第2の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。
図9Aおよび図9Bに示す第2の実施の形態においては、第1の姿勢および第2の姿勢の少なくとも一方において、X軸、Y軸およびZ軸の少なくとも2つは、鉛直方向に対して傾斜している点が主に異なり、他の構成は、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図9Aおよび図9Bにおいて、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、第1の姿勢および第2の姿勢の少なくとも一方において、X軸、Y軸およびZ軸の少なくとも2つは、鉛直方向に対して傾斜している。この場合、X軸、Y軸およびZ軸のうちの2つの軸のみが鉛直方向に対して傾斜していてもよい。あるいは、X軸、Y軸およびZ軸それぞれが鉛直方向に対して傾斜していてもよい。また、第1の姿勢および第2の姿勢の一方のみで、少なくとも1つの軸が傾斜していてもよく、第1の姿勢および第2の姿勢のそれぞれで、少なくとも1つの軸が傾斜していてもよい。
ここでは、上述した図6Aおよび図6Dに示す第3校正工程S33を例にとって説明する。図9Aは、第3校正工程S33において、力覚センサ10を第1の姿勢に位置づけた状態を示す図であり、図9Bは、第3校正工程S33において、力覚センサ10を第2の姿勢に位置づけた状態を示す図である。
第3校正工程S33の第1配置工程S11においては、力覚センサ10が、図9Aに示す第1の姿勢に位置づけられる。図9Aに示す負荷体40は、図6Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の右下側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図9Aに示すように、第1の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図9Aの紙面表側を向いている。Y軸およびZ軸は、鉛直方向に対して傾斜している。Z軸が鉛直方向に対して角度θ1で傾斜している。この場合、Y軸およびZ軸は、水平方向に対しても傾斜している。Y軸方向正側は、図9Aの左下側を向いている。Z軸方向正側は、図9Aの右下側を向いている。
第3校正工程S33の第1成分値算出工程S12においては、図9Aに示す状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図9Aに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力が鉛直方向下側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸方向の力+Fzが作用する。力+Fzの向きは、鉛直方向に対して角度θ1で傾斜している。そして、図6Aに示す例と同様にして、Z軸方向の力Fzに対応する第1校正成分値VFz1が算出される。
第3校正工程S33の第2配置工程S13においては、力覚センサ10が、図9Bに示す第2の姿勢に位置づけられる。図9Bに示す負荷体40は、図9Aに示す負荷体40と同一であってもよい。負荷体40は、X軸方向負側に向かって見たときに、力覚センサ10の左上側に位置する。負荷体40の重心Gは、力覚センサ10の中心点Oを通るZ軸上に配置されている。
図9Bに示すように、第2の姿勢では、X軸は水平方向に沿っており、X軸方向正側は、図9Bの紙面表側を向いている。Y軸およびZ軸は、鉛直方向に対して傾斜している。Z軸が鉛直方向に対して角度θ2で傾斜している。この場合、Y軸およびZ軸は、水平方向に対しても傾斜している。Y軸方向正側は、図9Bの右上側を向いている。Z軸方向正側は、図9Bの左上側を向いている。
図9Aに示す角度θ1と図9Bに示す角度θ2が等しい場合、第3校正工程S33における第1の姿勢および第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、負荷体40が力覚センサ10の中心点Oに対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢になっている。言い換えると、第2の姿勢は、第1の姿勢から、負荷体40がX軸を中心にして180°回転した姿勢になっている。しかしながら、このことに限られることはなく、角度θ1と角度θ2は異なっていてもよい。
第3校正工程S33の第2成分値算出工程S14において、図9Bに示す状態でロボットアーム4を静止する。このことにより、図9Bに示すように、負荷体40の負荷としての負荷体40の質量Wによる重力が鉛直方向下側に作用する。このため、力覚センサ10に、Z軸方向の力-Fzが作用する。力-Fzは、鉛直方向に対して角度θ2で傾斜している。そして、図6Bに示す例と同様にして、Z軸方向の力Fzに対応する第2校正成分値VFz2が算出される。
Fz校正データとしての零点成分値VFz0は、第1校正成分値VFz1と第2校正成分値VFz2とに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000017
Fz校正データとしての力感度SFz1は、第1校正成分値VFz1と、零点成分値VFz0と、負荷体40の質量Wとに基づいて、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000018
なお、第1校正成分値VFz1の代わりに、第2校正成分値VFz2を用いて力感度SFxが算出されてもよい。この場合、Fz校正データとしての力感度SFz2は、以下の式を用いて算出される。
Figure 0007127897000019
本実施の形態においては、説明を簡略化するために、第1校正成分値VFz1を用いて算出される力感度SFz(正側感度)と、第2校正成分値VFz2を用いて算出される力感度SFz(負側感度)は等しいと仮定している。このため、力感度については、第1校正成分値VFz1および第2校正成分値VFz2のうちのいずれか一方を用いて算出すればよい。
上述した角度θ1および角度θ2は、ロボットアーム4が停止している場合には、加速度センサ60(図11参照)で計測することができる。ロボットアーム4が移動している場合には、角度θ1および角度θ2は、ロボットアーム4の関節に内蔵されたエンコーダ(図示せず)で計測することができる。
このように本実施の形態によれば、第1の姿勢および第2の姿勢の少なくとも一方において、X軸、Y軸およびZ軸の少なくとも2つは、鉛直方向に対して傾斜している。このことにより、X軸、Y軸およびZ軸が、水平方向または鉛直方向に対してずれて配置されている場合であっても、力覚センサ10の校正を行うことができる。このため、X軸、Y軸およびZ軸を精度良く水平方向または鉛直方向に沿うように配置することを不要にでき、力覚センサ10の校正を容易に行うことができる。
なお、上述した本実施の形態においては、図9Aに示す第1の姿勢と図9Bに示す第2の姿勢とに力覚センサ10を位置づけて、Fz校正データを算出する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、Fz以外の軸成分に対応する校正データを算出してもよい。例えば、Mx校正データを算出してもよい。
また、上述した本実施の形態においては、第3校正工程S33として、力Fzに関する校正データを算出する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1校正工程S31、第2校正工程S32および第4校正工程S34においても、第1の姿勢および第2の姿勢の少なくとも一方において、X軸、Y軸およびZ軸の少なくとも2つが、鉛直方向に対して傾斜していてもよい。この場合においても、上述したFz校正データと同様にして各校正データを算出することができる。
(第3の実施の形態)
次に、図10を用いて、本発明の第3の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。
図10に示す第3の実施の形態においては、負荷体が、ツールを介して力覚センサに保持されている点が主に異なり、他の構成は、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図10において、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、図10に示すように、負荷体40は、ツール3を介して力覚センサ10に保持されている。図10には、ツール3が、グリッパー50を含む例が示されている。すなわち、ツール3としてのグリッパー50が、負荷体40を保持している。グリッパー50は、負荷体42を容易に把持することができる。あるいは、ツール3は、ツールチェンジャー(図示せず)を含んでいてもよい。ツールチェンジャーも、ツール3の一例として、負荷体42を容易に保持することができる。図10は、力覚センサ10にグリッパー50を介して負荷体42を保持させた状態を示す図である。なお、図10においては、一例として、円筒状に形成された負荷体42を示しているが、図4A~図6Bに示す負荷体40を保持してもよく、図7A~図7Dに示す負荷体41を保持してもよい。
このように本実施の形態によれば、負荷体42が、ツール3を介して力覚センサ10に保持されている。このことにより、負荷体42の取り付けおよび取り外しを容易に行うことができる。このため、負荷体42を容易に取り替えることができる。例えば、図4A~図6Bに示す負荷体40と、図7A~図7Dに示す負荷体41を、容易に交換することができる。この結果、力覚センサ10のメンテナンス性を向上させることができる。
なお、負荷体42の取り替えは、ツール3を用いなくてもよい。例えば、作業者による手作業で、負荷体42を取り替えてもよい。
また、負荷体40は、ツール3で保持させる場合には、負荷体40の質量とツール3の質量との合計質量を、負荷体40の質量Wと置き換えてもよい。この合計質量の重心点を、負荷体40の重心Gとしてもよい。
(第4の実施の形態)
次に、図11を用いて、本発明の第4の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。
図11に示す第4の実施の形態においては、第1成分値算出工程および第2成分値算出工程の少なくとも一方において、ロボットアームが移動している状態で検出素子の検出値が検出される点が主に異なり、他の構成は、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図11において、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14の少なくとも一方において、ロボットアーム4が移動している状態で検出値が検出される。例えば、第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14の一方のみで、ロボットアーム4が移動している状態で検出値が検出され、他方で、ロボットアーム4が静止している状態で検出値が検出されるようにしてもよい。あるいは、以下で説明する本実施の形態のように、第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14のそれぞれで、ロボットアーム4が移動している状態で検出値が検出されてもよい。
図11に示すように、本実施の形態における負荷体40に、加速度センサ60が設けられている。加速度センサ60は、負荷体40の重心Gまたは重心Gの近傍に位置づけられていてもよい。加速度センサ60により計測された負荷体40の加速度は、コントローラ20に送信される。図11は、負荷体40に取り付けられた加速度センサ60および角速度センサ61を示す図である。
また、図11に示すように、本実施の形態による負荷体40に、角速度センサ61が設けられている。角速度センサ61は、負荷体40の重心Gまたは重心Gの近傍に位置づけられていてもよい。角速度センサ61により計測された負荷体40の角速度は、コントローラ20に送信される。
コントローラ20の成分値算出部21は、加速度センサ60により計測された加速度および角速度センサ61により計測された角速度に基づいて、第1校正成分値および第2校正成分値を算出する。より具体的には、計測された加速度と、負荷体40の質量とに基づいて、負荷体40に生じていた並進力が算出される。また、計測された角速度と、負荷体40の質量とに基づいて、負荷体40に生じていた遠心力が算出される。そして、負荷体40に作用する並進力と遠心力の合力を、図4A~図6B、図9Aおよび図9Bに示された負荷体40の質量Wによる重力と置き換えればよい。このことにより、負荷体40が移動していたことの影響を排除した値を得ることができる。同様にして、負荷体40が移動していたことの影響を排除した第2校正成分値を得ることができる。このため、校正データを算出することができる。
このように本実施の形態によれば、第1成分値算出工程S12および第2成分値算出工程S14の少なくとも一方において、ロボットアーム4が移動している状態で検出値が検出される。このことにより、ロボットアーム4が移動している場合であっても、力覚センサ10の校正を行うことができる。このため、力覚センサ10のメンテナンス性を向上させることができる。
(第5の実施の形態)
次に、図12を用いて、本発明の第5の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。
図12に示す第5の実施の形態においては、データ算出工程において算出された校正データが、力覚センサのセンサ記憶部に記録される点が主に異なり、他の構成は、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図12において、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、データ算出工程S15において算出された校正データが、図12に示す力覚センサ10のセンサ記憶部70に記録される。例えば、図3に示す記録工程S4において、各校正データが、コントローラ記憶部24とともにセンサ記憶部70に記録されてもよい。データ算出部22から出力された各校正データは、コントローラ記憶部24を介してセンサ記憶部70に送信されてもよく、あるいは、データ算出部22から出力された各校正データは、直接、センサ記憶部70に送信されてもよい。図12に示すように、センサ記憶部70は、力覚センサ10の構成要素になっている。センサ記憶部70は、例えば、メモリであってもよい。図12は、本実施の形態における校正システム30を示す図である。
このように本実施の形態によれば、データ算出工程S15において算出された校正エータが、力覚センサ10のセンサ記憶部70に記録される。このことにより、ロボット1の運転後に力覚センサ10を他のロボットに付け替える場合には、ロボット1の運転前に行った力覚センサ10の校正データを流用することができる。このため、力覚センサ10のメンテナンス性を向上させることができる。例えば、力覚センサ10の付け替えの前後で力覚センサ10の使用環境(例えば、温度など)の変化が大きくない場合には、付け替え前の校正データを流用することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、校正データが、力覚センサ10のセンサ記憶部70に記録される例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、校正データは、図12に示すように、外部記憶部71に記録されてもよい。外部記憶部71は、例えば、USBメモリ、SDカード、CD-ROM等であってもよい。また、外部記憶部71は、コントローラ20がインターネットを介してアクセス可能なクラウドであってもよい。
(第6の実施の形態)
次に、図13を用いて、本発明の第6の実施の形態における力覚センサの校正方法について説明する。
図13に示す第6の実施の形態においては、データ算出工程において算出された校正データに基づいて、力覚センサの故障診断を行う点が主に異なり、他の構成は、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図13において、図1~図7Dに示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本実施の形態における力覚センサの校正方法は、データ算出工程S15において算出された校正データに基づいて、故障診断を行う診断工程を更に備えている。例えば、図13に示すように、本実施の形態におけるコントローラ20は、診断部80を含んでいる。図13は、本実施の形態における校正システム30を示す図である。
診断部80は、コントローラ記憶部24に記録された校正データを用いて、力覚センサ10の故障診断を行う。診断部80は、最新の校正データと、最新の校正データよりも1つ前の校正時に得られた校正データとの差を算出し、この差に基づいて故障診断を行う。例えば、Fx校正データとしての最新の零点成分値VFx0と、それよりも1つ前の校正時に得られた零点成分値VFx0との差を算出する。この差が所定の閾値以下である場合には、故障は発生していないと判断され、この差が所定の閾値を超える場合には、故障が発生していると判断される。感度についても同様にして故障診断を行うことができる。他の軸成分の校正データについても同様にして故障診断を行うことができる。なお、故障診断は、人工知能(AI)を用いて、校正時に得られた校正データを分析して、力覚センサ10の故障箇所を特定するようにしてもよい。
このように本実施の形態によれば、データ算出工程S15において算出された校正データに基づいて故障診断が行われる。このことにより、力覚センサ10の故障の発生の有無を容易に確認することができる。このため、力覚センサ10の信頼性を向上させることができる。
本発明は上記実施の形態および変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1 ロボット
2 ロボット本体
3 ツール
4 ロボットアーム
10 力覚センサ
10a 第1センサ面
10b 第2センサ面
11 検出素子
11a 変位電極
11b 固定電極
11c 歪みゲージ
12 検出回路
13 C/V変換器
14 A/Dコンバータ
15 成分値算出部
16 アンプ回路
17 A/Dコンバータ
20 コントローラ
21 成分値算出部
22 データ算出部
23 入力部
24 コントローラ記憶部
25 補正部
26 切替部
30 校正システム
40 負荷体
40a 本体
40b フランジ
40c 首部
41 負荷体
41a 本体
41b 接続片
50 グリッパー
60 加速度センサ
61 角速度センサ
70 センサ記憶部
71 外部記憶部
80 診断部

Claims (12)

  1. 互いに反対側に位置する第1センサ面および第2センサ面を含み、前記第1センサ面と前記第2センサ面との間の中間位置にXYZ三次元座標系の原点としての中心点を有する力覚センサであって、6軸成分のうちの少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを検出するための力覚センサを、コントローラを備えたロボットに取り付けた状態で校正する力覚センサの校正方法であって、
    前記ロボットのアームに、前記力覚センサを介して負荷体を保持する保持工程であって、前記力覚センサの第1センサ面に前記負荷体が取り付けられ、前記力覚センサの第2センサ面に前記アームが取り付けられる保持工程と、
    少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す運転成分値であって、前記ロボットの運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データを前記コントローラにより算出する校正工程と、を備え、
    X軸およびY軸は、前記第1センサ面および前記第2センサ面に沿い、Z軸は、前記第1センサ面および前記第2センサ面の法線方向に沿い、
    前記校正工程は、
    第1の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第1校正成分値を算出する第1成分値算出工程と、
    前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第2校正成分値を算出する第2成分値算出工程と、
    前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて、前記校正データを算出するデータ算出工程と、を含み、
    前記校正工程は、第1校正工程と、第4校正工程と、を有し、
    前記第1校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
    前記第1校正工程の前記第1成分値算出工程において、X軸方向の力に対応する前記第1校正成分値およびY軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値を算出し、
    前記第1校正工程の前記第2成分値算出工程において、X軸方向の力に対応する前記第2校正成分値およびY軸周りのモーメントに対応する前記第2校正成分値を算出し、
    前記第1校正工程の前記データ算出工程において、X軸方向の力に対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてX軸方向の力に対応する前記校正データが算出されるとともに、Y軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてY軸周りのモーメントに対応する前記校正データが算出され、
    前記第1校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、Y軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
    前記第1校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、Y軸およびZ軸は水平方向に沿っているとともに、前記負荷体の重心はZ軸上に配置されており、
    前記第4校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
    前記第4校正工程の前記第1成分値算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値を算出し、
    前記第4校正工程の前記第2成分値算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第2校正成分値を算出し、
    前記第4校正工程の前記データ算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてZ軸周りのモーメントに対応する前記校正データが算出され、
    前記第4校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、Z軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
    前記第4校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っているとともに前記負荷体の重心はX軸上に配置されている、力覚センサの校正方法。
  2. 互いに反対側に位置する第1センサ面および第2センサ面を含み、前記第1センサ面と前記第2センサ面との間の中間位置にXYZ三次元座標系の原点としての中心点を有する力覚センサであって、6軸成分のうちの少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを検出するための力覚センサを、コントローラを備えたロボットに取り付けた状態で校正する力覚センサの校正方法であって、
    前記ロボットのアームに、前記力覚センサを介して負荷体を保持する保持工程であって、前記力覚センサの第1センサ面に前記負荷体が取り付けられ、前記力覚センサの第2センサ面に前記アームが取り付けられる保持工程と、
    少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す運転成分値であって、前記ロボットの運転時に算出される運転成分値を補正するための校正データを前記コントローラにより算出する校正工程と、を備え、
    X軸およびY軸は、前記第1センサ面および前記第2センサ面に沿い、Z軸は、前記第1センサ面および前記第2センサ面の法線方向に沿い、
    前記校正工程は、
    第1の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第1校正成分値を算出する第1成分値算出工程と、
    前記第1の姿勢とは異なる第2の姿勢に位置づけられた前記力覚センサに前記負荷体の負荷を作用させることにより検出された検出値に基づいて第2校正成分値を算出する第2成分値算出工程と、
    前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて、前記校正データを算出するデータ算出工程と、を含み、
    前記校正工程は、第2校正工程と、第4校正工程と、を有し、
    前記第2校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
    前記第2校正工程の前記第1成分値算出工程において、Y軸方向の力に対応する前記第1校正成分値およびX軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値を算出し、
    前記第2校正工程の前記第2成分値算出工程において、Y軸方向の力に対応する前記第2校正成分値およびX軸周りのモーメントに対応する前記第2校正成分値を算出し、
    前記第2校正工程の前記データ算出工程において、Y軸方向の力に対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてY軸方向の力に対応する前記校正データが算出されるとともに、X軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてX軸周りのモーメントに対応する前記校正データが算出され、
    前記第2校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
    前記第2校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っているとともに、前記負荷体の重心はZ軸上に配置されており、
    前記第4校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
    前記第4校正工程の前記第1成分値算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値を算出し、
    前記第4校正工程の前記第2成分値算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第2校正成分値を算出し、
    前記第4校正工程の前記データ算出工程において、Z軸周りのモーメントに対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてZ軸周りのモーメントに対応する前記校正データが算出され、
    前記第4校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、Z軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
    前記第4校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびZ軸は水平方向に沿っているとともに前記負荷体の重心はX軸上に配置されている、力覚センサの校正方法。
  3. 力に対応する前記校正データは、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて算出される零点成分値と、力感度と、を含み、
    前記力感度は、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値の一方と、前記零点成分値と、前記負荷体の質量とに基づいて算出される、請求項1または2に記載の力覚センサの校正方法。
  4. モーメントに対応する前記校正データは、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいて算出される零点成分値と、モーメント感度と、を含み、
    前記モーメント感度は、前記第1校正成分値および前記第2校正成分値の一方と、前記零点成分値と、前記負荷体の質量と、前記力覚センサの中心点から前記負荷体の重心までの距離とに基づいて算出される、請求項1または2に記載の力覚センサの校正方法。
  5. 前記校正工程は、第3校正工程を有し、
    前記第3校正工程は、前記第1成分値算出工程と、前記第2成分値算出工程と、前記データ算出工程と、を含み、
    前記第3校正工程の前記第1成分値算出工程において、Z軸方向の力に対応する前記第1校正成分値を算出し、
    前記第3校正工程の前記第2成分値算出工程において、Z軸方向の力に対応する前記第2校正成分値を算出し、
    前記第3校正工程の前記データ算出工程において、Z軸方向の力に対応する前記第1校正成分値および前記第2校正成分値に基づいてZ軸方向の力に対応する前記校正データが算出され、
    前記第3校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢は、X軸方向に沿って見たときに、前記負荷体が前記力覚センサの中心点に対して互いに点対称となる位置に位置づけられる姿勢であり、
    前記第3校正工程における前記第1の姿勢および前記第2の姿勢において、X軸およびY軸は水平方向に沿っているとともに、前記負荷体の重心は、Z軸上に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  6. 前記力覚センサは、作用した力またはモーメントにより生じた変位を検出して前記検出値を出力する複数の検出素子を含み、
    前記力覚センサは、各々の前記検出値に対応する出力値を前記コントローラに出力する、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  7. 前記力覚センサは、検出対象となる力またはモーメントにより生じた変位を検出して前記検出値を出力する複数の検出素子を含み、
    前記力覚センサは、各々の前記検出値に基づいて算出された、少なくとも1つの軸成分の力またはモーメントを示す成分値を前記コントローラに出力する、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  8. 前記負荷体は、ツールを介して前記力覚センサに保持される、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  9. 前記第1成分値算出工程および前記第2成分値算出工程において、前記ロボットの前記アームを静止した状態で前記検出値を検出する、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  10. 前記データ算出工程において算出された前記校正データを、コントローラのコントローラ記憶部に記録する記録工程を更に備えた、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  11. 前記データ算出工程において算出された前記校正データを、前記力覚センサのセンサ記憶部に記録するまたは外部記憶部に記録する記録工程を更に備えた、請求項1~のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
  12. 前記データ算出工程において算出された前記校正データに基づいて、前記力覚センサの故障診断を行う診断工程を更に備えた、請求項1~11のいずれか一項に記載の力覚センサの校正方法。
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