JP5995635B2 - 多分力計測方法 - Google Patents
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Description
および「多分力検出器自体、およびこの多分力検出器と被計測物体の間や、多分力検出器と固定端の間を締結する各付属部材の変形により生ずる検出器出力の干渉、並びに多分力検出器が保有する固有の干渉等を排除した状態で多分力検出器により被計測物体に加わる多分力を検出する方法において、多分力(Fi;i=1〜6)と分力の二次値(Fi・Fj;i,j=1〜6)を列ベクトルとし、この列ベクトルの各要素に一定の係数(Aij;i≦j;i,j=0〜6)を乗算し、更に一定数(A00)を加えて互いに積算して一次式の擬似分力出力(AEFi)を形成し、較正測定にあって、互いに異なる組の分力出力(BFik)出力時での各分力出力(Fik)を全ての較正点(n=1〜N;N=正の整数)にわたって予め求め、各較正点での擬似分力出力(AEFin)と実測された分力(Fin)の分力差(DFin)を求め、この分力出力差(DFin)の二乗を全ての較正点(n)にわたって積算し、この二乗和が最小になるように前記係数(Aij)を求めて最適擬似分力出力(AEFi)を決定し、計測中に生じる任意の負荷に対する分力出力検出に適用する、ことを特徴とする方法。」である。
即ち、「較正治具20を結合した多分力検出器10のユニットを較正装置14の取付台12に取り付け、所望の分力を加えるように較正治具20の姿勢を調整する。互いに独立した分力Fin(i= 1〜6 ; n = 1〜 N) を多分力検出器10に加えた時の分力出力信号EFinのデータを求め、このデータを用いて最小二乗法により定数、Ai0,一次係数、Aij,二次係数Aijkを求め、次いで、EFin−Ai0≡EFin (β)の置換を施した置換データを用い、Fi =Σj=1,6 BijEFj+Σj=1,6 Σk=j,6 Bijk EFjEFk (γ)と表し、前記置換データを用いて最小二乗法により、一次係数Bij,二次係数Bijk を求め、実測された分力出力信号EFi (i= 1〜6)から式 (β) と (γ) を用いて、その時の分力Fi (i= 1〜6)を求める。」
これにより、試験用治具の物理値(重量およびモーメント)に基づく測定誤差が補正され、試験用治具の物理値が被計測物体の計測容量に比較して無視できないような場合においても、高精度の計測が可能となる。
右辺のFx,Fy,FzおよびMx,My,Mzは、それぞれ、負荷のx,y,z方向の各軸方向の力および各軸回りのモーメントである。
Ai0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Ai10'〜Ai66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
右辺のEFx,EFy,EFzおよびEMx,EMy,EMzは、それぞれ、検出器のx,y,z方向の各軸方向の力の出力および各軸回りのモーメントの出力である。
Bi0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Bi10'〜Bi66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
図1は、試験用治具の座標系と重心の定義ならびに負荷の6分力および検出器の出力の記号を示す図を示す。図1においては、較正治具は図示を省略しているが、較正試験においては、特許文献3の図1のように、検出器10に対して較正治具20が取り付けられる。そして、図1においては、負荷に関し、X,Y,Z直交座標系の各軸方向の力をFX,FY,FZで示し、各軸回りのモーメントをMX,MY,MZで示す。また、試験用治具の重心をGで示す。
前記4点のデータとは、検出器の基準となる水平軸(検出器の長手軸)と、その周りに90°づつ回転させた位置における4点のデータ(図3のNo.1〜No.4の各データ)である。No.1〜No.4における検出器の姿勢位置は、それぞれ、No.1は+Fz が上向きであり、No.2は+Fy が上向きであり、No.3は+Fz が下向きであり、No.4は+Fy が下向きである。この検出器の姿勢位置は、後述する図4、図6に関しても同様である。
なお、上記4点のデータに比較して、45°づつ回転させた位置における8点のデータなど多くのデータに基づく程、補正精度が向上することは自明であると考えられるが、較正方法と較正治具の構成をシンプルとする観点から、実用上、4点のデータとするのが好ましい。また、全周について計測しなければならないのではなく、任意の複数個の角度について計測した結果を用いることも可能である。
また、EFxi , EFyi , EFzi , EMxi , EMyi , EMzi ( i = 1〜4 ) は、検出器に試験用治具が取付けられている時の検出器出力であり、EFx0, EFy0, EFz0, EMx0, EMy0, EMz0 は、検出器に負荷がまったく作用していない時の出力(無負荷時出力・オフセット)である。
ここで、図2(2)の(出力から負荷の算出式)に、図6のNo.1〜No.4の各データを代入することにより、No.1〜No.4のW, X*W, Y*W, Z*W が求められる。そして、これらの求めた値を平均化すると、一次干渉補正係数を用いた、即ち、線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値が得られる。
これを被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することにより、試験用治具の物理値(重量およびモーメント)に基づく測定誤差が、高度に補正され、試験用治具の物理値が被計測物体の計測容量に比較して無視できないような場合においても、さらに高精度の計測が可能となる。
較正試験に用いる較正治具等の重量が比較的大きく、被計測物体の計測容量に対して無視できないような場合の測定誤差の一例として、従来、誤差が0.5%であったものが、上記本発明の補正方法により、0.1%に低減することができた。
Claims (6)
- 高次の相互干渉特性を有する多分力検出器を用いて被計測物体に加わる多分力を計測する多分力計測方法において、実測前の較正試験に用いる較正治具および多分力検出器(以下、単に検出器という。)の重量およびモーメントの6分力データ(以下、試験用治具の物理値という。)を一次干渉補正係数を用いた計算(線型計算)に基づいて求め、較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することを特徴とする多分力計測方法。
- 請求項1に記載の多分力計測方法において、前記試験用治具の物理値は、検出器の基準となる水平軸と、その周りに90°づつ回転させた位置における4点の出力データの平均値を用いることを特徴とする多分力計測方法。
- 請求項2に記載の多分力計測方法において、前記負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求める際の検出器の出力は、前記4点の出力データの平均値に基づいて算出されたオフセット値を除去したものとすることを特徴とする多分力計測方法。
- 請求項1に記載の多分力計測方法において、さらに、前記二次干渉補正係数と前記試験用治具の物理値に基づいて、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を求め、前記較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0'')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することを特徴とする多分力計測方法。
- 請求項3に記載の多分力計測方法において、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数1]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数1]におけるAiO'を減算した上で、下記の[数2]を用いて行うことを特徴とする多分力計測方法。
右辺のFx,Fy,FzおよびMx,My,Mzは、それぞれ、負荷のx,y,z方向の各軸方向の力および各軸回りのモーメントである。
Ai0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Ai10'〜Ai66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
ここで、Fiは試験用治具の物理値を含めた負荷である。
右辺のEFx,EFy,EFzおよびEMx,EMy,EMzは、それぞれ、検出器のx,y,z方向の各軸方向の力の出力および各軸回りのモーメントの出力である。
Bi0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Bi10'〜Bi66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。 - 請求項4に記載の多分力計測方法において、前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算した負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数3]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数3]におけるAiO''を減算した上で、下記の[数4]を用いて行うことを特徴とする多分力計測方法。
下記の[数3]および[数4]における各符号は、上記[数1]および[数2]と同様であるが、[数3]および[数4]においては、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算しているので、[数1]および[数2]における上付き符号「'」を、「''」と表記している。
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