JP5995635B2 - 多分力計測方法 - Google Patents

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本発明は、高次の相互干渉がある多分力検出器を用いて高精度で分力を計測する多分力計測方法に関する。
さまざまな外力が作用している物体の任意の一点について考えると、この外力はX,Y,Z直交座標系の各軸方向の力FX,FY,FZと各軸回りのモーメントMX,MY,MZで構成される6個の独立した分力成分に分解できる。航空機模型の風洞試験用に使用されているスチング型多分力計測もその一例である。
このような力を、物体に取り付けた多分力検出器で各分力成分に分解して計測すると、その検出器出力には誤差が含まれる。この誤差には種々の要因が含まれるが、何れにしても補正可能な誤差と補正困難な誤差とに大別される。もっとも、近年の計測技術の進歩に従い、従来は補正困難であった誤差も補正可能になったものもあり、外見上誤差とならないような部分も生じているが、なお、補正できない誤差も少なくなかった。補正が可能な誤差の場合は、補正を適切に施すことにより、計測性能を飛躍的に向上させることができる。
高精度の計測にあっては、干渉補正は必然になっているが、その補正方法も、線型補正(一次補正)から二次補正や更に高次の補正にまで高度化して来ており、この種の技術に関して、本件と同一出願人により、以下のような提案がなされ特許出願されている(特許文献1〜3参照)。
特許文献1には、飛翔体の流体力学的特性試験用にスチング型多分力計測器を用い、機体モデルの姿勢を変化させる際に生じる多分力計測器中心における高さの違いを検出し、かつ該高さの違いを補正するための調整治具を有する多分力負荷装置が開示されている。そして、その第2図にはスチング型多分力計測器と機体モデルとの関係が開示され、また、第4A図や第5A図などには、多分力負荷試験装置や、較正試験に用いる較正治具(負荷試験用ボディー32)を備える多分力負荷装置が開示されている。この較正治具は、後述する本発明においても適用されるものである。
特許文献2は、「被計測物体に加わる分力を測定する場合、多分力検出器自体やそれに付属する補助器具に生じる変形に起因する干渉誤差、並びに多分力検出器が保有する固有の干渉誤差に対して最適な補正を施して、分力の計測精度を飛躍的に向上させることができる多分力検出法を提供すること」を課題とし、この課題の解決手段として、特許文献2の請求項1および2に記載された以下のような方法を開示する。
即ち、「多分力検出器自体、およびこの多分力検出器と被計測物体の間や、多分力検出器と固定端の間を締結する各付属部材の変形により生ずる検出器出力の干渉、並びに多分力検出器が保有する固有の干渉等を排除した状態で多分力検出器により被計測物体に加わる多分力を検出する方法において、多分力検出器の各出力(EFi;i=1〜6)と出力の二次値(EFi・EFj;i,j=1〜6)を列ベクトルとし、この列ベクトルの各要素に一定の係数(Bij;i≦j;i,j=0〜6)を乗算し、更に一定数(B00)を加えて互いに積算して擬似分力(BFi)を与える計算式を形成し、較正測定にあって、互いに異なる組の分力(Fik)の負荷時での多分力検出器の各分力出力(EFin)を全ての較正点(n=1〜N;N=正の整数)にわたって予め求め、各較正点での擬似分力(BFin)と負荷された分力(Fin)の差(DFin)を求め、この差(DFin)の二乗を全ての較正点(n)にわたって積算し、この二乗和が最小になるように前記係数(Bij)を求めて最適擬似分力(BFi)を決定し、計測中に生じる任意の負荷に対する分力検出に適用する、ことを特徴とする方法。」
および「多分力検出器自体、およびこの多分力検出器と被計測物体の間や、多分力検出器と固定端の間を締結する各付属部材の変形により生ずる検出器出力の干渉、並びに多分力検出器が保有する固有の干渉等を排除した状態で多分力検出器により被計測物体に加わる多分力を検出する方法において、多分力(Fi;i=1〜6)と分力の二次値(Fi・Fj;i,j=1〜6)を列ベクトルとし、この列ベクトルの各要素に一定の係数(Aij;i≦j;i,j=0〜6)を乗算し、更に一定数(A00)を加えて互いに積算して一次式の擬似分力出力(AEFi)を形成し、較正測定にあって、互いに異なる組の分力出力(BFik)出力時での各分力出力(Fik)を全ての較正点(n=1〜N;N=正の整数)にわたって予め求め、各較正点での擬似分力出力(AEFin)と実測された分力(Fin)の分力差(DFin)を求め、この分力出力差(DFin)の二乗を全ての較正点(n)にわたって積算し、この二乗和が最小になるように前記係数(Aij)を求めて最適擬似分力出力(AEFi)を決定し、計測中に生じる任意の負荷に対する分力出力検出に適用する、ことを特徴とする方法。」である。
特許文献3は、オフセット(零点調整)に関して上記の方法を改善した方法を開示する。即ち、特許文献3に係る発明は、「高次の相互干渉特性を持った検出器を外力が常に作用する時や未知のオフセットが存在する状態で較正試験を行い、その結果からオフセットのない状態での干渉係数を求める必要がある。」ことに鑑みてなされたもので、その解決手段として、以下のような方法を開示する。
即ち、「較正治具20を結合した多分力検出器10のユニットを較正装置14の取付台12に取り付け、所望の分力を加えるように較正治具20の姿勢を調整する。互いに独立した分力Fin(i= 1〜6 ; n = 1〜 N) を多分力検出器10に加えた時の分力出力信号EFinのデータを求め、このデータを用いて最小二乗法により定数、Ai0,一次係数、Aij,二次係数Aijkを求め、次いで、EFin−Ai0≡EFin (β)の置換を施した置換データを用い、Fi =Σj=1,6 ijEFj+Σj=1,6 Σk=j,6 ijk EFjEFk (γ)と表し、前記置換データを用いて最小二乗法により、一次係数Bij,二次係数Bijk を求め、実測された分力出力信号EFi (i= 1〜6)から式 (β) と (γ) を用いて、その時の分力Fi (i= 1〜6)を求める。」
ところで、前記特許文献2や3に開示された方法においては、較正試験に用いる較正治具等の重量は、被計測物体の計測容量、即ち計測すべき負荷に比べて小さく、干渉補正においては実質的に無視できるとして直線近似で処理されていた。しかしながら、最近では、較正治具等の重量やモーメントに基づく測定誤差が無視できない場合が出てきている。
特開昭64−16949号公報 特公平6−103236号公報 特許第2886832号公報
この発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、較正治具等の重量や重心位置を正確に求めることにより較正治具等の重量やモーメントに基づく測定誤差を補正可能とした、従来より高精度な多分力計測方法を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明によれば、高次の相互干渉特性を有する多分力検出器を用いて被計測物体に加わる多分力を計測する多分力計測方法において、実測前の較正試験に用いる較正治具および多分力検出器(以下、単に検出器という。)の重量およびモーメントの6分力データ(以下、試験用治具の物理値という。)を一次干渉補正係数を用いた計算(線型計算)に基づいて求め、較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することを特徴とする。
これにより、試験用治具の物理値(重量およびモーメント)に基づく測定誤差が補正され、試験用治具の物理値が被計測物体の計測容量に比較して無視できないような場合においても、高精度の計測が可能となる。
前記多分力計測方法において、前記試験用治具の物理値は、検出器の基準となる水平軸と、その周りに90°づつ回転させた位置における4点の出力データの平均値を用いることが好ましい。4点以上のデータを用いる方が補正精度は向上するが、4点の出力データの平均値を用いることにより、実用上問題がなく、較正方法と較正治具の構成がシンプルとなる利点がある。
また、前記多分力計測方法において、前記負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求める際の検出器の出力は、前記4点の出力データの平均値に基づいて算出されたオフセット値を除去したものとすることが好ましい。これにより、前記発明において、特許文献3に係る発明に係るオフセット(零点調整)に関する改善効果が得られる。
また、前記多分力計測方法において、さらに、前記二次干渉補正係数と前記試験用治具の物理値に基づいて、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を求め、前記較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0'')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することが好ましい。これにより、さらに高精度の計測が可能となる。なお、補正手順をさらに高次の補正に適用することにより、計測精度を一層向上させることができる。
さらに、二次干渉補正係数の算出方法を特定した前記多分力計測方法としては、下記の方法が好ましい。即ち、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数1]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数1]におけるAiO'を減算した上で、下記の[数2]を用いて行うこととする。
Figure 0005995635
ここで、EFiは検出器の出力(i=1〜6)である。
右辺のFx,Fy,FzおよびMx,My,Mzは、それぞれ、負荷のx,y,z方向の各軸方向の力および各軸回りのモーメントである。
Ai0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Ai10'〜Ai66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
Figure 0005995635
ここで、Fiは試験用治具の物理値を含めた負荷である。
右辺のEFx,EFy,EFzおよびEMx,EMy,EMzは、それぞれ、検出器のx,y,z方向の各軸方向の力の出力および各軸回りのモーメントの出力である。
Bi0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Bi10'〜Bi66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
また、下記の方法がより好ましい。即ち、前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算した負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数3]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数3]におけるAiO''を減算した上で、下記の[数4]を用いて行うこととする。
下記の[数3]および[数4]における各符号は、上記[数1]および[数2]と同様であるが、[数3]および[数4]においては、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算しているので、[数1]および[数2]における上付き符号「'」を、「''」と表記している。
Figure 0005995635
Figure 0005995635
本発明によれば、較正治具等の重量や重心位置を正確に求めることにより較正治具等の重量やモーメントに基づく測定誤差を補正可能とし、従来より高精度な多分力計測方法を提供することできる。
試験用治具(較正治具は図示せず)の座標系と重心の定義ならびに負荷の6分力および検出器の出力の記号を示す図 検出器の線型較正試験における負荷時の出力および出力から負荷の算出式を示す図 検出器の試験用治具による実負荷と検出器の出力の関係を4点のデータについて示す図であって、作用する負荷と検出器の出力に関する一般的な関係を示す図 図3と同様の図であって、実負荷として試験用治具の物理値が作用している場合の関係を示す図 図4に基づいて算出した図であって、オフセットの近似値の算出結果を示す図 図4と同様の図であって、実負荷とオフセット除去後の検出器出力の関係を示す図 較正試験において、試験用治具を用いて所定の分銅負荷を加えた場合の、試験用治具の物理値を除く実負荷と検出器の出力を示す図 図7の実負荷に試験用治具の物理値を加算した場合の実負荷と検出器の出力を示す図 負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出に係る[数1]を示す図 図8の検出器の出力からオフセット値Ai0'を減算し、減算した出力の表記を変更した図 検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出に係る[数2]を示す図 図7の実負荷に二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算した場合の実負荷と検出器の出力を示す図 二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算した負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出に係る[数3]を示す図 図8の検出器の出力からオフセット値AiO''を減算し、減算した出力の表記を変更した図 検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出に係る[数4]を示す図
図1〜15に基づき、本発明の実施形態について、以下に述べる。この発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内において適宜の異なる実施形態が採用できる。
まず、較正試験前の試験用治具の物理値を求めるまでの形態について説明する。
図1は、試験用治具の座標系と重心の定義ならびに負荷の6分力および検出器の出力の記号を示す図を示す。図1においては、較正治具は図示を省略しているが、較正試験においては、特許文献3の図1のように、検出器10に対して較正治具20が取り付けられる。そして、図1においては、負荷に関し、X,Y,Z直交座標系の各軸方向の力をFX,FY,FZで示し、各軸回りのモーメントをMX,MY,MZで示す。また、試験用治具の重心をGで示す。
図2は、検出器の線型較正試験における負荷時の出力および出力から負荷の算出式を示す図であり、図2の前段(1)は負荷時の出力であり、後段(2)は出力から負荷の算出を行う式である。ここで、EFX〜EMZは検出器の出力(EFi)、FX〜MZは検出器に加える負荷(Fi)、そしてA11〜A66は変換行列[Aij]である。また、B11〜B66は逆変換行列[Bij]である(特許文献2の第2頁参照)。
図3は、検出器の試験用治具による実負荷と検出器の出力の関係を4点のデータについて示す図であって、作用する負荷と検出器の出力に関する一般的な関係を示す図である。
前記4点のデータとは、検出器の基準となる水平軸(検出器の長手軸)と、その周りに90°づつ回転させた位置における4点のデータ(図3のNo.1〜No.4の各データ)である。No.1〜No.4における検出器の姿勢位置は、それぞれ、No.1は+Fz が上向きであり、No.2は+Fy が上向きであり、No.3は+Fz が下向きであり、No.4は+Fy が下向きである。この検出器の姿勢位置は、後述する図4、図6に関しても同様である。
なお、上記4点のデータに比較して、45°づつ回転させた位置における8点のデータなど多くのデータに基づく程、補正精度が向上することは自明であると考えられるが、較正方法と較正治具の構成をシンプルとする観点から、実用上、4点のデータとするのが好ましい。また、全周について計測しなければならないのではなく、任意の複数個の角度について計測した結果を用いることも可能である。
図4は、図3と同様の図であって、実負荷として試験用治具の物理値が作用している場合の関係を示す図である。そして、図4の右側の検出器の出力は、オフセット(EFj0)除去後の出力を示す。図4において、Wは試験用治具の重量, X, Y, Zは試験用治具の重心位置である(図1参照)。
また、EFxi , EFyi , EFzi , EMxi , EMyi , EMzi ( i = 1〜4 ) は、検出器に試験用治具が取付けられている時の検出器出力であり、EFx0, EFy0, EFz0, EMx0, EMy0, EMz0 は、検出器に負荷がまったく作用していない時の出力(無負荷時出力・オフセット)である。
次に、オフセットの近似値の算出について述べる。図5は、オフセットの近似値の算出結果を示す図であって図4に基づいて算出した図である。図4におけるNo.1〜No.4の各データの総和は、近似的に、図5の上段に示すものとなる。そして、各分力出力の近似オフセット値は、1/4により、図5の下段に示すものとなる。なお、前記の「近似的」とは、実際には高次成分の干渉の影響を考慮する必要があるが、ここでは、簡便な算出としたことを意味する。
そして、図4のオフセット(EFj0)除去後の出力の表記を変更した図が、図6である。
ここで、図2(2)の(出力から負荷の算出式)に、図6のNo.1〜No.4の各データを代入することにより、No.1〜No.4のW, X*W, Y*W, Z*W が求められる。そして、これらの求めた値を平均化すると、一次干渉補正係数を用いた、即ち、線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値が得られる。
以上は試験用治具の物理値を求めるまでの形態の説明であるが、次に較正試験について以下に述べる。まず、試験用治具を用いて所定の分銅負荷を加える。この時の試験用治具の物理値を除く実負荷と検出器の出力を示す図が図7である。そして、図7の実負荷に前記の試験用治具の物理値を加算した場合の実負荷と検出器の出力を示す図が図8である。
負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数は、特許文献3に記載された方法に基づいて、図9のように算出できる。図9に示す算出の数式は、前記の[数1]と同一であり、EFiは検出器の出力(i=1〜6)であり、その右辺のFx,Fy,FzおよびMx,My,Mzは、それぞれ、負荷のx,y,z方向の各軸方向の力および各軸回りのモーメントであり、Ai0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Ai10'〜Ai66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
次に、検出器の出力から、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値Ai0'を減算することについて述べる。図8に示す検出器の出力からAi0'を減算することにより、図10の上段に示すものが得られ、図10の上段の右側に示す減算した出力の表記を変更したものを、図10の下段に示す。
図10の下段に基づいて算出する、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出式を図11に示す。この図11に示す算出の数式は、前記の[数2]と同一であり、Fiは試験用治具の物理値を含めた負荷であり、その右辺のEFx,EFy,EFzおよびEMx,EMy,EMzは、それぞれ、検出器のx,y,z方向の各軸方向の力の出力および各軸回りのモーメントの出力であり、Bi0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Bi10'〜Bi66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
上記のようにして検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することにより、試験用治具の物理値(重量およびモーメント)に基づく測定誤差が補正され、試験用治具の物理値が被計測物体の計測容量に比較して無視できないような場合においても、高精度の計測が可能となる。
次に、測定精度をさらに向上させるために、前記二次干渉補正係数と前記試験用治具の物理値に基づいて、さらに、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を求め、前記較正試験用の実負荷に基づく6分力に前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算して、前記検出器の二次干渉補正係数を求める手順について説明する。
まず、前記図11の算出式に前記図6のNo.1〜No.4の各データを代入することにより、No.1〜No.4のW', X'*W', Y'*W', Z'*W' が求められる。そして、これらの求めた値を平均化すると、二次干渉補正係数を用いた試験用治具の物理値が得られる。
次に、較正試験時の負荷図7に、前記二次干渉補正係数を用いた試験用治具の物理値を加算することにより、図12が得られる。
図12に基づいて算出する、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数は、図13により算出できる。図13に示す算出の数式は、前記の[数3]と同一である。数式の各符号の詳細は、前述のとおりである。
前述した手順と同様に、図8に示す検出器の出力から、前記図13におけるAiO''を減算することにより、図14の上段に示すものが得られ、上段の右側に示す減算した出力の表記を変更したものとして、図14の下段に示すものが得られる。
図14の下段に基づいて算出する、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出式を図15に示す。この図15に示す算出の数式は、前記の[数4]と同一である。
上記のようにして、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を求め、較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0'')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、
これを被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することにより、試験用治具の物理値(重量およびモーメント)に基づく測定誤差が、高度に補正され、試験用治具の物理値が被計測物体の計測容量に比較して無視できないような場合においても、さらに高精度の計測が可能となる。
較正試験に用いる較正治具等の重量が比較的大きく、被計測物体の計測容量に対して無視できないような場合の測定誤差の一例として、従来、誤差が0.5%であったものが、上記本発明の補正方法により、0.1%に低減することができた。

Claims (6)

  1. 高次の相互干渉特性を有する多分力検出器を用いて被計測物体に加わる多分力を計測する多分力計測方法において、実測前の較正試験に用いる較正治具および多分力検出器(以下、単に検出器という。)の重量およびモーメントの6分力データ(以下、試験用治具の物理値という。)を一次干渉補正係数を用いた計算(線型計算)に基づいて求め、較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することを特徴とする多分力計測方法。
  2. 請求項1に記載の多分力計測方法において、前記試験用治具の物理値は、検出器の基準となる水平軸と、その周りに90°づつ回転させた位置における4点の出力データの平均値を用いることを特徴とする多分力計測方法。
  3. 請求項2に記載の多分力計測方法において、前記負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求める際の検出器の出力は、前記4点の出力データの平均値に基づいて算出されたオフセット値を除去したものとすることを特徴とする多分力計測方法。
  4. 請求項1に記載の多分力計測方法において、さらに、前記二次干渉補正係数と前記試験用治具の物理値に基づいて、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を求め、前記較正試験用の分銅負荷に基づく6分力に前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算して、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数を求め、前記負荷に対する検出器の出力から前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値(Ai0'')を減算して検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数を求め、これを前記被計測物体に加わる任意の負荷に対する多分力計測に適用することを特徴とする多分力計測方法。
  5. 請求項3に記載の多分力計測方法において、負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数1]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数1]におけるAiO'を減算した上で、下記の[数2]を用いて行うことを特徴とする多分力計測方法。

    Figure 0005995635
    ここで、EFiは検出器の出力(i=1〜6)である。
    右辺のFx,Fy,FzおよびMx,My,Mzは、それぞれ、負荷のx,y,z方向の各軸方向の力および各軸回りのモーメントである。
    Ai0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Ai10'〜Ai66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
    Figure 0005995635

    ここで、Fiは試験用治具の物理値を含めた負荷である。
    右辺のEFx,EFy,EFzおよびEMx,EMy,EMzは、それぞれ、検出器のx,y,z方向の各軸方向の力の出力および各軸回りのモーメントの出力である。
    Bi0'は、前記線型計算に基づいて求めた試験用治具の物理値を用いて計算して求めた二次干渉補正係数のオフセット値であり、Bi10'〜Bi66'は、前記二次干渉補正係数の変換行列(変換のためのマトリックス)である。
  6. 請求項4に記載の多分力計測方法において、前記二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算した負荷に対する検出器の出力に関する二次干渉補正係数の算出は、下記の[数3]を用いて行い、検出器出力から負荷を求めるための二次干渉補正係数の算出は、前記検出器の出力から前記[数3]におけるAiO''を減算した上で、下記の[数4]を用いて行うことを特徴とする多分力計測方法。
    下記の[数3]および[数4]における各符号は、上記[数1]および[数2]と同様であるが、[数3]および[数4]においては、二次干渉補正後の試験用治具の物理値を加算しているので、[数1]および[数2]における上付き符号「'」を、「''」と表記している。
    Figure 0005995635

    Figure 0005995635
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