JP7125732B2 - 神経因性膀胱の改善又は治療剤 - Google Patents
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Description
工程(A)について
ウサギの皮膚にワクシニアウイルスを皮内接種して発痘させた炎症皮膚組織を採取する。採取した皮膚組織はフェノール溶液等で洗浄、消毒を行なう。この炎症皮膚組織を破砕し、その1乃至5倍量の抽出溶媒を加える。ここで、破砕とは、ミンチ機等を使用してミンチ状に細かく砕くことを意味する。また、抽出溶媒としては、蒸留水、生理食塩水、弱酸性乃至弱塩基性の緩衝液などを用いることができ、フェノール等の殺菌・防腐剤、グリセリン等の安定化剤、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の塩類などを適宜添加してもよい。この時、凍結融解、超音波、細胞膜溶解酵素又は界面活性剤等の処理により細胞組織を破壊して抽出を容易にすることもできる。得られた懸濁液を、5日乃至12日間放置する。その間、適宜攪拌しながら又は攪拌せずに、30乃至45℃に加温してもよい。得られた液を固液分離(濾過又は遠心分離等)によって組織片を除去して粗抽出液(濾液又は上清)を得る。
工程(A)で得られた粗抽出液について除蛋白処理を行う。除蛋白は、通常行われている公知の方法により実施でき、加熱処理、蛋白質変性剤(例えば、酸、塩基、尿素、グアニジン、アセトン等の有機溶媒など)による処理、等電点沈澱、塩析等の方法を適用することができる。次いで、不溶物を除去する通常の方法、例えば、濾紙(セルロース、ニトロセルロース等)、グラスフィルター、セライト、ザイツ濾過板等を用いた濾過、限外濾過、遠心分離などにより析出してきた不溶蛋白質を除去した濾液又は上清を得る。
工程(B)で得られた濾液又は上清を、酸性、好ましくはpH3.5乃至5.5に調整し、吸着剤への吸着操作を行う。使用可能な吸着剤としては、活性炭、カオリン等を挙げることができ、抽出液中に吸着剤を添加し撹拌するか、抽出液を吸着剤充填カラムに通過させて、該吸着剤に有効成分を吸着させることができる。抽出液中に吸着剤を添加した場合には、濾過や遠心分離等によって溶液を除去して、活性成分を吸着させた吸着剤を得ることができる。
工程(C)で得られた吸着剤から活性成分を溶出(脱離)させるには、当該吸着剤に溶出溶媒を加え、塩基性、好ましくはpH9乃至12に調整し、室温又は適宜加熱して或いは撹拌して溶出し、濾過や遠心分離等の通常の方法で吸着剤を除去する。用いられる溶出溶媒としては、塩基性の溶媒、例えば塩基性のpHに調整した水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等又はこれらの適当な混合溶液を用いることができ、好ましくはpH9乃至12に調整した水を使用することができる。溶出溶媒の量は適宜設定することができる。このようにして得られた溶出液を、原薬として用いるために、適宜pHを中性付近に調整するなどして、最終的にワクシニアウイルス接種ウサギ炎症皮膚抽出物(本抽出物)を得ることができる。
健康な成熟家兎の皮膚にワクシニアウイルスを皮内接種し、発痘した皮膚を切り取り採取した。採取した皮膚はフェノール溶液で洗浄・消毒を行なった後、余分のフェノール溶液を除去し、破砕して、フェノール溶液を加え混合し、3~7日間放置した後、さらに3~4日間攪拌しながら35~40℃に加温した。その後、固液分離して得た抽出液を塩酸でpH4.5~5.2に調整し、90~100℃で30分間、加熱処理した後、濾過して除蛋白した。さらに、濾液を水酸化ナトリウムでpH9.0~9.5に調整し、90~100℃で15分間、加熱処理した後、固液分離した。
次に、上記実施例1で得られた本抽出物を有効成分として含有する製剤(本製剤)の神経因性膀胱に対する作用(改善又は治療効果)についての試験結果の一例を示す。
2012年1月から2014年12月まで入院していた不完全の脊髄損傷に伴う神経因性膀胱患者68例を本製剤投与群36例と対照群32例の2組に無作為に群分けした。本製剤投与群は、男性20例、女性16例、年齢23~82歳、平均年齢61.2±16.9歳であった。対照群は、男性18例、女性14例、年齢19~83歳、平均年齢58.6±12.6歳であった。両群患者の年齢、性別等を比較したところ、統計上の差異はなかった。いずれの群に対しても、ビタミンB1製剤100 mgの1日1回筋肉内投与、ビタミンB12製剤1 mgの1日1回静脈内投与、間欠的導尿及び膀胱の機能練習による治療を行った。本製剤投与群に対しては、上記ビタミン製剤の投与を行った上で、「ノイロトロピン注射液3.6単位」(本製剤のうち注射剤の商品名)を鍼治療のツボである「関元」、「中極」、「腎兪」、「膀胱兪」、「帰来」及び「三陽交」のうち3つのツボを左右交互に選択し、各ツボに1日1回1アンプルをトリガーポイント注射した。他方、対照群には、上記ビタミン製剤の投与を行った上で、本製剤投与群と同じツボに鍼治療を行った。4週間の治療の終了後に治療効果の判定を行った。
両群とも、治療前及び治療後の残尿量、膀胱容量を超音波ドップラー検査により測定した。
治療効果判定のため、次の診断基準を用いた。すなわち、「著明改善」は残尿量の完全消失あるいは治療前の1/3まで減少した状態とした。「有効」は残尿量が治療前の1/3~2/3まで減少した状態とした。「無効」は残尿量が治療前の2/3以上にしか減少しなかった、あるいは減少無しの状態とした。
上記の診断基準を用いて改善・治療効果の判定を行い、それぞれの群における全症例数に対する「著明改善」と「有効」の症例数の合計が占める割合を総合有効率として算出し、治療効果を比較した。また、治療前後の残尿量及び膀胱容量を比較した。治療効果の比較を表1に、治療前後の残尿量及び膀胱容量の比較を表2に示す。
2群間は、治療効果に関してはt検定を用いて比較し、残尿量及び膀胱容量に関してはカイ二乗検定を用いて比較した。
Claims (6)
- 「関元」、「中極」、「腎兪」、「膀胱兪」、「帰来」及び「三陽交」からなる群から選択される少なくとも三つのツボに注射して投与され、ビタミンB製剤と併用されることを特徴とする、ワクシニアウイルス接種炎症組織抽出物を有効成分として含有する神経因性膀胱の改善又は治療剤。
- 神経因性膀胱が脊髄損傷によるものである請求項1に記載の改善又は治療剤。
- ビタミンB製剤がビタミンB1製剤及び/又はビタミンB12製剤である、請求項1又は2に記載の改善又は治療剤。
- 神経因性膀胱による残尿量増加又は膀胱容量減少に対する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の改善又は治療剤。
- 炎症組織が皮膚組織である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の改善又は治療剤。
- 皮膚組織がウサギの皮膚組織である請求項5に記載の改善又は治療剤。
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Title |
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International Journal of Urology, 2014, Vol.21 Suppl1, p.18-25 |
ナースビーンズ 2006, Vol.8 No.2, p.192-197 |
月刊手技療法, 2007, Vol.15 No.7, p.502-506 |
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