JP7124858B2 - 導電層を備えたブースターシートおよび無線通信システム - Google Patents

導電層を備えたブースターシートおよび無線通信システム Download PDF

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Description

本発明は、車両の内部の車載通信装置と外部の通信端末とで行われる無線通信を中継する導電部材に関する。
昨今、自動車のドアキーの解除や施錠、あるいはエンジンの始動や停止を利用者の携帯端末の操作によって行う無線通信システムが提案されている。これは、利用者の携帯電話と自動車内部の車載通信装置とが無線通信を行い、あらかじめ携帯電話に登録されている当該自動車のID情報を携帯電話から車載通信装置に送信する。その後、車載通信装置からの情報を受け取った電子制御装置がこの情報とあらかじめ自己に登録されたID情報とを比較照合し、両者が一致すれば正当な利用者からのアクセスであると判断し、ドアキーの解除や施錠を実行するというものである。
このようなものとして、例えば特許文献1には、車両に設けられた通信マスタとその通信端末とが近距離無線通信により相互通信が可能であり、通信マスタからの問合せを契機に通信端末が信号を通信マスタに返信して通信する無線通信システムが記載されている。これは、車両に設けられた可動式ドアガラスに、通信マスタのアンテナを1次アンテナとした2次アンテナを設け、1次アンテナの送受信電波を2次アンテナによって中継することで、近距離無線通信を実行するものである。
特開2011-225051号公報
電磁誘導方式または電磁結合方式で通信する場合、2次アンテナはフレキシブル基板上にループアンテナと共振用コンデンサとを形成したものを用いる。しかし、被覆導線を巻いた巻き線式のアンテナは、導線の直径により厚くなってしまう。一方、金属箔等で形成するアンテナは、ループアンテナ配線の両端部を1箇所に引き出すためには、少なくとも一方の端部がスルーホールを通じてアンテナ面とは反対側の面に引き回されるか、アンテナ面側に絶縁層を挟んで当該アンテナを乗り越えるブリッジ配線を引き回す必要があり、構造が複雑となる。また、共振用コンデンサは2枚の電極板を一定距離、離隔して配置する必要があり、可動式ドアガラスに貼り付けるシートが厚くなる。このため、可動式ドアガラスの開閉により貼り付けたシートが剥がれるおそれがある。さらに、アンテナと共振用コンデンサは適切な共振周波数特性を得るために、その形状や厚さを正確に管理する必要がある。
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、比較的簡単な構成により、車両の内部の車載通信装置と外部の通信端末とで行われる無線通信を良好に中継する、導電層を有するブースターシートおよび無線通信システムを提供することを課題とする。
本実施の形態による導電層を備えるブースターシートは、車両に設けられた車載通信装置と、前記車両の外側の通信端末との間で送受信される通信用電磁波を中継することにより、前記車載通信装置と前記通信端末との間の近距離無線通信が可能な、導電層を備えるブースターシートであって、前記車両の非導電性の板状部位の表裏いずれかの面上に設けられ、前記導電層の一部であって、平面状に延在する平板部と、前記非導電性の板状部位の前記いずれかの面の法線に沿った平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なる、導電層ではない開口部と、前記導電層の他の一部であって、前記平板部から前記開口部を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部と、を備えることを特徴とする。
また、本実施の別の形態によるブースターシートにおいて、前記非導電性の板状部位は可動式のドアガラスであり、前記開口部は、前記ドアガラスが閉状態のとき、前記平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なってもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートは、前記開口部を第1の開口部とし、前記一対の突出部を第1の突出部とするとき、前記第1の開口部とは異なる第2の開口部と、前記平板部から前記第2の開口部を囲むように延在する第2の突出部と、を備えてもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートにおいて、前記第2の突出部は、互いに離隔して対向する一対の突出部であってもよい。
本実施の別の形態によるブースターシートは、車両に設けられた車載通信装置と、前記車両の外側の通信端末との間で送受信される通信用電磁波を中継することにより、前記車載通信装置と前記通信端末との間の近距離無線通信が可能な、導電層を備えるブースターシートであって、前記車両の非導電性の板状部位の表裏いずれかの面上に設けられ、前記導電層は、互いがスリット状の隙間により離隔して対向する第1導電層および第2導電層に分離して配置され、前記第1導電層および前記第2導電層のそれぞれが、その一部であって平面状に延在する平板部を備え、かつ、前記非導電性の板状部位の前記いずれかの面の法線に沿った平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なることを特徴とする。
また、本実施の別の形態によるブースターシートにおいて、前記非導電性の板状部位は可動式のドアガラスであり、前記第1導電層および前記第2導電層のそれぞれが、前記ドアガラスが閉状態のとき、前記平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なってもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートにおいて、前記導電層は、互いに直交する2辺に沿う端面を備えてもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートは、前記平面視において、前記導電層は前記平板部からさらに延在する、所定方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の櫛状部を備えてもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートは、前記平面視において、前記導電層が線対称ではない輪郭形状を有してもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートは、前記平面視において、前記導電層が、上端が左右方向に対して一定の傾斜を有する直線または曲線の輪郭形状を有してもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートにおいて、前記櫛状部は、前記平面視において上端が左右方向に対して第1の傾斜を有する第1の辺と、前記第1の傾斜とは異なる第2の傾斜を有する第2の辺と、前記第1の辺と前記第2の辺とが繰り返し配列して、前記第1の辺と前記第2の辺とにより形成される凸状部の頂部と、を有してもよい。
また、本実施の別の形態によるブースターシートは、前記平面視において、前記導電層と少なくとも一部が重なる磁性体シートをさらに備え、当該磁性体シートは、前記ブースターシートの、前記車両の内側の面側に積層されてもよい。
また、本実施の別の形態による無線通信システムは、上記ブースターシートと、近距離無線通信用の第1のアンテナを備えた前記車載通信装置と、近距離無線通信用の第2のアンテナを備えた前記通信端末と、から構成される無線通信システムであって、前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナより生じる磁束から前記ブースターシートの前記導電層に渦電流を生じさせ、前記第2のアンテナを前記導電層の端面に近接させたときに前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナが間接的に電磁誘導により結合し、前記車載通信装置と前記通信端末とが近距離無線通信を実施可能であってもよい。
また、本実施の別の形態による無線通信システムは、前記車両に設けられた電子制御装置をさらに備え、当該電子制御装置は、前記車載通信装置が前記通信端末から受信した第1のIDコードを、自己に登録された前記車両に固有の第2のIDコードと比較照合し、前記第1のIDコードと前記第2のIDコードとが一致する場合に、前記車両のドアロックを解除し、前記第1のIDコードと前記第2のIDコードとが一致しない場合に、前記車両のドアロックを解除しないものでもよい。
本実施の形態によれば、比較的簡単な構成により、車両の内部の車載通信装置と外部の通信端末とで行われる無線通信を良好に中継する、導電層を有するブースターシートおよび無線通信システムを提供することができる。
第1実施形態に係るブースターシートの配置を示す車両の側面図である。 図1の前側ドア、リーダライターおよびブースターシート付近の拡大図である。 前側ドアに係るブースターシート付近の断面図である。 ブースターシートにおける磁性体シートの配置を示す概略図である。 渦電流と磁束の関係を示す説明図である。 第1実施形態の無線通信システムの概略構成を示す構成図である。 第2乃至第5実施形態に係るブースターシート付近の図である。 第6乃至第9実施形態に係るブースターシート付近の図である。 第10乃至第13実施形態に係るブースターシート付近の図である。 第14実施形態に係るブースターシート付近の図である。
以下、図面等を参照して、本開示のブースターシートの一例について説明する。ただし、本開示のブースターシートは、以下に説明する実施形態に係る装置には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状、断面図における各層の厚さ等は理解を容易にするために適宜誇張している。また、各図において部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。また、説明の便宜上、紙面に対して上方または下方等という語句を用いて説明することがあるが、上下方向が逆転してもよく、左右方向についても同様とする。
1.第1実施形態
本開示のブースターシートの典型的な例示である第1実施形態について説明する。図2(a)は、図1の前側ドア2付近の拡大図である。図2(b)および図2(c)は、それぞれ、図2(a)のリーダライター5およびブースターシート100付近の拡大図である。また、図3は、図2(c)のブースターシート100の上下方向であるA-A線で切った断面を右方向から見たドアガラス21も含めたブースターシート100付近の断面図である。なお、図2(c)のブースターシート100は、説明の便宜のため、接着剤121や基材120を除外し、導電層130が露出する態様で表示している。
図1、図2(a)および図3に示すように、ブースターシート100は、車両1の前側ドア2のドアガラス21の面上にその一部が貼り付けられている。ドアガラス21は上下方向にスライドする可動式であり、最上部に上がり切った位置で車両1の外部との隙間がない閉状態となる。ブースターシート100は、ドアガラス21の車両1の内側を向く面に貼り付けられている。ブースターシート100は本実施形態においてドアガラス21に設けられるが、これは一例に過ぎず、ブースターシート100は車両1の任意の非導電性の板状部位に設けることができる。非導電性の板状部位はガラスのような透明な部材である必然性はないが、透明な部材であれば、ブースターシート100の配置が視認しやすい。
ブースターシート100は、導電層130と、これを支持する基材120とから構成され、任意の接着剤121を介してドアガラス21に固定される。ブースターシート100は、図3に示すとおり、ドアガラス21に近い側から接着剤121を挟んで、基材120および導電層130がこの順に積層された構成を備える。また、後述するように、ブースターシート100は、必要に応じて導電層130の基材120とは反対側の面に積層された磁性体シート138をさらに備えていてもよい。
車両1の前側ドア2のドアノブ22付近には、車載通信装置であるリーダライター5が設けられ、車両1の外部にある通信端末との間で近距離無線通信が可能なように通信用電磁波の送受信が可能なアンテナ52等が設けられている。しかし、リーダライター5は、前側ドア2のドアガラス21より下方のドアトリム23の内部に隠れて配置されているため、前側ドア2の金属フレーム等による電磁遮蔽の影響を受ける。したがって、リーダライター5が直接、車両1の外部にある通信端末との間で無線通信することは困難である。
本実施形態では、リーダライター5と近接する位置に所定形状の導電層130を有するブースターシート100が、閉状態のドアガラス21のドアトリム23より上方の領域に設けられている。また、ブースターシート100は、後述するように、比較的簡単な構成にも関わらず、導電層130に生じる渦電流を利用して車両1の外部にある通信端末との間で効率的に通信用電磁波を伝達することができる。したがって、リーダライター5と通信端末との間で送受信される通信用電磁波を良好に中継できる。
上記により、車両1の電子制御装置は、リーダライター5が相互認証等を経た通信端末から受信した当該IDコードを自己の記憶する車両1の固有のIDコードと比較照合する。その結果、両者が一致した場合、電子制御装置は通信端末の利用者が正当な車両1の利用者であると判断し、車両1のドアロックの解除や施錠を行う。また、この判断に応じて車両1のエンジン駆動部のオン、オフを制御することも可能である。以下、リーダライター5およびブースターシート100の構成を中心に、車両1と通信端末とを含めた無線通信システムの構成について説明する。
[a]リーダライター
リーダライター5は、車両1の電子制御装置(ECU)に、車両1の外部にある通信端末からの情報を伝達する機能と、そのための通信端末との近距離無線通信を行う機能とを少なくとも備えている。リーダライター5は、図2(b)に例示するように、基板53の表面に通信回路51を形成するICチップ54およびアンテナ52が設けられた構成を備える。ICチップ54はCPUまたはMPU、入出力部、メモリ等を備えたいわゆるマイコンと呼ばれる簡易的な入出力、演算、制御等が可能な素子を有しており、アンテナ52を介して通信端末と近距離無線通信するための非接触通信インターフェースを有している。
ただし、リーダライター5はICチップ54を備えず、アンテナ52の両端部の配線が延長されており、直接、電子制御装置の制御回路と接続されていてもよい。また、図示しないが、リーダライター5は、通信端末との近距離無線通信における通信周波数の適正化のための共振用コンデンサを備えてもよい。
リーダライター5は、図2(a)や図3に示すように、前側ドア2のドアトリム23の内部、すなわちドアトリム23のラバー24よりも下方の領域に配置されている。リーダライター5は、ドアロック操作部を内部に備えるドアハンドル22からの距離が短くなるように、ドアトリム23の車両1の外側を向くフレームの内面に取り付けられている。これにより、リーダライター5の構成を小型化、簡易化でき、ドアロック操作部とリーダライター5との配線を短くすることができる。ただし、リーダライター5は、ドアトリム23の車両1の内側を向くフレームの内面または外面すなわち室内側に取り付けられてもよい。
リーダライター5のアンテナ52は、車両1の外部にある通信端末と近距離無線通信を行うための一次アンテナの役割を果たし、後述するように、ブースターシート100がリーダライター5のアンテナ52と通信端末との通信を中継する二次アンテナまたはブースターアンテナとしての役割を果たす。リーダライター5と通信端末との間で行う近距離無線通信として、例えば13.56MHz等のHF帯の周波数で数cm以内の非接触通信を行うISO18000-3規格等に準拠する近接無線方式を挙げることができる。また、その他には数cmから数m程度までの非接触通信に対応可能な900MHz程度の周波数帯を利用するUHF方式等を挙げることもできる。
しかし、UHF方式では、車両1の周囲への電波の漏れが大きく、近接する他の車両に対する誤動作や不正な第3者による電波のスキミング等の余地が生まれるため、通信範囲を狭く限定できる13.56MHz等のHF帯の周波数で通信することが好ましい。この場合は、電磁誘導方式または電磁結合方式での通信態様となるため、アンテナ52はループアンテナとすることが好ましい。ただし、他の通信周波数帯を採用する場合はこれに限らず、ダイポールアンテナやモノポールアンテナ等としてもよい。
[b]ブースターシート
[i]基材
基材120は、導電層130を支持するための絶縁性を有するフレキシブルフィルムであり、例えば厚さが5μm以上、5mm以下の任意の樹脂フィルムを使用できる。
[ii]導電層
導電層130には、後述するように磁界の変化を受けたときに適正な渦電流が発生し得るような導電性を有する、あらゆる部材が適用できる。例えば、銅やアルミの箔でもよく、アルミ等の真空蒸着や銀粒子等の導電粒子を含有する導電インキの印刷や塗付により形成されてもよい。また金属以外ではグラファイトフィルム等の導電性フィルムを用いてもよい。導電層の厚さは、例えば厚さが1μm以上、1mm以下とすることができるが、好ましくは1μm以上、100μm以下とすることができる。
これにより、基材の厚さも薄くすることで、車両1の内部のリーダライター5と外部の通信端末とで行われる近距離無線通信を良好に中継する導電層として適正な導電性を有するブースターシート100が得られる。また、ブースターシート100の全体の厚さを薄くすることで、ドアガラス21を繰り返し開閉しても、ブースターシート100がラバー24からの摩擦抵抗で剥がれることを抑制できる。
ブースターシート100は、図2(a)や図3に示すように、ドアガラス21が閉状態のとき、その導電層130の上方側の略半分が前側ドア2のドアトリム23の上端よりも上方に飛び出し、下方側の略半分がドアトリム23の内部に収納されるように配置される。ドアガラス21やブースターシート100は、ドアトリム23の上端のラバー24よりも上方にある場合にのみ、車両1の外側からこれを視認できる。
ドアガラス21の表裏いずれかの面の法線に沿ってブースターシート100周辺を平面視したとき、ブースターシート100の導電層130は、図2(c)に示すように、全体的に略矩形状になっている。さらに、これよりも小さい略矩形状で下方に切欠き139が形成された開口部133を備えた形状を有する。言い換えれば、導電層130は、上方の略矩形状の平面状に延在する平板部131と、開口部133と、平板部131から開口部133を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部132と、を備える。各々の突出部132である132aと132bとは、互いに開口部133の切欠き139を挟んで向かい合って配置される。なお、基材120は、導電層130と同様の開口部や突出部を有する形状であってもよく、導電層130の領域を包含する略矩形状でもよい。
ドアガラス21が閉状態のとき、ドアガラス21の表裏いずれかの面の法線に沿った平面視において、リーダライター5が備えるアンテナ52のコイルの開口領域の少なくとも一部は、開口部133と重なっており、好ましくは、アンテナ52のコイルの開口領域の全部が開口部133と重なっている。アンテナ52のコイルの開口領域が導電層130ではない開口部133と重なることにより、アンテナ52のコイルの開口領域を通過する磁束が直接、導電層130にぶつかって渦電流を生じ、ブースターシート100の下方側で電力損失が発生することを抑制できる。
また、ブースターシート100の下端において、導電層130が平板部131から開口部133を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部132を備えることで、導電層130の下方側での渦電流の流れを分断できるため、導電層130の下方側での渦電流の発生やこれによる電力損失を抑制できる。
[iii]磁性体シート
必要に応じて導電層130に積層される磁性体シート138は、例えばフェライトシート等であり、一例として厚さを5μm以上、2mm以下とすることができる。前述の平面視におけるブースターシート100に対する磁性体シート138の配置を図4(a)および図4(b)に示す。磁性体シート138は、例えば図4(a)のように導電層130の領域を包含する略矩形状に配置してもよく、図4(b)のように導電層130の開口部の切欠き139を除く周囲を囲む部分にのみ、配置してもよい。
ブースターシート100が、導電層130の基材120とは反対側の面に積層された磁性体シート138を備えた場合、リーダライター5のアンテナ52のコイルから生じる磁束が導電層130以外の金属体に回り込み、3次磁界が発生することのロスを抑制できる。また、磁性体シート138による磁束の反射効果により、導電層130から車両1の外部の通信端末10に向けて効率よく磁界を放射させることができる。
[c]ブースターシートの作用
次に、ブースターシート100の作用について説明する。図5(a)に示すように、平板状の導体板200に対して、導体板200の主面の法線に沿った平行な磁束MF11が存在する状態を想定する。この磁束MF11を遮るように導体板200を主面に対して平行移動すると、図5(b)に示すように、フレミングの左手の法則に従い、導体板200を横切る磁束MF11の変化量に応じて主面に沿った略円弧状の渦電流EC11が発生する。また、この渦電流EC11が、磁束MF11を打ち消す向きに分布する新たな磁束MF12を生じさせる。
その結果、図5(c)に示すように、元の磁束MF11は、渦電流EC11によって逆向きに生じた磁束MF12を回避するように、導体板200の上端付近でもっとも磁束密度が高くなるような磁束MF13に変化する。ここで、導体板200をブースターシート100の導電層130に置き換え、磁束MF11をリーダライター5のアンテナ52から送信される電磁波の磁束RW11に置き換え、磁束MF13を導電層130の端面から送信される電磁波の磁束RW12に置き換える。
この場合、リーダライター5から送信された電磁波RW11は、導電層130の端部においてさらに磁界が増強された磁束RW12として出射される。よって、外部の通信端末のアンテナを、導電層130の端部に近接させることで、リーダライター5と通信端末との通信が良好となる。すなわち、ブースターシート100は、リーダライター5と通信端末との間で送受信される通信用電磁波を良好に中継することができる。
ブースターシート100の導電層130が上述した形状を備えることにより、導電層130の下方側での不要な渦電流の発生が抑制でき、導電層130の上方側の平板部131付近に集中した渦電流の発生を促すことができる。その結果、リーダライター5のアンテナ52がドアトリム23の内部に隠れていても、ドアトリム23の上方に延伸された導電層130の平板部131の上端面や左右端面に通信端末を近接させるだけで、容易にリーダライター5と通信端末との間において良好な近距離無線通信を行うことができる。なお、端面とは、導電層130について前述の平面視をした場合の、導電層130の輪郭となる部分の側面を指す。
上述の効果は、リーダライター5のアンテナ52から送信された電磁波を非導電性の板状部位に取り付けたブースターアンテナにより増強および伝達する効果に類似している。しかし、電磁誘導方式または電磁結合方式で通信する際のブースターアンテナは、アンテナ52と同様にループアンテナとする必要があるとともに、共振用コンデンサを形成する必要がある。この場合は、前述したとおり、ブースターアンテナや回路の構造が複雑となり、アンテナ形状や厚さの精度が求められる。また、非導電性の板状部位が可動式のドアガラスである場合は、ドアガラスに貼り付けるシートが厚くなり、開閉によるブースターアンテナの剥がれの要因ともなる。
これに対し、本実施形態のブースターシート100は、リーダライター5のアンテナ52から送信された電磁波を受けて、導電層130のうちの上方の平板部131付近に集中した渦電流を発生させる。これにより、平板部131の上方および左右の端面付近に強い磁束を発生させることができる。その結果、この付近に配置した通信端末と良好な近距離無線通信を行うことができる。この場合の導電層130の形状には特段の精度は求められず、容易に製造することができる。また、導電性を阻害しない範囲で厚さを極力薄くできるので、ブースターシート100を設ける非導電性の板状部位が可動式のドアガラスである場合には、繰り返しのドアガラスの開閉によるブースターシートの剥がれを抑制できる。
さらに、ブースターシート100が、導電層130の基材120とは反対側の面に積層された磁性体シート138を備えることにより、リーダライター5のアンテナ52のコイルから生じる磁界のロスを低減し、導電層130から通信端末10に向けて効率よく磁界を放射させることができる。
[d]無線通信システム
次に、上述したブースターシート100とリーダライター5を含めた無線通信システムの概要を説明する。図6の破線枠で示すように、無線通信システム300は、ブースターシート100、リーダライター5および通信端末10を少なくとも含んで構成され、電子制御装置4をさらに含んで構成されてもよい。
[i]通信端末
通信端末10は、前述のとおり、車両1の外部からブースターシート100を中継して車両1のリーダライター5と近距離無線通信を行うことができるもので、例えばNFC通信機能を備えたスマートフォンを例示できる。通信端末10は、通信用電磁波の送受信を行う端末用アンテナ11と、各種制御を行う制御部12を少なくとも備える。制御部12は、CPUまたはMPU、入出力部、メモリ等を備え、入出力、演算、制御等が可能なICチップ等の素子を有しており、端末用アンテナ11を介してリーダライター5と近距離無線通信するための非接触通信インターフェースを有している。
[ii]電子制御装置
電子制御装置(ECU)4は、リーダライター5と通信端末10との間の相互認証や、リーダライター5が通信端末10から取得したIDコードと、自己の記憶する車両1の固有のIDコードとの比較照合を行う。その結果、両者が一致した場合、通信端末10の利用者が正当な車両1の利用者であるか否かの判断を行う。さらに電子制御装置4は、その判断に基づいて車両1のドアロックの解除や施錠を行う。また、この判断に基づいて車両1のエンジン駆動部のオン、オフを制御することもできる。
電子制御装置4は、主に上記相互認証やIDコードとの比較照合を行う認証部42と、ドアロックやエンジン駆動部の制御を行う制御部41とを少なくとも備えている。なお、電子制御装置4は1箇所に集中配置される必要はなく、リーダライター5と通信端末10との間の相互認証や、通信端末10から取得したIDコードの比較照合をリーダライター5に設けた一の電子制御装置に行わせ、それ以外の処理はこれとは別個の他の電子制御装置に行わせてもよい。
[iii]ドアロック駆動部およびエンジン駆動部
ドアロック駆動部6は、前側ドア2のドアハンドル22付近のドアトリム23の内部に設けられ、電子制御装置4からの指示により、ドアロックの解除や施錠を実施する部位である。また、エンジン駆動部7は、電子制御装置4からの指示により、利用者が車両1の内部のスタートボタンを押した際にエンジンを起動したり、起動できないようにしたり、あるいは自動的に起動中のエンジンを停止させたりする部位である。なお、ドアロック駆動部6およびエンジン駆動部7は無線通信システム300の必須の構成要素ではない。
[e]無線通信システムの動作
次に、無線通信システム300の動作の一例を説明する。車両1の前側ドア2のドアトリム23の内部に設けられたリーダライター5は、常時または間欠的にNFC通信用周波数の電磁波による問い合わせ信号を、アンテナ52を介して送信する。当該電磁波の磁束は、アンテナ52に近接する、ドアガラス21に設けられたブースターシート100の導電層130を横切る。これにより、当該導電層130の上方側の平板部131付近に渦電流を生じさせる。よって、前述のとおり、導電層130の端面付近にて、比較的強い磁束が発生し、この付近に近接させた利用者の通信端末10の端末用アンテナ11とアンテナ52とが間接的に電磁誘導により結合する。
リーダライター5からの問い合わせ信号を受信した通信端末10は、必要があれば、リーダライター5を介して電子制御装置4との間で相互認証を行ってもよい。例えば、通信端末10および電子制御装置4は、それぞれ共通の暗号鍵であるK1およびK2を保有している。通信端末10は、自身が生成した適当な乱数R1と、当該乱数R1を自己の暗号鍵K1で暗号化した値C1=K1(R1)とをリーダライター5を介して電子制御装置4に送信する。なお、P(X)は、XをPで暗号化したデータを指し、P-1(X)は、XをPで復号化したデータを指すものとする。電子制御装置4は受信したR1およびC1を認証部42に伝達し、C1を自己の暗号鍵K2で復号化した値D1=K2-1(C1)を得る。
次に認証部42は、D1がR1と同一であるか否かを比較照合し、同一であれば通信端末10が正当であると認証し、異なれば通信端末10が正当でないとして認証拒否する。一方、電子制御装置4からも乱数および乱数を暗号化したデータを通信端末10に送信し、その結果により通信端末10が電子制御装置4を認証するか否か判断する。これらを経て、両者がともに認証成功すれば相互認証が完了する。
続いて、リーダライター5からの別の問い合わせ信号を受信した通信端末10は、自己の保有するIDコードID1を暗号鍵K1で暗号化した値E1=K1(ID1)を、リーダライター5を介して電子制御装置4に送信する。認証部42は受信したE1を自己の暗号鍵K2で復号化した値F1=K2-1(E1)を得る。次に認証部42は、自己に登録された車両1の固有のIDコードID2を読み出し、F1とID2とが同一であるか否かを比較照合し、同一であれば通信端末10のIDコードID1が正当であり、車両1の使用権限を有するものとして認証し、異なれば認証拒否する。
認証された場合は、当該認証情報が制御部41に伝達され、ドアロック駆動部6にドアロックの解除または施錠の指令を出す。その結果、利用者は、自身の通信端末10を前側ドア2のドアハンドル22付近にかざすだけでドアロックを解除または施錠することができる。一方、認証失敗した場合は、制御部41はドアロック駆動部6にドアロックの解除または施錠の指令を出さない。
また、認証部42が、通信端末10から受信したIDコードID1の認証に成功した場合、当該認証情報が制御部41からエンジン駆動部7にも伝えられ、利用者によるエンジンのスタートボタンの操作時に、エンジンを駆動させることができるようになる。また、IDコードID1の認証に失敗した場合は、たとえ利用者が車両1の前側ドア2を開けて中に乗れたとしても、利用者によるエンジンのスタートボタンの操作時に、エンジンを駆動させることができない。
なお、相互認証は省略してもよい。また、上述のIDコードの認証は、電子制御装置4と通信端末10とが共通の暗号鍵を保有する共通鍵方式に基づいて例示した。しかし、これに限らず電子制御装置4と通信端末10とは、互いに異なる公開鍵と秘密鍵の鍵ペアと、当該公開鍵を保証する、証明機関が発行した鍵証明書とをそれぞれ保有する公開鍵方式に基づいてもよく、両方式を組み合わせた方式としてもよい。
本実施形態の無線通信システム300は、前述のとおり、構成が簡単で容易に製造可能でありながらコイルアンテナによるブースターアンテナと同様の送受信電磁波の中継効果を有するブースターシートを使用する。これにより、リーダライターの第1のアンテナであるアンテナ52または第2のアンテナである通信端末10の端末用アンテナ11より生じる磁束からブースターシート100の導電層130に渦電流を生じさせる。このとき、通信端末10の第2のアンテナを導電層130の端面に近接させたときに第1のアンテナおよび第2のアンテナが間接的に電磁誘導により結合する。したがって、本実施形態のブースターシート100の構成を含めることにより、容易にリーダライター5と通信端末10とが近距離無線通信を良好に実施可能となる。
また、車両1に設けられた電子制御装置4は、リーダライター5が通信端末10から受信した第1のIDコードを、自己に登録された車両に固有の第2のIDコードと比較照合する。そして、第1のIDコードと第2のIDコードとが一致する場合に、車両1のドアロックを解除し、第1のIDコードと第2のIDコードとが一致しない場合に、車両1のドアロックを解除しない判断をする。したがって、本実施形態のブースターシート100の構成を含めることにより、容易にリーダライター5と通信端末10との通信結果に応じたドアロック解除や施錠が自動で行え、利用者の利便性が向上する。
2.第2実施形態
次に、本開示のブースターシートの別の例示である第2実施形態について説明する。図7(a)は、図2(c)に対応する第2実施形態のブースターシート101付近の拡大図である。なお、以降の実施形態に関する図も同様の図とする。ブースターシート101は、前述の平面視において、その上方側の形状が下方側の形状と左右方向の直線に対して略線対称となる点が、第1実施形態のブースターシート100とは異なる。
すなわち、ブースターシート101の導電層130は、上下方向の略中央に平面状に延在する平板部131を備える。また、その下方側にはブースターシート100と同様に開口部133と、平板部131から開口部133を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部132aおよび132bと、を備える。さらに導電層130は、平板部131の上方側にも開口部134と、平板部131から開口部134を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部132cおよび132dと、を備える。突出部132cと132dとは、互いに開口部134の切欠き139bを挟んで向かい合って配置される。
ブースターシート101の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130の下方側および上方側での渦電流の流れが分断され、導電層130の上下方向の略中央に渦電流を集中して発生させることができる。よって、導電層130の下方側および上方側での渦電流の発生やこれによる電力損失を抑制できる。
さらに、導電層130の上方側に開口部134や突出部132cおよび132dを設けることにより、導電層130の端面の表面積が増大する。また端面として、互いに直交する2辺に沿う上下方向に平行な面と左右方向に平行な面とが形成でき、通信端末10とリーダライター5との間の近距離無線通信を良好に行うための通信端末10のブースターシート101に対する位置や角度の許容範囲を拡張することができる。
導電層130の端面の表面積の増大により、リーダライター5から送信される電磁波の磁束の強い箇所を導電層130の周囲に広く分散でき、端面が上下および左右方向に平行な面を有することで電磁波の指向性が広がる。一般的に、複数の端面が互いに直交する2辺に沿うように各端面を設けることで、その端面付近に生じる磁界の強弱を互いに補完する効果が高いと考えられる。
3.第3実施形態
次に、本開示のブースターシートの別の例示である第3実施形態について説明する。図7(b)は、第3実施形態のブースターシート102付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート102は、第2実施形態のブースターシート101に対して、一対の突出部132cおよび132dのうちの突出部132dを備えない点が異なる。ブースターシート102は、導電層130が線対称ではない輪郭形状を有する。
ブースターシート102の導電層130は、略中央に平面状に延在する平板部131を備え、その下方側の構成はブースターシート100や101と同様である。さらに導電層130は、平板部131の上方側に右側が開放された開口部135と、平板部131から開口部135の左側を囲むように延在する突出部132cとを備える。
ブースターシート102の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130の下方側だけでなく、上方側でも平板部131から開口部135の左側を囲むように延在する突出部132cを備える。これによって導電層130の下方側および上方側での渦電流の流れが分断され、導電層130の上下方向の略中央に渦電流を集中して発生させることができる。また、導電層130が線対称ではない輪郭形状を有する。よって、導電層130の下方側および上方側での渦電流の発生やこれによる電力損失を抑制でき、導電層130の端面付近に生じる磁界の対称性が崩れることで逆向きに対称分布する磁界同士が互いに打ち消し合うロスが抑制される。その結果、効率よく通信端末10とリーダライター5との電磁誘導による結合が図れる。
4.第4実施形態
続けて、本開示のブースターシートの別の例示である第4実施形態について説明する。図7(c)は、第4実施形態のブースターシート103付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート103は、第1実施形態のブースターシート100に対して、導電層130の上下方向の略中央に右側に開放された切欠きを有する開口部136を備える点が異なる。導電層130の上方側には比較的大きな平板部131を備え、下方側にはブースターシート100等と同様の構成を備え、上方側と下方側が開口部136によってえぐられた狭幅の通路136aによって接続されている。
ブースターシート103の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130は、下方側や上下方向の略中央での渦電流の発生が極力制限され、上方側の平板部131に集中した渦電流と磁界生成が図られる。また、平板部131は上端、左端および右端の端面に加え、開口部136との境界である下端にも大きな端面を有する。また、導電層130が開口部136を有することによって線対称ではない輪郭形状を有する。よって、導電層130の上方側の平板部131の上下左右の端面に強い磁界を形成でき、非対称構造による損失抑制と併せて効率よく通信端末10とリーダライター5との電磁誘導による結合が図れる。
5.第5実施形態
さらに、本開示のブースターシートの別の例示である第5実施形態について説明する。図7(d)は、第5実施形態のブースターシート104付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート104は、第1実施形態のブースターシート100に対して、導電層130が上下方向の略中央の平板部131から上方側にさらに延在する、上下方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の櫛状部151を備える点が異なる。櫛状部151は、凸部151aと凹部151bとが左右方向に沿って繰り返し配列され、かつ、それぞれが上下方向に沿った凸形状と凹形状とを形成する。凸部151aの凸形状および凹部151bの凹形状のそれぞれの端面は、互いに直交する2辺に沿う上下方向に平行な面と左右方向に平行な面とを有する。
ブースターシート104の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130は、下方側での渦電流の発生が極力制限され、上下方向の略中央の平板部131に集中した渦電流と磁界生成が図られる。また、平板部131の上方に向け、凹凸形状の櫛状部151を7備えることで、導電層130の端面の表面積を著しく増大でき、リーダライター5から送信される電磁波により形成された磁界を導電層130の周囲に一層広く分布させることができ、電磁波の指向性を一層広げることができる。
6.第6実施形態
第5実施形態に類似する本開示のブースターシートの別の例示である第6実施形態について説明する。図8(a)は、第6実施形態のブースターシート105付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート105は、第5実施形態のブースターシート104に対して、導電層130が左側の平板部131から右側にさらに延在する、左右方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の櫛状部152を備える点が異なる。
ブースターシート105の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130は、その周囲にブースターシート105とは異なる範囲の磁界を形成できる。具体的には、ブースターシート105では、導電層130の端面の表面積の違いによって、導電層130の左側よりも右側においてより強い磁界を形成できる。また、導電層130が線対称ではない輪郭形状を有するので、非対称構造による損失抑制の効果も得られる。
7.第7実施形態
第5および第6実施形態に類似する本開示のブースターシートのもう一つの例示である第7実施形態について説明する。図8(b)は、第7実施形態のブースターシート106付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート106は、第5および第6実施形態のブースターシート104および105に対して以下が異なる。すなわち、ブースターシート106は、導電層130の上下方向の略中央では右側の平板部131から左側にさらに延在する、左右方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の第2櫛状部154を備える。また、導電層130の上方側では左側の平板部131から右側にさらに延在する、左右方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の第1櫛状部153を備える。
ブースターシート106の導電層130がこのような形状であることにより、導電層130は、その周囲にブースターシート104や105とは異なる範囲の磁界を形成できる。具体的には、ブースターシート106では、導電層130の上下方向の略中央では右側よりも左側において、より強い磁界を形成でき、導電層130の上方側では左側よりも右側において、より強い磁界を形成できる。すなわち、導電層130の上下方向に沿って磁界の強弱の分布が左右方向に変動するような複雑な特性を付与できる。また、この場合でも導電層130が線対称ではない輪郭形状を有するので、非対称構造による損失抑制も得られる。
なお、ブースターシート106の導電層130の構成はこれに限らず、例えば導電層130の上下方向の略中央が第1櫛状部153の構成であり、かつ導電層130の上方側が第2櫛状部154の構成であってもよい。また、上下方向に沿って第1櫛状部153および第2櫛状部154の構成が繰り返し配列されていてもよい。
8.第8実施形態
次に、第1乃至第7実施形態とは若干構成が異なる、本開示のブースターシートの別の例示である第8実施形態について説明する。図8(c)は、第8実施形態のブースターシート107付近の拡大図である。前述の平面視において、ブースターシート107の導電層は、互いが狭幅のスリット状の隙間137により離隔して対向する第1導電層130aおよび第2導電層130bに分離して配置される。
第1導電層130aおよび第2導電層130bのそれぞれは、略矩形状かつ平面状の第1平板部131aおよび第2平板部131bとして延在し、ドアガラス21が閉状態のとき、リーダライター5のアンテナ52のコイルの開口領域の少なくとも一部と重なる。すなわち、導電層が2片に絶縁分離される一方、下方側に開口部や、開口部を囲むように延在し互いに離隔して対向する一対の突出部を備えない点が、上述の他の実施形態とは異なる。
ブースターシート107の導電層がこのように第1導電層130aおよび第2導電層130bとして隙間137を隔てて分離配置されることにより、リーダライター5のアンテナ52と対向する領域に開口部やそれを囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部が不要となる。第1導電層130aおよび第2導電層130bが互いに導通しないため、両者にまたがるような大きな渦電流の発生を抑制できるからである。
また、リーダライター5のアンテナ52から生じる磁界は、第1導電層130aおよび第2導電層130bのそれぞれに小さな渦電流を生じさせ、隙間137において対向する第1導電層130aの右端と第2導電層130bの左端の端面付近に強い磁界を発生させる。よって、導電層が分離配置されない場合と比べて、形状や構造を単純化しつつ、導電層の端面の表面積の増大により、リーダライター5から送信される電磁波が形成する磁界を導電層130の周囲に広く分布させることができる。
9.第9実施形態
続いて第8実施形態と類似する、本開示のブースターシートの別の例示である第9実施形態について説明する。図8(d)は、第9実施形態のブースターシート108付近の拡大図である。ブースターシート108は、上述のブースターシート107の導電層の分離配置の構成を踏襲し、さらに第1導電層130aの上方側に左側の平板部131cから右側にさらに延在する、左右方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の第1櫛状部155を備える。また第2導電層130bの上下方向の略中央に右側の平板部131dから左側にさらに延在する、左右方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の第2櫛状部156を備える。
ブースターシート108の導電層130がこのような形状であることにより、本実施形態のブースターシート108は、ブースターシート107と同様の作用を示すとともに、第1導電層130aおよび第2導電層130bは、その周囲にブースターシート107とは異なる範囲の磁界を形成できる。つまり、第1導電層130aの上方側では左側よりも左右方向の略中央において、より強い磁界を形成でき、第2導電層130bの上下方向の略中央では右側よりも左右方向の略中央において、より強い磁界を形成できる。
すなわち、ブースターシート108の左右方向の略中央の隙間137付近に強い磁界を形成でき、上下方向に沿って磁界の強弱が左右方向に変動するような複雑な特性を付与できる。また、この場合も導電層全体が線対称ではない輪郭形状を有するので、非対称構造による損失抑制の効果も得られる。なお、ブースターシート108についても、ブースターシート106と同様に、第1導電層130aや第2導電層130bへの櫛状部の形成位置や形成個数は適宜変更してもよい。
10.第10実施形態
以下に説明する第10乃至第13実施形態は、第1実施形態のブースターシート100における導電層130の上端の輪郭形状のバリエーションに関する例示である。図9(a)は、第10実施形態のブースターシート109付近の拡大図である。ブースターシート109は、前述の平面視において、その導電層130の上端が左右方向に対して一定の傾斜を有する直線である傾斜部141の輪郭形状を有する点が、第1実施形態のブースターシート100とは異なる。
すなわち、ブースターシート109の導電層130は、上端のもっとも高い位置が左端の頂部141aであり、上端のもっとも低い位置が右端の底部141bである、頂部141aおよび底部141bを結ぶ右下がりの直線状の輪郭形状を有する。ただし、当該直線は右上がりであってもよく、その傾斜角度は任意に定めることができる。ブースターシート109の導電層130がこのような形状であることにより、端面は、互いに直交しない2辺に沿う上下方向に平行な面と斜め方向に平行な面とが形成でき、導電層130の磁界の分布を第1実施形態のそれとは異なるものとすることができる。
また、ドアガラス21を上下に開閉する際、ドアガラス21およびこれに設けられるブースターシート109は、ドアトリム23の上端に設けられたラバー24と接触する可能性がある。ここで、基材120を含むブースターシート109の上端を導電層130の上端と同様に、左右方向に対して一定の傾斜を有する直線である傾斜部141の輪郭形状を有するように形成できる。こうすることでドアガラス21の開閉時にラバー24からブースターシート109の端面が受ける摩擦力を低減させることができる。
仮にブースターシートの上端が左右方向に平行な直線の輪郭形状を有する場合は、当該ブースターシートの横幅全体に延在する端面がラバー24と接触し、大きな摩擦力を受けることになる。しかし、本実施形態のブースターシート109では、ドアガラス21を上方に閉める際には、まず導電層130の頂部141aにあたる端部のみがラバー24と接触し、その後、順次接触点が右方向に移動していき、最後に底部141bにあたる端部のみがラバー24と接触する。ドアガラス21を下方に開ける際には、この逆の状態となる。したがって、前者の場合よりも、ドアガラス21の繰り返しの開閉におけるブースターシート109の受けるダメージは比較的小さくなり、その結果、ブースターシート109の劣化や剥がれを抑制できる。
11.第11実施形態
図9(b)は、第11実施形態のブースターシート110付近の拡大図である。ブースターシート110は、前述の平面視において上端に櫛状部142を備える。しかし、ブースターシート104の櫛状部151とはその形状が異なる。櫛状部142は、上端が左右方向に対して第1の傾斜を有する第1辺142sと、第1の傾斜とは異なる第2の傾斜を有する第2辺142tと、第1辺142sと第2辺142tとが繰り返し配列して、第1辺142sと第2辺142tとにより形成される凸状部の頂部142aと、を輪郭形状として有する。
さらに、櫛状部142の輪郭形状は、頂部142aに対応した凹状部の底部142bを有する。図9(b)の例示では、第1の傾斜は左上から右下に向けて右下がりとなる傾斜であり、第2の傾斜は左下から右上に向けて右上がりとなる傾斜であり、互いに直交する。しかし、第1の傾斜および第2の傾斜はそのいずれかが左右方向について一定の傾きを有していればよく、必ずしも直交する必要はない。
本実施形態では、導電層130の上端の端面は、互いに直交する2辺に沿う斜め方向に平行な面が形成でき、導電層130の磁界の分布を第1実施形態のそれとは異なるものとすることができる。また、基材120を含むブースターシート110の上端を導電層130の上端と同様の形状とすることで、第10実施形態と同様の理由により、ドアガラス21を上下に開閉する際の、ブースターシート110がドアトリム23のラバー24から受ける摩擦抵抗を低減させることができる。
12.第12実施形態
図9(c)は、第12実施形態のブースターシート111付近の拡大図である。ブースターシート111は、前述の平面視において、その導電層130の上端が左右方向に対して一定の曲率を有する凸状曲線部143の輪郭形状を有する点が、第10実施形態のブースターシート109とは異なる。本例示では凸状曲線部143は略円弧状であるが、これには限られず、不規則な曲線や、曲線および直線の結合により形成されてもよい。
ブースターシート111の導電層130は、上端のもっとも高い位置が左右方向の略中央の頂部143aであり、上端のもっとも低い位置が左端および右端の底部143bおよび143cである。頂部143aと底部143bおよび143cとは、なめらかな略円弧状の輪郭形状を有する。ブースターシート111の導電層130がこのような形状であることにより、端面が互いに直交する直線状の2辺または直交しない直線状の2辺に沿う面である場合と比べて、導電層130の磁界の分布をなめらかに変化させたものとすることができる。また、ドアガラス21を上下に開閉する際に、ブースターシート111がドアトリム23のラバー24から受ける摩擦抵抗を低減させることができる点は上述したとおりである。
13.第13実施形態
また、第12実施形態と類似するが、図9(d)は、第13実施形態のブースターシート112付近の拡大図である。ブースターシート112は、前述の平面視において、その導電層130の上端が左右方向に対して一定の曲率を有する凹状曲線部144の輪郭形状を有する点が、前述のブースターシート111とは異なる。本例示では凹状曲線部144は略円弧状であるが、前述のとおり、これには限られない。
ブースターシート112の導電層130は、上端のもっとも高い位置が左右方向の左端および右端の頂部144aおよび144bであり、上端のもっとも低い位置が略中央の底部144cである。本実施形態も第12実施形態のブースターシート111と同様の作用を得ることができる。
14.第14実施形態
次に、本開示の第14実施形態のブースターシートについて説明する。図10は、第14実施形態のブースターシート113付近の拡大図である。ブースターシート113は、前述の平面視において下方側にアンテナ基板162と、これに支持された中継アンテナ161とを備える。またブースターシート113はその上方側に基材等に支持された略矩形状の導電層130を備え、中継アンテナ161の両端の接続端子163aおよび163bと電気的に接続している。導電層130は、平面状に延在する平板部164から構成される。
中継アンテナ161はループアンテナであり、被覆導線による巻き線で形成されてもよく、あるいは、アンテナ基板162の上にアルミ箔等の金属層を、接着剤を介して貼り、これをエッチングプロセスにより所定のアンテナ形状の金属層を残すように形成されてもよい。後者の場合、アンテナ配線の一方が他方をまたぐように、間に絶縁層を挟んでブリッジ配線を施す必要がある。
図10に示すように、このような構成のブースターシート113をドアガラス21が閉状態のとき、リーダライター5のアンテナ52のコイルの開口領域と、ブースターシート113の中継アンテナ161のコイルの開口領域とが重なるように配置する。こうすることで、アンテナ52と中継アンテナ161とは一次コイルおよび二次コイルの関係になり、アンテナ52と中継アンテナ161とは互いに電磁誘導にて結合する。一方、中継アンテナ161に発生した起電力による電流が接続端子163aおよび163bを介して導電層130に流れ込み、これに渦電流を生じさせる。
ブースターシート113が上述した構成を備えることにより、導電層130の下方側は二次アンテナとしてのループアンテナである中継アンテナ161がロスを低減しつつアンテナ52と電磁結合する。また、ブースターシート113の上方側に配置される平板部164である導電層130のみに集中的な渦電流を生じさせ、その端面付近から効率的に強い磁界を発生させることができる。
また、厚さを薄くすることが困難な中継アンテナ161およびこれを支持するアンテナ基板162の部分は、ドアガラス21を閉状態にしたときに、ドアトリム23のラバー24よりも下方に配置されるように設けることが好ましい。こうすれば、中継アンテナ161およびこれを支持するアンテナ基板162の部分がドアガラス21の開閉動作においてラバー24と擦れ、劣化や損傷を来すことが抑制できる。
なお、第1乃至第14実施形態で説明したブースターシートの構成やその作用は、それらを部分的に組み合わせたものに対しても適用でき、これも本開示の範囲内である。さらに、第1実施形態の無線通信システムの構成やその作用は、第2乃至第14実施形態で説明したブースターシートや上記の部分的な組み合わせに係るブースターシートと置き換えた構成に適用できることは言うまでもない。また、各実施形態に係るブースターシートは、前側ドア2のドアガラス21に設けるものとして説明したが、本開示のブースターシートは、後側ドア3のドアガラス31に設けてもよい。
1 車両
2 前側ドア
3 後側ドア
4 電子制御装置
5 リーダライター
6 ドアロック駆動部
7 エンジン駆動部
10 通信端末
11 端末用アンテナ
12 制御部
21、31 ドアガラス
22 ドアハンドル
23 ドアトリム
24 ラバー
41 制御部
42 認証部
51 通信回路
52 アンテナ
53 基板
54 ICチップ
100、101、102、103、104、105、106,107、108、109、110、111、112、113 ブースターシート
120 基材
121 接着剤
130 導電層
130a 第1導電層
130b 第2導電層
131 平板部
131a、131c 第1平板部
131b、131d 第2平板部
132、132a、132b、132c、132d 突出部
133、134、135、136 開口部
136a 通路
137 隙間
138 138a、138b、138c 磁性体シート
139 139a、139b 切欠き
141 傾斜部
142 櫛状部
143 凸状曲線部
144 凹状曲線部
141a、142a、143a、144a、144b 頂部
141b、142b、143b、143c、144c 底部
142s 第1辺
142t 第2辺
151、152 櫛状部
151a、152a、153a、154a 凸部
151b、152b、153b、154b 凹部
153、155 第1櫛状部
154、156 第2櫛状部
161 中継アンテナ
162 アンテナ基板
163a、163b 接続端子
164 平板部
200 導体板
300 無線通信システム

Claims (7)

  1. 車両に設けられた車載通信装置と、前記車両の外側の通信端末との間で送受信される通信用電磁波を中継することにより、前記車載通信装置と前記通信端末との間の近距離無線通信が可能な、導電層を備えるブースターシートであって、
    前記車両の非導電性の板状部位の表裏いずれかの面上に設けられ、
    前記導電層の一部であって、平面状に延在する平板部と、
    前記非導電性の板状部位の前記いずれかの面の法線に沿った平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なる、導電層ではない開口部と、
    前記導電層の他の一部であって、前記平板部から前記開口部を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部と、を備え、
    前記平面視において、前記導電層は前記平板部からさらに延在する、所定方向に沿って繰り返しの凹凸により形成される輪郭形状の櫛状部を備える、導電層を備えるブースターシート。
  2. 前記櫛状部は、前記平面視において上端が左右方向に対して第1の傾斜を有する第1の辺と、
    前記第1の傾斜とは異なる第2の傾斜を有する第2の辺と、
    前記第1の辺と前記第2の辺とが繰り返し配列して、前記第1の辺と前記第2の辺とにより形成される凸状部の頂部と、を有する、請求項に記載のブースターシート。
  3. 前記非導電性の板状部位は可動式のドアガラスであり、
    前記開口部は、前記ドアガラスが閉状態のとき、前記平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なる、請求項1または請求項2に記載のブースターシート。
  4. 車両に設けられた車載通信装置と、前記車両の外側の通信端末との間で送受信される通信用電磁波を中継することにより、前記車載通信装置と前記通信端末との間の近距離無線通信が可能な、導電層を備えるブースターシートであって、
    前記車両の非導電性の板状部位の表裏いずれかの面上に設けられ、
    前記導電層の一部であって、平面状に延在する平板部と、
    前記非導電性の板状部位の前記いずれかの面の法線に沿った平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なる、導電層ではない開口部と、
    前記導電層の他の一部であって、前記平板部から前記開口部を囲むように延在し、互いに離隔して対向する一対の突出部と、を備え、
    前記非導電性の板状部位は可動式のドアガラスであり、
    前記開口部は、前記ドアガラスが閉状態のとき、前記平面視において前記車載通信装置が備える通信用電磁波を送受信するためのアンテナのコイルの開口領域の少なくとも一部と重なり、
    前記平面視において、前記導電層は上端が左右方向に対して一定の傾斜を有する直線または一定の曲率を有する曲線の輪郭形状を有する、導電層を備えるブースターシート。
  5. 前記平面視において、前記導電層と少なくとも一部が重なる磁性体シートをさらに備え、
    当該磁性体シートは、前記ブースターシートの、前記車両の内側の面側に積層される、請求項1から請求項のいずれか一項に記載のブースターシート。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載のブースターシートと、
    近距離無線通信用の第1のアンテナを備えた前記車載通信装置と、
    近距離無線通信用の第2のアンテナを備えた前記通信端末と、から構成される無線通信システムであって、
    前記第1のアンテナまたは前記第2のアンテナより生じる磁束から前記ブースターシートの前記導電層に渦電流を生じさせ、前記第2のアンテナを前記導電層の端面に近接させたときに前記第1のアンテナおよび前記第2のアンテナが間接的に電磁誘導により結合し、前記車載通信装置と前記通信端末とが近距離無線通信を実施可能な、無線通信システム。
  7. 前記車両に設けられた電子制御装置をさらに備え、
    当該電子制御装置は、前記車載通信装置が前記通信端末から受信した第1のIDコードを、自己に登録された前記車両に固有の第2のIDコードと比較照合し、
    前記第1のIDコードと前記第2のIDコードとが一致する場合に、前記車両のドアロックを解除し、
    前記第1のIDコードと前記第2のIDコードとが一致しない場合に、前記車両のドアロックを解除しない、請求項に記載の無線通信システム。

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