JP7123599B2 - 受発光装置及び光学式濃度測定装置 - Google Patents
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例えば、特許文献1に記載の受発光装置は、発光部と、集光部と、集光された光を反射させる反射部と、を有するガスセルを備える。発光部及び受光部をこれら発光部及び受光部それぞれに対応して設けた集光部の集光点に配置し、発光部から出射された光を集光部と反射部とを経由して受光部に入射させる。その際、測定対象ガスをガスセル内に導入することにより、受光部の出力信号に応じて測定対象のガスの濃度を検出するようになっている。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ロバスト性が強く、より高精度なガス濃度の検知に有利な受発光装置及びこれを用いた光学式濃度測定装置を提供することにある。
なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置は、受発光装置と、受発光装置のフォトダイオードからの信号が入力され、発光部からフォトダイオードまでの光路中の物質の濃度を測定する濃度演算部と、を備える。
受発光装置は、発光面を有し、赤外光を含む光を放射する発光部と、発光面から放射された光を集光する集光部と、受光面を有し、受光面が集光部による集光点に配置されたフォトダイオードと、を備え、フォトダイオードは、第1半導体基板と、第1半導体基板の一方の面に形成された第1半導体積層部と、を有し、第1半導体基板の他方の面の少なくとも一部が前記受光面であり、受光面の短辺a[μm]及び長辺b[μm]と、発光面の短辺c[μm]及び長辺d[μm]とが、a-c>40、且つ、b-d>40を満たす。
受光面及び発光面の形状は、図1(a)に示すように、長方形である場合に限るものではなく任意の形状とすることができる。
また、図1(c)に示すように、受光面が平行な二辺を有する六角形又は発光面が平行な二辺を有する六角形であってもよく、この場合には、六角形に外接する長方形のうち、六角形の平行な二辺を長方形の二辺の一部に有し且つ面積が最小となる長方形の短辺を受光面の短辺a又は発光面の短辺cとし、外接する長方形の長辺を受光面の長辺b又は発光面の長辺dとする。
ここで、発光部から放射された光を無駄なくフォトダイオードに入射させ、フォトダイオードの出力信号を大きくするためには、集光部は光をなるべく小さい範囲に集光する方が良い。しかし、発光部の発光面は有限の面積を持つため、集光部は、発光面の面積以下の範囲に収まるように集光することは困難である。そのため、発光部から放射され、集光部で集光された光がフォトダイオードの受光面と同一面内で入射する面(以下、光集光面と呼ぶ)の面積は、小さくても発光面と同等の面積となる。
ここで、受光面及び発光面の短辺及び長辺を表すa~dを、a-c>40、b-d>40を満足するように設定した場合、発光部又はフォトダイオードに実装の位置ずれが起こった場合でも、光集光面は受光面内に含まれる。そのため、製造上のばらつきによるフォトダイオードの出力信号の個体差やロット差を小さくすることができる。したがって、ロバスト性が強く、より高精度にガス濃度を検知することができる光学式濃度測定装置を実現することができる。
また、フォトダイオードのコストの観点から、フォトダイオードの受光面の短辺a[μm]、受光面の長辺b[μm]、発光部の発光面の短辺c[μm]、発光面の長辺d[μm]は、a-c<500[μm]、且つ、b-d<500[μm]を満たすことが好ましい。
<集光部>
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置において、集光部は発光部から放射された光を、集光点がフォトダイオードの受光面と重なる位置となるように集光する。集光部は具体的には反射鏡を含む。
ここで集光点とは発光部と集光部との相対位置関係及び反射鏡の形状から一意に決まる位置である。
反射鏡は、金属材料で形成されていてもよいし、樹脂製の基材で特定の形状を形成した後に、光を反射する部分にアルミニウム、金、銀を含む合金、又はこれらの積層体等が蒸着又はめっきされることで形成されてもよい。
集光点を持つ反射鏡の種類としては、球面鏡、楕円鏡、放物面鏡等が挙げられる。球面鏡又は放物面鏡を用いて光を平行光に変換する場合は、光路長を長くするために、二つの球面鏡又は放物面鏡の間にさらに平面鏡を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置において、発光部は発光面を有する。発光部は、発光面から照射した光が、集光部により集光され、その集光点がフォトダイオードの受光面と重なる位置に設置される。
発光部は、測定対象ガスによって吸収される波長を含む光を出力するものであれば特に制限されない。具体的な例としては、MEMS(microelectromechanical systems)光源や発光ダイオードが挙げられる。その中でも、測定対象ガス以外の成分の光吸収によるノイズを低減する観点から、測定対象ガスの吸収が大きい波長帯の光のみを出力するものであることが好ましい。
また発光部は、第2半導体基板と、第2半導体基板の一方の面上に形成された第2半導体積層部と、を有し、第2半導体基板の他方の面の少なくとも一部が発光面である発光ダイオードであってもよい。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置において、発光面は発光部の光出射面である。
発光部が発光ダイオードで形成され、発光ダイオードが基板上に半導体積層部が形成された構成を有し、基板側から光を出射する裏面出射型の場合、発光面は光が出射される基板露出面のことを指す。ここで基板露出面の表面には反射防止膜や光学フィルタが形成されていてもよい。発光ダイオードが基板上に形成した半導体積層部側から光を出射する表面出射型の場合、発光面は光を出射するアクティブ層のことを指す。
また、発光部がMEMSヒーターを含んで構成される場合、発光面は加熱されることで光を放射する部材のことを指す。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置において、フォトダイオードの受光面が集光部の集光点と重なる位置に設置される。
フォトダイオードは、第1半導体基板と、第1半導体基板の一方の面上に形成された一又は複数の第1半導体積層部と、を有し、第1半導体基板の他方の面の少なくとも一部が受光面を形成している。
フォトダイオードは測定対象ガスによって吸収される波長を含む光の帯域に感度を有する。フォトダイオードの形状は十分なS/N比が得られるものであれば特に制限されない。
フォトダイオードに含まれる半導体基板の裏面の二乗平均平方根粗さは30nm以上である(以下、「粗面化されている」と表記する)ことがより好ましい。この場合には、粗面化されていない場合に比べて複数の半導体積層部に、より均一に光が入射する。なお、二乗平均平方根粗さ(Rq)は、例えば、接触式段差計や原子間力顕微鏡(AFM)等を用い、対応する面に対して、数μmから数mmの範囲のラインスキャン、或いは2次元スキャンを行って測定された高さから算出される。
また、フォトダイオードは受光面となる半導体基板裏面の少なくとも一部を露出した状態で半導体積層部を封止する封止部をさらに備えていてもよい。封止部の材料としては、例えば、樹脂モールド材料等を用いることができる。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置において、受光面は半導体基板が露出した、フォトダイオードの光入射面である。受光面は前述のように粗面化されていてもよい。粗面化させる手法としては、研削やエッチングによるパターン形成などが挙げられる。また、受光面の表面には、反射防止膜や光学フィルタが直接形成されていてもよい。フォトダイオードに前述のバンドパスフィルタが搭載されている場合であっても、受光面は光が入射できる半導体基板裏面の露出部を指す。
本発明の一実施形態に係る光学式濃度測定装置は、発光部及びフォトダイオードが実装された基板と集光部とを含む受発光装置を収納する筐体をさらに備えていてもよい。基板及び/又は集光部は、筐体に、樹脂製の接着剤で固定されている。本発明によれば、樹脂製の接着剤が外部環境因によって伸長収縮を起こし、集光部の位置ずれが発生した場合にも、ロバスト性が強く、高精度にガス濃度を検知することができる。これによって安価な樹脂製の接着剤を用いることが可能となる。
次に、本発明の一実施形態に係る受発光装置20の一例を、図5を参照して説明する。なお、図5は模式的なものであり、各層の厚さは現実のものとは異なり、各層の厚さの比率も現実のものとは異なる場合がある。具体的な厚さと寸法は、本発明の一実施形態の説明を参酌して判断すべきものである。
図5は、本発明の一実施形態に係る受発光装置20の一例を示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る受発光装置20は、発光面21aを有し、赤外光を含む光を放射する発光部21と、受光面22aを有し、発光部21から放射された光の少なくとも一部を受光するフォトダイオード22と、集光部23とを備える。
発光部21とフォトダイオード22と集光部23とは、発光部21の発光面21aから放射された光を、集光部23がフォトダイオード22の受光面22aに集光する位置に配置される。
発光部21とフォトダイオード22とは同一基板24上に配置されている。基板24は、ベース基板としても機能する回路基板であり、たとえばプリント基板を用いることができる。なお、発光部21とフォトダイオード22は同じ基板24上に実装されている場合に限るものではなく、別々の基板に実装されていてもよい。
そのため、発光部21とフォトダイオード22の実装の位置ずれが生じた場合であっても、集光部23が集光した光のほとんどをフォトダイオード22の受光面で受けることができる。特に、a-c>80、且つ、b-d>80を満たすように配置することにより、発光部21とフォトダイオード22の実装の位置ずれが最も大きくなるときでも、集光部23が集光した光をフォトダイオード22の受光面で受けることができる。また、フォトダイオード22のコストの観点から、a-c<500、且つ、b-d<500を満たすように配置すると効果的である。
光学式濃度測定装置40は、受発光装置20aと、受発光装置20aを収容する筐体30と、を備える。
受発光装置20aは、図6に示すように、発光部21及びフォトダイオード22が実装された基板24と、集光部23と、発光部21及びフォトダイオード22用の集光部25と、を備える。集光部25は、発光部21から入射した光を集光する集光部25aと集光部23で反射された光を集光する集光部25bとを備える。集光部25を備えることによって、光学式濃度測定装置40では、発光部21から放射されたより多くの光を集光部23に入射し、集光部23で反射されたより多くの光をフォトダイオード22に入射するようになっている。
受発光装置20aは、例えば、基板24を筐体30の底面に樹脂製の接着剤で固定し、集光部23及び25を、筐体30の上面及び側面に樹脂製の接着剤で固定することで、筐体30に固定される。
本発明の一実施形態では、集光部23が集光した光のほとんどをフォトダイオード22の受光面22aで受けることができるため、接着剤の影響による、フォトダイオード22の出力信号の変化を抑制することができる。
1a 発光面
2、3 半導体積層部
4 半導体基板
5 封止部
10 フォトダイオード
10a 受光面
11 半導体基板
12 半導体積層部
13 封止部
20、20a 受発光装置
21 発光部
21a 発光面
22 フォトダイオード
22a 受光面
23 集光部
24 基板
40 光学式濃度測定装置
Claims (9)
- 発光面を有し、赤外光を含む光を放射する発光部と、
前記発光面から放射された光を集光する反射鏡を有する集光部と、
受光面を有し、当該受光面が前記集光部による集光点に配置されたフォトダイオードと、
を備え、
前記フォトダイオードは、第1半導体基板と、当該第1半導体基板の一方の面に形成された複数の第1半導体積層部と、を有し、
前記複数の第1半導体積層部の一部は互いに直列に接続されており、
前記第1半導体基板の他方の面の少なくとも一部が前記受光面であり、当該受光面は、二乗平均平方根粗さが30nm以上であって、
前記受光面の短辺a[μm]及び長辺b[μm]と、前記発光面の短辺c[μm]及び長辺d[μm]とは、a-c>40、且つ、b-d>40を満たし、さらに、前記発光部から放射され、前記集光部で集光された赤外光を前記受光面と同一面内で入射する光集光面が、前記受光面内に収まる受発光装置。 - 前記受光面の短辺a[μm]及び長辺b[μm]と、前記発光面の短辺c[μm]及び長辺d[μm]とは、a-c>80、且つ、b-d>80を満たす請求項1に記載の受発光装置。
- 前記受光面の短辺a[μm]及び長辺b[μm]と、前記発光面の短辺c[μm]及び長辺d[μm]とは、a-c<500、且つ、b-d<500を満たす請求項1又は請求項2に記載の受発光装置。
- 前記集光部は、複数の前記反射鏡を有し、前記発光部から放射された赤外光を含む光が複数の前記反射鏡で反射される請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受発光装置。
- 前記フォトダイオードは、第1半導体基板の他方の面の少なくとも一部を露出した状態で前記第1半導体基板と前記第1半導体積層部とを封止する封止部をさらに有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の受発光装置。
- 前記発光部は、第2半導体基板と、当該第2半導体基板の一方の面に形成された第2半導体積層部と、を有する発光ダイオードを含み、
前記第2半導体基板の他方の面の少なくとも一部が前記発光面を形成している請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の受発光装置。 - 前記発光ダイオードは、前記第2半導体積層部とは電気的に絶縁された第3半導体積層部を有し、
当該第3半導体積層部は、前記第2半導体基板の前記一方の面であり、前記第2半導体積層部から出力された光のうち前記第2半導体基板の前記他方の面で反射した光が入射する位置に配置されている請求項6に記載の受発光装置。 - 前記集光部を保持する筐体をさらに備え、
前記集光部は、樹脂製の接着剤で前記筐体に固定されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の受発光装置。 - 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の受発光装置と、
前記受発光装置の前記フォトダイオードからの信号が入力され、前記発光部から前記フォトダイオードまでの光路中の物質の濃度を測定する濃度演算部と、を備える光学式濃度測定装置。
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