以下、本発明の洗濯機の一実施形態である全自動洗濯乾燥機1について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の側面断面図である。図2は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の上部の背面斜視図である。
全自動洗濯乾燥機1は、外観を構成する筐体10を備える。筐体10は、上下の面が開放された方形筒状の胴体部11と、胴体部11の上面を覆う上面板12と、胴体部11を支持する脚台13とを含む。上面板12には、洗濯物を投入するための外側投入口14が形成される。外側投入口14は、開閉自在な上蓋15により覆われる。
筐体10内には、外槽20が、防振装置を有する4本の吊棒21により弾性的に吊り下げ支持される。外槽20は、上面が開口するほぼ円筒状の外槽本体22aと、外槽本体22aの上面を覆うことにより、外槽20の上面を構成する外槽カバー22bとを含む。外槽20の上面、即ち外槽カバー22bには、外側投入口14に対応する位置に、洗濯物を投入するための内側投入口22cが形成される。内側投入口22cは、外槽蓋23により開閉可能に覆われる。
外槽20内には、上面が開放されたほぼ円筒状の洗濯脱水槽24が配される。洗濯脱水槽24の内周面には、全周に亘って多数の脱水孔24aが形成される。洗濯脱水槽24の上部には、バランスリング25が設けられる。洗濯脱水槽24の底部には、パルセータ26が配される。なお、洗濯脱水槽24は、本発明の洗濯槽に相当する。
外槽20の外底部には、洗濯脱水槽24およびパルセータ26を駆動するトルクを発生させる駆動ユニット30が配される。駆動ユニット30は、駆動モータ31と、伝達機構部32と、翼軸33と、脱水槽軸34とを含む。翼軸33はパルセータ26に接続され、脱水槽軸34は洗濯脱水槽24に接続される。伝達機構部32は、クラッチ機構を有し、当該クラッチ機構による切替操作により、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31のトルクを翼軸33のみに伝達してパルセータ26のみを回転させ、脱水工程では、駆動モータ31のトルクを翼軸33および脱水槽軸34に伝達してパルセータ26および洗濯脱水槽24を一体的に回転させる。なお、伝達機構部32は減速機構を有し、洗い工程およびすすぎ工程では、駆動モータ31の回転が減速機構の減速比に従って減速され、翼軸33に伝達される。
外槽20の外底部には、排水口部20aが形成される。排水口部20aには、排水バルブ40が設けられる。排水バルブ40は、排水ホース41に接続される。排水バルブ40が開放されると、洗濯脱水槽24および外槽20に溜められた水が排水ホース41を通じて機外へ排出される。
筐体10内の後部には、外槽20の上方に乾燥装置50と給水装置60とが配置される。乾燥装置50と給水装置60は、胴体部11の上面後部に配置された固定板16に取り付けられ、上面板12により覆われる。
乾燥装置50は、洗濯脱水槽24内に収容された洗濯物を乾燥させる。乾燥装置50はヒータと送風ファンが配置された循環風路50aを含み、循環風路50aが、吸気ダクト71および排気ダクト72によって外槽20の内部と接続される。吸気ダクト71および排気ダクト72は、フレキシブルなダクトであり、ゴム等の弾性材料で形成され、中間部分に図示しない蛇腹部を有する。ヒータおよび送風ファンの動作により生成した温風が、循環風路50aから排出され、吸気ダクト71を通じて外槽20内に導入される。さらに、外槽20から排出された温風が、排気ダクト72を通じて循環風路50a内に導入される。こうして、循環風路50aと外槽20との間で温風が循環する。
乾燥装置50は、温風の循環による循環乾燥動作と、それに続く、循環する温風の一部を外部へ排出させる排気乾燥動作とを行う。上面板12には、多数の排気孔で構成され、温風が排出される排気口51が設けられる。
給水装置60は、外部に露出する給水口61が、水栓から延びる図示しない外部給水ホースに接続される。給水装置60は給水バルブおよび洗剤容器を含み、給水バルブが開放されることにより、水栓からの水道水が洗剤容器内に収容された洗剤とともに外槽20内に供給される。給水装置60は、風呂水ポンプを含んでいてもよい。
全自動洗濯乾燥機1では、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転または乾燥運転が行われる。洗濯運転は、洗濯のみを行う運転であり、洗い工程、中間脱水工程、すすぎ工程および最終脱水工程が順番に実行される。洗濯乾燥運転は、洗濯から乾燥までを連続的に行う運転であり、最終脱水工程に続いて乾燥工程が実行される。乾燥運転は、乾燥のみを行う運転であり、乾燥工程のみが実行される。
洗い工程およびすすぎ工程では、洗濯脱水槽24内に水が溜められた状態で、パルセータ26が右方向および左方向に回転する。パルセータ26の回転により発生した水流等の作用によって洗濯脱水槽24内の洗濯物が洗われる、あるいは、すすがれる。
中間脱水工程および最終脱水工程では、洗濯脱水槽24およびパルセータ26が一体となって高速回転する。洗濯脱水槽24に発生する遠心力の作用により、洗濯物が脱水される。
乾燥工程では、最初に内気循環乾燥工程が行われ、それに続いて外気導入乾燥工程が行われる。内気循環乾燥工程では、乾燥装置50により循環乾燥動作が行われ、循環風路50aと外槽20との間で温風が循環する。乾燥風の循環により、洗濯脱水槽24内の温度が速やかに上昇する。パルセータ26が回転し、洗濯物が撹拌されつつ、循環する温風により乾燥される。洗濯脱水槽24内の温度上昇が進み、洗濯物から水分が蒸発して温風に水分が多く含まれるようになると、外気導入乾燥工程に切り替えられる。外気導入乾燥工程では、乾燥装置50により排気乾燥動作が行われ、循環風路50aに外気が導入されるとともに、循環風路50aから循環する温風の一部が排気される。洗濯物から蒸発した水分が、効果的に外槽20内から筐体10の外に排出され、外槽20内が除湿されやすくなるため、洗濯物の乾燥が促進される。
次に、パルセータ26の構成にいて詳細に説明する。
図3(a)および(b)は、本実施の形態に係る、上方から見たパルセータ26の斜視図である。図3(a)は、パルセータ26が、上方から見て左方向に回転しているときの形態を示し、図3(b)は、パルセータ26が、上方から見て右方向に回転しているときの形態を示す。
パルセータ26は、ベース部100と、2つの可動羽根部200と、可変機構部300とを備える。ベース部100には、2つの固定羽根部130が設けられ、各固定羽根部130の天面である配置面100aに、それぞれ、配置面100aから突出する突出高さが変更可能となるように可動羽根部200が配置される。可変機構部300は、パルセータ26の回転方向に応じて各可動羽根部200の突出高さ可変させる。なお、可動羽根部200は、本発明の羽根部に相当する。
本実施の形態では、図3(a)および(b)のように、パルセータ26の回転方向に応じて、パルセータ26の形態が、一方の可動羽根部200が配置面100aから突出し、他方の可動羽根部200が配置面100aから突出しない形態と、一方の可動羽根部200が配置面100aから突出せず、他方の可動羽根部200が配置面100aから突出する形態とに切り替わる。可動羽根部200が配置面100aから突出したとき、突出高さは、所定高さH1、たとえば、30mm程度の高さとなり、可動羽根部200が配置面100aから突出しないとき、突出高さは、ほぼ0となる。
図4は、本実施の形態に係る、上方から見たパルセータ26の分解斜視図である。図5は、本実施の形態に係る、下方から見たパルセータ26の分解斜視図である。
ベース部100は、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成され、ほぼ円盤状を有する本体部110と、可変機構部300が装着される装着部120と、2つの固定羽根部130とを含む。装着部120と固定羽根部130は、本体部110と一体形成される。
本体部110の表面には、平坦な外周面111の内側に円形の凹み面112が形成される。凹み面112には、表裏を貫通する多数の水抜孔113が形成される。洗濯脱水槽24、即ち外槽20からの排水の際、凹み面112に溜まった水が水抜孔113から排出される。
本体部110の裏面には、装着部120と2つの固定羽根部130とを除く部位に、中央側から外周側へと放射状に延びる複数の裏羽根114が設けられる。図1には図示されていないが、洗濯脱水槽24の底部には、裏羽根114が収容されるポンプ室が設けられ、洗濯脱水槽24の内壁面に沿うよう上下に延びる循環水路がポンプ室に繋がる。循環水路の先端部には吐出口が設けられる。裏羽根114の回転により、ポンプ室内の水が、循環水路へと送られ、吐出口から洗濯脱水槽24の内側に向かって放出される。これにより、洗濯脱水槽24内の上側に位置する洗濯物に循環水が掛けられる。なお、吐出口にリントフィルタが装着されている場合がある。この場合、循環水に含まれるリントがリントフィルタに捕集される。
装着部120は、本体部110の中央部において凹み面112から上方に隆起する。これにより、装着部120には、その裏側に、上方へ凹むほぼ円形の装着凹部121が形成される。装着部120の天面には、中央部に円形の開口部122が形成され、開口部122の周囲に円環状の溝部123が形成される。装着凹部121には、溝部123の裏側の位置に環状の摺動リブ124が形成される。また、装着凹部121の外側には、本体部110の裏面に、装着凹部121と同心の円弧状に形成された摺動壁部115が設けられる。
2つの固定羽根部130は、本体部110の凹み面112に、装着部120を挟んで対峙するよう設けられる。ベース部100上において、2つの固定羽根部130の向きは、等しい向きとされる。各固定羽根部130は、ほぼ台形柱状を有し、裏側が中空となるように形成される。各固定羽根部130は、ベース部100の周方向側の第1側面130aと第2側面130bとが、第1側面130aが第2側面130bよりも急嵯となるように傾斜する。
各固定羽根部130の天面は、ほぼ長方形の平坦面に形成されて配置面100aを構成する。配置面100aの高さ位置は、本体部110の外周面111の高さ位置と同じとなる。配置面100aには、配置面100aのほぼ全体を占めるほぼ長方形の開口部131が形成される。開口部131の4つの縁部には、縁部に沿って所定間隔で並ぶ複数のリブ132aによって、縁部に沿って連続する複数の凹凸からなる固定側凹凸群132が設けられる。
各固定羽根部130の裏側には、開口部131における第2側面130b側の縁部近傍に、軸孔133aを有する一対の軸受部133が設けられる。中央側の軸受部133では、軸孔133aが軸受部133を貫通せず、外周側の軸受部133では、軸孔133aが軸受部133を貫通する。
各固定羽根部130の第1側面130aから少し離れた位置における本体部110の裏面には、中央側から外周側へ延びる第1ストッパリブ116が設けられる。また、各固定羽根部130の第2側面130bから少し離れた位置における本体部110の裏面には、中央側から外周側へ延びる第2ストッパリブ117が設けられる。第1ストッパリブ116は、本発明の第1の当接部に相当し、第2ストッパリブ117は、本発明の第2の当接部に相当する。
図6(a)は、本実施の形態に係る、前方上方から見た可動羽根部200の斜視図であり、図6(b)は、本実施の形態に係る、後方上方から見た可動羽根部200の斜視図であり、図6(c)は、本実施の形態に係る、前方下方から見た可動羽根部200の斜視図であり、図6(d)は、本実施の形態に係る、昇降棒250の斜視図である。
2つの可動羽根部200は、ポリプロピレン等の樹脂材料により、裏側が中空となるほぼ三角柱状に形成される。各可動羽根部200は、ほぼ三角形状の2つの側面210と、2つの側面210の間に設けられる第1傾斜面220および第2傾斜面230とを含み、2つの側面210の間のもう一つの一面が開放されている。第1傾斜面220は第2傾斜面230よりも急嵯にされる。可動羽根部200の2つの側面210の裏側には、第1傾斜面220と接しない角部に、軸孔241を有する一対の軸取付部240が設けられる。軸孔241は、軸取付部240と側面210とを貫通する。
2つの側面210には、第1傾斜面220から軸孔241へ向かう方向に沿って、この方向と交差する方向に延びる複数のリブ211が所定間隔で形成されることにより、複数の凹凸からなる可動側凹凸群212が設けられる。また、各側面210には、下縁部に、側方に張り出すように、ストッパ部213が設けられる。さらに、各側面210には、軸孔241を囲むように、固定羽根部130の軸受部133に対応する形状のリブ214が形成される。
第1傾斜面220は、軸孔241を曲率中心とする曲面に形成される。第1傾斜面220には、傾斜方向に延びる複数のリブ221が、傾斜方向と直交する方向に沿って所定間隔で形成されることにより、複数の凹凸からなる可動側凹凸群222が設けられる。また、第1傾斜面220には、可動羽根部200の頂部の近傍に、表裏を貫通する複数の孔部223が形成される。洗濯脱水槽24への給水時において、可動羽根部200の位置まで水が溜められたときに、可動羽根部200の裏側に溜まった空気が孔部223から抜かれる。これにより、可動羽根部200の裏側に残留した空気による浮力で不所望に可動羽根部200が突出してしまうことが防止される。
第2傾斜面230は、下端部分が軸孔241の曲率中心とする曲面に形成され、その他の部分が平坦面に形成される。第2傾斜面230の下端部分には、傾斜方向に延びる複数のリブ231が、傾斜方向と直交する方向に沿って所定間隔で形成されることにより、複数の凹凸からなる可動側凹凸群232が設けられる。
可動羽根部200の裏側には、可動羽根部200の頂部のほぼ真下位置に、第1傾斜面220と平行となるように、昇降棒250が取り付けられる。昇降棒250は、金属製、たとえば、ステンレス製の丸棒を折り曲げ加工することにより形成され、直線状に延びる昇降部251と、昇降部251の両側に設けられたL字状の差込部252とを含む。昇降棒250は、可動羽根部200よりも摩擦係数が小さい。可動羽根部200の裏側には、昇降棒250が取り付けられる取付部260が設けられる。取付部260は、昇降棒250の差込部252が差し込まれる2つの差込穴部261と、これら差込穴部261の間において昇降部251を支える支持部262とで構成される。なお、昇降部251は、本発明の接触部に相当する。
図4および図5に戻り、2つの可動羽根部200がベース部100に取り付けられる際には、可動羽根部200の一対の軸取付部240の軸孔241が固定羽根部130の一対の軸受部133の軸孔133aに合されて、これら軸孔241、133aに、外周側から金属製、たとえばステンレス製のシャフト270が通される。このとき、可動羽根部200の各側面210のリブ214の内側に軸受部133の先端部が下方から嵌め込まれることで、容易に軸孔241、133a同士を合せることができ、容易にシャフト270の取り付けが行える。シャフト270が通された後に、外周側の軸受部133の軸孔133aに抜け止めネジ280が取り付けられ、これにより、シャフト270の抜け止めがなされる。可動羽根部200は、ベース部100に対して、シャフト270を中心に回動可能となり、配置面100aから突出しない非突出位置と、配置面100aから突出した突出位置との間で移動可能となる。なお、非突出位置は、本発明の第1の位置に相当し、突出位置は、本発明の第2の位置に相当する。
可動羽根部200が回動する範囲において、可動羽根部200の可動側凹凸群212、222、232と固定羽根部130の固定側凹凸群132とが噛み合う。これにより、可動羽根部200と固定羽根部130の開口部131との隙間に硬貨などの異物が挟まり込んだり、洗濯物が噛み込んだりしにくくなる。
なお、以降において、ベース部100に取り付けられた2つの可動羽根部200を区別して称する場合、パルセータ26が上方から見て右方向に回転するときに、第1傾斜面220が回転方向に臨む可動羽根部200を第1可動羽根部200Aと称し、パルセータ26が上方から見て左方向に回転するときに、第1傾斜面220が回転方向に臨む可動羽根部200を第2可動羽根部200Bと称する。同様に、固定羽根部130を区別して称する場合、第1可動羽根部200Aが配置された固定羽根部130を第1固定羽根部130Aと称し、第2可動羽根部200Bが配置された固定羽根部130を第2固定羽根部130Bと称する。
可変機構部300は、回転部310と、ホルダ320と、キャップ330と、下ワッシャ340と、上ワッシャ350とを備える。回転部310、ホルダ320およびキャップ330は、ポリプロピレン等の樹脂材料により形成される。
回転部310は、中央のハブ部311と、ハブ部311から相反する方向へ延びる2つのアーム部312とが一体に形成された構成を有する。ハブ部311は、天面が閉鎖されたほぼ円筒体であり、その裏側が円形に凹み、ボス装着部313となる。ボス装着部313には、金属製の取付ボス360が装着される。取付ボス360に、翼軸33が取り付けられる。取付ボス360の上端は、ハブ部311の天面を貫通し、僅かに上方に突出する。ハブ部311の天面には、ベース部100の装着部120の開口部122の内径とほぼ等しい外径を有する環状リブ314が形成される。また、ハブ部311の天面には、環状リブ314の内側に、複数のネジ孔315が形成される。ハブ部311の下部には、アーム部312が形成されていない部分に、円弧状の摺動壁部316が形成され、この摺動壁部316の表面に金属製、たとえばステンレス製の摺動板370が取り付けられる。摺動板370は、回転部310よりも摩擦係数が小さい。
2つのアーム部312には、それぞれ、2つの可動羽根部200に対応する位置に、移動カム317が設けられる。移動カム317には、傾斜面318と、傾斜面318の頂上から水平方向に延びる平坦な支え面319とが形成される。2つのアーム部312の移動カム317は、それらの傾斜面318が同じ方向を向く。なお、移動カム317は、本発明の移動部に相当する。
ホルダ320は、ほぼ円盤状に形成される。ホルダ320には、中央部に、円形に凹む凹部321が形成される。凹部321の裏側は下方に突出する。凹部321の底面には、中央部に、取付ボス360の先端部が挿入される開口部322が形成され、開口部322の周りに、複数のネジ孔323が形成される。また、ホルダ320の裏面には、外周部に環状の摺動リブ324が形成される。
キャップ330は、ほぼ円盤状に形成され、ホルダ320の凹部321の内径とほぼ等しい外径を有する。下ワッシャ340および上ワッシャ350は、金属製の環状板である。下ワッシャ340は回転部310よりも摩擦係数が小さく、上ワッシャ350はホルダ320よりも摩擦係数が小さい。
可変機構部300がベース部100に取り付けられる際には、まず、回転部310が、下方からベース部100の裏面側に装着される。ハブ部311が装着凹部121に挿入され、ハブ部311の天面と装着凹部121の上面との間に下ワッシャ340が挟み込まれる。装着凹部121の上面の摺動リブ124が下ワッシャ340に当接する。また、ハブ部311の天面の環状リブ314が装着部120の開口部122に嵌め込まれる。ハブ部311における環状リブ314の内側の天面が、開口部122を通じて上方に臨む。次に、ハブ部311における環状リブ314の内側の天面に、上方からホルダ320が取り付けられる。このとき、ホルダ320の凹部321の裏面とハブ部311の天面とが接触し、ネジ孔323、315同士が一致する。2つのネジ孔323、315に図示しないネジが止められ、ホルダ320がハブ部311に固定される。ホルダ320と装着部120の天面の溝部123との間に上ワッシャ350が挟み込まれる。ホルダ320の裏面の摺動リブ324が上ワッシャ350に当接する。最後に、ホルダ320の凹部321にキャップ330が取り付けられ、凹部321がキャップ330で覆われる。
回転部310は、ベース部100に対し、ベース部100の裏面に設けられた2つのストッパリブ116に当たらない範囲において、ベース部100の中心軸を中心に回転可能となる。ベース部100に対して回転部310が回転するとき、ベース部100の裏側では、ハブ部311の摺動壁部316の摺動板370がベース部100の摺動壁部115の内面を摺動するとともに、装着凹部121の上面の摺動リブ124が下ワッシャ340の表面を摺動する。また、ベース部100の表側では、ホルダ320の裏面の摺動リブ324が上ワッシャ350の表面を摺動する。これにより、回転部310は、ベース部100に対してスムーズに回転する。
次に、固定羽根部130の天面、即ち配置面100aに対する可動羽根部200の突出高さが可変機構部300によって可変される動作について説明する。ここでは、第1可動羽根部200Aの突出高さを可変する動作が説明されるが、第2可動羽根部200Bの可変動作については、第1可動羽根部200Aの可変動作と同様である。
図7(a)は、本実施の形態に係る、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出せず、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出した状態のパルセータ26を示す、第1可動羽根部200Aの周辺のパルセータ26の断面図であり、図7(b)は、本実施の形態に係る、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出し、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出しない状態のパルセータ26を示す、第1可動羽根部200Aの周辺のパルセータ26の断面図である。
図7(a)に示すように、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出しない非突出位置にあるとき、第1可動羽根部200Aでは、昇降棒250の昇降部251が移動カム317の傾斜面318の下の位置において移動カム317と接触する。パルセータ26では、ベース部100ではなく、可変機構部300の回転部310に翼軸33が接続されている。よって、この状態から駆動モータ31が正転すると、駆動モータ31のトルクが翼軸33を介して回転部310に伝達され、回転部310が、上方から見て右方向に回転する。ベース部100に対して回転部310が右方向に回転し、実線矢印に示すように、回転部310のアーム部312が第1ストッパリブ116に向かう方向へ移動する。アーム部312の移動により第1可動羽根部200Aが移動カム317に押されるが、ベース部100は洗濯脱水槽24内の水の抵抗等が加わることで回転しにくいため、破線矢印に示すように、昇降部251が傾斜面318を上り、これに伴って、第1可動羽根部200Aがシャフト270を中心に上方に回動し、一点鎖線に示すように、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出する。ここで、昇降部251は、可動羽根部200よりも摩擦係数が小さい部材で形成されている。よって、昇降部251が傾斜面318をスムーズに昇降しやすく、可動羽根部200がスムーズに回動しやすい。
図7(b)のように、アーム部312が第1ストッパリブ116に当接したとき、昇降部251は移動カム317の支え面319に到達する。これにより、第1可動羽根部200Aは、突出位置に達し、配置面100aに対して最も突出した状態となる。この状態になると、第1可動羽根部200Aのストッパ部213が配置面100aの裏側に当り、これ以上の第1可動羽根部200Aの上方への回動が止められる。また、昇降部251が、支え面319によって、上方、即ち突出方向に支えられる。これにより、下方に押されても、第1可動羽根部200Aが配置面100a側に引っ込んでしまうことが防止される。アーム部312が第1ストッパリブ116に当接した後は、ベース部100が回転部310と一体となって右方向に回転する。即ち、パルセータ26が右方向に回転する。第2可動羽根部200B側では、昇降部251が傾斜面318を完全に下って第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出しない状態となる。このとき、第2可動羽根部200B側のアーム部312は、第2ストッパリブ117に当接する。
次に、図7(b)のように、第1可動羽根部200Aが突出位置にある状態において、駆動モータ31が逆転すると、回転部310が、上方から見て左方向に回転する。ベース部100に対して回転部310が左方向に回転し、実線矢印に示すように、アーム部312が第2ストッパリブ117へ向かう方向へ移動する。破線矢印に示すように、昇降部251が傾斜面318を下り、これに伴って、第1可動羽根部200Aが下方へ回動し、一点鎖線に示すように、第1可動羽根部200Aが配置面100a側に引っ込んでいく。図7(a)のように、昇降部251が傾斜面318を完全に下ると、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出しない状態となる。このとき、第1可動羽根部200Aの第2傾斜面230が配置面100aとほぼ面一となる。
アーム部312が第2ストッパリブ116に当接することにより、ベース部100が回転部310と一体となって左方向に回転する。即ち、パルセータ26が左方向に回転する。第2可動羽根部200B側では、昇降部251が傾斜面318を上って第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出する。このとき、第2可動羽根部200B側のアーム部312は、第2ストッパリブ117に当接する。
なお、第1可動羽根部200Aが、本発明の羽根部に相当するときには、右方向が本発明の第1の方向に相当し、左方向が本発明の第2の方向に相当する。一方、第2可動羽根部200Bが、本発明の羽根部に相当するときには、左方向が本発明の第1の方向に相当し、右方向が本発明の第2の方向に相当する。
さて、パルセータ26が左方向と右方向とに交互に回転すると、図3(a)のような、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出せず、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出する形態と、図3(b)のような、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出し、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出しない形態とが交互に繰り返される。パルセータ26の回転方向が切り変わることで、一方の可動羽根部200が配置面100a側へ引っ込んで突出高さが低くなり、即ち、本実施の形態では0となり、他方の可動羽根部200が配置面100aから突出して突出高さが高くなると、一方の可動羽根部200側では洗濯物が沈み込み、他方の可動羽根部200側では洗濯物が押し上げられる。この状態で、他方の可動羽根部200により洗濯物が撹拌されると、押し上げられた洗濯物が、沈み込んだ洗濯物の上に落とされやすくなる。このような動きが生じることにより、洗濯脱水槽24内において、洗濯物は、パルセータ26の左右方向への回転に伴って、左右方向に規則的あるいは単調に動くのではなく、不規則あるいは複雑に動きやすくなる。これにより、洗濯物の上下の入れ替えが行われやすくなる。これにより、洗浄むらや布傷みが低減されることが期待される。
図8は、本実施の形態に係る、全自動洗濯乾燥機1の構成を示すブロック図である。
全自動洗濯乾燥機1は、上述した構成に加え、制御ユニット400を備える。制御ユニット400は、制御部401、記憶部402、モータ駆動部403、クラッチ駆動部404、給水駆動部405、排水駆動部406、ファン駆動部407およびヒータ駆動部408を含む。
モータ駆動部403は、制御部401からの制御信号に従って、駆動モータ31を駆動する。モータ駆動部403は、駆動モータ31の回転数を検出する回転数センサ(図示せず)を有し、回転数センサが検出した回転数に応じた駆動電流を駆動モータ31に出力する。駆動モータ31の回転数制御として、たとえば、PWM(Pulse Width Modulation)制御を用いることができる。
クラッチ駆動部404は、制御部401から出力された制御信号に従い、伝達機構部32のクラッチ機構32aを駆動する。給水駆動部405は、制御部401からの制御信号に従って、給水装置60の給水バルブ62を駆動する。排水駆動部406は、制御部401からの制御信号に従って、排水バルブ40を駆動する。
ファン駆動部407は、制御部401から出力された制御信号に従って、乾燥装置50の送風ファン52を駆動する。ヒータ駆動部408は、制御部401から出力された制御信号に従って、乾燥装置50のヒータ53を駆動する。
記憶部402は、EEPROM、RAM等を含む。記憶部402には、各種運転コースの洗濯運転、洗濯乾燥運転および乾燥運転を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部402には、これらプログラムの実行に用いられる各種パラメータや各種制御フラグが記憶される。
制御部401は、記憶部402に記憶されたプログラムに従い、モータ駆動部403、クラッチ駆動部404、給水駆動部405、排水駆動部406、ファン駆動部407、ヒータ駆動部408等を制御する。
上述のとおり、洗い工程またはすすぎ工程では、パルセータ26が左方向と右方向とに交互に回転する。この際、制御部401による駆動モータ31のオンオフ制御が行われ、オン(通電)時には、駆動モータ31の回転が、予め設定された目標回転数まで立ち上げられる。そして、回転が目標回転数まで立ち上がる途中に、回転部310がベース部100の第1ストッパリブ116および第2ストッパリブ117に当たり、回転部310とベース部100とが一体となって回転する。よって、目標回転数までの加速度が大きいと、回転部310が高い回転数でストッパリブ116、117に当たりやすくなるので、大きな衝突音が発生しやすくなる。一方で、回転部310が低い回転数でストッパリブ116、117に当たりやすくして衝突音を低減させるために、目標回転数までの加速度を小さくすると、目標回転数に到達するまでの時間が長くなるため、与えられたオン時間内でのパルセータ26の回転量が減ってしまい、洗浄効果が低下しやすくなる。
そこで、本実施の形態では、目標回転数への到達時間の増加を抑えつつ衝突音を低減できるように、駆動モータ31がオフオフ制御される。
図9は、本実施の形態に係る、駆動モータ31のオンオフ制御が行われたときの回転数の動きを示すタイムチャートである。図10は、本実施の形態に係る、駆動モータ31を正転および逆転させるときの通電制御を示すフローチャートである。
図9および図10を参照し、制御部401による駆動モータ31のオフオフ制御について説明する。
制御部401は、まず、駆動モータ31に通電し、駆動モータ31を正転させる。このとき、制御部401は、駆動モータ31に対して、図10の通電制御を行う。即ち、制御部401は、目標回転数R1よりも小さい、たとえば、大きさが半分以下の中間回転数R0を設定し、駆動モータ31の回転を中間回転数R0まで立ち上げる(S1)。駆動モータ31の回転が中間回転数R0まで立ち上がると(S2:YES)、制御部401は、駆動モータ31の回転数を中間回転数R0に維持させる(S3)。制御部401は、駆動モータ31の回転数を中間回転数R0に留めておく保留時間T0を通電開始から計測している。
保留時間T0は、通電開始により駆動モータ31、即ち回転部310が回転を開始してから回転部310がストッパリブ116、117に当たるまでの時間よりも長い時間とされる。ストッパリブ116、117に当たるまでに回転部310がベース部100に対して相対的に回転する角度は一定である。しかしながら、回転部310がその角度だけ相対的に回転するまでにベース部100が回転する角度はベース部100が洗濯物や水から受ける抵抗によりばらつくため、それに応じて、ストッパリブ116、117に当たるまでに回転部310が回転する絶対的な角度もばらつくことになる。このため、回転部310がストッパリブ116、117に当たるまでの時間にばらつきが生じる。よって、この時間のばらつきを考慮して、予め実験等により、保留時間T0が決められる。
駆動モータ31が中間回転数R0を維持している間に、図7(a)、(b)で説明したように、第1可動羽根部200Aが突出位置まで移動し、また、第2可動羽根部200Bが非突出位置まで移動し、回転部310が第1可動羽根部200A側の第1ストッパリブ116と第2可動羽根部200B側の第2ストッパリブ117に当たる。このように、回転部310は、駆動モータ31、即ち回転部310の回転数が小さい状態でストッパリブ116、117に当たるので、衝突音が小さくなる。
保留時間T0が経過すると(S4:YES)、制御部401は、中間回転数R0に替えて目標回転数R1を設定し、目標回転数R1に向けて駆動モータ31の回転を立ち上げる(S5)。このときの加速度は、極力大きくされ、少なくとも図9の一点鎖線に示す保留時間T0が経過するまでの平均加速度よりも大きくされる。
駆動モータ31の回転が目標回転数R1まで立ち上がると(S6:YES)、制御部401は、駆動モータ31の回転数を目標回転数R1に維持させる(S7)。そして、通電開始からオン時間T1が経過すると(S8:YES)、制御部401は、駆動モータ31への通電を停止する(S9)。これにより、駆動モータ31の回転が停止する。
制御部401は、駆動モータ31をオフ時間T2だけ停止させる(図9参照)。オフ時間T2は、オン時間T1より短い時間とされる。オフ時間T2が経過すると、制御部401は、駆動モータ31に通電し、駆動モータ31を逆転させる。逆転の際も、制御部401は、駆動モータ31に対して、図10の通電制御を行う。駆動モータ31が目標回転数R1に立ち上がるときにおいて、駆動モータ31が中間回転数R0を維持している間に、図7(a)、(b)で説明したように、第1可動羽根部200Aが非突出位置まで移動し、また、第2可動羽根部200Bが突出位置まで移動し、回転部310が第2可動羽根部200B側の第1ストッパリブ116と第1可動羽根部200A側の第2ストッパリブ117に当たる。このように、回転部310は、駆動モータ31、即ち回転部310の回転数が小さい状態でストッパリブ116、117に当たるので、衝突音が小さくなる。
このような駆動モータ31の正転および逆転が、洗い工程またはすすぎ工程の運転時間が経過するまで繰り返される。
なお、図10の通電制御におけるS1~S6までの一連の処理が、本発明の回転立ち上げ制御に相当する。また、図9に示す中間回転数R0に維持されている区間が、本発明の第1区間に相当し、図9に示す中間回転数R0から目標回転数R1へと加速する区間が、本発明の第2区間に相当する。
<実施の形態の効果>
パルセータ26の左右方向への回転に伴って、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出せず、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出する形態と、第1可動羽根部200Aが配置面100aから突出し、第2可動羽根部200Bが配置面100aから突出しない形態とが繰り返される。これにより、洗濯脱水槽24内で洗濯物が不規則あるいは複雑に動きやすくなるので、洗濯物の上下の入れ替えが行われやすくなる。これにより、洗浄むらや布傷みが低減されることが期待される。
また、駆動モータ31により回転部310を右方向に回転させると、各移動カム317により第1可動羽根部200Aが突出位置に移動されるとともに第2可動羽根部200Bが非突出位置に移動され、さらに、回転部310が第1可動羽根部200A側の第1ストッパリブ116と第2可動羽根部200B側の第2ストッパリブ117に当たって回転部310がベース部100と一体となり、パルセータ26が右方向に回転する。一方、駆動モータ31により回転部310を左方向に回転させると、各移動カム317により、第1可動羽根部200Aが非突出位置に移動されるとともに第2可動羽根部200Bが突出位置に移動され、さらに、回転部310が第2可動羽根部200B側の第1ストッパリブ116と第1可動羽根部200A側の第2ストッパリブ117に当たって回転部310がベース部100と一体となり、パルセータ26が左方向に回転する。このように、可動羽根部200の高さの切り替えとパルセータ26の回転とを駆動モータ31一つで行うことができるので、部品コストの低減などを図ることができる。
さらに、駆動モータ31の回転を目標回転数R1まで立ち上げる区間の途中に中間回転数R0に維持される区間、即ち等速度となる区間が設けられ、この区間において回転部310が第1ストッパリブ116および第2ストッパリブ117に当たるような構成とされている。これにより、回転数が低い段階で回転部310がストッパリブ116、117に当たるようにでき、衝突音を小さくできる。また、等速度となる区間の前後は加速度を大きくできるので、一定の小さな加速度で立ち上げる場合と違って、目標回転数R1に到達するまでの時間を極力短くできる。よって、オン時間T1内でのパルセータ26の回転量が減少しにくく、洗浄効果が低下しにくい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態等によって何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
<変更例1>
上記実施の形態のパルセータ26に替えて、本変更例のパルセータ26Aを用いることができる。
図11(a)および(b)は、変更例1に係る、上方から見たパルセータ26Aの斜視図である。図11(a)は、パルセータ26Aが、上方から見て左方向に回転しているときの形態を示し、図11(b)は、パルセータ26Aが、上方から見て右方向に回転しているときの形態を示す。図12は、変更例1に係る、可変機構部300を構成する回転部310の斜視図である。
本変更例のパルセータ26Aでは、図11(a)および(b)に示すように、第1可動羽根部200Aおよび第1固定羽根部130Aの向きが、上記実施の形態の場合の第1可動羽根部200Aおよび第1固定羽根部130Aの向きと反転する。また、図12に示すように、可変機構部300を構成する回転部310において、第1可動羽根部200Aに対応するアーム部312の向きが、上記実施の形態の場合の第1可動羽根部200Aに対応するアーム部312の向きと反転することで、第1可動羽根部200Aに対応する移動カム317の向きが、上記実施の形態の場合の第1可動羽根部200Aに対応する移動カム317の向きと反転する。また、図示しないが、ベース部100では、第1可動羽根部200A側において、第1ストッパリブ116と第2ストッパリブ117の位置が入れ替わる。これにより、本変更例では、上記実施の形態とは異なり、第1可動羽根部200Aが、パルセータ26Aが左方向に回転したときに第1固定羽根部130Aの天面、即ち配置面100aから突出した状態となり、パルセータ26Aが右方向に回転したときに配置面100aから突出しない状態となる。
したがって、本変更例では、パルセータ26Aが左方向と右方向とに交互に回転すると、図11(a)のような、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bの双方が配置面100aから突出する形態と、図11(b)のような、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bの双方が配置面100aから突出しない形態とが交互に繰り返される。
2つの可動羽根部200が配置面100aから突出する場合は、2つの固定羽根部130および可動羽根部200により洗濯脱水槽24内の水が撹拌される。一方、2つの可動羽根部200が配置面100aから突出しない場合は、2つの固定羽根部130のみにより洗濯脱水槽24内の水が撹拌される。よって、2つの可動羽根部200が配置面100aから突出しない場合は、2つの可動羽根部200が配置面100aから突出する場合に比べて、洗濯脱水槽24内に発生する水流が極端に弱くなる。よって、パルセータ26Aを左方向と右方向とに回転させたとき、洗濯脱水槽24内では、水流の強さに極端な差が生じることになる。これにより、洗濯物は、パルセータ26Aの左右方向への回転に伴って、左右方向に規則的あるいは単調に動くのではなく、不規則あるいは複雑に動きやすくなるので、洗濯物の上下の入れ替えが行われやすくなる。
よって、本変更例によっても、上記本実施の形態と同様、洗浄むらや布傷みが低減されることが期待される。
また、本変更例では、2つの可動羽根部200が配置面100aから突出しない場合、水や洗濯物の接触によりパルセータ26Aに加わる負荷が小さくなる。これにより、パルセータ26Aが回転しやすくなり、裏羽根114によるポンプアップ効果が大きくなるため、循環水路と洗濯脱水槽24との間の循環水量が多くなる。よって、パルセータ26Aが左方向と右方向とに回転したときに、全体として、循環水量を多くでき、洗濯脱水槽24内の洗濯物を循環水で十分に濡らすことができる。
本変更例においても、上記実施の形態と同様、図9および図10で説明した駆動モータ31のオンオフ制御が制御部401により行われる。この際、駆動モータ31が正転、即ち右方向へ回転し、目標回転数R1まで立ち上がるときにおいて、駆動モータ31が中間回転数R0を維持している間に、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bが非突出位置まで移動し、回転部310が2つの第2ストッパリブ117に当たる。また、駆動モータ31が逆転、即ち左方向へ回転し、目標回転数R1まで立ち上がるときにおいて、駆動モータ31が中間回転数R0を維持している間に、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bが突出位置まで移動し、回転部310が2つの第1ストッパリブ116に当たる。回転部310は、駆動モータ31、即ち回転部310の回転数が小さい状態でストッパリブ116、117に当たるので、衝突音が小さくなる。
本変更例では、左方向が、本発明の第1の方向に相当し、右方向が本発明の第2の方向に相当する。
なお、本変更例では、回転部310がベース部100対して右方向に回転したときに、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bの双方の昇降部251が移動カム317の傾斜面318を下ることになる。よって、逆転、即ち左方向へ回転していた駆動モータ31が停止したとき、慣性力によってベース部100が回転部310に対して左方向に回転することで回転部310がベース部100に対して右方向に回転すると、双方の昇降部251が移動カム317の支え面319から傾斜面318に移動しそのまま傾斜面318を下りやすい。こうなると、駆動モータ31が停止している期間に、第1可動羽根部200Aおよび第2可動羽根部200Bの双方が非突出位置に近づき、回転部310も第2ストッパリブ117に近づくことになるので、駆動モータ31が正転、即ち右方向へ回転したときに、直ちに回転部310が第2ストッパリブ117に当たりやすくなる。そこで、このような現象となることを考慮して、本変更例では、駆動モータ31が正転する場合に、図9の通電制御のS1~S4の処理が行われず、直ちに目標回転数R1まで大きな加速度で立ち上げられるようにしてもよい。
<変更例2>
図13(a)および(b)は、変更例2に係る、第1可動羽根部200Aの周辺のパルセータ26の断面図である。
本変更例では、図13(a)に示すように、回転部310の2つのアーム部312における各第1ストッパリブ116および各第2ストッパリブ117に当たる側面に、それぞれ、ゴム、ウレタン、スポンジ等の材料からなる緩衝部材381、382が装着される。また、本変更例では、図13(b)に示すように、各第1ストッパリブ116および各第2ストッパリブ117における回転部310のアーム部312に当たる面に、それぞれ、ゴム、ウレタン、スポンジ等の材料からなる緩衝部材141、142を装着することもできる。緩衝部材381、382、141、142は、回転部310の各アーム部312が、対応する第1ストッパリブ116および第2ストッパリブ117に当たっときの衝撃を和らげる。これにより、衝突音が低減される。なお、緩衝部材381、141は、本発明の第1の緩衝部に相当し、緩衝部材382、142は、本発明の第2の緩衝部に相当する。
<その他の変更例>
上記実施の形態のパルセータ26では、ベース部100の凹み面112に固定羽根部130が設けられ、この固定羽根部130の天面が、可動羽根部200が配置される配置面100aとされた。しかしながら、ベース部100の表面を凹まさずに平坦面とし、固定羽根部130を設けず、この平坦面の一部の領域を可動羽根部200が配置される配置面100aとするような構成が採られてもよい。
また、上記実施の形態のパルセータ26では、2つの可動羽根部200が設けられたが、可動羽根部200が1つあるいは3つ以上設けられてもよい。
さらに、上記実施の形態のパルセータ26では、固定羽根部130と可動羽根部200とからなる羽根部のみが設けられたが、パルセータは、複数の羽根部のうち、一部の羽根部を、固定羽根部130と可動羽根部200とからなる羽根部、あるいは可動羽根部200のみからなる羽根部とする構成であってもよい。
さらに、上記実施の形態では、図9に示すように、駆動モータ31の回転が目標回転数R1へ立ち上がる区間が中間回転数R0に維持される等速の区間を含み、この区間において回転部310が第1ストッパリブ116および第2ストッパリブ117に当たるような回転立ち上げ制御が、制御部401により行われた。しかしながら、図14(a)および(b)のように、駆動モータ31の回転が目標回転数R1へ立ち上がる区間が、加速度が相対的に小さな低加速区間S1と、この低加速区間S1に続く加速度が相対的に大きな高加速区間S2とを含み、低加速区間S1において回転部310が第1ストッパリブ116および第2ストッパリブ117に当たるような回転立ち上げ制御が、制御部401により行われてもよい。このような回転立ち上げ制御が行われた場合も、上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、上記実施の形態のパルセータ26では、可動羽根部200の昇降部251が移動カム317の傾斜面318をスムーズに移動するように、摩擦係数の小さな昇降棒250が用いられた。しかしながら、可動羽根部200に接触して傾斜面318を移動する接触部としてローラを設け、ローラが傾斜面318を転がるような構成とすることもできる。また、昇降棒250のような別部材で接触部を構成するのではなく、可動羽根部200の一部が、接触部として傾斜面318を移動するような構成とされてもよい。
さらに、上記実施の形態では、衣類の乾燥機能が搭載された全自動洗濯乾燥機1に本発明が適用された例が示された。しかしながら、衣類の乾燥機能が搭載されていない全自動洗濯機に本発明を適用することもできる。
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。