以下に、本発明に係る洗濯機を、その実施形態である洗濯乾燥機を示す図面に基づいて詳述する。図1は、実施形態に係る洗濯乾燥機の外観を略示する斜視図、図2は、実施形態に係る洗濯乾燥機の内部構成を略示する縦断面図である。図2は、図中左側を前部(前面)、右側を後部(背面)として示している。
図2に示すように、本実施形態の洗濯乾燥機は、外装を構成する外筐1の内部に水槽2及び回転ドラム3を備えている。水槽2は、前面の一側に開口20を備える大径の有底円筒体であり、外筐1の底面に立設された複数本の支持脚21(1本のみ図示)により、開口20の側を上向きとし、水平面に対して軸心を傾けた傾斜姿勢を保って弾性支持されている。
外筐1の前面には、水槽2の開口20を臨む位置に、蓋体10により開閉自在に洗濯物の投入口11が開設されており、この投入口11と水槽2の開口20との間は、ベローズ12により液密に封止されている。
水槽2の内部には、回転ドラム3が収容されている。回転ドラム3は、水槽2よりもやや小径の有底円筒体であり、一側の開口30を水槽2の開口20の内側に臨ませ、水槽2の底部中央に固設されたドラムモータ4の出力軸(回転軸)40の端部に連結してある。このように、回転ドラム3は、ドラムモータ4の駆動により、水槽2の内部にて水槽2と同軸状に回転するように構成されている。
回転ドラム3は、開口30の外側に周設された流体バランサ31を備えている。流体バランサ31は、回転ドラム3の回転時に、これに伴う振動を吸収、緩和する作用をなす。ドラムモータ4は、水槽2の底板の外側に連設されたモータ室41の内部に構成してある。ドラムモータ4の出力軸40は、水槽2の底板を液密に貫通し、該底板の中央に突出しており、回転ドラム3は、この突出端部に連結してある。
図2に示すように回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が全面に亘って貫通形成されており、また回転ドラム3の内面には、回転軸方向に延びるバッフル33が周方向に等配をなして3つ(図4参照)突設されている。なお図2中には、図面の煩雑化を避けるべく、小孔32の一部と一つのバッフル33のみを図示してある。
図1に示すように、外筐1の前面には、蓋体10の近傍にドア開ボタン13が設けてある。また蓋体10には、蓋体10の閉止時に押圧操作するための押圧部14が設けてある。蓋体10は、ドア開ボタン13の操作により開放され、また周縁部を把持して閉操作し、押圧部14を外側から押すことにより閉止される。外筐1の前面に設けた投入口11は、水槽2及び回転ドラム3の開口20,30に臨ませてある。
この実施形態においては、蓋体10は、円形状の外装体を構成する外装板10a、この外装板10aに一体に取付られ、回転ドラム3内に張り出すように突出する形状に形成された蓋本体10bからなる。蓋本体10bの回転ドラム3に対面する表面は、凹凸形状になるように、多数の突起10cが設けられている。この突起10cは、椀形状に突出しており、その配列の一例としては本出願人が特願2012−177826で出願した明細書で記載した通りである。
以上の如く構成された洗濯乾燥機の洗濯運転は、蓋体10を開放し、投入口11の内側に位置する開口20,30を経て回転ドラム3内に洗濯物を投入し、蓋体10を閉止した後、後述するように、水槽2の内部に洗濯水を供給し、ドラムモータ4を駆動して回転ドラム3を回転せしめて実施される。前述のように回転ドラム3の周壁には、多数の小孔32が貫通形成され、また回転ドラム3の内面には、複数のバッフル33が突設されている。よって、回転ドラム3の内部の洗濯物は、小孔32を経て回転ドラム3内に流入する洗濯水中に浸され、バッフル33の作用による持ち上げ及び落下が繰り返されることにより、洗濯水と共に攪拌され、また落下時に回転ドラム3の内面に叩きつけられて洗濯される。
図1に示すように、外筐1の前面上部には、各種の操作のための操作部及び各種の表示のための表示部を備える操作パネル15が設けてある。操作パネル15は、これの内側に位置して外筐1の内部に設けた運転制御部16(図2参照)に接続してある。以上の如き洗濯運転、及び後述する乾燥運転、更には、これらの間に実施される脱水運転は、操作パネル15の操作に応じた運転制御部16の動作により、一連の処理、又は個々に独立した処理として実行される。
図1に示すように、外筐1の後部上面には、水道等の給水源への接続端となる給水口17が設けてある。図2に示すように、給水口17は、外筐1の内側に設けた給水弁18に接続してある。給水弁18は、複数の給水出口を有する多連形の電磁弁である。
給水弁18の第1給水出口は、給水管19を介して水槽2の上部周面に接続されており、給水弁18が第1給水出口に切り換えられた場合、給水口17への給水は、給水弁18及び給水管19を経て水槽2の内部に送り込まれ、前述した洗濯運転における洗濯水として使用される。なお給水管19の中途には、公知のように洗剤ケースを配置し、給水と共に適量の洗剤が導入されるように構成することができる。
また水槽2には、最下位置となる底板近傍の周面に導水管22が接続されている。導水管22は、外筐1内側の前下部に固定支持された筒形のフィルタケース23に接続されている。フィルタケース23の内部には、繊維屑等の異物を捕捉するリントフィルタ24が収容されている。フィルタケース23の下部は、排水弁25を介して外筐1の底面に沿って敷設された排水管26に接続されている。またフィルタケース23の後端部には、循環ポンプ27が付設してあり、循環ポンプ27の吐出側は、戻し管28を介して水槽2の前側上部に連通されている。
水槽2内に供給される洗濯水は、導水管22を経てフィルタケース23に導入され、該フィルタケース23の内部に充満する。フィルタケース23の内部の洗濯水は、循環ポンプ27を駆動することにより、該循環ポンプ27に吸い込まれて加圧され、戻し管28を経て水槽2の上部に送られ、該戻し管28の先端から、シャワー状に拡がって回転ドラム3の内部に供給される。 循環ポンプ27は、前述した洗濯運転中に連続的に又は間欠的に駆動される。この駆動により回転ドラム3内に供給される洗濯水は、回転ドラム3内の洗濯物に降り注ぎ、洗濯効果を高めることができる。フィルタケース23の内部に設けたリントフィルタ24は、循環する洗濯水中に含まれる繊維屑等の異物を捕捉、除去する作用をなす。
フィルタケース23の下部に設けられた排水弁25は、洗濯運転の後に開放される。この開放により水槽2内部の洗濯水は、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。この排水に際しても、洗濯水中に含まれる異物は、フィルタケース23内のリントフィルタ24に捕捉、除去され、排水管26を経て下水管に排出される虞れがない。
洗濯乾燥機の乾燥運転は、以上の洗濯運転の後、脱水運転を経て実施される。この乾燥運転においては、ドラムモータ4の駆動により回転ドラム3を回転させると共に、該回転ドラム3の内部に乾燥風が循環せしめられる。
図2中には、乾燥風の循環風路が略示してある。循環風路5は、水槽2の下部底面に開設された導出口50と、水槽2の前部の開口20の周縁部に開設された導入口51とを上行ダクト52と前行ダクト53とにより連絡して構成されている。
図3は、水槽2の後側から見た循環風路5の平面図である。上行ダクト52は、ドラムモータ4が設けられた水槽2の中央部から一側に偏倚した位置に設けてある。上行ダクト52の下端部は、水槽2の下位置近傍で横向きに屈曲され、導出口50を覆うカバー管54に蛇腹管55を介して接続してある。蛇腹管55は、弾性支持された水槽2の振動を吸収し、固定支持された上行ダクト52への伝播を防止すべく設けてある。
上行ダクト52の上端部は、前行ダクト53の後端部に連結してある。前行ダクト53は、図2に示すように、水槽2の上側の外筐1の内部空間に配してある。前行ダクト53の前端部は、水槽2の前側上部の周縁に開口する導入口51に接続されている。また前行ダクト53の中途部には、塵埃捕捉用のリントフィルタ56、乾燥風を起風する送風ファン57、及び乾燥風を加熱するPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ58(又はシーズヒータ)が、後側から前側にこの順に介装してある。
給水弁18の第2給水出口は、冷却水管59を介して上行ダクト52に接続してある。給水弁18が第2給水出口に切り換えられた場合、給水口17への給水は、冷却水管59を経て上行ダクト52の内部に送り込まれる。
図2に示すように冷却水管59は、給水弁18の位置から上行ダクト52に沿って下方に延設されており、該冷却水管59の下端は、図3に示すように、上行ダクト52の下部に接続されている。この接続位置は、前述の如く設けた屈曲部の上であって、屈曲円の内側に偏倚した位置に設定してある。
以上のように構成された循環風路5には、送風ファン57が起風する乾燥風が循環し、この乾燥風は、PTCヒータ58により加熱され、前行ダクト53を経て導入口51に達し、該導入口51から回転ドラム3の内部に吹きこまれる。このとき回転ドラム3の内部の洗濯物は、回転ドラム3の回転に伴って、周面のバッフル33の作用により持ち上げられ、拡がって落下し、この間に前記乾燥風に繰り返し接触することにより乾燥せしめられる。
回転ドラム3内に導入された乾燥風は、洗濯物から水分を奪って湿り空気となり、導出口50に導出され、カバー管54、蛇腹管55を経て上行ダクト52内に入る。乾燥風は、上行ダクト52内を上昇して前行ダクト53内に移行し、リントフィルタ56を通過して塵埃を捕捉され、PTCヒータ58により再加熱されて回転ドラム3の内部に導入される。
冷却水管59に供給される水は、導出口50に導出された乾燥風を冷却し、洗濯物から奪った水分を凝縮除去するための冷却水として使用される。
冷却水管59から供給される冷却水は、上行ダクト52の底面上に溜まり、導出口50に導出される乾燥風と接触する。この接触により乾燥風は、冷却水との熱交換により冷却、除湿されて乾き空気となり、上行ダクト52に導入され、該上行ダクト52の内部を上昇する。従って、上行ダクト52の上端に連続する前行ダクト53には、水分及び水滴を含まない乾燥風が導入され、水滴の付着によるリントフィルタ56の目詰まりの発生を有効に抑制することができる。
以上の如く実施される乾燥運転中、排水弁25は開放されており、上行ダクト52内に供給される冷却水は、蛇腹管55及びカバー管54を通って水槽2内に流入し、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。
洗濯乾燥機の脱水運転は、排水弁25が開放されて水槽2内の洗濯水が排水された後、ドラムモータ4の駆動により回転ドラム3が高速回転されることで実施される。回転ドラム3内の洗濯物は、高速回転に伴う遠心力の作用により回転ドラム3の内面に押し付けられて回転し、該洗濯物に含まれる水は、回転ドラム3の周壁に設けた小孔32を通って水槽2内に流出し、導水管22及びフィルタケース23を経て排水管26に排水される。
なお、説明が後になったが、本発明の回転ドラム3の底面(底部)は、例えば図7に一例を示すように平面が凹凸形状に形成される底面カバー38が設けられている。底面カバー38は、椀形状に中央部が突出するように形成されている。つまり図7(b)の側面図において、左側の突出面側が回転ドラム3の開口側に向くように設けられる。この底面カバー38は、その中心部がモータ4の回転軸40にねじ固定するねじ孔38a、また外周縁部分には、3箇所に回転ドラム3の底部にねじ固定するねじ孔38bが設けられている。また、底面カバー38には、椀形状の表面よりさらに隆起した隆起部(凸部)38cが設けられている。この隆起部38cは、半径の略中央部から外周へと半径方向に対して傾斜するように形成されている。この傾斜は湾曲形状に形成している。湾曲形状に形成しなくても、直線形状に傾斜させて形成してもよい。
なお、この底面カバー38によれば、中央部分に多数の開口38dが形成されている。この開口38dは、乾燥風が通過できるように形成されたもので、回転ドラム3の底面側から加熱された乾いた乾燥風が吹き出される形態において設けられる。したがって、図3で示す乾燥構成においては、底面カバー38には、隆起部38cが形成され、開口38dは設けられない。
回転ドラム3の底面に以上説明した底面カバー38がねじにて固定される形態を説明したが、回転ドラム3の底面に隆起部(凸部)を直接形成するようにしてもよい。この隆起部については、図7に示す形状に特定されるものでなく、回転中心から放射状態で突出部を複数設けるようなものでもよい。
図7に示す隆起部38cは、5個等間隔に設けられた形態を図示、説明したが、これらの個数には限定されず、1個以上設ければよい。
(バッフルの構成)
次に、バッフル33の形状について説明する。本発明の特徴はバッフル33にある。図4は、回転ドラム3の内周壁面の態様を示す模式図、図5および図6は、バッフル33の斜視図である。図5はバッフル33の一方の側面側を示す斜視図、図6はバッフル33の他方の側面側を示す斜視図である。なお、図4は、回転ドラム3内壁面に配置されるバッフルを開口30側から見た配置状態を略示している。
図4に示すように、回転ドラム3の内周面には、周方向に等間隔で、回転ドラム3の軸長方向に長い3つのバッフル33が設けられている。これらバッフル33は、回転ドラム3の軸中心に対し、それぞれ120度毎に等間隔で設けられている。なお、バッフル33の数は3つに限らず、1つ、2つ又は4つ以上であってもよい。
バッフル33は、山形のほぼ台形状の軸断面を有しており、傾斜した2つの側面33aおよび33bに、以下に説明する凸部34、36が設けられている。まず、図5において、一方の側面(図4下部において右側の側面)33aには、複数の凸部34が設けられている。図5に示すように各凸部34は、側面33aより椀形状に突出し、その上部が切り欠かれて三日月状の面形状に形成された切欠部35を有している。この各凸部34は、バッフル33の長手方向(回転ドラム3の軸長方向)に等間隔に並設されている。バッフル33は、洗濯乾燥機の運転中、回転ドラム3内の洗濯物と接触するので、その際に洗濯物を傷めないために角部が面取りされた形状に形成されている。同様の理由から、上記凸部34は、中央部分が盛り上がるような、上述したように深さの浅い椀形状に形成されている。従って、凸部34の一部を切り欠けばほぼ三日月状の切欠部35が形成されることになる。このような形状であれば、洗濯物を傷めることがない。なお、切欠部35を有した凸部34は、洗濯物を傷めまい形状であれば、どのような形状でもよい。
図5に示すように、凸部34は、バッフル33の一方の側面33aに等間隔に4つ設けた形態を例示している。バッフル33の先端側(回転ドラム5の開口30側)の一つの凸部34aは、その切欠部35aが、バッフル33の奥側(回転ドラム5の底部側)に向くように形成されている。その他、3つの凸部34bの各切欠部35bは、バッフル33の先端側を向くように形成されている。
次にバッフル33の他方の側面(図4下部において右側の側面)33bに設けられる凸部36について説明する。バッフル33の他方の側面33bには、複数(4つ)の凸部36が設けられている。各凸部36は、側面33bより椀形状に突出し、その上部が切り欠かれて三日月状の面形状に形成された切欠部37を有している。この各凸部36は、バッフル33の長手方向(回転ドラム3の軸長方向)に等間隔に並設されている。バッフル33は、洗濯乾燥機の運転中、回転ドラム3内の洗濯物と接触するので、その際に洗濯物を傷めないために角部が面取りされた形状に形成されている。同様の理由から、上記凸部34同様、凸部36は、中央部分が盛り上がるような、深さの浅い椀形状に形成されている。従って、凸部36の一部を切り欠けばほぼ三日月形状となる切欠部37が形成される。そのため、洗濯物を傷めることがない。なお凸部36は、洗濯物を傷めまい形状であれば、どのような形状でもよい。
図6に示すように、凸部36は、バッフル33の一方の側面33bに等間隔に4個が設けられている。バッフル33の奥側、つまり回転ドラム3の底部と対向する側の一つの凸部36bは、その切欠部37bが、回転ドラム3の開口30側(バッフル33の先端側)に向くように形成されている。その他、3つの凸部36aの各切欠部37aは、回転ドラム3の底部側を向くように形成されている。
以上説明したように本実施形態では、バッフル33の各側面33a、33bに形成された4つの凸部34,36は、全て同じ形状に形成されているが、バッフル33の一方の側面33aの先端側、およびバッフル33の他の側面33bの回転ドラム3の底部側に配置された一つの凸部34a、36bは、その他の3つの凸部34b、36aとは、切欠部335a,37bの位置が異なるように設けられている。具体的には、凸部34aは、切欠部35aが回転ドラム3の底部奥側に向くように偏倚し、3つの凸部34bは、切欠部35bがバッフル33の先端側に少し偏倚した形態で形成されている。逆に、凸部36bは、切欠部37bがバッフル33の先端側に少し偏倚した形態で形成されている。残り3つの凸部36aは、切欠部37aが回転ドラム3の底面側に少し偏倚した形態で形成されている。
図5および図6に示すバッフル33は、先端側と反対の他端側が回転ドラム3の底面に洗濯物が挟まることなく当接され、山形状の底基部が回転ドラム3の内周面に当接された状態で回転ドラム3に取り付け (ねじ止め)られる。本実施形態の洗濯乾燥機は、水槽2及び回転ドラム3が、開口20,30側を上向きとし、水平面に対して傾斜姿勢に支持されている。このような回転ドラム3に上述した構成のバッフル33を取り付けた場合、バッフル33が水平面に対して傾斜した状態で取り付けられる。よって、バッフル33が回転ドラム3に取り付けられた状態では、一方の側面33a側の凸部34aの切欠部35aは、その面が図2に示すように、水平面に対して真上方向よりも洗濯機の背面側(回転ドラムの底面)に偏倚した位置に配置される。また、3つの凸部34bの切欠部35bは、その面が図2に示すように、水平面に対して真上方向又は真上方向よりも回転ドラム3の開口30側に偏倚した位置に配置される。
これに対し、他方の側面33b側の凸部36bの切欠部37bは、その面が図2で示す状態とは逆に、水平面に対して真上方向よりも回転ドラム3の開口30側に偏倚した位置に配置される。また、3つの凸部36aの切欠部37aは、その面が水平面に対して真上方向又は真上方向よりも回転ドラム3の底部に偏倚した位置に配置される。
このようなバッフル33を備える洗濯乾燥機では、図4において回転ドラム3が反時計回りに回転する場合、回転ドラム3中の洗濯物及び洗濯水がバッフル33の凸部34b、34aと衝突し、切欠部35b、35aの作用により図5中の矢符B,Aで示す方向にそれぞれ導かれる。なお、洗濯水が矢符B,Aの方向に導かれることにより、凸部34a、34bと直接衝突していない洗濯物も、洗濯水の流れに伴って矢符B,Aの方向に移動する。ここで矢符Aで示す方向は、洗濯物及び洗濯水が回転ドラム3の底部側に導かれる方向であり、矢符Bで示す方向は、洗濯物及び洗濯水が回転ドラム3の開口30側に導かれる方向である。したがって、洗濯物は回転ドラム3の開口30側へと移動する傾向にあり、開口30側の一部の洗濯物は回転ドラム3の底部側へと導かれる。これにより洗濯物の入れ替りが生じる。さらに、回転ドラム3の開口30側へと移動する洗濯物は、蓋体10の蓋本体10bの突起10cにて形成されている凹凸部に落下し接触する。これにより、洗濯板で擦り洗いを行う作用と同様の作用が生じ、洗浄効果が助長される。
また、バッフル33の先端側の凸部34aにて洗濯物が回転ドラム3の底部側へと移動させるため、洗濯物が開口30側で詰まることも防止される。このとき、回転ドラム3の回転軸方向が底面側に下り傾斜であることもあり、開口30側へと移動する洗濯物は、それ以上に開口側へと移動させるのが抑制され、開口30側に詰まることなく、落下時に蓋体10の突起10cにて形成された凹凸部(突起10c)との接触による擦り洗いが行われ、洗浄効果が高められる。
次に回転ドラム3は、一定時間が経過することで、図4において反時計方向の回転とは逆方向の時計方向に一定時間回転される。この回転により、回転ドラム3中の洗濯物及び洗濯水が、バッフル33の反対側の側面33bに形成されている凸部36b、36aと衝突し、切欠部37b、37aの作用により図6中の矢符A,Bで示す方向にそれぞれ導かれる。なお、洗濯水が矢符A,Bの方向に導かれることにより、凸部36b、36aと直接衝突していない洗濯物も、洗濯水の流れに伴って矢符A,Bの方向に移動する。ここで矢符Aで示す方向は、洗濯物及び洗濯水が回転ドラム3の底部側に導かれる方向であり、矢符Bで示す方向は、洗濯物及び洗濯水が回転ドラム3の開口30側に導かれる方向である。したがって、洗濯物は回転ドラム3の底部側へと移動する傾向にある。また、底部側の一部の洗濯物は回転ドラム3の開口30側へと導かれる。これにより洗濯物の入れ替りが生じる。
さらに、回転ドラム3の底部側へと移動する洗濯物は、回転ドラム3の底部の底面に設けられた底面カバー38の隆起部38cに当接する。このとき、先に説明したよう洗濯板による擦り洗い効果が生じ、洗浄効果が助長される。また、隆起部38cの形状としては、半径方向に放射状に形成されたものでなく、半径方向と傾斜する形態で設けられているため、洗濯物と接触、当接する状態が長くなり、擦り洗いによる効果が助長されることにもなる。
このように回転ドラム3の時計方向の回転により、洗濯物は回転ドラム3の底面側へと移動する傾向にあるが、底部側の凸部36aは、洗濯物を開口30側へと導くように作用する。そのため、洗濯物が回転ドラム3の底部に集中することなく、底部側の一部の洗濯物が開口側へと移動する。これにより洗濯物の入れ替わりが生じ、洗濯物同士の接触による洗濯効果も期待できる。
以上、説明したように、回転ドラム3は一定時間毎に、回転方向が反転するため、洗濯物の入れ替わり等が頻繁に行われ洗浄効果が高まる。また、洗濯物が回転ドラム2の底面、また開口30側に集中し、偏ることもなくなり、良好な洗浄作用が期待できる。
以上の実施形態では、反時計方向の回転ドラム1の回転により、洗濯物を回転ドラム3の底面から開口20側へと移動させて、時計方向の回転により底面側へと移動させるようにしているが、時計方向の回転時に開口20側へ、反時計方向の回転時に底面側へと移動させるように、凸部34、36の配置位置を逆にしてもよいことはもちろんである。
(第2の実施形態)
本実施形態の洗濯乾燥機では、回転ドラム3が傾斜しているので、回転ドラム3内の洗濯物は回転ドラム3の底部側に溜まる傾向がある。そこで、先の実施形態のように3つの凸部34bによって開口30側への移動を効果的に行うことができる。また、開口30側に移動した洗濯物は、開口30側に設けられた1つの凸部34aだけでも、傾斜している回転ドラム3の回転に合わせて回転ドラム3の底面方向の移動を可能にしている。これにより、回転ドラム3内の洗濯物が、バッフル33によって持ち上げられて落下することによって上下方向に移動するだけでなく、回転ドラム3の底面側から開口30側に、また開口30側から底部側にも効果的に移動する。このように上下方向だけでなく、回転ドラム3の軸長方向(洗濯乾燥機の前後方向)にも洗濯物の移動及び入れ替わりが生じる状況で洗濯運転を行うことにより、回転ドラム3内の洗濯物の位置が偏らず、洗濯物を効率よく撹拌できるので、洗浄性能を向上させることができる。
これに対し、図4において回転ドラム3を時計方向に回転させることで、バッフル33の他方の側面33b側の3つの凸部36aにて回転ドラム3の底部側(図6参照)へと移動させるように作用させており、底部側の凸部36bで回転ドラム3の開口30側へと移動させる。この場合、図4に示すように回転ドラム3が、その底面が下傾斜しているため回転させると、洗濯物が底部側へと移動させる傾向にある。そのため、凸部36bを2つにしてもよい。例えば、底部側の凸部36bに隣接する凸部36aを、回転ドラム3の時計方向に回転する場合、洗濯物をB方向(開口30方向)へ移動させる切欠部37bを有する凸部36bとすることができる。これによりバッフル33の側面33b側に設ける4つの凸部36は、2つの凸部36aと、2つの凸部36bとなり、時計方向に回転することで、回転ドラム3の底部側へと移動する傾向の洗濯物を開口30側へと移動させる作用が助長され、洗濯物の入れ替わりが良好に行われ、底部に洗濯物が偏るのを防止できる。
以上の説明は、回転ドラム3が図2において底部が下になるように傾斜した形態でのものである。この回転ドラム3が傾斜することなく、水平状態で配置される場合、洗濯物がバッフル33で持ち上げられ、その真下に落下する。このような場合には、バッフル33の各側面33a、33bに設けられる凸部34、36の各切欠部35、37は一方の方向に向くように設ければよい。つまり、バッフル33の一方の側面33aに設けられる凸部34は、4つとも凸部34b形状とし、他方の側面33bに設けられる凸部36は、すべて凸部36a形状とする。
以上の構成により、図4において回転ドラム3が反時計方向に回転される時には、洗濯物が開口30側と移動し、時計方向に回転される時には、洗濯物が底部側へと移動される。この正逆回転により洗濯物の入れ替わりが生じ、洗浄効果が高まる。
(第3の実施形態)
以上説明した各実施形態によれば、回転ドラム3の回転を反時計方向、または時計方向に回転させることで、洗濯物を回転ドラム3の軸方向に移動させる構成としてバッフル33の両側面33a、33bに凸部34、36を設ける形態を説明した。
このような形態とすることで、更なる洗浄効果を高める回転ドラム3の回転制御を、第3の実施形態として説明する。図8には先に説明した洗濯乾燥機の前面上部に配置されている操作パネル15に対応して設けられる運転制御部16の概略構成を示すブロック図である。運転制御部16は、制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)161、制御プログラム及びデータを記憶する記憶部162、出力インターフェース163及びタイマ164を備えている。
CPU141は、記憶部162を作業領域として使用し、記憶部162に格納された制御プログラムを読出して実行する。CPU161は、必要に応じて、タイマ164により、計時する。
記憶部162は、例えば、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、制御プログラムの実行に必要なデータを一時的に保持するRAM(Random Access Memory)、制御プログラムの実行に必要なデータを格納する不揮発性メモリを有している。
運転制御部16は、出力インターフェース163を介してドラムモータ4に駆動信号及び停止信号を出力することで、回転ドラム3の回転及び停止を制御する。
次に、以上のように構成された洗濯乾燥機の洗濯時の動作について図面を参照して説明する。図9には、洗濯乾燥機が実施する洗い工程の制御フローチャート、また図10に回転ドラム3の回転制御にかかるタイミングチャートを示している。なお、図9で説明するフローチャートにおいて、「ステップ」を「S」で表す。また、文中でも「S」は、「ステップ」を表している。
運転制御部16は、洗濯物が回転ドラム3内に投入された状態で、操作パネル15によって洗い工程及び開始キーが選択されたことを検知すると、洗い工程を開始する。洗い工程が開始されると、運転制御部16は、投入された洗濯物の容量を判定する(S1)。運転制御部16は、例えば、回転ドラム3を所定の回転数に急速に上昇させたときのドラムモータ4の電流値を測定し、その値を記憶部162に記憶された閾値と比較することにより、洗濯物の容量を判定する。
次に、運転制御部16は、給水弁18を開き(第1給水口を開き給水菅19より水槽3に水道水を注水する状態)、水槽3の内部に洗濯水の給水を開始する(S2)。洗濯水は、適量の洗剤が溶けた水である。洗剤は、洗濯物と共に回転ドラム3内に投入してもよく、また、給水管19の途中に配した図示しない洗剤ケース内に投入し、給水管19内を流れる洗濯水に溶かし水槽2内に供給されるようにしてもよい。このようにして供給される洗濯水は、水槽2の内部に溜まるとともに、回転ドラム3の周面に設けられた小孔32を介して回転ドラム3の内部に溜まる。
続いて、運転制御部16は、回転ドラム3内の水位が設定水位に到達したか否かを判定する(S3)。運転制御部16は、例えば、図示しない水位センサの値から、回転ドラム3内の水位を検出し、その値を予め記憶部162に記憶されている閾値と比較することにより、設定水位に到達したか否かの判定を実行する。ここで、運転制御部16は、洗濯物の容量に応じて、設定水位を変更するように制御してもよい。回転ドラム4内の水位が設定水位に到達した場合(S3で「YES」)には、運転制御部16は、給水弁18を閉とし、洗濯水の給水を停止する(S4)。
次に、運転制御部16は、回転ドラム3を低速度で回転させるようにドラムモータ4を制御し、低速回転洗いを実行する(S5)。この低速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過したか否かを判定する(S6)。
運転制御部16による低速回転洗いの制御、つまり回転ドラム3の回転制御について図10を参照して説明する。図10において、横軸は、時間[s]を示しており、縦軸は、回転ドラム3の回転数[rpm]を示している。以下、回転ドラム3の回転方向は、図4において反時計方向の回転を正転、時計方向の回転を逆転として説明する。
低速回転洗いでは、運転制御部16は、回転数R1の正転、停止、回転数R1の逆転及び停止の周期で回転ドラム3を回転駆動させる。ここで、回転数R1は、例えば30rpmであり、回転ドラム3を正転及び逆転駆動させる時間T1は、例えば10秒であり、回転ドラム3を停止させる時間T2は、例えば5秒である。
また、回転ドラム3を停止状態から正転又は逆転させるときの加速度は、適宜設定することができ、例えば30rpm/秒である。なお、図10及び以下の説明においては、簡略化のために、回転ドラム3が加速されている期間を省略して図示している。
以上のとおり、低速回転洗いでは、運転制御部16は、正転、停止、逆転及び停止の周期を複数回繰り返すように回転ドラム3を回転駆動させる。具体的には、運転制御部16は、低速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過するまで、当該周期を繰り返すように制御する。なお、当該周期を繰り返す時間は、適宜設定することができる。
このように実行される低速回転洗いにおける洗濯物の動き並びに洗い工程の作用ついて説明する。
図11には、洗濯乾燥機が実行する洗い工程の洗濯物の動きを示す説明図であり、図11(a)は、低速回転洗いのときの洗濯物の動きであり、図11(b)には、後述する中速回転洗いのときの洗濯物の動きを示している。ここで、図11は、図4同様に回転ドラム3を開口30側から目視したもので、矢印は、洗濯物の動きである。なお、回転ドラム3が、正逆回転されることによって洗濯物も正逆両方向に動くが、図11では、その一方のみを図示する。
図11(a)に示す低速回転洗いでは、回転ドラム3を回転させている間、洗濯物は、小タンブリングされる。小タンブリングにおいては、洗濯物は、矢印C1に示すように回転ドラム3の中ほどまで持ち上げられ、その後落下する動きを繰り返す。小タンブリングのときの洗濯物の回転角度は、例えば90度未満である。このとき、洗濯物はバッフル33に持ち上げられ落下すると同時に、凸部34bの作用により前方、つまり蓋体10側へと移動しならが落下する。そして、凸部34aの作用により回転ドラム3の底部側へと移動される。これらの移動による洗濯物同士の擦れによる洗浄効果が生じる。さらに、正転時には、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、蓋体10の蓋本体10bに接触し、蓋本体10bに設けられた突起10cに押し付けられる。
また、洗濯物は、回転ドラム3の逆転時に、図11(a)では示していないが、持ち上げら、90度未満の回転の位置で落下する。このとき、洗濯物は回転ドラム3の底部側へと移動さら、底部側の凸部36aにて回転ドラム3の開口30側へと移動され、同様に洗濯物の入れ替わりによる擦れによる洗浄が行われる。このように、回転ドラム3が正逆両方向に回転されるときの洗濯物の移動方向が入れ替わるときの洗濯物の入れ替わる擦れ等による洗浄効果も期待できる。そして、洗濯物は、回転ドラム3の回転が停止された期間、洗濯水に浸漬されている。
以上のように実行される低速回転洗いにおいて、洗濯物は、洗濯水が溜っている回転ドラム3の下部近傍でタンブリングされ、その時の入れ替わりにより洗浄作用がなされ、合わせて洗濯物と洗濯水の接触機会が増加するだけでなく、洗濯物を洗濯水で濡らす効果が促進される。また、洗濯物が洗濯水と接触した状態で洗濯物が突起10c、また回転ドラム3の底部の隆起部38cに押し付けられるので、洗濯水は、洗濯物の繊維の奥まで浸透される。その結果、低速回転洗いを経た洗濯物は、洗濯水によって十分に濡らされた状態となり、それに続く、以下に説明する中速回転洗いが実行される。
次に、運転制御部16は、制御部図8のフローチャートに従い、低速回転洗いの開始から所定時間が経過した場合(S6で「YES」)には、回転ドラム3を低速回転洗いよりも早い速度で回転させるようにドラムモータ4を制御し、中速回転洗いを実行する(S7)。この中速回転洗は、中速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過したか否かを判定する(S8)。
中速回転洗いの開始から所定時間が経過した場合(S8で「YES」)には、運転制御部16は、回転ドラム3を停止させるようにドラムモータ4を制御した後、排水弁25を開き、洗濯水を水槽2から排水するように制御する(S9)。以上のように洗い工程は実行される。
なお、洗い工程中、運転操作部16は、循環ポンプ27を作動させて、洗濯水を循環させるように制御してもよい。循環ポンプ27は、水槽2内の洗濯水を吸い込んで加圧し、循環水ホース28を経て循環水ノズルに送り込む。循環水ノズルは、回転ドラム3内に洗濯水を噴射する。循環水ノズルから噴射された水は、回転ドラム3内の洗濯物に繰り返し降り注ぐことによって、洗濯物と洗濯水との接触機会を増して洗浄効果を高める作用をなす。
以上のように中速回転洗いによる回転ドラム3の回転制御、およびその作用について説明する。
中速回転洗いでは、運転制御部16は、図10のタイムチャートに示すように、回転数R2の正転、回転数R3の正転、停止、回転数R2の逆転、回転数R3の逆転及び停止の周期で回転ドラム3を回転駆動する。ここで、回転数R2は、例えば46rpmであり、回転数R3は、例えば49rpmである。また、回転ドラム3を正転及び逆転駆動させる時間T3及びT4は、例えば10秒であり、回転ドラム3を停止させる時間T5は、例えば5秒である。なお、中速回転洗いにおいて、回転ドラム3を一旦回転数R2で回転させた後R3で回転させることとしているが、回転ドラム3の回転数を一気にR3まで上昇させてもよい。ここで、回転ドラム3を一旦回転数R2で回転させた後R3で回転させることとした場合には、ドラムモータ5に加わる負荷を小さくすることができる。
また、回転ドラム3を停止状態から回転数R2で正転又は逆転させるときの加速度は、例えば10rpm/秒であり、回転ドラム3を回転数R2から回転数R3にするときの加速度は、例えば30rpm/秒である。なお、回転ドラム3を停止状態から回転数R2で正転又は逆転させるときの加速度を、回転ドラム4を回転数R2から回転数R3にするときの加速度より小さくしているが、必ずしも小さくする必要はない。ここで、回転ドラム3を停止状態から回転数R2で正転又は逆転させるときの加速度を、回転ドラム3を回転数R2から回転数R3にするときの加速度より小さくした場合には、ドラムモータ4に加わる負荷を小さくすることができる。
また、中速回転洗いでは、運転制御部16は、正転、停止、逆転及び停止の周期を複数回繰り返すように回転ドラム3を回転駆動させる。具体的には、運転制御部16は、中速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過するまで、前記周期を繰り返すように制御する。なお、当該周期を繰り返す時間は、適宜設定することができる。
中速回転洗いにより回転ドラム3を回転制御することで、図11(b)に示すように洗濯物が持ち上げられ落下する。つまり、中速回転洗いでは、回転ドラム3を回転させている間、洗濯物は、大タンブリングされる。大タンブリングにおいては、洗濯物は、矢印C2に示すように回転ドラム3の上部まで持ち上げられ、その後落下する動きを繰り返す。そして、洗濯物は、先の低速回転洗いよりも高い位置での落下により回転ドラム3の周壁にたたきつけられる洗いが増す。大タンブリングのときの洗濯物の回転角度は、例えば90度以上、180度以下の範囲である。また、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、蓋体10の蓋本体10bに設けられた突起10cと接触する。さらに、洗濯物が持ち上げられ落下する際に、正転時に回転ドラム3の開口30側へ、逆転時に回転ドラム3の底部側へと移動するときの移動方向が逆転するときの洗濯物同士の入れ替わり等の擦れによる洗いが促進される。このとき、回転ドラム3の回転数がR2からR3へと変化することで、洗濯物の移動速度も変わることが期待でき、これによる洗浄効果も高まる。また、逆転時に洗濯物が回転ドラム3の底部側へと移動されるときに、底部の隆起部38cとの当接により洗濯板による洗いと同様の作用が生じる。また、洗濯物は、回転ドラム4の正逆回転によって、正逆両方向に回転される。また、洗濯物は、回転ドラム3の回転が停止された期間、洗濯水に浸漬されている。
以上のように実行される中速回転洗いにおいて、洗濯物は、たたき洗いされることに加えて、突起10c、また隆起部38cに接触して摩擦抵抗を受ける。そして、突起10c、および隆起部38cが、洗濯板として作用するので、洗濯物の汚れは、洗濯水と共に絞り出され、洗い効果が助長される。
また、洗濯物が突起10c、また隆起部38cと接触して摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が蓋体10側、また回転ドラム3の隆起部38cに引っ張られるので、洗濯物どうしが絡み合わず、ほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。その結果、洗濯物の汚れ落ちの偏りをなくすことができる。
また、低速回転洗いの後、中速回転洗いが実行されるので、洗濯物は、まず、小タンブリングされることによって洗濯水で濡らされた後、大タンブリングされる。このため、洗濯水を含むことによって自重を増した洗濯物が突起10cに接触するので、洗濯物及び突起10cの間には活発な摩擦抵抗が発生し、洗浄力が向上する。従来のように、洗濯水が洗濯物に浸透する前に、大タンブリングを行った場合、洗濯物の自重が軽いので、洗濯物及び洗濯突起の間には、小さな摩擦力しか生じない。なた、洗浄に寄与する洗濯水が十分洗濯物に浸透していないため、洗浄効果も小さい。この点、本発明では、洗い工程の始めにおいては、まず洗濯物を小タンブリングさせることによって、洗濯水を洗濯物に十分に浸透させることができる。このように、低速回転洗い及び中速回転洗いを実行することによって、洗濯物の汚れ落ちがさらに改善されることとなる。
さらに、上述した作用とあいまって、中速回転洗いにおいては、低速回転洗いに比べ、回転が速いことから、洗濯物の移動速度が速く、また移動する距離も低速回転洗いに比べ長くなる傾向にある。そのため、洗濯物が落下する態様が異なることと合わせ、洗濯物を開口30、底部側へと移動するときの速度、距離の違いによる等の洗い効果が異なり、これらの相乗の洗浄効果を期待できる。
以上説明したように、洗い工程が実行され終了する。その後、実行されるすすぎ工程では、まず、運転制御部16は、排水弁25を開き、水槽2から洗濯水を排水した後、回転ドラム3を高速回転させて、中間脱水を実行する。中間脱水では、回転ドラム3が高速回転することで、洗濯物が回転ドラム3の周壁に押し付けられるので、洗濯物に含まれる洗濯水を除去することができる。次に、運転制御部16が、給水弁18を開として洗剤を含まないすすぎ水を給水し、回転ドラム3を低速回転させる。中間脱水された洗濯物は、その後に給水されるすすぎ水と接触して濡らされ、回転ドラム3内での持ち上げ及び落下を繰り返すことですすぎ洗いされる。なお、以上のすすぎ工程は、複数回繰り返してもよい。また、循環ポンプ27は、すすぎ工程中にも、駆動されてもよい。この場合には、循環水ノズルから噴射される噴射水は、回転ドラム3内の洗濯物に繰り返し降り注ぎ、洗濯物とすすぎ水との接触機会を増して、すすぎ効果を高めることができる。
すすぎ工程の後に実行される最終脱水工程では、運転制御部14が前述した中間脱水と同様に回転ドラム3を制御する。最終脱水工程を行うことで、洗濯物に含まれるすすぎ水を除去することができる。
ここで、上述したすすぎ工程においても洗い工程同様に、回転ドラム3を正転、逆転させることで、洗濯物は洗い工程での作用と同様で、洗剤を洗い出す効果が十分に期待できる。そのため、すすぎの効果が向上し、すすぎ時間の短縮等が十分に期待できる。
(第4の実施形態)
なお、図9の制御フローでは、中速回転洗いが所定時間実行され完了することで、洗い工程が終了し、すすぎ工程が実行されることを説明した。これに対し、図10のタイミングチャートでは、回転ドラム3の洗い工程における回転制御において、中速回転洗いの後に高速回転洗いについても図示している。
以下に高速回転洗いについて説明する。図9の制御フローにおいて、ステップS8とS9との間で、高速回転洗いを所定時間行い、その時間経過後にステップS9による排水処理を行う。高速回転洗いについては、中速回転洗いの開始から所定時間が経過した場合(S8で「YES」)には、運転制御部16は、回転ドラム3を中速回転洗いよりも早い速度で回転させるようにドラムモータ4を制御し、高速回転洗いを実行する。この、高速回転洗は、高速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過したか否かを判定する。
高速回転洗いの開始から所定時間が経過した場合には、運転制御部16は、回転ドラム3を停止させるようにドラムモータ4を制御した後、排水弁25を開き、洗濯水を洗濯槽3から排水するように制御する(S9)。以上により、低速回転洗い、中速回転洗い、高速回転洗いが終了すれば、洗い工程が終了する。
図10に示すように、運転制御部16は、まず回転ドラム3を回転数R3の正転、回転数R4の正転、回転数R5の正転、停止、回転数R3の逆転、回転数R4の逆転、回転数R5の逆転及び停止の周期で回転駆動させる。ここで、回転数R3は、例えば49rpmであり、回転数R4は、例えば60rpmであり、回転数R5は、例えば80rpmである。また、回転ドラム3を正転及び逆転駆動させる時間T11は、例えば5秒であり、T12は、例えば10秒であり、T13は、例えば5秒である。また、回転ドラム3を停止させる時間T14は、例えば5秒である。なお、高速回転洗いにおいて、回転ドラム3を一旦回転数R3及びR4で回転させた後R5で回転させることとしているが、回転ドラム3の回転数を一気にR5まで上昇させてもよい。ここで、回転ドラム3を一旦回転数R3及びR4で回転させた後、R5で回転させることとした場合には、ドラムモータ4に加わる負荷を小さくすることができる。
また、回転ドラム3を停止状態から回転数R3で正転又は逆転させるときの加速度は、例えば10rpm/秒であり、回転ドラム3を回転数R3から回転数R4にするときの加速度は、例えば30rpm/秒であり、回転ドラム3を回転数R4から回転数R5にするときの加速度は、例えば10rpm/秒である。なお、回転ドラム3を停止状態から回転数R3で正転又は逆転させるときの加速度、及び回転数R4から回転数R5にするときの加速度を、回転ドラム3を回転数R3から回転数R4にするときの加速度より小さくしているが、必ずしも必要ではない。ここで、回転ドラム3を停止状態から回転数R3で正転又は逆転させるときの加速度及び回転数R4から回転数R5にするときの加速度を、回転ドラム3を回転数R3から回転数R4にするときの加速度より小さくした場合には、ドラムモータ4に加わる負荷を小さくすることができる。
また、高速回転洗いでは、運転制御部16は、正転、停止、逆転及び停止の周期を複数回繰り返すように回転ドラム3を回転駆動させる。具体的には、運転制御部13は、高速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過するまで、前記周期を繰り返すように制御する。
このように実行される高速回転洗いにおける洗濯物の動き及び洗い工程の作用について以下に説明する。特に、回転ドラム3を回転数R3、またR4で回転駆動している場合、図11(b)で示すように、洗濯物がバッフル33で持ち上げられ、落下するのは180度以上、それを超えることになる。これにより、中速回転洗いと同様の作用効果を期待できる。そして、回転数R5で回転すると、洗濯物が回転ドラム3から落下することなく、周壁に張り付いた状態で回転し回転ドラム3に溜まった洗濯水と衝突する。
図12には、回転ドラム3が高速回転洗いにおける回転数R5で回転する際の状態での洗濯物の動きを示す説明図である。図12は、図10同様、回転ドラム3を開口30側から見たところであり、矢印C3は、洗濯物の動きである。なお、回転ドラム4が、正逆回転されることによって洗濯物の動きは正転時と同様で逆に動くが、図12では、その一方のみを図示する。
高速回転洗いでは、回転ドラム4を回転数R5で回転させている間、洗濯物は、遠心力によって回転ドラム3の周壁に張り付いたまま、回転ドラム3と一緒に回転する。すなわち、洗濯物は、回転ドラム3の周壁に押しつけられることで、洗濯水と衝突し押し洗いされる。また、洗濯物は、回転ドラム3の正逆回転によって、正逆両方向に回転される。また、洗濯物は、回転ドラム3の回転が停止された期間、洗濯水に浸漬されている。また、回転ドラム3の回転数をR3からR5に上昇させていく途中では、洗濯物は、回転ドラム3内でタンブリングする動きから、回転ドラム3の周壁に張り付いたまま、回転ドラム3と一緒に回転する動きに変化していく。
以上のように実行される高速回転洗いにおいて、洗濯物は、回転ドラム3の周壁に押しつけられることで、押し洗いされるので、洗濯物の汚れを洗濯物に浸透した洗濯水と共に絞り出すことができる。また、高速回転洗いは、低速回転洗い及び中速回転洗いを実行した後に実行されるので、洗濯物の汚れの多くは、洗濯物に浸透した洗濯水に溶出した状態であり、より効果的に洗濯物の汚れを押し出すことができる。その結果、洗濯物の汚れ落ちを良好にすることができる。なお、洗濯物が回転ドラム3の周壁に張り付いたまま、回転ドラム3と一緒に回転しているときには、洗濯物は、蓋体10に設けられた突起10cとあまり接触しないこととなるが、回転ドラム3の回転数を上昇させる途中では、洗濯物は、突起10cと接触する。それに合わせて、洗濯物の移動方向が反転し、その入れ替わり等により、洗浄効果が助長される。その結果、洗濯物の接触した部分が扉6側に引っ張られるので、洗濯物どうしが絡み合わず、ほぐれたり、洗濯物の位置が入れ替わる効果がある。
(第5の実施形態)
この実施形態は、洗い工程において、洗濯物が小タンブリングする回転数で回転を行っている途中で、洗濯物が大タンブリングする回転数で回転を行うようにモータを制御する点で第3、第4の実施形態と異なる。つまり、図13にこの実施形態のタイミンググチャートを示しており、図10のものとは低速回転洗いの回転駆動制御と異なる。
図13に示すように、低速回転洗いでは、運転制御部16は、回転数R1の正転、回転数R2の正転、回転数R1の正転、停止、回転数R1の逆転、回転数R2の逆転、回転数R1の逆転及び停止の周期で回転ドラム3を回転駆動させる。また、回転ドラム3を正転及び逆転駆動させる時間T21は、例えば6秒であり、T22は、例えば3秒であり、T23は、例えば6秒である。また、回転ドラム3を停止させる時間T24は、例えば5秒である。
また、回転ドラム3を停止状態から回転数R1で正転又は逆転させるときの加速度は、例えば30rpm/秒であり、回転ドラム3を回転数R1から回転数R2にするときの加速度は、例えば30rpm/秒であり、回転ドラム3を回転数R2から回転数R1にするときの加速度は、例えば−30rpm/秒である。
また、低速回転洗いでは、運転制御部16は、正転、停止、逆転及び停止の周期を複数回繰り返すように回転ドラム3を回転駆動させる。具体的には、運転制御部16は、低速回転洗いの開始から、タイマ164による計時を行い、所定時間が経過するまで、前記周期を繰り返すように制御する。
また、低速回転洗いにおいて、運転制御部16が、回転数R1の回転、回転数R2の回転、回転数R1の回転及び停止の周期で回転ドラム3を回転駆動させる場合について説明したが、これだけに限定されない。例えば、運転制御部14は、回転数R1の回転、回転数R2の回転及び停止の周期で回転ドラム3を回転駆動させてもよく、1周期の中で複数回、回転数R1の回転及び回転数R2の回転を繰り返してもよい。
次に、このように実行される低速回転洗いにおける洗濯物の動き及び洗い工程の効果について図9を参照して説明する。
回転ドラム4を回転数R1で回転させている間、洗濯物は、小タンブリングされる。小タンブリングにおいては、洗濯物は、図10(a)の矢印C1に示すように、回転ドラム3の中ほどまで持ち上げられ、その後落下する動きを繰り返す。小タンブリングのときの洗濯物の回転角度は、例えば90度未満である。また、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、正転時に蓋体10の突起10cと接触する。回転ドラム3の逆転時には、底部の隆起部38cに接触する。
本実施形態では、回転ドラム3を回転数R1で回転させている間に一旦回転数をR2まで上昇させる。回転ドラム3を回転数R2で回転させている間、洗濯物は、大タンブリングされる。大タンブリングにおいては、洗濯物は、図10(b)の矢印C2に示すように回転ドラム3の上部まで持ち上げられ、その後落下する動きを繰り返す。大タンブリングのときの洗濯物の回転角度は、例えば90度以上180度以下の範囲である。そして、回転ドラム3の正転時に、洗濯物は、持ち上げられ、又は、落下する際に、蓋体10の突起10cと接触する。回転ドラム3の逆転時には、洗濯物は底部の突起部に接触する。
ここで、特に洗濯物が多い場合、回転ドラム3の正転、逆転時、下部近傍で小タンブリングされるのみでは、中心側の洗濯物及び外側の洗濯物が入れ替わりにくく、十分洗濯水が洗濯物に浸透しない可能性があるが、このように、洗濯物が小タンブリングされている途中で、大タンブリングされることにより、回転ドラム3の上部へ持ち上げられ、その後落下する際に、中心側の洗濯物及び外側の洗濯物が入れ替わりやすくなる。このとき、回転ドラム3の正転時、洗濯物は開口30側へと移動され、逆転時に底部側へと移動されることとあいまって、入れ替わり助長される。また、正転時、洗濯物は、大タンブリングで持ち上げられ、又は、その後落下する際に、蓋体10の突起10cと接触するので、摩擦抵抗を受けることによって、洗濯物の接触した部分が蓋体10側に引っ張られる。このため、洗濯物の入れ替わりは、さらに促進される。同様に、回転ドラム3の逆転時、底部側へと移動されることで、突起部との接触により洗濯物の入れ替わりが促進される。その結果、洗濯物全体に偏りなく洗濯水を浸透させることができる。
以上のように実行される低速回転洗いにおいて、洗濯物は、洗濯物と洗濯水の接触機会が増加し、洗濯物を洗濯水で濡らす効果が促進される。また、洗濯物が洗濯水と接触した状態で洗濯物が突起10c、隆起部38cに押し付けられるので、洗濯水は、洗濯物の繊維の奥まで浸透される。その結果、低速回転洗いを経た洗濯物は、洗濯水によって十分に濡らされた状態となり、それに続く中速回転洗いにおいて、洗濯物の汚れ落ちをさらに向上させることができる。
また、上述の第3から第5の実施形態においては、蓋体10に突起10c、回転ドラム3の底面に隆起部38cを設けることで凹凸形状とする場合について説明した。凹凸形状とするために突起10c、隆起部38cに限定されない。例えば突起10c、隆起部38cと同様の形態で設けられた凹部でもよく、表面に例えばブラスト加工等の凹凸加工を施した蓋本体10bを備える蓋体10でもよい。このように構成される凹凸形状のものでも、洗い工程において洗濯物と接触し、洗濯物に摩擦抵抗を加えることができるので突起10c(隆起部38c)の場合と同様の効果を奏する。
また、本発明の洗濯乾燥機は、洗濯、すすぎ及び脱水工程に加えて、乾燥工程を実施できる。送風ファン57、ヒータ58を駆動することで循環風路5を介して回転ドラム3内を乾燥風で循環させる。この乾燥工程では、回転ドラム3が回転されることに加えて、乾燥風が回転ドラム3内に導入されるので、洗濯物は、回転ドラム3内で広範囲に動き回る。このとき、洗濯物は、蓋体10及び回転ドラム3の底部に接触する。蓋体10及び/又は回転ドラム4の底部には、突起10c、隆起部38cが設けられているので、洗濯物は、突起10c、隆起部38cと接触して蓋体10及び/又は回転ドラム3の底部側に引っ張られる。その結果、洗濯物どうしが絡み合わず、ほぐれやすくなるので、洗濯物が乾燥中に皺になりにくい、という効果がある。また、洗濯物が引っ張られることで、洗濯物の位置が大きく入れ替わるので、洗濯物を均一に乾燥させることができ、乾燥工程の時間を短くすることができる、という効果がある。
(バッフルの他の構成)
以上本発明による回転ドラム3の回転制御により、本発明のバッフル33の作用等について説明した。本発明は先に説明したようにバッフル33の形状として一例を説明したが、以下にさらなる別の形態によるバッフル33の構造等を説明する。
本実施形態では、バッフル33に設けられた凸部34,36は、三日月形状の断面(切欠部)を有する形状に形成されているが、このような形状に限らない。バッフル33の一側面33a側において、回転ドラム3の開口30側に設けられた凸部34aが、バッフル33の頂部側で、回転ドラム3の底部側に偏倚した箇所に切欠部35aを有する形状であり、その他の凸部34bが、バッフル33の頂部側で開口30側に偏倚した箇所に切欠部35bを有する形状であればよい。また、バッフル33の他方の側面33bにおいて、回転ドラム3の底部側に設けられた凸部36bが、バッフル33の頂部側で、回転ドラム3の開口側に偏倚した箇所に切欠部37bを有する形状であり、その他の凸部36aが、バッフル33の頂部側で底部側に偏倚した箇所に切欠部37aを有する形状であればよい。なお、凸部34,36における切欠部35,37の位置(箇所)は、回転ドラム3の傾斜角度、洗濯物を移動させたい方向等に応じて適宜決定すればよい。
また、バッフル33の両方の側面33a、33bに凸部34,36を同数設けた形態を説明したが、側面33a毎に凸部34,36の数を異ならせてもよい。この場合、回転ドラム3の回転方向に応じて、洗濯物の移動方向を異ならせることができ、洗浄性能を向上させることができる。
本実施形態よれば、回転ドラム3の反時計方向(または時計方向)の回転において、洗濯物を開口30側へと移動させ、時計方向(または反時計方向)の回転時に洗濯物を底部側へと移動させている。このとき、回転ドラム3は底部の下傾斜に回転支持していることから、洗濯物は底部側へと移動する傾向が強い。そのため、開口30側へと移動させるためにバッフル33の一側面33aに設けられる凸部34の個数を5個、他の側面33bに設けられる凸部36の個数を3個にする。つまり、回転ドラム3の回転によるバッフル33の形状等を含め、洗濯物が偏る方向への移動に対し、これと反対方向へと移動させるために設けられる凸部34(または36)の個数を、偏る方向への移動と同方向へと移動させる凸部36(または34)の個数より多くするとよい。これにより、回転ドラム3が正(例えば時計方向)、逆(例えば反時計方向)の回転を繰り返すことで、洗濯物の移動方向が効率よく切り替わり、洗濯物の入れ替わりがより良好に行われる。
更に、本実施形態では、3つのバッフル33が全て同じ形状に形成されているが、バッフル33毎に凸部34,36の数を異ならせてもよい。例えば、3個、4個、5個といったようにすることもできる。この場合、凸部の個数で洗濯物の量や、移動距離等がバッフル毎に異なり、ランダムら洗濯物移動、また入れ替わり等が期待でき、洗浄効果が高められる。
なお、凸部34、36は、本実施形態の説明において等間隔に設けることを説明した。しかし、等間隔に設ける必要はなく、ランダムに設けてもよい。例えば、凸部34a(または凸部36b)と凸部34b(または凸部36a)との間隔を、凸部34b(または凸部36a)の各間隔よりも広く(長く)、あるいは狭く(短く)するようにしてもよい。また、それぞれの凸部34、36の間隔を異なるようにしてもよい。
上述の実施形態では、本発明に係る洗濯機を、洗濯運転及び乾燥運転の実行が可能な洗濯乾燥機に適用した構成に基づいて説明した。しかし、本発明に係る洗濯機は、洗濯運転のみを行う洗濯機、乾燥運転のみを行う乾燥機にも適用可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施形態に限定されることはない。