JP7122356B2 - ギアの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、ギアの製造方法に関する。
互いに同軸且つ異径に形成された少なくとも2個の歯車が単一のシャフトに設けられたギアが用いられる。例えば特許文献1に開示される装置では、駆動源から出力された軸回転を変速する変速機において、遊星歯車のピニオンギアとして上述したようなギアが複数個用いられている。
特開2018-100717号公報
上述したようなギアを製造する場合、例えば、別体として準備した大径の歯車と小径の歯車とを互いに係合することが考えられる。その場合、歯車の加工精度を荒加工の程度に留めた大径の歯車を小径の歯車と係合し、係合した後で歯車の歯面を高精度に仕上げる方法が考えられる。しかし、この方法では、互いに位相が揃っていない状態で、大径の歯車と小径の歯車とが係合されてしまう場合がある。その場合、大径の歯車と小径の歯車との間には許容することができない程度の位相のずれが生じ、高精度にギアを仕上げ加工することが困難となるおそれがある。
あるいは、別体として準備した大径の歯車と小径の歯車とを互いに係合する場合、大径の歯車と小径の歯車とを位置合わせするためのカラーを配置することも考えられる。しかし、この方法では、大径の歯車と小径の歯車との位置関係によっては、加工時に刃具等がカラーに接触してしまうおそれがある。
そこで、本開示に係るギアの製造方法は、複数の歯車が設けられたギアを高精度に製造することを目的とする。
本開示の一態様に係るギアの製造方法は、小径歯車部(32a)、及び、小径歯車部(32a)と同軸に形成されたシャフト部(32b)を有する小径ギア(32S)と、小径歯車部(32a)と同軸且つ小径歯車部(32a)よりも大径に形成された大径歯車部(32c)を有する大径ギア(32L)と、を備え、大径ギア(32L)は、小径ギア(32S)に形成された第1係合部(32f)と当該大径ギア(32L)に形成された第2係合部(32g)とが互いに係合されることによって小径ギア(32S)に固定されるギアの製造方法であって、小径ギア(32S)の粗材である小径ギア粗材(32Sm)に位置決め部(32ba)を形成する位置決め部形成工程と、位置決め部(32ba)を周方向における基準として、小径ギア粗材(32Sm)に小径歯車部(32a)を形成する小径歯車部形成工程と、位置決め部(32ba)を周方向における基準として、小径ギア粗材(32Sm)に第1係合部(32f)を形成する第1係合部形成工程と、大径ギア(32L)の粗材である大径ギア粗材(32Lm)に、第1係合部(32f)と係合することにより当該大径ギア粗材(32Lm)を小径ギア粗材(32Sm)に対して周方向に相対回転不能とさせる第2係合部(32g)を形成する第2係合部形成工程と、第2係合部(32g)を周方向における基準として、大径ギア粗材(32Lm)に大径歯車部(32c)の荒加工を実施する大径歯車部荒加工工程と、大径歯車部(32c)の荒加工が実施された大径ギア粗材(32Lm)の第2係合部(32g)と小径ギア粗材(32Sm)の第1係合部(32f)とを互いに係合させて係合体(32K)を形成する係合工程と、係合体(32K)において、小径歯車部(32a)を周方向における基準として、大径歯車部(32c)の仕上げ加工を実施する大径歯車部仕上げ加工工程と、を含んでいる。
このギアの製造方法によれば、小径ギア粗材(32Sm)に形成された位置決め部(32ba)を周方向における基準として小径歯車部(32a)及び第1係合部(32f)が形成される。また、大径ギア粗材(32Lm)に形成された第2係合部(32g)を周方向における基準として大径歯車部(32c)の荒加工が実施される。このため、第1係合部(32f)と第2係合部(32g)とが互いに係合されると、小径ギア粗材(32Sm)に形成された小径歯車部(32a)、及び、大径ギア粗材(32Lm)に荒加工された大径歯車部(32c)の両方において、位置決め部(32ba)を周方向における共通の基準として位相が決定されることとなる。そして、このように位相のずれが抑制された状態から、小径歯車部(32a)を周方向における基準として大径歯車部(32c)の仕上げ加工が実施されるため、高精度にギアを仕上げ加工することが可能となる。よって、このギアの製造方法によれば、複数の歯車が設けられたギアを高精度に製造することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法は、係合工程において、小径歯車部(32a)と大径歯車部(32c)との位相が互いに揃うように、第1係合部(32f)と第2係合部(32g)とが係合されてもよい。これによれば、このギアの製造方法は、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法では、大径歯車部仕上げ加工工程よりも後に、シャフト部(32b)における大径ギア(32L)と位置決め部(32ba)との間の位置に軸受(32d)を外嵌する軸受外嵌工程と、シャフト部(32b)に対して位置決め部(32ba)側から螺合部材(32h)を螺合し、シャフト部(32b)に外嵌された軸受(32d)を位置決め部(32ba)側から保持することで軸受(32d)の軸方向の移動を規制する螺合工程と、回り止め部材(32i)を位置決め部(32ba)に係合させることで回り止め部材(32i)を小径ギア(32S)に対して周方向に相対回転不能とするとともに、回り止め部材(32i)を螺合部材(32h)に係合させることにより回り止め部材(32i)を螺合部材(32h)に対して周方向に相対回転不能とする回り止め工程と、を備えていてもよい。これによれば、シャフト部(32b)に軸受を外嵌する場合に、軸受(32d)を保持するための螺合部材(32h)の回り止めに位置決め部(32ba)を用いることが可能となる。つまり、螺合部材(32h)の回り止めのために新たな構造をシャフト部(32b)に形成する必要がないため、製造工程を簡便なものとすることができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法では、大径ギア(32L)は、軸方向における小径歯車部(32a)側の端面が小径歯車部(32a)の当該大径ギア(32L)側の端面と当接し、且つ、軸方向における小径歯車部(32a)側とは反対側の端面が軸受(32d)の当該大径ギア(32L)側の端面と当接するように配置されていてもよい。通常、軸方向において小径歯車部(32a)と大径歯車部(32c)とが近接又は隣接しているようなギアにおいては、各歯車を形成するための機械加工が困難となる。しかし、このギアの製造方法によれば、軸方向において小径歯車部(32a)と大径歯車部(32c)とが近接又は隣接しているようなギアにおいても、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。また、その結果、軸方向においてギアを小型化することが可能となり、特に、軸方向において大径ギア(32L)と軸受(32d)とを当接させることで、軸方向においてギアを一層小型化することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法では、小径ギア(32S)は、シャフト部(32b)において軸受(32d)が外嵌される位置の外径と比較して、第1係合部(32f)の外径が大径に形成されており、第1係合部(32f)の外径と比較して、小径歯車部(32a)の歯底径が大径に形成されていてもよい。通常、互いに外径の異なる歯車等が近接又は隣接しているような場合には、各歯車等を形成するための機械加工が困難となる。しかし、このギアの製造方法によれば、互いに外径の異なる歯車等が近接又は隣接しているようなギアにおいても、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法では、ギアは、複数の当該ギアを具備する遊星歯車のピニオンギア(32)であってもよい。これによれば、遊星歯車のピニオンギア(32)の製造工程において、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法では、第1係合部形成工程及び大径歯車部荒加工工程よりも後、且つ、係合工程よりも前に、小径ギア粗材(32Sm)及び大径ギア粗材(32Lm)のそれぞれに熱処理を実施する熱処理工程を備えていてもよい。これによれば、熱処理を実施した高強度のギアの製造工程において、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
本開示の一態様に係るギアの製造方法は、小径ギア粗材(32Sm)及び大径ギア粗材(32Lm)を準備する粗材準備工程を備えていてもよい。これによれば、このギアの製造方法は、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本開示の一例として示したものであって、本開示を実施形態の態様に限定するものではない。
このように、本開示に係るギアの製造方法は、複数の歯車が設けられたギアを高精度に製造することができる。
図1は、本実施形態に係るギアの製造方法により製造されたピニオンギアを具備する動力装置を示す断面図である。 図2は、ピニオンギアの外観を示す斜視図である。 図3は、ギアの製造方法を示すフローチャートである。 図4は、小径ギア粗材を示す断面図である。 図5は、小径歯車部等が形成された小径ギア粗材を示す断面図である。 図6は、大径ギア粗材を示す断面図である。 図7は、大径歯車部等の荒加工が実施された大径ギア粗材を示す断面図である。 図8は、大径ギア粗材と小径ギア粗材との係合体を示す断面図である。 図9は、軸受の固定方法を示す図である。
以下、図面を参照して例示的な実施形態について説明する。なお、各図における同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[動力装置の構成]
図1は、本実施形態に係るギアの製造方法により製造されたピニオンギア32を具備する動力装置100を示す断面図である。図2は、ピニオンギア32の外観を示す斜視図である。図1及び図2に示されるように、動力装置100は、例えば電動車両の駆動力を発生させ、発生させた駆動力を変速して出力する装置である。具体的には、動力装置100は、変速した駆動力を、左右輪にそれぞれ接続された左右の車軸D1,D2に出力する。動力装置100が適用される電動車両としては、例えばハイブリッド車、電気自動車等が挙げられる。動力装置100は、前輪駆動、後輪駆動等の各種の駆動方式に採用可能である。動力装置100は、ハウジング1、電動機2、変速機3、及び差動装置4を具備している。
ハウジング1は、電動機2、変速機3、及び差動装置4を収容する筐体であり、全体が略円筒状に形成されている。ハウジング1は、第1ケース10、第2ケース11、及び隔壁12を備えている。第1ケース10は、電動機2を収容する部分である。第2ケース11は、変速機3及び差動装置4を収容する部分である。隔壁12は、第1ケース10の内部空間と第2ケース11の内部空間とを仕切る壁部である。隔壁12は、第1ケース10の外周部に設けられた段差部10aに対してボルト13により締結されている。このとき、第1ケース10と隔壁12との合わせ面A1は、第1ケース10と第2ケース11との合わせ面A2よりも第1ケース10側に位置している。ハウジング1の底部は、ハウジング1内の各機構を潤滑するための潤滑油を貯留する貯留部としても機能する。
電動機2は、バッテリから供給される電力により駆動力を発生させる駆動源である。電動機2は、ロータ軸20、ロータ21、及びステータ22を備えている。ロータ軸20は、ロータ21を保持する回転軸であり、車軸D1を外周側から包囲するように延在している。ロータ軸20は、車軸D1と同軸且つ相対回転可能となるように、第1ケース10の端部壁10bによって軸受14を介して支持されるとともに隔壁12によって軸受15を介して支持されている。ロータ21は、ロータ軸20の外周に設けられており、ロータ軸20とともに回転する。ステータ22は、ロータ21を外周側から包囲するように、第1ケース10の内周部に固定されている。車軸D1及びロータ軸20の一端側は、隔壁12を貫通して第2ケース11内に延出している。一方、車軸D1及びロータ軸20の他端側は、第1ケース10の端部壁10bを貫通してハウジング1の外部に延出している。電動機2は、発生させた駆動力をロータ軸20から変速機3に伝達する。
変速機3は、電動機2から伝達された駆動力を変速する変速機構であり、遊星歯車により構成されている。変速機3は、サンギア30、リングギア31、複数のピニオンギア32、及びピニオンホルダ33を備えている。変速機3は、例えば3つのピニオンギア32を備えており、各ピニオンギア32はサンギア30を中心として周方向に等間隔で配置されている。少なくとも1個のピニオンギア32は、ハウジング1に形成された貯留部内に位置し、電動機2の駆動により回転して貯留部内の潤滑油を掻き上げる。ピニオンホルダ33は、各ピニオンギア32を自転可能且つ公転不能に支持している。
各ピニオンギア32において、サンギア30は、ロータ軸20の外周に形成された外歯車である。サンギア30は、電動機2と機械的に接続されており、電動機2により発生させられた駆動力を伝達する。リングギア31は、サンギア30と同軸に、サンギア30を外周側から離間して包囲するように形成された内歯車である。リングギア31は、後述する差動装置4の差動ケース40と機械的に接続されている。各ピニオンギア32は、サンギア30及びリングギア31のそれぞれと噛み合い、サンギア30とリングギア31との間で駆動力を伝達する。以上により、サンギア30から電動機2の駆動回転が入力されると、リングギア31及び各ピニオンギア32を介して減速された駆動回転が差動装置4の差動ケース40に伝達される。各ピニオンギア32は、小径歯車部32a、シャフト部32b、及び大径歯車部32cを備えるギアである。
小径歯車部32aは、シャフト部32bの外周に形成された外歯車であり、リングギア31と噛み合っている。シャフト部32bは、小径歯車部32aと同軸に形成された軸体である。シャフト部32bには、外周の一部に、後述するナット32hと螺合するネジ部が形成されている。シャフト部32bは、電動機2側の端部が隔壁12に軸受32dを介して回転可能に支持され、且つ、差動装置4側の端部がピニオンホルダ33に軸受32eを介して回転可能に支持されるように配置されている。各ピニオンギア32において、小径歯車部32a及びシャフト部32bは、一体に形成された小径ギア32Sを構成している。
大径歯車部32cは、小径歯車部32aと同軸且つ小径歯車部32aよりも大径に形成された外歯車であり、サンギア30と噛み合っている。大径歯車部32cは、小径ギア32Sとは別体として形成され、小径ギア32Sのシャフト部32bの外周に固定された大径ギア32Lを構成している。小径歯車部32aと大径歯車部32cとは、軸方向において互いに異なる位置に形成されていてもよい。
小径ギア32Sには、シャフト部32bの外周に外径スプライン(第1係合部)32fが形成されている。また、大径ギア32Lには、中央部に貫通孔が形成されるとともに当該貫通孔の内周に内径スプライン(第2係合部)32gが形成されている。これにより、小径ギア32Sに形成された外径スプライン32fと大径ギア32Lに形成された内径スプライン32gとが互いに係合されることで、大径ギア32Lは小径ギア32Sに固定されている。
各ピニオンギア32は、大径ギア32Lに隣接してシャフト部32bに外嵌された軸受32d,32eと、軸受32dを大径ギア32Lとは反対側から保持するナット(螺合部材)32hと、ナット32hの回り止めのための回り止めワッシャ(回り止め部材)32iと、を備えている。ナットは、シャフト部32bの外周に形成されたネジ部と螺合しつつ、軸受32dを大径ギア32L側に支持する。回り止めワッシャ32iは、シャフト部32bの外周に形成された位置決め部32baに第1係止片32jが係止されることによってシャフト部32bに対して周方向に回転不能とされるとともに、ナット32hの外周に形成された切欠き部32haに第2係止片32kが係止されることによってナット32hに対して周方向に回転不能とされる(図9参照)。なお、これらの構造について、図1においては回り止めワッシャ32iが省略されており、図2においては軸受32eが省略されている。
各ピニオンギア32において、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側の端面が小径歯車部32aの当該大径ギア32L側の端面と近接又は隣接(当接)するように配置されている。また、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側とは反対側の端面が軸受32dの当該大径ギア32L側の端面と近接又は隣接(当接)するように配置されている。ここで、小径ギア32Sは、シャフト部32bにおいて軸受32dが外嵌される位置の外径と比較して、外径スプライン32fの外径が大径に形成されている。また、小径ギア32Sは、外径スプライン32fの外径と比較して、小径歯車部32aの歯底径が大径に形成されている。
[差動装置]
差動装置4は、リングギア31から差動ケース40に入力される駆動回転を左右の車軸D1,D2に分配するデファレンシャル機構である。差動装置4は、左右の車軸D1,D2の回転差を許容する。差動装置4は、差動ケース40、差動ピニオンシャフト41、一対の差動ピニオンギア43,43、及び一対のサイドギヤ44,44を備えている。
差動ケース40は、差動ケース本体40a、入力プレート40b、及び延出部40c,40dを有している。差動ケース本体40aは、差動ピニオンシャフト41、一対の差動ピニオンギア43,43、及び一対のサイドギヤ44、44を収容する球状の筐体である。入力プレート40bは、差動ケース本体40aの外周部から径方向に延びてリングギア31と機械的に接続されている。延出部40c,40dは、差動ケース本体40aの両側から軸方向に延びる部分である。一方の延出部40cは車軸D1を回転自在に支持しており、他方の延出部40dは車軸D2を回転自在に支持している。
差動ピニオンシャフト41は、車軸D1,D2と直交する方向を向くように差動ケース本体40aに支持されており、差動ケース本体40aの内部で傘歯車からなる2つの差動ピニオンギア43を回転可能に支持している。つまり、差動ピニオンシャフト41は、差動ケース40の回転に応じて差動ピニオンギア43,43を公転可能としつつ、差動ピニオンギア43,43の自転を許容している。
サイドギヤ44,44は、傘歯車からなり、差動ピニオンギア43に対して両側方から噛み合うように差動ケース本体40aの内部に回転可能に支持されている。また、サイドギヤ44,44は、スプライン等の接続手段を介して左右の車軸D1,D2とそれぞれ機械的に接続されている。差動ピニオンギア43,43が自転せずに公転している時(例えば直進走行時)には、各サイドギヤ44,44が等速で回転し、その駆動回転が左右の車軸D1,D2に伝達される。一方、カーブ走行時には、差動ピニオンギア43,43が自転することにより、左右のサイドギヤ44,44が相対回転することで左右の車軸D1,D2の回転差が許容される。
[ギアの製造方法]
続いて、ピニオンギア32の製造方法について説明する。図3は、ギアの製造方法を示すフローチャートである。図4は、小径ギア粗材32Smを示す断面図である。図5は、小径歯車部32a等が形成された小径ギア粗材32Smを示す断面図である。図6は、大径ギア粗材32Lmを示す断面図である。図7は、大径歯車部32c等の荒加工が実施された大径ギア粗材32Lmを示す断面図である。図8は、大径ギア粗材32Lmと小径ギア粗材32Smとの係合体32Kを示す断面図である。図9は、軸受32dの固定方法を示す図である。
図3に示されるように、ステップS10において、小径ギア32Sの粗材である小径ギア粗材32Sm、及び、大径ギア32Lの粗材である大径ギア粗材32Lmを準備する(図4及び図6参照;粗材準備工程)。小径ギア粗材32Smは、例えば小径ギア32Sにおいて、小径歯車部32a、外径スプライン32f、及び位置決め部32baが形成(加工)されていない状態の部材である。また、大径ギア粗材32Lmは、例えば大径ギア32Lにおいて、大径歯車部32c及び内径スプライン32gが形成されていない状態の部材である。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS12に移行する。
ステップS12において、小径ギア粗材32Smに位置決め部32baを形成する(図5参照;位置決め部形成工程)。位置決め部32baは、例えば、シャフト部32bの外周において、小径歯車部32aが形成される位置よりも大径歯車部32cが形成される位置側の端部付近に形成される溝(キー溝)である。位置決め部32baは、シャフト部32bの軸方向に沿って形成される。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS14に移行する。
ステップS14において、位置決め部32baを周方向における基準として、小径ギア粗材32Smに外径スプライン32fを形成する(図5参照;第1係合部形成工程)。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS16に移行する。
ステップS16において、位置決め部32baを周方向における基準として、小径ギア粗材32Smに小径歯車部32aを形成する(図5参照;小径歯車部形成工程)。小径歯車部32aは、シャフト部32bの外周に、外径スプライン32fに近接又は隣接して形成される。シャフト部32bには、軸方向において、小径歯車部32a、外径スプライン32f、及び位置決め部32baが、この順に並んで形成されることとなる。これにより、小径ギア粗材32Smは、小径ギア32Sとされる。その後、ピニオンギア32の製造方法は、ステップS18に移行する。
ステップS18において、大径ギア粗材32Lmに、外径スプライン32fと係合することにより当該大径ギア粗材32Lmを小径ギア粗材32Smに対して周方向に相対回転不能とさせる内径スプライン32gを形成する(図7参照;第2係合部形成工程)。この内径スプライン32gを周方向の基準として、後述するように大径歯車部32c等が形成されることになる。内径スプライン32gを周方向における基準とする方法として、例えばマーキング又は欠歯等の公知の方法が採用され得る。内径スプライン32gは、大径ギア粗材32Lmの貫通孔の内周に形成される。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS20に移行する。
ステップS20において、内径スプライン32gを周方向における基準として、大径ギア粗材32Lmに大径歯車部32cの荒加工を実施する(図7参照;大径歯車部荒加工工程)。大径歯車部32cの荒加工は、例えばHOB切りによって、大径ギア粗材32Lmの外周に実施される。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS22に移行する。
ステップS22において、小径ギア粗材32Sm及び大径ギア粗材32Lmのそれぞれに熱処理を実施する(熱処理工程)。すなわち、熱処理工程は、第1係合部形成工程及び大径歯車部荒加工工程よりも後、且つ、係合工程よりも前に実施される。なお、熱処理工程の後に、小径歯車部32aに対して例えば歯研(歯面研削加工)による仕上げ加工が実施されてもよい。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS24に移行する。
ステップS24において、大径歯車部32cの荒加工が実施された大径ギア粗材32Lmの内径スプライン32gと小径ギア粗材32Smの外径スプライン32fとを互いに係合させて係合体32Kを形成する(図8参照;係合工程)。このとき、小径歯車部32aと大径歯車部32cとの位相が互いに揃うように、外径スプライン32fと内径スプライン32gとが係合される。具体的には、小径歯車部32aと大径歯車部32cとの位相が互いに揃うように、外径スプライン32fと内径スプライン32gとのそれぞれに設けられたマーキング又は欠歯どうしの位置が合わされて、外径スプライン32fと内径スプライン32gとが係合される。大径ギア粗材32Lmの内径スプライン32gと小径ギア粗材32Smの外径スプライン32fとは、スプライン嵌合されることによって互いに係合される。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS26に移行する。
ステップS26において、係合体32Kにおいて、小径歯車部32aを周方向における基準として、大径歯車部32cの仕上げ加工を実施する(大径歯車部仕上げ加工工程)。小径歯車部32aを周方向における基準とする方法として、例えばマーキング又は欠歯等の公知の方法が採用され得る。例えば、ステップS16において小径ギア粗材32Smに設けられた側面(端面)へのマーキング等(当該マーキング等が設けられた歯)を基準として、大径歯車部32cの仕上げ加工が実施される。大径歯車部32cの仕上げ加工は、例えば歯研によって実施される。その際、小径歯車部32aを周方向における基準とすることで、小径歯車部32aと大径歯車部32cとの位相のずれが抑制された状態で大径歯車部32cの仕上げ加工を実施することが可能となる。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS28に移行する。
ステップS28において、シャフト部32bにおける大径ギア32Lと位置決め部32baとの間の位置に軸受32dを外嵌する(図9参照;軸受外嵌工程)。すなわち、軸受外嵌工程は、大径歯車部仕上げ加工工程よりも後に実施される。軸受32dは、大径ギア32L側の端面が大径ギア32Lの軸受32d側の端面と近接又は隣接(当接)するように配置される。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS30に移行する。
ステップS30において、シャフト部32bに対して位置決め部32ba側からナット32hを螺合する。このとき、軸受32dとナット32hとの間に、環状の回り止めワッシャ32iを挟み込む。回り止めワッシャ32iは、径方向内側に突出した第1係止片32j、及び、径方向外側に突出した第2係止片32kを有している。シャフト部32bに外嵌された軸受32dを位置決め部32ba側から保持することで軸受32dの軸方向の移動を規制する(図9参照;螺合工程)。その後、ピニオンギア32の製造方法はステップS32に移行する。
ステップS32において、回り止めワッシャ32iの第1係止片32jを位置決め部32baに係合させることで回り止めワッシャ32iを小径ギア32Sに対して周方向に相対回転不能とする。また、回り止めワッシャ32iの第2係止片32kをナット32hの切欠き部32haに係合させることにより回り止めワッシャ32iをナット32hに対して周方向に相対回転不能とする(図2及び図9参照;回り止め工程)。これにより、シャフト部32bに対してナット32hが周方向に相対回転不能となり、ナット32hの脱落が抑制される。なお、第1係止片32jは、回り止めワッシャ32iの内周側に突出した板状部であり、位置決め部32baに嵌挿されることによって位置決め部32baに係合される。また、第2係止片32kは、回り止めワッシャ32iの外周側に突出した板状部であり、軸方向に向けて折り曲げられて切欠き部32haに嵌挿されることによって、切欠き部32haに係合される。以上により、ピニオンギア32の製造方法は終了する。
[作用及び効果]
以上説明したように、このギアの製造方法は、小径歯車部32a、及び、小径歯車部32aと同軸に形成されたシャフト部32bを有する小径ギア32Sと、小径歯車部32aと同軸且つ小径歯車部32aよりも大径に形成された大径歯車部32cを有する大径ギア32Lと、を備え、大径ギア32Lは、小径ギア32Sに形成された外径スプライン32fと当該大径ギア32Lに形成された内径スプライン32gとが互いに係合されることによって小径ギア32Sに固定されるギアの製造方法であって、小径ギア32Sの粗材である小径ギア粗材32Smに位置決め部32baを形成する位置決め部形成工程と、位置決め部32baを周方向における基準として、小径ギア粗材32Smに小径歯車部32aを形成する小径歯車部形成工程と、位置決め部32baを周方向における基準として、小径ギア粗材32Smに外径スプライン32fを形成する第1係合部形成工程と、大径ギア32Lの粗材である大径ギア粗材32Lmに、外径スプライン32fと係合することにより当該大径ギア粗材32Lmを小径ギア粗材32Smに対して周方向に相対回転不能とさせる内径スプライン32gを形成する第2係合部形成工程と、内径スプライン32gを周方向における基準として、大径ギア粗材32Lmに大径歯車部32cの荒加工を実施する大径歯車部荒加工工程と、大径歯車部32cの荒加工が実施された大径ギア粗材32Lmの内径スプライン32gと小径ギア粗材32Smの外径スプライン32fとを互いに係合させて係合体32Kを形成する係合工程と、係合体32Kにおいて、小径歯車部32aを周方向における基準として、大径歯車部32cの仕上げ加工を実施する大径歯車部仕上げ加工工程と、を含んでいる。
このギアの製造方法によれば、小径ギア粗材32Smに形成された位置決め部32baを周方向における基準として小径歯車部32a及び外径スプライン32fが形成される。また、大径ギア粗材32Lmに形成された内径スプライン32gを周方向における基準として大径歯車部32cの荒加工が実施される。このため、外径スプライン32fと内径スプライン32gとが互いに係合されると、小径ギア粗材32Smに形成された小径歯車部32a、及び、大径ギア粗材32Lmに荒加工された大径歯車部32cの両方において、位置決め部32baを周方向における共通の基準として位相が決定されることとなる。そして、このように位相のずれが抑制された状態から、小径歯車部32aを周方向における基準として大径歯車部32cの仕上げ加工が実施されるため、高精度にギアを仕上げ加工することが可能となる。よって、このギアの製造方法によれば、複数の歯車が設けられたギアを高精度に製造することができる。
このギアの製造方法は、係合工程において、小径歯車部32aと大径歯車部32cとの位相が互いに揃うように、外径スプライン32fと内径スプライン32gとが係合される。これにより、このギアの製造方法は、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
このギアの製造方法では、大径歯車部仕上げ加工工程よりも後に、シャフト部32bにおける大径ギア32Lと位置決め部32baとの間の位置に軸受32dを外嵌する軸受外嵌工程と、シャフト部32bに対して位置決め部32ba側からナット32hを螺合し、シャフト部32bに外嵌された軸受32dを位置決め部32ba側から保持することで軸受32dの軸方向の移動を規制する螺合工程と、回り止めワッシャ32iを位置決め部32baに係合させることで回り止めワッシャ32iを小径ギア32Sに対して周方向に相対回転不能とするとともに、回り止めワッシャ32iをナット32hに係合させることにより回り止めワッシャ32iをナット32hに対して周方向に相対回転不能とする回り止め工程と、を備えている。これにより、シャフト部32bに軸受を外嵌する場合に、軸受32dを保持するためのナット32hの回り止めに位置決め部32baを用いることが可能となる。つまり、ナット32hの回り止めのために新たな構造をシャフト部32bに形成する必要がないため、製造工程を簡便なものとすることができる。
このギアの製造方法では、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側の端面が小径歯車部32aの当該大径ギア32L側の端面と当接し、且つ、軸方向における小径歯車部32a側とは反対側の端面が軸受32dの当該大径ギア32L側の端面と当接するように配置されている。通常、軸方向において小径歯車部32aと大径歯車部32cとが近接又は隣接しているようなギアにおいては、各歯車を形成するための機械加工が困難となる。しかし、このギアの製造方法によれば、軸方向において小径歯車部32aと大径歯車部32cとが近接又は隣接しているようなギアにおいても、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。また、その結果、軸方向においてギアを小型化することが可能となり、特に、軸方向において大径ギア32Lと軸受32dとを当接させることで、軸方向においてギアを一層小型化することができる。
このギアの製造方法では、小径ギア32Sは、シャフト部32bにおいて軸受32dが外嵌される位置の外径と比較して、外径スプライン32fの外径が大径に形成されており、外径スプライン32fの外径と比較して、小径歯車部32aの歯底径が大径に形成されている。通常、互いに外径の異なる歯車等が近接又は隣接しているような場合には、各歯車等を形成するための機械加工が困難となる。しかし、このギアの製造方法によれば、互いに外径の異なる歯車等が近接又は隣接しているようなギアにおいても、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
このギアの製造方法では、ギアは、複数の当該ギアを具備する遊星歯車のピニオンギア32である。これにより、遊星歯車のピニオンギア32の製造工程において、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
このギアの製造方法では、第1係合部形成工程及び大径歯車部荒加工工程よりも後、且つ、係合工程よりも前に、小径ギア粗材32Sm及び大径ギア粗材32Lmのそれぞれに熱処理を実施する熱処理工程を備えている。これにより、熱処理を実施した高強度のギアの製造工程において、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
このギアの製造方法は、小径ギア粗材32Sm及び大径ギア粗材32Lmを準備する粗材準備工程を備えている。これにより、このギアの製造方法は、上述した作用及び効果を好適に奏することができる。
[変形例]
上述した実施形態は、当業者の知識に基づいて変更又は改良が施された様々な形態により実施可能である。
例えば、上記実施形態では、図3に示されるフローチャートにおいて、ステップS12~ステップS16の後にステップS18~ステップS22が実行されている。しかし、図3に示されるフローチャートにおいて、ステップS18~ステップS22の後にステップS12~ステップS16が実行されてもよい。また、ステップS14の後にステップS16が実行されているが、ステップS16の後にステップS14が実行されてもよい。すなわち、第1係合部形成工程の後に小径歯車部形成工程が実行されてもよく、小径歯車部形成工程の後に第1係合部形成工程が実行されてもよい。
また、上記実施形態では、小径歯車部形成工程において、小径歯車部32aは歯研による仕上げ加工の精度で形成される。しかし、小径歯車部形成工程においては、小径歯車部32aはホブ(HOB)切りによる荒加工の精度で形成されてもよい。
また、上記実施形態では、ギアの製造方法は、熱処理工程、軸受外嵌工程、螺合工程、及び回り止め工程を含んでいる。しかし、ギアの製造方法は、これらの各工程のうちの少なくとも一工程を含んでいなくてもよい。
また、上記実施形態では、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側の端面が小径歯車部32aの当該大径ギア32L側の端面と当接している。しかし、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側の端面が小径歯車部32aの当該大径ギア32L側の端面と当接していなくてもよい。例えば、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側の端面が小径歯車部32aの当該大径ギア32L側の端面と当接しておらず、僅かに隙間を有した状態で近接していてもよい。同様に、上記実施形態では、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側とは反対側の端面が軸受32dの当該大径ギア32L側の端面と当接している。しかし、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側とは反対側の端面が軸受32dの当該大径ギア32L側の端面と当接していなくてもよい。例えば、大径ギア32Lは、軸方向における小径歯車部32a側とは反対側の端面が軸受32dの当該大径ギア32L側の端面と当接しておらず、僅かに隙間を有した状態で近接していてもよい。
また、上記実施形態では、小径ギア32Sは、シャフト部32bにおいて軸受32dが外嵌される位置の外径と比較して、外径スプライン32fの外径が大径に形成されている。しかし、小径ギア32Sは、シャフト部32bにおいて軸受32dが外嵌される位置の外径と比較して、外径スプライン32fの外径が大径に形成されていなくてもよい。同様に、小径ギア32Sは、外径スプライン32fの外径と比較して、小径歯車部32aの歯底径が大径に形成されている。しかし、小径ギア32Sは、外径スプライン32fの外径と比較して、小径歯車部32aの歯底径が大径に形成されていなくてもよい。
また、上記実施形態では、このギアの製造方法によって製造されるギアは、遊星歯車のピニオンギア32である。しかし、このギアの製造方法によって製造されるギアは、遊星歯車のピニオンギア32以外のギアであってもよい。
32 ピニオンギア
32a 小径歯車部
32b シャフト部
32ba 位置決め部
32c 大径歯車部
32d 軸受
32f 外径スプライン(第1係合部)
32g 内径スプライン(第2係合部)
32h ナット(螺合部材)
32i 回り止めワッシャ(回り止め部材)
32K 係合体
32L 大径ギア
32Lm 大径ギア粗材
32S 小径ギア
32Sm 小径ギア粗材

Claims (8)

  1. 小径歯車部、及び、前記小径歯車部と同軸に形成されたシャフト部を有する小径ギアと、前記小径歯車部と同軸且つ前記小径歯車部よりも大径に形成された大径歯車部を有する大径ギアと、を備え、前記大径ギアは、前記小径ギアに形成された第1係合部と当該大径ギアに形成された第2係合部とが互いに係合されることによって前記小径ギアに固定されるギアの製造方法であって、
    前記小径ギアの粗材である小径ギア粗材に位置決め部を形成する位置決め部形成工程と、
    前記位置決め部を周方向における基準として、前記小径ギア粗材に前記小径歯車部を形成する小径歯車部形成工程と、
    前記位置決め部を前記周方向における基準として、前記小径ギア粗材に前記第1係合部を形成する第1係合部形成工程と、
    前記大径ギアの粗材である大径ギア粗材に、前記第1係合部と係合することにより当該大径ギア粗材を前記小径ギア粗材に対して前記周方向に相対回転不能とさせる前記第2係合部を形成する第2係合部形成工程と、
    前記第2係合部を前記周方向における基準として、前記大径ギア粗材に前記大径歯車部の荒加工を実施する大径歯車部荒加工工程と、
    前記大径歯車部の前記荒加工が実施された前記大径ギア粗材の前記第2係合部と前記小径ギア粗材の前記第1係合部とを互いに係合させて係合体を形成する係合工程と、
    前記係合体において、前記小径歯車部を前記周方向における基準として、前記大径歯車部の仕上げ加工を実施する大径歯車部仕上げ加工工程と、を含む、ギアの製造方法。
  2. 前記係合工程において、前記小径歯車部と前記大径歯車部との位相が互いに揃うように、前記第1係合部と前記第2係合部とが係合される、請求項1に記載のギアの製造方法。
  3. 前記大径歯車部仕上げ加工工程よりも後に、前記シャフト部における前記大径ギアと前記位置決め部との間の位置に軸受を外嵌する軸受外嵌工程と、
    前記シャフト部に対して前記位置決め部側から螺合部材を螺合し、前記シャフト部に外嵌された前記軸受を前記位置決め部側から保持することで前記軸受の軸方向の移動を規制する螺合工程と、
    回り止め部材を前記位置決め部に係合させることで前記回り止め部材を前記小径ギアに対して前記周方向に相対回転不能とするとともに、前記回り止め部材を前記螺合部材に係合させることにより前記回り止め部材を前記螺合部材に対して前記周方向に相対回転不能とする回り止め工程と、を備える、請求項1又は2に記載のギアの製造方法。
  4. 前記大径ギアは、軸方向における前記小径歯車部側の端面が前記小径歯車部の当該大径ギア側の端面と当接し、且つ、軸方向における前記小径歯車部側とは反対側の端面が前記軸受の当該大径ギア側の端面と当接するように配置されている、請求項3に記載のギアの製造方法。
  5. 前記小径ギアは、
    前記シャフト部において前記軸受が外嵌される位置の外径と比較して、前記第1係合部の外径が大径に形成されており、
    前記第1係合部の外径と比較して、前記小径歯車部の歯底径が大径に形成されている、請求項3又は4に記載のギアの製造方法。
  6. 前記ギアは、複数の当該ギアを具備する遊星歯車のピニオンギアである、請求項1~5のいずれか一項に記載のギアの製造方法。
  7. 第1係合部形成工程及び前記大径歯車部荒加工工程よりも後、且つ、前記係合工程よりも前に、前記小径ギア粗材及び前記大径ギア粗材のそれぞれに熱処理を実施する熱処理工程を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のギアの製造方法。
  8. 前記小径ギア粗材及び前記大径ギア粗材を準備する粗材準備工程を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のギアの製造方法。
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