JP7122141B2 - 栄養断片、タンパク質、および方法 - Google Patents

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Description

関連出願の参照
本出願は、2012年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/615,819号に対する優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
配列表
本出願は、EFS-Webを介してASCII形式で提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2013年3月12日に作成された上記ASCIIコピーは、1005.005-PCT_SL.txtという名称であり、3,234,600バイトである。
序文
食事性タンパク質は、ヒトの健康および成長のための必須栄養素である。世界保健機関は、エネルギーバランスがとれている場合および体重が安定している場合、食事性タンパク質は、エネルギー摂取量の約10~15%に寄与するべきであると推奨している。様々な国々におけるタンパク質の1日平均摂取量は、これらの推奨が、世界中で摂取されているタンパク質の量と一致することを示唆している。エネルギーバランスがとれた状態で摂取される場合、タンパク質からのエネルギーの平均20~30%を含む食事が、高タンパク食の代表的なものである。
体は、健康および成長に必要な特定のアミノ酸を合成することができないため、食物からそれらを得なければならない。「必須アミノ酸」と称されるこれらのアミノ酸は、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、リジン(K)、メチオニン(M)、フェニルアラニン(F)、トレオニン(T)、トリプトファン(W)、およびバリン(V)である。すべての必須アミノ酸を提供する食事性タンパク質は、「高品質タンパク質」と称される。肉、魚、鶏肉、卵、および乳製品等の動物性食品は、一般的に、良好な必須アミノ酸のバランスを提供する高品質タンパク質源であると見なされる。カゼイン(哺乳動物の乳に一般的に見出されるタンパク質であり、牛乳中のタンパク質の80%を占める)および乳清(乳を凝固させて濾した後に残る液体中のタンパク質)は、高品質の食事性タンパク質の主要な源である。良好な必須アミノ酸のバランスを提供しない食物は、「低品質タンパク質」と称される。ほとんどの果物および野菜は、タンパク質の源として十分ではない。マメ、エンドウ、レンズマメ、ナッツ類、および穀物(コムギ等)を含むいくつかの植物性食品は、より良好なタンパク質源である。大豆(soybean)から製造される植物性タンパク質である大豆(soy)を高品質タンパク質であるとする見解もある。
ヒトにおける大量のタンパク質摂取の急性効果に関する研究により、食事にタンパク質を取り入れること、また場合によってはタンパク質含有量を増加させることが、有益な効果を有し得ることが示されている。例えば、研究により、タンパク質の経口摂取が、ヒト対象において、食後の満腹感(空腹感を抑制することによることを含む)を誘導し、熱発生を誘導し、血糖反応を低減し得ることが示されている。
体重減少のための高タンパク質の食事に関する研究により、タンパク質が、エネルギー消費量および除脂肪体重に好影響を及ぼすことが示されている。さらなる研究により、タンパク質からのエネルギーの少なくとも5%を含有する食事において、過食による体重増加は著しく少なく、高タンパク質の食事がエネルギー摂取量を減少させることが示されている。
臨床試験は、タンパク質が加齢または床上安静による筋力低下を防止するという証拠を提供している。具体的には、研究により、タンパク質の補給が、長期床上安静中の時間当たりの筋タンパク質合成速度(FSR)を増加させ、長期床上安静中に脚質量および強度を維持し、除脂肪体重を増加させ、歩行およびバランスの機能測定値を改善し、不動および長期床上安静のために筋肉減弱症の危険性のある個体に対する実行可能な治療介入としての役割を果たし得ることが示されている。
運動選手において筋肉タンパク同化作用を増加させることに関する研究は、運動後に供給されるタンパク質が、運動単独で達成されるよりも大きな程度まで筋肥大を促進することを示している。また、運動後に供給されるタンパク質が、タンパク質分解を一切増加することなくタンパク質合成を支持し、正味の正のタンパク質バランスおよび筋肉量増加をもたらすことも示されている。筋肉のタンパク質合成は、必須アミノ酸の補給に対して用量反応様式で反応するが、すべてのタンパク質が筋肉増強において等しいわけではない。例えば、乳タンパク質は、レジスタンストレーニングによる筋肉量増加を支持する上で大豆よりも優れていると考えられるが、どちらも炭水化物単独よりも優れている。アミノ酸ロイシンは、筋肉のタンパク質合成を刺激する上で重要な要因である。
食物中に一般的に見出される全タンパク質は、ヒト等の哺乳動物のアミノ酸要求量を満たすアミノ酸組成物を必ずしも効果的に提供するとは限らない。その結果として、各必須アミノ酸の最低要求量を得るために、食事性タンパク質の質がより高い場合に必要とされるであろうよりも多くの総タンパク質量が食事中に摂取されなければならない。食事中のタンパク質の質を向上させることにより、より質の低いタンパク質を含む食事と比較して摂取されなければならない総タンパク質量を減少させることが可能である。
一般に、より高いタンパク質の質を有するタンパク質は、それを有しない他のタンパク質よりも哺乳動物の食事においてより有益であると考えられる。そのようなタンパク質は、例えば、哺乳動物の食事の構成要素として有用である。特定の状況下において、そのようなタンパク質は、とりわけ、筋肉量、健全なボディマス指数、および血糖バランスの維持を促進する。したがって、高いタンパク質の質を有するタンパク質源の必要性が存在する。
従来、必須アミノ酸を含む混合物等の望ましいアミノ酸の混合物は、乳清タンパク質等の比較的高いレベルの必須アミノ酸を用いてタンパク質を加水分解することにより、および/または乳清等の加水分解したタンパク質も任意選択的に含む混合物中に遊離アミノ酸を合わせることにより提供されてきた。この種類の混合物は、苦みを有する場合があり、特定の使用には不適切または望ましくないと見なされる場合がある。その結果として、そのような混合物は、遊離アミノ酸および/または加水分解されたタンパク質の味を隠すための香味剤を含むことがある。場合によっては、ポリペプチドまたはタンパク質によってある割合のアミノ酸含有量が提供される組成物が、遊離アミノ酸および/または特定の加水分解されたタンパク質として提供される高い割合の全アミノ酸を有する組成物よりも美味であることがある。しかしながら、従来、栄養製剤は、牛乳から単離された乳清、または大豆から単離された大豆タンパク質等の自然食品から単離されてきたため、そのような組成物の利用可能性が限定されてきた。これらのタンパク質のアミノ酸プロファイルは、必ずしも哺乳動物のアミノ酸要求量を満たすとは限らない。加えて、汎用タンパク質は、典型的には、タンパク質組成の異なり得るタンパク質および/またはタンパク質加水分解物の混合物から構成されるため、それらの栄養価に関する予測不可能性をもたらす。さらに、そのような高品質タンパク質源の数が限られているということは、大規模なタンパク質の形態での経口摂取には特定のアミノ酸の組み合わせのみが利用可能であることを意味していた。
カゼインおよび乳清、卵、ならびに肉等の高品質動物タンパク質源だけでなく、大豆等の植物性タンパク質を供給することを要求される農法も、著しいエネルギー入力を必要とし、潜在的に有害な環境影響を有する。したがって、特定の状況において、哺乳類による摂取のためにタンパク質を供給する代替の源および方法を有することが有用であるかもしれない。
理論上は、実験室環境において、所望のアミノ酸混合物を含む合成ポリペプチド配列を設計し、生成することが可能である。このアプローチは、種々の懸念を引き起こす可能性があるが、またそれゆえに、必ずしも適用可能とは限らない。第1に、当業者は、そのような合成配列の高レベルの生成は、非常に困難であり得るということを認識している。第2に、たとえそのような合成タンパク質が合成されたとしても、栄養製品に使用するためのその適合性は不確実であろう。例えば、そのような天然に存在しないポリペプチドは、アレルゲンまたは毒素であり得る。したがって、いくつかの実施形態において、本開示は、天然のタンパク質もしくはポリペプチド配列、またはそれらの改変体を提供する。
本開示において、本発明者は、天然に存在するタンパク質の断片と相同である第1のポリペプチド配列を含む栄養タンパク質を提供する。栄養タンパク質および栄養タンパク質からなる栄養タンパク質の断片は、アミノ酸の有用な組み合わせからなる。このタンパク質は、生成のために従来の農業のみに依存しない方法によって生成され得る。例えば、本発明者は、天然に存在するタンパク質の断片を含み、全アミノ酸に対する分枝鎖アミノ酸の割合、全アミノ酸に対するアミノ酸ロイシンの割合、および全アミノ酸に対する必須アミノ酸の割合のうちの少なくとも1つの有用なレベルを含有するアミノ酸の組み合わせからなる栄養タンパク質を発見し、本開示において提供する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、a)乳清タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上の栄養タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b)乳清タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対するロイシン残基の割合以上の栄養タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対するロイシン残基の割合、およびc)乳清タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の栄養タンパク質中に存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合のレベルのうちの少なくとも1つを含む。
本開示は、とりわけ、このタンパク質をコードする核酸、このタンパク質を作製する組換え微生物、組換え微生物を用いてこのタンパク質を作製する方法、このタンパク質を含む組成物、およびこのタンパク質を用いる方法も提供する。
概要
第1の態様において、本開示は、天然に存在するタンパク質の断片と相同である第1のポリペプチド配列を含み、その第1のポリペプチド配列が、a.少なくとも24%の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b.少なくとも11%の全アミノ酸残基に対するLeu残基の割合、およびc.少なくとも49%の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合のうちの少なくとも1つを含む、単離された栄養タンパク質を提供する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、各必須アミノ酸のうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在するタンパク質の断片に対して少なくとも70%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在するタンパク質の断片に対して少なくとも95%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、天然に存在するタンパク質の断片は、少なくとも25個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、天然に存在するタンパク質の断片は、少なくとも50個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、a.少なくとも24%の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b.少なくとも11%の全アミノ酸残基に対するLeu残基の割合、およびc.少なくとも49%の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の断片からなる。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、アレルゲンではない。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、既知のアレルゲンに対して50%未満の全体的相同性を有する。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、毒素ではない。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、既知の毒素に対して50%未満の全体的相同性を有する。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、60分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、30分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、10分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、模擬胃液中で完全に消化される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、ペプシン認識部位、トリプシン認識部位、およびキモトリプシン認識部位から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ認識部位を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、システイン残基を含まない。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、ジスルフィド結合を含まない。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、N結合型グリコシル化を含まない。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、O結合型グリコシル化を含まない。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、凝集に耐性を示す。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、pH7でアニオン性である。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、pH7で少なくとも12.5g/Lの水溶解性を有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、-20以下の計算上の溶媒和スコアを有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、0.75以下計算上の凝集スコアを有する。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、0.5以下の計算上の凝集スコアを有する。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、i.配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列、ii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列の修飾された誘導体、およびiii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列のムテインから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、i. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列、ii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列の修飾された誘導体、およびiii. vから選択されるアミノ酸配列のムテインから選択されるアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1~配列番号2609から選択される少なくとも1つの基準アミノ酸配列と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%相同である。
いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の少なくとも25個のアミノ酸の断片である。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の少なくとも50個のアミノ酸の断片である。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、第1のポリペプチド配列からなる。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、親和性精製のためのポリペプチドタグをさらに含む。いくつかの実施形態において、親和性精製のためのタグは、ポリヒスチジンタグである。
別の態様において、本開示は、天然に存在するタンパク質の断片と相同である第1のポリペプチド配列を含み、その単離された栄養タンパク質が、a. 少なくとも24%の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b. 少なくとも11%の全アミノ酸残基に対するLeu残基の割合、およびc. 少なくとも49%の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合のうちの少なくとも1つを含む、単離された栄養タンパク質を提供する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、各必須アミノ酸のうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、天然に存在するタンパク質の断片に対して少なくとも70%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、天然に存在するタンパク質の断片に対して少なくとも95%の相同性を有する。いくつかの実施形態において、天然に存在するタンパク質の断片は、少なくとも25個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、天然に存在するタンパク質の断片は、少なくとも50個のアミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、a. 少なくとも24%の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b. 少なくとも11%の全アミノ酸残基に対するLeu残基の割合、およびc. 少なくとも49%の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の断片からなる。
いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、アレルゲンではない。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、既知のアレルゲンに対して50%未満の全体的相同性を有する。
いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、毒素ではない。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、既知の毒素に対して50%未満の全体的相同性を有する。
いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、60分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、30分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、10分未満の模擬胃内消化半減期を有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、模擬胃液中で完全に消化される。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、ペプシン認識部位、トリプシン認識部位、およびキモトリプシン認識部位から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ認識部位を含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、システイン残基を含まない。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、ジスルフィド結合を含まない。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、N結合型グリコシル化を含まない。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、O結合型グリコシル化を含まない。
いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、凝集に耐性を示す。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、pH7でアニオン性である。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、pH7で少なくとも12.5g/Lの水溶解性を有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、-20以下の計算上の溶媒和スコアを有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、0.75以下の計算上の凝集スコアを有する。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、0.5以下の計算上の凝集スコアを有する。
いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、i. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列、ii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列の修飾された誘導体、およびiii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列のムテインから選択されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、i. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列、ii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列の修飾された誘導体、およびiii. 配列番号1~配列番号2609から選択されるアミノ酸配列のムテインから選択されるアミノ酸配列からなる。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、配列番号1~配列番号2609から選択される少なくとも1つのアミノ酸配列と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%相同である。いくつかの実施形態において、単離された栄養タンパク質は、親和性精製のためのポリペプチドタグをさらに含む。いくつかの実施形態において、親和性精製のためのタグは、ポリヒスチジンタグである。
別の態様において、本開示は、本開示による栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む単離された核酸を提供する。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、ゲノムDNA、cDNA、センスRNA、およびアンチセンスRNAから選択される。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、ゲノムDNAである。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、cDNAである。いくつかの実施形態において、単離された核酸は、栄養タンパク質をコードする核酸配列と作動可能に連結された発現制御配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質をコードする核酸配列は、ベクター中に存在する。いくつかの実施形態において、ベクターは、栄養タンパク質をコードする核酸配列に作動可能に連結された発現制御配列をさらに含む。
別の態様において、本開示は、本開示による核酸およびベクターのうちの少なくとも1つを含む、組換え微生物を提供する。いくつかの実施形態において、組換え微生物は、原核生物である。いくつかの実施形態において、原核生物は、従属栄養性である。いくつかの実施形態において、原核生物は、独立栄養性である。いくつかの実施形態において、原核生物は、細菌である。
別の態様において、本開示は、本開示による栄養タンパク質を作製する方法を提供し、この方法は、組換え微生物による栄養タンパク質の生成に十分な条件下で本開示による組換え微生物を培養することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、培養物から栄養タンパク質を単離することをさらに含む。
別の態様において、本開示の栄養タンパク質および少なくとも1つの第2の構成成分を含む本開示の栄養組成物。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、遊離アミノ酸、炭水化物、脂肪、ミネラルまたはミネラル源、ビタミン、栄養補助食品、生物、医薬品、および賦形剤から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、タンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、栄養タンパク質である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、必須アミノ酸、非必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、非標準アミノ酸、および修飾アミノ酸から選択される遊離アミノ酸である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、必須アミノ酸から選択される遊離アミノ酸である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、分枝鎖アミノ酸から選択される遊離アミノ酸である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、Leuである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、脂質である。いくつかの実施形態において、脂質は、脂肪、油、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、および脂肪酸から選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、ミネラルおよびビタミンから選択される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、栄養補助食品である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、生物である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、医薬品である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2の構成成分は、賦形剤である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの賦形剤は、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、滑沢剤、分散促進剤、崩壊剤、香味剤、甘味剤、着色剤から選択される。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、液体溶液、スラリー、懸濁液、ゲル、ペースト、粉末、または固体として製剤化される。
別の態様において、本開示は、本開示による栄養タンパク質を提供することと、栄養タンパク質を少なくとも1つの第2の構成成分と組み合わせることと、を含む、栄養組成物を作製する方法を提供する。
別の態様において、本開示は、対象において筋肉量、筋力、および機能的能力のうちの少なくとも1つを維持するかまたは増加させる方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、高齢者、医学的に重症である、およびタンパク質エネルギー栄養障害に罹患している、のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、対象において望ましいボディマス指数を維持するかまたは達成する方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、高齢者、医学的に重症である、およびタンパク質エネルギー栄養障害に罹患している、のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、タンパク質エネルギー栄養傷害を有する対象にタンパク質を提供する方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、肥満である。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、対象において熱発生を増加させる方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、肥満である。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、対象において心的飽和応答および満腹応答のうちの少なくとも1つを誘導する方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、肥満である。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、対象において悪液質、筋肉減弱症、および虚弱のうちの少なくとも1つを治療する方法を提供し、この方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
溶媒和スコア(y軸)および凝集スコア(x軸)の関数として大腸菌発現スクリーンで表されるタンパク質の相対的確率(対数スケールで)を示す二次元ヒストグラムを示す。
溶媒和スコア(y軸)および凝集スコア(x軸NNの関数として大腸菌発現スクリーンで溶解的に表されるタンパク質の相対的確率(対数スケールで)を示す二次元ヒストグラムを示す。
本明細書において別途定義されない限り、本開示に関連して使用される科学用語および技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上別途要求されない限り、単数形の用語は、複数形の用語を含むものとし、複数形の用語は単数形の用語を含むものとする。一般に、本明細書に記載される生化学、酵素学、分子生物学および細胞生物学、微生物学、遺伝子学、ならびにタンパク質および核酸化学、そしてハイブリダイゼーションに関して使用される命名法、およびそれらの技術は、当該技術分野において周知であり、一般的に使用されるものである。本明細書に引用されるある特定の参考文献および他の文書は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。さらに、本明細書に引用されるすべてのUniProt/SwissProtの記録は、参照により本明細書に組み込まれる。矛盾する場合には、定義を含む本明細書が優先される。材料、方法、および例は、例示に過ぎず、限定的であるようには意図されない。
本開示の方法および技術は、別途指示されない限り、一般に、当該技術分野において周知の従来の方法に従って、また本明細書の全体を通して引用され、論じられる種々の一般的およびより具体的な参考文献に記載されるように行われる。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,3d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992,and Supplements to 2002)、Taylor and Drickamer,Introduction to Glycobiology,Oxford Univ.Press(2003)、Worthington Enzyme Manual,Worthington Biochemical Corp.,Freehold,N.J.、Handbook of Biochemistry:Section A Proteins,Vol I,CRC Press(1976)、Handbook of Biochemistry:Section A Proteins,Vol II,CRC Press(1976)、Essentials of Glycobiology,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1999)を参照されたい。シアノバクテリアに適用可能な多くの分子生物学および遺伝学的技術は、Heidorn et al.,“Synthetic Biology in Cyanobacteria:Engineering and Analyzing Novel Functions,”Methods in Enzymology,Vol.497,Ch.24(2011)に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は、インターネット上で公開されているある特定のタンパク質および遺伝子配列に関する配列データベースエントリ(例えば、UniProt/SwissProt)、ならびにインターネット上の他の情報を参照する。当業者であれば、配列データベースエントリを含むインターネット上の情報が時々更新されるため、例えば、特定の配列を参照するために使用される参照番号が変更される場合があることを理解する。配列情報の公開データベースまたは他のインターネット上の情報に対して言及がなされる場合、そのような変更が起こる可能性があり、インターネット上の情報の特定の実施形態が変化しやすいことを理解されたい。当業者がインターネット上で検索を行うことにより同等の情報を見つけることができるため、インターネットのウェブページアドレスまたは配列データベースエントリに対する言及は、該当する情報の利用可能性および公的普及を裏付ける。
本発明のタンパク質、組成物、方法、および他の実施形態を開示および説明する前に、本明細書において使用される専門用語が、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、限定的であるよう意図するものではないことを理解されたい。本明細書および付属の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、別途明確に指示されない限り、複数形の指示対象を含むことに留意されたい。
本明細書において使用される用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」または「含有する」と同義であり、包括的または非制限的であり、さらなる記載されていないメンバー、要素、または方法ステップを除外しない。
本開示は、アミノ酸について言及する。アミノ酸の完全名称は、各アミノ酸において標準的な3文字および1文字の略語と同義に使用される。誤解を避けるために、これらは、アラニン(Ala、A)、アルギニン(Arg、R)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グルタミン酸(Glu、E)、グルタミン(Gln、Q)、グリシン(Gly、G)、ヒスチジン(His、H)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、メチオニン(Met、M)、フェニルアラニン(Phe、F)、プロリン(Pro、P)、セリン(Ser、S)、スレオニン(Thr、T)、トリプトファン(Trp、W)、チロシン(Tyr、Y)、バリン(Val、V)である。
本明細書において使用される場合、用語「インビトロ」は、生物(例えば、動物、植物、または微生物)内ではなく、人工環境において、例えば、試験管もしくは反応容器内、細胞培養物内、ペトリ皿内等で生じる事象を指す。
本明細書において使用される場合、用語「インビトロ」は、生物(例えば、動物、植物、または微生物)内で生じる事象を指す。
本明細書において使用される場合、用語「単離された」は、(1)最初に生成された時にそれが会合していた構成成分の少なくともいくつかから分離された(天然において、もしくは実験環境においてのいずれか)、および/または(2)人間の手によって生成、調製、および/もしくは製造された物質または実体を指す。単離された物質および/または実体は、それらが最初に会合していた他の構成成分の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%以上から分離されてもよい。いくつかの実施形態において、単離された薬剤は、約80%超、約85%超、約90%超、約91%超、約92%超、約93%超、約94%超、約95%超、約96%超、約97%超、約98%超、約99%超、または約99%超純粋である。本明細書において使用される場合、物質が実質的に他の構成成分を含まない場合、それは「純粋」である。
本明細書において使用される場合、「分枝鎖アミノ酸」は、ロイシン、イソロイシン、およびバリンから選択されるアミノ酸である。
本明細書において使用される場合、「必須アミノ酸」は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、およびバリンから選択されるアミノ酸である。
本明細書で使用される用語「ペプチド」は、例えば、典型的には約50個未満のアミノ酸、より典型的には、約30個未満のアミノ酸を含有する短いポリペプチドを指す。本明細書で使用されるこの用語は、構造的機能、ひいては生物学的機能を模倣する類似体および模倣体を包含する。
用語「ポリペプチド」は、天然に存在するタンパク質および天然に存在しないタンパク質の両方、ならびにその断片、変異体、誘導体、および類似体を包含する。ポリペプチドは、単量体または重合体であり得る。さらに、ポリペプチドは、いくつかの異なるドメインを含み得、それらの各々は、1つ以上のはっきりと異なる活性を有する。誤解を避けるために、「ポリペプチド」は、2アミノ酸長よりも長い任意の長さであり得る。
用語「単離されたタンパク質」または「単離されたポリペプチド」は、その起源または誘導源に基づいて、(1)その天然の状態でそれに付随する天然に会合した構成成分に会合していない、(2)自然界で見られない純度(純度は他の細胞物質の存在に関して判断され得る)で存在する(例えば、同種の他のタンパク質を含まない)、(3)異なる種の細胞によって発現される、または(4)天然に存在しない(例えば、それは自然界に見られるポリペプチドの断片であるか、あるいは自然界に見られないアミノ酸類似体もしくは誘導体、または標準的なペプチド結合以外の結合を含む)タンパク質またはポリペプチドである。したがって、化学合成されたか、または天然にそれが由来する細胞とは異なる細胞系で合成されたポリペプチドは、その天然に会合する構成成分から「単離」される。ポリペプチドまたはタンパク質は、当該技術分野で周知のタンパク質精製技術を用いて、単離により天然に会合する構成成分を実質的に含まないようにすることも可能である。そのように定義される場合、「単離された」は、そのように説明されているタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、またはオリゴペプチドが、合成された細胞から物理的に除去されていることを必ずしも要求しない。
本明細書で使用される用語「ポリペプチド断片」は、天然に存在するタンパク質等の全長ポリペプチドと比較して、欠失、例えば、アミノ末端および/またはカルボキシ末端の欠失を有するポリペプチドを指す。一実施形態において、ポリペプチド断片は、その断片のアミノ酸配列が天然に存在する配列における対応する位置と同一である連続した配列である。断片は、典型的には、少なくとも5、6、7、8、9、もしくは10アミノ酸長、または少なくとも12、14、16、もしくは18アミノ酸長、または少なくとも20アミノ酸長、または少なくとも25、30、35、40、もしくは45のアミノ酸、または少なくとも50もしくは60アミノ酸長、または少なくとも70アミノ酸長である。
用語「融合タンパク質」は、異種アミノ酸配列に連結したポリペプチドまたは断片を含むポリペプチドを指す。融合タンパク質は、2つ以上の異なるタンパク質に由来し得る2つ以上の所望の機能要素を含有するように構築することができるため、有用である。融合タンパク質は、目的とするポリペプチドから少なくとも10個の連続するアミノ酸、または少なくとも20もしくは30個のアミノ酸、または少なくとも40、50、もしくは60個のアミノ酸、または少なくとも75、100、もしくは125個のアミノ酸を含む。融合タンパク質に含まれる異種ポリペプチドは、通常、少なくとも6アミノ酸長、または少なくとも8アミノ酸長、または少なくとも15、20、または25アミノ酸長である。IgG Fc領域等のより大きいポリペプチドを含む融合体、およびさらには緑色蛍光タンパク質(「GFP」)発色団含有タンパク質等の全タンパク質を含む融合体は、特定の有用性を有する。融合タンパク質は、異なるタンパク質またはペプチドをコードする核酸配列とインフレームでポリペプチドまたはその断片をコードする核酸配列を構築し、次いで融合タンパク質を発現させることによって、組換え的に生成することができる。あるいは、融合タンパク質は、ポリペプチドまたはその断片を別のタンパク質と架橋させることによって化学的に生成することもできる。
本明細書において使用される場合、あるタンパク質をコードする核酸配列が第2のタンパク質をコードする核酸配列と類似した配列を有する場合、そのタンパク質は、第2のタンパク質に対して「相同性」を有するか、または「相同」である。あるいは、2つのタンパク質が類似したアミノ酸配列を有する場合、そのタンパク質は第2のタンパク質に対して相同性を有する(したがって、用語「相同タンパク質」は、2つのタンパク質が類似したアミノ酸配列を有することを意味すると定義される)。本明細書において使用される場合、アミノ酸配列の2つの領域間の相同性(特に、予測される構造上の類似性に関して)は、機能における類似性を暗示するものと解釈される。
「相同」が、タンパク質またはペプチドに関して使用される場合、同一ではない残基の位置が、多くの場合、保存的なアミノ酸置換によって異なることを認識されたい。「保存的なアミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が類似した化学特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基によって置換されることである。一般に、保存的なアミノ酸置換は、タンパク質の機能的特性を実質的に変化させない。2つ以上のアミノ酸配列が保存的置換によって互いに異なる場合、配列同一性パーセントまたは相同性の程度は、置換の保存的な性質によって補正するように上方調整されてもよい。この調整を行うための手段は、当業者に周知である。例えば、Pearson,1994,Methods Mol. Biol. 24:307-31 and 25:365-89を参照されたい。
以下の6つの群は、それぞれ、互いに保存的な置換であるアミノ酸を含有する:1)セリン、トレオニン;2)アスパラギン酸、グルタミン酸;3)アスパラギン、グルタミン;4)アルギニン、リジン;5)イソロイシン、ロイシン、メチオニン、アラニン、バリン;および6)フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン。
配列同一性パーセントとも称されるポリペプチドの配列相同性は、典型的には、配列分析ソフトウェアを用いて測定される。例えば、Genetics Computer Group(GCG),University of Wisconsin Biotechnology Center(910 University Avenue, Madison,Wis.53705)の配列分析ソフトウェアパッケージを参照されたい。タンパク質分析ソフトウェアは、保存的なアミノ酸置換を含む種々の置換、欠失、および他の修飾に割り当てられた相同性の尺度を用いて類似する配列をマッチングさせる。例えば、GCGは、「Gap」および「Bestfit」等のプログラムを含有し、これらは、異なる生物種に由来する相同ポリペプチド等の密接に関連したポリペプチド間、または野生型タンパク質とそのムテインとの間の配列相同性または配列同一性を決定するためのデフォルトパラメータとともに使用することができる。例えば、GCGバージョン6.1を参照されたい。
特定のポリペプチド配列を異なる生物に由来する多数の配列を含有するデータベースと比較する場合の例示的なアルゴリズムは、コンピュータプログラムBLAST(Altschul et al.,J.Mol. Biol. 215:403-410(1990)、Gish and States,Nature Genet.3:266-272(1993)、Madden et al.,Meth.Enzymol.266:131-141(1996)、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997)、Zhang and Madden,Genome Res.7:649-656(1997))、特にblastpまたはtblastn(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997))である。
BLASTpの例示的なパラメータは、以下の通りである:期待値:10(デフォルト)、フィルター:seg(デフォルト)、ギャップ開始コスト:11(デフォルト)、ギャップ伸長コスト:1(デフォルト)、最大アラインメント:100(デフォルト)、ワードサイズ:11(デフォルト)、表示数:100(デフォルト)、ペナルティマトリックス:BLOWSUM62。相同性について比較されるポリペプチド配列の長さは、一般に、少なくとも約16個のアミノ酸残基、または少なくとも約20個の残基、または少なくとも約24個の残基、または少なくとも約28個の残基、または約35個を超える残基である。多数の異なる生物由来の配列を含有するデータベースを検索する場合、アミノ酸配列の比較が有用であり得る。アミノ酸配列を用いたデータベース検索は、当該技術分野において既知のblastp以外のアルゴリズムによって測定することができる。例えば、ポリペプチド配列は、GCGバージョン6.1におけるプログラムであるFASTAを用いて比較することができる。FASTAは、クエリー配列と検索配列と間の最も重複した領域のアライメントおよび配列同一性パーセントを提供する。Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990)。例えば、アミノ酸配列間の配列同一性パーセントは、参照により本明細書に組み込まれるGCGバージョン6.1において提供されるように、FASTAをそのデフォルトパラメータ(ワードサイズ2、およびPAMスコアリングマトリックス250)で用いて決定することができる。
いくつかの実施形態において、高分子(例えば、ポリペプチド配列または核酸配列)は、それらの配列が、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%同一である場合に、互いに「相同」であると見なされる。いくつかの実施形態において、高分子は、それらの配列が、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%類似する場合に、互いに「相同」であると見なされる。用語「相同」は、少なくとも2つの配列(ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列)間の比較を必然的に指す。いくつかの実施形態において、2つのヌクレオチド配列は、それらがコードするポリペプチドが、少なくとも一続きの少なくとも約20個のアミノ酸と、少なくとも約50%同一、少なくとも約60%同一、少なくとも約70%同一、少なくとも約80%同一、または少なくとも約90%同一である場合に、相同であると見なされる。いくつかの実施形態において、相同ヌクレオチド配列は、一続きの少なくとも4~5個の一意に特定されたアミノ酸をコードする能力を特徴とする。これらのアミノ酸の互いに対する同一性および近似間隔が両方ともに、ヌクレオチド配列と相同であると見なされるべきである。60ヌクレオチド長未満のヌクレオチド配列のいくつかの実施形態において、相同性は、一続きの少なくとも4~5個の一意に特定されたアミノ酸をコードする能力によって決定される。いくつかの実施形態において、2つのタンパク質配列は、タンパク質が、少なくとも一続きの少なくとも約20個のアミノ酸と、少なくとも約50%同一、少なくとも約60%同一、少なくとも約70%同一、少なくとも約80%同一、または少なくとも約90%同一である場合に、相同であると見なされる。
本明細書において使用される場合、「修飾された誘導体」は、一次構造配列において参照ポリペプチド配列と実質的に相同であるが、例えば、インビボもしくはインビトロの化学的および生化学的修飾を含むか、または参照ポリペプチドには見られないアミノ酸を組み込むポリペプチドもしくはその断片を指す。そのような修飾は、例えば、当業者によって容易に認識される、アセチル化、カルボキシル化、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、例えば放射性核種による標識、および種々の酵素修飾を含む。ポリペプチドを標識するための様々な方法、およびそのような目的に有用な置換基または標識は、当該技術分野において周知であり、125I、32P、35S、およびH等の放射性同位体、標識された抗リガンド(例えば、抗体)に結合するリガンド、フルオロフォア、化学発光剤、酵素、ならびに、標識されたリガンドに対する特異的結合対メンバーとしての役割を果たし得る抗リガンドを含む。標識の選択は、必要とされる感度、プライマーでの接合の容易さ、安定性要件、および利用可能な器具の使用に依存する。ポリペプチドを標識するための方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates(1992および2002の補足)を参照されたい。
本明細書において使用される場合、「ポリペプチド変異体」または「ムテイン」は、その配列が、天然または野生型タンパク質等の参照タンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列と比較して、1つ以上のアミノ酸の挿入、複製、欠失、再編成、または置換を含有するポリペプチドを指す。ムテインは、ある位置の単一のアミノ酸が別のアミノ酸に変更された1つ以上のアミノ酸点置換、1つ以上のアミノ酸が参照タンパク質の配列においてそれぞれ挿入もしくは欠失される1つ以上の挿入および/もしくは欠失、ならびに/またはアミノ末端もしくはカルボキシ末端のいずれかもしくは両方におけるアミノ酸配列の切断を有し得る。ムテインは、参照タンパク質と比較して、同一または異なる生物学的活性を有し得る。
いくつかの実施形態において、ムテインは、例えば、その対照物である参照タンパク質に対して少なくとも85%の全体配列相同性を有する。いくつかの実施形態において、ムテインは、野生型タンパク質に対して少なくとも90%の全体配列相同性を有する。他の実施形態において、ムテインは、少なくとも95%の配列同一性、または98%、もしくは99%、もしくは99.5%、または99.9%の全体配列同一性を示す。
本明細書において使用される場合、「親和性精製のためのポリペプチドタグ」は、第1の「タグ」ポリペプチドに融合する目的とする第2のタンパク質またはポリペプチド配列を単離または精製するために使用され得る結合パートナーを有する任意のポリペプチドである。いくつかの例が当該技術分野において周知であり、His-6タグ、FLAGエピトープ、c-mycエピトープ、Strep-TAGII、ビオチンタグ、グルタチオン5-トランスフェラーゼ(GST)、キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、または金属親和性タグを含む。
本明細書において使用される場合、「組換え体」は、(1)その天然の環境から除去されたか、(2)遺伝子が天然に見られるポリヌクレオチドの全部もしくは一部と会合しないか、(3)自然には連結していないポリヌクレオチドに作動可能に連結されるか、または(4)自然に生じない生体分子、例えば、遺伝子もしくはタンパク質を指す。用語「組換え体」は、クローン化DNA単離体、化学的に合成されるポリヌクレオチド類似体、または異種系によって生物学的に合成されるポリヌクレオチド類似体、ならびにそのような核酸によってコードされるタンパク質および/またはmRNAに関して使用され得る。したがって、例えば、微生物によって合成されるタンパク質は、それが細胞中に存在する組換え遺伝子から合成されたmRNAから合成される場合、組換え体である。
用語「ポリヌクレオチド」、「核酸分子」、「核酸」、または「核酸配列」は、少なくとも10塩基長のヌクレオチドの高分子形態を指す。この用語は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムもしくは合成DNA)およびRNA分子(例えば、mRNAまたは合成RNA)、ならびに非天然ヌクレオチド類似体、非天然ヌクレオシド間結合、またはこれらの両方を含有するDNAもしくはRNAの類似体を含む。核酸は、任意の位相幾何学立体構造であり得る。例えば、核酸は、一本鎖、二本鎖、三本鎖、四本鎖、部分二本鎖、分枝型、ヘアピン型、環状、または南京錠型立体構造であり得る。
「合成」RNA、DNA、または混合ポリマーは、細胞外で作成されるもの、例えば、化学的に合成されるものである。
本明細書で使用される用語「核酸断片」は、全長の参照ヌクレオチド配列と比較して、欠失、例えば、5’末端または3’末端欠失を有する核酸配列を指す。一実施形態において、核酸断片は、その断片のヌクレオチド配列が天然に存在する配列における対応する位置と同一の連続した配列である。いくつかの実施形態において、断片は、少なくとも10、15、20、もしくは25ヌクレオチド長、または少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、もしくは150ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態において、核酸配列の断片は、オープンリーディングフレーム配列の断片である。いくつかの実施形態において、そのような断片は、オープンリーディングフレームヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質のポリペプチド断片(本明細書で定義されるもの)をコードする。
本明細書において使用される場合、生物のゲノム中の内因性核酸配列(またはその配列のコードされたタンパク質産物)は、この内因性核酸配列の発現が改変されるように、異種配列が内因性核酸配列に隣接して配置される場合に、本明細書において「組換え体」と見なされる。この状況において、異種配列は、異種配列がそれ自体内因性(同一の宿主細胞もしくはその子孫に由来する)であろうと外因性(異なる宿主細胞もしくはその子孫に由来する)であろうと、内因性核酸配列に天然には隣接しない配列である。例として、プロモーター配列は、遺伝子が改変された発現パターンを有するように、(例えば、相同組換えによって)宿主細胞のゲノム中のこの遺伝子の天然プロモーターに置き換えられ得る。この遺伝子は、それに天然に隣接する配列のうちの少なくともいくつかから分離されるため、「組換え体」になる。
核酸は、ゲノム中の対応する核酸に天然では生じない任意の修飾を含有する場合に、「組換え体」であるとも見なされる。例えば、内因性コード配列は、例えば、ヒトの介入によって、人工的に導入された挿入、欠失、または点変異を含有する場合に、「組換え体」であると見なされる。「組換え核酸」は、異種部位で宿主細胞の染色体に組み込まれた核酸、およびエピソームとして存在する核酸構築物も含む。
本明細書において使用される場合、参照核酸配列の「縮重変異形」という語句は、参照核酸配列から翻訳されるものと同一のアミノ酸配列を提供するように標準的な遺伝子コードに従って翻訳することができる核酸配列を包含する。用語「縮重オリゴヌクレオチド」または「縮重プライマー」は、配列が必ずしも同一ではないが、1つ以上の特定のセグメント内で互いに相同である標的核酸配列とハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドを表すために使用される。
核酸配列に関して、用語「配列同一性パーセント」または「同一」とは、最大限に一致するようにアラインされたときに同一である2つの配列の残基を指す。配列同一性比較の長さは、一続きの少なくとも約9個のヌクレオチド、一般的に少なくとも約20個のヌクレオチド、より一般的に少なくとも約24個のヌクレオチド、典型的に少なくとも約28個のヌクレオチド、より典型的に少なくとも約32、さらにより典型的に少なくとも約36個以上のヌクレオチドに及び得る。ヌクレオチド配列同一性を測定するために使用することができる当該技術分野において既知のいくつかの異なるアルゴリズムが存在する。例えば、ポリヌクレオチド配列は、Wisconsin Packageバージョン10.0(Genetics Computer Group(GCG)、Madison,Wis)のプログラムであるFASTA、Gap、またはBestfitを用いて比較することができる。FASTAは、クエリー配列と検索配列と間の最も重複した領域のアライメントおよび配列同一性パーセントを提供する。Pearson,Methods Enzymol.183:63-98(1990)。例えば、核酸配列間の配列同一性パーセントは、FASTAを、参照により本明細書に組み込まれるGCGバージョン6.1において提供されるそのデフォルトパラメータて(ワードサイズ6、およびスコアリングマトリックス用のNOPAM因子)とともに用いて、またはGapをそのデフォルトパラメータで用いて決定することができる。あるいは、配列は、コンピュータプログラムBLAST(Altschul et al.,J.Mol. Biol. 215:403-410(1990)、Gish and States,Nature Genet.3:266-272(1993)、Madden et al.,Meth.Enzymol.266:131-141(1996)、Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997)、Zhang and Madden,Genome Res.7:649-656(1997))、特にblastpまたはtblastn(Altschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997))を用いて比較することができる。
用語「実質的な相同性」または「実質的な類似性」は、核酸またはその断片について言及する場合、適切なヌクレオチドの挿入または欠失がもう1つの核酸(またはその相補鎖)と最適にアラインされた時に、上述のFASTA、BLAST、またはGap等の任意の周知の配列同一性アルゴリズムによって測定されたときに、ヌクレオチド塩基の少なくとも約76%、80%、85%、もしくは少なくとも約90%、または少なくとも約95%、96%、97%、98%、もしくは99%のヌクレオチド配列同一性が存在することを意味する。
あるいは、核酸またはその断片が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、別の核酸、別の核酸の鎖、またはその相補鎖にハイブリダイズする場合、実質的な相同性または類似性が存在する。核酸ハイブリダイゼーション実験に関して「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントな洗浄条件」は、いくつかの異なる物理的パラメータに依存する。核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によって容易に認識されるように、塩濃度、温度、溶媒、ハイブリダイズする種の塩基組成、相補領域の長さ、およびハイブリダイズする核酸間のヌクレオチド塩基ミスマッチの数等の条件の影響を受ける。当業者であれば、特定のハイブリダイゼーションストリンジェンシーを達成するためにこれらのパラメータを変化させる方法を理解している。
一般に、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、特定の組の条件下で、特定のDNAハイブリッドの熱融点(Tm)よりも約25℃低い温度で行われる。「ストリンジェントな洗浄」は、特定の組の条件下で、特定のDNAハイブリッドのTmよりも約5℃低い温度で行われる。Tmは、標的配列の50%が完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度である。Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2d ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(1989),page 9.51(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。本明細書における目的のために、液相ハイブリダイゼーションの「ストリンジェントな条件」は、6×SSC(20×SSCが、3.0M NaC1および0.3Mクエン酸ナトリウムを含有する)、1%SDS中、65℃で8~12時間の水性ハイブリダイゼーション(すなわち、ホルムアミドを含まない)、その後の0.2×SSC、0.1%SDS中、65℃で20分の2回の洗浄と定義される。当業者であれば、65℃でのハイブリダイゼーションが、ハイブリダイズする配列の長さおよび同一性パーセントを含むいくつかの要因に応じて異なる速度で生じることを認識する。
本明細書において使用される場合、「発現制御配列」は、それらが作動可能に連結されるコード配列の発現に影響を及ぼすのに必要なポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列は、核酸配列の転写、転写後事象、および翻訳を制御する配列である。発現制御配列は、適切な転写開始、終結、プロモーター、およびエンハンサー配列;スプライシングおよびポリアデニル化シグナル等の効率的なRNAプロセシングシグナル;細胞質mRNAを安定させる配列;翻訳効率を高める配列(例えば、リボソーム結合部位);タンパク質の安定性を高める配列;所望の場合、タンパク質の分泌を高める配列を含む。そのような制御配列の性質は、宿主生物によって異なり、原核生物において、そのような制御配列は、一般に、プロモーター、リボソーム結合部位、および転写終結配列を含む。用語「制御配列」は、最低でも、その存在が発現に必須である任意の構成成分を包含するよう意図されており、その存在が有利であるさらなる構成成分、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列を包含し得る。
本明細書において使用される場合、「作動可能に連結された」または「作動的に連結された」発現制御配列は、目的とする遺伝子を制御するために発現制御配列が目的とする遺伝子と隣接する結合、および目的とする遺伝子を制御するためにトランスで作動するか、またはある距離を置いて作動する発現制御配列を指す。
本明細書において使用される場合、「ベクター」は、それが連結された別の核酸を輸送することができる核酸分子を指すよう意図される。1つの種類のベクターは、「プラスミド」であり、これは、一般に、さらなるDNAセグメントがライゲートされ得る環状二本鎖DNAループを指すが、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅または環状プラスミドの制限酵素による処理等に起因する線形二重鎖分子も含む。他のベクターは、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、および酵母人工染色体(YAC)を含む。別の種類のベクターは、さらなるDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲートされ得るウイルスベクターである(以下でより詳細に論じられる)。ある特定のベクターは、それらが導入される宿主細胞内で自己複製することができる(例えば、宿主細胞において機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞への導入時に宿主細胞のゲノムに組み込むことができ、それにより宿主ゲノムとともに複製される。さらに、ある特定のベクターは、それらが作動可能に連結された遺伝子の発現を指向することができる。そのようなベクターは、本明細書において「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。
用語「組換え宿主細胞」(または単に「組換え細胞」もしくは「宿主細胞」)は、本明細書において使用される場合、組換えベクター等の組換え核酸が導入された細胞を指すよう意図される。いくつかの例において、「細胞」という単語は、ある種類の細胞を特定する名称に置き換えられる。例えば、「組換え微生物」は、微生物宿主細胞である組換え宿主細胞であり、「組換えシアノバクテリア」は、シアノバクテリア宿主細胞である組換え宿主細胞である。そのような用語が、特定の対象細胞だけでなく、そのような細胞の子孫も指すよう意図されることを理解されたい。変異または環境の影響のいずれかに起因してある特定の修飾が後続世代において生じ得るため、そのような子孫は、実際には、親細胞と同一ではないかもしれないが、本明細書において使用される「組換え宿主細胞」、「組換え細胞」、および「宿主細胞」の範囲内に依然として含まれる。組換え宿主細胞は、培養物中で増殖した単離された細胞もしくは細胞株であり得るか、または生組織もしくは生物に存在する細胞であり得る。
本明細書において使用される場合、用語「従属栄養性」は、炭素を固定することができず、成長のために有機炭素を用いる生物を指す。
本明細書において使用される場合、用語「独立栄養性」は、光からのエネルギー(光合成による)または無機化学反応(化学合成)を用いて、単純な無機分子から複雑な有機化合物(炭水化物、脂肪、およびタンパク質等)を生成する生物を指す。
本明細書において使用される場合、「筋肉量」は、対象の体内の筋肉の重量を指す。筋肉量は、骨格筋、平滑筋(心筋および消化器系筋肉等)、ならびにこれらの筋肉に含まれる水分を含む。特定の筋肉の筋肉量は、二重エネルギーX線吸収測定法(DEXA)(Padden-Jones et al.,2004)を用いて決定することができる。総除脂肪体重(脂肪を差し引いた)、総体重、および骨塩量も同様に、DEXAによって測定することができる。いくつかの実施形態において、対象の特定の筋肉の筋肉量の変化は、例えば、DEXAによって決定され、その変化は、対象の筋肉量の全体的な変化の代理として用いられる。したがって、例えば、対象が、本明細書に開示の栄養タンパク質を摂取し、特定の筋肉または筋肉群の筋肉量のある期間にわたる増加を経験する場合、対象が筋肉量の増加を経験したと結論付けることができる。
本明細書において使用される場合、「筋力」は、単一の最大努力により筋肉が生成することのできる力の量を指す。筋力には、静的強度と動的強度の2種類がある。静的強度とは、筋長が一定のままであり、かつ/または関節の動きのないときに筋肉が力を発生させる、筋肉の等尺性収縮を指す。例として、物体を把持するか、または運ぶこと、あるいは壁を押すことが挙げられる。動的強度とは、筋肉が動きをもたらす力を発生することを指す。動的強度は、一定負荷または等運動性収縮時に筋肉が短縮し、筋肉が一定の速度で収縮および短縮する、等張性収縮であり得る。動的強度は、等慣性強度も含み得る。
特定されない限り、「筋力」は、最大動的筋力を指す。最大強度は、「1回最大挙上重量」(1RM)と称される。これは、失敗または損傷することなく、1回で完全に動かす(持ち上げる、押す、または引く)ことができる最大負荷(キログラム単位)の尺度である。この値を直接測定することができるが、そのように行うには、対象がその活動を完遂することができなくなるまで重量を増加させる必要がある。あるいは、1RMは、対象が動かすことのできる最大量よりも少ない負荷を用いて対象が動かすことのできる最大運動反復数を数えることによって推定される。脚伸展および脚屈曲は、多くの場合、臨床試験において測定される(Borsheim et al.,“Effect of amino acid supplementation on muscle mass,strength and physical function in elderly,”Clin Nutr 2008;27:189-195、Paddon-Jones,et al.,“Essential amino acid and carbohydrate supplementation ameliorates muscle protein loss in humans during 28 days bed rest,”J Clin Endocrinol Metab 2004;89:4351-4358)。
本明細書において使用される場合、「機能的能力」は、日常活動をシミュレートする機能試験を指す。「機能的能力」は、時間計測式踏み台昇降テスト(4インチの台から5回できるだけ速く昇り降りする)、時間計測式床上体位変換テスト(できるだけ早く、床の上で立位置から仰臥位になり、その後、再び立位に戻る(1回反復))、および身体能力バッテリーテスト(静的バランステスト、椅子立ち上がりテスト、および歩行テスト)を含む、任意の好適な許容される試験によって測定される(Borsheim et al.,“Effect of amino acid supplementation on muscle mass,strength and physical function in elderly,”Clin Nutr 2008;7:189-195)。
本明細書において使用される場合、「ボディマス指数」または「BMI」または「ケトレー指数」は、対象の体重(キログラム単位)を体重の身長(メートル単位)の二乗で除したもの(kg/m)である。
成人の場合、個人と同じ身長の人の正常または望ましい体重からその個人の体重がどの程度逸脱しているかを評価するために頻繁にBMIが用いられる。体重超過または体重不足は、体脂肪によってある程度説明され得るが、筋肉質等の他の要因もBMIに大きく影響する。世界保健機関は、BMI18.5未満を体重不足とし、栄養失調、摂食障害、または他の健康問題を指摘し得る一方で、25を超えるBMIは、過体重であると見なされ、30を超えると肥満であると見なされる(World Health Organization.BMI classification.Accessed March 19、2012 http://apps.who.int/bmi/index.jsp?introPage=intro_3.html)。本明細書で使用される場合、「望ましいボディマス指数」は、約18.5~約25のボディマス指数である。したがって、対象が約18.5未満のBMIを有する場合、対象のBMIの増加が、対象のBMIの望ましさの増加である。代わりに、対象が約25を超えるBMIを有する場合、対象のBMIの減少が、対象のBMIの望ましさの増加である。
本明細書において使用される場合、「高齢」の哺乳動物は、ボディマス指数および筋肉量のうちの少なくとも1つにおける加齢に伴う変化(例えば、加齢に伴う筋肉減弱症)を経験する哺乳動物である。いくつかの実施形態において、「高齢」のヒトは、少なくとも50歳、少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、少なくとも75歳、少なくとも80歳、少なくとも85歳、少なくとも90歳、少なくとも95歳、または少なくとも100歳である。いくつかの実施形態において、高齢の動物、哺乳動物、またはヒトは、一生涯の最高筋肉量からの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、または少なくとも60%の筋肉量の損失を経験したヒトである。ボディマス指数および筋肉量のうちの少なくとも1つに対する加齢に伴う変化は、年齢の増加に相関することが知られているため、いくつかの実施形態において、高齢の哺乳動物は、単純に年齢に基づいて特定または定義される。したがって、いくつかの実施形態において、「高齢」のヒトは、ボディマス指数および筋肉量のうちの少なくとも1つの測定に依存することなく、単純に、年齢が少なくとも60歳、少なくとも65歳、少なくとも70歳、少なくとも75歳、少なくとも80歳、少なくとも85歳、少なくとも90歳、少なくとも95歳、または少なくとも100歳であるという事実によって特定または定義される。
本明細書において使用される場合、患者が、医学的疾病の理由から、ボディマス指数および筋肉量のうちの少なくとも1つの変化を経験する場合、その患者は「医学的に重症」である(例えば、筋肉減弱症)。いくつかの実施形態において、患者は、目が覚めている時間の少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または100%寝たきりである。いくつかの実施形態において、患者は、意識不明である。いくつかの実施形態において、患者は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、10日間、2週間、3週間、4週間、5週間、10週間、または10週間以上、本段落に記載されるように、寝たきりである。
本明細書において使用される場合、「タンパク質エネルギー栄養傷害」は、タンパク質の摂取量が不十分である栄養失調の一形態を指す。この種類には、クワシオルコル(主にタンパク質栄養不良)、消耗症(カロリーおよびタンパク質栄養の両方が不足)、ならびに消耗性クワシオルコル(著しいタンパク質欠乏および著しいカロリー不足の兆候を呈し、栄養失調の最も重度の形態と称されることもある)が含まれる。
本明細書において使用される場合、「悪液質」は、消耗および体重減少をもたらす多面的な臨床症候群を指す。これは、タンパク質異化作用がタンパク質同化作用を上回り、筋肉消耗をこの状態の主な特徴とする複雑な状態である。タンパク質代謝における代謝異常に加えて、これは、食欲不振および炎症も特徴とする。これらの異常に加えてタンパク質代謝障害は、栄養療法に様々な程度で応答する。
本明細書において使用される場合、「熱発生」は、哺乳動物における熱生成プロセスである。熱発生は、エネルギー消費量の増加を伴う。熱発生は、具体的には、食物成分(タンパク質等)の代謝後に燃焼されるエネルギーである。これは、食物の熱効果と称されてもよい。個体による総エネルギー消費量は、安静時エネルギー消費量(基礎代謝を支援するために空腹状態で安静時に消費されるエネルギー)、食物の熱効果、および身体的活動に関連したエネルギー消費量の合計に等しい。安静時エネルギー消費量は、ヒトにおける総エネルギー消費量の約65~75%を占める。筋肉量の量および活性は、安静時エネルギー消費量に影響を与えるものの1つである。筋肉を支援するのに十分なタンパク質の摂取も、安静時エネルギー消費量に影響を与える。タンパク質の経口摂取は、食後のエネルギー消費量を増加させる傾向があり、これが、食物の熱効果である。食物の熱効果は、ヒトにおける総エネルギー消費量の約10%を占める。これは、総エネルギー消費量のわずかな割合であるが、この値のわずかな増加が体重に影響を及ぼし得る。タンパク質は、脂肪または炭水化物よりも高い熱効果を有し、この効果が、タンパク質の他の代謝影響物とともに、タンパク質を体重制御、糖尿病の管理、および他の状態に有用な物質にする。
本明細書において使用される場合、「心的飽和」は、食べている間に満腹になる行為、または食べたいという欲求の低下である。これが摂食を中断するか、または減少させる。
本明細書において使用される場合、「満腹」は、食後に満腹な状態のままである行為であり、食事後の摂食しない期間として現れる。
本明細書において使用される場合、「運動」は、最も広範に、体力ならびに全体的な健康および健康状態を強化または維持する任意の身体的活動である。運動は、筋肉および心血管系の強化、運動技能の修練、体重の減少または維持、ならびに楽しみ目的を含む種々の理由から行われる。
本明細書において使用される場合、「十分な量」とは、所望の効果をもたらすのに十分な本明細書に開示のタンパク質またはポリペプチドの量である。例えば、筋肉量の増加が所望される場合、十分な量は、ある期間にわたって対象の筋肉量の増加をもたらす量である。十分な量のタンパク質もしくはポリペプチド断片は、直接的に、すなわち、タンパク質もしくはポリペプチド断片を対象に投与することによって提供され得るか、またはタンパク質もしくはポリペプチド断片を含む組成物の一部として提供され得る。投与方法は、本明細書の他の箇所で論じられる。
本明細書において使用される場合、用語「哺乳動物」は、有胎盤哺乳動物および有袋類哺乳動物を含む、分類上の綱である哺乳綱の任意のメンバーを指す。したがって、「哺乳動物」は、ヒト、霊長類、家畜、および実験用哺乳動物を含む。例示的な哺乳動物には、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウマ、ヤギ、ラマ、ウシ、霊長類、ブタ、および任意の他の哺乳動物が挙げられる。いくつかの実施形態において、哺乳動物は、トランスジェニック哺乳動物、遺伝子操作された哺乳動物、およびクローン哺乳動物のうちの少なくとも1つである。
A.栄養タンパク質
本開示の目的のために、「栄養タンパク質」は、望ましい量の必須アミノ酸を含有するタンパク質である。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、少なくとも30重量%の必須アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、少なくとも40重量%の必須アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、少なくとも50重量%の必須アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、食用種において天然に生じるタンパク質もしくはタンパク質の断片を含むか、またはそれからなる。その最も広範において、「食用種」は、有害な影響なく少なくとも1種類の哺乳動物によって食されることで知られる任意の種を包含する。有害な影響には、毒性作用および有毒作用が含まれる。いくつかの実施形態において、食用種は、有害な影響なくヒトによって食されることで知られる種である。限定された地理的地域においてある種類の哺乳動物の小群のみの希少ではあるが既知の食事の構成成分である食用種もあれば、世界中ほとんどの地域で主食となっている食用種もある。他の実施形態において、食用種は、任意の哺乳動物によって以前に食されたことで既知であるが、試験時に食用であることが実証される種である。食用種には、ワタ(Gossypium turneri)、シロノタモギタケモドキ、グリシンマックス、アジアイネ、メバチ、ブリストルコーンモミ、トゲネズミ、タクヨウレンリソウ、インドヤギュウ、ケープグリスボック、タテゴトアザラシ、カラチョウザメ、ジャワジャコウネコ、ヒマラヤヒラタケ、ダッタンソバ、ストローブマツ、アサガオ、キャラボク、フウリンアサガオ、オオノガイ、キウイフルーツ、グラントガゼル、ヨーロッパヤマナラシ、セイヨウスモモ、セグロカモメ、ビロードクサフジ、ホシエビス、ヒロハノマンテマ、サラワクイルカ、アメリカウバガイ、クシマンセ、アズキ、ツルナシレリンソウ、カラフトマス、ミシシッピワニ、アレッポマツ、カモメ、セイヨウアブラナ、シラタマソウ、クラカケアザラシ、インディアンガゼル、テーダマツ、カナダイチイ、ヒロハザミア、ウンナンマツ、ヒマラヤゴヨウマツ、アスパラガス、アヒ・アマリージョ、イガゴヨウマツ、ヨーロッパイチイ、シベリアマツ、オレンジ、ハワイアンスコーレルフィッシュ、アメリカバイソン、トムソンガゼル、ヤハズエンドウ、カナダガン、セロリ、コブカエデ、コリアンダー、ヒメシラタマソウ、レタス、カプシカム・シネンゼ、シラビソ、カプラ・ヒルクス、スペックガゼル、サケ、ヒメノアサガオ、シロウリ、ワモンアザラシ、アカギツネ、ルコウソウ、ソラナム(habrochaites)、ポプラ種、リギダマツ、オーバーカップオーク、ベニバナインゲン、ユリカモメ、トガリエビス、タイセイヨウクロマグロ、ホッキョクギツネ、インディアンバイソン、イタリアン・メープル、イロハモミジ、セイヨウヒイラギガシ、モンタナマツ、オオヅル、カギミヤママツ、ウメ、マスノスケ、コウジョウセンガゼル、フェネック、シシマツ、ワタ(barbadense)、シカモアカエデ、ベニザケ、ヒゲイノシシ、ソバ亜種アンセストラル、カルドン、ヤエナリ、セイコウハコヤナギ、ワタ(schwendimanii)、ソラナム(chacoense)、アカガシワ、キュウリ、サバンナシマウマ、ギンザケ、ラジアータパイン、ゼニガタアザラシ、オグロヅル、アメリカオオモミ、サクラマス、ホウレンソウ、ソラナム(chilense)、アダックス、サツマイモ、グレビーシマウマ、トドマツ、イタリアカサマツ、オオカグラコウモリ、オータム・クロッカス、ブンタン、シロチョウザメ、ワタ(gossypioides)、インドジャコウネコ、ターキー・オーク、インドガン、フォックステールパイン、スパニッシュムシトリナデシコ、オンコリンクス属種、ビルマジャコウネコ、ヤク、スラッシュマツ、インドノロバ、アイベックス、ニンニク、ラディッシュ、エキナタマツ、ブラックチェリー、ニジエビス、シロバナマンテマ、ヤセイカンラン、ノラニンジン、ニジマス、カイラン、ワタ(hirsutum)、ヨーロッパモミ、シトラス・レティキュラータ、チコリー、コープレイ、ラマ、トウモロコシ、セキショウ、キットギツネ、アルタイアルガリ、シャープグリスボック、コントルタマツ、コブウシ、シベリアアイベックス、ポンデローサマツ、アーモンド、ソラナム(sogarandinum)、ヨウサイ、ハナジロカマイルカ、ビッグホーン、セイヨウミザクラ、ダマガゼル、ビンナガ、マンテマ、スイスマツ、サフラン、スイカ、アカガゼル、ハリゲナタネ、マーコール、ミンドロスイギュウ.、ダイオウマツ、セイヨウバクチノキ、マナヅル、マルバアサガオ、チワワマツ、ハラジロカマイルカ、スタインボック、ブラッシカ・ラパ亜種ペキネンシス、アメリカセンニチコウ、ホシアサガオ、パツラマツ、マスクメロン、バージニアマツ、ソラナム(lycopersicum)、アカマツ、アパッチパイン、ヨーロッパナラ、イポメア・セトーサ、トキイロヒラタケ、ハチマキカグラコウモリ、ヒツジ、ヒメエビス、ブロッコリー、カフカスツール、キタカミハクヨウ、プレーリーオニオン、ソラマメ、フツウソバ、ステップバイソン、コルクガシ、ラゴフィラ・ラモシッシマ、マダガスカルボア、シベリアチョウザメ、カプシクム・アンヌウム、パンコムギ、アフリカツメガエル、バイカルアザラシ、アドリアチョウザメ、オニマタタビ、ドールシープ、ソラナム(tuberosum)、カラバオ、ザボン、ヨーロッパバイソン、ヌビアノロバ、アノア、エリンギ、ソラナム(demissum)、ウリアル、トウモロコシ亜種パルビグルミス、ハットクマメ、ウェルウィッチア、オーストラリアヅル、マルバルコウ、タマネギ、ゼメリングガゼル、ブラッシカ・ラパ、ビクーニャ、ソラナム(peruvianum)、アフリカツメガエル、カフカスアイベックス、キハダマグロ、ヤマシマウマ、セキショクヤケイ、ソラナム(bulbocastanum)、テラソカグラコウモリ、タイセイヨウカマイルカ、カバチョウセンゴヨウ、フランスモミジ、アメリカクロポプラ、ブラック・コットンウッド、ロシアチョウザメ、クロマツ、キャベツ、カジカ(korotneffi)、エドミガゼル、ウラジロモミ、マンシュウモミ、マウンテンガゼル、ゴヨウマツ、ハボタン、ペポカボチャ、カザンマツ、オオシラビソ、タイセイヨウクロマグロ、ウンシュウミカン、ソラナム(cheesmanii)、カマイルカ、ノルウェーカエデ、レモン、デュメリルボア、ソラナム(commersonii)、ワタ(arboreum)、モモ、ヒラタケ、モミ、リムガゼル、タイセイヨウサケ、アメリカウミザリガニ、カリフォルニアアカモミ、バンテン、ゴマフアザラシ、フィリピンヒゲイノシシ、ナス、ゼニガタアザラシ、ヨーロッパアカマツ、ザミア、コサックギツネ、リーキ、カスピカイアザラシ、ケープギツネ、チュウゴクイチイ、カリフラワー、キバシハイイロガン、ライマメ、ブラッシカ・カンペストリス、サトウカエデ、ハイマツ、ソラナム(pennellii)、ピニョンマツ、イモネノホシアサガオ、ウラジロハコヤナギ、ノドキリマス、フユナラ、スンダイボイノシシ、プルツワルスキーモウコノウマ、コトカケヤナギ、アフリカツメガエル、タイヘイヨウイチイ、グアナコ、バンクスマツ、イヌホオズキ、セレベスイノブタ、カラシナ、ダンダラカマイルカ、アメリカヤマナラシ、コロラドトウヒ、ヤマアノア、カシ(gamelliflora)、アジアムフロン、アジアスイギュウ、リュウキュウマツ、フィリピンヒゲイノシシ、インゲンマメ、ブラウントラウト、ペルシャチョウザメ、ソラナム(brevidens)、レジノーサマツ、セーブルアンテロープ、ヌビアアイベックス、シーアスパラガス、イポメア・プラテンシス、ブタ、パサン、ガラスマメ、アオスジエビス、タイセイヨウオヒョウ、アメリカショウブ、ウマ、コブウシ、ツケバナ、アルパカ、フランスカイガンショウ、マダコ、ソラナム(crispum)、ローンアンテロープ、チャップマンシマウマ、アレキサンダークシマンセ、ヨルガオ、ヒトツブコムギ、アラビアバルサムノキ、ミナミカマイルカ、ドルカスガゼル、ケルメスオーク、ハクガン、トウ、ヒマラヤマツ、マンシュウクロマツ、フィッシェリ、ホオカザリヅル、カイロトゲマウス、ネットメロン、セイロンヤケイ、ピスム・サティヴム、ノブコーンパイン、サンドパイン、サウジガゼル、キャプラアイベックス、イポメア・トリフィーダ、テオシント、ベトナムマツ、ウイルソントゲマウス、パセリ、ピンオーク、コムギ(timopheevi)、シチメンチョウ、ヤセイカンラン、ヤセイカンラン、ビーツ、ソラナム(lycopersicum)、インゲンマメ、メカジキ、ストライプドバス、オオクチバス、マゼランツキヒガイ、ヨーロピアン・スプラト、タイセイヨウニシン、モトカタクチイワシ、セイヨウカボチャ、アガリクス・ビスポルス、キングバナナ、マルス・ドメスティカ、ヒヨコマメ、マガモ、ヒメツルコケモモ、ラズベリー、ローブッシュ・ブルーベリー、イチゴ、セイヨウヤブイチゴ、マスクメロン、パイナップル、ペポカボチャ、二ホンカボチャ、ブタ、バジル、ローズマリー、ウイキョウ、ダイオウ、パパイヤ、マンゴー、キウイフルーツ、アンズ、セイヨウミザクラ、ココヤシ、オリーブ、セイヨウナシ、イチジク、クダモノトケイソウ、アジアイネ亜種ジャポニカ、アジアイネ亜種インディカ、ヨーロッパウズラ、出芽酵母が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、食用種において天然に生じるタンパク質もしくはタンパク質の断片を含むか、またはそれからなる。そのような栄養タンパク質は、「操作された栄養タンパク質」と称され得る。そのような実施形態において、天然タンパク質またはその断片は、「参照」タンパク質またはポリペプチドであり、操作された栄養タンパク質またはその第1のポリペプチド配列は、参照タンパク質またはポリペプチドのアミノ酸配列と比較して少なくとも1つの配列修飾を含む。例えば、いくつかの実施形態において、操作された栄養タンパク質またはその第1のポリペプチド配列は、少なくとも1つの参照栄養タンパク質のアミノ酸配列と、少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%相同である。典型的には、操作された栄養タンパク質またはその第1のポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基、全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基、および全アミノ酸残基に対するロイシン残基のうちの少なくとも1つの割合は、参照栄養タンパク質またはポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基、全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基、および全アミノ酸残基に対するロイシン残基のうちの少なくとも1つの対応する割合よりも高い。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、食物中の豊富なタンパク質またはその誘導体もしくはムテインであるか、あるいは食物中の豊富なタンパク質の断片またはその誘導体もしくはムテインである。豊富なタンパク質は、食物中に存在する他のタンパク質と比較して、より高い濃度で食物中に存在するタンパク質である。この食物は、限定された地理的地域においてある種類の哺乳動物の小群のみの既知の食事の構成成分であり得るか、または世界中ほとんどの地域における主食であり得る。いくつかの実施形態において、食物中の豊富なタンパク質は、鶏卵タンパク質、例えば、卵白アルブミン、オボトランスフェリン、およびオボムコイド;食肉タンパク質、例えば、ミオシン、アクチン、トロポミオシン、コラーゲン、およびトロポニン;穀物タンパク質、例えば、カゼイン、α1カゼイン、α2カゼイン、βカゼイン、κカゼイン、βラクトグロブリン、αラクトグロブリン、グリシン、βコングリシニン、グルテリン、プロラミン、グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリン;ニワトリ筋タンパク質、例えば、アルブミン、エノラーゼ、クレアチンキナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アポリポタンパク質、オボトランスフェリン、ホスホグルコムターゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、ヘモグロビン、コフィリン、グリコーゲンホスホリラーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、アクチン、ミオシン、トロポミオシンα鎖、カゼインキナーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、アルドラーゼ、チューブリン、ビメンチン、エンドプラスミン、乳酸脱水素酵素、デストリン、トランスサイレチン、フルクトース二リン酸アルドラーゼ、炭酸脱水酵素、アルデヒド脱水素酵素、アネキシン、アデノシルホモシステイナーゼ;ブタ筋タンパク質、例えば、アクチン、ミオシン、エノラーゼ、タイチン、コフィリン、ホスホグリセリン酸キナーゼ、エノラーゼ、ピルビン酸脱水素酵素、グリコーゲンホスホリラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ミオキナーゼ;ならびに魚類タンパク質、例えば、パルブアルブミン、ピルビン酸脱水素酵素、デスミン、およびトリオースリン酸イソメラーゼから選択される。
一般に高品質アミノ酸の良好な源であると見なされる3つの天然タンパク質源は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質である。各源は、複数のタンパク質を含む。表1は、割合で表されるタンパク質源中の各アミノ酸を重量比で表示したものを示す(アミノ酸(g)/タンパク質(g))。
Figure 0007122141000001
表2は、各タンパク質源、すなわち、必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸(L、I、およびV)、ならびにロイシン(L)(単独)の重量比を表す。
Figure 0007122141000002
乳清のアミノ酸含有量を決定するために信頼できる情報源は、Belitz HD.,Grosch W.,and Schieberle P.Food Chemistry(4th Ed).Springer-Verlag,Berlin Heidelberg 2009、http://www.gnc.com/product/index.jsp?productId=2986027、http://www.nutrabio.com/Products/whey_protein_concentrate.htm、およびhttp://nutrabio.com/Products/whey_protein_isolate.htm.である。これらの情報源からのアミノ酸含有量の値を平均化して、表1および2に示される数値を得た。大豆タンパク質の情報源は、Egg,National Nutrient Database for Standard Reference,Release 24(http://ndb.nal.usda.gov/ndb/foods/list)である。大豆タンパク質の情報源は、Self Nutrition Data(http://nutritiondata.self.com/facts/legumes-and-legume-products/4389/2)である。
本明細書において使用される場合、「乳清タンパク質」または「乳清」は、表1および2に従うアミノ酸組成を含むタンパク質混合物を意味する。本明細書において使用される場合、乳清タンパク質は、49重量%の必須アミノ酸、24重量%の分枝鎖アミノ酸、および11重量%のロイシンを含む。
本明細書において使用される場合、「卵タンパク質」または「卵」は、表1および2に従うアミノ酸組成を含むタンパク質混合物を意味する。本明細書において使用される場合、卵タンパク質は、51重量%の必須アミノ酸、20重量%の分枝鎖アミノ酸、および9重量%のロイシンを含む。
本明細書において使用される場合、「大豆タンパク質」または「大豆」は、表1および2に従うアミノ酸組成を含むタンパク質混合物を意味する。本明細書において使用される場合、大豆タンパク質は、40重量%の必須アミノ酸、18重量%の分枝鎖アミノ酸、および8重量%のロイシンを含む。
本明細書におけるいくつかの例において、ポリペプチド、タンパク質または組成物内の特定の種類のアミノ酸(複数可)部分は、問題のポリペプチド、タンパク質、または組成物に存在するアミノ酸の全重量に対するその種類のアミノ酸(複数可)の重量比に基づいて定量化される。この値は、ポリペプチド、タンパク質、または組成物中の特定のアミノ酸(複数可)の重量を、ポリペプチド、タンパク質、または組成物に存在する全アミノ酸の重量で除すことによって計算される。
他の場合において、該当するポリペプチドまたはタンパク質中に存在するアミノ酸の合計数に対する、ポリペプチドまたはタンパク質中に存在する特定の種類のアミノ酸(複数可)残基の割合が用いられる。この値は、ポリペプチドまたはタンパク質の各分子中に存在する該当するアミノ酸(複数可)の数を、ポリペプチドまたはタンパク質の各分子中に存在するアミノ酸残基の合計数で除すことによって計算される。当業者は、これら2つの方法が互換性があり、ポリペプチドまたはタンパク質中に存在するある種類のアミノ酸(複数可)の重量比を特定の種類のアミノ酸残基(複数可)の割合に変換することができることを認識する。
本明細書における特定の実施形態において、乳清、卵、または大豆中の分枝鎖アミノ酸、ロイシン、および/または必須アミノ酸の重量比は、ポリペプチド、タンパク質、またはポリペプチドおよびタンパク質のうちの少なくとも1つを含む組成物のアミノ酸組成を測定するための基準として使用される。それらの実施形態において、2つの測定は完全に同等ではないことを理解されたいが、測定は、この目的に使用するのに十分に類似した測定値をもたらすこともまた理解されたい。例えば、目的とするタンパク質が、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合(乳清中に存在する分枝鎖アミノ酸残基の重量比)を有すると特徴づけられる場合、それは、タンパク質の分枝鎖アミノ酸含有量の正確な説明である。同時に、そのタンパク質中に存在する分枝鎖アミノ酸残基の重量比は、必ずしも正確に24%と等しくなくてもよい。たとえそうであっても、当業者は、これが有用な比較であることを理解する。目的とするタンパク質中に存在するアミノ酸残基の合計数とともに提供される場合、当業者は、目的とするタンパク質中の分枝鎖アミノ酸残基の重量比も決定することができる。
本明細書におけるいくつかの実施形態において、天然に存在する栄養タンパク質の断片が選択され、任意に単離される。いくつかの実施形態において、断片は、少なくとも25個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、断片は、少なくとも50個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、断片は、少なくとも25個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態において、断片は、少なくとも50個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態において、単離された組換え栄養タンパク質が提供される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、第1のポリペプチド配列を含み、第1のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の少なくとも25個または少なくとも50個のアミノ酸の断片を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、単離される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、組換え型である。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の少なくとも50個のアミノ酸の断片を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、単離された組換え栄養タンパク質である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の単離された組換え栄養タンパク質は、単離されていない形態および/または非組換え形態で提供される。
いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む第1のポリペプチド配列を含む。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、第1のポリペプチド配列からなる。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の断片からなる。
いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。よって、そのような実施形態において、栄養タンパク質は、24%、20%、および18%から選択される割合以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。よって、そのような実施形態において、栄養タンパク質は、11%、9%、および8%から選択される割合以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。よって、そのような実施形態において、栄養タンパク質は、49%、51%、および40%から選択される割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかのそのような実施形態において、栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列をさらに含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかのそのような実施形態において、栄養タンパク質は、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列をさらに含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、20%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および9%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかのそのような実施形態において、栄養タンパク質は、51%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列をさらに含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、18%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および8%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかのそのような実施形態において、栄養タンパク質は、40%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列をさらに含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、20%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および51%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、18%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、および40%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合、および49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、9%以上の全アミノ酸残基に対するLアミノ酸残基の割合、および51%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、8%以上の全アミノ酸残基に対するLアミノ酸残基の割合、および40%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含み、その第1のポリペプチド配列は、配列番号1~配列番号1000から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1~配列番号1000の修飾された誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1~配列番号1000のムテインから選択される。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合、および49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、その第1のポリペプチド配列は、配列番号1001~配列番号1414から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1001~配列番号1414の修飾された誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1001~配列番号1414のムテインから選択される。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含み、その第1のポリペプチド配列は、配列番号1415~配列番号1899から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1415~配列番号1899の修飾された誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1415~配列番号1899のムテインから選択される。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合および11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含み、その第1のポリペプチド配列は、配列番号1900~配列番号2102から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1900~配列番号2102の修飾された誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号1900~配列番号2102のムテインから選択される。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合および11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含み、その第1のポリペプチド配列は、配列番号2103~配列番号2518から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号2103~配列番号2518の修飾された誘導体から選択される。いくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、配列番号2103~配列番号2518のムテインから選択される。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合および49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合および49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含み、かつ全必須アミノ酸のうちの少なくとも1つを含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列は、11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1のポリペプチド配列を含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、第2のポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチド配列は、3~10、5~20、10~30、20~50、25~75、50~100、または100~200個のアミノ酸からなる。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質に由来しない。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチド配列は、親和性精製のためのタグ、タンパク質ドメインリンカー、およびプロテアーゼ認識部位から選択される。いくつかの実施形態において、親和性精製のためのタグは、ポリヒスチジンタグである。いくつかの実施形態において、タンパク質ドメインリンカーは、配列GGSGの少なくとも1つのコピーを含む。いくつかの実施形態において、プロテアーゼは、ペプシン、トリプシン、およびキモトリプシンから選択される。
いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質は、第1のポリペプチド配列および第2のポリペプチド配列からなる。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、天然に存在する栄養タンパク質の少なくとも25個または少なくとも50個のアミノ酸の断片を含む第3のポリペプチド配列をさらに含む。いくつかの実施形態において、第1および第3のポリペプチド配列は同じである。いくつかの実施形態において、第1および第3のポリペプチド配列は異なる。いくつかの実施形態において、第1および第3のポリペプチド配列は、同じ天然に存在する栄養タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、単離された組換え栄養タンパク質中の第1および第3のポリペプチド配列の順は、天然に存在する栄養タンパク質中の第1および第3のポリペプチド配列の順と同じである。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質中の第1および第3のポリペプチド配列の順は、天然に存在する栄養タンパク質中の第1および第3のポリペプチド配列の順と異なる。いくつかの実施形態において、第1および第3のポリペプチド配列は、異なる天然に存在する栄養タンパク質に由来する。いくつかの実施形態において、第2のポリペプチド配列は、第1および第3のポリペプチド配列に隣接している。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は天然に存在する栄養タンパク質の断片を含み、第1および/または第3のポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上である。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む第1および/または第3のポリペプチド配列を含み、第1および/または第3のポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合以上である。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む第1および/または第3のポリペプチド配列を含み、第1および/または第3のポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上である。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、天然に存在する栄養タンパク質の断片を含む第1および/または第3のポリペプチド配列を含み、第1および/または第3のポリペプチド配列に存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合以上であり、第1および/または第3のポリペプチド配列は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対するL残基の割合以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む。いくつかのそのような実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、乳清タンパク質、卵タンパク質、および大豆タンパク質のうちの少なくとも1つに存在する全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合をさらに含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、24%以上の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合および11%以上の全アミノ酸残基に対するL残基の割合を含む第1および/または第3のポリペプチド配列を含む。いくつかのそのような実施形態において、第1および/または第3のポリペプチド配列は、49%以上の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合をさらに含む。
いくつかの実施形態において、断片が由来する天然に存在する栄養タンパク質は、卵タンパク質、例えば、卵白アルブミン、オボトランスフェリン、およびオボムコイド;食肉タンパク質、例えば、ミオシン、アクチン、トロポミオシン、コラーゲン、およびトロポニン;乳タンパク質、例えば、乳清およびカゼイン;穀物タンパク質、例えば、カゼイン、α1カゼイン、α2カゼイン、βカゼイン、κカゼイン、βラクトグロブリン、αラクトグロブリン、グリシン、βコングリシニン、グルテリン、プロラミン、グリアジン、グルテニン、アルブミン、グロブリン;ニワトリ筋タンパク質、例えば、アルブミン、エノラーゼ、クレアチンキナーゼ、ホスホグリセリン酸ムターゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アポリポタンパク質、オボトランスフェリン、ホスホグルコムターゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、グリセロール-3-リン酸脱水素酵素、グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素、ヘモグロビン、コフィリン、グリコーゲンホスホリラーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、アクチン、ミオシン、トロポミオシンα鎖、カゼインキナーゼ、グリコーゲンホスホリラーゼ、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ、アルドラーゼ、チューブリン、ビメンチン、エンドプラスミン、乳酸脱水素酵素、デストリン、トランスサイレチン、フルクトース二リン酸アルドラーゼ、炭酸脱水酵素、アルデヒド脱水素酵素、アネキシン、アデノシルホモシステイナーゼ;ブタ筋タンパク質、例えば、アクチン、ミオシン、エノラーゼ、タイチン、コフィリン、ホスホグリセリン酸キナーゼ、エノラーゼ、ピルビン酸脱水素酵素、グリコーゲンホスホリラーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ミオキナーゼ;ならびに魚類タンパク質、例えば、パルブアルブミン、ピルビン酸脱水素酵素、デスミン、およびトリオースリン酸イソメラーゼから選択される少なくとも1つの栄養タンパク質以外の栄養タンパク質である。
フェニルケトン尿症(PKU)は、肝酵素フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)の遺伝子における変異を特徴とする常染色体劣性遺伝性代謝障害であり、その遺伝子を非機能性にする。この酵素は、フェニルアラニンを代謝してチロシンにするのに必要である。PAHの活性が低下すると、フェニルアラニンが蓄積してフェニルピルビン酸(フェニルケトンとしても知られる)に変換され、尿中で検出される。未治療の小児は、出生時は正常であるが、初期の重要な発育段階に到達することができず、小頭症を発症し、進行性大脳機能障害を示す。多動性、EEG異常および発作、ならびに学習障害が、後に起こる主な臨床上の問題である。皮膚、毛髪、汗、および尿の特徴的な臭い(フェニル酢酸の蓄積による)、ならびに色素沈着低下の傾向および湿疹も観察される。すべてのPKU患者は、Pheが少ない特別な食事を忠実に守らなければならない。したがって、少ない数のPhe残基を含むか、またはPhe残基を含まない栄養タンパク質が、PKU患者に望ましい。そのようなタンパク質は、Phe残基を少ししか有しないか、またはPhe残基を有しない本明細書において提供される栄養タンパク質を選択することによって得られ得る。したがって、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、5%、4%、3%、2%、または1%以下の全アミノ酸残基に対するPhe残基の割合を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、10個以下のPhe残基、9個以下のPhe残基、8個以下のPhe残基、7個以下のPhe残基、6個以下のPhe残基、5個以下のPhe残基、4個以下のPhe残基、3個以下のPhe残基、2個以下のPhe残基、1個のPhe残基を含むか、またはPhe残基を含まない。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、Phe残基を含まない。
アルギニンは、条件付き非必須アミノ酸であり、すなわち、大抵の場合、人体によって製造され得、食事によって直接得る必要はない。栄養不良の個体、高齢者、または特定の身体的条件(例えば、敗血症)を有する人々は、十分な量のアルギニンを生成しない場合があり、したがって、アルギニンを含有する食物の摂取量を増加させる必要がある。アルギニンは、創傷治癒時間の短縮(特に骨)、および血圧低下、特にハイリスク妊娠中の高血圧(子癇前症)の低下を含む、有益な健康特性を有すると考えられている。加えて、研究により、L-アルギニンの食事補給は、自然発生型の子宮内発育遅延を伴うブタの繁殖成績の向上、授乳中の仔ブタのタンパク質の沈着および出生後の発育の向上、ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおける血漿グルコース値の正常化、ズッカー糖尿病肥満(ZDF)ラットにおける体脂肪量の減少、および糖尿病ラットにおける血管機能の向上に有益であることが示されている。これらの利点を本明細書に開示される栄養タンパク質の少なくとも1つの有用性と組み合わせるために、本明細書に開示される栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、10%以上、11%以上、または12%以上の栄養タンパク質中の全アミノ酸残基に対するアルギニン残基の割合を含む。
消化率は、栄養タンパク質の栄養上の利点および有用性に関するパラメータである。消化の相対的完全性に関する情報は、ペプチドの生体利用能の予測因子としての役割を果たし得る(Daniel,H.,2003.Molecular and Integrative Physiology of Intestinal Peptide Transport.Annual Review of Physiology,Volume 66,pp.361-384)。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質は、それらの消化率を評価するためにスクリーニングされる。栄養タンパク質の消化率は、当技術分野で既知の任意の好適な方法によって評価され得る。いくつかの実施形態において、消化率は、タンパク質消化段階である模擬胃内消化および模擬腸内消化のうちの1段階または両方の段階を含む生理学的に関連性のあるインビトロ消化反応によって評価される(例えば、Moreno,et al.,2005.Stability of the major allergen Brazil nut 2S albumin(Ber e 1)to physiologically relevant in vitro gastrointestinal digestion.FEBS Journal,pp.341-352、Martos,G.,Contreras,P.,Molina,E.&Lopez-Fandino,R.,2010.Egg White Ovalbumin Digestion Mimicking Physiological Conditions.Journal of Agricultural and food chemistry,pp.5640-5648、Moreno,F.J.,Mackie,A.R.&Clare Mills,E.N.,2005.Phospholipid interactions protect the milk allergen a-Lactalbumin from proteolysis during in vitro digestion.Journal of agricultural and food chemistry,pp.9810-9816を参照されたい)。簡潔に、試験タンパク質は、模擬胃液(SGF)に120分間(90%の流動食が胃から小腸まで通過するのにかかる時間の長さ、Kong,F.&Singh,R.P.,2008.Disintegration of Solid Foods in Human Stomach.Journal of Food Science,pp.67-80を参照のこと)連続して曝露され、その後、模擬十二指腸液(SDF)に移されてさらに120分間消化する。異なる消化段階(例えば、2、5、15、30、60、および120分)の試料は、電気泳動(例えば、チップ電気泳動またはSDS-PAGE)によって分析され、任意の大きな消化断片(例えば、4kDa超)のサイズおよび量、ならびにインタクトなタンパク質をモニタリングする。経時的なタンパク質の消失は、アッセイにおけるタンパク質が消化される速度を示す。観察されるインタクトなタンパク質の量を経時的にモニタリングすることにより、SGFについて消化の半減期(τ1/2)が計算され、SGFによる処理後にインタクトなタンパク質が検出された場合、SIFの消化のτ1/2が計算される。このアッセイは、相対的な消化率(すなわち、乳清等の基準タンパク質に対する)を評価するため、または絶対的な消化率を評価するために使用することができる。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の消化率は、乳清タンパク質よりも高い(すなわち、SGFτ1/2および/またはSIFτ1/2は、乳清タンパク質よりも短い)。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、30分間以下、20分間以下、15分間以下、10分間以下、5分間以下、4分間以下、3分間以下、2分間以下、または1分間以下のSGFτ1/2を有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、30分間以下、20分間以下、15分間以下、10分間以下、5分間以下、4分間以下、3分間以下、2分間以下、または1分間以下のSIF τ1/2を有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2分、5分、15分、30分、60分、または120分まで、SGFアッセイおよびSIFアッセイのうちの一方または両方において検出不可能である。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、SGFおよびSIFの一方または両方において一定の速度および/または制御された速度で消化される。そのような実施形態において、栄養タンパク質の消化速度は、可能な限りの最速の消化速度に最適化されない場合がある。そのような実施形態では、SGFおよびSIFの一方または両方においてより迅速な初期速度で消化される同様のアミノ酸組成物の栄養タンパク質の場合と比べて、哺乳動物による経口摂取後のタンパク質の吸収速度は、より緩徐であり得、経口摂取後に吸収が生じる合計時間は、より長くあり得る。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、完全または実質的に完全にSGF中で消化される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、SGFによって実質的に消化されないか、または消化されず、多くのそのような実施形態において、タンパク質はSIF中で消化される。
消化プロテアーゼに耐性を示すタンパク質またはタンパク質の大きな断片は、アレルギー反応を引き起こすより高いリスクを有し得るため、タンパク質の消化率を評価することにより、タンパク質の潜在的なアレルゲン性についても理解することができる(Goodman,R.E. et al.,2008.Allergenicity assessment of genetically modified crops-what makes sense?Nature Biotechnology,pp.73-81)。チップ電気泳動分析には小さ過ぎるペプチドを検出および特定するために、液体クロマトグラフィーおよび質量分析法が用いられ得る。SGF試料において、ペプチドは、LC/MSによって直接的に検出および特定され得る。SIFによるタンパク質消化は、LC/MSによる検出および特定の前に胆汁酸を除去するために精製を必要とし得る。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の消化率は、タンパク質アミノ酸配列の消化性プロテアーゼ認識部位の特定および定量化によって評価される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、ペプシン認識部位、トリプシン認識部位、およびキモトリプシン認識部位から選択される少なくとも1つのプロテアーゼ認識部位を含む。
本明細書において使用される場合、「ペプシン認識部位」は、ペプシンによって切断されることが実験的に示されているポリペプチド配列中の任意の部位である。いくつかの実施形態において、これは、Phe、Trp、Tyr、Leu、Ala、Glu、およびGlnから選択されるアミノ酸残基の後の(すなわち、その下流の)ペプチド結合であるが、但し、それに続く残基が、Ala、Gly、およびValから選択されるアミノ酸残基ではないことを条件とする。
本明細書において使用される場合、「トリプシン認識部位」は、トリプシンによって切断されることが実験的に示されているポリペプチド配列中の任意の部位である。いくつかの実施形態において、これは、LysまたはArgから選択されるアミノ酸残基の後のペプチド結合であるが、但し、それに続く残基がプロリンではないことを条件とする。
本明細書において使用される場合、「キモトリプシン認識部位」は、キモトリプシンによって切断されることが実験的に示されているポリペプチド配列中の任意の部位である。いくつかの実施形態において、itは、Phe、Trp、Tyr、およびLeuから選択されるアミノ酸残基の後のペプチド結合である。
タンパク質中のジスルフィド結合したシステイン残基は、ジスルフィド結合が存在しない場合と比較してタンパク質の消化速度を低下させる傾向がある。例えば、タンパク質b-ラクトグロブリンの消化速度は、そのジスルフィド架橋が切断されるときに増加することが示されている(I.M.Reddy,N.K.D.Kella,and J.E.Kinsella.“Structural and Conformational Basis of the Resistance of B-Lactoglobulin to Peptic and Chymotryptic Digestion”.J.Agric.Food Chem.1988,36,737-741)。したがって、より少ないジスルフィド結合を有する栄養タンパク質の消化率は、より多くのジスルフィド結合を有する同等の栄養タンパク質よりも高い傾向がある。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質は、それぞれに存在するシステイン残基の数を特定するために、具体的には、比較的少ない数のシステイン残基を含む栄養タンパク質の選択を可能にするためにスクリーニングされる。例えば、Cys残基を含まないか、または比較的少ない数のCys残基、例えば、10個以下のCys残基、9個以下のCys残基、8個以下のCys残基、7個以下のCys残基、6個以下のCys残基、5個以下のCys残基、4個以下のCys残基、3個以下のCys残基、2個以下のCys残基、1個のCys残基を含むか、またはCys残基を含まない天然に存在する栄養タンパク質または断片が特定され得る。いくつかの実施形態において、天然に存在する栄養タンパク質またはその断片中の1つ以上のCys残基は、欠失により除去され、かつ/または別のアミノ酸との置換により除去される。いくつかの実施形態において、1個のCys残基が欠失もしくは置換されるか、1個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、2個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、3個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、4個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、5個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、6個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、7個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、8個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、9個以上のCys残基が欠失もしくは置換されるか、または10個以上のCys残基が欠失もしくは置換される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、5%、4%、3%、2%、または1%以下の全アミノ酸残基に対するCys残基の割合を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、10個以下のCys残基、9個以下のCys残基、8個以下のCys残基、7個以下のCys残基、6個以下のCys残基、5個以下のCys残基、4個以下のCys残基、3個以下のCys残基、2個以下のCys残基、1個のCys残基を含むか、またはCys残基を含まない。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、1個以下のCys残基を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、Cys残基を含まない。
あるいはまたは加えて、栄養タンパク質に存在するか、または存在し得るジスルフィド結合が除去され得る。ジスルフィドは、βメルカプトエタノール、ジチオスレイトール(DTT)、またはトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)等の還元剤でジスルフィドを2つのチオール基に還元することによって化学的方法を用いて除去され得る。その後、チオールは、ヨードアセトアミド、N-エチルマレイミド、または亜硫酸ナトリウム等の試薬で共有結合的に修飾されるか、または「キャッピング」され得る(例えば、Crankshaw,M.W. and Grant,G.A.2001.Modification of Cysteine.Current Protocols in Protein Science.15.1.1-15.1.18を参照されたい)。
真核生物タンパク質は、多くの場合、グリコシル化され、タンパク質に付着した炭水化物鎖は、様々な役割を果たす。N結合型およびO結合型グリコシル化は、タンパク質に生じるグリコシル化の最も一般的な2つの形態である。N結合型グリコシル化は、タンパク質のアミノ酸残基における糖分子の窒素原子への付着である。N結合型グリコシル化は、アスパラギンおよびアルギニン残基で生じる。O結合型グリコシル化は、タンパク質のアミノ酸残基における糖分子の酸素原子への付着である。O結合型グリコシル化は、トレオニンおよびセリン残基で生じる。
グリコシル化タンパク質は、多くの場合、非グリコシル化形態よりも可溶性が高い。タンパク薬物に関して、適切なグリコシル化は、通常、血液における高い活性、適切な抗原結合、さらなる安定性等を付与する。しかしながら、グリコシル化は、糖部分を「それと一緒に担持する」タンパク質を必然的に意味する。そのような糖部分は、組換え栄養タンパク質を含む本開示の栄養タンパク質の有用性を低下させ得る。例えば、実施例に示されるように、同一のタンパク質のグリコシル化形態と非グリコシル化形態の消化の比較は、非グリコシル化形態がグリコシル化形態よりも迅速に消化されることを示している。これらの理由から、いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質は、低グリコシル化を含むか、またはグリコシル化を含まない。例えば、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の全アミノ酸残基に対する非グリコシル化の割合を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、いずれのグリコシル化も含まない。
いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質は、生成された後または単離された後に脱グリコシル化される。低グリコシル化を含むか、またはグリコシル化を含まない栄養タンパク質は、当技術分野で既知の任意の方法によって作製され得る。例えば、酵素的および/または化学的方法が用いられ得る(Biochem.J. (2003)376,p339-350.)。酵素は、N結合型およびO結合型オリゴ糖の除去のために研究規模で商業的に生成される。化学的方法は、N結合型およびO結合型ペプチド-糖結合を選択的に破壊するためのトリフルオロメタンスルホン酸の使用を含む。この方法は、多くの場合、酵素的方法の使用よりもさらに完全な脱グリコシル化をもたらす。
他の実施形態において、低グリコシル化を有するか、またはグリコシル化を有しない本開示による栄養タンパク質は、宿主生物によって生成される。大抵の細菌および他の原核生物は、タンパク質、特に異種タンパク質をグリコシル化する能力が非常に限られている。したがって、本開示のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、組換えタンパク質のグリコシル化のレベルが低いかまたは全くグリコシル化されないように、微生物において組換えによって作製される。いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質のグリコシル化のレベルは、それが由来する生物において生じるようなタンパク質のグリコシル化のレベルよりも低い。
いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質またはポリペプチドは、20%以下、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、15%以下、14%以下、13%以下、12%以下、11%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、1%以下の全アミノ酸に対するAsn、Arg、Ser、およびThrから選択されるアミノ酸の割合を含む。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質またはポリペプチドは、Asn、Arg、Ser、およびThrから選択されるアミノ酸を含まない。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質またはポリペプチドは、20個未満、19個未満、18個未満、17個未満、16個未満、15個未満、14個未満、13個未満、12個未満、11個未満、10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満、5個未満、4個未満、3個未満、2個未満、1個未満のAsn、Arg、Ser、およびThrから選択されるアミノ酸を含むか、または含まない。
本明細書に開示の栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、溶解性である。溶解性は、当技術分野で既知の任意の方法によって測定され得る。いくつかの実施形態において、溶解性は、遠心分離濃縮によって試験され、その後、タンパク質濃度アッセイが続く。20mMのHEPES(pH7.5)中の栄養タンパク質の試料は、2つの方法、Coomassie Plus(Bradford)タンパク質アッセイ(Thermo Scientific)およびビシンコニン酸(BCA)タンパク質アッセイ(Sigma-Aldrich)を用いてプロトコルに従ってタンパク質濃度について試験される。これらの測定結果に基づいて、10mgのタンパク質がAmicon Ultra 3kDa遠心分離濾過器(Millipore)に添加される。試料は、10,000Xgで30分間の遠心分離によって濃縮される。こうして濃縮された最終的な試料は、沈殿したタンパク質について試験され、その後、上述の2つの方法、BradfordおよびBCAを用いてタンパク質濃度について試験される。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、生理学的pHで少なくとも5g/L、10g/L、20g/L、30g/L、40g/L、50g/L、または100g/Lの最終溶解限度を有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の溶解性は、50%を超えるか、60%を超えるか、70%を超えるか、80%を超えるか、90%を超えるか、95%を超えるか、96%を超えるか、97%を超えるか、98%を超えるか、99%を超えるか、または99.5%を超え、生理学的pHで5g/L、または10g/L、または20g/L、または30g/L、または40g/L、または50g/L、または100g/Lを超える濃度ではタンパク質の沈殿は観察されない。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の溶解性は、乳清(12.5g/L、Pelegrine et al.,Lebensm.-Wiss.U.-Technol.38(2005)77-80)および大豆(10g/L;Lee et al.,JAOCS 80(1)(2003)85-90)の溶解限度を試験する研究において典型的に報告される溶解性よりも高い。
本明細書において使用される場合、「安定した」タンパク質とは、目的とするタンパク質の生物物理学的(例えば、溶解性)、生物学的(例えば、消化率)、または組成的(例えば、ロイシンアミノ酸の割合)形質を変化させる変化(例えば、アンフォールディング、酸化、凝集、加水分解等)に抵抗するタンパク質である。
タンパク質の安定性は、当該技術分野で既知の種々のアッセイを用いて測定することができ、本明細書に開示の栄養タンパク質および閾値を上回る安定性を有する栄養タンパク質を選択することができる。いくつかの実施形態において、乳清タンパク質の熱安定性に匹敵するか、またはそれよりも良好な熱安定性を示すタンパク質が選択される。熱安定性は、栄養タンパク質の寿命を予測するのに役立ち得る特性である。アッセイのいくつかの実施形態において、栄養タンパク質試料の安定性は、極端な温度への曝露後にサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて凝集形成をモニタリングすることによって決定される。検査されるタンパク質の水性試料は、90℃の加熱ブロックに配置され、これらの試料は、0、1、5、10、30、および60分後にSEC分析のために採取される。タンパク質は、214nmで吸光度をモニタリングすることにより検出され、凝集体は、目的とするタンパク質よりも迅速に溶出するピークと見なされる。ピーク面積に全体的な変化が見られないことは、加熱処理中にタンパク質の沈殿がないことを示す。乳清タンパク質は、そのようなアッセイにおいて90℃に曝露されると約80%の凝集体を急速に形成することが示されている。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の熱安定性は、温度の上昇に伴ってタンパク質が変性するにつれて形成される凝集タンパク質に結合する疎水性色素(例えば、ProteoStat(登録商標)熱シフト安定性アッセイキット、Enzo Life Sciences)の存在下で、25℃から95℃まで緩徐に加熱することによって決定される(Niesen,F.H.,Berglund,H.&Vadadi,M.,2007.The use of differential scanning fluorimetry to detect ligand interactions that promote protein stability.Nature ProtocolsVolume 2,pp.2212-2221)。結合すると、色素の蛍光性が著しく増加し、これは、rtPCR機器によって記録され、タンパク質の溶融曲線で表される(Lavinder,J.J.,Hari,S.B.,Suillivan,B.J. &Magilery,T.J.,2009.High-Throughput Thermal Scanning:A General,Rapid Dye-Binding Thermal Shift Screen for Protein Engineering.Journal of the American Chemical Society,pp.3794-3795)。熱シフトが終了した後、試料は、不溶性沈殿物について試験され、分析的サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってさらに分析する。
いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、凝集に耐性を示し、例えば、高温(例えば50℃、60℃、70℃、80℃、85℃、90℃、または95℃)で80%未満の凝集、10%の凝集、または検出不可能な凝集を示す。
本明細書に開示の安定した栄養タンパク質の1つの利点は、いくつかの例において、冷蔵または冷却を必要とすることなく、使用前に長期間保存され得ることである。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、(例えば、凍結乾燥により)乾燥形態に加工される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、凍結乾燥時に安定的である。いくつかの実施形態において、そのような凍結乾燥させた栄養タンパク質は、再構成(例えば、液体製剤化)時に安定性を維持する。
多くの実施形態において、栄養タンパク質が不適切に高いアレルゲン性を示さないことが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の潜在的なアレルゲン性が評価される。これは、当技術分野で既知の任意の好適な方法によって行われ得る。いくつかの実施形態において、アレルゲン性スコアが計算される。アレルゲン性スコアは、タンパク質が任意の既知のアレルゲンとどの程度類似しているかを評価するためのWHOの推奨(http://www.fao.org/ag/agn/food/pdf/allergygm.pdf)に基づく一次配列に基づく評価基準であり、標的アレルゲンと既知のアレルゲンとの間の高い割合の同一性は、交差反応を示す可能性が高いことが主な仮説である。所与のタンパク質の場合、アレルギー応答を誘発する可能性は、配列相同性に基づく試験の相補的な対の一方または両方によって評価され得る。第1の試験は、BLOSUM50置換マトリックス、ギャップオープンペナルティ10、およびギャップ伸長ペナルティ2のFASTAアルゴリズムを用いて既知のアレルゲンのデータベースに対するグローバル-グローバル配列アライメントによって全配列にわたるタンパク質の同一性パーセントを決定する。50%未満のグローバル相同性を有するタンパク質がアレルゲン性である可能性が低いことが示唆されている(Goodman R.E. et al.Allergenicity assessment of genetically modified crops-what makes sense?Nat. Biotech.26,73-81(2008);Aalberse R.C. Structural biology of allergens.J. Allergy Clin.Immunol. 106,228-238(2000))。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、分析に用いられるデータベースにおける任意の既知のアレルゲンに対して50%未満の全体的相同性を有する。いくつかの実施形態において、40%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、30%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、20%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、10%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、40%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、30%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、20%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、10%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、5%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、0%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、分析に用いられるデータベースにおける任意の既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、50%~60%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、50%~70%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、50%~80%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、50%~90%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、55%~60%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、65%~70%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、70%~75%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、75%~80%のカットオフが用いられる。
第2の試験は、BLOSUM50置換マトリックス、ギャップオープンペナルティ10、およびギャップ伸長ペナルティ2のFASTAアルゴリズムを用いて、既知のアレルゲンのデータベースに対する各断片の全体的-局所的配列アライメントにより、すべての可能性のある連続した80個のアミノ酸断片の局所的アレルゲン性を決定することによってタンパク質配列に沿った局所的アレルゲン性を評価する。任意のアレルゲンを有する任意の80個のアミノ酸ウィンドウの最も高い同一性パーセントを、目的とするタンパク質の最終スコアとして採用する。WHOのガイドラインは、この断片試験には35%の同一性カットオフを用いることを提案している。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質のすべての可能性のある断片は、この試験を用いる分析に用いられるデータベースにおける任意の既知のアレルゲンに対して35%未満の局所的相同性を有する。いくつかの実施形態において、30%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、30%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、25%~30%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、20%~25%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、15%~20%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、10%~15%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、5%~10%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、0%~5%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%を超える相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~40%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、40%~45%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、45%~50%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、50%~55%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、55%~60%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、65%~70%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、70%~75%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、75%~80%の相同性のカットオフが用いられる。
当業者であれば、この目的のために既知のアレルゲンの好適なデータベースを特定および使用することができる。いくつかの実施形態において、データベースは、2つ以上のデータベースソースからタンパク質を選択することによってカスタムメイドされる。いくつかの実施形態において、カスタムデータベースは、Food Allergy Research and Resource Programによって収集された統合アレルゲンリスト(http://www.allergenonline.org/)、UNIPROT注釈(http://www.uniprot.org/docs/allergen)、およびStructural Database of Allergenic Proteins(SDAP、http://fermi.utmb.edu/SDAP/sdap_lnk.html)を含む。このデータベースは、International Union of Immunological Socieities(IUIS、http://www.allergen.org/)によって現在認識されているすべてのアレルゲン、ならびに正式に命名されていない多数のさらなるアレルゲンを含む。いくつかの実施形態において、データベースは、既知のデータベースにおいて利用可能な既知のアレルゲンタンパク質のサブセットを含み、すなわち、このデータベースは、カスタム選択された既知のアレルゲンタンパク質のサブセットである。いくつかの実施形態において、既知のアレルゲンのデータベースは、少なくとも10個のタンパク質、少なくとも20個のタンパク質、少なくとも30個のタンパク質、少なくとも40個のタンパク質、少なくとも50個のタンパク質、少なくとも100、個のタンパク質、少なくとも200個のタンパク質、少なくとも300個のタンパク質、少なくとも400個のタンパク質、少なくとも500個のタンパク質、少なくとも600個のタンパク質、少なくとも700個のタンパク質、少なくとも800個のタンパク質、少なくとも900個のタンパク質、少なくとも1,000個のタンパク質、少なくとも1,100個のタンパク質、少なくとも1,200個のタンパク質、少なくとも1,300個のタンパク質、少なくとも1,400個のタンパク質、少なくとも1,500個のタンパク質、少なくとも1,600個のタンパク質、少なくとも1,700個のタンパク質、少なくとも1,800個のタンパク質、少なくとも1,900個のタンパク質、または少なくとも2,000個のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、既知のアレルゲンのデータベースは、100~500個のタンパク質、200~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、または1,000~2,000個のタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の異なる長さの連続したアミノ酸ウィンドウ(例えば、70、60、50、40、30、20、10、8、または6個のアミノ酸ウィンドウ)のすべて(または選択されたサブセット)がアレルゲンデータベースに対して試験され、100%の同一性、95%以上の同一性、90%以上の同一性、85%以上の同一性、80%以上の同一性、75%以上の同一性、70%以上の同一性、65%以上の同一性、60%以上の同一性、55%以上の同一性、または50%以上の同一性一致を有するペプチド配列が潜在的なアレルゲン性のさらなる試験のために特定される。
タンパク質のアレルゲン性を予測する別の方法は、ヒト由来のタンパク質に対するタンパク質の相同性を評価することである。ヒト免疫システムは、多数の可能性のあるアレルゲン性タンパク質に定期的に曝露され、宿主の体のタンパク質と外因性タンパク質とを区別する固有の能力を有する。この能力の正確な性質は常に明確であるわけではなく、体が自身を非自身から区別することに失敗した結果として生じる多くの疾患が存在する(例えば、関節炎)。それにもかかわらず、基本的仮説は、ヒトタンパク質とある程度の配列相同性を共有するタンパク質が免疫応答を誘発する可能性が低いというものである。具体的には、既知のアレルゲンメンバー(トロポミオシン、パルブアルブミン、カゼイン)を有するいくつかのタンパク質ファミリーについて、既知のアレルゲンタンパク質と比較して、それらのヒト対応物に対してより高い配列相同性を有するこれらのタンパク質がアレルゲン性ではないと考えられることが示されている(Jenkins J.A.et al.Evolutionary distance from human homologs reflects allergenicity of animcal food proteins.J.Allergy Clin Immunol.120(2007):1399-1405)。所与のタンパク質の場合、ヒト相同性スコアは、BLOSUM50置換マトリックス、ギャップオープンペナルティ10、およびギャップ伸長ペナルティ2のFASTAアルゴリズムを用いて、全体的-局所的アラインメントからのヒトタンパク質のデータベース(例えば、UNIPROTデータベース)に対するタンパク質の最大同一性パーセントを決定することによって測定される。Jenkinsら(Jenkins J.A.et al.Evolutionary distance from human homologs reflects allergenicity of animal food proteins.J.Allergy Clin Immunol.120(2007):1399-1405)によると、約62%を超えるヒトタンパク質に対する配列同一性を有するタンパク質は、アレルゲン性である可能性が低い。当業者であれば、例えば、UNIPROTデータベース(http://www.uniprot.org)を検索することによって、この目的のために既知のヒトタンパク質の好適なデータベースを特定および使用することができる。いくつかの実施形態において、データベースは、2つ以上のデータベースソースからタンパク質を選択することによってカスタムメイドされる。言うまでもなく、データベースは包括的であり得るが、そうである必要はない。いくつかの実施形態において、データベースは、ヒトタンパク質のサブセットを含み、すなわち、このデータベースは、ヒトタンパク質のカスタム選択されたサブセットである。いくつかの実施形態において、ヒトタンパク質のデータベースは、少なくとも10個のタンパク質、少なくとも20個のタンパク質、少なくとも30個のタンパク質、少なくとも40個のタンパク質、少なくとも50個のタンパク質、少なくとも100、個のタンパク質、少なくとも200個のタンパク質、少なくとも300個のタンパク質、少なくとも400個のタンパク質、少なくとも500個のタンパク質、少なくとも600個のタンパク質、少なくとも700個のタンパク質、少なくとも800個のタンパク質、少なくとも900個のタンパク質、少なくとも1,000個のタンパク質、少なくとも2,000個のタンパク質、少なくとも3,000個のタンパク質、少なくとも4,000個のタンパク質、少なくとも5,000個のタンパク質、少なくとも6,000個のタンパク質、少なくとも7,000個のタンパク質、少なくとも8,000個のタンパク質、少なくとも9,000個のタンパク質、または少なくとも10,000個のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、データベースは、100~500個のタンパク質、200~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、1,000~2,000個のタンパク質、1,000~5,000個のタンパク質、または5,000~10,000個のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、データベースは、すべての既知のヒトタンパク質の少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%を含む。
栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、ヒトタンパク質と少なくとも20%相同である。いくつかの実施形態において、少なくとも30%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも40%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも50%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも60%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも70%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも80%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも62%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも20%の相同性~少なくとも30%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも30%の相同性~少なくとも40%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも50%の相同性~少なくとも60%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも60%の相同性~少なくとも70%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、少なくとも70%の相同性~少なくとも80%の相同性のカットオフが用いられる。
多くの実施形態において、栄養タンパク質が不適切に高い毒性を示さないことが好ましい。したがって、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の潜在的な毒性が評価される。これは、当技術分野で既知の任意の好適な方法によって行われ得る。いくつかの実施形態において、毒性スコアは、既知の毒性タンパク質(例えば、UNIPROTデータベースから特定された毒性タンパク質)のデータベースに対するタンパク質の同一性パーセントを決定することによって計算される。既知の毒素のデータベースに対する目的とするタンパク質の全体的-全体的アライメントは、BLOSUM50置換マトリックス、ギャップオープンペナルティ10、およびギャップ伸長ペナルティ2のFASTAアルゴリズムを用いて行われる。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、既知の毒素と35%未満相同である。いくつかの実施形態において、35%未満の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、30%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、25%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、20%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、15%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、10%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、5%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、0%~35%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%を超える相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~40%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~45%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~50%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~55%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~60%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~70%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~75%の相同性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~80%の相同性のカットオフが用いられる。当業者であれば、例えば、UNIPROTデータベース(http://www.uniprot.org)を検索することによって、この目的のために既知の毒素の好適なデータベースを特定および使用することができる。いくつかの実施形態において、データベースは、2つ以上のデータベースソースから毒素と特定されたタンパク質を選択することによってカスタムメイドされる。いくつかの実施形態において、データベースは、既知の毒性タンパク質のサブセットを含み、すなわち、このデータベースは、既知の毒性タンパク質のカスタム選択されたサブセットである。いくつかの実施形態において、毒性タンパク質のデータベースは、少なくとも10個のタンパク質、少なくとも20個のタンパク質、少なくとも30個のタンパク質、少なくとも40個のタンパク質、少なくとも50個のタンパク質、少なくとも100、タンパク質、少なくとも200個のタンパク質、少なくとも300個のタンパク質、少なくとも400個のタンパク質、少なくとも500個のタンパク質、少なくとも600個のタンパク質、少なくとも700個のタンパク質、少なくとも800個のタンパク質、少なくとも900個のタンパク質、少なくとも1,000個のタンパク質、少なくとも2,000個のタンパク質、少なくとも3,000個のタンパク質、少なくとも4,000個のタンパク質、少なくとも5,000個のタンパク質、少なくとも6,000個のタンパク質、少なくとも7,000個のタンパク質、少なくとも8,000個のタンパク質、少なくとも9,000個のタンパク質、または少なくとも10,000個のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、データベースは、100~500個のタンパク質、200~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、1,000~2,000個のタンパク質、1,000~5,000個のタンパク質、または5,000~10,000個のタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質が抗栄養活性(「抗栄養性(anti-nutricity)」)(すなわち、食物からの栄養素の吸収を妨げる可能性があるタンパク質)を示さないことが好ましい。抗栄養因子の例として、トリプシン、ペプシン、および他の腸内プロテアーゼの活性を阻害し、タンパク質の消化およびその後の吸収を妨げるプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。したがって、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質の潜在的な抗栄養性が評価される。これは、当技術分野で既知の任意の好適な方法によって行われ得る。いくつかの実施形態において、抗栄養性スコアは、既知のプロテアーゼ阻害剤(例えば、UNIPROTデータベースから特定されたプロテアーゼ阻害剤)のデータベースに対するタンパク質の同一性パーセントを決定することによって計算される。栄養タンパク質が既知の抗栄養タンパク質に相同であるかを特定するために、既知のプロテアーゼ阻害剤のデータベースに対する目的とするタンパク質の全体的-全体的アライメントは、BLOSUM50置換マトリックス、ギャップオープンペナルティ10、およびギャップ伸長ペナルティ2のFASTAアルゴリズムを用いて行われる。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、分析に用いられるデータベースにおける任意の既知の抗栄養タンパク質(例えば、任意の既知のプロテアーゼ阻害剤)に対して35%未満の全体的相同性を有する。いくつかの実施形態において、35%未満の同一性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、30%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、25%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、20%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、15%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、10%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、5%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、0%~35%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%を超える同一性のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~40%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~45%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~50%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~55%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~60%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~70%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~75%のカットオフが用いられる。いくつかの実施形態において、35%~80%のカットオフが用いられる。当業者であれば、例えば、UNIPROTデータベース(http://www.uniprot.org)を検索することによって、この目的のために既知のプロテアーゼ阻害剤の好適なデータベースを特定および使用することができる。いくつかの実施形態において、データベースは、2つ以上のデータベースソースからプロテアーゼ阻害剤と特定されたタンパク質を選択することによってカスタムメイドされる。いくつかの実施形態において、データベースは、データベースにおいて利用可能な既知のプロテアーゼ阻害剤のサブセットを含み、すなわち、このデータベースは、既知のプロテアーゼ阻害剤タンパク質のカスタム選択されたサブセットである。いくつかの実施形態において、既知のプロテアーゼ阻害剤タンパク質のデータベースは、少なくとも10個のタンパク質、少なくとも20個のタンパク質、少なくとも30個のタンパク質、少なくとも40個のタンパク質、少なくとも50個のタンパク質、少なくとも100、タンパク質、少なくとも200個のタンパク質、少なくとも300個のタンパク質、少なくとも400個のタンパク質、少なくとも500個のタンパク質、少なくとも600個のタンパク質、少なくとも700個のタンパク質、少なくとも800個のタンパク質、少なくとも900個のタンパク質、少なくとも1,000個のタンパク質、少なくとも1,100個のタンパク質、少なくとも1,200個のタンパク質、少なくとも1,300個のタンパク質、少なくとも1,400個のタンパク質、少なくとも1,500個のタンパク質、少なくとも1,600個のタンパク質、少なくとも1,700個のタンパク質、少なくとも1,800個のタンパク質、少なくとも1,900個のタンパク質、または少なくとも2,000個のタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、既知のプロテアーゼ阻害剤タンパク質のデータベースは、100~500個のタンパク質、200~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、500~1,000個のタンパク質、または1,000~2,000個のタンパク質、または2,000~3,000個のタンパク質を含む。
他の実施形態において、ある程度のプロテアーゼ阻害剤活性を示す栄養タンパク質が用いられる。例えば、いくつかの実施形態において、そのようなタンパク質は、栄養タンパク質が摂取されると、栄養タンパク質が消化される前に消化管内でより長い距離を横切り、したがって吸収を遅らせるようにプロテアーゼ消化を遅らせるため、そのようなタンパク質が有用である場合がある。例えば、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、胃内消化を阻害するが、腸内消化は阻害しない。
Delaney B.ら(Evaluation of protein safety in the context of agricultural biotechnology.Food.Chem.Toxicol.46(2008:S71-S97))は、可能性のある食物タンパク質の安全性を評価する際に、既知の毒性タンパク質および抗栄養タンパク質を両方ともに避けるべきであると提案している。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、本明細書において定義されるように、既知の毒性タンパク質のデータベースに対して好ましく低いレベルの全体的相同性を有し、かつ/または既知の抗栄養タンパク質(例えば、プロテアーゼ阻害剤)のデータベースに対して好ましく低いレベルの全体的相同性を有する。
栄養タンパク質の有用性を高めることができる1つの特徴は、その電荷(またはアミノ酸当たりの電荷)である。より高い電荷を有する栄養タンパク質は、いくつかの実施形態において、溶解性の増加、安定性の増加、抗凝集性、および望ましい味覚プロファイル等の望ましい特徴を呈することができる。例えば、高い溶解性を示す荷電栄養タンパク質は、比較的少ない体積の溶液中に高濃度の栄養タンパク質を含む飲料または液体製剤に配合することができるため、単位体積につき大量のタンパク質栄養を送達する。高い溶解性を示す荷電栄養タンパク質は、例えば、使用者(例えば、運動選手)が身体的活動の前、最中、または後に栄養タンパク質を経口摂取したいと所望する場合、スポーツ飲料または回復飲料において有用であり得る。高い溶解性を示す荷電栄養タンパク質は、対象(例えば、患者または高齢者)がタンパク栄養を必要としているが、固形食または大量の液体を経口摂取することができない臨床設定においても特に有用であり得る。
例えば、pH7のポリペプチドの正味電荷(電荷P)は、以下の式を用いて計算することができる:
電荷P=-0.002-(C)(0.045)-(D)(0.999)-(E)(0.998)+(H)(0.091)+(K)(1.0)+(R)(1.0)-(Y)(-0.001)
式中、Cは、ポリペプチド中のシステイン残基の数であり、Dは、アスパラギン酸残基であり、Eは、グルタミン酸残基の数であり、Hは、ヒスチジン残基の数であり、Kは、リジン残基の数であり、Rは、アルギニン残基の数であり、Yは、チロシン残基の数である。ポリペプチドのアミノ酸当たりの電荷(電荷A)は、正味電荷(電荷P)をアミノ酸残基の数(N)で除すことによって計算することができ、すなわち、電荷A=電荷P/Nである。(Bassi S(2007),“A Primer on Python for Life Science Researchers.”PLoS Comput Biol 3(11):e199.doi:10.1371/journal.pcbi.0030199を参照のこと)。
所与のタンパク質の親水性および潜在的溶解性を評価するための1つの測定基準は、溶媒和スコアである。溶媒和スコアは、各残基を独立して溶媒和させた場合のすべてのアミノ酸側鎖の溶媒和の全自由エネルギー(すなわち、気相から希薄溶液への移行に関連した自由エネルギーの変化)を、配列中の残基の総数によって正規化したものとして定義される。側鎖溶媒和の自由エネルギーは、真空の誘電率1と水の誘電率80との間の静電エネルギーの差を計算することによって(ポアソン・ボルツマン方程式を解くことによって)、かつ線形溶媒露出表面積モデルを用いて非極性のファンデルワールスエネルギーを計算することによって計算的に見出される(D.Sitkoff,K.A.Sharp,B.Honig.“Accurate Calculation of Hydration Free Energies Using Macroscopic Solvent Models”.J.Phys.Chem.98,1994)。イオン化可能な側鎖を有するアミノ酸(Arg、Asp、Cys、Glu、His、Lys、およびTyr)の場合、平均溶媒和自由エネルギーは、指定されたpHでの各イオン化状態の相対的確率に基づいて用いられる。溶媒和スコアは、0から始まり負の値に続き、溶媒和スコアがよりマイナスであるほど、タンパク質はより親水性であり、潜在的に可溶性であると予測される。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-10以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-15以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-20以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-25以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-30以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-35以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、pH7で-40以下の溶媒和スコアを有する。
溶媒和スコアは、以下のヘンダーソン・ハッセルバルヒ式によって定義されるように、共役塩基([A-])に対する非解離弱酸([HA])のモル比のpH依存性に基づくpHの関数である:
Figure 0007122141000003
すべての弱酸は、それらの共役塩基と比較して異なる溶媒和自由エネルギーを有し、所与のpHで溶媒和スコアを計算する際に所与の残基に用いられる溶媒和自由エネルギーは、これら2つの値の加重平均である。
したがって、栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-10以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-15以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-20以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-25以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-30以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-35以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、酸性pHで-40以下の溶媒和スコアを有する。
したがって、栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-10以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-15以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-20以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-25以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-30以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-35以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、塩基性pHで-40以下の溶媒和スコアを有する。
したがって、栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-10以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-15以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-20以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-25以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-30以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-35以下の溶媒和スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2~3、3~4、4~5、5~6、6~7、7~8、8~9、9~10、10~11、および11~12から選択されるpH範囲で-40以下の溶媒和スコアを有する。
凝集スコアは、所与のタンパク質の疎水性および凝集の可能性を評価するための一次配列に基づく測定基準である。疎水性残基に正の値を与え、親水性残基に負の値を与えるKyte-Doolittle疎水性スケール(Kyte J,Doolittle RF(May 1982)“A simple method for displaying the hydropathic character of a protein”.J. Mol. Biol. 157(1):105-32)を用いて、タンパク質配列の平均疎水性は、5個の残基の移動平均を用いて計算される。凝集スコアは、ゼロを超える値の曲線下面積を決定し、タンパク質の全長によって正規化することによって得られたプロットから導き出される。根底にある仮説は、2つ以上の疎水性パッチが一体となって水を排除して表面露出を減少させた結果が凝集であるというものであり、タンパク質が凝集する可能性は、その疎水性(すなわち、凝集を起こしやすい)残基がどの程度密に密集しているかの関数である。凝集スコアは、0から始まり正の値に続き、凝集スコアが小さいほど、タンパク質の疎水性はより低く、潜在的に凝集を起こしにくいと予測される。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、2以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、1.5以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、1以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.9以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.8以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.7以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.6以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.5以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.4以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.3以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.2以下の凝集スコアを有する。栄養タンパク質のいくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.1以下の凝集スコアを有する。
場合によっては、栄養タンパク質の量および/または収率を増加させ、栄養タンパク質の単離および精製のうちの1つ以上を促進することができるため、可溶性発現が望ましい。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、宿主生物において可溶的に発現される。溶媒和スコアおよび凝集スコアを用いて、宿主生物における組換え栄養タンパク質の可溶性発現を予測することができる。実施例8に示されるように、本開示は、-20以下の溶媒和スコアおよび0.75以下の凝集スコアの栄養タンパク質が特定の大腸菌発現系において組換え的に発現される可能性が高いことを示す証拠を提供する。さらに、このデータは、-20以下の溶媒和スコアおよび0.5以下の凝集スコアを有する栄養タンパク質がこの系において可溶的に発現される可能性が高いことを示す。したがって、いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、-20以下の溶媒和スコアを有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.75以下の凝集スコアを有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、0.5以下の凝集スコアを有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、-20以下の溶媒和スコアおよび0.75以下の凝集スコアを有する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、-20以下の溶媒和スコアおよび0.5以下の凝集スコアを有する。
ある特定の遊離アミノ酸および遊離アミノ酸の混合物は、苦味、またはさもなければ不快な味を有することで知られている。加えて、一般的なタンパク質(例えば、乳清および大豆)の加水分解物は、多くの場合、苦味または不快な味を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される栄養タンパク質は、苦いか、または不快な味を有しない。いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される栄養タンパク質は、遊離アミノ酸、遊離アミノ酸の混合物、および/またはタンパク質加水分解物のうちの少なくとも1つと比較して、より許容できる味を有する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される栄養タンパク質は、乳清タンパク質のうちの少なくとも1つの味と同等であるか、またはそれに勝る味を有する。
タンパク質は、甘味、酸味、苦味、塩味、および旨味の確立された5つの味覚モダリティを有することで知られている。特定のタンパク質の味(またはその欠如)は、タンパク質の一次構造、荷電側鎖の存在、ならびに電子および立体構造特性を含むいくつかの要因に起因し得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示および記載される栄養タンパク質は、望ましい味(例えば、甘味、塩味、旨味)を有し、かつ/または望ましくない味(例えば、苦味、酸味)を有しないように設計される。この文脈において、「設計」は、例えば、望ましい味覚特性を実現する特徴を具現化する天然に存在するタンパク質を選択すること、ならびに望ましい味覚特性を有する天然に存在するタンパク質のムテインを作成することを含む。例えば、栄養タンパク質は、甘味受容体(T1R2-T1R3ヘテロ二量体)または旨味受容体(T1R1-T1R3ヘテロ二量体、mGluR4、および/もしくはmGluR1)等の特定の味覚受容体と相互作用するように設計され得る。さらに、栄養タンパク質は、苦味受容体(T2R受容体)等の他の味覚受容体と相互作用しないか、または相互作用の低下を有するように設計されてもよい。
本明細書に開示および記載される栄養タンパク質は、口内に「食感」と称されることもある異なる身体的感覚を引き出すこともできる。栄養タンパク質の食感は、タンパク質の一次構造、荷電側鎖の存在、ならびに電子および立体構造特性を含む1つ以上の要因に起因し得る。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、経口摂取されると、バターまたは脂肪のような食感を引き出す。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、20~5,000個のアミノ酸、20~2,000個のアミノ酸、20~1,000個のアミノ酸、20~500個のアミノ酸、20~250個のアミノ酸、20~200個のアミノ酸、20~150個のアミノ酸、20~100個のアミノ酸、20~40個のアミノ酸、30~50個のアミノ酸、40~60個のアミノ酸、50~70個のアミノ酸、60~80個のアミノ酸、70~90個のアミノ酸、80~100個のアミノ酸、少なくとも25個のアミノ酸、少なくとも30個のアミノ酸、少なくとも35個のアミノ酸、少なくとも40個のアミノ酸、少なくとも45個のアミノ酸、少なくとも50個のアミノ酸、少なくとも55個のアミノ酸、少なくとも60個のアミノ酸、少なくとも65個のアミノ酸、少なくとも70個のアミノ酸、少なくとも75個のアミノ酸、少なくとも80個のアミノ酸、少なくとも85個のアミノ酸、少なくとも90個のアミノ酸、少なくとも95個のアミノ酸、少なくとも100個のアミノ酸、少なくとも105個のアミノ酸、少なくとも110個のアミノ酸、少なくとも115個のアミノ酸、少なくとも120個のアミノ酸、少なくとも125個のアミノ酸、少なくとも130個のアミノ酸、少なくとも135個のアミノ酸、少なくとも140個のアミノ酸、少なくとも145個のアミノ酸、少なくとも150個のアミノ酸、少なくとも155個のアミノ酸、少なくとも160個のアミノ酸、少なくとも165個のアミノ酸、少なくとも170個のアミノ酸、少なくとも175個のアミノ酸、少なくとも180個のアミノ酸、少なくとも185個のアミノ酸、少なくとも190個のアミノ酸、少なくとも195個のアミノ酸、少なくとも200個のアミノ酸、少なくとも205個のアミノ酸、少なくとも210個のアミノ酸、少なくとも215個のアミノ酸、少なくとも220個のアミノ酸、少なくとも225個のアミノ酸、少なくとも230個のアミノ酸、少なくとも235個のアミノ酸、少なくとも240個のアミノ酸、少なくとも245個のアミノ酸、または少なくとも250個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、20~5,000個のアミノ酸、20~2,000個のアミノ酸、20~1,000個のアミノ酸、20~500個のアミノ酸、20~250個のアミノ酸、20~200個のアミノ酸、20~150個のアミノ酸、20~100個のアミノ酸、20~40個のアミノ酸、30~50個のアミノ酸、40~60個のアミノ酸、50~70個のアミノ酸、60~80個のアミノ酸、70~90個のアミノ酸、80~100個のアミノ酸、少なくとも25個のアミノ酸、少なくとも30個のアミノ酸、少なくとも35個のアミノ酸、少なくとも40個のアミノ酸、少なくとも2455個のアミノ酸、少なくとも50個のアミノ酸、少なくとも55個のアミノ酸、少なくとも60個のアミノ酸、少なくとも65個のアミノ酸、少なくとも70個のアミノ酸、少なくとも75個のアミノ酸、少なくとも80個のアミノ酸、少なくとも85個のアミノ酸、少なくとも90個のアミノ酸、少なくとも95個のアミノ酸、少なくとも100個のアミノ酸、少なくとも105個のアミノ酸、少なくとも110個のアミノ酸、少なくとも115個のアミノ酸、少なくとも120個のアミノ酸、少なくとも125個のアミノ酸、少なくとも130個のアミノ酸、少なくとも135個のアミノ酸、少なくとも140個のアミノ酸、少なくとも145個のアミノ酸、少なくとも150個のアミノ酸、少なくとも155個のアミノ酸、少なくとも160個のアミノ酸、少なくとも165個のアミノ酸、少なくとも170個のアミノ酸、少なくとも175個のアミノ酸、少なくとも180個のアミノ酸、少なくとも185個のアミノ酸、少なくとも190個のアミノ酸、少なくとも195個のアミノ酸、少なくとも200個のアミノ酸、少なくとも205個のアミノ酸、少なくとも210個のアミノ酸、少なくとも215個のアミノ酸、少なくとも220個のアミノ酸、少なくとも225個のアミノ酸、少なくとも230個のアミノ酸、少なくとも235個のアミノ酸、少なくとも240個のアミノ酸、少なくとも245個のアミノ酸、または少なくとも250個のアミノ酸からなる。
B.核酸
栄養ポリペプチドまたはタンパク質をコードする核酸も本明細書において提供される。いくつかの実施形態において、核酸は、単離される。いくつかの実施形態において、核酸は、精製される。
核酸のいくつかの実施形態において、核酸は、上記の項Aに開示の第1のポリペプチド配列をコードする核酸配列を含む。核酸のいくつかの実施形態において、核酸は、上記の項Aに開示の第1のポリペプチド配列をコードする核酸配列からなる。核酸のいくつかの実施形態において、核酸は、上記の項Aに開示の栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む。核酸のいくつかの実施形態において、核酸は、上記の項Aに開示の栄養タンパク質をコードする核酸配列からなる。核酸のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列をコードする核酸配列は、少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結される。例えば、核酸のいくつかの実施形態において、第1のポリペプチド配列をコードする核酸配列は、以下の項Dに記載のプロモーター等のプロモーターに作動可能に連結される。
したがって、いくつかの実施形態において、本開示の核酸分子は、それ自体が栄養ポリペプチドまたはタンパク質であるポリペプチドまたはタンパク質をコードする。そのような核酸分子は、「栄養核酸」と称され得る。いくつかの実施形態において、栄養核酸は、それ自体、a)少なくとも24%の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基の割合、b)少なくとも11%の全アミノ酸残基に対するLeu残基の割合、およびc)少なくとも49%の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基の割合のうちの少なくとも1つを含むポリペプチドまたはタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、栄養核酸は、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも30個のヌクレオチド、少なくとも40個のヌクレオチド、少なくとも50個のヌクレオチド、少なくとも60個のヌクレオチド、少なくとも70個のヌクレオチド、少なくとも80個のヌクレオチド、少なくとも90個のヌクレオチド、少なくとも100個のヌクレオチド、少なくとも200個のヌクレオチド、少なくとも300個のヌクレオチド、少なくとも400個のヌクレオチド、少なくとも500個のヌクレオチド、少なくとも600個のヌクレオチド、少なくとも700個のヌクレオチド、少なくとも800個のヌクレオチド、少なくとも900個のヌクレオチド、少なくとも1,000個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、栄養核酸は、10~100個のヌクレオチド、20~100個のヌクレオチド、10~50個のヌクレオチド、または20~40個のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、栄養核酸は、天然に存在する栄養ポリペプチドまたはタンパク質をコードするオープンリーディングフレームのすべてまたは一部を含む。いくつかの実施形態において、栄養核酸は、天然に存在する栄養タンパク質の断片をコードするオープンリーディングフレームからなり、このオープンリーディングフレームは、完全な天然に存在する栄養タンパク質をコードしない。
いくつかの実施形態において、栄養核酸は、cDNAである。
いくつかの実施形態において、天然に存在する栄養核酸と少なくとも50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または99.9%同一の配列を含む核酸分子が提供される。いくつかの実施形態において、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で少なくとも1つの参照栄養核酸とハイブリダイズする核酸が提供される。
本開示において提供される栄養核酸およびその断片は、様々なシステムおよび方法において有用性を示す。例えば、この断片は、種々のハイブリダイゼーション技術においてプローブとして用いられ得る。方法に応じて、標的核酸配列は、DNAまたはRNAのいずれかであり得る。標的核酸配列は、ハイブリダイゼーションの前に(例えば、ゲル電気泳動によって)分画され得るか、またはハイブリダイゼーションは、インサイツで試料に対して行われ得る。当業者であれば、既知の配列の核酸プローブが染色体構造の決定(例えば、サザンブロット法による)および遺伝子発現の測定(例えば、ノーザンブロット法による)に有用性を見出すことを理解する。そのような実験において、配列断片は、標的配列に対するそれらの特異的ハイブリダイゼーションが検出され、任意に定量化され得るように、好ましくは検出可能に標識される。当業者であれば、本開示の核酸断片が本明細書において具体的に記載されていない多種多様のブロット法において用いられ得ることを理解する。
本明細書に開示される核酸配列断片が、マイクロアレイに固定されるときにプローブとしての有用性も見出すことも理解されたい。支持基板上での核酸の沈殿および固定によってマイクロアレイを作成するための方法は、当技術分野で周知である。DNA Microarrays:A Practical Approach(Practical Approach Series),Schena(ed.),Oxford University Press(1999)(ISBN:0199637768)、Nature Genet.21(1)(suppl):1-60(1999)、Microarray Biochip:Tools and Technology,Schena(ed.),Eaton Publishing Company/BioTechniques Books Division(2000)(ISBN:1881299376)に概説されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。例えば、本明細書に開示の核酸配列断片等の核酸配列断片を含むマイクロアレイを用いた遺伝子発現の分析は、細胞生物学および分子生物学の分野において配列断片の有用性が十分に確立されている。マイクロアレイに固定された配列断片の他の使用法は、Gerhold et al.,Trends Biochem.Sci. 24:168-173(1999)and Zweiger,Trends Biotechnol.17:429-436(1999)、DNA Microarrays:A Practical Approach(Practical Approach Series),Schena(ed.),Oxford University Press(1999)(ISBN:0199637768)、Nature Genet.21(1)(suppl):1-60(1999)、Microarray Biochip:Tools and Technology,Schena(ed.),Eaton Publishing Company/BioTechniques Books Division(2000)(ISBN:1881299376)に記載されている。
C.ベクター
本明細書でさらに記載されるように、本明細書に開示の核酸分子のうちの少なくとも1つを含む発現ベクターを含むベクターも提供される。いくつかの実施形態において、ベクターは、本明細書に開示の栄養タンパク質をコードする少なくとも1つの単離された核酸分子を含む。代替の実施形態において、ベクターは、1つ以上の発現制御配列に作動的に連結された核酸分子を含む。したがって、ベクターは、組換え微生物宿主細胞において少なくとも1つの組換えタンパク質を発現させるために用いられ得る。
微生物における核酸の発現に好適なベクターは、当技術分野で周知である。シアノバクテリアにおける使用に好適なベクターは、例えば、Heidorn et al.,“Synthetic Biology in Cyanobacteria:Engineering and Analyzing Novel Functions,”Methods in Enzymology,Vol.497,Ch.24(2011)に記載されている。本明細書に開示のシアノバクテリアの操作に用いられ得る例示の複製ベクターには、pPMQAK1、pSL1211、pFC1、pSB2A、pSCR119/202、pSUN119/202、pRL2697、pRL25C、pRL1050、pSG111M、およびpPBH201が含まれる。
本明細書に開示の核酸配列を受容することができるpJB161等の他のベクターも用いられ得る。pJB161等のベクターは、ある特定の光合成微生物に内在するプラスミド(例えば、ある特定のシネココッカス属のプラスミドpAQ1、pAQ3、およびpAQ4)に存在する配列と相同な配列を含む。そのようなベクターの例およびそれらの使用法は、当技術分野で既知であり、例えば、Xu et al.,“Expression of Genes in Cyanobacteria:Adaptation of Endogenous Plasmids as Platforms for High-Level Gene Expression in Synechococcus sp.PCC 7002,”Chapter 21 in Robert Carpentier(ed.),“Photosynthesis Research Protocols,”Methods in Molecular Biology,Vol.684,2011において提供されており、参照により本明細書に組み込まれる。インビボでのpJB161と内因性プラスミドとの組換えは、それらの内因性プラスミドから目的とする遺伝子を発現する操作された微生物を生じさせる。あるいは、ベクターを操作して、宿主細胞染色体と組換えることができるか、またはベクターを操作して、宿主細胞染色体もしくは宿主細胞の内因性プラスミドのいずれからも独立した目的とする遺伝子を複製および発現することができる。
組換えタンパク質の生成に好適なベクターのさらなる例は、pET系(Novagen(登録商標))である。この系は、大腸菌および他の微生物で用いるために広範囲にわたって特徴付けられている。この系において、標的遺伝子が、強力なバクテリオファージT7転写および(任意に)翻訳シグナルの制御下でpETプラスミド中にクローニングされ、発現は、宿主細胞中にT7RNAポリメラーゼの源を提供することによって誘導される。T7RNAポリメラーゼは、非常に選択的かつ活性であるため、完全に誘導されると、ほぼすべての微生物の源が標的遺伝子発現に変換され、所望の生成物は、誘導の数時間後に全細胞タンパク質の50%超を含み得る。単にインデューサーの濃度を低下させることによって発現レベルを減弱させることも可能である。発現レベルの減少は、いくつかの標的タンパク質の可溶性収率を向上させ得る。いくつかの実施形態において、この系は、転写的にサイレントな非誘導性状態での標的遺伝子の維持も可能にする。
この系を用いたいくつかの実施形態において、標的遺伝子は、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を含有しない宿主を用いてクローニングされ、それ故に、潜在的に宿主細胞に毒性を示すタンパク質の生成に起因するプラスミドの不安定性に関連した潜在的な問題を軽減する。一旦非発現宿主中に確立されると、λ pLおよびpIプロモーターの制御下でT7 RNA ポリメラーゼ遺伝子を担持するファージであるλCE6を用いて宿主を感染させることによって、またはlacUV5の制御下でT7RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを含有する発現宿主にプラスミドを導入することによって、標的タンパク質の発現を開始させることができる。第2の場合において、細菌培養にIPTGまたはラクトースを添加することによって、または自己誘導培地を用いることによって発現を誘導する。lacオペレーターによって制御されるが、T7RNAポリメラーゼ遺伝子を必要とせず、大腸菌の天然RNAポリメラーゼに依存する他のプラスミド系には、pTrcプラスミドのスイート(Invitrogen)またはpQEプラスミドのスイート(QIAGEN)が含まれる。
他の実施形態において、発現宿主に直接クローニングすることが可能である。2種類のT7プロモーターおよび基礎発現レベルを抑制するストリンジェンシーが異なるいくつかの宿主が利用可能であり、高い柔軟性および多種多様の標的遺伝子の発現を最適化する能力を提供する。
哺乳類細胞における核酸の発現に好適なベクターは、典型的には、ウイルス調節要素によって提供される制御機能を含む。例えば、一般に用いられるプロモーターは、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サイトメガウイルス、またはサルウイルス40に由来する。
D.プロモーター
本明細書に記載の組換え遺伝子の発現に有用なプロモーターは、構成的プロモーターと誘導性/抑制性プロモーターの両方を含む。誘導性/抑制性プロモーターの例として、ニッケル誘導性プロモーター(例えば、PnrsA、PnrsB:例えば、Lopez-Mauy et al.,Cell(2002)v.43:247-256を参照のこと)およびPnirA等の尿素抑制性プロモーター(例えば、Qi et al.,Applied and Environmental Microbiology(2005)v.71:5678-5684に記載のもの)が挙げられる。誘導性/抑制性プロモーターのさらなる例として、PnirA(硝酸によって誘導され、尿素によって抑制される、nirA遺伝子の発現を駆動するプロモーター)およびPsuf(鉄ストレスによって誘導される、sufB遺伝子の発現を駆動するプロモーター)が挙げられる。構成的プロモーターの例として、Pcpc(cpcオペロンの発現を駆動するプロモーター)、Prbc(ルビスコの発現を駆動するプロモーター)、PpsbAII(PpsbAIIの発現を駆動するプロモーター)、Pcro(croの発現を駆動するλファージプロモーター)が挙げられる。他の実施形態において、PaphIlおよび/またはlaclq-Ptrcプロモーターを用いて、発現を制御することができる。複数の組換え遺伝子が操作された微生物において発現される場合、異なる遺伝子が、異なるプロモーターによって、または別個のオペロンの同一のプロモーターによって制御され得るか、あるいは2つ以上の遺伝子の発現が、オペロンの一部として単一のプロモーターによって制御され得る。
誘導性プロモーターのさらなる非限定的な例として、外来性タンパク質(例えば、T7RNAポリメラーゼ、SP6RNAポリメラーゼ)の発現によって、小分子の存在(例えば、IPTG、ガラクトース、テトラシクリン、ステロイドホルモン、アブシジン酸)によって、小分子(例えば、CO、鉄、窒素)の欠如によって、金属または金属イオン(例えば、銅、亜鉛、カドミウム、ニッケル)によって、環境因子(例えば、熱、低温、応力、光、暗さ)によって、かつ増殖期によって誘導されるものが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、非誘導時にプロモーターによる転写が実質的に開始されないように、厳密に調節される。いくつかの実施形態において、プロモーターの誘導は、他のプロモーターによる転写を実質的に変化させない。また、一般的に言えば、誘導性プロモーターを誘導する化合物または条件は、発現が求められる生物または環境に天然では存在しない。
いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、シアノバクテリア培養物へのCOの供給を制限することによって誘導される。非限定的な例として、誘導性プロモーターは、 CO制限条件下で上方制御されるシネコシスティスPCC 6803のプロモーター配列、例えば、cmp遺伝子、ntp遺伝子、ndh遺伝子、sbt遺伝子、chp遺伝子、およびrbc遺伝子、またはその変異形もしくは断片であり得る。
いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、鉄飢餓によって、または定常増殖期に入ることによって誘導される。いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、鉄飢餓条件下で上方制御されるシアノバクテリア遺伝子のプロモーター配列の変異形配列、例えば、isiAであり得るか、または培養物が定常増殖期に入る場合、例えば、isiA、phrA、sigC、sigB、およびsigH遺伝子、またはその変異形もしくは断片であり得る。
いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、金属または金属イオンによって誘導される。非限定的な例として、誘導性プロモーターは、銅、亜鉛、カドミウム、水銀、ニッケル、金、銀、コバルト、およびビスマス、またはそれらのイオンによって誘導され得る。いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、ニッケルまたはニッケルイオンによって誘導される。いくつかの実施形態において、誘導性プロモーターは、Ni2+等のニッケルイオンによって誘導される。別の例示の実施形態において、誘導性プロモーターは、シネコシスティスPCC6803由来のニッケル誘導性プロモーターである。別の実施形態において、誘導性プロモーターは、銅または銅イオンによって誘導され得る。さらに別の実施形態において、誘導性プロモーターは、亜鉛または亜鉛イオンによって誘導され得る。さらに別の実施形態において、誘導性プロモーターは、カドミウムまたはカドミウムイオンによって誘導され得る。なおさらに別の実施形態において、誘導性プロモーターは、水銀または水銀イオンによって誘導され得る。代替の実施形態において、誘導性プロモーターは、金または金イオンによって誘導され得る。別の代替の実施形態において、誘導性プロモーターは、銀または銀イオンによって誘導され得る。さらに別の代替の実施形態において、誘導性プロモーターは、コバルトまたはコバルトイオンによって誘導され得る。さらに別の代替の実施形態において、誘導性プロモーターは、ビスマスまたはビスマスイオンによって誘導され得る。
いくつかの実施形態において、プロモーターは、誘導性プロモーターを含む細胞を金属または金属イオンに曝露することによって誘導される。細胞は、微生物増殖培地に金属を添加することによって金属または金属イオンに曝露され得る。ある特定の実施形態において、微生物増殖培地に添加される金属または金属イオンは、培地から効率的に回収され得る。他の実施形態において、回収後に培地中に残留する金属または金属イオンは、培地または細菌遺伝子産物の下流プロセシングを実質的に妨害しない。
構成的プロモーターのさらなる非限定的な例として、グラム陰性細菌またはグラム陰性細菌を増殖するバクテリオファージに由来する構成的プロモーターが挙げられる。例えば、Lpp、OmpA、rRNA、およびリボソームタンパク質のプロモーター等の高度に発現したグラム陰性遺伝子産物をコードする遺伝子のプロモーターが用いられ得る。あるいは、調節可能なプロモーターは、そのプロモーターの調節タンパク質を欠く株に用いられ得る。例えば、Plac、Ptac、およびPtrcは、Laclを欠く株において構成的プロモーターとして用いられ得る。同様に、P22 PおよびPは、λC2リプレッサータンパク質を欠く株に用いられ得、λPおよびPは、λC1リプレッサータンパク質を欠く株に用いられ得る。一実施形態において、構成的プロモーターは、バクテリオファージに由来する。別の実施形態において、構成的プロモーターは、サルモネラバクテリオファージに由来する。さらに別の実施形態において、構成的プロモーターは、シアノファージに由来する。いくつかの実施形態において、構成的プロモーターは、シネコシスティスプロモーターである。例えば、構成的プロモーターは、PpsbAllプロモーターまたはその変異形配列、Prbcプロモーターまたはその変異形配列、Pcpcプロモーターまたはその変異形配列、およびPrnpBプロモーターまたはその変異形配列であり得る。
E.宿主細胞
本明細書に開示の核酸分子またはベクターベクターで形質転換される宿主細胞、およびその子孫も提供される。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、微生物細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は、自由に複製するベクターであり得るが、そうである必要はないベクター上に核酸配列を担持する。他の実施形態において、核酸は、宿主細胞のゲノムおよび/または宿主細胞の内在性プラスミドに組み込まれている。形質転換された宿主細胞は、例えば、本明細書に開示の組換え栄養タンパク質の生成における用途を見出す。
「微生物」は、古細菌、細菌、および真核生物ドメイン由来の原核生物および真核生物の微生物種を含み、後者は、酵母および糸状菌、原虫類、藻類、またはより高等な原生生物を含む。用語「微生物細胞」および「微生物(microbe)」は、「微生物(microorganism)」と同義に用いられる。
様々な宿主微生物が本明細書に開示の核酸配列で形質転換され得、いくつかの実施形態において、本明細書に開示の組換え栄養タンパク質を生成するために用いられ得る。好適な宿主微生物には、独立栄養微生物と従属栄養微生物の両方が含まれる。いくつかの用途において、独立栄養微生物は、化石燃料における還元、および/または宿主微生物に導入された組換え核酸配列によってコードされる栄養タンパク質を作製するのに必要な電気入力を可能にする。これは、次いで、いくつかの用途において、栄養タンパク質を生成するコストおよび/もしくは環境影響を低減させ、かつ/または乳清、卵、および大豆等の代替の栄養タンパク質を製造するコストおよび/もしくは環境影響と比較して、コストおよび/もしくは環境影響を低減させる。例えば、本明細書に開示の宿主微生物を用いて本明細書に開示の栄養タンパク質を作製するコストおよび/または環境影響は、いくつかの実施形態において、牛乳を加工することによってヒトの摂取に好適な形態の乳清タンパク質を作製するコストおよび/または環境影響よりも低い。
従属栄養素の非限定的な例として、大腸菌、サルモネラネズミチフス菌、枯草菌、巨大菌、コリネバクテリウム・グルタミクム、ストレプトマイセス・セリカラー、ストレプトマイセス・リビダンス、ストレプトマイセス・ベネズエラエ、ロゼストレプトマイセス・ロゼオスポラス、ストレプトマイセス・フラディアエ、ストレプトマイセス・グリセウス、ストレプトマイセス・クラブリゲルス、ストレプトマイセス・ハイグロスコピカス、ストレプトマイセス・プラテンシス、サッカロポリスポラ・エリスラエア、コリネバクテリウム・グルタミクム、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニデュランス、アスペルギルス・オリゼー、アスペルギルス・テレウス、アスペルギルス・ソーヤ、ペニシリウム・クリソゲナム、トリコデルマ・リーゼイ、クロストリジウム・アセトブチリカム、クロストリジウム・ベイジェリンキ、クロストリジウム・サーモセラム、フュージバクター・パウシボランス、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・ボウラディ、ピキア・パストリス、およびピキア・スティピティスが挙げられる。
光独立栄養微生物は、真核性藻類、ならびに原核生物シアノバクテリア、緑色硫黄細菌、緑色非硫黄細菌、紅色硫黄細菌、および紅色非硫黄細菌を含む。
好極限性細菌も、好適な生物として企図される。そのような生物は、温度、放射線、圧力、重力、真空、乾燥、塩分、pH、酸素分圧、および化学物質等の種々の環境パラメータに耐える。これらは、80℃以上で増殖するピュロロブス・フマリイ等の超好熱菌、60~80℃で増殖するシネココッカス・リビダス等の好熱菌、15~60℃で増殖する中温菌、および15℃未満で増殖するサイクロバクター等の好冷菌、ならびにいくつかの昆虫を含む。放射線耐性生物には、デイノコッカス・ラディオデュランスが含まれる。圧力耐性生物には、130MPaの圧力に耐える好圧生物が含まれる。重量耐性生物には、好圧菌が含まれる。過重力(例えば、1g超) 低重力(例えば、1g未満)耐性生物も企図される。真空耐性生物には、緩歩動物、昆虫、微生物、および種子が含まれる。乾燥耐性および耐無水生存生物には、アルテミア・サリーナ等の乾生植物、線形動物、微生物、真菌、および地衣類が含まれる。塩耐性生物には、好塩性生物(例えば、2~5M NaCl)の好塩菌およびドナリエラ・サリーナが含まれる。pH耐性生物には、好アルカリ菌、例えば、ナトロノバクテリウム、バチルス・ファーマスOF4、スピルリナ種(例えば、pH9超)および好酸球、例えば、シアニジウム・カルダリウム、フェロプラズマ種(例えば、低pH)が含まれる。メタノコッカス・ヤンナスキイ等のOに耐えることができない嫌気性菌、クロストリジウム等のOにいくらか耐性を示す微好気性菌、およびOを必要とする好気性菌も企図される。純粋なCOに耐性を示す気体耐性生物は、シアニジウム・カルダリウムを含み、金属耐性生物は、耐金属菌、例えば、フェロプラズマ・アシダルマヌス(例えば、Cu、As、Cd、Zn)、ラルストニア種CH34(例えば、Zn、Co、Cd、Hg、Pb)を含む。Gross,Michael.Life on the Edge:Amazing Creatures Thriving in Extreme Environments.New York:Plenum(1998)and Seckbach,J.“Search for Life in the Universe with Terrestrial Microbes Which Thrive Under Extreme Conditions.”In Cristiano Batalli Cosmovici,Stuart Bowyer,and Dan Wertheimer,eds.,Astronomical and Biochemical Origins and the Search for Life in the Universe,p.511.Milan:Editrice Compositori(1997)。
混合栄養生物も好適な生物である。混合栄養生物は、異なるエネルギー源および炭素源の混合、例えば、光合成栄養および化学合成栄養、無機栄養および有機栄養、独立栄養および従属栄養、ならびにこれらの組み合わせ、またはこの組み合わせを利用することができる。混合栄養は、真核性または原核性であり得る。加えて、混合栄養は、絶対独立または任意独立であり得る。好適な混合栄養生物には、混合栄養藻類および混合栄養細菌が含まれる。
藻類およびシアノバクテリアには、以下の属:アカントセラス、アカントコッカス、アカリオクロリス、アクナンテス、アクナンチジウム、アクチナストラム、アクチノクロリス、アクティノサイクラス、アクチノタエニウム、アンフィクリシス、アンフィジニウム、アンフィクリコス、アンフィプレウラ、アンフィプロラ、アンフィスリクス、アンフォラ、アナベナ、アナベノプシス、アネウマスタス(Aneumastus)、アンキストロデスマス、アンキラ、アノモエオネイス、アパトコッカス、アファニゾメノン、アファノカプサ、アファノカエテ、アファノテーケ、アピオキスティス、アピストネマ、アルスロデスムス、アルテロスピラ、アスコクロリス、アステリオネラ、アステロコッカス、アウドウイネラ、アウラコセイラ、バシラリア、バルビアニア、バンブシナ、バンギア、バシクラミス、バトラコスペルマム、ビヌクレアリア、ビトリキア、ブリディンジア、ボトルジオプシス、ボトリジウム、ボトリオコッカス、ボトリオスファエリア、ブラキオモナス、ブラキシラ、ブラキトリキア、ブレビスソニア、ブルボカエテ、ブミレリア、ブミレリオプシス、カロネイス、カロトリクス、カンピロディスクス、キャップソシフォン、カルテリア、カテナ、カビヌラ、セントリトラクタス、セントロネラ、ケラチウム、キートセロス、カエトクロリス、カエトモルファ、カエトネラ、カエトネマ、カエトペルティス、カエトフォラ、カエトスファエリジウム、カマエシフォン、カラ、カラシオクロリス、カラシオプシス、カラシウム、カラレス、キロモナス、クライノモナス、クラミドブレファリス、クラミドカプサ、クラミドモナス、クラミドモノプシス、クラミドミクサ、クラミドネフリス、クロラギエラ、クロランギオプシス、クロレラ、クロロボトリス、クロロブラキス、クロロキトリウム、クロロコックム、クロログロエア、クロログロエオプシス、クロロゴニウム、クロロロビオン、クロロモナス、クロロフィセマ(Chlorophysema)、クロロフィタ、クロロサッカス、クロロサルキナ、コリシスティス、クロモフィトン、クロムリナ、クロオコッキディオプシス、クロオコッカス、クロオダクチロン、クロオモナス、クロオテセ、クリソアメーバ、クリサプシス、クリシジアストラム、クリソカプサ、クリソカプセラ、クリソカエテ、クロソクロムリナ、クリソコッカス、クリソクリナス、クリソレピドモナス、クリソリコス、クリソネブラ、クリソフィタ、クリソピキス、クリソサッカス、クロソファエレラ、クリソステファノスファエラ、クラドフォラ、クラスチジウム、クロステリオプシス、クロステリウム、コッコミクサ、コッコネイス、コエラステラ、コエラストラム、コエロスファエリウム、コエノクロリス、コエノコッカス、コエノシスティス、コラシウム、コレオカエテ、コロディクティオン、コムプソゴノプシス、コムプソポゴン、コンジュガトフィタ、コノカエテ、コロナストラム、コスマリウム、コスミオネイス、コスモクラジウム、クラテリポルツラ、クラチクラ、クリナリウム、クルシゲニア、クルシゲニエラ、クリプトアウラクス(Cryptoaulax)、クリプトモナス、クリプトフィタ、ステノフォラ、シアノジクチオン(Cyanodictyon)、シアノネフロン、シアノフォラ、シアノフィタ、シアノテセ、シアノトモナス(Cyanothomonas)、シクロネキシス、シクロステファノス、シクロテラ、クリンドロカプサ、クリンドロシスティス、シリンドロスペルマム、クリンドロテカ、キマトプレウラ、キンベラ、シムベロニズシア、シストジニウム、ダクチロコッコプシス、デバルヤ(Debarya)、デンチクラ、デルマトクリシス、デルモカルパ、デルモカルペラ、デスマトラクタム、デスミジウム、デスモコッカス、デスモネマ、デスモシホン、ジアカントス、ジアクロネマ、ジアデスミス、ジアトマ、ジアトメラ、ジセルラ、ジコスリックス、ジコトモコッカス、ジクラノカエテ、ジクトヨクロリス、ジクトヨコッカス、ジクチオスファエリウム、ジジモシスティス、ジジモゲネス、ジジモスフェニア、ジラビフィラム、ジモルホコッカス、ディノブリオン、ディノコッカス、ジプロクロリス、ジプロネイス、ジプロスタウロン、ジストリオネラ、ドシジウム、ドラバルナルディア、ドゥナリエラ、ジスモルホコッカス、エクバロシスティス、エラカトスリクス、エレルベキア、エンシオネマ、エンテロモルファ、エントクラジア、エントモネイス、エントフィサリス、エピクリシス、エピピキシス、エピテミア、エレモスファエラ、ユーアストロプシス、ユーアストラム、ユーカプシス、ユーココネイス、ユードリナ、ユーグレナ、ユーグレノフィタ、ユーノティア、ユースティグマトフィタ、ユートレプティア、ファラシア、フィシェレラ、フラギラリア、フラギラリフォルマ、フランセイア、フルストリア、クルシラ、ゲミネラ、ゲニクラリア、グラウコシスティス、グラウコフィタ、グレノジニオプシス、グレノジニウム、グロエオカプサ、グロエオカエテ、グロエオクリシス、グロエオコッカス、グロエオシスティス、グロエオデンドロン、グレオモナス、グロエオプラクス、グロエオテセ、グロエオティラ、グロエオトリキア、グロイオジクチオン、ゴレンキニア、ゴレンキニオプシス、ゴモンチア、ゴンフォキンベラ、ゴンフォネマ、ゴンフォスファエリア、ゴナトザイゴン、ゴングロシア、ゴングロシラ、ゴニオクロリス、ゴニウム、ゴニオストマム、グラヌロクロリス、グラヌロシストプシス、グロエンブラジア、ギムノジニウム、ギムノザイガ、ジャイロシグマ、ヘマトコッカス、ハフニオモナス、ハラシア、ハンマトイデア、ハンナエア、ハンズスティア、ハパロシホン、ハプロタエニウム、ハプトフィタ、ハスレア、ヘミジニウム、ヘミトマ、ヘリバウジエラ、ヘテロマスティクス、ヘテロスリクス、ヒベルジア、ヒルデンブランディア、ヒレア、ホロペジウム、ホモエオスリクス、ホルマントネマ、ホルモチラ、ヒアロブラキオン、ヒアロカルジウム、ヒアロディスカス、ヒアロゴニウム、ヒアロテカ、ハイドリアナム、ヒドロコッカス、ヒドロコレウム、オオタマウミヒドラ、ヒドロディクティオン、ヒドロセラ、ヒドルルス、ヒエラ、ヒメノモナス、イストモクロロン、ヨハネスバプティスチア、ジュラニイエラ、カライエビア、カサブレファリス、カトジニウム、ケフィリオン、ケラトコッカス、キルクネリエラ、クレブソルミジウム、コルベシア、コリエラ、コマレキア、コルシコビエラ、クラスケラ、ラゲルヘイミア、ラギニオン、シラタマモ、レマネア、レポシンクリス、レプトシラ、ラボコッカス、ロボシスティス、ロボモナス、ルチコラ、リングビア、マレオクロリス、マロモナス、マントニエラ、マルソニエラ、マルチアナ、マスチゴコレウス、ガストグロイア、メロシラ、メリスモペディア、メソスティグマ、メソタエニウム、ミクラクチニウム、ミクラステリアス、ミクロカエテ、ミクロコレウス、ミクロシスティス、ミクログレナ、ミクロモナス、ミクロスポラ、ミクロタムニオン、ミスココッカス、モノクリシス、モノダス、モノマスティクス、モノラフィジウム、ヒトエグサ、ヒザオリ、モウゲオチオプシス、ミオクロリス、マイロメシア、ミクソサルシナ、ナエゲリエラ、ナンノクロリス、ナウトコッカス、ナビクラ、ネグレクテラ、ネイジウム、ネフロクラミス、ネフロシチウム、ネフロジエラ、ネフロセルミス、ネトリウム、二テラ、ホシツリモ、ニッチア、ノドゥラリア、ノストック、オクロモナス、サヤミドロ、オリゴカエトホラ、オニコネマ、オオカルジウム、オオシスティス、オペホラ、オフィオシチウム、オルトセイラ、オシラトリア、オキシネイス、パチクラデラ、パルメラ、パルモジクチオン、パンドリナ、パンヌス、パラリア、パシェリナ、パウルシュルジア、ペディアストラム、ペディネラ、ペディノモナス、ペディノペラ、ペラゴジクチオン、ペニウム、ペラネマ、ペリジニオプシス、ペリジニウム、ペロニア、ペトロネイス、ファコタス、ファクス、ファエアスター、フェオデルマチウム、フェオフィタ、フェオスファエラ、フェオタムニオン、フォルミジウム、フィコペルティス、フィラリオクロリス、フィロカルジウム、フィロミタス、ピンヌラリア、ピトホラ、プラコネイス、プランクトネマ、プランクトスファエリア、プラノチジウム、プレクトネマ、プレオドリナ、プレウラストラム、プレウロカプサ、プレウロクラジア、プレウロジスカス、プレウロシグマ、プレウロシラ、プレウロタエニウム、ポシロモナス、ポドヘドラ、ポリブレファリデス、ポリカエトホラ、ポリエドリエラ、ポリエドリオプシス、ポリゴニオクロリス、ポリエピドモナス、ポリタエニア、ポリトマ、ポリトメラ、ポルフィリディウム、ポステリオクロモナス、プラシノクロリス、プラシノクラダス、プラシノフィタ、プラシオラ、プロクロルフィタ、プロクロロトリックス、プロトデルマ、プロトシフォン、プロバソリエラ、プリムネシウム、プサモジクチオン、プサモチジウム、シュードアナベナ、シュードエノクロニウム、シュードカルテリア、シュードカテ、シュードカラシウム、シュードコッコミクサ、シュードジクチオスファエリウム、シュードケフィリオン、シュードンコビルサ、シュードクアドリグラ、シュードスファエロシスティス、シュードスタウラストラム、シュードスタウロシラ、シュードテトラストラム、プテロモナス、パンクタストルアタ、ピラミクラミス、ピラミモナス、ピロフィタ、クアドリクロリス、クアドリコッカス、クアドリグラ、ラジオコッカス、ラジオフィラム、ラフィジオプシス、ラフィドセリス、ラフィドネマ、ラフィドフィタ、ペイメリア、ラブドデルマ、ラブドモナス、リゾクロニウム、ロドモナス、ロドフィタ、ロイコスフェニア、ロパロジア、リブラリア、ロゼンビンギエラ、ロシチジウム、ロヤ、セネデスムス、シェルフェリア、シゾクラミデラ、シゾクラミス、シゾメリス、シゾトリックス、スクロエデリア、スコリオネイス、スコチエラ、スコチエロプシス、スコウルフィエルジア、スキトネマ、セレナストラム、セレノクロリス、セラホラ、セミオルビス、シデロセリス、ジデロシストプシス、ジモンセニア、シホノネマ、シロクラジウム、シロゴニウム、スケレトネマ、ソラストラム、スペルマトゾプシス、スファエレロシスティス、スファエレロプシス、スファエロジニウム、ヨコワミドロ、スファエロゾスマ、スピニフェロモナス、スパイロジャイラ、スピロタエニア、スピルリナ、スポンジロモラム、スポンジロシウム、スポロテトラス、スプメラ、スタウラストラム、スタエロデスマス、スタウロネイス、スタウロシラ、スタウロシレラ、ステノプテロビア、ステファノコスティス、ステファノディスカス、ステファノポロス、ステファノスファエラ、スチココッカス、スチコグロエア、スチゲオクロニム、スティゴネマ、スチピトコッカス、ストケシエラ、ストロムボモナス、スチロクリサリス、スチロジニウム、スチロイキシス、スチロスファエリジウム、スリレラ、シキジオン、シンプロカ、シネココッカス、シネコシスティス、シネドラ、シノクロモナス、シヌラ、タベラリア、タブラリア、テイリンギア、テムノガメタム、テトメモラス、テトラクロレラ、テトラシクラス、テトラデスマス、テトラエドリエラ、テトラエドロン、テトラセルミス、テトラスポラ、テトラストラム、タラシオシラ、タムニオカエテ、トラコクロリス、トレア、トリペラ、トリポスリクス、トラケロモナス、トラキディスカス、トレボウキシア、トレンテホリア、トレウバリア、トリボネマ、トリコデスミウム、トリコディスカス、トロキスシア、トリブリオネラ、ウロトリックス、ウログレナ、ウロネマ、ウロソレニア、ウロスポラ、ウバ、バキュオラリア、バウケリア、ボルボックス、ボルブリナ、ウェステラ、ウォロスジンスキア、キサンチジウム、キサントフィタ、キセノコッカス、ジグネマ、ジグネモプシス、およびジゴニウムが含まれるが、これらに限定されない。
さらなるシアノバクテリアには、カマエシフォン、クロオコッカクス、シアノバクテリア、シアノビウム、シアノテセ、ダクチロコッコプシス、グレオバクター、グロエオカプサ、グロエオテセ、ミクロシスティス、プロクロロコッカス、プロクロロン、シネココッカス、シネコシスティス、シアノシスティス、デルモカルペラ、スタニエリア、キセノコッカス、クロオコッキディオプシス、ミクソサルシナ、アルスロスピラ、ボルジア、クリナリウム、ゲイトレリネマ、レプトリングビヤ、リムノスリックス、リングビア、ミクロコレウス、オシラトリア、プランクトスリックス、プロキオロスリックス、ドアナベナ、スピルリナ、スタリア、シンプロカ、トリコデスミウム、チコネマ、アナベナ、アナベノプシス、アファニゾメノン、シアノスピラ、シリンドロスペルモプシス、シリンドロスペルマム、ノドゥラリア、ノストック、スキロネマ、カロトリクス、リブラリア、トリポスリクス、クロログロエオプシス、フィシェレラ、ゲイティエリア、リエンガリエラ、ノストクホプシス、スティゴネマ、およびサーモシネココッカス属のメンバーが含まれる。
緑色非硫黄細菌には、以下の属:クロロフレクスス、クロロネマ、オシロクロリス、ヘリオトリックス、ヘルペトシフォン、ロゼイフレクサス、およびサーモミクロビウムが含まれるが、これらに限定されない。
緑色硫黄細菌には、以下の属:クロロビウム、クラスロクロリス、およびプロステコクロリスが含まれるが、これらに限定されない。
紅色硫黄細菌には、以下の属:アロクロマチウム、クロマチウム、ハロクロマチウム、イソクロマチウム、マリクロマチウム、ロドブラム、サーモクロマチウム、チオカプサ、チオロドコッカス、およびチオシスティスが含まれるが、これらに限定されない。
紅色非硫黄細菌には、以下の属:ファエオスピリルム、ロドバカ、ロドバクター、ロドミクロビウム、ロドピラ、ロドシュードモナス、ロドサラシウム、ロドスピリラム、ロドビブリオ、およびロゼオスピラが含まれるが、これらに限定されない。
好気性化学合成無機栄養細菌には、硝化細菌、例えば、ニトロバクテラセエ種、ニトロバクター種、ニトロスピナ種、ニトロコッカス種、ニトロスピラ種、ニトロソモナス種、ニトロソコッカス種、ニトロソスピラ種、ニトロソロブス種、ニトロソビブリオ種;無色硫黄細菌、例えばチオブラム種、チオバチルス種、チオミクロスピラ種、チオスフェラ種、サーモトリックス種;絶対独立化学合成無機栄養水素細菌、例えばヒドロゲノバクター種、鉄およびマンガン酸化ならびに/または沈殿細菌、例えばシデロコッカス種、および磁性細菌、例えばアクアスピリラム種が含まれる。
古細菌には、メタン生成古細菌、例えば、メタノバクテリウム種、メタノブレビバクター種、メタノテルムス種、メタノコッカス種、メタノミクロビウム種、メタノスピリルム種、メタノゲニウム種、メタノサルキナ種、メタノロブス種、メタノスリックス種、メタノココイデス種、メタノプラヌス種;超好熱性S代謝群、例えば、サーモプロテウス種、ピロディクティウム種、スルホロブス種、アシジアヌス種;および他の微生物、例えば、枯草菌、サッカロマイセス・セレビシエ、ストレプトマイセス種、ラルストニア種、ロドコッカス種、コリネバクテリア種、ブレビ宅テリア種、マイコバクテリア種、ならびに油性酵母が含まれるが、これらに限定されない。
さらに他の好適な生物は、Venterらの米国特許公開第2007/0264688号に記載の合成細胞または合成ゲノムによって生成される細胞、およびGlassらの米国特許公開第2007/0269862号に記載の細胞様系または合成細胞を含む。
さらに他の好適な生物は、大腸菌、アセトバクター・アセチ、枯草菌、酵母、および真菌、例えば、クロストリジウム・リュングダリイ、クロストリジウム・サーモセラム、ペニシリウム・クリソゲナム、ピキア・パストリス、サッカロマイセス・セレビシエ、スキゾサッカロマイセス・ポンベ、シュードモナス‐フルオレッセンス、またはザイモモナス・モビリスを含む。いくつかの実施形態において、これらの生物は、二酸化炭素を固定するように操作される一方で、他の実施形態において、これらは二酸化炭素を固定するように操作されない。
いくつかの実施形態において、真核細胞、例えば、昆虫細胞または哺乳類細胞、例えば、ヒト細胞が宿主細胞として用いられる。そのような細胞のためのプロモーターおよびエンハンサーを含むベクターおよび発現制御配列は周知である。この目的に有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(懸濁培養における増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Urlaub et al.,Proc.Natl. Acad. Sci. USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980));サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065);マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad. Sci. 383:44-68(1982));MRC5細胞;FS4細胞;およびヒト肝癌株(Hep G2)である。
F.栄養タンパク質の生成
当業者であれば、本明細書に開示の組換え栄養タンパク質を生成する(かつ任意に分泌する)ように組換え細胞を培養し、かつ発現した組換えタンパク質を精製および/または単離するための利用可能な多くの好適な方法を認識している。タンパク質精製のために選択される方法は、目的とするタンパク質の特性、細胞内におけるその位置および形態、ベクター、宿主株のバックグラウンド、ならびに発現したタンパク質の意図された用途を含む多くの可変物に依存する。培養条件も所与の標的タンパク質の溶解性および局在性に影響を及ぼし得る。イオン交換およびゲル濾過を含むが、これらに限定されない多くの手法を用いて、本明細書に開示の組換え微生物細胞において発現された標的タンパク質を精製することができる。
いくつかの実施形態において、ペプチド融合タグを組換えタンパク質に付加することにより、ペプチド融合タグを利用する様々な親和性精製法が可能になる。いくつかの実施形態において、親和性方法の使用により、一段階でほぼ均一に標的タンパク質を精製することができる。精製は、例えば、エンテロキナーゼ、第Xa因子、トロンビン、またはHRV 3Cプロテアーゼによる融合タブの一部またはすべての切断を含み得る。いくつかの実施形態において、発現された標的タンパク質の精製または活性測定の前に、標的タンパク質の発現レベル、細胞局在性、および溶解性の予備分析が行われる。標的タンパク質は、以下の分画:可溶性もしくは不溶性の細胞質分画、周辺質、または培地のうちのいずれかまたはすべてに見られ得る。意図される用途に応じて、封入体、培地、または周辺質空間への優先的局在化は、いくつかの実施形態において、比較的単純な手順による迅速な精製に有利であり得る。
大腸菌が異種タンパク質の発現のための強力な宿主として広く認められているが、この宿主における多くのタンパク質の過剰発現が不溶性封入体の形態で凝集を起こしやすいことも広く知られている。封入体の形成を救出するため、またはタンパク質自体の力価を向上させるために最も一般的に用いられる方法の1つは、アミノ末端のマルトース結合タンパク質(MBP)[Austin BP,Nallamsetty S,Waugh DS.Hexahistidine-tagged maltose-binding protein as a fusion partner for the production of soluble recombinant proteins in Escherichia coli.Methods Mol Biol.2009;498:157-72]、または低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)[Saitoh H,Uwada J,Azusa K.Strategies for the expression of SUMO-modified target proteins in Escherichia coli.Methods Mol Biol.2009;497:211-21、Malakhov MP,Mattern MR,Malakhova OA,Drinker M,Weeks SD,Butt TR.SUMO fusions and SUMO-specific protease for efficient expression and purification of proteins.J Struct Funct Genomics.2004;5(1-2):75-86、Panavas T,Sanders C,Butt TR.SUMO fusion technology for enhanced protein production in prokaryotic and eukaryotic expression systems.Methods Mol Biol.2009;497:303-17]の融合物を目的とするタンパク質に含めることである。これらの2つのタンパク質は、非常に良好に発現され、大腸菌中で可溶性形態であるため、目的とするタンパク質も可溶性形態で効率的に生成される。目的とするタンパク質は、目的とするタンパク質と融合タンパク質との間に部位特異的プロテアーゼ認識配列(タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼ等)を設計することによって切断され得る[1]。
いくつかの実施形態において、組換えタンパク質は、最初は正しく折り畳まれていないか、または不溶性である。不溶性タンパク質のリフォールディングのための様々な方法が周知である。ほとんどのプロトコルは、遠心分離によって不溶性封入体を単離した後、変性条件下で可溶化することを含む。その後、タンパク質は、非変性緩衝液に透析または希釈し、ここでリフォールディングが生じる。すべてのタンパク質が特有の折り畳み特性を有するため、任意の所与のタンパク質に最適なリフォールディングプロトコルが当業者によって実験的に決定され得る。最適なリフォールディング条件は、例えば、タンパク質濃度、還元剤、酸化還元処理、二価カチオン等の可変物が試験されるマトリックス法によって小さい規模で迅速に決定することができる。最適濃度が見出されると、それらを標的タンパク質のより大規模な可溶化およびリフォールディングに適用することができる。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、三次構造を含まない。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質中のアミノ酸の半分未満が三次構造に関与する。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質は、二次構造を含まない。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質中のアミノ酸の半分未満が二次構造に関与する。組換え栄養タンパク質は、これらの構造特徴のうちの1つ以上を含む状態でそれらを発現する細胞の培養物から単離され得る。いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質の三次構造は、タンパク質がそれを生成する培養物から単離された後に減少するか、または消失される。いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質の二次構造は、タンパク質がそれを生成する培養物から単離された後に減少するか、または消失される。
いくつかの実施形態において、N-ラウリルサルコシンと組み合わせたアルカリ性pHのCAPS緩衝液を用いて、封入体の可溶化を達成した後、DTTの存在下で透析することによりリフォールディングを促進する。標的タンパク質、発現条件、および意図される用途に応じて、洗浄された封入体から可溶化されたタンパク質は90%超均一であり得、さらなる精製を必要としない場合がある。His・Tag(登録商標)融合タンパク質およびHis・Bind(登録商標)固定化金属親和性クロマトグラフィー(Novogen(登録商標))を用いることによって、完全な変性条件下(リフォールディング前)での精製が可能である。加えて、6M尿素を用いて封入体から可溶化されたS・Tag(商標)、T7・Tag(登録商標)、およびStrep・Tag(登録商標)II融合タンパク質は、適切な樹脂上でクロマトグラフィーを行う前に2M尿素(S・TagおよびT7・Tag)または1M尿素(Strep・Tag II)に希釈することにより、部分的変性条件下で精製することができる。リフォールディングされた融合タンパク質は、His・Tag、S・Tag、Strep・Tag II、および他の適切な親和性タグ(例えば、GST・Tag(商標)、およびT7・Tag)(Novogen(登録商標))を用いて、天然条件下で親和性精製することができる。
いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質は、それを発現させるために用いられる宿主細胞の内在性タンパク質である。すなわち、宿主細胞の細胞ゲノムは、組換え栄養タンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む。いくつかの実施形態において、調節配列が組換え核酸からの組換え栄養タンパク質の発現を駆動するように、栄養タンパク質の発現を増加させるのに十分な調節配列が、宿主細胞ゲノムに挿入され、内在性オープンリーディングフレームと作動可能に連結される。いくつかの実施形態において、異種核酸配列は、栄養タンパク質の内在性オープンリーディングフレームに融合され、組換え栄養タンパク質の細胞輸送を変更する(例えば、それをオルガネラまたは分泌経路に指向する)異種アミノ酸配列を含むように栄養タンパク質の合成を引き起こす。いくつかの実施形態において、内在性宿主細胞タンパク質をコードするオープンリーディングフレームが、そのオープンリーディングフレームと作動可能に連結された調節配列をさらに含むプラスミド上で宿主細胞に導入される。いくつかの実施形態において、組換え宿主細胞は、同様の条件下で増殖させた同様の宿主細胞によって生成される栄養タンパク質の量よりも、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも40倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍多くの組換え栄養タンパク質を発現する。
いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、組換え生成系を用いることなく化学的に合成される。タンパク質合成は、当技術分野で既知の技術を用いて、液相系または固相系において実行することができる(例えば、Atherton,E.,Sheppard,R.C.(1989).Solid Phase peptide synthesis:a practical approach.Oxford,England:IRL Press、Stewart,J.M.,Young,J.D.(1984).Solid phase peptide synthesis(2nd ed.).Rockford:Pierce Chemical Companyを参照のこと。
G.植物における組換え栄養タンパク質の生成
本開示の栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸分子は、核酸配列を含むトランスジェニック植物の生成を可能にする。したがって、本開示は、本開示の栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む組換え核酸分子を含む植物も提供する。植物は、形質転換および再生を受けるいずれの植物であってもよく、限定されないが、アカシア、アルファルファ、アネット、リンゴ、アンズ、アーティチョーク、ルッコラ、アスパラガス、アボカド、バナナ、オオムギ、マメ、ビート、ブラックベリー、ブルーベリー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、キャノーラ、カンタロープメロン、ニンジン、キャッサバ、カリフラワー、セロリ、白菜、サクランボ、コリアンダー、柑橘類、クレメンタイン、コーヒー、トウモロコシ、ワタ、キュウリ、ダグラスファー、ナス、エンダイブ、キクヂシャ、ユーカリ、ウイキョウ、イチジク、森林樹、ウリ、ブドウ、グレープフルーツ、ハニーデューメロン、ヒカマ、キウイフルーツ、レタス、リーク、レモン、ライム、テーダマツ、マンゴー、メロン、キノコ、木の実、オーツ麦、オクラ、タマネギ、オレンジ、観賞植物、パパイヤ、パセリ、エンドウ、モモ、ピーナッツ、ナシ、コショウ、カキ、マツ、パイナップル、オオバコ、プラム、ザクロ、ポプラ、ジャガイモ、カボチャ、マルメロ、ラジエータパイン、赤チコリー、ラディッシュ、ナタネ、ラズベリー、米、ライ麦、モロコシ、サザンパイン、大豆、ホウレンソウ、スカッシュ、イチゴ、テンサイ、サトウキビ、ヒマワリ、スイートコーン、サツマイモ、モミジバフウ、タンジェリン、紅茶、タバコ、トマト、芝生、つる植物、スイカ、コムギ、ヤムイモ、およびズッキーニを含む。好ましい実施形態において、植物は、マメ、ブロッコリー、キャベツ、キャノーラ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、白菜、トウモロコシ、ワタ、キュウリ、ナス、リーク、レタス、メロン、エンドウ、コショウ、カボチャ、ラディッシュ、ホウレンソウ、大豆、スカッシュ、サトウキビ、スイートコーン、トマト、スイカ、およびコムギ植物である。いくつかの実施形態において、植物は、トウモロコシ植物である。いくつかの実施形態において、植物は、大豆植物である。いくつかの実施形態において、植物は、ワタ植物である。いくつかの実施形態において、植物は、キャノーラ植物である。いくつかの実施形態において、植物は、アラビドプシス、ベータ、グリシン、ヤトロファ、ミスカンサス、パニクム、ファラリス、ポプルス、サッカルム、サリクス、シモンドシア、およびゼアから選択される属のメンバーである。
植物細胞において活性な多数のプロモーターが、文献に記載されている。これらには、植物ゲノムに存在するプロモーター、および他の源に由来するプロモーター(アグロバクテリウム・ツメファシエンスの腫瘍誘発プラスミド上に担持されるノパリンシンターゼ(NOS)プロモーターおよびオクトピンシンターゼ(OCS)プロモーターを含む)、カリモウイルスプロモーター、例えば、カリフラワーモザイクウイルスが含まれる。例えば、米国特許第5,858,742号および同第5,322,938号(カリフラワーモザイクウイルス(CaMV35S)に由来する構成的プロモーターの種類を開示する)、米国特許第5,641,876号(米アクチンプロモーターを開示する)、米国特許出願公開第2002/0192813A1号(効果的な植物発現ベクターの設計に有用な5’、3’、およびイントロン要素を開示する)、米国特許出願第09/757,089号(トウモロコシ葉緑体アルドラーゼプロモーターを開示する)、米国特許出願第08/706,946号(米グルテリンプロモーターを開示する)、米国特許出願第09/757,089号(トウモロコシアルドラーゼ(FDA)プロモーターを開示する)、および米国特許出願第60/310,370号(トウモロコシニコチアナミンシンターゼプロモーターを開示する)を参照されたい。植物細胞において機能するこれらのおよび多数の他のプロモーターは、当業者に既知であり、トランスジェニック植物における栄養タンパク質の発現を提供するための組換え核酸に使用可能である。
いくつかの用途において、植物の緑色組織における優先的発現が所望される。そのような使用のための目的とするプロモーターには、シロイヌナズナリブロース-1,5-二リン酸カルボキシラーゼ(Rubisco)小サブユニット(Fischhoff et al.(1992)Plant Mol.Biol. 20:81-93)、アルドラーゼ、およびピルビン酸リン酸ジキナーゼ(PPDK)(Taniguchi et al.(2000)Plant Cell Physiol.41(1):42-48)等の属に由来するものを含む。
さらに、プロモーターは、遺伝子発現の増加を支援するために、少なくとも1つのエンハンサー配列を含有するように改変されてもよい。そのようなエンハンサーは、当技術分野で既知である。そのような構築物を有するエンハンサー配列を含めることによって、栄養タンパク質の発現が増強され得る。これらのエンハンサーは、真核細胞において機能するプロモーターの転写開始点の5’に見られることが多いが、多くの場合、コード配列の上流(5’)または下流(3’)に挿入され得る。いくつかの例において、これらの5’増強要素は、イントロンである。エンハンサーとして特に有用なものは、米アクチン1(米国特許第5,641,876号を参照のこと)および米アクチン2属の5’イントロン、トウモロコシアルコール脱水素酵素遺伝子のイントロン、トウモロコシ熱ショックタンパク質70遺伝子のイントロン(米国特許第5,593,874号)、およびトウモロコシ収縮(shrunken)1遺伝子である。
いくつかの用途において、種子組成の修飾を達成するために植物の種子組織における発現が所望される。種子組成の修飾に用いる例示のプロモーターには、ナピン(米国特許第5,420,034号)、トウモロコシL3オレオシン(米国特許第6,433,252号)、ゼインZ27(Russell et al.(1997)Transgenic Res.6(2):157-166)、グロブリン1(Belanger et al(1991) Genetics 129:863-872)、グルテリン1(Russell(1997)(上記参照))、およびペルオキシレドキシン抗酸化物質(Per1)(Stacy et al.(1996)Plant Mol.Biol. 31(6):1205-1216)等の種子遺伝子のプロモーターが含まれる。
本開示に従って調製される組換え核酸構築物は、概して、ポリアデニル化シグナルおよびポリアデニル化部位を含む3’要素も含む。周知の3’要素は、例えば、米国特許第6,090,627号に開示のnos 3’、tml 3’、tmr 3’、tms 3’、ocs 3’、tr7 3’等のアグロバクテリウム・ツメファシエンス遺伝子に由来するもの;パンコムギ熱ショックタンパク質17(Hsp17 3’)、コムギユビキチン遺伝子、コムギフルクトース-1,6-ビホスファターゼ遺伝子、米グルテリン遺伝子、米乳酸脱水素酵素遺伝子、および米β-チューブリン遺伝子等の植物遺伝子由来の3’要素(これらはすべて米国公開特許出願第2002/0192813 A1号に開示される);ならびにエンドウ(ピスム・サティヴム)リブロースビスホスフェートカルボキシラーゼ遺伝子(rbs 3’)、および宿主植物内の遺伝子に由来する3’要素を含む。
構築物およびベクターは、遺伝子標的を植物オルガネラに、具体的には、葉緑体、白色体、または他の植物細胞小器官に標的するための輸送ペプチドも含み得る。葉緑体輸送ペプチドの使用の記述については、米国特許第5,188,642号および同第5,728,925号を参照されたい。アラビドプシスEPSPS遺伝子の輸送ペプチド領域の記述については、Klee,H.J. et al(MGG(1987)210:437-442)を参照されたい。
組換えDNAで植物細胞を形質転換する数多くの方法が、当該技術分野で既知であり、本開示において使用され得る。植物の形質転換に一般に用いられる2つの方法は、アグロバクテリウム媒介形質転換および微粒子銃である。微粒子銃法は、米国特許第5,015,580号(大豆)、同第5,550,318号(トウモロコシ)、同第5,538,880号(トウモロコシ)、同第5,914,451号(大豆)、同第6,160,208号(トウモロコシ)、同第6,399,861号(トウモロコシ)、および同第6,153,812号(コムギ)で例証されており、アグロバクテリウム媒介形質転換は、米国特許第5,159,135号(ワタ)、同第5,824,877号(大豆)、同第5,591,616号(トウモロコシ)、および同第6,384,301号(大豆)に記載されている。アグロバクテリウム・ツメファシエンスに基づく植物形質転換系の場合、形質転換構築物上に存在するさらなる要素は、植物ゲノムへの組換えポリヌクレオチドの組込みを促進するためのT-DNA左右境界配列を含む。
一般に、標的植物系統のゲノム中にランダムに、すなわち非特異的な位置に、組換えDNAを導入することが有用である。特別な場合、例えば、ゲノム中の既存の遺伝子を置換するか、または植物ゲノム中の既存のプロモーターを用いるか、または遺伝子発現に活性があることが分かっている所定の部位に組換えポリヌクレオチドを挿入するように、部位特異的組み込みを達成するために、組換えDNAの挿入を標的とすることが有用であり得る。米国特許第4,959,317号に開示のcre-loxおよび米国特許第5,527,695号に開示のFLP-FRTを含む、植物において機能することで知られているいくつかの部位特異的な組換え系が存在する。
形質転換方法は、概して、培地上の組織培養において制御された環境で実施される。「培地」は、インビトロで、すなわち、インタクトな生物の外で細胞を増殖させるために用いられる多数の栄養混合物を指す。レシピエント細胞標的には、分裂組織細胞、カルス、未熟胚、および配偶子細胞、例えば、小胞子、花粉、精細胞、および卵細胞が含まれるが、これらに限定されない。稔性植物が再生され得るいずれの細胞も、レシピエント細胞として有用であると企図される。カルスは、未熟胚、苗の頂端分裂組織、ミクロスフェア等を含むが、これらに限定されない組織源から開始されてもよい。カルスとして増殖することができる細胞も、遺伝子形質転換のためのレシピエント細胞である。本開示のトランスジェニック植物を作製するための実用的な形質転換方法および材料、例えば、種々の培地およびレシピエント標的細胞、未熟胚細胞の形質転換、ならびにそれに続く稔性ランスジェニック植物の再生は、米国特許第6,194,636号および同第6,232,526号に開示されている。
トランスジェニック植物の種子は、稔性トランスジェニック植物から採取することができ、本開示の組換え栄養タンパク質を産生する形質転換された植物の子孫世代を成長させるために用いることができる。組換えDNAを用いた植物の直接的な形質転換に加えて、トランスジェニック植物は、組換えDNAを有する第1の植物をDNAを欠く第2の植物と交雑させることによって調製することができる。例えば、組換えDNAを形質転換に適した第1の植物系統に導入してトランスジェニック植物を生成し、それを第2の植物系統と交雑させて組換えDNAを第2の植物系統に遺伝子移入することができる。本開示の栄養タンパク質をコードする組換えDNAを有するトランスジェニック植物を、別の形質、例えば、除草剤抵抗性もしくは害虫抵抗性、または油等の第2の栄養生成物の生成を付与する他の組換えDNAを有するトランスジェニック植物系統と交雑させ、両方の形質を付与する組換えDNAを有する子孫植物を生成することができる。典型的には、そのような繁殖において、形質を組み合せるために、さらなる形質を提供するトランスジェニック植物は雄性系統であり、基本の形質を保持するトランスジェニック植物は雌性系統である。この交雑の子孫は、ある植物は両方の親の形質のDNAを持ち、ある植物は一方の親の形質のDNAを持つように分離し、そのような植物は、親の組換えDNAに関連したマーカーによって、例えば、組換えDNAの分析によるマーカー特定によって特定することができるか、または、選択マーカーが組換え体に連結している場合には、除草剤耐性マーカーとともに用いるための除草剤等の選択剤の適用によって、または強化された形質の選択によって特定することができる。両方の親の形質のDNAを持つ子孫植物は、複数回、例えば、通常6~8世代、雌性親系統に戻し交雑させて、他のトランジェニック親系統の組換えDNA以外は元の1つのトランスジェニック親系統と実質的に同一の遺伝子型を有する子孫植物を生成することができる。
形質転換の実施において、DNAは、典型的には、いずれか1つの形質転換実験において、わずかな割合を占める標的植物細胞に導入される。マーカー遺伝子は、トランスジェニックDNA構築物を受容し、かつそれをそれらのゲノムに組み込むことによって、安定的に形質転換された細胞を特定するのに有効な系を提供するために用いられる。好ましいマーカー遺伝子は、抗生物質または除草剤等の選択剤に対する抵抗性を付与する選択マーカーを提供する。形質転換された植物が抵抗性であり得るいずれの除草剤も、選択マーカーとして有用な薬剤である。潜在的に形質転換された細胞は、選択剤に曝露される。生存細胞の集団において、概して、抵抗性を付与する遺伝子が、細胞生存を許容する十分なレベルで組み込まれ、発現される細胞である。外因性DNAの安定した組み込みを確認するために、細胞をさらに検査してもよい。一般に用いられる選択マーカー遺伝子は、カナマイシンおよびパロモマイシン(nptII)、ハイグロマイシンB(aph IV)、およびゲンタマイシン(aac3およびaacC4)等の抗生物質に抵抗性を付与するか、またはグルフォシネート(barもしくはpat)およびグリフォセート(aroAもしくはEPSPS)等の除草剤に抵抗性を付与するものを含む。そのような選択マーカーの例は、米国特許第5,550,318号、同第5,633,435号、同第5,780,708号、および同第6,118,047号に例証されている。形質転換体を視覚的に特定する能力を提供する選択マーカーも用いることができ、例えば、ルシフェラーゼもしくは緑色蛍光タンパク質(GFP)等の有色タンパク質または蛍光タンパク質を発現する遺伝子、または種々の発色基質が知られているβグルクロニダーゼまたはuidA遺伝子(GUS)を発現する遺伝子を用いることができる。
選択剤への曝露に耐え抜く植物細胞、またはスクリーニングアッセイで陽性と採点された植物細胞を再生培地で培養し、植物に成熟させることができる。形質転換植物細胞から再生された発育中の小植物は、植物成長混合物に移され、例えば、環境的に制御されたチャンバー内で順化させることができる。植物は、初期の組織に応じて、形質転換体が特定されてから約6週~10ヶ月で再生する。植物は、当業者に既知の従来の植物繁殖法を用いて授粉され得、例えば自家授粉で生成された種子が、一般にトランスジェニックトウモロコシとともに用いられる。再生された形質転換植物またはその子孫種子もしくは子孫植物を、組換えDNAの発現について試験し、異種栄養タンパク質の存在について選択することができる。
本開示の植物細胞に由来するトランスジェニック植物は、本開示の栄養タンパク質をコードする異種核酸を含むトランスジェニック植物を生み出し、異種核酸配列を含むトランスジェニック種子および半数体花粉を生成するように成長させられる。強化された形質を有するそのような植物は、強化された形質について形質転換植物または子孫種子を選択することによって特定される。本明細書において提供されるトランスジェニック種子から成長させたトランスジェニック植物は、収量の増加に寄与するか、または例えば、必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、もしくはLeuのうちの少なくとも1つの含有量の増加等のタンパク質の品質向上を含む高い植物価値を提供する他の形質に寄与する改善された農業的形質を示す。
トランスジェニック植物は、栄養タンパク質の源として有用である。例えば、いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、対照非トランスジェニック植物と比較して増加した重量分率の総タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、対照非トランスジェニック植物と比較して増加した重量分率の必須アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、対照非トランスジェニック植物と比較して増加した重量分率の分枝鎖アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、対照非トランスジェニック植物と比較して増加した重量分率のLeuを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、a)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基、b)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対するLeu残基、およびc)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、本開示の組換え栄養タンパク質を含むトランスジェニック植物は、a)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対する分枝鎖アミノ酸残基、b)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対するLeu残基、およびc)対照非トランスジェニック植物と比較して増加した割合の全アミノ酸残基に対する必須アミノ酸残基を含む。
したがって、トランスジェニック植物は、高品質タンパク質の源として有用である。植物は、採取され、さらに加工されるか、または加工されずに、哺乳類の食事に用いられ得る。例えば、トランスジェニックコムギから作製された小麦粉、トランスジェニックトウモロコシから作製されたコーンミール、またはトランスジェニックコメに由来する米または米粉は、組換え栄養タンパク質を含まない植物から作製された同様の生成物と比較して、タンパク質、必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、およびLeuのうちの少なくとも1つが濃縮している。いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質は、植物性タンパク質であるか、あるいは植物性タンパク質またはその誘導体もしくはムテインのポリペプチド配列、例えば、必ずではないが、同一の種類の植物のタンパク質またはポリペプチド配列等を含む。他の実施形態において、組換え栄養タンパク質は、植物性タンパク質またはその誘導体もしくはムテインではない。
いくつかの実施形態において、組換え栄養タンパク質は、哺乳動物によって摂取される前にトランスジェニック植物から回収または部分的に回収される。
H.組成物
本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質は、栄養組成物を形成するために少なくとも1つの第2の構成成分と組み合わせられ得る。いくつかの実施形態において、組成物中のアミノ酸の唯一の源は、本明細書に開示される少なくとも1つの栄養タンパク質である。そのような実施形態において、上記組成のアミノ酸組成物は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質のアミノ酸組成物と同一である。いくつかの実施形態において、組成物は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質と、少なくとも1つの第2のタンパク質とを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2のタンパク質は、本明細書に開示の第2の栄養タンパク質であり、他の実施形態において、少なくとも1つの第2のタンパク質は、本明細書に開示の栄養タンパク質ではない。いくつかの実施形態において、組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の本明細書に開示の栄養タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の本明細書に開示の栄養タンパク質ではないタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の栄養タンパク質を含み、組成物は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上の本明細書に開示の栄養タンパク質ではないタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、前節に記載の栄養組成物は、少なくとも1つのポリペプチド、少なくとも1つのペプチド、および少なくとも1つの遊離アミノ酸のうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、少なくとも1つのポリペプチドと、少なくとも1つのペプチドとを含む。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、少なくとも1つのポリペプチドと、少なくとも1つの遊離アミノ酸とを含む。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、少なくとも1つのペプチドと、少なくとも1つの遊離アミノ酸とを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチド、少なくとも1つのペプチド、および/または少なくとも1つの遊離アミノ酸は、1)分枝鎖アミノ酸、2)ロイシン、および3)必須アミノ酸から選択されるアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリペプチド、少なくとも1つのペプチド、および/または少なくとも1つの遊離アミノ酸は、1)分枝鎖アミノ酸、2)ロイシン、および3)必須アミノ酸から選択されるアミノ酸からなる。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、少なくとも1つの修飾アミノ酸または非標準アミノ酸を含む。修飾アミノ酸は、カルボキシ末端、アミノ末端、および/または側鎖のうちの1つ以上に対する修飾を有するアミノ酸を含む。非標準アミノ酸は、タンパク質の翻訳後修飾によって形成されるもの、例えば、カルボキシル化グルタミン酸、ヒドロキシプロリン、またはハイプシンから選択され得る。他の非標準アミノ酸は、タンパク質中に見られない。例として、ランチオニン、2-アミノイソ酪酸、デヒドロアラニン、γアミノ酪酸、オルニチン、およびシトルリンが挙げられる。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、1つ以上のD-アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、1つ以上のL-アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、栄養組成物は、1つ以上のD-アミノ酸と1つ以上のL-アミノ酸との混合物を含む。
ポリペプチド、ペプチド、および遊離アミノ酸のうちの少なくとも1つを栄養組成物に添加することにより、組成物中に存在する全アミノ酸に対する分枝鎖アミノ酸、ロイシン、および必須アミノ酸のうちの少なくとも1つの割合を増加させることができる。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの炭水化物を含む。「炭水化物」とは、糖または糖のポリマーを指す。用語「糖」、「多糖」、「炭水化物」、および「オリゴ糖」は、同義に用いられ得る。ほとんどの炭水化物は、多くのヒドロキシル基(通常、分子の各炭素原子に1個)を有するアルデヒドまたはケトンである。炭水化物は、一般に、分子式CnH2nOnを有する。炭水化物は、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、または多糖であり得る。最も基本的な炭化水素は、単糖、例えば、グルコース、スクロース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、キシロース、およびフルクトースである。二糖は、2つの単糖が結合したものである。例示の二糖には、スクロース、マルトース、セロビノース、およびラクトースが挙げられる。典型的には、オリゴ糖は、3個~6個の単糖単位(例えば、ラフィノース、スタキオース)を含み、多糖類は、6個以上の単糖単位を含む。例示の多糖には、デンプン、グリコーゲン、およびセルロースが挙げられる。炭水化物は、修飾された糖単位、例えば、ヒドロキシル基が除去された2’-デオキシリボース、ヒドロキシル基がフッ素で置換された2’-フルオロリボース、またはN-アセチルグルコサミン、グルコースの窒素含有形態(例えば、2’-フルオロリボース、デオキシリボース、およびヘキソース)を含有してもよい。炭水化物は、多くの異なる形態、例えば、配座異性体、環式形態、非環式形態、立体異性体、互変異性体、アノマー、および異性体として存在し得る。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの脂質を含む。本明細書で使用される場合、「脂質」は、遊離脂肪酸を含む任意の形態の脂肪、油、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質、脂肪酸を含む。脂肪、油、および脂肪酸は、飽和、不飽和(シスもしくはトランス)、または部分不飽和(シスもしくはトランス)であり得る。いくつかの実施形態において、脂質は、ラウリン酸(12:0)、ミリスチン酸(14:0)、パルミチン酸(16:0)、パルミトレイン酸(16:1)、マルガリン酸(17:0)、ヘプタデセン酸(17:1)、ステアリン酸(18:0)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、リノレン酸(18:3)、オクタデカテトラエン酸(18:4)、アラキジン酸(20:0)、エイコセン酸(20:1)、エイコサジエン酸(20:2)、エイコサテトラエン酸(20:4)、エイコサペンタエン酸(20:5)(EPA)、ドコサン酸(22:0)、ドコセン酸(22:1)、ドコサペンタエン酸(22:5)、ドコサヘキサエン酸(22:6)(DHA)、およびテトラコサン酸(24:0)から選択される少なくとも1つの脂肪酸を含む。いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの修飾された脂質、例えば、調理によって修飾された脂質を含む。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの補助ミネラルまたはミネラル源を含む。ミネラルの例として、塩化物、ナトリウム、カルシウム、鉄、クロム、銅、ヨウ素、亜鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、およびセレンが挙げられるが、これらに限定されない。上述のミネラルのいずれかの好適な形態には、可溶性無機塩、難溶性無機塩、不溶性無機塩、キレート化ミネラル、ミネラル錯体、非反応性ミネラル(カルボニルミネラル等)、および還元ミネラル、ならびにこれらの組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの補助ビタミンを含む。少なくとも1つのビタミンは、脂溶性または水溶性のビタミンであってもよい。好適なビタミンには、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンK、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンD、ビタミンB6、葉酸、ピリドキシン、チアミン、パントテン酸、およびビオチンが含まれるが、これらに限定されない。上述のいずれかの好適な形態は、ビタミンの塩、ビタミンの誘導体、ビタミンと同一または同様の活性を有する化合物、およびビタミンの代謝物である。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの生物を含む。好適な例は当該技術分野で周知であり、プロバイオティクス(例えば、乳酸桿菌またはビフィズス菌の種)、スピルリナ、クロレラ、およびポルフィラが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、少なくとも1つの栄養補助食品を含む。好適な例は当該技術分野で周知であり、薬草、植物、および特定のホルモンが挙げられる。非限定的な例として、イチョウ、朝鮮人参、およびメラトニンが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、賦形剤を含む。好適な賦形剤の非限定的な例として、緩衝剤、保存剤、安定剤、結合剤、圧縮剤、滑沢剤、分散促進剤、崩壊剤、香味剤、甘味剤、着色剤が挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、緩衝剤である。好適な緩衝剤の非限定的な例として、クエン酸ナトリウム、炭酸マグネシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸水素カルシウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、保存剤を含む。好適な保存剤の非限定的な例として、抗酸化剤、例えば、αトコフェロールおよびアスコルビン酸塩、および抗菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、およびフェノールが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、結合剤を賦形剤として含む。好適な結合剤の非限定的な例として、デンプン、アルファ化デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルオキソアゾリドン、ポリビニルアルコール、C12-C18脂肪酸アルコール、ポリエチレングリコール、ポリオール、糖類、オリゴ糖、およびこれらの組み合せが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、滑沢剤を賦形剤として含む。好適な滑沢剤の非限定的な例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、硬化植物油、ステロテックス、モノステアリン酸ポリオキシエチレン、タルク、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、および軽鉱物油が挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、分散促進剤を賦形剤として含む。分散剤の非限定的な例として、デンプン、アルギン酸、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カオリン、ベントナイト、精製木質セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、イソアモルファスシリケート、および高HLB乳化剤界面活性剤としての微結晶性セルロースが挙げられる。
いくつかの実施形態において、組成物は、崩壊剤を賦形剤として含む。いくつかの実施形態において、崩壊剤は、非発泡性崩壊剤である。好適な非発泡性崩壊剤の非限定的な例として、デンプン、例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、それらのアルファ化デンプンおよび修飾デンプン、甘味剤、クレー、例えば、ベントナイト、微晶質セルロース、アルギネート、デンプングリコール酸ナトリウム、寒天、ガム、例えば、グアー、ローカストビーン、カラヤ、ペクチン、およびトラガカントが挙げられる。いくつかの実施形態において、崩壊剤は、発泡性崩壊剤である。好適な発泡性崩壊剤の非限定的な例として、クエン酸と組み合わせた重炭酸ナトリウム、および酒石酸と組み合わせた重炭酸ナトリウムが挙げられる。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、香味剤を含む。外層内に組み込まれる香味剤は、合成香味油および香味芳香剤;天然油;植物、葉、花、および果実からの抽出物;ならびにそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの実施形態において、香味剤は、桂皮油、冬緑油、ペパーミント油、クローバー油、乾草油、アニス油、ユーカリ油、バニラ油、柑橘油、例えば、レモン油、オレンジ油、ブドウ油、およびグレープフルーツ油等、ならびに果実エッセンス、例えば、リンゴ、モモ、ナシ、イチゴ、ラズベリー、サクランボ、プラム、パイナップル、およびアンズから選択される。
いくつかの実施形態において、賦形剤は、甘味剤を含む。好適な甘味剤の非限定的な例として、グルコース(コーンシロップ)、デキストロース、転化糖、フルクトース、およびこれらの混合物(担体として使用しない場合);サッカリンおよびその種々の塩、例えばナトリウム塩等;ジペプチド甘味剤、例えば、アスパルテーム等;ジヒドロカルコン化合物、グリシルリジン;ステビア(ステビオシド);スクロースのクロロ誘導体、例えば、スクラロース等;糖アルコール、例えば、ソルビトール、マンニトール、シリトール等が挙げられる。水素添加デンプン加水分解物、および合成甘味剤3,6-ジヒドロ-6-メチル-1,2,3-オキサチアジン-4-オン-2,2-ジオキシド、具体的には、カリウム塩(アセサルフェーム-K)、ならびにそれらのナトリウム塩およびカルシウム塩も企図される。
いくつかの実施形態において、組成物は、着色剤を含む。好適な着色剤の非限定的な例として、食品、医薬品、化粧品(FD&C)用着色剤、医薬品および化粧品(D&C)用着色剤、ならびに外用医薬品および化粧品(Ext.D&C)用着色剤が挙げられる。着色剤は、色素またはそれらの対応するレーキとして使用することができる。
製剤中の賦形剤または賦形剤の組み合わせの重量分率は、通常、組成物中のアミノ酸の総重量の約50%以下、約45%以下、約40%以下、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約2%以下、または約1%以下である。
本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物を様々な形態に製剤化することができ、多数の異なる手段によって投与することができる。組成物は、所望に応じて、従来許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する製剤で、経口、経腸、または非経口投与することができる。本明細書において使用される用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、または胸骨内の注入および輸液技術を含む。例示の実施形態において、栄養タンパク質または組成物は、経口投与される。
経口投与のための固体剤形には、カプセル剤、錠剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、散剤、および顆粒剤が含まれる。カプセル剤は、典型的には、栄養タンパク質または組成物を含むコア材料と、コア材料を封入するシェル壁とを含む。いくつかの実施形態において、コア材料は、固体、液体、およびエマルションのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、シェル壁材料は、軟質ゼラチン、硬質ゼラチン、およびポリマーのうちの少なくとも1つを含む。好適なポリマーには、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、酢酸トリメリット酸セルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウム;アクリル酸ポリマーおよびコポリマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アンモニオメチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、および/またはエチルメタクリレートから形成されるもの(例えば、「Eudragit」の商標名で販売されているコポリマー)等;ビニルポリマーおよびコポリマー、例えば、ポリビニルポロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートクロトン酸コポリマー、およびエチレン-ビニルアセテートコポリマー;ならびにシェラック(精製ラック)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのポリマーは、味覚マスキング剤として機能する。
錠剤、丸剤等は、圧縮、多重圧縮、多重層化、および/またはコーティングされ得る。コーティングは、単回または複数回であり得る。一実施形態において、コーティング材料は、植物、真菌、および微生物のうちの少なくとも1つから抽出された糖類、多糖類、および糖タンパク質のうちの少なくとも1つを含む。非限定的な例として、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、セルロース、ヘミセルロース、デキストラン、マルトデキストリン、シクロデキストリン、イヌリン、ペクチン、マンナン、アラビアガム、ローカストビーンガム、メスキートガム、グアーガム、カラヤガム、ガティガム、トラガントガム、フノリ、カラゲナン、寒天、アルギン酸塩、キトサン、またはジェランガムが挙げられる。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、タンパク質を含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、脂肪および油のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、脂肪および油のうちの少なくとも1つは、高温で融解する。いくつかの実施形態において、脂肪および油のうちの少なくとも1つは、硬化しているか、または部分的に硬化している。いくつかの実施形態において、脂肪および油のうちの少なくとも1つは、植物に由来する。いくつかの実施形態において、脂肪および油のうちの少なくとも1つは、グリセリド、遊離脂肪酸、および脂肪酸エステルのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、少なくとも1つの食用ワックスを含む。食用ワックスは、動物、昆虫、または植物に由来し得る。非限定的な例として、蜜蝋、ラノリン、ヤマモモワックス、カルナバワックス、および米ぬかワックスが挙げられる。錠剤および丸剤は、腸溶性コーティングでさらに調製することができる。
あるいは、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物を具現化する散剤または顆粒剤は、食品に組み込まれてもよい。いくつかの実施形態において、食品は、経口投与用の飲料である。好適な飲料の非限定的な例として、果実飲料、人工香味料入り飲料、人工甘味料入り飲料、炭酸飲料、スポーツ飲料、液体乳製品、シェイク、アルコール飲料、カフェイン入り飲料、調整粉乳等が挙げられる。経口投与に好適な他の手段は、水溶液および非水溶液、クリーム、ペースト、エマルション、懸濁液およびスラリーを含み、これらの各々は、好適な溶媒、保存剤、乳化剤、懸濁剤、稀釈剤、甘味剤、着色剤、および香味剤のうちの少なくとも1つを任意に含有してもよい。
いくつかの実施形態において、食品は、固形食糧である。固形食糧の好適な例として、フードバー、スナックバー、クッキー、ブラウニー、マフィン、クラッカー、ビスケット、クリームまたはペースト、アイスクリームバー、フローズンヨーグルトバー等が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物は、治療食に組み込まれる。いくつかの実施形態において、治療食は、必須多量栄養素および微量栄養素のいくつかまたはすべてを任意に含有する、すぐに使える食品である。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物は、既存の食事に混ぜられるように設計された栄養補助食品に組み込まれる。いくつかの実施形態において、栄養補助食品は、必須多量栄養素および微量栄養素のいくつかまたはすべてを任意に含有する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物は、既存の食品に混ぜられるか、または添加されて、その食品のタンパク質栄養を補強する。例として、主食(穀物、塩、砂糖、料理油、マーガリン)、飲料(コーヒー、紅茶、ソーダ、ビール、酒、スポーツドリンク)、スナック、甘い菓子、およびその他の食品が挙げられる。
本明細書に開示の組成物は、例えば、筋肉量、筋力、および身体機能、熱発生、代謝消費量、満腹感、ミトコンドリア生合成、体重または脂肪減少、ならびに除脂肪組成のうちの少なくとも1つを増加させるための方法に利用することができる。
I.使用方法
いくつかの実施形態において、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物は、患者または使用者(集合的に「対象」と称されることもある)に投与される。本明細書において使用される場合、「投与する」および「投与」は、ある特定の様式で、かつ/または特定の目的のために、ある人物が別の人物に栄養タンパク質または栄養組成物を摂取するように指示する実施形態を包含し、使用者が、第2の人物から受けたいずれの指示とは無関係に、またはそれに矛盾して、ある特定の様式で、かつ/または特定の目的のために、栄養タンパク質または栄養組成物を使用する状況も包含する。特定の様式で、かつ/または特定の目的のために、ある人物が別の人物に栄養タンパク質または栄養組成物を摂取するように指示する実施形態の非限定的な例として、医師が一連の処置法および/または治療を患者に処方する場合、訓練者が使用者(運動選手等)に、特定の一連の処置法および/または治療に従うように助言する場合、ならびに製造業者、流通業者、マーケティング業者が、例えば、製品の販売またはマーケティングに関連して提供されるパッケージまたは他の材料上の広告またはラベルを介して、最終使用者に使用条件を推奨する場合が挙げられる。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質または栄養組成物は、剤形で提供される。いくつかの実施形態において、剤形は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質の投与のために設計され、投与される栄養タンパク質の総量は、0.1g~1g、1g~5g、2g~10g、5g~15g、10g~20g、15g~25g、20g~40g、25~50g、および30~60gから選択される。いくつかの実施形態において、剤形は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質の投与のために設計され、投与される栄養タンパク質の総量は、約0.1g、0.1g~1g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、15g、20g、25g、30g、35g、40g、45g、50g、55g、60g、65g、70g、75g、80g、85g、90g、95g、および100gから選択される。
いくつかの実施形態において、剤形は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質の投与のために設計され、投与される必須アミノ酸の総量は、0.1g~1g、1g~5g、2g~10g、5g~15g、10g~20g、および1~30gから選択される。いくつかの実施形態において、剤形は、本明細書に開示の少なくとも1つの栄養タンパク質の投与のために設計され、投与される栄養タンパク質の総量は、約0.1g、0.1~1g、1g、2g、3g、4g、5g、6g、7g、8g、9g、10g、15g、20g、25g、30g、35g、40g、45g、50g、55g、60g、65g、70g、75g、80g、85g、90g、95g、および100gから選択される。
いくつかの実施形態において、栄養タンパク質または栄養組成物は、1日0.1g~1g、1日1g~5g、1日2g~10g、1日5g~15g、1日10g~20g、1日15g~30g、1日20g~40g、1日25g~50g、1日40g~80g、1日50g~100g以上の割合で摂取される。
対象による総タンパク質摂取量のいくつかの実施形態において、ある食事期間にわたる対象による総タンパク質摂取量の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または約100%が、本開示に従う少なくとも1つの栄養タンパク質で構成される。対象による総タンパク質摂取量のいくつかの実施形態において、ある食事期間にわたる対象による総タンパク質摂取量の5%~100%、対象による総タンパク質摂取量の5%~90%、対象による総タンパク質摂取量の5%~80%、対象による総タンパク質摂取量の5%~70%、対象による総タンパク質摂取量の5%~60%、対象による総タンパク質摂取量の5%~50%、対象による総タンパク質摂取量の5%~40%、対象による総タンパク質摂取量の5%~30%、対象による総タンパク質摂取量の5%~20%、対象による総タンパク質摂取量の5%~10%、対象による総タンパク質摂取量の10%~100%、対象による総タンパク質摂取量の10%~100%、対象による総タンパク質摂取量の20%~100%、対象による総タンパク質摂取量の30%~100%、対象による総タンパク質摂取量の40%~100%、対象による総タンパク質摂取量の50%~100%、対象による総タンパク質摂取量の60%~100%、対象による総タンパク質摂取量の70%~100%、対象による総タンパク質摂取量の80%~100%、対象による総タンパク質摂取量の90%~100%が、本開示に従う少なくとも1つの栄養タンパク質で構成される。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの本開示の栄養タンパク質は、ある食事期間にわたる対象のカロリー摂取量の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を占める。
いくつかの実施形態において、本開示に従う少なくとも1個の栄養タンパク質は、本開示の少なくとも2個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも3個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも4個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも5個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも6個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも7個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも8個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも9個の栄養タンパク質、本開示の少なくとも10個以上の栄養タンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、食事期間は、1回の食事、2回の食事、3回の食事、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも4週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、または少なくとも1年である。いくつかの実施形態において、食事期間は、1日~1週間、1週間~4週間、1ヶ月~3ヶ月、3ヶ月~6ヶ月、または6ヶ月~1年である。
臨床試験は、タンパク質が加齢または床上安静による筋力低下を防止するという証拠を提供している。具体的には、研究により、タンパク質の補給が、長期床上安静中の時間当たりの筋タンパク質合成速度(FSR)を増加させ、長期床上安静中に脚質量および強度を維持し、除脂肪体重を増加させ、歩行およびバランスの機能測定値を改善し、不動および長期床上安静のためにサルコペニアのリスクがある個体に対する実行可能な治療介入としての役割を果たし得ることが示されている(例えば、Paddon-Jones D, et al.J Clin Endocrinol Metab 2004,89:4351-4358、Ferrando,A et al.Clinical Nutrition 2009 1-6、Katsanos C et al.Am J Physiol Endocrinol Metab.2006,291:381-387を参照されたい)。
運動選手において筋肉タンパク同化作用を増加させることに関する研究は、運動後に供給されるタンパク質が、運動単独で達成されるよりも大きな程度まで筋肥大を促進することを示している。また、運動後に供給されるタンパク質が、タンパク質分解を一切増加することなくタンパク質合成を支持し、正味の正のタンパク質バランスおよび筋肉量増加をもたらすことも示されている。筋肉のタンパク質合成は、必須アミノ酸の補給に対して用量反応様式で反応するが、すべてのタンパク質が筋肉増強において等しいわけではない。例えば、アミノ酸ロイシンは、筋肉のタンパク質合成を刺激する上で重要な要素である(例えば、Borscheim E et al.Am J Physiol Endocrinol Metab 2002,283:E648-E657;Borsheim E et al.Clin Nutr.2008,27:189-95;Esmarck B et al J Physiol 2001,535:301-311;Moore D et al.Am J Clin Nutr 2009,89:161-8を参照のこと)。
別の態様において、本開示は、対象において筋肉量、筋力、および機能的能力のうちの少なくとも1つを維持するか、または増加させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、高齢の対象、医学的に重症の対象、およびタンパク質エネルギー栄養傷害に罹患している対象のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、対象において望ましいボディマス指数を維持または達成する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、高齢の対象、医学的に重症の対象、およびタンパク質エネルギー栄養傷害に罹患している対象のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
別の態様において、本開示は、タンパク質エネルギー栄養障害を有する対象にタンパク質を提供する方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
癌患者および悪液質に罹患する他の患者において、必須アミノ酸補給の必要性が提案されている。マウスにおける食事に関する研究は、必須アミノ酸での食事介入による悪液性癌を有するマウスに対して延命および機能利点を示している。癌以外にも、必須アミノ酸の補給は、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、HIV、および他の病態等の他の疾患に罹患していて運動困難であるため筋肉の劣化に悩む患者において、筋機能改善および筋肉増量等の利点を示している。
研究により、特定のアミノ酸が悪液質の管理に有利に働くことが示されている。食事中のBCAAおよびLeuの比較的高い含有量が、翻訳の増加をシグナル伝達し、インスリン放出を促進し、かつタンパク質分解を阻害することによって総タンパク質合成を促進して、悪液質にプラスの影響を与えると考えられる。したがって、一般にはBCAAを、かつ/または具体的にはLeuを食事によって多く摂取することは、悪液質の影響の軽減または逆転にプラスに寄与する。悪液質の根底にある原因に対抗する上で窒素バランスが重要であるため、食事によって多くのグルタミンおよび/またはアルギニンを摂取することは、悪液質の影響の軽減または逆転にプラスに寄与すると考えられる(例えば、Op den Kamp C,Langen R,Haegens A,Schols A.“Muscle atrophy in cachexia:can dietary protein tip the balance?”Current Opinion in Clinical Nutrition and Metabolic Care 2009,12:611-616、Poon RT-P,Yu W-C,Fan S-T,et al.“Long-term oral branched chain amino acids in patients undergoing chemoembolization for hepatocellular carcinoma:a randomized trial.”Aliment Pharmacol Ther 2004;19:779-788、Tayek JA,Bistrian BR,Hehir DJ,Martin R,Moldawer LL,Blackburn GL.“Improved protein kinetics and albumin synthesis by branched chain amino acid-enriched total parenteral nutrition in cancer cachexia.”Cancer.1986;58:147-57、Xi P,Jiang Z,Zheng C,Lin Y,Wu G“Regulation of protein metabolism by glutamine:implications for nutrition and health.”Front Biosci.2011Jan 1;16:578-97を参照のこと)。
したがって、対象において悪液質を治療する方法も本明細書に提供される。いくつかの実施形態において、悪液質を有する対象に対する本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物の十分な量は、ヒトによって経口摂取される本開示のタンパク質の量が代謝要求(多くの場合、上昇している)を満たすか、またはそれを超える量である。1日当たり1.5g/体重1kgまたは総カロリー摂取量の15~20%のタンパク質摂取量が、悪液質を有する人々に適切な目標量であると考えられる。いくつかの実施形態において、対象によって摂取されるタンパク質のすべてが、本開示による栄養タンパク質である。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質は、対象の総タンパク質摂取量を提供するために、タンパク質の他の源および/または遊離アミノ酸と組み合わせられる。いくつかの実施形態において、対象は、高齢者、医学的に重症である、およびタンパク質エネルギー栄養障害に罹患している、のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、対象は、慢性閉塞性肺疾患、慢性心不全、HIV、および他の病態等の、運動を困難にし、それ故に筋肉の劣化を引き起こす疾患に罹患している。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
筋肉減弱症は、加齢に関連した骨格筋の量(典型的には、25歳を過ぎると1年につき0.5~1%の喪失)、質、および強度の退行性喪失である。筋肉減弱症は、虚弱症候群の構成成分である。高齢者の筋肉減弱症に関するヨーロッパワーキンググループ(European Working Group on Sarcopenia in Older People:EWGSOP)は、加齢に関連した筋肉減弱症の実用的臨床定義およびコンセンサス診断基準を開発した。筋肉減弱症の診断のために、このワーキンググループは、筋肉量の低下および筋機能(強度または能力)の低下の両方の存在を用いることを提案している。筋肉減弱症は、第一に、筋線維の脂肪への置換、線維症の増加、筋肉代謝の変化、酸化ストレス、および神経筋接合部の変性等の要因によって引き起こされる筋組織の「質」の低下に加えて、筋萎縮(筋肉の大きさの減少)を特徴とする。これらの変化が組み合わされると、筋機能の進行性喪失、および最終的には虚弱を引き起こす。虚弱は、高齢の成人における健康および機能の破局的衰退のリスク増加を具体化する一般的な老年症候群である。虚弱の要因には、筋肉減弱症、骨粗鬆症、および筋衰弱が含まれ得る。筋肉疲労(または「強度の欠如」)としても知られている筋衰弱は、骨格筋で力を働かせることができないことを意味する。疾病の結果としての長期にわたる床上安静後等の衰弱は、多くの場合、筋萎縮および活動低下を伴う。また、筋肉減弱症の結果として筋衰弱も徐々に発症する。
本開示の栄養タンパク質は、筋肉減弱症または虚弱が対象に発症したときにそれを治療するのに有用であるか、または危険性のある群のメンバーである対象における筋肉減弱症もしくは虚弱の発症の予防に有用である。いくつかの実施形態において、対象によって摂取されるタンパク質のすべてが、本開示による栄養タンパク質である。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質は、対象の総タンパク質摂取量を提供するために、タンパク質の他の源および/または遊離アミノ酸と組み合わせられる。いくつかの実施形態において、対象は、高齢者、医学的に重症である、およびタンパク質エネルギー栄養障害に罹患している、のうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
肥満は、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、冠動脈心疾患、脳卒中、癌(例えば、子宮内膜、乳房、および結腸)、変形性関節症、睡眠時無呼吸、ならびに呼吸障害を含む共存症の宿主に関連した多因子疾患である。30kg/m2を超えるボディマス指数として定義される肥満の発生率は、米国において15%(1976~1980年)から33%(2003~2004年)へと劇的に増加し、現在も増加し続けている。肥満に寄与する機構は複雑であり、行動的成分と、ホルモン、遺伝、および代謝プロセスとの相互作用を伴うが、肥満は、主に、過剰なエネルギー摂取量および不十分な身体活動の2つの主な原因による生活習慣に依存した状態であると見なされる。エネルギー摂取量に関して、総エネルギー摂取量を制御しながら食事中のタンパク質の割合を適度に増加させることが、身体組成を改善し、脂肪消失を促進し、体重減少後の体重維持を向上し得るという証拠が存在する。食事性タンパク質の増加に関連したプラスの結果は、主に、満腹感の増加に伴うエネルギー摂取量の減少、エネルギー効率の低下および/または熱発生の増加、身体組成に及ぼすプラスの影響(具体的には除脂肪筋肉量)、ならびに血糖管理の強化に起因すると考えられる。
食事性タンパク質は、炭水化物または脂肪の等カロリー摂取量よりも食後のエネルギー消費量を増加させる上で効果的である(例えば、Dauncey M,Bingham S.“Dependence of 24 h energy expenditure in man on composition of the nutrient intake.”Br J Nutr 1983,50:1-13、Karst H et al.“Diet-induced thermogenesis in man:thermic effects of single proteins,carbohydrates and fats depending on their energy amount.”Ann Nutr Metab.1984,28:245-52、Tappy L et al“Thermic effect of infused amino acids in healthy humans and in subjects with insulin resistance.”Am J Clin Nutr 1993,57(6):912-6を参照のこと)。他の特性(満腹感誘導、除脂肪体重の維持)に加えてこの特性は、タンパク質を、体重管理を目的とした食事の魅力的な構成成分にする。そのような食事によって引き起こされるエネルギー消費量の増加は、タンパク質を消化および代謝するエネルギーコストが他のカロリー源よりも高いという事実に一部起因し得る。タンパク質合成を含むタンパク質の代謝回転は、エネルギー消費プロセスである。加えて、高タンパク食は、肝組織および褐色脂肪中の脱共役タンパク質を上方制御し得、これは、エネルギー消費量の増加とプラスに相関する。異なるタンパク質は、エネルギー消費量に特有の影響を及ぼし得るという理論が立てられている。
研究は、タンパク質、具体的には、EAAおよび/またはBCAA含有量の高いタンパク質の経口摂取が、熱発生およびエネルギー消費量にはっきりと異なる影響を及ぼすことを示唆している(例えば、Mikkelsen P.et al.“Effect of fat-reduced diets on 24 h energy expenditure:comparisons between animal protein,vegetable protein and carbohydrate.”Am J Clin Nutr 2000,72:1135-41、Acheson K.et al.“Protein choices targeting thermogenesis and metabolism.”Am J Clin Nutr 2011,93:525-34、Alfenas R.et al.“Effects of protein quality on appetite and energy metabolism in normal weight subjects”Arg Bras Endocrinol Metabol 2010,54(1):45-51、Lorenzen J.et al.“The effect of milk proteins on appetite regulation and diet-induced thermogenesis.”J Clin Nutr 2012 66(5):622-7を参照のこと)。さらに、L-チロシンは、熱発生に影響を与えるアミノ酸と特定されている(例えば、Belza A.et al.“The beta-adrenergic antagonist propranolol partly abolishes thermogenic response to bioactive food ingredients.”Metabolism 2009,58(8):1137-44を参照のこと)。さらなる研究は、ロイシンおよびアルギニンの補給が、脂肪組織ではなく除脂肪体重に基質を指向することによってエネルギー代謝を変化させることを示唆している(Dulloo A. “The search for compounds that stimulate thermogenesis in obesity management:from pharmaceuticals to functional food ingredients.” Obes Rev 2011 12:866-83)。
総合すると、文献は、異なるタンパク質の種類が熱発生にはっきりと異なる影響をもたらすことを示唆している。EAA、BCAA、ならびに/またはTyr、Arg、およびLeuのうちの少なくとも1つに富んだタンパク質またはペプチドが、熱発生に刺激作用を及ぼすと考えられ、かつ熱発生の刺激が、体重管理に好影響をもたらすと考えられるため、本開示は、一般に、熱発生を刺激し、かつ/または体重管理に好影響をもたらすのに有用な生成物および方法も提供する。
より具体的には、本開示は、対象において熱発生を増加させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、肥満である。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質、本開示による栄養組成物、または本開示による方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
基本的レベルで、過体重状態の発生の理由は、エネルギー摂取量とエネルギー消費量との間の不均衡によるものである。任意の特定の機会(心的飽和)に、かつ食事の機会(満腹感)にわたって食物を減らそうとする試みが、最近の研究の大きな焦点となっている。食事中の満足感および食後の満腹感の結果としてのカロリー摂取量の減少は、内部および外部シグナルの複雑な相互作用によるものである。種々の栄養学的研究により、エネルギー密度、含有量、舌触り、および味覚等の食物の特性における多様性が、心的飽和反応および満腹感の両方に影響することが証明されている。
エネルギーを送達する3つの多量栄養素には、脂肪、炭水化物、およびタンパク質がある。1グラムのタンパク質または炭水化物が4カロリーを提供する一方で、1グラムの脂肪は、9カロリーを提供する。タンパク質は、一般に、炭水化物または脂肪よりも大きく満腹感を増加させ、したがって、カロリー摂取量の減少を促進し得る。しかしながら、満腹感を誘導する際にタンパク質の種類が重要であることを示す考慮すべき証拠が存在する(例えば、W.L.Hall,et al.“Casein and whey exert different effects on plasma amino acid profiles,gastrointestinal hormone secretion and appetite.”Br J Nutr.2003Feb,89(2):239-48、R.Abou-Samra,et al.“Effect of different protein sources on satiation and short-term satiety when consumed as a starter.”Nutr J.2011 Dec 23,10:139、T.Akhavan,et al.“Effect of premeal consumption of whey protein and its hydrolysate on food intake and postmeal glycemia and insulin responses in young adults.”Am J Clin Nutr.2010Apr,91(4):966-75,Epub 2010 Feb 17、MA Veldhorst“Dose-dependent satiating effect of whey relative to casein or soy”Physiol Behav.2009Mar 23,96(4-5):675-82を参照のこと)。証拠は、ロイシンに富んだタンパク質が満腹感を誘導するのに特に効果的であることを示している(例えば、Fromentin G et al“Peripheral and central mechanisms involved in the control of food intake by dietary amino acids and proteins.”Nutr Res Rev 2012 25:29-39を参照のこと)。
いくつかの実施形態において、本開示の栄養タンパク質は、少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤と同時に対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、栄養タンパク質および少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤の有益な効果が、相加効果を有する一方で、いくつかの実施形態において、栄養タンパク質および少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤の有益な効果は、相乗効果を有する。本開示の栄養タンパク質とともに投与することができる薬学的または生物学的製剤の例は、当技術分野で周知である。例えば、本開示の栄養タンパク質を用いて対象における筋肉量、筋力、および機能的能力のうちの少なくとも1つを維持するか、または増加させる場合、栄養タンパク質は、対象における筋肉量、筋力、および機能的能力のうちの少なくとも1つを維持するか、または増加させることが示されている少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤、例えば、タンパク質同化ステロイド等の治療投与レジメンと同時に対象によって摂取されてもよい。本開示の栄養タンパク質を用いて対象における望ましいボディマス指数を維持または達成する場合、栄養タンパク質は、対象における望ましいボディマス指数を維持または達成することが示されている少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤、例えば、オルリスタット、ロルカセリン、シブトラミン、リモナバン、メトホルミン、エキセナチド、またはプラムリンチド等の治療投与レジメンと同時に対象によって摂取されてもよい。本開示の栄養タンパク質を用いて対象における心的飽和反応および満腹反応のうちの少なくとも1つを誘導する場合、栄養タンパク質は、対象における心的飽和反応および満腹反応のうちの少なくとも1つを誘導することが示されている少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤、例えば、リモナバン、エキセナチド、またはプラムリンチド等の治療投与レジメンと同時に対象によって摂取されてもよい。本開示の栄養タンパク質を用いて対象における悪液質、筋肉減弱症、および虚弱のうちの少なくとも1つを治療するために使用される場合、栄養タンパク質は、悪液質、筋肉減弱症、および虚弱のうちの少なくとも1つを治療することが示されている少なくとも1つの薬学的または生物学的な製剤、例えばオメガ3脂肪酸またはタンパク質同化ステロイド等の治療投与レジメンと同時に対象によって摂取されてもよい。心的飽和および満腹感を誘導する食事性タンパク質の役割の理由から、本明細書に開示の栄養タンパク質および栄養組成物は、対象における心的飽和反応および満腹反応のうちの少なくとも1つを誘導するために使用することができる。いくつかの実施形態において、方法は、対象に、十分な量の本開示の栄養タンパク質、本開示の栄養組成物、または本開示の方法によって作製される栄養組成物を提供することを含む。いくつかの実施形態において、対象は、肥満である。いくつかの実施形態において、本開示に従う栄養タンパク質、本開示に従う栄養組成物、または本開示に従う方法によって作製される栄養組成物は、運動の遂行に合わせて対象によって摂取される。いくつかの実施形態において、本開示による栄養タンパク質、本開示による栄養組成物、または本開示による方法によって作製される栄養組成物は、経口、経腸、または非経口経路で対象によって摂取される。
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの本開示の栄養タンパク質または栄養組成物を対象の食事に組み入れることで、食後の満腹感の誘導(空腹感を抑制することによることを含む)、熱発生の誘導、血糖反応の低減、エネルギー消費量に対する好影響、除脂肪体重に対する好影響、過食によって引き起こされる体重増加の減少、およびエネルギー摂取量の減少から選択される少なくとも1つの効果を生じさせる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの本開示の栄養タンパク質または栄養組成物を対象の食事に組み入れることで、対象における体脂肪消失の増大、除脂肪組織消失の減少、脂質プロファイルの改善、ならびに耐糖能およびインスリン感受性の向上から選択される少なくとも1つの効果を生じさせる。
実施例
以下の実施例は、本発明を用いる方法をより完全に説明する役割を果たす。これらの実施例は、例示目的で提示されており、本発明の真の範囲を限定する役割を果たすべきではない。
実施例1:乳清以上の割合の必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、およびロイシンを含有し、かつ全必須アミノ酸を含有するタンパク質断片の同定
UniProtKB/Swiss-Prot(European Bioinformatics InstituteとSwiss Institute of Bioinformaticsとのコラボレーション)は、手作業で処理および検討されたタンパク質のデータベースであり、タンパク質同定の出発点として使用した。50個以上のアミノ酸を有する食用種であるソラナム・リコペルシク、トウモロコシ、オリザ・サティバ亜種ジャポニカ、グリシンマックス、オービス・アリエス、ピスム・サティヴム、ホウレンソウ、オリザ・サティバ亜種インディカ、トリティクム・アエスティウム、スース・スクロファ、モモ、カプシクム・アンヌウム、マルス・ドメスティカ、キハダマグロ、カプラ・ヒルクス、シセル・アリエチヌム、タイセイヨウサケ、メレアグリス・ガロパボ、ソラナム・ツベロスム、およびアガリクス・ビスポルスを生存可能な標的と見なした。およそ8,415個のそのようなタンパク質を評価するために選択し、次いでそのタンパク質を、両末端上に消化酵素切断部位を含むように設計された元のタンパク質のおよそ50個、およそ100個、またはおよそ150個のアミノ酸部分に断片化した。加えて、そのタンパク質を既知のアレルゲンのデータベースに対してスクリーニングし、既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性を有するものがあるかどうかを決定した。全部で1,000個の断片が、51%以上のEAA、25%以上のBCAA、および13%以上のLeuを含有し、かつ全必須アミノ酸を含有し、既知のアレルゲン(配列番号1~1000)に対する50%未満の全体的相同性を有すると同定された。(実施例1~5に関して、51%のEAA/25%のBCAA/13%のLeuは、乳清のもの(本明細書において49%のEAA/24%のBCAA/11%のLeuであると定義される)を各々1~2%超える値を表すことに留意する。同定されたタンパク質が乳清よりも高い含有量のEAA、BCAA、およびLeuを有することを確実にするために、これらの値を使用して、この実施例でのみ目的とする栄養タンパク質断片を同定した)。タンパク質のセットについて、pH7での溶媒和スコア(「SolvScore」)、pH7での凝集スコア(「AggScore」)、アレルゲン性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のアレルゲンに対する局所的相同性パーセント)、毒性(すなわち、本明細書に記載されるような既知の毒素に対する相同性パーセント)、抗栄養性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のプロテアーゼ阻害剤に対する相同性パーセント)、およびヒト相同性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のヒトタンパク質に対する相同性パーセント)を計算し、Cys残基(「C」)の合計数を決定した。このようにして同定した75個の代表的な断片の特性を表3Aおよび3Bに提示する。
Figure 0007122141000004
Figure 0007122141000005
Figure 0007122141000006
Figure 0007122141000007
Figure 0007122141000008
Figure 0007122141000009
実施例2:乳清以上の割合の必須アミノ酸、分枝鎖アミノ酸、およびロイシンを含有するタンパク質断片の同定
実施例1に記載されるように、8,415個のタンパク質のセットからの断片を、アミノ酸含有量、必須アミノ酸(「EAA」)の割合、分枝鎖アミノ酸(「BCAA」)の割合、ロイシン(「L」)の割合に関して評価し、各タンパク質に対してタンパク質がすべての必須アミノ酸を含有するかどうかを計算した。加えて、そのタンパク質断片を既知のアレルゲンのデータベースに対してスクリーニングし、既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性を有するものがあるかどうかを決定した。全部で414個のタンパク質断片が、51%以上のEAA、25%以上のBCAA、および13%以上のLeuを含有し、既知のアレルゲン(配列番号1001~1414)に対する50%未満の全体的相同性を有すると同定された。タンパク質のセットについて、pH7での溶媒和スコア(「SolvScore」)、pH7での凝集スコア(「AggScore」)、アレルゲン性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のアレルゲンに対する局所的相同性パーセント)、毒性(すなわち、本明細書に記載されるような既知の毒素に対する相同性パーセント)、抗栄養性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のプロテアーゼ阻害剤に対する相同性パーセント)、およびヒト相同性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のヒトタンパク質に対する相同性パーセント)を計算し、Cys残基(「C」)の合計数を決定した。このようにして同定した75個の代表的なタンパク質の特性を表4Aおよび4Bに提示する。
Figure 0007122141000010
Figure 0007122141000011
Figure 0007122141000012
Figure 0007122141000013
Figure 0007122141000014
Figure 0007122141000015
実施例3:乳清以上の割合の必須アミノ酸および分枝鎖アミノ酸を含有し、かつ全必須アミノ酸を含有するタンパク質断片の同定
実施例1に記載されるように、8,415個のタンパク質のセットからの断片を、アミノ酸含有量、必須アミノ酸(「EAA」)の割合、分枝鎖アミノ酸(「BCAA」)の割合、ロイシン(「L」)の割合に関して評価し、各タンパク質に対してタンパク質がすべての必須アミノ酸を含有するかどうかを計算した。加えて、そのタンパク質断片を既知のアレルゲンのデータベースに対してスクリーニングし、既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性を有するものがあるかどうかを決定した。全部で485個のタンパク質が、51%以上のEAAおよび25%以上のBCAAを含有し、すべての必須アミノ酸を含有し、ならびに既知のアレルゲン(配列番号1415~1899)に対する50%未満の全体的相同性を有すると同定された。タンパク質断片のセットについて、pH7での溶媒和スコア(「SolvScore」)、pH7での凝集スコア(「AggScore」)、アレルゲン性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のアレルゲンに対する局所的相同性パーセント)、毒性(すなわち、本明細書に記載されるような既知の毒素に対する相同性パーセント)、抗栄養性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のプロテアーゼ阻害剤に対する相同性パーセント)、およびヒト相同性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のヒトタンパク質に対する相同性パーセント)を計算し、Cys残基(「C」)の合計数を決定した。このようにして同定した75個の代表的なタンパク質の特性を表5Aおよび5Bに提示する。
Figure 0007122141000016
Figure 0007122141000017
Figure 0007122141000018
Figure 0007122141000019
Figure 0007122141000020
Figure 0007122141000021
実施例4:乳清以上の割合の必須アミノ酸およびロイシンを含有し、かつ全必須アミノ酸を含有するタンパク質断片の同定
実施例1に記載されるように、8,415個のタンパク質のセットからの断片を、アミノ酸含有量、必須アミノ酸(「EAA」)の割合、分枝鎖アミノ酸(「BCAA」)の割合、ロイシン(「L」)の割合に関して評価し、各タンパク質に対してタンパク質がすべての必須アミノ酸を含有するかどうかを計算した。加えて、そのタンパク質断片を既知のアレルゲンのデータベースに対してスクリーニングし、既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性を有するものがあるかどうかを決定した。全部で203個のタンパク質断片が、51%以上のEAAおよび13%以上のLeuを含有し、全必須アミノ酸を含有し、既知のアレルゲン(配列番号1900~2102)に対する50%未満の全体的相同性を有すると同定された。タンパク質断片のセットについて、pH7での溶媒和スコア(「SolvScore」)、pH7での凝集スコア(「AggScore」)、アレルゲン性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のアレルゲンに対する局所的相同性パーセント)、毒性(すなわち、本明細書に記載されるような既知の毒素に対する相同性パーセント)、抗栄養性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のプロテアーゼ阻害剤に対する相同性パーセント)、およびヒト相同性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のヒトタンパク質に対する相同性パーセント)を計算し、Cys残基(「C」)の合計数を決定した。このようにして同定した75個の代表的なタンパク質断片の特性を表6Aおよび6Bに提示する。
Figure 0007122141000022
Figure 0007122141000023
Figure 0007122141000024
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Figure 0007122141000026
Figure 0007122141000027
実施例5:乳清以上の割合の分枝鎖アミノ酸およびロイシンを含有し、かつ全必須アミノ酸を含有するタンパク質の同定。
実施例1に記載されるように、8,415個のタンパク質のセットからの断片を、アミノ酸含有量、必須アミノ酸(「EAA」)の割合、分枝鎖アミノ酸(「BCAA」)の割合、ロイシン(「L」)の割合に関して評価し、各タンパク質に対してタンパク質がすべての必須アミノ酸を含有するかどうかを計算した。加えて、そのタンパク質を既知のアレルゲンのデータベースに対してスクリーニングし、既知のアレルゲンに対して50%を超える全体的相同性を有するものがあるかどうかを決定した。全部で415個のタンパク質断片が、25%以上のBCAAおよび13%以上のLeuを含有し、かつ全必須アミノ酸を含有し、既知のアレルゲン(配列番号2103~2518)に対する50%未満の全体的相同性を有すると同定された。タンパク質断片のセットについて、pH7での溶媒和スコア(「SolvScore」)、pH7での凝集スコア(「AggScore」)、アレルゲン性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のアレルゲンに対する局所的相同性パーセント)、毒性(すなわち、本明細書に記載されるような既知の毒素に対する相同性パーセント)、抗栄養性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のプロテアーゼ阻害剤に対する相同性パーセント)、およびヒト相同性(すなわち、本明細書に記載されるような既知のヒトタンパク質に対する相同性パーセント)を計算し、Cys残基(「C」)の合計数を決定した。このようにして同定した75個の代表的なタンパク質断片の特性を表7Aおよび7Bに提示する。
Figure 0007122141000028
Figure 0007122141000029
Figure 0007122141000030
Figure 0007122141000031
Figure 0007122141000032
Figure 0007122141000033
実施例6:タンパク質の発現
本明細書で開示される栄養タンパク質をコードする遺伝子を、大腸菌中での発現用にコドン最適化し、LifeTechnologies/GeneArtまたはDNA 2.0のいずれかによって合成した。遺伝子は、精製を促進するために2つのアミノ末端タグのうちの1つを含有するように設計された:
MGSHHHHHHHH(配列番号2615)
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSH(配列番号2614)
NcoI-BamHI制限酵素部位(第1のタグの場合)を用いて、またはNdeI-BamHI制限酵素部位(第2のタグの場合)を用いて、これらの遺伝子構築物をpET15bプラスミドベクター(Novagen)に挿入した。すべての制限酵素は、New England Biolabsから購入した。プラスミドを大腸菌T7 Express(New England Biolabs)に形質転換し、100mg/lカルベニシリンを含有する溶原培地(LB)プレート上で選択した。単一のコロニーを取り出し、100mg/lカルベニシリンを含むLB中でOD600nm≒0.6まで増殖させ、マスター細胞ストックとして役立つようにグリセロールストック(10%のグリセロール(v/v)を含むLB中)として-80°Cで保存した。
(14mm×100mm培養試験管中の)100mg/lカルベニシリンを含む2mlのLBにグリセロールストックからのスタブを播種し、37℃および250rpmで一晩増殖させた。翌日、(14mm×100mm培養試験管中の)100mg/lカルベニシリンを含む2mlのLBに一晩培養物をOD600nm=0.05まで播種し、30℃または37℃ならびに250rpmで増殖させた。OD600nm≒0.8で、1mMのイソプロピルβ-D-1-チオガラクトピラノシド(IPTG)を用いて異種遺伝子の発現を開始し、採取するまで(37℃で増殖させる場合)2時間または(30℃で増殖させる場合)4時間さらに増殖させた。採取時に、OD600nmを測定し、1mlのアリコートを遠心分離し、上清をデカントした。SDS-PAGE分析のために細胞をOD600nm=1.50まで再懸濁し、発現レベルを評価した。10μlの再懸濁した培養物を、1)Novex(登録商標)NuPAGE(登録商標)12% Bis-Trisゲル(Life Technologies)、または2)Novex(登録商標)16% Tricineゲル(Life Technologies)のいずれかに充填し、標準的な製造者のプロトコルを使用して実行した。標準的な製造者のプロトコルを使用してSimplyBlue(商標)SafeStain(Life Technologies)を用いてゲルを染色し、Molecular Imager(登録商標)Gel Doc(商標)XR+System(Bio-Rad)を使用して画像化した。過剰発現された異種タンパク質を、分子量マーカーおよび対照培養物と比較することにより同定した。
この方法を用いて、表8Aおよび8Bに列挙したタンパク質の組換え発現を観察した。
Figure 0007122141000034
Figure 0007122141000035
Figure 0007122141000036
Figure 0007122141000037
Figure 0007122141000038
Figure 0007122141000039
Figure 0007122141000040
実施例7:組換え栄養タンパク質の大量生成
本開示に記載されるような栄養タンパク質を大量に生成するための代表的なプロトコルは次の通りである。
(50mlのバッフル付きPyrex振盪フラスコ中の)100mg/lカルベニシリンを含む5mlのLBに、栄養タンパク質をコードする組換え遺伝子を含む組換え大腸菌株のグリセロールストックからのスタブを播種し、後期対数増殖期まで37℃および250rpmで増殖する(OD600nm≒2)。2.5l Ultra Yield Flask(Thomson Instrument Company)に、500mlの滅菌水および十分なEnBase EnPresso(商標)錠剤(BioSilta)を播種し、500mlの増殖培地を配合する。この培地に、100mg/lのカルベニシリン、0.001%Industrol 204消泡剤、および0.6U/lのEnzI’m(BioSilta)を補充する。振盪フラスコをOD600nm=0.05まで播種し、30℃および250rpmで16時間増殖する。この時点で、OD600nm≒10に達し、増殖培地にEnPresso(商標)Booster錠剤(BioSilta)、1.2U/lのEnzI’m、および1mMのIPTGを補充し、異種タンパク質の生成を誘導する。30℃および250rpmでさらに8~24時間振盪させた後、10,000rpmでの遠心分離によりフラスコから採取し、上清をデカントし、細胞湿重量を測定した。この時点で、およそ20gWCW(細胞湿重量のグラム)/培地1リットルを回収する。
各振盪フラスコによる発酵から採取された細胞を、25mLのIMAC Equilibration Solution(30mMのイミダゾール、50mMのリン酸塩、0.5MのNaCl、pH7.5)に懸濁する。次いで、懸濁した細胞を氷上で90秒間、90ワットの超音波処理することにより溶解する。溶解した細胞を15,500RCFで60秒間遠心分離し、デカントする。細胞片を破棄し、上清を0.2μm濾過する。次いで、フィルターをさらに10mLのIMAC Equilibration Solutionで洗い流す。次いで、これらの濾過したタンパク質溶液を固定化金属親和性クロマトグラフィー(IMAC)により精製する。
IMAC樹脂(GE Healthcare、IMAC Sepharose6 Fast Flow)をニッケルで荷電し、平衡化する。30mLの各タンパク質溶液を5mLのIMACカラムに充填し、さらなる平衡化溶液で洗浄し、未結合の不純物を除去する。次いで、目的とするタンパク質を15mLの0.5M NaCl、0.2Mイミダゾール(pH7.5)で溶出する。この精製タンパク質は、SDS-PAGEによって90%純粋であることが示される。およそ20~60mgの各タンパク質をIMAC溶出画分から回収する。各IMAC溶出画分を配合液(20mM HEPES、pH7.5)に透析することにより緩衝液交換を行う。緩衝液交換後、すべての下流プロセシングのためにこのタンパク質溶液を回収する。
実施例8:栄養タンパク質の可溶性発現の予測
一連の292個の栄養タンパク質をコードするオープンリーディングフレームをクローニングし、大腸菌に導入し、実施例6の方法を用いて組換えタンパク質の発現を評価した。用いた系において、163個のタンパク質が発現されたと同定され、129個は発現されなかった。発現された163個のタンパク質のうち、125個を可溶性発現について調べた。75個が可溶性発現された一方で、50個は発現されなかったことが分かった。
図1は、大腸菌発現スクリーンにおけるタンパク質発現の2次元ヒストグラムを示す。図1は、発現されるタンパク質の相対的確率(対数スケールで)を溶媒和スコア(Y軸)と凝集スコア(X軸)の関数として表している。ヒストグラム上の色の濃い印は、より多い数のタンパク質が発現されたことを示し、薄い色の印は、より少ない数のタンパク質が発現されたことを示す。図1は、良好に発現したタンパク質が、プロットの左上領域においてクラスター化する傾向があり、溶媒和スコアはよりマイナスであり(-20以下)、凝集スコアはより低い(0.75以下)ことを示している。より陰性でない溶媒和スコア(-15以上)および大きい凝集スコア(1以上)を有する良好に発現されたタンパク質の例は、ほとんど存在しなかった。この結果は、-20以下の溶媒和スコアおよび0.75以下の凝集スコアを有する栄養タンパク質が、この系において発現される確率がより高いことを示している。
図2は、大腸菌発現スクリーンにおける可溶性タンパク質の発現数の2次元ヒストグラムを示す。図2は、可溶性に発現されるタンパク質の相対的確率(対数スケール上)を溶媒和スコア(Y軸)と凝集スコア(X軸)の関数として示す。この場合も同様に、ヒストグラム上の色の濃い印は、より多い数のタンパク質が発現されたことを示し、薄い色の印は、より少ない数のタンパク質が発現されたことを示す。図1は、可溶性に発現したタンパク質が、プロットの左上領域においてクラスター化する傾向があり、溶媒和スコアはよりマイナスであり(-20以下)、凝集スコアはより低い(0.5以下)ことを示している。より陰性でない溶媒和スコア(-15以上)および大きい凝集スコア(0.75以上)を有する可溶性に発現されたタンパク質の例は、ほとんど存在しなかった。この結果は、-20以下の溶媒和スコアおよび0.5以下の凝集スコアを有する栄養タンパク質が、この系において可溶性に発現される確率がより高いことを示している。
実施例9:溶解性スクリーニング
実施例6および7に記載されるように生成した9個の栄養タンパク質の溶解性を遠心濃縮によって検査し、その後タンパク質濃縮アッセイが続いた。Coomassie Plus(Bradford)タンパク質アッセイ(Thermo Scientific)のプロトコルに従って20mMのHEPES(pH 7.5)中の試料のタンパク質濃度、および(該当する場合)280nmの吸光度を検査した。これらの測定値に基づいて、10mgのタンパク質をAmicon Ultra 3kDa遠心濾過器(Millipore)に添加した。10,000Xgで30分間の遠心分離により試料を濃縮した。最終濃縮試料の沈殿タンパク質および色を検査し、次いで、上記のようにタンパク質濃度を検査した。この結果を表9に示す。
Figure 0007122141000041
これらの栄養タンパク質の溶解性は、乳清(12.5g/L)および大豆(10g/L)に関して典型的に見られる濃度よりも著しく高いことが分かった(Pelegrine,D.H.G.&Gasparetto,C.A.,2005.Whey proteins solubility as function of temperature and pH.LWT-Food Science and Technology,p.77-80、Lee,K.H.,Ryu,H.S.&and Rhee,K.C.,2003.Protein solubility characteristics of commercial soy protein products.Journal of the American Oil Chemists’Society,pp.85-90)。これは、本明細書に開示される栄養タンパク質の有用性を証明するものである。例えば、この栄養タンパク質の溶解性は、しばしばこの方法で送達されるタンパク質を特徴づける「粉っぽさ」を回避しながら、できる限り少量の体積での高品質タンパク質の適合する送達を改善し得る。これは、例えば、高齢者または他の対象にタンパク質を送達するのに有用であり得る。
実施例10:安定性スクリーニング
栄養タンパク質の熱安定性は、タンパク質が有用な有効期間を有する可能性があるかどうかに関する見通しを提供する。実施例6および7に記載されるように生成したタンパク質の試料を、迅速な熱安定性スクリーニング法を用いて並行してスクリーニングした。この方法では、温度の上昇に伴ってタンパク質が変性するにつれて形成される凝集タンパク質に結合する疎水性色素(Enzo Life Sciences、ProteoStat(登録商標)熱シフト安定性アッセイキット)の存在下で、2つの代表的な配合物中においてタンパク質を25℃~95℃にゆっくりと加熱した(Niesen,F.H.,Berglund,H.&Vadadi,M.,2007.The use of differential scanning fluorimetry to detect ligand interactions that promote protein stability.Nature Protocols,Volume 2,pp.2212-2221.)。結合すると、色素の蛍光が著しく増加するので、次いで、それをrtPCR機器により記録し、タンパク質の溶融曲線によって表す(Lavinder,J.J.,Hari,S.B.,Suillivan,B.J. &Magilery,T.J.,2009.High-Throughput Thermal Scanning:A General,Rapid Dye-Binding Thermal Shift Screen for Protein Engineering.Journal of the American Chemical Society,pp.3794-3795.)。熱シフトが完了した後、試料の不溶性沈殿物を検査し、分析用のサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってさらに分析した。
PBSおよび20mMのHEPES(pH7.7)の緩衝液の両方(各々が1倍ProteoStat TS Detection Reagentを含有する)において、タンパク質溶液(12.5mg/ml) を調製した。色素の蛍光をモニタリングしながら、リアルタイムPCR(rtPCR)サーモサイクラーを用いて、各溶液の試料を0.5℃/30秒で25℃から95℃に徐々に加熱した。この熱スキャンから、蛍光の増加が観察された場合、最も強い勾配を有する温度から凝集体の温度を決定した(Tagg)。アッセイを補完するために、熱シフトの前および後に試料を採取し、大きな可溶性凝集体を検出することができるSEC(GE Healthcare-Superdex 75 5/150)によって分析した。本開示の7つの栄養タンパク質および乳清標準物質の結果を表10に提示する。SECによって検出された可溶性凝集体の存在は、観察された場合は「有」、観察されなかった場合は「無」と記載され、乳清標準物質の「該当なし」の記入は、不溶性沈殿物が生成されたためにSEC分析が行われなかったことを示す。
Figure 0007122141000042
表10に示すように、配列番号:2582、2587、2596、2598、および2599は、乳清よりもはるかに高いHEPES Taggを有し(実際に、このタンパク質はこのアッセイの上限である95℃でいかなる凝集体も形成しなかった)、このため、乳清よりも安定していると予想される。配列番号:2600および2603のタンパク質は、乳清よりも高いHEPES TaggおよびPBS Tagg値を有したが、乳清が溶液から沈殿した不溶性凝集体を形成した一方、両方が溶液中で可溶性凝集体を形成した。このため、例え凝集状態であっても、これら2つの栄養タンパク質は、乳清よりも長い期間溶液中に残存することが予想され得る。
実施例11:消化率スクリーニング-消化半減期の決定
タンパク質の消化率をスクリーニングする目的は、潜在的に安全ではないアレルゲン性タンパク質を除外すること、およびペプチドの生物学的利用能の予測因子として消化の相対的完全性を決定することである。このスクリーニング方法は、模擬胃内消化および模擬腸内消化といったタンパク質消化の両方の段階を含む、生理的に適切なインビトロ消化反応を利用する(Moreno,J.F.et al.,2005.Stability of the major allergen Brazil nut 2S albumin(Ber e 1)to physiologically relevant in vitro gastrointestinal digestion.FEBS Journal,pp.341-352.)。試料は、反応を通して採取することができ、チップ電気泳動およびLC-QTOF-MSを用いてインタクトなタンパク質およびペプチド断片について分析することができる。アレルゲン性を有するタンパク質は、消化プロテアーゼに耐性を示すためにアレルギー反応を引き起こすより高いリスクを有するタンパク質またはタンパク質の大きな断片を同定することにより評価することができる(Goodman,R.E. et al.,2008.Allergenicity assessment of genetically modified crops-what makes sense?.Nature Biotechnology,pp.73-81.)。消化率は、いかに効率的にタンパク質がペプチドに分解されるかを判定することによって測定される(Daniel,H.,2003.Molecular and Integrative Physiology of Intestinal Peptide Transport.Annual Review of Physiology,Volume 66,pp.361-384.)。
本方法では、アッセイ条件およびプロテアーゼ濃度が生理的に適切である、タンパク質のインビトロ消化のための自動化アッセイを用いた(Moreno,F.J.,Mackie,A.R.&Clare Mills,E.N.,2005.Phospholipid interactions protect the milk allergen a-Lactalbumin from proteolysis during in vitro digestion.Journal of agricultural and food chemistry,pp.9810-9816、Martos,G.,Contreras,P.,Molina,E.&Lopez-Fandino,R.,2010.Egg White Ovalbumin Digestion Mimicking Physiological Conditions.Journal of Agricultural and food chemistry,pp.5640-5648、Moreno,J.F.et al.,2005.Stability of the major allergen Brazil nut 2S albumin(Ber e 1)to physiologically relevant in vitro gastrointestinal digestion.FEBS Journal,pp.341-352.)。消化の第1段階は、模擬胃液(SGF)中であり、pH1.5および(1:10 w/w)のペプシン:基質の比率で配合される。消化の第2段階は、模擬腸液(SIF)中であり、pH6.5の胆汁酸塩とともに、(1:4:400 w/w)トリプシン:キモトリプシン:基質の比率で配合される。流動食の90%が胃から小腸に通過するのに必要な時間の長さである120分間、模擬胃液中でタンパク質を処理し(Kong,F.&Singh,R.P.,2008.Disintegration of Solid Foods in Human Stomach.Journal of Food Science,pp.67-80)、次いで、模擬腸液で120分間処理する。両方の反応全体にわたって試料の時点を採取し、分析のために反応停止させる。ペプシンによって消化されやすいウシ血清アルブミンは、SGF溶液の陽性対照であり、天然の状態でペプシンに耐性を示すがSIF中で消化されるβラクトグロブリンは、SIF溶液の陽性対照である。電気泳動を用いてインタクトなタンパク質およびペプチド断片を検出した。チップ電気泳動には、HT Low MW Protein Assay Kitを搭載したCaliper Labchip GXIIを使用して、インタクトなタンパク質および4kDaよりも大きなあらゆる消化断片のサイズおよび量をモニタリングした。経時的に観察されるインタクトなタンパク質の量をモニタリングすることにより、SGFについて消化の半減期(τ1/2)を計算し、SGF消化後にインタクトなタンパク質が検出される場合、SIFにおける消化の半減期を計算した。
この方法は、実施例6および7に記載されるように生成した本開示の13個の栄養タンパク質(配列番号:2547、2575、2578、2580、2582、2587、2595、2596、2598、2599、2600、2602、および2603)、ならびに栄養および組換え卵白アルブミン(それぞれ、OVAおよびrOVA、配列番号2610)、ならびにβラクトグロブリン(それぞれ、BLGおよびrBLG、配列番号2611)タンパク質、そして乳清標準物質の消化半減期を分析するために用いられた。これらの実験の結果を表11に要約する。模擬腸液の「該当なし」の記入は、SGF消化後にインタクトなタンパク質が検出されなかったことを示す。
Figure 0007122141000043
表11に示される結果は、本開示の13個の栄養タンパク質のうちの12個がすべてSGFによって完全に消化され、10分以下のSGF半減期を有することを示す。比較すると、乳清は、SGFによって完全には消化されず、99分のSGF半減期および4分のSIF半減期を有する。この試験は、本開示の栄養タンパク質が、容易に消化される可能性が高く、経口摂取された時にアレルギー反応を誘発する可能性が低いことを示唆している。
また、表11の結果は、本開示に従って生成された組換えβラクトグロブリンおよび卵白アルブミンは、両方とも、それらの天然に存在する対照物よりも消化されやすいことも示している。タンパク質が分解される速度は、消化管プロテアーゼの到達性を改善または制限する特性を選択することにより制御することができる。この能力は、2つの典型的なタンパク質特性であるグリコシル化およびジスルフィド架橋結合について実証することができる。多くの天然に存在するタンパク質と同様に、天然に存在するOVAおよびBLGは、それらの宿主生物によってグリコシル化される。対照的に、宿主生物(この場合は大腸菌)がグリコシル化しないため、本開示に従って生成される組換えタンパク質はグリコシル化されない。本開示による組換え栄養タンパク質におけるグリコシル化の欠如は、より消化されやすいタンパク質をもたらし得る。さらに、BLGは、消化を遅らせるかまたは妨げることが分かっている4つのジスルフィド結合を有する。これらのジスルフィド結合が破壊されると、消化の速度が増加する(Reddy,I.M.,Kella,N.K.D.&Kinsella,J.E.,1988.Structural and conformational Basis of the Resistance of b-Lactoglobulin to Peptic and Chymotryptic Digestion.J. Agric.Food Chem.,Volume 36,pp. 737-741)。本開示による組換え栄養タンパク質におけるジスルフィド結合形成の欠如または破壊は、より消化されやすいタンパク質をもたらし得る。
実施例12:消化率スクリーニング-消化生成物の分析
実施例6および7に記載されるように生成した2つの栄養タンパク質(配列番号2612および2613)を、実施例11に記載されるようにSGFおよびSIF消化に供した。両方のタンパク質はSGF中で完全に消化され、SGF半減期を表12に示す。
Figure 0007122141000044
SGFおよびSIF消化後に存在するペプチドを検出および同定するために、SGFおよびSIF消化物の試料をLC/Q-TOF MS/MSにより分析した。SGF消化物からの試料は、LC/Q-TOF MS/MSにより直接分析したが、SIFタンパク質の消化物は、LC/Q-TOF MS/MSによる検出および同定の前に、胆汁酸を除去するためのSCXによる精製が必要であった。クロマトグラムからペプチドを抽出し、Bioconfirm Software(Aglient)を使用して同定した。ペプチドの配列割当は、正確な質量マッチング(±10ppm)に基づいており、MS/MS断片化によってさらに確認された。その結果を以下の表13および14に示す。
Figure 0007122141000045
Figure 0007122141000046
Figure 0007122141000047
表13および14に見られるように、各タンパク質は、2~22個のアミノ酸(配列番号2612)または2~13個のアミノ酸(配列番号2613)のサイズに及ぶ、複数のより小さなペプチド断片に消化された。これらのペプチド断片のうちのいずれも、任意の既知のアレルゲンと相同であるとは認められなかった。
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、当業者は、本発明の真の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われてもよく、均等物が置き換えられてもよいことを理解されたい。また、特定の状態、材料、物質の組成、プロセス、単数または複数のプロセスステップを、本発明の目的、主旨、および範囲に適応させるために、多くの修正が行われてもよい。すべてのそのような修正は、本明細書に添付される特許請求の範囲内であるよう意図されている。

Claims (13)

  1. 単離された栄養タンパク質を含む栄養組成物であって、
    単離された栄養タンパク質が、配列番号2547、2575、2578、2580、2582、2587、2595、2596、2598、2599、2602、2603、2612、及び2613からなる群から選択されるポリペプチド配列に少なくとも90%相同なポリペプチド配列を含み、
    ここで、前記単離された栄養タンパク質は生理学的pHで少なくとも20g/Lの水溶解性およびpH7で-20以下の溶媒和スコアを有し
    前記栄養組成物が、少なくとも1つの第2の構成成分を含み、かつ
    前記単離された栄養タンパク質が、10分未満の模擬胃内消化半減期を有する
    栄養組成物。
  2. 前記単離された栄養タンパク質が、生理学的pHで、少なくとも30g/L、少なくとも40g/L、少なくとも50g/L、または少なくとも100g/Lの水溶解性を有する、請求項1に記載の栄養組成物。
  3. 前記単離された栄養タンパク質が、pH7で-30以下の溶媒和スコアを有する、請求項1又は2に記載の栄養組成物。
  4. 前記単離された栄養タンパク質が、0.5以下、または0.3以下の計算上の凝集スコアを有する、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  5. 前記単離された栄養タンパク質が、95℃で検出可能な凝集を示さない、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  6. 前記単離された栄養タンパク質が、既知のアレルゲンに対して50%未満の全体的配列相同性を有し、かつ/または前記単離された栄養タンパク質が、既知の毒素に対して50%未満の全体的配列相同性を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  7. 前記単離された栄養タンパク質が、3個以下のシステイン残基を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  8. 前記単離された栄養タンパク質が、各必須アミノ酸のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  9. 前記単離された栄養タンパク質が、20~150アミノ酸長を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  10. 栄養タンパク質の量が、0.1g~1g、1g~5g、2g~10g、5g~15g、10g~20g、15g~25g、20g~40g、25~50g、および30~60gから選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  11. 換え微生物による前記栄養タンパク質の生成に十分な条件下で、請求項1~10のいずれか1項に記載の栄養組成物に含まれている栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む、核酸、及び請求項1~10のいずれか1項に記載の栄養組成物に含まれている栄養タンパク質をコードする核酸配列を含む、ベクター、のうちの少なくとも1つを含む組換え微生物を培養することを含み、任意に培養物から前記栄養タンパク質を単離することをさらに含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の栄養組成物を作製する方法。
  12. 前記少なくとも1つの第2の構成成分が、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、遊離アミノ酸、炭水化物、脂肪、ミネラルまたはミネラル源、ビタミン、栄養補助食品、生物、医薬品、および賦形剤から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の栄養組成物。
  13. 前記栄養組成物が、液体溶液、スラリー、懸濁液、ゲル、ペースト、粉末、または固体として製剤化されている、請求項1~10及び12のいずれか1項に記載の栄養組成物。
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