JP7121278B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄剤組成物に関する。
シャンプーやボディソープ、洗顔フォームなどは優れた洗浄力だけでなく、汚れは洗い流すが、有効成分は洗い流さないという選択洗浄性や、毛髪のすすぎ時の指通り性の良さ、皮膚や毛髪への負担軽減を目的とした泡質の向上なども求められ、これまでに多くの技術が開示されている。
洗浄剤の泡質に着目すると、選択洗浄性などを有するアシルアミノ酸系界面活性剤やアシル化ペプチドは、それら単独では、脂肪酸石けんなどと比較して泡立ちの悪い傾向がある。
これに対して、アシルアミノ酸系界面活性剤やアシル化ペプチドを処方しつつ、泡立ちの改善を図った組成物が開示されており、例えば、特許文献1には、アシル化ペプチドおよび両性界面活性剤と、さらにアシルアミノ酸系界面活性剤およびスルホコハク酸系界面活性剤から選ばれる1種以上を含有するシャンプー剤組成物が開示され、特許文献2には、アシルアミノ酸系界面活性剤などの非石けん系アニオン性界面活性剤と、特定の非イオン性界面活性剤、水膨潤性粘土鉱物、アニオン性ポリマーおよび多価アルコールを含有する液体浴用剤組成物が開示されている。
また、泡質の良好な泡を長く維持し得る組成物も開示されており、例えば、特許文献3には、アシルアミノ酸系界面活性剤であるN-アシルタウリン型陰イオン界面活性剤と、カルボベタイン型界面活性剤およびスルホベタイン型界面活性剤から選ばれる1種以上の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび多価アルコールを含有する液体洗浄剤組成物が開示され、特許文献4には、アシルアミノ酸系界面活性剤、エチレンオキシドの平均付加モル数が60~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、特定の非イオン性界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物が開示されている。これらの特許文献に記載された組成物は濃密な泡を形成することで泡の持続性を高め、皮膚や毛髪への負担を軽減することができ、すすぎ後の保湿感にも優れることが示されている。
しかしながら、上記特許文献に開示された組成物では、形成される泡において、泡質の柔らかい泡を洗浄の開始時から終了時まで持続させ、かつ、洗浄中における心地良さを満足させることができないことがある。すなわち、泡質が柔らかいのみでは、洗浄の終了時まで泡を維持させることができず、泡質が硬いと、洗浄の終了時まで泡を維持させることはできるが、洗浄中に心地の良い感触を得ることができないことがある。
従って、良好な泡立ちを示し、洗浄中における皮膚や毛髪への負担を軽減するため、高い泡の持続性を有し、かつ、泡質が柔らかく、洗浄時に良好な洗い心地を示すとともに、すすぎ後の保湿感に優れる洗浄剤組成物が求められている。
特開2007-99742号公報 特開2015-143219号公報 特開2017-193625号公報 特開2013-95898号公報
そこで、本発明が解決しようとする課題は、身体や毛髪の洗浄に用いられる洗浄剤組成物であって、泡立ちが良く、皮膚や毛髪への負担を軽減するために高い泡の持続性を有し、泡質が柔らかく、良好な洗い心地を示す泡を形成することができ、すすぎ後の保湿感にも優れる洗浄剤組成物を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討した結果、アシルアミノ酸系界面活性剤と、エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびエチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルからなる群より選択される1種または2種以上に加え、さらにアシル化ペプチドを組み合わせて含有させることで、泡立ちが良く、高い泡の持続性を有し、泡質の柔らかい泡を形成し得るとともに、すすぎ後の保湿感にも優れる洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明の完成に至ったものである。
すなわち本発明は、以下に関する。
[1](A)アシルアミノ酸系界面活性剤を5質量%~20質量%、(B)エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびエチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルからなる群より選択される1種または2種以上を1質量%~10質量%、ならびに(C)アシル化ペプチドを0.01質量%~0.1質量%含有する洗浄剤組成物。
[2]アシル化ペプチドが、アシル化トリペプチド、アシル化テトラペプチドおよびアシル化ペンタペプチドからなる群より選択される1種または2種以上である、[1]に記載の洗浄剤組成物。
[3]アシル化ペプチドが、N-パルミトイル-グリシルヒスチジルリシンおよびN-パルミトイル-グリシルグルタミニルプロリルアルギニンからなる群より選択される1種以上である、[1]に記載の洗浄剤組成物。
本発明の洗浄剤組成物は、泡立ちが良く、高い泡の持続性を有することから皮膚や毛髪への負担を軽減することができ、柔らかい泡質の泡を形成することで良好な洗い心地を示し、すすぎ後の保湿感に優れるという効果を奏する。
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、(A)アシルアミノ酸系界面活性剤、(B)エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびエチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルからなる群より選択される1種または2種以上、ならびに(C)アシル化ペプチドを、それぞれ特定の含有量にて含有する。以下、各成分について説明する。
[成分(A)]
本発明の洗浄剤組成物において、成分(A)として含有されるアシルアミノ酸系界面活性剤としては、例えば、「第1級~第3級のアミノ基と、カルボン酸またはスルホン酸とを同一分子内に有する化合物」と、「脂肪酸」とのアシル化物が挙げられ、かかるアシル化物は、例えばアシル化剤として脂肪酸クロライドを用いたショッテン・バウマン反応などによって製造される。
「第1級~第3級のアミノ基と、カルボン酸またはスルホン酸とを同一分子内に有する化合物」としては、例えば、動植物から抽出、精製され、もしくは微生物などによる発酵により得られる酸性または中性アミノ酸や、化学合成や酵素反応により得られる酸性または中性アミノ酸、アミノエタンスルホン酸などが挙げられる。
上記した酸性または中性アミノ酸の具体例としては、例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、サルコシン(N-メチルグリシン)、β-アラニン、N-メチル-β-アラニンなどが挙げられる。これらのうち、光学異性を有する場合は、L体、D体、ラセミ体のいずれをも使用することができるが、L体およびラセミ体が好ましく用いられる。
上記したアミノエタンスルホン酸としては、タウリン、メチルタウリンなどが挙げられる。
上記化合物とアシル化物を形成する「脂肪酸」としては、直鎖または分岐の飽和または不飽和脂肪酸を1種または2種以上用いることができ、また混合脂肪酸を用いることもできる。
上記脂肪酸に由来するアシル基の炭素数は、特に限定されないが、通常8~18であり、好ましくは8~16である。アシル基の炭素数が小さ過ぎる場合は泡の持続性が不十分となることがあり、アシル基の炭素数が大き過ぎる場合は泡立ちが低下することがある。
上記脂肪酸に由来するアシル基としては、例えば、カプリロイル、カプリノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、ヤシ油脂肪酸アシル、パーム油脂肪酸アシル、パーム核油脂肪酸アシルなどが挙げられ、好ましくは、カプリノイル、ラウロイル、ヤシ油脂肪酸アシルである。
上記した酸性または中性アミノ酸やアミノエタンスルホン酸と脂肪酸とのアシル化物であるアシルアミノ酸系界面活性剤としては、例えば、N-ラウロイル-L-グルタミン酸、N-ミリストイル-L-グルタミン酸、N-ステアロイル-L-グルタミン酸、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸、N-パーム油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸などのアシルグルタミン酸またはその塩;N-ラウロイル-L-アスパラギン酸、N-ミリストイル-L-アスパラギン酸、N-ステアロイル-L-アスパラギン酸、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アスパラギン酸、N-パーム油脂肪酸アシル-L-アスパラギン酸などのアシルアスパラギン酸またはその塩;N-ラウロイルグリシン、N-ヤシ油脂肪酸アシルグリシンなどのアシルグリシンまたはその塩;N-ラウロイルサルコシン、N-ヤシ油脂肪酸アシルサルコシンなどのアシルサルコシンまたはその塩;N-ラウロイル-L-アラニン、N-ミリストイル-L-アラニン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アラニンなどのアシルアラニンまたはその塩;N-ラウロイル-β-アラニン、N-ミリストイル-β-アラニン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-β-アラニンなどのアシル-β-アラニンまたはその塩;N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン、N-ミリストイル-N-メチル-β-アラニン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-メチル-β-アラニンなどのアシルメチル-β-アラニンまたはその塩;N-カプリノイルタウリン、N-ラウロイルタウリン、N-ヤシ油脂肪酸アシルタウリンなどのアシルタウリンまたはその塩;N-カプリノイル-N-メチルタウリン、N-ラウロイル-N-メチルタウリン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-メチルタウリンなどのアシルメチルタウリンまたはその塩などが挙げられる。
これらの中で、アシルメチル-β-アラニンまたはその塩、アシルメチルタウリンまたはその塩、アシルグルタミン酸またはその塩などが好ましく用いられ、アシルメチル-β-アラニンまたはその塩、アシルメチルタウリンまたはその塩がより好ましく用いられ、アシルメチルタウリンまたはその塩がさらに好ましく用いられる。
上記した酸性または中性アミノ酸またはアミノエタンスルホン酸のアシル化物の塩としては、特に限定されるものではなく、アルカリ金属塩、アルカノールアミン塩などが挙げられる。前記アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられ、前記アルカノールアミン塩としては、例えば、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩などが挙げられる。洗浄剤組成物が良好な泡立ちと、高い泡の持続性を示すためには、上記アシル化物の塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
上記したアシル化物の塩は、自体公知の製造方法に従って製造することができる。
成分(A)として含有されるアシルアミノ酸系界面活性剤は、上記したショッテン・バウマン反応などの公知の製造方法や塩の製造方法に従って合成して用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
アシルアミノ酸系界面活性剤は、1種を選択して単独で用いてもよく、また、2種以上を組み合わせて用いることもできる。成分(A)として、アシルアミノ酸系界面活性剤を洗浄剤組成物に含有させることにより、洗浄剤組成物に、良好な泡立ち、高い泡の持続性、およびすすぎ後の優れた保湿感を付与することができる。
本発明の洗浄剤組成物における成分(A)の含有量は、5質量%~20質量%であり、特に10質量%~20質量%であることが好ましい。
成分(A)の含有量が5質量%より少ない場合、泡立ちや泡の持続性に劣り、泡質が過度に柔らかくなることがあり、成分(A)の含有量が20質量%より多い場合、泡質が硬くなり、すすぎ後の皮膚の保湿感に劣ることがある。
[成分(B)]
本発明の洗浄剤組成物において、成分(B)として含有されるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルは、ソルビタンとラウリン酸とのモノエステルであるソルビタン脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを所定量付加させた非イオン性界面活性剤であり、ポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルは、ソルビトールとラウリン酸とのモノエステルであるソルビトール脂肪酸エステルに、エチレンオキシドを所定量付加させた非イオン性界面活性剤である。本発明においては、これらのうち、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルの方が好ましく用いられる。
エチレンオキシドの平均付加モル数は60モル~100モルであり、好ましくは65モル~95モルであり、特に好ましくは70モル~90モルである。
成分(B)であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルは、それぞれ自体公知の合成方法に従い、合成して用いてもよいが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル等の市販品としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル(80E.O.)(日油株式会社製の「ノニオンLT-280」)などが挙げられる。
本発明においては、エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびエチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルからなる群より、1種を選択して単独で、または2種以上を選択して組み合わせて用いることができる。成分(B)として、前記ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル等を含有させることにより、高い持続性を有し、柔らかい泡質の泡を形成させることができる。
本発明の洗浄剤組成物における成分(B)の含有量は、1質量%~10質量%であり、特に好ましくは3質量%~6質量%である。
成分(B)の含有量が1質量%より少ない場合、泡立ちや泡の持続性に劣り、泡質が過度に柔らかくなることがあり、成分(B)の含有量が10質量%より多い場合、泡立ちに劣り、泡質が硬くなることがある。
[成分(C)]
本発明の洗浄剤組成物において、成分(C)として含有されるアシル化ペプチドは、ペプチドのN末端をアシル化した誘導体である。
アシル化ペプチドを構成するペプチドは、シルクやコラーゲンなどの動植物に含有されるタンパク質など、天然に存在するタンパク質を加水分解して得られるペプチドであってもよく、アミノ酸のペプチド結合により合成されるペプチドであってもよい。
アミノ酸のペプチド結合により合成されるペプチドとしては、2個~10個のアミノ酸から形成されるペプチドが好ましく、特に好ましくは3個~5個のアミノ酸から形成されるペプチドである。
ペプチドのアシル化は、脂肪酸により行われることが好ましい。かかる脂肪酸としては、直鎖または分岐の飽和または不飽和脂肪酸を1種または2種以上用いることができ、また混合脂肪酸を用いることもできる。脂肪酸に由来するアシル基の炭素数は、特に限定されないが、通常8~18であり、好ましくは12~18であり、特に好ましくは16~18である。
ペプチドに導入されるアシル基としては、カプリロイル、カプリノイル、ウンデセノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、イソパルミトイル、パルミトレイノイル、ステアロイル、イソステアロイル、オレオイル、アラキジノイル、ベヘノイル、ヤシ油脂肪酸アシル、パーム油脂肪酸アシル、パーム核油脂肪酸アシルなどが例示され、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイルおよびステアロイルが好ましく、パルミトイルおよびステアロイルがより好ましい。
アシル化ペプチドとして、具体的には、ラウロイル加水分解シルクなど、コラーゲンやシルクなどを加水分解して得られたペプチドを、ラウリン酸やヤシ油脂肪酸などでアシル化したものが挙げられる。
また、N-パルミトイル-グリシルヒスチジルリシン(N-パルミトイル-Gly-His-Lys)やN-パルミトイル-グリシルグルタミニルプロリルアルギニン(N-パルミトイル-Gly-Gln-Pro-Arg)などのように、特定のアミノ酸配列を有するペプチドを、パルミチン酸などでアシル化したものが挙げられる。
本発明においては、N-パルミトイル-Gly-His-LysおよびN-パルミトイル-Gly-Gln-Pro-Argが特に好ましく用いられる。
成分(C)として用いられるアシル化ペプチドは、自体公知の製造方法により製造して用いることができ、また、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
アシル化ペプチドは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。成分(C)としてアシル化ペプチドを含有させることにより、柔らかい泡質と、すすぎ後の優れた保湿感を洗浄剤組成物に付与することができる。
本発明の洗浄剤組成物における成分(C)の含有量は、0.01質量%~0.1質量%であり、特に好ましくは0.03質量%~0.07質量%である。
成分(C)の含有量が0.01質量%より少ない場合、泡質が硬くなり、すすぎ後の皮膚の保湿感に劣ることがあり、成分(C)の含有量が0.1質量%より多い場合、泡立ちおよび泡の持続性に劣り、泡質が過度に柔らかくなることがある。
[成分(D)]
本発明の洗浄剤組成物は、さらに成分(D)として水を含有する。水としては、身体用洗浄剤組成物や毛髪用洗浄剤組成物など、化粧品の製造に用い得る水を用いることができ、蒸留水やイオン交換水などの精製水を好ましく用いることができる。
本発明の洗浄剤組成物において、成分(D)は、成分(A)~成分(C)、さらに場合により後述する他の成分を添加する場合はそれら成分を含めて、洗浄剤組成物の全量が100質量%となるように、残部として含有させる。
また、本発明の洗浄剤組成物には、成分(E)として、両性界面活性剤を含有させることができる。
成分(E)として含有させ得る両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアミドベタイン型両性界面活性剤、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのイミダゾリン型両性界面活性剤、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインなどのアミドスルホベタイン型両性界面活性剤、ヒドロキシアルキルヒドロキシエチルサルコシンなどのカルボベタイン型両性界面活性剤、アルキルイミノジ酢酸塩などが挙げられる。
これらのうち、好ましくは脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインであり、特に好ましくはヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインである。
上記した両性界面活性剤としては、自体公知の製造方法により製造して用いることができるが、各社より提供されている市販の製品を用いることもできる。
上記した両性界面活性剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(E)として、両性界面活性剤を含有させることにより、良好な泡立ちが得られ、持続性に優れる泡を形成させることができる。
本発明の洗浄剤組成物には、成分(E)は5質量%~20質量%含有させることが好ましく、5質量%~10質量%含有させることがより好ましい。
さらに、本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分(A)~成分(E)以外に、通常身体用洗浄剤組成物や毛髪用洗浄剤組成物に添加し得る成分を含有させることができる。
かかる成分としては、例えば、植物性油脂、動物性油脂などの油脂;スクワラン、流動パラフィン、水素添加ポリイソブテンなどの炭化水素油;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール;環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサンなどのシリコーン油;パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩などのカチオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸石けんなどの成分(A)以外のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルなどの成分(B)以外の非イオン性界面活性剤;塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子;エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの溶剤;クエン酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩などのpH調整剤;アスコルビン酸、トコフェロールなどの抗酸化剤;アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラヤガムなどの多糖類;アミノ酸(DL-アラニン、アスパラギン酸ナトリウム、セリン、プロリンなど)、ペプチドおよびタンパク質(加水分解シルク、加水分解エラスチン、加水分解コラーゲン、ホエイなど)、ムコ多糖(ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸など)などの保湿剤;アシタバ抽出物、ブドウ葉抽出物、タチジャコウソウ抽出物などの植物抽出物;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピルなどの防腐剤;メントール、ラベンダーエキスなどの香料;ベニバナ色素、真珠光沢顔料(酸化鉄被覆雲母チタンなど)などの着色料などが挙げられ、目的に応じて、適宜含有させることができる。
本発明の洗浄剤組成物のpHは、特に限定されるものではないが、組成物を希釈せずに25℃において測定されるpHとして、好ましくは4.5~8であり、より好ましくは5~7.5であり、特に好ましくは5.5~7である。洗浄剤組成物のpHが中性から大きく外れると、成分(B)の加水分解が懸念されるため、好ましくない。
なお、洗浄剤組成物のpHは、ガラス電極法により測定することができる。
本発明の洗浄剤組成物は、ボディソープ、ハンドソープ等の身体用洗浄剤組成物、シャンプー、リンスインシャンプー等の毛髪用洗浄剤組成物として、溶液状、分散液状、懸濁液状、乳液状等の液状;ジェル状、ペースト状、クリーム状等の半固形状の形態で提供され得る。
本発明の洗浄剤組成物は、上記した成分(A)~(C)を、必要に応じて成分(E)や他の添加剤成分とともに成分(D)に添加して混合し、常法に従って溶解、分散、懸濁、乳化などして製造することができる。
以下、本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1~8、比較例1~9]洗浄剤組成物
<洗浄剤組成物の調製>
表1中の成分(A)~(C)、(E)および他の成分を順次成分(D)に添加して混合し、均一に溶解して実施例1~8の洗浄剤組成物を調製した。
また、表2中の成分(A)、(A’)、(B)、(B’)、(C)、(E)および他の成分を順次成分(D)に添加して混合し、均一に溶解して比較例1~9の洗浄剤組成物を調製した。
表1、2中の各成分としては、化粧品用として提供されている市販の製品を用いた。なお、表1、2中の各成分の含有量は、質量%にて示す。
実施例1~8および比較例1~9の各洗浄剤組成物について、下記(1)~(4)に記載の通り、泡立ち、泡の持続性、すすぎ後の保湿感および泡質の柔らかさについて、評価を行った。
<洗浄剤組成物の評価>
(1)泡立ちの評価
実施例および比較例の各洗浄剤組成物をそれぞれ10mL採り、全量が50mLとなるように精製水で希釈し、ミルサー(岩谷産業株式会社製「IFM-100」)を用いて5秒間泡立て、1分間静置した。次いで、ミルサー容器内における泡の高さを測定した。測定した泡の高さに基づき、下記評価基準に従って洗浄剤組成物の泡立ちを「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<評価基準>
◎:泡の高さが70mm以上
○:泡の高さが55mm以上70mm未満
△:泡の高さが40mm以上55mm未満
×:泡の高さが40mm未満
(2)泡の持続性
パネラー20名による使用感テストを行った。使用感テストは、各パネラーに、実施例および比較例の各洗浄剤組成物のそれぞれを手に取らせ、水をつけながら手で泡立たせることにより行った。
泡の持続性について、下記絶対評価基準に従って評価させ、各パネラーの評点の合計点を求めた。評点の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
3:十分に泡持ちが良い。
2:泡持ちが良い。
1:泡持ちがやや悪い。
0:泡持ちが悪い。
<評点の合計による4段階評価の基準>
◎:評点の合計が50点~60点
○:評点の合計が40点~49点
△:評点の合計が30点~39点
×:評点の合計が30点未満
(3)すすぎ後の保湿感
上記(2)と同様に、パネラー20名による使用感テストを行った。実施例および比較例の各洗浄剤組成物を手に取らせ、水をつけながら手で泡立てて使用させ、水ですすいだ後の保湿感について、下記絶対評価基準に従って評価させた。各パネラーの評点の合計点を求め、評点の合計点に基づき、下記評価基準により「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
3:すすぎ後に十分な保湿感を実感できる。
2:すすぎ後に保湿感を実感できる。
1:すすぎ後に保湿感を実感できない。
0:すすぎ後に保湿感を実感できないばかりでなく、すすぎ後の皮膚につっぱり感、ヒリヒリ感、ぬめり感など不快な感触がある。
<評点の合計による4段階評価>
◎:評点の合計が50点~60点
○:評点の合計が40点~49点
△:評点の合計が30点~39点
×:評点の合計が30点未満
(4)泡質の柔らかさ
実施例および比較例の各洗浄剤組成物を10mL採り、全量が50mLとなるように精製水で希釈してボウルの中に入れ、ハンドミキサーで30秒間泡立てた。形成された泡を200mLビーカーいっぱいに入れ、30秒間静置した後、泡の上に錘として直径5cmのガラスシャーレ(16g)を載せて、ビーカーの底の液にシャーレが現れるまでの時間を測定した。測定された時間に基づき、下記評価基準により、「◎」、「○」、「△」、「×」の4段階にて評価した。前記評価が「◎」である場合および「○」である場合を合格とした。
<評価基準>
◎:測定された時間が1分30秒以上2分00秒未満
○:測定された時間が1分00秒以上1分30秒未満、または2分00秒以上2分30秒未満
△:測定された時間が0分30秒以上1分00秒未満、または2分30秒以上3分00秒未満
×:測定された時間が0分30秒未満または3分00秒以上
上記(1)~(4)の評価結果を、表1および2に併せて示した。
Figure 0007121278000001
Figure 0007121278000002
実施例1~8の洗浄剤組成物は、いずれも泡立ち、泡の持続性およびすすぎ後の保湿感が良好で、適度に柔らかい泡質を有すると評価された。
一方、成分(A)の代わりに、アニオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(成分(A’))を用いた比較例1の洗浄剤組成物では、泡立ちが悪く、すすぎ後の保湿感がやや不十分であり、泡質が硬いと評価された。
成分(A)を含有しない比較例2の洗浄剤組成物では、泡立ちが悪く、すすぎ後の保湿感が不十分で、泡質が柔らか過ぎると評価され、泡の持続性についてもやや不十分であると評価された。
成分(A)の含有量が20質量%を超える比較例3の洗浄剤組成物では、すすぎ後の保湿感が不十分であり、泡質がやや硬いと評価された。
成分(B)の代わりに、エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル未満であるポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル(成分(B’))を含有する比較例4の洗浄剤組成物では、泡の持続性が不十分であり、泡質が柔らか過ぎると評価された。
成分(B)の代わりに、エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル未満であり、脂肪酸残基がオレイン酸であるポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル(成分(B’))を含有する比較例5の洗浄剤組成物では、泡の持続性が不十分であり、泡質が柔らか過ぎると評価された。
成分(B)を含有しない比較例6の洗浄剤組成物では、泡立ちがやや悪く、泡の持続性が不十分であり、泡質が柔らか過ぎると評価された。
成分(B)の含有量が10質量%を超える比較例7の洗浄剤組成物では、泡立ちがやや悪く、泡質が硬いと評価された。
成分(C)を含有しない比較例8の洗浄剤組成物では、すすぎ後の保湿感が不十分であり、泡質が硬いと評価された。
成分(C)の含有量が0.1質量%を超える比較例9の洗浄剤組成物では、泡立ちがやや悪く、泡の持続性が不十分であり、泡質が柔らか過ぎると評価された。
以上、詳述したように、本発明により、泡立ちが良く、泡の持続性に優れ、泡質の柔らかい泡を形成することができて良好な洗い心地を示し、すすぎ後の保湿感に優れる洗浄剤組成物を提供することができる。

Claims (1)

  1. (A)アシルアミノ酸系界面活性剤を5質量%~20質量%、(B)エチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステルおよびエチレンオキシドの平均付加モル数が60モル~100モルであるポリオキシエチレンソルビトールモノラウリン酸エステルからなる群より選択される1種または2種以上を1質量%~10質量%、ならびに(C)アシル化ペプチドを0.01質量%~0.1質量%含有する洗浄剤組成物であって、アシル化ペプチドが、N-パルミトイル-グリシルヒスチジルリシンおよびN-パルミトイル-グリシルグルタミニルプロリルアルギニンからなる群より選択される1種以上である、洗浄剤組成物。
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