以下、図面を参照して、本発明の1または複数の実施形態が説明される。しかしながら、発明の範囲は、開示された実施形態に限定されない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、適宜、その説明を省略する。本明細書において、総称する場合には添え字を省略した参照符号で示し、個別の構成を指す場合には添え字を付した参照符号で示す。
実施形態における生産状態管理システムは、例えば、ワーク、設備および人員等の、製品の生産に関わるものの状態を管理するシステムであり、例えば、生産状態を管理する生産状態管理装置と、前記生産状態管理装置と通信可能に接続される端末装置とを備える。この生産状態管理装置は、生産状態の種類と前記生産状態を種類に分類するための複数種の分類因子の状態との対応関係を表す生産状態分類情報を記憶する生産状態分類情報記憶部と、前記分類因子の状態を取得する分類因子状態取得部と、前記分類因子状態取得部で取得した前記分類因子の状態に対応する生産状態の種類を前記生産状態分類情報記憶部に記憶された生産状態分類情報から取り出す生産状態抽出部と、前記生産状態抽出部で取り出された生産状態の種類を出力する出力部とを備える。以下、このような生産状態管理システムおよび生産状態管理装置について、より具体的に説明する。
図1は、実施形態における生産状態管理システムの構成を示す図である。なお。図1には、標識装置の図示が省略されており、標識装置は、図3に図示されている。図2は、前記生産状態管理システムにおける生産状態管理装置の構成を示す図である。図3は、前記生産状態管理システムにおける生産場所の分割領域を説明するための図である。図3には、上から見た平面図で作業場所が概略的に図示されている。図4は、前記生産状態管理装置に記憶される生産状態分類情報テーブルの構成を示す図である。図5は、前記生産状態管理装置に記憶される通知先情報テーブルの構成を示す図である。図5Aは、通知先情報テーブルのうちの、設備と人員との対応関係を表す設備人員対応情報テーブルを示し、図5Bは、通知先情報テーブルのうちの、人員と端末装置との対応関係を表す人員端末対応情報テーブルを示す。図6は、前記生産状態管理装置に記憶される計画着完情報テーブルの構成を示す図である。図7は、前記生産状態管理装置に記憶される設備状態情報テーブルの構成を示す図である。図8は、前記生産状態管理装置に記憶される担当者位置情報テーブルの構成を示す図である。
実施形態における生産状態管理システムMSは、製品の生産に関わるものの状態を管理するシステムであり、例えば、図1に示すように、1または複数の設備MN(MN-1~MN-k)と、1または複数の読取装置RD(RD-1~RD-k)と、1または複数の操作表示装置DP(DP-1~DP-k)と、生産状態管理装置MDと、1または複数の携帯端末装置TA(TA-1、TA-2)と、1または複数のコンピュータ端末装置PCと、1または複数の表示端末装置TDとを備え、これらは、有線や無線で、LAN(Local Area Network、例えばIEEE802.11規格に従ったLAN等)等の網(ネットワーク、通信回線)NWを介して通信可能に接続される。ネットワークNWは、通信信号を中継する例えばリピーター、ブリッジ、ルーター、交換機、アクセスポイント等の中継機が備えられて良い。ネットワークNWは、例えばTCP(Transmission control protocol)およびIP(Internet protocol)等のインターネットプロトコル群が用いられることによっていわゆるイントラネットを構成する。図1に示す例では、生産状態管理システムMSは、複数k個の設備MN-1~MN-kを備え、これら複数の設備MN-1~MN-kそれぞれに対応して複数の読取装置RD-1~RD-kおよび複数の操作表示装置DP-1~DP-kを備える。
設備MNは、ワークWKに対し所定の処理を施す装置であり、例えば、ワークWKを加工する加工設備(加工機)等である。設備MNは、操作表示装置DPと接続され、操作表示装置DPで受け付けた操作の内容に応じて稼働する。設備MNは、自機の状態を監視(モニタ)する監視機能を備えている。設備MNの状態は、設備MNが稼働している稼働中、設備MNが稼働していない非稼働、および、設備MNの状態が予め設定された所定の状態(例えば異常状態や故障状態等)となっているためにその報知を必要とする警告(アラート)を含む。設備MNは、監視の結果、自機の状態(設備の状態(設備状態))が変化すると、変化後の自機の設備状態を、操作表示装置DPへ出力する。操作表示装置DPは、後述するように、設備MNから入力された設備状態を、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信する。なお、このように間接的ではなく、直接的に、設備MNは、監視の結果、自機の設備状態が変化すると、変化後の自機の設備状態を、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信しても良い。
製品は、1または複数の工程を経てワークWKから生産される。設備MNは、本実施形態では、工程ごとに割り付けられている。すなわち、本実施形態では、設備MNと工程とは、1対1であり、1個の設備は、1個の工程を処理する。
読取装置(リーダ)RDは、他の装置から所定のデータを読み取る装置である。本実施形態では、読取装置RDは、近距離無線通信によって、ワークWKに付随するRFタグ(radio frequency タグ)から、ワークWKを特定し当該ワークWKを識別するための識別子として用いられるRFID(radio frequency identifier)を読み取り、近距離無線通信によって、携帯端末装置TAに付随するRFタグから、携帯端末装置TAを特定し当該携帯端末装置TAを識別するための識別子として用いられるRFIDを読み取る。本実施形態では、RFタグは、例えばワンチップICを備えて構成されるICタグであり、ワークWKに貼付されることでワークWKに付随し、携帯端末装置TAに貼付されることであるいは組み込まれることで携帯端末装置TAに付随する。以下、ワークWKの識別子として用いられるRFIDは、ワークIDと呼称され、携帯端末装置TAの識別子として用いられるRFIDは、端末IDと呼称される。ワークIDは、ワークWKに固有に付与されたシリアル番号等の符号列であって良く、端末IDは、携帯端末装置TAに固有に付与されたシリアル番号等の符号列であって良い。なお、端末IDは、RFタグを用いることなく携帯端末装置TAに記憶され、例えばBluetooth(登録商標)規格やIrDA規格等の近距離無線通信によって、携帯端末装置TAから読取装置RDに読み取られて良い。この場合では、読取装置RDは、RFタグからRFIDを読み取る通信機能に加え、Bluetooth(登録商標)規格やIrDA規格等の近距離無線通信で通信する通信機能を備える。読取装置RDは、操作表示装置DPに接続され、他の装置から所定のデータを読み取ると、前記所定のデータを操作表示装置DPへ出力する。操作表示装置DPは、後述するように、読取装置RDから入力された前記所定のデータを、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信する。なお、このように間接的ではなく、直接的に、読取装置RDは、他の装置から所定のデータを読み取ると、前記所定のデータを、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信しても良い。
操作表示装置DPは、現作業担当者WMから、例えば作業開始、作業終了、搬送元および搬送先等の、予め設定された所定の操作を受け付け、例えば前記受け付けた操作の内容や作業指示の内容等の所定のデータを表示する装置である。操作表示装置DPは、所定の操作を受け付けると、前記所定の操作を表すデータおよび読取装置RDから入力された前記所定のデータをネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信する。操作表示装置DPは、設備MNから設備状態が入力されると、この設備状態をネットワークNWを介して生産状態管理装置MDへ送信する。
前記現作業担当者WMは、設備MNでワークWKを生産する作業を現時点で担当している者であり、人員WMの一態様である。人員WMには、前記現作業担当者WM、設備MNでワークWKを生産する作業を担当可能な作業可能者WM、および、設備MNでワークWKを生産する作業を管理する作業管理者WMが含まれる。作業管理者WMは、本実施形態では、設備MNおよび現作業担当者WMや作業可能者WMを直接的に管理する一次作業管理者(例えば班長等)WM、および、前記一次作業管理者WMを管理する二次作業管理者(例えば管理長等)WMを含む。前記二次作業管理者WMは、前記一次作業管理者WMを介して、設備MNおよび現作業担当者WMや作業可能者WMを間接的に管理する。
携帯端末装置TAは、人員WMに携帯される端末装置である。携帯端末装置TAは、上述のように読取装置RDに読み取られる端末IDを保持すると共に、データの入力を受け付ける入力機能、データを表示する表示機能、データを処理する処理機能およびデータを収容する通信信号を無線通信で送受信する通信機能を備える。携帯端末装置TAは、例えば、携帯電話機、スマートフォン、スマートウォッチおよび通信機能付きタブレット等である。なお、現作業担当者WMが携帯する携帯端末装置TAは、RFタグを備えるIDカードであっても良い。携帯端末装置TAは、図1に示す例では、現作業担当者WM-1や作業可能者WM-4に携帯され、現作業担当者WM-1や作業可能者WM-4に対応付けられる。なお、携帯端末装置TAは、作業管理者WMに携帯され、作業管理者WMに対応付けられても良い。
表示端末装置TDは、データを収容する通信信号を無線通信または有線通信で受信する通信機能、および、データを表示する表示機能を備え、固定配置される端末装置であり、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDから送信された通信信号に収容されたデータを表示する。表示端末装置TDは、例えば通信機能付き表示装置を備えて構成される。表示端末装置TDは、図1に示す例では、一次作業管理者WM-2が業務する場所に配置され、一次作業管理者WM-2に対応付けられる。
コンピュータ端末装置PCは、データを収容する通信信号を無線通信または有線通信で受信する通信機能、データに対し所定の情報処理を実行する情報処理機能、および、データを表示する表示機能を備え、固定配置される端末装置であり、ネットワークNWを介して生産状態管理装置MDから送信された通信信号に収容されたデータを表示する。コンピュータ端末装置PCは、例えばデスクトップ型の通信機能付きコンピュータを備えて構成される。コンピュータ端末装置PCは、図1に示す例では、二次作業管理者WM-3が業務する場所に配置され、二次作業管理者WM-3に対応付けられる。
このように本実施形態では、端末装置には、携帯端末装置TA、ならびに、表示端末装置TDおよびコンピュータ端末装置PCの固定端末が含まれる。
標識装置BCは、現作業担当者WMの位置を測定するための電波(ビーコン信号)を、予め設定された所定の時間間隔で放射する装置である。前記ビーコン信号には、標識装置BCを特定し当該標識装置BCを識別するための識別子である標識IDが収容される。標識IDは、標識装置BCに固有に付与されたシリアル番号等の符号列であって良い。製品を生産する生産場所は、複数の領域に区分け(分割)されており、標識装置BCは、各領域に少なくとも1個配設される。
生産場所は、本実施形態では、例えば、ワークWKの生産に使われる設備MNを操作する操作場所、ワークWKを段取りする段取場所、および、前記操作場所および前記段取場所を除く他の場所(他所)の3種類に区分けされる。段取には、ワークWKを設備で処理する前に実施される前段取、および、ワークWKを設備で処理した後に実施される後段取が含まれる。図3に示す例では、生産場所ARには、4個の第1ないし第4設備MN-1~MN-4が配設されており、生産場所ARは、これら第1ないし第4設備MN-1~MN-4それぞれが配設される4個の第11ないし第14操作場所AR-11~AR-14、これら第11ないし第14操作場所AR-11~AR-14それぞれに隣接する4個の第21ないし第24段取場所AR-21~AR-24、および、これら第21ないし第24段取場所AR-21~AR-24それぞれに隣接する4個の第31ないし第34他所AR-31~AR-34の2次元マトリクス状に12個に区分けされている。そして、これら12個の各領域AR-11~AR34それぞれに、1個の標識装置BC-11~BC-34がその中央位置で配設されている。なお、これら12個の各領域AR-11~AR34それぞれに、複数の標識装置BCが配設されても良い。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DP等からデータを収集し、前記収集したデータに基づいて生産状態を判定し、判定結果に応じたデータを所定の端末装置TA、TD、PCへ送信し、判定結果に応じたデータを所定の端末装置TA、TD、PCから出力することによって、製品の生産に関わるものの状態を管理する装置である。より具体的には、生産状態管理装置MDは、例えば、図2に示すように、通信インターフェース部(通信IF部)1と、制御処理部2と、記憶部3とを備える。
通信IF部1は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って通信を行うための通信回路である。通信IF部1は、制御処理部2から入力された転送すべきデータを収容した通信信号を、この生産状態管理システムMSのネットワークNWで用いられる通信プロトコルに従って生成し、この生成した通信信号をネットワークNWを介して他の装置DP、TA、PC、TDへ送信する。通信IF部1は、ネットワークNWを介して他の装置DP、TA、PC、TDから通信信号を受信し、この受信した通信信号からデータを取り出し、この取り出したデータを制御処理部2が処理可能な形式のデータに変換して制御処理部2へ出力する。通信IF部1は、例えば、IEEE802.11規格等に従った通信インターフェース回路を備えて構成される。
記憶部3は、制御処理部2に接続され、制御処理部2の制御に従って、各種の所定のプログラムおよび各種の所定のデータを記憶する回路である。前記各種の所定のプログラムには、例えば、生産状態管理装置MDの各部1、3を当該各部1、3の機能に応じてそれぞれ制御する制御プログラムや、製品の生産に関わるものの状態を管理する生産状態管理プログラム等の制御処理プログラムが含まれる。前記生産状態管理プログラムには、生産状態を種類に分類するための複数種の分類因子の状態を、操作表示装置DPからネットワークNWを介して通信IF部1で取得する処理を実行する取得処理プログラムや、前記取得処理プログラムで取得した前記分類因子の状態に対応する生産状態の種類を後述の生産状態分類情報記憶部31に記憶された生産状態分類情報から取り出す処理を実行する抽出処理プログラムや、前記抽出処理プログラムで取り出された生産状態の種類を、所定の端末装置TA、TD、PCへネットワークNWを介して通信IF部1で出力する処理を実行する出力処理プログラムや、ワークWKの生産に関わる人員WMの位置を求める処理を実行する位置処理プログラムや、前記抽出処理プログラムで生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備MNの稼働停止時刻を予測する処理を実行する予測処理プログラムや、年月日時分で計時する処理を実行する時計プログラム等が含まれる。前記各種の所定のデータには、各装置DP、TA、TD、PCの各通信アドレスや、生産状態分類情報や、通知先情報や、計画着完情報や、設備状態情報や、担当者位置情報等の各プログラムを実行する上で必要なデータ等が含まれる。記憶部3は、例えば不揮発性の記憶素子であるROM(Read Only Memory)や書き換え可能な不揮発性の記憶素子であるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等を備える。記憶部3は、比較的大容量のハードディスク装置を備えて良い。記憶部3は、前記所定のプログラムの実行中に生じるデータ等を記憶するいわゆる制御処理部2のワーキングメモリとなるRAM(Random Access Memory)等を含む。そして、上述の生産状態分類情報、通知先情報、計画着完情報、設備状態情報および担当者位置情報それぞれを記憶するために、記憶部3は、生産状態分類情報記憶部31、通知先情報記憶部32、計画着完情報記憶部33、設備状態情報記憶部34および担当者位置情報記憶部35を機能的に備える。
生産状態分類情報記憶部31は、生産状態の種類と前記生産状態を種類に分類するための複数種の分類因子の状態との対応関係を表す生産状態分類情報を記憶するものである。前記複数種の分類因子は、生産状態の種類に応じて適宜に予め設定され、本実施形態では、製品の生産に関わるワークWK、設備MNおよび人員WMを含む。前記分類因子が設備MNである場合では、前記分類因子の状態は、前記稼働中、前記非稼働および前記警告(アラート)を含む。前記分類因子が人員WMである場合では、前記分類因子の状態は、前記人員WMの位置(前記人員WMが所在している所在位置)であり、前記位置(所在位置)は、前記操作場所、前記段取場所および前記他所を含む。前記分類因子がワークWKである場合では、前記分類因子の状態は、前記ワークWKが複数の工程を経て生産される場合において、前記ワークWKに対する当該工程の前工程が未完了である前工程未完、当該工程で使われる設備MNの配置場所に前記ワークWKが未着である未到着、前記ワークWKに対する当該工程の前工程が完了し、かつ、当該工程で使われる設備MNの配置場所に前記ワークWKが到着している前工程完かつ到着済、および、前記ワークWKに対する当該工程が着手されている着手中を含む。
このような生産状態分類情報は、本実施形態では、テーブル形式で生産状態分類情報記憶部31に記憶されている。より具体的には、この生産状態分類情報を登録する生産状態分類情報テーブルCTは、例えば、図4に示すように、設備WNの状態(設備状態)を登録する設備状態フィールド311と、前記設備状態フィールド311に登録されている設備状態の設備WNを扱う現作業担当者WMの状態(現作業担当者状態)を登録する現作業担当者状態フィールド312と、前記設備状態フィールド311に登録されている設備状態の設備WNで処理されるワークWKの状態(ワーク状態)を登録するワーク状態フィールド313と、前記設備状態フィールド311に登録されている設備状態、前記現作業担当者フィールド312に登録されている現作業担当者状態、および、前記ワーク状態フィールド313に登録されているワーク状態に対応する生産状態の種類を登録する生産状態分類フィールド314と、前記生産状態分類フィールド314に登録されている生産状態の種類を所定の端末装置TA、TD,PCへ通知(送信)するか否かを表す通知要否情報を登録するアラートフラグフィールド315とを備え、予め分類された生産状態の種類ごとにレコードを持つ。設備状態フィールド311には、上述の稼働中、非稼働およびアラートのうちのいずれかが登録される。前記現作業担当者状態は、前記人員(ここでは現作業担当者)WMの位置であり、上述の操作場所、段取場所および他所を含み、現作業担当者状態フィールド312には、操作場所、段取場所および不在のうちのいずれかが登録される。このように本実施形態では、現作業担当者WMの位置が他所の場合、現作業担当者状態フィールド312には、他所に替わり不在が登録される。ワーク状態フィールド313には、上述の前工程未完、未到着、前工程完かつ到着済および着手中のうちのいずれかが登録される。前記生産状態の種類は、本実施形態では、図4に示すように、設備状態、現作業担当者状態およびワーク状態における各状態の組合せに応じた、機械自動加工中、稼働中(担当者段取中)、稼働中(担当者操作中)、前工程待ち(人不在)、搬送待ち、人待ち(部品到着済み)、人待ち(着手中)、前工程待ち(担当者段取盤待機)、搬送待ち(担当者段取盤待機)、段取中、前工程待ち(担当者操作盤待機)、搬送待ち(担当者操作盤待機)、操作中、アラート(人不在)、アラート(段取盤操作中)およびアラート(操作盤操作中)であり、生産状態分類フィールド314には、設備状態、現作業担当者状態およびワーク状態における各状態の組合せに応じてこれらそれぞれが登録される。前記通知要否情報は、本実施形態では、フラグ(アラートフラグ)で表され、アラートフラグフィールド315には、前記生産状態の種類を所定の端末装置TA、TD、PCへ通知する必要があることを意味するアラートフラグ「1」、あるいは、その通知する必要が無いことを意味するアラートフラグ「0」が登録される。
通知先情報記憶部32は、ワークWKの生産に使われる設備MNと当該設備MNに関わる人員WMに対応付けられた端末装置TA、TD、PCとの対応関係を表す通知先情報を記憶するものである。前記通知先情報は、本実施形態では、設備MNと当該設備MNに関わる人員WMとの対応関係を表す設備人員対応情報と、人員WMと当該人員WMに対応付けられた端末装置TA、TD、PCとの対応関係を表す人員端末対応情報とを備える。このように通知先情報を、設備人員対応情報と人員端末対応情報とで構成することによって、人員WMと端末装置TA、TD、PCとの対応関係に変更が無く、設備MNと人員WMとの対応関係が変更された場合には、設備人員対応情報の変更のみで対処でき、一方、設備MNと人員WMとの対応関係に変更が無く、人員WMと端末装置TA、TD、PCとの対応関係が変更された場合には、人員端末対応情報の変更のみで対処できる。
このような通知先情報は、本実施形態では、テーブル形式で通知先情報記憶部32に記憶されている。より具体的には、この通知先情報のうちの設備人員対応情報を登録する設備人員対応情報テーブルSTaは、例えば、図5Aに示すように、設備MNの名(設備名)を登録する設備名フィールド321と、前記設備名フィールド321に登録されている設備名を持つ設備MNに関わる人員WMのうちの現作業担当者WMの名(現作業担当者名)を登録する現作業担当者名フィールド322と、前記設備名フィールド321に登録されている設備名を持つ設備MNに関わる人員WMのうちの作業管理者WMの名(作業管理者名)を登録する作業管理者名フィールド323と、前記設備名フィールド321に登録されている設備名を持つ設備MNに関わる人員WMのうちの作業可能者WMの名(作業可能者名)を登録する作業可能者名フィールド324とを備え、設備MN(設備名)ごとにレコードを持つ。前記設備名は、設備MNを特定し当該設備MNを識別するための識別子である設備IDとして機能する。この通知先情報のうちの人員端末対応情報を登録する人員端末対応情報テーブルSTbは、例えば、図5Bに示すように、人員WMの名(人員名、本実施形態では、現作業担当者名、作業管理者名および作業可能者名)を登録する人員名フィールド326と、前記人員名フィールド326に登録されている人員名を持つ人員WMに対応付けられた端末装置TA、TD、PCの端末IDを登録する端末IDフィールド327とを備え、人員WM(人員名)ごとにあるいは端末装置TA、TD、PC(端末ID)ごとに、レコードを持つ。なお、端末IDフィールド327には、端末IDに代え、前記端末IDを持つ端末装置TA、TD、PCの通信アドレスが登録されても良い。
計画着完情報記憶部33は、ワークWKを処理する生産計画およびワークWKの状態を表す計画着完情報を記憶するものである。このような計画着完情報は、本実施形態では、テーブル形式で計画着完情報記憶部33に記憶されている。より具体的には、この計画着完情報を登録する計画着完情報テーブルPTは、例えば、図6に示すように、ワークWKのワークIDを登録するワークIDフィールド331と、前記ワークIDフィールド331に登録されているワークIDを持つワークWKのワーク状態を登録するワーク状態フィールド333と、前記ワーク状態フィールド333に登録されているワーク状態になった時刻(あるいは前記ワーク状態の通知を受信した時刻)を登録する時刻フィールド332と、前記ワークIDフィールド331に登録されているワークIDを持つワークWKを担当している現作業担当者WMの名を登録する現作業担当者名フィールド334とを備え、ワーク状態の受信ごとにレコードを持つ。そして、計画着完情報記憶部33は、ワークWKから製品を生産する際の各工程と、これら各工程に用いられる各設備とを対応付けた生産計画をワークWKごと(ワークIDごと、製品ごと)に記憶する。さらに、各工程には、搬送場所が対応付けられて良い。
設備状態情報記憶部34は、設備状態を表す設備状態情報を記憶するものである。このような設備状態情報は、本実施形態では、テーブル形式で設備状態情報記憶部34に記憶されている。より具体的には、この設備状態情報を登録する設備状態情報テーブルMTは、例えば、図7に示すように、設備MNの名(設備名、設備ID)を登録する設備名フィールド341と、前記設備名フィールド341に登録されている設備名を持つ設備MNの設備状態を登録する設備状態フィールド343と、前記設備状態フィールド343に登録されている設備状態になった時刻(あるいは前記設備状態の通知を受信した時刻)を登録する時刻フィールド342と、前記設備状態フィールド343に設備状態として稼働中が登録されている場合にその予測された稼働の停止時刻(稼働停止時刻)を登録する稼働停止時刻フィールド344とを備え、設備状態の受信ごとにレコードを持つ。
担当者位置情報記憶部35は、現作業担当者WMの位置(所在位置)を表す担当者位置情報を記憶するものである。このような担当者位置情報は、本実施形態では、テーブル形式で担当者位置情報記憶部35に記憶されている。より具体的には、この担当者位置情報を登録する担当者位置情報テーブルWTは、例えば、図8に示すように、現作業担当者WMの名を登録する現作業担当者名フィールド352と、前記現作業担当者名フィールド352に登録されている現作業担当者名を持つ現作業担当者WMの位置を登録する位置フィールド353と、前記現作業担当者名フィールド352に登録されている現作業担当者名を持つ現作業担当者WMが前記位置フィールド353に登録されている位置になった時刻(あるいは、その通知を受信した時刻)を登録する時刻フィールド351とを備え、その通知の受信ごとにレコードを持つ。位置フィールド353には、上述の操作場所、段取場所および他所(不在)が登録されて良いが、図8に示す例では、生産場所ARの領域名AR-11~AR-34が登録されている。
なお、上述では、計画着完情報記憶部33は、記憶部3に機能的に構成されたが、個別のハードディスク装置を備えて構成されて良く、あるいは、ネットワークNWに接続されたデータサーバ装置を備えて構成されて良い。同様に、設備状態情報記憶部34は、記憶部3に機能的に構成されたが、個別のハードディスク装置を備えて構成されて良く、あるいは、ネットワークNWに接続されたデータサーバ装置を備えて構成されて良い。担当者位置情報記憶部35は、記憶部3に機能的に構成されたが、個別のハードディスク装置を備えて構成されて良く、あるいは、ネットワークNWに接続されたデータサーバ装置を備えて構成されて良い。
制御処理部2は、操作表示装置DP等からデータを収集し、前記収集したデータに基づいて生産状態を判定し、判定結果に応じたデータを所定の端末装置TA、TD、PCへ送信し、判定結果に応じたデータを所定の端末装置TA、TD、PCから出力することによって、製品の生産に関わるものの状態を管理するための回路である。制御処理部2は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびその周辺回路を備えて構成される。制御処理部2は、前記制御処理プログラムが実行されることによって、制御部21、取得処理部22、抽出処理部23、出力処理部24、位置処理部25、予測処理部26および時計部27を機能的に備える。
制御部21は、生産状態管理装置MDの各部1、3を当該各部1、3の機能に応じてそれぞれ制御し、生産状態管理装置MDの全体制御を司るものである。
取得処理部22は、生産状態を種類に分類するための複数種の分類因子の状態を、操作表示装置DPからネットワークNWを介して通信IF部1で取得する処理を実行するものである。
より具体的には、第1に、取得処理部22は、操作表示装置DPからネットワークを介して、設備名(設備ID)、ワークID、端末ID、ワーク状態および時刻を収容する通信信号(ワーク状態通知信号)を通信IF部1で受信すると、この受信したワーク状態通知信号から設備名、ワークID、端末ID、ワーク状態および時刻を取り出し、この取り出した端末IDに対応する人員名(現作業担当者名)を人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)し、計画着完情報記憶部33に記憶されている計画着完情報テーブルPTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおけるワークIDフィールド331、時刻フィールド332およびワーク状態フィールド333それぞれに、前記取り出したワークID、時刻およびワーク状態それぞれを登録し、前記追加したレコードにおける現作業担当者名フィールド334に、前記検索した人員名(現作業担当者名)を登録する。なお、読取装置RDあるいは操作表示装置DPが人員端末対応情報を保持して端末IDから人員名(現作業担当者名)へ変換し、前記ワーク状態通知信号には、端末IDに代え人員名(現作業担当者名)が収容されても良い。この場合では、取得処理部22は、前記検索の処理を省略できる。
第2に、取得処理部22は、操作表示装置DPからネットワークを介して、設備名(設備ID)、時刻および設備状態を収容する通信信号(設備状態通知信号)を通信IF部1で受信すると、この受信した設備状態通知信号から設備名、時刻および設備状態を取り出し、設備状態情報記憶部34に記憶されている設備状態情報テーブルMTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおける設備名フィールド341、時刻フィールド342および設備状態フィールド343それぞれに、前記取り出した設備名、時刻および設備状態を登録する。そして、前記取り出した設備状態が稼働中である場合には、取得処理部22は、予測処理部26に稼働停止時刻を予測させ、この予測させた稼働停止時刻を、前記追加したレコードにおける稼働停止時刻フィールド344に登録する。
第3に、取得処理部22は、操作表示装置DPからネットワークを介して、端末ID、受信強度とビーコンIDとのセット、および、時刻を収容する通信信号(位置通知信号)を通信IF部1で受信すると、この受信した位置通知信号から端末ID、受信強度とビーコンIDとのセット、および、時刻を取り出し、この取り出した端末IDに対応する人員名(現作業担当者名)を人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)し、受信強度とビーコンIDとのセットに基づいて位置処理部25に人員(現作業担当者)WMの位置(所在位置)を求めさせ、担当者位置情報記憶部35に記憶されている担当者位置情報テーブルWTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおける時刻フィールド351に前記取り出した時刻を登録し、前記追加したレコードにおける現作業担当者名フィールド352に前記検索した人員名(現作業担当者名)を登録し、前記追加したレコードにおける位置フィールド353に前記求めさせた人員(現作業担当者)WMの位置を登録する。
抽出処理部23は、取得処理部22で取得した前記分類因子の状態に対応する生産状態の種類を生産状態分類情報記憶部31に記憶された生産状態分類情報テーブルCTから取り出す処理を実行するものである。
出力処理部24は、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類を、他の装置TA、TD、PCへネットワークNWを介して通信IF部1で出力する処理を実行するものである。より具体的には、出力処理部24は、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類を収容する通信信号(生産状態通知信号)を生成し、この生成した生産状態通知信号を通信IF部1に送信させる。
より詳しくは、本実施形態では、まず、出力処理部24は、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類が変化したか否かを判定し、この判定の結果、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類が変化した場合に、予め設定され特定された特定の端末装置宛に、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類を収容する通信信号(生産状態通知信号)を生成する。前記特定の端末装置は、例えば、固定端末装置TD、PCである。一例では、前記特定の端末装置は、表示端末装置TDである。これによれば、表示端末装置TDには、生産状態の種類が変化するたびに、この生産状態の種類が表示され、作業管理者WMのうちの一次作業管理者WM-2は、常に、生産状態の種類を把握できる。また、一例では、前記特定の端末装置は、表示端末装置TDおよびコンピュータ端末装置PCである。これによれば、固定端末装置TD、PCには、生産状態の種類が変化するたびに、この生産状態の種類が表示され、一次作業管理者WM-2および二次作業管理者WM-3は、常に、生産状態の種類を把握できる。
そして、出力処理部24は、抽出処理部23で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備MNに対応する端末装置TA、TD、PCを通知先情報記憶部32に記憶された通知先情報から取り出し、この取り出した端末装置TA、TD、PC宛に、前記生産状態通知信号を生成する。本実施形態では、通知先情報が設備人員対応情報と人員端末対応情報とを備えるので、出力処理部24は、まず、抽出処理部23で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備MNの名(設備名)に対応する人員名(現作業担当者名、作業管理者名および作業可能者名)を、設備人員対応情報テーブルSTaから検索(選定)する。次に、出力処理部24は、この検索(選定)した人員名に対応する端末IDを、人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)する。次に、出力処理部24は、この検索(選定)した端末IDを持つ端末装置TA、TD、PCの通信アドレスを記憶部3から取り出す。そして、この取り出した通信アドレス宛に、前記生産状態通知信号を生成する。ここで、本実施形態では、この生産状態通知信号を生成する際に、出力処理部24は、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類に対応する通知要否情報を生産状態分類情報記憶部31から取り出し、前記取り出した通知要否情報が送信要を表す場合(本実施形態ではアラートフラグフィールド315にアラートフラグ「1」が登録されている場合)に前記生産状態通知信号を生成する処理を実行する。このため、アラートフラグ「1」の場合に生成される前記生産状態通知信号は、警告通知信号と適宜に呼称されて良い。
位置処理部25は、ワークWKの生産に関わる人員WMの位置を求める処理を実行するものである。本実施形態では、例えば、位置通知信号に収容された受信強度とビーコンIDとのセットに基づいて人員(現作業担当者)WMの位置(所在位置)が求められる。より具体的には、前記各種の所定のデータの1つとして、ビーコンIDと生産場所ARを区分けした各領域AR-11~AR-34の領域名AR-11~AR-34との対応関係を表すビーコン領域対応関係情報が記憶部3に予め記憶される。位置処理部25は、取得処理部22で位置通知信号から取り出された受信強度とビーコンIDとのセットの中から、最も受信強度の大きいビーコンIDを選定し、この選定したビーコンIDに対応する領域名AR-11~AR-34を、前記ビーコン領域対応関係情報から検索(選定)し、これによって人員(現作業担当者)WMの位置を領域名AR-11~AR-34で求める。
この場合では、前記各種の所定のデータの1つとして、領域名AR-11~AR-34と現作業担当者状態(本実施形態では操作場所、段取場所および不在(他所))との対応関係を表す領域担当者状態対応情報が記憶部3に予め記憶され、抽出処理部23は、生産状態の種類を抽出する際に、担当者位置情報テーブルWTにおける位置フィールド353に登録されている領域名に対応する現作業担当者状態を検索(選定)する。
予測処理部26は、抽出処理部23で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備MNの稼働停止時刻を予測する処理を実行するものである。より具体的には、例えば、前記各種の所定のデータの1つとして、設備MNと前記設備MNによるワークWKの処理に要する処理時間との対応関係を表す処理時間情報が記憶部3に予め記憶されており、予測処理部26は、設備状態情報テーブルMTにおける設備名フィールド341に登録されている設備名に対応する処理時間を、前記処理時間情報から検索(選定)し、設備状態情報テーブルMTにおける時刻フィールド342に登録されている時刻に、前記検索した処理時間を加算することによって、設備MNの稼働停止時刻を予測として求める。
時計部27は、年月日時分で計時するものである。
なお、生産状態管理装置MDは、図2に破線で示すように、必要に応じて、さらに、制御処理部2に接続され例えば各種コマンドや各種データ等を入力する入力部4、入力部4で入力された各種コマンドや各種データおよび生産状態等のデータを表示する表示部5、および、外部機器との間でデータの入出力を行うインターフェース部(IF部)6等を備えても良い。
このような生産状態管理装置MDは、例えば、通信機能付きのコンピュータによって構成可能である。
このような構成の生産状態管理装置MDでは、通信IF部1および取得処理部22が、前記分類因子の状態を取得する分類因子状態取得部の一例に相当する。抽出処理部23が、前記分類因子状態取得部で取得した前記分類因子の状態に対応する生産状態の種類を前記生産状態分類情報記憶部に記憶された生産状態分類情報から取り出す生産状態抽出部の一例に相当する。通信IF部1および出力処理部23が、前記生産状態抽出部で取り出された生産状態の種類を出力する出力部の一例に相当し、出力処理部24が、前記生産状態抽出部で取り出された生産状態の種類を収容する通信信号を生成する通知処理部の一例に相当する。なお、生産状態管理装置MDが表示部5をさらに備える場合に、出力処理部23は、抽出処理部23で抽出された生産状態の種類を表示部5に表示しても良く、この場合では、表示部5および出力処理部24が、前記出力部の他の一例に相当し、出力処理部24が、前記生産状態抽出部で取り出された生産状態の種類を前記表示部に表示する表示処理部の一例に相当する。
また、本実施形態では、出力処理部24は、前記生産状態抽出部で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備に対応する端末装置を前記通知先情報記憶部に記憶された通知先情報から取り出し、前記取り出した端末装置宛に、前記生産状態抽出部で取り出された生産状態の種類を収容する通信信号を生成する通知処理部の一例にも相当する。
また、本実施形態では、通信IF部1および取得処理部22が、前記生産状態抽出部で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としてのワークの状態を取得するワーク状態取得部の一例にも相当する。
次に、本実施形態の動作について説明する。図9は、前記生産状態管理システムにおいて、人員の所在場所(位置)を求める動作を示すシーケンス図である。図10は、前記生産状態管理システムにおいて、ワーク状態の取得に関する読取装置および操作表示装置の動作を示すフローチャートである。図11は、前記生産状態管理システムにおいて、生産状態の分類に関する生産状態管理装置の動作を示すフローチャートである。図12は、前記生産状態管理システムにおいて、端末装置に表示される生産状態表示画面の一例を示す図である。
上記構成の生産状態管理システムMSでは、各装置RD、DP、MN、BC、MD、TA、TD、PCは、電源が投入されると、必要な各部の初期化を実行し、その稼働を始める。生産状態管理装置MDでは、その制御処理プログラムの実行によって、制御処理部2には、制御部21、取得処理部22、抽出処理部23、出力処理部24、位置処理部25、予測処理部26および時計部27が機能的に構成される。
以下、まず、分類因子の状態の取得に関する動作について説明し、次に、この取得した分類因子の状態に基づく生産状態の分類に関する動作について説明する。
(分類因子の状態取得)
複数種の分類因子は、本実施形態では、上述のように、製品の生産に関わるワーク、設備および人員であり、これに応じて分類因子の状態は、ワーク状態、設備状態および現作業担当者状態である。
まず、現作業担当者状態の取得について説明する。図9において、生産場所ARの各領域AR-11~AR-34に配設された各標識装置BC-11~BC-34は、それぞれ、予め設定された所定の時間間隔でビーコン信号を放射する(C11)。
このビーコン信号を受信すると、現作業担当者WMに携行された携帯端末装置TAは、この受信したビーコン信号の受信強度(受信レベル)を測定し、前記受信したビーコン信号からビーコンIDを取り出す。そして、携帯端末装置TAは、端末ID、受信強度とビーコンIDとのセット、および、時刻を収容する位置通知信号を読取装置RDへ送信する(C12)。なお、複数の標識装置BCから複数のビーコン信号を受信した場合には、携帯端末装置TAは、各ビーコン信号に対し、その受信強度をそれぞれ測定し、ビーコンIDをそれぞれ取り出し、複数のセットを前記位置通知信号に収容する。あるいは、この場合において、携帯端末装置TAは、複数のセットの中から最も受信強度が大きいセットを選定し、この選定したセットのみを前記位置通知信号に収容しても良い。
読取装置RDは、携帯端末装置TAから位置通知信号を受信すると、この受信した位置通知信号を操作表示装置DPを介して生産状態管理装置MDへ転送する(C13)。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPから位置通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、この受信した位置通知信号から端末ID、受信強度とビーコンIDとのセット、および、時刻を取り出し、この取り出した端末IDに対応する人員名(現作業担当者名)を人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)し、受信強度とビーコンIDとのセットに基づいて位置処理部25に人員(現作業担当者)WMの位置(所在位置)を求めさせる。位置処理部25は、取得処理部22で位置通知信号から取り出された受信強度とビーコンIDとのセットの中から、最も受信強度の大きいビーコンIDを選定し、この選定したビーコンIDに対応する領域名を、前記ビーコン領域対応関係情報から検索(選定)し、これによって人員(現作業担当者)WMの位置を領域名(図3に示す例ではAR-11~AR-34)で求める。続いて、生産状態管理装置MDは、取得処理部22によって、担当者位置情報記憶部35に記憶されている担当者位置情報テーブルWTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおける時刻フィールド351に前記取り出した時刻を登録し、前記追加したレコードにおける現作業担当者名フィールド352に前記検索した人員名(現作業担当者名)を登録し、前記追加したレコードにおける位置フィールド353に前記求めさせた人員(現作業担当者)WMの位置を登録する(C14)。これによって前記分類因子の状態の1つである現作業担当者状態に関わる人員(現作業担当者)WMの位置が更新され、最新の現作業担当者状態に関わる人員(現作業担当者)WMの位置が担当者位置情報記憶部35に記憶される。
なお、本実施形態では、上述のように、位置通知信号には、受信強度とビーコンIDとのセットが収容され、これを受信した生産状態管理装置MDが受信強度とビーコンIDとのセットに基づいて位置処理部25に人員(現作業担当者)WMの位置を求めたが、生産状態管理装置MDに代わり、携帯端末装置TAが受信強度とビーコンIDとのセットに基づいて位置処理部25に人員(現作業担当者)WMの位置を求め、前記位置通知信号には、受信強度とビーコンIDとのセットに代え、人員(現作業担当者)WMの位置が収容されても良い。
次に、設備状態の取得について説明する。設備MNは、自機の設備状態を監視(モニタ)しており、監視の結果、自機の設備状態が変化すると、変化後の自機の設備状態を、操作表示装置DPへ出力する。より具体的には、非稼働から稼働を始めると、設備MNは、自機の設備状態として稼働中を操作表示装置DPへ出力する。稼働中にアラートを検知すると、設備MNは、自機の設備状態としてアラートを操作表示装置DPへ出力する。稼働中から、ワークWKの処理が終了して停止すると、設備MNは、自機の設備状態として非稼働を操作表示装置DPへ出力する。操作表示装置DPは、設備MNから設備状態が入力されると、操作表示装置DPは、設備名、時刻および設備状態(本実施形態では稼働中、非稼働、アラート)を収容する設備状態通知信号を生産状態管理装置MDへ送信する。なお、操作表示装置DPには、当該操作表示装置DPに対応する設備MNの設備名が予め記憶される。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPから設備状態通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、この受信した設備状態通知信号から設備名、時刻および設備状態を取り出し、設備状態情報記憶部34に記憶されている設備状態情報テーブルMTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおける設備名フィールド341、時刻フィールド342および設備状態フィールド343それぞれに、前記取り出した設備名、時刻および設備状態を登録する。そして、前記取り出した設備状態が稼働中である場合には、取得処理部22は、予測処理部26に稼働停止時刻を予測させる。予測処理部26は、設備状態情報テーブルMTに新たに追加された前記レコードにおいて、設備名フィールド341に登録されている設備名に対応する処理時間を、前記処理時間情報から検索(選定)し、その時刻フィールド342に登録されている時刻に、前記検索した処理時間を加算することによって、設備MNの稼働停止時刻を予測として求める。続いて、取得処理部22は、この予測させた稼働停止時刻を、前記追加したレコードにおける稼働停止時刻フィールド344に登録する。これによって前記分類因子の状態の1つである設備状態が更新され、最新の設備状態が設備状態情報記憶部34に記憶される。
次に、ワーク状態の取得について説明する。
第1に、ワークWKの処理開始では、工程の順序に従って当該工程で使用される設備MN(ここでは加工設備等)にワークWKが搬送されると、当該工程で使用される前記設備MNを現在、担当している現作業担当者WMは、携帯端末装置TAから端末IDを読み取り可能なように、携帯端末装置TAを読取装置RDに近づける。携帯端末装置TAが読取装置RDに近づけられると、図10において、読取装置RDは、携帯端末装置TAから端末IDを読み取って、一時的に記憶する(S11)。
続いて、前記現作業担当者WMは、ワークWKのRFタグからワークIDを読み取り可能なように、ワークWKを読取装置RDに近づける。ワークWKが読取装置RDに近づけられると、読取装置RDは、ワークWKのRFタグからワークIDを読み取って、前記処理S11で読み取った端末IDとともにワークIDを操作表示端末DPへ出力する(S12)。
操作表示装置DPは、操作表示装置DPに対応する設備MNの設備状態に応じて待機画面、処理中画面およびアラート画面のいずれか1つを表示する。前記待機画面は、当該設備MNが非稼働である場合に表示され、作業着手(作業開始)、作業完了(作業終了)、搬送開始および搬送終了のいずれかの選択を受け付けるためのメニュー画面である。前記処理中画面は、当該設備MNが稼働中である場合に表示され、ワークWKの処理の進行状況を表示するための画面である。前記処理中画面には、ワークWKの処理の進行に伴って現作業担当者WMが当該ワークWKや当該設備MNを操作する必要がある場合には、その操作指示も表示される。前記アラート画面は、当該設備MNがアラートを検知して当該設備MNからアラートが入力された際に前記アラートを表示するための画面である。ここでは、当該設備MNが非稼働であるので、前記待機画面が操作表示装置DPに表示されている。
現作業担当者WMは、作業着手(作業開始)を選択し、作業着手を操作表示装置DPに入力する。続いて、所定のデータとして作業着手の入力を受け付けると(S13)、操作表示装置DPは、設備名、処理S11および処理S12それぞれで読取装置RDで読み取った端末IDおよびワークID、ワーク状態として着手中、ならびに、時刻を収容するワーク状態通知信号を生産状態管理装置MDへ送信する(S14)。
前記作業着手の入力を受け付けると、操作表示装置DPは、稼働開始を当該設備MNに指示(出力)し、前記処理中画面を表示する。前記稼働開始の指示を受け付けると、当該設備MNは、稼働を始め、前記設備状態として稼働中を操作表示装置DPへ出力し、ワークWKを処理する。この出力を受け付けた操作表示装置DPは、上述のように稼働中の設備状態通知信号を送信する。ワークWKの処理が終了すると、当該設備MNは、稼働を停止し、前記設備状態として非稼働およびワークWKの処理の終了を操作表示装置DPへ出力する。この出力を受け付けた操作表示装置DPは、上述のように稼働中の設備状態通知信号を送信し、前記処理中画面のうちの、ワークWKの処理の終了を表示する画面を表示する。
一方、生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPからワーク状態通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、この受信したワーク状態通知信号から設備名、ワークID、端末ID、ワーク状態および時刻を取り出し、この取り出した端末IDに対応する人員名(現作業担当者名)を人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)する。そして、取得処理部22は、計画着完情報記憶部33に記憶されている計画着完情報テーブルPTに新たにレコードを追加し、この追加したレコードにおけるワークIDフィールド331、時刻フィールド332およびワーク状態フィールド333それぞれに、前記取り出したワークID、時刻およびワーク状態それぞれを登録し、前記追加したレコードにおける現作業担当者名フィールド334に、前記検索した人員名(現作業担当者名)を登録する。これによって前記分類因子の状態の1つであるワーク状態が着手中で更新され、最新のワーク状態が計画着完情報記憶部33に記憶される。
第2に、ワークWKの処理終了では、現作業担当者は、上述の、ワークWKの処理の終了を表示する前記画面が操作表示装置DPに表示されていると、上述と同様に、ワークWKを読取装置RDに近づけ、携帯端末装置TAを読取装置RDに近づける。これに応じて処理S11および処理S12が実行される。これによって作業開始時の現作業担当者が作業終了時に他者に変更されている場合に対応できる。ワークWKの処理の終了の出力を当該設備MNから受け付け、処理S11および処理S12を実行すると、操作表示装置DPは、前記待機画面を表示する。なお、例えば前記待機画面を表示させるスイッチを設けるなど前記待機画面を表示可能し、作業開始時の処理S11および処理S12で読み込んだワークIDおよび端末IDを保持しておくことによって、作業開始時と作業終了時とに現作業担当者WMに変更がない場合に、処理S11および処理S12が省略されても良い。
前記待機画面が表示されると、現作業担当者WMは、作業完了(作業終了)を選択し、作業完了を操作表示装置DPに入力する。続いて、所定のデータとして作業完了の入力を受け付けると(S13)、操作表示装置DPは、設備名、処理S11および処理S12それぞれで読取装置RDで読み取った端末IDおよびワークID、ワーク状態として未到着、ならびに、時刻を収容するワーク状態通知信号を生産状態管理装置MDへ送信する(S14)。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPからワーク状態通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、上述と同様に動作する。これによって前記分類因子の状態の1つであるワーク状態が未到着で更新され、最新のワーク状態が計画着完情報記憶部33に記憶される。
第3に、ワークWKの搬送開始では、搬送装置を現在、担当している現作業担当者WMは、上述と同様に、ワークWKを読取装置RDに近づけ、携帯端末装置TAを読取装置RDに近づける。これに応じて処理S11および処理S12が実行される。なお、この場合における読取装置RDおよび操作表示装置DPは、例えばフォークリフト、クレーンおよびカート等の搬送装置に備えられても良く、当該工程の設備MNの読取装置RDおよび操作表示装置DPが流用(兼用)されても良い。
前記待機画面において、現作業担当者WMは、搬送開始を選択し、搬送開始を操作表示装置DPに入力する。続いて、所定のデータとして搬送開始の入力を受け付けると(S13)、操作表示装置DPは、設備名、処理S11および処理S12それぞれで読取装置RDで読み取った端末IDおよびワークID、ワーク状態として前工程完了、ならびに、時刻を収容するワーク状態通知信号を生産状態管理装置MDへ送信する(S14)。なお、搬送元の情報や搬送先の情報がさらに操作表示装置DPに入力され、これらの情報がさらにワーク状態通知信号に収容されても良い。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPからワーク状態通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、上述と同様に動作する。これによって前記分類因子の状態の1つであるワーク状態が前工程完了で更新され、最新のワーク状態が計画着完情報記憶部33に記憶される。
第4に、ワークWKの搬送終了では、搬送装置の現作業担当者WMは、上述と同様に、ワークWKを読取装置RDに近づけ、携帯端末装置TAを読取装置RDに近づける。これに応じて処理S11および処理S12が実行される。
前記待機画面において、現作業担当者WMは、搬送終了を選択し、搬送終了を操作表示装置DPに入力する。続いて、所定のデータとして搬送終了の入力を受け付けると(S13)、操作表示装置DPは、設備名、処理S11および処理S12それぞれで読取装置RDで読み取った端末IDおよびワークID、ワーク状態として前工程完かつ到着済、ならびに、時刻を収容するワーク状態通知信号を生産状態管理装置MDへ送信する(S14)。
生産状態管理装置MDは、操作表示装置DPからワーク状態通知信号を通信IF部1で受信すると、取得処理部22によって、上述と同様に動作する。これによって前記分類因子の状態の1つであるワーク状態が前工程完かつ到着済で更新され、最新のワーク状態が計画着完情報記憶部33に記憶される。
なお、ワーク状態、設備状態および現作業担当者状態それぞれの取得手段は、上述に限定されず、適宜な取得手段が用いられて良い。例えば、設備MNの配設場所を表す生産場所ARのマップが予め記憶され、生産場所ARの上部、例えば天井にRFタグから放射される電波を受信可能な複数のアンテナが配設され、ワークIDの移動および停滞それぞれを前記複数のアンテナで追跡して前記マップを参照することで、搬送開始および搬送終了が自動的に検出でき、ワーク状態における前工程完了および前工程完かつ到着済が自動的に検出できる。
(生産状態の分類)
生産状態の分類では、生産状態管理装置MDは、次のように動作している。図11において、生産状態管理装置MDは、制御処理部2によって、ネットワークNWから通信IF部1で通信信号を受信すると(S21)、この受信した通信信号に応じた処理を実行する(S22)。例えば、前記受信した通信信号が位置通知信号である場合には、生産状態管理装置MDは、上述のように処理し、これによって最新の現作業担当者状態に関わる人員(現作業担当者)WMの位置が担当者位置情報記憶部35に記憶される。また例えば、前記受信した通信信号が設備状態通知信号である場合には、生産状態管理装置MDは、上述のように処理し、これによって最新の設備状態が設備状態情報記憶部34に記憶される。また例えば、前記受信した通信信号がワーク状態通知信号である場合には、生産状態管理装置MDは、上述のように処理し、これによって最新のワーク状態が計画着完情報記憶部33に記憶される。
続いて、生産状態管理装置MDは、制御処理部2の抽出処理部23によって、最新の現作業担当者状態、設備状態およびワーク状態に基づいて生産状態の種類を判定する(S23)。
より具体的には、処理S21で受信した通信信号が位置通知信号である場合には、本実施形態では、担当者位置情報テーブルWTの位置フィールドには、領域名(AR-11~AR-34)で登録されているので、まず、抽出処理部23は、処理S21で受信した位置通知信号に収容された受信強度とビーコンIDに基づいて求めた領域名を、当該領域名に応じて操作場所、段取場所および不在(他所)のうちのいずれかに変換する。例えば、領域名がAR-11である場合には、抽出処理部23は、領域名AR-11を操作場所に変換する。また例えば、領域名がAR-23である場合には、抽出処理部23は、領域名AR-23を段取場所に変換する。また例えば、領域名がAR-32である場合には、抽出処理部23は、領域名AR-32を不在に変換する。これによって最新の人員(現作業担当者)WMの位置(所在位置)から最新の現作業担当者状態が求められる。次に、抽出処理部23は、処理S21で受信した位置通知信号に収容された端末IDを、人員端末対応情報テーブルSTbから人員名(現作業担当者名)に変換し、この変換した人員名(現作業担当者名)を、設備人員対応情報から設備名に変換し、この変換した設備名に対応する最新の設備状態を、設備状態情報テーブルMTから検索(選定)する。これによって最新の設備状態が求められる。次に、抽出処理部23は、前記求めた設備名に対応するワークWK(ワークID)を、計画着完情報記憶部33に記憶されている生産計画から求め、この求めたワークWK(ワークID)に対応する最新のワーク状態を、計画着完情報テーブルPTから検索(選定)する。これによって最新のワーク状態が求められる。そして、抽出処理部23は、これら求めた最新の設備状態、現作業担当者状態およびワーク状態それぞれを、生産状態分類情報テーブルCTにおける設備状態フィールド311、現作業担当者状態フィールド312およびワーク状態フィールド313それぞれに登録するレコードを検索(選定)し、この検索したレコードにおける生産状態分類フィールド314に登録されている生産状態の種類を取り出し、アラートフラグフィールド315に登録されてるアラートフラグを取り出し、これら取り出した生産状態の種類およびアラートフラグを今回の通信信号(ここでは位置通知信号)の受信に対する判定結果として記憶部3に記憶する。
また、処理S21で受信した通信信号が設備状態通知信号である場合には、抽出処理部23は、まず、処理S21で受信した設備状態通知信号に収容された設備名に対応する最新の設備状態を、設備状態情報テーブルMTから検索(選定)する。これによって最新の設備状態が求められる。次に、抽出処理部23は、処理S21で受信した設備状態通知信号に収容された設備名に対応するワークWK(ワークID)を、計画着完情報記憶部33に記憶されている生産計画から求め、この求めたワークWK(ワークID)に対応する最新のワーク状態を、計画着完情報テーブルPTから検索(選定)する。これによって最新のワーク状態が求められる。次に、抽出処理部23は、処理S21で受信した設備状態通知信号に収容された設備名を、設備人員対応情報から現作業担当者名に変換し、この変換した現作業担当者名に対応する最新の現作業担当者状態を、担当者位置情報テーブルWTから領域名を介して検索(選定)する。これによって最新の現作業担当者状態が求められる。そして、抽出処理部23は、これら求めた最新の設備状態、現作業担当者状態およびワーク状態それぞれを、生産状態分類情報テーブルCTにおける設備状態フィールド311、現作業担当者状態フィールド312およびワーク状態フィールド313それぞれに登録するレコードを検索(選定)し、この検索したレコードにおける生産状態分類フィールド314に登録されている生産状態の種類を取り出し、アラートフラグフィールド315に登録されてるアラートフラグを取り出し、これら取り出した生産状態の種類およびアラートフラグを今回の通信信号(ここでは設備状態通知信号)の受信に対する判定結果として記憶部3に記憶する。
また、処理S21で受信した通信信号がワーク状態通知信号である場合には、抽出処理部23は、まず、処理S21で受信したワーク状態通知信号に収容された設備名に対応する最新の設備状態を、設備状態情報テーブルMTから検索(選定)する。これによって最新の設備状態が求められる。次に、抽出処理部23は、処理S21で受信したワーク状態通知信号に収容されたワークIDに対応する最新のワーク状態を、計画着完情報テーブルPTから検索(選定)する。これによって最新のワーク状態が求められる。次に、抽出処理部23は、処理S21で受信したワーク状態通知信号に収容された設備名を、設備人員対応情報から現作業担当者名に変換し、この変換した現作業担当者名に対応する最新の現作業担当者状態を、担当者位置情報テーブルWTから領域名を介して検索(選定)する。これによって最新の現作業担当者状態が求められる。そして、抽出処理部23は、これら求めた最新の設備状態、現作業担当者状態およびワーク状態それぞれを、生産状態分類情報テーブルCTにおける設備状態フィールド311、現作業担当者状態フィールド312およびワーク状態フィールド313それぞれに登録するレコードを検索(選定)し、この検索したレコードにおける生産状態分類フィールド314に登録されている生産状態の種類を取り出し、アラートフラグフィールド315に登録されてるアラートフラグを取り出し、これら取り出した生産状態の種類およびアラートフラグを今回の通信信号(ここではワーク状態通知信号)の受信に対する判定結果として記憶部3に記憶する。
続いて、生産状態管理装置MDは、制御処理部2の抽出処理部23によって、処理S23で判定した今回の生産状態の種類が前回の処理23で判定し記憶部3に記憶した前回の生産状態の種類と比較することで、生産状態の種類が変化したか否かを判定する(S24)。この判定の結果、前記種類が変化している場合(Yes)には、生産状態管理装置MDは、続いて処理S25を実行した後に、続いて処理S26を実行する。一方、前記判定の結果、前記種類が変化していない場合(No)には、生産状態管理装置MDは、続いて処理S26を実行する。
この処理S25では、生産状態管理装置MDは、制御処理部2の出力処理部24によって、予め設定され特定された特定の端末装置宛に、抽出処理部23によって処理S23で取り出された今回の生産状態の種類を収容する生産状態通知信号を生成し、この生成した生産状態通知信号を通信IF部1で送信する。
例えば、この生産状態通知信号を受信した前記特定の端末装置(例えば表示端末装置TD)は、生産状態の種類を表示する画面(生産状態種類表示画面)を表示する。その一例が図12に示されている。この図12に示す一例の生産状態種類表示画面101は、時系列にレコードが並ぶテーブル形式で生産状態の種類等を表示する。より具体的には、生産状態種類表示画面101は、設備名を登録して表示する設備名表示フィールド111と、設備状態を登録して表示する設備状態表示フィールド112と、現作業担当者状態を登録して表示する現作業担当者状態表示フィールド113と、ワーク状態を登録して表示するワーク状態表示フィールド114と、生産状態の種類を登録して表示する生産状態分類表示フィールド115と、作業管理者名を登録して表示する作業管理者名表示フィールド116と、現作業担当者名を登録して表示する現作業担当者名表示フィールド117と、現作業担当者WMの位置を登録して表示する位置表示フィールド118と、作業可能者名を登録して表示する作業可能者名表示フィールド119とを備え、生産状態通知信号の受信ごとにレコードを持つ。生産状態通知信号の受信のたびに、最上部にレコードが追加され、この追加されたレコードの各フィールド111~119に、生産状態通知信号に収容された各データが登録され表示される。このため、最上部のレコードが時間的に最も新しく、最下部へ向かうに従って各レコードが時間的に順次に古くなり、最下部のレコードが時間的に最も古い。この生産状態種類表示画面101を表示するために、本実施形態では、生産状態通知信号には、生産状態の種類が収容されるだけでなく、この生産状態の種類を判定する際に利用された設備名、設備状態、現作業担当者状態、ワーク状態、現作業担当者名、現作業担当者WMの位置がさらに収容されるとともに、前記現作業担当者名に基づいて設備人員対応情報テーブルSTaから検索された作業管理者名および作業可能者名がさらに収容される。
なお、設備状態が稼働中である場合に、出力処理部24は、生産状態通知信号に前記予測された稼働停止時刻をさらに収容し、生産状態種類表示画面101は、この生産状態通知信号に収容された稼働停止時刻を登録して表示する稼働停止予測時刻表示フィールドをさらに備えても良い。これによれば、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザに前記予測の稼働停止時刻が通知され、前記ユーザは、前記予測の稼働停止時刻までの時間を例えば他の作業に当てる等、有効に活用できる。したがって、これによって、より生産の効率化を図ることができる。
前記処理S26では、生産状態管理装置MDは、制御処理部2の出力処理部24によって、生産状態の種類を所定の端末装置TA、TD、PCへ警告(通知)する必要があるか否かを判定する。より具体的には、出力処理部24は、処理S23で取り出したアラートフラグに基づいて警告(通知)する必要があるか否かを判定する。この判定の結果、アラートフラグ「1」である場合には、警告(通知)する必要があると判定され(Yes)、生産状態管理装置MDは、続いて処理S27を実行した後に、今般の通信信号の受信に伴う本処理を終了する。一方、前記判定の結果、アラートフラグ「0」である場合には、警告(通知)する必要がないと判定され(No)、生産状態管理装置MDは、今般の通信信号の受信に伴う本処理を終了する。
この処理S27では、生産状態管理装置MDは、制御処理部2の出力処理部24によって、所定の端末装置TA、TD、PCへ警告通知信号(生産状態通知信号)を送信する。より具体的には、出力処理部24は、まず、処理S23により抽出処理部23で今回の生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としての設備MNに対応する端末装置TA、TD、PCを通知先情報記憶部32に記憶された通知先情報から取り出す。より詳しくは、出力処理部24は、まず、処理S23により抽出処理部23で今回の生産状態の種類を取り出す際に用いられた設備名に対応する人員名(現作業担当者名、作業管理者名および作業可能者名)を、設備人員対応情報テーブルSTaから検索(選定)する。次に、出力処理部24は、この検索(選定)した人員名に対応する端末IDを、人員端末対応情報テーブルSTbから検索(選定)する。次に、出力処理部24は、この検索(選定)した端末IDを持つ端末装置TA、TD、PCの通信アドレスを記憶部3から取り出す。次に、この取り出した通信アドレス宛に、警告通知信号(生産状態通知信号)を生成する。そして、出力処理部24は、この生成した警告通知信号(生産状態通知信号)を通信IF部1で送信する。
この警告通知信号(生産状態通知信号)を受信した前記所定の端末装置TA、TD、PCは、例えば図12に示す上述の生産状態種類表示画面101を表示する。これによって前記所定の端末装置TA、TD、PCに関わる人員(現作業管理者、作業管理者および作業可能者)WMは、前記所定の端末装置TA、TD、PCに表示された生産状態種類表示画面101を参照することで、生産状態の種類を客観的に把握でき、生産状態の種類に応じた行動を執ることができる。
以上説明したように、本実施形態における生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよびこれに実装された生産状態管理方法は、生産状態分類情報を予め記憶し、前記取得した分類因子の状態に対応する生産状態の種類を前記生産状態分類情報から取り出して出力する。このため、前記分類因子における同一の種類に対し前記生産状態における同一の種類が判定され、ユーザによって誤って判定される虞が低減できる。したがって、上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、ユーザによる生産状態の判定を支援でき、前記判定された生産状態の種類を参照することで前記ユーザがより適切な行動を執ることができるから、これによって、より生産の効率化を図ることができる。
上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、生産状態通知信号を端末装置宛に送信する。このため、前記生産状態通知信号を受信した端末装置TA、TD、PCがこれに収容された前記生産状態の種類を出力することで、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザに、前記生産状態の種類が通知される。したがって、上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザによる生産状態の判定を支援でき、前記判定された生産状態の種類を参照することで前記ユーザがより適切な行動を執ることができるから、これによって、より生産の効率化を図ることができる。また、端末装置TA、TD、PCに生産状態通知信号が通知されるので、現作業担当者WM等は、複数の設備MNを担当でき、これによって、より生産の効率化を図ることができる。
上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、生産状態の種類が変化した場合に前記生産状態通知信号を送信する。このため、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザに生産状態の種類の変化が通知され、前記ユーザは、変化後の生産状態の種類に応じた適切な行動を執ることができる。したがって、上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、これによって、より生産の効率化を図ることができる。例えば、当該設備MNによるワークWKの処理が終了した場合に、前記生産状態通知信号が送信され、ユーザは、次工程の場所にワークWKを搬送する処置を速やかに実施できる。また例えば、当該設備MNによるワークWKの処理が終了する予定時刻より前に当該設備MNの稼働が停止した場合に、ユーザは、前記停止した設備MNを復旧する処置を速やかに実施できる。これによって設備停止という無駄時間が低減でき、より生産の効率化を図ることができる。
上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、ワークの状態をさらに収容した前記生産状態通知信号を送信する。このため、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザにワーク状態が通知され、前記ユーザは、ワーク状態に応じた行動を取ることができる。例えば、ワーク状態が未着手であれば、前記ワークWKの担当者に作業開始を促したり、ワーク状態が前工程完了であれば次工程を準備したり等できる。したがって、上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、これによって、より生産の効率化を図ることができる。
上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、人員WMの所在位置をさらに収容した前記生産状態通知信号を送信する。このため、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザに人員WMの所在位置が通知され、前記ユーザは、人員WMの所在位置に応じた行動を取ることができる。例えば、ワークWKが設備に到着している一方、前記ワークWKの現作業担当者WMが不在であれば、前記現作業担当者WMにワークWKの到着を知らせて作業開始を促したり等できる。したがって、上記生産状態管理システムMS、生産状態管理装置MDおよび生産状態管理方法は、これによって、より生産の効率化を図ることができる。
なお、上述の実施形態では、生産状態通知信号(警告通知信号を含む)は、出力処理部24によって、前記生産状態の種類が変化した時点から直ちに、通信IF部1で送信されたが、生産状態通知信号(警告通知信号を含む)は、出力処理部24によって、前記生産状態の種類が変化した時点から所定の時間の経過後に、通信IF部1で送信されても良い。現作業担当者WM等が操作場所に所在していれば、通知しなくても現作業担当者WM等が対処でき得る。これによれば、所定の時間の経過後に生産状態通知信号が通知されるので、現作業担当者WM等に前記対処の余裕が与えられる。
また、上述の実施形態では、生産状態の種類は、設備状態、人員WMの状態(上述では人員WMの位置(例えば現作業担当者の所在位置))およびワーク状態から抽出されたが、これらのうちの複数種から抽出されても良い。すなわち、前記複数種の分類因子は、製品の生産に関わる設備、前記製品の生産に関わる人員および前記製品の生産に関わるワークのうちの複数種を含む。
例えば、前記複数種の分類因子は、製品の生産に関わる設備および前記製品の生産に関わる人員であり、生産状態の種類は、設備状態および人員WMの状態(上述では人員WMの位置(例えば現作業担当者WMの所在位置))から抽出されても良い。例えば、図4に示すように、設備状態が「稼働中」であって現作業担当者状態が「不在」である場合には、生産状態として「機械自動加工中」が抽出され、設備状態が「稼働中」であって現作業担当者状態が段取場所である場合には、生産状態として「担当者段取中」が抽出され、設備状態が「稼働中」であって現作業担当者状態が操作場所である場合には、生産状態として「担当者操作中」が抽出される。
また例えば、前記複数種の分類因子は、製品の生産に関わる設備および前記製品の生産に関わるワークであり、生産状態の種類は、設備状態およびワーク状態から抽出されても良い。
また、上述の実施形態において、出力処理部24は、前記生産状態通知信号(警告通知信号を含む)を通信IF部1に送信させた後に、変化後の種類の生産状態が所定の時間継続している場合に、前記生産状態通知信号(警告通知信号を含む)を通信IF部1に再送信させても良い。対処すべき生産状態の種類に対し、未対処の場合に、前記対処をユーザに促すことができる。
また、上述の実施形態において、生産状態管理装置MDは、抽出処理部23で生産状態の種類を取り出す際に用いられた分類因子としてのワークWKの所在位置を取得するワーク位置取得部をさらに備え、出力処理部24は、前記生産状態通知信号(警告通知信号を含む)を生成する際に、抽出処理部23で取り出された生産状態の種類が変化した場合に前記ワーク位置取得部で取得されたワークの所在位置をさらに収容しても良い。これによれば、前記端末装置TA、TD、PCを扱うユーザにワークWKの所在位置が通知され、前記ユーザは、前記ユーザの元に前記ワークWKが到着する時刻を予測でき、前記到着予測時刻までの時間を例えば他の作業に当てる等、有効に活用できる。したがって、これによって、より生産の効率化を図ることができる。前記ワーク位置取得部は、例えば制御処理部2に機能的に構成され、各通信信号に収容されたデータに基づいてワークWKの所在位置を取得する。例えば、ワーク状態通知信号に収容されたワーク状態が着手中であれば、ワークWKの所在位置は、前記ワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNの配設場所である。また例えば、ワーク状態通知信号に収容されたワーク状態が未到着であれば、当該設備MNで処理されたワークWKの所在位置は、前記ワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNの配設場所であり、当該設備MNで次に処理されたワークWKの所在位置は、前記ワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNの配設場所と、生産計画を参照することによって判定される前工程の設備MNの配設場所との間、あるいは、前工程の設備MNの配設場所である。また例えば、ワーク状態通知信号に収容されたワーク状態が前工程完了であれば、当該設備MNで処理されたワークWKの所在位置は、前記ワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNの配設場所と、生産計画を参照することによって判定される次工程の設備MNの配設場所との間である。また例えば、ワーク状態通知信号に収容されたワーク状態が前工程完かつ到着済であれば、当該設備MNで処理されたワークWKの所在位置は、前記ワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNの配設場所(すなわち、着手中、未到着または前工程完了を収容するワーク状態通知信号に収容された設備名を持つ設備MNで処理される工程に対し次工程の設備MNの配設場所)である。あるいは、搬送元の情報や搬送先の情報がさらに操作表示装置DPに入力され、これらの情報がさらにワーク状態通知信号に収容される場合では、ワークWKの所在位置は、ワーク状態通知信号に収容された搬送元の情報や搬送先の情報から直接的に判定できる。
また、この場合に、生産状態種類表示画面101は、この生産状態通知信号に収容されたワークWKの所在位置を登録して表示するワーク所在位置表示フィールドをさらに備えても良い。
また、上述の実施形態では、標識装置BCを利用することによって、人員(現作業担当者)WMの位置(所在位置)が求められたが、これに限定されるものではなく、他の手法によって、人員WMの位置が求められても良い。また、生産場所ARの特性に合わせ、その手法が選択されて良い。
例えば、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)が利用されても良い。この場合では、人員WMは、GPS受信機を携行する。または、人員WMの携行する携帯端末装置TAは、GPS受信機能をさらに備える。GPS受信機(または、GPS受信機能付きの携帯端末装置TA)は、予め設定された所定の時間間隔で、GPS衛星からGPS信号を受信して自機の位置を測位し、この測位した位置(緯度および経度)を収容した通信信号(位置通知信号)を、操作表示装置DPを介して、または、直接、生産状態管理装置MDへ送信する。生産状態管理装置MDは、前記各種の所定のデータの一つとして、生産場所AR(上述の例では12個の各領域AR-11~AR34)とその位置を表す緯度および経度(例えば生産場所ARの輪郭を表す緯度および経度のセット等)との対応関係を表すGPS領域対応関係情報を記憶部3に予め記憶しておき、前記位置通知信号を受信した場合に、前記GPS領域対応関係情報から、前記受信した位置通知信号に収容された位置(人員WMの位置)を含む生産場所AR(上述の例では12個の各領域AR-11~AR34)を求める。このようなGPSの利用は、より詳細な位置を特定する場合や、より広範囲な生産場所で位置を特定する場合に、好ましい。
また例えば、画像が利用されても良い。この場合では、前記画像を取得するために、生産場所AR(上述の例では12個の各領域AR-11~AR34)を俯瞰できる位置(例えば生産場所ARの壁上方や天井等)に、カメラが配設され、カメラは、予め設定された所定の時間間隔で、画像を取得(撮像)し、この取得した画像を収容した通信信号(位置通知信号)を、操作表示装置DPを介して、または、直接、生産状態管理装置MDへ送信する。人員WKは、画像からその位置を特定できるように、所定のマーク(例えば図形や色やこれらの組合せ等)を前記カメラから視認できる位置(例えばヘルメットや帽子の上部(頂部)や、作業服の肩上部等)に備える。生産状態管理装置MDは、前記各種の所定のデータの一つとして、生産場所AR(上述の例では12個の各領域AR-11~AR34)と前記カメラで取得される画像上での領域(例えば生産場所ARに対応するピクセルのセット等)との対応関係を表画像領域対応関係情報を記憶部3に予め記憶しておき、前記位置通知信号を受信した場合に、この受信した位置通知信号に収容された画像から前記所定のマークを認識し、前記画像領域対応関係情報から、前記認識したマークを含む生産場所AR(上述の例では12個の各領域AR-11~AR34)を求める。なお、前記所定のマークは、さらに、人員WKを特定し人員WKを識別する識別子(人員ID)の機能を備えても良い。例えば人員名が「OPA」である人員WMに、赤色のヘルメットを割り当て、人員名が「OPB」である人員WKに、緑色のヘルメットを割り当て、人員名が「OPC」である人員WKに、青色のヘルメットを割り当る。これによって画像から人員WKを特定できる。このような画像の利用は、カメラから死角無く生産場所ARを俯瞰できる場合に、好ましい。
また、上記に例示する手法の他にも種々の手法があり、また、複数の手法が組み合わされても良い。例えば、標識装置BCとカメラとが組み合わされ、ビーコンの受信強度から人員WMの位置が粗く特定(検出)され、この粗く特定された位置におけるカメラの画像部分から、人員WMの位置がより詳細に特定される。また例えば、標識装置BCとGPSとが組み合わされる。これによれば、GPSを利用する場合には、標識装置BCを利用する場合より広範囲で人員WMの位置を特定(検出)できるので、人員WMが生産場所ARから外れた場所、例えば前記生産場所ARの工場とは異なる別(他)の所に出張している場合でも、人員WMの位置が特定できる。
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。