次に、本発明の実施の形態における電子棚札システムについて、図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態における説明としては、実施の形態1、及び、実施の形態2に分けて説明する。
<実施の形態1>
まず、実施の形態1における電子棚札システムについて説明する。最初に、実施の形態1における電子棚札システムの構成について説明する。図1は、実施の形態1における電子棚札システムの構成を示したブロック図である。図1において、実施の形態1における電子棚札システムは、スーパーマーケットや小売店等の店舗で用いられるシステムであり、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1と、棚札サーバ2とで構成される。この棚札サーバ2と、複数の電子棚札1とは、無線LANや赤外線通信で接続される。本実施の形態では、無線LANが用いられる。
又、実施の形態1における電子棚札システムは、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1に対して、この電子棚札1の近傍に陳列されている商品の情報が、棚札サーバ2から送信され、この電子棚札1で表示される仕組である。この棚札サーバ2から電子棚札1へ送信されて電子棚札1で表示される商品に関する情報を、商品表示情報と称する。
図2は、棚札サーバ2の構成を示したブロック図である。図2において、棚札サーバ2は、CPU21、メモリ22、HDD23、アンテナ24aを備えた無線通信部24、表示部25、及び、操作部26で構成されている。これらの各部は、CPU21に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン27を介して、CPU21に接続されている。又、棚札サーバ2には、図2には図示されていないPOSサーバと接続されており、又、図示されていない電源が備えられている。
CPU21は、マイクロプロセッサで構成されており、メモリ22は、RAMやフラッシュメモリ等で構成されている。又、HDD23には、棚札サーバ2を制御するのに必要なOSや各種の処理プログラム等のソフトウエアが格納されている。CPU21は、このメモリに搭載されたソフトウエアにより、棚札サーバ2における各種の処理を行う。無線通信部24は、無線LANを介して、電子棚札1と通信を行う。表示部25は、各種の情報を表示する。又、操作部26は、キーボードやマウス等で構成されており、棚札サーバ2に対する情報の入力や各種の指示を行うのに使用される。
図3は、電子棚札1の外観図であり、図4は、電子棚札1の構成を示したブロック図である。図3、及び、図4において、電子棚札1は、CPU11、メモリ12、アンテナ13aを備えた無線通信部13、及び、表示部14で構成される。これらの各部は、CPU11に接続されたデータバスやアドレスバス等で構成される制御ライン15を介して、相互に接続されている。
CPU11は、マイクロプロセッサで構成されている。メモリ12は、RAM或いはフラッシュメモリ等で構成され、このメモリ12には、OSや各種のソフトウエアが格納されている。CPU11は、このメモリ12に搭載されているソフトウエアにより、各種処理を行う。又、メモリ12には、電子棚札1を識別するユニークなIDである棚札IDが不揮発な状態で格納されている。
無線通信部13は、無線LANを介して、棚札サーバ2と通信を行う。この無線通信部13のアンテナ13aは、電子棚札1の筐体の上部に備えられている。表示部14は、LCDで構成されており、商品情報等の情報が表示される。
上記の電子棚札システムが用いられる店舗では、実際には、商品の陳列エリアは、多数存在するが、実施の形態1では、説明を簡便にするため、野菜エリア、肉・魚エリア、及び、加工品エリアの3種類の陳列エリアとしている。これらの陳列エリアには、それぞれ、陳列エリアIDが付与されており、各陳列エリアと陳列エリアIDとを対応付けした陳列エリア登録テーブルが、棚札サーバ2のHDD23に備えられている。図5は、この陳列エリア登録テーブルの構成を示したものである。
又、上述したように、上記の電子棚札システムは、商品が陳列される近傍に設置された複数の電子棚札1に対して、この電子棚札1の近傍に陳列され、この電子棚札1が表示の対象とする商品の商品表示情報が、棚札サーバ2から送信され、この電子棚札1で表示される仕組である。そのため、棚札サーバ2のHDD23には、電子棚札1で商品の情報を表示するのに必要な商品登録情報を集積した商品登録情報データベースが備えられている。図6は、この商品登録情報データベース(DB)に含まれる商品登録情報の構成を示したものである。
上記の商品登録情報は、図6において、上記の電子棚札システムに使用されている全ての電子棚札に対して、各電子棚札1毎に形成されており、該電子棚札1を識別する棚札ID、該棚札IDを有する電子棚札1が存在する陳列エリアの陳列エリアID、該棚札IDを有する電子棚札1が表示対象とする商品の商品ID、及び、当該商品の商品表示情報で構成されている。この商品表示情報は、商品名、価格等で構成されている。
又、上記の電子棚札システムでは、電子棚札1の表示を更新する際に、電子棚札1の表示が新しく更新された情報であることを示すために、商品陳列エリア毎に、形状が異なる複数の表示更新マークが用いられている。これらの表示更新マークには、表示更新マークIDが付与されている。この表示更新マークの個数は、上記の陳列エリア登録テーブルに登録された陳列エリアの個数よりも多く設定される。実施の形態1では、陳列エリアの個数が、図5に示すように、3個であるのに対して、表示更新マークの個数は、図7に示すように、4個であり、陳列エリアの個数よりも1個多い。
又、これらの表示更新マークを電子棚札1の表示部14で表示するために、ドットマップで表された表示更新マーク情報が、表示更新マークIDと対応付けられて、表示更新マーク登録テーブルとして、棚札サーバ2のHDD23に備えられている。図7は、この表示更新マーク登録テーブルの構成を示したものである。上記の表示更新マーク情報が、前述した更新受信確認表示用情報に該当する。又、上記の表示更新マーク情報に基づき、電子棚札1の表示部14で行われる表示が、前述した更新受信確認表示に該当する。
又、実施の形態1における電子棚札システムでは、棚札サーバ2は、この棚札サーバ2における処理を行うために、棚札サーバ2のCPU21が使用するエリア等として、メモリ22に、表示更新マークID・陳列エリアID対応付けテーブル(以下、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)と称する)、選択陳列エリアID保存エリア(ME)、選択表示更新マークID保存エリア(MM)、及び、電子棚札表示状態記録テーブル(ML)が備えられている。
これらの内、図8は、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)の構成を示したものであり、図9(a)は、選択陳列エリアID保存エリア(ME)、図9(b)は、選択表示更新マークID保存エリア(MM)の構成を示したものである。
図8に示すマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、表示更新マークIDと陳列エリアIDとの対応付けを示すテーブルである。上述したように、表示更新マークの個数は、上記の陳列エリア登録テーブルに登録された陳列エリアの個数よりも多く設定される。そこで、このマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)では、陳列エリアIDとの対応付けがされない表示更新マークIDが存在することになる(図18参照)。
又、図9(a)に示す選択陳列エリアID保存エリア(ME)は、電子棚札1の表示更新を行なうために、この表示更新を行なう電子棚札1が設置されている商品陳列エリアとして、後述するように選択された陳列エリアIDである選択陳列エリアIDを、一時的にストアしておくメモリエリアである。又、図9(b)に示す選択表示更新マークID保存エリア(MM)は、上記の表示更新の際に使用するために、後述するように選択された表示更新マークのIDである選択表示更新マークIDを一時的にストアしておくメモリエリアである。
図10は、上記の電子棚札表示状態記録テーブル(ML)の構成を示したものである。この電子棚札表示状態記録テーブルは、実施の形態1における電子棚札システムで使用されている全ての電子棚札1に対して、各電子棚札1毎に形成されている。この電子棚札表示状態記録テーブル(ML)は、各電子棚札1が備える棚札IDを記載した棚札ID欄、該棚札IDを有する電子棚札1が存在する陳列エリアの陳列エリアIDを記載した陳列エリアID欄、表示更新マークID欄、商品表示情報欄、及び、表示更新マーク表示完了情報欄、で構成されている。
図10に示す電子棚札表示状態記録テーブル(ML)において、表示更新マークID欄は、棚札サーバ2から電子棚札1へ送信される表示更新マークの表示更新マークIDが記入される欄である。又、商品表示情報欄は、棚札ID欄に記載されている棚札IDを備えた電子棚札1へ棚札サーバ2が商品表示情報を送信すると、「送信済」が記入される欄である。そして、表示更新マーク表示完了情報欄は、棚札ID欄に記載されている棚札IDを備えた電子棚札1から、棚札サーバ2が表示更新マーク表示完了情報を受信すると、「受信済」が記入される欄である。
上記の電子棚札表示状態記録テーブルは、棚札サーバ2の表示部25に表示される。そこで、棚札サーバ2の操作者は、棚札サーバ2の表示部25に表示された電子棚札表示状態記録テーブルを見ることによって、電子棚札1における表示の状態を知ることができる。
次に、実施の形態1における電子棚札システムの動作について説明する。図11〜図15は、実施の形態1における電子棚札システムの動作を示したフローチャートである。この内、図11〜図14は、棚札サーバ2の動作を示したフローチャートであり、特に、図11は、棚札サーバ2の基本動作を示したフローチャートである。又、図15は、電子棚札1の動作を示したフローチャートである。これらの内、図13〜図15のフローチャートにおいて、点線で示されたJ1、及び、J2は、点線で接続された相互間に関連性があることを示している。
次に、この図11〜図15を用いて、実施の形態1における電子棚札システムの動作を具体的に説明する。まず、棚札サーバ2の基本動作について、図11を参照しながら説明する。尚、図11において、二重線で示されるB1とB2との間に存在する処理は、マルチタスクであることを示しており、これらの処理は、棚札サーバ2で同時に並行処理される。具体的には、電子棚札への送信処理(S20)、及び、電子棚札からの受信処理(S30)がマルチタスクであり、これらの処理は、棚札サーバ2において、共に、同時に並行処理される。
実施の形態1における電子棚札システムでは、最初に、棚札サーバ2の操作者により、電子棚札1への表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択が行われる。尚、この電子棚札1への表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択に先立って、商品登録情報データベースの商品登録情報は、更新表示が必要な部分に対しては、更新表示される内容に更新されているものとする。
そこで、図11において、棚札サーバ2では、まず、この電子棚札1への表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択が行われたか否かをチェックする(S1)。この陳列エリアの選択は、図5に示す陳列エリア登録テーブルが、棚札サーバ2の表示部25に表示されるので、棚札サーバ2の操作者が、選択する陳列エリアと対応付けられている陳列エリアIDを、操作部26のキーボードから入力することにより行われる。
上記の表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択が行われると(S2)、次に、選択された陳列エリアIDである選択陳列エリアIDを、選択陳列エリアID保存エリア(ME)へストアして(S3)、表示更新マーク自動選択処理(S10)へ進む。
図12は、表示更新マーク自動選択処理(S10)の詳細を示したフローチャートである。図12において、棚札サーバ2は、まず、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、選択陳列エリアID保存エリア(ME)にストアされている選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在するか否かをチェックする(S11)。
S11における、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在するか否かのチェックで、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在すると(S12)、次にS13へ進む。
S13では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDに対する当該選択陳列エリアIDとの対応付けを解除して、当該当該選択陳列エリアIDをマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)から削除して、S14へ進む。
S14では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、S13で対応付けが解除された以外の表示更新マークIDを、登録番号順に検索して、選択陳列エリアIDと対応付けられていない表示更新マークIDを、選択表示更新マークIDとして抽出して、S15へ進む。
S11における、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在するか否かのチェックで、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在しないと(S12)、次にS17へ進む。
S17では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、表示更新マークIDを、登録番号順に検索して、選択陳列エリアIDと対応付けられていない表示更新マークIDを、選択表示更新マークIDとして抽出して、S15へ進む。
上述したように、S14、或いは、S17で、選択陳列エリアIDと対応付けられていない表示更新マークIDを、選択表示更新マークIDとして抽出すると、S15へ進む。S15では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、S14、或いは、S17で抽出された表示更新マークIDと対応する陳列エリアID欄に、選択陳列エリアID保存エリア(ME)にストアされている選択陳列エリアIDを記入して、対応付けをする。そして、S16へ進む。
S16では、S14、或いは、S17で抽出された選択表示更新マークIDを、選択表示更新マークID保存エリア(MM)をストアして、表示更新マーク自動選択処理(S10)を終了する。
図12のフローチャートで示す上述した表示更新マーク自動選択処理(S10)について、例を用いて説明する。例えば、図11の棚札サーバ2の基本動作を示すフローチャートのS1で、棚札サーバ2の操作者により、電子棚札1への表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択が行われる際に、それ以前には、電子棚札1への表示更新が全く行われていない場合を考える。この場合を例1のケースと称する。
この例1のケースでは、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図16で示すようになっている。図16では、全ての表示更新マークIDは、陳列エリアIDと対応付けされていない。
そこで、この例1のケースにおいて、図11の棚札サーバ2の基本動作を示すフローチャートのS1で、棚札サーバ2の操作者により、図5に示す陳列エリア登録テーブルで、野菜エリアであるE001が選択されたとする。この選択されたE001は、選択陳列エリアIDとして、選択陳列エリアID保存エリア(ME)へストアされる(S3)。
すると、この場合、表示更新マーク自動選択処理(S10)のS11における、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在するか否かのチェックで、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDは存在しない(S12)。
そこで、次に、S17へ進み、S17では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、表示更新マークIDを、登録番号順に検索して、選択陳列エリアIDと対応付けられていない表示更新マークIDを、選択表示更新マークIDとして抽出する。従って、選択表示更新マークIDとして、ダイヤマークのM001が抽出される。
そして、次に、S15へ進む。S15ではマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、S17で抽出された表示更新マークID、即ち、M001と対応する陳列エリアID欄に、選択陳列エリアID保存エリア(ME)にストアされている選択陳列エリアID、即ち、E001を記入して、対応付けをする。その結果、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図17に示すようになる。図17では、M001のみがE001と対応付けられている以外は、残りの表示更新マークIDは、陳列エリアIDと対応付けされていない。
上記の表示更新マーク自動選択処理(S10)の例として、他の例を示すと、例えば、図11の棚札サーバ2の基本動作を示すフローチャートのS1で、棚札サーバ2の操作者により、電子棚札1への表示更新を行う対象となる陳列エリアの選択が行われる際に(S1)、それ以前に、全ての陳列エリアの電子棚札1に対して、既に、表示更新が行われている場合を考える。この場合を例2のケースと称する。
この例2のケースでは、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図18で示すようになっている。図18では、表示更新マークIDの内、M001がE001と、M002がE002と、そして、M003がE003とそれぞれ、対応付けられているが、M004は、陳列エリアIDと対応付けされていない。
そこで、この例2のケースにおいて、図11の棚札サーバ2の基本動作を示すフローチャートにおけるS1で、棚札サーバ2の操作者により、棚札サーバ2の表示部25に表示される図5に示す陳列エリア登録テーブルから、野菜エリアの陳列エリアIDであるE001が選択されたとする。この選択されたE001は、選択陳列エリアIDとして、選択陳列エリアID保存エリア(ME)へストアされる(S3)。
すると、この場合、表示更新マーク自動選択処理(S10)のS11における、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在するか否かのチェックで、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDが存在する(S12)。即ち、上述したように、表示更新マークIDの内、M001がE001と、M002がE002と、そして、M003がE003とそれぞれ、対応付けられている(図18参照)。
そこで、次に、S13へ進み、S13では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、選択陳列エリアID、即ち、E001と対応付けられている表示更新マークID、即ち、M001に対する当該選択陳列エリアID、即ち、E001との対応付けを解除して、当該当該選択陳列エリアID、即ち、E001をマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)から削除する。そうすると、E001をマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図19のようになる。
上記のS13における処理が終了すると、次に、S14へ進む。S14では、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、S13で対応付けが解除された以外の表示更新マークID、即ち、M002〜M004を、登録番号順に検索して、選択陳列エリアIDと対応付けられていない表示更新マークIDを、選択表示更新マークIDとして抽出する。
すると、図19に示すマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)から分かるように、M004が選択陳列エリアIDと対応付けられていない。そこで、このM004が選択表示更新マークIDとして抽出される。
そこで、次に、S15へ進む。S15ではマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、S13で抽出された表示更新マークID、即ち、M004と対応する陳列エリアID欄に、選択陳列エリアID保存エリア(ME)にストアされている選択陳列エリアID、即ち、E001を、記入して対応付けをする。その結果、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図20に示すようになる。図20では、M001のみがE001と対応付けられていないほか、残りの表示更新マークIDは、M004がE001と対応付けられていることを含み、全て、陳列エリアIDと対応付けされている。
図11のフローチャートに示す上述した棚札サーバ2の基本動作において、S10の表示更新マーク自動選択処理が終了すると、次に、電子棚札表示状態記録テーブル(ML)において、選択陳列エリアIDを備えた棚札ID欄と対応する表示状態記録欄を全てクリアする。そして、電子棚札への送信処理(S20)、及び、電子棚札からの受信処理(S30)を行う。そして、これらの処理の双方が終了すると、最初のS1に戻って、S1以降の処理を繰返す。
次に、棚札サーバ2における電子棚札への送信処理(S20)について説明する。図13は、この電子棚札への送信処理(S20)を示したフローチャートである。図13において、棚札サーバ2では、まず、実施の形態1における電子棚札システムで使用されている全ての電子棚札1が備える棚札IDの中から、商品登録情報において、選択陳列エリアID保存エリア(ME)へストアされている選択陳列エリアIDを備えた棚札IDを、一つを選択する(S21)。
次に、選択された棚札IDを備える商品登録情報を、棚札サーバ2のHDD23に備えられた商品登録情報データベース(DB)から抽出し(S22)、抽出されたこの商品登録情報から、さらに、商品表示情報を抽出する(S23)。
次に、抽出されたこの商品表示情報を、選択表示更新マークID保存エリア(MM)にストアされている選択表示更新マークIDの選択表示更新マーク情報と共に、S11で選択された棚札IDを付して、この棚札IDを備えた電子棚札1へ送信する(S24)。選択表示更新マーク情報は、図7に示す表示更新マーク登録テーブルから、ビットマップ情報として取得される。又、実際に電子棚札1へ送信される商品表示情報は、送信される前に、上記の表示更新マークの情報のように、ビットマップ情報に変換されて送信される。
次に、棚札サーバ2のメモリ22に備えられた電子棚札表示状態記録テーブル(ML)に対して、S21で選択された棚札IDが記載された棚札ID欄と対応する商品表示情報欄に、「送信済」を記入する(S25)。
次に、電子棚札表示状態記録テーブル(ML)に対して、S21で選択された棚札IDと対応する表示更新マークID欄に、選択表示更新マークID保存エリア(MM)にストアされている選択表示更新マークIDを記入する(S26)。
次に、商品登録情報において、選択陳列エリアID保存エリア(ME)へストアされている選択陳列エリアIDを備えた全ての棚札IDに対して、上記の処理が終了したか否かをチェックし(S27)、終了していないと(S28)、S21へ戻って、S21以降の処理を繰返す。終了していると(S28)、電子棚札への送信処理(S20)を終了する。
次に、電子棚札1における処理について説明する。図15は、電子棚札1の処理を示したフローチャートである。図15において、電子棚札1では、この電子棚札1が備える棚札IDが付された情報を、棚札サーバ2から受信したか否か、をチェックする(S51)。
S51における棚札サーバ2からの受信の有無のチェックで、受信が有ると(S52)、次に、棚札サーバ2から受信した情報の中の商品表示情報、及び、同じく受信した情報の中の表示更新マーク情報で示される表示更新マークを、電子棚札1の表示部14に表示する(S53)。
この電子棚札1の表示部14における表示について、上述した例1のケースの場合では、棚札サーバ2の操作者により、棚札サーバ2の表示部25に表示される、図5に示す陳列エリア登録テーブルから、野菜エリアの陳列エリアIDであるE001が選択されている。又、この例1のケースでは、棚札サーバ2の操作者により行われた野菜エリアの陳列エリアIDであるE001の選択の以前には、電子棚札1への表示更新が全く行われていない。
そこで、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)において、選択陳列エリアIDと対応付けられている表示更新マークIDは存在しないので(S11、S12、図16参照)、選択表示更新マークIDとして、ダイヤマークの表示更新マークIDであるM001が自動的に選択される(S17、図17参照)。
そうすると、この場合、野菜エリアにおける電子棚札1の表示は、図21に示すようになる。図21では、電子棚札1の表示における表示画面の右下に、選択表示更新マークIDがM001であるダイヤマークが表示されている。
又、上述した例2のケースの場合、棚札サーバ2の操作者により、図5に示す陳列エリア登録テーブルで、野菜エリアの陳列エリアIDであるE001が選択される際の、マークID・エリアID対応付けテーブル(MG)は、図18に示すようになっている。図18では、表示更新マークIDの内、M001がE001と、M002がE002と、そして、M003がE003とそれぞれ、対応付けられているが、M004は、陳列エリアIDと対応付けされていない。
即ち、この例2のケースの場合、棚札サーバ2の操作者により行われた野菜エリアの陳列エリアIDであるE001の選択の以前における野菜エリアIDのE001は、M001と対応付けられている。
そこで、棚札サーバ2の操作者により行われる野菜エリアの選択以前に、既に、この野菜エリアの電子棚札1に対して表示更新が行われており、その時に電子棚札1に表示された表示更新マークは、表示更新マークIDがM001であるダイヤマークである(図18参照)。
この場合の野菜エリアにおける電子棚札1の表示を示したのが、図21である。図21では、電子棚札1の表示の表示画面の右下に、選択表示更新マークIDがM001であるダイヤマークが表示されている。
そこで、この例2のケースでは、図11の棚札サーバ2の基本動作を示すフローチャートのS1で、新たに、棚札サーバ2の操作者により、図5に示す陳列エリア登録テーブルで、野菜エリアであるE001が選択されると、次のようになる。
即ち、新たに行われる野菜エリアの電子棚札1の表示の更新に対しては、新旧の表示の更新における区別をはっきりさせるために、新たな表示の更新の際には、既に表示に使用されている、表示更新マークIDがM001であるダイヤマークの表示を避ける必要がある。さらに、その時点における、他の陳列表示エリアの電子棚札1に対する表示の更新と区別するために、その時点で、他の陳列表示エリアの電子棚札1に表示されていない表示更新マークを用いる必要がある。
そこで、このような表示更新マークを自動的に選ぶために、表示更新マーク自動選択処理(S10)では、次の処理をしている。即ち、既に表示に使用されている、表示更新マークIDがM001であるダイヤマークと野菜エリアの陳列エリアIDであるE001との対応付けを解除すると共に(S13、図19参照)、対応付けが解除された以外の表示更新マークの中で、その時点で使用されていない表示更新マークであるハートマーク(表示更新マークIDは、M004)を選んで(S14、図20参照)、選択表示更新マークとして用いるのである(S15)。
この結果、選択表示更新マークであるハートマークの選択表示更新マーク情報が、商品表示情報と共に、野菜エリアにおける電子棚札1へ送信されて(S24)、この電子棚札1で表示される(S33)。この例2のケースにおける野菜エリアにおける電子棚札1の表示を示したのが、図22である。図22では、電子棚札1の表示の表示画面の右下に、選択表示更新マークIDがM004であるハートマークが表示されている。
図15に示す電子棚札1の処理のフローチャートにおけるS53で、商品表示情報、及び、表示更新マークの表示が完了すると、商品表示情報と表示更新マークの情報の受信及び表示が、正常に行われたことを棚札サーバ2へ知らせるために、次に、電子棚札1が備える棚札IDと共に、表示更新マーク表示完了情報を棚札サーバ2へ送信して(S54)、最初のS51へ戻り、S51以降の処理を繰返す。
次に、棚札サーバ2における電子棚札からの受信処理(S30)について説明する。図14は、この電子棚札からの受信処理(S30)を示したフローチャートである。図30において、棚札サーバ2では、まず、電子棚札1から、棚札IDを伴った表示更新マーク表示完了情報を受信したか否かをチェックする(S31)。
S31における、電子棚札1からの棚札IDを伴った表示更新マーク表示完了情報を受信したか否かのチェックで、受信していると(S32)、次に、電子棚札表示状態記録テーブル(ML)に対して、受信した棚札IDと対応する表示更新マーク表示完了情報欄に「受信済」を記入して(S33)、最初のS21へ戻って、S21以降の処理を繰返す。
上述した処理の結果、電子棚札表示状態記録テーブル(ML)には、例えば、図23に示すような記録が行われ、この電子棚札表示状態記録テーブルは、棚札サーバ2の表示部25に表示される。そこで、棚札サーバ2の操作者は、棚札サーバ2の表示部25に表示されたこの電子棚札表示状態記録テーブルを見ることによって、電子棚札1における表示の状態を知ることができる。
上記の実施の形態1における電子棚札システムによれば、電子棚札1における表示更新マークの表示として、販売される商品の陳列エリア毎に設置された電子棚札1に対して、このエリア毎に異なる表示が用いられる。又、同一のエリアに配置された電子棚札1に対して、同一の表示が用いられる。
それ故、販売される商品の陳列が、商品の種別毎に、陳列するエリアを区分して行われている場合に、これらの商品の商品表示情報を表示している電子棚札1に対して、いっせいに表示の更新が行われたときに、電子棚札1の表示が正常に更新されたことが、周囲の電子棚札1の表示と見比べることで容易に判断することができる。
又、棚札サーバ2が、表示更新用の送信として、商品表示情報と、表示更新マークの表示を行うための情報である表示更新マーク情報を電子棚札1へ送信すると、電子棚札1は、商品表示情報と、表示更新マーク情報を受信して、商品表示情報の表示と共に、表示更新マーク情報に基づいて、表示更新マークの表示を行う。
それ故、電子棚札1は、商品表示情報と同様に、棚札サーバ2から送信された表示更新マーク情報に基づいて表示更新マークの表示を行えばよいので、電子棚札1の処理の負担を軽減することができる。
又、棚札サーバ2に、販売される商品の陳列エリア数よりも1つ多い複数の相異なる表示更新マーク情報を備えると共に、棚札サーバ2は、電子棚札1の表示更新用の送信を電子棚札1へ行う際に、複数の表示更新マーク情報の中から、いずれのエリアとも対応付けられていない表示更新マーク情報を選択して、送信先の電子棚札1が配置されているエリアと対応付けして用いる。又、同時に、棚札サーバ2は、送信先の電子棚札1が配置されているエリアと対応付けられている表示更新マーク情報が既に存在する場合は、当該対応付けを解除する。
それ故、異なるエリアに存在する電子棚札1相互間では、異なる表示更新マーク情報が用いられることになり、商品の種別毎に、陳列するエリアを区分している場合に、異なる商品の種別間における電子棚札1の表示の更新を、明確に区別することができる。
又、以前に行われた表示の更新に伴って表示更新マークが表示されている電子棚札1に対して、さらに、表示の更新を行う場合に、以前に行われた表示の更新の際における表示更新マークの表示とは異なる表示更新マークの表示を行うことができる。
従って、商品の種別毎に、陳列するエリアを区分している場合に、異なる商品の種別間における電子棚札1の表示の更新を、明確に区別することができると共に、前後に時間を置いて行われた同一エリアの電子棚札1の表示の更新を、明確に区別することができる。
上述した実施の形態1では、電子棚札表示状態記録テーブルの商品表示情報欄に対しては、「送信済」を、又、表示更新マーク表示完了情報欄、及び、表示更新マーク消去完了情報欄に対しては、「受信済」を記入している。しかし、この「送信済」又は「受信済」に代えて、対象情報を送信又は受信した時刻を取得して記入するようにしてもよい。
又、上述した実施の形態1では、棚札サーバ2が、表示更新マークを自動的に選択できるようにしているが、棚札サーバ2の操作者が、棚札サーバ2の操作部26を操作することにより、選択できるようにしてもよい。
又、上述した実施の形態1では、電子棚札1の表示を更新する際に、電子棚札1の表示が新しく更新された情報であることを示すために、商品陳列エリア毎に、形状が異なる複数の表示更新マークが用いられている。しかし、この形状が異なる複数の表示更新マークに代えて、例えば、形状が同一で、色が異なる複数の表示更新マークを用いる等、商品陳列エリア毎に、異なることが識別可能であれば、いかなるものを用いてもよい。
又、上述した実施の形態1では、棚札サーバ2から送信された、商品表示情報、表示更新マークの情報、及び、表示継続時間の情報を受信した電子棚札1は、これらの情報を受信して電子棚札1の表示部14への表示を完了したことを棚札サーバ2へ知らせるのに、表示更新マーク表示完了情報を用いている。即ち、商品表示情報及び表示更新マークの双方に対する受信及び表示の完了を、1個の表示更新マーク表示完了情報の送信で済ませている。
しかし、受信及び表示の完了を棚札サーバ2へ知らせるのに、商品表示情報に対する受信及び表示の完了通知と、表示更新マークに対する受信及び表示の完了通知とを分けて、それぞれ別個に行うようにしてもよい。即ち、表示更新マーク表示完了情報の棚札サーバ2への送信は、表示更新マークのみに対するものとし、商品表示情報に対しては、新たに、例えば、商品表示情報表示完了情報を設けて用いるようにしてもよい。
又、上述した本実施の形態では、電子棚札1の表示更新に先立って、商品登録情報データベースの商品登録情報は、更新表示される内容に更新されているものとしている。しかし、このような場合には限られず、棚札サーバが電子棚札に対して行う電子棚札の表示更新用の送信には、商品表示情報が変更されている場合はもちろん、商品表示情報が変更されていない場合も含まれるようにしてもよい。
この場合、棚札サーバ2が電子棚札1に対して行う電子棚札1の表示更新用の送信において、送信する商品表示情報が従前と同じである場合は、電子棚札1における商品表示情報を変更する必要が無いので、棚札サーバ2は、電子棚札1に商品表示情報を送信する必要は無く、電子棚札1における商品表示情報の表示は、従前のままである。
そうすると、電子棚札1では、仮に、表示更新マークの表示が行われない場合に、電子棚札1における商品表示情報の表示が従前のままであるのは、表示の変更が必要なのに棚札サーバ2から電子棚札1への無線LANを介した送信がうまくいかないことが原因であるのか、本来、商品表示情報の変更が必要ないので従前のままであるのかの区別が、電子棚札1の表示を見ただけでは、判断することができない。しかし、このような場合にも、表示更新マークの情報を電子棚札1へ送信して表示更新マークを電子棚札1で表示することにより、上記のようなトラブルを避けることができる。
<実施の形態2>
次に、実施の形態2における電子棚札システムについて説明する。実施の形態2における電子棚札システムの構成は、実施の形態1における電子棚札システムの構成と全く同じである。実施の形態2における電子棚札システムが、実施の形態1における電子棚札システムと異なるのは、次の点である。
即ち、実施の形態1では、同一陳列エリアにおける電子棚札1の新旧の表示の更新の区別を行うのに、或いは、陳列エリアが異なる電子棚札1相互間における表示の更新の区別を行うのに、異なる形状の表示更新マークを用いている(図21、図22参照)。
これに対して、実施の形態2では、表示更新マークを、電子棚札1の表示部14に表示する際に、電子棚札1の表示の表示画面における表示位置を変更することで、同一陳列エリアにおける電子棚札1の新旧の表示の更新の区別や、或いは、陳列エリアが異なる電子棚札1相互間における表示の更新の区別を行う点が、実施の形態1と異なる点である(図32、図33参照)。
具体的には、上述した実施の形態2における電子棚札システムにおいて、表示更新マークに変えて、表示更新マーク表示位置(略して、表示更新マーク位置と称する)を用いる。従って、表示更新マークIDに代えて、表示更新マーク位置を用い、表示更新マーク表示情報に代えて、表示更新マーク表示位置情報を用いる。
そこで、実施の形態2では、実施の形態1における図7に示す表示更新マーク登録テーブルに代えて、図25に示す表示更新マーク位置登録テーブルを用い、図8に示すマークID・エリアID対応付けテーブル(MG)に代えて、図26に示すマーク位置ID・エリアID対応付けテーブル(PG)を用いるほか、表示更新マークの形状を現す情報として、図24に示す所定表示更新マークの情報を用いる。図24では、例として、星マークの情報が設定されている。又、選択表示更新マークID保存エリア(MM)には、選択表示更新マーク位置IDがストアされることになる。
又、実施の形態2における棚札サーバ2、及び、電子棚札1の動作としては、上記の差異を、実施の形態1における棚札サーバ2、及び、電子棚札1の動作に反映すると共に、棚札サーバ2から電子棚札1への送信情報としては、商品表示情報情報と、所定表示更新マーク情報、及び、表示更新マーク表示位置情報として、実施の形態1における棚札サーバ2、及び、電子棚札1の動作を読み替えることで、説明することができる。そこで、実施の形態2における動作説明としては、実施の形態1における動作説明に用いられた図16〜図22に代えて、図27〜図33を用いる。
又、実施の形態2における電子棚札システムの効果としては、上述した実施の形態1における電子棚札システムの効果と、同じである。