JP7120861B2 - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関制御装置に関し、特に、同一の気筒の燃焼室に連通自在な2つの吸気通路に対して各々1つのインジェクタ(燃料噴射弁)が設けられた内燃機関に適用されて、かかる各々のインジェクタの燃料噴射を制御する内燃機関制御装置に関する。
従来より、電磁コイルの電磁力で弁体が駆動されることにより気筒の燃焼室に燃料を噴射する電磁ソレノイド式のインジェクタを用いた内燃機関に適用されて、かかるインジェクタの燃料噴射を制御する内燃機関制御装置が知られている。
また、近年、かかるインジェクタの燃料噴射における燃料噴射量をより精細に制御すると共にその噴射燃料をより微粒化すること等を企図して、内燃機関の気筒毎に2つのインジェクタを設けた構成が提案されており、かかる内燃機関には、気筒毎に2つ設けられたインジェクタの燃料噴射を各々制御する内燃機関制御装置が適用されている。
このように内燃機関の気筒毎に2つのインジェクタを設けた構成においては、かかる気筒の燃焼室に吸気弁を介して連通自在な各吸気通路に対して各インジェクタが配設され、各インジェクタから所定の噴射モードで噴出された燃料は、各インジェクタのノズル部からそれが配設された吸気通路、吸気開口及び吸気弁の周囲を経て気筒の燃焼室に供給されるものであるため、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着する等の事象が生じることがある。
かかる状況下で、特許文献1は、燃料噴射制御装置に関し、気筒毎に第1吸気通路と第2吸気通路とを備え、第1吸気通路に第1燃料噴射弁を配置し、第2吸気通路に第2燃料噴射弁を配置した内燃機関に対して適用されて、噴射燃料が特定の吸気通路の内壁に付着することを抑制して各吸気通路間の平衡付着量の偏りを抑制することを企図し、各燃焼サイクルにおいて第1燃料噴射弁が燃料を噴射する噴射時期と第2燃料噴射弁が燃料を噴射する噴射時期との2つの噴射時期に位相差を設けつつ、2つの噴射時期を所定燃焼サイクル数毎に交互に入れ替えるように、第1燃料噴射弁及び第2燃料噴射弁に対する噴射パルス信号を設定する構成を開示する。
また、特許文献2は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、各気筒の2本の燃料噴射弁A、Bのうちの一方の燃料噴射弁Aのみで燃料を噴射するパーシャル噴射モードの実行中に、噴射停止側の燃料噴射弁の噴孔部(ノズル部)に堆積した未燃燃料成分の堆積物を取り除くことを企図して、一方の燃料噴射弁Aの連続噴射回数が所定回数を越える毎に、他方(噴射停止側)の燃料噴射弁Bの噴射に切り替えて、その燃料噴射弁Bの噴射を1回(又は複数回)実行する構成を開示する。
また、特許文献3は、内燃機関の燃料噴射制御装置に関し、2つの燃料噴射弁を用いる噴射モードとして、設定燃焼サイクル数毎に第1燃料噴射弁と第2燃料噴射弁とを交互に駆動する交互噴射モードと、燃焼サイクル毎に第1燃料噴射弁と第2燃料噴射弁とを併用する併用噴射モードとを備え、機関負荷が設定負荷C以上である全負荷域では、併用噴射モードを選択し、機関負荷が設定負荷C未満である部分負荷域では、冷機時(暖機中)であれば交互噴射モードを選択し、完暖時(暖機後)であれば併用噴射モードを選択する構成を開示する。
特開2017-166388号公報 特開2009-185741号公報 特開2012-067638号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、内燃機関が搭載された車両の仕様等によっては、特許文献2が開示する構成の如くのいわゆる交代噴射制御から、特許文献1が開示する構成の如くのいわゆる併用噴射制御に切り替えるような異種モードの燃料噴射制御への切り替えの必要性が生じる場合があるが、かかる場合において、特許文献1及び特許文献2は、内燃機関の運転状態等を反映して適切に異種モードの燃料噴射制御へ切り替える構成を何等開示や示唆するものではなく、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制するためには改良の余地がある。
また、本発明者の検討によれば、特許文献3の構成では、交互(交代)噴射モードと併用噴射モードとを内燃機関の負荷に応じて切り替える構成を開示するものではあるが、その切り替えの際に、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制することについては改良の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、異種モードの燃料噴射制御への切り替えの必要性が生じる場合であっても、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制することができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の吸気弁を介して気筒の燃焼室に連通する第1の吸気通路に対して設けられて燃料噴射を実行する第1のインジェクタと、第2の吸気弁を介して前記気筒の前記燃焼室に連通する第2の吸気通路に対して設けられて燃料噴射を実行する第2のインジェクタと、を備える内燃機関に適用される内燃機関制御装置において、前記内燃機関は互いに隣接する第1の燃焼サイクル及び第2の燃焼サイクルを有し、前記第1の燃焼サイクルの吸気行程を含む第1の行程範囲内において、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内のいずれかのインジェクタを噴射インジェクタとして前記燃料噴射を実行させ、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で前記噴射インジェクタとしないインジェクタを休止インジェクタとして前記燃料噴射を実行させずに休止させるように、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタを制御する第1の噴射制御と、前記第2の燃焼サイクルの吸気行程を含む第2の行程範囲内において、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内のいずれかのインジェクタを先行インジェクタとし、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で前記先行インジェクタとしないインジェクタを後行インジェクタとして、前記先行インジェクタに先行燃料噴射を開始させ、及び前記先行燃料噴射を開始させた後に、前記後行インジェクタに後行燃料噴射を開始させるように、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタを制御する第2の噴射制御と、を含む噴射制御を、前記第1の噴射制御から前記第2の噴射制御に切り替え自在に実行する制御部を備える共に、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの噴射回数を、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの開弁区間の出現に応じたカウント値として各々計数するカウンタを備え、前記カウント値の所定の閾値は、前記内燃機関の運転状態に応じて予め設定されており、前記制御部は、前記第1の噴射制御から前記第2の噴射制御に前記噴射制御の前記切り替えを行うときに、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で、前記切り替えの際に前記第1の噴射制御において最後に前記噴射インジェクタとしたインジェクタに対して前記休止インジェクタとしたインジェクタから、前記第2の噴射制御における前記先行燃料噴射を開始させ、前記先行噴射をさせる前記インジェクタの前記開弁区間は、前記第2の行程範囲内において第1の開弁区間及び前記第1の開弁区間の後に設定される第2の開弁区間を含み、前記先行噴射をさせる前記インジェクタの前記先行燃料噴射を開始させてからの前記第1の開弁区間の出現及び前記第2の開弁区間の出現に応じた前記カウント値が前記所定の閾値に到達したときには、前記カウント値が前記所定の閾値に到達した燃焼サイクルの次の燃焼サイクルで、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で、前記先行燃料噴射を開始させた前記インジェクタの他方のインジェクタに前記先行燃料噴射を開始させることを第1の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、交代燃料噴射制御モードの第1の噴射制御から併用燃料噴射制御モードの第2の噴射制御に噴射制御の切り替えを行うときに、同一の気筒に対して各々設けられた第1のインジェクタ及び第2のインジェクタの内で、切り替えの際に第1の噴射制御において最後に噴射インジェクタとしたインジェクタに対して休止インジェクタとしたインジェクタから、第2の噴射制御における先行燃料噴射を開始させ、先行噴射をさせるインジェクタの開弁区間は、第2の行程範囲内において第1の開弁区間及び第1の開弁区間の後に設定される第2の開弁区間を含み、先行噴射をさせるインジェクタの先行燃料噴射を開始させてからの第1の開弁区間の出現及び第2の開弁区間の出現に応じたカウント値が所定の閾値に到達したときには、カウント値が所定の閾値に到達した燃焼サイクルの次の燃焼サイクルで、第1のインジェクタ及び第2のインジェクタの内で、先行燃料噴射を開始させたインジェクタの他方のインジェクタに先行燃料噴射を開始させるものであるため、異種モードの燃料噴射制御への切り替えの必要性が生じる場合であっても、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制することができる。
図1(a)は、本発明の実施形態における内燃機関及びそれに適用される内燃機関制御装置の構成を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)の一部を拡大して模式的に示すZ矢視図である。 図2(a)は、本実施形態における併用燃料噴射制御モード(併用モード)の燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の先行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(b)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の先行インジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(c)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の後行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(d)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の後行インジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(e)は、本実施形態における交代燃料噴射制御モード(交代モード)の燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1のインジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(f)は、本実施形態における交代モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1のインジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図である。 図3は、本実施形態における内燃機関制御装置が実行する燃料噴射制御処理の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対するチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
〔内燃機関の構成〕
まず、図1(a)、図1(b)及び図2(a)から図2(f)を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置が適用される内燃機関の構成について説明する。
図1(a)は、本実施形態における内燃機関及びそれに適用される内燃機関制御装置の構成を示す模式図であり、図1(b)は、図1(a)の一部を拡大して模式的に示すZ矢視図である。また、図2(a)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の先行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(b)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の先行インジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(c)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の後行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(d)は、本実施形態における併用モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1の後行インジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(e)は、本実施形態における交代モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1のインジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図であり、図2(f)は、本実施形態における交代モードの燃料噴射制御実行時での内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1のインジェクタの定常噴射制御実行後に付加される増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対する模式図である。
図1(a)に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1は、典型的には、図示を省略する二輪自動車等の車両に搭載される内燃機関であり、代表的に1つのみ図示した気筒2aを有するシリンダブロック2を備えている。シリンダブロック2の気筒2aに対応する部分の側壁内には、シリンダブロック2を冷却するためのクーラントが流通するクーラント通路3が形成されている。なお、本実施形態における内燃機関制御装置100が適用される内燃機関1は、典型的には4ストローク1サイクルの内燃機関であるが、必要に応じて2ストローク1サイクルの内燃機関であってもよい。
気筒2aの内部には、ピストン4が配置されている。ピストン4は、コンロッド5を介してクランクシャフト6に連結されている。クランクシャフト6には、それと共に同軸に回転するリラクタ7が設けられている。リラクタ7の外周面には、その周方向に所定のパターンで並置された複数の歯部7aが立設されている。
シリンダブロック2の上部には、シリンダヘッド8が組み付けられている。シリンダブロック2の内壁面、ピストン4の上面及びシリンダヘッド8の内壁面は、協働して気筒2aの燃焼室9を画成している。
シリンダヘッド8には、燃焼室9内の燃料及び空気から成る混合気に点火する点火プラグ10が設けられている。燃焼室9に対応する点火プラグ10の個数は、複数であってもよい。
シリンダヘッド8には、燃焼室9と対応して連通する吸気管11が組み付けられている。シリンダヘッド8内には、燃焼室9側で吸気管11内を2つに分岐して延在する2つの吸気通路11a、11bが形成されている。
図1(a)及び図1(b)に示すように、2つの吸気通路11a、11bに対応したもので燃焼室9へ開口した開口部である2つの吸気開口11c、11dには、対応する2つの吸気開口11c、11dを開閉する吸気バルブ12a、12bが設けられている。なお、図中の符号11e、11fは、2つの吸気通路11a、11bに対応した内壁を示している。
2つの吸気通路11a、11bには、燃焼室9に燃料を供給すべくノズル部13c、13dを介して2つの吸気通路11a、11b内に対応して燃料を噴射する、2つのインジェクタ13a、13bが対応して設けられている。なお、インジェクタ13a、13bは、ヘッド8に装着されていてもよい。
ここで、インジェクタ13a、13bの燃料噴射量(噴射されるべき燃料量)は、典型的には、図示を省略する燃料ポンプによりインジェクタ13a、13bに与えられる燃圧を一定値に設定し、インジェクタ13a、13bの弁体の各々が開いて燃料を噴射する開弁時間、つまり図2(a)から図2(f)に示すようにクランク角に対して表記する開弁区間1及び開弁区間2の長さを設定することによって制御自在なものである。例えば、インジェクタ13a、13bの燃料噴射量を2倍に増加するには、燃圧を一定値に設定した状態で、開弁区間1のみが設定されていた状態から、開弁区間1及びその長さと等しい開弁区間2の双方が設定された状態に変更すればよい。なお、図2(e)及び図2(f)は、インジェクタ13a、13bの内の一方を、燃料噴射を実行する噴射インジェクタとして記したものであり、インジェクタ13a、13bの内の他方は、燃料噴射を実行しない休止インジェクタとなって図示が省略されている。
図1(a)に示すように、吸気管11には、インジェクタ13a、13bの上流側にスロットルバルブ14が設けられている。スロットルバルブ14は、図示を省略するスロットル装置の構成部品であり、スロットル装置の本体部が吸気管11に組み付けられている。
また、シリンダヘッド8には、燃焼室9と対応して連通する排気管15が組み付けられている。シリンダヘッド8内には、燃焼室9側で排気管15内を2つに分岐して延在する2つの排気通路15a、15bが形成されている。なお、排気管15内を2つに分岐させずに排気通路を1つのみにしてもよい。
図1(a)及び図1(b)に示すように、2つの排気通路15a、15bに対応したもので燃焼室9へ開口した開口部である2つの排気開口15c、15dには、対応する2つの排気開口15c、15dを開閉する排気バルブ16a、16bが設けられている。なお、図中の符号15e、15fは、2つの排気通路15a、15bに対応した内壁を示している。
〔内燃機関制御装置の構成〕
次に、図1(a)及び図2(a)から図2(f)を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置100の構成について説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置100は、水温センサ101、クランク角センサ102、吸気温センサ103、スロットル開度センサ104、及び吸気圧センサ105に電気的に接続されたECU(Electronic Control Unit)106を備えている。
水温センサ101は、クーラント通路3に侵入した態様でシリンダブロック2に装着され、クーラント通路3内を流通するクーラントの温度を内燃機関1の温度として検出し、このように検出した内燃機関1の温度を示す電気信号をECU106に入力する。
クランク角センサ102は、リラクタ7の外周面に形成されている歯部7aに対向した態様でシリンダブロック2の下部に組み付けられた図示を省略するロアケース等に装着され、クランクシャフト6の回転に伴って回転する歯部7aを検出することによって、クランクシャフト6の回転速度を内燃機関1の回転速度(回転数)として検出する。クランク角センサ102は、このように検出した内燃機関1の回転数を示す電気信号をECU106に入力する。
吸気温センサ103は、吸気管11内に侵入した態様で吸気管11に装着され、吸気管11内に流入する空気の温度を吸気温として検出し、このように検出した吸気温を示す電気信号をECU106に入力する。
スロットル開度センサ104は、スロットル装置の本体部に装着され、スロットルバルブ14の開度をスロットル開度として検出し、このように検出したスロットル開度を示す電気信号をECU106に入力する。
吸気圧センサ105は、スロットルバルブ14と2つの吸気通路11a、11bとの間の吸気管11内に侵入した態様で吸気管11に装着され、吸気管11内の吸気圧(吸気負圧)を検出し、このように検出した吸気圧を示す電気信号をECU106に入力する。
ECU106は、車両が備えるバッテリからの電力を利用して動作する。ECU106は、マイコン107を備え、マイコン107は、ROM(Read Only Memory)108、RAM(Random Access Memory)109、カウンタ110、及びCPU(Central Processing Unit)111を備えている。なお、カウンタ110は、後述するインジェクタ13a、13bの入れ替え時等に利用されるカウント値を計数する場合に、必要に応じて設けられるものである。
ROM108は、不揮発性の記憶装置によって構成され、後述する燃料噴射制御処理用等の制御プログラムや制御データを格納している。
RAM109は、揮発性の記憶装置によって構成され、CPU111のワーキングエリアとして機能する。
カウンタ110は、CPU111からの制御信号に従って、インジェクタ13a、13bの各々が燃料を噴射する噴射回数に関するカウントをする等の各種計時処理を実行する。かかるカウンタ110は、インジェクタ13a、13bの各々がCPU111からの制御信号に従って燃料を噴射する噴射動作に応じて、インジェクタ13a、13bの一方又は双方の噴射回数をカウントする。例えば、カウンタ110は、インジェクタ13a、13bの弁体の各々がCPU111からの制御信号に従って燃料を噴射するために開弁する開弁区間1及び開弁区間2の開始位相(開始位相角)等の特定の位相の出現に応じて、インジェクタ13a、13bの一方又は双方の噴射回数をカウントすることになる。
CPU111は、水温センサ101、クランク角センサ102、吸気温センサ103、スロットル開度センサ104、及び吸気圧センサ105からの電気信号に従ってECU106全体の動作を制御する。また、CPU111は、ROM108内に格納されている制御プログラムを実行することにより、燃料噴射量算出部112及び燃料噴射制御部113として機能する。
燃料噴射量算出部112は、水温センサ101、クランク角センサ102、吸気温センサ103、スロットル開度センサ104、及び吸気圧センサ105からの電気信号等に基づき、内燃機関1に噴射される燃料噴射量を算出する。
燃料噴射制御部113は、燃料噴射量算出部112によって算出された燃料噴射量がインジェクタ13a、13bから内燃機関1に噴射されるように、インジェクタ13a、13bの燃料噴射を制御する燃料噴射制御処理を実行する。詳しくは、本実施形態では、燃料噴射制御部113は、燃料噴射制御処理において、インジェクタ13a、13bの併用モード及び交代モードのいずれかの選択及びそれらの切り替え、インジェクタ13a、13bの各々の所要の燃料噴射量を実現するための燃料の噴射区間の開始位相(開始位相角)及び終了位相(終了位相角)の決定、並びに噴射区間内における開弁区間でのインジェクタ13a、13bの燃料噴射の実行の判断等を行い、インジェクタ13a、13bにそれらを実現するための制御信号を送出する。
ここで、併用モードとは、互いに隣接する排気行程及び吸気行程の区間内で、インジェクタ13a、13bの双方から燃料を噴射させるモードのことをいい、交代モードとは、互いに隣接する排気行程及び吸気行程の区間内で、インジェクタ13a、13bの一方からは燃料を噴射させるが他方からは燃料を噴射させずに休止させるモードのことをいう。燃料噴射制御部113は、併用モードを選択する場合には、燃料噴射の開始を先行させるインジェクタ(先行インジェクタ)及びそれよりも燃料噴射の開始を遅らせるインジェクタ(後行インジェクタ)の決定を行うと共に、必要に応じて先行インジェクタと後行インジェクタとの入れ替え(現在の先行インジェクタを新たな後行インジェクタに設定し、現在の後行インジェクタを新たな先行インジェクタに設定する)の判断を行い、その先後の順に応じてインジェクタ13a、13bの燃料噴射を制御する。また、燃料噴射制御部113は、交代モードを選択する場合には、燃料を噴射させるインジェクタ(噴射インジェクタ)及び燃料を噴射させずに休止させるインジェクタ(休止インジェクタ)の決定を行うと共に、必要に応じ噴射インジェクタと休止インジェクタとの入れ替え(現在の噴射インジェクタを新たな休止インジェクタに設定し、現在の休止インジェクタを新たな噴射インジェクタに設定する)の判断を行い、その噴射及び休止の別に応じてインジェクタ13a、13bの燃料噴射を制御する。
また、燃料噴射制御部113は、燃料噴射制御の噴射モードを交代モードから併用モードに切り替える場合には、インジェクタ13a及びインジェクタ13bの内で、切り替えの際に交代モードにおいて最後に燃料噴射を実行させたインジェクタに対して休止させていたインジェクタから、併用モードにおける燃料噴射を開始させる。これにより、交代モードの燃料噴射制御から併用モードの燃料噴射制御へ切り替える際、吸気通路11a、11bの内で内壁面への付着燃料が気化してそれへの燃料付着量が減少し吸気バルブ12a、12bの内で弁体への付着燃料が気化してそれへの燃料付着量が減少している方のインジェクタから燃料噴射を開始することができるので、吸気通路11a、11bの内で内壁面への燃料付着量が多く吸気バルブ12a、12bの内で弁体への燃料付着量が多い方のインジェクタに関するその付着燃料の気化時間を十分に確保して気化を促進し、空燃比の急変を抑制することができる。また、かかる切り替えの際に、吸気通路11a、11bの内壁面や吸気バルブ12a、12bの弁体への燃料付着量の増加をより適切に抑制することができる。
更に、燃料噴射制御部113は、必要に応じて、緩加速を含む通常走行時における定常噴射に加えて、典型的には急加速を含む加速時に、噴射区間内における開弁区間の数を定常噴射の開弁区間よりも多くして総開弁区間長を長く設定し、定常噴射時の噴射燃料量よりも増加された燃料量で燃料噴射を行う増量噴射を実行させてもよい。なお、燃料噴射制御部113の燃料噴射制御処理は、吸気バルブ12a、12b及び排気バルブ16a、16bのオーバラップの有無は問わない。
ここで、併用モードの燃料噴射制御においては、図2(a)から図2(d)に示すように、互いに隣接する排気行程及び吸気行程の区間内で、インジェクタ13a、13bの各々の所要の燃料噴射量を実現するために、つまりインジェクタ13a、13bに各々対応する所定長さuの開弁区間1及び開弁区間2を設定することを可能とするために、噴射区間は所定の長さW、W’に設定され、典型的には、インジェクタ13a、13bの内で先行して燃料噴射する先行インジェクタになるものの噴射区間の長さWは、インジェクタ13a、13bで先行インジェクタの後に燃料噴射する後行インジェクタになるものの噴射区間の長さW’よりも長くなるように設定されていることが好ましい。また、インジェクタ13a、13bの開弁区間1及び開弁区間2は、各々対応する所定の噴射区間内からはみ出さすことなくその範囲内に入るように設定されている。このように先行インジェクタの噴射区間の開始位相(開始位相角)の位置を排気行程内に設定することにより、所要の燃料を噴射するために先行インジェクタで噴射区間長を長く確保することができる。また、先行インジェクタの噴射区間長Wを後行インジェクタの噴射区間長W’よりも長くすることにより、同一のインジェクタにおいて時系列的に隣接する噴射区間の間隔(先行インジェクタになった後に後行インジェクタになった場合の噴射区間同士の間隔)を長く確保することができるので、気化のための区間を長く確保することできる。
インジェクタ13a、13bの内の先行インジェクタになるものについては、典型的には、内燃機関の定常運転時において、図2(a)に示すインジェクタの定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射が実行されて図中の1つの開弁区間1がこれに対応し、噴射区間内で1つのみの開弁区間1が設定されることになり、一方で、必要に応じて、内燃機関の加速運転時においては、かかる定常噴射制御実行時の1回の燃料噴射に加え、図2(b)に示すインジェクタの増量噴射制御実行時の1回みの燃料噴射が定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射の後に追加されて図中の1つの開弁区間2がこれに対応するため、噴射区間内で合計2つの開弁区間1及び開弁区間2が設定されることになる。
同様に、インジェクタ13a、13bの内の後行インジェクタになるものについては、典型的には、内燃機関の加速運転時においては、図2(c)に示すインジェクタの定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射が実行されて図中の1つの開弁区間1がこれに対応し、噴射区間内で1つのみの開弁区間1が設定されることになり、一方で、必要に応じて、内燃機関の加速運転時においては、かかる定常噴射制御実行の1回の燃料噴射に加え、図2(d)に示すインジェクタの増量噴射制御実行時の1回みの燃料噴射が定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射の後に追加されて図中の1つの開弁区間2がこれに対応するため、噴射区間内で合計2つの開弁区間1及び開弁区間2が設定されることになる。
また、図2(a)に示す先行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間1の各々の開始位相(開始位相角)は、図2(c)に示す後行インジェクタの定常噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間1の各々の対応する開始位相(開始位相角)よりも位相差ΔCA及びΔcaでもって先行する。更に、増量噴射が実行される場合には、図2(b)に示す先行インジェクタの増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間1の各々の開始位相(開始位相角)は、図2(d)に示す後行インジェクタの増量噴射制御実行時の噴射区間及び開弁区間1の各々の対応する開始位相(開始位相角)よりも位相差ΔCA及びΔcaでもって先行しているため、典型的には、図2(b)に示す先行インジェクタの増量噴射制御実行時の開弁区間2の開始位相(開始位相角)は、図2(d)に示す後行インジェクタの増量噴射制御実行時の開弁区間2の対応する開始位相(開始位相角)よりも位相差Δcaでもって先行することになる。なお、インジェクタ13a、13bの各々の燃料噴射の開始は、噴射区間の開始位相(開始位相角)よりも遅れてもよいし、噴射区間の全体にわたって燃料噴射をしていなくともよい。また、かかる噴射区間の各々では、それらの終了位相を、対応する吸気行程の終了位相に一致させることが簡便であるが、必要に応じて、かかる吸気行程に隣接する排気行程側に偏位させてもよい。また、先行インジェクタの噴射区間と後行インジェクタの噴射区間とは、クランク角CAについて重複していなくてもよい。
また、燃料噴射制御部113は、カウンタ110の計時処理により得られた先行インジェクタの噴射回数のカウント値が所定の閾値(カウント閾値)に達したと判別した場合、次の燃焼サイクルで、後行インジェクタを先行インジェクタとすると共に、先行インジェクタを後行インジェクタとして、これらを入れ替えることが好ましい。というのは、2つのインジェクタ13a、13bの燃料噴射の実行時間長同士、つまり開弁区間の全長同士が一致していない場合には、これらの燃料の付着量間に偏りが生じる傾向があることを考慮して、そのような偏りの発生を抑制するために2つのインジェクタ13a、13bで先行及び後行を入れ替えることに有意性があるからである。また、排気行程では、吸気弁が閉じているため、先行インジェクタの噴射した燃料が吸気通路の内壁や吸気弁に付着する傾向があるが、先行インジェクタの燃料噴射時期、つまり開弁区間が排気行程にかかるように設定されることを考慮して、先行インジェクタの開弁区間で燃料噴射量が増加する増量噴射制御実行時で噴射回数のカウント数を増やして、先行インジェクタと後行インジェクタとを入れ替える頻度を上げ、全体として気化時間を長く確保することができる。なお、後行インジェクタの噴射回数のカウントは省略して簡素化してもよい。
ここで、先行インジェクタの噴射回数の判断用に用いられる所定の閾値(カウント閾値)は、内燃機関1の運転状態に応じて予め設定されていることが好ましい。具体的には、内燃機関の内部への燃料の付着量は、機関温度が低いほど、又は吸気圧が大気圧に近いほど増大するものであり、内燃機関1の運転状態は、噴射燃料の付着性に影響する大きな要素であるため、所定の閾値は、典型的には、内燃機関1の運転状態の指標となり得る吸気圧(負圧絶対値)、機関負荷(例えば、内燃機関の回転数及びスロットル開度をパラメータとする)及び冷却水温等に応じて予め設定されていることが好ましい。これらの値が変化すると所定の閾値も適切に変化されるため、先行インジェクタと後行インジェクタとを適切に入れ替えたり、同じインジェクタで適切に連続して燃料を噴射することが可能となる。これにより、特許文献1の構成では実現できないことであるが、先行インジェクタと後行インジェクタとを適切に入れ替えることで、吸気通路の内壁や吸気バルブに噴射燃料が付着することを適切に抑制しながら、同じインジェクタで適切に連続して燃料を噴射することで、燃料を噴射するインジェクタの入れ替え頻度を少なくして、インジェクタの所要な噴射応答性を確保した適切な燃料噴射を実現することができる。
次に、交代モードの燃料噴射制御においては、ここで、図2(e)及び図2(f)に示すように、互いに隣接する排気行程及び吸気行程の区間内で、インジェクタ13a、13bの各々の所要の燃料噴射量を実現するために、つまりインジェクタ13a、13bに各々対応する所定長さuの開弁区間1及び開弁区間2を設定することを可能とするために、噴射区間は所定の長さW”に設定されている。また、インジェクタ13a、13bの開弁区間1及び開弁区間2は、各々対応する所定の噴射区間内からはみ出さすことなくその範囲内に入るように設定されていることが好ましい。このように噴射インジェクタの噴射区間の開始位相(開始位相角)の位置を排気行程内に設定することにより、所要の燃料を噴射するために噴射インジェクタで噴射区間長を長く確保することができる。
インジェクタ13a、13bの内で噴射インジェクタになるものについては、典型的には、内燃機関の定常運転時において、図2(e)に示すインジェクタの定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射が実行されて図中の1つの開弁区間1がこれに対応し、噴射区間内で1つのみの開弁区間1が設定されることになり、一方で、必要に応じて、内燃機関の加速運転時においては、かかる定常噴射制御実行時の1回の燃料噴射に加え、図2(f)に示すインジェクタの増量噴射制御実行時の1回みの燃料噴射が定常噴射制御実行時の1回のみの燃料噴射の後に追加されて図中の1つの開弁区間2がこれに対応するため、噴射区間内で合計2つの開弁区間1及び開弁区間2が設定されることになる。なお、交代モードにおいても、インジェクタ13a、13bの各々の燃料噴射の開始は、噴射区間の開始位相(開始位相角)よりも遅れてもよいし、噴射区間の全体にわたって燃料噴射をしていなくともよい。また、かかる噴射区間の各々では、それらの終了位相を、対応する吸気行程の終了位相に一致させることが簡便であるが、必要に応じて、かかる吸気行程に隣接する排気行程側に偏位させてもよい。
また、燃料噴射制御部113は、カウンタ110の計時処理により得られた噴射インジェクタの噴射回数のカウント値が所定の閾値(カウント閾値)に達したと判別した場合、次の燃焼サイクルで、噴射インジェクタを休止インジェクタとすると共に、休止インジェクタを噴射インジェクタとして、これらを入れ替えることが好ましい。というのは、2つのインジェクタ13a、13bの燃料噴射の実行時間長同士、つまり開弁区間の全長同士が一致していない場合には、これらの燃料の付着量間に偏りが生じる傾向があることを考慮して、そのような偏りの発生を抑制するために2つのインジェクタ13a、13bの各々で噴射及び休止を入れ替えることに有意性があるからである。また、排気行程では、吸気弁が閉じているため、噴射インジェクタの噴射した燃料が吸気通路の内壁や吸気弁に付着する傾向があるが、噴射インジェクタの燃料噴射時期、つまり開弁区間が排気行程にかかるように設定されることを考慮して、噴射インジェクタの開弁区間で燃料噴射量が増加する増量噴射制御実行時で噴射回数のカウント数を増やして、各々のインジェクタで噴射と休止とを入れ替える頻度を上げ、全体として気化時間を長く確保することができる。
ここで、交代モードにおいても、噴射インジェクタの噴射回数の判断用に用いられる所定の閾値(カウント閾値)は、内燃機関1の運転状態に応じて予め設定されていることが好ましい。つまり、具体的には、内燃機関の内部への燃料の付着量は、機関温度が低いほど、又は吸気圧が大気圧に近いほど増大するものであり、内燃機関1の運転状態は、噴射燃料の付着性に影響する大きな要素であるため、所定の閾値は、典型的には、内燃機関1の運転状態の指標となり得る吸気圧(負圧絶対値)、機関負荷(例えば、内燃機関の回転数及びスロットル開度をパラメータとする)及び冷却水温等に応じて予め設定されていることが好ましい。
このような構成を有する内燃機関制御装置100では、燃料噴射制御部113が以下に示す燃料噴射制御処理を実行することによって、内燃機関1が搭載された車両の仕様等に応じて交代モードの燃料噴射制御から併用モードの燃料噴射制御へ切り替えを実行する際、吸気通路の内壁や吸気バルブに噴射燃料が付着することをより適切に抑制する。以下、更に、図3も参照して、この燃料噴射制御処理を実行する際の内燃機関制御装置100の動作の流れについて説明する。
〔燃料噴射制御処理〕
図3は、本実施形態における内燃機関制御装置100が実行する燃料噴射制御処理の一例を時系列的に説明するためのクランク角CAに対するチャートである。また、図3(a)は、インジェクタ13aの噴射区間、図3(b)は、インジェクタ13bの噴射区間、及び図3(c)は、燃料噴射制御モード(燃料噴射モード)のクランク角CAに対するチャートを各々示している。
図3の最も下側の部分に、4ストローク1サイクルの内燃機関1の時系列的に変化するクランク角CAがCA1からCA28で代表的に一例として示されている。また、図3の最も上側の部分に、内燃機関1の時系列的変化する燃焼サイクルが、吸気行程から始まり圧縮行程及び膨張行程を経て排気行程で終わる1燃焼サイクル(クランク角CAの720度の区間に対応する)として示されている。ここで、各々の1燃焼サイクルは、クランク角につき、CA2からCA5、CA5からCA8、CA8からCA11、CA11からCA15、CA15からCA18、CA18からCA22、CA22からCA25及びCA25からCA28の区間に対応して代表的に一例として示されている。なお、図中では、交代モードにおける燃料噴射制御では、噴射インジェクタが燃料を1回噴射する毎に、噴射インジェクタと休止インジェクタとを入れ替えた例を示し、併用モードにおける燃料噴射制御では、先行インジェクタ及び後行インジェクタの各々が燃料を1回ずつ噴射する毎に、先行インジェクタと後行インジェクタとを入れ替えた例を示している。また、交代モードにおける噴射インジェクタの噴射区間及び併用モードにおける先行インジェクタの噴射区間は、吸気行程とそれに隣接する排気行程とに跨る区間長を有した例で示しているが、排気行程にまで跨らず吸気行程内のみに存在する区間長を有するものであってもよい。
図3(a)から図3(c)に示すように、一例として、クランク角CAがCA16よりも前の区間では、交代モードの燃料噴射制御が実行され、クランク角CAがCA16よりも後の区間では、併用モードの燃料噴射制御が実行されている。ここで、内燃機関1の仕様等を反映して、クランク角CAがCA16で、交代モードの燃料噴射制御から併用モードの燃料噴射制御へ切り替える際に、燃料噴射制御部113は、インジェクタ13a及びインジェクタ13bの内で、切り替えの際に交代モードにおいて最後に燃料噴射を実行させたインジェクタ13aに対して休止させていたインジェクタ13bを用いて、それから併用モードにおける燃料噴射を開始させる(クランク角CA=クランク角CA17)。このような構成によれば、吸気通路11a、11bの内で内壁面への燃料付着量が少なく吸気バルブ12a、12bの内で弁体への燃料付着量が少ない方のインジェクタ13bから燃料噴射を開始することができるので、吸気通路11a、11bの内で内壁面への燃料付着量が多く吸気バルブ12a、12bの内で弁体への燃料付着量が多い方のインジェクタ13aに関するその付着燃料の気化時間を十分に確保して気化を促進し、空燃比の急変を抑制することができる。また、かかる切り替えの際に、吸気通路11a、11bの内壁面や吸気バルブ12a、12bの弁体への燃料付着量の増加をより適切に抑制することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における内燃機関制御装置100によれば、燃料噴射制御部113が、交代モードの燃料噴射制御から併用モードの燃料噴射制御に燃料噴射制御の切り替えを行うときに、インジェクタ13a及びインジェクタ13bの内で、切り替えの際に交代モードの燃料噴射制御において最後に噴射インジェクタとしたインジェクタに対して休止インジェクタとしたインジェクタから、併用モードの燃料噴射制御における先行燃料噴射を開始させるので、異種モードの燃料噴射制御への切り替えの必要性が生じる場合であっても、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、異種モードの燃料噴射制御への切り替えの必要性が生じる場合であっても、吸気通路の内壁や吸気弁に噴射燃料が付着することをより適切に抑制することができる内燃機関制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の内燃機関制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…内燃機関
2…シリンダブロック
2a…気筒
3…クーラント通路
4…ピストン
5…コンロッド
6…クランクシャフト
7…リラクタ
7a…歯部
8…シリンダヘッド
9…燃焼室
10…点火プラグ
11…吸気管
11a、11b…吸気通路
11c、11d…吸気開口
11e、11f…内壁
12a、12b…吸気バルブ
13a、13b…インジェクタ
13c、13d…ノズル部
14…スロットルバルブ
15…排気管
15a、15b…排気通路
15c、15d…排気開口
15e、15f…内壁
16a、16b…排気バルブ
100…内燃機関制御装置
101…水温センサ
102…クランク角センサ
103…吸気温センサ
104…スロットル開度センサ
105…吸気圧センサ
106…ECU
107…マイコン
108…ROM
109…RAM
110…カウンタ
111…CPU
112…燃料噴射量算出部
113…燃料噴射制御部

Claims (1)

  1. 第1の吸気弁を介して気筒の燃焼室に連通する第1の吸気通路に対して設けられて燃料噴射を実行する第1のインジェクタと、第2の吸気弁を介して前記気筒の前記燃焼室に連通する第2の吸気通路に対して設けられて燃料噴射を実行する第2のインジェクタと、を備える内燃機関に適用される内燃機関制御装置において、
    前記内燃機関は互いに隣接する第1の燃焼サイクル及び第2の燃焼サイクルを有し、
    前記第1の燃焼サイクルの吸気行程を含む第1の行程範囲内において、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内のいずれかのインジェクタを噴射インジェクタとして前記燃料噴射を実行させ、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で前記噴射インジェクタとしないインジェクタを休止インジェクタとして前記燃料噴射を実行させずに休止させるように、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタを制御する第1の噴射制御と、
    前記第2の燃焼サイクルの吸気行程を含む第2の行程範囲内において、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内のいずれかのインジェクタを先行インジェクタとし、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で前記先行インジェクタとしないインジェクタを後行インジェクタとして、前記先行インジェクタに先行燃料噴射を開始させ、及び前記先行燃料噴射を開始させた後に、前記後行インジェクタに後行燃料噴射を開始させるように、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタを制御する第2の噴射制御と、
    を含む噴射制御を、前記第1の噴射制御から前記第2の噴射制御に切り替え自在に実行する制御部を備える共に、
    前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの噴射回数を、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの開弁区間の出現に応じたカウント値として各々計数するカウンタを備え、
    前記カウント値の所定の閾値は、前記内燃機関の運転状態に応じて予め設定されており、
    前記制御部は、前記第1の噴射制御から前記第2の噴射制御に前記噴射制御の前記切り替えを行うときに、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で、前記切り替えの際に前記第1の噴射制御において最後に前記噴射インジェクタとしたインジェクタに対して前記休止インジェクタとしたインジェクタから、前記第2の噴射制御における前記先行燃料噴射を開始させ、前記先行噴射をさせる前記インジェクタの前記開弁区間は、前記第2の行程範囲内において第1の開弁区間及び前記第1の開弁区間の後に設定される第2の開弁区間を含み、前記先行噴射をさせる前記インジェクタの前記先行燃料噴射を開始させてからの前記第1の開弁区間の出現及び前記第2の開弁区間の出現に応じた前記カウント値が前記所定の閾値に到達したときには、前記カウント値が前記所定の閾値に到達した燃焼サイクルの次の燃焼サイクルで、前記第1のインジェクタ及び前記第2のインジェクタの内で、前記先行燃料噴射を開始させた前記インジェクタの他方のインジェクタに前記先行燃料噴射を開始させることを特徴とする内燃機関制御装置。
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