JP7120566B2 - 織物 - Google Patents

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Description

本発明は、織物に関する。より詳細には、本発明は、優れた通気性および防透性を示す織物に関する。
従来、ユニフォーム、ブラウス、シャツ、スポーツ用衣服等の分野において、衣服は、通気性だけではなく、着用時に肌が透けて見えない防透性が同時に求められている。しかしながら、通気性と防透性は、一般に、相反する特性である。たとえば、通気性を得るために布帛の織編密度を低くすると、布帛は、隣り合う糸条間に空隙ができ、この空隙から肌が透けて充分な防透性が得られない。一方、防透性を得るために布帛の織編密度を高くすると、布帛は、空気の通りが阻害され、通気性が低下する。
そこで、たとえば、特許文献1には、繊維中に艶消し剤を充分に練り込むことにより、繊維自身を透過する光線を艶消し剤によって散乱し、防透性を向上させる繊維構造体が提案されている。また、特許文献2には、2層構造を有する織物が提案されている。
特開平5-148734号公報 特開平10-273881号公報
しかしながら、特許文献1に記載の繊維構造体は、糸条間からの光の透過は避けられない。そのため、繊維構造体は、織編密度を上げる必要があり、通気性が低下する。また、特許文献2の織物は、吸水性重合体を付着させることにより、制電性や吸汗性を向上させることを目的とするものであり、防透性および通気性は充分に改善されていない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、優れた通気性および防透性を両立した織物を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の繊維製品には、以下の構成が主に含まれる。
(1)多重織組織と一重織組織とを有し、通気度が100(cc/cm2/sec)以上であり、下記式(1)で示される防透度が85%以上である、織物。
防透度(%)=100-[100×(試料の裏側に白板を設置したときのL*値-試料の裏側に黒板を設置したときのL*値)/(白板のL*値-黒板のL*値)] ・・・ (1)
このような構成によれば、得られる織物は、優れた通気性および防透性を両立し得る。
(2)前記多重織組織は、平三重織であり、前記一重織組織は、6枚メッシュ織である、(1)記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。また、織物は、外観が優れる。
(3)経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方の撚り数が、300~2000t/mである、(1)または(2)記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。
(4)経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方の総繊度が、56~330dtexである、(1)~(3)のいずれかに記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。また、織物は、風合いが優れる。
(5)カバーファクターは、1950~3100である、(1)~(4)のいずれかに記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、通気性と防透性と布帛物性が両立できるという利点がある。
(6)経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方に、艶消し剤が混合されている、(1)~(5)のいずれかに記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、より優れた防透性を発揮し得る。
(7)前記多重織組織と、前記一重織組織との割合は、25:75~75:25である、(1)~(6)のいずれかに記載の織物。
このような構成によれば、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。また、織物は、外観が優れる。
本発明によれば、優れた通気性および防透性を両立した織物を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の織物の織物組織図である。 図2は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図3は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図4は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図5は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図6は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図7は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図8は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図9は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図10は、本発明の一実施形態の織物の織物組織図である。 図11は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図12は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図13は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図14は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図15は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図16は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図17は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図18は、本発明の一実施形態の織物の他の織物組織図である。 図19は、比較例1の織物の織物組織図である。
<織物>
本発明の一実施形態の織物は、多重織組織と一重織組織とを有する。織物は、通気度が100(cc/cm2/sec)以上であり、下記式(1)で示される防透度が85%以上である。以下、それぞれについて説明する。
防透度(%)=100-[100×(試料の裏側に白板を設置したときのL*値-試料の裏側に黒板を設置したときのL*値)/(白板のL*値-黒板のL*値)] ・・・ (1)
多重織組織は、二重織以上の織組織であればよく、特に限定されない。一例を挙げると、多重織組織は、二重織組織、三重織組織、四重織組織である。また、多重織組織は、平織、ツイル織、メッシュ織、石目織およびこれらの変形組織等のいずれであってもよい。これらの中でも、多重織組織は、後述する一重織組織(特にメッシュ織または平織の一重織組織)と組み合わせやすく、かつ、得られる織物の防透性を向上させやすい点から、二重織組織または三重織組織であることが好ましく、三重織組織であることがより好ましく、平三重織組織であることがさらに好ましい。
一重織組織は、平織、ツイル織、メッシュ織、石目織およびこれらの変形組織等のいずれであってもよい。これらの中でも、一重織組織は、上記した多重織組織と組み合わせやすく、かつ、得られる織物の通気性を向上させやすい点から、平織、ツイル織、メッシュ織であることが好ましく、メッシュ織であることがより好ましい。なお、ツイル織の種類は特に限定されない。一例を挙げると、ツイル織は、2/1ツイル、2/2ツイル、3/1ツイル等であってもよい。
一重織組織が平織またはメッシュ織である場合、織組織を構成する経糸の本数(枚数)は、2枚以上であることが好ましく、4枚以上であることがより好ましく、6枚であることがさらに好ましい。また、経糸の本数(枚数)は、12枚以下であることが好ましい。一重織組織が6枚メッシュ織であり、多重織組織が平三重織である場合、得られる織物は、特に優れた通気性および防透性を両立でき、かつ、外観が優れる。
織組織全体の説明に戻り、本実施形態の織物を構成する多重織組織および一重織組織を構成する経糸および緯糸は特に限定されない。一例を挙げると、経糸および緯糸は、フィラメント糸、紡績糸から構成され得る。フィラメント糸は、各種撚糸(たとえば後述する仮撚融着糸等)および延伸糸を含む。紡績糸は、各種合成繊維、天然繊維(綿等)を含む。
経糸および緯糸の素材は、特に限定されない。一例を挙げると、経糸および緯糸の素材は、各種合成繊維、半合成繊維、再生繊維等である。より具体的には、経糸および緯糸の素材は、ポリエステル、ナイロン、ポリエステル綿混紡糸、綿、アセテート、レーヨン、キュプラ等である。これらの中でも織物が衣服に使用される場合、風合い等の観点から、素材は、ポリエステルまたはナイロンであることが好ましく、ポリエステルであることがより好ましい。ポリエステル繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等である。ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートは、酸成分としてイソフタル酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸が共重合された共重合ポリエステルであってもよい。ナイロン繊維は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等であってもよい。
なお、経糸および緯糸には、紡糸工程や加工工程での生産性、または特性改善のために、艶消し剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、増粘剤、顔料、難燃剤等の添加剤が配合されてもよい。これらの中でも、本実施形態の織物は、経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方に、艶消し剤が混合されることが好ましい。
艶消し剤は特に限定されない。一例を挙げると、艶消し剤は、酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、タングステン酸鉛、タングステン酸カルシウム、炭酸カルシウム等である。艶消し剤が混合される場合において、艶消し剤の含有量は特に限定されない。一例を挙げると、艶消し剤の含有量は、繊維中、0.1質量%以上であることが好ましく、1.0質量%以上であることがより好ましい。また、艶消し剤の含有量は、繊維中、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。艶消し剤が上記範囲内となるよう混合されることにより、得られる織物は、繊維間を透過する光線を散乱し、これにより防透性を向上させることができる。
経糸および緯糸の総繊度は、少なくともいずれか一方が56dtex以上であることが好ましく、84dtex以上であることがより好ましい。また、経糸および緯糸の総繊度は、少なくともいずれか一方が330dtex以下であることが好ましく、220dtex以下であることがより好ましい。総繊度が上記範囲内である場合、得られる織物は、風合い、目付、厚みなどにおいて衣服等の使用に適している。また、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。なお、総繊度は、JIS L 1013(1999) 8.3.1 正量繊度 b)B法に従って算出し得る。具体的には、0.882mN/dtexの初荷重を掛けてサンプリングした試料の、絶乾にした際の質量を測定し、JIS L 0105 3.1に規定する公定水分率を掛けた値とすることにより算出し得る(ポリアミドは4.5%、ポリプロピレンは0%をそれぞれ工程水分率とした)。
経糸および緯糸の単繊維繊度は、いずれかが0.5dtex以上であることが好ましく、1.16dtex以上であることがより好ましい。また、単繊維繊度は、4.7dtex以下であることが好ましく、3.5dtex以下であることがより好ましい。単繊維繊度が上記範囲内である場合、得られる生地の硬さ(風合い)は、衣服等に向いた硬さ(風合い)となり好ましい。なお、単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除することにより算出し得る。フィラメント数は、JIS L 1013(1999) 8.4の方法に基づいて算出し得る。
本実施形態の織物のカバーファクターは、1950以上であることが好ましく、2000以上であることがより好ましい。また、カバーファクターは、3100以下であることが好ましく、2800以下であることがより好ましい。カバーファクターが上記範囲内である場合、得られる織物は、優れた通気性および防透性が両立されやすい。なお、本実施形態において、カバーファクター(CF)は、以下の式によって定義される。
CF=(DW)1/2×MW+(DF)1/2×MF
(ただし、DWは経糸総繊度(dtex)であり、MWは経糸織密度(本/2.54cm)であり、DFは緯糸総繊度(dtex)であり、MFは緯糸織密度(本/2.54cm)である)
経糸および緯糸を構成する単糸の断面形状は特に限定されない。一例を挙げると、単糸の断面形状は、丸断面、各種異型断面、中空糸であってもよい。異形断面としては扁平型、三角型、C型、T型、Y型、団子型、中空型等が例示される。
本実施形態の織物を構成する経糸および緯糸は、撚糸であることが好ましい。経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方が撚糸であることにより、得られる織物は、低密度であっても比較的剛性が高く、目ズレを起こしにくい。そして、これらの織物は、低密度で構成し得るため、通気性がより優れる。
撚糸の種類は特に限定されない。一例を挙げると、撚糸は、生地の目ズレを防ぐ観点から、仮撚融着糸、中強撚糸等であることが好ましい。なお、仮撚糸とは、熱を加えながら撚りをかけた糸に、さらに反対方向の撚りをかけることにより撚りを解いた糸である。仮撚融着糸は、仮撚方向に融着された撚りを有する未解撚部と、仮撚方向と反対方向の撚りを有する解撚部とが糸条方向に沿って交互に配置された糸である。中強撚糸とは、撚りの程度が中~強度である撚糸をいう。
本実施形態の経糸および緯糸の撚り数は特に限定されない。本実施形態の織物は、経糸および緯糸のうち、少なくとも一方の撚り数が、300t/m以上であることが好ましく、600t/m以上であることがより好ましい。また、経糸および緯糸のうち、少なくとも一方の撚り数は、2000t/m以下であることが好ましく、1400t/m以下であることがより好ましい(tは撚り回数)。撚り数が上記範囲内であることにより、得られる織物は、糸の膨らみによる適度な空隙を有し、防透性を確保しながら通気性を向上させることができる。
特に、本実施形態の織物を構成する経糸は、撚糸を50質量%以上含んでいることが好ましく、撚糸を95質量%以上含んでいることがより好ましく、すべてが撚糸で構成されていることがさらに好ましい。一方、本実施形態の織物を構成する緯糸は、撚糸を50質量%以上含んでいることが好ましく、70質量%以上含んでいることがより好ましい。緯糸は、撚糸以外に、延伸糸や紡績糸等を含んでもよい。また、緯糸は、防透性、遮熱性等をさらに高めるために、所望の加工が施された加工糸を含んでもよい。このような加工糸としては、たとえば、ブライト糸、セミダル糸、フルダル糸、撚りがかけられておらず集束性の少ない糸、繊度の大きな糸等が例示される。なお、ブライト糸、セミダル糸およびフルダル糸は、いずれも所定量の酸化無機微粒子(たとえば酸化チタン)が配合されることにより、光反射性等や艶消し効果の付与された加工糸である。一例を挙げると、ブライト糸は、酸化無機微粒子が0.1質量%未満で、光反射性を高めた加工糸である。また、セミダル糸およびフルダル糸は、それぞれ酸化無機微粒子が0.1~0.5質量%、1.5~5質量%程度配合されることにより、光不透過性が高められた加工糸である。これらの加工糸は、所望される防透性、遮熱性等に基づき、適宜選択され、併用される。
本実施形態の織物を構成する多重織組織および一重織組織の割合は特に限定されない。一例を挙げると、多重織組織と一重織組織との割合は、25:75~75:25であることが好ましく、50:50であることがより好ましい。多重織組織と一重織組織との割合が上記範囲内であることにより、得られる織物は、より優れた通気性および防透性を両立し得る。また、織物は、外観が優れる。
次に、本実施形態の織物の織組織(主に、多重織組織と一重織組織との配置)に関して、織物組織図を示して説明する。図1は、本実施形態の織物の織物組織図P1である。図1において、黒く塗られたマスは、経糸が上(浮き)になっている部分を表し、白く塗られたマスは、経糸が下になっている部分を表している。なお、以下の説明において、織物組織図は、多重織組織と一重織組織との最小の繰り返し単位を示している。
図1に示されるように、織物は、多重織組織P1a(平三重織)と一重織組織P1b(6枚メッシュ織)とが対角配置されており、多重織組織P1aと一重織組織P1bとの割合が50:50である。なお、図1では、説明の明瞭化のために、多重織組織P1aまたは一重織組織P1bの境界に、想像線が追加されている(図2~図19についても同様)。このような織組織である織物は、特に通気性および防透性の両方が優れる。また、織物は、優れた外観である。
図2は、本実施形態の織物の他の織物組織図P2である。図2に示される織物は、多重織組織P2a(平三重織)と一重織組織P2b(6枚メッシュ織)とが並列配置されており、多重織組織P2aと一重織組織P2bとの割合が50:50である。このような織物は、特に通気性および防透性の両方が優れる。また、織物は、優れた外観である。
図3は、本実施形態の織物の他の織物組織図P3である。図3に示される織物は、多重織組織P3a(平三重織)を、一重織組織P3b(6枚メッシュ織)によって囲んだ配置(囲み配置)が採用されており、多重織組織P3aと一重織組織P3bとの割合が25:75である。このような織物は、より強固で通気性が優れる。
なお、図1~図3は、いずれも多重織組織(平三重織)と一重織組織(6枚メッシュ織)とからなる織物の一例である。多重織組織(平三重織)と一重織組織(6枚メッシュ織)とからなる織物は、これら図1~図3の織物組織図に示される配置に限定されない。織物組織は、所望の通気性、防透性、外観等に合わせて、適宜調整され得る。
図4~図18は、本実施形態の織物の他の織物組織図(織物組織図P4~P18)である。図4~図6に示される織物は、多重織組織P4a~P6a(平三重織)と一重織組織P4b~P6b(平組織)とからなる織物の一例であり、図4の織物は対角配置、図5の織物は並列配置、図6の織物は囲み配置をそれぞれ示している。また、図7~図9に示される織物は、多重織組織P7a~P9a(平三重織)と一重織組織P7b~P9b(2/1ツイル織)とからなる織物の一例であり、図7の織物は対角配置、図8の織物は並列配置、図9の織物は囲み配置をそれぞれ示している。図10~図12に示される織物は、多重織組織P10a~P12a(平二重織)と一重織組織P10b~P12b(6枚メッシュ織)とからなる織物の一例であり、図10の織物は対角配置、図11の織物は並列配置、図12の織物は囲み配置をそれぞれ示している。図13~図15に示される織物は、多重織組P13a~P15a(平二重織)と一重織組織P13b~P15b(平組織)とからなる織物の一例であり、図13の織物は対角配置、図14の織物は並列配置、図15の織物は囲み配置をそれぞれ示している。図16~図18に示される織物は、多重織組織P16a~P18a(平二重織)と一重織組織P16b~P18b(2/2ツイル織)とからなる織物の一例であり、図16の織物は対角配置、図17の織物は並列配置、図18の織物は囲み配置をそれぞれ示している。
織物の製造方法は特に限定されない。一例を挙げると、織物は、まず、経糸が整経され、織機に設置される。同様に緯糸が織機に設置される。織機は、特に限定されない。織機は、ウォータージェットルーム、エアージェットルーム、レピアルーム等が例示される。これらの中でも、高速製織が比較的容易であり、生産性を高めやすい点から、織機は、ウォータージェットルーム、エアージェットルームが好ましい。
以上、本実施形態の織物によれば、多重織組織と一重織組織との両方を有していることにより、多重織組織に主に由来する高い通気性と、一重織組織に主に由来する物性保持とが可能となる。より詳細には、本実施形態の織物は、多重織組織と一重織組織との両方を有していることにより、
多重織組織部は糸密度が多層に分配される、その低密度層に主に由来する高い通気性と、一重織組織に主に由来する物性保持が可能となる。
通気性および防透性に関して、より具体的には、本実施形態の織物は、JIS L 1096 8.27.1 A法(JIS2004年度版)に規定されるフラジール法によって測定される通気度が、100(cc/cm2/sec)以上であり、好適には120(cc/cm2/sec)以上である。本実施形態の織物は、このような通気度の範囲であるため、たとえば衣服等として用いられる場合において、夏場の高温多湿条件において、優れた快適性が得られる。なお、通気度の上限は特に限定されない。通気度の上限は、後述する防透度が85%以上を達成しやすい観点から、210(cc/cm2/sec)以下であることが好ましい。
また、本実施形態の織物は、下記式(1)で示される防透度が85%以上であり、90%以上であることが好ましい。なお、防透度の上限は特に限定されない。また、防透度は、HunterLab社製 分光光度計(型番:UltraScanPRO)を使用し、織物の背景に白板を使用した際の明度(L*)と黒板を使用した際の明度(L*)を測定することにより算出し得る。
防透度(%)=100-[100×(試料の裏側に白板を設置したときのL*値-試料の裏側に黒板を設置したときのL*値)/(白板のL*値-黒板のL*値)] ・・・ (1)
本実施形態の織物は、これら優れた性能を併せ持っているため、通気性および防透性の求められる種々の用途に好適に利用され得る。そのような用途としては、衣服(シャツ、ユニフォーム、ブラウス、スポーツ用衣服等)、カーテン、産業資材用織物(テント向けで、通気性、防透性を活かした窓に代わる繊維部品等)、および、日除け帽等が例示される。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
それぞれの特性値の測定方法を以下に示す。
(総繊度)
総繊度は、JIS L 1013(1999) 8.3.1 正量繊度 b)B法に従って、0.882mN/dtexの初荷重を掛けてサンプリングした試料の、絶乾にした際の質量を測定し、JIS L 0105 3.1に規定する公定水分率を掛けた値とした(ポリアミドは4.5%、ポリプロピレンは0%をそれぞれ工程水分率とした)。
(単繊維繊度)
単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除することにより算出した。
(フィラメント数)
フィラメント数は、JIS L 1013(1999) 8.4の方法に基づいて算出した。
(目付け)
目付けは、JIS L 1096-1999に準拠して測定した。
(通気度)
通気度は、JIS L 1096 8.27.1 A法(JIS2004年度版)に定められるフラジール法で、フラジール形通気度試験機(型番:AP-360SM、販売者:(株)大栄科学精器製作所)を用い、試験片を通過する空気量(cc/cm2/sec)を求めた。
(防透度)
防透度は、HunterLab社製 分光光度計(型番:UltraScanPRO)を使用し、織物の背景に白板を使用した際の明度(L*)と黒板を使用した際の明度(L*)を測定し、以下の式(1)に基づいて算出した。
防透度(%)=100-[100×(試料の裏側に白板を設置したときのL*値-試料の裏側に黒板を設置したときのL*値)/(白板のL*値-黒板のL*値)] ・・・ (1)
<実施例1>
経糸として、艶消し剤として酸化チタン2.0重量%を含むポリエステルからなり、異型の断面形状を有し、単糸繊維繊度が1.75dtexであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が84dtxである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。また、緯糸として、ポリエステルからなり、異型の断面形状を有し、単繊維繊度が1.75dtexであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が84dtexである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。これらの経糸および緯糸を使用し、エアージェットルームで、仕上経糸密度を148本/インチ、仕上緯糸密度を109本/インチとし、図1に示される織物組織図に従い、平三重織とメッシュ一重織とが対角配置された織物を製織した。得られた織物のカバーファクターは2355であり、通気度は201(cc/cm2/sec)であり、防透度は90.3%であった。
<実施例2>
経糸として、ポリエステルからなり、丸角の断面形状を有し、単糸繊維繊度が3.48dtxであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が167dtxである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。また、緯糸として、ポリエステルからなり、多角の断面形状を有し、単繊維繊度が3.48dtexであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が167dtexである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。これらの経糸および緯糸を使用し、エアージェットルームで、仕上経糸密度を110本/インチ、仕上緯糸密度を97本/インチとし、図1に示される織物組織図に従い、平三重織とメッシュ一重織とが対角配置された織物を製織した。得られた織物のカバーファクターは2675であり、通気度は178(cc/cm2/sec)であり、防透度は92.3%であった。
<比較例1>
経糸として、ポリエステルからなり、丸角の断面形状を有し、単糸繊維繊度が3.48dtxであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が167dtxである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。また、緯糸として、ポリエステルからなり、多角の断面形状を有し、単繊維繊度が3.48dtexであり、フィラメント数が48本であり、総繊度が167dtexである仮撚糸を準備した(撚り数:800t/m)。これらの経糸および緯糸を使用し、エアージェットルームで、仕上経糸密度を93本/インチ、仕上緯糸密度を85本/インチとし、図19に示される織物組織図に従い、平織組織と4本マット織組織とが75:25となるよう配置された織物を製織した。図19は、比較例1の織物の織物組織図である。図19に示される織物は、平織組織P19aと4本マット織組織P19bとからなる。得られた織物のカバーファクターは2300であり通気度は91(cc/cm2/sec)であり、防透度は84.3%であった。
<実施例3~5>
以下の表1に示される織組織の種類、配置、各物性となるよう変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3~5の織物を製織した。
Figure 0007120566000001
実施例1~5および比較例1で得られたそれぞれの織物について、上記評価方法にて通気度、防透性度を評価した。結果を表1に示す。
表1に示されるように、実施例1~5の織物は、通気度が100(cc/cm2/sec)以上であり、かつ、防透度が85%以上であったことから、優れた通気性および防透性を両立できていることが確認された。一方、比較例1は、一重織組織のみからなり、通気度が低く、防透度は84.3%であった。
P1~P19 織物組織図
P1a~P19a 多重織組織
P1b~P19b 一重織組織

Claims (6)

  1. 多重織組織と一重織組織とを有し、
    通気度が100(cc/cm2/sec)以上であり、
    下記式(1)で示される防透度が85%以上であり、
    前記多重織組織と、前記一重織組織との割合は、25:75~75:25である、織物。
    防透度(%)=100-[100×(試料の裏側に白板を設置したときのL*値-試料の裏側に黒板を設置したときのL*値)/(白板のL*値-黒板のL*値)] ・・・ (1)
  2. 前記多重織組織は、平三重織であり、
    前記一重織組織は、6枚メッシュ織である、請求項1記載の織物。
  3. 経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方の撚り数が、300~2000t/mである、請求項1または2記載の織物。
  4. 経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方の総繊度が、56~330dtexである、請求項1~3のいずれか1項に記載の織物。
  5. カバーファクターは、1950~3100である、請求項1~4のいずれか1項に記載の織物。
  6. 経糸および緯糸のうち、少なくともいずれか一方に、艶消し剤が混合されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の織物。
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