JP7120009B2 - シート - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、繊維径が1000nm以下の微細繊維を含有する分散液を基材上に塗工する塗工工程と、基材上に塗工した微細繊維を含有する分散液を乾燥することによって微細繊維含有シートを形成する乾燥工程を含む微細繊維含有シートの製造方法が開示されている。ここでは、分散液中に親水性高分子を添加し得る旨の記載がある。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[2] ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、シートの全質量に対して9質量%以上である[1]に記載のシート。
[3] ポリビニルアルコール系樹脂は、変性ポリビニルアルコール系樹脂である[1]又は[2]に記載のシート。
[4] 架橋剤及び架橋剤由来の官能基から選択される少なくともいずれかをさらに含有する[1]~[3]のいずれかに記載のシート。
[5] JIS K 7373に準拠して測定したシートの黄色度をYI1とし、シートを200℃で4時間真空乾燥した後の黄色度をYI2とした場合、YI2-YI1の値が70以下である[1]~[4]のいずれかに記載のシート。
[6] ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記シートの全質量に対して90質量%以下である[4]に記載のシート。
本発明は、繊維幅が1000nm以下であり、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むシートに関する。本発明のシートの引張弾性率は3.4GPa以上である。本発明のシートは、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロース(以下、微細繊維状セルロースともいう)を含むシートであるため、微細繊維状セルロース含有シートと呼ぶこともできる。本発明のシートは、上記構成を有するシートであるため、引張時の寸法安定性が高い。また、本発明のシートにおいては、収縮等に起因する外観の悪化が抑えられている。さらに、本発明のシートにおいては、黄変が少なく、例えばシートを加熱乾燥した場合であっても黄色度の上昇が少ないという特徴がある。
本発明のシートは、繊維幅が1000nm以下であり、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する繊維状セルロースを含む。本明細書においては、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースは、微細繊維状セルロースと呼ぶことがある。また、繊維幅が1000nm以下であり、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する繊維状セルロースは、リン酸化微細繊維状セルロースと呼ぶこともある。
シートにおける微細繊維状セルロースの含有量の上限は、特に限定されないが、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量に対して、20倍以下が好ましく、15倍以下がより好ましく、10倍以下がさらに好ましく、90.9/9.1倍以下、5倍以下、80/18倍以下、4倍以下、又は59.9/40.1倍以下でもよい。
ポリビニルアルコール系樹脂の含有量に対する微細繊維状セルロースの含有量が少ない場合には、シートの黄色度変化(ΔYI)が低くなる傾向がある。黄色度変化(ΔYI)が低いシートの製造を意図する場合には、シートにおける微細繊維状セルロースの含有量は、ポリビニルアルコール系樹脂の含有量に対して0.05倍~1倍が好ましく、0.1倍~1倍がより好ましい。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
微細繊維状セルロースに占めるI型結晶構造の割合は30%以上であることが好ましく、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。この場合、耐熱性と低線熱膨張率発現の点でさらに優れた性能が期待できる。結晶化度については、X線回折プロファイルを測定し、そのパターンから常法により求められる(Seagalら、Textile Research Journal、29巻、786ページ、1959年)。
リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、リン酸基を有する化合物及びその塩から選択される少なくとも1種(以下、「リン酸化試薬」又は「化合物A」という)を反応させることにより行うことができる。このようなリン酸化試薬は、乾燥状態または湿潤状態の繊維原料に粉末や水溶液の状態で混合してもよい。また別の例としては、繊維原料のスラリーにリン酸化試薬の粉末や水溶液を添加してもよい。
リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のリチウム塩、リン酸のナトリウム塩、リン酸のカリウム塩、リン酸のアンモニウム塩などが挙げられるが、特に限定されない。リン酸のリチウム塩としては、リン酸二水素リチウム、リン酸水素二リチウム、リン酸三リチウム、ピロリン酸リチウム、またはポリリン酸リチウムなどが挙げられる。リン酸のナトリウム塩としてはリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、またはポリリン酸ナトリウムなどが挙げられる。リン酸のカリウム塩としてはリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、またはポリリン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸のアンモニウム塩としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、イオン性官能基導入工程と、後述する解繊処理工程の間にアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ溶液中に、リン酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
アルカリ溶液に含まれるアルカリ化合物は、特に限定されないが、無機アルカリ化合物であってもよいし、有機アルカリ化合物であってもよい。アルカリ溶液における溶媒としては水または有機溶媒のいずれであってもよい。溶媒は、極性溶媒(水、またはアルコール等の極性有機溶媒)が好ましく、少なくとも水を含む水系溶媒がより好ましい。
また、アルカリ溶液のうちでは、汎用性が高いことから、水酸化ナトリウム水溶液、または水酸化カリウム水溶液が特に好ましい。
アルカリ処理工程におけるアルカリ溶液への浸漬時間は特に限定されないが、5分以上30分以下が好ましく、10分以上20分以下がより好ましい。
アルカリ処理におけるアルカリ溶液の使用量は特に限定されないが、リン酸基導入繊維の絶対乾燥質量に対して100質量%以上100000質量%以下であることが好ましく、1000質量%以上10000質量%以下であることがより好ましい。
リン酸基導入繊維は、解繊処理工程で解繊処理される。解繊処理工程では、通常、解繊処理装置を用いて、繊維を解繊処理して、微細繊維状セルロース含有スラリーを得るが、処理装置、処理方法は、特に限定されない。
解繊処理装置としては、高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミルなどを使用できる。あるいは、解繊処理装置としては、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなど、湿式粉砕する装置等を使用することもできる。解繊処理装置は、上記に限定されるものではない。好ましい解繊処理方法としては、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミの心配が少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーが挙げられる。
本発明のシートは、ポリビニルアルコール系樹脂(PVA系樹脂)を含む。ポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。ポリビニルアルコールのけん化度は、特に限定されないが、50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがより一層好ましく、80mol%以上であることがよりさらに好ましく、85mol%以上であることがさらに一層好ましく、90mol%以上であることが特に層好ましく、95mol%以上であることが最も好ましい。ポリビニルアルコールのけん化度は100mol%であってもよく、99mol%以下であってもよい。なお、ポリビニルアルコール系樹脂のけん化度は、JIS K 6726に準じて測定することができる。
ポリビニルアルコール系樹脂としては、重合度が低く、かつけん化度が高いこと(例えば、平均重合度1700以下、かつけん化度90mol%以上)が好ましい態様の一例である。
本発明のシートは、架橋剤及び架橋剤由来の官能基から選択される少なくともいずれかをさらに含有することが好ましい。架橋剤は、ポリビニルアルコール系樹脂を架橋する架橋剤であることが好ましい。このように架橋剤及び/又は架橋剤由来の官能基を含有することにより、引張強度と引張弾性率のバランスに優れたシートが得られやすくなる。
本発明のシートが架橋剤由来の官能基を含む場合、シートの製造時に添加した架橋剤がポリビニルアルコール系樹脂を架橋し、その架橋構造の一部が架橋剤由来の官能基として検出されることとなる。架橋剤及び/又は架橋剤由来の官能基の検出は、例えば、NMR測定やIR測定、MSのフラグメント解析、UV解析などを用いて分析することができる。
本発明のシートには、上述した成分以外の任意成分が含まれていてもよい。任意成分としては、たとえば、消泡剤、潤滑剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、安定剤、界面活性剤等を挙げることができる。また、任意成分としては、例えば、親水性高分子(上記ポリビニルアルコール系樹脂やセルロース繊維は除く)や有機イオン等が挙げられる。
シートの製造工程は、繊維幅が1000nm以下であり、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むスラリーを得る工程と、このスラリーを基材上に塗工する工程、又は、スラリーを抄紙する工程を含む。中でも、シートの製造工程は、リン酸化微細繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むスラリー(以下、単にスラリーということもある)を基材上に塗工する工程を含むことが好ましい。
塗工工程は、リン酸化微細繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むスラリーを基材上に塗工し、これを乾燥して形成されたシートを基材から剥離することによりシートを得る工程である。塗工装置と長尺の基材を用いることで、シートを連続的に生産することができる。
シートの製造工程は、リン酸化微細繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂とを含むスラリーを抄紙する工程を含んでもよい。抄紙工程で抄紙機としては、長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、これらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。抄紙工程では、手抄き等公知の抄紙を行ってもよい。
本発明は、シートにさらに他の層を積層した構造を有する積層体に関するものであってもよい。このような他の層は、シートの両表面上に設けられていてもよいが、シートの一方の面上にのみ設けられていてもよい。シートの少なくとも一方の面上に積層される他の層としては、例えば、樹脂層や無機層を挙げることができる。
樹脂層は、天然樹脂や合成樹脂を主成分とする層である。ここで、主成分とは、樹脂層の全質量に対して、50質量%以上含まれている成分を指す。樹脂の含有量は、樹脂層の全質量に対して、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。なお、樹脂の含有量は、100質量%とすることもでき、95質量%以下であってもよい。
密着助剤としては、例えば、イソシアネート基、カルボジイミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基及びシラノール基から選択される少なくとも1種を含む化合物や、有機ケイ素化合物が挙げられる。中でも、密着助剤はイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)及び有機ケイ素化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、シランカップリング剤縮合物や、シランカップリング剤を挙げることができる。
なお、親水化処理以外の表面処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ放電処理、UV照射処理、電子線照射処理、火炎処理等を挙げることができる。
無機層を構成する物質としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン;これらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、もしくは酸化炭化窒化物;またはこれらの混合物が挙げられる。高い防湿性が安定に維持できるとの観点からは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明のシートは、各種のディスプレイ装置、各種の太陽電池、等の光透過性基板の用途に適している。また、電子機器の基板、家電の部材、各種の乗り物や建物の窓材、内装材、外装材、包装用資材等の用途にも適している。さらに、糸、フィルタ、織物、緩衝材、スポンジ、研磨材などの他、シートそのものを補強材として使う用途にも適している。
<リン酸基導入セルロース繊維の作製>
針葉樹クラフトパルプとして、王子製紙製のパルプ(固形分93質量%、坪量208g/m2シート状 離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)700ml)を使用した。上記針葉樹クラフトパルプ100質量部(絶乾質量)に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を含浸し、リン酸二水素アンモニウム49質量部、尿素130質量部となるように圧搾し、薬液含浸パルプを得た。得られた薬液含浸パルプを105℃の乾燥機で乾燥し、水分を蒸発させてプレ乾燥させた。その後、140℃に設定した送風乾燥機で、10分間加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。得られたリン酸化パルプ100質量部(絶乾質量)に対して10000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、リン酸変性セルロース繊維を得た。次いで、リン酸基を導入したセルロースに5000mlのイオン交換水を加え、撹拌洗浄後、脱水した。脱水後のパルプを5000mlのイオン交換水で希釈し、撹拌しながら、1Nの水酸化ナトリウム水溶液をpHが12以上13以下になるまで少しずつ添加して、パルプ分散液を得た。その後、このパルプ分散液を脱水し、5000mlのイオン交換水を加えて洗浄を行った。この脱水洗浄をさらに1回繰り返した。得られたリン酸変性セルロース繊維は、リン酸基の導入量が0.98mmol/gであった。また、得られたリン酸変性セルロース繊維の繊維幅は、4~20nm程度であった。
洗浄脱水後に得られたパルプにイオン交換水を添加して、固形分濃度が1.0質量%のパルプ懸濁液にした。このパルプ懸濁液を、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、アルティマイザー)で245MPaの圧力にて5回処理し、微細繊維状セルロース懸濁液を得た。
イオン交換水に、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、ポバール105、重合度:500、ケン化度:98~99mol%)を20質量%になるように加え、95℃で1時間撹拌し、溶解した。
微細繊維状セルロース懸濁液にポリビニルアルコール溶液を添加し、微細繊維状セルロース100質量部に対し、ポリビニルアルコールが10質量部になるように調製した。次いで、固形分濃度が0.6質量%となるよう濃度調整を行った。シートの仕上がり坪量が45g/m2になるように懸濁液を計量して、市販のアクリル板上に展開し、70℃の乾燥機で24時間乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の板を配置した。以上の手順により、シートが得られ、その厚みは30μmであった。
ポリビニルアルコールの添加量が25質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が67質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が100質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が150質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が233質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が400質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が900質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
イオン交換水に、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成社製、ゴーセネックスZ200)を10質量%になるように加え、95℃で1時間撹拌し、溶解した。このアセトアセチル基変性ポリビニルアルコール溶液を、微細繊維状セルロース100質量部に対し、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが25質量部となるように添加した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの添加量が100質量部となるように調製した以外は、実施例9と同様にしてシートを得た。
微細繊維状セルロース100質量部に対し、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールが22.5質量部となるように調製し、さらに架橋剤(日本化成株式会社製、アジピン酸ジヒドラジド、濃度:35%)をアジピン酸ジヒドラジドの添加量が2.5質量部となるように添加した以外は、実施例9と同様にしてシートを得た。
アセトアセチル基変性ポリビニルアルコールの添加量が135質量部となるように調製し、さらに架橋剤をアジピン酸ジヒドラジドの添加量が15質量部となるように添加した以外は、実施例11と同様にしてシートを得た。
乾燥質量100質量部相当の未乾燥の針葉樹晒クラフトパルプとTEMPO1.6質量部と、臭化ナトリウム10質量部とを水10000質量部に分散させた。次いで、13質量%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、1.0gのパルプに対して次亜塩素酸ナトリウムの量が3.5mmolになるように加えて反応を開始した。反応中は1.0Mの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHを10以上11以下に保ち、pHに変化が見られなくなった時点で反応終了と見なし、パルプにカルボキシル基を導入した。このパルプスラリーを脱水し、脱水シートを得た後、5000質量部のイオン交換水を注ぎ、攪拌して均一に分散させた後、濾過脱水して、脱水シートを得る工程を2回繰り返し、カルボキシル基変性セルロース繊維を得た。得られたカルボキシル基変性セルロース繊維は、カルボキシル基の導入量が1.01mmol/gであった。これを原料として用いた以外は、実施例4と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの代わりに、ポリエチレングリコール(和光純薬社製、分子量400万)を添加した以外は、実施例4と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールを添加しない以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
ポリビニルアルコールの添加量が1900質量部となるように調製した以外は、実施例1と同様にしてシートを得た。
<方法>
実施例及び比較例で作製したシートについて以下の評価方法に従って評価を実施した。
リン酸基の導入量は、セルロースをイオン交換水で含有量が0.2質量%となるように希釈した後、イオン交換樹脂による処理、アルカリを用いた滴定によって測定した。イオン交換樹脂による処理では、0.2質量%セルロース含有スラリーに体積で1/10の強酸性イオン交換樹脂(オルガノ株式会社製、アンバージェット1024:コンディショング済)を加え、1時間振とう処理を行った。その後、目開き90μmのメッシュ上に注ぎ、樹脂とスラリーを分離した。アルカリを用いた滴定では、イオン交換後の繊維状セルロース含有スラリーに、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えながら、スラリーが示す電気伝導度の値の変化を計測した。すなわち、図1に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。
カルボキシル基導入量は、図2(カルボキシル基)に示した曲線の第1領域で必要としたアルカリ量(mmol)を、滴定対象スラリー中の固形分(g)で除して、置換基導入量(mmol/g)とした。
JIS K 7361に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM-150)を用いて全光線透過率を測定した。
JIS K 7136に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM-150)を用いてヘーズを測定した。
JIS K 7373に準拠し、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いてシート加熱前後の黄色度を測定した。なお、加熱後の黄色度は、200℃で4時間真空乾燥したシートの黄色度とした。また、黄色度の変化量としてΔYIを下記の式より算出した。
ΔYI=(加熱後の黄色度)-(加熱前の黄色度)
JIS P 8113に準拠し、引張試験機テンシロン(エー・アンド・デイ社製)を用いて引張弾性率を測定した。なお、引張弾性率を測定する際には、23℃、相対湿度50%で24時間調湿したものを試験片として用いた。
シートの外観を下記の判断基準で評価した。
○:しわ、収縮が発生せず、シート形状が平滑である。
×:明らかにしわ、収縮が発生し、シート形状が平滑でない。
Claims (5)
- 繊維幅が1000nm以下であり、リン酸基又はリン酸基由来の置換基を有する繊維状セルロースと、ポリビニルアルコール系樹脂と、を含むシートであって、
前記シートの引張弾性率が5.0GPa以上であり、微細繊維状セルロースの含有量が、シートの全質量に対して7質量%以上であり、ポリビニルアルコール系樹脂の平均重合度が300以上2200以下であり、ポリビニルアルコールのけん化度が50mol%以上であり、厚さ30μmでの黄色度が1.0以下であり、JIS K 7373に準拠して測定した前記シートの黄色度をYI 1 とし、前記シートを200℃で4時間真空乾燥した後の黄色度をYI 2 とした場合、YI 2 -YI 1 の値が30以下である、シート。 - 前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記シートの全質量に対して9質量%以上である請求項1に記載のシート。
- 前記ポリビニルアルコール系樹脂は、変性ポリビニルアルコール系樹脂である請求項1又は2に記載のシート。
- 架橋剤及び架橋剤由来の官能基から選択される少なくともいずれかをさらに含有する請求項1~3のいずれか1項に記載のシート。
- 前記ポリビニルアルコール系樹脂の含有量が、前記シートの全質量に対して90質量%以下である請求項4に記載のシート。
Applications Claiming Priority (3)
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---|---|---|---|
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JP2016136200 | 2016-07-08 | ||
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