JP7119339B2 - 塗装工法 - Google Patents
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Description
ここで、前記の耐汚染性、変形防止性、付着性及び変色防止性をまとめて、「可塑剤移行防止性」と呼ぶ。
[1]可塑剤含有樹脂の上に、塗料組成物(A)を塗布し、当該塗料組成物(A)の塗膜を形成する工程を含む塗装工法であって、
前記塗料組成物(A)がアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含み、当該塗料組成物(A)の塗膜のガラス転移温度(Tg)が30~100℃であることを特徴とする塗装工法。
[2]前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の溶解度パラメータ値が9.6以上である、[1]に記載の塗装工法。
[3]前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の構成単量体単位としてポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和単量体を1~50質量%含む、[1]又は[2]に記載の塗装工法。
[4]前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の構成単量体単位として水酸基含有エチレン性不飽和単量体を1~25質量%含む、[1]~[3]のいずれか一に記載の塗装工法。
[5]前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量がポリメチルメタクリレート換算した値として4,000~30,000である、[1]~[4]のいずれか一に記載の塗装工法。
[6]前記可塑剤含有樹脂が、シーリング材、塩化ビニル系防水材又は塩化ビニル系内装材のいずれかである、[1]~[5]のいずれか一に記載の塗装工法。
[7]前記塗料組成物(A)の塗膜の上に、塗料組成物(B)を塗布し、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程を含み、
当該塗料組成物(B)が、アクリルゴム又はアクリル樹脂が水性媒体中に分散されてなるエマルション組成物と、無機充填材とを含む、塗料組成物(B1)である、[1]~[6]のいずれか一に記載の塗装工法。
[8]前記アクリルゴム又はアクリル樹脂が、炭素数4~14の炭化水素基を有する、エチレン性不飽和単量体単位(a)を40~98質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(b)を0.1~5質量%、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)を1~35質量%、(メタ)アクリル酸と単官能エポキシ化合物との反応生成物からなる単量体単位(d)を0~20質量%、及び前記単量体のうちの少なくとも1種と共重合可能な他の単量体単位(e)を0~60質量%を構成単位として含有する、[7]に記載の塗装工法(但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)、構成単位(d)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。)。
[9]前記アクリルゴム又はアクリル樹脂が、炭素数4~14の炭化水素基を有する、エチレン性不飽和単量体単位(a)を30~98質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(b)を0.1~5質量%、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体単位(f)を0.1~5質量%、及び前記単量体のうちの少なくとも1種と共重合可能な他の単量体単位(e)を0~60質量%を構成単位として含有する、[7]に記載の塗装工法(但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(f)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。)。
[10]前記塗料組成物(B1)が、さらに、無機質水硬性物質を含む、[7]~[9]のいずれか一に記載の塗装工法。
[11]前記塗料組成物(A)の塗膜の上に、塗料組成物(B)を塗布し、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程を含み、
当該塗料組成物(B)が、バインダー樹脂を含む第一剤、及び、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える、塗料組成物(B2)である、[1]~[6]のいずれか一に記載の塗装工法。
[12]前記バインダー樹脂の水酸基価が10~1,200mgKOH/gであり、ポリスチレン換算した値として数平均分子量が2,000~30,000である、[11]に記載の塗装工法。
[13]前記塗料組成物(B2)が、さらに、水酸基価の異なる多価アルコールを少なくとも2種含む、[11]又は[12]に記載の塗装工法。
[14]塗膜のTgが-40℃~20℃である、第一の塗料組成物(B2)を塗布し、当該第一の塗料組成物(B2)の塗膜を形成する工程と、
前記工程で得られた塗膜の上に、塗膜のTgが-30℃~30℃である、第二の塗料組成物(B2)を塗布し、当該第二の塗料組成物(B2)の塗膜を形成する工程と、
を含む、[11]~[13]のいずれか一に記載の塗装工法。
[15] [1]~[14]のいずれか一に記載の塗装工法を実施して得られる塗装被膜。
[16] [1]~[14]のいずれか一に記載の塗装工法を実施して得られる塗装物品。
塗料組成物(A)は、可塑剤含有樹脂の上に塗布される、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物であって、当該塗料組成物(A)の塗膜の動的粘弾性測定によるガラス転移温度(Tg)が30~100℃である。前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂中のアルコキシシリル基が湿気硬化し、架橋することで、可塑剤移行防止性、耐候性及び耐温冷繰返し性に優れた塗膜を得ることができる。
また、塗料組成物(A)には、その他成分を含有させることもできる。
以下、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂及びその他成分について、説明する。
アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物(A)の塗膜のTgとしては、可塑剤移行防止性及び耐候性を向上できる点で、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、可塑剤移行防止性、耐候性及び耐温冷繰返し性を同時に満足できる点で、95℃以下が好ましく、85℃以下がより好ましい。
この際、貧溶媒として、SP値の低い貧溶媒(例えば、イソオクタンなど)とSP値の高い貧溶媒(例えば、水など)を用いる。
ここで、上記計算式中の各記号は、以下を意味する。
Vml=v1×v2/((1-VL)×v2+VL×v1)
Vmh=v1×v3/((1-VH)×v3+VH×v1)
T:高分子を溶解させるのに要した溶媒の量(ml)
L:SP値の低い貧溶媒の滴定量(ml)
H:SP値の高い貧溶媒の滴定量(ml)
VL=L/(T+L)
VH=H/(T+H)
v1:高分子を溶解させるのに用いた溶媒のモル分子容(cm3/mol)
v2:SP値の低い貧溶媒のモル分子容(cm3/mol)
v3:SP値の高い貧溶媒のモル分子容(cm3/mol)
δmh=δT×T/(T+H)+δH×H/(T+H)
δT:高分子を溶解させるのに用いた溶媒のSP値
δL:SP値の低い貧溶媒のSP値
δH:SP値の高い貧溶媒のSP値
尚、各溶剤のモル分子容(cm3/mol)は、THF:81.1、イソオクタン:165.6、脱イオン水:18であり、各溶剤のSP値は、THF:9.1、イソオクタン:6.9、脱イオン水:23.4である。
Vmh=81.1×18/((1-VH)×18+VH×81.1)
VL=L/(10+L)
VH=H/(10+H)
δml=9.1×10/(10+L)+6.9×L/(10+L)
δmh=9.1×10/(10+H)+23.4×H/(10+H)
上記アルコキシシリル基含有エチレン性不飽和単量体は、1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
上記共重合性不飽和単量体は、1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
・装置:東ソー(株)製GPC HLC-8020
・検出器:RI検出器
・カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ-M 4本
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.60mL/分
・分子量標準物質:ポリメチルメタクリレ―ト
これらの中でも、重合体の製造が容易、かつ乳化剤等の余計な不純物を含まない点で溶液重合法が好ましい。
熱重合開始剤の使用割合は、目標とする分子量に応じて適宜設定すれば良い。熱重合開始剤の使用割合は、使用する全エチレン性不飽和単量体の合計100質量部に対して、0.1~10質量部が好ましい。
1.2.その他成分
本発明の塗装工法に係る塗料組成物(A)は、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含有するものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
尚、後記するその他成分は、例示した化合物の1種のみを使用しても良く、2種以上を併用しても良い。尚、後記するその他成分の内、液体のものは、可塑剤移行防止用塗料組成物と相溶するものであればいずれのものも使用できるが、その他成分によりSP値が大きく変化する可能性がある場合は、SP値が8.5~11.0であることが好ましい。
硬化触媒は、塗料組成物(A)の湿気硬化性を向上する目的で配合することができる。
脱水剤は、塗料組成物(A)の貯蔵安定性を向上する目的で配合することができる。
本発明の塗装工法に係る塗料組成物(A)の塗膜の上に塗布される塗料組成物(B)は、可塑剤含有樹脂の保護、防水、美観付与等を目的に塗布される。
また、アクリルウレタン樹脂としては、バインダー樹脂を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える二液型塗料組成物(以下、「塗料組成物(B2)」という。)が好ましい。
塗材組成物(B1)に含有されるアクリルゴム又はアクリル樹脂としては、例えば、以下のものが好ましく挙げられる。これらは、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)、構成単位(d)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。
但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(f)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。
態様〔x1〕における構成単位(a)の含有量は、40~98質量%であることが好ましく、50~95質量%であることがより好ましい。構成単位(a)の含有量が40質量%以上であると、優れた柔軟性及びゴム弾性を有する塗膜が形成される。また、構成単位(a)の含有量が98質量%以下であると、耐水性に優れるので好ましい。
態様〔x2〕における構成単位(a)の含有量は、30~98質量%であることが好ましく、40~95質量%であることがより好ましい。構成単位(a)の含有量が30質量%以上であると、優れた柔軟性及びゴム弾性を有する塗膜が形成される。また、構成単位(a)の含有量が98質量%以下であると、耐水性に優れるので好ましい。
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α-クロルアクリル酸及びけい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類又はその無水物類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸及びメサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;コハク酸モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2-(メタ)アクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;並びにω-カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシ基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体のうち、コハク酸モノ(2-アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2-アクリロイロキシエチル)は、それぞれアロニックスM-5300及びM-5400〔東亞合成(株)製〕の商品名で市販されている。上記単量体(b)は、1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
態様〔x1〕及び態様〔x2〕における構成単位(b)の含有量は、0.1~5質量%であることが好ましく、0.1~3質量%であることがより好ましい。構成単位(b)の含有量が0.1質量%以上であると、優れた柔軟性及びゴム弾性を有する塗膜が形成される。また、構成単位(b)の含有量が5質量%以下であると、耐水性に優れるので好ましい。
態様〔x1〕における構成単位(c)の含有量は、1~35質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましい。構成単位(c)の含有量が1質量%以上であると、優れた柔軟性及びゴム弾性を有する塗膜が形成される。また、構成単位(c)の含有量が35質量%以下であると、耐水性に優れるので好ましい。
単官能エポキシ化合物の具体例としては、フェニルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレングリコールグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、p-メチルフェニルグリシジルエーテル、p-エチルフェニルグリシジルエーテル、p-sec-ブチルフェニルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル等のフェニル基を有する単官能エポキシ化合物、ブチルグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、ブトキシポリエチレングリコールグリシジルエーテル等のフェニル基を有しない単官能エポキシ化合物が挙げられ、フェニル基を有する単官能エポキシ化合物が好ましい。上記単官能エポキシ化合物は、1種のみを使用しても、2種以上を併用しても良い。
態様〔x1〕における構成単位(d)の含有量は、0~20質量%であることが好ましく、0~15質量%であることがより好ましい。構成単位(d)を含むことにより、被塗装面や上塗材に対する付着性が向上する。また、構成単位(d)の含有量が20質量%以下であると、塗膜の柔軟性に優れ、また、エマルション組成物を製造する際の重合安定性に優れるので好ましい。
25℃におけるゼロスパンテンション伸び量は、可塑剤含有樹脂のひび割れに対する塗膜の追従性を示すものであり、加熱促進試験により、可塑剤含有樹脂からの可塑剤移行の影響を考慮した上で、塗膜の防水性を評価することができる。
尚、ゼロスパンテンション伸び量は、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して測定することができる。
塗料組成物(B2)は、バインダー樹脂(以下、「(B2-1)成分」という。)を含む第一剤と、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネート(以下、「(B2-2)成分」という。)を含む第二剤とを備える、二液型塗料組成物である。第一剤には、前記成分に加えて、その他成分を含有させることもできる。
本発明において、(B2-1)成分とは、水酸基を有する樹脂を意味する。
(B2-1)成分としては、水酸基を有するアクリル樹脂、水酸基を有するポリエステル樹脂、及び不飽和炭素-炭素結合を有するポリオール樹脂等が挙げられ、耐水性、耐薬品性及び耐候性が良好である点から、水酸基を有するアクリル樹脂が好ましい。
〔x3〕水酸基含有エチレン性不飽和単量体よりなる単位と、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体よりなる単位とからなる共重合体。
〔x4〕水酸基含有エチレン性不飽和単量体よりなる単位と、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体よりなる単位と、芳香族ビニル単量体よりなる単位とからなる共重合体。
これらの中でも、炭素数6以上の炭化水素基を有する、アクリレートを含むことが好ましく、2-エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。
他の単量体の具体例としては、例えば、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、酸無水物基含有エチレン性不飽和単量体、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体、アミノ基含有エチレン性不飽和単量体、アミド基含有エチレン性不飽和単量体、スルホン酸基含有エチレン性不飽和単量体、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体等が挙げられる。
また、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体として、炭素数が6以上の炭化水素基を有する、アクリレートを使用する場合、その割合は、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体全量に対し、通常、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
この構成を有する共重合体を含む塗料組成物(B2)を用いることにより、接着性、柔軟性、防水性、外観等に優れた塗膜を得ることができる。
また、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体として、炭素数が6以上の炭化水素基を有する、アクリレートを使用する場合、その割合は、炭化水素基含有エチレン性不飽和単量体全量に対し、通常、5~70質量%が好ましく、10~60質量%がより好ましい。
この構成を有する共重合体を含む塗料組成物(B2)を用いることにより、接着性、柔軟性、防水性、外観等に優れた塗膜を得ることができる。
・装置:東ソー(株)製GPC HLC-8020
・検出器:RI検出器
・カラム:東ソー製TSKgel SuperMultiporeHZ-M 4本
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.60mL/分
・分子量標準物質:ポリスチレン
反応系の圧力は、重合温度と、使用する単量体及び重合溶媒の各沸点に依存するものであり、重合反応に影響を及ぼさないが、前記重合温度を維持できる圧力であれば良い。反応系における単量体の滞留時間は、好ましくは2~60分である。この滞留時間が短すぎると、未反応の単量体が残留する場合がある。一方、長すぎると、生産性が低下することがある。
2.2.2.(B2-2)成分
2.2.3.その他成分
-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量は、冬場を想定した低温下での可塑剤含有樹脂のひび割れに対する塗膜の追従性を示すものであり、加熱促進試験により可塑剤含有樹脂からの可塑剤移行の影響を考慮した上で、低温下での塗膜の防水性を評価することができる。
尚、ゼロスパンテンション伸び量は、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して測定することができる。
本発明の塗装工法に係る塗料組成物(A)の製造方法としては、常法に従えば良く、前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂と、必要に応じてさらにその他成分を、常法に従い攪拌・混合することにより製造することができる。この場合、必要に応じて加熱することができる。
本発明の塗装工法では、可塑剤含有樹脂に塗料組成物(A)を塗布し、当該塗料組成物(A)の塗膜を形成する工程(以下、「第一工程」という。)を含む。
また、前記塗料組成物(A)の塗膜の表面に、塗料組成物(B)を塗布し、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程(以下、「第二工程」という。)を含むことが好ましい。
従って、本発明の塗装工法により形成される塗装被膜及び塗装物品は、塗料組成物(A)が湿気硬化し架橋してなる塗膜を有し、必要に応じて塗料組成物(B)が乾燥又は硬化してなる塗膜とを有する。
また、可塑剤含有樹脂に塗料組成物(A)の塗膜を形成させる際、又は、塗料組成物(A)の塗膜の表面に塗料組成物(B)の塗膜を形成させる際には、ポリエステル、ビニロン、アクリル、ガラス等の不織布やクロス又はメッシュなどの織布を用いて補強することも可能である。
第一工程は、可塑剤含有樹脂の上に、塗料組成物(A)を塗布し、当該塗料組成物(A)の塗膜を形成する工程である。
第二工程は、前記塗料組成物(A)の塗膜の表面に塗料組成物(B)を塗布し、自然乾燥又は加熱乾燥して、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程である。塗料組成物(B)としては、アクリルゴム、アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリルシリコン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ゴムアスファルト及びポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含む組成物が好ましい。本発明の塗装工法により得られた塗装被膜全体が、柔軟性、防水性、外観等の防水層及び/又は保護層として有効に機能することができる。
前記工程で得られた塗膜の上に、塗膜の示差走査熱量計によるTgが-30℃~30℃である、第二の塗料組成物(B2)を塗布し、当該第二の塗料組成物(B2)の塗膜を形成する工程と、を含むことが好ましい。
塗料組成物(B)が塗料組成物(B2)である場合の塗布厚さは、防水層として用いる場合は50~500μmがさらに好ましく、保護層として用いる場合は50~300μmがさらに好ましい。
本発明の塗装工法は、建築及び土木、電気部品、並びに自動車等の幅広い産業分野の様々な工業用製品分野において使用することができる。
(1)アルコキシシリル基含有メタクリル樹脂の製造
1)製造例1
まず、メチルメタクリレート(三菱ガス化学(株)製MMA(メタクリル酸メチル)、以下、「MMA」という。)43質量部、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(n≒4)(日油(株)製ブレンマーPME-200、以下、「PME200」という。)42質量部、3-(メチルジメトキシシリル)プロピルメタクリレート(信越化学工業(株)製KBM-502、以下、「SiPMA」という。)10質量部、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルHOP(N)、以下、「2HPA」という。)5.0質量部と、溶剤としてキシレン93質量部からなる単量体混合物193質量部を調製した。
次に、内容積2リットルの4つ口フラスコに、前記単量体混合物の30質量%に当たる57.9質量部を仕込み、この混合液を窒素ガスのバブリングにより十分に脱気し、混合液の内温を85℃まで昇温した。次いで、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製V-65、以下、「V65」という。)0.2質量部と、溶剤としてキシレン6.0質量部からなる初期添加用重合開始剤溶液を加え、重合を開始した。前記単量体混合物の70質量%に当たる135.1質量部を滴下ロートからフラスコ内に1.5時間かけて滴下すると共に、V65 0.8質量部とキシレン24部からなる連続滴下用重合開始剤溶液を別の滴下ロートからフラスコ内に4時間かけて滴下することで重合を行った。滴下終了後、2時間加熱熟成することで、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂(以下、「a1成分」という。)を含むキシレン溶液(固形分45%)を得た。
構成単量体及び重合開始剤を表1に記載の部数とした以外は、製造例1と同様の方法に従い、重合を行って、製造例2~7において「a2~a7成分」を、比較製造例1及び同2において「a’1及びa’2成分」を含むキシレン溶液(固形分45%)を得た。
又、表1における略号は下記を意味する。
・IBMA:イソブチルメタクリレート(共栄社化学(株)製ライトエステルIB)
前記で得られたa1~a7成分、a’1成分及びa’2成分について、後記する方法に従い、塗膜のTg、SP値及びMnを測定した。それらの結果を表1に示す。
アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含むキシレン溶液を、離形紙で作製した型枠に流し込み、23℃1日養生し、さらに80℃3日養生した後の厚さ約300μmの塗膜を用いて、動的粘弾性測定を測定温度0~150℃、周波数1Hzで行い、損失弾性率の極大値となる温度をTgとした。
前記した濁度滴定法にて、低極性貧溶媒としてイソオクタン、高極性貧溶媒として脱イオン水を用いて測定した。
試料は、200mlのポリカップにアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含むキシレン溶液を1g入れ、60℃、1.0Torrにて3時間真空乾燥させて得た。
110mlのガラス製サンプル瓶中において、前記試料0.03gをTHF10mlに溶解させ、次いでイソオクタンを加えていき、目視で溶液が濁った点を濁点として、そのときの滴定量L(ml)を読んだ。
同様に、試料のTHF溶液中に脱イオン水を加えたときの濁点における脱イオン水の滴定量H(ml)を読み、以下の計算式により、Vml、Vmh、δml及びδmhを算出した。
Vmh=81.1×18/((1-VH)×18+VH×81.1)
VL=L/(10+L)
VH=H/(10+H)
δml=9.1×10/(10+L)+6.9×L/(10+L)
δmh=9.1×10/(10+H)+23.4×H/(10+H)
SP値=(Vml 1/2・δml+Vmh 1/2・δmh)/(Vml 1/2+Vmh 1/2)
・装置:東ソー(株)製GPC HLC-8020
・検出器:RI検出器
・カラム:東ソー(株)製TSKgel SuperMultiporeHZ-M 4本
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.60mL/分
・分子量標準物質:ポリメチルメタクリレ―ト
1)製造例8~14、比較製造例3及び同4
塗料組成物A1~A7、A’1及びA’2の製造
下記表2に示す化合物を表2に示す割合で撹拌・混合し、アルコキシシリル基含有メタクリル樹脂を含む塗料組成物A1~A7、A’1及びA’2を製造した。
得られた表2の塗料組成物を使用し、後記する評価を行った。それらの結果を表2に示す。
ここで、前記と同様の方法で、表2記載の塗料組成物の塗膜のTgを測定した結果、表1記載の対応するアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の塗膜のTgと同じであった。
尚、表2における数字は質量部を意味する。
又、表2における略号は下記を意味する。
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート(商品名「アデカスタブBT-11」、ADEKA社製)
(1)エマルション組成物及び塗料組成物(α類、β類及びγ類)の製造
後記するエマルション組成物α類及びβ類は、塗料組成物(B1)に含まれるアクリルゴム又はアクリル樹脂の態様〔x1〕であり、エマルション組成物γ類は、塗料組成物(B1)に含まれるアクリルゴム又はアクリル樹脂の態様〔x2〕である。
また、後記する塗料組成物α類及びβ類は、それぞれ、上記エマルション組成物α類及びβ類を含む塗料組成物(B1)であり、塗料組成物γ類は、上記エマルション組成物γ類を含む塗料組成物(B1)である。
エマルション組成物α類の製造
3Lのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を取付け、その後、イオン交換水30部を投入し、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に昇温させた。次いで、イオン交換水37部、単量体(2-エチルヘキシルアクリレート(以下、「HA」という。)90部、アクリロニトリル(以下、「AN」という。)8部及びアクリル酸(以下、「AA」という。)2部)、並びに乳化剤(ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、有効成分26%、花王社製、商品名「ラテムルE-118B」)10部からなる混合液と、5%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液10部とを、撹拌下、別々の滴下ロートから同時に、かつ連続的に5時間かけて滴下し、乳化重合させた。その後、反応液に25%濃度のアンモニア水を添加、混合してpHを5~7に調整し、固形分55%のエマルション組成物α1を製造した。
前記の単量体組成を表3のようにした他は、前記と同様にして乳化重合させ、pHを調整し、固形分55%のエマルション組成物α2及びα3を製造した。
エマルション組成物α1;100部に、無機質水硬性物質として比重3.1の普通ポルトランドセメント10部、無機充填剤として比重2.7の重質炭酸カルシウム粉末50部、分散剤として20%濃度のポリアクリル酸ソーダ水溶液(ポリアクリル酸ソーダの分子量;約20000)5部、消泡剤としてシリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー325」)1.2部、及び増粘剤としてヒドロキシエチルメチルセルロース(信越化学工業社製、商品名「HiメトローズSEB-04T」)の5%濃度の含水ゲル1部を配合し、混合して塗料組成物α1を製造した。
エマルション組成物α2;100部に、前記の無機質水硬性物質、無機充填剤、分散剤、消泡剤、及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物α2を製造した。
エマルション組成物α3;100部に、前記の無機質水硬性物質、無機充填剤、分散剤、消泡剤、及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物α3を製造した。
エマルション組成物β類の製造
3Lのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を取付け、その後、イオン交換水30部を投入し、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に昇温させた。次いで、イオン交換水37部、単量体(HA37部、n-ブチルアクリレート(以下、「BA」という。)37部、AN12部、AA3部及び2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート(以下、「HPPA」という。)11部)、並びに乳化剤(ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム、有効成分26%、花王社製、商品名「ラテムルE-118B」)10部からなる混合液と、5%濃度の過硫酸アンモニウム水溶液10部とを、撹拌下、別々の滴下ロートから同時に、かつ連続的に5時間かけて滴下し、乳化重合させた。その後、反応液に25%濃度のアンモニア水を添加、混合してpHを5~7に調整し、固形分55%のエマルション組成物β1を製造した。
前記の単量体組成を表3のようにした他は、前記と同様にして乳化重合させ、pHを調整し、固形分55%のエマルション組成物β2及びβ3を製造した。
エマルション組成物β1;100部に、無機充填剤として比重2.7の重質炭酸カルシウム粉末60部、分散剤として20%濃度のポリアクリル酸ソーダ水溶液(ポリアクリル酸ソーダの分子量;約20000)5部、消泡剤としてシリコーン系消泡剤(サンノプコ社製、商品名「SNデフォーマー325」)1.2部、増粘剤としてヒドロキシエチルメチルセルロース(信越化学工業社製、商品名「HiメトローズSEB-04T」)の5%濃度の含水ゲル1部を配合し、混合して塗料組成物β1を製造した。
エマルション組成物β2;100部に、前記の無機充填剤、分散剤、消泡剤及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物β2を製造した。
エマルション組成物β3;100部に、前記の無機充填剤、分散剤、消泡剤及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物β3を製造した。
エマルション組成物γ類の製造
3Lのフラスコに、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を取付け、その後、イオン交換水48部を投入し、窒素ガスを吹き込みながら内温を80℃に昇温させた。次いで、イオン交換水50部、単量体(HA77部、スチレン(以下、「St」という。)20部、メチルアクリレート(以下、「MA」という。)1部、グリシジルメタクリレート(以下、「GMA」という。)1部及びAA1部)、並びに乳化剤(ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、有効成分60%、HLB18.5)2部からなる混合液と、4%濃度の2、2’-アゾビス-2-アミノプロパン塩酸塩水溶液1部とを、撹拌下、別々の滴下ロートから同時に、かつ連続的に5時間かけて滴下し、乳化重合させ、固形分50%のエマルション組成物γ1を製造した。
前記の単量体組成を表3のようにした他は、前記と同様にして乳化重合させ、固形分50%のエマルション組成物γ2及びγ3を製造した。
エマルション組成物γ1;100部に、無機質水硬性物質として比重3.1のアルミナセメント40部、無機充填剤として比重2.7の重質炭酸カルシウム粉末40部及び比重2.6の8号珪砂20部、並びに、増粘剤としてヒドロキシエチルメチルセルロース(信越化学工業社製、商品名「HiメトローズSEB-04T」)粉末0.3部を配合し、混合して塗料組成物γ1を製造した。
エマルション組成物γ2;100部に、前記の無機質水硬性物質、無機充填剤及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物γ2を製造した。
エマルション組成物γ3;100部に、前記の無機質水硬性物質、無機充填剤及び増粘剤の組成を表3のようにした他は、前記と同様にして配合し、混合して塗料組成物γ3を製造した。
前記で得られたエマルション組成物α1~3、β1~3及びγ1~3の塗膜のTg、並びに、塗料組成物α1~3、β1~3及びγ1~3の塗膜の伸び率及び引張強さについて、後記する方法に従い、測定した。それらの結果を表3に示す。
エマルション組成物の塗膜のTgは、示差走査熱量計を用いて得られた熱流束曲線のベースラインと変曲点での接線の交点から決定した。
熱流束曲線は、エマルション組成物を155℃で1時間乾燥させて得た試料約10mgを-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで300℃まで昇温し、引き続き-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで350℃まで昇温する条件で得た。
・測定装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製示差走査熱量計 DSC6220
・測定雰囲気:窒素雰囲気下
塗料組成物の塗膜の伸び率及び引張強さは、JIS A 6021に準拠し、常態(25℃)で測定した。
後記する水酸基含有共重合体b2及びb3は、塗料組成物(B2)に含まれるバインダー樹脂の態様〔x3〕であり、水酸基含有共重合体b1及びb4は、塗料組成物(B2)に含まれるバインダー樹脂の態様〔x4〕である。
また、後記する塗料組成物B2-1~B2-9は、水酸基含有共重合体b1~b4のいずれかを含む塗料組成物(B2)である。
製造例b1(高温連続重合)
重合体の製造原料は次の通りである。即ち、単量体として2-ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、「HEMA」という。)16部、HA15.5部、IBMA46.5部及びスチレンSt22部と、重合開始剤としてジ-tert-ブチルパーオキシド(以下、「DTBP」という。)1部とからなる単量体混合物を用いた。
電熱式ヒータを備えた容量6,000mlの加圧式攪拌槽型反応器を、ジエチレングリコールモノエチルエーテルで満たし、温度を220℃にして、圧力調節器により圧力をゲージ圧で25~27kg/cm2に保った。
次いで、反応器内の圧力を一定に保ちながら、原料タンクに収容した前記単量体混合物を、供給速度500g/分、及び、滞留時間12分で反応器に連続供給するとともに重合を開始し、単量体混合物の供給量に相当する重合溶液を反応器の出口から連続的に抜き出した。反応温度は、反応開始直後に一旦低下し、重合熱による温度上昇が認められたが、ヒータを制御することにより、反応温度を220~223℃に保持した。
単量体混合物の供給を開始した後、反応温度が前記範囲内で安定した時点を、重合溶液の回収開始点とし、これから35分間、重合反応を継続した。その結果、17.5kgの単量体混合液を供給し、17.4kgの重合溶液を回収した。
その後、重合溶液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発性成分を分離及び除去した。そして、炭化水素溶剤であるLAWSに溶解し、共重合体b1を含む固形分67%の樹脂溶液23.7kgを得た。この樹脂溶液のガスクロマトグラフ測定を行ったところ、未反応モノマーが検出されなかった。
重合体の製造原料は次の通りである。即ち、単量体としてHEMA30部及びHA70部と、重合開始剤としてDTBP1部とからなる単量体混合物を用いた。
共重合体b2の製造に際しては、製造例1と同様にして重合反応を開始し、反応温度を228~231℃に保持した。
単量体混合物の供給を開始した後、反応温度が前記範囲内で安定した時点を、重合溶液の回収開始点とし、これから40分間、重合反応を継続した。その結果、20.0kgの単量体混合液を供給し、19.9kgの重合溶液を回収した。
その後、重合溶液を薄膜蒸発器に導入して、未反応モノマー等の揮発性成分を分離及び除去し、共重合体b2を含む固形分99.9%の樹脂溶液17.9kgを得た。この樹脂溶液のガスクロマトグラフ測定を行ったところ、未反応モノマーが検出されなかった。
重合体の製造原料は次の通りである。即ち、単量体としてHEMA20部、HA5部、IBMA20部及びMMA55部からなる単量体混合物を用いた。
還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素置換用ガラス管及び攪拌器が配設された4つ口フラスコに、前記単量体混合物15部、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」という。)100部、及び、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という。)1部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、90℃で重合反応を開始した。1時間後、前記単量体混合物85部、MIBK25部、及び、AIBN6部からなる溶液を6時間に渡って連続滴下して重合反応を行った。
得られた重合溶液を、減圧下、溶剤を留去することにより、共重合体b3を含む固形分45.8%の樹脂溶液を得た。
重合体の製造原料は次の通りである。即ち、単量体としてHEMA16部、HA5.5部、St32部及びIBMA46.5部からなる単量体混合物を用いた。
還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素置換用ガラス管及び攪拌器が配設された4つ口フラスコに、前記単量体混合物15部、MIBK100部、及び、AIBN1部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、90℃で重合反応を開始した。1時間後、前記単量体混合物85部、MIBK25部、及び、AIBN6部からなる溶液を6時間に渡って連続滴下して重合反応を行った。
得られた重合溶液を、減圧下、溶剤を留去することにより、共重合体b4を含む固形分45.8%の樹脂溶液を得た。
前記で得られたb1~b4成分について、後記する方法に従い、Mw,Mn及び水酸基価値を測定した。それらの結果を表4に示す。
・装置:東ソー(株)製GPC HLC-8020
・検出器:RI検出器
・カラム:東ソー(株)製TSKgel SuperMultiporeHZ-M 4本
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.60mL/分
・分子量標準物質:ポリスチレン
JIS K1557(水酸基価の求め方)に準じて測定した。
下記表5及び表6に示す化合物を表5及び6に示す質量部で混合し、塗料組成物B2-1~B2-9を製造した。
又、表5及び表6における略号は下記を意味する。
〔低分子量多価アルコール〕
・Y403:ひまし油及び脂肪酸系ポリオール(商品名「URIC Y-403」、伊藤製油社製、水酸基価:160mgKOH/g)
・S908:ダイマー酸ジオール(商品名「ソバモール908」、コグニスジャパン社製、水酸基価:200mgKOH/g)
・HGL:2-メチル-2、4ペンタンジオール(商品名「ヘキシレングリコール」、アルケマ社製、水酸基価:949mgKOH/gであり、分子量:118)
〔増粘剤〕
・SYL200:微粉末シリカ(商品名「サイロホービック200」、富士シリシア化学社製)
・PFA231:脂肪酸アミドを主成分とする添加剤(商品名「DISPARLON PFA-231」、楠本化成社製)
〔硬化触媒〕
・DBTDL:ジブチルスズジラウレート(商品名「アデカスタブBT-11」、ADEKA社製)
〔溶剤〕
・LAWS:炭化水素系溶剤(商品名「LAWS」、シェルケミカル社製)
〔消泡剤〕
・AC326F:アクリル系消泡剤(商品名「フローレンAC-326F」、共栄社化学社製)
〔有機ポリイソシアネート〕
・TPA100:イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTPA-100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:23.1質量%)
・TSS100:イソシアヌレート型ポリイソシアネート(商品名「デュラネートTSS-100」、旭化成ケミカルズ社製、化合物中のイソシアネート基の割合:17.9質量%)
共重合体b1、低分子量多価アルコール、増粘剤、硬化触媒並びに消泡剤を、表5に記載の割合で混合し、均一な塗料組成物用主材を得た。
その後、前記塗料組成物用主材及び有機ポリイソシアネートを、それぞれ、100部及び70部秤量して混合し、均一な塗料組成物B2-1を得た。この防水層形成用組成物B2-1において、前記有機ポリイソシアネートのイソシアネート基のモル数と、前記塗料組成物用主材に含まれる共重合体b1の水酸基のモル数、及び低分子量多価アルコールの水酸基のモル数の和との比NCO/OHは1.0である。
表5に示す成分及び割合で、塗料組成物B2-1と同様に混合して、塗料組成物B2-2~5を得た。
共重合体b4、低分子量多価アルコール、増粘剤、硬化触媒、溶剤及び消泡剤を、表6に記載の割合で混合し、均一な塗料組成物用主材を得た。
その後、前記塗料組成物用主材及び有機ポリイソシアネートを、それぞれ、100部及び18部秤量して混合し、均一な塗料組成物B2-6を得た。
表6に示す成分及び割合で、塗料組成物B2-6と同様に混合して、塗料組成物B2-2~5を得た。
前記で得られた塗料組成物B2-7~9について、後記する方法に従い、塗料組成物の固形分及び塗膜のTgを測定した。それらの結果を表5及び表6に示す。
塗料組成物を155℃で1時間静置した後の残分を固形分とした。
塗料組成物の塗膜のTgは、示差走査熱量計を用いて得られた熱流束曲線のベースラインと変曲点での接線の交点から決定した。
熱流束曲線は、塗料組成物を155℃で1時間乾燥させて得た試料約10mgを-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで300℃まで昇温し、引き続き-50℃まで冷却し、5分間保持した後、10℃/minで350℃まで昇温する条件で得た。
・測定装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製示差走査熱量計 DSC6220
・測定雰囲気:窒素雰囲気下
共重合体b1、低分子量多価アルコールY403及びHGL、増粘剤PFA231、硬化触媒DBTDL、溶剤LAWS、並びに、消泡剤AC326Fを、それぞれ、100部、10部、5部、5部、0.1部、40部及び0.5部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用主材とした。
一方、有機ポリイソシアネートTPA100及びシランカップリング剤であるオルガノシラン(東レ・ダウコーニング社製)を、それぞれ、100部及び10部秤量して混合し、均一なプライマー層形成用硬化剤とした。
その後、前記プライマー層形成用主材100部及び前記プライマー層形成用硬化剤25部を混合し、均一なプライマー層形成用の塗料組成物P-1(固形分63.6%)を得た。
前記表2で得られた塗料組成物A1~A7、A’1及びA’2を使用し、当該塗料組成物の塗膜の上に塗料組成物(B)として、アクリルゴム、アクリルシリコン樹脂及びエポキシ樹脂を使用した試験体を、以下の通り作製し、後記する評価を行った。ただし、比較例3はアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物を使用せずに試験体を作製し、後記する評価を行った。それらの結果を表7に示す。
本評価では、シーリング材「ペンギンシールMS2500typeNBホワイト」(サンスター技研(株)製シーリング材、可塑剤非含有)に対し、可塑剤としてDOP又はBBPを13質量%になるよう混合したものをシーリング材として用いた。
まず、試験体用基材(目地幅20mmのアルミ製型枠、図1参照)の目地部分にシーリング材用プライマーとして「UM-2」(サンスター技研(株)製)を刷毛塗りし、気温23℃、湿度50%で2時間養生した。その後、シーリング材を目地部分に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生することにより、シーリング材層を形成した。
次に、前記シーリング材層の表面に、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物A1~7、A’1又はA’2の塗布量が、塗膜として80g/m2となるように刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、塗膜を形成した。
続いて、前記塗膜の表面に、水系エポキシ樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性マルチプライマー」)を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
次いで、塗料組成物α1を塗布量2kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、防水層を形成した。
さらに、仕上塗料として、水系アクリルシリコン樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性スーパーカラーSi」)を塗布量0.3kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で7日間養生することにより、保護層を形成し、表7に示す層構成を有する試験体を得た。得られた試験体を用いて、後記する評価を行った。尚、塗膜の外観は白色透明であった。
1)変形防止性の評価
実施例1(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の塗膜の外観を目視観察し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。
◎:全くシワ又はフクレ等の変形が発生しなかった。
○:極僅かにシワ又はフクレ等の変形が発生した。
△:僅かにシワ又はフクレ等の変形が発生した。
×:著しくシワ又はフクレ等の変形が発生した。
実施例1(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の試験体を水平に置いて8号黒色珪砂を散布した後、試験体を垂直に立てて珪砂を自然落下させた。このとき、付着した8号黒色珪砂の程度(ふりかけた面積に対する付着面積の割合)について、目視確認し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。
◎:付着面積が10%未満
○:付着面積が10%以上20%未満
△:付着面積が20%以上50%未満
×:付着面積が50%以上
実施例1(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の塗膜の付着性を、JIS K5600-5-6(付着性(クロスカット法))に準じて評価し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。
◎:全く剥がれがない
○:剥がれが全面積の5%未満
△:剥がれが全面積の5%以上35%未満
×:剥がれが全面積の35%以上
尚、作製直後の試験体は実施例1~7及び比較例1~2のいずれの評価結果も、◎であった。
実施例1(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の塗膜の外観を目視観察し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。
◎:全く変色が見られなかった。
○:極僅かに変色が見られた。
△:僅かに変色が見られた。
×:著しい変色が見られた。
1)耐候性の評価
実施例1(1)で得られた試験体を、サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機社製)に設置し、JIS A1415 4に規定するWS-A法に準拠して3000時間の促進耐候性試験を行った。
促進耐候性試験後の塗膜の外観を目視観察し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。尚、比較例3については、可塑剤移行防止性試験の結果が悪かったため、評価しなかった。
◎:全く変色が見られず、ひび割れも見られなかった。
○:極僅かに変色が見られるが、ひび割れは見られなかった。
△:僅かに変色が見られるが、ひび割れは見られなかった。
×:著しい変色が見られ、ひび割れも見られた。
1)耐温冷繰返し性の評価
実施例1(1)で得られた試験体を、水浸漬(23℃)、18時間→低温インキュベーター(-20℃)、3時間→乾燥機(60℃)、3時間を1サイクルとする冷熱サイクル試験を合計10サイクル実施した。
温冷繰返し試験後の塗膜の外観を目視観察し、以下の2水準で評価を行った。それらの結果を表7に示す。尚、比較例3については、可塑剤移行防止性試験の結果が悪かったため、評価しなかった。
◎:ひび割れが見られなかった。
×:ひび割れが見られた。
これに対して、本発明の塗料組成物(A)とは異なる塗料組成物を用いる塗装工法である比較例1は、可塑剤のSP値が比較的高い場合には、可塑剤移行防止性に劣り、比較例2は、耐温冷繰返し性に劣るものであった。また、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物を使用しない塗装工法である比較例3は、可塑剤の移行を全く防止できず、塗膜の変形、汚染、剥離及び変色が発生した。尚、促進耐候性試験及び温冷繰返し試験は実施しなかった。
前記表2で得られた塗料組成物A1~7、A’1~2を使用し、当該塗料組成物の塗膜の上に塗料組成物(B)として、アクリルウレタン樹脂を使用した試験体を、以下の通り作製し、実施例1~7及び比較例1~2と同様の評価を行った。ただし、比較例6はアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物を使用せずに、同様の評価を行った。それらの結果を表8に示す。
実施例1の手順に準じて、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物A1~A7、A’1又はA’2の塗膜を形成したのに続き、当該塗膜の表面に、塗料組成物P-1を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
次いで、前記プライマー層の表面に、塗料組成物B2-1を塗布量0.2kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、防水層を形成した。
さらに、前記防水層の表面に、塗料用組成物B2-6を塗布量0.15kg/m2で刷毛塗りし、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、保護層を形成し、表8に示す層構成を有する試験体を得た。得られた試験体を用いて、実施例1~7及び比較例1~3と同様の評価を行った。尚、塗膜の外観は無色透明であった。
これに対して、本発明の塗料組成物(A)とは異なる塗料組成物を用いる塗装工法である比較例4は、可塑剤のSP値が比較的高い場合には、可塑剤移行防止性に劣り、比較例5は、耐温冷繰返し性に劣るものであった。また、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物を使用しない塗装工法である比較例6は、可塑剤の移行を全く防止できず、塗膜の変形、汚染、剥離及び変色が発生した。尚、促進耐候性試験及び温冷繰返し試験は実施しなかった。
前記塗料組成物A1及びA’1、並びに、塗料組成物α1~γ3及びイ~トを使用し、以下の通り試験体を作製し、各種評価を行った。
保護層として、JIS A 6909(建築用仕上塗材)に規定される水系アクリル樹脂複層塗材(エスケー化研社製、商品名「レナラック」、塗布量1.5kg/m2)及び水系アクリル樹脂塗料(エスケー化研社製、商品名「ブリーズコート」、塗布量0.36kg/m2)を用いた。
保護層として、溶剤系アクリルウレタン樹脂塗料(東亞合成社製、商品名「アロンウオールFC(DX)スーパーカラー」、塗布量0.3kg/m2)を用いた。
保護層として、弱溶剤系アクリルシリコン樹脂塗料(東亞合成社製、商品名「アロンMDカラーSi」、塗布量0.3kg/m2)を用いた。
保護層として、溶剤系フッ素樹脂塗料(東亞合成社製、商品名「アロンウオールフッ素FC(DX)カラー」、塗布量0.3kg/m2)を用いた。
保護層として、無溶剤系エポキシ樹脂塗料(東亞合成社製、商品名「アロンNE」、塗布量0.6kg/m2)を用いた。
防水層として、エチレン酢酸ビニル樹脂として、エチレン酢酸ビニル樹脂塗膜防水材(大関化学工業社製、商品名「パラテックスA材」、塗布量1.7kg/m2))を用い、保護層として、防水層の上に水系エチレン酢酸ビニル樹脂塗料(大関化学工業社製、商品名「カラーコート」、塗布量0.12kg/m2)を用いた。
防水層として、JIS A 6021(建築用塗膜防水材)の屋根用に規定されるウレタンゴム塗膜防水材(ダイフレックス社製、商品名「US-100」、塗布量2.5kg/m2)を用い、保護層として、防水層の上に溶剤系アクリルウレタン樹脂塗料(ダイフレックス社製、商品名「エクセルトップ」、塗布量0.2kg/m2)を用いた。
(1)試験体の作製
実施例15~23、比較例7~9
実施例1の手順に準じて、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物A1又はA’2の塗膜を得たのに続き、水系エポキシ樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性マルチプライマー」)を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
続いて、表9に示す通り、前記プライマー層の表面に、塗料組成物α1~α3、β1~β3又はγ1~γ3を塗布量2kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、防水層を形成した。
仕上塗料として、前記防水層の表面に、水系アクリルシリコン樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性スーパーカラーSi」)を塗布量0.3kg/m2で刷毛塗りした。その後、7日間養生することにより、保護層を形成し、表9に示す層構成を有する試験体を得た。
実施例8の手順に準じて、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物A1又はA’2の塗膜を得たのに続き、次いで、前記プライマー層の表面に、水系エポキシ樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性マルチプライマー」)を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、温温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
続いて、表9に示す通り、前記プライマー層の表面に、塗料組成物イ~トを塗布量2kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で7日間養生することにより、防水層及び/又は保護層を形成し、表9に示す層構成を有する試験体を得た。
7.1)(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。その後、JIS K5600-5-6(付着性(クロスカット法))に準じて、可塑剤含有樹脂上の塗膜の付着性を評価し、以下の4水準で評価を行った。それらの結果を表9に示す。
◎:全く剥がれがない
○:剥がれが全面積の5%以下
△:剥がれが全面積の5~35%
×:剥がれが全面積の35%以上
尚、作製直後の試験体は実施例15~27及び比較例7~9の評価結果は、いずれも◎であった。
25℃におけるゼロスパンテンション伸び量は、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して測定され、可塑剤含有樹脂のひび割れに対する塗膜の追従性を示すものであり、塗膜の防水性を評価することができる。
実施例15~23、比較例7~9
本評価では、シーリング材「ペンギンシールMS2500typeNBホワイト」(サンスター技研(株)製シーリング材、可塑剤非含有)に対し、可塑剤としてBBPを13質量%になるよう混合したものをシーリング材として用いた。
JIS A 5430に規定される裏面中央部幅方向に深さ6mmの切り込みを入れた寸法150×75×8mmのフレキシブル板(スレートボード)に、シーリング材用プライマーとして「UM-2」(サンスター技研(株)製)を刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で2時間養生した。
その後、前記シーリング材を2mmの厚さで充填し、温度23℃、湿度50%で5日間養生することにより、シーリング材層を形成した。
続いて、前記シーリング材の表面に、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物の塗布量が、塗膜として80g/m2となるように刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、塗膜を形成した。
次に、前記塗膜の表面に、水系エポキシ樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性マルチプライマー」)を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
さらに、表9に示す通り、前記プライマー層の表面に、塗料組成物α1~α3、β1~β3又はγ1~γ3を塗布量2kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、防水層を形成した。
仕上塗料として、前記防水層の表面に、水系アクリルシリコン樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性スーパーカラーSi」)を塗布量0.3kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で7日間養生することにより、保護層を形成し、表9に示す層構成を有する試験体を得た。
実施例15の手順に準じて、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂塗料組成物の塗膜を得たのに続き、水系エポキシ樹脂塗料(東亞合成(株)製、商品名「アロン水性マルチプライマー」)を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
次に、表9に示す通り、前記プライマー層の表面に、塗料組成物イ~トを塗布量2kg/m2で刷毛塗りした。その後、温度23℃、湿度50%で7日養生することにより、防水層及び/又は保護層を形成し、表9に示す層構成を有する試験体を得た。
7.2)(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の試験体を25℃の環境下で常態調整した後、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して、5mm/分で引張った時に、塗膜にピンホールや破断が発生した時点のチャック間の距離を測定し、23℃におけるゼロスパンテンション伸び量とした。それらの結果を表9に示す。
これらの中でも、防水層として、伸び率が300%以上かつ引張強さが1.3N/mm2以上であるアクリルゴム(実施例15、18及び21)、エチレン酢酸ビニル樹脂(実施例29)及びウレタンゴム(実施例30)を用いた場合、ゼロスパンテンション伸び量がより大きく、塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
また、防水層として、無機質水硬性物質を含む塗料組成物(B1)を用いた場合(実施例15~17、アクリルゴム又はアクリル樹脂の態様〔x1〕)は、無機質水硬性物質を含まない塗料組成物(B1)を用いた場合(実施例18~20、アクリルゴム又はアクリル樹脂の態様〔x1〕)よりもゼロスパンテンション伸び量が大きく、塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
これに対して、塗料組成物(A’1)を用いた比較例7~9においては、可塑剤の移行により、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物とプライマー層の界面で剥がれが発生したため、ゼロスパンテンション伸び量の評価を行えず、実用に耐えないほど、塗膜の防水性が悪い結果であった。
前記塗料組成物A1及びA’1、並びに、塗料組成物B2-1~9及びP-1を使用し、以下の通り試験体を作製し、各種評価を行った。
(1)試験体の作製
実施例1の手順に準じて、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂塗料組成物を含む塗料組成物A1又はA’1の塗膜を得たのに続き、塗料組成物P-1を塗布量0.1kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、プライマー層を形成した。
続いて、前記プライマー層の表面に、表10に示す通り、塗料組成物B2-1~B2-5を塗布量0.2kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、防水層を形成した。
さらに、前記防水層の表面に、表10に示す通り、塗料用組成物B2-6~B2-9を塗布量0.15kg/m2で刷毛塗りした。その後、気温23℃、湿度50%で1日養生することにより、保護層を形成し、表10に示す層構成を有する試験体を得た。塗膜の外観は無色透明であった。
8.1)(1)で得られた試験体を、実施例15~30及び比較例7~9と同様の方法で付着性を評価した。それらの結果を、表10に示す。
尚、作製直後の試験体は実施例31~40及び比較例10~12のいずれの評価結果も、◎であった。
-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量は、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して測定され、可塑剤含有樹脂のひび割れに対する塗膜の追従性を示すものであり、低温下での塗膜の防水性を評価することができる。
(1)試験体の作製
JIS A 5430に規定される、裏面中央部幅方向に深さ6mmの切り込みを入れた寸法150×75×8mmのフレキシブル板(スレートボード)を用い、前記と同様にしてその表面に、実施例15~30及び比較例7~9と同様のシーリング材を充填し、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物の塗膜、プライマー層、防水層及び保護層を順次形成して、表10に示す層構成を有する試験体を得た。
8.2)(1)で得られた試験体を、乾燥機(80℃)に静置し、14日間加熱した。加熱後の試験体を-5℃の環境下で常態調整した後、「ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)・同解説(日本建築学会)参考資料2 ポリマーセメント系塗膜防水材の品質試験方法」のゼロスパンテンション伸び量試験に準拠して、5mm/分で引張った時に、塗膜にピンホールや破断が発生した時点のチャック間の距離を測定し、ゼロスパンテンション伸び量とした。それらの結果を表10に示す。
これらの中でも、低分子量多価アルコールとして、水酸基価の異なる多価アルコールを2種含む塗料組成物(B2)を用いた実施例31~36は、低分子量多価アルコールを1種のみ含む実施例37(塗料組成物B2-4)よりも、-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量がより大きく、低温下での塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
また、防水層を形成した実施例31~36は、防水層を形成しなかった実施例38よりも、-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量が大きく、低温下での塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
さらに、保護層として用いた塗料組成物の塗膜のTgが30℃以下である実施例31~36は、保護層として用いた塗料組成物の塗膜のTgが40℃を超える実施例39(塗料組成物B2-9)よりも、-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量が大きく、低温下での塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
防水層として用いた塗料組成物の塗膜のTgが20℃以下である実施例31~36は、防水層として用いた塗料組成物の塗膜のTgが40℃を超える実施例40(塗料組成物B2-5)よりも、-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量が大きく、低温下での塗膜の防水性が一層優れる結果であった。
これに対して、塗料組成物(A’1)を用いた比較例10~12においては、可塑剤の移行により、アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含む塗料組成物とプライマー層の界面で剥がれが発生したため、-5℃におけるゼロスパンテンション伸び量の評価を行えず、実用に耐えないほど、低温下での塗膜の防水性が悪い結果であった。
Claims (15)
- 可塑剤含有樹脂の上に、塗料組成物(A)を塗布し、当該塗料組成物(A)の塗膜を形成する工程を含む塗装工法であって、
前記塗料組成物(A)がアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂を含み、当該塗料組成物(A)の塗膜のガラス転移温度(Tg)が30~100℃であり、
前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の構成単量体単位としてポリオキシアルキレン基含有エチレン性不飽和単量体を1~50質量%含む、塗装工法。 - 前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の溶解度パラメータ値が9.6以上である、請求項1に記載の塗装工法。
- 前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の構成単量体単位として水酸基含有エチレン性不飽和単量体を1~25質量%含む、請求項1又は2に記載の塗装工法。
- 前記アルコキシシリル基含有(メタ)アクリル樹脂の数平均分子量がポリメチルメタクリレート換算した値として4,000~30,000である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の塗装工法。
- 前記可塑剤含有樹脂が、シーリング材、塩化ビニル系防水材又は塩化ビニル系内装材のいずれかである、請求項1~請求項4のいずれか1項の塗装工法。
- 前記塗料組成物(A)の塗膜の上に、塗料組成物(B)を塗布し、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程を含み、
当該塗料組成物(B)が、アクリルゴム又はアクリル樹脂が水性媒体中に分散されてなるエマルション組成物と、無機充填材とを含む、塗料組成物(B1)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の塗装工法。 - 前記アクリルゴム又はアクリル樹脂が、炭素数4~14の炭化水素基を有する、エチレン性不飽和単量体単位(a)を40~98質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体単位(b)を0.1~5質量%、シアノ基含有エチレン性不飽和単量体単位(c)を1~35質量%、(メタ)アクリル酸と単官能エポキシ化合物との反応生成物からなる単量体単位(d)を0~20質量%、及び前記単量体のうちの少なくとも1種と共重合可能な他の単量体単位(e)を0~60質量%を構成単位として含有する、請求項6に記載の塗装工法(但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(c)、構成単位(d)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。)。
- 前記アクリルゴム又はアクリル樹脂が、炭素数4~14の炭化水素基を有する、エチレン性不飽和単量体単位(a)を30~98質量%、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(b)を0.1~5質量%、グリシジル基含有エチレン性不飽和単量体単位(f)を0.1~5質量%、及び前記単量体のうちの少なくとも1種と共重合可能な他の単量体単位(e)を0~60質量%を構成単位として含有する、請求項6に記載の塗装工法(但し、前記構成単位(a)、構成単位(b)、構成単位(f)、及び構成単位(e)の合計を100質量%とする。)。
- 前記塗料組成物(B1)が、さらに、無機質水硬性物質を含む、請求項6~請求項8のいずれか1項に記載の塗装工法。
- 前記塗料組成物(A)の塗膜の上に、塗料組成物(B)を塗布し、当該塗料組成物(B)の塗膜を形成する工程を含み、
当該塗料組成物(B)が、バインダー樹脂を含む第一剤、及び、イソシアネート基を有する有機ポリイソシアネートを含む第二剤とを備える、塗料組成物(B2)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の塗装工法。 - 前記バインダー樹脂の水酸基価が10~1,200mgKOH/gであり、ポリスチレン換算した値として数平均分子量が2,000~30,000である、請求項10に記載の塗装工法。
- 前記塗料組成物(B2)が、さらに、水酸基価の異なる多価アルコールを少なくとも2種含む、請求項10又は請求項11に記載の塗装工法。
- 塗膜のTgが-40℃~20℃である、第一の塗料組成物(B2)を塗布し、当該第一の塗料組成物(B2)の塗膜を形成する工程と、
前記工程で得られた塗膜の上に、塗膜のTgが-30℃~30℃である、第二の塗料組成物(B2)を塗布し、当該第二の塗料組成物(B2)の塗膜を形成する工程と、
を含む、請求項10~請求項12のいずれか1項に記載の塗装工法。 - 請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の塗装工法を実施して得られる塗装被膜。
- 請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の塗装工法を実施して得られる塗装物品。
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