JP7118335B2 - 肝保護活性を有するシリビニンリポ酸エステルおよびその調製方法 - Google Patents

肝保護活性を有するシリビニンリポ酸エステルおよびその調製方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は医療化学の分野、特に、シリビニンリポ酸エステル、その製造方法、およびその用途に関する。
発明の背景
肝障害は、アルコール、薬物、ウイルスなどの多くの要因によって引き起こされる。現代社会では、過度の精神的ストレス、飲酒、喫煙、環境汚染などの理由により、偽性肝硬変、脂肪肝、中毒性肝疾患、急性・慢性ウイルス性肝炎など、さまざまな肝疾患に直面している。
研究者らは、肝障害のメカニズムを多くの方法で探求してきた。膜保護剤、抗脂質過酸化剤、および抗免疫試薬などの肝保護薬が開発されているが、その有効性は依然として不十分であり、その潜在的な毒性および副作用は臨床応用に限界がある。そのため、新しい有効な肝保護薬の開発が求められている。
発明の概要
一実施形態では、本発明は下記の式(I)を有する化合物を提供する。
Figure 0007118335000001
別の実施形態では、本発明は、式(I)の化合物を調製する方法を提供する。この方法は、式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて前記式(I)の化合物を得ることを含む。
Figure 0007118335000002
別の実施形態では、式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、下記の工程、前記式(II)の化合物および前記式(III)の化合物を、1:1~1:1.3のモル比で反応容器中に入れる工程と、有機溶媒および触媒を窒素雰囲気下で加えて反応混合物を得る工程と、前記反応混合物を50~85℃で1~4時間加熱する工程と、前記反応混合物を減圧下で濃縮して粗生成物を得る工程と、溶離剤として石油エーテルおよび酢酸エチルを用いてシリカゲルカラム上で前記粗生成物を精製して、前記式(I)の化合物を得る工程と、を含む。
別の実施形態では、前記有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、またはアセトニトリルである。
別の実施形態では、前記触媒は、EDCである。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比が1:1.1である。
別の実施形態では、前記反応混合物を75℃で加熱する。
別の実施形態では、前記反応混合物を4時間加熱する。
別の実施形態では、前記溶離剤は酢酸エチル:石油エーテル=3:10である。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、前記式(II)の化合物、触媒、およびイオン性液体を窒素雰囲気下で反応容器中に入れる工程であって、前記触媒は12-モリブド珪酸水和物(HMo1241Si)である、工程と、式(III)の化合物を前記反応容器に加えて反応混合物を形成する工程と、前記反応混合物を25~50℃で5~10時間加熱する工程と、前記反応混合物を分離漏斗中に入れて粗生成物を分離する工程と、メタノール中での再結晶によって前記粗生成物を精製して前記式(I)の化合物を得る工程と、前記イオン性液体をリサイクルする工程と、を含む。
別の実施形態では、前記イオン性液体は1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩([BMIM][BF])である。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物および前記式(III)の化合物は、1:1~1:1.3のモル比を有する。
別の実施形態では、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物とのモル比が1:1.1である。
別の実施形態では、前記反応混合物を25℃で加熱する。
別の実施形態では、前記反応混合物を8時間加熱する。
上記した一般的な説明と、下記の詳細な説明とは、どちらも例示的および説明的であり、特許請求される本発明のさらなる説明を提供するように意図されていることを理解されたい。
図面の簡単な説明
本発明のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
図1は、様々な濃度での式(I)の化合物および対照溶液の消去活性を示す。
図示の実施形態の詳細な説明
次に、本発明の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。下記の実施例は本発明を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
シリビン(シリビニンとしても知られる)はマリアアザミ(milk thistle)種子の抽出物であり、2つのジアステレオマー、シリビンAおよびシリビンBの混合物である。
Figure 0007118335000003
本出願では、2つのジアステレオマー、シリビンAおよびシリビンBの混合物を使用し、この混合物を式(II)の化合物として示す。
Figure 0007118335000004
リポ酸(式(III)の化合物)はビタミンと同様に、ミトコンドリア中に見出される補酵素であり、老化および疾患を促進するフリーラジカルを排除することができる。これは、脂溶性および水溶性の両方の特徴を有し、妨害なしに全身の任意の細胞部分に到達することができ、そして人体の包括的な有効性を提供する。これは、ユニバーサル酸化防止剤と呼ばれる。同時に、リポ酸は様々な疾患に対して治療効果があり、急性および慢性肝炎、肝硬変、肝性昏睡、脂肪肝、糖尿病などの治療に用いることができる。
Figure 0007118335000005
本発明において、リポ酸はシリビニンと反応し、シリビニンリポ酸エステルを得る。シリビニンリポ酸エステルは優れた肝保護活性および抗酸化活性を有し、肝保護製品として高い医学的研究および応用価値を有する。
実施例1
(3-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-6-((2R,3R)-3,5,7-トリヒドロキシ-4-オキソクロマン-2-イル)-2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ダイオキシン-2-イル)メチル5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエート(式(I)の化合物)の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)を、窒素雰囲気下で90mLのアセトニトリルに溶解した。113.3mg(0.55mmol)のリポ酸を30mLのアセトニトリルに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、75℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、246.6mgの表題化合物を収率73.61%で得た。
H-NMR(400MHz、DMSO-d6)δ(ppm):7.05(1H、s)、6.99(1H、s)、6.82-6.76(4H、m)、6.23(1H、s)、5.85(1H、s)、5.60-5.51(3H、m)、5.38(3H、s)、5.21(1H、t)、4.43(2H、d)、3.87(3H、s)、2.82(1H、d)、2.55(3H、t)、2.35(2H、t)、1.78-1.68(4H、m)、1.57(2H、t)、1.28(2H、t);13C-NMR(400MHz、DMSO-d6)δ(ppm):197.9、174.1、165.9、164.8、148.2、143.7、128.3、121.7、119.2、116.7、111.8、110.1、96.1、88.4、80.7、72.9、64.5、57.2、39.3、37.4、33.6、27.0。
実施例2
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDCを、窒素雰囲気下で90mLのトルエンに溶解した。113.3mg(0.55mmol)のリポ酸を30mLのトルエンに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、3時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、200.1mgの表題化合物を収率59.71%で得た。
実施例3
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDCを、窒素雰囲気下で90mLのテトラヒドロフランに溶解した。134.0mg(0.65mmol)のリポ酸を30mLのテトラヒドロフランに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、90℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、211.5mgの表題化合物を収率63.12%で得た。
実施例4
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDCを、窒素雰囲気下で90mLのトルエンに溶解した。113.3mg(0.55mmol)のリポ酸を30mLのトルエンに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、65℃に昇温し、2時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、220.7mgの表題化合物を収率65.87%で得た。
実施例5
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDCを、窒素雰囲気下で90mLのアセトニトリルに溶解した。113.3mg(0.55mmol)のリポ酸を30mLのアセトニトリルに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、3時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、227.3mgの表題化合物を収率67.83%で得た。
実施例6
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニンおよび95.8mg(0.50mmol)のEDCを、窒素雰囲気下で90mLのテトラヒドロフランに溶解した。113.3mg(0.55mmol)のリポ酸を30mLのテトラヒドロフランに溶解し、分液漏斗によって反応混合物にゆっくりと滴下した。滴下終了後、55℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。濃縮溶液を水で洗浄し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮し、粗生成物を得た。溶離剤として石油エーテル:酢酸エチル=3:10を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、粗生成物を精製し、溶離剤を減圧濃縮し、乾燥し、185.7mgの表題化合物を収率55.42%で得た。
実施例7
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニン、113.3mg(0.55mmol)のリポ酸および12.0mg(0.007mmol)のモリブド珪酸を、窒素雰囲気下で75mLの1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩に溶解した。完全に溶解した後、25℃まで昇温し、8時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。反応混合物を層に分離させて、粗生成物を得た。1‐ブチル‐3‐メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩を回収し、再利用した。粗生成物を90mLのメタノールで再結晶し、乾燥させて、283.4mgの表題化合物を収率84.57%で得た。
実施例8
式(I)の化合物の調製
250mLの三つ口フラスコ中で、241.0mg(0.50mmol)のシリビニン、113.3mg(0.55mmol)のリポ酸および12.0mg(0.007mmol)のモリブド珪酸を、窒素雰囲気下で75mLの1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩に溶解した。完全に溶解した後、50℃まで昇温し、4時間反応させた。薄層クロマトグラフィーを用いて反応を完了まで追跡し、加熱を停止し、保護装置を取り外した。反応混合物を層に分離させて、粗生成物を得た。1‐ブチル‐3‐メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩を回収し、再利用した。粗生成物を90mLのメタノールで再結晶し、乾燥させて、265.1mgの表題化合物を収率79.12%で得た。
実施例9
シリビニンリポ酸エステルを用いた動物モデルにおける肝障害の修復
式(I)の化合物は、実施例7の方法によって調製した。マウスのアルコール性肝障害に対する保護作用を検討するため、下記の動物モデルをデザインした。
3週齢の30~35gのSPF雄マウスを3日間の適応給餌後、無作為に正常対照群、モデル群、低用量群、高用量群およびチオプロニン陽性対照群に分けた。正常対照群およびモデル群には毎日基本飼料を給餌し、低用量群および高用量群には毎日基本飼料を給餌し、それぞれ10mg/kg/日および50mg/kg/日の式(I)の化合物を与え、チオプロニン陽性対照群には基本飼料および50mg/kg/日のチオプロニンを給餌した。モデル群、低用量群、高用量群およびチオプロニン陽性対照群にエタノール3g/kg/日(0.01mL/g)を与えた。正常対照群には、同じ体積の蒸留水を与えた。25日後、最終投与後2時間絶食し、断頭により血清中のグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT)、グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST)およびトリグリセリド(TG)を測定した。
Figure 0007118335000006
実施例10
DPPHラジカル消去活性アッセイにより測定されるシリビニンリポ酸エステルの抗酸化活性
2,2‐ジフェニル‐1‐ピクリルヒドラジル(DPPH)は安定な有機ラジカルからなる有機化合物である。DPPH分子では、多重電子求引性-NOとベンゼン環の大きなπ結合の存在により、窒素フリーラジカルが安定化する。そのメタノール溶液は紫色であり、517nmに最大吸収ピークを有する。酸化防止剤の添加後、DPPHは自由電子と対になる電子を捕獲し、紫色は退色し、黄色の物質に変わる。517nmでの吸収は消失し、退色の程度は、それが捕獲する電子の数に定量的に関連する。この原理に基づいて、分光光度計を用いてDPPHラジカルおよび試料溶液の吸光度の変化を検出し、水素原子を提供しフリーラジカルを消去する試料の能力を測定することができる。
DPPH溶液の調製:
正確な量の2,2-ジフェニル-1-ピクリルヒドラジル(DPPH)を測定し、トルエンに溶解して、0.2mmol/LのDPPH溶液を調製し、暗所にて0℃で保存する。
試験溶液の調製:
Vc(ビタミンC、陽性対照)、式(I)の化合物(試料)、シリビニン(対照)およびリポ酸(対照)。試料溶液をトルエンで勾配希釈し、一定量のトルエンで3組の対照を別々に試験管に溶解し、試料と同じ濃度勾配を調製した。対応する3群の対照溶液を得た(勾配設定を表2に示す)。
Figure 0007118335000007
具体的な工程:
試料溶液吸光度測定:
2mLの試料溶液(表2 Vc、B、C)をとり、2×10-4mol/Lの濃度の2mLのDPPH溶液を加え、暗所にて室温で30分間混合反応させ、トルエンでゼロに調整し、517nmで測定する。吸光度Aiを、2mLの試料溶液と混合した2mLのトルエンの吸光度Ajと、2mLのトルエンと混合した2mLのDPPH溶液の吸光度Aoを同時に測定した(実験結果を表3に示す)。
Figure 0007118335000008
クリアランス計算:
クリアランス率(%)=[1-(Ai-Aj)/Ao]×100%
Figure 0007118335000009
図1および表2~4の実験結果によれば、式(I)の化合物(A)の酸化防止活性は濃度依存的な関係を示し、DPPHラジカルに対する式(I)の化合物(A)の消去能力は濃度の増加と共に増加した。測定された濃度範囲において、DPPHラジカルの最高消去率は93.52%であった。同時に、陽性対照Vc群と比較して、式(I)の化合物(A)の消去能力はわずかに弱かった。シリビニン(B)およびリポ酸(C)単独で処置した対照群と比較して、式(I)の化合物(A)のDPPHフリーラジカルを消去する消去能力は、同じ濃度でより良好であった。高濃度での抗酸化活性は、シリビニン(B)対照群およびリポ酸(C)対照群よりはるかに高かった。
上記の実験結果は、本化合物は優れた肝保護活性と抗酸化活性を有し、健康製品や医薬品における新しいタイプの肝保護製品として用いることができることを証明する。

Claims (6)

  1. 下記式(I)を有する化合物。
    Figure 0007118335000010
  2. 式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて前記式(I)の化合物を得る工程を含む、請求項1に記載の化合物を調製する方法。
    Figure 0007118335000011
  3. 前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、
    前記式(II)の化合物および前記式(III)の化合物を、1:1~1:1.3のモル比で反応容器中に入れる工程と、
    窒素雰囲気下で有機溶媒および触媒を加えて反応混合物を得る工程と、
    前記反応混合物を50~85℃で1~4時間加熱する工程と、
    減圧下で前記反応混合物を濃縮して粗生成物を得る工程と、
    溶離剤として石油エーテルおよび酢酸エチルを用いてシリカゲルカラム上で前記粗生成物を精製して前記式(I)の化合物を得る工程と、を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記有機溶媒はトルエン、酢酸エチル、またはアセトニトリルである、前記触媒はEDCである、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物のモル比が1:1.1である、前記反応混合物を75℃で加熱する、前記反応混合物を4時間加熱する、および、前記溶離剤は酢酸エチル:石油エーテル=3:10である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物との反応は、下記の工程、
    前記式(II)の化合物、触媒、およびイオン性液体を窒素雰囲気下の反応容器中に入れる工程であって、前記触媒は12-モリブド珪酸水和物(HMo1241Si)である、工程と、
    前記式(III)の化合物を反応容器中に加えて反応混合物を形成する工程と、
    前記反応混合物を25~50℃で5~10時間加熱する工程と、
    前記反応混合物を分液漏斗に入れ、粗生成物を分離する工程と、
    メタノール中で再結晶して前記粗生成物を精製し、前記式(I)の化合物を得る工程と、
    前記イオン性液体をリサイクルする工程と、を含む請求項2に記載の方法。
  6. 前記イオン性液体は1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸([BMIM][BF])である、前記式(II)の化合物と前記式(III)の化合物は1:1~1:1.3のモル比を有する、前記反応混合物を25℃で加熱する、および、前記反応混合物を8時間加熱する、請求項5に記載の方法。
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