定義および例示
本発明は、本発明の好ましい実施形態の下記の詳細な記述および本明細書に含まれる実施例を参照することにより、より容易に理解され得る。本明細書で使用される術語は、具体的な実施形態を記述することのみを目的とし、限定的であることは意図されていないことを理解されたい。本明細書で具体的に定義されているのでない限り、本明細書で使用される術語は、関連技術分野において公知の通り、その慣習的な意味が与えられていることをさらに理解されたい。
本明細書において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、別段の指示がない限り、複数の参照物を含む。例えば、「a」置換基は、1個または複数の置換基を含む。
用語「約」は、公称値のプラスまたはマイナス10%の近似を表示する相対的な用語を指し、一実施形態では、プラスまたはマイナス5%、別の実施形態では、プラスまたはマイナス2%を指す。本開示の分野では、このレベルの近似は、値がより狭い範囲を要求すると具体的に述べられていない限り、適切である。
本明細書において使用される場合、用語「n員の」は、nが整数である場合、典型的には、環形成原子の数がnである部分における環形成原子の数を記述する。例えば、ピリジンは、6員のヘテロアリール環の例であり、チオフェンは、5員のヘテロアリール環の例である。
本明細書の種々の箇所において、本発明の化合物の置換基は、群でまたは範囲で開示される。本発明は、そのような群および範囲の員のありとあらゆる個々のサブ組合せを含むことが具体的に意図されている。例えば、用語「C1~6アルキル」は、C1アルキル(メチル)、C2アルキル(エチル)、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキルを含むことが具体的に意図されている。別の例では、用語「5から6員のヘテロアリール基」は、任意の5、6員のヘテロアリール基を含むことが具体的に意図されている。
本明細書において使用される場合、「HPK1アンタゴニスト」または「HPK1阻害剤」は、HPK1の生物学的活性(例えば、セリン/トレオニンキナーゼ活性、TCR活性化時のTCR複合体への動員、SLP76等のタンパク質結合パートナーとの相互作用)の1つまたは複数を、低減させる、阻害するまたは別様に低下させる分子である。HPK1アンタゴニストを使用する拮抗作用は、HPK1活性の全排除を必ずしも指し示すとは限らない。代わりに、活性は、統計学的に有意な量だけ減少する場合がある。例えば、本発明の化合物は、HPK1活性を、適切な対照と比較して、少なくとも約2.5%から約100%、約10%から約90%まで、約20%から約70%まで、約30%から約60%まで、約40%から約50%まで減少させ得る。いくつかの実施形態では、HPK1アンタゴニストは、HPK1のセリン/トレオニンキナーゼ活性を、低減させる、阻害するまたは別様に低下させる。これらの実施形態の一部では、HPK1アンタゴニストは、SLP76および/またはGadsのHPK1媒介性リン酸化を、低減させる、阻害するまたは別様に低下させる。現在開示されている化合物は、HPK1と直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害する。
本明細書で記述されている発明は、好適には、本明細書で具体的に開示されていない任意の要素の非存在下で実践され得る。故に、例えば、本明細書の各事例において、用語「を含む」、「から本質的になる」および「からなる」のいずれかを、他2つの用語のいずれかで置きかえてよい。
用語「(C1~C6)アルキル」は、本明細書において使用される場合、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチルおよびn-ヘキシル等であるがこれらに限定されない、1から6個までの炭素原子を含有する飽和、分枝鎖状または直鎖アルキル基を指す。(C1~C6)アルキルは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、(C1~C6)アルキル部分は、1個または複数のハロゲン原子で置換されて、「ハロ(C1~C6)アルキル」を形成することができる。ハロ(C1~C6)アルキルの代表的な例は、フルオロメチル、2-フルオロエチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルを含むがこれらに限定されない。置換(C1~C6)アルキルの他の代表的な例は、シアノブチルおよびエトキシエチルを含むがこれらに限定されない。
用語「ハロ(C1~C6)アルキル」は、本明細書において使用される場合、アルキル基が、1個または複数のハロゲン原子で置換されている、上記で定義されている通りの(C1~C6)アルキル基を指す。例えば、ハロ(C1~C6)アルキルは、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルから選択され得る。
用語「(C2~C6)アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖または分枝鎖基を含む、2から6個までの炭素原子を有し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する、脂肪族炭化水素を指す。代表的な例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル(アリル)、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル等を含むがこれらに限定されない。本発明の化合物が(C2~C6)アルケニル基を含有する場合、化合物は、純粋なE(エントゲーゲン)形態、純粋なZ(ツザメン)形態、またはそれらの任意の混合物として存在し得る。(C2~C6)アルケニルは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。
用語「(C2~C6)アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖および分枝鎖を含む、2から6個の炭素原子および少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を有する脂肪族炭化水素を指す。代表的な例は、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニルおよびヘキシニルを含むがこれらに限定されない。(C2~C6)アルキニルは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。
用語「(C1~C6)アルコキシ」は、本明細書において使用される場合、酸素原子を経由して親分子部分に結合された、上記で定義されている通りの(C1~C6)アルキル基を指す。(C1~C6)アルコキシの代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシを含むがこれらに限定されない。(C1~C6)アルコキシは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。例えば、(C1~C6)アルコキシは、1個または複数のハロゲン原子で置換されて、「ハロ(C1~C6)アルコキシ」を形成することができる。ハロ(C1~C6)アルコキシの代表的な例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、トリフルオロメトキシおよびペンタフルオロエトキシを含むがこれらに限定されない。
用語「ハロ(C1~C6)アルコキシ」は、本明細書において使用される場合、アルコキシ基が1個または複数のハロゲン原子で置換されている、上記で定義されている通りの(C1~C6)アルコキシ基を指す。例えば、ハロ(C1~C6)アルコキシは、フルオロメトキシ、フルオロエトキシ、ジフルオロメトキシ、ジフルオロエトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシから選択され得る。
用語「(C1~C6)アルキルチオ」は、本明細書において使用される場合、硫黄原子を経由して親分子部分に結合された、上記で定義されている通りの(C1~C6)アルキル基を指す。(C1~C6)アルキルチオの代表的な例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等を含むがこれらに限定されない。(C1~C6)アルキルチオは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。
本明細書において使用される場合、用語「(C3~C6)シクロアルキル」は、3から6個までの炭素原子を有する飽和炭素環式分子から水素を除去することによって取得された炭素環式置換基を指す。「シクロアルキル」は、単環式環であってよく、その例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。(C3~C6)シクロアルキルは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。
「ヘテロシクロアルキル」は、本明細書において使用される場合、環炭素原子の少なくとも1個が、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子で置きかえられている、上記で定義されている通りのシクロアルキルを指す。用語「(4から6員の)ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル置換基が合計4から6個の環原子を含有し、そのうちの少なくとも1個はヘテロ原子であることを意味する。用語「(4から8員の)ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル置換基が合計4から8個の環原子を含有し、そのうちの少なくとも1個はヘテロ原子であることを意味する。「(6員の)ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル置換基が合計6個の環原子を含有し、そのうちの少なくとも1個はヘテロ原子であることを意味する。「(5員の)ヘテロシクロアルキル」は、ヘテロシクロアルキル置換基が合計5個の環原子を含有し、そのうちの少なくとも1個はヘテロ原子であることを意味する。ヘテロシクロアルキル置換基は、適切な原子価を有する窒素原子を介してまたは任意の環炭素原子を介して結合していてよい。ヘテロシクロアルキル部分は、適切な原子価を有する窒素原子においてまたは任意の利用可能な炭素原子において、1個または複数の置換基で置換されていてもよい。
ヘテロシクロアルキル環の例は、アゼチジニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロ-トリアジニル、テトラヒドロラゾリル、テトラヒドロオキサジニル、テトラヒドロピリミジニル、イミダゾリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピラゾリジニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアジニル、テトラヒドロチアジアジニル、テトラヒドロ-オキサゾリル、モルホリニル、オキセタニル、テトラヒドロジアジニル、オキサジニル、オキサチアジニルを含むがこれらに限定されない。ヘテロシクロアルキル環のさらなる例は、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、イミダゾリジン-1-イル、イミダゾリジン-2-イル、イミダゾリジン-4-イル、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル、1,3-オキサゾリジン-3-イル、イソチアゾリジニル、1,3-チアゾリジン-3-イル、1,2-ピラゾリジン-2-イル、1,2-テトラヒドロチアジン-2-イル、1,3-チアジナン-3-イル、1,2-テトラヒドロジアジン-2-イル、1,3-テトラヒドロジアジン-1-イル、1,4-オキサジン-4-イル、2-オキソ-ピペリジニル(例えば、2-オキソ-ピペリジン-1-イル)、アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル等を含む。ヘテロシクロアルキルの1つの具体例は、2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イルである。ヘテロシクロアルキルは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。
「(C6~C10)アリール」は、フェニルまたはナフチル等の、6から10個までの炭素原子を含有する共役パイ電子系を有する、全炭素単環式または縮合環多環式芳香族基を指す。
本明細書において使用される場合、用語「ヘテロアリール」は、酸素、窒素および硫黄から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子を含有し、1、2または3個の環を有し、ここで、そのような環は、縮合していてもよく、縮合は上記で定義されている、芳香族炭素環系を指す。「(5から10員の)ヘテロアリール」環は、5から10個までの環原子を有し、該環原子のうちの少なくとも1個が窒素であり、残りの環原子が、炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から独立して選択される、ヘテロアリールを指す。「(5から6員の)ヘテロアリール」環は、5から6個までの環原子を有し、該環原子のうちの少なくとも1個が窒素であり、残りの環原子が、炭素、酸素、硫黄および窒素からなる群から独立して選択される、ヘテロアリール環を指す。ヘテロアリールの例は、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、トリアゾリル(例えば、1,2,3-トリアゾールまたは1,2,4-トリアゾール)、ピラジニル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、イミダゾピリジニル、トリアゾロピリジニル、ジヒドロピロロトリアゾリルおよびオキサジアゾリルを含むがこれらに限定されない。ヘテロアリールのより具体的な例は、イミダゾリル、1H-ピラゾリル、チアジアゾリルまたはトリアゾリルを含む。
ヘテロアリールは、本明細書で定義されている通りのシクロアルキル基とまたはヘテロシクロアルキル基と、縮合していてもよいことを理解されたい。
ヘテロアリール置換基は、適切な原子価を有する窒素原子を介してまたは任意の炭素原子を介して結合していてよい。ヘテロアリール部分は、適切な原子価を有する窒素原子においてまたは任意の利用可能な炭素原子において、1個または複数の置換基で置換されていてもよい。(5から6員の)ヘテロアリールは、置換されていてもよく、ここで、1個または複数の水素原子は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-SF5、ニトロ、-(C1~C6)アルコキシおよび-N(R6)(R7)からなる群から選択される置換基によって置きかえられており、ここで、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからそれぞれ独立して選択される。置換基は、任意の利用可能な炭素原子においてヘテロアリール部分と、またはヘテロ原子が適切な原子価を有する窒素である場合、ヘテロ原子と、結合することができる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、本明細書において使用される場合、塩素、フッ素、臭素またはヨウ素原子を指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、本明細書において使用される場合、-OH基を意味する。
「シアノ」は、本明細書において使用される場合、-CN基を意味し、これは、
「ニトロ」は、本明細書において使用される場合、-NO2基を意味する。
「置換されていてもよい」は、本明細書において使用される場合、置換が任意選択であることを意味し、したがって、非置換および置換されている原子および部分の両方を含む。「置換されている」原子または部分は、指定された原子または部分上の任意の水素が、指示されている置換基群からの選択肢で置きかえられ得る(指定された原子または部分上のすべての水素原子を含むそれ以下の数の水素原子が指示されている置換基群からの選択肢で置きかえられる)ことを指し示し、ただし、指定された原子または部分の通常の原子価を超えないこと、および置換が安定化合物をもたらすことを条件とする。例えば、メチル基(すなわち、-CH3)が置換されていてもよい場合、炭素原子上の最大3個の水素原子が置換基群で置きかえられ得る。
「患者」または「対象」は、例えば、ブタ、雌ウシ、ニワトリ、ウマ、モルモット、マウス、ラット、スナネズミ、ネコ、ウサギ、イヌ、サル、チンパンジーおよびヒト等の、温血動物を指す。
「薬学的に許容できる」は、物質または組成物が、製剤を構成する他の原料および/またはそれで処置されている哺乳動物と、化学的にかつ/または毒物学的に適合性でなくてはならないことを指し示す。
用語「治療有効量」は、本明細書において使用される場合、処置されている障害の症状の1つまたは複数をある程度和らげるであろう、投与されている化合物の量を指す。HPK1キナーゼ媒介性障害(例えば、がん)の処置に関して、治療有効量は、HPK1キナーゼ媒介性障害に関連する1つまたは複数の症状をある程度和らげる(または、例えば、排除する)効果を有する量を指す。例えば、治療有効量は、(1)腫瘍のサイズを低減させる、(2)腫瘍転移を阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは、停止させる)、(3)腫瘍成長または腫瘍侵襲性をある程度阻害する(すなわち、ある程度減速させる、好ましくは、停止させる)、および/または(4)がんに関連する1つまたは複数の兆候または症状をある程度和らげる(または、好ましくは、排除する)効果を有する量を指す。
用語「処置すること」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、そのような用語が当てはまる障害もしくは状態、またはそのような障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状を、逆転させること、緩和すること、その進行を阻害すること、または予防することを意味する。用語「処置」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、「処置すること」が本明細書で定義されている通りに処置する行為を指す。用語「処置すること」は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント処置も含む。
「異性体」は、以下で定義される通りの「立体異性体」および「幾何異性体」を意味する。
「立体異性体」は、RまたはS配置でそれぞれ存在し得る、1つまたは複数のキラル中心を保有する化合物を指す。立体異性体は、すべてのジアステレオマー、鏡像異性体およびエピマー形態、ならびにそれらのラセミ体および混合物を含む。
「幾何異性体」は、シス、トランス、アンチ、エントゲーゲン(E)およびツザメン(Z)形態ならびにそれらの混合物で存在し得る化合物を指す。
本明細書において使用される場合、指定されない限り、置換基の結合点は、置換基の任意の好適な位置からのものであり得る。例えば、ピリジニル(またはピリジル)は、2-ピリジニル(またはピリジン-2-イル)、3-ピリジニル(またはピリジン-3-イル)または4-ピリジニル(またはピリジン-4-イル)であることができる。
置換されているまたは置換されていてもよい部分が、それを介してそのような部分が置換基と結合する原子を指し示すことなく記述される場合、置換基は、そのような部分において任意の適切な原子を介して結合していてよい。例えば、置換されていてもよい(5から10員の)ヘテロアリールにおいて、ヘテロアリール上の置換基は、原子価が許せば、ヘテロアリール部上のまたはヘテロアリールのヘテロ原子上の任意の炭素原子と結合することができる。置換基および/または変数の組合せは、そのような組合せが安定化合物をもたらす場合にのみ容認できる。
本明細書は、用語「置換基」、「ラジカル」および「基」を交換可能に使用する。
置換基がある群から「独立して選択される」として記述される場合、置換基の各事例は、他から独立に選択される。したがって、各置換基は、他の置換基と同一であってもよく、または異なっていてもよい。
化合物
上述した通りの式Iの化合物は、ピロロ環が、その窒素原子を介して、R4および任意選択のR5置換基で置換されている6員のヘテロアリール(ピリジンまたはピリミジン)に結合された、アザラクタム(2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン)コアを含有する。
一実施形態では、上述した通りの式I中、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C1~C6)アルキルは、1から3個のハロゲンで置換されていてもよい。
別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それぞれメチルである。
別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それぞれエチルである。
別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7の一方は水素であり、他方はメチルである。
別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7の一方はメチルであり、他方はエチルである。
さらに別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する。R6およびR7が一緒になって(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する場合、ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニル、ピロリジニルおよびアザビシクロ[2.2.1]ヘプチルからなる群から選択され得る。
ある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいアゼチジニルである。
ある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいピロリジニルである。
ある特定の他の実施形態では、R1は、(C3~C6)シクロアルキルであり、前記(C3~C6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1~C6)アルキルおよび(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。R1が(C3~C6)シクロアルキルである場合、(C3~C6)シクロアルキルは、シクロプロピルである。
さらに別の実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される(C1~C6)アルキルである。
別の実施形態では、R1は、水素である。
R1の上記で言及した亜属(実施形態)のいずれかを、上記および以下で記述する通りの、R1a、R2、R3、R4、R5、aおよびXの亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式I中、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、R8およびR9の一方は水素であり、他方はメチルである。
別の実施形態では、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、R8およびR9は、いずれも水素である。
ある特定の他の実施形態では、R2は、(4から6員の)ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニルである。
R2の上記で言及した亜属(実施形態)のいずれかを、上記および以下で記述する通りの、R1、R1a、R3、R4、R5、aおよびXの亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式I中、R3は、水素である。
さらに別の実施形態では、上述した通りの式I中、R4は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-N(R10)(R11)、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシ、ハロ(C1~C6)アルコキシおよび-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(5から6員の)ヘテロアリールであり、ここで、nは、0、1または2から選択される整数であり、R10およびR11は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C1~C6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。R4が(5から6員の)ヘテロアリールである場合、ヘテロアリールは、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリルまたはピラゾリルであってよい。
別の実施形態では、R4は、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、-N(R10)(R11)、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシ、ハロ(C1~C6)アルコキシおよび-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から6員の)ヘテロシクロアルキルであり、ここで、nは、0、1または2から選択される整数であり、R10およびR11は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C1~C6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。R4が(4から6員の)ヘテロシクロアルキルである場合、ヘテロシクロアルキルは、オキソ置換基で置換されていてもよいオキサゾリジニルであってよい。
R4の上記で言及した亜属(実施形態)のいずれかを、上記および以下で記述する通りの、R1、R1a、R2、R3、R5、aおよびXの亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
さらに別の実施形態では、上述した通りの式I中、Xは、窒素であり、aは、0である。
別の実施形態では、Xは、炭素であり、aは、1であり、R5は、水素またはハロゲンである。R5がハロゲンである場合、R5は、フッ素原子であることができる。
Xの上記で言及した亜属(実施形態)のいずれかを、上記および以下で記述する通りの、R1、R1a、R2、R3、R4、R5およびaの亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、本発明は、
R1aが、Hであり、
R1が、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、-N(R6)(R7)および(C3~C4)シクロアルキルであり、前記(C3~C4)シクロアルキルが、1個の(C1~C6)アルキルで置換されていてもよく、
R6およびR7が、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、1から3個の(C1~C6)アルキルまたはハロ(C1~C6)アルキルで置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R2が、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、R8およびR9は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
R3が、Hであり、
Xが、炭素であり、
R5が、水素であり、
aが、1であり、
R4が、オキソ、ヒドロキシで置換されていてもよい(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキルおよび-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルから選択される1から3個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、(5員の)ヘテロシクロアルキルまたは(5員の)ヘテロアリールであり、ここで、nは、0または1である、
式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、式Iの化合物
または薬学的に許容できるその塩[式中、
R
1は、水素、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシ、ハロ(C
1~C
6)アルコキシ、-N(R
6)(R
7)および(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキルおよび(C
3~C
6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、(C
1~C
6)アルキルおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
R
6およびR
7は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲン、(C
1~C
6)アルコキシ、シアノおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
6およびR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、前記(C
1~C
6)アルキルおよびハロ(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、(C
1~C
6)アルキルおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
R
1aは、Hであり、
R
2は、CH
2N(R
8)(R
9)であり、ここで、R
8およびR
9は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲン、(C
1~C
6)アルコキシ、シアノおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
8およびR
9は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から6員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、前記(C
1~C
6)アルキルおよびハロ(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
R
3は、Hであり、
Xは、炭素であり、
R
5は、水素であり、
aは、1であり、
R
4は、(4から6員の)ヘテロシクロアルキルまたは(5から10員の)ヘテロアリールであり、前記(4から6員の)ヘテロシクロアルキルおよび(5から10員の)ヘテロアリールは、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシ、-N(R
10)(R
11)、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシ、ハロ(C
1~C
6)アルコキシおよび-(CH
2)
n(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、前記(C
1~C
6)アルキルおよびハロ(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、nは、0、1または2から選択される整数であり、R
10およびR
11は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい]
を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
R1が、(C1~C4)アルキル、CF3、-N(R6)(R7)および(C3~C4)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C3~C4)シクロアルキルが、1個のCH3で置換されていてもよく、
R6およびR7が、水素および(C1~C3)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、1から2個のCH3置換基で置換されていてもよい(4から5員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R2が、CH2N(R8)(R9)であり、ここで、R8が、水素であり、R9が、水素およびCH3からなる群から選択され、
R4が、(5員の)ヘテロシクロアルキルまたは(5員の)ヘテロアリールであり、前記(5員の)ヘテロシクロアルキルが、1,3-オキサゾリジン-3-イルであり、前記(5員の)ヘテロアリールが、1H-ピラゾリルまたはトリアゾリルであり、オキソ、(C1~C5)アルキル、ハロ(C1~C5)アルキルおよび-CH2-シクロプロピルからなる群から選択される1から2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、
式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
R1が、(C1~C4)アルキル、CF3、-N(R6)(R7)および(C3~C4)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C3~C4)シクロアルキルが、1個のCH3で置換されていてもよく、
R6およびR7が、水素および(C1~C3)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、1から2個のCH3置換基で置換されていてもよい(4から5員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R2が、CH2N(R8)(R9)であり、ここで、R8が、水素であり、R9が、水素およびCH3からなる群から選択され、
R4が、(5員の)ヘテロシクロアルキルまたは(5員の)ヘテロアリールであり、前記(5員の)ヘテロシクロアルキルが、1個のCH3、CH2F、CHF2またはCF3で置換されていてもよい2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イルであり、前記(5員の)ヘテロアリールが、(C1~C5)アルキル、ハロ(C1~C5)アルキルおよび-CH2-シクロプロピルからなる群から選択される1から2個の置換基で置換されていてもよい1H-ピラゾリルまたはトリアゾリルである、
式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、R1が、-N(R6)(R7)であり、ここで、R6およびR7が、水素および(C1~C3)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される、式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、R1が、-N(R6)(R7)であり、ここで、R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、アゼチジニルまたはピロリジニルである(4から5員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、前記ヘテロシクロアルキルが、1から2個のCH3置換基で置換されていてもよい、式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
R1が、-N(R6)(R7)および(C3~C4)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C3~C4)シクロアルキルが、1個のCH3で置換されていてもよく、
R6およびR7が、水素および(C1~C3)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、CH3またはハロ(C1)アルキルからなる群から選択される1から2個の置換基で置換されていてもよい(4から5員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R2が、-CH2N(R8)(R9)であり、ここで、R8およびR9が、水素およびCH3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R4が、(5員の)ヘテロシクロアルキルまたは(5員の)ヘテロアリールであり、前記(5員の)ヘテロシクロアルキルが、CH3、CHF2-およびCH2Fからなる群から選択される1個の置換基で置換されていてもよい2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イルであり、前記(5員の)ヘテロアリールが、(C1~C5)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキルおよび-(C4~C5)シクロアルキルからなる群から独立して選択される1から2個の置換基で置換されていてもよい、イミダゾリル、1H-ピラゾリル、チアジアゾリルまたはトリアゾリルであり、前記(C1~C5)アルキルが、1個のヒドロキシで置換されていてもよい、
式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の実施形態では、本発明は、
R1が、-N(R6)(R7)であり、
R6およびR7が、水素および(C1~C3)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択されるか、または
R6およびR7が、それらが結合した窒素と一緒になって、1から2個のCH3で置換されていてもよいピロリジン-1-イルを形成し、
R2が、-CH2N(R8)(R9)であり、ここで、R8およびR9が、水素およびCH3からなる群からそれぞれ独立して選択され、
R4が、CH3-、CH3-CH2-およびCH3-CH2-CH2-からなる群から独立して選択される1から2個の置換基で置換されているトリアゾール-3-イルである、
式Iの化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
式Iの化合物に関する本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩[式中、
R1aは、Hであり、
R3は、Hであり、
aは、1であり、
Xは、炭素であり、
R5は、水素である]は、
によって表される構造を提供し、式中、R
1、R
2およびR
4は、本明細書で定義されている通りである。
別の実施形態では、本発明は、下記の化合物:
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-2-[6-(4-エチル-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2S)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
のいずれか1つもしくは複数、または薬学的に許容できるその塩に向けられる。
別の実施形態では、本発明は、式IIの化合物
または薬学的に許容できるその塩[式中、
R
1は、水素、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシ、ハロ(C
1~C
6)アルコキシ、-N(R
6)(R
7)および(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C
3~C
6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1~C
6)アルキルおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
R
6およびR
7は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
6およびR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2は、
i)-(CH
2)
mN(R
8)(R
9)、ここで、mは、0、1、2または3から選択される整数であり、R
8およびR
9は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
8およびR
9は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から6員の)ヘテロシクロアルキルを形成する、または
ii)(4から6員の)ヘテロシクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい
であり、
R
5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択され、
R
12は、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキルおよび-(CH
2)
n(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択され、ここで、nは、整数0または1である]
に向けられる。
別の実施形態では、上述した通りの式II中、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C1~C6)アルキルは、1から3個のハロゲンで置換されていてもよい。
式IIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、(R6)および(R7)は、それぞれ独立して、メチルである。
式IIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、(R6)および(R7)は、それぞれ独立して、エチルである。
式IIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、(R6)および(R7)の一方は水素であり、他方はメチルである。
式IIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、(R6)および(R7)の一方はメチルであり、他方はエチルである。
式IIのさらに別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する。R6およびR7が一緒になって(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する場合、ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニル、ピロリジニルおよびアザビシクロ[2.2.1]ヘプチルからなる群から選択され得る。
式IIのある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいアゼチジニルである。
式IIのある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいピロリジニルである。
式IIのある特定の他の実施形態では、R1は、(C3~C6)シクロアルキルであり、前記(C3~C6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1~C6)アルキルおよび(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。R1が(C3~C6)シクロアルキルである場合、(C3~C6)シクロアルキルは、シクロプロピルである。
式IIのさらに別の実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される(C1~C6)アルキルである。
式IIの別の実施形態では、R1は、水素である。
R1の上記で言及した亜属(式IIの実施形態)のいずれかを、式IIについて上記および以下で記述する通りの、R2、R5およびR12の亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式II中、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、(R8)および(R9)の一方は水素であり、他方はメチルである。
式IIの別の実施形態では、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、(R8)および(R9)は、いずれも水素である。
式IIのある特定の他の実施形態では、R2は、(4から6員の)ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニルである。
R2の上記で言及した亜属(式IIの実施形態)のいずれかを、式IIの上記および以下で記述する通りの、R1、R5およびR12の亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式II中、R12は、エチル、エチル、プロピル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される(C1~C6)アルキルである。
式IIの別の実施形態では、R12は、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロブタニルおよびトリフルオロペンタニルからなる群から選択されるハロ(C1~C6)アルキルである。
式IIのさらに別の実施形態では、R12は、-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルであり、ここで、nは、1であり、該(C3~C6)シクロアルキルは、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式II-AもしくはII-B:
に示す通りの絶対立体化学を有する、または薬学的に許容できるその塩である[式中、R
1、R
2、R
5およびR
12は、式IIについて定義されている通りである]。
式IIに関して本明細書で記述されている実施形態のそれぞれは、式II-AおよびII-Bの化合物にも適用可能である。
別の実施形態では、本発明は、式IIIの化合物
または薬学的に許容できるその塩[式中、
R
1は、水素、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシ、ハロ(C
1~C
6)アルコキシ、-N(R
6)(R
7)および(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択され、前記(C
3~C
6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1~C
6)アルキルおよび(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよく、
R
6およびR
7は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
6およびR
7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成し、
R
2は、
i)-(CH
2)
mN(R
8)(R
9)、ここで、mは、0、1、2または3から選択される整数であり、R
8およびR
9は、水素および(C
1~C
6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C
1~C
6)アルキルは、ハロゲンおよびヒドロキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいか、またはR
8およびR
9は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から6員の)ヘテロシクロアルキルを形成する、または
ii)(4から6員の)ヘテロシクロアルキル、前記ヘテロシクロアルキルは、ハロゲン、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい
であり、
R
5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキル、(C
1~C
6)アルコキシおよびハロ(C
1~C
6)アルコキシからなる群から選択され、
R
12は、(C
1~C
6)アルキル、ハロ(C
1~C
6)アルキルおよび-(CH
2)
n(C
3~C
6)シクロアルキルからなる群から選択される]
に向けられる。
別の実施形態では、上述した通りの式III中、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、水素および(C1~C6)アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、前記(C1~C6)アルキルは、1から3個のハロゲンで置換されていてもよい。
式IIIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それぞれメチルである。
式IIIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それぞれエチルである。
式IIIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7の一方は水素であり、他方はメチルである。
式IIIの別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7の一方はメチルであり、他方はエチルである。
式IIIのさらに別の実施形態では、R1は、-N(R6)(R7)であり、R6およびR7は、それらが結合した窒素と一緒になって、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する。R6およびR7が一緒になって(4から8員の)ヘテロシクロアルキルを形成する場合、ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニル、ピロリジニルおよびアザビシクロ[2.2.1]ヘプチルからなる群から選択され得る。
式IIIのある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいアゼチジニルである。
式IIIのある特定の実施形態では、R1は、ハロゲン、(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキル、(C1~C6)アルコキシおよびハロ(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよいピロリジニルである。
式IIIのある特定の他の実施形態では、R1は、(C3~C6)シクロアルキルであり、前記(C3~C6)シクロアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1~C6)アルキルおよび(C1~C6)アルコキシからなる群から選択される1から3個の置換基で置換されていてもよい。R1が(C3~C6)シクロアルキルである場合、(C3~C6)シクロアルキルは、シクロプロピルである。
式IIIのさらに別の実施形態では、R1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される(C1~C6)アルキルである。
式IIIの別の実施形態では、R1は、水素である。
R1の上記で言及した亜属(式IIIの実施形態)のいずれかを、式IIIについて上記および以下で記述する通りの、R2、R5およびR12の亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式III中、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、(R8)および(R9)の一方は水素であり、他方はメチルである。
式IIIの別の実施形態では、R2は、-(CH2)mN(R8)(R9)であり、ここで、mは、1であり、R8およびR9は、いずれも水素である。
式IIIのある特定の他の実施形態では、R2は、(4から6員の)ヘテロシクロアルキルであり、該ヘテロシクロアルキルは、アゼチジニルである。
R2の上記で言及した亜属(式IIIの実施形態)のいずれかを、式IIIについて上記および以下で記述する通りの、R1、R5およびR12の亜属のいずれかと一緒に組み合わせることができることを理解されたい。
別の実施形態では、上述した通りの式III中、R12は、エチル、エチル、プロピル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルからなる群から選択される(C1~C6)アルキルである。
式IIIの別の実施形態では、R12は、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロメチル、ジフルオロエチル、トリフルオロメチル、トリフルオロブタニルおよびトリフルオロペンタニルからなる群から選択されるハロ(C1~C6)アルキルである。
式IIIのさらに別の実施形態では、R12は、-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルであり、ここで、nは、1であり、該(C3~C6)シクロアルキルは、シクロプロピルである。
いくつかの実施形態では、式IIIの化合物は、式III-AもしくはIII-B:
に示す通りの絶対立体化学を有する、または薬学的に許容できるその塩である[式中、R
1、R
2、R
5およびR
12は、式IIIについて定義されている通りである]。
式IIIに関して本明細書で記述されている実施形態のそれぞれは、式III-AおよびIII-Bの化合物にも適用可能である。
別の態様では、本発明は、
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(ピロリジン-1-イル)-2-(6-{4-[(2S)-4,4,4-トリフルオロブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-(6-{4-[(2S)-4,4,4-トリフルオロブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
2-{6-[4-(シクロプロピルメチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
2-(6-{4-[(2S)-ブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-2-{6-[4-(シクロプロピルメチル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-(ジメチルアミノ)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジメチルアミノ)-2-{6-[5-(プロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジメチルアミノ)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジメチルアミノ)-2-(6-{4-[(2S)-4,4,4-トリフルオロブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-(6-{4-[(3ξ)-1,1,1-トリフルオロペンタン-3-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-(6-{4-[(3ξ)-1,1,1-トリフルオロペンタン-3-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-2-{5-フルオロ-6-[5-(プロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]ピリジン-2-イル}-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(アゼチジン-1-イル)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[(1s,4s)-7-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-7-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-シクロプロピル-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[(2R,5S)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジエチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジメチルアミノ)-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-シクロプロピル-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(アゼチジン-1-イル)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-[(2R,4S)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジメチルアミノ)-2-{6-[5-(プロパン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(プロパン-2-イル)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-シクロプロピル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-シクロプロピル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(ジエチルアミノ)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-(プロパン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジエチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(アゼチジン-1-イル)-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[エチル(メチル)アミノ]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-メチル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
2-{6-[(4R)-4-(ジフルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-tert-ブチル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-(アミノメチル)-6-tert-ブチル-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-tert-ブチル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[(4S)-4-メチル-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-アミノ-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-tert-ブチル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-(6-{4-[(3ξ)-1,1,1-トリフルオロペンタン-3-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-(トリフルオロメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
6-[(2R,4S)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン;
からなる群から選択される化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。
別の態様では、本発明は、境界も含めて実施例1および53を含む表1で例示されている化合物からなる群から選択される化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。別の態様では、本発明は、本明細書における実施例1から53で例示されている化合物からなる群から選択される化合物、または薬学的に許容できるその塩を提供する。別の態様では、本発明は、本明細書で例示されている任意の1つもしくは複数の化合物、または薬学的に許容できるその塩に関する。
本発明の化合物を、HPK1キナーゼに対する選択性について最適化した。
「医薬組成物」は、活性原料としての、本明細書で記述されている化合物の1つもしくは複数、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物、水和物もしくはプロドラッグと、少なくとも1つの薬学的に許容できる担体または添加剤との混合物を指す。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2つ以上の薬学的に許容できる担体および/または添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの追加の抗がん治療剤をさらに含む。
別の実施形態では、本発明は、本明細書で記述されている式の1つの化合物、または薬学的に許容できるその塩と、薬学的に許容できる担体または添加剤とを含む、医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、2つ以上の薬学的に許容できる担体および/または添加剤を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの追加の抗がん治療剤または苦痛緩和剤をさらに含む。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも1つの追加の作用物質は、後述する通りの抗がん治療剤である。いくつかのそのような実施形態では、組合せは、相加的、相加的よりも大きい、または相乗的抗がん効果を提供する。
一実施形態では、本発明は、それを必要とする対象における、異常な細胞成長の処置のための方法であって、対象に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする対象における、異常な細胞成長の処置のための方法であって、対象に、ある量の本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、ある量の追加の治療剤(例えば、抗がん治療剤)と組み合わせて投与するステップを含み、それらの量が一緒になって前記異常な細胞成長を処置するのに有効である、方法を提供する。
本明細書で提供される方法のいくつもの実施形態では、異常な細胞成長は、がんである。本発明の化合物は、単剤として投与されてもよいし、または他の抗がん治療剤、特に、特定のがんに適切な標準治療の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、提供される方法は、下記の効果:(1)がん細胞増殖を阻害すること、(2)がん細胞浸潤性を阻害すること、(3)がん細胞のアポトーシスを誘発すること、(4)がん細胞転移を阻害すること、(5)血管新生を阻害すること、(6)T細胞応答を強化すること、または(7)抗腫瘍活性の高まりのうちの1つまたは複数をもたらす。
別の態様では、本発明は、ある特定のがん等、対象におけるHPK1キナーゼ活性によって媒介される障害の処置のための方法であって、対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、前記障害を処置するために有効な量で投与するステップを含む、方法を提供する。
別段の指示がない限り、発明化合物への本明細書におけるすべての言及は、その塩、溶媒和物、水和物および複合体への、ならびに、その多形、立体異性体および同位体標識バージョンを含む、その塩の溶媒和物、水和物および複合体への言及を含む。
本発明の化合物は、例えば、本明細書で提供される式の1つの化合物の酸付加塩および塩基付加塩等、薬学的に許容できる塩の形態で存在し得る。本明細書において使用される場合、用語「薬学的に許容できる塩」は、親化合物の生物学的効果および特性を保持する塩を指す。語句「薬学的に許容できる塩」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、本明細書で開示される式の化合物中に存在し得る酸性または塩基性基の塩を含む。
例えば、性質が塩基性である本発明の化合物は、種々の無機および有機酸と多種多様な塩を形成することができる。そのような塩は、動物への投与のために薬学的に許容できるものでなくてはならないが、多くの場合、実際には、最初に本発明の化合物を薬学的に許容できない塩としての反応混合物から単離し、次いで、アルカリ性試薬による処理によって後者を遊離塩基化合物に単に変換して戻し、その後、後者の遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に変換することが望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物を、水性溶媒媒質中またはメタノールもしくはエタノール等の好適な有機溶媒中、実質的に同等の量の選択された鉱酸または有機酸で処理することによって、調製することができる。溶媒の蒸発時に、所望の固体塩が取得される。所望の酸塩は、有機溶媒中の遊離塩基の溶液から、適切な鉱酸または有機酸を溶液に添加することによって、沈殿させることもできる。
非毒性酸付加塩、すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、過リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート)]塩等の薬理学的に許容できるアニオンを含有する塩を形成するそのような塩基性化合物の薬学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用され得る酸。
塩の例は、酢酸塩、アクリル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩(クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩およびメトキシ安息香酸塩等)、重炭酸塩、重硫酸塩、重亜硫酸塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、ブチン-1,4-ジオエート、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、カプロン酸塩、カプリル酸塩、クラブラン酸塩、クエン酸塩、デカン酸塩、二塩酸塩、リン酸二水素塩、エデト酸塩、エジスリエート、エストレート、エシル酸塩、エチルコハク酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキシン-1,6-ジオエート、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、γ-ヒドロキシ酪酸塩、ヨウ化物、イソ酪酸塩、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メタリン酸塩、メタン-スルホン酸塩、メチル硫酸塩、リン酸一水素塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル酪酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フタル酸塩、リン酸塩(phospate)/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、プロパンスルホン酸塩、プロピオン酸塩、プロピオール酸塩、ピロリン酸塩、ピロ硫酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、スベリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、亜硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオドード(triethiodode)および吉草酸塩を含むがこれらに限定されない。
好適な塩の例証的な例は、グリシンおよびアルギニン等のアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級および第三級アミン、ならびにピペリジン、モルホリンおよびピペラジン等の環状アミンに由来する有機塩、ならびに、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩を含む。
アミノ基等の塩基性部分を含む本発明の化合物は、上記で言及した酸に加えて、種々のアミノ酸と薬学的に許容できる塩を形成し得る。
性質が酸性である本発明の化合物は、種々の薬理学的に許容できるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特に、ナトリウムおよびカリウム塩を含む。これらの塩はいずれも従来の技術によって調製される。本発明の薬学的に許容できる塩基塩を調製するために試薬として使用される化学塩基は、本明細書の酸性化合物と非毒性塩基塩を形成するものである。これらの塩は、任意の好適な方法、例えば、アミン(第一級、第二級または第三級)、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物等の無機または有機塩基による遊離酸の処理によって、調製され得る。これらの塩は、対応する酸性化合物を、所望の薬理学的に許容できるカチオンを含有する水溶液で処理し、次いで、得られた溶液を、好ましくは減圧下で蒸発乾固することによって、調製することもできる。代替として、それらは、酸性化合物の低級アルカノール溶液および所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次いで、得られた溶液を、前述と同じ方式で蒸発乾固することによっても調製され得る。いずれの場合も、反応の完全性および所望の最終生成物の最大収率を確実にするために、化学量論的分量の試薬が好ましくは用いられる。
性質が酸性である本発明の化合物の薬学的に許容できる塩基塩を調製するために試薬として使用され得る化学塩基は、そのような化合物と非毒性塩基塩を形成するものである。そのような非毒性塩基塩は、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)およびアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)等の薬理学的に許容できるカチオン、アンモニウム、またはN-メチルグルカミン-(メグルミン)等の水溶性アミン付加塩、ならびに低級アルカノールアンモニウムおよび薬学的に許容できる有機アミンの他の塩基塩に由来するものを含むがこれらに限定されない。
酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩が形成されてもよい。
好適な塩についての総説は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、StahlおよびWermuth著(Wiley-VCH、2002)を参照されたい。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩を作製するための方法は、当業者に公知である。
本発明の塩は、当業者に公知の方法に従って調製することができる。発明化合物の薬学的に許容できる塩は、化合物の溶液および所望の酸または塩基を適宜一緒に混合することによって容易に調製することができる。塩を、溶液から沈殿させ、濾過によって収集してもよいし、または溶媒の蒸発によって回収してもよい。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで変動し得る。
塩基官能基を有する遊離塩基形態の本発明の化合物は、化学量論的過剰の適切な酸で処理することによって酸付加塩に変換され得ることが、当業者には理解されるであろう。本発明の化合物の酸付加塩は、典型的には水性溶媒の存在下、約0℃から100℃の間の温度で、化学量論的過剰の、炭酸カリウムまたは水酸化ナトリウム等の好適な塩基で処理することによって、対応する遊離塩基に再変換され得る。遊離塩基形態は、有機溶媒による抽出等の従来の手段によって、単離され得る。加えて、本発明の化合物の酸付加塩は、塩の示差溶解度、酸の揮発度もしくは酸性度を活用することによって、または、適切に装填されたイオン交換樹脂で処理することによって、交換され得る。例えば、交換は、本発明の化合物の塩と、出発塩の酸成分よりも低いpKのわずかな化学量論的過剰の酸との反応によって影響され得る。この変換は、典型的には、約0℃から該手順のための媒質として使用されている溶媒の沸点の間の温度で行われる。同様の交換は、典型的には遊離塩基形態の仲介を介し、塩基付加塩を用いて可能である。
本発明の化合物は、非溶媒和および溶媒和形態の両方で存在し得る。溶媒または水が密接に結合している場合、複合体は、湿度とは無関係な明確に定義された化学量論を有することになる。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物のように溶媒または水が弱く結合している場合、水/溶媒含有量は、湿度および乾燥条件に依存することになる。そのような場合は、非化学量論が標準となる。用語「溶媒和物」は、本明細書では、本発明の化合物と、1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えばエタノールとを含む、分子複合体を記述するために使用される。用語「水和物」は、溶媒が水である場合に用いられる。本発明に従う薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体で置換されていてよい水和物および溶媒和物、例えば、D2O、d6-アセトン、d6-DMSOを含む。
先述の溶媒和物とは対照的に、薬物および宿主が化学量論または非化学量論量で存在する、クラスレート、薬物宿主包接複合体等の複合体も、本発明の範囲内に含まれる。化学量論または非化学量論量であってよい2つ以上の有機および/または無機成分を含有する薬物の複合体も含まれる。得られた複合体は、イオン化、部分イオン化または非イオン化であってよい。そのような複合体の総説については、J Pharm Sci、64(8)、1269~1288、Haleblian著(1975年8月)を参照されたく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、本明細書で提供される式の化合物のプロドラッグにも関する。故に、それら自体が薬理活性をほとんどまたは全く有さない場合がある本発明の化合物のある特定の誘導体は、患者に投与されると、例えば、加水分解開裂によって、発明化合物に変換され得る。そのような誘導体を、「プロドラッグ」と称する。プロドラッグの使用についてのさらなる情報は、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E B Roche編、American Pharmaceutical Association)において見ることができ、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグは、例えば、発明化合物中に存在する適切な官能基を、例えば「Design of Prodrugs」、H Bundgaard著(Elsevier、1985)において記述される通りの「プロ部分」として当業者に公知の、ある特定の部分で置きかえることによって生成することができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明に従うプロドラッグのいくつかの非限定的な例は、
(i)化合物が、カルボン酸官能基(-COOH)、そのエステルを含有する場合、例えば、水素の(C1~C8)アルキルによる置きかえ、
(ii)化合物が、アルコール官能基(-OH)、そのエーテルを含有する場合、例えば、水素の(C1~C6)アルカノイルオキシメチルによるまたはリン酸エーテル基による置きかえ、および
(iii)化合物が、第一級または第二級アミノ官能基(-NH2または-NHR、ここで、R≠Hである)、そのアミドを含有する場合、例えば、一方または両方の水素の、アミド、カルバメート、尿素、ホスホネート、スルホネート等の好適には代謝的に不安定な基による置きかえ
を含む。
前述の例および他のプロドラッグ型の例に従う置きかえ基(replacement group)のさらなる例は、先述の参考文献において見ることができる。
最後に、ある特定の発明化合物は、それら自体が、発明化合物の他のプロドラッグとして作用し得る。
本明細書で記述されている式の化合物の代謝産物、すなわち、薬物の投与時にインビボで形成される化合物も、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書で提供される式の化合物は、不斉炭素原子を有し得る。本発明の化合物の炭素-炭素結合は、本明細書では、実線(
)を使用して描写され得る。不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、その炭素原子におけるすべての考えられる立体異性体(例えば、特定の鏡像異性体、ラセミ混合物等)が含まれることを指し示すようになっている。不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔のいずれかの使用は、示されている立体異性体のみが含まれるようになっていることを指し示すようになっている。本発明の化合物は、複数の不斉炭素原子を含有し得ることが可能である。それらの化合物において、不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用は、すべての考えられる立体異性体が含まれ、結合した立体中心であるようになっていることを指し示すようになっている。例えば、別段の定めがない限り、本発明の化合物は、鏡像異性体およびジアステレオマーとしてまたはそのラセミ体および混合物として存在し得ることが意図されている。本発明の化合物における1個または複数の不斉炭素原子との結合を描写するための実線の使用および同じ化合物における他の不斉炭素原子との結合を描写するための実線楔または点線楔の使用は、ジアステレオマーの混合物が存在することを指し示すようになっている。
キラル中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、鏡像異性体またはジアステレオマー等の立体異性体として存在し得る。
本明細書の式の化合物の立体異性体は、複数種の異性を呈する化合物を含む本発明の化合物の、シスおよびトランス異性体、(R)および(S)鏡像異性体等の光学異性体、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、アトロプ異性体、配座異性体ならびに互変異性体、ならびに、それらの混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対等)を含み得る。
対イオンが光学活性である酸付加または塩基付加塩、例えば、d-乳酸もしくはl-リジン、またはラセミである該塩、例えば、dl-酒石酸もしくはdl-アルギニンも含まれる。
任意のラセミ体が結晶化する場合、2つの異なる種類の結晶が考えられる。第一の種類は、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する1つの均質な形態の結晶が生成される、上記で言及したラセミ化合物(真のラセミ体)である。第二の種類は、単一の鏡像異性体をそれぞれ含む2つの形態の結晶が等モル量で生成される、ラセミ混合物または集合体である。
本発明の化合物は、互変異性および構造的異性の現象を呈し得る。例えば、化合物は、エノールおよびイミン形態、ならびにケトおよびエナミン形態、ならびに幾何異性体、ならびにそれらの混合物を含む数種の互変異性形態で存在し得る。すべてのそのような互変異性形態は、本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は、溶液中の互変異性セットの混合物として存在する。固体形態では、通常1つの互変異性体が優勢である。1つの互変異性体が記述され得るとしても、本発明は、提供される式の化合物のすべての互変異性体を含む。
加えて、本発明の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)を形成し得る。アトロプ異性体は、分子における単結合周囲の回転が妨げられているか、または分子の他の部分との立体相互作用の結果として大きく減速され、単結合の両端における置換基が非対称である場合に出現する配座立体異性体である。アトロプ異性体の相互変換は、所定の条件下で分離および単離を可能にするために十分遅い。熱的ラセミ化に対するエネルギー障壁は、キラル軸を形成する1つまたは複数の結合の自由回転に対する立体障害によって決定され得る。
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が考えられる。シス/トランス異性体は、当業者に周知である従来の技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶によって分離され得る。
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、または、例えばキラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは超流体臨界(superfluid critical)クロマトグラフィー(SFC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。
代替として、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、好適な光学活性化合物、例えば、アルコールと、または、化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には、酒石酸もしくは1-フェニルエチルアミン等の酸もしくは塩基と、反応させてよい。得られたジアステレオマー混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって分離してよく、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者に周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体に変換してよい。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、0から50%まで、典型的には2から20%までのイソプロパノール、および0から5%までのアルキルアミン、典型的には0.1%のジエチルアミンを含有する炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる、不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを使用して、鏡像異性的に富化された形態で取得され得る。溶離物の濃縮は、富化混合物をもたらす。
立体異性集合体は、当業者に公知である従来の技術によって分離されてよい、例えば、「Stereochemistry of Organic Compounds」、E L Eliel著(Wiley、New York、1994)を参照されたく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で記述されている化合物の鏡像異性体純度は、鏡像体過剰率(ee)の観点から記述され得、これは、試料が1つの鏡像異性体をその他より多くの量で含有する程度を指し示す。ラセミ混合物は、0%のeeを有し、一方、単一の完全に純粋な鏡像異性体は、100%のeeを有する。同様に、ジアステレオマー純度は、ジアステレオマー過剰率(de)の観点から記述され得る。
本発明は、1個または複数の原子が、自然界において通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置きかえられているという事実を除き、提供される式の1つにおいて記載されているものと同一である、同位体標識化合物も含む。
本発明の同位体標識化合物は、概して、当業者に公知である従来の技術によって、または本明細書で記述されているものに類似のプロセスによって、他の場合には用いられる非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を使用して調製され得る。
本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例は、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36Cl等であるがこれらに限定されない、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体を含む。本発明のある特定の同位体標識化合物、例えば3Hおよび14C等の放射性同位体が組み込まれたものは、薬物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち3H、および炭素-14、すなわち14C同位体は、それらの調製の容易さおよび検出性により特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2H等のより重い同位体による置換は、より優れた代謝安定性から生じるある特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増大または必要投薬量の低減をもたらすことができ、故に、いくつかの状況において好ましい場合がある。本発明の同位体標識化合物は、概して、以下のスキームにおいてならびに/または実施例および調製において開示される手順を行うことにより、非同位体標識試薬を同位体標識試薬で代用することによって、調製され得る。
薬学的使用が意図されている本発明の化合物は、結晶性もしくは非結晶性生成物またはそれらの混合物として投与され得る。該化合物は、沈殿、結晶化、フリーズドライ、噴霧乾燥または蒸発乾燥等の方法により、例えば、固体プラグ剤、散剤またはフィルム剤として取得され得る。マイクロ波または無線周波数乾燥をこの目的で使用してよい。
治療方法および使用
本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩を、単独で、または他の治療剤もしくは苦痛緩和剤と組み合わせて投与するステップを含む、治療方法および使用を提供する。
一実施形態では、本発明は、対象における異常な細胞成長の処置のための方法であって、対象に、治療有効量の本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を投与するステップを含む、方法を提供する。いくつもの実施形態では、異常な細胞成長は、がんである。
別の実施形態では、本発明は、対象におけるがんの処置のための方法であって、対象に、ある量の本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、ある量の追加の抗がん治療剤と組み合わせて投与するステップを含み、それらの量が一緒になって前記がんを処置するのに有効である、方法を提供する。
本発明の化合物は、本明細書で記述されている式のいずれかの化合物、または薬学的に許容できるその塩を含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、対象におけるがん細胞増殖を阻害する方法であって、対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、細胞増殖を阻害するために有効な量で投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、対象におけるがん細胞浸潤性を阻害する方法であって、対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、細胞浸潤性を阻害するために有効な量で投与するステップを含む、方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、対象においてがん細胞におけるアポトーシスを誘発する方法であって、対象に、本発明の化合物、または薬学的に許容できるその塩を、アポトーシスを誘発するために有効な量で投与するステップを含む、方法を提供する。
現在開示されている化合物は、HPK1キナーゼの活性を阻害することに使用を見出している。マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼキナーゼ1またはMAP4K1とも称されるHPK1は、Ste20関連セリン/トレオニン(threnonine)キナーゼの胚中心キナーゼサブファミリーのメンバーである。HPK1キナーゼは、MEKKl、MLK3およびTAK1を含むMAP3Kタンパク質をリン酸化するおよび活性化させることによってMAP4Kとして機能して、MAPK Jnkの活性化に至る。
HPK1ポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、当技術分野において公知である(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Huら(1996)Genes Dev.10:2251~2264)。HPK1ポリペプチドは、多様な保存された構造モチーフを含む。HPK1ポリペプチドは、アミノ酸残基23~46からATP結合部位を含むアミノ酸残基17~293に及ぶアミノ末端Ste20様キナーゼドメインを含む。キナーゼドメインに続いて、CrkL、Grb2、HIP-55、Gads、NekおよびCrk等のSH3含有タンパク質のための結合部位として役立つ4つのプロリンリッチ(PR)モチーフがある。4つのPRモチーフは、それぞれアミノ酸残基308~407、394~402、432~443および468~477に及ぶ。HPK1は、TCRまたはBCR刺激に応答してリン酸化および活性化する。PR1およびPR2の間に位置する381位におけるチロシンのTCRおよびBCR誘発性リン酸化は、T細胞におけるSLP-76またはB細胞におけるBLNKとの結合をSLP-76またはBLNK SH2ドメインを介して媒介し、キナーゼの活性化のために要求される。HPK1のC末端において見られるシトロン相同性ドメインは、残基およそ495~800に及び、調節ドメインとして作用し得、高分子相互作用に関与し得る。
現在開示されている化合物は、HPK1と直接結合し、そのキナーゼ活性を阻害する。いくつかの実施形態では、現在開示されている化合物は、SLP76および/またはGadsのHPK1媒介性リン酸化を、低減させる、阻害するまたは別様に低下させる。現在開示されている化合物は、特異的なHPK1阻害剤であってもなくてもよい。特異的なHPK1阻害剤は、HPK1の生物学的活性を、任意の他のタンパク質(例えば、他のセリン/トレオニンキナーゼ)に対する阻害剤の阻害効果よりも統計学的に多い量だけ低減させる。ある特定の実施形態では、現在開示されている化合物は、HPK1のセリン/トレオニンキナーゼ活性を特異的に阻害する。
現在開示されている化合物は、HPK1を阻害するための方法において使用され得る。そのような方法は、HPK1を、有効量の現在開示されている化合物と接触させることを含む。用語「接触させること」は、単離されたHPK1酵素またはHPK1を発現している細胞(例えば、T細胞、B細胞、樹状細胞)と十分近接するほど近くに化合物を入れることを意味し、そのため、化合物は、HPK1と結合し、その活性を阻害することができる。化合物は、インビトロで、または対象への化合物の投与を介してインビボで、HPK1と接触することができる。
インビトロキナーゼアッセイ、SLP76およびGads等のHPK1のリン酸化された標的に特異的な抗体を用いるイムノブロット、または、リン酸化されたSLP7およびGadsへの14-3-3タンパク質の動員、LAT含有マイクロクラスターからのSLP76-Gads-14-3-3複合体の放出またはTもしくはB細胞活性化等のHPK1キナーゼ活性の下流の生物学的効果の測定を含む、HPK1のキナーゼ活性を測定するための当技術分野において公知の任意の方法を使用して、HPK1が阻害されたか否かを決定してよい。
現在開示されている化合物を使用して、HPK1依存性障害(例えば、がん)を処置することができる。本明細書において使用される場合、「HPK1依存性障害」は、病態の発生または維持にHPK1活性が必要な病態である。
現在開示されている化合物は、それを必要とする対象における免疫応答を強化することにも使用を見出している。そのような方法は、有効量の現在開示されている化合物(すなわち、式I、IIもしくはIIIの化合物、または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体)を投与するステップを含む。用語「免疫応答を強化すること」は、抗原に対する任意の免疫原性応答における改善を指す。抗原に対する免疫原性応答における改善の非限定的な例は、樹状細胞の成熟または移動強化、T細胞(例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞)の活性化強化、T細胞(例えば、CD4 T細胞、CD8 T細胞)増殖強化、B細胞増殖強化、T細胞および/またはB細胞の生存増大、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)による抗原提示改善、抗原クリアランス改善、T細胞によるサイトカイン(例えば、インターロイキン-2)の生成における増大、プロスタグランジンE2誘発性免疫抑制に対する抵抗増大、ならびに、CD8 T細胞のプライミングおよび/または細胞溶解活性強化を含む。いくつかの実施形態では、対象におけるCD8 T細胞は、式I、II、IIIの化合物、または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体の投与前と比べて、プライミング、活性化、増殖および/または細胞溶解活性が強化されている。いくつかの実施形態では、CD8 T細胞プライミングは、CD8 T細胞におけるCD44 発現向上および/または細胞溶解活性強化によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、CD8 T細胞活性化は、y-IFN+ CD8 T細胞の頻度向上によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、CD8 T細胞は、抗原特異的T細胞である。
いくつかの実施形態では、対象における抗原提示細胞は、式I、II、IIIの化合物、または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体の投与前と比べて、成熟および活性化が強化されている。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞は、樹状細胞である。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞の成熟は、CD83+樹状細胞の頻度増大によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、抗原提示細胞の活性化は、樹状細胞におけるCD80およびCD86の発現向上によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、対象における、サイトカインIL-10および/またはケモカインIL-8、ネズミKCのヒト相同体の血清レベルは、式I、II、IIIの化合物、または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体の投与前と比べて低減されている。
TCRのエンゲージメントは、TCR誘発性AP-1応答経路の負の調節因子として機能するHPK1活性化に至る。HPK1は、Ser376におけるSLP76(Di Bartoloら(2007)JEM 204:681~691)およびThr254におけるGadsをリン酸化することによってシグナル伝達マイクロクラスターの持続性を低減させることにより、T細胞活性化を負に調節し、これが、リン酸化されたSLP76およびGadsと結合する14-3-3タンパク質の動員につながり、LAT含有マイクロクラスターからSLP76-Gads-14-3-3複合体を放出し、これが、アネルギーおよび枯渇を含むT細胞機能不全につながる(Lasserreら(2011)J Cell Biol 195(5):839~853)と考えられる。免疫機能不全の文脈における用語「機能不全」は、抗原刺激に対する免疫応答性低減の状態を指す。該用語は、抗原認識が起こり得るが、その後に続く免疫応答は感染症または腫瘍成長を制御するために無効である、枯渇および/またはアネルギーの両方の共通要素を含む。
用語「機能不全の」は、本明細書において使用される場合、抗原認識に対する不応性または不応答、具体的には、抗原認識を、増殖、サイトカイン産生(例えば、IL-2、ガンマ-IFN)および/または標的細胞死滅等の下流T細胞エフェクター機能に翻訳する能力の異常も含む。
用語「アネルギー」は、T細胞受容体を経由して送達される不完全なまたは不十分なシグナルから生じる抗原刺激に対する不応答性の状態(例えば、ras活性化の非存在下における細胞内Caの増大)を指す。T細胞アネルギーは、共刺激の非存在下における抗原による刺激時にも生じることができ、共刺激の文脈においても、抗原によるその後の活性化に対して細胞が不応性となることにつながる。不応答状態は、多くの場合、インターロイキン-2の存在によって覆され得る。アネルギー性T細胞は、クローン展開を受けず、かつ/またはエフェクター機能を獲得しない。
用語「枯渇」は、多くの慢性感染症およびがんの最中に出現する持続的なTCRシグナル伝達から生じるT細胞機能不全の状態としてのT細胞枯渇を指す。これは、不完全なまたは欠損したシグナル伝達を経由して生じないという点でアネルギーとは識別されるが、持続的なシグナル伝達とは識別されない。これは、乏しいエフェクター機能、阻害受容体の持続的な発現、および機能性エフェクターまたはメモリーT細胞のものとは異なっている転写状態によって定義される。枯渇は、感染症および腫瘍の最適制御を妨げる。枯渇は、外因性の負調節経路(例えば、免疫調節サイトカイン)および細胞固有の負調節(共刺激)経路(PD-1、B7-H3、B7-H4等)の両方から生じ得る。
「T細胞機能を強化すること」は、T細胞が持続的なもしくは増幅された生物学的機能を有するように誘発する、引き起こすもしくは刺激すること、または消耗したもしくは不活性なT細胞を新しくするもしくは再活性化することを意味する。T細胞機能を強化することの例は、サイトカイン(例えば、ガンマ-インターフェロン、IL-2、IL-12およびTNFa)の分泌増大、増殖増大、介入前のそのようなレベルと比べた抗原応答性(例えば、ウイルス、病原体または腫瘍クリアランス)増大、ならびにグランザイムB等のCD8 T細胞によるエフェクター顆粒産生増大を含む。
したがって、式I、II、IIIの現在開示されている化合物または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体は、T細胞機能不全障害を処置するのに有用である。「T細胞機能不全障害」は、抗原刺激に対する応答性減少によって特徴付けられるT細胞の障害または状態である。特定の実施形態では、T細胞機能不全障害は、HPK1のキナーゼ活性増大に特異的に関連する障害である。別の実施形態では、T細胞機能不全障害は、T細胞がアネルギー性であるか、またはサイトカインを分泌する、増殖するもしくは細胞溶解活性を実行する能力が減少しているものである。具体的な態様では、応答性減少は、免疫原を発現している病原体または腫瘍の無効な制御をもたらす。T細胞機能不全によって特徴付けられるT細胞機能不全障害の例は、未解決の急性感染症、慢性感染症および腫瘍免疫を含む。
故に、現在開示されている化合物は、がんの処置のために腫瘍免疫原性を増大させる等、免疫原性強化が所望される状態を処置する際に使用され得る。「免疫原性(Immunogenecity)」は、免疫応答を促す特定の物質の能力を指す。腫瘍は免疫原性であり、腫瘍免疫原性を強化することは、免疫応答による腫瘍細胞のクリアランスを支援する。
「腫瘍免疫」は、腫瘍が免疫認識およびクリアランスを逃れるプロセスを指す。故に、治療概念として、腫瘍免疫は、そのような回避が減衰すると「処置され」、腫瘍は、免疫系によって認識および攻撃される。腫瘍認識の例は、腫瘍結合、腫瘍縮小および腫瘍クリアランスを含む。
一態様では、本明細書で提供されるのは、それを必要とする対象における、がんの処置のための方法であって、対象に、有効量の式I、II、IIIの化合物、または薬学的に許容できるその塩、プロドラッグ、代謝産物もしくは誘導体を投与するステップを含む、方法である。いくつかの実施形態では、対象は、黒色腫を有する。黒色腫は、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、結腸直腸がんを有する。結腸直腸がんは、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、非小細胞肺がんを有する。非小細胞肺がんは、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、膵臓がんを有する。膵臓がんは、初期段階であっても後期状態であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、血液悪性腫瘍を有する。血液悪性腫瘍は、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、卵巣がんを有する。卵巣がんは、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、乳がんを有する。乳がんは、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、対象は、腎細胞癌を有する。腎細胞癌は、初期段階であっても後期段階であってもよい。いくつかの実施形態では、がんは、T細胞浸潤のレベル向上を有する。
いくつかの実施形態では、処置は、処置の休止後の対象において持続的な奏効をもたらす。「持続的な奏効」は、処置の休止後に腫瘍成長を低減させることに対する持続的な効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、投与相の開始時のサイズと比較して、同じまたはより小さいままであり得る。
本明細書で開示される処置方法は、部分または完全奏効をもたらし得る。本明細書において使用される場合、「完全奏効」または「CR」は、すべての標的病変の消失を指し、「部分奏功」または「PR」は、ベースラインSLDを参照として取り、標的病変の最長径(SLD)の和における少なくとも30パーセントの減少を指し、「安定疾患」または「SD」は、処置が始まってから最小のSLDを参照として取り、PRに適格となる標的病変の十分な縮小とPDに適格となる十分な増大のいずれも指さない。本明細書において使用される場合、「全奏効率」(ORR)は、完全奏効(CR)率および部分奏功(PR)率の和を指す。
本明細書で開示される処置方法は、HPK1アンタゴニストが投与された対象の無増悪生存および全生存における増大につながり得る。本明細書において使用される場合、「無増悪生存」(PFS)は、処置されている疾患(例えば、がん)が悪化しない、処置の最中および後の時間の長さを指す。無増悪生存は、患者が完全奏効または部分奏功を経験した時間の量、および患者が安定疾患を経験した時間の量を含み得る。
本明細書において使用される場合、「全生存」は、特定の期間の後に生きている可能性が高い対象の群におけるパーセンテージを指す。
本明細書で提供される方法のいくつもの実施形態では、異常な細胞成長は、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられるがんである。本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、対象は、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられるがんを有するとして同定される。
本明細書で提供される方法のいくつもの実施形態では、異常な細胞成長は、がんであり、がんは、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、前立腺がん、肺がん(NSCLC、SCLC、扁平上皮細胞癌または腺癌を含む)、食道がん、頭頸部がん、結腸直腸がん、腎臓がん(RCCを含む)、肝臓がん(HCCを含む)、膵臓がん、胃(stomach)(すなわち、胃(gastric))がんおよび甲状腺がんからなる群から選択される。本明細書で提供される方法のさらなる実施形態では、がんは、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、前立腺がん、肺がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がんおよび胃がんからなる群から選択される。いくつかのそのような実施形態では、がんは、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、がんは、乳がんおよび卵巣がんからなる群から選択される。いくつかのそのような実施形態では、がんは、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる乳がんまたは卵巣がんである。いくつかのそのような実施形態では、がんは、(a)乳がんまたは卵巣がんであり、(b)HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、がんは、卵巣がんである。いくつかのそのような実施形態では、卵巣がんは、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
他の実施形態では、がんは、例えば、ERポジティブ/HRポジティブ乳がん、HER2ネガティブ乳がん;ERポジティブ/HRポジティブ乳がん、HER2ポジティブ乳がん;トリプルネガティブ乳がん(TNBC);または炎症性乳がんを含む、乳がんである。いくつかの実施形態では、乳がんは、内分泌抵抗性乳がん、トラスツズマブ抵抗性乳がん、またはCDK4/CDK6阻害に対する一次または獲得抵抗性を実証している乳がんである。いくつかの実施形態では、乳がんは、進行性または転移性乳がんである。前述のそれぞれのいくつかの実施形態では、乳がんは、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、第一選択療法として投与される。他の実施形態では、本発明の化合物は、第二(後の)選択療法として投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、内分泌治療剤および/またはCDK4/CDK6阻害剤による処置後に、第二(後の)選択療法として投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、内分泌治療剤による処置後に、第二(後の)選択療法として投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、CDK4/CDK6阻害剤による処置後に、第二(後の)選択療法として投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、例えば、タキサンまたは白金剤を含む1つまたは複数の化学療法レジメンによる処置後に、第二(後の)選択療法として投与される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物は、HER2標的剤、例えば、トラスツズマブによる処置後に、第二(後の)選択療法として投与される。
用語「異常な細胞成長」および「過剰増殖性障害」は、本出願において交換可能に使用される。
「異常な細胞成長」は、本明細書において使用される場合、別段の指示がない限り、正常な調節機構とは無関係な細胞成長を指す(例えば、接触阻害の喪失)。異常な細胞成長は、良性(非がん性)または悪性(がん性)であり得る。
異常な細胞成長は、(1)HPK1キナーゼの発現増大を示す腫瘍細胞(腫瘍)、(2)異常なHPK1キナーゼによって増殖する腫瘍、(3)HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる腫瘍、および(4)内分泌療法、HER2アンタゴニストまたはCDK4/6阻害に対して抵抗性である腫瘍の、異常な成長を含む。
用語「追加の抗がん治療剤」は、本明細書において使用される場合、がんの処置において使用されるまたは使用され得る、本発明の化合物以外の任意の1つまたは複数の治療剤、例を挙げると、下記のクラス:分裂阻害剤、アルキル化剤、代謝拮抗物質、抗腫瘍性抗生物質、トポイソメラーゼIおよびII阻害剤、植物アルカロイド、ホルモン剤およびアンタゴニスト、成長因子阻害剤、放射線、タンパク質チロシンキナーゼおよび/またはセリン/トレオニンキナーゼの阻害剤、細胞周期阻害剤、生物学的応答修飾物質、酵素阻害剤、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド誘導体、細胞毒性物質ならびに免疫腫瘍学剤(immuno-oncology agent)に由来する作用物質を意味する。
本明細書において使用される場合、「がん」は、異常な細胞成長によって引き起こされる任意の悪性および/または侵襲的成長または腫瘍を指す。がんは、それらを形成する細胞の種類に因んで命名された固形腫瘍、血液のがん、骨髄またはリンパ系を含む。固形腫瘍の例は、肉腫および癌腫を含む。血液のがんは、白血病、リンパ腫および骨髄腫を含むがこれらに限定されない。がんは、体内の特異的部位を起源とする原発性がん、それが始まった場所から体の他の部分へ広がった転移性がん、寛解後の最初の原発性がんからの再発、および後のものとは種類が異なる過去のがんの履歴を持つ人物における新たな原発性がんである二次原発性がんも含む。
本明細書で提供される方法のいくつかの実施形態では、がんは、乳がん、卵巣がん、膀胱がん、子宮がん、前立腺がん、肺がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がんおよび胃がんからなる群から選択される。いくつかのそのような実施形態では、がんは、HPK1キナーゼの増幅または過剰発現によって特徴付けられる。
剤形およびレジメン
本発明の化合物の投与は、化合物の作用部位への送達を可能にする任意の方法によって達成され得る。これらの方法は、経口ルート、十二指腸内ルート、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、血管内または注入を含む)、局所および経直腸投与を含む。
投薬レジメンは、最適な所望の応答を提供するように調整され得る。例えば、単回ボーラスが投与されてよく、数回の分割用量が経時的に投与されてよく、または用量は、治療状況の緊急事態によって指し示されるように比例的に低減もしくは増大されてよい。投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、非経口組成物を投薬量単位形態で製剤化することが、とりわけ有利である。投薬量単位形態は、本明細書において使用される場合、処置される哺乳動物対象のための単位投薬量として適した物理的に不連続な単位を指し、各単位は、要求される医薬担体と一緒に所望の治療効果を生成するように算出された所定分量の活性化合物を含有する。本発明の投薬量単位形態についての仕様は、(a)化学療法剤の独自の特徴および実現されるべき特定の治療または予防効果、ならびに(b)個体における感受性の処置のためにそのような活性化合物を化合物化する技術分野に固有の限定によって決定付けられ、それらに直接依存する。
故に、当業者ならば、本明細書で提供される開示に基づき、用量および投薬レジメンは、治療技術分野において周知の方法に従って調整されることが分かるであろう。すなわち、最大耐量を容易に確立することができ、患者に検出可能な治療的利益を提供するために各作用物質を投与するための一時的な要求のように、患者に検出可能な治療的利益を提供する有効量も決定され得る。したがって、ある特定の用量および投与レジメンが本明細書で例示されるが、これらの例は、本発明を実践する際に患者に提供され得る用量および投与レジメンを何ら限定するものではない。
投薬量値は、緩和されるべき状態の種類および重症度に伴って変動し得、単回または複数回用量を含み得ることに留意されたい。任意の特定の対象について、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性ならびに組成物を投与するまたはその投与を監督する人物の専門的判定に従って経時的に調整されるべきであること、ならびに、本明細書で明記されている投薬量範囲は、例示的なものに過ぎず、特許請求されている組成物の範囲または実践を限定することを意図しないことも、さらに理解されたい。例えば、用量は、毒性効果および/または検査値等の臨床効果を含み得る、薬物動態または薬力学的パラメーターに基づいて調整されてよい。故に、本発明は、当業者によって決定される通りの患者内の用量漸増を包括する。化学療法剤の適切な投薬量および投与のためのレジメンを決定することは、関連技術分野において周知であり、本明細書において開示される教示がいったん提供されれば、包括されることが当業者には理解されるであろう。
投与される本発明の化合物の量は、処置されている対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の体内動態および処方医師の裁量に依存することになる。しかしながら、有効な投薬量は、単回または分割用量で、1日当たり体重1kgにつき約0.001から約100mg、好ましくは約1から約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトでは、これは、約0.05から約7g/日、好ましくは約0.1から約2.5g/日の量になるであろう。いくつかの事例において、前記の範囲の下限に満たない投薬量レベルで十分すぎる場合があり、一方、他の場合では、いかなる有害な副作用も引き起こすことなくさらに大きい用量が用いられてよく、ただし、そのようなより大きい用量は、1日を通した投与のためにいくつかの小用量に最初に分割される。
製剤および投与ルート
本明細書において使用される場合、「薬学的に許容できる担体」は、有機体に対して重大な刺激を引き起こさず、投与される化合物の生物学的活性および特性を抑止しない、担体または賦形剤を指す。
薬学的に許容できる担体は、任意の従来の医薬担体または添加剤を含み得る。担体および/または添加剤の選択は、特定の投与モード、溶解度および安定性に対する担体または添加剤の効果、ならびに剤形の性質等の要因にかなりの程度まで依存することになる。
好適な医薬担体は、不活性賦形剤または充填剤、水および種々の有機溶媒(水和物および溶媒和物等)を含む。医薬組成物は、所望ならば、香味剤、結合剤、添加剤等の追加の原料を含有し得る。故に、経口投与では、クエン酸等の種々の添加剤を含有する錠剤を、デンプン、アルギン酸およびある特定の複合ケイ酸塩等の種々の崩壊剤と、ならびにスクロース、ゼラチンおよびアカシア等の結合剤と一緒に用いてよい。添加剤の例は、限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖および各種のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油ならびにポリエチレングリコールを含む。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルク等の滑沢剤は、多くの場合、錠剤化目的のために有用である。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル剤においても用いられ得る。したがって、材料の非限定的な例は、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールを含む。水性懸濁液またはエリキシル剤が経口投与のために所望される場合、その中の活性化合物を、種々の甘味もしくは香味剤、着色物質または染料、および所望ならば、乳化剤または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはそれらの組合せ等の賦形剤と一緒に組み合わせてよい。
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、持続放出製剤、溶液懸濁剤として経口投与に、滅菌液剤、懸濁剤もしくは乳剤として非経口注射に、軟膏剤もしくはクリーム剤として局所投与に、または坐剤として経直腸投与に好適な形態であってよい。
例示的な非経口投与形態は、滅菌水溶液、例えば、プロピレングリコール水溶液またはデキストロース溶液中の活性化合物の溶液または懸濁液を含む。そのような剤形は、所望ならば、好適に緩衝されていてよい。
医薬組成物は、正確な投薬量の単回投与に好適な単位剤形であってよい。
本発明の化合物の送達に好適な医薬組成物およびそれらの調製のための方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような組成物およびそれらの調製のための方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)において見ることができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明の化合物は、経口的に投与され得る。経口投与は、化合物が胃腸管に入るような嚥下を伴い得るか、または、化合物が口から直接血流に入る口腔もしくは舌下投与が用いられ得る。
経口投与に好適な製剤は、錠剤、微粒子、液体または粉末を含有するカプセル剤等の固体製剤、キャンディー剤(液体充填剤を含む)、チュアブル錠、マルチおよびナノ微粒子、ゲル剤、固体液剤、リポソーム剤、フィルム剤(粘膜接着剤を含む)、オビュール剤、スプレー剤ならびに液体製剤を含む。
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。そのような製剤は、軟または硬カプセル剤において充填剤として使用されてよく、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロースまたは好適な油、ならびに1つまたは複数の乳化剤および/もしくは懸濁化剤を含む。液体製剤は、例えばサシェからの固体の再構成によって調製してもよい。
本発明の化合物は、Expert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981~986、LiangおよびChen著(2001)において記述されているもの等の速溶性、速崩壊性の剤形で使用されてもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
錠剤剤形では、用量に応じて、薬物は、剤形の1wt%から80wt%まで、より典型的には、剤形の5wt%から60wt%までを占めてよい。薬物に加えて、錠剤は、概して、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。概して、崩壊剤は、剤形の1wt%から25wt%まで、好ましくは5wt%から20wt%までを構成することになる。
結合剤は、概して、錠剤製剤に粘着性の品質を付与するために使用される。好適な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥した一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよびリン酸水素カルシウム二水和物等の賦形剤も含有し得る。
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80等の表面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルク等の流動促進剤も含んでいてもよい。存在する場合、表面活性剤は、典型的には、錠剤の0.2wt%から5wt%までの量であり、流動促進剤は、典型的には、錠剤の0.2wt%から1wt%までである。
錠剤は、概して、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物等の滑沢剤も含有する。滑沢剤は、概して、錠剤の0.25wt%から10wt%まで、好ましくは0.5wt%から3wt%までの量で存在する。
他の従来の原料は、酸化防止剤、着色剤、香味剤、保存剤および矯味剤を含む。
例示的な錠剤は、最大約80wt%の薬物、約10wt%から約90wt%までの結合剤、約0wt%から約85wt%までの賦形剤、約2wt%から約10wt%までの崩壊剤、および約0.25wt%から約10wt%までの滑沢剤を含有する。
錠剤混和物は、直接またはローラーによって圧縮されて、錠剤を形成し得る。錠剤混和物または混和物の一部を、代替として、錠剤化前に、湿式、乾式もしくは溶融顆粒化、溶融凝固、または押出してよい。最終製剤は、1つまたは複数の層を含んでよく、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよく、またはカプセル化されていてもよい。
錠剤の製剤化は、「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1」、H.LiebermanおよびL.Lachman著、Marcel Dekker、N.Y.、N.Y.、1980(ISBN 0-8247-6918-X)において詳細に論じられており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
経口投与のための固体製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。
好適な調節放出製剤は、米国特許第6,106,864号において記述されている。高エネルギー分散ならびに浸透性および被覆粒子等の他の好適な放出テクノロジーの詳細は、Vermaら、Pharmaceutical Technology On-line、25(2)、1~14(2001)において見ることができる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298において記述されている。これらの参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
非経口投与
本発明の化合物は、血流に、筋肉に、または内臓器官に直接投与されてもよい。非経口投与に好適な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下を含む。非経口投与に好適なデバイスは、針(顕微針を含む)注射器、無針注射器および注入技術を含む。
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤等の添加剤を(好ましくは3から9のpHまで)含有し得る水溶液であるが、いくつかの用途では、滅菌非水溶液としてまたは滅菌パイロジェンフリー水等の好適なビヒクルと併せて使用するための乾燥形態として、より好適に製剤化され得る。
滅菌条件下、例えば凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者に周知である標準的な薬学技術を使用して、容易に遂行され得る。
非経口溶液の調製において使用される本発明の化合物の溶解度は、溶解度増強剤の組み込み等の適切な製剤化技術の使用によって増大し得る。
非経口投与のための製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。故に、本発明の化合物は、活性化合物の調節放出を提供する埋め込みデポー剤としての投与のために、固体、半固体または揺変性液体として製剤化され得る。そのような製剤の例は、薬物コーティングしたステントおよびPGLAマイクロスフィアを含む。
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に局所的に、すなわち、真皮にまたは経皮的に投与されてもよい。この目的のための典型的な製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、撒布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚パッチ剤、ウエハー剤、移植片、スポンジ、繊維、絆創膏およびマイクロ乳剤を含む。リポソーム剤を使用してもよい。典型的な担体は、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを含む。浸透促進剤を組み込んでよく、例えば、J Pharm Sci、88(10)、955~958、FinninおよびMorgan著(1999年10月)を参照されたい。局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび顕微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)等)注射による送達を含む。これらの参考文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
局所投与のための製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。
本発明の化合物は、鼻腔内にまたは吸入によって、典型的には乾燥粉末吸入器から乾燥粉末(単独で、混合物として、例えば、ラクトースとの乾式混和物で、または例えばホスファチジルコリン等のリン脂質と混合された混合成分粒子としてのいずれか)の形態で、または、加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器(好ましくは電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器)もしくはネブライザーからエアゾールスプレーとして、1,1,1,2-テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン等の好適な推進剤を使用してもしくは使用せずに、投与することもできる。鼻腔内使用では、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含み得る。
加圧コンテナ、ポンプ、スプレー、噴霧器またはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または活性物の分散、可溶化もしくは延長放出のための好適な代替剤、溶媒としての推進剤、ならびにソルビタントリオレエート、オレイン酸またはオリゴ乳酸等の任意選択の界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末または懸濁液製剤における使用の前に、薬物製品は、吸入による送達に好適なサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉化される。これは、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体処理、高圧均質化または噴霧乾燥等の任意の適切な破砕方法によって実現され得る。
吸入器または注入器において使用するための、カプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMC製)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプン等の好適な散剤基剤、およびl-ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウム等の性能調節剤の、混合粉体を含有するように製剤化され得る。ラクトースは、無水物、または一水和物の形態であってよく、好ましくは後者である。他の好適な添加剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを含む。
電気流体力学を使用して霧状ミストを生成する噴霧器において使用するための好適な溶液製剤は、作動毎に1μgから20mgまでの本発明の化合物を含有し得、作動体積は、1μLから100μLまで変動し得る。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含む。プロピレングリコールの代わりに使用され得る代替溶媒は、グリセロールおよびポリエチレングリコールを含む。
メントールおよびレボメントール等の好適な香味剤、またはサッカリンもしくはサッカリンナトリウム等の甘味料が、吸入/鼻腔内投与が意図されている本発明の製剤に添加され得る。
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えば、ポリ(DL-乳酸-コグリコール酸(PGLA)を使用して、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。
乾燥粉末吸入器およびエアゾールの場合、投薬量単位は、計量された量を送達する弁を利用して決定される。本発明に従う単位は、典型的には、計量用量、または所望量(mount)の本発明の化合物を含有する「パフ」を投与するように整えられる。総日用量は、単回用量で、または、さらに通例は、1日を通しての分割用量として、投与され得る。
本発明の化合物は、経直腸的にまたは腟内に、例えば、坐剤、ペッサリーまたはかん腸剤の形態で投与され得る。ココアバターは慣習的な坐剤基剤であるが、種々の代替物を適宜使用してよい。
経直腸/膣内投与のための製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。
本発明の化合物は、典型的には、等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の微粒化懸濁液または溶液の滴の形態で、目または耳に直接投与されてもよい。眼内および耳内投与に好適な他の製剤は、軟膏剤、生物分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生物分解性(例えば、シリコーン)移植片、ウエハー剤、レンズおよび微粒子、またはニオソームもしくはリポソーム等の小胞系を含む。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースもしくはメチルセルロース、またはヘテロ多糖ポリマー、例えば、ジェラン(gelan)ガム等のポリマーが、塩化ベンザルコニウム等の保存剤と一緒に組み込まれ得る。そのような製剤は、イオントフォレーシスによって送達されてもよい。
眼内/耳内投与のための製剤は、即時および/または調節放出となるように製剤化され得る。調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的またはプログラム放出を含む。
他のテクノロジー
本発明の化合物を、先述の投与モードのいずれかにおいて使用するために、それらの溶解度、溶解速度、矯味性、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を改善するため、シクロデキストリンおよびその好適な誘導体またはポリエチレングリコール含有ポリマー等の可溶性の高分子実体と組み合わせてよい。
例えば、薬物-シクロデキストリン複合体は、ほとんどの剤形および投与ルートに概して有用であることが分かっている。包接および非包接複合体の両方が使用され得る。薬物との直接複合体形成の代替として、シクロデキストリンは、補助添加物として、すなわち、担体、賦形剤または可溶化剤として使用され得る。これらの目的のために最も一般的に使用されるのは、アルファ-、ベータ-およびガンマ-シクロデキストリンであり、その例は、PCT公開第WO91/11172号、同第WO94/02518号および同第WO98/55148号において見ることができ、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
投薬量
投与される活性化合物の量は、処置されている対象、障害または状態の重症度、投与速度、化合物の体内動態および処方医師の裁量に依存することになる。しかしながら、有効な投薬量は、典型的には、単回または分割用量で、1日当たり体重1kgにつき約0.001から約100mg、好ましくは約0.01から約35mg/kg/日の範囲内である。70kgのヒトでは、これは、約0.07から約7000mg/日、好ましくは約0.7から約2500mg/日の量になるであろう。いくつかの事例において、前記の範囲の下限に満たない投薬量レベルで十分すぎる場合があり、一方、他の場合では、いかなる有害な副作用も引き起こすことなくさらに大きい用量が用いられてよく、ただし、そのようなより大きい用量は、典型的には、1日を通した投与のためにいくつかのより小さい用量に分割される。
パーツのキット
例えば、特定の疾患または状態を処置する目的で、活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合があるという理由で、そのうちの少なくとも1つが本発明に従う化合物を含有する2つ以上の医薬組成物を、好都合に、組成物の共投与に好適なキットの形態で組み合わせてよいことは、本発明の範囲内である。故に、本発明のキットは、そのうちの少なくとも1つが本発明の化合物を含有する2つ以上の別個の医薬組成物と、コンテナ、分割されたボトルまたは分割されたホイル小包等の前記組成物を別個に保持するための手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤等の包装に使用される家庭用ブリスターパックである。
本発明のキットは、異なる剤形、例えば、経口および非経口剤形を投与するため、別個の組成物を異なる投薬間隔で投与するため、または別個の組成物を互いに対して滴定するために、特に好適である。服薬遵守を補助するために、キットは、典型的には、投与指示書を含み、記憶補助を備えていてよい。
併用療法
本明細書において使用される場合、用語「併用療法」は、少なくとも1つの追加の医薬作用物質または薬用剤(例えば、抗がん剤)と一緒にした、本発明の化合物の、順次にまたは同時にのいずれかでの投与を指す。
上記で注記した通り、本発明の化合物は、1つまたは複数の追加の抗がん剤と組み合わせて使用され得る。ある特定の腫瘍における本発明の化合物の効能は、他の承認されたまたは実験的ながん療法、例えば、放射線、手術、化学療法剤、標的化療法、腫瘍において調節不全である他のシグナル伝達経路を阻害する作用物質、ならびにPD-1アンタゴニスト等の他の免疫増強剤との組合せによって強化され得る。
併用療法が使用される場合、1つまたは複数の追加の抗がん剤が、本発明の化合物と順次にまたは同時に投与され得る。一実施形態では、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与の前に、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される。別の実施形態では、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与の後に、哺乳動物に投与される。別の実施形態では、追加の抗がん剤は、本発明の化合物の投与と同時に、哺乳動物(例えば、ヒト)に投与される。
本発明は、ある量の、上記で定義されている通りの本発明の化合物(前記化合物の水和物、溶媒和物および多形、または薬学的に許容できるその塩を含む)を、1つまたは複数の(好ましくは1から3つの)抗がん治療剤と組み合わせて含む、ヒトを含む哺乳動物における異常な細胞成長の処置のための医薬組成物にも関する。
特定の実施形態では、本発明の化合物は、1つまたは複数の、標的剤、例を挙げると、PI3キナーゼ、mTOR、PARP、IDO、TDO、ALK、ROS、MEK、VEGF、FLT3、AXL、ROR2、EGFR、FGFR、Src/Abl、RTK/Ras、Myc、Raf、PDGF、AKT、c-Kit、erbB、CDK4/CDK6、CDK5、CDK7、CDK9、SMO、CXCR4、HER2、GLS1、EZH2もしくはHsp90の阻害剤、または免疫調節剤、例を挙げると、PD-1もしくはPD-L1アンタゴニスト、OX40アゴニストまたは4-1BBアゴニストと組み合わせて投与され得る。
他の実施形態では、本発明の化合物は、タモキシフェン、ドセタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カペシタビン、ゲムシタビン、ビノレルビン、エキセメスタン、レトロゾール、フルベストラント、アナストロゾールまたはトラスツズマブ等の標準治療の薬剤と組み合わせて投与され得る。
合成方法
式I、IIおよびIIIの化合物は、有機化学分野において公知の合成方法、または当業者によく知られている修飾および転換と一緒になった、後述する方法によって調製され得る。本明細書で使用される出発材料は、市販されているか、または当技術分野において公知の日常的方法[Compendium of Organic Synthetic Methods、第I~XIII巻(Wiley-Interscience刊行)等の標準的な参考図書において開示されている方法等]によって調製され得る。好ましい方法は、後述するものを含むがこれらに限定されない。
下記の合成シーケンスのいずれかの間に、関連する分子のいずれかに対して感受性または反応性基を保護することが必要であるかつ/または望ましい場合がある。これは、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1981;T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1991;ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley&Sons、1999において記述されているもの等の従来の保護基の手段によって実現することができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。
式I、IIおよびIIIの化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩は、本明細書において以下で論じる反応スキームに従って調製することができる。別段の指示がない限り、スキームにおける置換基は、上記の通りに定義される。当業者ならば、R13は、R4がない場合に出現する置換基であることを認識するであろう。R13の非限定的な例は、ヒドロキシで置換されていてもよい(C1~C6)アルキル、ハロ(C1~C6)アルキルおよび-(CH2)n(C3~C6)シクロアルキルを含み、ここで、nは、0または1である。以下のスキームにおけるR13のための(C1~C6)アルキルの非限定的な例は、CH3-、CH3-CH2-およびCH3-CH2-CH2-を含む。
生成物の単離および精製は、通常の技量の化学者に公知である標準的な手順によって遂行される。
スキーム、方法および例において使用される種々の記号、上付き文字および下付き文字は、表現の便宜のために、ならびに/またはスキームにおいてそれらが導入される順序を反映するために使用され、添付の請求項における記号、上付き文字または下付き文字に必ずしも対応することを意図するとは限らないことが、当業者には理解されるであろう。加えて、当業者ならば、多くの場合、これらの化合物は、合成スキームの種々の段階で、結晶化、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィーおよびキラルクロマトグラフィー等であるがこれらに限定されない従来の技術を使用して分離されて単一の鏡像異性体をもたらし得る、混合物および鏡像異性体となることを認識するであろう。スキームは、本発明の化合物を合成する際に有用な方法を代表するものである。それらは、本発明の範囲を何ら制約しない。
本発明の化合物は、本明細書で提供される例示的な手順および当業者に公知であるその修正形態に従って調製される。
実施例全体にわたって、下記の略語が使用される:「Ac」は、アセチルを意味し、「AcO」または「OAc」は、アセトキシを意味し、「ACN」は、アセトニトリルを意味し、「aq」は、水溶液を意味し、「atm」は、気圧を意味し、「BOC」、「Boc」または「boc」は、N-tert-ブトキシカルボニルを意味し、「Bn」は、ベンジルを意味し、「Bu」は、ブチルを意味し、「nBu」は、ノルマルブチルを意味し、「tBu」は、tert-ブチルを意味し、「DBU」は、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エンを意味し、「Cbz」は、ベンジルオキシカルボニルを意味し、「DCM」(CH2Cl2)は、塩化メチレンを意味し、「de」は、ジアステレオマー過剰率を意味し、「DEA」は、ジエチルアミンを意味し、「DIPEA」は、ジイソプロピルエチルアミンを意味し、「DMA」は、N,N-ジメチルアセトアミドを意味し、「DME」は、1,2-ジメトキシエタンを意味し、「DMF」は、N,N-ジメチルホルムアミドを意味し、「DMSO」は、ジメチルスルホキシドを意味し、「EDTA」は、エチレンジアミン四酢酸を意味し、「ee」は、鏡像体過剰率を意味し、「Et」は、エチルを意味し、「EtOAc」は、酢酸エチルを意味し、「EtOH」は、エタノールを意味し、「HOAc」または「AcOH」は、酢酸を意味し、「i-Pr」または「iPr」は、イソプロピルを意味し、「IPA」は、イソプロピルアルコールを意味し、「LAH」は、水素化アルミニウムリチウムを意味し、「LHMDS」は、リチウムヘキサメチルジシラジド(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド)を意味し、「mCPBA」は、メタ-クロロペルオキシ-安息香酸を意味し、「Me」は、メチルを意味し、「MeOH」は、メタノールを意味し、「MS」は、質量分析を意味し、「MTBE」は、メチルtert-ブチルエーテルを意味し、「NCS」は、N-クロロコハク酸イミドを意味し、「Ph」は、フェニルを意味し、「TBHP」は、tert-ブチルヒドロペルオキシドを意味し、「TBME」は、tert-ブチルメチルエーテルを意味し、「TFA」は、トリフルオロ酢酸を意味し、「THF」は、テトラヒドロフランを意味し、「SFC」は、超臨界流体クロマトグラフィーを意味し、「TLC」は、薄層クロマトグラフィーを意味し、「Rf」は、保持因子を意味し、「~」は、およそを意味し、「rt」は、保持時間を意味し、「h」は、時間を意味し、「min」は、分を意味し、「equiv」は、当量を意味し、「sat.」は、飽和を意味する。
合成中間体の調製
中間体1:2-ブロモ-6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン
ステップ1:6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(1a)
メタノール(120mL)中のメチル6-ブロモ-2-ピリジンカルボキシレート(16.0g、74.0mmol)の溶液に、ヒドラジン一水和物(5.23g、88.8mmol、85%)を添加し、混合物を周囲温度で16時間にわたって撹拌した。結果として生じた溶液をおよそ半分の体積に濃縮し、次いで、40mLのメチルtert-ブチルエーテルを添加し、10分間にわたって撹拌することによって、粉砕した。結果として生じた白色固体を濾過し、真空下で乾燥させて、表題化合物(15g、94%)を提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.82 (br. s., 1H), 8.13 (dd, J=0.9, 7.5 Hz, 1H), 7.76 - 7.71 (m,
1H), 7.64 (dd, J=0.9, 8.0 Hz, 1H), 4.08 (br. s., 2H). (C
6H
6BrN
3O)のm/z (ESI) 217.5 (M+H)
+
ステップ2:N’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(1b)
ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(80mL)中の6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(1a)(15.0g、69.4mmol)の溶液を、80℃で16時間にわたって撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮して、残留物を得た。メチルtert-ブチルエーテル(60mL)をこの残留物に添加し、これを40分間にわたって撹拌し、結果として生じた黄色固体を濾過し、乾燥させて、表題化合物(16g、85%)を提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.74 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 8.01 - 7.97 (m, 1H), 7.91 (t, J=7.7
Hz, 1H), 7.80 (dd, J=1.0, 7.8 Hz, 1H), 2.84 (s, 6H). (C
9H
11BrN
4O)のm/z (ESI) 272.7 (M+H)
+
ステップ3:2-ブロモ-6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン(中間体1)
N’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(1b)(16.0g、59.0mmol)およびイソ-プロピルアミン(12.0g、200mmol)を、酢酸(33mL)およびアセトニトリル(130mL)に溶解した。発煙が収まったのを観察した後、結果として生じた溶液を95℃で16時間にわたって撹拌した。反応混合物を別のバッチのこの反応物(5gスケール)と合わせ、真空で濃縮した。得られた材料を水(130mL)で希釈し、1N水酸化ナトリウム水溶液(120mL)でpH=7に調整した。次いで、得られた混合物を酢酸エチル(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×130mL)で洗浄し、真空で濃縮した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中0~100%酢酸エチル)を使用して精製して、表題化合物を黄色固体(16.9g、平均収率82%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.42 - 8.34 (m, 1H), 8.28 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.69 (t, J=7.8 Hz,
1H), 7.52 (d, J=7.8 Hz, 1H), 5.57 (spt, J=6.7 Hz, 1H), 1.56 (d, J=6.5 Hz, 6H).
(C
10H
11BrN
4)のm/z (ESI)
268.8 (M+H)
+
中間体2:tert-ブチル((6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート
ステップ1:4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2a)
N-ブロモコハク酸イミド(5.43g、30.5mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(453mg、2.76mmol)を、四塩化炭素(35mL、0.8M)中のメチル2-クロロ-3-メチルピリジン-4-カルボキシレート(5.12g、27.61mmol)の溶液に添加した。得られた混合物を80℃で18時間にわたって加熱した。混合物を室温に冷却し、濾過し、固体を四塩化炭素(10mL)で洗浄した。濾液をDCM(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。水性層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、淡褐色油を得、これをメタノール中7Nアンモニア(39mL、276mmol)に溶解した。反応物を室温で3時間にわたって撹拌させた。溶媒を減圧下で除去した。残留物をDCM(100mL)に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。水性層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体(4.58g、98%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.62 (d, J=4.89 Hz, 1H), 7.75 (d, J=5.01 Hz, 1H), 6.70 (br. s.,
1H), 4.54 (s, 2H). (C
7H
5ClN
2O)のm/z (APCI+) 168.7 (M+H)
+
ステップ2:メチル1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(2b)
100mLの圧力タンク反応器に、4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2a)(787mg、4.67mmol)、メタノール(30mL)、酢酸カリウム(913mg、9.30mol)およびパラジウム-テトラキス(トリフェニルホスフィン)(168mg、0.145mmol)を入れた。ベッセルを一酸化炭素ガス(4バール)で加圧し、反応物を100℃で4時間にわたって加熱した。得られた混合物を濾過し、得られた固体をメタノールで洗浄した。次いで、固体を収集し、乾燥させて、表題化合物を褐色固体(744mg、83%)として得、これを精製することなく使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.13 (s, 1H), 8.87 (d, J=4.77 Hz, 1H), 7.93 (d, J=4.77 Hz, 1H),
4.71 (s, 2H), 3.93 (s, 3H). (C
9H
8N
2O
3)のm/z (APCI+) 193.0 (M+H)
+
ステップ3:2-(tert-ブチル)4-メチル1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2,4-ジカルボキシレート(2c)
トリエチルアミン(0.81mL、5.81mmol)、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.07g、4.65mmol)および4-ジメチルアミンピリジン(48.3mg、0.387mmol)を、DCM(4.0mL、1M)中のメチル1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(2b)(744mg、3.87mmol)の懸濁液に添加した。混合物を室温で4時間にわたって撹拌した。反応物を水(30mL)で希釈し、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中30~100%酢酸エチル)を使用して精製して、表題化合物を淡黄色固体(74mg、66%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.98 (d, J=4.89 Hz, 1H), 8.02 (d, J=4.89 Hz, 1H), 5.21 (s, 2H),
4.11 (s, 3H), 1.65 (s, 9H). (C
14H
16N
2O
5)のm/z (APCI+) 293.3 (M+H)
+
ステップ4:2-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(メトキシカルボニル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン5-オキシド(2d)
尿素-過酸化水素(1.14g、12.1mmol)を、アセトニトリル(38mL、0.15M)中の2-(tert-ブチル)4-メチル1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2,4-ジカルボキシレート2c(1.68g、5.76mmol)の溶液に添加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、トリフルオロ酢酸無水物(1.6mL、11.5mmol)を滴下添加した。得られた混合物を0℃で撹拌し、次いで、室温に加温させ、2時間にわたって撹拌させた。混合物を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液(80mL)でクエンチし、DCM(2×80mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を白色固体(2.23g、125~80重量%純度)として提供した。(C
14H
16N
2O
6)のm/z(APCI+)308.9(M+H)
+
ステップ5:2-(tert-ブチル)4-メチル6-クロロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2,4-ジカルボキシレート(2e)
2,6-ルチジン(0.34mL、2.90mmol)を、DCM(29mL、0.1M)中の2-(tert-ブトキシカルボニル)-4-(メトキシカルボニル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン5-オキシド(2d)(1.05g、2.90mmol)の溶液に0℃で添加し、次いで、オキシ塩化リン(V)(0.54mL、5.79mmol)およびDMF(0.14mL、1.74mmol)を添加した。得られた混合物を0℃で撹拌し、次いで、室温に加温させた。2時間後、LCMSは出発材料のみを示し、オキシ塩化リン(V)(0.32mL、3.47mmol)およびDMF(0.14mL、1.74mmol)を添加し、反応物および混合物を室温で18時間にわたって撹拌させた。反応物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)でクエンチし、DCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中30~100%酢酸エチル)を使用して精製して、表題化合物を白色固体(722mg、76%)として提供した(
1H NMRにより約8%のメチル6-クロロ-2-ホルミル-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレートを含有していた)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.92 (s, 1 H) 5.07 (s, 2 H) 4.00 (s, 3 H) 1.55 (s, 9 H). (C
14H
15ClN
2O
5)のm/z (APCI+) 328.9 (M+H)
+
ステップ6:メチル6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(2f)
ジオキサン中4N HClの溶液(7.0mL、29.0mmol)を、DCM(20mL)およびメタノール(5mL)中の2-(tert-ブチル)4-メチル6-クロロ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2,4-ジカルボキシレート(2e)(722mg、2.21mmol)の溶液に添加した。混合物を室温で3時間にわたって撹拌した。揮発性材料を減圧下で除去し、得られた材料をトルエンと共沸させ、次いで、真空でさらに濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体(520mg、90%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (s, 1 H) 8.04 (s, 1 H) 4.68 (s, 2 H) 3.94 (s, 3 H). (C
9H
7ClN
2O
3)のm/z (APCI+) 226.90 (M+H)
+
ステップ7:6-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2g)
THF中水素化ホウ素リチウムの2.0M溶液(8.8mL、17.7mmol)を、THF(60mL、0.074M)中のメチル6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(2f)(1.0g、3.80mmol)の懸濁液に0℃で添加した。混合物を0℃で1時間にわたって撹拌し、次いで、1N HClの水溶液(0.5mL)でクエンチした。混合物を水(100mL)で希釈し、DCM中20%イソプロパノール(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を白色固体(795mg、91%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.05 (br. s., 1 H) 7.60 (s, 1 H) 5.59 (t, J=5.93 Hz, 1 H) 4.72 (d,
J=5.75 Hz, 2 H) 4.56 (s, 2 H). (C
8H
7ClN
2O
2)のm/z (APCI+) 199.0 (M+H)
+
ステップ8:tert-ブチル((6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート(中間体2)
塩化メタンスルホニル(0.04mL、0.483mmol)を、DCM(6.0mL、0.02M)中の6-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2g)(48.0mg、0.240mmol)の懸濁液に0℃で添加した。得られた混合物を0℃で30分間にわたって撹拌した。THF中メチルアミンの2M溶液(1.21mL、2.42mmol)を添加し、混合物を室温で2時間にわたって撹拌した。揮発性材料を減圧下で除去し、残留物をDCM(6mL)に溶かした。二炭酸ジ-tert-ブチル(66.6mg、0.290mmol)およびトリエチルアミン(0.10mL、0.725mmol)を添加し、混合物を室温で3時間にわたって撹拌した。反応物を水(20mL)で希釈し、DCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中50~100%酢酸エチル)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(40mg、53%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.72 (s, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.54 (br. s., 2H), 2.94 (s, 3H), 1.50
(br. s., 9H). (C
14H
18ClN
3O
3)のm/z (APCI+) 312.0 (M+H)
+.
中間体3:tert-ブチル((6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート
ステップ1:メチル6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(3a)
DMF(2mL)中のジメチルアミン塩酸塩(30.8mg、0.377mmol)トリエチルアミン(0.14mL、1.03mmol)およびメチル6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート2f(77.7mg、0.34mmol)の混合物を、80℃に加熱した。その温度で24時間にわたって撹拌した後、反応は完了していなかった。ジメチルアミン塩酸塩(30.8mg、0.377mmol)およびトリメチルアミン(0.14mL、1.03mmol)を添加し、混合物を80℃で24時間にわたって撹拌させた。揮発性材料を減圧下で除去した。残留物を水(10mL)に溶かし、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(DCM中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物を淡褐色油(35mg、43%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.17 (s, 1 H) 4.71 (s, 2 H) 4.06 (s, 3 H) 3.22 (s, 6 H). (C
11H
13N
3O
3)のm/z (APCI+) 236.0 (M+H)
+
ステップ2:6-(ジメチルアミノ)-4-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(3b)
水素化ホウ素リチウム(0.27mL、0.536mmol、THF中2.0M)を、THF(5.0mL、0.03M)中のメチル6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(3a)(35mg、0.130mmol)の溶液に0℃で添加した。得られた混合物を0℃で撹拌し、次いで、室温に加温させ、18時間にわたって撹拌した。混合物を水(15mL)でクエンチし、DCM中10%メタノール(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体(24mg、78%)として提供し、これを精製することなく使用した。(C
10H
13N
3O
2)のm/z(APCI+)208.1(M+H)
+
ステップ3:tert-ブチル((6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート(中間体3)
DCM(16.0mL)中の6-(ジメチルアミノ)-4-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(3b)(24mg、0.120mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.08mL、0.579mmol)および塩化メタンスルホニル(0.02mL、0.232mmol)を0℃で添加した。混合物を0℃で30分間にわたって撹拌し、THF中メチルアミンの1M溶液(1.2mL、1.16mmol)を添加し、反応物を室温で2時間にわたって撹拌した。揮発性材料を減圧下で除去した。残留物をDCM(10mL)に溶かし、トリエチルアミン(0.08mL、0.579mmol)および二炭酸ジ-tert-ブチル(39.1mg、0.174mmol)を添加した。得られた混合物を室温で18時間にわたって撹拌した。混合物を水(15mL)でクエンチし、DCM中10%メタノール(2×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(DCM中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物を白色泡状物(17mg、46%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.83 (s, 1H), 6.61 - 6.44 (m, 1H), 4.50 (br s, 2H), 4.41 - 4.31 (m,
2H), 3.12 (s, 6H), 2.97 - 2.89 (m, 3H), 1.51 -1.39 (s, 9H). (C
16H
24N
4O
3)のm/z (APCI+) 321.0 (M+H)
+.
代替として、中間体3は次の通りに調製した。
ステップ1:2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(3c)
N
2雰囲気下、メチル2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキシレート(58.0g、281mmol)を投入した3.0Lの丸底フラスコに、N,N-ジメチルアミン(38.1g、845mmol)を0~10℃で添加した。THF(200mL)を添加した。反応温度を0~10℃に維持しながら、i-PrMgClの溶液(THF中2.0M、352mL、704mmol)を3時間かけて添加した。反応物を0℃でさらに10分間にわたって、次いで、25℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を氷浴中で冷却し、反応温度を20℃未満に維持しながら、冷飽和NH
4Cl水溶液(500mL)の添加によってクエンチした。EtOAc(500mL)を添加し、層を分離した。水性層をEtOAc(500mL)で抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。結果として生じた油をヘプタン(200mL)に溶かし、固体が形成されるまでロータリーエバポレーター上で濃縮した。懸濁液を0.5時間にわたって撹拌し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをヘキサン(3×50mL)で洗浄した。濾過ケーキを1:20 EtOAc/石油エーテル(100mL)中でスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを1:20 EtOAc/石油エーテル(3×30mL)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させて、2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(51g、80%収率)を薄黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.49 (d, J=0.7 Hz, 1H), 6.35 (d, J=0.9 Hz, 1H), 3.13 - 3.09 (m,
9H), 2.98 (s, 3H); (C
10H
14ClN
3O)のm/z (ESI+), 227.9 (M+H)
+.
ステップ2:2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-3-ホルミル-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(3d)
この転換は、2つの並行反応で実行した。DMF(250mL)を含有する丸底フラスコに、撹拌しながら、POCl
3(85.9g、560mmol)を15~25℃で添加した。混合物を15~25℃で15分間にわたって撹拌し、次いで、2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(25.5g、112mmol)を添加した。混合物を50℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。2つの反応物を合わせ、次いで、pHおよそ9を維持しながら、冷飽和Na
2CO
3水溶液にゆっくりと注ぎ入れることによって、クエンチした。混合物をEtOAc(4×1.0L)で抽出した。合わせた有機物をブライン(5×600mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、7.5gおよび5.0gの2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミドを用いて同一の方式で実行した2つの追加の反応と合わせた。材料をEtOAc(200mL)に溶かし、20分間にわたってスラリー化した。懸濁液を濾過した。濾過ケーキをEtOAc(2×50mL)で洗浄した。濾過ケーキを1:1 石油エーテル/EtOAc(80mL)中で20分間にわたってスラリー化した。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを1:1 石油エーテル/EtOAc(60mL)で洗浄した。濾過ケーキを真空下で乾燥させた。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物を1:1 石油エーテル/EtOAc(100mL)により30分間にわたってスラリー化した。懸濁液を濾過し、濾過ケーキを1:1 石油エーテル/EtOAc(2×50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。合わせた乾燥固体を石油エーテル(either)(200mL)中で10分間にわたってスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを石油エーテル(100mL)で洗浄し、次いで、真空下で濃縮した。合わせた濾液を真空下でおよそ50mLに濃縮し、2日間にわたって静置させておいた。結果として生じた固体を濾過によって収集し、濾過ケーキを3:2 石油エーテル/EtOAc(2×50mL)で洗浄した。固体を合わせて、2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-3-ホルミル-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(52g、73%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.21 (d, J=0.6 Hz, 1H), 6.28 (d, J=0.6 Hz, 1H), 3.19 (s, 6H), 3.13
(s, 3H), 2.77 (s, 3H); (C
11H
14ClN
3O
2)のm/z (ESI+), 255.9 (M+H)
+.
ステップ3:tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-ホルミルピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3e)
135mLのTHF中のtert-ブチルジメチルカルバメート(3.41g、23.5mmol)およびN,N,N,N-テトラメチレンジアミン(3.27g、28.2mmol)の混合物を、N
2雰囲気下、-55℃に冷却した。s-BuLiの溶液(シクロヘキサン中1.4M、20.1mL、28.2mmoL)を、溶液温度を-52℃(内部)未満に維持しながらゆっくりと添加した。混合物を-55℃にて追加で30分間にわたって撹拌し、次いで、反応温度を-52℃未満に維持しながら、ZnCl
2の溶液(2-メチルテトラヒドロフラン中1.9M、14.8mL、28.2mmol)で処理した。溶液を-55℃にて追加で40分間にわたって撹拌し、次いで、室温に加温して、{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}(クロリド)亜鉛の溶液(c=0.195M)を提供した。予め形成されたジンケート溶液の一部(90.2mL、17.6mmoL)を、N
2雰囲気下、オーブン乾燥した250mLの丸底に移し、濃縮乾固して、白色泡状物を提供した。フラッシュにN
2を再充填した。別個のフラスコに、2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-3-ホルミル-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(3.0g、10mmol)、PdCl
2(dppf)(0.858g、1.17mmol)、1,4-ジオキサン(50mL)およびH
2O(0.159g、8.8mmol)を投入した。懸濁液を、カニューレ挿管を介してジンケートを含有するフラスコに移し、次いで、混合物を80℃で80分間にわたって撹拌した。LCMSは、所望の生成物塊の形成をいくらかの残りの出発材料とともに示した。{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}(クロリド)亜鉛溶液(2.0mL)の追加のアリコートを添加し、混合物を80℃で20分間にわたって撹拌した。追加の変換は観察されなかった。反応物を0℃に冷却し、飽和NH
4Cl水溶液(10mL)およびH
2O(20mL)の添加によってクエンチした。混合物を0℃で20分間にわたって撹拌し、次いで、セライトのパッドに通して濾過した。濾液をEtOAc(4×)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製した。結果として生じた白色泡状物をMTBEで粉砕し、真空下で濃縮して、tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-ホルミルピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3.8g、95%収率)を薄黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.84 (d, J=6.8 Hz, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.71 (s, 2H), 3.15 (s, 6H),
2.99 (s, 3H), 2.90 (s, 3H), 2.75 (s, 3H), 1.33 (d, J=69.8 Hz, 9H); (C
18H
28N
4O
4)のm/z (ESI+), 365.3 (M+H)
+.
ステップ4:tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}ピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3f)
THF(40mL)中のtert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-ホルミルピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3.0g、8.0mmol)および(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(1.2g、9.88mmol)の溶液に、チタン(IV)エトキシド(5.63g、24.7mmol)を添加した。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応物を室温に冷却し、DCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)の添加によってクエンチした。溶液を20分間にわたって激しく撹拌し、次いで、セライトのパッドに通して濾過した。セライトをDCM(3×)で洗浄した。合わせた濾液をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、tert-ブチル{{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}ピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3.89g、97%収率)を無色泡状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.39 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 4.77 - 4.55 (m, 2H), 3.12 (s, 6H), 2.95
(s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.74 (s, 3H), 1.41 (s, 4H), 1.20 (s, 5H), 1.12 (s, 9H);
(C
22H
37N
5O
4S)のm/z (ESI+), 468.4 (M+H)
+
ステップ5:tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート
N
2雰囲気下、tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}ピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3.89、8.32mmol)を投入した丸底フラスコに、THF(42mL)を添加した。混合物を0℃に冷却し、次いで、LiBH
4の溶液(THF中2.0M、4.37mL、8.73mmol)で処理した。混合物を0℃で1時間にわたって撹拌し、次いで、NaOMeの溶液(MeOH中25%、17.1mL、74.9mmol)を同じ温度で添加した。反応物を室温にゆっくりと加温させ、16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに指し示した。混合物をDCMで希釈し、飽和NH
4Cl水溶液およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、中間体3(1.7g、64%収率)を無色泡状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.68 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.23 (s, 2H), 3.06 (s,
6H), 2.86 (s, 3H), 1.36 (m, 9H); LCMS (C
16H
24N
4O
3)のm/z (ESI+), 321.2 (M+H)
+.
中間体4:2-ブロモ-6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン
ステップ1:N’-アセチル-6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(4a)
0℃のDCM(23mL)中の6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(1a)(1.5g、6.94mmol)の溶液に、TEA(1.4mL、10.4mmol)および塩化アセチル(0.56mL、7.8mmol)を添加した。得られた溶液を20℃で58時間にわたって撹拌した。反応物を濃縮乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0~100%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、N’-アセチル-6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジドを白色固体(1.0g、56%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.41 (d, J=1.6 Hz, 1H), 10.02 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.04 (dd, J=7.5,
1.2 Hz, 1H), 7.97 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.91 (dd, J=7.9, 1.2 Hz, 1H), 1.92 (s,
3H); (C
8H
8BrN
3O
2)のm/z (ESI), 257.9 (M+H)+.
ステップ2:2-ブロモ-6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン
DCM(6mL)およびMeCN(6mL)中のN’-アセチル-6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(4a)(240mg、0.93mmol)の溶液に、TEA(0.78mL、5.6mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(195mg、1.0mmol)を添加した。得られた溶液を20℃で5時間にわたって撹拌した。反応物を真空で濃縮し、得られた材料をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0~10%メタノール/DCM)によって精製して、2-ブロモ-6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジンを白色固体(80mg、36%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.18 (d, J=7.6 Hz, 1H), 8.00 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.90 (d, J=8.0 Hz,
1H), 2.63 (s, 3H); (C
8H
6BrN
3O)のm/z (ESI), 241.5 (M+H)
+.
中間体5:2-ブロモ-6-(1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン
HC(OEt)
3(4.0mL)中の6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(carbohydrazinde)(1a)(1.0g、4.63mmol)の溶液を、120℃で18時間にわたって撹拌した。反応物を室温に冷却し、HC(OEt)
3(4.0mL)を添加した。反応物を、140℃で3時間にわたって、次いで、135℃で16時間にわたって、150℃で16時間にわたって、および135℃で19時間にわたって撹拌させた。LCMS分析は、最小限の残りの出発材料を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、中間体5(400mg、38%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.46 (s, 1H), 8.23 (d, J=7.5 Hz, 1H), 8.05 - 7.98 (m, 1H), 7.92 (d,
J=8.0 Hz, 1H); (C
7H
4BrN
3O)のm/z (ESI), 225.8, 227.8 (M+H)
+.
中間体6:2-ブロモ-6-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピリジン
ステップ1:6-ブロモ-N’-ホルミルピリジン-2-カルボヒドラジド(6a)
未希釈のギ酸(3.2g、69.4mmol)を、Ac
2O(5.9g、57.9mmol)に、N
2雰囲気下で添加した。混合物を60℃で1時間にわたって撹拌し、次いで、室温に冷却した。THF(20.0mL)を添加した。溶液を、THF(40mL)中の6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(1a)(5.0g、23.1mmol)の溶液に0℃で移した。混合物を15℃で3時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をDCM(50mL)によりスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをDCM(50mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、6-ブロモ-N’-ホルミルピリジン-2-カルボヒドラジド(6a)(3.7g、65%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.17 (s, 2H), 8.13 - 8.00 (m, 2H), 7.98 - 7.90 (m, 1H), 7.86 (dd,
J=7.9, 1.0 Hz, 1H); (C
7H
6BrN
3O
2)のm/z (ESI), 245.7 (M+H)
+.
ステップ2:2-ブロモ-6-(1,3,4-チアジアゾール-2-イル)ピリジン
キシレン(420mL)中の6-ブロモ-N’-ホルミルピリジン-2-カルボヒドラジド(6a)(4.2g、17.4mmol)の溶液に、五硫化リン(2.3g、10.4mmol)を添加した。混合物を140℃で45分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 石油エーテル/EtOAc)によって精製した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:3 EtOAc/石油エーテル)によって再精製して、中間体6(587mg、14%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.75 (s, 1H), 8.32 (dd, J=7.7, 0.9 Hz, 1H), 8.03 - 7.97 (m, 1H),
7.86 (dd, J=7.9, 0.9 Hz, 1H).; (C
7H
4BrN
3S)のm/z (ESI), 243.8 (M+H)
+.
中間体7:tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート
ステップ1:(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート(7a)
N
2雰囲気下、THF(50.0mL)中の6-クロロ-4-(ヒドロキシメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(2.0g、10.1mmol)およびTEA(3.1mg、30.2mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次いで、MsCl(1.73g、15.1mmol)で滴下処理した。混合物を0℃で2時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を指し示した。反応物をEtOAc(150mL)で希釈した。混合物を、H
2O(50mL)、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)およびブライン(2×50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート(2.0g、72%収率)を灰色固体として提供した。(C
9H
9ClN
2O
4S)のm/z(ESI+),276.9(M+H)
+.
ステップ2:4-(アジドメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(7b)
MeCN(70mL)中の、(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチルメタンスルホネート(2.0g、7.23mmol)、18-クラウン-6(191mg、0.723mmol)およびNaN
3(705mg、10.8mmol)の溶液を10℃で20時間にわたって撹拌した。LMCS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物をH
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機物をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、4-(アジドメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(1.62g、99%超収率)を薄褐色固体として提供した。(C
8H
6ClN
5O)のm/z(ESI+),223.7(M+H)
+.
ステップ3:4-(アミノメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(7c)
THF(40.0mL)およびH
2O(4.0mL)の混合物中の4-(アジドメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(1.62g、7.23mmol)およびPPh
3(2.84mg、10.8mmol)の溶液を、20℃で6時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。HClの溶液(EtOAc中4.0M、50mL)を添加し、混合物をH
2O(2×30mL)で抽出した。合わせた水性層を固体NaHCO
3でpHおよそ8に塩基性化して、4-(アミノメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの水溶液(cおよそ0.12M、60mL)を提供し、これを次のステップに直接持ち越した。
ステップ4:tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート
4-(アミノメチル)-6-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの溶液(NaHCO
3水溶液中0.12M、25mL)に、TEA(620mg、6.03mmol)およびDCM(10mL)を添加した。混合物を10℃に冷却し、Boc
2O(790mg、3.62mmol)を添加した。混合物を15℃で1.5時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。混合物をDCM(50mL)で希釈し、H
2O(25mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDCM(5mL)で希釈した。石油エーテル(15mL)を添加し、混合物を10℃で15分間にわたって撹拌して、懸濁液を提供した。固体を濾過によって収集し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、中間体7(809mg、90%収率)をオフホワイトの固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.08 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.50 (br. t, J=6.0 Hz, 1H), 4.46 (s,
2H), 4.34 (d, J=6.0 Hz, 2H), 1.40 (s, 9H); (C
13H
16ClN
3O
3)のm/z (ESI+), 197.9 (M-Boc+H)
+.
中間体8:tert-ブチルメチル{[6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}カルバメート
ステップ1:エチル3-シアノ-2-ヒドロキシ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(8a)
EtOH(50mL)中の2-シアノアセトアミド(10.0g、119mmol)およびTEA(12.0g、119mmol)の混合物を、固体が溶解するまで65℃(内部)に加熱し、次いで、エチル3-(1-メチルシクロプロピル)-3-オキソプロパノエート(24.6g、124mmol)を添加した。混合物を65℃で2時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:10 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。反応物を10℃に冷却した。結果として生じた沈殿物を濾過によって収集した。濾過ケーキをMTBE(3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。濾液を濃縮乾固した。残留物をEtOH(10mL)で希釈し、MTBE(30mL)を添加した。結果として生じた固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをEtOH(5mL)およびMTBE(2×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。固体を合わせて、エチル3-シアノ-2-ヒドロキシ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(25.0g、85%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 12.74 (br. s, 1H), 6.63 (br. s, 1H), 4.36 (q, J=7.1 Hz, 2H), 1.45 -
1.27 (m, 6H), 1.16 - 1.06 (m, 2H), 0.92 - 0.75 (m, 2H).
ステップ2:エチル2-クロロ-3-シアノ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(8b)
MeCN(487mL)中のエチル3-シアノ-2-ヒドロキシ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(24.0g、97.5mmol)の溶液に、POCl
3(74.7g、487mmol)を30℃で滴下添加した。混合物を65℃で60時間にわたって撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発材料の消費を示した。溶液を濃縮して、残留POCl
3を除去した。残留物を氷上に注ぎ、NaHCO
3でpHおよそ8に塩基性化した。混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(1:10 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、エチル2-クロロ-3-シアノ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(21.9g、85%収率)を薄黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.79 (s, 1H), 4.50 (q, J=7.2 Hz, 2H),
1.55 (s, 3H), 1.50 - 1.40 (m, 5H), 1.03 (q, J=3.9 Hz, 2H); (C
13H
13ClN
2O
2)のm/z (ESI+), 264.9 (M+H)
+.
ステップ3:4-クロロ-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(8c)
EtOH(500mL)中のエチル2-クロロ-3-シアノ-6-(1-メチルシクロプロピル)ピリジン-4-カルボキシレート(2.5g、9.44mmol)の溶液に、ラネーNi(2.0g 34.1mmol)を添加した。黒色混合物を、H
2雰囲気下、30℃、30psiで48時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:10 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。混合物をセライトのパッドに通して濾過した。濾過ケーキをMeOH(250mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をEtOAc(5mL)中で20分間にわたってスラリー化し、懸濁液を濾過した。濾過ケーキをEtOAc(2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、4-クロロ-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(1.1g、52%収率)を灰色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ7.66 (br. s, 1H), 7.23 - 7.05 (m, 1H), 4.56 - 4.34 (m, 2H), 1.55
(br. s, 3H), 1.39 - 1.11 (m, 2H), 0.99 - 0.66 (m, 2H); (C
11H
11ClN
2O)のm/z (ESI+), 222.8 (M+H)
+.
ステップ4:tert-ブチルメチル{[6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}カルバメート
DMF(135mL)中の、4-クロロ-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(1.0g、4.49mmol)、ナトリウム[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]アセテート(1.9g、8.98mmol)、NiCl
2・グライム(197mg、0.898mmol)、ピリジン-2-イル-N-シアノアミジン(131mg、0.898mmol)およびイリジウム(III)ビス[2-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-メチルピリジン-N,C
20]-4,40-ジ-tert-ブチル-2,20-ビピリジンヘキサフルオロホスフェート(22.8mg、0.0225mmol)の混合物を、排気し、N
2(3×)を再充填した。混合物を、流量(8mL/分)下、周囲温度で7時間にわたってファンで冷却しながら、2つの72W紫色LEDストリップで照射した。混合物を、流量(3mL/分)下、16時間にわたってファンで冷却しながら、1つの72W紫色LEDストリップでさらに照射した。反応混合物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(5gのSiO
2、30~80%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、中間体8(856mg、58%収率)をオフホワイトの固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.86 (br. s, 1H), 7.45 (s, 1H), 4.59 - 4.40 (m, 2H), 4.35 (s, 2H),
2.84 (s, 3H), 1.52 (s, 3H), 1.47 - 1.31 (m, 5H), 1.31 - 1.10 (m, 6H), 0.86 -
0.81 (m, 2H); (C
18H
25N
3O
3)のm/z (ESI+), 332.1 (M+H)
+.
中間体9:4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:エチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]ピリジン-4-カルボキシレート(9a)
DMF(3.0mL)中のエチル2,6-ジクロロピリジン-4-カルボキシレート(1.61g、7.34mmol)およびN-メチルエタンアミン(1.30g、22.0mmol)の溶液を、80℃で3時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、エチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]ピリジン-4-カルボキシレート(1.65g、93%収率)を無色油として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.03 (d, J=0.9 Hz, 1H), 6.96 (d, J=0.9 Hz, 1H), 4.39 (q, J=7.1 Hz,
2H), 3.61 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.09 (s, 3H), 1.41 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.19 (t,
J=7.1 Hz, 3H); (C
11H
15ClN
2O
2)のm/z (APCI+), 243.1 (M+H)
+.
ステップ2:エチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-3-ホルミルピリジン-4-カルボキシレート(9b)
DMF(508mg、6.95mmol)に、N
2雰囲気下、POCl
3(800mg、5.22mmol)を添加した。混合物を室温で20分間にわたって撹拌し、次いで、DCM(25.5mL)中のエチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]ピリジン-4-カルボキシレート(1.65g、6.39mmol)の溶液を添加した。混合物を、N
2下、20時間にわたって撹拌還流した。混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液(100mL)にゆっくりと注ぎ入れることによってクエンチした。混合物を10分間にわたって撹拌し、次いで、EtOAc(2×80mL)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(24gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、エチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-3-ホルミルピリジン-4-カルボキシレート(1.51g、82%収率)を淡黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.17 (s, 1H) 6.37 (s, 1H) 4.43 (q, J=7.09 Hz, 2H) 3.67 (br. d,
J=4.03 Hz, 2H) 3.16 (d, J=9.29 Hz, 3H) 1.39 (t, J=7.15 Hz, 3H) 1.23 (t, J=7.09
Hz, 3H); (C
12H
15ClN
2O
3)のm/z (APCI+), 271.1 (M+H)
+.
ステップ3:4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
エチル2-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-3-ホルミルピリジン-4-カルボキシレート(1.33g、4.91mmol)およびNH
3の溶液(MeOH中7.0N、7.01mL、49.1mmol)の混合物を、室温で1時間にわたって撹拌した。混合物を濃縮乾固した。残留物をDCM(10.0mL)に溶解し、TFA(5.59g、49.1mmol)およびEt
3SiH(1.14g、1.57mmol)を添加した。混合物を室温で90分間にわたって撹拌した。反応物を濃縮乾固した。残留物をDCM(100mL)に溶解し、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。水性層をDCMで抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体9(823mg、74%収率)を黄色固体として提供した。1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.82
(s, 1H) 6.41 (br. s, 1H) 4.37 (s, 2H) 3.63 (q, J=7.09 Hz, 2H) 3.10 (s, 3H) 1.19
(t, J=7.09 Hz, 3H); (C
10H
12ClN
3O)のm/z (APCI+), 226.1 (M+H)
+.
中間体10:4-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]ピリジン-4-イル}(ピペリジン-1-イル)メタノン(10a)
DMF(1.5mL)中の(2,6-ジクロロピリジン-4-イル)(ピペリジン-1-イル)メタノン(600mg、2.32mmol)および(2R)-2-メチルピロリジン(591mg、6.95mmol)の溶液を、100℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を室温に冷却し、H
2Oで希釈し、DCM(3×)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(24gのSiO
2、0~20%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]ピリジン-4-イル}(ピペリジン-1-イル)メタノン(664mg、93%収率)を提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.44 (d, J=1.0 Hz, 1H), 6.21 (d, J=1.0
Hz, 1H), 4.12 (q, J=7.1 Hz, 1H), 3.72 - 3.62 (m, 2H), 3.54 (ddd, J=10.5, 7.6,
2.9 Hz, 1H), 3.40 - 3.28 (m, 2H), 2.10 - 2.04 (m, 2H), 1.75 - 1.62 (m, 4H),
1.26 (t, J=7.2 Hz, 1H), 1.21 (d, J=6.3 Hz, 2H); (C
16H
22ClN
3O)のm/z (APCI+), 308.2 (M+H)
+.
ステップ2:2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-カルバルデヒド(10b)
DCM(3.0mL)中のDMF(473mg、6.47mmol)の溶液に、POCl
3(992mg、6.47mmol)を添加した。混合物を10分間にわたって撹拌し、次いで、DCM(3.0mL)中の{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]ピリジン-4-イル}(ピペリジン-1-イル)メタノン(664mg、2.16mmol)の溶液を添加した。混合物を15時間にわたって撹拌還流した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固し、飽和NaHCO
3水溶液(30mL)にゆっくりと注ぎ入れた。混合物をDCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(24gのSiO
2、0~40%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-カルバルデヒド(568mg、78%収率)を提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.07 (s, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.13 - 4.65 (m, 1H), 3.68 - 3.83 (m,
1H), 3.55 - 3.68 (m, 2H), 3.35 - 3.55 (m, 1H), 2.98 - 3.20 (m, 2H), 1.88 - 2.17
(m, 3H), 1.71 - 1.83 (m, 2H), 1.55 - 1.67 (m, 3H), 1.46 - 1.55 (m, 1H), 1.31 -
1.42 (m, 1H), 1.17 - 1.26 (m, 3H); (C
17H
22ClN
3O
2)のm/z (APCI+), 336.1 (M+H)
+.
ステップ3:N-[(E)-{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-イル}メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(10c)
THF(10.0mL)中の、2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-カルバルデヒド(432mg、1.29mmol)、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(187mg、1.54mmol)およびチタン(IV)エトキシド(880mg、3.86mmol)の混合物を、45℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、およそ25%の残りの出発材料を示した。追加のバッチの(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(62.4mg、0.515mmol)、およびチタン(IV)エトキシド(293mg、1.29mmol)を添加し、混合物を50℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を室温に冷却した。混合物をDCMで希釈し、NaHCO
3およびブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、N-[(E)-{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-イル}メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(495mg、88%収率)を白色ガム状物として提供し、これをさらに精製することなく持ち越した。(C
21H
31ClN
4O
2S)のm/z(APCI+),440.2(M+H)
+.
ステップ4:4-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
THF(15.0mL)中のN-[(E)-{2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-イル}メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(495mg、1.13mmol)の溶液を、0℃に冷却し、次いで、LiBH
4の溶液(THF中2.0M、620mL、1.24mmol)を添加した。混合物を0℃で2時間にわたって撹拌し、次いで、NaOMeの溶液(MeOH中25%、2.5mL、10.1mmol)を添加した。反応物を室温に加温させ、次いで、16時間にわたって撹拌した。反応物をDCM(60mL)で希釈し、飽和NH
4Cl水溶液(60mL)およびブライン(60mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(24gのSiO
2、50~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、中間体10(199mg、70%収率)を無色泡状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.68 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 4.35 (s,
2H), 4.21 - 4.14 (m, 1H), 3.58 (ddd, J=10.5, 7.6, 2.8 Hz, 1H), 3.39 (q, J=8.9
Hz, 1H), 2.13 - 1.97 (m, 2H), 1.75 (dt, J=5.2, 2.6 Hz, 1H), 1.23 (d, J=6.3 Hz,
3H). 1個の水素原子が水ピークにより不明確と推定; (C
12H
14ClN
3O)のm/z (APCI+), 252.3 (M+H)
+.
中間体11:4-クロロ-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:2-クロロ-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(11a)
MeCN(120mL)中の2,6-ジクロロ-N,N-ジメチルピリジン-4-カルボキサミド(30.0g、137mmol)およびN-メチルプロパン-2-アミン(50.1g、685mmol)の混合物を、3つの密閉した反応ベッセルの間に分配し、それぞれを100℃で60時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応混合物を合わせ、濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、2-クロロ-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(30.5g、87%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 6.45 (d, J=0.9 Hz, 1H), 6.31 (d, J=1.0
Hz, 1H), 4.82 (p, J=6.8 Hz, 1H), 3.08 (s, 3H), 2.97 (s, 3H), 2.83 (s, 3H), 1.16
(d, J=6.7 Hz, 6H); (C
12H
18ClN
3O)のm/z (ESI+), 255.9 (M+H)
+.
ステップ2:2-クロロ-3-ホルミル-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(11b)
DCE(120mL)中のDMF(21.9g、299mmol)の溶液に、POCl
3(45.9g、299mmol)を5~15℃で滴下添加した。混合物を室温で15分間にわたって撹拌し、2-クロロ-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(25.5g、99.7mmol)を添加した。反応物を65℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を室温に冷却し、飽和Na
2CO
3水溶液(900mL)に滴下添加した。混合物をDCM(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(5×500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、2-クロロ-3-ホルミル-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(23.7g、84%収率)を褐色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 10.19 (s, 1H), 6.25 (br. s, 1H), 3.12 (s, 3H), 3.02 - 2.85 (m, 3H),
2.77 (s, 3H), 1.22 (br. d, J=6.5 Hz, 6H); (C
13H
18ClN
3O
2)のm/z (ESI+), 283.9 (M+H)
+.
ステップ3:2-クロロ-N,N-ジメチル-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(11c)
THF(250mL)中の、2-クロロ-3-ホルミル-N,N-ジメチル-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(23.7g、83.5mmol)、(R)-(+)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(12.1g、100mmol)およびチタン(IV)エトキシド(38.1g、167mmol)の混合物を、50℃で20時間にわたって撹拌した。LMCS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固した。残留物を、飽和NaHCO
3水溶液(300mL)とともに30分間にわたって撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケーキをH
2O(3×80mL)および石油エーテル(3×50mL)ですすぎ、真空下で乾燥させて、2-クロロ-N,N-ジメチル-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(32.3g、99%超収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.07 (s, 1H), 6.74 (s, 1H), 5.36 - 5.10 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 3.26
(s, 3H), 3.10 (s, 3H), 1.54 (d, J=6.7 Hz, 6H), 1.49 (s, 9H); (C
17H
27ClN
4O
2S)のm/z (ESI+), 387.2 (M+H)
+.
ステップ4:4-クロロ-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
THF(200mL)中の2-クロロ-N,N-ジメチル-3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]ピリジン-4-カルボキサミド(32.3g、83.5mmol)の溶液を、0℃に冷却し、LiBH
4(1.82g、83.5mmol)を添加した。混合物を室温で1時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。NaOMe(165g、919mmol)を添加し、混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(3×200mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をDCM(300mL)に溶解し、H
2O(500mL)で洗浄した。水性層をDCM(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。固体を、DCM(50mL)および石油エーテル(120mL)の混合物中で30分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを真空下で乾燥させて、中間体11(11.3g、56%収率)をオフホワイトの固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 7.19 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.82 (p,
J=6.7 Hz, 1H), 4.35 (d, J=1.2 Hz, 2H), 2.88 (s, 3H), 1.18 (d, J=6.7 Hz, 6H); (C
11H
14ClN
3O)のm/z (ESI+), 239.9 (M+H)
+.
中間体12:2-ブロモ-6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
フラスコに、N’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,Nジメチルヒドラゾノホルムアミド(2.0g、7.4mmol)、エチルアミン(0.5mL、333mg、7.4mmol)、酢酸(3mL)およびMeCN(15mL、0.5M)を投入した。溶液を95℃で16時間にわたって加熱した。反応物をEtOAc(10mL)およびH
2O(10mL)で希釈した。固体K
2CO
3を、水性層のpHがおよそpH8になるまで添加した。層を分離し、水性層をEtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。残留物をEtOAc(0.3mL)および石油エーテル(3mL)で5分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集して、中間体12(1.5g、80%)を淡黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.75 (s, 1H), 8.19 (dd, J=7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.99 - 7.90 (m, 1H),
7.79 (dd, J=8.0, 0.9 Hz, 1H), 4.47 (q, J=7.2 Hz, 2H), 1.38 (t, J=7.2 Hz, 3H);
(C
9H
9BrN
4)のm/z
(APCI+), 252.7 (M+H)+.
中間体13:2-ブロモ-6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
MeCN(440mL)および酢酸(110mL)中のN’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(1b)(29.0g、106.8mmol)およびプロパン-1-アミン(31.6g、534mmoL)の混合物を、95℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をH
2O(50mL)に溶かし、1N NaOH(およそ500mL)でpHおよそ9に塩基性化した。混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をEtOAc(50mL)で10分間にわたってスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを石油エーテル(2×50mL)で洗浄し、真空で乾燥させて、中間体13(21.0g、74%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.74 (s, 1H), 8.20 (dd, J=0.7, 7.8 Hz, 1H), 7.98 - 7.91 (m, 1H),
7.78 (dd, J=0.7, 8.0 Hz, 1H), 4.45 - 4.36 (m, 2H), 1.77 (六重線, J=7.4 Hz, 2H), 0.87 (t, J=7.4 Hz, 3H); (C
10H
11BrN
4)のm/z (ESI+), 266.7 (M+H)
+.
中間体14:2-ブロモ-6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン
MeCN(24mL)および酢酸(6mL)中のN’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(1b)(3.10g、11.4mmol)およびペンタン-3-アミン(2.99g、34.4mmoL)の混合物を、95℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。溶液を濃縮乾固した。残留物をEtOAc(100mL)に溶かし、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 DCM/EtOAc)によって精製して、中間体14(2.3g、68%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.92 (s, 1H), 8.16 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.98 - 7.92 (m, 1H), 7.78 (d,
J=7.9 Hz, 1H), 5.01 (tt, J=8.5, 5.8 Hz, 1H), 1.85 (ddt, J=14.1, 8.5, 7.2 Hz,
4H), 0.73 (t, J=7.4 Hz, 6H); (C
12H
15BrN
4)のm/z (ESI+), 295.0 (M+H)
+.
中間体15:2-ブロモ-6-{4-[(2S)-ブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン
MeCN(100mL)および酢酸(25mL)中のN’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(1b)(4.40g、16.2mmol)および(2S)-ブタン-2-アミン(1.25g、17.0mmoL)の混合物を、90℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。溶液を濃縮乾固した。残留物をEtOAc(50mL)およびNa
2CO
3(50mL)の間に分配した。有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(120gのSiO
2、1~5%MeOH/EtOAc)によって精製して、中間体15(3.0g、66%収率)を薄黄色油として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.33 (s, 1H), 8.30 (dd, J=7.8, 0.9 Hz,
1H), 7.72 - 7.67 (m, 1H), 7.53 (dd, J=7.9, 0.9 Hz, 1H), 5.42 (h, J=6.9 Hz, 1H),
1.87 (ddq, J=30.1, 14.1, 7.2 Hz, 2H), 1.56 (d, J=6.9 Hz, 3H), 0.94 (t, J=7.4
Hz, 3H); (C
11H
13BrN
4)のm/z
(ESI+), 282.8 (M+H)
+.
中間体16:6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン
ステップ1:6-アミノピリジン-2-カルボヒドラジド(16a)
MeOH(1.0L)中のメチル6-アミノピリジン-2-カルボキシレート(100g、657mmol)の溶液に、N
2H
4・H
2O(69.7g、1.18mol)を添加した。混合物を5時間にわたって撹拌還流した。有意な量の白色沈殿物が形成された。TLC分析(1:10 MeOH/DCM)は、出発材料の消費を示した。反応混合物を濾過した。濾過ケーキをEtOAc(3×100mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、6-アミノピリジン-2-カルボヒドラジド(95.4g、95%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.11 (s, 1H), 7.53 - 7.46 (m, 1H), 7.08 (dd, J=7.3, 0.9 Hz, 1H),
6.58 (dd, J=8.4, 0.9 Hz, 1H), 6.06 (s, 2H), 4.45 (d, J=4.7 Hz, 2H); (C
6H
8N
4O)のm/z (ESI), 152.8 (M+H)
+.
ステップ2:N’-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルメタンイミドアミド(16b)
N,N-ジメチルジメトキシメチルアミン(500mL)中の6-アミノピリジン-2-カルボヒドラジド(95.4g、627mmol)の混合物を、18時間にわたって撹拌還流した。TLC分析(1:10 MeOH/DCM)は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物を、EtOAc(100mL)および石油エーテル(200mL)の混合物中、15℃で5分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、N’-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルメタンイミドアミド(156g、95%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 9.94 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 8.14 (s,
1H), 7.77 (dd, J=7.4, 0.9 Hz, 1H), 7.69 - 7.62 (m, 1H), 7.03 (dd, J=8.1, 0.9
Hz, 1H), 3.11 (s, 3H), 3.10 (s, 3H), 2.95 (s, 6H); (C
12H
18N
6O)のm/z (ESI), 263.0 (M+H)
+.
ステップ3:6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン
PhMe(800mL)中のN’-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-N,N-ジメチルメタンイミドアミド(100g、381mmol)の溶液に、プロパン-1-アミン(113g、1.91mol)および酢酸(160g、2.67mol)を添加した。混合物を90~100℃(内部)で24時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を室温に冷却した。混合物を50%NaOH水溶液の添加によりpHおよそ10~11に調整し、次いで、H
2Oで洗浄した。水性層を5:1 DCM/THF(3×)で抽出した。合わせた有機層を濃縮乾固した。残留物をEtOAc(3×)で濃縮した。固体を1:2 EtOAc/ヘプタン中で30分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを真空下で乾燥させて、中間体16(25.6g、76%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.57 (s, 1H), 7.53 - 7.47 (m, 1H), 7.22 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.52 (d,
J=8.0 Hz, 1H), 6.15 (s, 2H), 4.48 (t, J=7.2 Hz, 2H), 1.67 (h, J=7.4 Hz, 2H),
0.81 (t, J=7.4 Hz, 3H); (C
10H
13N
5)のm/z (ESI), 204.2 (M+H)
+.
中間体17:2-ブロモ-6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
この転換は、5つの並列バッチで行った。ピリジン(20.0mL)を氷浴中で0℃に冷却した。TFA(950mg、8.33mmol)、プロパン-1-アミン(1.48g、25.0mmol)および2-ブロモ-6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン(中間体4)(2.00g、8.33mmol)を連続的に添加した。混合物を密閉し、100℃で3.5日間にわたって撹拌し、1.5および2.5日後にそれぞれさらなるプロパン-1-アミン(1.48g、25.0mmol)を反応物に添加した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。並行反応物を合わせ、濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0~100%EtOAc/石油エーテル)によって精製した。所望の画分を、YMCトライアートC18カラム(250×50mm、7μm粒径)を用いる分取HPLCによって再精製し、30~70%MeCN/H
2O(+0.225%ギ酸)により25mL/分の流速で溶離した。所望の画分を、飽和NaHCO
3水溶液の添加によりpHおよそ8に塩基性化した。溶液を濃縮して、MeCNを除去し、次いで、DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、中間体17(6.11g、52%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.31 - 8.24 (m, 1H), 7.70 - 7.63 (m, 1H), 7.51 - 7.47 (m, 1H), 4.40
- 4.32 (m, 2H), 2.53 (s, 3H), 1.86 - 1.74 (m, 2H), 1.00 (td, J=7.4, 2.9 Hz, 3H).
(C
11H
13BrN
4)のm/z
(ESI+), 282.9 (M+H)
+.
中間体18:2-ブロモ-6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
ステップ1:6-ブロモ-N’-プロパノイルピリジン-2-カルボヒドラジド
0℃のDCM(46.3mL)中の6-ブロモピリジン-2-カルボヒドラジド(中間体1a)(3.00g、13.9mmol)の撹拌混合物に、TEA(2.11g、20.8mmol)およびプロパノイルクロリド(1.35g、15.7mmol)を添加した。混合物を、0℃で20分間にわたって、次いで、20℃で16時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)は、残りの出発材料を示した。混合物を0℃に冷却し、追加のTEA(2.11g、20.8mmol)およびプロパノイルクロリド(1.45g、15.7mmol)を添加した。混合物を、0℃で20分間にわたって、次いで、20℃で16時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。反応物をH
2O(60mL)の添加によってクエンチし、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(80mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をEtOAc(10mL)および石油エーテル(30mL)により20℃で10分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、6-ブロモ-N’-プロパノイルピリジン-2-カルボヒドラジド(3.0g、79%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.96 (br.d, J=5.4 Hz, 1H), 8.36 (br.d, J=5.4 Hz, 1H), 8.10 (dd,
J=7.5, 1.0 Hz, 1H), 7.47 - 7.70 (m, 1H), 7.65 (dd, J=7.9, 1.1 Hz, 1H), 2.38 (q,
J=7.6 Hz, 2H), 1.25 (t, J=7.6 Hz, 3H).
ステップ2:2-ブロモ-6-(5-エチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン
DCM(50.0mL)およびMeCN(50.0mL)中の6-ブロモ-N’-プロパノイルピリジン-2-カルボヒドラジド(3.00g、11.0mmol)の撹拌溶液に、TEA(6.69g、66.2mmol)およびp-トルエンスルホニルクロリド(2.31g、12.1mmol)を添加した。混合物を周囲温度で60時間にわたって撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物をH
2O(50mL)に溶解し、DCM(2×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗材料をEtOAc(3mL)および石油エーテル(6mL)により周囲温度で30分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、2-ブロモ-6-(5-エチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン(1.34g、48%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21 (dd, J=7.6, 1.0 Hz, 1H), 7.80 - 7.68 (m, 1H), 7.64 (dd, J=8.0,
0.9 Hz, 1H), 3.00 (q, J=7.6 Hz, 2H), 1.46 (t, J=7.6 Hz, 3H). (C
9H
8BrN
3O)のm/z (ESI+), 256.0 (M+H)
+.
ステップ3:2-ブロモ-6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
ピリジン(8.0mL)を氷浴中で0℃に冷却した。TFA(301mg、2.64mmol)、2-ブロモ-6-(5-エチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン(670mg、2.64mmol)およびエチルアミン(476mg、10.5mmol)を連続的に添加した。混合物を、95℃で20時間にわたって、次いで、100℃で7時間にわたって撹拌した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、中間体18(500mg、67%収率)を黄色ガム状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.28 (dd, J=7.8, 0.9 Hz, 1H), 7.71 - 7.62 (m, 1H), 7.61 - 7.37 (m,
1H), 4.47 (q, J=7.1 Hz, 2H), 2.84 (q, J=7.6 Hz, 2H), 1.57 - 1.34 (m, 6H). (C
11H
13BrN
4)のm/z (ESI+), 280.7 (M+H)
+.
中間体19:tert-ブチルメチル({6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
ステップ1:tert-ブチル({3-ホルミル-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル}メチル)メチルカルバメート
1,4-ジオキサン(25.0mL)中の2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-カルバルデヒド(中間体10b)(600mg、1.79mmol)およびPdCl
2(dppf)(261mg、0.357mmol)の溶液を、N
2で5分間にわたってスパージし、次いで、80℃に加熱した。{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}(クロリド)亜鉛の溶液(THF中0.158M、39.6mL)を80℃で添加し、混合物を同じ温度でさらに35分間撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。混合物を30℃に冷却し、セライトに通して濾過した。濾過ケーキをDCM(5×10mL)で洗浄し、濾液を濃縮乾固した。残留物を、100mgの2-クロロ-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-3-カルバルデヒドを用いて同一の方式で実行した並行反応から取得された粗材料と合わせた。混合物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、tert-ブチル({3-ホルミル-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル}メチル)メチルカルバメート(900mg、97%収率)を黄色ガム状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.84 (s, 1H), 6.40 - 6.06 (m, 1H), 4.91 - 4.45 (m, 2H), 4.52 - 3.92
(m, 1H), 3.69 - 3.47 (m, 3H), 3.21 - 3.00 (m, 2H), 2.98 - 2.84 (m, 3H), 2.22 -
1.82 (m, 3H), 1.83 - 1.66 (m, 1H), 1.59 (s, 4H), 1.41 (s, 7H), 1.19 (d, J=18.2
Hz, 8H). (C
24H
36N
4O
4)のm/z (ESI+), 445.4 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチルメチル{[3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}カルバメート
THF(50.0mL)中の、tert-ブチル({3-ホルミル-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル}メチル)メチルカルバメート(1.40g、3.15mmol)、チタン(IV)エトキシド(1.44g、6.30mmol)および(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(573mg、4.72mmol)の混合物を、50℃で18時間にわたって撹拌した。追加のバッチのチタン(IV)エトキシド(359mg、1.57mmol)および(S)-(-)-2-メチル-2-プロパンスルフィンアミド(115mg、0.945mmol)を添加し、混合物を50℃にて追加で20時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を所望の生成物塊の形成とともに示した。反応物を飽和Na
2CO
3水溶液(150mL)でクエンチし、DCM(100mL)で希釈した。混合物をセライトに通して濾過し、層を分離した。水性層をDCM(100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチルメチル{[3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}カルバメート(1.7g、99%超収率)を黄色固体として提供した。(C
28H
45N
5O
4S)のm/z(ESI+),548.5(M+H)
+.
ステップ3:tert-ブチルメチル({6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
0℃のTHF(20.0mL)中のtert-ブチルメチル{[3-{(E)-[(2-メチルプロパン-2-スルフィニル)イミノ]メチル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-4-(ピペリジン-1-カルボニル)ピリジン-2-イル]メチル}カルバメート(1.72g、3.41mmol)の溶液に、LiBH
4(68.6mg、3.15mmol)を添加した。反応物を0℃で1時間にわたって撹拌した。TLC分析は、出発材料の消費を示した。混合物を周囲温度に加温し、NaOMeの溶液(MeOH中30%、6.24g、34.6mmol)を添加した。混合物を16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、所望の生成物塊の形成を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をEtOAc(40mL)に溶解し、H
2O(40mL)で洗浄した。水性層をEtOAc(30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc)によって精製して、中間体19(750mg、66%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.04 - 6.79 (m, 1H), 6.68 (s, 1H), 4.56 - 4.43 (m, 2H), 4.43 - 4.33
(m, 2H), 4.27 - 4.16 (m, 1H), 3.58 (ddd, J=2.5, 7.3, 10.0 Hz, 1H), 3.45 - 3.30
(m, 1H), 3.01 - 2.91 (m, 3H), 2.17 - 1.96 (m, 3H), 1.80 - 1.72 (m, 1H), 1.53 -
1.37 (m, 9H), 1.26 - 1.23 (m, 3H); (C
19H
28N
4O
3)のm/z (ESI+), 361.2 (M+H)
+.
中間体20:(4R)-3-(6-ブロモピリジン-2-イル)-4-(フルオロメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
ステップ1:メチル(4R)-2-オキソ-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-4-カルボキシレート
PhMe(1.8L)中のメチルN-(トリフェニルメチル)-D-セリネート(90.0g、249mmol)およびTEA(69.8g、690mmol)の溶液を、PhMe(300mL)中のトリホスゲン(69.8g、41.5mmol)の溶液に、N
2雰囲気下、温度を-5~10℃(内部)に維持しながら滴下添加した。混合物を周囲温度で30分間にわたって撹拌した。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。反応物を、1N HCl(600mL)の滴下添加によってクエンチし、混合物を10分間にわたって撹拌した。層を分離した。水性層を2N NaOHの添加によってpHおよそ8~9に塩基性化し、次いで、DCM/PhMe(1:5、1.5L)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(500mL)およびブライン(500mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。固体を、EtOAc/石油エーテル(1:3、400mL)中、室温で30分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、メチル(4R)-2-オキソ-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-4-カルボキシレート(71g、74%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.38 - 7.27 (m, 15H), 4.61 - 4.50 (m, 1H), 4.50 - 4.38 (m, 1H),
4.21 (dd, J=3.3, 8.9 Hz, 1H), 3.49 (s, 3H).
ステップ2:(4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
THF(2.4L)中のメチル(4R)-2-オキソ-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-4-カルボキシレート(158g、409mmol)の溶液を-65℃(内部)に冷却し、温度を-60℃(内部)未満に維持しながら、LiAlH
4(18.6g、490mmol)を小分けにして添加した。混合物を-10℃(内部)で1.5時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を指し示した。混合物を、Na
2SO
4・10H
2Oの慎重な添加により、ガス排出が観察されなくなるまでクエンチした。懸濁液をセライトのパッドに通して濾過した。濾過ケーキをEtOAc(500mL)に懸濁し、10分間にわたって撹拌し、次いで、濾過した。このプロセスを3回繰り返した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(660gのSiO
2、0~80%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、(4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(29.9g、20%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.31 - 7.10 (m, 15H), 4.36 - 4.12 (m, 2H), 3.73 - 3.58 (m, 1H),
3.22 - 2.94 (m, 2H).
ステップ3:(4R)-4-(フルオロメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
MeCN(400mL)中の(4S)-4-(ヒドロキシメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(29.9g、83.3mmol)およびTEA(75.9g、750mmol)の溶液を、氷水浴で0℃(内部)に冷却し、反応温度を5~10℃(内部)に維持しながら、ノナフルオロブタンスルホニルフルオリド(75.5g、250mmol)をゆっくりと添加した。溶液を0℃(内部)で5分間にわたって撹拌した。TLC分析(1:2 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。トリエチルアミントリヒドロフルオリド(40.3g、250mmol)を滴下添加し、溶液を5~10℃(内部)で2時間にわたって撹拌した。混合物をEtOAc(200mL)およびH
2O(200mL)の間に分配した。水性相をEtOAc(200mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液(200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を石油エーテル(200mL)およびEtOAc(100mL)により周囲温度で2時間にわたってスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾液を濃縮乾固し、フラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、30~50%EtOAc/石油エーテル)によって精製した。所望の画分を濃縮乾固し、先に単離された濾過ケーキと合わせて、(4R)-4-(フルオロメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(26.7g、89%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.39 - 7.22 (m, 15H), 4.54 - 4.46 (m, 1H), 4.41 - 4.35 (m, 1H),
4.08 - 3.82 (m, 3H);
19F NMR (377 MHz, CDCl
3) δ -231.64 (s, 1F).
ステップ4:(4R)-4-(フルオロメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
DCM(90.0mL)中の(4R)-4-(フルオロメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(26.7g、74.0mmol)の懸濁液を0℃(内部)に冷却し、TFA(90.0mL)で滴下処理した。反応物を室温で1.5時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物をDCM(200mL)に溶解し、溶液を氷水浴で0℃(内部)に冷却した。内部温度を5~15℃(内部)に維持しながら、混合物を濃NH
4OH水溶液でpHおよそ9に塩基性化した。混合物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、セライトのパッドに通して濃縮した。濾過ケーキをDCMで洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(80gのSiO
2、EtOAc)によって精製して、(4R)-4-(フルオロメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(3.86g、44%収率)を淡黄色油として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.41 (br s, 1H), 4.57 - 4.44 (m, 2H), 4.42 - 4.31 (m, 1H), 4.29 -
4.23 (m, 1H), 4.22 - 4.10 (m, 1H);
19F NMR (377 MHz, CDCl
3)
δ -229.49 (s, 1F).
ステップ5:(4R)-3-(6-ブロモピリジン-2-イル)-4-(フルオロメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン
1,4-ジオキサン(250.0mL)中の、(4R)-4-(フルオロメチル)-3-(トリフェニルメチル)-1,3-オキサゾリジン-2-オン(4.70g、39.5mmol)、2,6-ジブロモピリジン(14.5g、61.2mmol)およびCs
2CO
3(32.1g、98.7mmol)の混合物を、N
2で2分間にわたってスパージした。Pd(OAc)
2(886mg、3.95mmol)およびキサントホス(2.74g、4.74mmol)を添加し、混合物をN
2でスパージした。混合物を80℃で3時間にわたって撹拌し、室温に冷却し、濾過した。濾過ケーキをEtOAc(5×30mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(330gのSiO
2、0~30%EtOAc/石油エーテル)によって精製して、中間体20(3.72g、34%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.21 (dd, J=8.3, 0.7 Hz, 1H), 7.75 - 7.49 (m, 1H), 7.26 (dd, J=7.6,
0.7 Hz, 1H), 5.12 - 4.98 (m, 1H), 4.96 - 4.61 (m, 2H), 4.60 - 4.48 (m, 2H);
19F
NMR (377 MHz, CDCl
3) δ -237.04; (C
9H
8BrFN
2O
2)のm/z (ESI+), 276.7 (M+H)
+; [α]
D
30
= +97.3° (c = 1.0, MeOH).
一般的な方法
別段の定めがない限り、スキームにおける変数は、本明細書で定義されているのと同じ意味を有する。本明細書で言及されるアミンは、当技術分野において公知の標準的な条件下で脱保護される保護アミンを構成し得る。
方法A
方法Aは、上記で描写した通りの式Iの化合物の調製のための1つの合成シーケンスを指す。方法Aを参照すると、第一のステップでは、N-ブロモコハク酸イミドを使用する式A-1の化合物(例えば、エチル2-クロロ-3-メチルイソニコチネート)の臭素化(J.Med.Chem.、47(25)、6363~6372、2004)により、式A-2の化合物を産出する。このステップの間に、R
3置換基は、最終生成物、式I、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、式A-2の化合物は、アンモニアによるアンモノリシスを受けて、式A-3の4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン化合物を形成する。次いで、式A-3の化合物は、パラジウム触媒下、一酸化炭素およびメタノールを使用する塩化物のカルボニル化、続いて、保護を受けて、式A-4のエステルを提供する。次のステップでは、標準的な条件(過酸化水素尿素)下での式A-4の化合物のN-オキシド形成、続いて、オキシ塩化リンを使用する式A-5の化合物の塩素化により、式A-6の塩化物を提供する。次に、式A-6のカルバメート保護基の脱保護、続いて、塩化物とR
1(例えば、アミン)との反応により、式A-7の化合物(例えば、アミノピリジン)を得る。このステップの間に、R
1置換基は、最終生成物、式I、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、式A-7におけるエステル官能基の還元により、式A-8のアルコールを提供する。式A-8のアルコール官能基の、メシレート(A-9、Y=OSO
2CH
3)としての活性化、続いて、
i)標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(A-9、Y=N
3)および還元により、第一級アミン(式A-9、Y=NH
2)を提供する、または
ii)第一級アミンによるメシレート(式A-9、Y=OSO
2CH
3)の直接置き換えにより、対応する第二級アミン(式A-9、Y=N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を得て、式A-9の化合物を産出する
のいずれかである。
アミノ官能基の、対応するtert-ブチルカルバメートとしての保護、式A-9(Y=N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)、続いて、パラジウムまたは銅触媒下、式A-10のブロモピリジンとのカップリングにより、保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)を提供する。このステップの間に、式A-10のR4および(R5)a置換基は、最終生成物、式I、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、標準的な条件下、カルバメート保護基の脱保護により、式Iのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)(R9)、R8およびR9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法B
方法Bは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための1つの合成シーケンスを指す。方法Bを参照すると、第一のステップでは、N-ブロモコハク酸イミドを使用する式B-1の化合物(例えば、エチル2-クロロ-3-メチルイソニコチネート)のベンジル臭素化(J.of Med.Chem.、47(25)、6363~6372、2004)により、式B-2の化合物を提供する。次のステップでは、式B-2の化合物は、アンモニアによるアンモノリシスを受けて、式B-3の4-クロロ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン化合物を形成する。次いで、式B-3の化合物は、パラジウム触媒下、一酸化炭素およびメタノールを使用する塩化物のカルボニル化、続いて、保護を受けて、式B-4のエステルを提供する。次のステップでは、標準的な条件(過酸化水素尿素)下での式B-4の化合物のN-オキシド形成、続いて、オキシ塩化リンを使用する式B-5の化合物の塩素化により、式B-6の塩化物を提供する。次に、式B-6の化合物のカルバメート保護基の脱保護、続いて、塩化物とR
1(例えば、アミン)との反応により、式B-7の化合物を得る。このステップの間に、R
1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、式B-7のエステル官能基の還元により、式B-8のアルコール化合物を提供する。式B-8のアルコール官能基の、メシレート(B-9、Y=OSO
2CH
3)としての活性化、続いて、
i)標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(B-9、Y=N
3)および還元により、第一級アミン(式B-9、Y=NH
2)を提供する、または
ii)第一級アミンによるメシレート(式B-9、Y=OSO
2CH
3)の直接置き換えにより、対応する第二級アミン(式B-9、Y=N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を得て、式B-9の化合物を産出する
のいずれかである。
アミノ官能基の、対応するtert-ブチルカルバメートとしての保護、式B-9(Y=N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)、続いて、パラジウムまたは銅触媒下、式B-10のブロモピリジンとのカップリングにより、保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)Boc、R8=Hおよび/またはアルキル)を提供する。このステップの間に、式B-10のR5およびR12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
次に、標準的な条件下、カルバメート保護基の脱保護により、ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン式II(R2=CH2N(R8)(R9)、R8およびR9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
式B-10の化合物の調製は、式B-11のブロモピリジンエステルのヒドラジン分解(J.of Med.Chem.、60(2)、722~748、2017)によって遂行して、式B-12の化合物を形成することができる。このステップの間に、式B-11のR5置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、式B-12のヒドラジドとジメチルホルムアミドジメチルアセタールとの反応により、式B-13の化合物を提供する。アミン(例えば、R12-NH2)による式B-13の化合物の縮合により、式B-10のトリアゾールを得る。このステップの間に、アミンのR12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法C
方法Cは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Cを参照すると、第一のステップでは、式B-6の化合物のエステル官能基の還元により、式C-1のアルコール化合物を提供する。次に、式C-1のアルコール官能基の、メシレート(C-2、Y=OSO
2CH
3)としての活性化、続いて、
i)標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(C-2、Y=N
3)および還元により、第一級アミン(式C-2、Y=NH
2)を提供する、または
ii)第一級アミンによるメシレート(式C-2、Y=OSO
2CH
3)の直接置き換えにより、対応する第二級アミン(式C-2、Y=N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を得て、式C-2の化合物を産出する
のいずれかである。
アミノ官能基の、対応するtert-ブチルカルバメートとしての保護により、C-2(Y=N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)を産出し、続いて、パラジウムまたは銅触媒下、式B-10のブロモピリジンとのカップリングにより、式C-3の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)を提供する。このステップの間に、式B-10のR5およびR12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、式C-3の、アミン、保護アミンまたはアルキルトリフルオロボレート/ボロン酸/ボロネート/ジンケートもしくはアルケニルボロン酸エステルのいずれかとのパラジウムまたは銅媒介性クロスカップリング、続いて、カルバメート保護基の還元またはシクロプロパン化およびその後の脱保護により、ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン式IIを得る(R2=CH2N(R8)(R9)、R8およびR9=Hおよび/またはアルキル、R1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである)。
方法D
方法Dは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Dを参照すると、第一のステップでは、パラジウム触媒下、式D-1の2,6-ジブロモピリジンの、式D-2のオキサゾリジノンとのカップリングにより、式D-3のブロモピリジンを得る。このステップの間に、式D-1のR
5置換基および式D-2のR
12置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の化合物の、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)とのカップリングにより、保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する(R
2=CH
2N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル、R
1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである)。次のステップでは、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)Boc、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法E
方法Eは、上記で描写した通りの式E-4の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Eを参照すると、第一のステップでは、式E-1の化合物(例えば、4-ブロモ-5-イソプロピル-1H-ピラゾール)の、テトラヒドロピラニル(THP)基による保護により、式E-2のピラゾールを産出する。このステップの間に、式E-1のR
12置換基は、最終生成物、式E-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、E-2の式を式D-1の2,6-ジブロモピリジン(例えば、R
5=HまたはF)とカップリングして、式E-3のブロモピリジンを得る。このステップの間に、式D-1のR
5置換基は、最終生成物、式E-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式E-3の、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)とのカップリングにより、式E-4の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)を提供する。このステップの間に、式B-9のR
1置換基および式E-3のR
5置換基は、最終生成物、式E-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、標準的な条件下での保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの脱保護により、式E-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法F
方法Fは、上記で描写した通りの式F-3の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Fを参照すると、第一のステップでは、サルコシン(F-1)をアミノアルキルラジカルの供給源として使用する、フォトレドックス触媒条件下での式B-3の化合物のカップリング(Zuoら、「Merging photoredox with nickel catalysis:Coupling of α-carboxyl sp
3-carbons with aryl halides」、Science 2014、345、437~440)により、式F-2のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する。次に、パラジウムまたは銅触媒下、式F-2の化合物の、式B-10のブロモピリジン化合物とのカップリングにより、式F-3の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
8=Boc)を提供する。このステップの間に、式B-10のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式F-3、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式F-3のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン[式中、R
8=H]を産出する。
方法G
方法Gは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Gを参照すると、第一のステップでは、硝酸銀および酸化剤(過硫酸アンモニウム)を用いる酸化的脱炭酸条件下、式G-1の化合物(例えば、メチル3-メチルイソニコチネート)とカルボン酸(例えば、R
1CO
2H)との求核ラジカル置換反応により、式G-2のエステルを提供する。このステップの間に、カルボン酸のR
1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、N-ブロモコハク酸イミドを使用する臭素化により、式G-3の臭化物を得る。次のステップでは、アンモニアによる式G-3の臭化物のアンモノリシスにより、式G-4の2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを産出する。次に、酸化的条件下でのN-Boc保護アミノ酸による脱炭酸的ラジカル置換により、式B-9のベンジリックアミン(Y=N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)を産出する。次のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式B-10のブロモピリジンとのカップリングにより、式IIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)を提供する。次に、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン式II(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法H
方法Hは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Hを参照すると、第一のステップでは、式H-2のオキサゾリジノンを、トリホスゲンを使用する式H-1のメチルトリチル-D-セリネートの環化を介して調製する。次に、式H-2のエステルの還元により、式H-3のアルコールを提供する。次のステップでは、
(i)式H-3の化合物のデオキシフッ素化により、式H-4の化合物(W=フルオロアルキル、例えば、CH
2F)を産出する、または
(ii)式H-3のアルコールの、式H-4のアルデヒド(W=CHO)への酸化、続いて、ジフルオロメチル化により、式H-4の化合物(W=CHF
2)を提供する
のいずれかである。
次に、式H-4のN-トリチル基の脱保護、続いて、式H-5の対応するオキサゾリジノンの、式D-1の2,6-ジブロモピリジンとのカップリングにより、式D-3のブロモピリジンを提供する。このステップの間に、式D-1のR5置換基、ここでは式H-5のR12置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の化合物の、式B-9の化合物(R1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである、Y=N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル)とのカップリングにより、式IIIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル、R12=CH2FまたはCHF2)を提供する。最終ステップでは、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)(R9)、R8およびR9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法I
方法Iは、上記で描写した通りの式I-5の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Iを参照すると、第一のステップでは、式I-1の2-ブロモ-6-フルオロピリジンのヒドラジン分解により、式I-2の化合物を産出する。次のステップでは、式I-2のヒドラジンのジアゾ化により、式I-3のアジドを産出する。次に、式I-3のアジドの、アルキンとの付加環化により、式I-4の1,2,3-トリアゾールを提供する。このステップの間に、アルキンのR
12置換基は、最終生成物、式I-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、パラジウム触媒下、式I-4の化合物の、B-9(Y=N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル、R
1置換基は、最終生成物、式I-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである)とのカップリングにより、式I-5の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する。次に、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式I-5のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を産出する。
方法J
方法Jは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Jを参照すると、第一のステップでは、メタノールおよび過硫酸アンモニウムを使用する式G-4の化合物のラジカル媒介性ヒドロキシメチル化により、式B-9の化合物(Y=OH)を提供する。このステップの間に、式G-4のR
1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、アルコール官能基の、メシレート(B-9、Y=OSO
2CH
3)としての活性化、続いて、標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(B-9、Y=N
3)および還元により、第一級アミン(B-9、Y=NH
2)を提供する。次のステップでは、アミノ官能基の、対応するtert-ブチルカルバメートとしての保護により、B-9(Y=N(R
8)Boc、R
8=H)を産出する。次に、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の化合物の、B-9とのカップリングにより、式IIIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc、R
8=H、R
12置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである)を提供する。最終ステップでは、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=H)を産出する。
方法K
方法Kは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Kを参照すると、第一のステップでは、式K-2のシュウ酸エステルによる式K-1の2-シアノアセトアミドの縮合により、式K-3のヒドロキシピリジン(Z=OH)を産出する。このステップの間に、式K-2のR
1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、標準的な条件(POCl
3)下での塩素化により、式K-3のクロロピリジン(Z=Cl)を提供する。次に、サルコシンをアミノアルキルラジカルの供給源として使用する、フォトレドックス触媒条件下での式K-3のクロロピリジン(Z=Cl)のカップリング(Zuoら、「Merging photoredox with nickel catalysis:Coupling of α-carboxyl sp
3-carbons with aryl halides」、Science 2014、345、437~440)により、式K-4のベンジルアミン(Y=N(CH
3)Boc)を提供する。次のステップでは、シアノ基の還元および付随する環化により、式B-9の2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(Y=N(CH
3)Boc)を産出する。次に、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の化合物の、B-9(Y=N(CH
3)Boc)とのカップリングにより、式IIIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(CH
3)Boc、R
5およびR
12置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである)を提供する。最終ステップでは、標準的な条件でのカルバメート保護基の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(CH
3)H)を産出する。
方法L
方法Lは、上記で描写した通りの式L-5の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。方法Lを参照すると、第一のステップでは、二炭酸ジ-tert-ブチルおよび4-ジメチルアミノピリジンを使用する、カルバメート保護基による式F-2のラクタムの保護により、式L-1の化合物を産出する。次に、トリフルオロメタンスルフィン酸亜鉛およびtert-ブチルヒドロペルオキシドを使用する式L-1の化合物のトリフルオロメチル化により、式L-2の6-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジンと式L-3の7-(トリフルオロメチル)-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジンとの混合物を産出する。カラムクロマトグラフィーによる分離後、酸性条件(TFA)下、式L-2のカルバメート保護基の全体的脱保護、続いて、二炭酸ジ-tert-ブチルおよびトリメチルアミンを使用する、カルバメート保護基によるベンジルアミン官能基の選択的保護により、式L-4のトリフルオロメチルラクタムを提供する。次のステップでは、パラジウム触媒下、式L-4の化合物の、式B-10の化合物とのカップリングにより、式L-5の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
8=Boc)を提供する。このステップの間に、式B-10のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式L-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。最終ステップでは、標準的な条件下でのカルバメート保護基の脱保護により、式L-5のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
8=H)を産出する。
方法M
方法Mは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Mを参照すると、第一のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の化合物の、式C-2の化合物(Y=N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)とのカップリングにより、式M-1の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc、R
8=Hまたはアルキル)を提供する。このステップの間に、式D-3のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式IIIまたはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、式M-1の、アミン、保護アミンまたはアルキルトリフルオロボレート/ボロン酸/ボロネート/ジンケートもしくはアルケニルボロン酸エステルのいずれかとのパラジウムまたは銅媒介性クロスカップリング、続いて、カルバメート保護基の還元またはシクロプロパン化およびその後の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを得、ここで、R
1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法N
方法Nは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Nを参照すると、第一のステップでは、式C-2の化合物(Y=N(R
8)Boc、R=Hまたはアルキル)と、アミン、保護アミンまたはアルキルトリフルオロボレート/ボロン酸/ボロネート/ジンケートもしくはアルケニルボロン酸エステルのいずれかとの間のパラジウムまたは銅媒介性クロスカップリング、続いて、還元またはシクロプロパン化により、式B-9の化合物を提供する。このステップの間に、式B-9のR
1置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式D-3の、式B-9の化合物とのカップリング、続いて、カルバメート保護基の脱保護により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を提供する。このステップの間に、式D-3のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式III、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法O
方法Oは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法Oを参照すると、第一のステップでは、必須のカップリングパートナーまたはアミン(またはその保護されたバージョン)と式O-1のジクロロピリジン(V=N(CH
3)
2またはOHまたはピペリジンまたはOMe)との間のクロスカップリングまたは求核芳香族置換により、O-2(R
1=NR
6R
7またはアルキル)を産出する。次いで、O-2のホルミル化により、アルデヒドO-3を提供する。その後のエルマンのスルフィンアミドによる縮合により、式O-4の化合物を提供する。その後の還元により、式O-5の化合物を得た。パラジウム触媒下、一酸化炭素およびメタノールを使用する式O-5の塩化物のカルボニル化により、式O-6のエステルを提供する。式O-6のエステルの還元により、ベンジルアルコールB-9(Y=OH)を提供する。アルコール官能基の活性化により、メシレート(B-9、Y=OSO
2CH
3)を産出する。次のステップでは、
i)標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(B-9、Y=N
3)および還元により、第一級アミン(式B-9、Y=NH
2)を提供する、または
ii)第一級アミンによるメシレート(式B-9、Y=OSO
2CH
3)の直接置き換えにより、対応する第二級アミン(式B-9、Y=N(R
8)(R
9)、R
8およびR
9=Hおよび/またはアルキル)を得て、式B-9の化合物を産出する
のいずれかである。
アミノ官能基の、対応するtert-ブチルカルバメートとしての保護、B-9(Y=N(R8)Boc)、続いて、パラジウムまたは銅触媒下、ブロモピリジントリアゾールB-10とのカップリングにより、式IIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)Boc、R8=Hまたはアルキル、R1=N(R6)(R7)またはアルキル)を提供する。このステップでは、式B-10のR12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R2=CH2N(R8)(R9)、R1=N(R6)(R7)またはアルキル)を産出する。
方法P
方法Pは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式O-3の化合物(V=N(CH
3)
2またはOHまたはピペリジンまたはOMeまたはOEtまたはOiPr)から、
i.必須のカルボン酸とのイリジウム媒介性脱炭酸的フォトレドックスカップリングにより、式P-1の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
ii.必須のアミノアルキルジンケートとの根岸カップリングにより、式P-1の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
iii.必須のトリフルオロボレート塩、ボロン酸またはボロン酸エステルとの鈴木クロスカップリングにより、式P-1の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する
のいずれかである。その後のエルマンのスルフィンアミドによる縮合および還元により、式B-9の化合物を得る。パラジウムまたは銅触媒下、ブロモピリジントリアゾールB-10とのカップリングにより、式IIの保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc)を提供する。このステップでは、式B-10のR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法Q
方法Qは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式Q-1のアミンの還元的アミノ化またはアルキル化により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を提供する。このステップでは、式Q-1のR
5、R
12およびR
1置換基は、最終生成物、式IIにおいて所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法R
方法Rは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式O-3の化合物の、当量のアンモニアによるまたは代替としてエルマンのスルフィンアミドによる還元的アミノ化により、式O-5の化合物を提供する。このステップでは、式O-3のR
1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。パラジウムまたは銅触媒下、ブロモピリジントリアゾールB-10とのカップリングにより、式R-1の化合物を提供する。このステップでは、式B-10のR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。適切なトリフルオロボレートとの鈴木クロスカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の脱保護により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法S
方法Sは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式K-3の化合物(Z=Cl)のニトリルのニッケル媒介性還元により、式O-5の化合物を産出する。このステップでは、式K-3のR
1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次のステップでは、
i)式O-5の化合物の、必須の酸とのニッケル媒介性脱炭酸的フォトレドックスクロスカップリングにより、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
ii)パラジウム触媒下、一酸化炭素およびメタノールを使用する、式O-5の塩化物のカルボニル化により、エステルを提供し、次いでこれを還元(B-9、Y=OH)し、メシレート(B-9、Y=OSO
2CH
3)として活性化させる
のいずれかである。次のステップでは、
a.第一級アミンによるメシレートの直接置き換えにより、式B-9の対応する第二級アミン(Y=N(R
8)(R
9))を提供する、または
b.標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(B-9、Y=N
3)および還元により、式B-9の第一級アミン(Y=NH
2)を提供する
のいずれかである。パラジウムまたは銅触媒下、式B-9の化合物の、ブロモピリジントリアゾールB-10とのカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する。
方法T
方法Tは、上記で描写した通りの式IIIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc、R
1は、式IIIの化合物またはその保護されたバージョンにおいて表される通りである)は、式ブロモピリジンD-3の化合物(方法Hにおいて記述される通りに調製された)とのパラジウムまたは銅媒介性カップリングによるカップリングを受けて、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc)を提供する。標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法U
方法Uは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式B-12の化合物は、適切なアシル塩化物との反応を受けて、式U-1の化合物を提供する。このステップでは、アシル塩化物のR
13置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護されたバージョンにおいて表される通りである。式U-1の化合物の環化により、式U-2の化合物を提供する。式U-2のブロモピリジン(例えば、中間体4)は、パラジウムまたは銅触媒下、式B-9の化合物とのカップリングを受けて、式U-3の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する。このステップでは、U-2のR
5置換基およびB-9のR
1置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式U-3の化合物は、必須のアミンとの反応を受けて、U-4の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの化合物を提供する。標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法V
方法Vは、上記で描写した通りの式V-5の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式V-1のイミダゾールのアルキル化により、式V-2の化合物を提供し、ここで、R
12置換基は、最終生成物、式V-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式V-2の化合物の、式V-3の化合物とのパラジウム媒介性カップリングにより、式V-4の化合物を提供する。このステップでは、V-3のR
5置換基は、最終生成物、式V-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。パラジウムまたは銅触媒下、式V-4の化合物の、式B-9の化合物とのカップリングにより、式V-5の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)Boc)を提供する。このステップでは、B-9のR
1置換基は、最終生成物、式V-5、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式V-5のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法W
方法Wは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式C-2の化合物(Y=N(R
8)Boc)とW-1とのニッケル媒介性フォトレドックスクロスカップリングにより、式B-9の化合物を提供する。このステップでは、W-1のR
1置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式B-9の化合物は、パラジウムまたは銅触媒下、式B-10の化合物とのカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の開裂を受けて、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。このステップでは、B-10のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法AA
方法AAは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式O-3の化合物(V=ピペリジン、ジメチルアミン、OH、OMe、OEt、OiPr)は、式AA-1のピリジンアミンによる還元的アミノ化を受けて、式AA-2の化合物を提供する。このステップでは、O-3のR
1置換基ならびに式AA-1のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。次に、式AA-2の、式AA-3のトリフルオロボレートまたはジンケートとのパラジウム媒介性クロスカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する。このステップでは、R
2置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
式B-10の化合物は、パラジウム触媒下、tert-ブチルカルバメートとのカップリング、続いて、標準的な条件下でのカルバメート保護基の開裂を受けて、式AA-1のアミノピリジンを産出する。
方法AB
方法ABは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式O-5の化合物の、式U-2のブロモピリジンとのカップリングにより、式R-1の化合物を提供する。このステップでは、式O-5のR
1置換基ならびに式U-2のR
5およびR
13置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。適切なトリフルオロボレートとの鈴木クロスカップリングまたは必須のアミノアルキルジンケートとの根岸クロスカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の脱保護により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AC
方法ACは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式U-2のブロモピリジン(例えば、中間体4)は、パラジウムまたは銅触媒下、式C-2の化合物とのカップリングを受けて、式AC-1の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する。このステップでは、U-2のR
5およびR
13置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式AC-1の化合物は、必須のアミンまたはボロン酸エステルまたはボロン酸またはテトラフルオロボレート塩とのパラジウム媒介性カップリングを受けて、式U-3の化合物を提供する。このステップでは、U-3のR
1置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式U-3の化合物の、必須のアミンとの反応により、式U-4の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの化合物を提供する。標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AD
方法ADは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式U-2のブロモピリジン(例えば、中間体4)は、必須のアミンとの反応を受けて、式X-3の化合物を提供する。このステップでは、U-2のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。パラジウムまたは銅触媒下、式X-3の化合物の、式B-9の化合物とのカップリングにより、式U-4の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する。このステップでは、B-9のR
1置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AE
方法AEは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式AC-1の化合物(Y=N(R
8)Boc)の、必須のアミンとの反応により、式AE-1の化合物を提供する。このステップでは、R
5およびR
12置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式AE-1の化合物は、必須のアミンまたはボロン酸エステルまたはボロン酸またはテトラフルオロボレート塩とのパラジウム媒介性カップリングを受けて、式U-4の保護されたピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンの化合物を提供する。標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AF
方法AFは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式O-5の化合物の、ブロモピリジンX-3とのカップリングにより、式AF-1の化合物を提供する。このステップでは、式O-5のR
1置換基ならびに式X-3のR
5、R
12およびR
13置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。適切なトリフルオロボレートとの鈴木クロスカップリングまたは適切なアミノアルキルジンケートとの根岸クロスカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の脱保護により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AG
方法AGは、上記で描写した通りの式AG-2の化合物の調製のための合成シーケンスを指す。第一のステップでは、パラジウムまたは銅触媒下、式B-9の化合物の、ブロモピリジンAG-1(例えば、Q=O、中間体5またはQ=S、中間体6)とのカップリングにより、式AH-2の化合物を提供する。このステップでは、式B-9のR
1置換基は、最終生成物、式AG-2、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式AG-2のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AH
方法AHは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。式O-5のR
1置換基が、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである第一のステップでは、
i.式O-5の化合物の、必須の酸とのニッケル媒介性脱炭酸的クロスカップリングにより、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
ii.必須のボロン酸、ボロン酸エステルまたはトリフルオロボレート塩との鈴木またはモランダークロスカップリングにより、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
iii.必須のアミノアルキルジンケートとの根岸クロスカップリングにより、式B-9の化合物(Y=N(R
8)Boc)を提供する、または
iv.パラジウム触媒下、一酸化炭素およびメタノールを使用する、式O-5の塩化物のカルボニル化により、エステルを提供し、次いでこれを、還元(B-9、Y=OH)し、メシレート(B-9、Y=OSO
2CH
3)として活性化させる
のいずれかである。その後のステップでは、
a.必須の第一級アミンによるメシレートの直接置き換えにより、式B-9の対応する第二級アミン(Y=N(R
8)(R
9))を提供する、または
b.標準的な条件下、アジド官能基のアジ化(B-9、Y=N
3)および還元により、式B-9の第一級アミン(Y=NH
2)を提供する
のいずれかである。
パラジウムまたは銅触媒下、式B-9の化合物の、ブロモピリジントリアゾールB-10とのカップリング、続いて、標準的な条件下での保護基の開裂により、式IIのピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オンを提供する。
方法AI
方法AIは、上記で描写した通りの式U-4の化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式X-3のブロモピリジンは、パラジウムまたは銅触媒下、式C-2の化合物(Y=N(R
8)Boc)とのカップリングを受ける。このステップでは、X-3のR
5、R
12およびR
13置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式AI-1の化合物は、必須のアミンまたはボロン酸エステルまたはテトラフルオロボレート塩とのパラジウム媒介性カップリングを受けて、式U-4の化合物を提供する。このステップでは、R
1置換基は、最終生成物、式U-4、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-4のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。
方法AJ
方法AJは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。第一のステップでは、式B-9の化合物は、パラジウムまたは銅触媒下、式B-11のブロモピリジンとのカップリングを受けて、式AJ-1の化合物を提供する。このステップでは、B-9のR
1置換基およびB-11のR
5置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。式AJ-1の化合物のヒドラジン分解により、式AJ-2の化合物を提供する。次に、式AJ-2のヒドラジンは、ジメチルホルムアミドジメチルアセタールとの反応を受けて、式AJ-3の化合物を提供する。適切なアミン(例えば、R
12-NH
2)による式AJ-3の化合物の縮合、続いて、標準的な条件下での保護基の開裂により、式U-3のピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(R
2=CH
2N(R
8)(R
9))を産出する。このステップの間に、アミンのR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
方法AK
方法AKは、上記で描写した通りの式IIの化合物の調製のための別の合成シーケンスを指す。方法AKでは、式P-1の化合物は、式AA-1のピリジンアミンによる還元的アミノ化、続いて、保護基の開裂を受けて、式IIの化合物を提供する。このステップでは、P-1のR
1置換基ならびに式AA-1のR
5およびR
12置換基は、最終生成物、式II、またはその保護変形体において所望されるのと同じ部分によって表されるはずである。
代表的な実施例
(実施例1)
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(224mg、0.72mmol)、2-ブロモ-6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン(192mg、0.72mmol)、炭酸カリウム(218mg、1.6mmol)、2-(ジメチルアミノ)エチルアミン(0.04mL、0.36mmol)、ヨウ化銅(34mg、0.18mmol)およびアセトニトリル(3mL、0.2M)を投入した。反応物を密閉し、マイクロ波中、120℃で90分間にわたって加熱した。混合物を水でクエンチし、DCMで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(1:1 DCM/酢酸エチル中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(210mg、59%)として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.74 (d, J=8.44 Hz, 1 H) 8.63 - 8.72 (m, 1 H) 8.19 (s, 1 H) 8.01 (t,
J=8.01 Hz, 1 H) 7.80 (s, 1 H) 5.65 - 5.86 (m, 1 H) 5.26 (br.s., 2 H) 4.63 (br.
s., 2 H) 3.04 (s, 3 H) 1.72 (d, J=5.26 Hz, 6 H) 1.40 (br. s., 9 H). (C
24H
28ClN
7O
3)のm/z (APCI+) 497.9 (M+H)+.
ステップ2:tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(50mg、0.10mmol)、炭酸セシウム(98.1mg、0.30mmol)、THF中2Mジメチルアミン(0.11mL、0.21mmol)、1,4-ジオキサン(3mL)および(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(8.4mg、0.01mmol)を投入した。反応物を窒素雰囲気下で100℃に加熱し、16時間にわたって撹拌させた。粗混合物を、この反応の別の粗製バッチ(210mgスケール)と合わせた。合わせた材料を濾過し、1:10 メタノール/DCM(30mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、褐色固体を提供し、これを、カラムクロマトグラフィー(20:1 DCM/メタノール)を使用して精製して、表題化合物を黄色固体(160mg、平均収率61%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ
8.72 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.09 (br s, 1H), 7.98 -
7.90 (m, 1H), 6.89 (s, 1H), 5.81 - 5.41 (m, 1H), 5.14 - 4.90 (m, 2H), 4.49 (s,
2H), 3.16 (s, 6H), 3.02 (s, 3H), 1.72 - 1.62 (m, 6H), 1.46 - 1.29 (m, 9H) (C
26H
34N
8O
3)のm/z (APCI+) 507.3 (M+H)+.
ステップ3:6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート(43mg、0.09mmol)および酢酸エチル(2mL)を投入した。溶液を5℃に冷却し、酢酸エチル中HClの4M溶液(5mL)を添加した。反応物を20℃に加温させ、1時間にわたって撹拌させ、この時点で、反応混合物は懸濁液になった。懸濁液を濾過し、固体を収集して、表題化合物を黄色固体(35mg、93%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.27 (br s, 2H), 9.20 (s, 1H), 8.66 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.15 (t,
J=8.0 Hz, 1H), 7.96 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.95 (s, 1H), 5.48 (五重線, J=6.8 Hz, 1H), 5.17 (s, 2H), 4.32 (br t, J=5.6 Hz, 2H), 3.18 (s, 6H),
2.73 (t, J=5.4 Hz, 3H), 1.61 (d, J=6.8 Hz, 6H). (C
21H
26N
8O)のm/z (APCI+) 429.1 (M+Na)+.
(実施例2)
6-(アゼチジン-1-イル)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル{[6-(アゼチジン-1-イル)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(70.0mg、0.14mmol)、アゼチジン塩酸塩(39mg、0.42mmol)、炭酸セシウム(210mg、0.65mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(11.8mg、0.014mmol)および1,4-ジオキサン(2.8mL、0.05M)を投入した。反応物を100℃で18時間にわたって加熱し、この時点で、さらなるアゼチジン(39mg、0.42mmol)および(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(11.8mg、0.014mmol)を添加し、反応物を110℃で24時間にわたって加熱した。反応混合物を真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(1:1 DCM/酢酸エチル中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(45mg、62%)として得た。(C
27H
34N
8O
3)のm/z(APCI+)519.95(M+H)+.
ステップ2:6-(アゼチジン-1-イル)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル{[6-(アゼチジン-1-イル)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート(45mg、0.09mmol)およびDCM(3mL、0.03M)を投入した。トリフルオロ酢酸(0.8mL、10mmol)を添加し、反応物を室温で2時間にわたって撹拌させた。反応物をトルエン(2×)と共沸させ、得られた残留物をSFC(HA-モルホリン60Å 5μm、150×21.2mmカラム、40℃にて、7分間かけて傾斜するCO
2中12~30%MeOHの勾配で溶離。120バールに保持された圧力、85mL/分の流速、UV224nmによってモニター)によって精製して、表題化合物(17mg、48%)を提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.83 - 8.93 (m, 1 H) 8.50 - 8.62 (m, 1 H) 7.97 - 8.08 (m, 1 H) 7.83
- 7.93 (m, 1 H) 6.36 - 6.55 (m, 1 H) 5.51 (dt, J=13.42, 6.68 Hz, 1 H), 5.06 -
5.18 (m, 2 H) 3.87 - 3.98 (m, 4 H) 3.66 - 3.81 (m, 2 H) 2.24 - 2.32 (m, 5 H)
1.51 (d, J=6.60 Hz, 6 H). (C
22H
26N
8O)のm/z (APCI+) 420.0 (M+H)
+.
(実施例3)
6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル[(6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(100mg、0.20mmol)、(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン塩酸塩(45.6mg、0.40mmol)および1,4-ジオキサン(4mL、0.05M)を投入した。炭酸セシウム(196mg、0.60mmol)、続いて、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(16.8mg、0.02mmol)を添加した。反応物を、窒素雰囲気下、100℃で16時間にわたって加熱した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、ブライン(3×30mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、残留物を提供し、これを、分取TLC(シリカゲル、1:4 石油エーテル/酢酸エチル、2回)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(40mg、36%)として提供した。TLC R
f=0.3(EtOAc、UV可視化)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.95 (s, 1H), 8.60 (d, J=8.31 Hz, 1H), 8.05-8.15 (m, 1H), 7.88-7.97
(m, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.51 (br s, 1H), 5.06 (br d,J=19.32 Hz, 2H), 4.32-4.53
(m, 4H), 3.57 (s, 1H), 2.94 (s, 3H), 2.08 (br t, J=6.36 Hz, 2H), 1.56-1.70 (m,
6H), 1.37 (br s, 11H), 1.09-1.28 (m, 6H). (C
29H
38N
8O
3)のm/z 569.4 (M+Na)
+.
ステップ2:6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル[(6-[(2R,4R)-2,4-ジメチルアゼチジン-1-イル]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(40mg、0.07mmol)およびDCM(3mL、0.02)を投入し、10℃未満に冷却した。トリフルオロ酢酸(0.06mL、0.73mmol)を滴下添加し、反応物を室温に加温させた。2時間の撹拌後、反応物を氷水(20mL)に添加した。固体重炭酸ナトリウムを、溶液がpH=9になるまで添加した。水性層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。得られた残留物を、クロマトグラフィー(DCM中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物を黄色固体(20mg、61%)として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.83 - 8.93 (m, 1 H) 8.50 - 8.62 (m, 1 H) 7.97 - 8.08 (m, 1 H) 7.83
- 7.93 (m, 1 H) 6.36 - 6.55 (m, 1 H) 5.51(dt, J=13.42, 6.68 Hz, 1 H) 5.06 -
5.18 (m, 2 H) 3.87 - 3.98 (m, 4 H) 3.66 - 3.81 (m, 2 H) 2.24 - 2.32 (m, 6 H)
1.51 (d, J=6.60 Hz, 6 H). (C
24H
30N
8O)のm/z (APCI+) 447.2 (M+H)
+.
(実施例4)
6-(ジエチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル{[6-(ジエチルアミノ)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(100mg、0.20mmol)、ジエチルアミン(0.04mL、0.40mmol)、炭酸セシウム(229mg、0.70mmol)および1,4-ジオキサン(4mL、0.05M)を投入した。(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(16.8mg、0.02mmol)を添加した。反応物を窒素ガスで脱気し(3回)、100℃で16時間にわたって加熱し、この時点で、ジエチルアミン(0.04mL、0.40mmol)および(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(16.8mg、0.02mmol)を添加した。反応物を窒素ガスで脱気し(3回)、100℃で16時間にわたって加熱した。混合物を水(15mL)に添加し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、粗化合物を黄色ガム状物(100mg)として提供した。粗材料を、分取TLC(20:1 酢酸エチル/メタノール、Rf=酢酸エチル中0.5、UV可視化)を使用して精製して、黄色固体(60mg)を提供した。化合物を、水(0.04%NH
3H
2O+10mM NH
4HCO
3)を移動相として使用するWatersクロスブリッジ分取PBD C18 150×30 10μmカラム上での分取HPLCを使用して、さらに精製した。これにより、表題化合物を黄色固体(40mg、37%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.74 (d, J=7.8 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.15 - 8.06 (m, 1H), 7.98 -
7.93 (m, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.78 - 5.45 (m, 1H), 5.09 (br s, 2H), 4.48 (s, 2H),
3.60 (q, J=7.1 Hz, 4H), 3.08 - 3.02 (m, 3H), 1.74 - 1.66 (m, 6H), 1.46 - 1.30
(m, 9H), 1.23 (t, J=7.0 Hz, 6H). (C
28H
38N
8O
3)のm/z (APCI+) 535.4 (M+H)
+.
ステップ2:6-(ジエチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル{[6-(ジエチルアミノ)-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート(40mg、0.075mmol)および酢酸エチル(5mL、0.02M)を投入し、0℃に冷却した。酢酸エチル中4M塩酸の溶液(5mL、20mmol)を滴下添加した。溶液を室温に加温させ、1時間にわたって撹拌した。メタノール(3mL)を添加し、反応物を1時間にわたって撹拌し、混合物を真空で濃縮した。得られた残留物を16時間にわたって凍結乾燥して、表題化合物を黄色固体(28mg、79%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.76 (br s, 1H), 9.60 (br s, 2H), 8.69 (br d, J=8.2 Hz, 1H), 8.18
(br t, J=7.6 Hz, 1H), 7.98 (br d, J=7.2 Hz, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.65 - 5.48 (m,
1H), 5.22 (br s, 2H), 4.25 (br s, 2H), 3.63 (br d, J=6.6 Hz, 4H), 2.77 - 2.58
(m, 3H), 1.65 (br d, J=6.1 Hz, 6H), 1.15 (br t, J=6.5 Hz, 6H)]. (C
23H
30N
8O)のm/z (APCI+) 435.3 (M+H)
+.
(実施例5)
6-シクロプロピル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル[(6-シクロプロピル-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(100mg、0.20mmol)、シクロプロピルトリフルオロホウ酸カリウム(59.4mg、0.40mmol)、酢酸パラジウム(9.0mg、0.04mmol)、ジ(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン(21.6mg、0.06mmol)、炭酸セシウム(196mg、0.60mmol)、水(0.25mL)およびトルエン(2.5mL、0.08M)を投入した。反応物を110℃で20時間にわたって加熱し、この時点で、反応物を酢酸エチル(50mL)で希釈した。溶液をブライン(3×30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた残留物を、カラムクロマトグラフィー(DCM中0~5%メタノール)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(80mg、79%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.95 (s, 1H), 8.62 (d, J=7.95 Hz, 1H), 8.12 (t, J=8.07 Hz, 1H),
7.95 (d, J=7.46 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 5.50 (br s, 1H), 5.20(br s, 2H), 4.55
(s, 2H), 2.90 (s, 3H), 2.26-2.35 (m, 1H), 1.58 (br s, 6H), 1.18-1.45 (m, 9H),
0.93-1.05 (m, 4H)). (C
27H
33N
7O
3)のm/z (APCI+) 404.2 (M+H)
+.
ステップ2:6-シクロプロピル-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル[(6-シクロプロピル-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(80mg、0.16mmol)およびDCM(3mL、0.5M)を投入した。溶液を10℃未満に冷却し、TFA(0.12mL、1.6mmol)を滴下添加した。反応物を室温に加温させ、2時間にわたって撹拌させた。溶液を氷水(20mL)で希釈し、固体重炭酸ナトリウムを、水性層がおよそpH9に到達するまで添加した。層を分離し、水性層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、粗残留物を提供した。この材料を、カラムクロマトグラフィー(DCM中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物をオフホワイトの固体(30mg、47%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.96 (s, 1H), 8.63 (d, J=8.31 Hz, 1H), 8.11 (t, J=8.01 Hz, 1H),
7.94-8.00 (m, 1H), 7.60 (s, 1H), 5.58 (五重線, J=6.76 Hz,
1H), 5.28 (s, 2H), 3.93 (s, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.25-2.32 (m, 1H), 1.59 (d,
J=6.72 Hz, 6H), 0.97-1.04 (m, 4H). (C
22H
25N
7O)のm/z (APCI+) 404.2 (M+H)
+.
(実施例6)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチルメチル[(6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(96mg、0.19mmol)、N-メチルイソプロピルアミン(0.1mL、0.96mmol)、炭酸セシウム(188mg、0.58mmol)、(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(16mg、0.019mmol)および1,4-ジオキサン(3.9mL)を投入した。反応物を100℃で18時間にわたって加熱した。混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過し、DCM中10%メタノールで洗浄した。濾液を真空で濃縮し、得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(1:1 DCM/酢酸エチル中0~10%メタノール)を使用して精製して、表題化合物を白色固体(60mg、58%)として提供した。(C
28H
38N
8O
3)のm/z(APCI+)535.3(M+H)
+.
ステップ2:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチルメチル[(6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート(60mg、0.11mmol)およびDCM(6mL)を投入した。1,4-ジオキサン中塩化水素の4N溶液(2mL、8.0mmol)を添加し、溶液を室温で1時間にわたって撹拌させた。溶液を真空で部分的に濃縮し、次いで、トルエン(2×)と共沸させた。得られた材料を、SFC(DCPak SFC-B 150×21.2mm、5μmカラム、40℃にて、7分間かけて傾斜する二酸化炭素中15~35%メタノールの勾配で溶離、120バールに保持された圧力、85mL/分の流速)を使用して精製して、表題化合物を固体(28.9mg、59%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.95 (s, 1 H) 8.63 (d, J=7.95 Hz, 1 H) 8.10 (t, J=8.01 Hz, 1 H)
7.95 (d, J=7.21 Hz, 1 H) 6.81 (s, 1 H) 5.54(dt, J=13.36, 6.71 Hz, 1 H) 5.15 (s,
2 H) 4.89 - 5.05 (m, 1 H) 3.98 (s, 2 H) 2.89 (s, 3 H) 2.48 (s, 3 H) 1.59 (d,
J=6.72 Hz, 6 H) 1.16 (d, J=6.72 Hz, 6H). (C
23H
30N
8O)のm/z (APCI+) 435.0 (M+H)
+
(実施例7)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(88mg、0.18mmol)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(1-メチルシクロプロピル)-1,3,2-ジオキサボロラン(43mg、0.26mmol)、酢酸パラジウム(7.9mg、0.035mmol)、ジ(1-アダマンチル)-n-ブチルホスフィン(19mg、0.053mmol)、炭酸セシウム(172mg、0.53mmol)、トルエン(4mL)および水(0.4mL)を投入した。混合物を窒素で8分間にわたって脱気し、次いで、110℃で4時間にわたって加熱した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過し、真空で濃縮した。得られた材料を、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中0~80%酢酸エチル)を使用して精製して、薄黄色固体(96mg)を提供し、これを次のステップに直接持ち込んだ。フラスコに、単離された固体、DCM(2mL)およびトリフルオロ酢酸(0.4mL)を投入した。反応物を室温で2時間にわたって撹拌させた。混合物を濃縮し、逆相HPLC(移動相A中5~100%移動相B、移動相A:水中0.05%TFA(v/v)、移動相B:アセトニトリル中0.05%TFA(v/v)、WatersサンファイアC18 19×100、5μmカラム、流速:25mL/分)を使用して精製して、表題化合物を固体(2ステップにわたって94mg、90%)として提供した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.95 (s, 1 H) 8.63 (d, J=8.44 Hz, 1 H) 8.14 (t, J=7.98 Hz, 1 H) 7.95
(d, J=7.70 Hz, 1 H) 7.71 (s, 1 H) 5.43 (五重線, J=6.60 Hz,
1 H) 5.23 (s, 2 H) 4.48 (s, 2 H) 2.77 (s, 3 H) 1.57 - 1.62 (m, 9 H) 1.42 - 1.47
(m, 2 H) 0.92 - 0.97 (m, 2 H). (C
23H
27N
7O)のm/z (APCI+) 418.2 (M+H)
+.
(実施例8)
6-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル[(6-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル[(6-クロロ-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(100mg、0.20mmol)、(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジンHCl塩(55mg、0.40mmol)、炭酸セシウム(196mg、0.60mmol)、1,4-ジオキサン(3mL)および(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(17mg、0.02mmol)を投入した。雰囲気を窒素ガスに交換し、反応物を100℃で40時間にわたって加熱した。混合物を室温に冷却し、DCM(50mL)で希釈した。溶液をブライン(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色ガム状物を提供した。粗材料を、分取TLC(1:4 石油エーテル/酢酸エチル)を使用して精製して、表題化合物を薄緑色固体(10mg、9%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.73 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.43 (s, 1H), 8.11 (br s, 1H), 8.00 - 7.90
(m, 1H), 6.76 (s, 1H), 5.82 - 5.47 (m, 1H), 5.15 -4.93 (m, 2H), 4.63 - 4.40 (m,
2H), 3.05 (br s, 3H), 2.30 (br s, 2H), 1.73 - 1.66 (m, 8H), 1.45 - 1.30 (m,
11H), 1.21 (d, J=6.1 Hz, 6H). (C
30H
40N
8O
3)のm/z (APCI+) 561.4 (M+H)
+.
ステップ2:6-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル[(6-[(2R,5R)-2,5-ジメチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2-{6-[4-(プロパン-2-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]メチルカルバメート(10mg、0.018mmol)およびDCM(3mL)を投入し、0℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(0.2mL)を滴下方式で添加した。溶液を25℃に加温させ、3時間にわたって撹拌させた。混合物を氷水(10mL)で希釈し、固体炭酸ナトリウムの添加によりpHをpH=9に調整した。層を分離し、水性層をDCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を黄色固体(8mg、97%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.96 (s, 1H), 8.62 (d, J=7.9 Hz, 1H), 8.14 - 8.06 (m, 1H), 7.95 (d,
J=7.1 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 5.55 (td, J=6.7, 13.3 Hz,1H), 5.21 - 5.08 (m, 2H),
4.27 (br s, 1H), 3.95 - 3.85 (m, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.23 (br s, 2H), 1.65 (br
d, J=5.5 Hz, 2H), 1.58 (d, J=6.7 Hz, 6H), 1.36 - 1.28 (m,2H), 1.17 - 1.07 (m,
6H). (C
25H
32N
8O)のm/z
(APCI+) 483.3 (M+Na)
+.
(実施例9)
6-(ジエチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:2-ブロモ-6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン
フラスコに、N’-[(6-ブロモピリジン-2-イル)カルボニル]-N,N-ジメチルヒドラゾノホルムアミド(2.0g、7.4mmol)、エチルアミン(0.5mL、333mg、7.4mmol)、酢酸(3mL)およびアセトニトリル(15mL、0.5M)を投入した。溶液を95℃で16時間にわたって加熱した。反応物を酢酸エチル(10mL)および水(10mL)で希釈した。固体炭酸カリウムを、水性層のpHがおよそpH8になるまで添加した。層を分離し、水性層を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物(1.8g)を黄色固体として提供した。粗材料を酢酸エチル(0.3mL)および石油エーテル(3mL)で希釈し、これを5分間にわたって撹拌し、濾過した。これにより、表題化合物を淡黄色固体(1.5g、80%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.32 (d, J=7.8 Hz, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.70 (t, J=7.8 Hz, 1H), 7.54
(d, J=7.8 Hz, 1H), 4.59 (q, J=7.3 Hz, 2H), 1.52 (t, J=7.2 Hz, 3H). (C
9H
9BrN
4)のm/z (APCI+), 252.7 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル((6-クロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル)(メチル)カルバメート(100mg、0.32mmol)、2-ブロモ-6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン(97.4mg、0.39mmol)、ヨウ化銅(15.3mg、0.08mmol)、炭酸カリウム(97.5mg、0.71mmol)およびアセトニトリル(5mL、0.06M)を投入した。溶液を窒素ガスで5分間にわたって発泡させ、密閉し、120℃で1.5時間にわたって加熱した。反応物を室温に冷却し、DCM(100mL)で希釈した。溶液をブライン(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、黄色ガム状物(200mg)を提供した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(10:1 DCM/MeOH)を使用して精製して、表題化合物を白色固体(120mg、77%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.69 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.28 (s, 1H), 8.17 (br d, J=6.8 Hz, 1H),
7.97 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.79 (s, 1H), 5.24 (br s, 2H), 4.72 (br s, 2H), 4.68 -
4.63 (m, 2H), 2.98 (s, 3H), 1.47 - 1.28 (m, 12H). (C
23H
26ClN
7O)のm/z (APCI+) 484.1 (M+H)
+.
ステップ3:tert-ブチル({6-(ジエチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
フラスコに、tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(120mg、0.25mmol)、炭酸セシウム(242mg、0.74mmol)、ジエチルアミン(0.05mL、0.52mmol)および1,4-ジオキサン(4mL、0.06M)を投入した。(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート(20.7mg、0.025mmol)を添加し、反応混合物を、窒素雰囲気下、100℃で16時間にわたって加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、ブライン(3×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗残留物を提供した。粗材料を、カラムクロマトグラフィー(10:1 DCM/メタノール)を使用して精製して、表題化合物(60mg、46%)を提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.78 - 8.69 (m, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.17 - 8.08 (m, 1H), 7.93 (t,
J=7.9 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.10 - 4.92 (m, 2H), 4.72 (br s, 2H), 4.50 (br s,
2H), 3.59 (q, J=7.3 Hz, 4H), 2.99 (br s, 3H), 1.46 - 1.31 (m, 11H), 1.21 (t,
J=7.0 Hz, 6H). (C
27H
36N
8O
3)のm/z (APCI+) 521.3 (M+H)
+.
ステップ4:6-(ジエチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
フラスコに、tert-ブチル({6-(ジエチルアミノ)-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(60mg、0.12mmol)および酢酸エチル(2mL、0.06M)を投入し、反応物を5℃未満に冷却した。酢酸エチル中4M塩酸の溶液(5mL、20mmol)を添加し、反応物を室温に加温させ、1時間にわたって撹拌させた。反応物を濃縮して、黄色固体を提供した。粗材料を、水(0.05%HCl)/アセトニトリルを使用するPhenomenexシナジーC18 150×30mm×4μmカラム上での分取HPLCを使用して精製して、表題化合物を黄色固体(30mg、57%)として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.28 (br d, J=5.8 Hz, 2H), 9.10 (s, 1H), 8.66 (d, J=8.3 Hz, 1H),
8.15 (t, J=8.0 Hz, 1H), 8.02 (d, J=7.5 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 5.17 (s, 2H),
4.67 (q, J=7.0 Hz, 2H), 4.32 (t, J=5.8 Hz, 2H), 3.65 (q, J=6.8 Hz, 4H), 2.73
(t, J=5.3 Hz, 3H), 1.52 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.16 (t, J=6.9 Hz, 6H). (C
22H
28N
8O)のm/z (APCI+) 442.9 (M+Na)
+.
本発明の追加の化合物は、本明細書で例示されている方法の修正形態によって調製した。特に指示されている場合を除き、キラル中心を有するすべての化合物は、公知の相対配置を有する単一の鏡像異性体として調製および/または単離した。「絶対立体化学不明」のマークが付された化合物は、典型的には、ラセミ中間体から調製し、特徴付けおよび試験の前に適切なキラル分取SFC方法によって単一の鏡像異性体に分割した。一対の鏡像異性体について絶対立体化学が不明である場合、表1において表されている立体化学は、公知の絶対配置を有する化合物への類推により、旋光度のサイン([α]D
20)および相対的な生物学的活性に基づいて割り当てられる。「絶対立体化学公知」のマークが付された化合物は、典型的には、公知の立体化学を有するキラル中間体から調製した。
選択された化合物およびそれらの対応する特徴付けデータを以下の表1に提示し、ここで、化合物を作製するために使用した方法を、実施例番号の下に括弧に入れて提供する。
(実施例46)
6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
1,4-ジオキサン(46mL)中の、中間体3(1.33g、4.15mmol)、中間体13(1.16g、4.36mmol)、Pd
2(dba)
3(380mg、0.415mmol)、キサントホス(480g、0.830mmol)およびK
3PO
4(2.64g、12.5mmoL)の混合物を、N
2で5分間にわたって脱気し、85℃で16時間にわたって撹拌した。反応物をLCMSによって分析し、これは、出発材料の消費を示した。混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。残留物をEtOAc(15mL)により10分間にわたってスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをEtOAc(4×)で洗浄し、次いで、真空下で乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO
2、0~100%EtOAc/ヘプタン、次いで、10%MeOH/EtOAc)によって精製して、薄黄色固体を提供した。材料を1:9 EtOH/DCMに溶解し、超高純度Si-チオSiO
2(1.59g)で処理した。混合物を2時間にわたって撹拌し、濾過した。濾過ケーキを1:9 EtOH/DCMで洗浄し、合わせた濾液を真空下で濃縮した。残留物を1:9 EtOH/DCMに溶解し、超高純度Si-チオSiO
2(1.32g)で処理した。混合物を3時間にわたって撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケーキを1:9 EtOH/DCMで洗浄し、合わせた濾液を濃縮した。残留物を1:9 EtOHに溶解し、超高純度Si-チオSiO
2(1.22g)で処理した。混合物を16時間にわたって撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケーキを1:9 EtOH/DCMで洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固して、tert-ブチル({6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(2.08g、95%収率)を薄黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.74 (s, 1H), 8.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.09 (t, J=8.0 Hz, 1H), 7.97
(d, J=7.6 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 5.05 (d, J=11.7 Hz, 2H), 4.56 (s, 2H), 4.52 -
4.46 (m, 2H), 3.09 (s, 6H), 2.92 (s, 3H), 1.88 - 1.76 (m, 2H), 1.40 - 1.19 (m,
9H), 0.87 (t, J=7.4 Hz, 3H); LCMS (C
26H
34N
8O
3)のm/z (ESI+), 507.4 (M+H)
+.
代替ステップ1:tert-ブチル({6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeOH(9.1mL)中のtert-ブチル{[6-(ジメチルアミノ)-4-(ジメチルカルバモイル)-3-ホルミルピリジン-2-イル]メチル}メチルカルバメート(3e)(500mg、1.37mmol)および6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-アミン(中間体16)(293mg、1.44mmol)の溶液に、デカボラン(62.0mg、0.508mmol)を添加した。混合物を室温で16時間にわたって撹拌し、次いで、NaOMeの溶液(MeOH中25%、5.02mL、22.0mmol)を添加した。混合物を65℃で2時間にわたって撹拌して、黄色懸濁液を提供した。追加のNaOMe(MeOH中0.5M、13.7mL、6.86mmol)を添加し、混合物を65℃で3時間にわたって撹拌した。反応物を室温に冷却し、黄色固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをH2O(2×3mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、tert-ブチル({6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(518mg、75%収率)を薄黄色固体として提供した。(C26H34N8O3)のLCMS m/z(ESI+),507.5(M+H)+.
ステップ2:6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
MeOH(20mL)中のtert-ブチル({6-(ジメチルアミノ)-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(1.96g、3.87mmol)の懸濁液に、HClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0M、19.3mL、77.4mmoL)を0℃でゆっくりと添加した。混合物を0℃で3時間にわたって撹拌し、次いで、室温にゆっくりと加温させた。混合物を室温で16時間にわたって撹拌した。反応物を濃縮乾固した。固体を1:9 MeOH/DCM(80mL)に溶解し、0℃に冷却し、次いで、飽和Na
2CO
3水溶液(25mL)とともに20分間にわたって撹拌した。混合物を分離した。水性層を1:19 MeOH/DCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をH
2O(2×30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。固体をEtOAc中で40℃にて40分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをEtOAcで洗浄し、次いで、真空オーブン中、30℃で16時間にわたって乾燥させて、6-(ジメチルアミノ)-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(1.42g、90%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.73 (s, 1H), 8.62 (dd, J=8.4, 1.0 Hz, 1H), 8.11 - 8.04 (m, 1H),
8.00 (dd, J=7.7, 1.0 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.57 (dd, J=7.9, 6.5
Hz, 2H), 3.80 (s, 2H), 3.09 (s, 6H), 2.35 (s, 3H), 1.88 (h, J=7.4 Hz, 2H), 0.93
(t, J=7.4 Hz, 3H); LCMS (C
21H
26N
8O)のm/z (ESI+), 407.3 (M+H)
+.
(実施例55)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeCN(10.0mL)中の、中間体2(430mg、1.38mmol)、中間体13(368mg、1.38mmol)、K
2CO
3(419mg、3.03mmol)およびN,N-ジメチルエチレンジアミン(60.7mg、0.690mmol)の溶液に、CuI(65.7mg、0.345mmol)を添加した。混合物をN
2で5分間にわたってスパージし、次いで、マイクロ波照射下、120℃で1.5時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を室温に冷却し、H
2O(10mL)を添加した。混合物を15分間にわたって撹拌し、次いで、濾過した。濾過ケーキをH
2O(3×3mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(430mg、63%収率)を黄色ガラスとして提供した。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム-d) δ 8.68 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.25 (s, 1H),
8.14 (s, 1H), 8.02 - 7.92 (m, 1H), 7.78 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.76 - 4.50 (m,
4H), 2.97 (s, 3H), 1.97 - 1.80 (m, 2H), 1.37 (s, 9H), 0.94 (s, 3H); (C
24H
28ClN
7O
3)のm/z (ESI+), 498.2 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチルメチル({6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(5.0mL)中のtert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(200mg、0.402mmol)およびCs
2CO
3(720mg、2.21mmol)の溶液を、アルゴンで3分間にわたってスパージし、RuPhos Pd G3(33.6mg、0.0402mmol)を添加した。混合物をアルゴンで3分間にわたってスパージし、(2R)-2-メチルピロリジン(171mg、2.01mml)を添加した。混合物を100℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濾過し、濾過ケーキをDCM(2×10mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(8gのSiO
2、EtOAc)によって精製して、tert-ブチルメチル({6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(210mg、96%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.82 - 8.62 (m, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.17 - 8.09 (m, 1H), 7.97 - 7.89
(m, 1H), 6.74 (s, 1H), 5.13 - 4.85 (m, 2H), 4.76 - 4.58 (m, 2H), 4.64 - 4.42
(m, 2H), 4.35 - 4.19 (m, 1H), 3.84 - 3.73 (m, 2H), 3.67 - 3.57 (m, 1H), 3.46 -
3.31 (m, 1H), 3.01 (br. s, 3H), 2.19 - 2.08 (m, 2H), 1.99 - 1.90 (m, 1H), 1.81
- 1.74 (m, 1H), 1.48 - 1.31 (m, 9H), 1.27 (d, J=6.1 Hz, 3H), 0.98 (t, J=6.3 Hz,
3H); (C
29H
38N
8O
3)のm/z (ESI+), 547.4 (M+H)
+.
ステップ3:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン塩酸塩
0℃のDCM(5.0mL)中のtert-ブチルメチル({6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(210mg、0.384mmol)の溶液に、HClの溶液(EtOAc中1.0M、5.0mL)を添加した。混合物を20℃で4時間にわたって撹拌して、懸濁液を提供した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。懸濁液を濾過した。濾過ケーキをDCM(5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。材料をH
2O(30mL)に溶解し、凍結乾燥によって乾燥させて、塩酸塩として単離された4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(170mg、92%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.68 (s, 1H), 8.53 (dt, J=6.2, 2.9 Hz, 1H), 8.04 - 7.98 (m, 1H),
7.94 (dd, J=8.0, 2.8 Hz, 1H), 6.53 (s, 1H), 5.06 - 4.98 (m, 2H), 4.56 - 4.48
(m, 2H), 3.84 (2H 溶媒ピークにより不明確), 3.28 (d, J=9.3 Hz, 1H),
2.46 - 2.34 (m, 3H), 2.09 - 1.96 (m, 2H), 1.96 - 1.89 (m, 1H), 1.88 - 1.74 (m,
4H), 1.74 - 1.63 (m, 1H), 1.15 (d, J=6.1 Hz, 3H), 0.90 (t, J=7.4 Hz, 3H); (C
24H
30N
8O)のm/z (ESI+), 447.1 (M+H)
+.
(実施例56)
4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン塩酸塩
ステップ1:tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
MeCN(10.0mL)中の、中間体7(300mg、1.01mmol)、中間体13(306mg、2.22mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(44.4mg、0.504mmol)およびK
2CO
3(306mg、2.22mmol)の溶液に、CuI(48.0mg、0.252mmol)を添加し、混合物をアルゴンで5分間にわたってスパージした。混合物を、マイクロ波照射しながら、120℃で1.5時間にわたって撹拌した。TLC分析は、出発材料の消費を指し示した。反応物を室温に冷却し、H
2O(80mL)を添加した。混合物を濾過し、濾過ケーキをH
2O(3×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(290mg、60%収率)を褐色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.78 (s, 1H), 8.59 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.18 - 8.07 (m, 1H), 8.01 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.55 (t, J=5.9 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 4.58 (t,
J=7.1 Hz, 2H), 4.39 (d, J=5.9 Hz, 2H), 1.83 (q, J=7.4 Hz, 2H), 1.35 (s, 9H),
0.86 (t, J=7.3 Hz, 3H); (C
23H
26ClN
7O
3)のm/z (ESI+), 484.2 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(10.0mL)中のtert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(290mg、0.599mmol)およびCs
2CO
3(586mg、1.8mmol)の溶液を、アルゴンで3分間にわたってスパージし、RuPhos Pd G3(50.1、0.0599mmol)を添加した。混合物をアルゴンで3分間にわたってスパージし、N-メチルエタンアミン(70.8mg、1.2mmol)を添加した。混合物を、Ar下、100℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固し、残留物を分取TLC(SiO
2、1:20 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(90mg、30%収率)を黄色固体として提供した。(C
26H
34N
8O
3)のm/z(ESI+),507.3(M+H)
+.
ステップ3:4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン塩酸塩
EtOAc(5.0mL)中のtert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(90mg、0.18mmol)の溶液に、HClの溶液(EtOAc中4.0M、3.0mL)を0℃で添加した。混合物を15℃で20時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物を、YMCアクタストライアートC-18カラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを11~51%MeCN/H
2O(+0.05%HCl)により30mL/分の流速で溶離して、塩酸塩として単離された4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(37mg、47%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ
8.97 (s, 1H), 8.65 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.48 (s, 3H), 8.16 -
8.09 (m, 1H), 8.02 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.14 (s, 2H), 4.59 (t,
J=7.3 Hz, 2H), 4.22 (d, J=6.1 Hz, 2H), 3.71 (q, J=7.1 Hz, 2H), 3.11 (s, 3H),
1.89 (q, J=7.3 Hz, 2H), 1.11 (t, J=6.9 Hz, 3H), 0.94 (t, J=7.4 Hz, 3H); (C
21H
26N
8O)のm/z (ESI+), 407.3 (M+H)
+.
(実施例57)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチルメチル{[6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}カルバメート
N
2雰囲気下、1,4-ジオキサン(5.0mL)中の、中間体8(100mg、0.302mmol)、中間体14(89.1mg、0.302mmol)およびK
3PO
4(192mg、0.905mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(27.6mg、0.0302mmol)およびキサントホス(34.9mg、0.0603mmol)を添加した。混合物をN
2で2分間にわたってスパージした。混合物を85℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物をH
2O(1.5mL)で希釈し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせた有機物をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取TLC(SiO
2、1:30 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチルメチル{[6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}カルバメート(100mg、61%収率)を薄黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.92 (s, 1H), 8.61 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.14 - 8.06 (m, 1H), 7.93 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 5.17 (d, J=23.7 Hz, 2H), 4.53 (s, 2H), 2.92 (s,
3H), 1.99 - 1.83 (m, 1H), 1.54 (s, 3H), 1.38 (s, 5H), 1.23 (s, 4H), 1.18 (s,
4H), 0.91 - 0.82 (m, 4H), 0.78 (t, J=7.4 Hz, 6H); (C
30H
39N
7O
3)のm/z (ESI+), 546.5 (M+H)
+.
ステップ2:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
DCM(3.0mL)中のtert-ブチルメチル{[6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}カルバメート(100mg、0.183mmol)の溶液を0℃に冷却し、TFA(1.0mL)を滴下添加した。混合物を室温で4時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮した。残留物をDCM(50mL)に溶解し、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。固体を凍結乾燥によって乾燥させて、4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2-{6-[4-(ペンタン-3-イル)-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル]ピリジン-2-イル}-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(33mg、40%収率)をオフホワイトの固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.93 (s, 1H), 8.65 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.14 - 8.06 (m, 1H), 7.96 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 5.43 (td, J=8.7, 4.3 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 3.91
(s, 2H), 2.34 (s, 4H), 1.99 - 1.86 (m, J=6.7 Hz, 4H), 1.56 (s, 3H), 1.25 (p,
J=3.5 Hz, 2H), 0.87 (q, J=3.6 Hz, 2H), 0.83 (s, 6H); (C
25H
31N
7O)のm/z (ESI+), 446.5 (M+H)
+.
(実施例58)
2-(6-{4-[(2S)-ブタン-2-イル]-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル}ピリジン-2-イル)-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
中間体8(68.4mg、0.206mmol)、中間体15(58.0mg、0.210mmol)、K
2CO
3(71.3mg、0.516mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(8.61mg、0.0977mmol)およびCuI(9.3mg、0.0488mmol)の混合物を、マイクロ波照射下、120℃で90分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾過ケーキを10%MeOH/DCMで洗浄し、合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をDCM(2.0mL)に溶解し、TFA(1.0mL)を添加した。混合物を室温で2時間にわたって撹拌した。反応物を濃縮乾固した。残留物を、ZymorSPHERE HADPカラム(4.6×150mm、5μm粒径)を用いる分取SFCによって精製し、これを5~50%MeOH/CO
2により4.0mL/分の流速で溶離して、(57.6mg、65%収率)を固体として提供した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.92 (s, 1H), 8.61 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.15 - 8.07 (m, 1H), 7.93 (d,
J=7.2 Hz, 1H), 7.66 (s, 1H), 5.31 (p, J=7.2 Hz, 1H), 5.25 - 5.17 (m, 2H), 4.35
(s, 2H), 2.68 (s, 3H), 1.92 (ddp, J=36.2, 14.6, 7.4 Hz, 2H), 1.57 (d, J=8.2 Hz,
6H), 1.42 - 1.37 (m, 2H), 0.91 (d, J=5.4 Hz, 2H), 0.82 (t, J=7.3 Hz, 3H); (C
24H
29N
7O)のm/z (ESI+), 432.2 (M+H)
+.
(実施例59)
6-[エチル(メチル)アミノ]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeCN(7.0mL)中の、中間体2(200mg、0.642mmol)、中間体13(180mg、0.674mmol)、K
2CO
3(195mg、1.41mmol)およびN,N-ジメチルエチレンジアミン(28.3mg、0.321mmol)の溶液に、CuI(30.5mg、0.160mmol)を添加した。混合物をアルゴンで5分間にわたってスパージし、次いで、マイクロ波照射下、120℃で1.5時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をH
2O(30mL)で希釈した。結果として生じた沈殿物を濾過によって収集した。濾過ケーキをEtOAc(100mL)中で撹拌し、濾過して、未溶解の固体を除去した。濾液を濃縮乾固して、tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(270mg、85%収率)を灰色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.78 (s, 1H), 8.60 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.17 - 8.10 (m, 1H), 8.00 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.87 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.66 (s, 2H), 4.60 - 4.54 (m, 2H),
2.93 (s, 3H), 1.81 (s, 2H), 1.37 (s, 5H), 1.24 (s, 4H), 0.86 (t, J=7.3 Hz, 3H);
(C
24H
28ClN
7O
3)のm/z (ESI+), 498.2 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
1,4-ジオキサン(8.0mL)中の、tert-ブチル({6-クロロ-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(270mg、0.542mmol)、N-メチルエタンアミン(64.1mg、1.08mmol)およびCs
2CO
3(530mg、1.63mmol)の混合物を、アルゴンで3分間にわたってスパージし、RuPhos Pd G3(45.4mg、0.542mmol)を添加した。混合物をアルゴンで追加で3分間にわたってスパージし、次いで、100℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をH
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を分取TLC(1:20 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(99mg、35%収率)を褐色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.76 (s, 1H), 8.62 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.12 - 8.06 (m, 1H), 7.98 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 6.78 (s, 1H), 5.09 - 5.00 (m, 2H), 4.57 (s, 2H), 4.49 (s, 2H),
3.68 - 3.60 (m, 2H), 3.05 (s, 3H), 2.94 (s, 3H), 1.90 - 1.77 (m, 2H), 1.38 (s,
4H), 1.23 (s, 5H), 1.07 (d, J=7.9 Hz, 3H), 0.89 (t, J=7.5 Hz, 3H).; (C
27H
36N
8O
3)のm/z (ESI+), 521.4 (M+H)
+.
ステップ3:6-[エチル(メチル)アミノ]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
DCM(20mL)中のtert-ブチル({6-[エチル(メチル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(99mg、0.19mmol)の溶液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0M、5.0mL)で滴下処理した。反応物を室温で2日間にわたって撹拌した。LCMSは、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物を、YMCアクタストライアートC18カラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを12~52%MeCN/H
2O(+0.05%HCl)により30mL/分の流速で溶離して、塩酸塩として単離された6-[エチル(メチル)アミノ]-4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(62.2mg、72%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.15 (d, J=8.2 Hz, 2H), 8.85 (s, 1H), 8.65 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.16
- 8.10 (m, 1H), 8.04 - 7.98 (m, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.13 (s, 2H), 4.58 (t, J=7.2
Hz, 2H), 4.33 (t, J=5.9 Hz, 2H), 3.72 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.12 (s, 3H), 2.73 (t,
J=5.4 Hz, 3H), 1.87 (h, J=7.4 Hz, 2H), 1.12 (t, J=7.0 Hz, 3H), 0.93 (t, J=7.4
Hz, 3H); (C
22H
28N
8O)のm/z
(ESI+), 421.2 (M+H)
+.
(実施例60)
4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
MeCN(4.0mL)中の、4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(中間体9)(123mg、0.487mmol)、中間体12(110mg、0.487mmol)、K
2CO
3(196mg、1.42mmol)、N,N-ジメチルエチレンジアミン(28.4mg、0.322mmol)およびCuI(30.7mg、0.161mmol)の混合物を、マイクロ波照射下、120℃で90分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をCelite(登録商標)に通して濾過した。濾過ケーキを10%MeOH/DCMで洗浄し、合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、0~10%MeOH/DCM)によって精製して、4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(173mg、89%収率)を黄色固体として提供した。(C
19H
20ClN
7O)のm/z(APCI+),398.2(M+H)
+.
ステップ2:4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
t-AmOH(4.0mL)およびH
2O(0.4mL)中の、4-クロロ-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(172mg、0.432mmol)、カリウムN-Boc-アミノメチルトリフルオロボレート(205mg、0.865mmol)、K
2CO
3(299mg、2.16mmol)、cataCXium A(31.0mg、0.0865mmol)、Pd(OAc)
2(19.4mg、0.0865mmol)およびテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(93.8mg、0.432mmol)の混合物を、N
2雰囲気下、110℃で20時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を室温に冷却し、H
2O(10mL)で希釈し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDCM(2.0mL)に溶かし、TFA(1.0mL)で処理した。混合物を2時間にわたって撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残留物を、Princeton SFC HA-モルホリンカラム(150×4.6mm、5μm粒径)を用いる分取SFCによって精製し、これを5~50%MeOH/CO
2により4.0mL/分の流速で溶離して、4-(アミノメチル)-6-[エチル(メチル)アミノ]-2-[6-(4-エチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(114.4mg、67%収率)を固体として提供した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.75 (s, 1H), 8.60 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.32 (s, 3H), 8.12 - 8.06 (m,
1H), 7.98 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.87 (s, 1H), 5.11 (s, 2H), 4.61 (q, J=7.2 Hz,
2H), 4.26 (s, 2H), 3.70 (q, J=7.0 Hz, 2H), 3.11 (s, 3H), 1.47 (t, J=7.1 Hz,
3H), 1.12 (t, J=7.0 Hz, 3H); (C
20H
24N
8O)のm/z (APCI+), 393.0 (M+H)
+.
(実施例61)
4-(アミノメチル)-2-[6-(4-エチル-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:4-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
MeCN(3.0mL)中の、中間体10(142mg、0.593mmol)、中間体4(120mg、0.477mmol)、K
2CO
3(145mg、1.05mmol)、CuI(22.7mg、0.119mmol)およびN,N-ジメチルエチレンジアミン(21.0mg、0.238mmol)の混合物を、マイクロ波照射下、120℃で90分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:1 EtOAc/DCM)によって精製して、4-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(162mg、83%収率)を淡黄色泡状物として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.79 (d, J=8.07 Hz, 1H), 7.91 - 8.08 (m, 2H), 6.76 (s, 1H), 5.13
(s, 2H), 4.23 (五重線, J=5.84 Hz, 1H), 3.59 - 3.70 (m,
1H), 3.36 - 3.50 (m, 1H), 2.73 (s, 3H), 2.10 - 2.29 (m, 2H) 1.97 - 2.09 (m,
1H), 1.74 - 1.86 (m, 1H) 1.28 (d, J=6.36 Hz, 3H); (C
20H
19ClN
6O
2)のm/z (APCI+), 411.0 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
t-BuOH(6.0mL)およびH
2O(0.6mL)中の、4-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(160mg、0.389mmol)、カリウムN-Boc-アミノメチルトリフルオロボレート(369mg、1.56mmol)、cataCXium(27.9mg、0.0779mmol)、Pd(OAc)
2(17.5mg、0.0779mmol)およびテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(84.5mg、0.389mmol)の混合物を、110℃で18時間にわたって撹拌した。LCMSは、出発材料の消費を示した。反応物を室温に冷却し、H
2O(10mL)で希釈し、DCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、30~100%EtOAc/ヘプタン)によって精製して、tert-ブチル({2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(182mg、92%収率)を白色固体として提供した。(C
26H
31N
7O
4)のm/z(APCI+),506.2(M+H)
+.
ステップ3:4-(アミノメチル)-2-[6-(4-エチル-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
NMP(1.0mL)中の、tert-ブチル({2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(84mg、0.17mmol)、エチルアミン塩酸塩(279mg、3.42mmol)およびTEA(353mg、3.49mmol)の混合物を、140℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を室温に冷却し、H
2O(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL)で抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(0~10%MeOH/DCM)によって精製した。所望の画分を濃縮乾固した。残留物をDCM(5.0mL)に溶解し、HClの溶液(1,4-ジオキサン中4.0N、1.0mL)で処理した。混合物を4時間にわたって撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残留物を、PhenomenexジェミニNX C18カラム(150×21.2mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを30~100%MeCN/H
2O(+10mM NH
4OAc)により40mL/分の流速で溶離して、tert-ブチル({2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(24.0mg、33%収率)を固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.59 (dd, J=8.3, 0.9 Hz, 1H), 8.08 - 8.01 (m, 1H), 7.96 (dd, J=7.7,
1.0 Hz, 1H), 6.60 (s, 1H), 5.19 (s, 2H), 4.56 (q, J=7.1 Hz, 2H), 4.31 - 4.20
(m, 1H), 3.91 (s, 2H), 3.53 - 3.43 (4H 溶媒ピークにより不明確),
3.21 (s, 3H), 2.15 - 2.03 (m, 2H), 1.45 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.24 (d, J=6.2 Hz,
3H); (C
23H
28N
8O)のm/z
(APCI+), 433.3 (M+H)
+.
(実施例62)
4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeCN(2.0mL)中の、中間体2(200mg、0.642mmol)、中間体4(154mg、0.642mmol)、K
2CO
3(195mg、1.41mmol)、CuI(30.5mg、0.160mmol)およびN,N-ジメチルエチレンジアミン(28.3mg、0.321mmol)の混合物を、N
2で5分間にわたってスパージし、次いで、マイクロ波照射下、120℃で100分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過し、濾液を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、0~70%[8:1:1 EtOAc/MeOH/DCM]/ヘプタン)によって精製して、tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(217mg、72%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.68 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.22 - 8.14 (m, 1H), 8.00 (d, J=7.6 Hz,
1H), 7.87 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.71 (s, 2H), 3.29 (s, 3H), 2.64 (s, 3H), 1.43
(s, 4H), 1.36 (s, 5H); (C
22H
23ClN
6O
4)のm/z (ESI+), 471.3 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
この反応は、2つの並列バッチで行った。MeCN(2.5mL)中のtert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(100mg、0.212mmol)および酢酸(31.9mg、0.531mmol)の混合物に、N-プロピルアミン塩酸塩(203mg、2.12mmol)およびTEA(215mg、2.12mmol)を添加した。反応物を100℃で16時間にわたって撹拌した。混合物を濃縮乾固した。合わせた粗反応残留物をフラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO
2、40~100%EtOAc/ヘプタン、次いで、10%MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(68.4mg、31%収率)をオフホワイトの泡状物として提供した。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d
6) δ 8.59 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.15 - 8.09 (m, 1H), 7.96 (d, J=7.6 Hz,
1H), 7.87 (s, 1H), 5.26 - 5.15 (m, 2H), 4.65 (s, 2H), 4.53 - 4.45 (m, 2H), 2.93
(s, 3H), 2.49 (s, 3H), 1.77 - 1.68 (m, 2H), 1.37 (s, 5H), 1.23 (s, 4H), 0.86
(t, J=7.4 Hz, 3H); (C
25H
30ClN
7O
3)のm/z (ESI+), 512.3 (M+H)
+.
ステップ3:4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、トリフルオロ酢酸塩
tert-ブチル({6-クロロ-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(50.0mg、0.098mmol)、(2R)-2-メチルピロリジン(41.6mg、0.488mmol)、Cs
2CO
3(95.5mg、0.293mmol)およびRuPhos-Pd G3(12.3mg、0.0146mmol)の混合物を、N
2で5分間にわたってスパージし、次いで、100℃で18時間にわたって撹拌した。混合物を室温に冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾過ケーキを10%MeOH/EtOAcで洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。残留物をDCM(1.5mL)に溶解し、TFA(0.6mL)を添加した。混合物を30分間にわたって撹拌し、次いで、濃縮乾固した。残留物を、WatersサンファイアC-18カラム(19×100mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを5~100%MeCN/H
2O(+0.05%TFA)により25mL/分の流速で溶離して、トリフルオロ酢酸塩として単離された4-[(メチルアミノ)メチル]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(38mg、68%収率)を固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.85 (s, 3H), 8.63 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.16 - 8.06 (m, 1H), 7.96 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 4.44 (dd, J=8.6, 6.6 Hz, 2H), 4.38 -
4.31 (m, 3H), 3.65 (t, J=9.0 Hz, 1H), 2.81 - 2.73 (m, 3H), 2.54 (s, 3H), 2.16 -
1.96 (m, 4H), 1.85 - 1.71 (m, 3H), 1.20 (d, J=6.2 Hz, 3H), 0.93 (t, J=7.4 Hz,
3H); (C
25H
32N
8O)のm/z
(ESI+), 461.7 (M+H)
+. [α]
D
22
= -53.3° (c= 0.5, MeOH).
(実施例63)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:メチル6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート
MeOH(200mL)中の、中間体11(11.3g、47.1mmol)、PdCl
2(dppf)(2.16g、2.95mmol)およびTEA(14.3g、141mmol)の混合物を、50psiのCO雰囲気下、80℃で40時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をH
2O(200mL)に溶解し、DCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をDCM(50mL)中で30分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを石油エーテル(3×5mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。濾液をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、40~70%EtOAc/DCM)によって精製した。所望の画分を濃縮乾固し、上記の濾過ケーキと合わせて、メチル6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(12.3g、99%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.12 (s, 1H), 6.79 (s, 1H), 4.89 (p, J=6.6 Hz, 1H), 4.68 (d, J=1.1
Hz, 2H), 3.97 (s, 3H), 2.96 (s, 3H), 1.21 (d, J=6.7 Hz, 6H); (C
13H
17N
3O
3)のm/z (ESI+), 263.9 (M+H)
+.
ステップ2:4-(ヒドロキシメチル)-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
THF(60mL)中のメチル6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-カルボキシレート(1.0g、3.80mmol)の混合物に、LiAlH
4の溶液(THF中2.5M、1.67mL、4.18mmol)を0℃で滴下添加した。混合物を、0℃で1時間にわたって、次いで、20℃で16時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:1 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。混合物を20%NaOH水溶液(0.5mL)の添加によってクエンチした。混合物にNa
2SO
4(4g)を添加した。混合物を30分間にわたって撹拌し、次いで、濾過した。濾液を濃縮乾固して、4-(ヒドロキシメチル)-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(890mg、99%超収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 7.04 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 4.85 (p, J=6.6 Hz, 1H), 4.67 (d, J=4.7
Hz, 2H), 4.33 (s, 2H), 4.09 (t, J=4.6 Hz, 1H), 2.92 (s, 3H), 1.20 (d, J=6.7 Hz,
6H); (C
12H
17N
3O
2)のm/z (ESI+), 236.0 (M+H)
+.
ステップ3:{6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチルメタンスルホネート
THF(20.0mL)中の4-(ヒドロキシメチル)-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(890mg、3.78mmol)およびTEA(957mg、9.46mmol)の混合物に、MsCl(953mg、8.23mmol)を、N
2雰囲気下、0℃で滴下添加した。混合物を0℃で撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を飽和Na
2CO
3水溶液(30mL)で希釈し、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、{6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチルメタンスルホネート(1.2g、99%超収率)を黄色固体として提供し、これをさらに精製することなく持ち越した。(C
13H
19N
3O
4S)のm/z(ESI+),314.0(M+H)
+.
ステップ4:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
THF(20.0mL)中の{6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチルメタンスルホネート(1.18g、3.78mmol)の混合物に、メチルアミンの溶液(THF中2.0M、37.8mL、75.6mmol)を添加した。混合物を1時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を指し示した。混合物を濃縮乾固して、4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(940mg、99%超収率)を褐色固体として提供し、これをさらに精製することなく持ち越した。(C
13H
20N
4O)のm/z(ESI+),249.0(M+H)
+.
ステップ5:tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
DCM(20.0mL)中の4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(940mg、11.4mmol)およびTEA(1.15g、11.4mmol)の溶液に、Boc
2O(1.65mg、7.57mmol)を添加した。混合物を30分間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、EtOAc)によって精製して、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(600mg、46%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 6.81 (s, 1H), 6.57 - 6.42 (m, 1H), 4.91 (p, J=6.6 Hz, 1H), 4.48 (s,
2H), 4.35 (d, J=12.4 Hz, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.88 (s, 3H), 1.48 (s, 5H), 1.41
(s, 4H), 1.17 (d, J=6.7 Hz, 6H); (C
18H
28N
4O
3)のm/z (ESI+), 349.2 (M+H)
+.
ステップ6:tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
1,4-ジオキサン(3.0mL)中の、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(80mg、0.23mmol)、中間体13(64.4mg、0.24mmol)およびK
3PO
4(146mg、0.69mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(21.0mg、0.023mmol)およびキサントホス(26.6mg、0.046mmol)を添加した。混合物をN
2で2分間にわたってスパージし、次いで、85℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を指し示した。反応物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(90mg、73%収率)を褐色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.71 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.14 - 8.06 (m, 1H), 7.96 -
7.87 (m, 1H), 6.86 (s, 1H), 5.04 (s, 1H), 5.00 - 4.90 (m, 2H), 4.68 - 4.57 (m,
2H), 4.51 (s, 2H), 3.03 - 2.93 (m, 3H), 2.92 (s, 3H), 1.90 (s, 2H), 1.41 (s,
5H), 1.33 (s, 4H), 1.20 (d, J=6.7 Hz, 6H), 0.98 - 0.91 (m, 3H); (C
28H
38N
8O
3)のm/z (ESI+), 535.4 (M+H)
+.
ステップ7:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
EtOAc(5.0mL)中のtert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(90mg、0.17mmol)の溶液に、HClの溶液(EtOAc中4.0M、2.0mL)を0℃で添加した。混合物を室温で4時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物を真空下で濃縮し、次いで、凍結乾燥によって乾燥させて、塩酸塩として単離された4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(62.9mg、79%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.21 (s, 1H), 8.65 (dd, J=8.4, 0.9 Hz, 1H), 8.17 - 8.10 (m, 1H),
7.99 (dd, J=7.6, 0.9 Hz, 1H), 6.88 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 5.05 - 4.92 (m, 1H),
4.60 (dd, J=8.1, 6.4 Hz, 2H), 4.31 (s, 2H), 2.90 (s, 3H), 2.71 (s, 3H), 1.88
(h, J=7.3 Hz, 2H), 1.14 (d, J=6.6 Hz, 6H), 0.92 (t, J=7.4 Hz, 3H); (C
23H
30N
8O)のm/z (ESI+), 435.3 (M+H)
+.
(実施例64)
4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
N
2雰囲気下、1,4-ジオキサン(10.0mL)中の、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(実施例63における合成を参照)(200mg、0.574mmol)、中間体17(169mg、0.603mmol)およびK
3PO
4(366mg、1.72mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(52.6mg、0.0574mmol)およびキサントホス(66.4mg、0.115mmol)を添加した。混合物を密閉し、85℃で18時間にわたって撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:20 MeOH/EtOAc)によって精製した。下記のステップを5回連続で行った:残留物を1:10 MeOH/EtOAc(30mL)に溶解し、超高純度Si-チオSiO
2(1g)を添加した。混合物を50℃で30分間にわたって撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキを1:10 MeOH/EtOAc(3×30mL)で洗浄した。濾液を濃縮乾固した。結果として生じた残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(250mg、79%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.68 (d, J=9.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.94 - 7.85 (m,
1H), 6.86 (s, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.94 (d, J=9.4 Hz, 2H), 4.53 (s, 3H), 3.01 -
2.94 (m, 4H), 2.92 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 1.75 (s, 2H), 1.47 - 1.27 (m, 9H),
1.20 (d, J=6.7 Hz, 6H), 0.90 (t, J=7.3 Hz, 3H); LCMS (C
29H
40N
8O
3)のm/z (ESI+), 549.6 (M+H)
+.
ステップ2:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
EtOAc(5.0mL)中のtert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(250mg、0.456mmol)の溶液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0N、3.0mL)で処理した。混合物を25℃で1時間にわたって撹拌した。LCMSは、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物を、Phenomenexジェミニ-NXカラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを19~39%MeCN/H
2O(+0.05%HCl)により30mL/分の流速で溶離して、塩酸塩として単離された4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(140mg、63%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.30 (s, 2H), 8.71 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.21 - 8.14 (m, 1H), 7.98 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.15 (s, 2H), 5.11 - 4.98 (m, 1H), 4.58 - 4.48 (m,
2H), 4.30 (t, J=5.8 Hz, 2H), 2.93 (s, 3H), 2.71 (t, J=5.4 Hz, 3H), 2.67 (s,
3H), 1.87 (p, J=7.5 Hz, 2H), 1.17 (d, J=6.6 Hz, 6H), 0.97 (t, J=7.4 Hz, 3H);
LCMS (C
24H
32N
8O)のm/z
(ESI+), 449.2 (M+H)
+.
代替として、実施例64は次の通りにも調製した:
ステップ1:tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート
N2雰囲気下、1,4-ジオキサン(70mL)中の、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(実施例63における合成を参照)(7000mg、20.09mmol)、中間体17(5650、20.1mmol)およびK3PO4(12800mg、60.3mmol)の混合物に、Pd2(dba)3(1840mg、2.01mmol)およびキサントホス(2320mg、4.02mmol)を添加した。混合物を密閉し、85℃で18時間にわたって撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発材料の消費を示した。反応混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過し、濾過ケーキをEtOAc(250mL)で洗浄した。濾液を濃縮して残留物とし、これを35mLのEtOAc:H2Oの60:40混合物で粉砕した。次いで、懸濁液を濾過し、濾過ケーキを真空下で乾燥させて、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(10400mg、94%収率)を黄色固体として産出した。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.68 (d, J=9.4 Hz, 1H), 8.04 (d, J=7.7 Hz, 1H), 7.94 - 7.85 (m,
1H), 6.86 (s, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.94 (d, J=9.4 Hz, 2H), 4.53 (s, 3H), 3.01 -
2.94 (m, 4H), 2.92 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 1.75 (s, 2H), 1.47 - 1.27 (m, 9H),
1.20 (d, J=6.7 Hz, 6H), 0.90 (t, J=7.3 Hz, 3H); LCMS (C29H40N8O3)のm/z (ESI+), 549.3 (M+H)+.
ステップ2:4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
EtOAc(15.0mL)およびMeOH(5mL)中のtert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(10400mg、18.95mmol)の溶液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0N、100mL)で処理した。混合物を25℃で4時間にわたって撹拌した。TLC(EtOAc、254nM、UV)は、出発材料の消費を示した。反応混合物を濾過し、濃縮して残留物とし、これを水(200mL)に溶解し、EtOAc(150mL)で抽出した。水性層にDCM(250mL)を添加し、次いで、固体NaHCO3を、混合物のpHがおよそ8になるまで添加した。層を分離し、水性層をDCM(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(150mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、残留物とした。残留物を22mLのEtOAc:MeCNの10:1混合物で粉砕し、懸濁液を濾過し、濾過ケーキを真空乾燥させて、4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2-[6-(5-メチル-4-プロピル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(5.59g、66%収率)を黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.73 (d, J=8.5 Hz, 1H), 8.13 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.92 (t, J=8.0 Hz,
1H), 6.88 (s, 1H), 5.05 (s, 2H), 4.98 - 4.92 (m, 1H), 4.53 - 4.45 (m, 2H), 3.88
(s, 2H), 2.95 (s, 3H), 2.58 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 1.91 - 1.85 (m, 2H), 1.23
(d, J=6.8 Hz, 6H), 1.04 (t, J=7.4 Hz, 3H); LCMS (C24H32N8O)のm/z (ESI+), 449.2 (M+H)+.
(実施例65)
2-[6-(4-シクロブチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:メチル6-[4-{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-2-カルボキシレート
N
2下、1,4-ジオキサン(50.0mL)中の、中間体8(1.50g、4.53mmol)、メチル6-ブロモピリジン-2-カルボキシレート(1.17g、5.43mmol)およびK
3PO
4(2.88g、13.6mmol)の混合物に、Pd
2(dba)
3(414mg、0.453mmol)およびキサントホス(524mg、0.905mmol)を添加した。混合物をN
2で2分間にわたってスパージし、次いで、密閉し、85℃で5時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。反応物をH
2O(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:3 EtOAc/石油エーテル)によって精製して、メチル6-[4-{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-2-カルボキシレート(1.89g、89%収率)を褐色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.95 - 8.61 (m, 1H), 7.96 - 7.83 (m, 2H), 7.78 - 7.62 (m, 1H), 5.18
(s, 2H), 4.64 (d, J=10.3 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 2.96 (s, 3H), 1.58 (s, 3H),
1.53 - 1.41 (m, 9H), 1.33 (q, J=3.7 Hz, 2H), 0.95 - 0.77 (m, 2H); LCMS (C
25H
30N
4O
5)のm/z (ESI+), 467.4 (M+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル({2-[6-(ヒドラジンカルボニル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeOH(50.0mL)中のメチル6-[4-{[(tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ]メチル}-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル]ピリジン-2-カルボキシレート(1.89g、4.05mmol)の懸濁液に、ヒドラジン一水和物(715mg、12.1mmol)を添加した。混合物を3時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:3 EtOAc/石油エーテル)は、出発材料の消費を示した。反応物を濃縮乾固して、tert-ブチル({2-[6-(ヒドラジンカルボニル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(1.74g、92%収率)を黄色固体として提供し、これをさらに精製することなく持ち越した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.09 - 9.54 (m, 1H), 8.73 - 8.52 (m, 1H), 8.17 - 7.98 (m, 1H),
7.82 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 5.29 (d, J=8.3 Hz, 2H), 4.81 - 4.07 (m,
4H), 2.93 (s, 3H), 1.55 (s, 3H), 1.44 (br. s, 4H), 1.28 - 1.15 (m, 7H), 0.94 -
0.70 (m, 2H); LCMS (C
24H
30N
6O
4)のm/z (ESI+), 467.3 (M+H)
+.
ステップ3:tert-ブチル{[2-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート
N,N-ジメチルジメトキシメチルアミン(40.0mL)中のtert-ブチル({2-[6-(ヒドラジンカルボニル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(1.74g、3.84mmol)の溶液を、80℃で6時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:10 MeOH/EtOAc)は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物をTBME(40mL)中で20分間にわたってスラリー化した。固体を濾過によって収集し、真空下で乾燥させて、tert-ブチル{[2-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート(1.76g、88%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.77 - 10.44 (m, 1H), 8.82 - 8.34 (m, 1H), 8.25 - 7.98 (m, 2H),
7.82 (d, J=7.5 Hz, 1H), 7.58 (s, 1H), 5.30 (br. d, J=11.0 Hz, 2H), 4.66 (s,
2H), 2.92 (s, 3H), 2.91 (s, 6H), 1.56 (s, 3H), 1.43 (s, 4H), 1.25 (d, J=6.9 Hz,
5H), 1.11 (s, 2H), 0.93 - 0.73 (m, 2H); LCMS (C
27H
35N
7O
4)のm/z (ESI+), 522.4 (M+H)
+.
ステップ4:tert-ブチル({2-[6-(4-シクロブチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
MeCN(2.0mL)中のtert-ブチル{[2-(6-{(2E)-2-[(ジメチルアミノ)メチリデン]ヒドラジンカルボニル}ピリジン-2-イル)-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル]メチル}メチルカルバメート(180mg、0.345mmol)の懸濁液に、シクロブタンアミン(61.4mg、0.863mmol)および酢酸(0.4mL)を添加した。混合物を95℃で3時間にわたって撹拌した。TLC分析(1:10 MeOH/EtOAc)は、出発材料の消費を示した。溶液を濃縮乾固した。残留物をH
2O(20mL)に溶解し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({2-[6-(4-シクロブチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(104mg、57%収率)を白色ガラスとして提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.05 (br. s, 1H), 8.62 (br. d, J=8.3 Hz, 1H), 8.19 - 8.01 (m, 1H),
7.91 (br. s, J=7.5 Hz, 1H), 7.61 (s, 1H), 5.74 - 5.55 (m, 1H), 5.25 (s, 2H),
4.61 (s, 2H), 2.97 - 2.88 (m, 3H), 1.93 - 1.75 (m, 2H), 1.57 (s, 3H), 1.47 -
1.10 (m, 15H), 0.94 - 0.73 (m, 2H); LCMS (C
29H
35N
7O
3)のm/z (ESI+), 530.3 (M+H)
+.
ステップ5:2-[6-(4-シクロブチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
DCM(5.0mL)中のtert-ブチル({2-[6-(4-シクロブチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-(1-メチルシクロプロピル)-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(104mg、0.196mmol)の溶液を0℃に冷却し、TFA(3.0mL)で処理した。混合物を15℃で2時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物をH
2O(20mL)に溶解し、飽和Na
2CO
3水溶液(およそ3mL)でpHおよそ9に塩基性化した。混合物をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×15mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残留物を、AgelaデュラシェルC18カラム(150×25mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを33~63%MeCN/H
2O(+0.04%NH
4OH、+10mM NH
4HCO
3)により2mL/分の流速で溶離した。所望の画分を、PhenomenexジェミニNXカラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって再精製し、これを36~76%MeCN/H
2O(+0.05%NH
4OH)により30mL/分の流速で溶離して、実施例65(15.4mg、18%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.09 (s, 1H), 8.64 (d, J=8.3 Hz, 1H), 8.24 - 8.01 (m, 1H), 7.94 (d,
J=7.6 Hz, 1H), 7.57 (s, 1H), 5.74 (p, J=8.6 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 3.94 (s,
2H), 2.61 - 2.54 (m, 2H), 2.48 - 2.42 (m, 2H), 2.35 (s, 3H), 1.98 - 1.78 (m,
2H), 1.56 (s, 3H), 1.38 - 1.09 (m, 2H), 1.06 - 0.66 (m, 2H); LCMS (C
24H
27N
7O)のm/z (ESI+), 430.2 (M+H)
+.
(実施例66)
2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
N
2雰囲気下、1,4-ジオキサン(5.0mL)中の、中間体19(80.0mg、0.222mmol)、中間体18(93.6mg、0.333mmol)およびK
3PO
4(141mg、0.666mmol)の溶液に、Pd
2(dba)
3(20.3mg、0.0223mmol)およびキサントホス(25.7mg、0.0444mmol)を添加した。混合物をN
2で2分間にわたってスパージし、次いで、密閉し、85℃で18時間にわたって撹拌した。TLC分析(EtOAc)は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(120mg、99%超収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.69 (br. d, J=8.3 Hz, 1H), 8.09 (br. d, J=7.5 Hz, 1H), 7.97 - 7.73
(m, 1H), 6.72 (s, 1H), 5.14 - 4.90 (m, 2H), 4.73 - 4.43 (m, 5H), 4.31 - 4.16
(m, 1H), 3.70 - 3.52 (m, 2H), 3.44 - 3.29 (m, 2H), 2.99 (br. s, 3H), 2.92 -
2.77 (m, 2H), 2.20 - 1.96 (m, 3H), 1.80 - 1.70 (m, 1H), 1.62 (s, 9H), 1.43 - 1.38
(m, 3H), 1.32 - 1.11 (m, 3H). LCMS (C
30H
40N
8O
3)のm/z (ESI+), 561.4 (M+H)
+.
ステップ2:2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
EtOAc(10.0mL)中のtert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(120mg、0.222mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0N、5.0mL)で処理した。混合物を2時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。残留物を、Phenomenexジェミニ-NXカラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを12~42%MeCN/H
2O(+0.05%HCl)により30mL/分の流速で溶離して、塩酸塩として単離された2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(72.0mg、66%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.65 - 9.29 (m, 2H), 8.73 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.33 - 8.13 (m, 1H),
8.02 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 5.21 (s, 2H), 4.66 (q, J=7.1 Hz, 2H),
4.42 - 4.28 (m, 3H), 3.65 (t, J=8.7 Hz, 1H), 3.50 - 3.30 (m, 1H), 3.10 (q,
J=7.5 Hz, 2H), 2.72 (t, J=5.3 Hz, 3H), 2.21 - 1.93 (m, 3H), 1.81 - 1.64 (m,
1H), 1.51 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.43 (t, J=7.5 Hz, 3H), 1.21 (d, J=6.2 Hz, 3H);
LCMS (C
25H
32N
8O)のm/z
(ESI+), 461.3 (M+H)
+.
(実施例67)
2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート
N
2雰囲気下、1,4-ジオキサン(5.0mL)中の、tert-ブチルメチル({6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)カルバメート(実施例63における合成を参照)(100mg、0.287mmol)、中間体18(80.7mg、0.287mmol)およびK
3PO
4(183mg、0.861mmol)の溶液に、Pd
2(dba)
3(26.3mg、0.0287mmol)およびキサントホス(33.2mg、0.0574mmol)を添加した。混合物をN
2で2分間にわたってスパージし、密閉し、85℃で18時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をCelite(登録商標)に通して濾過した。濾過ケーキをEtOAc(100mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固し、分取TLC(EtOAc)によって精製して、tert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(120mg、76%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.70 (d, J=8.2 Hz, 1H), 8.10 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.99 - 7.80 (m,
1H), 6.89 (s, 1H), 5.12 - 5.01 (m, 1H), 4.98 - 4.84 (m, 2H), 4.71 - 4.62 (m,
2H), 4.58 - 4.26 (m, 2H), 3.04 - 2.96 (m, 3H), 2.94 (s, 3H), 2.89 (q, J=7.5 Hz,
2H), 1.51 (t, J=7.5 Hz, 3H), 1.45 - 1.34 (m, 12H), 1.23 (s, 3H), 1.21 (s, 3H).
LCMS (C
29H
40N
8O
3)のm/z (ESI+), 549.2 (M+H)
+.
ステップ2:2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
EtOAc(1.0mL)中のtert-ブチル({2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル}メチル)メチルカルバメート(120mg、0.219mmol)の溶液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0N、5.0mL)で滴下処理した。混合物を室温で2時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。結果として生じた固体を濾過によって収集した。濾過ケーキを真空下で乾燥させて、塩酸塩として単離された2-[6-(4,5-ジエチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジン-2-イル]-4-[(メチルアミノ)メチル]-6-[メチル(プロパン-2-イル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(95mg、90%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 9.23 (br. s, 2H), 8.67 (d, J=8.4 Hz, 1H), 8.19 - 8.09 (m, 1H), 7.99
(d, J=7.7 Hz, 1H), 6.92 (s, 1H), 5.16 (s, 2H), 5.11 - 4.97 (m, 1H), 4.57 (q,
J=6.4 Hz, 2H), 4.33 (t, J=6.0 Hz, 2H), 3.01 - 2.88 (m, 5H), 2.72 (t, J=5.4 Hz,
3H), 1.45 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.39 (t, J=7.5 Hz, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.16 (s, 3H);
LCMS (C
24H
32N
8O)のm/z
(ESI+), 449.2 (M+H)
+.
(実施例68)
4-(アミノメチル)-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン
ステップ1:tert-ブチル[(6-クロロ-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート
中間体20(462mg、1.68mmol)、中間体7(500mg、1.68mmol)、K
2CO
3(511mg、3.69mmol)およびN,N-ジメチルエチレンジアミン(74.0mg、0.840mmol)の溶液に、CuI(80.0mg、0.420mmol)を添加した。混合物をN
2で5分間にわたってスパージし、次いで、マイクロ波照射しながら120℃で1.5にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物をH
2O(8mL)およびMeCN(1mL)で希釈し、結果として生じた固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをH
2O(3×2mL)およびMeCN(4×1mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、tert-ブチル[(6-クロロ-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート(595mg、72%収率)を白色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 (d, J=7.9 Hz, 1H), 8.03 - 7.97 (m, 1H), 7.92 (d, J=8.1 Hz,
1H), 7.80 (s, 1H), 7.54 (t, J=6.2 Hz, 1H), 5.31 - 5.00 (m, 4H), 4.87 - 4.71 (m,
1H), 4.65 (t, J=8.9 Hz, 1H), 4.59 - 4.50 (m, 1H), 4.41 (d, J=6.0 Hz, 2H), 1.39
(s, 9H);
19F NMR (376 MHz, DMSO-d
6) δ -238.40 (s, 1F); (C
22H
23ClFN
5O
5)のm/z (ESI+), 436.1 (M-tBu+H)
+.
ステップ2:tert-ブチル[(2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート
1,4-ジオキサン中の、tert-ブチル[(6-クロロ-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート(595mg、1.21mmol)、(2R)-2-メチルピロリジン(294mg、2.42mmol)およびCs
2CO
3(2.36g、7.26mmol)の溶液を、アルゴンで3分間にわたってスパージし、RuPhos Pd G3(101mg、0.121mmol)を添加した。混合物をアルゴンで3分間にわたってスパージし、密閉し、100℃で16時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濾過し、濾過ケーキをEtOAc(2×10mL)で洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(8gのSiO
2、1:1 EtOAc/石油エーテル)によって精製した。所望の画分を濃縮乾固した。残留物をEtOAc/石油エーテル(2:1、10mL)により室温で5分間にわたってスラリー化し、固体を濾過によって収集した。濾過ケーキをEtOAc/石油エーテル(2:1、3×10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させた。固体をMeOH/EtOAc(1:10、30mL)に溶解した。超高純度Si-チオSiO
2(1g)を添加し、混合物を50℃で30分間にわたって撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケーキをMeOH/EtOAc(1:10、3×30mL)で洗浄した。濾液を濃縮乾固した。超高純度Si-チオSiO
2による処理を同一の方式で繰り返した(4×)。粗材料をフラッシュクロマトグラフィー(SiO
2、1:10 MeOH/EtOAc)によって精製して、tert-ブチル[(2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート(330mg、51%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.23 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.01 - 7.91 (m, 1H), 7.87 (d, J=8.1 Hz,
1H), 7.25 (t, J=6.0 Hz, 1H), 6.56 (s, 1H), 5.20 - 4.90 (m, 4H), 4.79 (dd,
J=45.8, 10.0 Hz, 1H), 4.64 (t, J=8.9 Hz, 1H), 4.57 - 4.48 (m, 1H), 4.26 (dd,
J=6.0, 2.0 Hz, 2H), 4.21 (t, J=6.2 Hz, 1H), 3.58 - 3.50 (m, 1H), 3.33 - 3.29
(m, 1H), 2.10 - 2.01 (m, 2H), 1.97 - 1.87 (m, 1H), 1.73 - 1.58 (m, 1H), 1.39
(s, 9H), 1.20 (d, J=5.4 Hz, 3H);
19F NMR (377 MHz, DMSO-d
6)
δ -238.33 (s, 1F); (C
27H
33FN
6O
5)のm/z (ESI+), 541.3 (M+H)
+.
ステップ3:4-(アミノメチル)-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン、塩酸塩
EtOAc(5.0mL)およびMeOH(10.0mL)中のtert-ブチル[(2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-4-イル)メチル]カルバメート(300mg、0.610mmol)の溶液を0℃に冷却し、HClの溶液(EtOAc中4.0N、5.0mL)で処理した。反応物を室温で9時間にわたって撹拌した。LCMS分析は、出発材料の消費を示した。混合物を濃縮乾固した。固体をH
2O(25mL)に溶解し、EtOAc(20mL)で洗浄した。水性層を濃縮乾固した。残留物を、Phenomenexジェミニ-NXカラム(150×30mm、5μm粒径)を用いる分取HPLCによって精製し、これを24~44%MeCN/H
2O(+0.05%HCl)により30mL/分の流速で溶離して、塩酸塩として単離された4-(アミノメチル)-2-{6-[(4R)-4-(フルオロメチル)-2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル]ピリジン-2-イル}-6-[(2R)-2-メチルピロリジン-1-イル]-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-1-オン(200mg、69%収率)を黄色固体として提供した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.53 (br. s, 3H), 8.24 (d, J=8.0 Hz, 1H), 8.08 - 7.94 (m, 1H), 7.89
(d, J=8.0 Hz, 1H), 6.69 (s, 1H), 5.21 - 4.99 (m, 4H), 4.74 (br. d, J=9.8 Hz,
1H), 4.64 (t, J=8.9 Hz, 1H), 4.52 (dd, J=3.3, 8.5 Hz, 1H), 4.39 - 4.29 (m, 1H),
4.25 - 4.15 (m, 2H), 3.63 (br. t, J=8.7 Hz, 1H), 3.47 - 3.34 (m, 1H), 2.14 -
1.94 (m, 3H), 1.77 - 1.68 (m, 1H), 1.20 (d, J=6.0 Hz, 3H);
19F NMR
(377 MHz, DMSO-d
6) δ -238.09 (s, 1F); (C
22H
25FN
6O
3)のm/z (ESI+), 441.3 (M+H)
+.
表1Aおよび1B中の本発明の追加の化合物は、本明細書で例示されている方法の修正形態によって調製した。構造におけるor1および名称内のξの使用は、2つの別個の鏡像異性体に分割されたキラル中心を同定するが、具体的な鏡像異性体は確認されておらず、構造において実線または破線楔が描画されているが、実際の鏡像異性体は他の鏡像異性体であり得る。これらは、「絶対立体化学不明」としてラベル付けされ、旋光度を含む。「絶対立体化学公知」のマークが付された化合物は、典型的には、公知の立体化学を有する中間体から調製した。
化合物およびそれらの対応する特徴付けデータを以下の表1Aに提示し、ここで、化合物を作製するために使用した方法を、実施例番号の下に括弧に入れて提供する。
生物学的アッセイおよびデータ
HPK1生化学的酵素アッセイ
HPK1酵素阻害は、マイクロ流体移動度シフトアッセイ(MSA)を使用して測定した。反応は、96ウェルプレート中50μLの体積で行い、0.5nMのヒト完全長組換えHPK1、3μMのホスホアクセプターペプチド、5FAM-AKRRRLSSLRA-COOH(CPC Scientific、Sunnyvale、CA)、試験化合物(11用量3倍連続希釈、2%DMSO最終)またはDMSOのみ、0.002%Tween-20、1mMのDTTおよび50mMのMOPS(3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)中2.5mMのMgCl2、pH7.8、緩衝液を含有し、20分間のプレインキュベーション後に、75μmのATPの添加によって開始した。反応は、37℃で60分間にわたって行い、50μLの0.015M EDTA、pH8の添加によって停止させ、反応の程度(阻害剤なしでおよそ15~20%変換)は、ラボチップEZリーダーII(PerkinElmer,Inc.、Waltham、MA)で、蛍光標識ペプチド基質およびリン酸化生成物の電気泳動分離後に決定した。
HPK1の阻害は、システイン残基をスルホンアミド-オキシンベースの誘導体でアルキル化してC-Sox(CSx)と称されるアミノ酸を生じさせる、独自の蛍光ペプチド基質を使用する蛍光ベースのキレート化増強蛍光(CHEF)方法(1)も使用して測定した。アッセイは、3μMのAc-[CSx]HSLPRFNR-アミドペプチド基質(AssayQuant Technologies Inc.、Hopkinton、MAから購入した場合、AQT0178としても公知である)および45μMのATPを使用した以外は、上記のMSA方法について記述したのと同様に行った。初期反応速度は、Tecan M1000プレートリーダー(Tecan Group Ltd.、Mannedorf、Zurich、Switzerland)において、30℃で15分間にわたってペプチド蛍光(λex=360nm、λem=500nm)を追跡することによって決定した。阻害定数(Ki)値は、変換%ベース(MSA方法)または蛍光ベースの初期速度(CHEF方法)を、非線形回帰法および実験的に測定されたATP Km(それぞれ、MSAでは29μMおよびCHEFでは19μM)を使用する強結合競合阻害のためのモリソン方程式(2)に当てはめることによって算出した。動力学的および結晶学的研究から、阻害剤はATP競合性であることが示された。HPK1タンパク質を自社で生成し、「組換え自己リン酸化完全長HPK1の生成」の項で記述されている通りのMgATPによる酵素の自己リン酸化によって予め活性化させた。
細胞ベースアッセイ
ホスホ-SLP-76(Ser376)均一時間分解蛍光法(HTRF)アッセイ
ジャーカット細胞を、10%FBSを含有する90uLのRPMI1640成長培地中、90,000細胞/ウェルで播種し、5%CO2を用い、37℃で終夜インキュベートした。翌日、化合物を、DMSO中、11点3倍希釈曲線のために10mM最高用量から連続希釈した。化合物を、成長培地中1:100の中程度に希釈した後、細胞上で1:10に希釈して、0.1%DMSO中10μMから0.1nMの最終濃度とした。化合物による30分間の前処理後、200μg/mLのF(ab)2複合抗CD3(クローンUCTH1)を使用し、5%CO2を用い、37℃で15分間にわたって細胞を刺激した。刺激を氷冷PBSで停止させ、細胞を遠心分離によって収穫した後、Cisbio溶解緩衝液(Cisbio、Bedford、MA)中で溶解した。溶解物を、抗ホスホ-SLP-76-クリプテートプラス抗ホスホ-SLP-76-d2 HTRF抗体を含有する白色低容量プレートに移し、製造業者のプロトコール(Cisbio、Bedford、MA)に従い、室温で終夜、光から保護してインキュベートした。HTRFをPerkin Elmerエンビジョンで測定し、IC50値を、4パラメーター非線形回帰分析を利用する濃度-応答曲線当てはめによって算出した。
HPK1移動度シフトアッセイおよびホスホ-SLP-76(Ser376)均一時間分解蛍光法(HTRF)アッセイにおける選択された化合物についての生物学的活性データを、表2においてIC50(μM)として提供する。
HPK1移動度シフトアッセイおよびホスホ-SLP-76(Ser376)均一時間分解蛍光法(HTRF)アッセイにおける生物学的活性データを、実施例55から68について表3において提供する。
表3から5において、NDは、未決定を意味し、実行回数を表す欄はNA(該当なし)である。
HPK1移動度シフトアッセイおよびホスホ-SLP-76(Ser376)均一時間分解蛍光法(HTRF)アッセイにおける生物学的活性データを、表1A中の実施例について表4において提供する。
HPK1移動度シフトアッセイおよびホスホ-SLP-76(Ser376)均一時間分解蛍光法(HTRF)アッセイにおける生物学的活性データを、表1B中の実施例について表5において提供する。
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