JP7117773B2 - 表示パネル製造装置および表示パネル製造方法 - Google Patents

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本開示は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造装置および製造方法に関し、特に、薄膜をパターニングする技術に関する。
近年、テレビジョン等の表示装置に用いられる表示パネルとして、基板上に有機EL素子をマトリックス状に複数配列した有機EL表示パネルが実用化されている。
有機EL表示パネルでは、一般に各有機EL素子の発光層と、隣接する有機EL素子とは絶縁材料からなる隔壁で仕切られており、カラー表示用の有機EL表示パネルにおいては、有機EL素子が赤色(R)、緑色(G)、青色(B)(以下、単にR、G、Bという。)の各色に発光する副画素を形成し、隣り合うR、G、Bの副画素が組合わさってカラー表示における単位画素が形成されている。
各有機EL素子は、一対の電極の間に有機発光層を含む複数の薄膜を積層してなり、駆動時には、一対の電極対間に電圧を印加し、発光層に注入される正孔と電子との再結合に伴って発光するようになっている。
通常、このような有機EL表示パネルの製造工程においては、特定の薄膜をパターニングする工程を伴う。従来から行われていた薄膜のパターニングの手法では、例えば、当該薄膜の上にフォトリソグラフィ法を用いてパターン化されたレジストマスクを形成した後、エッチング法などにより当該薄膜の不要な部分を除去してパターニングするようにしている。
特開平9-40499号公報 特開平11-237745号公報
しかしながら、上述のような従来のパターニング方法では、レジスト膜の形成工程、フォトマスクによるレジスト膜の露光工程、露光されたレジスト膜の現像工程、エッチングによる薄膜の不要部分の除去工程、エッチング後のレジスト膜の除去工程、除去後の洗浄工程など多数の工程が必要となり、タクトタイムの短縮や製造コストの低減が著しく困難である。
他のパターニング方法として、レーザー光を走査して、薄膜の不要部分を昇華させて除去する方法が提案されている。このような方法によれば、フォトリソグラフィ法によるマスクの形成や、洗浄などの工程を一切不要とすることが可能である。
しかし、有機EL表示パネルに使用される発光層を含む有機膜は、大気中の酸素や水分の影響により特性が劣化してしまうので、単にレーザー光により加工するだけでは、良質な有機ELパネルを製造することは難しい。
本開示は、上記課題に鑑みてなされたものであり、工程数を少なくして、製造コストを低減することが可能であり、かつ、有機膜の特性を劣化させない状態で薄膜のパターニングができる表示パネルの製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る表示パネル製造装置は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上方に積層されてなる表示パネルの製造装置であって、レーザー光を透過する透明窓を有し、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板が収納されるチャンバーと、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整部と、前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に配されたパターニングマスクと、前記チャンバーの外方に配され、前記透明窓とパターニングマスクを介して、前記レーザー光を前記薄膜付基板に向けて照射するレーザー照射部とを備えることを特徴とする。
また、本開示の別の態様に係る表示パネル製造方法は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造方法であって、レーザー光を透過する透明窓を有するチャンバー内に、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向した状態で収納する基板収納工程と、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に、パターニングマスクを配した状態で、前記チャンバーの外部から、前記透明窓と前記パターニングマスクを介して、レーザー光を前記薄膜付基板の加工面に向けて射出し、前記薄膜を部分的に除去する薄膜除去工程とを含むことを特徴とする。
本開示の一態様に係る表示パネルの製造装置および製造方法によれば、工程数が少なく、製造コストの低減が可能であり、かつ、有機膜の特性を劣化させない状態で、加工精度の優れた薄膜のパターニングを実行できる。
本開示の一態様に係る薄膜パターニング装置の構成を示す概略図である。 図1の薄膜パターニング装置をP-P線を通る平面で切断したときの斜視図である。 パターニングマスクの形状を示す概略図である。 薄膜パターニング装置における制御部の構成を示すブロック図である。 有機EL表示装置の全体構成を示すブロック図である。 有機EL表示装置における有機EL表示パネルの画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。 図6のA-A線に沿った模式断面図である。 (a)~(d)は、有機EL素子の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。 (a)~(c)は、図8に続く有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 (a)~(c)は、図9に続く有機EL素子の製造過程を模式的に示す部分断面図である。 有機EL表示パネルの製造工程を示すフローチャートである。 (a)は、ガルバノスキャナー機構の概略図であり、(b)は、レーザー光源としてエキシマレーザー発振器を使用した構成例を示す概略図である。 別の態様に係る薄膜パターニング装置の構成例を示す概略図である。 (a)、(b)は、それぞれ別の態様に係るパターニングマスクの例を示す平面図である。 (a)~(d)は、本開示の一態様に至った経緯を説明するための、有機EL素子の製造過程の一部を模式的に示す部分断面図である。 (a)、(b)は、図15の製造過程を実施する場合に想定される薄膜パターニング装置の概略図である。
≪本開示の一態様に至った経緯≫
有機EL表示パネルは、基板上に画素電極、有機層(発光層を含む)、及び共通電極が順に設けられた積層構造を有する。共通電極は、基板上の画像表示領域の全面にわたって成膜される場合が多い。
特に、トップエミッション型の有機EL表示パネルにあっては、共通電極に光透過性を有する材料が使用されるため、抵抗値が高く、基板の周縁部に配された給電部(図示せず)から個々の有機EL素子までの距離に応じて電圧降下が異なり、それにより画面内に輝度のばらつきが発生することが懸念される。
このような輝度のばらつきを抑制するため、基板上に金属などの導電材料からなる補助電極を配設し、この補助電極と共通電極とを電気的に接続することにより、共通電極における電圧降下を抑制する構成が採られている。
図15(a)~(d)は、補助電極を画素電極と同一の層に形成した態様における有機EL表示パネルの製造工程の一部を模式的に示す概略断面図である。
図15(a)に示すように、基板711上に、有機EL素子ごとに画素電極713を形成すると共に、Y軸方向に伸びる補助電極731を形成し、隔壁714で仕切られた画素電極713の上方に発光層715を積層する。
そして、共通な電子輸送層716を形成する(図15(b))。その後、補助電極731上の電子輸送層716を除去して、上層の共通電極と接続するためのコンタクト用開口部を形成する工程を行うが、上述のように、フォトリソグラフィ法とエッチング法を組み合わせたパターニングによると、タクトタイムおよび製造コストの増大が避けられないので、本願の発明者らは、レーザー光を走査して、補助電極731上の電子輸送層716を昇華させて除去する方法(以下、「レーザーパターニング法」という。)を採用することを考えた(図15(c)参照)。
コンタクト用開口部を形成した後、共通電極717を積層すれば、共通電極717と補助電極731が直接接触するので、共通電極717における電圧降下が大幅に抑制され、輝度ムラなどの発生を阻止することができる(図15(d))。
ところで、有機EL表示パネルを形成する各種の有機材料は、大気中の酸素や水分の影響により、特性が劣化することが知られており、上記のレーザーパターニング法は、真空雰囲気下で行われるのが望ましい。
図16(a)は、この場合に想定することができるパターニング装置800の構成例を示す概略側面図であり、図16(b)は、その平面図である。
図16(a)に示すようにパターニング装置800は、レーザー加工装置810と、レーザー加工装置810に対向する位置に窓ガラス821を装着した真空チャンバー820とを備えている。レーザー加工装置810は、レーザー光を射出するレーザーヘッド811を備え、これを図のX軸方向とY軸方向に移動させることによりレーザー光を走査可能なように構成される。
真空チャンバー820内に、基板711上に電子輸送層716まで形成した有機EL表示パネルの中間製品710を、真空チャンバー820内に搬入して、不図示の真空ポンプにより減圧して真空の雰囲気にし、窓ガラス821を介して、レーザー加工装置810によりレーザー光LBを照射し、補助電極731上の電子輸送層716を昇華させて除去する。
ところが、このようなパターニング装置800では、加工精度が劣化すると共に、完成した有機EL表示パネルも耐久性や、有機EL素子ごとの発光効率にバラツキが生じるおそれがあることが分かった。その原因として次のことが考えられる。
第1に、窓ガラス821の部品精度の問題である。厚みが完全に均一で平面性に優れたガラス板の製造にはコストがかかり、たとえ、それが可能であったとしても、環境による経時的な変化や、窓ガラス821自体の自重によりわずかな撓みや歪みが生じるおそれがある。
そうすると、窓ガラス821を透過したレーザー光が目標の照射位置から微妙にずれてしまう。高精細の有機ELパネルでは、数μmオーダーでの精度が要求されるので、わずかでもレーザー光の照射位置がずれると、画像品質が劣化する。
第2に、レーザー光の照射により、電子輸送層716を構成する樹脂材料が昇華されて真空チャンバー820内に飛散するが、その飛散物(デブリ)Dが、窓ガラス821に接触して凝固し、そのまま付着して、窓ガラス821のレーザー光LBの透過度を低下させるため、加工精度が劣化し、最悪の場合は加工不能となる。
また、窓ガラス821への付着まで至らなかったデブリは、やがて落下して基板711の電子輸送層716の表面に付着する。電子輸送層716上にこのような異物が残存すると、その後に積層される共通電極717や封止層に欠陥が生じ、外部から水分などが浸入し、有機EL素子の発光特性の劣化や、ダークスポットが発生するおそれがある。
そこで、本願の発明者らは、薄膜のパターニング加工にレーザーパターニング法を採用して、工数の削減および製造コストの低減を図りつつ、パターニング時に発生する上記問題を解決して良質な有機EL表示パネルの製造を可能とするため、鋭意研究の結果、本開示の一態様に至ったものである。
≪本開示の一態様の概要≫
本開示の一態様に係る表示パネル製造装置は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上方に積層されてなる表示パネルの製造装置であって、レーザー光を透過する透明窓を有し、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板が収納されるチャンバーと、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整部と、前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に配されたパターニングマスクと、前記チャンバーの外方に配され、前記透明窓とパターニングマスクを介して、前記レーザー光を前記薄膜付基板に向けて照射するレーザー照射部とを備える。
係る態様によれば、工程数が少なく、製造コストの低減が可能であり、かつ、有機膜の特性を劣化させない状態で、加工精度の優れた薄膜のパターニングを実行できる。
また、本開示の別の態様は、前記パターニングマスクは、レーザー光が透過する透明な平板状の基材上に遮光性の薄膜が積層され、当該薄膜にレーザー光が透過する透光パターンが形成されてなる。
ここで、前記薄膜付基板と、前記パターニングマスクとの間隔は、1mm以上、10mm以下である。
係る態様により、加工対象となる薄膜をレーザー光でトリミングしてパターニングする際に発生するデブリが、まず、パターニングマスクに付着するので、透明窓に付着したり薄膜付基板に再付着するおそれが少なくなり、パターニングの加工精度の劣化を抑制することができる。
また、本開示の別の態様は、前記透明窓が、前記薄膜付基板の主面に沿って第1の方向に伸びる長尺な帯形状であり、前記チャンバー内の前記薄膜付基板を、その主面に沿った、前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる基板移動部をさらに備える。
係る態様によれば、透明窓の面積を小さくして、その自重による撓みを防止することができるので、レーザー光による加工精度の劣化をより抑制できる。
また、本開示の別の態様は、平面透視したときに、前記パターニングマスクのマスク領域内に、前記薄膜付基板の全加工対象領域が含まれ、前記基板移動部は、前記薄膜付基板と前記パターニングマスクとを、両者の相対的位置関係を保った状態で前記第2の方向に移動させる。
係る態様により、パターニングマスクにより、薄膜付基板のレーザー加工部分の全体を覆うことができるので、デブリの透明窓への付着を一層抑制することができる。
また、本開示の別の態様は、前記パターニングマスクの位置が、前記チャンバーに対して固定されており、前記基板移動部は、前記薄膜付基板のみを前記第2の方向に移動させる。
係る態様によれば、パターニングマスクをチャンバーに設置しておけるので、パターニングマスクを複数回使用する際に利便性がよい。
また、本開示の別の態様は、前記第2の方向における前記パターニングマスクのマスク幅が、同方向における前記薄膜付基板の加工領域の幅よりも小さい。
係る態様によれば、レーザー加工に必要な部分だけマスクして、パターニングマスクの単価を抑えることができるので、メンテナンスコストを低くすることができる。
ここで、前記レーザー照射部が、YAGレーザー発振器を含むとしてもよいし、エキシマレーザー発振器を含むとしてもよい。
また、本開示の別の態様は、前記レーザー照射部が、レーザー光を、ガルバノミラーにより偏向させて、少なくとも前記第1の方向に沿って走査させるガルバノスキャナー機構を備える。
これにより、パターニング処理に要するタクトタイムを少なくできる。
また、本開示の別の態様は、前記レーザー照射部は、レーザー光を射出するレーザーヘッド部を備え、前記レーザーヘッド部を、少なくとも前記第1の方向に沿って移動させることによりレーザー光を走査するレーザー走査部を備える。
ここで、前記透明窓と前記パターニングマスクは、共に前記薄膜付基板の主面と平行であって、前記レーザー光は、前記透明窓の主面に対して垂直に入射される。
これにより、レーザー光が、透明窓とパターニングマスクを通過する際における光軸のずれを最小限に抑えることができる。
また、本開示の別の態様は、前記基板の上方に形成された少なくとも1層の薄膜は、金属からなる補助電極上に積層された有機膜であって、前記レーザー照射部は、前記パターニングマスクと協働して、予め決定されたパターンで、前記レーザー光を相対的に走査して前記補助電極上の有機膜を除去する。
係る態様によれば、補助電極上の有機膜を確実に除去して、その後に形成される電極膜との電気的接触を良好にすることができる。
また、本開示の別の態様は、前記透明窓は、石英ガラスからなる。
石英ガラスは、レーザー光の透過性が良好であると共に、耐久性にも優れているので、高度な加工精度を長時間維持することができる。
本開示の別の態様は、有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造方法であって、レーザー光を透過する透明窓を有するチャンバー内に、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向した状態で収納する基板収納工程と、前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に、パターニングマスクを配した状態で、前記チャンバーの外部から、前記透明窓と前記パターニングマスクを介して、レーザー光を前記薄膜付基板の加工面に向けて射出し、前記薄膜を部分的に除去する薄膜除去工程とを含む。
上記態様に係る製造方法により、従来の工法に比べて工数を大幅に減らしつつ、品質の良好な表示パネルを製造することが可能となる。
≪実施の形態≫
以下、本開示の一態様に係る有機EL表示パネルの製造装置および製造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面は、説明の便宜上、模式的なものを含んでおり、各部材の縮尺や縦横の比率などが実際とは異なる場合がある。
1.薄膜パターニング装置200の構成
図1は、有機EL表示パネル製造装置における薄膜パターニング装置200の構成を示す概略図である。また、図2は、薄膜パターニング装置200を図1のP-P線を通る平面で切断したときの斜視図である。
図1に示すように薄膜パターニング装置200は、レーザー光を走査して基板11に形成された薄膜の不要な部分を除去するレーザー加工装置(レーザー照射部)210、加工対象となる薄膜が形成された基板(有機EL表示パネル10の中間製品。以下、「薄膜付基板」と称する。)110を収納するチャンバー部220、チャンバー部220のテーブル223を、図1のH方向(X軸方向)に移動させる基板移動部230、チャンバー部220内を減圧して真空状態にする真空ポンプ240およびこれらを制御する制御部250などからなる。
(1)レーザー加工装置210
図2の斜視図に示すようにレーザー加工装置210は、内部にレーザー発振器2112(当該レーザー光を収束させるための光学系)が内蔵されたレーザーヘッド部211、レーザーヘッド部211をY軸に平行な方向にスライド可能に保持する水平架台212、水平架台212をその長手方向における両端部で保持する一対の脚部213、各脚部213の下方に配され、X軸方向に延在する一対のガイドレール214などからなる。
レーザーヘッド部211におけるレーザー発振器2112としては、例えば、YAGレーザーが使用されるが、加工対象となる薄膜に吸収される波長領域のレーザー光の発生が可能なレーザー光源であれば、これに限らない。
また、レーザーヘッド部211の筐体内部には、駆動源として例えばリニアモーター2111が内蔵されており、当該駆動源を制御することにより、レーザーヘッド部211が、水平架台212のガイド溝2121に沿ってY軸方向に移動するように構成される。
各脚部213には、駆動源として、例えば、サーボモータ2131が設けられており、ネジ送り機構やワイヤ駆動機構などの公知の駆動機構を介して、一対の脚部213が同期して、ガイドレール214のガイド溝2141に沿ってX方向に移動できるようになっている。
制御部(不図示)により、レーザーヘッド部211のレーザー光源の出力を制御すると共に、リニアモーター2111やサーボモータ2131を駆動制御して、レーザーヘッド部211から射出されるレーザー光で薄膜付基板110の加工対象を走査してレーザー加工できるようになっている。
(2)チャンバー部220
図1に戻り、チャンバー部220の真空チャンバー221は、上面に開口部を有し、この開口部に平板状の窓ガラス(透明窓)222が、シール部材(不図示)などを介して気密に装着されている。
真空チャンバー221内の底部には、その上面が窓ガラス222の主面と平行なテーブル223が設置され、テーブル223上に薄膜付基板110を、その加工面を上方に向けて載置することにより、窓ガラス222と薄膜付基板110が平行な状態に維持される。
図2に示すように、窓ガラス222は、帯状の板ガラスであり、その長手方向(Y方向)の長さL1は、薄膜付基板110のY方向における幅より長く、また、窓ガラス222の短手方向(X方向)における幅W1は、薄膜付基板110のX方向の長さよりも短い。本実施の形態では、例えば、30mmにしている。
このようにすることにより、窓ガラス222の面積が図16(a)、(b)に比べて飛躍的に小さくなって窓ガラス222の全重量が少なくなるので、自重により窓ガラス222の中央部が下方に向けて撓むことがなくなり、窓ガラス222全体と薄膜付基板110を平行に維持することができる。そのため、レーザーヘッド部211から、窓ガラス222の主面に垂直にレーザー光LBが射出することにより、レーザー光LBが、窓ガラス222の透過時に屈折してその光軸がずれるおそれが軽減される。
窓ガラス222と薄膜付基板110が載置されるテーブル223との間であって、薄膜付基板110と所定距離だけ離間した位置に、パターニングマスク2113が配される。
図3は、パターニングマスク2113の一例を示す斜視図である。パターニングマスク2113は、例えば、石英ガラスからなる帯状の平板な透明基材2114の上面に、クロムなどの遮光性金属を一面に蒸着して金属膜2115を形成した後、レジスト膜を利用したフォトリソグラフィ法とエッチング法によりパターニングして、金属膜2115に平行な4本の直線状の透光パターンOP1~OP4を形成することにより作成される。
透光パターンOP1~OP4は、全て同じ形状で、等ピッチで形成されている。当該ピッチは、加工すべきパターンのX方向に隣接する距離(本実施の形態では、隣接する補助電極131間のX方向における距離)と同じ、もしくは、そのN倍(Nは、2以上の整数)に設定される。
パターニングマスク2113は、真空チャンバー221の内側面の設けられた保持板224(図2参照)上に、その主面が、窓ガラス222の主面と平行になるように載置される。
これにより、窓ガラス222、パターニングマスク2113および薄膜付基板110がすべて平行になるので、レーザーヘッド部211から、窓ガラス222の主面に垂直にレーザー光LBが射出することにより、レーザー光LBが、窓ガラス222およびパターニングマスク2113の透過時に屈折してその光軸がずれるおそれを可及的に軽減することができる。
もし、仮に、窓ガラス222に変形や歪みがあって、これによりレーザー光LBの光軸が多少ずれたとしても、パターニングマスク2113の透光パターンを透過することにより、薄膜付基板110の正しい位置にレーザー光が照射されるので、加工精度を維持することができる。
なお、パターニングマスク2113に形成される透光パターンの数および形状は、加工対象のパターン形状や仕様に応じて適宜変更されてよい。
また、窓ガラス222の材料としては、透過するレーザー光の波長域が広く、耐久性にも優れた石英ガラスが用いられるのが望ましい。
(3)基板移動部230
基板移動部230は、テーブル223が、X方向に移動可能に載置される基台231と、基台231の上面に形成された、テーブル223の底面に形成された溝と係合して、テーブル223をX方向に案内するガイドレール232と、基台231に内蔵され、テーブル223をX方向に移動させるリニアモーター233とを有する。
テーブル223を、リニアモーター233で移動させることにより、平面視において、窓ガラス222から薄膜付基板110の加工領域の全部が順次臨めるようになっている。
(4)真空ポンプ240
真空ポンプ240は、真空チャンバー221内の空気を吸引して減圧し、真空チャンバー221内を所定の真空状態に維持する。
(5)制御部250
図4は、制御部250の構成を示すブロック図である。
同図に示すように制御部250は、CPU(Central Processing Unit)251、RAM(Random Access Memory)252、ROM(Read Only Memory)253、パターンメモリ254などからなる。
CPU251は、起動時にROM253から、操作パネル260から操作者の指示を受付け、パターニング加工のプログラムを読み出し、RAM252を作業用記憶領域として当該プログラムを実行し、レーザー加工装置210や基板移動部230、真空ポンプ240を制御して、薄膜付基板110にレーザー光を照射させて、補助電極131上の電子輸送層16を除去させる。
また、制御部250は、薄膜パターニング装置200の前段の装置(例えば、真空蒸着装置)で、加工対象となる薄膜が形成された薄膜付基板110を、基板搬送ロボット(不図示)により基板搬入用ポート(不図示)を介して搬入し、真空チャンバー221内のテーブル223上の予め決定された位置に載置する。
そして、真空ポンプ240により真空チャンバー221内を減圧して真空状態にする。なお、有機EL表示パネル10の特性の劣化を防止するため、例えば、10-3~10-5Paの高真空にするのが望ましい。本実施の形態では、上述のように窓ガラス222の面積を小さくしているので、窓ガラス222に適度の厚みをもたせておけば、このような高真空にしても撓むことはない。
次に、制御部250は、レーザーヘッド部211を、基準位置(ホームポジション)に移動させた後、加工対象となる薄膜のみを選択的に除去できるようなレーザー出力と走査速度で、内部の記憶メモリに予め記憶されたプログラム(パターンデータ)に基づいて、薄膜付基板110上にレーザー光を照射してパターニングを実行する。
パターニング加工の終了後、薄膜付基板110と、パターニングマスク2113は基板搬送ロボットにより真空チャンバー221から取り出され、薄膜付基板110は次の加工装置に搬送されると共に、パターニングマスク2113は、回収場所に搬送され、洗浄して再利用もしくは廃棄される。そして、次の薄膜付基板110が真空チャンバー221内に搬送される際に新しいパターニングマスク2113が設置される。
なお、パターニングマスク2113は、薄膜付基板110を1枚パターニング処理する毎に交換してもよいし、N枚(Nは2以上の整数)の薄膜付基板110のパターニング処理後に定期的に交換するようにしてもよい。後者の場合、Nの値は、パターニングマスク2113へのデブリの付着が多くなって、レーザー光の透過率が許容範囲を超えて劣化する前の適当な数値であり、予め実験などにより決定しておけばよい。
<小括>
(a)本開示の態様に係る薄膜パターニング装置200によれば基板移動部230により、薄膜付基板110をX方向に移動させながらパターニング加工することができるので、窓ガラス222のX方向の幅は、レーザー光を透過させる幅だけあればよく、重量が軽くなって窓ガラス222が自重により下方に撓むおそれが少ないので、窓ガラス222に使用するガラス板の厚みに微少なバラツキがあったとしても、通過時のビーム光の位置ずれを最小限に止めることができる。
(b)たとえ、窓ガラス222に変形や歪みなどがあって、これを透過するレーザー光の光軸が多少ずれたとしても、それはわずかであると解され、レーザー光のビーム径を、パターニングマスク2113に形成された各透光パターンOP1~OP4の開口幅より若干大きくすると共に、パターニングマスク2113と薄膜付基板110の距離を比較的短くしておけば、各透光パターンを透過したビーム光が下方の薄膜付基板110の目標の位置を照射することができ、加工精度が大きく損なわれることはない。
(c)レーザー光の照射により薄膜の成分が昇華されて、デブリが飛散するが、パターニングマスク2113に接触して冷却されて凝固し、パターニングマスク2113の下面にほとんどのデブリが付着する。
パターニングマスク2113は、薄膜付基板110の上面と若干離間しているので、飛散したデブリが、隔壁14とパターニングマスク2113に囲まれた極小のスペース内で充満して補助電極131などに再付着するようなこともなくなる。
(d)また、パターニングマスク2113が、窓ガラス222よりも、薄膜付基板110に比較的近い位置に設置されているので、一旦飛散したデブリDの一部が窓ガラス222に到達するに至らずに下方に落下して薄膜付基板110に再付着するような事態も防ぐことができる。
なお、上記(b)~(d)の効果を十二分に発揮するためには、パターニングマスク2113と薄膜付基板110の間隔が、1mm以上、10mm以下であることが望ましい。
1mm未満であると、飛散する空間に制限があり、薄膜付基板110の開口から飛び出し切れないデブリが残るおそれがあり、この距離が10mmを超えると、パターニングマスク2113により矯正されたレーザー光の照射位置が公差の範囲内に収まらないおそれがあり、また、パターニングマスク2113まで到達できずに落下して薄膜付基板110に再付着するデブリが発生するおそれがあるからである。
2.有機EL表示装置100の全体構成
図5は、上記薄膜パターニング装置200を含む有機EL表示パネルの製造装置で形成された有機EL表示パネル10を組み込んだ有機EL表示装置100の全体構成を示すブロック図である。
有機EL表示装置100は、例えば、テレビ、パーソナルコンピュータ、携帯端末、業務用ディスプレイ(電子看板、商業施設用大型スクリーン)などに用いられる表示装置である。
有機EL表示装置100は、有機EL表示パネル10と、これに電気的に接続された駆動制御部400とを備える。
有機EL表示パネル10は、本実施の形態では、上面が長方形状の画像表示面であるトップエミッション型の表示パネルである。有機EL表示パネル10では、画像表示面に沿って複数の有機EL素子(不図示)が配列され、各有機EL素子の発光を組み合わせて画像を表示する。なお、有機EL表示パネル10は、一例として、アクティブマトリクス方式を採用している。
駆動制御部400は、有機EL表示パネル10に接続された駆動回路410と、計算機などの外部装置又はアンテナなどの受信装置に接続された制御回路420とを有する。駆動回路410は、各有機EL素子に電力を供給する電源回路、各有機EL素子への供給電力を制御する電圧信号を印加する信号回路、一定の間隔ごとに電圧信号を印加する箇所を切り替える走査回路などを有する。
制御回路420は、外部装置や受信装置から入力された画像情報を含むデータに応じて、駆動回路410の動作を制御する。
なお、図5では、一例として、駆動回路410が有機EL表示パネル10の周囲に4つ配置されているが、駆動制御部400の構成はこれに限定されるものではなく、駆動回路410の数や位置は適宜変更可能である。
3.有機EL表示パネル10の構成
(A)平面構成
図6は、有機EL表示パネル10の画像表示面の一部を拡大した模式平面図である。
有機EL表示パネル10では、一例として、R、G、B色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが行列状に配列されている。行方向(X方向)に並ぶ一組の副画素100R、100G、100Bが、一つの画素Pを構成している。
副画素100R、100G、100Bには、それぞれR、G、Bの色に発光する有機EL素子2(図7参照)が配置されており、階調制御された副画素100R、100G、100Bの発光輝度を組み合わせることにより、フルカラーの画像を表示することが可能である。
また、列方向(Y方向)においては、副画素100R、副画素100G、副画素100Bのいずれかのみが並ぶことでそれぞれ副画素列CR、副画素列CG、副画素列CBが構成されている。これにより、有機EL表示パネル10全体として画素Pが、X方向及びY方向に沿った行列状に並び、この行列状に並ぶ画素Pの発色を組み合わせることにより、画像表示面に画像が表示される。
本実施の形態に係る有機EL表示パネル10では、いわゆるラインバンク方式を採用している。すなわち、副画素列CR、CG、CBを1列ごとに仕切る隔壁(バンク)14がX方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100Bが、有機発光層を共有している。
ただし、各副画素列CR、CG、CBでは、副画素100R、100G、100B同士を絶縁する画素規制層141がY方向に間隔をおいて複数配置され、各副画素100R、100G、100Bは、独立して発光することができるようになっている。
なお、画素規制層141の高さは、発光層の表面の高さより高い(画素電極13の表面から、発光層の表面までは200nm以下、画素規制層は、500nm程度となる。印刷直後の乾燥前の発光層のインクの表面高さは画素規制層よりも高く流動性が良くなるようになっているが、乾燥・焼成後の仕上り高さは画素規制層よりも低くなる。)
図6では、隔壁14及び画素規制層141は点線で表されているが、これは、画素規制層141及び隔壁14が、画像表示面の表面に露出しておらず、画像表示面の内部に配置されているからである。
ここで、一組の副画素列CR、CG、CBからなる領域を一の発光領域500(発光部)と定義すると、隣接する2つの発光領域の間には、各副画素列と平行に伸びる補助電極形成領域600(非発光列)が存在する。
この補助電極形成領域600には有機EL素子が形成されておらず、X方向におけるほぼ中央には、Y方向に伸びる長尺な補助電極131が形成されている。
(B)有機EL表示パネルの断面構成
上述のように、有機EL表示パネル10において、一つの画素は、R、G、Bをそれぞれ発光する3つの副画素からなる。各副画素は、対応する色を発光する有機EL素子2で構成される。
図7は、有機EL表示パネル10の、図6のA-A線に沿った模式断面図である。
同図に示すように、本実施の形態においては、有機EL表示パネル10は、基板11、層間絶縁層12、画素電極13、隔壁14、発光層15、電子輸送層16、共通電極17、封止層18、および、補助電極131などからなる。
基板11、層間絶縁層12、電子輸送層16、共通電極17、および、封止層18は、画素ごとに形成されているのではなく、有機EL表示パネル10が備える複数の有機EL素子2に共通して形成されている。
(1)基板
基板11は、絶縁材料である基材111と、TFT(Thin Film Transistor)層112とを含む。TFT層112には、副画素ごとに駆動回路が形成されている。基材111は、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、硫化モリブデン、銅、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、マグネシウム、鉄、ニッケル、金、銀などの金属基板、ガリウム砒素などの半導体基板、プラスチック基板等を採用することができる。
(2)層間絶縁層
層間絶縁層12は、基板11上に形成されている。層間絶縁層12は、樹脂材料からなり、TFT層112の上面の段差を平坦化するためのものである。樹脂材料としては、例えば、ポジ型の感光性材料が挙げられる。また、このような感光性材料として、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、シロキサン系樹脂、フェノール系樹脂が挙げられる。また、図7の断面図には示されていないが、層間絶縁層12には、副画素ごとにコンタクトホールが形成されている。
(3)画素電極
画素電極13は、副画素ごとに設けられ、コンタクトホール(不図示)を通じてTFT層112と電気的に接続されている。
本実施の形態においては、画素電極13は、陽極として機能する。
本実施の形態では、有機EL表示パネル10は、トップエミッション型であるので、画素電極13は、発光効率向上のため、光反射性を有する金属材料によって形成される。
このような金属材料の具体例としては、Ag(銀)、Al(アルミニウム)、アルミニウム合金、Mo(モリブデン)、APC(銀、パラジウム、銅の合金)、ARA(銀、ルビジウム、金の合金)、MoCr(モリブデンとクロムの合金)、MoW(モリブデンとタングステンの合金)、NiCr(ニッケルとクロムの合金)などが挙げられる。
(4)補助電極(バスバー)
補助電極131は、層間絶縁層12上の上記画素電極13と同じ層に形成される。後述するように、製造工程の簡易化の観点から、補助電極131は、上記画素電極13と同じ工程で形成され、画素電極13と同じ材料が用いられるのが望ましいが、これに限定されない。
(5)隔壁・画素規制層
隔壁14は、基板11の上方に副画素ごとに配置された複数の画素電極13を、X方向において列毎に仕切るものであって、X方向に並ぶ副画素列CR、CG、CBの間においてY方向に延伸するラインバンク形状である。
この隔壁14には、電気絶縁性材料が用いられる。電気絶縁性材料の具体例として、例えば、絶縁性の有機材料(例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック樹脂、フェノール樹脂等)が用いられる。
隔壁14は、発光層15を塗布法で形成する場合に塗布された各色のインクが溢れて混色しないようにするための構造物として機能する。
なお、隔壁14の素材として、樹脂材料を用いる際は、加工性の点から感光性を有することが好ましい。当該感光性は、ポジ型、ネガ型のいずれであってもよいが、有機溶媒や熱に対する耐性を有することが好ましい。また、インクの流出を抑制するために、隔壁14の表面は所定の撥液性を有することが好ましい。
画素電極13が形成されていない部分において、隔壁14の底面が層間絶縁層12の上面と接している。
画素規制層141は、電気絶縁性材料からなり、各副画素列においてY方向に隣接する画素電極13の端部を覆い、当該Y方向に隣接する画素電極13同士を仕切っている。
画素規制層141の膜厚は、画素電極13の膜厚よりも若干大きいが、前述のように印刷直後のインク状の発光層の上面の高さよりも低くなるように設定されている。これにより、各副画素列CR、CG、CBにおいて、発光層15を形成する際のインクの流動が画素規制層141によって妨げられない。そのため、各副画素列における発光層15の厚みを均一に揃えることを容易にする。
画素規制層141は、上記構造により、Y方向に隣接する画素電極13の電気絶縁性を向上しつつ、各副画素列CR、CG、CBにおける発光層15の段切れ抑制、画素電極13と共通電極17との間の電気絶縁性の向上などの役割を有する。
画素規制層141に用いられる電気絶縁性材料の具体例としては、上記隔壁14の材料として例示した樹脂材料や無機材料などが挙げられる。また、上層となる発光層15を形成する際、インクが濡れ広がりやすいように、画素規制層141の表面はインクに対する親液性を有することが好ましい。
なお、補助電極形成領域600においては、画素規制層141は形成されない。
(6)発光層
発光層15は、発光領域500における隔壁14の間に形成されており、正孔と電子の再結合により、R、G、Bの各色の光を発光する機能を有する。なお、特に、発光色を特定して説明する必要があるときには、発光層15(R)、15(G)、15(B)と記す。
発光層15の材料としては、公知の材料を利用することができる。具体的には、例えば、オキシノイド化合物、ペリレン化合物、クマリン化合物、アザクマリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾール化合物、ペリノン化合物、ピロロピロール化合物、ナフタレン化合物、アントラセン化合物、フルオレン化合物、フルオランテン化合物、テトラセン化合物、ピレン化合物、コロネン化合物、キノロン化合物及びアザキノロン化合物、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、ローダミン化合物、クリセン化合物、フェナントレン化合物、シクロペンタジエン化合物、スチルベン化合物、ジフェニルキノン化合物、スチリル化合物、ブタジエン化合物、ジシアノメチレンピラン化合物、ジシアノメチレンチオピラン化合物、フルオレセイン化合物、ピリリウム化合物、チアピリリウム化合物、セレナピリリウム化合物、テルロピリリウム化合物、芳香族アルダジエン化合物、オリゴフェニレン化合物、チオキサンテン化合物、シアニン化合物、アクリジン化合物、8-ヒドロキシキノリン化合物の金属錯体、2-ビピリジン化合物の金属錯体、シッフ塩とIII族金属との錯体、オキシン金属錯体、希土類錯体などの蛍光物質で形成されることが好ましい。
(7)電子輸送層
電子輸送層16は、共通電極17からの電子を発光層15へ輸送する機能を有する。電子輸送層16は、電子輸送性が高い有機材料からなり、アルカリ金属、および、アルカリ土類金属を含まない。
電子輸送層16に用いられる有機材料としては、例えば、オキサジアゾール誘導体(OXD)、トリアゾール誘導体(TAZ)、フェナンスロリン誘導体(BCP、Bphen)などのπ電子系低分子有機材料が挙げられる。
なお、電子輸送層16の補助電極形成領域600には、コンタクト用開口部161が形成される(図10(b)参照)。
(8)共通電極
共通電極17は、透光性の導電性材料からなり、電子輸送層16上に形成されている。共通電極17は、陰極として機能する。
共通電極17の材料としては、例えば、ITOやIZOや、銀、銀合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属を用いるのが望ましい。金属で共通電極17を形成する場合には、共通電極17は透光性を有する必要があるため、膜厚は、約30nm以下の薄膜として形成される。
また、補助電極形成領域600においては、コンタクト用開口部161を介して、共通電極17が補助電極131上に直接形成される。
(9)封止層
封止層18は、内部の有機EL素子の構成要素、特に、発光層15、電子輸送層16などの有機層が水分やその他の液体に晒されたり、空気に晒されたりして劣化するのを防止するために設けられるものである。
本実施の形態においては、封止層18は、窒化シリコン(SiN)の薄膜であって、共通電極17の上面を被覆する。また、上述の窒化シリコン(SiN)のほかに、他の適当な無機材料(例えば、酸窒化シリコン(SiON)、炭化シリコン(SiC)等)を使用してもよい。
(10)その他
図7には示されてないが、封止層18上に接着剤を介して防眩用の偏光板や上部基板を貼り合せてもよい。これらを貼り合せることによって、有機EL素子2の構成要素、特に有機層が水分および空気などから、さらに保護される。
4.有機EL表示パネル10の製造方法
以下、上記の有機EL表示パネル10の製造方法について、図面を用いて説明する。
図8(a)~(d)、図9(a)~(c)、図10(a)~(c)は、有機EL表示パネル10の製造における補助電極形成工程の手順を示す模式断面図であり、図11は、有機EL表示パネル10の製造工程を示すフローチャートである。
(1)基板準備工程
まず、基材111上にTFT層112を成膜して基板11を準備する(図8(a)、図11のステップS1)。TFT層112は、公知のTFTの製造方法により成膜することができる。
TFT層112上に、層間絶縁層12を形成する(図8(b))。具体的には、一定の流動性を有する感光性樹脂材料を、例えば、ダイコート法により、基板11の上面に沿って、TFT層112による基板11上の凹凸を埋めるように塗布する。これにより、層間絶縁層12の上面は、基材111の上面に沿って平坦化した形状となる。
また、層間絶縁層12における、TFT素子の例えばソース電極上の個所にドライエッチング法を行い、コンタクトホール(不図示)を形成する。コンタクトホールは、その底部にソース電極の表面が露出するようにパターニングなどを用いて形成される。
次に、コンタクトホールの内壁に沿って接続電極層を形成する。接続電極層の上部は、その一部が層間絶縁層12上に配される。接続電極層の形成は、例えば、スパッタリング法を用いることができ、金属膜を成膜した後、フォトリソグラフィ法およびウエットエッチング法を用いてパターニングすればよい。
(2)画素電極・補助電極形成工程
次に、層間絶縁層12上に画素電極13および補助電極131を形成する(図11のステップS2)。
まず、層間絶縁層12上に画素電極材料層1300を、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いて形成する(図8(c))。その後、エッチング法によりパターニングして、副画素ごとに区画された複数の画素電極13およびY軸方向の伸びる補助電極131を形成する(図8(d))。なお、画素電極13と補助電極131は、同じ材質からなるが、図8(d)では、画素電極13と補助電極131とを区別するため、意図的にハッチングの種類を変えている(他の図においても同じ。)。
もっとも、画素電極13と補助電極131は、必ずしも同じ材質である必要は無く、例えば、補助電極と共通電極とのコンタクト抵抗を下げるために、画素電極と同材料の最上面に酸化しにくい材料(例えば、Tiなど)を積層しても良い。
(3)隔壁・画素規制層形成工程
次に、隔壁14および画素規制層141を形成する(図11のステップS3)。
本実施の形態では、以下のようにしてハーフトーンマスクを用いて、隔壁14と画素規制層141同時に形成するようにしている。
まず、画素電極13が形成された層間絶縁層12上に、樹脂材料を隔壁14の膜厚だけ塗布して隔壁材料層1400を形成する(図9(a))。具体的な塗布方法として、例えばダイコート法やスリットコート法、スピンコート法などの湿式法を用いることができる。
塗布後には、例えば、真空乾燥及び60℃~120℃程度の低温加熱乾燥(プリベーク)などを行って不要な溶媒を除去し、フォトマスク(不図示)を介して隔壁材料層を露光する。
例えば、隔壁材料層がポジ型の感光性を有する場合は、隔壁材料層1400を残す箇所を遮光し、除去する部分を露光する。
本例の場合、画素規制層141は、隔壁14よりも膜厚が小さいので、画素規制層141の部分は、隔壁材料層1400を半露光する必要がある。
そのため、この露光工程で使用されるフォトマスクは、隔壁14に対応する位置に配され光を完全に遮断する遮光部と、画素規制層141に対応する位置に配された半透明部と、それ以外の画素電極13の露出部分および補助電極131に対応する位置に配された透光部とを有するものが用いられる。
半透明部の透光度は、所定時間露光したときに、画素電極13、補助電極131上の隔壁材料層が全露光され、画素規制層141は、その高さ分だけ露光されないで残るように決定される。
次に、現像を行い、隔壁材料層1400の露光領域を除去することにより、隔壁14と、これよりも膜厚の小さな画素規制層141を形成することができる。具体的な現像方法としては、例えば、基板11全体を、隔壁材料層1400の露光により感光した部分を溶解させる有機溶媒やアルカリ液などの現像液に浸した後、純水などのリンス液で基板11を洗浄すればよい。
これにより、層間絶縁層12上に、Y方向に延伸する形状の隔壁14およびX方向に延伸する画素規制層141を形成することができる(図9(b))。
(4)発光層形成工程
次に、上記画素電極13の上方に、発光層15を形成する(図11のステップS4)。
具体的には、各一対の隔壁14で挟まれた開口部に、対応する発光色の発光材料を含むインクを、印刷装置の塗布ヘッド301のノズル3011から順次吐出して開口部内の画素電極13上に塗布する。この際、インクを画素規制層141の上方においても連続するように塗布する。これにより、Y方向に沿ってインクが流動可能となり、インクの塗布むらを低減して、同一の副画素列における発光層15の膜厚を均一化することが可能となる。
そして、インク塗布後の基板11を真空乾燥室内に搬入して真空環境下で加熱することにより、インク中の有機溶媒を蒸発させる。これにより、発光層15を形成できる(図9(c))。
(5)電子輸送層形成工程
次に、発光層15、隔壁14、画素規制層141、補助電極131上に共通の電子輸送層16を形成する(図10(a)、図11のステップS5)。電子輸送層16は、例えば、電子輸送性の有機材料を蒸着法により成膜することにより形成される。
(6)コンタクト開口部形成工程(レーザーパターニング工程)
次に、上述の薄膜パターニング装置200(図1)により、補助電極131上の電子輸送層16を除去してコンタクト用開口部161を形成する(図11のステップS6)。
基板11上方に電子輸送層16が成膜された有機EL表示パネル10の中間製品(図10(a)の状態)である薄膜付基板110を、基板搬送ロボットにより、薄膜パターニング装置200の真空チャンバー221内のテーブル223上の所定箇所に位置決めして載置し、真空ポンプ240を作動させて真空チャンバー221内を減圧し、上述のような高真空の状態にする。
そして、レーザー加工装置210を作動させて、レーザー光LBを走査し、基板11上の全ての補助電極131上の電子輸送層16を除去して、コンタクト用開口部161を形成する(図10(b))。
具体的に、制御部250は、レーザー加工装置210のレーザーヘッド部211を、所定の基準位置(ホームポジション)に移動させた後、加工対象となる薄膜のみを選択的に除去できるようなレーザー出力と走査速度で、内部の記憶メモリに予め記憶されたプログラム(パターンデータ)に基づいて、窓ガラス222とパターニングマスク2113を介して薄膜付基板110上にレーザー光を照射し、窓ガラス222の幅W1の範囲内で加工が終了すると、基板移動部230で薄膜付基板110をH方向に所定量移動させると共に、レーザーヘッド部211を再び基準位置に戻して、次の加工領域について引き続きパターニングを実行する。このような動作を繰り返して、薄膜付基板110の全加工領域についてのパターニング加工を実行する。
パターニング加工が終了後、薄膜付基板110は、基板搬送ロボットにより真空チャンバー221から取り出され、次の加工装置に搬送される。
(7)共通電極形成工程
次に、電子輸送層16上に、共通電極17を形成する(図11のステップS7)。本実施の形態では、共通電極17は、銀、アルミニウム等を、スパッタリング法または真空蒸着法により成膜することにより形成される。
この際、補助電極131上にはコンタクト用開口部161が形成されているので、共通電極17は、直接補助電極131上に形成され、両者間の電気的接続を良好にすることができる。補助電極131は金属からなるため、導電性に優れ、これにより、共通電極17の周縁部と中央部での電位差がほとんどなくなり、輝度ムラなどが生じない。
(8)封止層形成工程
次に、共通電極17上に、封止層18を形成する(図11のステップS8)。
これは、SiNからなる封止層18を、例えばプラズマCVD法により成膜する。これにより図7に示すような積層構造を有する有機EL表示パネル10を得ることができる。
4.効果のまとめ
上記開示の態様によれば、次のような効果が得られる。
(1)有機薄膜を含む表示パネル、特に、有機EL素子パネルにおいては、有機薄膜は酸素や水分を嫌うため、レーザー加工においても、密閉された真空雰囲気下にあるチャンバー内で行う必要がある。レーザー加工装置は比較的大型であるため、レーザー加工装置をチャンバーの外側に配置して、レーザー光を透過する窓ガラスを介して、内部の基板上に形成された薄膜に照射して加工する構成を取ることになるが、窓ガラスに変形や歪みなどがあると、レーザー光による精密加工に悪影響を与える。
しかし、本開示の態様によれば、窓ガラスと薄膜付基板との間に、パターニングマスクを配しているので、これにより、もし、レーザー光の照射位置が多少ずれたとしてもパターニングマスクの透光パターンを通過するレーザー光によって薄膜付基板の正しい位置にレーザー光が照射され、加工精度が維持できる。
(2)また、レーザー光により熔融された薄膜付基板の有機薄膜がデブリとなってチャンバー内を飛散して、窓ガラスに接触して凝固・付着すると、レーザー光が十分窓ガラスを透過せず加工不能となるが、本開示の態様によれば、上記パターニングマスクを窓ガラスよりも、より基板に近い位置に配置しているので、一旦上方に向けて飛散したデブリのほとんどがパターニングマスクに付着し、基板の薄膜上に再付着する蓋然性が飛躍的に少なくなり、有機EL表示パネルの品質が劣化するのを防止できる。
パターニングマスクは、全体が真空チャンバー内にあり、加工用の窓ガラスのように外から大気圧の押圧力を受けないので、その基材も窓ガラスほどの剛性が必要ではなく、窓ガラスに使用するガラス板に比して比較的安価なものを使用できるし、真空チャンバー内部の保持板上に載置しているだけなので、交換自在である。基板搬送ロボット等により、基板とパターニングマスクを同時に搬送するようにすれば、薄膜パターニング装置のメンテナンスのために製造ラインを長時間止める必要もなく、生産性に優れる。
また、薄膜付基板1枚の加工ごと、もしくは数枚の加工ごとに、パターニングマスクを真空チャンバーから取り出して、例えば、専用の洗浄機械を別途用意してパターニングマスクを洗浄し、再使用すれば、経済的である。
以上、本開示の態様によれば、レーザー加工により薄膜のパターニングを行うことにより、従来のフォトリソグラフィ法やエッチング法を利用したパターニング方法より、大幅に工数を削減できると共に、発生するデブリの悪影響を排して、メンテナンスが容易で、かつ、品質の高い有機EL表示パネルの製造を可能にする。
上記と同様な効果は、有機ELパネルのみならず、およそ有機膜を含む複数の薄膜を積層してなる他の表示パネルの製造に関しても得られるものである。
≪変形例≫
本発明の一態様として、有機EL表示パネルの製造装置及び製造方法の実施の形態について説明したが、本発明は、その本質的な特徴的構成要素を除き、以上の説明に何ら限定を受けるものではない。以下では、本発明の他の態様例である変形例を説明する。
(1)上記実施の形態では、Y方向(第1の方向)におけるレーザー光の走査は、レーザーヘッド部211のガイド溝2121に沿った移動のみに依存していたが、それに代えて、もしくはそれに加えて、ガルバノミラーによるスキャン機構(ガルバノスキャナー機構)を採用してもよい。
図12(a)は、このガルバノスキャナー機構の構成を模式的に示す図である。YAGレーザー発振器2112から発振されたレーザー光は、不図示のモーター(ガルバノモーター)により軸2152を中心に回動するガルバノミラー2151の反射面で反射して偏向され、fθレンズ2153により平行光に変換されてパターニングマスク2113を介して薄膜付基板110をY方向に走査する。これにより、レーザー光の走査速度が格段に速くなり、タクトタイムの削減が可能である。なお、別のガルバノミラーを用意して、軸2152と直交する軸回りに角度を変えるようにすれば、X方向の走査も同時に行うことも可能である。
また、図12(b)に示すように、YAGレーザー発振器2112に代えて、エキシマレーザー発振器2160を採用してもよい。一般にエキシマレーザー光のビーム径は、YAGレーザー光に比して大きいので(20mm~60mm)、パターニングマスク2113を介して同時に複数本のレーザー加工が可能となり、それだけ走査速度も速くすることができる。なお、上記ガルバノスキャナー機構によって、エキシマレーザー光を走査させるようにしても構わない。
(2)上記実施の形態では、パターニングマスク2113は帯状であって、レーザー光が通過する位置に配設していたが、これに限らず、例えば、図14(a)に示すパターニングマスク2170ように、大判の平板状のガラス基材2171に、薄膜付基板110の全加工領域と同じかやや大き目のマスク領域2172を形成し、図13の薄膜パターニング装置200の変形例に示すようにスペーサー225を介してテーブル223上に載置し、薄膜付基板110のX方向の移動と共にパターニングマスク2120を相対的な位置関係を維持しながら同期させて移動させるようにしてもよい。
また、パターニングマスク2170を、薄膜付基板110の周縁部に載置されたマスクフレーム(不図示)を介して、薄膜付基板110上に所定の間隔をおいて配置するようにしてもよい。
このようにパターニングマスク2170を薄膜付基板110とほぼ同じかそれ以上の大きさにすることにより、レーザー加工時に発生するデブリが上方の空間に舞い上がって窓ガラス222に付着するのを、より効果的に防止することができる。
また、窓ガラス222を薄膜付基板110と同程度の大きさにして(図16(b)の窓ガラス821参照)、平面視したときに(すなわち、レーザー光の射出方向(-Z方向)から眺めたとき)、前記薄膜付基板110のレーザー加工すべき領域が、全て窓ガラス222とパターニングマスク2113のマスク領域が重なる範囲内に収まるように配置すれば、薄膜付基板110を移動させずとも、薄膜パターニング装置200によってレーザーヘッド部211をXY方向に移動させることにより、薄膜付基板110の全加工領域に対するパターニングが可能である。この場合には、基板移動部230はなくてもよい。
なお、このように窓ガラス222を大きな面積にすると、その重量も重くなり、自重により窓ガラス222の中央部が下方に撓むように変形するおそれがあるが、窓ガラス222の厚みを大きくして剛性を高めることにより撓みの発生を抑制することができるし、また、多少の撓みが生じても、上述のようにパターニングマスク2113の介在により、必要な加工精度を確保することができる。
(3)1枚の基板11で複数個取り(例えば、小サイズの有機ELパネルを4個取り)をする場合には、図14(b)のパターニングマスク2180に示すように、大判のガラス基材2181上に各領域に対応したパターニング領域2182~2185までを形成するようにしても構わない。
(4)薄膜パターニング装置におけるレーザー光源の波長域について
上記実施の形態では、補助電極131上の樹脂からなる電子輸送層16をパターニングしたが、電子輸送層以外に、電子注入層や正孔注入層、正孔輸送層などの複数の薄膜が補助電極131上に形成される場合であっても、それらの薄膜の材質が吸収する共通の波長域のレーザー光を発生するレーザー加工装置によって一気にコンタクト用開口部161を形成して補助電極131を露出させることも可能である。
なお、実施の形態ではレーザー光源として固体レーザーであるYAGレーザーを使用している。YAGレーザーは、安定した微細加工が可能であり、レーザー出力と走査速度を制御することにより、掘り込み深さを微調整することができるので、補助電極131を残したまま、その上層部分の薄膜を除去することが可能である(ハーフカット加工)。
しかし、より安定して、確実に補助電極131のみを残し、その上層の薄膜を除去するためには、特定の波長域のレーザー光に対し、薄膜のレーザー光の吸収率が補助電極131を構成する金属の吸収率よりもできるだけ大きくなるように、それらの材料およびレ-ザー光の波長域を選択することが望ましい。
一例として、YAGレーザーの波長を、第3高調波の355MHzに設定し、補助電極131をアルミニウムもしくはアルミニウム合金で形成することにより、その上層の電子輸送層16(樹脂薄膜)のみを選択的に除去することが考えられる。
また、エキシマレーザーを使用する場合には、同様な理由により、XeFエキシマレーザ(波長351nm)が望ましい。
(5)パターニングの対象となる薄膜について
上記実施の形態では、補助電極131上の電子輸送層16にコンタクト用開口部161を形成する場合について説明したが、他の場合においても薄膜パターニング装置200によって薄膜をパターニングすることは可能である。
例えば、発光領域500と並列して補助電極形成領域600を設けて補助電極131を形成するのではなく隔壁14の頂上部の上方に形成する場合にも使用可能である。この場合、共通電極17上に形成された有機層や封止層などを隔壁14の頂上部において薄膜パターニング装置200により一部除去してコンタクト用開口部を形成する。その上に、金属膜を蒸着法などで形成し、エッチング処理して、当該コンタクト用開口部にのみ金属を残して、これを補助電極とするようにしてもよい。
また、薄膜付基板110には、レーザーパターニング加工の対象となる薄膜が少なくとも1層形成されておればよい。
(6)窓ガラスなどの材料について
上記実施の形態では、窓ガラス222やパターニングマスク2113の透明基材2114の材料として、広い波長範囲について透過性が良好で、耐久性に優れた石英ガラスを使用するようにしたが、使用するレーザー光の波長域によっては、ソーダガラスや、また、アクリル板などの透明樹脂板の使用もあり得る。
(7)上記実施の形態では、有機EL表示パネル10における特に発光層を含む有機機能膜の劣化を避けるため、真空チャンバー221内の空気を真空ポンプ240で抜いて減圧し、真空雰囲気下において、有機EL表示パネルの中間製品(薄膜付基板)のパターニング加工を行ったが、真空ポンプ240で真空にした後、水分を含有しない窒素やアルゴンなどの不活性ガス(コスト的な面では窒素ガスが望ましい。)を、ボンベなどから流入させ、あるいは、真空ポンプ240を使用せず、不活性ガスを真空チャンバー221に流入させて内部の空気と置換させて、不活性ガスの雰囲気を形成するようにしてもよい。
本発明では、このように真空チャンバー221内の雰囲気を真空もしくは不活性ガスの雰囲気に設定する工程の上位概念として、雰囲気調整工程と呼ぶ。また、当該工程を実行する装置を雰囲気調整装置と言うことができる。
(8)上記実施の形態では、フルカラーの有機EL表示パネル10を形成するためR、G、Bの各副画素にそれぞれ対応する色を発光する発光材料を含む発光層15(R)、15(G)、15(B)を形成したが、全て白色を発光する発光層に統一して、封止層18の上方にR、G、Bのフィルターを配した公知のカラーフィルター基板を透明な接着剤などを介して貼着するように構成してもよい。
(9)上記実施の形態では、発光層の形成方法としては、ウエットプロセスによる方法を説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、気相成長法等のドライプロセスを用いることもできる。
(10)上記実施の形態では、各有機EL素子が、画素電極、発光層、電子輸送層、共通電極からなる構成であるとしたが、例えば、画素電極と発光層との間に正孔注入層や正孔輸送層を含む構成であってもよいし、電子輸送層と共通電極との間に電子注入層を含む構成であってもよい。なお、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの機能を有する有機膜の上位概念として有機機能層と総称することができる。
(11)上記実施の形態では、高さの異なる隔壁14と画素規制層141を、ハーフトーンマスクを用いることにより一つの工程で同時に形成したが、隔壁14と画素規制層141を別工程で形成するようにしても構わない。
例えば、まず、Y方向における画素電極列を仕切るための画素規制層141を形成する。
具体的な画素規制層141の形成方法としては、例えば、ダイコート法などにより、画素電極13を形成した基板11の上面に、樹脂材料を塗布する。そして、フォトリソグラフィ法を用いて、Y方向に隣接する画素電極13の間に画素規制層141を形成すべく樹脂材料をパターニングした後、焼成することにより、画素規制層141を形成することができる。
次に、隔壁14の材料である隔壁用樹脂を、例えば、ダイコート法などを用いて一様に塗布し、隔壁材料層を形成し、フォトリソグラフィ法により隔壁材料層にパターニングした後、焼成して隔壁14を形成する。
(12)上記実施の形態においてはラインバンク方式の有機EL表示パネルについて説明したが、発光領域500において、一つの副画素ごとにその四方を隔壁で囲むようにした、いわゆるピクセルバンク方式の有機EL表示パネルであっても構わない。
(13)上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10では、R、G、B色にそれぞれ発光する副画素100R、100G、100Bが配列されていたが、副画素の発光色はこれに限られず、例えば、R、G、Bに加えて黄色(Y)の4色であってもよい。また、一つの画素Pにおいて、副画素は1色あたり1個に限られず、複数配置されてもよい。また、画素Pにおける副画素の配列は、図2に示すような、R、G、Bの順番に限られず、これらを入れ替えた順番であってもよい。
(14)上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10では、画素電極13を陽極、共通電極17を陰極としたが、これに限られず、画素電極13を陰極、共通電極17を陽極とする逆構造であってもよい。正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの積層順も陰極と陽極の位置によって適宜修正される。
(15)また、上記実施の形態に係る有機EL表示パネル10は、アクティブマトリクス方式を採用したが、これに限られず、パッシブマトリクス方式を採用してもよい。
また、本発明は、ボトムエミッション型の有機EL表示パネルの製造にも適用でき、さらには、およそ密閉された空間内で薄膜のパターニングを行う必要がある表示パネル全般の製造に適用可能である。
≪補足≫
以上、本開示に係る表示パネルの製造装置および製造方法について、実施の形態および変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態および変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明に係る表示パネルの製造装置および製造方法は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話などに使用される表示パネルの製造に好適である。
1 有機EL表示装置
2 有機EL素子
10 有機EL表示パネル
11 基板
12 層間絶縁層
13 画素電極
14 隔壁
15 発光層
16 電子輸送層
17 共通電極
18 封止層
100 有機EL表示装置
110 薄膜付基板
100B、100G、100R 副画素
111 基材
112 TFT層
131 補助電極
141 画素規制層
161 コンタクト用開口部
200 薄膜パターニング装置
210 レーザー加工装置
220 チャンバー部
221 チャンバー
222 窓ガラス
240 真空ポンプ
230 基板移動部
250 制御部
2113、2170、2180 パターニングマスク
2151 ガルバノミラー

Claims (12)

  1. 有機膜を含む複数の薄膜が基板上方に積層されてなる表示パネルの製造装置であって、
    レーザー光を透過する透明窓を有し、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板が収納されるチャンバーと、
    前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整部と、
    前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に配されたパターニングマスクと、
    前記チャンバーの外方に配され、前記透明窓とパターニングマスクを介して、前記レーザー光を前記薄膜付基板に向けて照射するレーザー照射部と
    を備え、
    前記パターニングマスクは、レーザー光が透過する透明な平板状の基材上に遮光性の薄膜が積層され、当該薄膜にレーザー光が透過する透光パターンが形成されてなり、
    前記表示パネルは、基板上に画素電極、発光層、及び基板上の画像表示領域の全面にわたって成膜される共通電極が順に設けられた積層構造であって、前記共通電極と電気的に接続することにより、共通電極の導電性を向上する補助電極を有し、
    前記補助電極は金属からなり、
    前記基板の上方に形成された少なくとも1層の薄膜は、前記補助電極上に積層された有機膜であって、前記レーザー照射部は、前記パターニングマスクと協働して、予め決定されたパターンで、前記レーザー光を相対的に走査して前記補助電極上の有機膜を除去する
    表示パネル製造装置。
  2. 前記透明窓は、前記薄膜付基板の主面に沿って第1の方向に伸びる長尺な帯形状であり、
    前記チャンバー内の前記薄膜付基板を、その主面に沿った、前記第1の方向と直交する第2の方向に移動させる基板移動部をさらに備える
    請求項1に記載の表示パネル製造装置。
  3. 平面透視したときに、前記パターニングマスクのマスク領域内に、前記薄膜付基板の全加工対象領域が含まれ、前記基板移動部は、前記薄膜付基板と前記パターニングマスクとを、両者の相対的位置関係を保った状態で前記第2の方向に移動させる
    請求項2に記載の表示パネル製造装置。
  4. 前記パターニングマスクの位置は、前記チャンバーに対して固定されており、前記基板移動部は、前記薄膜付基板のみを前記第2の方向に移動させる
    請求項2に記載の表示パネル製造装置。
  5. 前記第2の方向における前記パターニングマスクのマスク幅は、同方向における前記薄膜付基板の加工領域の幅よりも小さい
    請求項4に記載の表示パネル製造装置。
  6. 前記レーザー照射部は、YAGレーザー発振器を含む
    請求項2から5までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。
  7. 前記レーザー照射部は、エキシマレーザー発振器を含む
    請求項2から5までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。
  8. 前記レーザー照射部は、レーザー光を、ガルバノミラーにより偏向させて、少なくとも前記第1の方向に沿って走査させるガルバノスキャナー機構を備える
    請求項6または7に記載の表示パネル製造装置。
  9. 前記レーザー照射部は、レーザー光を射出するレーザーヘッド部を備え、前記レーザーヘッド部を、少なくとも前記第1の方向に沿って移動させることによりレーザー光を走査するレーザー走査部を備える
    請求項6または7に記載の表示パネル製造装置。
  10. 前記透明窓と前記パターニングマスクは、共に前記薄膜付基板の主面と平行であって、前記レーザー光は、前記透明窓の主面に対して垂直に入射される
    請求項9に記載の表示パネル製造装置。
  11. 前記透明窓は、石英ガラスからなる
    請求項1から10までのいずれかに記載の表示パネル製造装置。
  12. 有機膜を含む複数の薄膜が基板上に積層されてなる表示パネルの製造方法であって、
    レーザー光を透過する透明窓を有するチャンバー内に、少なくとも1層の薄膜が形成された薄膜付基板を、その薄膜が形成された側の主面を前記透明窓に対向した状態で収納する基板収納工程と、
    前記チャンバー内の雰囲気を、真空もしくは不活性ガスの雰囲気に調整する雰囲気調整工程と、
    前記チャンバー内の、前記透明窓と前記薄膜付基板との間に、パターニングマスクを配した状態で、前記チャンバーの外部から、前記透明窓と前記パターニングマスクを介して、レーザー光を前記薄膜付基板の加工面に向けて射出し、前記薄膜を部分的に除去する薄膜除去工程と、
    を含み
    前記パターニングマスクは、レーザー光が透過する透明な平板状の基材上に遮光性の薄膜が積層され、当該薄膜にレーザー光が透過する透光パターンが形成されてなり、
    前記表示パネルは、基板上に画素電極、発光層、及び基板上の画像表示領域の全面にわたって成膜される共通電極が順に設けられた積層構造であって、前記共通電極と電気的に接続することにより、共通電極の導電性を向上する補助電極を有し、
    前記補助電極は金属からなり、
    前記基板の上方に形成された少なくとも1層の薄膜は、前記補助電極上に積層された有機膜であって、前記レーザー照射部は、前記パターニングマスクと協働して、予め決定されたパターンで、前記レーザー光を相対的に走査して前記補助電極上の有機膜を除去する
    表示パネル製造方法。
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