JP2004047128A - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セルの電気特性及び発色特性の異常や発光の欠陥を防止して、歩留まりの向上を図る。
【解決手段】基板2上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、マスク14の開口部を介して上記基板2上に上記有機化合物4Bを選択的に堆積させる第1の工程と、上記マスク14に対して光クリーニングを行う第2の工程と、上記マスク14を移動させる第3の工程とを有する。または、マスク14の開口部を介して上記基板2に対して光クリーニングを行う第1の工程と、上記基板2の上記光クリーニングが行われた領域に上記有機化合物4Bを選択的に堆積させる第2の工程とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】基板2上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、マスク14の開口部を介して上記基板2上に上記有機化合物4Bを選択的に堆積させる第1の工程と、上記マスク14に対して光クリーニングを行う第2の工程と、上記マスク14を移動させる第3の工程とを有する。または、マスク14の開口部を介して上記基板2に対して光クリーニングを行う第1の工程と、上記基板2の上記光クリーニングが行われた領域に上記有機化合物4Bを選択的に堆積させる第2の工程とを有する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いたディスプレイ(以下、有機ELディスプレイと称する。)は、現在のフラットパネルディスプレイの主流である液晶ディスプレイと比較して高い発光輝度及び高い電気−発光効率を示し、なおかつ視野角が大きいといった利点を有することから、次世代のディスプレイとして注目を集めている。
【0003】
有機ELディスプレイにおけるフルカラー化技術としては、白色の有機EL素子を光源として各原色のカラーフィルタを介して発色するフィルタ方式、青色の有機EL素子を光源として色変換層を介して発色するCMM方式、各原色の有機EL素子を基板上に並列に配置する三色独立発光方式等が主要な方法として提案されているが、基板構造が単純で電気に対する発光効率が高いといった長所を有することから、三色独立発光方式が有望である。
【0004】
三色独立発光方式の有機ELフルカラーディスプレイを製造するためには、各原色の色素材料を基板上に選択的に堆積させる技術が必要不可欠である。色素材料を選択的に堆積させる方法としては、インクジェット法、転写法、マスク遮蔽−蒸着法等が提案されている。
【0005】
このうちインクジェット法は、例えば特開2001−341296号公報に開示されるように、ノズルを基板上で走査しながら、色素材料を含有する溶液を例えば100pl以下の量でノズルから噴出させて、各原色の色素材料を対応する画素へ堆積させる技術である。
【0006】
また、転写法は、例えば特開2001−295027号公報や特開2001−196168号公報に開示されるように、所望のパターンに予め色素材料を堆積させた転写基板(又は薄膜)を準備し、この転写基板と配線基板とを密着対向して配置し、転写基板上の色素材料をジュール熱や光等により昇華させ、配線基板上の画素内に色素材料を堆積させる技術である。
【0007】
また、マスク遮蔽−蒸着法は、蒸着源と基板との間にマスクを配置して選択的な蒸着を行い、画素に色素材料を堆積させる技術である。
【0008】
しかしながら、インクジェット法は色素材料の堆積中にノズルを走査するため塵埃が発生しやすく、なおかつ色素材料の吐出位置の制御が非常に難しいという課題を抱える。また、転写法は、転写基板に加熱機構を備える必要があることから、転写基板の構造が複雑となってしまう。
【0009】
これに対してマスク遮蔽−蒸着法は、必要となる装置が蒸着源、マスク及び基板といった簡単な構成で済み、色素材料の堆積位置の制御が基板と密着配置したマスクによって容易に行われるといった長所を兼ね備えることから、技術的に優れている手法であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスク遮蔽−蒸着法では、マスクの移動によって発生した塵埃や、蒸着時の色素の混入等によってセルの電気特性及び発色特性の異常、さらには発光の欠陥を引き起こすという問題がある。ディスプレイの輝度欠陥点は、たとえ数カ所であっても商品価値を消失させて不良品の原因となるので、歩留まりの低下を引き起こすこととなる。また、ディスプレイの発色特性が正しくない場合、消費者が画面を見たときに違和感を覚えるので商品価値の低下を招く。
【0011】
具体的には、マスク遮蔽−蒸着法では、例えば図8(a)に示すように、先ず、例えばストライプ状の透明電極(陽極)100と透明電極100と直交するように配されたストライプ状の隔壁101とをこの順に有する基板102上に、開口部を有するマスク103をその開口部が例えば青(B)の発光領域となるセルと重なるように配置し、この状態でマスク103の開口部を介して例えば青(B)に発光する色素等の有機化合物を例えば蒸着法によって画素内に堆積させ、有機EL層104Bを成膜する。有機EL層104Bの成膜後、図8(b)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク103の開口部とが一致するように所定のピッチ分、マスク103を移動させる。このような工程を原色毎に繰り返すことによって、赤(R)、緑(G)、青(B)の各セルにおける有機EL層104の成膜が完了する。
【0012】
そして図8(a)に示すように、例えば青(B)の色素の蒸着工程後には、マスク103の表面及びマスク103の開口部付近にマスク103によって遮蔽された色素105Bが付着しており、マスク103の移動及び移動に伴うマスク103の変形によってこのような付着した色素105Bが剥がれ落ちてセル内に侵入し、セルの電気特性の異常や発光の欠陥を引き起こす原因となる。
【0013】
また、例えば青(B)のセルとマスク103の開口部とを正確に重ね合わせて蒸着を行った場合でも、図9(a)に示すように、目的とする有機EL層104Bの成膜以外に、マスク103と基板102との隙間に青(B)の色素105Bが回り込こむことによって、例えば緑(G)等の隣接するセル内に青(B)の色素105Bが混入・堆積することがある。この状態のままで色素の充填を継続する、すなわち図9(b)に示すようにマスク103を移動させて緑(G)の色素105Gの堆積を行うと、緑(G)のセル内では混入した青(B)の色素105B上に有機EL層104Gが成膜されると同時に、基板102とマスク103との隙間に回り込んだ緑(G)の色素105Gが隣り合う青(B)及び赤(R)のセル内に混入する。次に赤(R)の色素105Rを堆積させた場合にも、図9(c)に示すように、青(B)及び緑(G)の場合と同様の問題が発生する。
【0014】
このように、他の色の色素によってセルが汚染されると、電子遷移に変化が生じ、セルの発色特性が予想外に変化する。この結果、有機ELディスプレイの表示品質が劣化するため、不良品を発生させる原因となり、製造上の歩留まりの低下につながる。
【0015】
そこで本発明はこのような従来の問題点を解決するために提案されたものであり、セルの電気特性及び発色特性の異常や発光の欠陥を防止して、歩留まりの向上を図ることが可能な有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、マスクの開口部を介して上記基板上に上記有機化合物を選択的に堆積させる第1の工程と、上記マスクに対して光クリーニングを行い、上記マスクに付着した上記有機化合物を除去する第2の工程と、上記マスクを移動させる第3の工程とを有することを特徴とする。
【0017】
以上のような有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法では、マスクに付着した有機化合物を光クリーニングによって除去した後でマスクを移動させるので、マスクに付着した有機化合物が剥がれ落ちる危険性が排除される。この結果、基板上に落下した有機化合物に起因する電気特性の異常及びセルの発光欠陥の発生が防止される。
【0018】
また、本発明の請求項11に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、上記基板の所定の領域に上記有機化合物を選択的に堆積させる第1の工程と、上記基板に対して光クリーニングを行い余剰の上記有機化合物を除去する第2の工程と、上記光クリーニングが行われた領域に上記有機化合物を選択的に堆積させる第3の工程とを有することを特徴とする。
【0019】
以上のような有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法では、有機化合物を堆積させる前に基板に対して光クリーニングを行うので、所望の有機化合物のみを基板上の所定の領域に堆積させられる。この結果、混入した有機化合物に起因する発色特性の異常が防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
先ず、本発明を適用して製造される有機ELディスプレイの一構成例を、図1に示す。この有機ELディスプレイ1は、基板2の一主面上に、陽極となる透明電極3がストライプ状に複数形成され、この上に有機EL層4が複数形成され、その上に透明電極3と直交するようにしてストライプ状の陰極5が複数形成されて構成されたものであり、透明電極3と陰極5とが交差する位置に有機EL素子が形成されている。
【0022】
また、図1に示す有機ELディスプレイ1はフルカラーのディスプレイであり、有機EL層4は、赤(R)を発光する有機EL層4Rと、緑(G)を発光する有機EL層4Gと、青(B)を発光する有機EL層4Bとから構成され、発光領域となるセル毎に隔壁6によって区分され、異なる色素材料等の有機化合物が堆積されてなるものである。
【0023】
基板2は、有機EL素子の支持体となるものであり、この基板2上に有機EL素子を構成する各層が形成される。基板2に用いる材料としては、例えば透光性を有し、光学特性が良好な材料を用いることができ、例えばガラス、プラスチック等を用いることができる。
【0024】
透明電極3は、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きく、導電性が良好であり、また、陽極側から有機電界発光を取り出すことを可能とするために、透光性を有する材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au薄膜等が挙げられる。また、陽極材料として、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性高分子薄膜を用いても良い。
【0025】
有機EL層4は、例えば正孔輸送層と発光層と電子輸送層とがこの順に積層されたものであり、発色する色に応じて最適な有機化合物を選択する。なお、有機EL層4の構成としては、上述した構成の他、発光層が電子輸送層の機能を兼ねる場合、発光層が正孔輸送層の機能を兼ねる場合等、いかなる構成であってもかまわない。
【0026】
有機EL層4を構成する色素としては、例えば下記化1〜化39に示す化合物等が挙げられる。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
【化38】
【0065】
【化39】
【0066】
陰極5は、効率良い電子の注入が可能となるように仕事関数が低く、導電性が良好であり、また化学的に安定であることが好ましく、例えばAl等の金属を用いることができる。
【0067】
隔壁6は、シリコン、酸化シリコン等から構成される。
【0068】
本発明では、上述したような構成の有機ELディスプレイ1を後述する2通りの方法、すなわち、製造工程中に用いるマスクを移動させる前にマスク表面を光クリーニングする第1の方法、又は色素を堆積させる前に基板表面を光クリーニングする第2の方法のいずれかを実施して製造する。そこで以下では、最初に第1の方法について、次に第2の方法についてそれぞれ詳細に説明する。
【0069】
以下、上述した構成の有機ELディスプレイ1を製造する第1の方法、及びこの第1の方法を実施するための装置について、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。
【0070】
有機ELディスプレイ1を製造するための製造装置の一例を、図2及び図3に示す。図2及び図3に示す製造装置10は、有機ELディスプレイ1のうち有機EL層4をマスク遮蔽−蒸着法によってパターン形成するための装置である。なお、図2は、製造装置10の断面図であり、図3は平面図である。
【0071】
この製造装置10は、チャンバ11の内部に基板2を載置するとともに移動させるためのxステージ12と、有機EL層4の構成材料を堆積させるための蒸着源13とを互いに対向した状態で有する。また、基板2と蒸着源13との間には、マスク14がマスク位置合わせ機構15によって保持されている。xステージ12は、堆積速度に応じて移動することで、基板2上へ適切な厚みの色素を堆積させる。
【0072】
蒸着源13は例えばR、G、Bに対応した複数の蒸着源を備え、各原色の色素を効率よく昇華させるために、色素毎に加熱機構を個別に備える。蒸着源13には、チャンバ11の外部に設置された蒸着熱源16から熱が加えられることによりR、G、Bに対応した所定の色素を昇華させ、基板2上に堆積させる。なお、蒸着源13の加熱は蒸着熱源16からの熱の供給のみならず、電子線加熱でもかまわない。
【0073】
蒸着源13にはシャッタ17が開閉自在に取り付けられており、ある原色の蒸着中に、他の原色の蒸着源表面にその原色が堆積することを防止する。
【0074】
また、チャンバ11にはチャンバ11内を排気して真空状態とする排気装置に連結された排気口18と、チャンバ11内へ基板2を導入及び搬出するための基板導入口19が設けられている。
【0075】
また、チャンバ11の上方には、レーザ光源20から出射したレーザ光が基板2の法線方向に対して斜めに入射するように、チャンバ内へ導入するための光学窓21が設けられている。レーザ光源20と光学窓21との間には、第1のミラー22と、xステージ上に設けられた第2のミラー23と、レンズ24とが設けられている。第2のミラー23は、第1のミラー22からのレーザ光を基板2方向へ曲げるとともに、基板2をレーザ光で走査する。
【0076】
次に、図2及び図3に示す製造装置を用いて図1に示す有機ELディスプレイ1を製造する第1の方法について、図4を参照しながら説明する。
【0077】
先ず、ストライプ状の透明電極3と、セルを分離するための隔壁6とがこの順に形成された基板2を用意する。この基板2を基板導入口19からチャンバ内へ導入し、xステージ12上に基板2を固定させる。基板2上に所定の形状の開口部を有するマスク14を配し、例えば青(B)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク位置合わせ機構15によってマスク14と基板2とのアライメントを行う。基板2の導入後、チャンバ11内を真空排気しておく。
【0078】
次に、蒸着熱源16から熱を供給して蒸着源13を加熱するとともにxステージ12を矢印A方向へ適切な速度で移動させることにより、図4(a)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ青(B)の色素の蒸着・堆積を行う。これにより、隔壁6で区分された青(B)のセル内に有機EL層4Bが成膜される。
【0079】
有機EL層4B成膜後のマスク14の表面及び開口部付近には色素25Bが付着しているので、図4(b)に示すようにこのマスク14の表面を光クリーニングし、余分な色素25Bを昇華させて除去する。具体的には、レーザ光源20から発せられたレーザ光を、第1のミラー22、第2のミラー23、レンズ24及び光学窓21を介してマスク14の表面に照射する。このとき、xステージ12を矢印A方向へ移動させながら、第2のミラー23を矢印B方向、すなわちxステージ12の移動方向に直交するように往復運動させれば、有機EL層4Rの成膜に追随するようにマスク14がレーザ光によって走査照射される。
【0080】
ここで、照射されるレーザ光が基板2表面のセルへ到達しないように、レーザ光をマスク14表面の法線に対して斜め方向から照射することが好ましい。その照射角度は、セルの間隔とマスク膜厚によって決定される。例えばマスク膜厚が150μmであり、マスク開口幅が200μmであるとき、照射角度はマスク表面の法線に対して53°(tan−1(150/200)〜37)以上であることが好ましい。仮にレーザ光の照射角度を53°未満とすると、マスク14のみならずマスク14の開口部を介してセルにレーザ光が到達して有機EL層4Bも除去されるおそれがあるが、上記数値範囲を満たすことでマスク14の開口部においてレーザ光が遮蔽される。この結果、有機EL層4B等へダメージを与えることなく、マスク14に付着した色素25Bのみを除去することができる。
【0081】
また、照射するレーザ光の波長、エネルギー、パルス幅等は、除去対象となる色素の種類によって適宜選択する。ただし除去対象となる色素を原子レベルで解離し、且つ熱の発生によるマスク14の変形を防止する見地から、紫外域のレーザ光を用いることが好ましく、紫外域で0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つレーザ光を用いることがより好ましい。また、赤外域又は可視域で、例えば1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つレーザ光等も使用可能である。
【0082】
また、フルカラーの有機ELディスプレイの製造に際しては例えばR、G、Bの三原色の色素を堆積させるので、照射するレーザ光の波長は、除去対象となる色素の吸収ピーク付近であること、すなわち除去対象となる色素に対する吸収が大きく、且つ他の色素に対する吸収が小さい波長であることも重要である。
【0083】
ところで、有機EL層4を構成する材料である上述した化1〜化39に示す化合物のうち、数種類は下記表1に示すような吸収ピークを示す。このため、光クリーニングの際にはそれぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することが好ましい。なお表1中、PHPについては25℃及び170℃のときの吸収ピークをそれぞれ示し、また、(EtCz)2については膜厚が420nmのときの吸収ピークを、(OcCzCOOH)2については膜厚が500nmのときの吸収ピークをそれぞれ示した。
【0084】
【表1】
【0085】
マスク14の全面を光クリーニングした後、図4(c)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク14を移動させる。
【0086】
そして、緑(G)の色素について上述したようなセル内への色素の堆積、マスクの光クリーニング、及びマスクの移動を同様に行い、有機EL層4Gを形成する。
【0087】
次に、赤(R)の発光領域となるセル内に所定の色素を堆積させ、有機EL層4Rを形成することにより、三原色の色素の堆積が完了する。
【0088】
最後にチャンバ11内の低圧をリークして有機EL層4が成膜された基板2を基板導入口19からチャンバ11外へ搬出し、陰極5の形成、封止工程等を経ることにより、有機ELディスプレイ1が得られる。なお、有機EL層4の形成から封止まで低圧を維持したままでもよい。
【0089】
以上のように、本発明に係る有機ELディスプレイを製造する第1の方法によれば、マスクの移動に先立ってマスク表面に付着した色素を光クリーニングによって除去するので、マスクを移動させる際にマスクに付着した色素が落下してセル内に混入することを防止する。このため、セル内部に塵埃が混入することに起因するセルの電気特性の異常や発光欠陥の発生が防止され、輝度欠陥点のない高品質な有機ELディスプレイを高い歩留まりにて製造することができる。また、本発明によれば廃棄される不良品数が削減されるので、環境負荷の軽減にも寄与する。
【0090】
また、この第1の方法によれば、各色素を堆積させる前にマスクを光クリーニングするので、マスクの開口部が色素によって目詰まりすることがない。したがって、1つのマスクで有機EL層の高精度な成膜が可能となる。
【0091】
次に、上述した構成の有機ELディスプレイ1を製造する第2の方法、及びこの第2の方法を実施するための装置について、図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0092】
有機ELディスプレイ1を製造するための製造装置の他の例を、図5及び図6に示す。図5及び図6に示す製造装置30は、有機ELディスプレイ1のうち有機EL層4をマスク遮蔽−蒸着法によってパターン形成するための装置である。なお、図5は、製造装置30の断面図であり、図6は平面図である。なお、図5及び図6中、上述した図2及び図3と同じ部材については同じ符号を付して説明する。
【0093】
この製造装置30は、チャンバ11の内部に基板2を載置するとともに移動させるためのxステージ12と、有機EL層4の構成材料を堆積させるための蒸着源13とを互いに対向した状態で有する。また、基板2と蒸着源13との間には、マスク14がマスク位置合わせ機構15によって保持されている。xステージ12は、堆積速度に応じて移動することで、基板2上へ適切な厚みの色素を堆積させる。
【0094】
蒸着源13は例えばR、G、Bに対応した複数の蒸着源を備え、各原色の色素を効率よく昇華させるために、色素毎に加熱機構を個別に備える。蒸着源13には、チャンバ11の外部に設置された蒸着熱源16から熱が加えられることによりR、G、Bに対応した所定の色素を昇華させ、基板2上に堆積させる。なお、蒸着源13の加熱は蒸着熱源16からの熱の供給のみならず、電子線加熱でもかまわない。
【0095】
蒸着源13にはシャッタ17が開閉自在に取り付けられており、ある原色の蒸着中に、他の原色の蒸着源表面にその原色が堆積することを防止する。
【0096】
また、チャンバ11にはチャンバ11内を排気して真空状態とする排気装置に連結された排気口18と、チャンバ11内へ基板2を導入及び搬出するための基板導入口19が設けられている。
【0097】
また、チャンバ11の上方には、レーザ光源20から出射したレーザ光が基板2に対して略垂直に入射するように、チャンバ内へ導入するための光学窓21が設けられている。レーザ光源20と光学窓21との間には、第1のミラー22と、xステージ上に設けられた第2のミラー23と、レンズ24とが設けられている。第2のミラー23は、第1のミラー22からのレーザ光を基板2方向へ曲げるとともに、基板2をレーザ光で走査する。
【0098】
次に、図5及び図6に示す製造装置を用いて図1に示す有機ELディスプレイ1を製造する第2の方法について、図7を参照しながら説明する。
【0099】
先ず、ストライプ状の透明電極3と、セルを分離するための隔壁6とがこの順に形成された基板2を用意する。この基板2を基板導入口19からチャンバ内へ導入し、xステージ12上に基板2を固定させる。基板2上に所定の形状の開口部を有するマスク14を配し、例えば青(B)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク位置合わせ機構15によってマスク14と基板2とのアライメントを行う。基板2の導入後、チャンバ11内を真空排気しておく。
【0100】
次に、蒸着熱源16から熱を供給して蒸着源13を加熱するとともにxステージ12を図5中矢印C方向へ適切な速度で移動させることにより、図7(a)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ青(B)の色素25Bの蒸着・堆積を行う。これにより、隔壁6で区分された青(B)のセル内に有機EL層4Bが成膜される。これと同時に、マスク14と基板2との隙間に青(B)の色素25Bが回り込こむことによって、例えば緑(G)等の隣接するセル内に青(B)の色素25Bが混入・堆積することがある。
【0101】
次に、図7(b)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク14を移動させる。
【0102】
そして、マスク14の開口部を介して緑(G)のセルの光クリーニングを行い、堆積した青(B)の色素25Bを昇華させて除去する。具体的には、レーザ光源20から発せられたレーザ光を、第1のミラー22、第2のミラー23、レンズ24及び光学窓21を介してマスク14及び基板2の表面に照射する。このとき、xステージ12を矢印C方向へ移動させながら、第2のミラー23を矢印D方向、すなわちxステージ12の移動方向に直交するように往復運動させれば、マスク14がレーザ光によって走査照射される。
【0103】
このとき、有機EL層4Bが成膜された青(B)のセル及び赤(R)のセルはマスク14で遮蔽されているので、他のセルにダメージを与えることなく緑(G)のセル内のみを効率よく光クリーニングできる。
【0104】
ここで、照射されるレーザ光が基板2表面のセル内に確実に到達するように、レーザ光をマスク14表面に対して略垂直方向から照射することが好ましい。レーザ光の照射角度が大きくなると、レーザ光がマスクの開口部で遮蔽され、セル内の光クリーニングが不十分となるおそれがあるためである。
【0105】
また、照射するレーザ光の波長、エネルギー、パルス幅等は、除去対象となる色素の種類によって適宜選択する。ただし除去対象となる色素を原子レベルで解離し、且つ熱の発生によるマスク14の変形を防止する見地から、紫外域のレーザ光を用いることが好ましく、紫外域で0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つレーザ光を用いることがより好ましい。また、赤外域又は可視域で、例えば1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つレーザ光等も使用可能である。
【0106】
また、フルカラーの有機ELディスプレイの製造に際しては例えばR、G、Bの三原色の色素を堆積させるので、照射するレーザ光の波長は、除去対象となる色素の吸収ピーク付近であること、すなわち除去対象となる色素に対する吸収が大きく、且つ他の色素に対する吸収が小さい波長であることも重要である。
【0107】
有機EL層4を構成する例えば化1〜化39の化合物のうちいくつかは上記表1に示すような吸収ピークを示す。このため、光クリーニングの際にはそれぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することが好ましい。
【0108】
次に、緑(G)のセル内の光クリーニングに追随するように、図7(c)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ緑(G)の色素25Gの蒸着・堆積を行う。これにより、緑(G)のセル内に有機EL層4Gが成膜される。
【0109】
なお、有機EL層4Gの成膜と同時に、隣接する赤(R)のセルに緑(G)の色素25Gが堆積する。このため、上述した緑(G)のセルと同様にして、マスク14の移動、及び赤(R)のセル内を光クリーニングして色素25Gを除去した後で、赤(R)の有機EL層4Rの成膜を行う。以上のようにして三原色の色素の堆積が完了する。
【0110】
最後にチャンバ11内の低圧をリークして有機EL層4が成膜された基板2を基板導入口19からチャンバ11外へ搬出し、陰極5の形成、封止工程等を経ることにより、有機ELディスプレイ1が得られる。なお、有機EL層4の形成から封止まで低圧を維持したままでもよい。
【0111】
以上のように、本発明に係る有機ELディスプレイを製造する第2の方法によれば、セル内への色素の堆積に先立ってセル内を光クリーニングするので、例えば基板とマスクとの間に回り込んだ色素が隣接するセル内に混入するような不都合が回避される。このため、他原色の色素の混入に起因する電子遷移の変化が抑制されるので、発色特性が改善された高品質な有機ELディスプレイを高い歩留まりにて製造できる。また、本発明によれば廃棄される不良品数が削減されるので、環境負荷の軽減にも寄与する。
【0112】
また、この第2の方法によれば、各色素を堆積させる前にマスクも光クリーニングされるので、マスクの開口部が色素によって目詰まりすることがない。したがって、1つのマスクで有機EL層の高精度な成膜が可能となる。
【0113】
なお、上述の説明では、基板上に色素を堆積させる手法として真空蒸着法を例に挙げたが、これに限定されることはなく、例えばインクジェット法、印刷法等、有機EL層を構成する色素を堆積させる種々の方法を採用することができる。
【0114】
また、有機ELディスプレイを製造するための装置は、上述した構成に限定されず、いかなる変更がされていてもよい。
【0115】
また、本発明は上述した第1の方法と第2の方法とを組み合わせてもかまわない。
【0116】
また、本発明は上述の記載に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法によれば、輝度欠陥の低減又は発色特性の向上を実現するので、商品価値の高い有機エレクトロルミネッセンス表示装置を高い歩留まりにて製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して製造される有機ELディスプレイの一構成例を示す要部概略断面図である。
【図2】第1の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す断面図である。
【図3】第1の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す平面図である。
【図4】有機ELディスプレイを製造するための第1の方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)はマスクの光クリーニング工程を示す要部概略断面図、(c)はマスク移動工程を示す要部概略断面図である。
【図5】第2の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す断面図である。
【図6】第2の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す平面図である。
【図7】有機ELディスプレイを製造するための第2の方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は基板の光クリーニング工程を示す要部概略断面図、(c)は緑の色素堆積工程を示す要部概略断面図である。
【図8】従来の有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)はマスク移動工程を示す要部概略断面図である。
【図9】従来の有機ELディスプレイの他の製造方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は緑の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は赤の色素堆積工程を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
1 有機ELディスプレイ
2 基板
3 透明電極
4 有機EL層
5 陰極
6 隔壁
14 マスク
25 色素
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いたディスプレイ(以下、有機ELディスプレイと称する。)は、現在のフラットパネルディスプレイの主流である液晶ディスプレイと比較して高い発光輝度及び高い電気−発光効率を示し、なおかつ視野角が大きいといった利点を有することから、次世代のディスプレイとして注目を集めている。
【0003】
有機ELディスプレイにおけるフルカラー化技術としては、白色の有機EL素子を光源として各原色のカラーフィルタを介して発色するフィルタ方式、青色の有機EL素子を光源として色変換層を介して発色するCMM方式、各原色の有機EL素子を基板上に並列に配置する三色独立発光方式等が主要な方法として提案されているが、基板構造が単純で電気に対する発光効率が高いといった長所を有することから、三色独立発光方式が有望である。
【0004】
三色独立発光方式の有機ELフルカラーディスプレイを製造するためには、各原色の色素材料を基板上に選択的に堆積させる技術が必要不可欠である。色素材料を選択的に堆積させる方法としては、インクジェット法、転写法、マスク遮蔽−蒸着法等が提案されている。
【0005】
このうちインクジェット法は、例えば特開2001−341296号公報に開示されるように、ノズルを基板上で走査しながら、色素材料を含有する溶液を例えば100pl以下の量でノズルから噴出させて、各原色の色素材料を対応する画素へ堆積させる技術である。
【0006】
また、転写法は、例えば特開2001−295027号公報や特開2001−196168号公報に開示されるように、所望のパターンに予め色素材料を堆積させた転写基板(又は薄膜)を準備し、この転写基板と配線基板とを密着対向して配置し、転写基板上の色素材料をジュール熱や光等により昇華させ、配線基板上の画素内に色素材料を堆積させる技術である。
【0007】
また、マスク遮蔽−蒸着法は、蒸着源と基板との間にマスクを配置して選択的な蒸着を行い、画素に色素材料を堆積させる技術である。
【0008】
しかしながら、インクジェット法は色素材料の堆積中にノズルを走査するため塵埃が発生しやすく、なおかつ色素材料の吐出位置の制御が非常に難しいという課題を抱える。また、転写法は、転写基板に加熱機構を備える必要があることから、転写基板の構造が複雑となってしまう。
【0009】
これに対してマスク遮蔽−蒸着法は、必要となる装置が蒸着源、マスク及び基板といった簡単な構成で済み、色素材料の堆積位置の制御が基板と密着配置したマスクによって容易に行われるといった長所を兼ね備えることから、技術的に優れている手法であるといえる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マスク遮蔽−蒸着法では、マスクの移動によって発生した塵埃や、蒸着時の色素の混入等によってセルの電気特性及び発色特性の異常、さらには発光の欠陥を引き起こすという問題がある。ディスプレイの輝度欠陥点は、たとえ数カ所であっても商品価値を消失させて不良品の原因となるので、歩留まりの低下を引き起こすこととなる。また、ディスプレイの発色特性が正しくない場合、消費者が画面を見たときに違和感を覚えるので商品価値の低下を招く。
【0011】
具体的には、マスク遮蔽−蒸着法では、例えば図8(a)に示すように、先ず、例えばストライプ状の透明電極(陽極)100と透明電極100と直交するように配されたストライプ状の隔壁101とをこの順に有する基板102上に、開口部を有するマスク103をその開口部が例えば青(B)の発光領域となるセルと重なるように配置し、この状態でマスク103の開口部を介して例えば青(B)に発光する色素等の有機化合物を例えば蒸着法によって画素内に堆積させ、有機EL層104Bを成膜する。有機EL層104Bの成膜後、図8(b)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク103の開口部とが一致するように所定のピッチ分、マスク103を移動させる。このような工程を原色毎に繰り返すことによって、赤(R)、緑(G)、青(B)の各セルにおける有機EL層104の成膜が完了する。
【0012】
そして図8(a)に示すように、例えば青(B)の色素の蒸着工程後には、マスク103の表面及びマスク103の開口部付近にマスク103によって遮蔽された色素105Bが付着しており、マスク103の移動及び移動に伴うマスク103の変形によってこのような付着した色素105Bが剥がれ落ちてセル内に侵入し、セルの電気特性の異常や発光の欠陥を引き起こす原因となる。
【0013】
また、例えば青(B)のセルとマスク103の開口部とを正確に重ね合わせて蒸着を行った場合でも、図9(a)に示すように、目的とする有機EL層104Bの成膜以外に、マスク103と基板102との隙間に青(B)の色素105Bが回り込こむことによって、例えば緑(G)等の隣接するセル内に青(B)の色素105Bが混入・堆積することがある。この状態のままで色素の充填を継続する、すなわち図9(b)に示すようにマスク103を移動させて緑(G)の色素105Gの堆積を行うと、緑(G)のセル内では混入した青(B)の色素105B上に有機EL層104Gが成膜されると同時に、基板102とマスク103との隙間に回り込んだ緑(G)の色素105Gが隣り合う青(B)及び赤(R)のセル内に混入する。次に赤(R)の色素105Rを堆積させた場合にも、図9(c)に示すように、青(B)及び緑(G)の場合と同様の問題が発生する。
【0014】
このように、他の色の色素によってセルが汚染されると、電子遷移に変化が生じ、セルの発色特性が予想外に変化する。この結果、有機ELディスプレイの表示品質が劣化するため、不良品を発生させる原因となり、製造上の歩留まりの低下につながる。
【0015】
そこで本発明はこのような従来の問題点を解決するために提案されたものであり、セルの電気特性及び発色特性の異常や発光の欠陥を防止して、歩留まりの向上を図ることが可能な有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、マスクの開口部を介して上記基板上に上記有機化合物を選択的に堆積させる第1の工程と、上記マスクに対して光クリーニングを行い、上記マスクに付着した上記有機化合物を除去する第2の工程と、上記マスクを移動させる第3の工程とを有することを特徴とする。
【0017】
以上のような有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法では、マスクに付着した有機化合物を光クリーニングによって除去した後でマスクを移動させるので、マスクに付着した有機化合物が剥がれ落ちる危険性が排除される。この結果、基板上に落下した有機化合物に起因する電気特性の異常及びセルの発光欠陥の発生が防止される。
【0018】
また、本発明の請求項11に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法は、基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、上記基板の所定の領域に上記有機化合物を選択的に堆積させる第1の工程と、上記基板に対して光クリーニングを行い余剰の上記有機化合物を除去する第2の工程と、上記光クリーニングが行われた領域に上記有機化合物を選択的に堆積させる第3の工程とを有することを特徴とする。
【0019】
以上のような有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法では、有機化合物を堆積させる前に基板に対して光クリーニングを行うので、所望の有機化合物のみを基板上の所定の領域に堆積させられる。この結果、混入した有機化合物に起因する発色特性の異常が防止される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
先ず、本発明を適用して製造される有機ELディスプレイの一構成例を、図1に示す。この有機ELディスプレイ1は、基板2の一主面上に、陽極となる透明電極3がストライプ状に複数形成され、この上に有機EL層4が複数形成され、その上に透明電極3と直交するようにしてストライプ状の陰極5が複数形成されて構成されたものであり、透明電極3と陰極5とが交差する位置に有機EL素子が形成されている。
【0022】
また、図1に示す有機ELディスプレイ1はフルカラーのディスプレイであり、有機EL層4は、赤(R)を発光する有機EL層4Rと、緑(G)を発光する有機EL層4Gと、青(B)を発光する有機EL層4Bとから構成され、発光領域となるセル毎に隔壁6によって区分され、異なる色素材料等の有機化合物が堆積されてなるものである。
【0023】
基板2は、有機EL素子の支持体となるものであり、この基板2上に有機EL素子を構成する各層が形成される。基板2に用いる材料としては、例えば透光性を有し、光学特性が良好な材料を用いることができ、例えばガラス、プラスチック等を用いることができる。
【0024】
透明電極3は、効率良く正孔を注入するために電極材料の真空準位からの仕事関数が大きく、導電性が良好であり、また、陽極側から有機電界発光を取り出すことを可能とするために、透光性を有する材料を用いることが好ましい。このような材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)、SnO2、Sb含有SnO2、Al含有ZnO等の酸化物、Au薄膜等が挙げられる。また、陽極材料として、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性高分子薄膜を用いても良い。
【0025】
有機EL層4は、例えば正孔輸送層と発光層と電子輸送層とがこの順に積層されたものであり、発色する色に応じて最適な有機化合物を選択する。なお、有機EL層4の構成としては、上述した構成の他、発光層が電子輸送層の機能を兼ねる場合、発光層が正孔輸送層の機能を兼ねる場合等、いかなる構成であってもかまわない。
【0026】
有機EL層4を構成する色素としては、例えば下記化1〜化39に示す化合物等が挙げられる。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】
【化7】
【0034】
【化8】
【0035】
【化9】
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】
【化15】
【0042】
【化16】
【0043】
【化17】
【0044】
【化18】
【0045】
【化19】
【0046】
【化20】
【0047】
【化21】
【0048】
【化22】
【0049】
【化23】
【0050】
【化24】
【0051】
【化25】
【0052】
【化26】
【0053】
【化27】
【0054】
【化28】
【0055】
【化29】
【0056】
【化30】
【0057】
【化31】
【0058】
【化32】
【0059】
【化33】
【0060】
【化34】
【0061】
【化35】
【0062】
【化36】
【0063】
【化37】
【0064】
【化38】
【0065】
【化39】
【0066】
陰極5は、効率良い電子の注入が可能となるように仕事関数が低く、導電性が良好であり、また化学的に安定であることが好ましく、例えばAl等の金属を用いることができる。
【0067】
隔壁6は、シリコン、酸化シリコン等から構成される。
【0068】
本発明では、上述したような構成の有機ELディスプレイ1を後述する2通りの方法、すなわち、製造工程中に用いるマスクを移動させる前にマスク表面を光クリーニングする第1の方法、又は色素を堆積させる前に基板表面を光クリーニングする第2の方法のいずれかを実施して製造する。そこで以下では、最初に第1の方法について、次に第2の方法についてそれぞれ詳細に説明する。
【0069】
以下、上述した構成の有機ELディスプレイ1を製造する第1の方法、及びこの第1の方法を実施するための装置について、図2〜図4を参照しながら詳細に説明する。
【0070】
有機ELディスプレイ1を製造するための製造装置の一例を、図2及び図3に示す。図2及び図3に示す製造装置10は、有機ELディスプレイ1のうち有機EL層4をマスク遮蔽−蒸着法によってパターン形成するための装置である。なお、図2は、製造装置10の断面図であり、図3は平面図である。
【0071】
この製造装置10は、チャンバ11の内部に基板2を載置するとともに移動させるためのxステージ12と、有機EL層4の構成材料を堆積させるための蒸着源13とを互いに対向した状態で有する。また、基板2と蒸着源13との間には、マスク14がマスク位置合わせ機構15によって保持されている。xステージ12は、堆積速度に応じて移動することで、基板2上へ適切な厚みの色素を堆積させる。
【0072】
蒸着源13は例えばR、G、Bに対応した複数の蒸着源を備え、各原色の色素を効率よく昇華させるために、色素毎に加熱機構を個別に備える。蒸着源13には、チャンバ11の外部に設置された蒸着熱源16から熱が加えられることによりR、G、Bに対応した所定の色素を昇華させ、基板2上に堆積させる。なお、蒸着源13の加熱は蒸着熱源16からの熱の供給のみならず、電子線加熱でもかまわない。
【0073】
蒸着源13にはシャッタ17が開閉自在に取り付けられており、ある原色の蒸着中に、他の原色の蒸着源表面にその原色が堆積することを防止する。
【0074】
また、チャンバ11にはチャンバ11内を排気して真空状態とする排気装置に連結された排気口18と、チャンバ11内へ基板2を導入及び搬出するための基板導入口19が設けられている。
【0075】
また、チャンバ11の上方には、レーザ光源20から出射したレーザ光が基板2の法線方向に対して斜めに入射するように、チャンバ内へ導入するための光学窓21が設けられている。レーザ光源20と光学窓21との間には、第1のミラー22と、xステージ上に設けられた第2のミラー23と、レンズ24とが設けられている。第2のミラー23は、第1のミラー22からのレーザ光を基板2方向へ曲げるとともに、基板2をレーザ光で走査する。
【0076】
次に、図2及び図3に示す製造装置を用いて図1に示す有機ELディスプレイ1を製造する第1の方法について、図4を参照しながら説明する。
【0077】
先ず、ストライプ状の透明電極3と、セルを分離するための隔壁6とがこの順に形成された基板2を用意する。この基板2を基板導入口19からチャンバ内へ導入し、xステージ12上に基板2を固定させる。基板2上に所定の形状の開口部を有するマスク14を配し、例えば青(B)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク位置合わせ機構15によってマスク14と基板2とのアライメントを行う。基板2の導入後、チャンバ11内を真空排気しておく。
【0078】
次に、蒸着熱源16から熱を供給して蒸着源13を加熱するとともにxステージ12を矢印A方向へ適切な速度で移動させることにより、図4(a)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ青(B)の色素の蒸着・堆積を行う。これにより、隔壁6で区分された青(B)のセル内に有機EL層4Bが成膜される。
【0079】
有機EL層4B成膜後のマスク14の表面及び開口部付近には色素25Bが付着しているので、図4(b)に示すようにこのマスク14の表面を光クリーニングし、余分な色素25Bを昇華させて除去する。具体的には、レーザ光源20から発せられたレーザ光を、第1のミラー22、第2のミラー23、レンズ24及び光学窓21を介してマスク14の表面に照射する。このとき、xステージ12を矢印A方向へ移動させながら、第2のミラー23を矢印B方向、すなわちxステージ12の移動方向に直交するように往復運動させれば、有機EL層4Rの成膜に追随するようにマスク14がレーザ光によって走査照射される。
【0080】
ここで、照射されるレーザ光が基板2表面のセルへ到達しないように、レーザ光をマスク14表面の法線に対して斜め方向から照射することが好ましい。その照射角度は、セルの間隔とマスク膜厚によって決定される。例えばマスク膜厚が150μmであり、マスク開口幅が200μmであるとき、照射角度はマスク表面の法線に対して53°(tan−1(150/200)〜37)以上であることが好ましい。仮にレーザ光の照射角度を53°未満とすると、マスク14のみならずマスク14の開口部を介してセルにレーザ光が到達して有機EL層4Bも除去されるおそれがあるが、上記数値範囲を満たすことでマスク14の開口部においてレーザ光が遮蔽される。この結果、有機EL層4B等へダメージを与えることなく、マスク14に付着した色素25Bのみを除去することができる。
【0081】
また、照射するレーザ光の波長、エネルギー、パルス幅等は、除去対象となる色素の種類によって適宜選択する。ただし除去対象となる色素を原子レベルで解離し、且つ熱の発生によるマスク14の変形を防止する見地から、紫外域のレーザ光を用いることが好ましく、紫外域で0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つレーザ光を用いることがより好ましい。また、赤外域又は可視域で、例えば1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つレーザ光等も使用可能である。
【0082】
また、フルカラーの有機ELディスプレイの製造に際しては例えばR、G、Bの三原色の色素を堆積させるので、照射するレーザ光の波長は、除去対象となる色素の吸収ピーク付近であること、すなわち除去対象となる色素に対する吸収が大きく、且つ他の色素に対する吸収が小さい波長であることも重要である。
【0083】
ところで、有機EL層4を構成する材料である上述した化1〜化39に示す化合物のうち、数種類は下記表1に示すような吸収ピークを示す。このため、光クリーニングの際にはそれぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することが好ましい。なお表1中、PHPについては25℃及び170℃のときの吸収ピークをそれぞれ示し、また、(EtCz)2については膜厚が420nmのときの吸収ピークを、(OcCzCOOH)2については膜厚が500nmのときの吸収ピークをそれぞれ示した。
【0084】
【表1】
【0085】
マスク14の全面を光クリーニングした後、図4(c)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク14を移動させる。
【0086】
そして、緑(G)の色素について上述したようなセル内への色素の堆積、マスクの光クリーニング、及びマスクの移動を同様に行い、有機EL層4Gを形成する。
【0087】
次に、赤(R)の発光領域となるセル内に所定の色素を堆積させ、有機EL層4Rを形成することにより、三原色の色素の堆積が完了する。
【0088】
最後にチャンバ11内の低圧をリークして有機EL層4が成膜された基板2を基板導入口19からチャンバ11外へ搬出し、陰極5の形成、封止工程等を経ることにより、有機ELディスプレイ1が得られる。なお、有機EL層4の形成から封止まで低圧を維持したままでもよい。
【0089】
以上のように、本発明に係る有機ELディスプレイを製造する第1の方法によれば、マスクの移動に先立ってマスク表面に付着した色素を光クリーニングによって除去するので、マスクを移動させる際にマスクに付着した色素が落下してセル内に混入することを防止する。このため、セル内部に塵埃が混入することに起因するセルの電気特性の異常や発光欠陥の発生が防止され、輝度欠陥点のない高品質な有機ELディスプレイを高い歩留まりにて製造することができる。また、本発明によれば廃棄される不良品数が削減されるので、環境負荷の軽減にも寄与する。
【0090】
また、この第1の方法によれば、各色素を堆積させる前にマスクを光クリーニングするので、マスクの開口部が色素によって目詰まりすることがない。したがって、1つのマスクで有機EL層の高精度な成膜が可能となる。
【0091】
次に、上述した構成の有機ELディスプレイ1を製造する第2の方法、及びこの第2の方法を実施するための装置について、図5〜図7を参照しながら詳細に説明する。
【0092】
有機ELディスプレイ1を製造するための製造装置の他の例を、図5及び図6に示す。図5及び図6に示す製造装置30は、有機ELディスプレイ1のうち有機EL層4をマスク遮蔽−蒸着法によってパターン形成するための装置である。なお、図5は、製造装置30の断面図であり、図6は平面図である。なお、図5及び図6中、上述した図2及び図3と同じ部材については同じ符号を付して説明する。
【0093】
この製造装置30は、チャンバ11の内部に基板2を載置するとともに移動させるためのxステージ12と、有機EL層4の構成材料を堆積させるための蒸着源13とを互いに対向した状態で有する。また、基板2と蒸着源13との間には、マスク14がマスク位置合わせ機構15によって保持されている。xステージ12は、堆積速度に応じて移動することで、基板2上へ適切な厚みの色素を堆積させる。
【0094】
蒸着源13は例えばR、G、Bに対応した複数の蒸着源を備え、各原色の色素を効率よく昇華させるために、色素毎に加熱機構を個別に備える。蒸着源13には、チャンバ11の外部に設置された蒸着熱源16から熱が加えられることによりR、G、Bに対応した所定の色素を昇華させ、基板2上に堆積させる。なお、蒸着源13の加熱は蒸着熱源16からの熱の供給のみならず、電子線加熱でもかまわない。
【0095】
蒸着源13にはシャッタ17が開閉自在に取り付けられており、ある原色の蒸着中に、他の原色の蒸着源表面にその原色が堆積することを防止する。
【0096】
また、チャンバ11にはチャンバ11内を排気して真空状態とする排気装置に連結された排気口18と、チャンバ11内へ基板2を導入及び搬出するための基板導入口19が設けられている。
【0097】
また、チャンバ11の上方には、レーザ光源20から出射したレーザ光が基板2に対して略垂直に入射するように、チャンバ内へ導入するための光学窓21が設けられている。レーザ光源20と光学窓21との間には、第1のミラー22と、xステージ上に設けられた第2のミラー23と、レンズ24とが設けられている。第2のミラー23は、第1のミラー22からのレーザ光を基板2方向へ曲げるとともに、基板2をレーザ光で走査する。
【0098】
次に、図5及び図6に示す製造装置を用いて図1に示す有機ELディスプレイ1を製造する第2の方法について、図7を参照しながら説明する。
【0099】
先ず、ストライプ状の透明電極3と、セルを分離するための隔壁6とがこの順に形成された基板2を用意する。この基板2を基板導入口19からチャンバ内へ導入し、xステージ12上に基板2を固定させる。基板2上に所定の形状の開口部を有するマスク14を配し、例えば青(B)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク位置合わせ機構15によってマスク14と基板2とのアライメントを行う。基板2の導入後、チャンバ11内を真空排気しておく。
【0100】
次に、蒸着熱源16から熱を供給して蒸着源13を加熱するとともにxステージ12を図5中矢印C方向へ適切な速度で移動させることにより、図7(a)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ青(B)の色素25Bの蒸着・堆積を行う。これにより、隔壁6で区分された青(B)のセル内に有機EL層4Bが成膜される。これと同時に、マスク14と基板2との隙間に青(B)の色素25Bが回り込こむことによって、例えば緑(G)等の隣接するセル内に青(B)の色素25Bが混入・堆積することがある。
【0101】
次に、図7(b)に示すように、次に堆積させる例えば緑(G)の発光領域となるセルとマスク14の開口部とが重なり合うように、マスク14を移動させる。
【0102】
そして、マスク14の開口部を介して緑(G)のセルの光クリーニングを行い、堆積した青(B)の色素25Bを昇華させて除去する。具体的には、レーザ光源20から発せられたレーザ光を、第1のミラー22、第2のミラー23、レンズ24及び光学窓21を介してマスク14及び基板2の表面に照射する。このとき、xステージ12を矢印C方向へ移動させながら、第2のミラー23を矢印D方向、すなわちxステージ12の移動方向に直交するように往復運動させれば、マスク14がレーザ光によって走査照射される。
【0103】
このとき、有機EL層4Bが成膜された青(B)のセル及び赤(R)のセルはマスク14で遮蔽されているので、他のセルにダメージを与えることなく緑(G)のセル内のみを効率よく光クリーニングできる。
【0104】
ここで、照射されるレーザ光が基板2表面のセル内に確実に到達するように、レーザ光をマスク14表面に対して略垂直方向から照射することが好ましい。レーザ光の照射角度が大きくなると、レーザ光がマスクの開口部で遮蔽され、セル内の光クリーニングが不十分となるおそれがあるためである。
【0105】
また、照射するレーザ光の波長、エネルギー、パルス幅等は、除去対象となる色素の種類によって適宜選択する。ただし除去対象となる色素を原子レベルで解離し、且つ熱の発生によるマスク14の変形を防止する見地から、紫外域のレーザ光を用いることが好ましく、紫外域で0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つレーザ光を用いることがより好ましい。また、赤外域又は可視域で、例えば1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つレーザ光等も使用可能である。
【0106】
また、フルカラーの有機ELディスプレイの製造に際しては例えばR、G、Bの三原色の色素を堆積させるので、照射するレーザ光の波長は、除去対象となる色素の吸収ピーク付近であること、すなわち除去対象となる色素に対する吸収が大きく、且つ他の色素に対する吸収が小さい波長であることも重要である。
【0107】
有機EL層4を構成する例えば化1〜化39の化合物のうちいくつかは上記表1に示すような吸収ピークを示す。このため、光クリーニングの際にはそれぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することが好ましい。
【0108】
次に、緑(G)のセル内の光クリーニングに追随するように、図7(c)に示すように、マスク14の開口部を介して基板2上へ緑(G)の色素25Gの蒸着・堆積を行う。これにより、緑(G)のセル内に有機EL層4Gが成膜される。
【0109】
なお、有機EL層4Gの成膜と同時に、隣接する赤(R)のセルに緑(G)の色素25Gが堆積する。このため、上述した緑(G)のセルと同様にして、マスク14の移動、及び赤(R)のセル内を光クリーニングして色素25Gを除去した後で、赤(R)の有機EL層4Rの成膜を行う。以上のようにして三原色の色素の堆積が完了する。
【0110】
最後にチャンバ11内の低圧をリークして有機EL層4が成膜された基板2を基板導入口19からチャンバ11外へ搬出し、陰極5の形成、封止工程等を経ることにより、有機ELディスプレイ1が得られる。なお、有機EL層4の形成から封止まで低圧を維持したままでもよい。
【0111】
以上のように、本発明に係る有機ELディスプレイを製造する第2の方法によれば、セル内への色素の堆積に先立ってセル内を光クリーニングするので、例えば基板とマスクとの間に回り込んだ色素が隣接するセル内に混入するような不都合が回避される。このため、他原色の色素の混入に起因する電子遷移の変化が抑制されるので、発色特性が改善された高品質な有機ELディスプレイを高い歩留まりにて製造できる。また、本発明によれば廃棄される不良品数が削減されるので、環境負荷の軽減にも寄与する。
【0112】
また、この第2の方法によれば、各色素を堆積させる前にマスクも光クリーニングされるので、マスクの開口部が色素によって目詰まりすることがない。したがって、1つのマスクで有機EL層の高精度な成膜が可能となる。
【0113】
なお、上述の説明では、基板上に色素を堆積させる手法として真空蒸着法を例に挙げたが、これに限定されることはなく、例えばインクジェット法、印刷法等、有機EL層を構成する色素を堆積させる種々の方法を採用することができる。
【0114】
また、有機ELディスプレイを製造するための装置は、上述した構成に限定されず、いかなる変更がされていてもよい。
【0115】
また、本発明は上述した第1の方法と第2の方法とを組み合わせてもかまわない。
【0116】
また、本発明は上述の記載に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0117】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法によれば、輝度欠陥の低減又は発色特性の向上を実現するので、商品価値の高い有機エレクトロルミネッセンス表示装置を高い歩留まりにて製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して製造される有機ELディスプレイの一構成例を示す要部概略断面図である。
【図2】第1の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す断面図である。
【図3】第1の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す平面図である。
【図4】有機ELディスプレイを製造するための第1の方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)はマスクの光クリーニング工程を示す要部概略断面図、(c)はマスク移動工程を示す要部概略断面図である。
【図5】第2の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す断面図である。
【図6】第2の方法により有機ELディスプレイを製造するための製造装置の一例を示す平面図である。
【図7】有機ELディスプレイを製造するための第2の方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は基板の光クリーニング工程を示す要部概略断面図、(c)は緑の色素堆積工程を示す要部概略断面図である。
【図8】従来の有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)はマスク移動工程を示す要部概略断面図である。
【図9】従来の有機ELディスプレイの他の製造方法を説明するための図であり、(a)は青の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は緑の色素堆積工程を示す要部概略断面図、(b)は赤の色素堆積工程を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
1 有機ELディスプレイ
2 基板
3 透明電極
4 有機EL層
5 陰極
6 隔壁
14 マスク
25 色素
Claims (19)
- 基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
マスクの開口部を介して上記基板上に上記有機化合物を選択的に堆積させる第1の工程と、
上記マスクに対して光クリーニングを行う第2の工程と、
上記マスクを移動させる第3の工程とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 - 上記第2の工程において、上記マスクに対してレーザ光を照射することにより上記光クリーニングを行うことを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は紫外域の波長であることを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は、0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つことを特徴とする請求項3記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は、赤外域又は可視域の波長であり、1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つことを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記第2の工程において、上記レーザ光を上記マスクの主面に対して斜め方向から照射することを特徴とする請求項2記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光の照射角度は、上記マスク表面の法線に対して53°以上であることを特徴とする請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置はフルカラー表示可能であることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記有機化合物は赤色を発光する色素、緑色を発光する色素、及び青色を発光する色素を含有し、
上記第2の工程において、それぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することにより上記光クリーニングを行うことを特徴とする請求項8記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 - 上記第1の工程において、上記有機化合物を真空蒸着法により選択的に堆積させることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 基板上に少なくとも有機化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列してなる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
マスクの開口部を介して上記基板に対して光クリーニングを行う第1の工程と、
上記基板の上記光クリーニングが行われた領域に上記有機化合物を選択的に堆積させる第2の工程とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 - 上記第1の工程において、上記マスクに対してレーザ光を照射することにより上記光クリーニングを行うことを特徴とする請求項11記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は紫外域の波長であることを特徴とする請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は、0.01J/cm2〜1J/cm2のエネルギー密度であり、30ns以下のパルス幅を持つことを特徴とする請求項13記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記レーザ光は、赤外域又は可視域の波長であり、1mJ以下のエネルギーであり、0.03ps〜100psのパルス幅を持つことを特徴とする請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記第1の工程において、上記レーザ光を上記マスクの主面に対して略垂直方向から照射することを特徴とする請求項12記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記有機エレクトロルミネッセンス表示装置はフルカラー表示可能であることを特徴とする請求項11記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
- 上記有機化合物は赤色を発光する色素、緑色を発光する色素、及び青色を発光する色素を含有し、
上記第2の工程において、それぞれの色素の吸収ピークに対応した波長のレーザ光を照射することにより上記光クリーニングを行うことを特徴とする請求項17記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。 - 上記第1の工程において、上記有機化合物を真空蒸着法により選択的に堆積させることを特徴とする請求項11記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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