JP7117420B2 - 画像検査装置 - Google Patents
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互いに異なる波長の照明光を発生する複数の発光素子を有し、各波長の照明光を個別に対象物に照射する照明部と、
前記各波長の照明光ごとに検査対象物からの反射光を受光して複数の分光画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により取得された複数の分光画像から生成されたカラー画像、および分光画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示されたカラー画像、または分光画像において複数の画素を含む領域の指定を受け付ける領域指定部と、
前記領域指定部により指定された各領域に含まれる複数の画素の色空間座標における位置に応じて、前記分光画像を構成する各画素を、複数のクラスタのうちのいずれかのクラスタに所属させるクラスタリング部と、
前記複数のクラスタのそれぞれについて代表色を決定し、前記分光画像を構成する各画素の色を、各画素が属するクラスタの代表色に変換することでフォルスカラー画像を生成するフォルスカラー画像生成部と、
前記表示部に表示されたフォルスカラー画像において抽出対象となる抽出色の指定を受け付ける抽出色指定部と、
前記分光画像の各画素の色と前記抽出色との色空間内での距離に基づいて前記分光画像をグレー画像に変換する変換部と、
前記変換部により生成されたグレー画像を用いて画像検査を実行する検査部と
を有することを特徴とする。
図2(A)は照明装置3の斜視図である。図2(B)は照明装置3の上面図である。図2(C)は照明装置3の底面図である。図2(D)は照明装置3の側面図である。照明装置3の筐体は上ケース21と下ケース22を有している。下ケース22の下部には複数の光源(LEDなどの発光素子)のそれぞれが出力する光を拡散させる光拡散部材23が配置されている。図2(A)や図2(C)が示すように上ケース21や下ケース22と同様に光拡散部材23も円環状を成している。図2(B)や図2(D)が示すように上ケース21の上面にはコネクタ24が設けられている。コネクタ24には照明装置3に格納されている照明制御基板と画像処理装置5とが通信するためのケーブルが接続される。照明制御基板に実装される一部の機能は照明装置3の外部に照明コントローラとして設けられていてもよい。つまり、照明装置3と画像処理装置5との間には照明コントローラが介在してもよい。
図4は照明装置3の回路構成の一例を示している。この例では光源群を構成する四つの照明ブロックのうち一つの照明ブロックを示している。四つのLED33a~LED33dは直列に接続されている。電圧が可変の可変電源41は照明制御基板40によって指定される電圧値(例:2V~20V)の電圧を生成して出力する。可変定電流源42は、照明制御基板40によって指定される電流値(例:0A~1A)となるように照明ブロックに流れる電流を調整する。このような電流制御方式を採用することでリニアリティの高い調光を実現しやすくなる。また、可変定電流源42は、可変定電流源42に印加されている電圧の値を検出して照明制御基板40にフィードバックし、過電圧から可変定電流源42を保護している。LED33a~LED33dのそれぞれには並列にスイッチ43a~スイッチ43dが接続されている。照明制御基板40の点灯制御部45はこれらのスイッチ43a~スイッチ43dを個別に開閉させることで、LED33a~LED33dのそれぞれを個別に点灯と非点灯とを切り替えることができる。このように、LED33a~LED33dのそれぞれに並列にスイッチ43a~スイッチ43dを接続することで、LED33a~LED33dのいずれか一つを点灯させたり、すべてを点灯させたりするといった個別点灯が可能となる。これは様々な点灯パターンを実現するのに役立っている。なお、点灯制御部45は可変定電流源42とグランドとの間に挿入されたメインスイッチ43eのオン/オフを切り替えることで一つの照明ブロック単位での点灯制御を実行する。通信部44は点灯パターンを指示する制御信号や点灯の開始を指示するトリガー信号を画像処理装置5の照明制御部から受信し、点灯制御部45に渡す。点灯制御部45は、制御信号に対応する点灯パターンデータ47を記憶部46から読み出し、点灯パターンデータ47に従ってスイッチ43a~スイッチ43dを制御する。なお、一つの照明ブロックが8つのLED33により構成される場合、8個のスイッチ43が設けられ、8個のスイッチ43は点灯制御部45によって制御される。8つのLED33は、たとえば、UVからIR2までの8つの波長に対応している。UVは紫外線波長の照明光により取得された分光画像を示している。Bは青波長の照明光により取得された分光画像を示している。Gは緑波長の照明光により取得された分光画像を示している。AMはアンバー波長の照明光により取得された分光画像を示している。ORはオレンジ波長の照明光により取得された分光画像を示している。Rは赤波長の照明光により取得された分光画像を示している。IR1、IR2はそれぞれ赤外波長の照明光により取得された分光画像を示している。ただし、IR1の波長はIR2の波長よりも短い。
図5は検査装置のブロック図である。この例では照明装置3、カメラ4および画像処理装置5がそれぞれ個別の筐体に収容されているが、これは一例に過ぎず、適宜に一体化されてもよい。照明装置3は、マルチスペクトルイメージングを実現する照明装置であるが、フォトメトリックステレオ法に従って検査対象物を照明する照明手段として利用されてもよい。照明装置3は光源群501とこれを制御する照明制御基板40を備えている。すでに図3に示したように、複数の発光素子で一つの照明ブロックが構成され、さらに複数の照明ブロックによって光源群501が構成されていてもよい。照明ブロックの数は一般的には四つであるが、三つ以上であればよい。これは3方向以上の照明方向からワーク2に照明光を照射できれば、フォトメトリックステレオ法により検査画像を生成できるからである。各照明ブロックにはそれぞれ波長が異なる照明光を出力する複数の発光素子(LED33)が設けられている。複数の発光素子には白色LEDが含まれていてもよい。白色LEDはマルチスペクトルイメージングには使用されず、他の検査画像を作成したり、ワーク2の移動補正用の画像を作成するために使用されたりする。図1や図3に示したように照明装置3の外形はリング状をしていてもよい。また、照明装置3は、それぞれ分離した複数の照明ユニットにより構成されていてもよい。照明制御基板40は、画像処理装置5から受信した制御コマンドに応じて光源群501の点灯タイミングや照明パターン(点灯パターン)を制御する。マルチスペクトルイメージングで分光画像を取得するには択一的に選択された波長の照明光をワーク2に照射するが、マルチスペクトルイメージング以外の手法が採用される場合は、複数の波長の照明光が同時に照射されてもよい。照明制御基板40は照明装置3に内蔵されているものとして説明するが、カメラ4に内蔵されていてもよいし、画像処理装置5に内蔵されていてもよいし、これらからは独立した筐体に収容されていてもよい。
マルチスペクトルイメージングでは点灯色(波長)の異なる照明光が一つずつ順番にワーク2に照射され、各波長ごとの画像(分光画像)が取得される。たとえば、8種類の波長の照明光が照射される場合、8個の画像(分光画像)が取得される。なお、四つの照明ブロックが存在する場合、四つの照明ブロックは同時に点灯する。つまり、同一の波長の四つのLED33が同時に点灯するため、四つの方向から同一波長の照明光がワーク2に照射される。8種類の波長は、たとえば、紫外波長から近赤外波長までの8種類の狭帯域波長である。狭帯域波長とは、白色LEDが発光する光の波長(広帯域波長)の幅と比較して狭い波長をいう。たとえば、青色LEDが発光する光の波長の幅は、白色LEDが発光する光の波長幅よりもずっと狭いため、青色LEDが発光する光の波長は狭帯域波長である。なお、画像検査の中には8個の分光画像のすべてを必要としない画像検査もありうる。この場合、必要な波長の照明光だけがワーク2に照射される。一般に、8個の画像がそのまま画像検査に利用されることは少なく、8個の画像から一個のグレー画像が作成され(カラー濃淡変換)、このグレー画像(カラー濃淡画像)が画像検査に利用される。カラー濃淡変換はカラーグレー変換と呼ばれることもある。たとえば、カラー濃淡画像に対して二値化処理が実行されたり、エッジ検出処理が実行されたり、ブロブ処理が実行されたりして、ワーク2における特徴(例:ピン)の位置や寸法(長さや面積)、色がそれぞれ公差の範囲内に収まっているかが検査される。
図7(A)はワーク2の表面にある特徴fを含むカラー画像(例:RGB画像)を示している。ユーザが特徴fを画像検査するためには、まず、特徴fの色抽出を行う必要がある。人間の目には特徴fの色はいずれの位置でも同じ色に見えるかもしれないが、特徴fの画像を構成している複数の画素は必ずしも厳密に同じ色を有しているわけではない。
図8はユーザによる色抽出を補助するためにUI管理部514が表示部7に表示するUI800を示している。UI800は、画像表示領域801と各種の設定を行うための設定タブを有している。図8においては、色クラスタリング(色面分割)に関するパラメータを設定するためのクラスタ化タブ810が選択されている。抽出タブ820はクラスタリング結果を利用したユーザによる色抽出を補助するタブである。調整タブ830は抽出色を調整するためのタブである。
チェックボックス1016は近傍色(比較色)の自動選択を有効にするためのチェックボックスである。プロセッサ510(抽出色指定部517)は、チェックボックス1016にチェックが付与されると、色空間内で前景色に近い背景色を選択する。なお、プロセッサ510(抽出色指定部517)は、ユーザによって背景色が指定された場合には、色空間内でこの背景色に近い前景色を選択する。このように複数の背景色のうち一つの背景色がユーザによって指定されると、抽出色指定部517は複数の前景色から一つの前景色を指定(選択)する。また、複数の前景色のうち一つの前景色(指定色)がユーザによって指定されると、抽出色指定部517は複数の背景色のうち指定色に最も近い一つの背景色(近傍色)を指定(選択)する。このように近傍色が選択されるのは、色空間上で近傍にある注目色(前景色/背景色)と比較色(背景色/前景色)とを分離することが調整の目的だからである。
図14は色抽出処理を含む画像検査を示すフローチャートである。S1401からS1407までの処理は設定モードにおいて実行され、S1408からS1410までの処理は運転モード(検査モード)において実行されうる。
以上で説明したように取得部561や画像選択部515は各画素が多次元の色情報を有するカラー画像を取得する取得部の一例である。また、取得部561や画像選択部515は検査対象物についての分光画像を取得する取得部の一例である。カラー画像は、たとえば、検査対象物(ライン1を搬送されるワーク2)や設定対象物(ワーク2の良品やリファレンス品)の画像であり、複数の分光画像のうちの一つの分光画像(例:UV画像)や、複数の分光画像から合成されて生成されたトゥルーカラー画像やグレー画像であってもよい。UI管理部514や表示部7は取得部561などにより取得された分光画像などを表示する表示部の一例である。領域指定部516は表示部7に表示された分光画像において複数の画素を含む領域の指定を受け付ける。クラスタリング部562は領域指定部516により指定された各領域に含まれる複数の画素の色空間座標における位置に応じて、分光画像を構成する各画素を、複数のクラスタのうちのいずれかのクラスタに所属させる。図8ではクラスタ化領域802が一つだけ指定されているが、複数のクラスタ化領域802が指定されてもよい。この場合に、クラスタリング部562は複数のクラスタ化領域802のそれぞれについてクラスタリングを実行する。フォルスカラー画像生成部563は複数のクラスタのそれぞれについて代表色を決定し、分光画像を構成する各画素の色を、各画素が属するクラスタの代表色に変換することでフォルスカラー画像を生成する。代表色は、平均色など、そのクラスタを構成する複数の画素の色を代表する色であればよい。抽出色指定部517は表示部7に表示されたフォルスカラー画像において抽出対象となる抽出色の指定を受け付ける。元のカラー画像におけるクラスタ内の各画素の色は一様でないことが多い。そのため、ユーザがどの画素をスポイトで選択するかに依存して抽出色がばらつく。一方で、フォルスカラー画像においてクラスタに属する各画素の色はいずれも同じ色であるため、抽出力のばらつきが生じない。変換部564は検査対象物の分光画像の各画素の色と抽出色との、色空間内での距離に基づいて分光画像の各画素の色情報を一次元の色情報に変換することでグレー画像(検査画像)を生成する。たとえば、RGB色空間の色情報がグレー(濃淡)のみの色空間の色情報に変換される。検査ツールに依存してさらに二値化処理やエッジ抽出処理などの画像処理が追加で実行されてもよい。検査部531は変換部564により生成された検査画像を用いて画像検査を実行する。このような本実施形態によればフォルスカラー画像を用いることで、抽出色の指定に関するユーザの負担が軽減される。また、色抽出のばらつきが小さくなるため、画像検査の結果のばらつきも小さくなる。
Claims (13)
- 互いに異なる波長の照明光を発生する複数の発光素子を有し、各波長の照明光を個別に対象物に照射する照明部と、
前記各波長の照明光ごとに検査対象物からの反射光を受光して複数の分光画像を取得する撮像部と、
前記撮像部により取得された複数の分光画像から生成されたカラー画像、および分光画像を表示する表示部と、
前記表示部に表示されたカラー画像、または分光画像において複数の画素を含む領域の指定を受け付ける領域指定部と、
前記領域指定部により指定された各領域に含まれる複数の画素の色空間座標における位置に応じて、前記分光画像を構成する各画素を、複数のクラスタのうちのいずれかのクラスタに所属させるクラスタリング部と、
前記複数のクラスタのそれぞれについて代表色を決定し、前記分光画像を構成する各画素の色を、各画素が属するクラスタの代表色に変換することでフォルスカラー画像を生成するフォルスカラー画像生成部と、
前記表示部に表示されたフォルスカラー画像において抽出対象となる抽出色の指定を受け付ける抽出色指定部と、
前記分光画像の各画素の色と前記抽出色との色空間内での距離に基づいて前記分光画像をグレー画像に変換する変換部と、
前記変換部により生成されたグレー画像を用いて画像検査を実行する検査部と
を有することを特徴とする画像検査装置。 - 前記複数のクラスタの数の指定を受け付けるクラスタ数指定部をさらに有し、
前記クラスタリング部は、前記クラスタ数指定部により指定された数のクラスタのいずれかに前記分光画像を構成する各画素を所属させることを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。 - 前記抽出色指定部は、前記フォルスカラー画像において前景領域の色である前景色と背景領域の色である背景色とのうち少なくとも一方の指定を受け付ける前景背景指定部を有し、
前記変換部は前記前景色に基づいて前記分光画像を前景画像に変換するとともに、前記背景色に基づいて前記分光画像を背景画像に変換するように構成されており、
前記検査部は前記前景画像と前記背景画像とを用いて前記検査対象物の合否を判定するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像検査装置。 - 前記前景背景指定部は、前記前景色の指定と前記背景色の指定とを個別に受け付けることを特徴とする請求項3に記載の画像検査装置。
- 前記前景背景指定部は、前記複数のクラスタの代表色のうち色空間において前記前景色に近い代表色を前記背景色に設定することを特徴とする請求項3に記載の画像検査装置。
- 前記前景背景指定部は、複数の前景色の指定を受け付けることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載の画像検査装置。
- 前記前景背景指定部は、複数の背景色の指定を受け付けることを特徴とする請求項3または4に記載の画像検査装置。
- 前記表示部は、前記フォルスカラー画像における前記前景色の分布と、前記背景色の分布とを二次元または三次元の色空間に投影することで、前記前景色と前記背景色との分離の程度を表示することを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載の画像検査装置。
- 前記二次元の色空間における前記前景色の分布を囲む楕円の長軸と短軸とを調整する調整部をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の画像検査装置。
- 前記変換部は、前記調整部により調整された前記楕円の長軸の調整量と短軸の調整量とに応じて前記グレー画像を再生成することを特徴とする請求項9に記載の画像検査装置。
- 前記フォルスカラー画像における前景領域の色である前景色と背景領域の色である背景色を含む複数の登録色から注目色を指定する注目色指定部と、
前記表示部は、二次元または三次元の色空間に投影された前記注目色の色分布とともに、前記注目色と比較される比較色の色分布を表示することを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。 - 前記注目色指定部は、前記注目色として前記前景色が指定されると、前記比較色として前記背景色の指定を受け付けるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の画像検査装置。
- 前記注目色指定部は、前記注目色として前記背景色が指定されると、前記比較色として前記前景色の指定を受け付けるように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の画像検査装置。
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