JP7117273B2 - 破砕片検出方法、破砕片小割方法、破砕片検出装置および破砕片小割装置 - Google Patents
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Description
特許文献1~3のこのような手法は、破砕片群に含まれる複数個の破砕片の検出をリアルタイムで行うことに適しているとは言い難い。
一の実施形態の破砕片検出方法は、岩盤又は構造物の複数個の破砕片を含む破砕片群から、複数個の破砕片を検出する方法であって、前記破砕片群を複数の異なる位置及び/又は方向から撮影して得られる複数の画像情報を取得すること、ならびに、前記画像情報を、機械学習がなされた物体検出システムにより処理し、前記破砕片群の複数個の破砕片をリアルタイムで検出することを含むものである。また、一の実施形態の破砕片検出装置は、岩盤又は構造物の複数個の破砕片を含む破砕片群から、複数個の破砕片を検出する装置であって、前記破砕片群を複数の異なる位置及び/又は方向から撮影して得られる複数の画像情報を取得する画像取得部と、前記画像情報を、機械学習がなされた物体検出システムにより処理し、前記破砕片群の破砕片のリアルタイムの検出を実行する処理部とを備えるものである。破砕片検出装置は典型的には、図1に示すように、画像取得部及び処理部の他、表示部及び記憶部等を備える。
検出の対象とする破砕片は、岩盤又は構造物から得られる複数個の破砕片を含む破砕片群中の複数個の破砕片である。より具体的には、たとえば、鉱山の岩盤を発破等により破砕して形成される岩塊を含む岩石や、構造物の解体作業その他の状況で発生し得るコンクリート片等を、ここでいう破砕片とすることができる。破砕片群に含まれる各破砕片は、サイズ(長径ないし短径等)が、たとえば10cm~300cmである場合があるが、これに限らない。
はじめに、画像取得部で、上述した破砕片群を複数の異なる位置及び/又は方向から撮影して得られる複数の画像情報を取得する。そのうちの一つの画像情報の画像1を図2に例示する。ここでは、岩石群としての破砕片群をなす多数個の破砕片2が、左右方向及び奥行き方向に密集するとともに、互いに部分的に重なり合って写っている。当該画像情報は、既に撮影して得られているものを、有線もしくは無線の通信又は記憶媒体等を介して取得してもよいが、破砕片群が存在する現地で実際に撮影して取得してもよい。
上述したようにして複数の画像情報を取得した後は、処理部で、該画像情報を、機械学習がなされた物体検出システムにより処理し、破砕片群の複数個の破砕片をリアルタイムで検出する。それにより、所定の設定時間内に検出された破砕片についての情報を、たとえば作業者その他のユーザの参照などの用に供することができる。その結果、たとえば、破砕片としての岩石の小割作業を効率的に行い得るようになる他、岩盤の破砕に用いる発破の適正化、後工程の破砕プラントのクラッシャーでの微細化の適正化を実現することができる。
あるいは、表示部には、画像1と、前記矩形領域のうち、実空間でのサイズの所定の下限値以上かつ所定の上限値以下の範囲内に入る破砕片2についての矩形領域3のみを表示することもできる。作業者が目視にて明らかに小割対象と判別できるほど大きな破砕片2については、矩形領域3の表示を要しない場合があるからである。
なかでも、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)を用いたディープラーニング(深層学習)による物体検出システムは、似たような色彩や形状等の形態の破砕片が互いに重複して多数個含まれることがある破砕片群に対し、ディープラーニングによりそれらの個々の破砕片を認識できるように学習させることが可能である点で有効である。
これに代えて、画像情報から物体検出システムで破砕片を矩形領域として認識させた後、さらに物体検出システムで矩形領域内の破砕片の三次元形状を認識させ、その三次元形状から破砕片の実空間でのサイズを測定するようにしてもよい。この場合、先に述べた回転画像1a~1gをも用いた処理は不要になる。
あるいは、物体検出システムで、距離センサ等で得られるレーダ情報の三次元形状から破砕片を直接的に識別させるとともに、その識別した破砕片について破砕片の輪郭を自動で認識させ、それにより得られる三次元形状から破砕片の実空間でのサイズを測定することも可能である。この場合も、回転画像1a~1gによる処理は不要である。
なお、上記の三次元形状を認識させる処理には、一般に、高分解能の三次元データが必要となり高性能な距離センサが必要となる。また、三次元データの処理は処理負荷が大きく高性能なプロセッサが必要となる。
以上に述べた破砕片検出方法もしくは破砕片検出装置を用いて、破砕片群の破砕片2の小割を行うことができる。ここでは、上記の破砕片2の検出結果に基いて、自動でブレーカ等を作動させることにより、小割作業の自動化を実現することができる。あるいは、検出結果を作業者に参照させ、当該作業者がブレーカ等を作動させて、破砕片の小割を行うものとしてもよい。
より詳細には、たとえば、先述したように、表示部に、画像1とともに、上記の検出結果としての矩形領域3を表示させる。このとき、矩形領域3として、小割をすべき所定のサイズの破砕片2についての矩形領域3のみを表示させてもよい。そして、破砕片2の重心にほぼ対応する矩形領域3の図心等に、ブレーカ先端が当接するように、作業者の操作を促す。
あるいは、上記の検出結果から、たとえば矩形領域3の図心に対応する破砕片2の重心の座標を算出すること等により、ブレーカを自動で作動させて、ブレーカ先端が矩形領域3の図心等に当接するように制御することもできる。この場合、ブレーカを備える建設機械等も、破砕片検出装置の処理部に有線もしくは無線で接続され得る。
したがって、実施例の破砕片検出方法によれば、重機の作動状態下においても岩塊はリアルタイムに検出され、小割する必要のある岩塊を特定・表示することが十分可能であることが解かった。
1a~1g 回転画像
2 破砕片
3、3a~3g 矩形領域
11 ポール
12 ステレオカメラ
13 カメラ用ケース
13a 延長部分
14 無人航空機
Rs 撮影範囲
Claims (29)
- 岩盤又は構造物の複数個の破砕片を含む破砕片群から、複数個の破砕片を検出する方法であって、
前記破砕片群を複数の異なる位置及び/又は方向から撮影して得られる複数の画像情報を取得すること、ならびに、前記画像情報を、機械学習がなされた物体検出システムにより処理し、前記破砕片群の複数個の破砕片をリアルタイムで検出することを含み、
前記画像情報の画像上にて、前記物体検出システムによる処理で検出された複数個の破砕片のそれぞれを包含する矩形領域を得ることをさらに含む破砕片検出方法。 - 前記矩形領域として、前記画像情報の画像における所定の回転角での複数の回転画像で、当該破砕片が包含される複数の矩形領域のうち、最も面積が小さくなる最小の矩形領域を用いる、請求項1に記載の破砕片検出方法。
- 前記最小の矩形領域を得るに当り、
各回転画像における矩形領域の図心座標を、回転前の前記画像の座標に戻したときに、図心座標間の距離が近くなる矩形領域を、各回転画像における同じ破砕片の矩形領域としてグルーピングし、それらの矩形領域のうちの面積が最も小さいものを、前記最小の矩形領域とする、請求項2に記載の破砕片検出方法。 - 前記矩形領域と、前記矩形領域の図心を用いて求められる破砕片までの距離情報とに基づいて、当該破砕片の実空間でのサイズを算出することをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。
- 前記画像情報の画像と、該画像上の、前記物体検出システムによる処理で検出された複数個の破砕片のそれぞれについての前記矩形領域とを、ユーザが視認できるように表示することをさらに含む、請求項4に記載の破砕片検出方法。
- 前記画像上に、前記矩形領域のうち、実空間での所定のサイズ以上の破砕片についての矩形領域のみを表示する、請求項5に記載の破砕片検出方法。
- 前記画像上に、前記矩形領域のうち、実空間でのサイズの所定の下限値以上かつ所定の上限値以下の範囲内に入る破砕片についての矩形領域のみを表示する、請求項5に記載の破砕片検出方法。
- 前記物体検出システムが、前記画像情報の画像を所定のグリッド領域に分割し、該グリッド領域を入力とする複数の畳み込み層及び全結合層を含む畳み込みニューラルネットワークを用いて、特定の破砕片と該破砕片の周囲の破砕片とを区別する画像分類を行う、請求項1~7のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。
- 前記画像情報から、三角測量の原理に基いて、前記破砕片群の破砕片の実空間でのサイズを算出することをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。
- ステレオカメラにより、前記複数の画像情報を撮影して取得すること、ならびに、前記ステレオカメラにより撮影された前記複数の画像情報から、当該撮影位置と前記破砕片群の破砕片との距離情報を取得することをさらに含み、
前記ステレオカメラにより撮影された前記複数の画像情報のうち、一つの画像情報を、前記物体検出システムにより処理する、請求項1~9のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。 - 前記ステレオカメラが、建設機械に取り付けられ、又は、前記破砕片群よりも高所に固定して設置される、請求項10に記載の破砕片検出方法。
- 前記ステレオカメラを、その前面を除く周囲を取り囲むカメラ用ケース内に配置して用いる、請求項10又は11に記載の破砕片検出方法。
- 航空カメラにより、前記複数の画像情報を撮影して取得すること、ならびに、前記航空カメラにより撮影された前記画像情報に、オルソ補正を施すことをさらに含み、
前記オルソ補正後の画像情報を、前記物体検出システムにより処理する、請求項1~9のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。 - 前記破砕片群として、鉱山の岩盤から発破により形成された岩石群を対象とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の破砕片検出方法。
- 請求項1~14のいずれか一項に記載の破砕片検出方法を用いて、前記破砕片群の破砕片の小割を行う、破砕片小割方法。
- 前記破砕片検出方法で得られる検出結果を用いて、前記破砕片に対するブレーカ先端の位置決めを補助する、請求項15に記載の破砕片小割方法。
- 岩盤又は構造物の複数個の破砕片を含む破砕片群から、複数個の破砕片を検出する装置であって、
前記破砕片群を複数の異なる位置及び/又は方向から撮影して得られる複数の画像情報を取得する画像取得部と、前記画像情報を、機械学習がなされた物体検出システムにより処理し、前記破砕片群の破砕片のリアルタイムの検出を実行する処理部とを備え、
前記処理部が、前記画像情報の画像上にて、前記物体検出システムによる処理で検出された複数個の破砕片のそれぞれを包含する矩形領域を出力する、破砕片検出装置。 - 前記処理部が、前記画像情報の画像を所定の回転角で回転させた複数の回転画像で、当該破砕片が包含される複数の矩形領域を算出し、それらの複数の矩形領域のうち、最も面積が小さくなる最小の矩形領域を出力する、請求項17に記載の破砕片検出装置。
- 前記処理部が、前記最小の矩形領域を得るに当り、
各回転画像における矩形領域の図心座標を、回転前の前記画像の座標に戻したときに、図心座標間の距離が近くなる矩形領域を、各回転画像における同じ破砕片の矩形領域としてグルーピングし、それらの矩形領域のうちの面積が最も小さいものを、前記最小の矩形領域とする、請求項18に記載の破砕片検出装置。 - 前記処理部が、前記矩形領域と、前記矩形領域の図心を用いて求められる破砕片までの距離情報とに基づいて、当該破砕片の実空間でのサイズを算出する、請求項17~19のいずれか一項に記載の破砕片検出装置。
- 前記処理部での処理結果を表示する表示部をさらに備え、
前記処理部が、前記表示部に、前記画像情報の画像と、該画像上の、前記物体検出システムによる処理で検出された複数個の破砕片のそれぞれについての前記矩形領域とを表示させる、請求項20に記載の破砕片検出装置。 - 前記処理部が、前記表示部に、前記矩形領域のうち、実空間での所定のサイズ以上の破砕片についての矩形領域のみを表示させる、請求項21に記載の破砕片検出装置。
- 前記処理部が、前記表示部に、前記矩形領域のうち実空間でのサイズの所定の下限値以上かつ所定の上限値以下の範囲内に入る破砕片についての矩形領域のみを表示させる、請求項21に記載の破砕片検出装置。
- 前記物体検出システムが、前記画像情報の画像を所定のグリッド領域に分割し、該グリッド領域を入力とする複数の畳み込み層及び全結合層を含む畳み込みニューラルネットワークを用いて、特定の破砕片と該破砕片の周囲の破砕片とを区別する画像分類を行う、請求項17~23のいずれか一項に記載の破砕片検出装置。
- 前記処理部が、前記画像情報から、三角測量の原理に基いて前記破砕片群の破砕片の実空間でのサイズを算出する、請求項17~24のいずれか一項に記載の破砕片検出装置。
- 前記画像取得部が、ステレオカメラにより前記複数の画像情報を撮影して取得し、
前記処理部が、前記ステレオカメラにより撮影された前記複数の画像情報から、当該撮影位置と前記破砕片群の破砕片との距離情報を取得し、前記ステレオカメラにより撮影された前記複数の画像情報のうち、一つの画像情報を、前記物体検出システムにより処理する、請求項17~25のいずれか一項に記載の破砕片検出装置。 - 前記画像取得部が、航空カメラにより前記複数の画像情報を撮影して取得し、
前記処理部が、前記航空カメラにより撮影された前記画像情報に、オルソ補正を施し、前記オルソ補正後の画像情報を、前記物体検出システムにより処理する、請求項17~25のいずれか一項に記載の破砕片検出装置。 - 請求項17~27のいずれか一項に記載の破砕片検出装置を備え、前記破砕片群の破砕片の小割を行う破砕片小割装置。
- 前記破砕片検出装置で得られる検出結果を用いて、前記破砕片に対するブレーカ先端の位置決めを補助する、請求項28に記載の破砕片小割装置。
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