JP7117256B2 - ガラス組成物 - Google Patents
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1. 酸化物換算の重量%で
(1)B2O3:17~38%、
(2)ZnO:17~25%、
(3)V2O5:5.1~20%及び
(4)RO(但し、Rはアルカリ土類金属元素を示す。)の合計:28~48%、
を含有し、かつ、
重量比でV2O5/ZnOが0.3~0.8である、
ことを特徴とするガラス組成物。
2. アルカリ金属酸化物の合計含有量が1重量%以下である、前記項1に記載のガラス組成物。
3. 酸化物換算の重量%でPbO:1%以下である、前記項1又は2に記載のガラス組成物。
4. 酸化物換算の重量%でBi2O3:1%以下である、前記項1~3のいずれかに記載のガラス組成物。
5. 粉末状であって、その平均粒径D50が0.1~100μmである、前記項1~4のいずれかに記載のガラス組成物。
(A)ガラス組成
本発明のガラス組成物(以下「本発明ガラス組成物」ともいう。)は、酸化物換算の重量%で
(1)B2O3:17~38%、
(2)ZnO:17~25%、
(3)V2O5:5.1~20%及び
(4)RO(但し、Rはアルカリ土類金属元素を示す。)の合計:28~48%、
を含有し、かつ、
重量比でV2O5/ZnOが0.3~0.8である、
ことを特徴とする。
B2O3は、ガラス形成酸化物であり、特に本発明ガラス組成物をガラス化する役割を果たす成分である。
ZnOは、特に本発明ガラス組成物のガラス化を促進する役割を果たす。
V2O5は、特に本発明ガラス組成物においてガラス化を促進する役割を果たす。
ROは、特に本発明ガラス組成物においてガラス化を促進する役割を果たす。
本発明では、Pbは任意成分であるが、その含有量は通常10%以下であり、特に1%以下であることが好ましく、さらには0.1%以下であることがより好ましい。従って、PbO含有量が0%の組成も本発明に包含される。
本発明では、Bi2O3は任意成分であるが、その含有量は通常10%以下であり、特に1%以下であることが好ましく、さらには0.1%以下であることが好ましい。従って、Bi2O3含有量が0%の組成も本発明に包含される。
本発明の効果を損なわない範囲内において、他の成分が含有されていても良い。本発明のガラス組成物では、例えば熱膨張係数、耐水性等の制御のために必要に応じて任意成分を適宜添加することができる。かかる見地より、特に次に示す成分の含有量は特定の範囲内に調整することが好ましい。
SiO2は、通常0~10%程度とすれば良い。従って、例えば1~4%とすることもできる。
Y2O3+ΣLn2O3(但し、ΣLn2O3はランタノイド酸化物の合計量を示す。)の合計は、通常0~10%程度とすれば良い。従って、例えば1~4%とすることもできる。
TiO2+ZrO2の合計は、通常0~10%程度とすることができる。従って、例えば1~5%とすることもできる。
P2O5は、通常0~5%程度とすることができる。従って、例えば1~4%とすることもできる。
Al2O3は、通常0~10%程度とすることができる。従って、例えば1~6%とすることもできる。
特に、本発明ガラス組成物の耐水性を高めるため、ΣR2O(但し、ΣR2Oはアルカリ金属酸化物の合計量を示す。)は1%未満とすることが好ましく、0.1%未満とすることがより好ましい。従って、例えば0~0.09%程度とすることもできる。
また、本発明のガラス組成物では、B2O3+ZnO+V2O5+ΣRO+SiO2+Y2O3+ΣLn2O3+TiO2+ZrO2+P2O5の合計量を本発明組成物中90%以上とすることが好ましく、特に95%以上とすることがより好ましい。従って、例えば前記合計量を本発明組成物中100%とすることもできる。このように制御することによって、より確実に軟化点の上昇抑制効果及び結晶化抑制効果を得ることができる。
上記のように、本発明ガラス組成物は各成分を所定の含有量で含むことを特徴とするが、例えば以下のようなガラス組成Aを好ましく実施することができる。
A.ガラス組成A
(1)B2O3:19~24%、
(2)ZnO:18.5~23%、
(3)V2O5:11~15%、
(4)RO(但し、Rはアルカリ土類金属元素を示す。)の合計:30~46%、
(5)PbO:1%以下、
(6)Bi2O3:1%以下
(7)SiO2:2~4%
(8)Al2O3:0.5~7%
を含有し、かつ、
重量比でV2O5/ZnOが0.6~0.65である組成
本発明ガラス組成物の性状は、特に限定されないが、通常は粉末状として用いることができる。本発明ガラス組成物が粉末状である場合、そのガラス粉末の50%粒子径(D50)は、特に限定されないが、通常0.1~100μm程度の範囲内で適宜設定することができる。特に、粉末又は圧粉体として封止に用いる場合には5~100μm程度とすることが好ましい。また、ペーストとして用いる場合には0.1~10μm程度とすることが好ましい。なお、本発明において「50%粒子径」とは、レーザー回折・散乱式粒度分布計を用いて測定した体積基準の粒度分布において小粒子径側から数えて累積50%となる粒子径をいう。
本発明ガラス組成物の製造方法は、特に限定されず、例えばa)ガラス溶融物からフレーク状等のガラスを調製し、必要に応じてボールミル、ジェットミル等で粉砕する方法、b)ガラス融液をアトマイズする方法、c)ガラス短繊維の製造方法を利用する方法等の各種の方法を採用することができる。
第1工程では、原料化合物として、本発明ガラス組成物におけるガラスの各成分の供給源となる化合物(各種酸化物、水酸化物、炭酸塩等)を出発材料として使用すれば良い。そして、これらを所定の割合で含有する混合物を出発材料として用いる。
第2工程では、上記の混合物を溶融することにより溶融物を得る。溶融に際しては、原料の組成に応じてガラス溶融温度を設定すれば良い。本発明では、通常は1100~1300℃の範囲内で適宜設定すれば良い。得られた溶融物をいったん冷却した後、必要に応じて粉砕、分級等の処理をすることにより粉末を得ることができる。粉砕は、ボールミル、ジェットミル等の公知の方法を採用すれば良い。また、本発明ガラス組成物(粉末)の粒度調整は、粉砕条件の調整によることもできるほか、気流分級等の公知の方法を用いることもできる。このように本発明のガラス組成物は、粉末状として好適に提供することができる。
本発明ガラス組成物の用途は、特に制限されず、例えば電子部品等の接着又は封着に用いることができるほか、導体(導電体)を形成するためにも使用することができる。従って、その用途に応じて、例えばフィラー、導電性粒子等を適宜配合することができる。
表1に示す組成のガラス300gが得られるよう原料粉末を調合し、混合した後、500ccの白金製のルツボを用いて1200℃で1時間溶融した。融液をステンレススチール製の冷却ロールにて急冷し、厚さ0.2~0.4mmのガラスフレークを作製した。次いで、得られたガラスフレークを粉砕してD50=50~70μmのガラス粉末を得た。なお、得られたガラス粉末の粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定機(型名「MT-3300」、日機装株式会社製。)を用いて測定した値である。
なお、実施例及び比較例のガラス組成物を調製するための上記出発材料(各成分の供給源)として、H3BO3、ZnO、V2O5、Mg(OH)2、CaCO3、SrCO3、BaCO3、SiO2、Al(OH)3、La2O3、ZrO2、Ba(PO3)2をそれぞれ用いた。
各実施例及び比較例で得られたガラス粉末について下記に示す各物性を測定した。その結果を表1に示す。なお、各物性の評価方法は、以下の方法によって実施した。
ガラス粉末を示差熱分析(DTA)用試料とした。試料の約50mgを白金セルに入れ、アルミナ粉末を標準試料として、大気雰囲気下に、示差熱分析装置(株式会社リガク製、TG-8120)を用いて室温から800℃まで20℃/分の昇温速度でDTA曲線を得た。第一の吸熱の開始点(外挿点)をガラス転移点とし、第二の吸熱の開始点を軟化点とし、軟化点よりも高温にみられる発熱の開始点を結晶化開始温度とした。
ガラス粉末5gを直径20mm×高さ約7~8mmの円柱形状に乾式プレス成形し、アルミナ粉末の上で630℃で1時間焼成した。得られた焼成体(フローボタン)の最大径を測定し、フローボタン表面の光沢の有無を目視観察した。
フローボタン表面の算術平均粗さRaを触針式表面粗さ測定器(株式会社小坂研究所製、SE3500)を用いて測定した。測定条件は、触針先端半径rtip=2μm、粗さ曲線用カットオフ値λc=0.8mm、フィルタ特性:ガウス、評価長さ:λc×5、間隔:λc/1500、カットオフ比λc/λs=300、縦倍率:2000、送り速さ:0.5mm/sとした。
フローボタンを直径約5mm×高さ15mmの円柱状に切削加工してサンプルとした。円柱状試料と石英ガラスにより形成された標準試料とを、熱機械測定装置(型名「TMA8310」、(株)リガク製)を用いて、室温から600℃まで10℃/分で昇温して熱膨張曲線の測定を行い、50℃~400℃までに観測される熱膨張係数の値を平均して各試料の熱膨張係数とした。熱膨張曲線の変曲点からガラス転移点を求めた。
Claims (5)
- 酸化物換算の重量%で
(1)B2O3:17~38%、
(2)ZnO:17~25%、
(3)V2O5:5.1~20%及び
(4)RO(但し、Rはアルカリ土類金属元素を示す。)の合計:28~48%、
を含有し、かつ、
重量比でV2O5/ZnOが0.3~0.8である、
ことを特徴とするガラス組成物。 - アルカリ金属酸化物の合計含有量が1重量%以下である、請求項1に記載のガラス組成物。
- 酸化物換算の重量%でPbO:1%以下である、請求項1又は2に記載のガラス組成物。
- 酸化物換算の重量%でBi2O3:1%以下である、請求項1~3のいずれかに記載のガラス組成物。
- 粉末状であって、その平均粒径D50が0.1~100μmである、請求項1~4のいずれかに記載のガラス組成物。
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---|---|---|---|---|
US4748137A (en) | 1987-05-20 | 1988-05-31 | Corning Glass Works | Low temperature melting frits |
JP2006008496A (ja) | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Samsung Sdi Co Ltd | プラズマディスプレイパネル隔壁用無鉛ガラス組成物,及びプラズマディスプレイパネル |
JP2015216091A (ja) | 2014-05-09 | 2015-12-03 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | ガラス組成物、それを含有する外部電極用ペースト、及び積層セラミック電子部品 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006008496A (ja) | 2004-06-29 | 2006-01-12 | Samsung Sdi Co Ltd | プラズマディスプレイパネル隔壁用無鉛ガラス組成物,及びプラズマディスプレイパネル |
JP2015216091A (ja) | 2014-05-09 | 2015-12-03 | サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. | ガラス組成物、それを含有する外部電極用ペースト、及び積層セラミック電子部品 |
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