JP7116914B2 - メタン化触媒、その製造方法、及びメタンの製造方法 - Google Patents

メタン化触媒、その製造方法、及びメタンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、メタン化触媒、その製造方法、及びメタンの製造方法に関する。
従来のメタン化反応はCOを原料とした反応であり、石炭由来のCOからメタンを製造する方法等として実用化されている。これに対して、COを原料としたメタン化反応は、近年の地球温暖化抑制のためのCO排出量削減の観点から注目されているが、未だ実用化には至っておらず、貴金属であるRuやベースメタル元素であるNiが、COを原料としたメタン化反応において高い活性を示す触媒として検討されている。
しかしながら、貴金属触媒は高コストであるため、製造コストの面では、メタン化触媒としてベースメタル元素を使用することが望ましいが、ベースメタル元素は反応温度によって活性が低くなる場合があり、CO転化率が必ずしも十分に高いものではなかった。
例えば、特開平8-127544号公報(特許文献1)には、硝酸セリウムと硝酸ニッケルを溶解させた水溶液(Ce:Ni=1:5)に炭酸ナトリウム水溶液を加えて中和し、共沈により生成したセリウムとニッケルの炭酸塩をろ別して焼成して得た混合酸化物が記載されている。この混合酸化物を触媒として二酸化炭素と水素とからメタンを製造した場合、300℃以上の反応温度では高いメタン収率が得られるものの、250℃以下の反応温度では十分に高いメタン収率は得られていない。
また、特開2011-206770号公報(特許文献2)には、ジルコニアのヒドロゾルにCe等の安定化元素の塩の水溶液と鉄族元素の塩の水溶液とを混合し、得られた混合物を濃縮・乾固・焼成して触媒前駆体を形成し、この触媒前駆体を還元処理することによってメタン化反応用触媒が得られることが記載されている。このメタン化反応用触媒の250℃以下の反応温度でのCO転化率(メタン収率)は特許文献1の混合酸化物に比べて高くなっているものの、必ずしも十分に高いものではなかった。
特開平8-127544号公報 特開2011-206770号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒、その製造方法、及びこのメタン化触媒を用いたメタンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、共沈法によって製造された、セリア微粒子と鉄族金属元素を含む微粒子とを含有するメタン化触媒において、沈殿剤由来のNaが二酸化炭素のメタン化反応を阻害することを見出した。そして、本発明者らは、このNaの含有量を1at%以下に低減することによって、低温(例えば、250℃以下)であっても二酸化炭素のメタン化反応において高い触媒活性(メタン化触媒活性)が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のメタン化触媒は、セリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とを含有し、二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒であって、
前記メタン化触媒全体について蛍光X線分析法により測定したニッケルの含有量がCeとニッケルとの合計量に対して15~80質量%であり、
前記メタン化触媒全体について蛍光X線分析法により測定した鉄族金属元素の含有量に対する、前記メタン化触媒において無作為に抽出した20点の測定領域(1μmφ×1μm深さ)についてエネルギー分散型X線分光分析法により測定したニッケルの含有量の標準偏差が4以下であり、
Na含有量が1at%以下である、
ことを特徴とするものである。このようなメタン化触媒においては、前記ニッケル含有微粒子の平均粒子径が0.5~10nmであることが好ましい。
本発明の第一のメタン化触媒の製造方法は、二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒の製造方法であって、
得られるメタン化触媒中のセリア微粒子とニッケル含有微粒子の質量比(セリア微粒子/ニッケル含有微粒子)が15/80~80/20となる量のセリウムイオンとニッケルイオンとを含有する前駆体溶液にNaを含有する沈殿剤を添加してセリウム化合物とニッケル化合物とを含有する共沈物を生成させ、該共沈物をNa含有量が1at%以下になるまで洗浄した後、前記セリウム化合物と前記ニッケル化合物とをセリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とにそれぞれ変換せしめることを特徴とする方法である。このよう第一のメタン化触媒の製造方法においては、前記Naを含有する沈殿剤が水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムのうちの少なくとも一方であることが好ましい。
本発明の第二のメタン化触媒の製造方法は、二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒の製造方法であって、
得られるメタン化触媒中のセリア微粒子とニッケル含有微粒子の質量比(セリア微粒子/ニッケル含有微粒子)が15/80~80/20となる量のセリウムイオンとニッケルイオンとを含有する前駆体溶液にNaを含有しない沈殿剤として炭酸水素アンモニウムを添加してセリウム化合物とニッケル化合物とを含有する共沈物を生成させた後、前記セリウム化合物と前記ニッケル化合物とをセリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とにそれぞれ変換せしめることを特徴とする方法である
本発明のメタンの製造方法は、前記本発明のメタン化触媒に二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることを特徴とする方法である。
なお、本発明のメタン化触媒が低温(例えば、250℃以下)であっても高いメタン化触媒活性を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のメタン化触媒は、セリア微粒子と鉄族金属元素を含む微粒子(鉄族金属元素含有微粒子)とを共沈法によって形成させた二次粒子からなるものである。このような共沈法によって製造した二次粒子においては、二酸化炭素との親和性が高いセリア微粒子の表面又は内部に二酸化炭素のメタン化反応において触媒活性点となる鉄族金属元素含有微粒子が均一に分散している。これにより、セリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子との接触界面が増加するため、セリア微粒子による二酸化炭素の吸着性能と鉄族金属元素含有微粒子による触媒性能との相乗効果によって、本発明のメタン化触媒は低温(例えば、250℃以下)であっても高いメタン化触媒活性を示すと推察される。
一方、含浸法によりセリア微粒子に鉄族金属元素含有微粒子を担持させた場合には、共沈法により製造した本発明のメタン化触媒に比べて、鉄族金属元素含有微粒子が不均一に分散している。このため、セリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子との接触界面が少なく、セリア微粒子による二酸化炭素の吸着性能と鉄族金属元素含有微粒子による触媒性能との相乗効果が十分に得られないため、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低くなると推察される。
また、ジルコニア微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子に鉄族金属元素含有微粒子を担持させた場合には、これらの微粒子がセリア微粒子に比べて二酸化炭素の吸着性能に劣るため、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が更に低くなると推察される。
本発明によれば、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることができる。また、このような本発明のメタン化触媒を用いることによって、低温(例えば、250℃以下)であっても二酸化炭素と水素とから高収率でメタンを製造することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔メタン化触媒〕
先ず、本発明のメタン化触媒について説明する。本発明のメタン化触媒は、セリア微粒子と鉄族金属又はその酸化物からなる鉄族金属元素含有微粒子とを含有するものである。
本発明のメタン化触媒において、前記鉄族金属元素含有微粒子は鉄族金属又はその酸化物からなるものである。前記鉄族金属及びその酸化物としては、ニッケル、鉄、コバルト、酸化ニッケル、酸化鉄、酸化コバルトが挙げられる。このような鉄族金属及びその酸化物は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの鉄族金属及びその酸化物の中でも、触媒活性に優れているという観点から、ニッケル、酸化ニッケルが好ましい。
このような鉄族金属元素含有微粒子の平均粒子径としては特に制限はないが、0.5~10nmが好ましく、1~10nmがより好ましい。鉄族金属元素含有微粒子の平均粒子径が前記下限未満になると、加熱時の粒成長により触媒性能が低下しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒活性点が少ないため、触媒性能が低下する傾向にある。なお、前記鉄族金属元素含有微粒子の平均粒子径は、例えば、粉末X線回折測定等により求めることができる。
また、本発明のメタン化触媒において、セリア微粒子の平均粒子径としては特に制限はないが、1~20nmが好ましく、1.5~10nmがより好ましく、2~6nmが特に好ましい。セリア微粒子の平均粒子径が前記下限未満になると、加熱時の粒成長により比表面積が減少しやすい傾向にあり、他方、前記上限を超えると、触媒を均一に高分散しにくい傾向にある。なお、前記セリア微粒子の平均粒子径は、例えば、粉末X線回折測定等により求めることができる。
本発明のメタン化触媒は、このようなセリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子とを含有するものである。本発明のメタン化触媒において、メタン化触媒全体についての鉄族金属元素の含有量は、メタン化触媒全体についてのCeと鉄族金属元素との合計量に対して15~80質量%である。メタン化触媒全体についての鉄族金属元素の含有量が前記下限未満になると、二酸化炭素のメタン化反応における触媒活性点が少なくなるため、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低下し、他方、前記上限を超えると、相対的に二酸化炭素の吸着サイトであるセリア微粒子の量が少なくなるため、二酸化炭素の吸着量が減少し、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低下する。このようなメタン化触媒全体についての鉄族金属元素の含有量としては、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が向上するという観点から、メタン化触媒全体についてのCeと鉄族金属元素との合計量に対して、25~70質量%が好ましく、30~60質量%がより好ましい。なお、メタン化触媒全体についてのCe及び鉄族金属元素の含有量は蛍光X線分析法(XRF分析法)により測定した値である。
また、本発明のメタン化触媒においては、メタン化触媒全体についての鉄族金属元素の含有量に対する、無作為に抽出した20点の測定領域(1μmφ×1μm深さ)について測定した鉄族金属元素の含有量の標準偏差が4以下である。前記鉄族金属元素の含有量の標準偏差が前記上限以下のメタン化触媒は、鉄族金属元素含有微粒子が均一に分散したもの(鉄族金属元素含有微粒子の分散性が高いもの)であり、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性に優れている。このような鉄族金属元素の含有量の標準偏差としては、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が向上するという観点から、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。なお、メタン化触媒全体についての鉄族金属元素の含有量は蛍光X線分析法(XRF分析法)により測定した値であり、メタン化触媒において無作為に抽出した20点の測定領域(1μmφ×1μm深さ)について測定した鉄族金属元素の含有量はエネルギー分散型X線分光分析法(EDX法)により測定した値である。
さらに、本発明のメタン化触媒においては、Na含有量が1at%以下である。Na含有量が前記上限を超えると、二酸化炭素のメタン化反応が阻害されるため、メタンの収率が低下する。
本発明のメタン化触媒は、セリア微粒子及び鉄族金属元素含有微粒子のみからなるものであってもよいが、ジルコニア及び希土類金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物の微粒子(以下、「他の金属酸化物微粒子」という)が更に含まれていてもよい。このようなジルコニア微粒子等の他の金属酸化物微粒子を含有することによって、セリア微粒子の熱安定性が向上し、メタン化触媒の耐熱性が向上する。
前記他の金属酸化物微粒子の含有量としては、前記他の金属酸化物微粒子を構成する金属元素の含有量が、メタン化触媒に含まれる全金属元素100モル%に対して、2~20モル%となる量が好ましく、3~15モル%がとなる量がより好ましい。前記他の金属酸化物微粒子の含有量が前記下限未満になると、メタン化触媒の耐熱性が十分に向上しない場合があり、他方、前記上限を超えると、セリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子との相互作用が得られにくい傾向にある。
〔メタン化触媒の製造方法〕
次に、本発明のメタン化触媒の製造方法について説明する。本発明のメタン化触媒の製造方法は、セリウムイオンと鉄族金属イオンとを含有する前駆体溶液にNaを含有する沈殿剤を添加してセリウム化合物と鉄族金属化合物とを含有する共沈物を生成させ、この共沈物をNa含有量が1at%以下になるまで洗浄した後、前記セリウム化合物をセリア微粒子に、前記鉄族金属化合物を鉄族金属又はその酸化物からなる鉄族金属元素含有微粒子に、それぞれ変換せしめる方法(第一のメタン化触媒の製造方法)である。
セリウムイオンと鉄族金属イオンとを含有する前駆体溶液としては特に制限はないが、例えば、溶媒にセリウムの塩と鉄族金属の塩とを溶解した前駆体溶液が挙げられる。また、得られるメタン化触媒の耐熱性を向上させるために、この前駆体溶液に、ジルコニウム及び希土類金属からなる群から選択される少なくとも1種の金属(以下、「他の金属」という)の塩を添加してもよい。セリウムの塩、鉄族金属の塩及び他の金属の塩としては、これらの金属の硝酸塩、酢酸塩、塩化物等が挙げられる。溶媒としては、セリウムの塩、鉄族金属の塩及び他の金属の塩が溶解し、沈殿剤を添加することによって共沈物が生成する溶媒であれば特に制限はなく、例えば、水、エタノール、メタノール等、及び、水とエタノール、メタノール等との混合溶媒が挙げられる。
前述の前駆体溶液において、セリウムイオン、鉄族金属イオンの含有量としては、得られるメタン化触媒中のセリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子の質量比(セリア微粒子/鉄族金属元素含有微粒子)が15/80~80/20となる量が好ましく、25/75~70/30となる量がより好ましく、30/70~60/40となる量が更に好ましい。セリア微粒子/鉄族金属元素含有微粒子が前記下限未満になると、二酸化炭素のメタン化反応における触媒活性点が少なくなるため、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、相対的に二酸化炭素の吸着サイトであるセリア微粒子の量が少なくなるため、二酸化炭素の吸着量が減少し、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低下する傾向にある。
また、前述の前駆体溶液において、他の金属イオンの含有量としては、得られるメタン化触媒中の他の金属酸化物微粒子を構成する金属元素の含有量が、メタン化触媒に含まれる全金属元素100モル%に対して、2~20モル%となる量が好ましく、3~15モル%がとなる量がより好ましい。前記他の金属イオンの含有量が前記下限未満になると、メタン化触媒の耐熱性が十分に向上しない場合があり、他方、前記上限を超えると、セリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子との相互作用が得られにくい傾向にある。
前記第一のメタン化触媒の製造方法においては、先ず、セリウムイオンと鉄族金属イオンとを含有し、必要に応じて他の金属イオンを更に含有する前駆体溶液に、Naを含有する沈殿剤を添加する。これにより、セリウム化合物と鉄族金属化合物とを含有し、必要に応じて他の金属化合物を更に含有する共沈物が生成する。前記第一のメタン化触媒の製造方法に用いられるNaを含有する沈殿剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムが挙げられる。これらの沈殿剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
このようにして得られる共沈物においては、鉄族金属化合物が均一に分散しており、得られるメタン化触媒は、鉄族金属元素含有微粒子の分散性が高いものであり、低温(例えば、250℃以下)であっても高いメタン化触媒活性を示す。一方、含浸法によりセリア微粒子に鉄族金属元素含有微粒子を担持させた場合には、鉄族金属元素含有微粒子の分散性が低く、低温(例えば、250℃以下)でのメタン化触媒活性が低下する。
このようにして得られる共沈物には、沈殿剤に由来するNaが含まれており、このNaが二酸化炭素のメタン化反応を阻害する。このため、前記第一のメタン化触媒の製造方法においては、得られた共沈物を洗浄してNaを除去する。洗浄操作は、Na含有量が1at%以下に低減されるまで繰返し実施する。洗浄に用いる溶媒としては、共沈物が溶解せず、Naを除去できる溶媒であれば特に制限はなく、例えば、水(例えば、室温~70℃の温水)等が挙げられる。
次に、このようにしてNa含有量が低減された共沈物を、例えば、大気中で焼成して、前記セリウム化合物をセリア微粒子に、前記鉄族金属化合物を鉄族金属元素含有微粒子に、必要に応じて含まれる前記他の金属化合物を他の金属酸化物微粒子に、それぞれ変換させる。これにより、本発明のメタン化触媒を得ることができる。
共沈物の焼成温度としては特に制限はないが、350~600℃が好ましく、400~500℃がより好ましい。共沈物の焼成時間としては特に制限はないが、0.5~5時間が好ましく、1~3時間がより好ましい。
また、本発明のメタン化触媒の製造方法においては、Naを含有する沈殿剤の代わりにNaを含有しない沈殿剤を用いることによって、前記第一のメタン化触媒の製造方法において、共沈物をNa含有量が1at%以下になるまで洗浄する操作を省略することができる。すなわち、セリウムイオンと鉄族金属イオンとを含有し、必要に応じて他の金属イオンを更に含有する前駆体溶液に、Naを含有しない沈殿剤を添加して、セリウム化合物と鉄族金属化合物とを含有し、必要に応じて他の金属化合物を更に含有する共沈物を生成させた後、前記セリウム化合物をセリア微粒子に、前記鉄族金属化合物を鉄族金属元素含有微粒子に、必要に応じて含有する前記他の金属化合物を他の金属酸化物微粒子に、それぞれ変換せしめる方法〔第二のメタン化触媒の製造方法〕によって、セリア微粒子と鉄族金属元素含有微粒子と含有し、必要に応じて他の金属酸化物微粒子を更に含有する本発明のメタン化触媒を製造することもできる。
前記第二のメタン化触媒の製造方法に用いられるNaを含有しない沈殿剤としては炭酸水素アンモニウムが好ましい。沈殿剤として炭酸水素アンモニウムを用いることによって、Naを含有していない共沈物を高収率(セリウム及び鉄族金属の仕込量の80%以上)で得ることができる。
〔メタンの製造方法〕
次に、本発明のメタンの製造方法について説明する。本発明のメタンの製造方法は、前記本発明のメタン化触媒に、二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることによって、メタンを製造する方法である。本発明のメタン化触媒を用いることによって、低温(例えば、250℃以下)であっても二酸化炭素と水素とから高収率でメタンを製造することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
先ず、得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が20質量%、セリア(CeO)の含有量が80質量%となるように、イオン交換水に硝酸ニッケル六水和物(和光純薬工業株式会社製)及び硝酸セリウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)を溶解してニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍の水酸化ナトリウム(NaOH)を含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置して共沈物を生成させた。その後、ろ過と60℃の温水での洗浄とを7回繰り返して共沈物中のNaを除去した。得られた精製物を110℃で12時間乾燥した後、大気中、450℃で2時間焼成して、NiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例2)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が30質量%、セリア(CeO)の含有量が70質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例3)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が40質量%、セリア(CeO)の含有量が60質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例4)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例5)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が60質量%、セリア(CeO)の含有量が40質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例6)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が40質量%、セリア(CeO)の含有量が60質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製し、また、沈殿剤水溶液として、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2)を炭酸塩の状態で沈殿させるために必要な量の1.2倍の炭酸ナトリウムを含有する沈殿剤水溶液を用いた以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(実施例7)
先ず、実施例3と同様に、得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が40質量%、セリア(CeO)の含有量が60質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を炭酸塩の状態で沈殿させるために必要な量の2.4倍の炭酸水素アンモニウムを含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置して共沈物を生成させた。その後、共沈物をろ過により回収し、110℃で12時間乾燥した後、大気中、450℃で2時間焼成して、NiO-CeO共沈触媒粉末を得た(収率:セリウム及びニッケルの仕込量の81%)。
(比較例1)
先ず、硝酸セリウム六水和物(和光純薬工業株式会社製)にアンモニア水(和光純薬工業株式会社製)を添加してセリア前駆体の沈殿を生成させた後、150℃で5時間脱水処理を行い、さらに、400℃で5時間仮焼して焼成することにより、平均粒子径が8.1nmのセリア粉末を得た。
次に、得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が20質量%となるように、イオン交換水に硝酸ニッケル六水和物を溶解して前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、得られる触媒中のセリア(CeO)の含有量が80質量%となる量の前記セリア粉末を浸漬し、攪拌しながら蒸発乾固させた。得られた固形分を110℃で12時間乾燥した後、大気中、450℃で2時間焼成して、NiO/CeO担持触媒粉末を得た。
(比較例2)
セリア粉末の代わりに、得られる触媒中のジルコニア(ZrO)の含有量が80質量%となる量のジルコニア粉末(第一稀元素化学工業株式会社製「RC100」、粒子径:1.5~4μm)を用いた以外は比較例1と同様にしてNiO/ZrO担持触媒粉末を得た。
(比較例3)
セリア粉末の代わりに、得られる触媒中のチタニア(TiO)の含有量が80質量%となる量のチタニア粉末(石原産業株式会社製「TTO-51」、粒子径:10~30nm)を用いた以外は比較例1と同様にしてNiO/TiO担持触媒粉末を得た。
(比較例4)
セリア粉末の代わりに、得られる触媒中のアルミナ(Al)の含有量が80質量%となる量のアルミナ粉末(グレース・ダビソン社製「MI-307」、平均粒子径:17μm)を用いた以外は比較例1と同様にしてNiO/Al担持触媒粉末を得た。
(比較例5)
前記共沈物の洗浄回数を3回に変更した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(比較例6)
前記共沈物の洗浄回数を5回に変更した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(比較例7)
得られる触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が10質量%、セリア(CeO)の含有量が90質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した以外は実施例1と同様にしてNiO-CeO共沈触媒粉末を得た。
(比較例8)
先ず、実施例4と同様に、目的とする触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍のアンモニア水を沈殿剤水溶液として30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置したが、沈殿は生成しなかった。
(比較例9)
先ず、実施例4と同様に、目的とする触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍のシュウ酸を含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置したところ、Ce2+のみが沈殿してNiは沈殿しなかったため、共沈物は得られなかった。
(比較例10)
先ず、実施例4と同様に、目的とする触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍のシュウ酸アンモニウムを含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置したところ、Ce2+のみが沈殿してNiは沈殿しなかったため、共沈物は得られなかった。
(比較例11)
先ず、実施例4と同様に、目的とする触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍のクエン酸を含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、70℃で1時間加熱し、次いで、一晩静置したが、沈殿は生成しなかった。
(比較例12)
先ず、実施例4と同様に、目的とする触媒中の酸化ニッケル(NiO)の含有量が50質量%、セリア(CeO)の含有量が50質量%となるように、ニッケルイオン(Ni)及びセリウムイオン(Ce2+)を含有する前駆体水溶液を調製した。この前駆体水溶液に、攪拌しながら、Ni及びCe2+を水酸化物の状態で沈殿させるために必要な量の1.3倍の尿素を含有する沈殿剤水溶液を30分間かけて滴下した後、85℃以上で30分間加熱し、次いで、一晩静置したが、セリウムの沈殿物が僅かに生成したのみであった(収率:セリウム仕込み量の1%以下)。
<鉄族金属元素の含有量及びその分散性>
先ず、実施例1~7及び比較例1、7で得られた各触媒粉末について、触媒全体のNi含有量(単位:質量%)を、走査型蛍光X線分析装置(XRF、株式会社リガク製「ZSX Primus」)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
次に、実施例1~7及び比較例1、7で得られた各触媒粉末0.01gを導電性カーボンテープ上に塗布してEDX分析用試験片(5mm×5mm×0.15mm)を作製した。この試験片の表面において無作為に20点の測定領域(1μmφ×1μm深さ)を抽出し、走査型電子顕微鏡(SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ製「SU-3600N」)に装着したエネルギー分散型X線分光分析装置(EDX、アメテック社製「EDAX」)を用いて各測定領域内の元素分析を行い、各測定領域のNi含有量(単位:質量%)を求めた。得られた各測定領域のNi含有量に基づいて、SEM-EDX分析法により測定したNi含有量の平均値、並びに、XRF分析法により測定した触媒全体のNi含有量に対する、20点の前記測定領域についてSEM-EDX分析法により測定したNi含有量の標準偏差を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0007116914000001
表1に示したように、共沈法により製造したNiO-CeO触媒粉末(実施例1~7及び比較例7)は、Ni含有量の標準偏差が4以下と小さく、NiO微粒子が均一に分散したもの(NiO微粒子の分散性が高いもの)であることが確認された。一方、含浸法によりNiOを担持せしめたNiO/CeO触媒粉末(比較例1)は、Ni含有量の標準偏差が7.42と大きく、NiO微粒子が不均一に分散したもの(NiO微粒子の分散性が低いもの)であることがわかった。
<鉄族金属元素含有微粒子及びセリア微粒子の平均粒子径>
実施例1、3、5及び比較例1~4、7で得られた各触媒粉末中のNiO微粒子及びCeO微粒子の平均粒子径を、粉末X線回折装置(XRD、株式会社リガク製「UltimaIV」)を用いて測定した。その結果を表2に示す。なお、比較例7で得られたNiO-CeO共沈触媒粉末については、NiOの含有量が少なかったため、XRD分析によるNiO微粒子の平均粒子径の測定は困難であった。
Figure 0007116914000002
表2に示したように、共沈法により製造したNiO-CeO触媒粉末(実施例1、3、5)は、含浸法によりNiOを担持せしめた触媒粉末(比較例1~4)に比べて、平均粒子径が小さいNiO微粒子を含有するものであることがわかった。
<触媒性能評価試験1>
実施例1及び比較例1~6で得られた各触媒粉末0.5mlを内径6mmのステンレス製反応管に充填し、この触媒にH(100ml/min)+N(375ml/min)の混合ガスを触媒入りガス温度300℃で流通させて還元前処理を行なった。次いで、CO(25ml/min)+H(100ml/min)+N(375ml/min)の混合ガスを流通させ、触媒入りガス温度225℃における触媒出ガスのCO濃度及びCH濃度をガスクロマトグラフィ(株式会社島津製作所製「GC-14B」)を用いて測定した。その結果、実施例1及び比較例1~6で得られた、いずれの触媒粉末においても、CH以外の炭化水素(HC)類の生成は確認されず、また、CHの生成量はCOの減少量にほぼ対応していたことから、減少したCOのほぼ全量がCHに転化したことが確認された。そこで、各触媒粉末について、触媒入りガス温度225℃におけるCO転化率を算出した。その結果を表3~表4に示す。
<触媒性能評価試験2>
実施例1~7及び比較例7で得られた各触媒粉末0.375mlを内径6mmのステンレス製反応管に充填し、この触媒にH(100ml/min)+N(375ml/min)の混合ガスを触媒入りガス温度300℃で流通させて還元前処理を行なった。次いで、CO(25ml/min)+H(100ml/min)の混合ガスを流通させ、触媒入りガス温度225℃における触媒出ガスのCO濃度及びCH濃度をガスクロマトグラフィ(株式会社島津製作所製「GC-14B」)を用いて測定した。その結果、実施例1~7及び比較例7で得られた、いずれの触媒粉末においても、CH以外の炭化水素(HC)類の生成は確認されず、また、CHの生成量はCOの減少量にほぼ対応していたことから、減少したCOのほぼ全量がCHに転化したことが確認された。そこで、各触媒粉末について、触媒入りガス温度225℃におけるCO転化率を算出した。その結果を表5~表6に示す。
<触媒中のNa含有量>
実施例1及び比較例5~6で得られた各触媒粉末について、触媒全体のNa含有量を、走査型蛍光X線分析装置(XRF、株式会社リガク製「ZSX Primus」)を用いて測定した。その結果を表4に示す。
Figure 0007116914000003
表3に示したように、共沈法により製造され、NiO微粒子の分散性が高いNiO-CeO共沈触媒粉末(実施例1)は、含浸法により製造され、NiO微粒子の分散性が低いNiO/CeO担持触媒粉末(比較例1~4)に比べて、COの転化率が高く、メタン化触媒活性が高いことがわかった。
Figure 0007116914000004
表4に示したように、Na含有量が1at%以下のNiO-CeO共沈触媒粉末(実施例1)は、Na含有量が6.2at%又は1.8at%のNiO-CeO共沈触媒粉末(比較例5、6)に比べて、COの転化率が高く、メタン化触媒活性が高いことがわかった。
Figure 0007116914000005
表5に示したように、触媒全体のNi含有量が15質量%以上のNiO-CeO共沈触媒粉末(実施例1~5)は、触媒全体のNi含有量が9.3質量%のNiO-CeO共沈触媒粉末(比較例7)に比べて、COの転化率が高く、メタン化触媒活性が高いことがわかった。
Figure 0007116914000006
表6に示したように、水酸化ナトリウム(実施例3)、炭酸ナトリウム(実施例6)、及び炭酸水素アンモニウム(実施例7)のいずれの沈殿剤を用いた場合でも、COの転化率が高く、メタン化触媒活性が高いNiO-CeO共沈触媒粉末が得られることがわかった。
以上説明したように、本発明によれば、低温(例えば、250℃以下)であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることが可能となる。したがって、本発明のメタンの製造方法は、このようなメタン化触媒を用いているため、低温(例えば、250℃以下)においても二酸化炭素と水素とから高収率でメタンを製造することができる方法として有用である。

Claims (6)

  1. セリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とを含有し、二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒であって、
    前記メタン化触媒全体について蛍光X線分析法により測定したニッケルの含有量がCeとニッケルとの合計量に対して15~80質量%であり、
    前記メタン化触媒全体について蛍光X線分析法により測定したニッケルの含有量に対する、前記メタン化触媒において無作為に抽出した20点の測定領域(1μmφ×1μm深さ)についてエネルギー分散型X線分光分析法により測定したニッケルの含有量の標準偏差が4以下であり、
    Na含有量が1at%以下である、
    ことを特徴とするメタン化触媒。
  2. 前記ニッケル含有微粒子の平均粒子径が0.5~10nmであることを特徴とする請求項1に記載のメタン化触媒。
  3. 二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒の製造方法であって、
    得られるメタン化触媒中のセリア微粒子とニッケル含有微粒子の質量比(セリア微粒子/ニッケル含有微粒子)が15/80~80/20となる量の セリウムイオンとニッケルイオンとを含有する前駆体溶液にNaを含有する沈殿剤を添加してセリウム化合物とニッケル化合物とを含有する共沈物を生成させ、該共沈物をNa含有量が1at%以下になるまで洗浄した後、前記セリウム化合物と前記ニッケル化合物とをセリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とにそれぞれ変換せしめることを特徴とするメタン化触媒の製造方法。
  4. 前記Naを含有する沈殿剤が水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムのうちの少なくとも一方であることを特徴とする請求項3に記載のメタン化触媒の製造方法。
  5. 二酸化炭素のメタン化反応に用いられるメタン化触媒の製造方法であって、
    得られるメタン化触媒中のセリア微粒子とニッケル含有微粒子の質量比(セリア微粒子/ニッケル含有微粒子)が15/80~80/20となる量の セリウムイオンとニッケルイオンとを含有する前駆体溶液にNaを含有しない沈殿剤として炭酸水素アンモニウムを添加してセリウム化合物とニッケル化合物とを含有する共沈物を生成させた後、前記セリウム化合物と前記ニッケル化合物とをセリア微粒子とニッケル又はその酸化物からなるニッケル含有微粒子とにそれぞれ変換せしめることを特徴とするメタン化触媒の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のメタン化触媒に二酸化炭素と水素との混合ガスを接触せしめることを特徴とするメタンの製造方法。
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