JP7116653B2 - 放熱構造体およびそれを備えるバッテリー - Google Patents

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Description

本発明は、放熱構造体およびそれを備えるバッテリーに関する。
自動車、航空機、船舶あるいは家庭用若しくは業務用電子機器の制御システムは、より高精度かつ複雑化してきており、それに伴って、回路基板上の小型電子部品の集積密度が増加の一途を辿っている。この結果、回路基板周辺の発熱による電子部品の故障や短寿命化を解決することが望まれている。
回路基板からの速やかな放熱を実現するには、従来から、回路基板自体を放熱性に優れた材料で構成し、ヒートシンクを取り付け、あるいは冷却ファンを駆動するといった手段を単一で若しくは複数組み合わせて行われている。これらの内、回路基板自体を放熱性に優れた材料、例えばダイヤモンド、AlN、cBNなどから構成する方法は、回路基板のコストを極めて高くしてしまう。また、冷却ファンの配置は、ファンという回転機器の故障、故障防止のためのメンテナンスの必要性や設置スペースの確保が難しいという問題を生じる。これに対して、放熱フィンは、熱伝導性の高い金属(例えば、アルミニウム)を用いた柱状あるいは平板状の突出部位を数多く形成することによって表面積を大きくして放熱性をより高めることのできる簡易な部材であるため、放熱部品として汎用的に用いられている(特許文献1を参照)。
ところで、現在、世界中で、地球環境への負荷軽減を目的として、従来からのガソリン車あるいはディーゼル車を徐々に電気自動車に転換しょうとする動きが活発化している。特に、フランス、オランダ、ドイツをはじめとする欧州諸国の他、中国でも、2040年までにガソリン車とディーゼル車から完全に電気自動車に切り替えることを宣言している。電気自動車の普及には、高性能バッテリーの開発の他、多数の充電スタンドの設置などの課題がある。特に、リチウム系の自動車用バッテリーの充放電機能を高めるための技術開発が大きな課題となっている。上記自動車バッテリーは、摂氏60度以上の高温下では充放電の機能を十分に発揮できないことが良く知られている。このため、先に説明した回路基板と同様、バッテリーにおいても、放熱性を高めることが重要視されている。
特開2008-243999
バッテリー等の熱源から冷却部材への熱の移動を促進するには、熱の移動経路を高熱伝導性の材料で形成すること、及び熱源と当該高熱伝導性の材料との熱抵抗を下げることが必要になる。本発明者は、先に、グラファイト製のシートを熱の移動経路に利用して、グラファイト製のシートにそれより柔らかなゴム状弾性体を積層した放熱構造体を開発した。かかる放熱構造体を折りたたみ、あるいは筒状にして、バッテリー等の熱源と冷却部材との間、あるいは熱源同士の隙間に配置すると、放熱構造体が熱源あるいは冷却部材に密着しやすく、かつ熱の移動経路も構築しやすくなる。加えて、熱源を取り除いた際に放熱構造体が弾性的に元の形状に復活しやすくなる。
バッテリー等の熱源から冷却部材への熱の移動をさらに促進するには、熱源とグラファイト製のシートとの間の熱抵抗をさらに下げる必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、放熱効率により優れる放熱構造体及びそれを備えたバッテリーを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するための一実施形態に係る放熱構造体は、熱源と冷却部材との間にあって前記熱源から前記冷却部材に熱を伝導させて前記熱源からの放熱を可能とする放熱構造体であって、炭素を含むシートであって、前記熱源と前記冷却部材との間に配置可能な熱伝導シートと、前記熱伝導シートに少なくとも部分的に包まれ若しくは接触するクッション部材と、前記熱伝導シートにおける少なくとも前記熱源と接触する面に備えられる熱伝導性オイルと、を備える。
(2)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記熱伝導性オイルは、シリコーンオイルと、前記シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。
(3)別の実施形態に係る放熱構造体は、好ましくは、完全に閉じた状態若しくは一部に開口部を有する状態の筒状の前記熱伝導シートの内側に、前記クッション部材を備え、前記熱伝導シートの外側に前記熱伝導性オイルを備える。
(4)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記クッション部材は、シリコーンゴムである。
(5)別の実施形態に係る放熱構造体では、好ましくは、前記熱伝導シートは、グラファイトのフィラーと、樹脂とを含むシートである。
(6)一実施形態に係るバッテリーは、冷却部材を接触させる筐体内に熱源としての複数のバッテリーセルを備えたバッテリーであって、上述のいずれかの放熱構造体を備え、前記放熱構造体は、炭素を含むシートであって、前記バッテリーは、前記熱源と前記冷却部材との間に配置可能な熱伝導シートと、前記熱伝導シートに少なくとも部分的に包まれ若しくは接触するクッション部材と、前記熱伝導シートにおける少なくとも前記熱源と接触する面に備えられる熱伝導性オイルと、を備える。
(7)別の実施形態に係るバッテリーは、好ましくは、前記放熱構造体を前記筐体内に複数個備え、前記筐体内の1または2以上の前記バッテリーセルを前記放熱構造体上に載置している。
本発明によれば、放熱効率により優れる放熱構造体及びそれを備えたバッテリーを提供できる。
図1は、第1実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図をそれぞれ示す。 図2は、図1の放熱構造体の上に2個のバッテリーセルが載った状態の斜視図を示す。 図3は、図1の放熱構造体およびその変形例の各6面図(3A,3B,3C,3D)を示す。 図4は、第2実施形態に係る放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図を示す。 図5は、第3実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(5A)および同断面図中のA0部分の拡大図(5B)を、それぞれ示す。 図6は、第4実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(6A)、当該放熱構造体の6面図(6B)および放熱構造体の縦断面拡大図(6C)を、それぞれ示す。 図7は、第5実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(7A)、同断面図中のA1部分の拡大図(7B)および同断面図中のB1部分の拡大図(7C)を、それぞれ示す。 図8は、第6実施形態に係る放熱構造体にバッテリーセルを装着する状況の斜視図及びその一部Cの拡大図をそれぞれ示す。 図9は、第7実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(9A)および当該(9A)中の熱伝導シートの断面形状を模式的に表した図(9B)をそれぞれ示す。
次に、本発明の各実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する各実施形態は、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須であるとは限らない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図をそれぞれ示す。図2は、図1の放熱構造体の上に2個のバッテリーセルが載った状態の斜視図を示す。
第1実施形態に係る放熱構造体25は、熱源の一例であるバッテリーセル20と冷却部材(例えば、冷却水)15との間にあってバッテリーセル20から冷却部材15に熱を伝導させてバッテリーセル20からの放熱を可能とする放熱構造体である。放熱構造体25は、炭素を含むシートであって、バッテリーセル20と冷却部材15との間に配置可能な熱伝導シート30と、熱伝導シート30に少なくとも部分的に包まれ若しくは接触するクッション部材31と、熱伝導シート30における少なくともバッテリーセル20と接触する面に備えられる熱伝導性オイル33と、を備える。熱伝導性オイル33は、熱伝導シート30とバッテリーセル20の底部との間の熱抵抗を低下させ、バッテリーセル20の底部から熱伝導シート30への熱伝導性をより高めるのに寄与する。
熱伝導シート30は、好ましくは、バッテリーセル20と冷却部材15との間に配置される部位において、開口32を冷却部材15に向けた縦断面逆さC形状を有する。クッション部材31は、熱伝導シート30の内部に配置されている。また、クッション部材31は、放熱構造体25の長さ方向(図1の紙面表側および裏側の方向)両端の内の少なくとも一端側を熱伝導シート30から露出させている。図1のバッテリー1は、冷却部材15を接触させる筐体11内に熱源としての複数のバッテリーセル20を備えている。なお、本願では、「断面」あるいは「縦断面」とは、バッテリー1の筐体11の内部14における上方開口面から底部12へと垂直に切断する方向の断面を意味する。以下、(1)~(5)に分けて、バッテリー1および放熱構造体25の構成部材について詳述する。
(1)バッテリーの構成の概略
この実施形態において、バッテリー1は、例えば、電気自動車用のバッテリーであって、多数のバッテリーセル20を並べて備える。バッテリー1は、一方に開口する有底型の筐体11を備える。筐体11は、好ましくは、アルミニウム若しくはアルミニウム基合金から成る。バッテリーセル20の上方には、電極(図2を参照)が突出して設けられている。複数のバッテリーセル20は、好ましくは、筐体11内において、その両側からネジ等を利用して圧縮する方向に力を与えられて、互いに密着するようになっている(不図示)。筐体11の底部12には、冷却部材15の一例である冷却水を流すために、1または複数の水冷パイプ13が備えられている。放熱構造体25は、バッテリーセル20の下端と底部12との間に挟まれる状態で筐体11内に配置されている。
放熱構造体25は、好ましくは、筐体11内に複数個備えられ、筐体11内の1または2以上のバッテリーセル20を載置している。図1では、1個の放熱構造体25は、その上に、2個のバッテリーセル20を載置している。しかし、1個の放熱構造体25は、1個のバッテリーセル20だけを載置していても、あるいは3個以上のバッテリーセル20を載置していても良い。
また、筐体11内の複数個の放熱構造体25は、好ましくは、バッテリーセル20の載置に起因して圧縮されても互いに接触しない隙間(あるいは間隔)tをあけて配置されている。バッテリーセル20の重量に起因して放熱構造体25が上下方向に圧縮された際に、放熱構造体25同士が互いに接触せずに十分に変形できるようにするためである。放熱構造体25同士の間隔(前述のt、あるいは後述のT)は、放熱構造体25の変形量と熱伝導量にもよるが、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上である。
このような構造のバッテリー1では、バッテリーセル20は、放熱構造体25を通じて筐体11(底部12を含む)に伝熱して、水冷によって効果的に除熱される。なお、冷却部材15は、冷却水に限定されず、液体窒素、エタノール等の有機溶剤も含むように解釈される。冷却部材15は、冷却に用いられる状況下にて、液体であるとは限らず、気体あるいは固体でも良い。
(2)熱伝導シート
熱伝導シート30は、この実施形態では、複数のバッテリーセル20と底部12との間において、図1の縦断面視にて逆さC形状を有する。ただし、熱伝導シート30は、開口32を備えない縦断面視にてO形状を有していても良い。また、熱伝導シート30は、縦断面視にて、逆さU字形状若しくは逆さV字形状でも良い。このように、放熱構造体25は、好ましくは、完全に閉じた状態若しくは一部に開口部(例えば、開口32)を有する状態の筒状の熱伝導シート30の内側に、クッション部材31を備える。
熱伝導シート30は、好ましくは炭素を含むシートであり、さらに好ましくは炭素フィラー(好ましくはグラファイトのフィラー)と樹脂とを含むシートである。本願でいう「炭素」は、グラファイト、グラファイトより結晶性の低いカーボンブラック、膨張黒鉛、ダイヤモンド、ダイヤモンドに近い構造を持つダイヤモンドライクカーボン等の炭素(元素記号:C)から成る如何なる構造のものも含むように広義に解釈される。
熱伝導シート30は、この実施形態では、樹脂に、グラファイト繊維やカーボン粒子を配合分散した材料を硬化させた薄いシートとすることができる。グラファイト繊維やカーボン粒子に代えて、膨張黒鉛性のフィラーを用いても良い。膨張黒鉛は、化学反応を用いて鱗片状の黒鉛に物質を挿入した黒鉛層間化合物を急熱して層間の物質がガス化し、その時に生じたガスの放出によって黒鉛の層間が広がり、層の積み重なり方向に膨張した状態になった黒鉛をいう。グラファイト繊維、カーボン粒子あるいは膨張黒鉛製のフィラーも、すべて、炭素フィラーの概念に含まれる。
熱伝導シート30は、炭素に代えて若しくは炭素と共に、金属および/またはセラミックスを含んでも良い。金属としては、アルミニウム、金、銀、銅、それらの内の少なくとも1つを含む合金などの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。また、セラミックスとしては、AlN、cBN、hBNなどの熱伝導性の比較的高いものを選択できる。
樹脂は、熱伝導シート30の全質量に対して50質量%を超えていても、あるいは炭素フィラーが上記全質量に対して50質量%を超えていても良い。すなわち、熱伝導シート30は、熱伝導に大きな支障が無い限り、樹脂を主材とし、あるいは炭素フィラーを主材としても良い。樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂を好適に使用できる。熱可塑性樹脂としては、熱源の一例であるバッテリーセル20からの熱を伝導する際に溶融しない程度の高融点を備える樹脂が好ましく、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)等を好適に挙げることができる。樹脂は、熱伝導シート30の成形前の状態において、炭素フィラーの隙間に、例えば粒子状に分散している。熱伝導シート30は、炭素フィラー、樹脂の他、熱伝導をより高めるためのフィラーとして、AlNあるいはダイヤモンドを分散していても良い。また、樹脂に代えて、樹脂よりも柔軟なエラストマーを用いても良い。
熱伝導シート30は、後述のクッション部材31よりも熱伝導性に優れているのが好ましく、導電性に優れるか否かは問わない。熱伝導シート30の熱伝導率は、好ましくは10W/mK以上である。この実施形態では、熱伝導シート30に好ましくはグラファイトと、グラファイトより結晶性の低いカーボンとを含ませて、熱伝導シート30中に電流が流れやすいネットワークを形成するようにしている。
しかし、熱伝導シート30は、必ずしも導電性に優れていることを要せず、導電性が低く、高熱伝導性を有するだけでも良い。その場合、熱伝導シート30を、AlN、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(グラファイトより導電性は低い)などを含むシートとしても良い。熱伝導シート30は、湾曲性(若しくは屈曲性)のあるシートであれば、その厚さに制約はないが、0.3~5mmが好ましく、0.3~1mmがより好ましい。ただし、熱伝導シート30の熱伝導率は、その厚さが増加するほど低下するため、シートの強度、可撓性および熱伝導性を総合的に考慮して、その厚さを決定するのが好ましい。
放熱構造体25は、熱伝導シート30を外皮として、その内部空間にクッション部材31を備える。熱伝導シート30は、その一部に開口32を備えて、クッション部材32を外に露出させても良い。
(3)クッション部材
クッション部材31は、熱伝導シート30に包まれ若しくは接触する弾性体である。よって、「クッション部材」という文言に代えて「弾性体」あるいは「ゴム状弾性体」という文言を使用しても良い。クッション部材31は、バッテリーセル20と底部12との間にあってクッション性を発揮させる機能と、熱伝導シート30に加わる荷重によって熱伝導シート30が破損等しないようにする保護部材としての機能とを有する。クッション部材31は、熱伝導シート30に比べて低熱伝導性の部材である。
クッション部材31は、その内部に気泡を有するスポンジ状の部材、あるいは気泡を含まないゴム状弾性体のいずれでも良いが、より好ましくはスポンジ状の部材である。クッション部材31は、好ましくは、シリコーンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、ニトリルゴム(NBR)あるいはスチレンブタジエンゴム(SBR)等の熱硬化性エラストマー; ウレタン系、エステル系、スチレン系、オレフィン系、ブタジエン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの複合物等を含むように構成される。クッション部材31は、熱伝導シート30を伝わる熱によって溶融あるいは分解等せずにその形態を維持できる程度の耐熱性の高い材料から構成されるのが好ましい。この実施形態では、クッション部材31は、より好ましくは、ウレタン系エラストマー中にシリコーンを含浸したもの、あるいはシリコーンゴムにより構成される。クッション部材31は、その熱伝導性を少しでも高めるために、ゴム中にAlN、cBN、hBN、ダイヤモンドの粒子等に代表されるフィラーを分散して構成されていても良い。また、クッション部材31は、その内部に、放熱構造体25の長さ方向(図1の紙面表裏方向)に貫通する穴を備えたチューブ形状を有する部材でも良い。
(4)熱伝導性オイル
熱伝導性オイル33は、熱伝導シート30の表面、少なくともバッテリーセル20と熱伝導シート30とが接触する面に備えられている。本願において、熱伝導性オイル33の「オイル」は、非水溶性の常温(20~25℃の範囲の任意の温度)で液状若しくは半固形状の可燃物質をいう。「オイル」という文言に代え、「グリース」あるいは「ワックス」を用いることもできる。熱伝導性オイル33は、バッテリーセル20から熱伝導シート30に熱を伝える際に熱伝導の障害にならない性質のオイルである。熱伝導性オイル33には、炭化水素系のオイル、シリコーンオイルを用いることができる。熱伝導性オイル33は、好ましくは、シリコーンオイルと、シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む。
シリコーンオイルは、好ましくは、シロキサン結合が2000以下の直鎖構造の分子から成る。シリコーンオイルは、ストレートシリコーンオイルと、変性シリコーンオイルとに大別される。ストレートシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルを例示できる。変性シリコーンオイルとしては、反応性シリコーンオイル、非反応性シリコーンオイルを例示できる。反応性シリコーンオイルは、例えば、アミノ変性タイプ、エポキシ変性タイプ、カルボキシ変性タイプ、カルビノール変性タイプ、メタクリル変性タイプ、メルカプト変性タイプ、フェノール変性タイプ等の各種シリコーンオイルを含む。非反応性シリコーンオイルは、ポリエーテル変性タイプ、メチルスチリル変性タイプ、アルキル変性タイプ、高級脂肪酸エステル変性タイプ、親水性特殊変性タイプ、高級脂肪酸含有タイプ、フッ素変性タイプ等の各種シリコーンオイルを含む。シリコーンオイルは、耐熱性、耐寒性、粘度安定性、熱伝導性に優れたオイルであるため、熱伝導シート30の表面に塗布して、バッテリーセル20と熱伝導シート30との間に介在させる熱伝導性オイル33として特に好適である。
熱伝導性オイル33は、好ましくは、油分以外に、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーを含む。金属としては、金、銀、銅、アルミニウム、ベリリウム、タングステンなどを例示できる。セラミックスとしては、アルミナ、窒化アルミニウム、キュービック窒化ホウ素、ヘキサゴナル窒化ホウ素などを例示できる。炭素としては、ダイヤモンド、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブなどを例示できる。
熱伝導性オイル33は、バッテリーセル20と熱伝導シート30との間に介在する他、熱伝導シート30と筐体11(特に底部12)との間に介在する方が好ましい。熱伝導性オイル33は、熱伝導シート30の全面に塗布されていても、同シート30の一部分に塗布されていても良い。熱伝導性オイル33を熱伝導シート30に存在させる方法は、特に制約されることなく、スプレーを用いた噴霧、刷毛等を用いた塗布、熱伝導性オイル33中への熱伝導シート30の浸漬など、如何なる方法によるものでも良い。
(5)バッテリーセルのその他構成
バッテリーセル20は、放熱構造体25と接する側と反対側(図1,2では上方)に、電極21,22を備える。放熱構造体25の充電若しくは放電時に発する熱は、バッテリーセル20の下方端部(底部)から放熱構造体25の熱伝導シート30、筐体11の底部12、冷却部材15へと伝わる。こうして、バッテリーセル20の効果的な除熱が実現する。バッテリーセル20の筐体は、硬質樹脂、金属、セラミックスのみならず、アルミニウム等の薄い金属を樹脂にて挟み込んだラミネート構造のやわらかい袋であっても良い。
図3は、図1の放熱構造体およびその変形例の各6面図(3A,3B,3C,3D)を示す。図3では、熱伝導性オイル33を備える前の放熱構造体25の各種形状を示す。
(3A)の放熱構造体25は、図1,2に示す構造であって、略直方体のクッション部材31の長さ方向の両端面および底面の一部を除き、熱伝導シート30にて被覆した構造を有する。具体的には、放熱構造体25の天面25a、左右両側面25c,25dは熱伝導シート30にて覆われている。放熱構造体25の正面25eおよび背面25fは、クッション部材31の面を露出している。放熱構造体25の底面25bは、放熱構造体25の幅方向中央領域に開口32を形成するように、熱伝導シート30にて覆われている。クッション部材31はその開口32から露出している。この実施形態では、クッション部材31は、熱伝導シート30から外方に突出していないが、クッション部材31の底面を当該外方に向かって熱伝導シート30と面一な位置まで、さらには熱伝導シート30よりも外方向に突出していても良い。
(3B)の放熱構造体25は、(3A)の放熱構造体25の第1変形例であって、略直方体のクッション部材31の長さ方向の両端面を除き、熱伝導シート30にて被覆した構造を有する。具体的には、放熱構造体25の天面25g、底面25hおよび左右両側面25i,25jは熱伝導シート30にて覆われている。放熱構造体25の正面25kおよび背面25lは、クッション部材31の面を露出している。
(3C)の放熱構造体25は、(3A)の放熱構造体25の第2変形例であって、略直方体のクッション部材31の底面の一部を除き、熱伝導シート30にて被覆した構造を有する。具体的には、放熱構造体25の天面25m、左右両側面25o,25p、正面25qおよび背面25rは熱伝導シート30にて覆われている。放熱構造体25の底面25nの一部は、開口32を有しており、その開口32からクッション部材31の面を露出している。放熱構造体25の底面25nは、その略中央部に開口32を有する。この実施形態では、クッション部材31は、熱伝導シート30から外方に突出していないが、クッション部材31の底面を当該外方に向かって熱伝導シート30と面一な位置まで、さらには熱伝導シート30よりも外方向に突出していても良い。
(3D)の放熱構造体25は、(3A)の放熱構造体25の第3変形例であって、略直方体のクッション部材31の全面を熱伝導シート30にて被覆した構造を有する。具体的には、放熱構造体25の天面25s、裏面25t、左右両側面25u,25v、正面25wおよび背面25xは熱伝導シート30にて覆われている。
また、放熱構造体25は、上述の各放熱構造体25の形態に限定されることなく変形可能であって、例えば、略直方体のクッション部材31の長さ方向の両端面の内の一端面を除き、熱伝導シート30にて被覆した構造を有する放熱構造体25を用いることもできる。クッション部材31の一部が熱伝導シート30から露出していると、放熱構造体25にバッテリーセル20が載置した際に、クッション部材31の変形の余地が広がる。
次に、この実施形態に係るバッテリー1の組み立て方法(=製造方法)を例示する。
(a)PPS等に代表される樹脂材料と、グラファイト製フィラーおよび/またはグラファイトより低結晶性のカーボン製フィラー(粒子、繊維等の形態が好ましい)を液体(例えば、水)の中で撹拌して紙漉きと同様の方式でフェルト状シートを作製する。
(b)続いて、フェルト状シートを、図1の熱伝導シート30と同一若しくはこれに類似した断面形状になるように成形する。
(c)熱伝導シート30の内方にクッション部材31を入れる。この際に、クッション部材31と熱伝導シート30とを耐熱性の接着剤、両面テープ若しくはビス等の固定手段を用いて固定しても、あるいは何らの固定手段も用いずに固定しても良い。
(d)次に、熱伝導シート30の表面(クッション部材31と接する面とは反対側の面)に熱伝導性オイル33を塗布して放熱構造体25を完成する。
(e)最後に、放熱構造体25をバッテリー1内に組み込む。放熱構造体25は、底部12との間に熱伝導性オイル33、耐熱性の接着剤あるいは両面テープを介在させ、あるいは何らの介在物も用いずに底部12に載置可能である。上記製造方法は、第2実施形態およびそれ以降の実施形態でも同様に採用可能である。なお、第2実施形態以降において、上記(c)に代えて、熱伝導シート30にクッション部材31を接触若しくは接着させても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第2実施形態について説明する。第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図を示す。
第2実施形態に係るバッテリー1aは、第1実施形態におけるバッテリーセル20より大型の1つのバッテリーセル20aを複数個の放熱構造体25によって支える構成を有する点で第1実施形態に係るバッテリー1と異なり、それら以外の点で共通する。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
第2実施形態に係るバッテリー1aでは、第1実施形態と同様の構造を有する5個の放熱構造体25上に、1個のバッテリーセル20aが載置されている。放熱構造体25は、バッテリーセル20aの重みで圧縮される。これによって、熱伝導シート30とバッテリーセル20aとの間、および熱伝導シート30と筐体11の底部12との間がともに密着し、熱伝導性を高めることができる。なお、筐体11内の各放熱構造体25は、バッテリーセル20aの載置に起因して圧縮されても互いに接触しない間隔tをあけて配置されている。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第3実施形態について説明する。第3実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、当該各実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図5は、第3実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(5A)および同断面図中のA0部分の拡大図(5B)を、それぞれ示す。
第3実施形態に係るバッテリー1bは、第1実施形態で説明した放熱構造体25の上部をバッテリーセル20,20間に延出させた構造を有する放熱構造体26を備える。放熱構造体26は、熱伝導シート30を逆さC形状に丸めて、その内部にクッション部材31を備える。また、放熱構造体26は、バッテリーセル20,20間に延出する延出部35を備える。延出部35は、熱伝導シート30の内部にクッション部材31を備える細長い形状を有する。放熱構造体26は、バッテリーセル20,20およびバッテリーセル20の底部から冷却部材15に熱を伝導させてバッテリーセル20の除熱を可能とする放熱構造体である。複数個の放熱構造体26は、第1実施形態における放熱構造体25と同様、バッテリーセル20を載置して水平方向に延びても互いに衝突しない間隔tを空けて、底部12の内底面に配置されている。
延出部35は、図5(5B)に示すように、熱伝導シート30の外表面に熱伝導性オイル33を有する。この結果、バッテリーセル20の側面に熱伝導性オイル33が接触する。これによって、熱伝導シート30とバッテリーセル20の側面との間の熱抵抗が低下し、バッテリーセル20の側面から熱伝導シート30への熱伝導性をより高めることができる。なお、延出部35は、その内部にクッション部材31を備えるが、クッション部材31を備えずに、その内部を空洞としても良い。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第4実施形態について説明する。第4実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、当該各実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図6は、第4実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(6A)、当該放熱構造体の6面図(6B)および放熱構造体の縦断面拡大図(6C)を、それぞれ示す。なお、図6(6B)では、熱伝導性オイル33を備える前の放熱構造体45の各面を示す。
第4実施形態に係るバッテリー1cは、縦断面視にて略平行四辺形の放熱構造体45によってバッテリーセル20を支えている点で第1実施形態に係るバッテリー1と異なり、それら以外の点で共通する。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
放熱構造体45は、図6に示すように、両端面を略平行四辺形とする柱状のクッション部材31の全周囲を熱伝導シート30にて被覆し、さらにその外面に熱伝導性オイル33を備えた構造を有する。熱伝導性オイル33は、熱伝導シート30の全面に塗布されているが、バッテリーセル20の接する側の面のみ、これに加えて筐体11の底部12の内面と接する側の面に塗布されても良い。(6A)では、放熱構造体45の縦断面が描かれている。筐体11内には、4個の放熱構造体45が配置されている。各放熱構造体45は、2個のバッテリーセル20を載置している。放熱構造体45は、バッテリーセル20の重みで底部12側に若干倒れ、圧縮される。熱伝導シート30は、筐体11の底部12とバッテリーセル20の底部に面接触しているため、バッテリーセル20から底部12へと熱を伝えやすい。放熱構造体45同士は、放熱構造体45が底部12側に倒れるように圧縮されても互いに衝突しない程度の間隔Tをあけて離間配置されている。放熱構造体45は、2個のバッテリーセル20を配置しているが、1個若しくは3個以上のバッテリーセル20を載置していても良い。
放熱構造体45は、天面45a、底面45b、左右両側面45c,45d、正面45eおよび背面45fの6面全てを熱伝導シート30にて覆われている。クッション部材31は、放熱構造体45の外には露出していない。しかし、第1実施形態で説明した各種放熱構造体25のように(図2を参照)、放熱構造体45は、クッション部材31が外に露出する構造を有していても良い。
(第5実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第5実施形態について説明する。第5実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、当該各実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図7は、第5実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(7A)、同断面図中のA1部分の拡大図(7B)および同断面図中のB1部分の拡大図(7C)を、それぞれ示す。
第5実施形態に係る放熱構造体27は、バッテリー1d内のバッテリーセル20と冷却部材15との間にあって、バッテリーセル20から冷却部材15に熱を伝導させるための放熱構造体である。放熱構造体27は、筐体11の内側面とバッテリーセル20との間、バッテリーセル20,20同士の間、さらには筐体11の内底面に配置される熱伝導シート30を備える。バッテリーセル20の底部と、筐体11における底部12の内底面との間であって熱伝導シート30に部分的に囲まれた領域には、クッション部材31が配置されている。筐体11の内側面とバッテリーセル20との間における熱伝導シート30は、折り返しの無い第2延出部36である。バッテリーセル20,20同士の間に存在する熱伝導シート30は、折り返しのある延出部35である。
延出部35は、熱伝導シート30の折り返した内部に空洞Gを備える。また、延出部35の外表面、すなわちバッテリーセル20の側面に接する熱伝導シート30の外表面には、熱伝導性オイル33を備える(7Bを参照)。また、筐体11の底部12の内底面であと接する側の熱伝導シート30の表面にも熱伝導性オイル33が備えられている(7Cを参照)。7Cに示す部分への熱伝導性オイル33はオプションとしても良い。熱伝導性オイル33は、延出部35の外表面、第2延出部36の両面、熱伝導シート30のバッテリーセル20の底部と接する面にそれぞれ存在するのが好ましい。バッテリーセル20と熱伝導シート30との間に熱伝導性オイル33を存在させることによって、両者20,30間の熱抵抗を低下させ、バッテリーセル20から筐体11(特に底部12や側面)への熱伝導を促進できるからである。
(第6実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第6実施形態について説明する。第6実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、当該各実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図8は、第6実施形態に係る放熱構造体にバッテリーセルを装着する状況の斜視図及びその一部Cの拡大図をそれぞれ示す。
第6実施形態に係る放熱構造体28は、複数のブックスタンドを横に並べたような構造を有する。熱伝導シート30は、複数の延出部35を襞のように立設させた状態でバッテリー1の底部12に配置される。放熱構造体28は、前述の放熱構造体27と異なり、バッテリーセル20の底部と筐体11の底部12との間に、クッション部材31を備えずに、熱伝導シート30を挟んでいる。延出部35は、底部12側に開口する逆U字若しくは逆V字の形状を有し、その折り返された内部にクッション部材31を備える。バッテリーセル20は、延出部35同士の間に配置される。なお、複数の延出部35の一部(特に、筐体11の内壁面側の延出部35)は、クッション部材31を備えていない熱伝導シート30のみから構成されていても良い。
延出部35を含む熱伝導シート30における少なくともバッテリーセル20と接する面には、熱伝導性オイル33が塗布されている。加えて、熱伝導シート30における筐体11の底部12と接する面にも熱伝導性オイル33を塗布しても良い。これによって、両者20,30間の熱抵抗を低下させ、バッテリーセル20から筐体11(特に底部12や側面)への熱伝導を促進できる。
(第7実施形態)
次に、本発明に係る放熱構造体およびそれを備えたバッテリーの第7実施形態について説明する。第7実施形態において、前述の各実施形態と共通する部分については、当該各実施形態における説明を代用することとし、重複した説明を省略する。
図9は、第7実施形態に係る放熱構造体および当該放熱構造体を備えるバッテリーの縦断面図(9A)および当該(9A)中の熱伝導シートの断面形状を模式的に表した図(9B)をそれぞれ示す。
第7実施形態に係る放熱構造体29およびバッテリー1eは、熱伝導シート30が各バッテリーセル20を被覆する形態以外、第1実施形態に係る放熱構造体25およびバッテリー1と共通する。以下、熱伝導シート30が各バッテリーセル20を被覆する形態について、主に説明する。
図9に示すように、放熱構造体29を構成する熱伝導シート30は、各バッテリーセル20の外周囲を一周若しくは一周に近い状態で被覆している。具体的には、熱伝導シート30は、図9(9A)の右側のバッテリーセル20の下面を延出部51および延出部51から折り返された接触部位52にて被覆し、同バッテリーセル20の右側面を接触部位53にて被覆し、同バッテリーセル20の上面を接触部位54にて被覆し、同バッテリーセル20の左側面を接触部位55にて被覆している。これに連続して、熱伝導シート30は、図9(9A)の右から2番目のバッテリーセル20の下面を延出部51および延出部51から折り返された接触部位52にて被覆し、同バッテリーセル20の右側面を接触部位53にて被覆し、同バッテリーセル20の上面を接触部位54にて被覆し、同バッテリーセル20の左側面を接触部位55にて被覆している。このような被覆を、バッテリー1における図9(9A)の右側から左側に並ぶ他のバッテリーセル20に対しても同様に行う。最後に、熱伝導シート30は、図9(9A)の左側のバッテリーセル20の下面を延出部(これを「接触部位」と称することもできる)51にて被覆し、同バッテリーセル20の左側面を接触部位56にて被覆し、同バッテリーセル20の上面を接触部位57にて被覆する。このように、熱伝導シート30を図9(9B)の矢印で示す方向にバッテリーセル20の外周囲に巻いていくと、一枚の熱伝導シート30にて複数のバッテリーセル20を連続して被覆できる。上記の各接触部位51,52,53,54,55は、1個のバッテリーセル20を覆うと共にその覆う方向を反転して折り返して当該1個のバッテリーセル20とは別のバッテリーセル20を覆う部位である。上記別のバッテリーセル20は、上記1個のバッテリーセル20の隣に配置されているのが好ましいが、別の位置に配置されていても良い。
放熱構造体29を構成するクッション部材31は、バッテリーセル20の底部と、筐体11の底部12の内底面との間に配置されている。クッション部材31は、熱伝導シート30に包まれておらず、単に接触している。熱伝導シート30は、バッテリーセル20を順に巻回するようにバッテリーセル20間に配置されている。熱伝導シート30は、バッテリーセル20と接する面側に、熱伝導性オイル33を備える。これによって、熱伝導シート30とバッテリーセル20との間の熱抵抗を低下させ、バッテリーセル20から筐体11(特に側面)への熱伝導を促進できる。
(その他の実施形態)
上述のように、本発明の好適な各実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されることなく、種々変形して実施可能である。
例えば、熱源は、バッテリーセル20,20aのみならず、回路基板や電子機器本体などの熱を発する対象物を全て含む。例えば、熱源は、キャパシタおよびICチップ等の電子部品であっても良い。同様に、冷却部材15は、冷却用の水のみならず、有機溶剤、液体窒素、冷却用の気体であっても良い。また、放熱構造体25,26,27,28,29,45は、バッテリー1,1a,1b,1c,1d,1e以外の構造物、例えば、電子機器、家電、発電装置等に配置されていても良い。
また、上述の各実施形態の複数の構成要素は、互いに組み合わせ不可能な場合を除いて、自由に組み合わせ可能である。例えば、第4実施形態において、第3実施形態のような延出部35を放熱構造体45上に形成しておき、バッテリーセル20,20間に挿入しても良い。第7実施形態において、クッション部材31を熱伝導シート30にて包んで第5実施形態のようにしても良い。
本発明に係る放熱構造体は、例えば、自動車用バッテリーの他、自動車、工業用ロボット、発電装置、PC、家庭用電化製品などの各種電子機器にも利用することができる。また、本発明に係るバッテリーは、自動車用のバッテリー以外に、家庭用の充放電可能なバッテリー、PC等の電子機器用のバッテリーにも利用できる。
1,1a,1b,1c,1d,1e・・・バッテリー、11・・・筐体、12・・・底部(冷却部材の周囲の一例、冷却部材に近い側の筐体の一部の一例)、15・・・冷却部材、20,20a・・・バッテリーセル(熱源の一例)、25,26,27,28,29,45・・・放熱構造体、30・・・熱伝導シート、31・・・クッション部材、32・・・開口、33・・・熱伝導性オイル。

Claims (6)

  1. 熱源としてのバッテリーセルと冷却部材との間にあって前記バッテリーセルから前記冷却部材に熱を伝導させて前記バッテリーセルからの放熱を可能とする放熱構造体であって、
    炭素を含むシートであって、前記バッテリーセルと前記冷却部材との間に配置可能な熱伝導シートと、
    前記熱伝導シートに少なくとも部分的に包まれ若しくは接触するクッション部材と、
    前記熱伝導シートにおける少なくとも前記バッテリーセルと接触する面に備えられる熱伝導性オイルと、
    を備え
    前記放熱構造体は、完全に閉じた状態若しくは一部に開口部を有する状態の筒状の前記熱伝導シートの内側に前記クッション部材を備え、
    前記放熱構造体は、前記筒状の前記熱伝導シートから前記バッテリーセル同士の間に延出する延出部をさらに備え、
    前記延出部は、前記熱伝導シートの内側に前記クッション部材を備え、
    前記熱伝導性オイルは、前記筒状の前記熱伝導シートおよび前記延出部の外側の前記熱伝導シートの外表面に備えられている放熱構造体。
  2. 前記熱伝導性オイルは、シリコーンオイルと、前記シリコーンオイルより熱伝導性が高く、金属、セラミックスまたは炭素の1以上からなる熱伝導性フィラーとを含む請求項1に記載の放熱構造体。
  3. 前記クッション部材は、シリコーンゴムである請求項1または2に記載の放熱構造体。
  4. 前記熱伝導シートは、グラファイトのフィラーと、樹脂とを含むシートである請求項1からのいずれか1項に記載の放熱構造体。
  5. 冷却部材を接触させる筐体内に複数のバッテリーセルを備えたバッテリーであって、
    請求項1からのいずれか1項に記載の放熱構造体を備えるバッテリー。
  6. 前記放熱構造体は、前記筐体内に複数個備えられ、前記筐体内の1または2以上の前記バッテリーセルを前記放熱構造体上に載置している請求項に記載のバッテリー。
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