JP7116570B2 - 電気抵抗法を用いた密集亀裂深さ計測方法 - Google Patents

電気抵抗法を用いた密集亀裂深さ計測方法 Download PDF

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Description

本開示は、電気抵抗法を用いた密集亀裂深さ計測装置及び計測方法に関する。
従来、例えば、陸用ボイラの火炉壁管等で生じる溝状腐食亀裂の深さを非破壊で計測する方法として、デジタルX線検査(精度:±0.3mm)が用いられている。このデジタルX線検査では、X線源と検査対象物との間に空間を確保する必要がある他、X線源の位置調整や移動に時間を要するため広範囲の検査が困難であり、また、検査者以外の作業員を退室させる必要があるため他工事との並行作業ができないなど、一定の制約が生じる。
X線を用いない亀裂深さの非破壊検査法として、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測法が知られている。例えば、特許文献1には、CT試験片に流す亀裂長さ測定電流を1秒以上の間欠通電とし、該間欠通電に基づくCT試験片の電気抵抗値から亀裂深さを求める方法が開示されている。また、特許文献2には、複数の接触針を持つプローブと、同接触針のうち所定の接触針に繋がれる電源を持つ本体とに、それぞれ表示照明手段を設けて通電状態を確認できるようにした亀裂深さ測定器が開示されている。
特開平4-194741号公報 実開平4-43256号公報
しかし、上記特許文献1及び特許文献2の何れにも、亀裂深さの計測に際して亀裂の長さや端子間に混入する亀裂の個数の影響を考慮することについて何ら開示されていない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、亀裂の長さや個数による測定精度への影響を考慮して亀裂深さを測定できる計測方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る計測方法は、
電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測方法であって、
部材表面に生じる亀裂の長さ又は個数の少なくとも一方と、前記亀裂の長さ方向に直交する方向における前記亀裂の一方側及び他方側間の電位差と、前記亀裂の深さとの相関を示す評価式に、評価対象物における前記亀裂の長さ又は個数の少なくとも一方の測定値と前記電位差の測定値とを当てはめて前記亀裂の深さを求めるステップを備える。
本発明者らによる鋭意研究により、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測においては、亀裂の長さや個数によって測定誤差が生じ得ることが明らかになった。すなわち、亀裂の長さが短い場合は亀裂の側方を迂回する電流の経路が生じて電気抵抗値が低く観測され、また、電源電圧の入出力端子や測定端子間に存在する亀裂の個数が増加すると深さを過少評価する傾向にあり、測定精度に影響が生じ得る。よって、この測定誤差を低減するには亀裂の長さや個数を考慮することが有効であるという知見が得られたものである。
上記(1)の方法によれば、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測において、測定精度に影響を与え得る亀裂の長さ又は個数の少なくとも一方による影響を考慮して亀裂深さを測定することができるので、測定誤差を低減して亀裂深さを高精度に測定することができる。また、亀裂深さの計測に、例えばX線等の放射線を用いる必要がなく、亀裂深さの検査を他の作業と並行して行うことができるので、作業効率を大幅に向上させることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の方法において、
測定対象の前記亀裂の長さ又は個数を計測するステップと、
測定対象の前記亀裂における前記一方側及び前記他方側にそれぞれ一対の測定端子を配置して、前記亀裂の前記一方側及び前記他方側間の前記電位差を計測するステップと、
をさらに備え、
前記亀裂の深さを求めるステップでは、前記亀裂の長さ又は個数を計測するステップで得られた測定値と、前記電位差を計測するステップで得られた測定値とを前記評価式に当てはめることで前記亀裂の深さを求めてもよい。
上記(2)の方法によれば、評価式に、測定対象の亀裂の長さの実測値と、該亀裂の一方側及び他方側間の電位差の実測値とを当てはめることにより、測定対象の亀裂の深さを高精度に求めることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の方法において、
前記電位差を計測するステップでは、前記一対の測定端子間に前記亀裂が1つのみ配置されるようにして前記測定端子をそれぞれ配置してもよい。
亀裂を挟んで両側の電位差を測定する測定端子間に測定対象以外の亀裂が存在する場合、電気抵抗が増加するため、計測される電位差が増加する傾向にある。
この点、上記(3)の方法によれば、測定端子間には測定対象の亀裂が1つのみ配置されるので、他の亀裂の存在による電位差の増加すなわち誤差を抑制して高精度に電位差を計測することができる。そして、計測された電位差に基づき、亀裂の深さを高精度に求めることができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載の方法において、
前記測定端子は、入力端子と該入力端子に電源を介して接続された出力端子との対に対して、前記亀裂の前記長さ方向においてずれた位置に並んで配置してもよい。
電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測において、電圧の入力端子又は出力端子と測定端子との間に測定対象以外の亀裂が存在すると、測定端子間に流れる電流が減少するため、測定端子間の電位差が低下する傾向にあり、測定精度が低下する可能性があり得る。
この点、上記(4)の方法によれば、測定対象の亀裂の一方側と他方側とにそれぞれ配置される入力端子及び出力端子と、電位差測定用の測定端子とが、亀裂の長さ方向においてずれた位置に並んで配置されるから、入力端子又は出力端子と測定端子との間に余計な亀裂が介在する可能性を極力排除することができる。従って、測定誤差を低減して、亀裂の両側の電位差延いては亀裂の深さをより高精度に求めることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載の方法において、
前記測定端子は、入力端子と該入力端子に電源を介して接続された出力端子との対の間において、前記入力端子と出力端子とを結ぶ線上に配置されてもよい。
上記(5)の方法によれば、電圧の入力端子及び出力端子と、電位差測定用の測定端子とが直線状に配置される。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れか一つに記載の方法において、
前記評価式は、前記測定端子間に存在する亀裂の数毎に作成されてもよい。
電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定において、測定端子間で計測される電位差は該測定端子間に存在する亀裂の数に影響される。すなわち、測定端子間に存在する亀裂の数が異なれば異なる評価式が必要とされ、亀裂数を考慮しない測定では誤差が大きくなる。
この点、上記(6)の方法によれば、測定端子間に存在する亀裂数毎に評価式が作成されるので、測定対象の亀裂の数に応じた評価式を用いることで測定対象の亀裂の深さを高精度に求めることができる。また、上記(6)の方法は、例えば、電圧の入力端子及び出力端子の対と測定端子対とが直線状に配置される場合など、端子間距離が比較的離れて該端子間に複数の亀裂が介在し得る場合に、測定誤差を低減するために特に有効である。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか一つに記載の方法において、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測方法は、
測定対象の前記亀裂の周辺の外表面をクリーニングする表面処理ステップをさらに備えていてもよい。
上記(7)の方法によれば、表面処理ステップにおいて、電位差測定に悪影響を及ぼす恐れのある部材表面の汚れを落とすことができる。よって、測定誤差を抑制して亀裂の両側の電位差、延いては、測定対象の亀裂の深さをより高精度に測定することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れか一つに記載の方法において、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測方法は、
校正試験片を用いた電位差計測により前記評価式を予め求めるステップをさらに備えていてもよい。
上記(8)の方法によれば、校正試験片を用いた電位差計測により、測定対象の亀裂が生じる部材と同材の試験片に形成した亀裂に基づき、該亀裂の長さ又は個数と、該亀裂の一方側及び他方側間の電位差と、該亀裂の深さとの相関を示す評価式を予め取得することができる。こうして得られた評価式に、測定対象とする亀裂の長さ又は個数と、該亀裂の一方側及び他方側間の電位差とを当てはめることにより、測定対象の亀裂の深さを高精度に求めることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(3)の方法において、
前記評価対象物は火炉壁配管を含んでもよい。
上記(9)の方法によれば、電気抵抗法を用いて、火炉壁配管の表面に生じた亀裂の深さを高精度に求めることができる。従って、亀裂深さの計測に、例えばX線等の放射線を用いた測定装置を用いる必要がなく、亀裂深さの検査を他の作業と並行して行うことができるので、作業効率を大幅に向上させることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、亀裂の長さや個数による測定精度への影響を考慮して亀裂深さを測定できる計測方法が提供される。
本発明の一実施形態に係る亀裂深さの計測方法を示すフローチャートである。 電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定原理を説明するための概略図である。 電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定原理を説明するための概略図であり、(a)は亀裂14の上方からみた平面図、(b)は亀裂の長さL1方向からみた図を示す。 図2と同様の図であり、図2よりも亀裂長さが短い場合を示す。 図3と同様の図であり、図3よりも亀裂長さが短い場合を示す。 入力端子、出力端子及び測定端子対を直列に配置して電位差を測定する状態を示す斜視図である。 入力端子、出力端子及び測定端子対を直列に配置して電位差を測定する状態を示し、(a)は測定端子間に亀裂が1個、(b)は測定端子間に亀裂が2個、(c)は測定端子間及び測定端子と入力端子との間にそれぞれ亀裂が1個存在する状態を示す。 入力端子と出力端子及び測定端子対を並列に配置して電位差を測定する状態を示す斜視図である。 入力端子と出力端子及び測定端子対を並列に配置して電位差を測定する状態を示し、(a)は測定端子間に亀裂が1個、(b)は測定端子間に亀裂が2個、(c)は測定端子間及び測定端子対の外側にそれぞれ亀裂が1個存在する状態を示す。 本発明の一実施形態に係る亀裂深さの計測方法による亀裂深さの推定値と実測値との関係を示す図である。 測定端子間に含まれる亀裂の数と電位差との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る亀裂深さの計測方法を示すフローチャートである。
図1に示したように、本発明の少なくとも一実施形態に係る計測方法は、電気抵抗法を用いた亀裂14の深さ(以下、亀裂深さDともいう)の計測方法であって、部材表面12に生じる亀裂14の長さ(以下、亀裂長さLともいう)又は個数の少なくとも一方と、亀裂14の長さ方向に直交する方向における該亀裂14の一方側及び他方側間の電位差Vと、亀裂14の深さDとの相関を示す評価式に、評価対象物10における亀裂14の長さ又は個数の少なくとも一方の測定値と電位差の測定値とを当てはめて亀裂14の深さを求めるステップS5を備えている。
まず、電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定原理について説明する。なお、当該原理については従来周知であるためその細部については詳述せず、本発明に関する点のみ説明する。
図2、電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定原理を説明するための概略図であり、亀裂14の長さL1方向に直交する方向からみた図である。図3は、電気抵抗法を用いた亀裂深さの測定原理を説明するための概略図であり、(a)は亀裂14の上方からみた平面図、(b)は亀裂の長さL1方向からみた図である。なお、図2では、亀裂14の深さD1を評価する対象である評価対象物10として、例えば、管軸方向Aからみた配管の一部を示している。
図2及び図3に示すように、例えば、管軸方向Aと直交する方向に生じた亀裂14の深さを求める場合、管軸方向Aにおいて該亀裂14の一方側にあたる評価対象物10の部材表面12に電源電圧の入力端子2を、亀裂14の他方側の部材表面12に電源電圧の出力端子4をそれぞれ当接させる。そして、入力端子2及び出力端子4間に電圧を印加すると、亀裂14の下方を通るルートで入力端子2から出力端子4に一定の電流が流れる(例えば、図3(b)参照)。そして、電位差計8にそれぞれ接続された測定端子対6,6を上記亀裂14の一方側と他方側とにそれぞれ当接させることにより、亀裂14の両側(上記一方側及び他方側)の電位差が電位差計8で計測される。この電位差と亀裂14とは直線関係で表わされるため、上記の電位差を計測することで亀裂14の深さが求められるものである。
ここで、本発明者らによる鋭意研究により、電気抵抗法を用いた亀裂14の深さの計測においては、亀裂14の長さや個数によって測定誤差が生じ得ることが明らかになった。
図4は図2と同様の図であり、図2に示す亀裂長さL1よりも亀裂の長さL2が短い場合(L1>L2)を示す。図5は図3と同様の図であり、図3に示す亀裂長さL1よりもよりも亀裂の長さL2が短い場合を示す。
図4及び図5に示すように、亀裂14の長さLが短い場合、該亀裂14の側方を迂回する電流の経路(例えば、図5(a)及び図5(b)参照)が生じて電位差すなわち電気抵抗値が低く観測される(R=V/I)。したがって、亀裂長さLを考慮せずに、電位差計8で計測された電位差のみに基づき亀裂深さDを推定した場合は、亀裂深さDの実測値との測定誤差の割合が大きくなる。一方、電位差計8で計測された電位差に亀裂長さLを考慮して亀裂深さDを推定した場合は誤差の割合が大幅に低減され亀裂深さDの実測値との測定誤差が、例えば、デジタルX線検査と同程度である±0.3mmの範囲内に概ね収まることが明らかとなったものである(例えば、図10参照)。
図6は、入力端子、出力端子及び測定端子対を直列に配置して電位差を測定する状態を示す斜視図である。図7は、入力端子、出力端子及び測定端子対を直列に配置して電位差を測定する状態を示し、(a)は測定端子間に亀裂が1個、(b)は測定端子間に亀裂が2個、(c)は測定端子間及び測定端子と入力端子との間にそれぞれ亀裂が1個存在する状態を示す。
図6及び図7に示すように、電源電圧の入出力端子2,4や測定端子6,6間に存在する亀裂14の個数が増加すると(例えば、図7(a)及び図7(b)参照)、電気抵抗が増加するため電位差計8で計測される電位差が増加する。このため、亀裂深さDの測定精度に影響が生じ得る(例えば、図11参照)。
従って、上記のような測定誤差を低減するには亀裂14の長さLや個数を考慮することが有効であるという知見が得られたものである。
なお、亀裂14の長さL又は個数の少なくとも一方と、亀裂14の長さ方向に直交する方向における該亀裂14の一方側及び他方側間の電位差Vと、亀裂14の深さDとの相関を示す評価式は、亀裂14の長さや測定端子対6,6の間に含まれる亀裂14の個数、或いは、評価対象物10として用いる材料等に応じて、予め測定することで取得してもよい。
上記の方法によれば、電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測において、測定精度に与える亀裂14の長さL又は個数の少なくとも一方による影響を考慮して亀裂深さDを測定することができるので、測定誤差を低減して亀裂深さDを高精度に測定することができる。また、亀裂深さDの計測に、例えばX線等の放射線を用いる必要がなく、亀裂深さDの検査を他の作業と並行して行うことができるので、作業効率を大幅に向上させることができる。
幾つかの実施形態において、電気抵抗法を用いた亀裂14の深さの計測方法は、例えば、図1に示すように、測定対象の亀裂14の長さ又は個数を計測するステップS3と、測定対象の前記亀裂における一方側及び他方側にそれぞれ一対の測定端子を配置して、亀裂の一方側及び他方側間の電位差Vを計測するステップS4と、をさらに備えていてもよい。
ステップS3では、例えば、ノギス(不図示)等の物差しを用いて亀裂長さLを計測してもよく、目視によって亀裂14の個数を計数してもよい。また、例えば、部材表面12に照射したレーザー光の散乱に基づき亀裂14の長さや個数を計測するようにしてもよい。
ステップS4では、例えば、上記のような電位差計8を用いて亀裂14の両側の電位差Vを計測してもよい。入力端子2、出力端子4及び測定端子6,6は、例えば、キャリア24に搭載された可搬型のプローブとして設けられていてもよい。なお、測定端子対6,6の中央位置は、入出力端子対2,4の中央位置を通る亀裂長さ方向に沿う線から、入出力端子対2,4を結ぶ方向において、例えば、±10%の位置に配置されるように構成されてもよい。また、測定端子6,6間の距離は、入出力端子対2,4間の距離の、例えば、0.7~1.5倍であってもよい。
そして、亀裂14の深さDを求めるステップS5では、亀裂14の長さL又は個数を計測するステップS3で得られた測定値と、電位差Vを計測するステップS4で得られた測定値とを評価式に当てはめることで亀裂14の深さDを求めてもよい。このようにすれば、評価式に、測定対象の亀裂14の長さLの実測値と、該亀裂14の一方側及び他方側間の電位差Vの実測値とを当てはめることにより、測定対象の亀裂14の深さを高精度に求めることができる。
幾つかの実施形態において、電位差Vを計測するステップS4では、例えば、図6、図7(a)、図8及び図9(a)に示すように、一対の測定端子6間に亀裂14が1つのみ配置されるようにして測定端子6をそれぞれ配置してもよい。
亀裂14を挟んで両側の電位差を測定する測定端子6間に測定対象以外の亀裂14が存在する場合、電気抵抗が増加するため、計測される電位差が増加する傾向にある。
この点、上記の方法によれば、測定端子対6,6間には測定対象の亀裂14が1つのみ配置されるので、他の亀裂14の存在による電位差の増加すなわち誤差を抑制して高精度に電位差Vを計測することができる。そして、計測された電位差Vに基づき、亀裂14の深さDを高精度に求めることができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図8及び図9に示すように、測定端子6を、入力端子2と該入力端子2に電源16を介して接続された出力端子4との対に対して、亀裂14の長さ方向においてずれた位置に並んで配置してもよい。
電気抵抗法を用いた亀裂深さDの計測において、電圧の入力端子2又は出力端子4と測定端子6との間に測定対象以外の亀裂14が存在すると、測定端子6間に流れる電流が減少するため、測定端子6間の電位差が低下する傾向にあり、測定精度が低下する可能性があり得る。
この点、上記の方法によれば、測定対象の亀裂14の一方側と他方側とにそれぞれ配置される入力端子2及び出力端子4と、電位差測定用の測定端子6とが、亀裂14の長さ方向においてずれた位置に並んで配置(即ち、並列配置)されるから、入力端子2又は出力端子4と測定端子6との間に余計な亀裂14が介在する可能性を極力排除することができる。従って、測定誤差を低減して、亀裂14の両側の電位差V延いては亀裂14の深さDをより高精度に求めることができる。
幾つかの実施形態では、例えば、図6及び図7に示すように、測定端子6を、入力端子2と該入力端子2に電源16を介して接続された出力端子4との対の間において、入力端子2と出力端子4とを結ぶ線上に配置してもよい。このようにすれば、電圧の入力端子2及び出力端子4と、電位差測定用の測定端子6とが直線状に配置(即ち、直列配置)される。
幾つかの実施形態において、電気抵抗法を用いた亀裂深さDの計測方法は、例えば、図1に示すように、測定対象の亀裂14の周辺の外表面(部材表面12)をクリーニングする表面処理ステップS2をさらに備えていてもよい。このようにすれば、電位差Vの測定に悪影響を及ぼす恐れのある部材表面12の汚れを表面処理ステップS2において落とすことができる。よって、測定誤差を抑制して亀裂14の両側の電位差V、延いては、測定対象の亀裂14の深さDをより高精度に測定することができる。
幾つかの実施形態において、電気抵抗法を用いた亀裂深さDの計測方法は、例えば、図1に示すように、校正試験片(不図示)を用いた電位差計測により評価式を予め求めるステップS1をさらに備えていてもよい。このようにすれば、校正試験片を用いた電位差計測により、測定対象の亀裂14が生じる部材(評価対象物10)と同材の校正試験片に形成した亀裂14に基づき、該亀裂14の長さL又は個数と、該亀裂14の一方側及び他方側間の電位差Vと、該亀裂14の深さとの相関を示す評価式を予め取得することができる。こうして得られた評価式に、測定対象とする亀裂14の長さ又は個数と、該亀裂14の一方側及び他方側間の電位差とを当てはめることにより、測定対象の亀裂14の深さを高精度に求めることができる。
幾つかの実施形態では、評価式を、測定端子6間に存在する亀裂14の数毎に作成してもよい(例えば、図11参照)。
上述したように、電気抵抗法を用いた亀裂深さDの測定において、測定端子6間で計測される電位差Vは該測定端子6間に存在する亀裂14の数に影響される。すなわち、測定端子6間に存在する亀裂14の数が異なれば異なる評価式が必要とされ、亀裂数を考慮しない測定では誤差が大きくなる。
この点、上記の方法によれば、測定端子6間に存在する亀裂14の数毎に評価式が作成されるので、測定対象の亀裂14の数に応じた評価式を用いることで測定対象の亀裂14の深さDを高精度に求めることができる。また、上記の方法は、例えば、電圧の入力端子2及び出力端子4の対と測定端子対6,6とが直線状に配置される場合など、端子間距離が比較的離れて該端子間に複数の亀裂14が介在し得る場合に、測定誤差を低減するために特に有効である。
幾つかの実施形態では、評価対象物10は火炉壁管10Aを含んでもよい(例えば、図2参照)。このようにすれば、電気抵抗法を用いて、火炉壁管10Aの表面に生じた亀裂14の深さDを高精度に求めることができる。従って、亀裂深さDの計測に、例えばX線等の放射線を用いた測定装置を用いる必要がなく、亀裂深さDの検査を他の作業と並行して行うことができるので、作業効率を大幅に向上させることができる。
以上述べた構成によれば、亀裂の長さLや個数による測定精度への影響を考慮して亀裂深さDを測定できる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 計測装置(亀裂深さ計測装置)
2 入力端子
4 出力端子
6 測定端子(測定端子対)
8 電位差計
10 評価対象物(配管/火炉壁管)
12 部材表面
14 亀裂
16 電源
24 キャリア
A 管軸方向

Claims (9)

  1. 電気抵抗法を用いた亀裂深さの計測方法であって、
    評価対象物の部材表面に生じる亀裂の長さ方向に直交する方向における前記亀裂の一方側及び他方側にそれぞれ一対の測定端子を配置するステップと、
    前記一対の測定端子間の電位差を計測するステップと、
    前記部材表面に生じる亀裂の長さ又は個数の少なくとも一方と、前記電位差と、前記亀裂の深さとの相関を示す評価式に、前記評価対象物における前記一対の測定端子間にある前記亀裂の長さ又は個数の少なくとも一方の測定値と前記電位差の測定値とを当てはめて前記亀裂の深さを求めるステップと
    を備え、
    前記一対の測定端子は、入力端子と該入力端子に電源を介して接続された出力端子との対に対して、前記亀裂からの距離が等しく、且つ、前記亀裂の前記長さ方向においてずれた位置に並んで配置されることを特徴とする計測方法。
  2. 前記一対の測定端子の中央位置は、前記入力端子及び前記出力端子の対の中央位置を通る前記亀裂の長さ方向に沿う線から、前記入力端子及び前記出力端子の対を結ぶ方向において±10%の位置に配置されるように構成される、請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記一対の測定端子間の距離は、前記入力端子及び前記出力端子の対の間の距離の0.7~1.5倍である、請求項2に記載の計測方法。
  4. 測定対象の前記亀裂の長さ又は個数を計測するステップと、
    前記一対の測定端子間の前記電位差を計測するステップと、
    をさらに備え、
    前記亀裂の深さを求めるステップでは、前記亀裂の長さ又は個数を計測するステップで得られた測定値と、前記電位差を計測するステップで得られた測定値とを前記評価式に当てはめることで前記亀裂の深さを求める
    ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の計測方法。
  5. 前記電位差を計測するステップでは、前記一対の測定端子間に前記亀裂が1つのみ配置されるようにして前記測定端子をそれぞれ配置する
    ことを特徴とする請求項に記載の計測方法。
  6. 前記評価式は、前記測定端子間に存在する亀裂の数毎に作成される
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の計測方法。
  7. 測定対象の前記亀裂の周辺の外表面をクリーニングする表面処理ステップをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の計測方法。
  8. 校正試験片を用いた電位差計測により前記評価式を予め求めるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の計測方法。
  9. 前記評価対象物は火炉壁管を含む
    ことを特徴とする請求項3に記載の計測方法。
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