以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、第1実施形態の着座装置10は、図1,2に示すように、車両1のインストルメントパネル(インパネともいう)2の後方のフロア3上に搭載され、着座状態の乗員OPの上半身UBと下半身LBとを支持可能に、少なくとも背もたれ部12と座部20とを有して構成されている。背もたれ部12の背本体部14の上端には、ヘッドレスト16が配設されている。また、背もたれ部12は、図5に示すように立ち上った状態や、図1に示すような後傾させる状態等と、適宜、角度調整できるように、構成されている。なお、図5に示す背もたれ部12の角度で着座する乗員OPは、通常姿勢の着座状態となり、図1に示す背もたれ部12の角度で着座する乗員OPは、安楽姿勢の着座状態となる。また、乗員OPは、安楽姿勢や通常姿勢に拘らず、通常、シートベルト5を装着して着座しており、バックル9に組み付けるためのタングプレート8から延びるショルダーストラップ6が、上半身UBの前方に配置され、タングプレート8から延びるラップストラップ7が、腰部Wの前方に配設されている。
座部20の前部には、座本体部22から下方に延びるように足載せ部27が配設されている。足載せ部27は、座本体部22の前端に設けられた軸支部28により、図1,5に示すように、座本体部22からの角度を、略水平方向に接近させたり、略鉛直方向に沿わせるように、調整可能に配設されている。換言すれば、足載せ部27は、図1に示すように、ゆったり寝るような安楽姿勢の乗員OPの着座状態に応じて、膝部Kと脛部Sとを含む下腿部LLを支持でき、また、図5に示すように、通常姿勢の乗員OPの下腿部LLの後面側に配置されるように、設定されている。
第1実施形態の着座装置10では、座部20側に配設された収納位置から繰り出されて、前進移動しようとする乗員の下半身LBの部位を受け止める受止部として、乗員OPの腰部Wを受け止める腰受止部としてのエアバッグ33(L,R)と、乗員OPの下腿部LLを受け止める下腿受止部としてのエアバッグ38(L,R)と、を備えて構成されている。すなわち、第1実施形態の着座装置10では、腰受止部としてのエアバッグ33(L,R)を有した腰受止装置31と、下腿受止部としてのエアバッグ38(L,R)を有した下腿受止装置36と、の二種類の受止部を有した乗員受止装置30、を備えている。
なお、乗員受止装置30の腰受止装置31と下腿受止装置36とは、車両1のフロアバンパ等に設置された衝突検知センサからの信号を入力した図示しない制御装置が、乗員OPが前方移動するような車両1の衝突を検知すると、作動されるように構成されている。
腰受止装置31は、図1~3に示すように、座部20の座本体部22の左右の側面22aを収納位置FP1として、腰受止部としてのエアバッグ33(L,R)と、各エアバッグ33(L,R)に膨張用ガスGを供給するガス発生源としてのインフレーター32と、を配設させて構成されている。エアバッグ33L,33Rは、それぞれ、インフレーター32を収納して座本体部22の収納位置FP1側に固定される基部33aと、腰部Wを受け止める受止本体部33bと、を備えて構成されている。基部33aは、エアバッグ33(L,R)がインフレーター32からの膨張用ガスGを流入させて膨張すると、座本体部22の左右の側面22aの収納位置FP1側から左右方向の外方に延びた後、上方に延びるように構成され、その上端33aaから、略直方体形状の受止本体部33bを、座本体部22の上面側の左右方向の中央側に延ばす構成としている。各受止本体部33bは、エアバッグ33L,33Rの膨張完了時、それぞれ、乗員OPの腰部Wの前方の左右片側ずつに、後面33cを配置させて、それらの後面33cを、前進移動しようとする腰部Wを受け止める受止面としている。なお、エアバッグ33の基部33aから受止本体部33bにかけての屈曲部位は、内周壁側と外周壁側とを連結する複数のテザー33d,33d間の内周側の距離より外周側の距離を長くする等すれば、容易に形成できる。
下腿受止装置36は、図1,2,4に示すように、足載せ部27の左右の側面27a側を収納位置FP2として、下腿受止部としてのエアバッグ38(L,R)と、各エアバッグ38(L,R)に膨張用ガスGを供給するガス発生源としてのインフレーター37と、を配設させて構成されている。エアバッグ38L,38Rは、それぞれ、インフレーター37を収納して足載せ部27の収納位置FP2側に固定される基部38aと、下腿部LLを受け止める受止本体部38bと、を備えて構成されている。基部38aは、エアバッグ38(L,R)がインフレーター37からの膨張用ガスGを流入させて膨張すると、足載せ部27の左右の側面27aの収納位置FP2側から左右方向の外方に延びた後、上方に延びるように構成され、それらの上端38aaから、略長方形板状の受止本体部38bを、足載せ部27の上面側の左右方向の中央側に延ばす構成としている。各受止本体部38bは、エアバッグ38の膨張完了時、乗員OPの下腿部LLの前方(斜め上前方)に、下面38cを配置させて、それらの下面38cを、前進移動しようとする下腿部LLを受け止める受止面としている。なお、エアバッグ38の基部38aから受止本体部38bにかけての屈曲部位は、エアバッグ33と同様に、テザー38d,38d間の内周側の距離より外周側の距離を長くすれば、容易に形成できる。
第1実施形態の着座装置10では、車両1が乗員OPを前進移動させるような前面衝突等すれば、図示しない制御装置が、乗員受止装置30の腰受止装置31と下腿受止装置36とのインフレーター32,37を作動させる。そのため、乗員受止装置30の受止部としてのエアバッグ33(L,R),38(L,R)が、インフレーター32,37から供給される膨張用ガスGにより、膨張し、折り畳まれたエアバッグ33(L,R),38(L,R)を覆っていたカバー34,39を押し開いて、座部20側の収納位置FP1,FP2から繰り出され、前進移動しようとする乗員OPの下半身LBの部位(腰部Wや下腿部LL)の前方側に配置されて、乗員OPの下半身LBの部位(腰部Wや下腿部LL)を受け止めることとなる。すなわち、車両1の衝突時、受止部としてのエアバッグ33(L,R),38(L,R)が、前進移動しようとする乗員OPの下半身LBの部位(腰部Wや下腿部LL)を受け止めて、乗員OPが座部20の上面20a上を前進移動するようなサブマリン現象を、抑制でき、乗員OPを的確に保護することができる。特に、受止部としてのエアバッグ33,38は、乗員OPの上半身UBで無く、前進移動しようとする下半身LBの部位を受け止めることから、乗員OPが、図1,2に示すように、背もたれ部12を後傾させて着座した安楽姿勢としていても、乗員OPの下半身LBの部位の前進移動が規制されて、的確に、サブマリン現象を抑制できる。勿論、乗員OPが、図5に示すように、背もたれ部12を後傾させていない状態で着座する通常姿勢であっても、受止部としてのエアバッグ33,38が、図5の二点鎖線に示すように、乗員OPの下半身LBの部位(腰部Wや下腿部LL)の前方側に配置されて、前進移動しようとする乗員OPを受け止めることができて、的確に、乗員OPのサブマリン現象を抑制できる。また、着座装置10の前方の車体側部位に配設される膝保護エアバッグ装置等と相違して、着座装置10の座部20側に受止部33,38が配設されることから、着座装置10自体が、着座装置10の前方の車体側部位から大きく離れた後方側に配置されていても、的確に、乗員OPを受け止めて保護することができる。
したがって、実施形態の着座装置10では、着座する乗員OPが通常姿勢のみならず、安楽姿勢となっていても、車両1の衝突時、的確に乗員OPを保護できる。
詳しくは、第1実施形態の着座装置10における腰受止装置31では、作動時、図1の二点鎖線、図2の実線、図3の実線に示すように、受止部としてのエアバッグ33(L,R)が、乗員OPの腰部Wを受け止める腰受止部として構成されるとともに、座部20の左右の側面22a側に設けられた収納位置FP1,FP1から、乗員OPの腰部Wの前方に、詳しくは、エアバッグ33Lが腰部Wの左側の部位WLの前方に、エアバッグ33Rが腰部Wの右側の部位WRの前方に、繰り出すように、配設されている。
そのため、この着座装置10の腰受止装置31では、作動時、腰受止部としてのエアバッグ33L,33Rが、座部20の左右の側面22a側の収納位置FP1,FP1から繰り出されて、前進移動しようとする乗員OPの腰部Wを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
なお、この腰受止装置31では、腰部Wの左右の部位WL,WRの前方側で膨張する二つのエアバッグ33L,33Rにより、腰部Wを受け止めるように構成したが、図3の二点鎖線に示すように、左右の収納位置FP1の片側から、一つの腰受止部としてのエアバッグ33Cを膨張させて、一つのエアバッグ33Cにより、腰部Wの左右の部位WL,WRの前方側を覆うように構成してもよい。
また、第1実施形態の着座装置10における下腿受止装置36では、座部20が、下部側に足載せ部27を設けて構成されており、受止部としてのエアバッグ38(L,R)が、乗員OPの下腿部LLを受け止める下腿受止部として構成されるとともに、足載せ部27に設けた収納位置FP2,FP2から、乗員OPの下腿部LLの前方に、詳しくは、エアバッグ38Lが下腿部LLの左側の部位LLLの前方に、エアバッグ38Rが下腿部LLの右側の部位LLRの前方に、繰り出すように、配設されている。
そのため、この下腿受止装置36では、作動時、下腿受止部としてのエアバッグ38L,38Rが、足載せ部27の収納位置FP2,FP2から乗員OPの下腿部LLの前方に繰り出されて、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
この下腿受止装置36の場合、下腿受止部としてのエアバッグ38L,38Rは、足載せ部27の左右の側面27a,27a側に設けられた収納位置FP2,FP2から乗員OPの下腿部LLの前方に繰り出すように、配設されているが、図6に示す下腿受止装置41のように、足載せ部27の上面27b側における左右方向の中央付近に設けられた収納位置FP3から乗員OPの下腿部LLの前方に繰り出すように、下肢受止部としてのエアバッグ43を配設させてもよい。
この下腿受止装置41は、足載せ部27の上面27b側における左右方向の中央付近に設けられた収納位置FP3に、下肢受止部としてのエアバッグ43と、エアバッグ43に膨張用ガスGを供給するガス発生源のインフレーター42と、を収納させている。エアバッグ43は、インフレーター42を収納して収納位置FP3側に固定される基部43aと、膨張完了時の収納位置FP3から上方に突出した基部43aの上端43aaから左右に分岐して、下腿部LLの左右の部位LLL,LLRの前方(斜め前上方向)に配置される受止本体部43b(L,R)と、から構成されている。エアバッグ43の屈曲形状は、エアバッグ33,38と同様に、テザー43d,43d間の距離を調整して確保している。
そのため、この下腿受止装置41では、作動時、下腿受止部としてのエアバッグ43の受止本体部43bL,43bRが、足載せ部27の左右方向の中央の収納位置FP3から乗員OPの下腿部LLの左右の部位LLL,LLRの前方に繰り出されて、受止本体部43bL,43bRの下面43cを受止面として、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLの左右の部位LLL,LLRを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
また、下腿部LLを受け止める受止部としては、図7に示す下腿受止装置46のように、足載せ部27の左右方向の一方の側面27aを、収納位置FP4として、エアバッグ48とガス発生源としてのインフレーター47とを配設してもよい。このエアバッグ48は、インフレーター47からの膨張用ガスGが供給されると、収納位置FP4側の基部48aが左右方向の外方に突出して上方に延び、上端48aaから、下腿部LLの左右両側の部位LLL,LLRの前方を覆うように、受止本体部48bが延び、下面48cを受止面として、前進移動しようとする下腿部LLを受け止めて、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護する。なお、このエアバッグ48の屈曲形状も、エアバッグ33,38と同様に、テザー48d,48d間の距離を調整して確保している。
さらに、下腿部LLを受け止める下腿受止装置としては、図8に示す下腿受止装置51のように、足載せ部27の左右両側の側面27aと、足載せ部27の上面27bの左右方向の中央から、下腿部LLの受止部としてのエアバッグ53(L,R)とエアバッグ54とを突出させて、協働して、前進移動しようとする下腿部LLを受け止めるように構成してもよい。この下腿受止装置51は、エアバッグ53L,53Rが、膨張用ガスGを供給するガス発生源としてのインフレーター52Aとともに、足載せ部27の左右の側面27a側の収納位置FP5,FP5にそれぞれ収納され、エアバッグ54が、ガス発生源としてのインフレーター52Bとともに、足載せ部27の左右方向の中央側の収納位置FP6に収納されている。エアバッグ53L,53Rは、膨張時、収納位置FR5側から基部53aが、外方に延びてさらに上方に延び、受止本体部53b,53bが、それらの上端53aaから足載せ部27の上面27b側の左右方向の中央側に延びて、下腿部LLの左右の部位LLL,LLRの前方に配置される。また、エアバッグ54は、膨張時、収納位置FR6側から、基部54aが上方に延び、その上端54aaから、受止本体部54bL,54bRが、左右両側に延びて、下腿部LLの左右の部位LLL,LLRの前方に配置される。そのため、この下腿受止装置51では、作動時、エアバッグ53Lの受止本体部53bとエアバッグ54の受止本体部54bLとの下面53c,54cが、受止面として、下腿部LLの左側の部位LLLを受け止め、エアバッグ53Rの受止本体部53bとエアバッグ54の受止本体部54bRとの下面53c,54cが、受止面として、下腿部LLの右側の部位LLRを受け止めることとなり、すなわち、エアバッグ53,54の受止本体部53b,54bが、前進移動しようとする下腿部LLを受け止めて、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護できることとなる。
図9~11に示す第2実施形態の着座装置10Aは、第1実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Aは、座部20が、座本体部22の左右両側にアームレスト部23(L,R)を配設させるとともに、乗員受止装置30Aとして、大腿受止装置56と持ち上げ機構101とを備えて構成されている。
大腿受止装置56は、左右のアームレスト部23L,23Rの乗員OP側の側面23a側に、大腿受止部としてのエアバッグ58(L,R)とガス発生源としてのインフレーター57とを収納する収納位置FP7,FP7を配設させている。エアバッグ58(L,R)は、インフレーター57を収納してアームレスト部23(L,R)に固定される基部58aと、膨張時に基部58aから座本体部22の左右方向の中央に延びて、乗員OPの大腿部ULの左右の部位ULL,ULRの上方に配置される受止本体部58bと、を備えて構成され、受止本体部58bの下面を、大腿部ULを受け止める受止面58cとしている。
持ち上げ機構101は、座本体部22の上面22bにおける最も低い最深部22cの前方側における座本体部22内に、配設されて、左右二つのアクチュエータ102と、持ち上げヘッド103と、ガイドレール105と、を備えて構成されている。最深部22cは、乗員OPが着座した際の臀部Bを収納する場所となり、背もたれ部12に近い部位に配設されている。
左右のアクチュエータ102は、マイクロガスジェネレータ(MGG)からなり、作動信号が入力されると、駆動ロッド102aを後方へ延ばすように作動される。駆動ロッド102aは、後端を、左右方向に延びた棒状の持ち上げヘッド103に、接続させている。ガイドレール105は、座本体部22内の左右両側に前後方向に沿って配設されて、前後方向に延びる案内孔105aを備えている。案内孔105aには、持ち上げヘッド103の左右両側に配設されたガイドピン104が、嵌挿されている。持ち上げヘッド103は、駆動ロッド102aの後方への伸長時、ガイドピン104を案内孔105aに摺動させて、後方移動し、最深部22cの前側部22dを上方へ持ち上げることとなる。この前側部22dの上昇により、乗員OPの臀部Bが前進移動しようとしても、持ち上げヘッド103により、下方への落ち込みを防止された状態として持ち上げられた前側部22dが、臀部Bの前進移動を停止させることとなる。
なお、大腿受止装置56のインフレーター57と持ち上げ機構101のアクチュエータ102とは、所定の衝突検知センサの衝突検知信号を入力した図示しない制御装置が、作動信号を入力させることとなる。
そして、第2実施形態の着座装置10Aでは、大腿受止装置56が、インフレーター57を作動させて、大腿受止部としてのエアバッグ58L,58Rが膨張すれば、カバー59を押し開きつつ、アームレスト部23L,23Rに設けられた収納位置FP7から乗員OPの大腿部ULの上方に繰り出されて、エアバッグ58Lの受止本体部58bの受止面としての下面58cが大腿部ULの左側の部位ULLを押さえ、また、エアバッグ58Rの受止本体部58bの受止面としての下面58cが大腿部ULの右側の部位ULRを押さえることとなる。そのため、エアバッグ58L,58Rが、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
また同時に、持ち上げ機構101のアクチュエータ102,102が作動すれば、図9,10の二点鎖線に示すように、アクチュエータ102,102の駆動ロッド102a,102aが持ち上げヘッド103を後方へ押圧することから、持ち上げヘッド103が、ガイドピン104をガイドレール105の案内孔105aの内周面に摺動させて、後方移動し、座本体部22の最深部22cの前側部22dを持ち上げて、乗員OPの臀部Bの前進移動を抑制する。そのため、この着座装置10Aでは、持ち上げ機構101が、乗員OPの下半身LBの部位である大腿部ULを受け止める大腿受止装置56と併用されており、一層、確実に、乗員OPの前進移動を抑制できる。
なお、第2実施形態の大腿受止装置56では、大腿受止部としてのエアバッグ58(L,R)を二つ使用した場合を示したが、図12に示す大腿受止装置61のように、大腿受止部としてのエアバッグ63を、一つ使用するだけの構成としてもよい。すなわち、アームレスト部23L,23Rの一方の収納位置FP8に、エアバッグ63とガス発生源としてしてのインフレーター62とを収納する。そして、エアバッグ63は、インフレーター62からの膨張用ガスGを流入させて膨張すると、インフレーター62を収納した基部63aから受止本体部63bを突出させて、受止本体部63bの下面68cを受止面として、大腿部ULの左右の部位ULL,ULRの上方を覆うように、受止本体部63bを繰り出す。そのため、この大腿受止装置61では、一つのエアバッグ63により、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることとなって、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、安楽姿勢の乗員OPを保護することができる。
勿論、この第2実施形態は、乗員OPが、背本体部14を後傾させていない状態で着座する通常姿勢であっても、大腿受止部としてのエアバッグ58(L,R)が、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることができて、的確に、乗員OPのサブマリン現象を抑制できる。
図13~15に示す第3実施形態の着座装置10Bは、第1実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Bは、座部20が、天板部25aと、天板部25aの左右両側から座部20の左右の縁側に延びる脚部25b,25bと、を有したテーブル部25を備えて構成されるとともに、乗員受止装置30Bとして、大腿受止装置66と持ち上げ機構101とを備えて構成されている。持ち上げ機構101は、第2実施形態の着座装置10Aに搭載されているものと同様であり、説明を省略する。なお、このテーブル部25では、天板部25aが、乗員OPの着座時や座部20から降りる際には、脚部25bとの連結を解除可能に構成されており、着座した後に、図示しない連結具により、左右の脚部25b,25bと連結されるように構成されている。
大腿受止装置66は、テーブル部25の天板部25aの下面25aa側を収納位置FP9として、大腿受止部としてのエアバッグ68と、エアバッグ68に膨張用ガスGを供給するガス発生源としてのインフレーター67と、が収納されている。エアバッグ68は、インフレーター67を収納した基部68a側をテーブル部25の天板部25aの下面25aa側に固定し、膨張時、基部68aから下方に略楕円球状の受止本体部68bを繰り出すように構成されている。繰り出された受止本体部68bは、下面68cを、受止面として、乗員OPの大腿部ULの上面側に押し付けるように、繰り出される。
なお、大腿受止装置66のインフレーター67と持ち上げ機構101のアクチュエータ102とは、第2実施形態と同様に、所定の衝突検知センサの衝突検知信号を入力した図示しない制御装置が、作動信号を入力させることとなる。
そして、第3実施形態の着座装置10Bでは、大腿受止装置66が、インフレーター67を作動させて、大腿受止部としてのエアバッグ68が膨張すれば、カバー69を押し開きつつ、テーブル部25の天板部25aの下面25aa側に設けられた収納位置FP9から乗員OPの大腿部ULの上方に繰り出されて、エアバッグ68の受止本体部68bの受止面としての下面68cが大腿部ULを押さえることとなる。そのため、エアバッグ68が、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、安楽姿勢の乗員OPを保護することができる。
また同時に、持ち上げ機構101のアクチュエータ102,102が作動すれば、持ち上げヘッド103が、後方移動し、座本体部22の最深部22cの前側部22dを持ち上げて、乗員OPの臀部Bの前進移動を抑制する。そのため、この着座装置10Bでも、持ち上げ機構101が、乗員OPの下半身LBの部位である大腿部ULを受け止める大腿受止装置66と併用されており、一層、確実に、乗員OPの前進移動を抑制できる。
勿論、この第3実施形態でも、第1,2実施形態と同様に、乗員OPが、背本体部14を後傾させていない状態で着座する通常姿勢であっても、大腿受止部としてのエアバッグ68が、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることができて、的確に、乗員OPのサブマリン現象を抑制できる。
第3実施形態の着座装置10Bでは、大腿受止装置66の大腿受止部として、膨張用ガスGにより膨張するエアバッグ68を使用した場合を示したが、図16,17に示す大腿受止装置71のように、受止部としてのパッド76が、形状保持性を有して、機械的な繰出機構72の作動により、収納位置FP10から受止位置SPまで繰り出されるように、構成されていてもよい。図例の場合には、受止部としてのパッド76は、乗員OPの下半身LBの部位としての大腿部ULを受止可能な略長方形板状とし、テーブル部25の天板部25aの下面25aa側を収納位置FP10として、大腿部LUの上面側の受止位置SPまで、繰出機構72により、繰り出される。
繰出機構72は、パッド76を下方へ付勢する複数(図例の場合は2つ)のばね(コイルばね)73と、収納位置FP10のパッド76を係止する複数(図例の場合は2つ)のストッパピン74と、プッシュ型の電磁ソレノイド等からなるアクチュエータ75と、を備えて構成されている。アクチュエータ75は、車両の衝突を検知した図示しない制御装置からの作動信号により、押圧ピン75aを延ばして復帰するように作動する。ストッパピン74は、戻りばね付きの軸支部74cを中心として左右方向に揺動可能とし、下端側に、パッド76を係止する係止フック74aを備え、上端側の元部74bを、押圧ピン75aに当接させている。
この大腿受止装置71では、図示しない制御装置からの作動信号がアクチュエータ75に入力されると、アクチュエータ75が、押圧ピン75aを押し出して、ストッパピン74の元部74bを押圧する。元部74bを押されたストッパピン74は、軸支部74cを回転中心として、係止フック74aをパッド76の縁から外れるように、回転することから、ストッパピン74の係止を解除されたパッド76は、ばね73の付勢力により、収納位置FP10から受止位置SPまで繰り出されて、受止面としての下面76aが乗員OPの大腿部ULに押し付けられる。そのため、大腿受止部としてのパッド76が、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
なお、図17のBに示すように、パッド76が繰り出された後において、パッド76を持ち上げれば、ストッパピン74が、係止フック74aの傾斜面74aaをパッド76に当接させて、回転し、パッド76が収納位置FP10に復帰され、さらに、軸支部74cに内蔵された戻りばねで、係止フック74aがパッド76を係止する位置に復帰することとなって、大腿受止装置71が作動前の状態に戻ることができることから、この復帰させた状態の大腿受止装置71では、次回の車両の衝突時に対応できることとなる。
図18~20に示す第4実施形態の着座装置10Cでは、第1実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Cは、下腿受止装置81を足載せ部27の上面27b側に、配設させている。
下腿受止装置81は、下腿受止部としてのエアパッド84(L,R)と、エアパッド84にエアAを供給するエア供給機83と、エアパッド84を支持する支持基板部82と、を備えて構成されている。支持基板部82は、底板82aと、底板82aの左右両縁から上方に延びる側板82b,82bと、底板82aの左右方向の中央から上方に延びる中央支持板82cと、を備えて、中央支持板82cの左右両側の凹部82d,82dに、エアパッド84L,84Rを収納している。なお、エアパッド84(L,R)とエア供給機83との間には、エアAを通すためのチューブ84dが配設されている。
エアパッド84L,84Rは、下腿部LLにおける左側の部位LLLと右側の部位LLRをそれぞれマッサージするように、左部位LLLと右部位LLRとの周囲に、大小複数の袋状のセル84a,84b,84cを配設させて構成されている。エアパッド84L,84Rは、図示しない作動スイッチのON操作により、エア供給機83が、エアAを供給したり排気することにより、下腿部LLにおける左側の部位LLLと右側の部位LLRとをマッサージする。そして、車両1の衝突時、図示しない制御装置からの作動信号がエア供給機83に入力されると、エア供給機83は、マッサージ時より、高い圧力のエアAをエアパッド84L,84Rに供給する。すると、図20のBに示すように、エアパッド84L,84Rが上端側の大セル84a,84bを含めて大きく膨らみ、特に、上端側の大セル84a,84bが、下腿部LLにおける左側の部位LLLと右側の部位LLRとの上面側を覆うように、マッサージ時の収納位置FP11から大きく膨らんで、繰り出される。すなわち、車両1の衝突時、エアパッド84L,84Rの大セル84a,84bが、乗員OPの下腿部LLを左右両側から挟んで保持できるように繰り出されて、前進移動しようとする下腿部LLを受け止めることができる。
そのため、この着座装置10Cでは、車両1の衝突時、座部20の足載せ部27の上面27b側に設けられた下腿受止部としてのエアパッド84L,84Rが、特に、大セル84a,84bが、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLを、左右両側から挟むように保持して受け止めることから、乗員OPが座部20の上面上を前進移動するようなサブマリン現象を、抑制でき、安楽姿勢の乗員OPを的確に保護することができる。
勿論、この第4実施形態でも、第1~3実施形態と同様に、乗員OPが、背本体部14を後傾させていない状態で着座する通常姿勢であっても、下腿受止部としてのエアパッド84L,84R(特に、大セル84a,84b)が、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLをを受け止めることができて、的確に、乗員OPのサブマリン現象を抑制できる。
図21~23に示す第5実施形態の着座装置10Dでは、第1実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Dは、下腿受止装置86を足載せ部27の側面27a側、詳しくは、上面27b側の左右両縁27cに、配設させている。
下腿受止装置86は、下腿受止部としての受止バー92が、形状保持性を有して、機械的な繰出機構87の作動により、収納位置FP12から受止位置SPまで繰り出されるように、構成されている。下腿受止部としての受止バー92は、略L字状として、上下方向に延びる基部92aと、基部92aの上端92aaから直交方向に曲がる受止本体部92bと、を備えて構成され、左右の受止バー92の各受止本体部92bが、それぞれ、乗員OPの下腿部LLの左側の部位LLLと右側の部位LLRとの前方に配置されて、前方移動する下腿部LLの左側の部位LLLと右側の部位LLRとを受け止めることとなる。
繰出機構87は、足載せ部27の左右の縁27c,27cの内部に、それぞれ配設され、マイクロガスジェネレータ等からなるアクチュエータ88と、ガイド筒89と、受止バー92の基部92aの下端に結合されたガイドブロック91と、を備えて構成されている。ガイド筒89は、下端にアクチュエータ88の上端を組み付けて、内外周を貫通するように、ガイド溝90を配設させている。ガイド溝90は、ガイド筒89の点対称の位置に、2つ配設され、上下方向に延びる直線部90aと、直線部90aの上端で斜め上方に90°分延びる傾斜部90bと、傾斜部90bの上端に連なってガイド筒89の周方向に延びる端末部90cと、を備えて構成されている。二つのガイド溝90には、ガイドブロック91の外周面に突設されたガイドピン91aが、ガイド筒89の内周面側から外周面側に突出するように、嵌挿されている。ガイドブロック91には、アクチュエータ88の作動時に上昇する押上ピン88aが下面側に当接されている。なお、左右のガイド筒89は、相互に、ガイド溝90を左右対称的に配設させている。
そのため、車両1の衝突を検知した図示しない制御装置からの作動信号をアクチュエータ88が入力すれば、アクチュエータ88が押上ピン88aを上昇させる。押上ピン88aからの押し上げ力をガイドブロック91が受ければ、ガイドブロック91は、受止バー92とともに、ガイド筒89内を上昇する。その際、ガイドブロック91のガイドピン91a,91aがガイド溝90の直線部90aを上昇することから、ガイドブロック91の上面側に結合されている受止バー92は、図21の二点鎖線や図23のBの二点鎖線に示すように、収納位置FP12から上昇する。そしてさらに、ガイドピン91a,91aがガイド溝90の直線部90aから傾斜部90bに進入し、さらに、端末部90cに進入すれば、図22や図23のBの二点鎖線に示すように、受止バー92の受止本体部92bが、ガイド筒89を中心として、90°回転して、受止位置SPに配置されることとなる。
すなわち、この下腿受止装置81では、図示しない制御装置からの作動信号がアクチュエータ88に入力されると、アクチュエータ88が、押上ピン88aを押し上げて、ガイドブロック91とともに、受止バー92を収納位置FP12から上昇させ、さらに、ガイド溝90の傾斜部90bと端末部90cとにガイドピン91aを摺動させたガイドブロック91が、受止バー92とともに、90°回転して、左右の受止バー92の受止本体部92bを、それぞれ、下腿部LLの左側の部位LLLと右側の部位LLRとの前方の受止位置SPに配置させることとなる。そのため、下腿受止部としての受止バー92の受止本体部92bが、その下面の受止面92cにより、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、安楽姿勢の乗員OPを保護することができることとなる。
勿論、この第5実施形態でも、第1~4実施形態と同様に、乗員OPが、背本体部14を後傾させていない状態で着座する通常姿勢であっても、下腿受止部としての受止バー92が、前進移動しようとする乗員OPの下腿部LLを受け止めることができて、的確に、乗員OPのサブマリン現象を抑制できる。
なお、第2,3実施形態で使用した持ち上げ機構101は、第1,4,5実施形態の着座装置10,10C,10Dにおいても、配設してもよい。
また、持ち上げ機構としては、図24,25に示す着座装置10Eの持ち上げ機構101Eを使用してもよい。この第6実施形態の着座装置10Eは、座部20と背もたれ部12とを有して構成されるとともに、図13,14に示す着座装置10Bに使用した大腿受止装置66と、エアバッグ112を利用した持ち上げ機構101Eと、を備えて構成されている。大腿受止装置66は、第3実施形態の着座装置10Bに使用されているものと同様であり、説明を省略する。
持ち上げ機構101Eは、座部20の座本体部22内における最深部22cのの前方の前側部22dに、インフレーター110からの膨張用ガスGを流入させて、前側部22dを隆起させるエアバッグ112、を備えて構成されている。エアバッグ112の後端側の内部には、左右方向に延びる供給管111が配設され、供給管111は、インフレーター110からの膨張用ガスGをエアバッグ112内に供給する複数の流出口を設けて構成されている。
この第6実施形態の着座装置10Eでは、車両1の衝突時、乗員受止装置30Eの大腿受止装置66が、インフレーター67を作動させて、大腿受止部としてのエアバッグ68が膨張して、テーブル部25の天板部25aの収納位置FP9から乗員OPの大腿部ULの上方に繰り出され、エアバッグ68が大腿部ULを押さえることとなる。そのため、エアバッグ68が、前進移動しようとする乗員OPの大腿部ULを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
また同時に、持ち上げ機構101Eのインフレーター110が、作動して、インフレーター110からの膨張用ガスGがエアバッグ112に供給されれば、エアバッグ112が座本体部22の最深部22cの前側部22dを持ち上げて、乗員OPの臀部Bの前進移動を抑制する。そのため、この着座装置10Eでも、持ち上げ機構101Eが、乗員OPの下半身LBの部位である大腿部ULを受け止める大腿受止装置66と併用されており、一層、確実に、安楽姿勢や通常姿勢に拘らず、乗員OPの前進移動を抑制できる。
さらに、座部20上を前方へ滑ろうとする安楽姿勢の乗員OPのサブマリン現象を抑制する場合には、図26,27に示す第7実施形態の着座装置10Fの乗員受止装置30Fのように、受止装置31,36とともに、乗員OPの足裏FBを受止可能な足裏受止部123を有した足裏受止装置121、を設けて構成してもよい。
この着座装置10Fは、第1実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前部側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Fは、足裏受止装置121を足載せ部27の下面27d側に、配設させている。
足裏受止装置121は、足載せ部27の下面27d側における左右方向の中央付近に設けられた収納位置FP13に、足裏受止部としてのエアバッグ123と、エアバッグ123に膨張用ガスGを供給するインフレーター122と、を収納させている。エアバッグ123は、インフレーター122を収納して収納位置FP13側に固定される基部123aと、膨張完了時の収納位置FP13から足載せ部27の下端27e側とフロア3との間を通った基部123aの前端123aa側から前上側に延びて、左右両側の足裏FB(FBL,FBR)の前方側に配置される受止本体部123bと、を備えて構成されている。膨張完了時のエアバッグ123は、受止本体部123bの後面を、足裏FBを受け止める受止面123cとしている。エアバッグ123には、図示しない複数のテザーが配設されて、基部123aの前端123aaから屈曲して前上方に延びる受止本体部123bを形成するように、構成されている。
そして、エアバッグ123が膨張を完了させれば、受止本体部123bの受止面123cが、前進移動しようとする安楽姿勢の乗員OPの足裏FBL,FBRを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
なお、膨張完了時のエアバッグ123は、受止本体部123bの前面123dと下面123eとの両方を、前方の車室内の車体側部材からなる前壁4やフロア3に支持される支持面として、足裏FBの受止時の反力を確保している。しかし、膨張完了時のエアバッグ123は、前壁4やフロア3の少なくとも一方、例えば、図28の二点鎖線に示すように、フロア3に支持される支持面としての下面123eを設けて、足裏FBの受止時の反力を確保するようにしてもよいし、あるいは、前壁4に支持される支持面としての前面123d(図26参照)を設けて、足裏FBの受止時の反力を確保するようにしてもよい。勿論、足裏受止部を構成するエアバッグとしては、膨張完了時に、ある程度の形状保持力(剛性)を設けるように構成して、前壁4やフロア3に支持させずに、足裏FBL,FBRを受け止めるように構成してもよい。
また、第7実施形態の着座装置10Fの足裏受止装置121では、乗員OPが安楽姿勢としている場合、すなわち、足載せ部27が図26に示すような角度位置になっている場合に、軸支部28に設けたセンサ(図示せず)等からの信号を入力した図示しない制御装置が、車両1のフロアバンパ等に設置された衝突検知センサからの信号を入力した際に、インフレーター122が作動されるように構成されており、乗員OPが通常姿勢の場合には、すなわち、足載せ部27が、図5に示すような座部20側に収納されている場合には、インフレーター122が作動されないように設定されている。
さらに、第7実施形態の着座装置10Fの乗員受止装置30Fでは、足裏受止装置121とともに、第1実施形態の着座装置10の受止装置31,36を並設させた構成としているが、各々の実施形態の受止装置31,36,41,46,51,56,61,66,71,81,86や持ち上げ機構101,101E等のいずれかの少なくとも1つと、足裏受止装置121とを並設させて、着座装置0Fを構成してもよい。あるいは、安楽姿勢の乗員OPを受け止めて保護する着座装置10Fとしては、足裏受止装置121だけを使用する構成としてもよい。
また、第7実施形態では、エアバッグ123を足載せ部27に収納した場合を示したが、図28に示す第8実施形態の着座装置10Gの足裏受止装置126のように、構成してもよい。
この第8実施形態の着座装置10Gは、乗員受止装置30Gが、第1実施形態と同様な受止装置31,36とともに、乗員OPの足裏FBを受止可能な足裏受止部128を有した足裏受止装置126、を設けて構成されている。
そして、足裏受止装置126が、座部20の座本体部22の前端部22eに設けられた収納位置FP14に、足裏受止部としてのエアバッグ128と、エアバッグ128に膨張用ガスGを供給するインフレーター127と、を収納させて構成されている。エアバッグ128は、インフレーター127を収納して収納位置FP14側に固定される基部128aと、膨張完了時の収納位置FP14から足載せ部27の下端27e側とフロア3との間を通った基部128aの前端128aa側から前上側に延びて、左右両側の足裏FBの前方側に配置される受止本体部128bと、を備えて構成されている。膨張完了時のエアバッグ128は、受止本体部128bの後面を、足裏FBを受け止める受止面128cとしている。そのため、エアバッグ128が膨張を完了させれば、受止本体部128bの受止面128cが、前進移動しようとする安楽姿勢の乗員OPの足裏FBを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
なお、このエアバッグ128では、前面128dや下面128fが前壁4やフロア3に支持されて、足裏FBの受止時の反力を確保している。
また、安楽姿勢の乗員OPの足裏FBを受け止める際、膨張するエアバッグ123,128を使用せずに、図29,30に示す第9実施形態の着座装置10Hのように、形状保持性を有した受止バー137により、乗員OPの足裏FBを受け止めるように構成してもよい。
この第9実施形態の着座装置10Hは、第7,8実施形態と同様に、背もたれ部12と座部20とを備えるとともに、背もたれ部12は、背本体部14の上方にヘッドレスト16を配設させ、座部20は、座本体部22の前部側に足載せ部27を配設させている。そして、着座装置10Hは、足裏受止装置131を足載せ部27の下端(先端)27e側に、配設させている。
足裏受止装置131は、足裏受止部としての受止バー137が、形状保持性を有して、機械的な繰出機構132により、足載せ部27の下面27d側の収納位置FP15から受止位置SPまで繰り出されるように、構成されている。受止バー137は、左右方向に延びる長方形板状として、左右両側に、支持アーム136,136を連結させている。
繰出機構132は、足載せ部27の左右方向の中央に配設されるマイクロジェネレータ等を利用して回転駆動軸133aを迅速に回転させるアクチュエータ133と、受止バー137を保持する左右の支持アーム136,136と、左右の支持アーム136,136を連結させるように左右方向に延びた回動軸135と、回動軸135を軸支する軸受138と、回転駆動軸133aの回転を回動軸135の回転運動に変換する運動変換機構134と、から構成されている。運動変換機構134は、回転駆動軸133aに固着されるウォームギヤ134aと、回動軸135に固着されてウォームギヤ134aに噛合するウォームホイール134bと、から構成されている。アクチュエータ133が作動すれば、回転駆動軸133aを回転駆動させて、ウォームギヤ134aが回転し、ウォームギヤ134aに噛合するウォームホイール134bが回転し、回動軸135が回転して、回動軸135に連結された支持アーム136,136を、図29の実線から二点鎖線に示すように、時計回り方向に回転させることから、受止バー137が、収納位置FP15から、乗員OPの足裏FBの前方側の受止位置SPまで繰り出される。そのため、受止位置SPに配置された受止バー137の受止面(後面)137aが、前進移動しようとする安楽姿勢の乗員OPの足裏FBを受け止めることから、座部20上を前方へ滑ろうとする乗員OPのサブマリン現象を抑制して、乗員OPを保護することができる。
なお、この第9実施形態でも、乗員OPが安楽姿勢としている場合、すなわち、足載せ部27が図29に示すような角度位置になっている場合に、軸支部28に設けたセンサ(図示せず)等からの信号を入力した図示しない制御装置が、車両1のフロアバンパ等に設置された衝突検知センサからの信号を入力した際に、アクチュエータ133が作動されるように構成されており、乗員OPが通常姿勢の場合には、すなわち、足載せ部27が、図5に示すような座部20側に収納されている場合には、アクチュエータ133が作動されないように設定されている。
なお、座部20の前端の下部側には、足載せ部27が座本体部22側に収納されている場合に、受止バー137を収納するための収納凹部22f、が配設されている。
さらに、第9実施形態でも、足裏受止装置131とともに、第1実施形態の着座装置10の受止装置31,36を並設させた構成としているが、各々の実施形態の受止装置31,36,41,46,51,56,61,66,71,81,86や持ち上げ機構101,101E等のいずれかの少なくとも1つと、足裏受止装置131とを並設させて、着座装置10Hを構成してもよい。あるいは、安楽姿勢の乗員OPを受け止めて保護する着座装置10Hとしては、足裏受止装置131だけを使用する構成としてもよい。