JP7115367B2 - チャック交換冶具 - Google Patents
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Description
また、疲労試験機のような材料試験機においては、試験体の材質や大きさ等により、試験体に応じてチャックを取り換える必要がある。大きな試験体や、大きな力を掛ける試験体には、油圧式のチャックや大型のチャックが用いられる。油圧式のチャックなどではチャックが重量物となり、チャックを回転させながら取付け、もしくは取り外す作業は多くの労力を必要とする。
そこで、チャックの交換用の昇降機構を設け、チャックの交換作業を補助可能として試験機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
チャック交換冶具にチャックを確実に固定して交換作業を行える。支持機構によりチャックの重量を支持でき、取付け機構がチャックを回転と連動して上下方向に移動させるので、チャックを交換する労力が低減される。
図1は試験機の全体構成を示す正面図である。
試験機1は、テーブル15と、一対の支柱12間に架設され、Y方向に上下動可能なクロスヘッド11と、クロスヘッド11に保持されたアクチュエータ13と、を備える。クロスヘッド11側には、上チャック101を備え、テーブル15側には荷重計14を介して下チャック102を備える。
試験機1は、アクチュエータ13により試験体である試験片Tに連続して負荷を付与することより疲労・耐久試験を行う。試験片Tは、上チャック101と、下チャック102とにより、その両端を把持されている。
上チャック101は、アクチュエータ13のピストンロッド(不図示)と連結されており、ピストンロッドに連動して上チャック101を上下動させることにより、試験片Tに繰り返し試験力が付与される。
また、試験片Tに負荷される試験力は、テーブル15と下チャック102との間に配設された荷重計14により検出され、制御装置に入力される。
図2はチャック交換冶具の正面図であり、図3はチャック交換冶具の平面図である。
チャック交換冶具3は、チャック交換時に図1に破線で示すようにテーブル15上に配置される。チャック交換冶具3は、図2、図3に示すように、枠組みされた支持機構31と、支持機構31の上部に支持された取付け機構41とを備える。支持機構31は、平面視で略U字状の下部枠34と、下部枠34の対角線上に立設される一対の脚部33と、一対の脚部33の間に水平に配置される平面視ひし形の支持体32と、より構成されている。下部枠34には、4個の車輪35が設けられている。
取付け機構41は、支持体32の孔32aに嵌り、内周に雌ねじが切られた雌ねじ部45を備える。支持体32と雌ねじ部45の間にはブッシュ46が配置され、ブッシュ46を介して雌ねじ部45が支持体32に回転自在に支持される。
雌ねじ部45は筒形状であり軸方向を上下方向に合わせて配置される。雌ねじ部45の上部は外側に張り出して外径が大きく形成されている。そして、雌ねじ部45の下部は上部よりも外径が小さく形成されており、孔32aに挿入されている。雌ねじ部45の上部の下面は、雌ねじ部45の上下方向の中央部に位置しており、雌ねじ部45の軸方向に対して直交する面に形成されている。
上プレート43には上下方向に貫通した孔43bが設けられ、下プレート44には上下方向に貫通した孔44bが設けられる。孔43bに挿入されたボルト51により上プレート43に上チャック101が固定される(図4参照。)。また、孔44bに挿入されたボルト51により下プレート44に下チャック102が固定される(図5参照。)。
脚部33は、支柱33aと、支柱33aの下部が挿入される筒体33bと、筒体33bの上端に装着されるスリーブ33cと、支柱33aの下端に取付けられた弾性体33eと、により構成される。スリーブ33cはナット33tにより筒体33bに固定される。
脚部33は、支柱33aの交換により長さを変更できる。支柱33aと支持体32とを連且つボルト36を取り外し、支柱33aをより長いものに交換することで脚部33の長さを伸長できるし、支柱33aを短いものに交換することで脚部33の長さを短くできる。長さを調整した後は、ボルト36により支柱33aと支持体32とを締結する。
この構成によれば、図1に示す試験機1の高さが高い場合、一対の脚部33の高さを伸長させて対応でき、試験機1の高さが低い場合、一対の脚部33の高さを収縮させて対応できる。一つのチャック交換冶具を準備することで、高さが高い試験機と、高さが低い試験機とに、兼用できる。
下部枠34の上面には、ねじ孔34iが設けられており、テーブル15に固定されたプレート等をねじ孔34iに螺装されるボルトにより下部枠34に固定し、チャック交換冶具3をテーブル15に固定してもよい。また、車輪止めにより車輪35の転がりを規制して、チャック交換冶具3をテーブル15に位置決めしてもよい。
チャック交換冶具3は、試験機1に上下のチャック101、102を装着する際や、取り外す際に、用いられる。
試験機1の上チャック101を取付ける際には、図4に示すように、クロスヘッド11が、取付け作業の容易な高さ位置に移動される。
ついで、チャック交換冶具3がテーブル15上に移動される。そして、チャック交換冶具3の送りねじ42が支持体32に対して下げられた状態とされる。また、雌ねじ部45がストッパ52により支持体32に固定される。
ついで、上チャック101がつかみ歯2a側を下にして、取付け機構41の上プレート43上に載せられる。そして、上チャック101のねじ孔2cと、上プレート43の孔43bとの位置が合わされ、孔43bを介して、ボルト51により上チャック101と上プレート43とが固定される。
上チャック101の装着部2bには、環くさび62を嵌めた接続ねじ棒61が装着されおり、接続ねじ棒61をアクチュエータ13の取付け部13aの直下に位置させる。接続ねじ棒61と取付け部13aとの位置合わせは、左右方向の位置を合わせたのちに、チャック交換冶具3を前後方向に移動させて行われる。また、位置合わせの後にチャック交換冶具3がテーブル15に固定される。
そして、ハンドル43cと共に上チャック101を回転させながら接続ねじ棒61を取付け部13aに螺装する。すなわち取付け部13aには雌ねじが切られており、この雌ねじに接続ねじ棒61が螺合する。
送りねじ42と接続ねじ棒61のねじのピッチが異なる場合でも、脚部33の弾性体33eによりピッチの差が吸収される。
脚部33の支柱33aは弾性体33eを介して下部枠34に支持され、支柱33aは下部枠34に対して上下方向に一定範囲で摺動可能となっている。
このため、ねじのピッチの違いによる移動量の差を解消しながら、送りねじ42の回転により上チャック101が接続ねじ棒61に装着される。
また、弾性体33eにより、上チャック101の取付けおよび取外しの操作でチャック交換冶具3が受ける急激な荷重の変化も緩和できる。
図5の状態では、上チャック101は、すでにアクチュエータ13の取付け部13aに取り付けられており、クロスヘッド11が所定の高さに上昇している。
まず、下プレート44の下に、下チャック102を取り付ける手順を説明する。
荷重計14を避けた不図示の位置で、テーブル15の上に、下チャック102がつかみ歯2a側を上にして置かれる。そして、チャック交換冶具3を移動させて、下チャック102の上方にチャック交換冶具3の取付け機構41が配置される。取付け機構41のハンドル43cが回されて、送りねじ42が下方に移動し、下プレート44が下チャック102の上面に当接する位置まで下げられる。
下プレート44の孔44bを介してボルト51がねじ孔2cに螺装され、下チャック102が下プレート44に固定される。これにより、取付け機構41に下チャック102が固定される。
荷重計14に螺装された接続ねじ棒61の左右位置と下チャック102の左右位置とが合わせられる。そして、チャック交換冶具3を試験機1の前側よりテーブル15上に移動させる。この際、チャック交換冶具3は下部枠34の後部の開口側を荷重計14に向けて移動される。これにより、下部枠34と荷重計14が接触することなく、下チャック102が荷重計14の上方に移動される。
そして、チャック交換冶具3の側方から、目視により下チャック102と荷重計14の前後位置が合わされ、チャック交換冶具3がテーブル15に固定される。
そして、接続ねじ棒61の先端が装着部2bに挿入される。なお、装着部2bの位置を微調整する際には、下チャック102を側方より押すことで、送りねじ42を支持体32に対して傾けることが可能である。
また、ハンドル43cを用いずに、下プレート44に取付けられた下チャック102を把持して、下チャック102と共に送りねじ42を回転させることも可能である。
そして、上下のチャック101、102が試験機1に取付けられた後に、上下のチャック101、102にダミー試験片が取り付けられる。そして、ダミー試験片に、試験力が掛けられた状態で、上下のチャック101、102を固定する環くさび62が締め込まれる。
荷重計14に取付けられた下チャック102を取り外す際には、チャック交換冶具3がテーブル15上に移動される。下チャック102に装着された接続ねじ棒61の環くさび62が緩められた後に、下プレート44にボルト51により下チャック102が固定される。そして、ハンドル43cと共に下チャック102が回転し、接続ねじ棒61より下チャック102が取り外される。
そして、ハンドル43cと共に上チャック101が回転し、アクチュエータ13の取付け部13aから上チャック101が取り外される。
このため、上下のチャック101、102が上プレート43もしくは下プレート44に固定され、上下のチャック101、102を容易に回転させやすい。また、送りねじ42の回転により高さを変更するので、重量物である上下のチャック101、102の上下動に必要となる力を軽減できる。
2c ねじ孔
3 チャック交換冶具
13a 取付け部
14 荷重計
31 支持機構
32 支持体
33 脚部
34 下部枠
41 取付け機構
42 送りねじ
43 上プレート
43c ハンドル
44 下プレート
45 雌ねじ部
45b ハンドル
51 ボルト
52 ストッパ
61 接続ねじ棒
62 環くさび
101 上チャック
102 下チャック
Claims (8)
- 試験機にねじ込み式で取り付けられる上チャック及び下チャックを交換する際に用いられるチャック交換冶具であって、
前記試験機のテーブル上を移動自在な支持機構と、
前記支持機構に回転と連動して上下動自在に支持された取付け機構と、を備え、
前記取付け機構は、上チャックを、つかみ歯を下にして連結可能な取付け部材と、下チャックを、つかみ歯を上にして連結可能な他の取付け部材と、を備えた、
ことを特徴とするチャック交換冶具。 - 前記支持機構は、下部枠と、前記下部枠に立設される脚部と、前記脚部の間に配置される支持体と、を備え、
前記取付け機構は、前記支持体の中央部に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のチャック交換冶具。 - 前記支持体の中央部の孔に前記取付け機構の雌ねじ部が固定され、
前記雌ねじ部の雌ねじにねじ棒が螺入され、
前記ねじ棒の上端に前記取付け部材が連結され、前記ねじ棒の下端に前記他の取付け部材が連結される、ことを特徴とする請求項2に記載のチャック交換冶具。 - 前記雌ねじ部の軸を回転軸として、前記雌ねじ部が回動自在に支持される、ことを特徴とする請求項3に記載のチャック交換冶具。
- 前記雌ねじ部の軸に対して、前記ねじ棒の軸が0.1度~0.2度傾斜するように、前記ねじ棒のねじ径より前記雌ねじ部のねじ径が大きい、ことを特徴とする請求項3又は4に記載のチャック交換冶具。
- 前記脚部が平面視U字状の下部枠の上に設けられ、前記雌ねじ部が、平面視で前記下部枠の内側に位置する、ことを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載のチャック交換冶具。
- 前記支持体が前記脚部に設けた弾性体を介して支持される、ことを特徴とする請求項2乃至6の何れか一項に記載のチャック交換冶具。
- 前記支持機構が、移動用の車輪を備える、ことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のチャック交換冶具。
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