JP7115336B2 - 固体電解質、及びリチウムイオン蓄電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解質、及びリチウムイオン蓄電素子に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、エネルギー密度の高さから、パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。上記非水電解質二次電池は、一般的には、セパレータで電気的に隔離された一対の電極と、この電極間に介在する非水電解質とを有し、両電極間でリチウムイオンなどの電荷の受け渡しを行うことで充放電するよう構成される。また、非水電解質二次電池以外の非水電解質蓄電素子として、リチウムイオンキャパシタや電気二重層キャパシタ等のキャパシタも広く普及している。
近年、非水電解質として、有機溶媒等の液体に電解質塩が溶解された非水電解液に代えて、硫化物系固体電解質等の固体電解質を用いる蓄電素子が提案されている。硫化物系固体電解質の一つとして、リチウム、リン、硫黄及びハロゲンを含有するArgyrodite型の固体電解質が知られている(特許文献1、2、非特許文献1、2参照)。この固体電解質は、空間群F-43mに帰属する結晶構造を有するとされている。
特開2018-67552号公報 特開2017-117753号公報
Prasada Rao Rayavarapu他、「Variation in structure and Li+-ion migration in argyrodite-type Li6PS5X (X=Cl,Br,I) solid electrolytes」、J Solid State Electrochem 16(2012)1807-1813 Sylvain Boulineau他、「Mechanochemical synthesis of Li-argyrodite Li6PS5X (X=Cl,Br,I) as sulfur-based solid electrolytes for all solid state batteries application」、Solid State Ionics 221 (2012) 1-5
蓄電素子に用いられる固体電解質においては、イオン伝導度は重要な性能の一つである。一方、蓄電素子は、使用環境や用途等に応じた様々な性能が求められ、例えば低温又は高温環境下での使用を考慮すると、低温又は高温下でも良好な充放電性能が発揮されることが望まれる。そのため、Argyrodite型の固体電解質においても、低温(例えば-30℃)又は高温(例えば50℃)下でのイオン伝導度の更なる向上が望まれる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、低温又は高温下でのイオン伝導度が優れる固体電解質、及びこのような固体電解質を用いたリチウムイオン蓄電素子を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、リチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有し、上記元素Aがマグネシウム又はインジウムである固体電解質である。
本発明の他の一態様は、当該固体電解質を含有するリチウムイオン蓄電素子である。
本発明によれば、低温又は高温下でのイオン伝導度が優れる固体電解質、及びこのような固体電解質を用いたリチウムイオン蓄電素子を提供することができる。
図1は、本発明のリチウムイオン蓄電素子の一実施形態である全固体電池の模式的断面図である。 図2は、実施例1~2及び比較例1のX線回折パターンである。 図3は、実施例3~9及び比較例1のX線回折パターンである。
本発明の一実施形態に係る固体電解質は、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、リチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有し、上記元素Aがマグネシウム又はインジウムである固体電解質である。
当該固体電解質は、低温又は高温下でのイオン伝導度が優れる。このような効果が生じる理由は定かでは無いが、以下の理由が推測される。当該固体電解質は、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、かつリチウム、リン及び硫黄を含有する従来の固体電解質に対して、さらに元素Aを含有するものである。元素Aは、マグネシウム又はインジウムであり、これらはイオン半径がリチウムと同程度であり、かつリチウムイオンと同様に4配位を取ることができる元素である。なお、リチウムイオン(Li)のイオン半径は0.590Å、マグネシウムイオン(Mg2+)のイオン半径は0.570Å、3価のインジウムイオン(In3+)のイオン半径は0.620Åである。このため、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、かつリチウム、リン及び硫黄を含有する従来の固体電解質に対して、さらに元素Aを含有する場合、リチウムの一部をマグネシウム又はインジウムである元素Aで置換することができ、その結晶構造が維持されたまま、新たな組成の固体電解質となることができる。また、リチウムイオンが1価のカチオンであるのに対し、マグネシウムイオンは2価のカチオンであり、3価のインジウムイオンは3価のカチオンである。このため、元素Aがマグネシウムの場合は、2つのリチウムに対して1つのマグネシウムが置換されることとなり、元素Aがインジウムの場合は、3つのリチウムに対して1つのインジウムが置換されることが可能となる。このように結晶構造を維持したままリチウムの一部を元素Aで置換することで、リチウムで占有されているサイト(48hサイト)の占有率が下がるため、リチウムイオンの伝導度が向上しているものと推測される。
なお、空間群「F-43m」における「-4」は4回回反軸の対象要素を表し、本来「4」の上にバー「-」を付して表記すべきものである。当該固体電解質が、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有することは、粉末X線回折測定により確認する。粉末X線回折測定は、以下の手順により行う。気密性のX線回折測定用試料ホルダーに、露点-50℃以下のアルゴン雰囲気下で、測定に供する固体電解質粉末を充填する。X線回折装置(Rigaku社の「MiniFlex II」)を用いて、粉末X線回折測定を行う。線源はCuKα線、管電圧は30kV、管電流は15mAとし、回折X線は厚み30μmのKβフィルターを通し高速一次元検出器(型番:D/teX Ultra 2)にて検出する。サンプリング幅は0.01°、スキャンスピードは5°/min、発散スリット幅は0.625°、受光スリット幅は13mm(OPEN)、散乱スリット幅は8mmとする。また、得られたX線回折パターンを、PDXL(解析ソフト、Rigaku製)を用いて自動解析処理する。ここで、PDXLソフトの作業ウィンドウで「バックグラウンドを精密化する」及び「自動」を選択し、実測パターンと計算パターンの強度誤差が4000以下になるように精密化する。この精密化によってバックグラウンド処理がされ、ベースラインを差し引いた結果に基づき、各回折線のピーク強度の値、及び結晶格子定数aの値、等が得られる。
当該固体電解質においては、下記式(1)で表される上記元素Aの置換度DS(%)が0.1%以上1.5%以下であることが好ましい。
DS={[A]/([Li]+m[A])}×100 ・・・ (1)
(式(1)中、[Li]は、上記リチウムの原子数基準の含有割合である。[A]は、上記元素Aの原子数基準の含有割合である。mは、上記元素Aの価数である。)
このような置換度で、リチウムの一部が元素Aで置換されていることにより、イオン伝導度がより向上する。また、このような置換度を満たす場合、特に高温下での良好なイオン伝導度が発現される。
当該固体電解質は、下記式(2)で表されることが好ましい。
Li7-mx-yPS6-yHa ・・・ (2)
(式(2)中、Aは、上記元素Aである。Haは、塩素、臭素又はヨウ素である。xは、0.01以上0.08以下の数である。yは、0.2以上1.8以下の数である。mは、上記元素Aの価数である。)
当該固体電解質がこのような組成を有することにより、イオン伝導度がより向上し、特に高温下での良好なイオン伝導度が発現される。
上記元素Aがインジウムであり、下記式(1b)で表される上記インジウムの置換度DS(%)が0.1%以上2.5%以下であることが好ましい。
DS={[In]/([Li]+3[In])}×100 ・・・ (1b)
(式(1b)中、[Li]は、上記リチウムの原子数基準の含有割合である。[In]は、上記インジウムの原子数基準の含有割合である。)
このような場合、特に低温下での良好なイオン伝導度が発現される。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン蓄電素子は、当該固体電解質を含有するリチウムイオン蓄電素子である。当該リチウムイオン蓄電素子は、低温又は高温下でのイオン伝導度が優れる固体電解質が用いられているため、低温又は高温下での十分な充放電性能が発揮される。
以下、本発明の一実施形態に係る固体電解質及びリチウムイオン蓄電素子を順に詳説する。
<固体電解質>
本発明の一実施形態に係る固体電解質は、空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有する。当該固体電解質は、空間群F-43mに属する結晶構造を有していてよい。当該固体電解質は、立方晶であり、Argyrodite型の結晶構造を有する。
当該固体電解質における結晶格子定数aは特に限定されないが、9.852±0.015Åの範囲内であることが好ましく、9.852±0.010Åの範囲内又は9.852±0.002Åの範囲内であることがより好ましいこともある。また、結晶格子定数aは、9.852Å未満であることが好ましいこともある。当該固体電解質の結晶格子定数が上記範囲内であることで、元素Aを含まないArgyrodite型の結晶構造がそのまま維持され、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる傾向にある。また、当該固体電解質の結晶格子定数が上記下限以上であることで、イオンの拡散経路が短くなることが抑制され、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる。なお、9.852Åは、上記粉末X線回折測定の方法で測定された、LiPSClで表されるArgyrodite型の固体電解質の結晶格子定数aである。
当該固体電解質は、リチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有する。元素Aは、マグネシウム又はインジウムである。通常、当該固体電解質は、リチウム、リン及び硫黄を含有した、Argyrodite型の結晶構造を有する固体電解質(例えば、LiPSCl)におけるリチウムの一部が元素Aで置換された固体電解質であってよい。
リチウムに対する元素Aの置換の程度に関し、下記式(1)で求められる値を当該固体電解質における元素Aの置換度DS(%)と定義する。
DS={[A]/([Li]+m[A])}×100 ・・・ (1)
式(1)中、[Li]は、上記リチウムの原子数(モル数)基準の含有割合である。[A]は、上記元素Aの原子数基準の含有割合である。mは、上記元素Aの価数である。すなわち、元素Aがマグネシウムの場合、mは2であり、元素Aがインジウムの場合、mは3であってよい。
元素Aがマグネシウムの場合、置換度DSは下記式(1a)で表される。元素Aがインジウムの場合、置換度DSは下記式(1b)で表される。
DS={[Mg]/([Li]+2[Mg])}×100 ・・・ (1a)
DS={[In]/([Li]+3[In])}×100 ・・・ (1b)
式(1a)及び(1b)中、[Li]は、リチウムの原子数基準の含有割合である。[Mg]は、マグネシウムの原子数基準の含有割合である。[In]は、インジウムの原子数基準の含有割合である。
上記置換度DSの下限としては、0.1%が好ましく、0.2%がより好ましい。元素Aがマグネシウムである場合は特に、上記置換度DSの下限は0.3%又は0.4%がさらに好ましいこともある。置換度DSを上記下限以上とすることで元素Aの置換に伴うサイト占有率の減少効果が十分に生じることなどにより、低温又は高温下でのイオン伝導度を十分に高めることができる。
上記置換度DSの上限としては、例えば3%であり、2.5%が好ましく、2.2%がより好ましく、1.5%、1.0%又は0.5%がさらに好ましい場合もある。置換度DSを上記上限以下とすることで、良好な結晶構造の状態が維持され、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる場合がある。
当該固体電解質は、リチウム、リン、硫黄、及び元素A以外の元素として、ハロゲンを含有していることが好ましい。上記ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、塩素が好ましい。
当該固体電解質における各構成元素の含有割合は、所定の結晶構造を有することができる限り特に限定されない。当該固体電解質におけるリンに対するリチウムの含有割合の下限としては、モル比(原子数基準)で5.4が好ましく、5.5、5.6、5.7、5.8又は5.9がより好ましいこともある。このリチウムの含有割合の上限は5.98が好ましく、5.97、5.96、5.95又は5.94がより好ましいこともある。
リンに対する硫黄の含有割合の下限としては、モル比で4が好ましく、4.5がより好ましく、4.9がさらに好ましく、5がよりさらに好ましい。この硫黄の含有割合の上限は6が好ましく、5.5がより好ましく、5.1がさらに好ましく、5がよりさらに好ましい。
リンに対する元素Aの含有割合の下限としては、モル比で0.01が好ましく、0.02がより好ましい。元素Aの含有割合を上記下限以上とすることで、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる傾向にある。特に元素Aがマグネシウムである場合、この傾向が顕著に生じる。一方、この元素Aの含有割合の上限は、0.2が好ましく、0.15がより好ましく、0.13がさらに好ましく、0.08、0.05又は0.03がよりさらに好ましいこともある。元素Aの含有割合を上記上限以下とすることで、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる傾向にある。
リンに対するハロゲンの含有割合の下限としては、モル比で0.2が好ましく、0.5がより好ましくい。このハロゲンの含有割合の上限は1.8が好ましく、1.5がより好ましい。このハロゲンの含有割合は、1がさらに好ましい。
当該固体電解質は、リチウム、リン、硫黄、元素A及びハロゲン以外の他の元素をさらに含有していてもよい。但し、当該固体電解質におけるリンに対する上記他の元素の含有割合としては、モル比で例えば0.01未満が好ましく、0.001未満がより好ましく、実質的に含有していなくてもよい。
当該固体電解質は、下記式(2)で表されることが好ましい。
Li7-mx-yPS6-yHa ・・・ (2)
式(2)中、Aは、元素Aである。Haは、塩素、臭素又はヨウ素である。xは、0.01以上0.2以下の数である。yは、0.2以上1.8以下の数である。mは、元素Aの価数である。
上記xの下限は0.01であり、0.02が好ましい。xを上記下限以上とすることで、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる傾向にある。特に元素Aがマグネシウムの場合、0.02がより好ましい。元素Aがマグネシウムの場合、上記下限以上とすることで、この傾向が顕著に生じる。一方、上記xの上限は、0.2であり、0.15が好ましく、0.13がより好ましく、0.08、0.05又は0.03がさらに好ましいこともある。xを上記上限以下とすることで、低温又は高温下でのイオン伝導度がより高まる傾向にある。
上記yの下限は0.2であり、0.5が好ましい。上記yの上限は1.8であり、1.5が好ましい。上記yは、1がより好ましい。
上記mは、元素Aがマグネシウムの場合2であり、元素Aがインジウムの場合3であってよい。
当該固体電解質の-30℃におけるイオン伝導度の下限としては、7.92×10-5S/cmが好ましく、8.5×10-5S/cmがより好ましく、1.0×10-4S/cmがさらに好ましい。当該固体電解質の-30℃におけるイオン伝導度が上記下限以上であることで、低温下でのリチウムイオン蓄電素子の充放電性能をより改善することができる。上記イオン伝導度の上限としては、例えば2.0×10-4S/cmである。
当該固体電解質の50℃におけるイオン伝導度の下限としては、6.2×10-3S/cmが好ましく、6.3×10-3S/cmがより好ましく、6.5×10-3S/cmがさらに好ましい。当該固体電解質の50℃におけるイオン伝導度が上記下限以上であることで、高温下でのリチウムイオン蓄電素子の充放電性能をより改善することができる。上記イオン伝導度の上限としては、例えば8.0×10-3S/cmである。
なお、当該固体電解質のイオン伝導度は、以下の方法で交流インピーダンスを測定して求める。露点-50℃以下のアルゴン雰囲気下で、内径10mmの粉体成型器に試料粉末を120mg投入したのちに、油圧プレスをもちいて50MPa以下で一軸加圧成形する。圧力解放後に、試料の上面及び下面に集電体としてSUS316L粉末を投入したのちに、360MPa、5min一軸加圧成形することによりイオン伝導度測定用ペレットを得る。このイオン伝導度測定用ペレットを宝泉社製HSセル内に挿入して交流インピーダンス測定を行う。測定条件は、印加電圧振幅20mV、周波数範囲1MHz~100mHzとする。
当該固体電解質の形状は特に限定されず、通常、粒状、塊状等である。当該固体電解質は、リチウムイオン二次電池等のリチウムイオン蓄電素子の電解質として好適に用いることができる。中でも、全固体電池の電解質として特に好適に用いることができる。なお、当該固体電解質は、リチウムイオン蓄電素子における正極層、隔離層、負極層等のいずれにも用いることができる。
<固体電解質の製造方法>
当該固体電解質の製造方法は特に限定されないが、例えばリチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有する前駆体を作製し、この前駆体を焼成する方法を挙げることができる。なお、当該固体電解質の製造は、全てアルゴン雰囲気等、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
前駆体を作製する方法としては、メカニカルミリング法、溶融急冷法、液相法等を採用することができる。例えばメカニカルミリング法の場合、原料として、Li、P、S、ハロゲン、及びMg又はInを含む化合物を目的とする固体電解質の組成に対応した所定比率で用い、これらをメカニカルミリング処理することにより、前駆体を得ることができる。上記原料としては、LiS、P、LiCl、MgCl、InCl、LiBr、MgBr、InBr、MgS、InS等を用いることができる。
前駆体の焼成条件は、粉末X線回折測定にて空間群F-43mに帰属可能な結晶構造が形成されたことが確認できる程度の十分な加熱が行われれば、特に限定されない。例えば焼成温度としては、例えば450℃以上550℃以下とすることができる。また、焼成時間としては、例えば1時間以上24時間以下とすることができる。
<リチウムイオン蓄電素子>
本発明のリチウムイオン蓄電素子の一実施形態として、以下、全固体電池を具体例に挙げて説明する。図1の全固体電池10は、正極層1と負極層2とが隔離層3を介して配置された二次電池である。正極層1は、正極基材4及び正極活物質層5を有し、正極基材4が正極層1の最外層となる。負極層2は、負極基材7及び負極活物質層6を有し、負極基材7が負極層2の最外層となる。図1に示す全固体電池10においては、負極基材7上に、負極活物質層6、隔離層3、正極活物質層5及び正極基材4がこの順で積層されている。
全固体電池10は、正極層1、負極層2及び隔離層3の少なくとも1つに、本発明の一実施形態に係る固体電解質を含有する。より具体的には、正極活物質層5、負極活物質層6及び隔離層3の少なくとも1つに、本発明の一実施形態に係る固体電解質が含有されている。全固体電池10は、当該固体電解質を含有するので、低温又は高温下での良好な充放電性能が発揮される。
全固体電池10は、本発明の一実施形態に係る固体電解質以外のその他の固体電解質を併せて用いるようにしてもよい。その他の固体電解質としては、当該固体電解質以外の硫化物系固体電解質、酸化物系固体電解質、ドライポリマー電解質、ゲルポリマー電解質、疑似固体電解質等を挙げることができ、硫化物系固体電解質が好ましい。また、全固体電池10における一つの層中に異なる複数種の固体電解質が含有されていてもよく、層毎に異なる固体電解質が含有されていてもよい。
硫化物系固体電解質としては、例えばLiS-P、LiS-P-LiI、LiS-P-LiCl、LiS-P-LiBr、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI、LiS-P-LiN、LiS-SiS、LiS-SiS-LiI、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-B、LiS-P-Z2n(ただし、m、nは正の数、Zは、Ge、Zn、Gaのいずれかである。)、LiS-GeS、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiMO(ただし、x、yは正の数、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga、Inのいずれかである。)、Li10GeP12等を挙げることができる。
[正極層]
正極層1は、正極基材4と、この正極基材4の表面に積層される正極活物質層5とを備える。正極層1は、正極基材4と正極活物質層5との間に中間層を有していてもよい。中間層は、例えば、導電性粒子及び樹脂バインダーを含む層などとすることができる。
(正極基材)
正極基材4は、導電性を有する。「導電性」を有するとは、JIS-H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が10Ω・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が10Ω・cm超であることを意味する。正極基材4の材質としては、アルミニウム、チタン、タンタル、インジウム、ステンレス鋼等の金属又はこれらの合金が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ、及びコストの観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。正極基材としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、正極基材としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が好ましい。アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
正極基材の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。正極基材の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、40μmがより好ましい。正極基材の平均厚さを上記下限以上とすることで、正極基材の強度を高めることができる。正極基材の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。また、これらの理由から、正極基材の平均厚さは5μm以上50μm以下とすることが好ましく、10μm以上40μm以下とすることがより好ましい。「平均厚さ」とは、任意の10点において測定した厚さの平均値をいう。他の部材等に対して「平均厚さ」を用いる場合にも同様に定義される。
中間層は、正極基材と正極活物質層との間に配される層である。中間層は、炭素粒子等の導電性を有する粒子を含むことで正極基材と正極活物質層との接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば、樹脂バインダー及び導電性を有する粒子を含む。
(正極活物質層)
正極活物質層5は、正極活物質を含む。正極活物質層5は、正極活物質を含むいわゆる正極合剤から形成することができる。正極活物質層5は、正極活物質と固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有してもよい。正極活物質層5は、必要に応じて、導電剤、バインダー(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含んでいてよい。これらの各任意成分の1種又は2種以上は、正極活物質層5に実質的に含有されていなくてもよい。
正極活物質層5に含まれる正極活物質としては、リチウムイオン二次電池や全固体電池に通常用いられる公知の正極活物質の中から適宜選択できる。上記正極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。例えば、α-NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物、ポリアニオン化合物、カルコゲン化合物、硫黄等が挙げられる。α-NaFeO型結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物として、例えば、Li[LiNi1-x]O(0≦x<0.5)、Li[LiNiγCo(1-x-γ)]O(0≦x<0.5、0<γ<1)、Li[LiNiγMnβCo(1-x-γ-β]O(0≦x<0.5、0<γ、0<β、0.5<γ+β<1)等が挙げられる。スピネル型結晶構造を有するリチウム遷移金属酸化物として、LiMn,LiNiγMn(2-γ)等が挙げられる。ポリアニオン化合物として、LiFePO,LiMnPO,LiNiPO,LiCoPO,Li(PO,LiMnSiO,LiCoPOF等が挙げられる。カルコゲン化合物として、二硫化チタン、二硫化モリブデン、二酸化モリブデン等が挙げられる。これらの材料中の原子又はポリアニオンは、他の元素からなる原子又はアニオン種で一部が置換されていてもよい。正極活物質は、表面がニオブ酸リチウム、チタン酸リチウム、リン酸リチウム等の酸化物で被覆されていてもよい。正極活物質層においては、これら正極活物質の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
正極活物質の平均粒径は、例えば、0.1μm以上20μm以下とすることが好ましい。正極活物質の平均粒径を上記下限以上とすることで、正極活物質の製造又は取り扱いが容易になる。正極活物質の平均粒径を上記上限以下とすることで、正極活物質層の電子伝導性が向上する。ここで、「平均粒径」とは、JIS-Z-8825(2013年)に準拠し、粒子を溶媒で希釈した希釈液に対しレーザ回折・散乱法により測定した粒径分布に基づき、JIS-Z-8819-2(2001年)に準拠し計算される体積基準積算分布が50%となる値を意味する。
粒子を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機等が用いられる。粉砕方法として、例えば、乳鉢、ボールミル、サンドミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、ジェットミル、カウンタージェトミル、旋回気流型ジェットミル又は篩等を用いる方法が挙げられる。粉砕時には水、あるいはヘキサン等の有機溶剤を共存させた湿式粉砕を用いることもできる。分級方法としては、篩や風力分級機等が、乾式、湿式ともに必要に応じて用いられる。
正極活物質層5における正極活物質の含有量の下限としては、10質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましい。正極活物質の含有量の上限としては、90質量%が好ましく、80質量%がより好ましい。正極活物質の含有量を上記範囲とすることで、全固体電池10の電気容量をより大きくすることができる。
正極活物質層5が固体電解質を含有する場合、固体電解質の含有量の下限としては、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。正極活物質層5における固体電解質の含有量の上限は、90質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましい。固体電解質の含有量を上記範囲とすることで、当該全固体電池の電気容量を高めることができる。正極活物質層5に本発明の一実施形態に係る固体電解質を用いる場合、正極活物質層5中の全固体電解質に占める本発明の一実施形態に係る固体電解質の含有量としては、50質量%以上が好ましく、70質量以上%がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%であることがよりさらに好ましい。
上記正極活物質と固体電解質との混合物は、正極活物質及び固体電解質等をメカニカルミリング等で混合することにより作製される混合物である。例えば、正極活物質と固体電解質等との混合物は、粒子状の正極活物質及び粒子状の固体電解質等を混合して得ることができる。上記正極活物質と固体電解質との複合体としては、正極活物質及び固体電解質等の間で化学的又は物理的な結合を有する複合体、正極活物質と固体電解質等とを機械的に複合化させた複合体等が挙げられる。上記複合体は、一粒子内に正極活物質及び固体電解質等が存在しているものであり、例えば、正極活物質及び固体電解質等が凝集状態を形成しているもの、正極活物質の表面の少なくとも一部に固体電解質等含有皮膜が形成されているものなどが挙げられる。
(任意成分)
導電剤は、導電性を有する材料であれば特に限定されない。このような導電剤としては、例えば、黒鉛;ファーネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;金属;導電性セラミックス等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が挙げられる。これらの中でも、電子伝導性等の観点よりアセチレンブラックが好ましい。
正極活物質層5における導電剤の含有量の下限としては、1質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。導電剤の含有量の上限としては、10質量%が好ましく、9質量%がより好ましい。導電剤の含有量を上記範囲とすることで、全固体電池の電気容量を高めることができる。また、これらの理由から、導電剤の含有量は1質量%以上10質量%以下とすることが好ましく、3質量%以上9質量%以下とすることがより好ましい。
バインダーとしては、例えば、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド等の熱可塑性樹脂;エチレン-プロピレン-ジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のエラストマー;多糖類高分子等が挙げられる。
正極活物質層5におけるバインダーの含有量の下限としては、1質量%が好ましく、3質量%がより好ましい。バインダーの含有量の上限としては、10質量%が好ましく、9質量%がより好ましい。バインダーの含有量を上記範囲とすることで、活物質を安定して保持することができる。また、これらの理由から、バインダーの含有量は1質量%以上10質量%とすることが好ましく、3質量%以上9質量%以下とすることがより好ましい。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。増粘剤がリチウム等と反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基を失活させてもよい。
フィラーは、特に限定されない。フィラーとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオライト、ガラス、アルミナシリケイト等が挙げられる。
正極活物質層5は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Nb、W等の遷移金属元素を正極活物質、導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
正極活物質層5の平均厚さの下限としては、30μmが好ましく、60μmがより好ましい。正極活物質層5の平均厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましい。正極活物質層5の平均厚さを上記下限以上とすることで、高いエネルギー密度を有する全固体電池を得ることができる。正極活物質層5の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池の小型化を図ることなどができる。
[負極層]
負極層2は、負極基材7と、当該負極基材7に直接又は中間層を介して配される負極活物質層6とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極層で例示した構成から選択することができる。
(負極基材)
負極基材7は、導電性を有する。負極基材7の材質としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等の金属又はこれらの合金が用いられる。これらの中でも銅又は銅合金が好ましい。負極基材としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがって、負極基材としては銅箔又は銅合金箔が好ましい。銅箔の例としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。
負極基材7の平均厚さの下限としては、3μmが好ましく、5μmがより好ましい。負極基材7の平均厚さの上限としては、30μmが好ましく、20μmがより好ましい。負極基材の平均厚さを上記下限以上とすることで、負極基材7の強度を高めることができる。負極基材の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池の体積当たりのエネルギー密度を高めることができる。また、これらの理由から、負極基材7の平均厚さは、3μm以上30μm以下とすることが好ましく、5μm以上20μm以下とすることがより好ましい。
(負極活物質層)
負極活物質層6は、負極活物質を含む。負極活物質層6は、負極活物質を含むいわゆる負極合剤から形成することができる。負極活物質層6は、負極活物質と固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有してもよい。負極活物質層6は、必要に応じて、導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。これらの負極活物質層における任意成分の種類及び好適な含有量は、上述した正極活物質層の各任意成分と同様である。これらの各任意成分の1種又は2種以上は、負極活物質層に実質的に含有されていなくてもよい。
負極活物質層6は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を負極活物質、導電剤、バインダー、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
負極活物質としては、リチウムイオン二次電池や全固体電池に通常用いられる公知の負極活物質の中から適宜選択できる。上記負極活物質としては、通常、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。負極活物質としては、例えば、金属Li;Si、Sn等の金属又は半金属;Si酸化物、Ti酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;LiTi12、LiTiO2、TiNb等のチタン含有酸化物;ポリリン酸化合物;炭化ケイ素;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。これらの材料の中でも、黒鉛及び非黒鉛質炭素が好ましい。負極活物質層においては、これら材料の1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
「黒鉛」とは、充放電前又は放電状態において、X線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.33nm以上0.34nm未満の炭素材料をいう。黒鉛としては、天然黒鉛、人造黒鉛が挙げられる。安定した物性の材料を入手できるという観点で、人造黒鉛が好ましい。
「非黒鉛質炭素」とは、充放電前又は放電状態においてX線回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.34nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。非黒鉛質炭素の結晶子サイズLcは、通常、0.80~2.0nmである。非黒鉛質炭素としては、難黒鉛化性炭素や、易黒鉛化性炭素が挙げられる。非黒鉛質炭素としては、例えば、樹脂由来の材料、石油ピッチ由来の材料、アルコール由来の材料等が挙げられる。
ここで、「放電状態」とは、負極活物質として炭素材料を含む負極を作用極として、金属Liを対極として用いた単極電池において、開回路電圧が0.7V以上である状態をいう。開回路状態での金属Li対極の電位は、Liの酸化還元電位とほぼ等しいため、上記単極電池における開回路電圧は、Liの酸化還元電位に対する炭素材料を含む負極の電位とほぼ同等である。つまり、上記単極電池における開回路電圧が0.7V以上であることは、負極活物質である炭素材料から、充放電に伴い吸蔵放出可能なリチウムイオンが十分に放出されていることを意味する。
「難黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.36nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。難黒鉛化性炭素は、通常、非黒鉛質炭素の中でも、3次元的な積層規則性を持つ黒鉛構造が生成し難い性質を有する。
「易黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.34nm以上0.36nm未満の炭素材料をいう。易黒鉛化性炭素は、通常、非黒鉛質炭素の中でも、3次元的な積層規則性を持つ黒鉛構造が生成し易い性質を有する。
負極活物質の平均粒径は、例えば、1μm以上100μm以下とすることができる。負極活物質の平均粒径を上記下限以上とすることで、負極活物質の製造又は取り扱いが容易になる。負極活物質の平均粒径を上記上限以下とすることで、活物質層の電子伝導性が向上する。粒子を所定の形状で得るためには粉砕機や分級機等が用いられる。粉砕方法及び粉級方法は、例えば、上記正極層で例示した方法から選択できる。
負極活物質層6が固体電解質を含有する場合、固体電解質の含有量の下限としては、10質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。負極活物質層6における固体電解質の含有量の上限は、90質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、50質量%がさらに好ましい。固体電解質の含有量を上記範囲とすることで、当該全固体電池の電気容量を大きくすることができる。負極活物質層6に本発明の一実施形態に係る固体電解質を用いる場合、負極活物質層6中の全固体電解質に占める本発明の一実施形態に係る固体電解質の含有量としては、50質量%以上が好ましく、70質量以上%がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%であることがよりさらに好ましい。
上記負極活物質と固体電解質との混合物又は複合体は、上述した正極活物質と固体電解質との混合物又は複合体において、正極活物質を負極活物質に置き換えたものとすることができる。
負極活物質層6の平均厚さの下限としては、30μmが好ましく、60μmがより好ましい。負極活物質層6の平均厚さの上限としては、1000μmが好ましく、500μmがより好ましい。負極活物質層6の平均厚さを上記下限以上とすることで、高いエネルギー密度を有する全固体電池を得ることができる。負極活物質層6の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池の小型化を図ることなどができる。
[隔離層]
隔離層3は、固体電解質を含有する。隔離層3に含有される固体電解質としては、上述した本発明の一実施形態に係る固体電解質以外にも、各種固体電解質を用いることができ、中でも、硫化物系固体電解質を用いることが好ましい。隔離層3における固体電解質の含有量としては、70質量%以上が好ましく、90質量以上%がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%であることがよりさらに好ましいこともある。また、隔離層3に本発明の一実施形態に係る固体電解質を用いる場合、隔離層3中の全固体電解質に占める本発明の一実施形態に係る固体電解質の含有量としては、50質量%以上が好ましく、70質量以上%がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、実質的に100質量%であることがよりさらに好ましい。
隔離層3には、LiPO等の酸化物、ハロゲン化合物、バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分が含有されていてもよい。バインダー、増粘剤、フィラー等の任意成分は、上記正極層で例示した材料から選択できる。
隔離層3の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、3μmがより好ましい。隔離層3の平均厚さの上限としては、50μmが好ましく、20μmがより好ましい。隔離層3の平均厚さを上記下限以上とすることで、正極と負極とを確実に絶縁することが可能となる。隔離層3の平均厚さを上記上限以下とすることで、全固体電池のエネルギー密度を高めることが可能となる。
<リチウムイオン蓄電素子の製造方法>
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン蓄電素子の製造方法は、正極層、隔離層及び負極層の少なくとも1つの作製に、本発明の一実施形態に係る固体電解質を用いること以外は、通常公知の方法により行うことができる。当該製造方法は、具体的には、例えば(1)正極合剤を用意すること、(2)隔離層用材料を用意すること、(3)負極合剤を用意すること、及び(4)正極層、隔離層及び負極層を積層することを備える。以下、各工程について詳説する。
(1)正極合剤用意工程
本工程では、通常、正極層(正極活物質層)を形成するための正極合剤が作製される。正極合剤の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、正極合剤の材料のメカニカルミリング処理、正極活物質の圧縮成形、正極活物質のターゲット材料を用いたスパッタリング等が挙げられる。正極合剤が、正極活物質と固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する場合、本工程は、例えばメカニカルミリング法等を用いて正極活物質と固体電解質とを混合し、正極活物質と固体電解質との混合物又は複合体を作製することを含むことができる。
(2)隔離層用材料用意工程
本工程では、通常、隔離層を形成するための材料が作製される。リチウムイオン蓄電素子が全固体電池である場合、隔離層用材料は、通常、固体電解質である。隔離層用材料としての固体電解質は、従来公知の方法で作製することができる。例えば、所定の材料をメカニカルミリング法により処理して得ることができる。溶融急冷法により所定の材料を溶融温度以上に加熱して所定の比率で両者を溶融混合し、急冷することにより隔離層用材料を作製してもよい。その他の隔離層用材料の合成方法としては、例えば減圧封入して焼成する固相法、溶解析出などの液相法、気相法(PLD)、メカニカルミリング後にアルゴン雰囲気下で焼成することなどが挙げられる。
(3)負極合剤用意工程
本工程では、通常、負極層(負極活物質層)を形成するための負極合剤が作製される。負極合剤の具体的作製方法は、正極合剤と同様である。負極合剤が、負極活物質と固体電解質とを含む混合物又は複合体を含有する場合、本工程は、例えばメカニカルミリング法等を用いて負極活物質と固体電解質とを混合し、負極活物質と固体電解質との混合物又は複合体を作製することを含むことができる。
(積層工程)
本工程は、例えば、正極基材及び正極活物質層を有する正極層、隔離層、並びに負極基材及び負極活物質層を有する負極層が積層される。本工程では、正極層、隔離層及び負極層をこの順に順次形成してもよいし、この逆であってもよく、各層の形成の順序は特に問わない。上記正極層は、例えば正極基材及び正極合剤を加圧成型することにより形成され、上記隔離層は、隔離層用材料を加圧成型することにより形成され、上記負極層は、負極基材及び負極合剤を加圧成型することにより形成される。正極基材、正極合剤、隔離層材料、負極合剤及び負極基材を一度に加圧成型することにより、正極層、隔離層及び負極層が積層されてもよい。正極層及び負極層をそれぞれ予め成形し、隔離層と加圧成型して積層してもよい。
[その他の実施形態]
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。例えば、本発明に係るリチウムイオン蓄電素子については、正極層、隔離層及び負極層以外のその他の層を備えていてもよい。また、本発明に係るリチウムイオン蓄電素子は、各層のうちの1つ又は複数に液体を含むものであってもよい。本発明に係るリチウムイオン蓄電素子は、二次電池である全固体電池の他、キャパシタ等であってもよい。
<実施例>
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
原料化合物としてLiS(0.4373g)、P(0.4141g)、LiCl(0.1548g)及びMgCl(0.0035g)をメノウ乳鉢で混合した。この混合物を乾式のボールミル法により、以下のように処理した。混合物を、直径4mmのジルコニアボールが160g入った密閉式の80mLジルコニアポットに投入した。これらの工程は、露点-50℃以下のアルゴン雰囲気下で行った。遊星ボールミル(FRITSCH社製、型番Premium line P-7)によって公転回転数370rpmで1時間×25回のメカニカルミリング処理を行い、前駆体を得た。なお、1時間毎に2分の休止を挟んでメカニカルミリング処理を行った。露点-50℃以下のアルゴン雰囲気を維持したグローブボックス中で、得られた前駆体をペレット状に成形した。この前駆体を500℃で4時間加熱することで焼成し、組成式Li6-mxPSCl(A=Mg、m=2、x=0.010)で表される実施例1の固体電解質を得た。
[実施例2~9、比較例1]
原料化合物の種類及び量を表1に記載の通りとしたこと以外は実施例1と同様の操作をして、表2~3に記載の組成式で表される実施例2~9及び比較例1の各固体電解質を得た。表2~3は、得られた固体電解質における上記式(1)で表される元素Aの置換度もあわせて示す。なお、表2と表3とには、重複する実施例及び比較例が含まれる。
Figure 0007115336000001
[評価]
(1)粉末X線回折測定
上記の方法で、粉末X線回折測定を行った。なお、気密性のX線回折測定用試料ホルダーには、Rigaku社製、商品名「汎用雰囲気セパレータ」を用いた。
図2に、実施例1~2及び比較例1の固体電解質のX線回折(XRD)パターンを示す。図3に、実施例3~9及び比較例1の固体電解質のX線回折(XRD)パターンを示す。また、表1及び2にこれらの結果から求めた各固体電解質の結晶格子定数aを示す。
図2、3に示されるように、実施例及び比較例の固体電解質は、いずれも空間群F-43mに帰属可能な回折パターンを有していた。すなわち、比較例1の固体電解質(LiPSCl)に対して、リチウムの一部をマグネシウム又はインジウムで置換した実施例1~9の固体電解質においても、その結晶構造は維持されていることが確認できる。
(2)イオン伝導度
実施例1~6及び比較例1の固体電解質の50℃におけるイオン伝導度を、Bio-Lobic社製「VMP-300」を用いて上述の方法で交流インピーダンスを測定し、求めた。表2に実施例1~6及び比較例1の固体電解質の50℃におけるイオン伝導度を示す。
また、実施例3~9及び比較例1の固体電解質の-30℃におけるイオン伝導度を同様にして求めた。表3に実施例3~9及び比較例1の固体電解質の-30℃におけるイオン伝導度を示す。
Figure 0007115336000002
Figure 0007115336000003
表2に示されるように、実施例1~6の固体電解質においては、50℃の高温下でのイオン伝導度が改善されていることがわかる。また、表3に示されるように、実施例3~9の固体電解質においては、-30℃の低温下でのイオン伝導度が改善されていることがわかる。
本発明に係る固体電解質は、全固体電池等の蓄電素子の固体電解質として好適に用いられる。
1 正極層
2 負極層
3 隔離層
4 正極基材
5 正極活物質層
6 負極活物質層
7 負極基材
10 全固体電池

Claims (3)

  1. 空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、
    リチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有し、
    上記元素Aがマグネシウム又はインジウムであり、
    下記式(1)で表される上記元素Aの置換度DS(%)が0.1%以上3%以下である固体電解質。
    DS={[A]/([Li]+m[A])}×100 ・・・ (1)
    (式(1)中、[Li]は、上記リチウムの原子数基準の含有割合である。[A]は、上記元素Aの原子数基準の含有割合である。mは、上記元素Aの価数である。)
  2. 空間群F-43mに帰属可能な結晶構造を有し、
    リチウム、リン、硫黄、及び元素Aを含有し、
    上記元素Aがマグネシウム又はインジウムであ
    下記式(2)で表される固体電解質。
    Li 7-mx-y PS 6-y Ha ・・・ (2)
    (式(2)中、Aは、上記元素Aである。Haは、塩素、臭素又はヨウ素である。xは、0.01以上0.2以下の数である。yは、0.2以上1.8以下の数である。mは、上記元素Aの価数である。)
  3. 請求項1又は請求項2の固体電解質を含有するリチウムイオン蓄電素子。
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