JP7114328B2 - 収納庫 - Google Patents

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本発明は、被収納物を収納可能な引出をスライド自在に収容可能な収納庫に関する。
従来から、キッチンの引出の内部に設けられる包丁差しについて、様々な構成が提案および提供されている。例えば特許文献1の引出用収納装置では、多数の被係止孔が形成された主板と引出前板の内面側との間に適宜の間隔の収納スペースを構成する収納側部が形成された筐体状ベース部を備える。特許文献1では、筐体状ベース部の収納スペースに包丁差し具を装着している。
特開2014-133042号公報
ここで、引出において奥側の空間は、引出を全開とした状態にようやく被収納物の取り出しが可能となる空間である。このため、引出を手前側の空間および奥側の空間に区画すれば、頻繁に使用する物品は手前側の空間に収納し、使用頻度が低い物品は奥側の空間に収納するというように使い分けができ、使用者の利便性を更に高められるものと考えられる。しかしながら、特許文献1の技術では、引出内に包丁差しを設けるという点においては使用者の利便性が高められるものの、引出全体の空間の奥行き方向の利便性については何ら考慮されていない。
本発明は、このような課題に鑑み、引出の内部に包丁差しを設けつつ、引出の内部の空間を奥行き方向で効率的に使用することができ、使用者の利便性を更に高めることが可能な収納庫を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる収納庫の代表的な構成は、被収納物を収納可能な引出をスライド自在に収容可能な収納庫であって、引出の前板の裏側に配置されるポケットと、ポケットの上面に着脱可能な包丁差しユニットと、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、引出の前板の裏側に配置されるポケットにより、引出の内部の空間を奥行き方向で効率的に使用することができる。ポケットは着脱可能であるから、左右を反転させて取り付けることができる。そして、そのポケットの上面に包丁差しユニットを着脱可能であることにより、使用者は、包丁差しユニットからなる包丁差しを適宜ポケットに設けることができる。したがって、引出の内部に包丁差しを設けつつ、引出の内部の空間を奥行き方向で効率的に使用することができ、使用者の利便性を更に高めることが可能となる。
上記ポケットの長辺の内面には、ポケットの内部空間を長辺方向に分割する横仕切りを挿抜する長辺側リブが設けられていて、ポケットの短辺の内面には、ポケットの内部空間を短辺方向に分割する縦仕切りを挿抜する短辺側リブが設けられていて、包丁差しユニットは、縦仕切りと長辺側リブの上に載置されるとよい。かかる構成によれば、ポケットの縦仕切りによって分割される空間において、包丁差しユニットが載置されていない空間を収納空間として利用することが可能となる。
上記縦仕切りを挿抜する短辺側リブは短辺方向の中央に配置されていて、包丁差しユニットの奥行きは、ポケットの短辺方向の奥行きの半分の長さであって、縦仕切りの手前側の空間および奥側の空間のいずれにも取付可能であるとよい。これにより、ポケットのうち、奥行きの半分の空間が包丁差しユニットが取り付けられる空間となり、残りの半分の空間を収納スペースとして確保することが可能となる。また、包丁差しをポケットの奥行き方向のどちらがわにでも取付可能である。
本発明によれば、引出の内部に包丁差しを設けつつ、引出の内部の空間を奥行き方向で効率的に使用することができ、使用者の利便性を更に高めることが可能な収納庫を提供することができる。
本実施形態にかかる収納庫を備えるキッチンを示す図である。 ベースキャビネットの引出を説明する図である。 引出の前板へのポケットの固定について説明する図である。 ポケットの仕切りについて説明する図である。 ポケットへの包丁差しユニットの取付について説明する図である。 ポケットへの包丁差しユニットの取付について説明する図である。 ポケットへの包丁差しユニットの固定について説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(キッチン)
図1は、本実施形態にかかる収納庫を備えるキッチン100を示す図である。なお、本実施形態では、キッチン100に備えられる収納庫(ベースキャビネット130)を例示するが、これに限定するものではなく、被収納物(不図示)を収納可能な引出をスライド自在に収容可能な収納庫であれば、キッチン100に備えられる収納庫以外にも本発明を適用することが可能である。
キッチン100は1枚の天板110(ワークトップ)の下に複数の収納庫(キャビネット)を備えた、いわゆるシステムキッチンである。天板110は合成樹脂(人工大理石)やステンレスなどからなり、キッチン100の全体の上面を覆っている。天板110には、組み込み式に取り付けられたコンロ112、調理スペース114、天板110に一体形成されたシンク116が設けられる。シンク116とコンロ112の間に位置する調理スペース114は平坦なテーブル面であり、主に調理を行うのに利用される。
天板110の下は、コンロ112本体が設置されているコンロキャビネット120と、調理スペース114に対応したベースキャビネット130と、シンク116が設置されているシンクキャビネット140といった各収納庫で構成される。各収納庫は収納スペースとして機能し、収納庫内の空きスペースには、コンロ112への配線や、シンク116および水栓への給排水管なども収容されている。このように、天板110の下では、天板110の上のシンク116やコンロ112といった各構成に対応した収納庫がその高さおよび奥行きを等しくして複数設けられている。
次に、本実施形態の特徴である収納庫について説明する。上記説明したコンロキャビネット120、ベースキャビネット130、シンクキャビネット140のうち、ベースキャビネット130を例にとって説明する。図1に示すように、本実施形態の収納庫である130は、被収納物(不図示)を収納可能な引出132をスライド自在に収容可能である。
(収納庫)
図2は、ベースキャビネット130の引出132を説明する図である。本実施形態の収納庫であるベースキャビネット130(図1参照)は、図2に示す複数のポケット(左ポケット150aおよび右ポケット150b)およびスペーサー160を備える。左ポケット150aおよび右ポケット150bは、引出132の前板134の裏側に配置される。左ポケット150aは、ベースキャビネット130を前方から観察した際に前板134の裏側において左側に配置される幅が狭いポケットである。右ポケット150bは、ベースキャビネット130を前方から観察した際に前板134の裏側において右側に配置される幅が広いポケットである。これらの左ポケット150aおよび右ポケット150bの上部は、スペーサー160によって連結される。
図2に示すように、本実施形態のベースキャビネット130によれば、引出132の前板134の裏側に複数のポケットである左ポケット150aおよび右ポケット150bが配置されることにより、引出132の内部の空間を、手前側の空間および奥側の空間に仕切ることができる。これにより、引出132の内部の空間を奥行き方向で効率的に使用することが可能となる。
更に本実施形態では、複数のポケットのうち、右ポケット150bの上面に、着脱可能な包丁差しユニット170が取り付けられる。包丁差しユニット170には、包丁を差し込み口であるスリット172が形成されている。これにより、上述したようにポケットによって引出132の内部の空間を手前側の空間および奥側の空間に仕切りつつ、包丁を好適に収納することができ、使用者の利便性を更に向上することが可能となる。また包丁差しユニット170が着脱可能であることにより、使用者は必要に応じて包丁差しユニット170の設置の有無を選択することができる。
図3は、引出132の前板134へのポケットの固定について説明する図である。図3(a)は、図2のA-A断面図であり、ポケットを引出132の前板134に固定した状態を示している。図3(b)は、ポケットを引出132の前板134に固定していない状態での斜視図である。図3(a)および(b)に示すように、引出132の前板134の裏面には、断面がクランク形状のモール136が取り付けられている。
左ポケット150aおよび右ポケット150bを引出132に取り付ける際には、図3(a)に示すように、左ポケット150aおよび右ポケット150bの係止リブ152をモール136に係止する。これにより、左ポケット150aおよび右ポケット150bが前板134に取り付けられ、左ポケット150aおよび右ポケット150bの奥行き方向への移動が規制される。前板134に取り付けられた状態において、左ポケット150aおよび右ポケット150bの底面は引出132の底板139に接している。このため、左ポケット150aおよび右ポケット150b、ならびにそれらの内部に収納された被収納物の荷重は底面139によって支持される。
また図3(a)に示すように、左ポケット150aおよび右ポケット150bには、幅方向に延びる2つの縁(手前側と奥側の両方の縁)に係止リブ152が形成されている。したがって、本実施形態では、左ポケット150aおよび右ポケット150bの左右を反転させてもモール136に取り付けることができる。これにより、使用者は自分が使いやすいようにポケットの配置を変更することができるため、利便性を高めることが可能となる。
図4は、ポケットの仕切りについて説明する図である。図4では、2つの左ポケット150aおよび右ポケット150bのうち右ポケット150bを例示している。図4(a)に示すように、右ポケット150bの長辺の内面には長辺側リブ182が形成されている。長辺側リブ182は、右ポケット150bの内部空間を長辺方向に分割する横仕切り192を挿抜可能である。かかる構成によれば、右ポケット150bの内部の空間を幅方向で複数に分割することができ、小物等の被収納物を整理して収納することができる。
また図4(a)および(b)に示すように、右ポケット150bの短辺の内面には短辺側リブ184が形成されている。短辺側リブ184は、右ポケット150bの内部空間を短辺方向に分割する縦仕切り194を挿抜可能である。これにより、右ポケット150bの内部の空間を奥行き方向で複数に分割することができ、右ポケット150bの幅方向に長い被収納物を整理して収納することが可能となる。
図5および図6は、ポケットへの包丁差しユニット170の取付について説明する図である。図5に示すように、本実施形態では、包丁差しユニット170は、縦仕切り194と長辺側リブ182の上に載置される。そして、載置した後に、包丁差しユニット170のラッチ174を、右ポケット150bの短辺側に形成された係止穴186に嵌めることにより、包丁差しユニット170が右ポケット150bに固定される。このように本実施形態のベースキャビネット130によれば、取付のための他の部材を必要とすることなく包丁差しユニット170を右ポケット150bに取り付けることが可能となる。
特に本実施形態では、縦仕切り194を挿抜する短辺側リブ184は短辺方向の中央に配置されていて、包丁差しユニット170の奥行きD1は、右ポケット150bの短辺方向の奥行きD2の半分の長さである。そして、包丁差しユニット170は、縦仕切りの手前側の空間および奥側の空間のいずれにも取付可能である。
上記構成によれば、右ポケット150bのうち、奥行きの半分の空間が包丁差しユニット170が取り付けられる空間となり、残りの半分の空間を収納スペースとして確保することが可能となる。したがって、右ポケット150bの縦仕切り194によって分割される空間において、包丁差しユニットが載置されていない空間を収納空間として利用することが可能となる。
また右ポケット150bの短辺側の両側面に係止穴186が形成されていることにより、ラッチ174はいずれの係止穴186にも嵌めることができる。したがって、包丁差しユニット170を左右反転させた状態で取り付けることが可能となる。これにより、使用者は、自分の利き手が右または左のいずれの場合においても包丁差しを良好に使用することが可能となる。
更に、上述したように本実施形態では、左ポケット150aおよび右ポケット150bの左右を反転させてもモール136(図3(b)参照)に取り付けることができる。したがって、使用者の利き手が右の場合には、図6(a)に示すように右ポケット150bを右側に配置し、包丁を右側に引き抜く方向に包丁差しユニット170を配置することにより、包丁を良好に取り出しおよび収納することができる。
一方、使用者の利き手が左の場合には、図6(b)に示すように左ポケット150aおよび右ポケット150bを左右反転させてモール136に取り付け、包丁差しユニット170も図6(a)に示す状態と反転させる。これにより、利き手が左の使用者も包丁を良好に取り出しおよび収納することが可能となる。
図7は、ポケットへの包丁差しユニット170の固定について説明する図である。図7(a)は、包丁差しユニット170を側方から観察した状態を示す図であり、図7(b)は、包丁差しユニット170を取り付けた右ポケット150bを左ポケット150aと接する側から観察した状態を示す図である。
図7(a)に示すように、包丁差しユニット170のラッチ174には、ロック孔176が設けられていて、かかるロック孔176にはロックピン200が挿入される。ロックピン200の先端にはフック202が設けられている。図5に示すように右ポケット150bに包丁差しユニット170を取り付けたら、左ポケット150aを引出132に取り付ける前に、図7(a)に示すロックピン200を右ポケット150bの係止穴186に挿入する。これにより、ロックピン200が右ポケット150bの係止穴186を通過して包丁差しユニット170のロック孔176(図7(a)参照)に挿通される。
そして、図7(b)に示すようにロックピン200を回転させることにより、ロックピン200の先端のフック202がロック孔176に係止される。これにより、ロックピン200が抜け止めとなるため、右ポケット150bからの包丁差しユニット170の外れを好適に防ぐことが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、被収納物を収納可能な引出をスライド自在に収容可能な収納庫に利用することができる。
100…キッチン、110…天板、112…コンロ、114…調理スペース、116…シンク、120…コンロキャビネット、130…ベースキャビネット、132…引出、134…前板、136…モール、139…底板、140…シンクキャビネット、150a…左ポケット、150b…右ポケット、152…係止リブ、160…スペーサー、170…包丁差しユニット、172…スリット、174…ラッチ、176…ロック孔、182…長辺側リブ、184…短辺側リブ、186…係止穴、192…横仕切り、194…縦仕切り、200…ロックピン、202…フック

Claims (2)

  1. 被収納物を収納可能な引出をスライド自在に収容可能な収納庫であって、
    前記引出の前板の裏側に配置されるポケットと、
    前記ポケットの上面に着脱可能な包丁差しユニットと、
    を備え
    前記ポケットの長辺の内面には、該ポケットの内部空間を長辺方向に分割する横仕切りを挿抜する長辺側リブが設けられていて、
    前記ポケットの短辺の内面には、該ポケットの内部空間を短辺方向に分割する縦仕切りを挿抜する短辺側リブが設けられていて、
    前記包丁差しユニットは、前記縦仕切りと前記長辺側リブの上に載置されることを特徴とすることを特徴とする収納庫。
  2. 前記縦仕切りを挿抜する短辺側リブは短辺方向の中央に配置されていて、
    前記包丁差しユニットの奥行きは、前記ポケットの短辺方向の奥行きの半分の長さであって、
    前記包丁差しユニットは、前記縦仕切りの手前側の空間および奥側の空間のいずれにも取付可能であることを特徴とする請求項に記載の収納庫。
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