JP7112773B2 - 藻体の陸上養殖装置及び陸上養殖方法 - Google Patents

藻体の陸上養殖装置及び陸上養殖方法 Download PDF

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Description

特許法第30条第2項適用 合同会社シーベジタブル春野拠点、尾鷲拠点、長島拠点、天草拠点、今治拠点にて、令和2年1月10日から性能比較試験を行った。
本発明は、陸上で海藻を養殖する海藻類の陸上養殖装置及び陸上養殖方法に関する。
陸上で海藻を養殖する技術として、例えば特許文献1は、海藻の胞子又は胞子が発芽した発芽体を集塊化させた種苗を用意し、これを水槽養殖することを開示している(特許文献1の段落[0007]~[0009]参照)。
海藻の養殖に際しては、海藻に対する光照射が重要である。光照射を効率よく行うために特許文献1に記載の発明では水槽内で撹拌を行うことが記載されている(特許文献1の段落[0010]参照)。撹拌により流水を生じさせて種苗(藻体集塊)を流動させ、これによって種苗に光照射を行っている。
特許文献2は、海藻類の陸上養殖装置を開示している。この装置は、横断面形状がU字状又は半円状をした底部に湾曲壁面を有する養殖槽を用意し、この養殖槽に溜めた養殖用海水に対して、上方から新たな養殖用海水を噴流状に流下させるようにしている。これによって養殖槽内の養殖用海水は湾曲壁面に沿うように旋回し、養殖槽に溜められた養殖用海水を撹拌することができる(特許文献2の段落[0009]参照)。
特許文献2はさらに、養殖用海水として地下海水、海洋深層水を利用することを紹介している(文献2の段落[0001]参照)。
特許文献3はさらに、円形状の養殖槽と水掻き羽根の回転によって養殖中の種苗に均等に光照射を行い得るようにした海藻類の陸上養殖方法が記載されている。
特開2002-176866号公報 特開2012-213351号公報 特開2020-048414号公報
本発明者による特許文献1に記載の海藻類の陸上養殖装置はこれまでにない画期的なものであったが、海藻類のより一層効率のよい陸上での養殖が求められている。
本発明の藻体の陸上養殖装置は、養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えており、水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒である。
さらに、水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れている位置の配置されていることが望ましい。
さらに、本発明の藻体の陸上養殖装置は、水掻き羽根が、回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、1以上N―1以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられている。
従来の技術に比べてより一層効率的な陸上での養殖が可能となる。
養殖施設の一例(イラスト) 養殖施設の一例(写真) 直径20mの養殖槽(写真) 養殖槽の平面形状及び内接円と直径の関係 海藻類の陸上養殖方法の手順の一例を示す模式図。 海藻類の陸上養殖方法の手順の別の一例を示す模式図。 種苗を生産する工程を示す模式図。 (a)は直径1メートルの養殖槽を用いた第1段階の養殖工程、(b)は直径2メートルの養殖槽を用いた第2段階の養殖工程、(c)は直径5メートルの養殖槽を用いた第3段階の養殖工程、(d)は直径10メートルの養殖槽を用いた第4段階の養殖工程をそれぞれ示す模式図。 種々の長さに成長した実際の藻体の写真 一つ目の実施の形態の攪拌機を示す平面図。 その側面図。 二つ目の実施の形態の攪拌機を示す平面図。 その側面図。 三つ目の実施の形態の攪拌機の側面図。 四つ目の実施の形態の攪拌機の側面図。 直径20mの養殖槽の写真 直径20mの養殖槽の写真 直径20mの養殖槽の撹拌アームの補強 水掻き羽根の回転中心と養殖槽との関係 水掻き羽根の回転中心と養殖槽との関係 水掻き羽根の回転中心と養殖槽との関係(水流付) 水掻き羽根の回転中心と養殖槽との関係(水流付) 水掻き羽根のパドル先端の軌跡と養殖槽との関係 水掻き羽根のパドル先端の軌跡と養殖槽との関係 藻体の撹拌回転速度に対する耐久性 撹拌機を2点で固定するイラスト 撹拌機を3点で固定するイラスト アームが1本の撹拌機の例 アームが2本の撹拌機の例
実施の一形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、海藻類の陸上養殖を行う養殖施設11への適用例である。本実施の形態の説明は、次の項目に沿って行う。
[養殖施設]
[養殖槽]
[養殖システム]
[陸上養殖方法]
<1.種苗の生産>
<2.種苗の放出>
<3.種苗の育成>
(各段階の養殖槽)
(藻体の長さ)
<4.攪拌機の設置>
(1)攪拌機の構造
(第1の撹拌機)
(第2の撹拌機)
(第3の撹拌機/第4の撹拌機)
(2)撹拌機の設置位置1
(3)撹拌機の設置位置2
(4)撹拌機の水掻き羽根の回転速度
(5)攪拌機の投入と位置固定
<5.攪拌機の作動>
[典型的な実施例]
<典型的な実施例1>
<典型的な実施例2>
<典型的な実施例3>
[養殖施設]
図1に示すように、本実施の形態の養殖施設11は、海12に隣接する沿岸13に設置され、複数個の陸上養殖装置101を備えている。個々の陸上養殖装置101は、海藻の種苗31(藻体)の培養に用いる養殖用海水51(養殖用水)を収容する養殖槽111を主体としており、大きさの異なる複数の養殖槽111を備えている。
養殖施設11中、図1中に示す左側の九つが直径10メートル、これに隣接する一列分と右側の一つが直径5メートル、右側に一列七個並んでいるのが直径2メートル、そしてその向こうで二列八個並んでいるのが直径1メートルの養殖槽111である。説明の便宜上、直径1メートルの養殖槽111を養殖槽111a、直径2メートルの養殖槽111を養殖槽111b、直径5メートルの養殖槽111を養殖槽111c、直径10メートルの養殖槽111を養殖槽111dと呼ぶ。
図2は実際の養殖施設の写真である。手前の一番大きい養殖槽は直径10メートルである。本発明はさらに図3のような直径20メートルの養殖槽を備えてもよい。
また、養殖槽の大きさは、直径1,2,5,10及び20メートルに限らず任意の大きさを選択することができる。
例えば、直径1メートル、2メートル、5メートル、8メートル、10メートル、12メートル、13メートル、14メートル、15メートル、16メートル、18メートル、20メートル、22メートル、24メートル、25メートル、26メートル、28メートル、30メートル、35メートル、40メートルなど様々なタイプの養殖槽から適宜複数タイプ(例:4~6タイプ)の養殖槽を選択することができる。
[養殖槽]
養殖槽の内壁の形状は撹拌機の水掻き羽根が水平面内で水面に沿って回転することや、藻体の撹拌効率、制作容易性、強度、コストを考えると平面視(上からみた形状)で円形状であることが望ましいが、円形状に近い形状であれば円形状でなくても構わない。
例えば、多角形でもかまわない。10角形以上であればほぼ円形状とみなせるが5角形以上でも構わない。例えば、楕円でも構わない。楕円の場合は扁平率0.4以下が望ましい。より望ましくは扁平率0.2以下、より望ましくは扁平率0.1以下である。
本発明で略円形状の養殖槽とはこれらの円形状、多角形、楕円形状だけでなく、円形状、多角形、楕円形状から多少のゆがみや凹凸を設けた形状を含む。養殖槽の製造プロセスや野外での経年劣化を鑑みれば多少のゆがみや凹凸が想定される。
本発明の養殖槽の直径とは養殖槽の内壁の平面視の形状に内接する最大の内接円の直径と定義する。図4に円形状、楕円形状、五角形状、十角形状の養殖槽の平面形状及び内接円と直径との関係を示す。
また本発明で養殖槽の中心とは養殖槽の内壁の平面形状の幾何中心と定義する。
[養殖システム]
図5に示すように、本実施の形態の陸上養殖装置101を用いた養殖システムは、海12に隣接する沿岸13に設置されているという地の利を生かし、清浄な地下海水を養殖用海水51として利用する。つまり地下20メートル程度の地下海水を取水し、養殖用海水51として養殖槽111に注入する。養殖用海水51の注入は、給水口112から行う。
地下海水は気温に対する依存性が少なく、年間を通じて20℃前後の温度に保たれる。この温度は、海藻の養殖に適した温度である。これに加えて地下海水は、種苗31の生育に必要な栄養を豊富に含んでいることがある。
養殖槽111内に満たされた養殖用海水の水深は1m以下であることが望ましい。より好ましくは800mm以下、より好ましくは600mm以下である。水深が深すぎると水中の種苗に効率的に光照射ができなくなる。また浅すぎると養殖効率が悪くなるので最低でも100mm以上は必要である。
水深の設定は、排水口113の高さによって行われる。例えば水深500~600mmの位置に排水口113を設けておくことで、さらに供給される養殖用海水51は排水口113から外部に流され、養殖槽111内の水深は500~600mmに保たれる。また潅水のため養殖槽は傾斜させて設置してもよい。
別の実施の形態としては、図6に示すように、清浄な地下海水(又は水)を一旦魚介類や甲殻類などの陸上養殖に利用し、その排水を養殖用海水51(養殖用水)として用いるようにしてもよい。これによって栄養豊富な養殖用海水51を得ることができる。
[陸上養殖方法]
本実施の形態の陸上養殖方法は、次の各工程によって実行される。
<1.種苗の生産>
図7に示すように、種苗31を生産するには、まず海12から母藻32を採取し、母藻32から胞子33を放出させる。そして胞子33又は胞子33が発芽した発芽体(図示せず)を集塊化させ、これを種苗31(藻体)とする。胞子33又は胞子33が発芽した発芽体の集塊化は、例えば特許文献1に開示されている方法によって実施可能である。この方法は、海藻の胞子を1cm2あたり104個以上の高密度で平板上に播種して培養し、複数の胞子が連結した胞子集塊、もしくはそれら胞子が発芽した発芽体が絡み合った発芽体集塊を形成し、その後胞子集塊又は発芽体集塊を平板からはがして種苗とする。
<2.種苗の放出>
そこで本実施の形態の養殖システムは、こうして得た種苗31を養殖槽111に収容された養殖用海水51に放つ。種苗31は、養殖用海水51内で生育する。
このとき種苗31の生育に必要なことは、種苗31に対する均等な光照射及び酸素供給である。本実施の形態は、これらを攪拌機201によって実現している。これについては後述する。
<3.種苗の育成>
(各段階の養殖槽)
種苗31は、4~5日程度の期間で5倍ぐらいの大きさに成長する。そこで従来は図8(a)~(d)に示すように、種苗31の成長に合わせて養殖槽111の大きさを第1段階から第4段階まで、段階的に大きくしていた。本発明ではさらに第5段階として直径20メートルの養殖槽を使用する。さらには第6段階として直径25メートルの養殖槽又は直径30メートルの養殖槽を使用してもよい。所定の藻体の育成が完了したところで藻体を養殖槽から運び出す。
ある段階からつぎの段階に移行するタイミングは、一週間程度である。つまりある段階の養殖工程を実施し、一週間経過したら次の段階の養殖工程に進む。
図8(a)に示すように、第1段階の養殖工程では、直径1メートル、0.8m2の養殖槽111aを使用する。このときには攪拌機201は用いず、例えばエアポンプ(図示せず)によって養殖用海水51を撹拌する。
図8(b)に示すように、第2段階の養殖工程では、直径2メートル、3.1m2の養殖槽111bを使用する。このときには攪拌機201は用いず、例えばエアポンプ(図示せず)によって養殖用海水51を撹拌する。
図8(c)に示すように、第3段階の養殖工程では、直径5メートル、19.6m2の養殖槽111cを使用する。養殖用海水51の撹拌は、攪拌機201によって行う。
図8(d)に示すように、第4段階の養殖工程では、直径10メートル、78.5m2の養殖槽111dを使用する。養殖用海水51の撹拌は、攪拌機201によって行う。
図3に示すように、第5段階の養殖工程では、直径20メートル、314.2m2の養殖槽111dを使用する。養殖用海水51の撹拌は、攪拌機201によって行う。直径20メートルの養殖槽は直径10メートルの養殖槽の4倍の面積を有し、より一層効率的な藻体の陸上養殖が可能となる。ただし、養殖槽が大きくなると後述するようにこれまで様々な問題が生じるため十分な対応が必要になる。
(藻体の長さ)
図9に本発明で養殖されている藻体の実際の写真を示す。上から長さ約5mmの藻体、長さ約13mmの藻体、長さ約60mmの藻体、長さ約150mmの藻体、長さ約320mmの藻体、長さ約680mmの藻体である。
この約5mmの藻体は室内ビーカーで養殖されていた。この約13mmの藻体は直径1mの養殖槽で養殖されていた。この約60mmの藻体は直径2mの養殖槽で養殖されていた。この約150mmの藻体は直径5mの養殖槽で養殖されていた。この約320mmの藻体は直径10mの養殖槽で養殖されていた。この約680mmの藻体は直径20mの養殖槽で養殖されていた。
本発明のような略円形状の養殖槽と撹拌機を用いた藻体の陸上養殖では養殖槽の大きさに応じて養殖に適した藻体の長さがある。室内ビーカーでは長さ約10mm~20mmの藻体の養殖に適している。例えば、直径1m以下の養殖槽では長さ約50mm以下の藻体の養殖に適している。直径2m以下の養殖槽では長さ約100mm以下の藻体の養殖に適している。直径5m以下の養殖槽では長さ約150mm以下の藻体の養殖に適している。直径10m以下の養殖槽では長さ約300mm以下の藻体の養殖に適している。直径20m以下の養殖槽では長さ約700mm以下の藻体の養殖に適している。直径30m以下の養殖槽では長さ約1500mm以下の藻体の養殖に適している。
<4.攪拌機の設置>
前述したとおり、第3段階から先の養殖工程(第3~第6段階の養殖工程)では、養殖用海水51の撹拌を攪拌機201によって行う(図8(c)(d)及び図3参照)。そこで第3段階から先の養殖工程では、養殖槽111に収容されている養殖用海水51内に攪拌機201を設置する。
(1)攪拌機の構造
ここれで、攪拌機のいくつの実施の形態を説明する。下記の1の撹拌機、第2の撹拌機は従来からある技術であるが本発明の実施例の1つである。第3の撹拌機、第4の撹拌機は今回新たに発明されたものであり、本発明の実施例の1つである。
(第1の撹拌機)
図10及び図11は、攪拌機201の一つ目の実施の形態を示している。この攪拌機201は、円筒形状をした下部ハウジング211と上部ハウジング212との間にバランサ231を回転自在に取り付け、バランサ231に水掻き羽根251を取り付けた構造のものである。
下部ハウジング211は、水掻き羽根251の駆動源となるモータ(図示せず)を内蔵している。上部ハウジング212は、モータの駆動回路を内蔵している。モータは、回転軸を垂直方向に向けて下部ハウジング211内に収容され、回転軸をバランサ231に連結している。モータの回転は、減速機構によって減速されてバランサ231に伝えられ、バランサ231を介して水掻き羽根251に伝達される。
一例として、水掻き羽根251は、1回転当たり10秒~120秒程度の回転速度で回転させることが可能である。なお、後述するように藻体の育成に応じて回転速度を適切に制御することが重要である。
各部は図示しないシールで密封されている。シールは、下部ハウジング211に収納されたモータと、上部ハウジング212に収納された駆動回路とを水密状態に保つ。
バランサ231には、120度の角度で三又に分岐した分岐管232が連結している。水掻き羽根251は、三つの分岐管232のそれぞれの先端部分から放射方向に延びるアーム252を備え、アーム252の下端から下方に向けてパドル253を延ばしている。したがって水掻き羽根251はバランサ231の回転と共に回転し、流体(養殖用水)を撹拌する。図8(c)、図8(d)、図3に示すように水掻き羽根は水平面内において水面に沿って回転する。
バランサ231はまた、水に対して浮力を生ずる。バランサ231の浮力によって、攪拌機201は水上で浮遊することができる。なお、以下の実施例では水上に浮遊する撹拌機の例を示すが、本発明の撹拌機はその水掻き羽根が水面にそって回転するものであれば足り、水面に浮遊していなくても構わない。例えば、養殖槽内の設置台に設置されていていてもよい。この場合、撹拌機をフロートなどで水面に浮かせる必要がなくなるため、フロート下面などの清掃が不要になり好適である。
また、以下の実施例では撹拌機のアームは主に3本のものを示すが特に明記しない限り3本に限定されない。撹拌機を水面に浮かばせる場合、アームは3本以上の方がバランスを取りやすく好適であるが、撹拌機を養殖槽内の設置台などにしっかり固定できる場合などはその限りではない。例えば、図26、図27のようにアームは1本でも2本でも構わない。なお、図26、図27は水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心に位置するか、以下に示す実施例のように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心に位置していなくても構わない。
攪拌機201は、上部ハウジング212から水平方向に二本の連結ロッド271を延ばしている。これらの連結ロッド271は、攪拌機201を位置固定するためのロープ301を結び付けるためのもので、先端部にリング272を有している。ロープ301は、リング272に結び付けることができる。
本実施の形態の攪拌機201は、第3段階以降の養殖工程での使用に適している。第3段階の養殖工程は、直径5メートルの養殖槽111cを用いる。本実施の形態の攪拌機201は、この直径5メートルの養殖槽111cに合わせて、アーム252の長さを設定している。もっとも第4段階の養殖工程での使用に適さないわけではない。第4段階の養殖工程で使用する場合には、直径10メートルの養殖槽111dに合わせて、アーム252の長さをより長くすればよい。
アーム252は水掻き羽根251の回転のバランスを鑑みると3本が適当であるが4本以上でも構わない。またアーム252は水掻き羽根251が水中に沈み込まないようその浮力により水掻き羽全体を水面に維持している(図2,図3参照)。
アームの素材は軽さと丈夫さを備えるものであれば特に限定はないが塩ビ管が適当である。
(第2の撹拌機)
図12及び図13は、攪拌機201の二つ目の実施の形態を示している。この攪拌機201は、基本的には一つ目の攪拌機201と同じ構造を有している。相違するのは、パドル253の角度と数である。その他一つ目の実施の形態の攪拌機201に比べてアーム252の長さが長くなっているが、これは第4段階の養殖工程での使用に適合させるように、直径10メートルの養殖槽111dに合わせた結果である。二つ目の実施の形態の攪拌機201も、アーム252の長さを短くすることで、直径5メートルの養殖槽111cを用いる第3段階の養殖工程での使用に適合させることが可能である。
本実施の形態の攪拌機201が一つ目の実施の形態の攪拌機201と本質的に相違するのは、前述したとおり、パドル253の角度と数である。パドル253は、放射方向に対して傾斜した角度で、個々のアーム252に二つずつ取り付けられている。放射方向に対して傾斜した角度は、例えば45度である。もっとも45度でなければならないわけではなく、他の角度であってもよい。
攪拌機201の実施の形態を二種類説明した。いずれの攪拌機201でも、駆動回路によってモータを起動させれば水掻き羽根251が回転する。水掻き羽根251は、パドル253の作用によって水面に沿って回転し縦方向と横方向とに水流を作り出すように養殖用海水51を撹拌する。
(第3の撹拌機/第4の撹拌機)
図14は、攪拌機201の3つ目の実施の形態(第3の撹拌機)を示している。図10,図11の第1の撹拌機の改良であり同一の符号は同一の構成要素である。図15は、攪拌機201の4つ目の実施の形態(第4の撹拌機)を示している。図12,図13の第2の撹拌機の改良であり同一の符号は同一の構成要素である。
第1の撹拌機及び第2の撹拌機では、水掻き羽根251の3つのアーム252のそれぞれにパドル253が備え付けられているが、第3の撹拌機及び第4の撹拌機では1つのアームにのみパドル253が備え付けられている。
図16は第3の撹拌機の実際の写真である。手前のアーム(材質:塩ビ管)はアームに沿ってパドルが設けられている。奥のアーム(図14の左側のアーム)は手前のアームのようにはパドルが設けられていないが、養殖槽の水を抜いた場合に自立できるようにアームの下側2箇所に自立用の板が設けられている。その拡大図が図17である。
第3の撹拌機及び第4の撹拌機は、直径11メール以上の養殖槽に、より好ましくは直径15メール以上の養殖槽に、より好ましくは直径18メール以上の養殖槽に、さらに好ましくは直径20メートル以上の養殖槽に特に好適である。図3、図16、図17は直径20メールの養殖槽が用いられている。
養殖槽が大きくなるにつれて撹拌機の水掻き羽根251やアームも大きくする必要がある。従来のようにすべてのアームにパドルが設けられていると撹拌抵抗がとても大きくなる。大きな撹拌抵抗でも水掻き羽根251を回転させるためには駆動力の大きなモータを用いる必要がある。しかし、駆動力の大きなモータはサイズも大きいので養殖槽内に設置した場合、養殖に使える空間が減少し非効率になる。
そこで第3の撹拌機及び第4の撹拌機のようにすべてのアームにパドルを設けるのではなく、一部のアームにのみパドルを設けることで撹拌抵抗を抑制し、小型のモータでも十分に水掻き羽根251を回転できるようにすることが望ましい。図14、図15のように1つのアームのみにパドルを設けるのが好適である。この場合、パドルが設けられない他の2つのアーム水掻き羽根(撹拌機)のバランスを確保する役割となる。パドルを設けないアームは1つだけにして2つのアームにパドルを設けることでも撹拌抵抗の抑制に効果がある。
より一般的に表現すると、N個以上のアームを有する撹拌機において、1以上N―1個以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることが望ましい。例えば、3本のアームを有する撹拌機においては、1又は2個のアームにパドルが設けられている。4本のアームを有する撹拌機においては、1,2又は3個のアームにパドルが設けられている。
撹拌抵抗が大きくなるとアームの負荷も大きくなるため折れやすくなる。折れないようにアームの厚さを大きくすると水掻き羽根全体が重くなり水面に維持できなくなる。そのため大型な養殖槽(直径15メートル以上の養殖槽)に用いる撹拌機のアームは一層軽くて強度の高いものが求められている。例えば、HIVP管(肉厚耐衝撃性塩ビ管)やUV管 (肉薄塩ビ管)が適当である。軽量だが強度の少ない塩ビ管を使用する場合は、強度不足を補うため、アーム基部にステンレス素材でハシゴ状の補強を用いる事により破損を防止し、軽量で浮力の大きい強靭な撹拌アームを作成することが可能となる。図18はアーム基部にステンレス素材でハシゴ状の補強を行っている実例である。
(2)撹拌機の設置位置1
撹拌機は図19aのように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心になるように配置することができるが、図19bのように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置することが望ましい。その理由を以下に説明する。ここで所定距離とは養殖槽の直径の3%から25%の範囲である。
海藻は光合成をおこない生長する。光合成の際に排出される酸素が藻体の表面に付着し、これが浮力となる。自然界では仮根部が石などに付着することで、藻体自体が水面に浮き上がることはほとんどないが、胞子集塊化技術による浮遊培養など養殖槽による陸上養殖を行う場合は藻体が浮き上がるため、藻体にダメージを与えない範囲で、強い撹拌力等で物理的に表面に付着している酸素を落とし浮力を落とす必要がある。表層に浮き上がったままの生育を続けることで、水槽内のアオノリに均等に光を与えることができないだけでなく、強い光が当たり続け温度が上がり、藻体の成長の阻害や成熟の現象へとつながる。
撹拌機(水掻き羽根)の回転中心を養殖槽の中心に設定した場合、水槽の中心と水掻き羽根の中心が重なり水槽中心の水流が安定し撹拌できない。そのため、藻体が均一に分散されず、撹拌・混合されていない状態になることが多い。それに対し、撹拌機(水掻き羽根)を直径に対して3%~25%の範囲で養殖槽の中心からずらすことが望ましい。水槽の中心と攪拌機の中心がずれることにより、養殖槽内で乱流が発生し、海藻(藻体)を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
図20は養殖槽の中心に撹拌機(水掻き羽根)の回転中心を配置した場合(図20a)と配置しなかった場合(図20b)の養殖槽内の水流の流れをイラストで表したものである。図20aでは水掻き羽根の回転により主に規則正しい水流が流れる。図20bでは回転流だけでなく撹拌機(水掻き羽根)の回転中心を養殖槽の中心からずらしたことにより
乱流が発生する。この乱流により海藻(藻体)をさらに上下左右全体に撹拌・混合することができる。
この実施例は、養殖槽で撹拌羽根・モータの負荷が大きく撹拌回転速度を早くできない場合又は藻体の切断を抑制するために攪拌回転速度を早くできない場合に特に有効である。例えば直径11m以上の養殖槽での養殖において特に有効である。さらには直径15m以上、18m以上又は20m以上の養殖槽での養殖において特に有効である。さらに言えば、直径13m以上、15m以上、18m以上又は20m以上の養殖槽で長さが200mm以上、300mm以上又は400mm以上の藻体を含む養殖において特に有効である。
特に養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上、300mm以上又は400mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
養殖槽の大きさ毎に撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらす距離の最適な範囲を表1に示す。例えば、直径10メートルの養殖槽では、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心から0.30メートルから2.50メートルの間でずらすのが好ましい。直径20メートルの養殖槽では、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心から0.60メートルから5.00メートルの間でずらすのが好ましい。

Figure 0007112773000001
上記表1より、次のように簡易に設定しても構わない。
(イ)養殖槽の直径が10m以上12m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.30m以上2.50m以下が望ましい。
(ロ)養殖槽の直径が12m以上14m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.36m以上3.00m以下が望ましい。
(ハ)養殖槽の直径が14m以上16m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.42m以上3.50m以下が望ましい。
(ニ)養殖槽の直径が16m以上18m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.48m以上4.00m以下が望ましい。
(ホ)養殖槽の直径が18m以上20m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.54m以上4.50m以下が望ましい。
(ヘ)養殖槽の直径が20m以上22m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.60m以上5.00m以下が望ましい。
(ト)養殖槽の直径が22m以上24m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.66m以上5.50m以下が望ましい。
(チ)養殖槽の直径が24m以上26m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.72m以上6.00m以下が望ましい。
(リ)養殖槽の直径が26m以上28m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.78m以上6.50m以下が望ましい。
(ヌ)養殖槽の直径が28m以上30m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.84m以上7.00m以下が望ましい。
(ル)養殖槽の直径が30m以上35m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.90m以上7.50m以下が望ましい。
(ヲ)養殖槽の直径が35m以上40m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から1.05m以上8.75m以下が望ましい。
撹拌機の中心を養殖槽の直径の25%を超えてずらす場合、撹拌アームが養殖槽の壁に当たらないように短くせざるを得ず、水槽全体に行き渡る水流が弱くなり、水槽中に海藻の部分的な停滞が見られ、均等に撹拌することができない。
撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらして攪拌する場合、水槽の設置勾配を設けるとさらに好適であることがわかった。例えば、養殖槽の底部をすり鉢状に水槽中心が最も深い水深となるようにした場合、中心部に海藻が集まりやすく藻体の攪拌に不適当である。一方、養殖槽の底面を水平面に対して少し傾けることでより一層養殖槽内で乱流が発生し、海藻(藻体)を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
傾ける角度は好ましくは0.5度以上でありさらに好ましくは1度以上である。角度が大きすぎるとかえって藻体の撹拌が不均一になり撹拌機の設置も難易度が上がるためせいぜい3度以下が望ましい。より好ましくは2度以下である。
(3)撹拌機の設置位置2
撹拌機の水掻き羽根のパドルの先端(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)は、養殖槽の内壁から4m以内であることが望ましい。すなわち、水掻き羽根の回転時にパドルの先端は養殖槽の内壁から4m以内の場所を通過するよう配置されていることが望ましい。より好ましくは3m以内である。さらに好ましくは2m以内である。パドルの先端が養殖槽の内壁から離れすぎているとパドル先端と養殖槽内壁の間に藻体が滞留しがちになるが、4m以内(より好ましくは3m以内)であれば藻体の滞留を大幅に抑制することができる。
図21は水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心になるように撹拌機が配置されている。図中の中心から3つの方向に延びる3つのアームにはパドルが設けられている。ここでアームの先端にパドルがアームの長さ方向に設けられている。この図では養殖槽の内側に水掻き羽根が回転した際のパドル先端の軌跡が描かれている。養殖槽内壁から4mの場所を示す点線と養殖槽内壁とで囲まれる領域に、パドルの先端の軌跡が配置されている。このように配置することでパドルと殖槽内壁の間に藻体が滞留することを抑制することができる。
図22は水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心からずれて配置されている。この場合は、パドル先端の軌跡のすべての部分が養殖槽内壁から4mの場所を示す点線と養殖槽内壁とで囲まれる領域に存在するとは限らない。例えば、図22のパドル先端の軌跡のうち実線部分は養殖槽内壁から4mを超えた場所に位置する。パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽内壁から4mの場所に位置すれば殖槽内壁の間に藻体が滞留することを抑制することができる。より好ましくは60%以上である。
図3の写真の一番手前の養殖槽はパドルの先端部が回転する際に描く軌跡の少なくとも50%以上は養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置している。
また、上記のとおり水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心からずれている方が望ましいため、パドル先端の軌跡のすべての部分が養殖槽内壁から4m以内であることが望ましいとは限らない。水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心からずれている方が是とする場合、パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の95%以下が養殖槽内壁から4mの場所に位置することが望ましい。そうすると、パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上95%以下が養殖槽内壁から4mの場所に位置することが望ましい。
なお、これらの特徴は直径が11m以上であるいずれの養殖槽においても言えることであるが、好ましくは直径が15m以上の養殖槽においてより顕著な効果となる。さらにより好ましくは直径が20m以上の養殖槽においてより顕著な効果となる。
(4)撹拌機の水掻き羽根の回転速度
藻体の長さが長くなると藻体が途中で切断されてしまうため藻体の攪拌には十分注意が必要となる。長く育った藻体は短い藻体と比べ生理的に成熟しやすい(成熟すると、収穫量が減る)。さらには藻体が千切れることでより成熟が促進されるため(成長も低下)千切れないように培養することはとても重要である。
藻体の千切れを抑制するためには撹拌機の水掻き羽根の回転速度を早すぎないようにすることが重要である。本発明者は様々な試行錯誤の結果、水掻き羽根を1回転あたり25秒以上の時間で回転させるのが適当であることがわかった。より好適には1回転あたり30秒以上の時間である。一方であまり遅すぎると光合成した藻体の表面に付着した気泡を落とすことができず、藻体が浮き上がってしまい、攪拌効率や養殖効率が悪くなるので1回転あたり120秒以下の時間であることが望ましい。より好適には1回転あたり90秒以下の時間である。
そうすると、水掻き羽根の回転速度は1回転あたり25秒~120秒、30秒~120秒、25秒~90秒又は30秒~90秒などが望ましい。
特に養殖槽が大きくなり、より長い藻体を養殖する場合は水掻き羽根の回転速度の制御がとても重要になる。例えば直径20mの養殖槽に入る攪拌機は直径10m養殖槽で用いる撹拌機と比べ撹拌アームが長く、同じ回転数で撹拌した時の撹拌アーム先端の速度は直径20mの養殖槽の攪拌機の方が早く、水流の動きも激しくなる。その結果、1回転25秒以上の時間をかけて撹拌することで藻体が物理的に千切れるのを防いでいる。
藻体の千切れやすさはその長さに依存するため、その好適な回転速度は藻体の長さに依存する。藻体の長さと回転速度に対する藻体の耐久性(千切れづらさ)を図22に示す。藻体の長さがいずれにおいても1回転当たりの時間が25秒以上であれば好適に撹拌できる。
特に藻体の長さが200mm以上であれば1回転当たりの時間が25秒以上であれば特に好適である。1回転当たりの時間が30秒以上であればさらに好適である。
この場合、「藻体の長さが200mm以上」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
(5)攪拌機の投入と位置固定
攪拌機201は、養殖槽111に収容した養殖用海水51内に投入される。養殖槽の大きさが直径20m以上になると水面に浮遊する撹拌機の水掻き羽根がその分大型になるため水面で流されやすくなるため工夫が必要である。
例えば、直径が15m以下の養殖槽では図2や図24のように2点の杭からロープを伸ばすことで攪拌機の位置固定をすることができたが直径20m以上の養殖槽となると、杭への抵抗が強いため図25のように3点の杭からロープを固定する必要がある。
また、直径20m以上の養殖槽に用いる攪拌機は、強い水流を発生させる必要があるためロープに与える負荷も大きい。そのため、強度が強く、伸び縮みしないダイニーマロープを用いている。
5.攪拌機の作動
養殖用海水51に攪拌機201を投入し位置固定したら、モータを起動させて水掻き羽根251を回転させる。これによって養殖用海水51に縦方向及び横方向の旋回流が発生し、撹拌が行なわれる。撹拌は縦方向と横方向との旋回流によって行われるため、下方に滞留する養殖用海水51が水面に向けて上昇する。詳しく説明する。
上記実施の形態の攪拌機201はいずれも、水掻き羽根251の回転によってパドル253が縦方向の水流と横方向の水流とを作り出し、養殖用海水51を撹拌する。
縦方向の水流は、水掻き羽根251の水平投影面内に発生し、養殖槽111の底部に向かっていく。底部に向かった水流は底部に衝突し、上方に向けて戻ることによって養殖用海水51を撹拌する。この撹拌作用によって、主に水掻き羽根251の水平投影面内で養殖槽111の底部に停滞している種苗31の動きが活性化される。動きを活性化された種苗31は上昇し、養殖用海水51の水面に向けて浮き上がる。
横方向の水流は、パドル253の真横の水面近くに発生し、養殖槽111の内壁に向かっていく。内壁に向かった水流は内壁に衝突し、養殖槽111の底部に回り込んで底部に沿って横方向に戻ることによって養殖用海水51を撹拌する。この撹拌作用によって、主に水掻き羽根251の水平投影面を外れた位置で養殖槽111の底部に停滞している種苗31の動きが活性化される。動きを活性化された種苗31は上昇し、養殖用海水51の水面に向けて浮き上がる。
養殖用海水51に放たれた種苗31は、養殖用海水51の撹拌によって位置を変え、水面又は水面近くに万遍なく回り込む。したがってすべての種苗31に対して太陽光による光照射を均等に行うことができ、順調な種苗31の育成を促すことが可能となる。
このとき重要なことは、攪拌機201は、縦方向の旋回流を生じさせて養殖用海水51を撹拌することである。このような撹拌原理を利用することで、養殖槽111の大きさが大きくなったとしても、例えば600mm以下、典型的には300~400mm程度という浅い水深を維持したまま、水掻き羽根251の水平投影面内に位置する養殖用海水51を十分に撹拌することができる。その結果、養殖用海水51の水深を300~400mm程度の浅い水深にすることで、水掻き羽根251の水平投影面を外れた位置に位置する養殖用海水51についても、攪拌機201による横方向の旋回流によって十分に撹拌することができる。
水掻き羽根251の回転によってパドル253が作り出す横方向の水流は、主に水掻き羽根251の水平投影面を外れた位置で養殖槽111の底部に停滞している種苗31の動きを活性化する。このとき養殖槽111が略円形状をなしていれば、水掻き羽根251の水平投影面を外れた養殖槽111の内壁近くの領域でも、養殖用海水51に均等な撹拌作用を生じさせやすい。その結果、養殖用海水51に放たれた種苗31をより万遍なく水面又は水面近くに回り込ませることが可能になり、順調な種苗31の育成を促すことができる。
養殖用海水51の撹拌によってもたらされる作用は、種苗31の動きを活性化し、養殖槽111の底部に停滞している種苗31を水面に向けて上昇させ、水面又は水面近くに万遍なく回り込ませるだけに止まらない。養殖用海水51が撹拌されることによって、種苗31に対する酸素供給及び栄養補給も均等になされ、この面からも種苗31の順調な育成を促すことが可能である。
以上述べた各種の要因により、従来技術より一層の効率的な藻体の陸上養殖が可能となる。以下では上記の各種要因も採用した典型的は好適な実施例を示す。
[典型的な実施例]
<典型的な実施例1>
実施例1の藻体の陸上養殖装置は、図19b、図22のように撹拌機の水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されている。ここで所定距離とは養殖槽の直径の3%から25%の範囲である。養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。さらには1回転あたり30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果がとくに顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
<典型的な実施例2>
実施例2の藻体の陸上養殖装置は、撹拌機の水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒の範囲である。より好適には30秒~120秒の範囲である。このようにすることで藻体の千切れを抑制することができる。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
水掻き羽根の回転中心は図19a、図21のように養殖槽の中心でも、図19b、図22のように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても_構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
<典型的な実施例3>
実施例3の藻体の陸上養殖装置は、図21,図22のように水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置している。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。特に1回転あたり30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果がとくに顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
<典型的な実施例4>
実施例4の藻体の陸上養殖装置は、撹拌機が上述の図14,図15の第3の撹拌機、第4の撹拌機のようにすべてのアームにパドルを設けるのではなく、一部のアームにのみパドルを設けることで撹拌抵抗を抑制し、小型のモータでも十分に水掻き羽根251を回転できるように設定されている。図14、図15のように1つのアームのみにパドルを設けるのが好適であるが、パドルを設けないアームは1つだけにして2つのアームにパドルを設けることでも撹拌抵抗の抑制に効果がある。より一般的に表現すると、N個以上のアームを有する撹拌機において、1以上N―1個以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることが望ましい。例えば、3本のアームを有する撹拌機においては、1又は2個のアームにパドルが設けられている。4本のアームを有する撹拌機においては、1,2又は3個のアームにパドルが設けられている。養殖槽の大きさが直径15m以上、より好適には直径20m以上の場合により顕著な効果を発揮する。
水掻き羽根の回転中心は図19aのように養殖槽の中心でも図19bのように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。特に30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
<典型的な実施例5>
実施例5の藻体の陸上養殖方法では、養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒である。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
水掻き羽根の回転中心は図19a、図21のように養殖槽の中心でも、図19b、図22のように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
表2はこれまで海藻類のより一層効率のよい陸上での養殖のために示してきて本発明(養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置及び方法)における各構成と養殖槽の直径との相乗効果を示すものである。いずれの本発明の構成も養殖槽の直径が大きくなると効果が顕著になることを示している。表3は本発明の各構成と養殖槽で養殖対象とする藻体の長さとの相乗効果を示すものである。いずれの本発明の構成も藻体の長さが長くなると効果が顕著になることを示している。
Figure 0007112773000002
Figure 0007112773000003
上記の典型的な実施例1~5に対して、本明細書中で説明されている種々のバリエーションを加えることができる。例えば、養殖槽の形状が略円形であることが好適である。
11 養殖施設
12 海
13 沿岸
31 種苗
32 母藻
51 養殖用海水
101 陸上養殖装置
111 養殖槽
111a 養殖槽(直径1メートルの養殖槽)
111b 養殖槽(直径2メートルの養殖槽)
111c 養殖槽(直径5メートルの養殖槽)
111d 養殖槽(直径10メートルの養殖槽)
112 給水口
113 排水口
201 攪拌機
211 下部ハウジング
212 上部ハウジング
231 バランサ
232 分岐管
251 水掻き羽根
252 アーム
253 パドル
271 連結ロッド
272 リング
301 ロープ
302 杭
G 地面


Claims (18)

  1. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の直径が5m以上であり、
    前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であることを特長とする藻体の陸上養殖装置。
  2. 前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であることを特徴とする請求項項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  3. 前記養殖槽の直径が11m以上であることを特長とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  4. 前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であることを特長とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置
  5. 前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されている、ことを特長とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  6. 前記パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上が前記養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することを特長とする請求項に記載の陸上養殖装置。
  7. 1以上N―1以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることを特長とする請求項乃至のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  8. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
    前記撹拌機は水面に浮遊しており
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の直径が11m以上であり、
    前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が、前記養殖槽の内壁から2m以内に配置されていることを特長とする藻体の陸上養殖装置。
  9. 前記パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上が前記養殖槽の内壁からm以内の場所に位置することを特長とする請求項に記載の陸上養殖装置。
  10. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
    前記養殖槽の直径が5m以上であり、
    前記水掻き羽根は、
    回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、1以上N―1以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることを特長とする陸上養殖装置。
  11. 前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であることを特長とする
    請求項乃至10のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  12. 前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含むことを特長とする請求項10乃至1のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  13. 前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であることを特徴とする請求項乃至1のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
  14. 前記養殖槽の直径が11m以上であることを特長とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置
  15. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
    前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であり、
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であり、
    前記養殖槽の直径が11m以上であり、
    前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であり、
    前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されていること、
    を特長とする藻体の陸上養殖装置。
  16. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の直径が5m以上であり、
    前記水掻き羽根の回転速度を1回転あたり25秒~120秒とする藻体の陸上養殖方法。
  17. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の直径が11m以上であり、
    前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から2m以内に配置されていること、
    を特長とする藻体の陸上養殖方法。
  18. 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、
    前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であり、
    前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
    前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であり、
    前記養殖槽の直径が11m以上であり、
    前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であり、
    前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されていること、
    を特長とする藻体の陸上養殖方法。
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