JP2022106257A - 藻体の陸上養殖装置及び陸上養殖方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[養殖施設]
[養殖槽]
[養殖システム]
[陸上養殖方法]
<1.種苗の生産>
<2.種苗の放出>
<3.種苗の育成>
(各段階の養殖槽)
(藻体の長さ)
<4.攪拌機の設置>
(1)攪拌機の構造
(第1の撹拌機)
(第2の撹拌機)
(第3の撹拌機/第4の撹拌機)
(2)撹拌機の設置位置1
(3)撹拌機の設置位置2
(4)撹拌機の水掻き羽根の回転速度
(5)攪拌機の投入と位置固定
<5.攪拌機の作動>
[典型的な実施例]
<典型的な実施例1>
<典型的な実施例2>
<典型的な実施例3>
図1に示すように、本実施の形態の養殖施設11は、海12に隣接する沿岸13に設置され、複数個の陸上養殖装置101を備えている。個々の陸上養殖装置101は、海藻の種苗31(藻体)の培養に用いる養殖用海水51(養殖用水)を収容する養殖槽111を主体としており、大きさの異なる複数の養殖槽111を備えている。
図2は実際の養殖施設の写真である。手前の一番大きい養殖槽は直径10メートルである。本発明はさらに図3のような直径20メートルの養殖槽を備えてもよい。
例えば、直径1メートル、2メートル、5メートル、8メートル、10メートル、12メートル、13メートル、14メートル、15メートル、16メートル、18メートル、20メートル、22メートル、24メートル、25メートル、26メートル、28メートル、30メートル、35メートル、40メートルなど様々なタイプの養殖槽から適宜複数タイプ(例:4~6タイプ)の養殖槽を選択することができる。
養殖槽の内壁の形状は撹拌機の水掻き羽根が水平面内で水面に沿って回転することや、藻体の撹拌効率、制作容易性、強度、コストを考えると平面視(上からみた形状)で円形状であることが望ましいが、円形状に近い形状であれば円形状でなくても構わない。
例えば、多角形でもかまわない。10角形以上であればほぼ円形状とみなせるが5角形以上でも構わない。例えば、楕円でも構わない。楕円の場合は扁平率0.4以下が望ましい。より望ましくは扁平率0.2以下、より望ましくは扁平率0.1以下である。
本発明で略円形状の養殖槽とはこれらの円形状、多角形、楕円形状だけでなく、円形状、多角形、楕円形状から多少のゆがみや凹凸を設けた形状を含む。養殖槽の製造プロセスや野外での経年劣化を鑑みれば多少のゆがみや凹凸が想定される。
本発明の養殖槽の直径とは養殖槽の内壁の平面視の形状に内接する最大の内接円の直径と定義する。図4に円形状、楕円形状、五角形状、十角形状の養殖槽の平面形状及び内接円と直径との関係を示す。
また本発明で養殖槽の中心とは養殖槽の内壁の平面形状の幾何中心と定義する。
図5に示すように、本実施の形態の陸上養殖装置101を用いた養殖システムは、海12に隣接する沿岸13に設置されているという地の利を生かし、清浄な地下海水を養殖用海水51として利用する。つまり地下20メートル程度の地下海水を取水し、養殖用海水51として養殖槽111に注入する。養殖用海水51の注入は、給水口112から行う。
本実施の形態の陸上養殖方法は、次の各工程によって実行される。
<1.種苗の生産>
図7に示すように、種苗31を生産するには、まず海12から母藻32を採取し、母藻32から胞子33を放出させる。そして胞子33又は胞子33が発芽した発芽体(図示せず)を集塊化させ、これを種苗31(藻体)とする。胞子33又は胞子33が発芽した発芽体の集塊化は、例えば特許文献1に開示されている方法によって実施可能である。この方法は、海藻の胞子を1cm2あたり104個以上の高密度で平板上に播種して培養し、複数の胞子が連結した胞子集塊、もしくはそれら胞子が発芽した発芽体が絡み合った発芽体集塊を形成し、その後胞子集塊又は発芽体集塊を平板からはがして種苗とする。
そこで本実施の形態の養殖システムは、こうして得た種苗31を養殖槽111に収容された養殖用海水51に放つ。種苗31は、養殖用海水51内で生育する。
(各段階の養殖槽)
種苗31は、4~5日程度の期間で5倍ぐらいの大きさに成長する。そこで従来は図8(a)~(d)に示すように、種苗31の成長に合わせて養殖槽111の大きさを第1段階から第4段階まで、段階的に大きくしていた。本発明ではさらに第5段階として直径20メートルの養殖槽を使用する。さらには第6段階として直径25メートルの養殖槽又は直径30メートルの養殖槽を使用してもよい。所定の藻体の育成が完了したところで藻体を養殖槽から運び出す。
図9に本発明で養殖されている藻体の実際の写真を示す。上から長さ約5mmの藻体、長さ約13mmの藻体、長さ約60mmの藻体、長さ約150mmの藻体、長さ約320mmの藻体、長さ約680mmの藻体である。
この約5mmの藻体は室内ビーカーで養殖されていた。この約13mmの藻体は直径1mの養殖槽で養殖されていた。この約60mmの藻体は直径2mの養殖槽で養殖されていた。この約150mmの藻体は直径5mの養殖槽で養殖されていた。この約320mmの藻体は直径10mの養殖槽で養殖されていた。この約680mmの藻体は直径20mの養殖槽で養殖されていた。
前述したとおり、第3段階から先の養殖工程(第3~第6段階の養殖工程)では、養殖用海水51の撹拌を攪拌機201によって行う(図8(c)(d)及び図3参照)。そこで第3段階から先の養殖工程では、養殖槽111に収容されている養殖用海水51内に攪拌機201を設置する。
ここれで、攪拌機のいくつの実施の形態を説明する。下記の1の撹拌機、第2の撹拌機は従来からある技術であるが本発明の実施例の1つである。第3の撹拌機、第4の撹拌機は今回新たに発明されたものであり、本発明の実施例の1つである。
図10及び図11は、攪拌機201の一つ目の実施の形態を示している。この攪拌機201は、円筒形状をした下部ハウジング211と上部ハウジング212との間にバランサ231を回転自在に取り付け、バランサ231に水掻き羽根251を取り付けた構造のものである。
また、以下の実施例では撹拌機のアームは主に3本のものを示すが特に明記しない限り3本に限定されない。撹拌機を水面に浮かばせる場合、アームは3本以上の方がバランスを取りやすく好適であるが、撹拌機を養殖槽内の設置台などにしっかり固定できる場合などはその限りではない。例えば、図26、図27のようにアームは1本でも2本でも構わない。なお、図26、図27は水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心に位置するか、以下に示す実施例のように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心に位置していなくても構わない。
アームの素材は軽さと丈夫さを備えるものであれば特に限定はないが塩ビ管が適当である。
図12及び図13は、攪拌機201の二つ目の実施の形態を示している。この攪拌機201は、基本的には一つ目の攪拌機201と同じ構造を有している。相違するのは、パドル253の角度と数である。その他一つ目の実施の形態の攪拌機201に比べてアーム252の長さが長くなっているが、これは第4段階の養殖工程での使用に適合させるように、直径10メートルの養殖槽111dに合わせた結果である。二つ目の実施の形態の攪拌機201も、アーム252の長さを短くすることで、直径5メートルの養殖槽111cを用いる第3段階の養殖工程での使用に適合させることが可能である。
図14は、攪拌機201の3つ目の実施の形態(第3の撹拌機)を示している。図10,図11の第1の撹拌機の改良であり同一の符号は同一の構成要素である。図15は、攪拌機201の4つ目の実施の形態(第4の撹拌機)を示している。図12,図13の第2の撹拌機の改良であり同一の符号は同一の構成要素である。
第1の撹拌機及び第2の撹拌機では、水掻き羽根251の3つのアーム252のそれぞれにパドル253が備え付けられているが、第3の撹拌機及び第4の撹拌機では1つのアームにのみパドル253が備え付けられている。
より一般的に表現すると、N個以上のアームを有する撹拌機において、1以上N―1個以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることが望ましい。例えば、3本のアームを有する撹拌機においては、1又は2個のアームにパドルが設けられている。4本のアームを有する撹拌機においては、1,2又は3個のアームにパドルが設けられている。
撹拌機は図19aのように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心になるように配置することができるが、図19bのように水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置することが望ましい。その理由を以下に説明する。ここで所定距離とは養殖槽の直径の3%から25%の範囲である。
乱流が発生する。この乱流により海藻(藻体)をさらに上下左右全体に撹拌・混合することができる。
この実施例は、養殖槽で撹拌羽根・モータの負荷が大きく撹拌回転速度を早くできない場合又は藻体の切断を抑制するために攪拌回転速度を早くできない場合に特に有効である。例えば直径11m以上の養殖槽での養殖において特に有効である。さらには直径15m以上、18m以上又は20m以上の養殖槽での養殖において特に有効である。さらに言えば、直径13m以上、15m以上、18m以上又は20m以上の養殖槽で長さが200mm以上、300mm以上又は400mm以上の藻体を含む養殖において特に有効である。
特に養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上、300mm以上又は400mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
(イ)養殖槽の直径が10m以上12m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.30m以上2.50m以下が望ましい。
(ロ)養殖槽の直径が12m以上14m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.36m以上3.00m以下が望ましい。
(ハ)養殖槽の直径が14m以上16m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.42m以上3.50m以下が望ましい。
(ニ)養殖槽の直径が16m以上18m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.48m以上4.00m以下が望ましい。
(ホ)養殖槽の直径が18m以上20m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.54m以上4.50m以下が望ましい。
(ヘ)養殖槽の直径が20m以上22m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.60m以上5.00m以下が望ましい。
(ト)養殖槽の直径が22m以上24m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.66m以上5.50m以下が望ましい。
(チ)養殖槽の直径が24m以上26m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.72m以上6.00m以下が望ましい。
(リ)養殖槽の直径が26m以上28m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.78m以上6.50m以下が望ましい。
(ヌ)養殖槽の直径が28m以上30m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.84m以上7.00m以下が望ましい。
(ル)養殖槽の直径が30m以上35m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から0.90m以上7.50m以下が望ましい。
(ヲ)養殖槽の直径が35m以上40m未満の場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心は養殖槽の中心から1.05m以上8.75m以下が望ましい。
傾ける角度は好ましくは0.5度以上でありさらに好ましくは1度以上である。角度が大きすぎるとかえって藻体の撹拌が不均一になり撹拌機の設置も難易度が上がるためせいぜい3度以下が望ましい。より好ましくは2度以下である。
撹拌機の水掻き羽根のパドルの先端(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)は、養殖槽の内壁から4m以内であることが望ましい。すなわち、水掻き羽根の回転時にパドルの先端は養殖槽の内壁から4m以内の場所を通過するよう配置されていることが望ましい。より好ましくは3m以内である。さらに好ましくは2m以内である。パドルの先端が養殖槽の内壁から離れすぎているとパドル先端と養殖槽内壁の間に藻体が滞留しがちになるが、4m以内(より好ましくは3m以内)であれば藻体の滞留を大幅に抑制することができる。
図3の写真の一番手前の養殖槽はパドルの先端部が回転する際に描く軌跡の少なくとも50%以上は養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置している。
藻体の長さが長くなると藻体が途中で切断されてしまうため藻体の攪拌には十分注意が必要となる。長く育った藻体は短い藻体と比べ生理的に成熟しやすい(成熟すると、収穫量が減る)。さらには藻体が千切れることでより成熟が促進されるため(成長も低下)千切れないように培養することはとても重要である。
そうすると、水掻き羽根の回転速度は1回転あたり25秒~120秒、30秒~120秒、25秒~90秒又は30秒~90秒などが望ましい。
特に藻体の長さが200mm以上であれば1回転当たりの時間が25秒以上であれば特に好適である。1回転当たりの時間が30秒以上であればさらに好適である。
この場合、「藻体の長さが200mm以上」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
攪拌機201は、養殖槽111に収容した養殖用海水51内に投入される。養殖槽の大きさが直径20m以上になると水面に浮遊する撹拌機の水掻き羽根がその分大型になるため水面で流されやすくなるため工夫が必要である。
例えば、直径が15m以下の養殖槽では図2や図24のように2点の杭からロープを伸ばすことで攪拌機の位置固定をすることができたが直径20m以上の養殖槽となると、杭への抵抗が強いため図25のように3点の杭からロープを固定する必要がある。
また、直径20m以上の養殖槽に用いる攪拌機は、強い水流を発生させる必要があるためロープに与える負荷も大きい。そのため、強度が強く、伸び縮みしないダイニーマロープを用いている。
養殖用海水51に攪拌機201を投入し位置固定したら、モータを起動させて水掻き羽根251を回転させる。これによって養殖用海水51に縦方向及び横方向の旋回流が発生し、撹拌が行なわれる。撹拌は縦方向と横方向との旋回流によって行われるため、下方に滞留する養殖用海水51が水面に向けて上昇する。詳しく説明する。
<典型的な実施例1>
実施例1の藻体の陸上養殖装置は、図19b、図22のように撹拌機の水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されている。ここで所定距離とは養殖槽の直径の3%から25%の範囲である。養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。さらには1回転あたり30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果がとくに顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
実施例2の藻体の陸上養殖装置は、撹拌機の水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒の範囲である。より好適には30秒~120秒の範囲である。このようにすることで藻体の千切れを抑制することができる。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
水掻き羽根の回転中心は図19a、図21のように養殖槽の中心でも、図19b、図22のように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても_構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
実施例3の藻体の陸上養殖装置は、図21,図22のように水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置している。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。特に1回転あたり30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果がとくに顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
実施例4の藻体の陸上養殖装置は、撹拌機が上述の図14,図15の第3の撹拌機、第4の撹拌機のようにすべてのアームにパドルを設けるのではなく、一部のアームにのみパドルを設けることで撹拌抵抗を抑制し、小型のモータでも十分に水掻き羽根251を回転できるように設定されている。図14、図15のように1つのアームのみにパドルを設けるのが好適であるが、パドルを設けないアームは1つだけにして2つのアームにパドルを設けることでも撹拌抵抗の抑制に効果がある。より一般的に表現すると、N個以上のアームを有する撹拌機において、1以上N―1個以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることが望ましい。例えば、3本のアームを有する撹拌機においては、1又は2個のアームにパドルが設けられている。4本のアームを有する撹拌機においては、1,2又は3個のアームにパドルが設けられている。養殖槽の大きさが直径15m以上、より好適には直径20m以上の場合により顕著な効果を発揮する。
水掻き羽根の回転中心は図19aのように養殖槽の中心でも図19bのように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
水掻き羽根の回転速度はいずれの速度でも構わないが1回転あたり25秒~120秒であると藻体の千切れを抑制できるので好ましい。特に30秒~120秒であることが好ましい。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、撹拌機の水掻き羽根の回転中心を養殖槽の中心からずらしている効果や水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
実施例5の藻体の陸上養殖方法では、養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒である。
どのような長さの藻体を養殖槽に投入してもよいが長さが200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている場合、水掻き羽根の回転速度を上記のとおり制御している効果が顕著となる。
ここで「200mm以上の藻体が養殖槽に含まれている」とは、養殖槽内の藻体の30%以上が200mm以上の藻体であることが望ましい。さらに望ましくは養殖槽内の藻体の40%以上であり、さらに望ましくは50%以上である。
水掻き羽根の回転中心は図19a、図21のように養殖槽の中心でも、図19b、図22のように養殖槽の中心から所定距離離れたところに配置されていても構わないが、後者の場合は養殖槽内で乱流が発生し、藻体を上下左右全体に撹拌・混合することができる。
撹拌機の水掻き羽根のアームに設けるパドルはどのアームに設けてもよいが、上述のとおり養殖槽の直径が15m以上より好適には20m以上の養殖槽の場合は、アームに設けるパドルを減らすことでより好適に藻体の陸上養殖が可能になる。
また、水掻き羽根のパドルの先端部(水掻き羽根の回転中心から一番遠い箇所)が回転する際に描く軌跡の50%以上が養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することが望ましい。
また、図26、図27のように撹拌機の水掻き羽根のアームは1本でも2本でも構わない。
12 海
13 沿岸
31 種苗
32 母藻
51 養殖用海水
101 陸上養殖装置
111 養殖槽
111a 養殖槽(直径1メートルの養殖槽)
111b 養殖槽(直径2メートルの養殖槽)
111c 養殖槽(直径5メートルの養殖槽)
111d 養殖槽(直径10メートルの養殖槽)
112 給水口
113 排水口
201 攪拌機
211 下部ハウジング
212 上部ハウジング
231 バランサ
232 分岐管
251 水掻き羽根
252 アーム
253 パドル
271 連結ロッド
272 リング
301 ロープ
302 杭
G 地面
Claims (19)
- 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であることを特長とする藻体の陸上養殖装置。 - 前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含むことを特長とする請求項1に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記養殖槽の直径が11m以上であることを特長とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であることを特長とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置
- 前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されている、ことを特長とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上が前記養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することを特長とする請求項6に記載の陸上養殖装置。
- 1以上N―1以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることを特長とする請求項6乃至7のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
水掻き羽根の回転中心が養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であることを特長とする藻体の陸上養殖装置。 - 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が、前記養殖槽の内壁から4m以内に配置されていることを特長とする藻体の陸上養殖装置。 - 前記パドルの先端部が回転する際に描く軌跡の50%以上が前記養殖槽の内壁から4m以内の場所に位置することを特長とする請求項10に記載の陸上養殖装置。
- 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
前記水掻き羽根は、
回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、1以上N―1以下のアームにのみ養殖用水を攪拌するパドルが設けられていることを特長とする陸上養殖装置。 - 前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であることを特長とする
請求項9乃至12のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。 - 前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含むことを特長とする請求項9乃至13のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置。
- 前記養殖槽の直径が11m以上であることを特長とする請求項9乃至15のいずれか1項に記載の藻体の陸上養殖装置
- 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置において、
前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であり、
前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であり、
前記養殖槽の直径が11m以上であり、
前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であり、
前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されていること、
を特長とする藻体の陸上養殖装置。 - 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、
前記水掻き羽根の回転速度を1回転あたり25秒~120秒とする藻体の陸上養殖方法。 - 養殖用水を収容する養殖槽及び水面に沿って回転する水掻き羽根を有する撹拌機を備えた藻体の陸上養殖装置を用いた藻体の陸上養殖方法において、
前記水掻き羽根の回転速度が1回転あたり25秒~120秒であり、
前記養殖槽内に長さが200mm以上の藻体を含み、
前記養殖槽の形状が略円形、多角形又は楕円形状であり、
前記養殖槽の直径が11m以上であり、
前記水掻き羽根の回転中心が前記養殖槽の中心から所定距離離れている位置に配置されていて、前記所定距離が前記養殖槽の直径の3%以上25%以下の距離であり、
前記水掻き羽根は回転中心から放射方向に延びるN個以上のアームを有し(ここで、Nは3以上の自然数)、前記アームには養殖用水を攪拌するパドルが設けられており、回転中心から一番離れた前記パドルの先端部が養殖槽の内壁から4m以内に配置されていること、
を特長とする藻体の陸上養殖方法。
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