JP7112440B2 - 硬化体、bステージフィルム及び多層プリント配線板 - Google Patents

硬化体、bステージフィルム及び多層プリント配線板 Download PDF

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本発明は、樹脂材料の硬化体及びBステージフィルムに関する。また、本発明は、上記硬化体を用いた多層プリント配線板に関する。
従来、半導体装置、積層板及びプリント配線板等の電子部品を得るために、様々な樹脂材料が用いられている。例えば、多層プリント配線板では、内部の層間を絶縁するための絶縁層を形成したり、表層部分に位置する絶縁層を形成したりするために、樹脂材料が用いられている。上記絶縁層の表面には、一般に金属である配線が積層される。また、上記絶縁層を形成するために、上記樹脂材料がフィルム化された樹脂フィルムが用いられることがある。上記樹脂材料及び上記樹脂フィルムは、ビルドアップフィルムを含む多層プリント配線板用の絶縁材料等として用いられている。
下記の特許文献1には、マレイミド基と、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基とを有する化合物を含有する樹脂組成物が開示されている。特許文献1には、この樹脂組成物の硬化物を、多層プリント配線板等の絶縁層として用いることができることが記載されている。
下記の特許文献2には、(A)エポキシ樹脂、(B)活性エステル化合物、(C)カルボジイミド化合物、(D)熱可塑性樹脂及び(E)無機充填材を含み、(E)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%としたとき、40質量%以上である樹脂組成物が開示されている。
WO2016/114286A1 特開2016-027097号公報
特許文献1,2に記載のような従来の樹脂材料を用いて絶縁層を形成した場合、高温高湿条件下で保管後に、絶縁層と金属層との密着性が低下することがある。
また、特許文献1,2に記載のような従来の樹脂材料を用いて絶縁層を形成した場合に、絶縁層の熱寸法安定性が十分に高くならず、その結果、冷熱サイクル試験を行ったときに接続信頼性が低くなることがある。
また、エポキシ化合物とカルボジイミド化合物(硬化剤)とを含む樹脂材料を用いた場合には、樹脂材料を加熱した際に、カルボジイミド化合物の多量化反応と、エポキシ化合物の硬化反応との双方が進行することがある。この場合には、カルボジイミド化合物と反応せずに残ったエポキシ化合物が水分と反応し、その結果、生成物の吸湿性が悪化して、高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性及び冷熱サイクル試験後の接続信頼性が低下しやすい。
本発明の目的は、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性を高めることができ、かつ冷熱サイクル試験後の接続信頼性を高めることができる樹脂材料の硬化体及びBステージフィルムを提供することである。また、本発明は、上記硬化体を用いた多層プリント配線板を提供することである。
本発明の広い局面によれば、樹脂材料の硬化体であって、絶縁材料として用いられる硬化体であり、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離し、かつ、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、前記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、前記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である、硬化体が提供される。
本発明に係る硬化体のある特定の局面では、パルスNMRを用いて得られる100℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、100℃でのハード成分、100℃でのミドル成分、100℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.5以上1以下である。
本発明に係る硬化体のある特定の局面では、前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.7以上1以下である。
本発明に係る硬化体のある特定の局面では、前記樹脂材料が、熱硬化性化合物と、無機充填材とを含む。
本発明に係る硬化体のある特定の局面では、前記樹脂材料が、熱硬化性化合物と、硬化剤とを含み、前記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含み、前記硬化剤が、活性エステル化合物を含む。
本発明の広い局面によれば、Bステージフィルムであって、絶縁材料として用いられるBステージフィルムであり、Bステージフィルムを、130℃で30分間、170℃で30分間、200℃で1時間、この順に加熱してBステージフィルムの硬化体を得て、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離し、かつ、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、前記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、前記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である、Bステージフィルムが提供される。
本発明に係るBステージフィルムのある特定の局面では、パルスNMRを用いて得られる100℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、100℃でのハード成分、100℃でのミドル成分、100℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.5以上1以下である。
本発明に係るBステージフィルムのある特定の局面では、前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.7以上1以下である。
本発明に係るBステージフィルムは、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。
本発明の広い局面によれば、回路基板と、前記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、複数の前記絶縁層間に配置された金属層とを備え、複数の前記絶縁層の内の少なくとも1層の前記絶縁層の材料が、上述した硬化体である、多層プリント配線板が提供される。
本発明に係る硬化体は、樹脂材料の硬化体であって、絶縁材料として用いられる硬化体である。本発明では、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明では、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明に係る硬化体では、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、上記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である。本発明に係る硬化体では、上記の構成が備えられているので、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性を高めることができ、かつ冷熱サイクル試験後の接続信頼性を高めることができる。
本発明に係るBステージフィルムは、絶縁材料として用いられるBステージフィルムである。本発明では、Bステージフィルムを、130℃で30分間、170℃で30分間、200℃で1時間、この順に加熱してBステージフィルムの硬化体を得る。本発明では、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明では、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明に係る硬化体では、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、上記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である。本発明に係るBステージフィルムでは、上記の構成が備えられているので、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性を高めることができ、かつ冷熱サイクル試験後の接続信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化体を用いた多層プリント配線板を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る硬化体は、樹脂材料の硬化体であって、絶縁材料として用いられる硬化体である。
本発明では、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明では、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明に係る硬化体では、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、上記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である。
本発明に係るBステージフィルムは、絶縁材料として用いられるBステージフィルムである。
本発明では、Bステージフィルムを、130℃で30分間、170℃で30分間、200℃で1時間、この順に加熱してBステージフィルムの硬化体を得る。本発明では、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明では、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離する。本発明に係る硬化体では、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、上記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下である。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記の構成が備えられているので、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性を高めることができ、かつ冷熱サイクル試験後の接続信頼性を高めることができる。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、副反応による副生成物の生成及び不要な結合状態の生成が抑制された硬化体を良好に得ることができるので、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性を高めることができ、かつ冷熱サイクル試験後の接続信頼性を高めることができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、0.45以上である。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間と、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の温度依存性は、比較的小さい。そのため、硬化体の温度依存性を小さくすることができ、その結果、冷熱サイクル試験における接続信頼性を高めることができる。本発明では、特に、100℃以上での硬化物の温度依存性を緩和させることにより、水蒸気の浸入を抑制することができ、高温高湿条件下で保管後の接続信頼性を向上させることができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.55以上である。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、好ましくは0.95以下、より好ましくは0.9以下である。上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明では、パルスNMRを用いて得られる100℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、上記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、100℃でのハード成分、100℃でのミドル成分、100℃でのソフト成分の3成分に分離することが好ましい。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)の好ましい下限及び好ましい上限は以下の通りである。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、より一層好ましくは0.65以上、更に好ましくは0.7以上である。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、好ましくは1以下、より好ましくは0.95以下、更に好ましくは0.9以下である。上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)は、好ましくは0.5以上、好ましくは1以下である。上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間は、0.04ミリ秒以下である。本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間は、好ましくは0.015ミリ秒以上、より好ましくは0.02ミリ秒以上、好ましくは0.035ミリ秒以下である。上記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間は、好ましくは0.01ミリ秒以上、より好ましくは0.015ミリ秒以上、好ましくは0.04ミリ秒以下、より好ましくは0.03ミリ秒以下である。上記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間は、好ましくは0.005ミリ秒以上、より好ましくは0.01ミリ秒以上、好ましくは0.03ミリ秒以下、より好ましくは0.025ミリ秒以下である。上記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記170℃でのハード成分の含有量と上記170℃でのミドル成分の含有量と上記170℃でのソフト成分の含有量との合計100%中、上記170℃でのミドル成分の含有量は、好ましくは20%以上、より好ましくは25%以上、好ましくは60%以下、より好ましくは50%以下である。上記170℃でのミドル成分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化体の吸湿を効果的に抑えることができ、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記170℃でのハード成分の含有量と上記170℃でのミドル成分の含有量と上記170℃でのソフト成分の含有量との合計は、170℃での硬化体の成分全体の含有量である。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記100℃でのハード成分の含有量と上記100℃でのミドル成分の含有量と上記100℃でのソフト成分の含有量との合計100%中、上記100℃でのミドル成分の含有量は、好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上、好ましくは50%以下、より好ましくは40%以下である。上記100℃でのミドル成分の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化体の吸湿を効果的に抑えることができ、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記100℃でのハード成分の含有量と上記100℃でのミドル成分の含有量と上記100℃でのソフト成分の含有量との合計は、100℃での硬化体の成分全体の含有量である。
本発明に係る硬化体及びBステージフィルムでは、上記30℃でのハード成分の含有量と上記30℃でのミドル成分の含有量と上記30℃でのソフト成分の含有量との合計100%中、上記30℃でのミドル成分の含有量は、好ましくは5%以上、より好ましくは10%以上、好ましくは40%以下、より好ましくは30%以下である。上記30℃でのミドル成分の含有量が上記下限以上であると、硬化体の吸湿を効果的に抑えることができ、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記30℃でのハード成分の含有量と上記30℃でのミドル成分の含有量と上記30℃でのソフト成分の含有量との合計は、30℃での硬化体の成分全体の含有量である。
上記30℃、100℃及び170℃でのハード成分、ミドル成分及びソフト成分の含有量、並びに上記30℃、100℃及び170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間は、具体的には、実施例に記載の方法で求められる。
上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)、上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)を、上記の好ましい範囲に制御する方法としては以下の方法が挙げられる。また、上記30℃、100℃及び170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間、上記30℃、100℃及び170℃でのミドル成分の含有量を、上記の好ましい範囲に制御する方法としては以下の方法が挙げられる。(1)樹脂成分として相溶性の高い樹脂成分のみを用い、樹脂を均一にすることで、異なる2相の樹脂成分による温度依存性が現れることを回避でき、その結果、上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)を小さくすることができる。(2)溶剤を一気に揮発させることにより、粘度を増加させ、樹脂層の均一性を向上させる。その結果、温度依存性を上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)を小さくすることができる(ワニスでは均一なので、乾燥時間を短くし、ワニス状態における分散性を維持する)。(3)可とうを保つ目的であるTgの低いポリマー成分を、反応性オリゴマーに変えることで、硬化後、樹脂中にTgが170℃以上の成分で構成するようにする。その結果、上記比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)を小さくすることができる(ワニスでは均一なので、乾燥時間を短くし、ワニス状態における分散性を維持する)。また、これらの方法により、上記比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)、上記30℃、100℃及び170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間、上記30℃、100℃及び170℃でのミドル成分の含有量も良好に調整することができる。なお、これらの方法に限定されないが、硬化剤としてカルボジイミド化合物を含む場合、副反応の進行を抑制できる場合がある。
以下、本発明に係る硬化体及び該硬化体を得るための樹脂材料に用いられる各成分の詳細、並びに本発明に係る硬化体の用途などを説明する。また、以下、本発明に係るBステージフィルムに用いられる各成分の詳細及び本発明に係るBステージフィルムの用途などを説明する。なお、Bステージフィルムは、樹脂材料である。
[熱硬化性化合物]
上記樹脂材料は、熱硬化性化合物を含むことが好ましい。上記硬化体は、上記樹脂材料の熱硬化物であることが好ましい。上記熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物、マレイミド化合物、スチレン化合物、フェノキシ化合物、オキセタン化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、及びシリコーン化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化体の熱寸法安定性をより一層高める観点からは、上記熱硬化性化合物は、上記エポキシ化合物又は上記マレイミド化合物を含むこと好ましく、上記エポキシ化合物を含むことがより好ましい。
<エポキシ化合物>
上記エポキシ化合物として、従来公知のエポキシ化合物を用いることができる。上記エポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物は、芳香族骨格を有するエポキシ化合物を含むことが好ましく、ナフタレン骨格又はフェニル骨格を有するエポキシ化合物を含むことがより好ましく、芳香族骨格を有するエポキシ化合物であることが更に好ましく、ナフタレン骨格を有するエポキシ化合物であることが特に好ましい。この場合には、誘電正接をより一層低くし、かつ耐熱性、難燃性及び熱寸法安定性を高めることができる。
誘電正接をより一層低くし、かつ熱線膨張係数(CTE)を良好にする観点からは、上記エポキシ化合物は、25℃で液状のエポキシ化合物と、25℃で固形のエポキシ化合物とを含むことが好ましい。
上記25℃で液状のエポキシ化合物の25℃での粘度は、1000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以下であることがより好ましい。
上記エポキシ化合物の粘度を測定する際には、例えば動的粘弾性測定装置(レオロジカ・インスツルメンツ社製「VAR-100」)等が用いられる。
上記エポキシ化合物の分子量は1000以下であることがより好ましい。この場合には、樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%、無機充填材の含有量が50重量%以上であっても、絶縁層の形成時に流動性が高い樹脂材料が得られる。このため、樹脂材料の未硬化物又はBステージ化物を回路基板上にラミネートした場合に、無機充填材を均一に存在させることができる。
上記エポキシ化合物の分子量は、上記エポキシ化合物が重合体ではない場合、及び上記エポキシ化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記エポキシ化合物が重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
絶縁層と金属層との接着強度をより一層高める観点からは、樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記エポキシ化合物の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは25重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。
<マレイミド化合物>
上記マレイミド化合物として、従来公知のマレイミド化合物を用いることができる。上記マレイミド化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記マレイミド化合物は、ビスマレイミド化合物であってもよい。
上記マレイミド化合物としては、N-フェニルマレイミド及びN-アルキルビスマレイミド等が挙げられる。
上記マレイミド化合物は、芳香族環を有していてもよく、有していなくてもよい。上記マレイミド化合物は、芳香族環を有することが好ましい。
上記マレイミド化合物では、マレイミド骨格における窒素原子と、芳香族環とが結合していることが好ましい。
熱寸法安定性をより一層高める観点からは、樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、上記マレイミド化合物の含有量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、好ましくは15重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記マレイミド化合物の含有量は、好ましくは2.5重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは7.5重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下である。上記マレイミド化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の熱寸法安定性をより一層高めることができる。
本発明の効果を効果的に発揮する観点からは、上記マレイミド化合物の分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、好ましくは30000未満、より好ましくは20000未満である。
上記マレイミド化合物の分子量は、上記マレイミド化合物が重合体ではない場合、及び上記マレイミド化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記マレイミド化合物の分子量は、上記マレイミド化合物が重合体である場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記マレイミド化合物の市販品としては、例えば、大和化成工業社製「BMI-4000」及び「BMI-5100」、並びにDesigner Molecules Inc.社製「BMI-3000」及び「BMI-1500」等が挙げられる。
[無機充填材]
上記樹脂材料は、無機充填材を含むことが好ましい。無機充填材の使用により、誘電正接をより一層低くすることができ、また、熱寸法安定性をより一層高めることができる。上記無機充填材は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填材としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素等が挙げられる。
絶縁層の表面の表面粗さを小さくし、絶縁層と金属層との接着強度をより一層高くし、かつ絶縁層の表面により一層微細な配線を形成し、かつ絶縁層により良好な絶縁信頼性を付与する観点からは、上記無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましく、シリカであることがより好ましく、溶融シリカであることが更に好ましい。シリカの使用により、絶縁層の熱膨張率がより一層低くなり、かつ絶縁層の表面の表面粗さが効果的に小さくなり、絶縁層と金属層との接着強度が効果的に高くなる。シリカの形状は球状であることが好ましい。
硬化環境によらず、樹脂の硬化を進め、硬化物のガラス転移温度を効果的に高くし、硬化物の熱線膨張係数を効果的に小さくする観点からは、上記無機充填材は球状シリカであることが好ましい。
上記無機充填材の平均粒径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは100nm以上、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.5μm以下である。上記無機充填材の平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、絶縁層と金属層との接着強度がより一層高くなる。
上記無機充填材の平均粒径として、50%となるメディアン径(d50)の値が採用される。上記平均粒径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定可能である。
上記無機充填材は、球状であることが好ましく、球状シリカであることがより好ましい。この場合には、絶縁層の表面の表面粗さが効果的に小さくなり、更に絶縁層と金属層との接着強度が効果的に高くなる。上記無機充填材が球状である場合には、上記無機充填材のアスペクト比は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下である。
上記無機充填材は、表面処理されていることが好ましく、カップリング剤による表面処理物であることがより好ましく、シランカップリング剤による表面処理物であることが更に好ましい。これにより、粗化硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、絶縁層と金属層との接着強度がより一層高くなり、かつ硬化物の表面により一層微細な配線が形成され、かつより一層良好な配線間絶縁信頼性及び層間絶縁信頼性を硬化物に付与することができる。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン、及びエポキシシラン等が挙げられる。
樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、上記無機充填材の含有量は、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、更に好ましくは50重量%以上、特に好ましくは60重量%以上、最も好ましくは70重量%以上である。上記樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、上記無機充填材の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、更に好ましくは83重量%以下、特に好ましくは80重量%以下である。上記無機充填材の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、絶縁層と金属層との接着強度がより一層高くなり、かつ硬化物の表面により一層微細な配線が形成される。さらに、この無機充填材量であれば、硬化物の熱膨張率を低くすることと同時に、スミア除去性を良好にすることも可能である。上記無機充填材の含有量が上記下限以上であると、誘電正接が効果的に低くなる。
[硬化剤]
上記樹脂材料は、硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤として、従来公知の硬化剤を使用可能である。上記硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、シアネートエステル化合物(シアネートエステル硬化剤)、アミン化合物(アミン硬化剤)、チオール化合物(チオール硬化剤)、ホスフィン化合物、ジシアンジアミド、フェノール化合物(フェノール硬化剤)、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物(カルボジイミド硬化剤)、及びベンゾオキサジン化合物(ベンゾオキサジン硬化剤)等が挙げられる。上記硬化剤は、上記エポキシ化合物のエポキシ基と反応可能な官能基を有することが好ましい。
誘電正接を低くし、かつ熱寸法安定性を高める観点から、上記硬化剤は、フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及びベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分を含むことが好ましい。すなわち、上記樹脂材料は、フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及びベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分を含む硬化剤を含むことが好ましい。
本明細書において、「フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及びベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分」を「成分X」と記載することがある。
したがって、上記樹脂材料は、成分Xを含む硬化剤を含むことが好ましい。上記樹脂材料は、活性エステル化合物又はフェノール化合物を含む硬化剤を含むことがより好ましく、活性エステル化合物を含む硬化剤を含むことが更に好ましい。上記硬化剤は、成分Xを含むことが好ましく、活性エステル化合物又はフェノール化合物を含むことがより好ましく、活性エステル化合物を含むことが更に好ましい。上記成分Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノール化合物としては、ノボラック型フェノール、ビフェノール型フェノール、ナフタレン型フェノール、ジシクロペンタジエン型フェノール、アラルキル型フェノール及びジシクロペンタジエン型フェノール等が挙げられる。
上記フェノール化合物の市販品としては、ノボラック型フェノール(DIC社製「TD-2091」)、ビフェニルノボラック型フェノール(明和化成社製「MEH-7851」)、アラルキル型フェノール化合物(明和化成社製「MEH-7800」)、並びにアミノトリアジン骨格を有するフェノール(DIC社製「LA1356」及び「LA3018-50P」)等が挙げられる。
上記シアネートエステル化合物としては、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂、並びにこれらが一部三量化されたプレポリマー等が挙げられる。上記ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂及びアルキルフェノール型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネートエステル樹脂としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂及びテトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
上記シアネートエステル化合物の市販品としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製「PT-30」及び「PT-60」)、及びビスフェノール型シアネートエステル樹脂が三量化されたプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA-230S」、「BA-3000S」、「BTP-1000S」及び「BTP-6020S」)等が挙げられる。
上記酸無水物としては、テトラヒドロフタル酸無水物、及びアルキルスチレン-無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
上記酸無水物の市販品としては、新日本理化社製「リカシッド TDA-100」等が挙げられる。
上記活性エステル化合物とは、構造体中にエステル結合を少なくとも1つ含み、かつ、エステル結合の両側に芳香族環が結合している化合物をいう。活性エステル化合物は、例えばカルボン酸化合物又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物又はチオール化合物との縮合反応によって得られる。活性エステル化合物の例としては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0007112440000001
上記式(1)中、X1は、脂肪族鎖を含む基、脂肪族環を含む基又は芳香族環を含む基を表し、X2は、芳香族環を含む基を表す。上記芳香族環を含む基の好ましい例としては、置換基を有していてもよいベンゼン環、及び置換基を有していてもよいナフタレン環等が挙げられる。上記置換基としては、炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。
X1及びX2の組み合わせとしては、置換基を有していてもよいベンゼン環と、置換基を有していてもよいベンゼン環との組み合わせ、置換基を有していてもよいベンゼン環と、置換基を有していてもよいナフタレン環との組み合わせが挙げられる。さらに、X1及びX2の組み合わせとしては、置換基を有していてもよいナフタレン環と、置換基を有していてもよいナフタレン環との組み合わせが挙げられる。
上記活性エステル化合物は特に限定されない。熱寸法安定性及び難燃性をより一層高める観点からは、上記活性エステル化合物は、2個以上の芳香族骨格を有する活性エステル化合物であることが好ましい。誘電正接を低くし、かつ熱寸法安定性を高める観点から、上記活性エステル化合物は、主鎖の骨格中にナフタレン環を有することがより好ましい。
上記活性エステル化合物の市販品としては、DIC社製「HPC-8000-65T」、「EXB9416-70BK」、「EXB8100-65T」、及び「HPC-8150-60T」等が挙げられる。
上記カルボジイミド化合物は、下記式(2)で表される構造単位を有する化合物である。下記式(2)において、右端部及び左端部は、他の基との結合部位である。上記カルボジイミド化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
Figure 0007112440000002
上記式(2)中、Xは、アルキレン基、アルキレン基に置換基が結合した基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基に置換基が結合した基、アリーレン基、又はアリーレン基に置換基が結合した基を表し、pは1~5の整数を表す。Xが複数存在する場合、複数のXは同一であってもよく、異なっていてもよい。
好適な一つの形態において、少なくとも1つのXは、アルキレン基、アルキレン基に置換基が結合した基、シクロアルキレン基、又はシクロアルキレン基に置換基が結合した基である。
上記カルボジイミド化合物の市販品としては、日清紡ケミカル社製「カルボジライト V-02B」、「カルボジライト V-03」、「カルボジライト V-04K」、「カルボジライト V-07」、「カルボジライト V-09」、「カルボジライト 10M-SP」、及び「カルボジライト 10M-SP(改)」、並びに、ラインケミー社製「スタバクゾールP」、「スタバクゾールP400」、及び「ハイカジル510」等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン化合物としては、P-d型ベンゾオキサジン、及びF-a型ベンゾオキサジン等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン化合物の市販品としては、四国化成工業社製「P-d型」等が挙げられる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対して、上記成分Xの含有量は、好ましくは70重量部以上、より好ましくは85重量部以上、好ましくは150重量部以下、より好ましくは120重量部以下である。上記成分Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高め、残存未反応成分の揮発をより一層抑制できる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記熱硬化性化合物と上記成分Xとの合計の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下である。上記熱硬化性化合物と上記成分Xとの合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高めることができる。
[硬化促進剤]
上記樹脂材料は、硬化促進剤を含むことが好ましい。上記硬化促進剤の使用により、硬化速度がより一層速くなる。樹脂材料を速やかに硬化させることで、硬化物における架橋構造が均一になると共に、未反応の官能基数が減り、結果的に架橋密度が高くなる。上記硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を使用可能である。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物等のアニオン性硬化促進剤、アミン化合物等のカチオン性硬化促進剤、リン化合物及び有機金属化合物等のアニオン性及びカチオン性硬化促進剤以外の硬化促進剤、並びに過酸化物等のラジカル性硬化促進剤等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2-フェニル-4-メチル-5-ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン及び4,4-ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
上記リン化合物としては、トリフェニルホスフィン化合物等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)及びトリスアセチルアセトナートコバルト(III)等が挙げられる。
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されない。樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中及び上記硬化体中の上記無機充填材を除く成分100重量%中、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂材料が効率的に硬化する。上記硬化促進剤の含有量がより好ましい範囲であれば、樹脂材料の保存安定性がより一層高くなり、かつより一層良好な硬化体が得られる。
[熱可塑性樹脂]
上記樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド樹脂及びフェノキシ樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化環境によらず、誘電正接を効果的に低くし、かつ、金属配線の密着性を効果的に高める観点からは、上記熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂であることが好ましい。フェノキシ樹脂の使用により、樹脂フィルムの回路基板の穴又は凹凸に対する埋め込み性の悪化及び無機充填材の不均一化が抑えられる。また、フェノキシ樹脂の使用により、溶融粘度を調整可能であるために無機充填材の分散性が良好になり、かつ硬化過程で、意図しない領域に樹脂材料又はBステージ化物が濡れ拡がり難くなる。
上記樹脂材料に含まれているフェノキシ樹脂は特に限定されない。上記フェノキシ樹脂として、従来公知のフェノキシ樹脂を使用可能である。上記フェノキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型の骨格、ビスフェノールF型の骨格、ビスフェノールS型の骨格、ビフェニル骨格、ノボラック骨格、ナフタレン骨格及びイミド骨格などの骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂の市販品としては、例えば、新日鐵住金化学社製の「YP50」、「YP55」及び「YP70」、並びに三菱化学社製の「1256B40」、「4250」、「4256H40」、「4275」、「YX6954BH30」及び「YX8100BH30」等が挙げられる。
保存安定性により一層優れた樹脂材料を得る観点からは、上記熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上、好ましくは100000以下、より好ましくは50000以下である。
上記熱可塑性樹脂の上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記熱可塑性樹脂及び上記フェノキシ樹脂の含有量は特に限定されない。樹脂材料中の上記無機充填材を除く成分100重量%中、上記熱可塑性樹脂の含有量(上記熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂である場合にはフェノキシ樹脂の含有量)は好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂材料の回路基板の穴又は凹凸に対する埋め込み性が良好になる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記下限以上であると、樹脂フィルムの形成がより一層容易になり、より一層良好な絶縁層が得られる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記上限以下であると、硬化物の熱膨張率がより一層低くなる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記上限以下であると、硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、絶縁層と金属層との接着強度がより一層高くなる。
[溶剤]
上記樹脂材料は、溶剤を含まないか又は含む。上記溶剤の使用により、樹脂材料の粘度を好適な範囲に制御でき、樹脂材料の塗工性を高めることができる。また、上記溶剤は、上記無機充填材を含むスラリーを得るために用いられてもよい。上記溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-アセトキシ-1-メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N-ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N-メチル-ピロリドン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン及び混合物であるナフサ等が挙げられる。
上記溶剤の多くは、上記樹脂組成物をフィルム状に成形するときに、除去されることが好ましい。従って、上記溶剤の沸点は、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。上記樹脂組成物における上記溶剤の含有量は特に限定されない。上記樹脂組成物の塗工性などを考慮して、上記溶剤の含有量は適宜変更可能である。
[他の成分]
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、上記樹脂材料には、レベリング剤、難燃剤、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、及び揺変性付与剤等を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
(樹脂フィルム及び積層フィルム)
上述した樹脂材料をフィルム状に成形することにより樹脂フィルム(Bステージ化物/Bステージフィルム)が得られる。上記樹脂材料は、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムは、Bステージフィルムであることが好ましい。上記樹脂フィルムを硬化させることによって、フィルム状の上記硬化体を得ることができる。上記硬化体は、フィルム状であることが好ましい。
樹脂組成物をフィルム状に成形して、樹脂フィルムを得る方法としては、以下の方法が挙げられる。押出機を用いて、樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法。溶剤を含む樹脂組成物をキャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法。従来公知のその他のフィルム成形法。薄型化に対応可能であることから、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムにはシートが含まれる。
樹脂組成物をフィルム状に成形し、熱による硬化が進行し過ぎない程度に、例えば50℃~150℃で1分間~10分間加熱乾燥させることにより、Bステージフィルムである樹脂フィルムを得ることができる。
上述のような乾燥工程により得ることができるフィルム状の樹脂材料をBステージフィルムと称する。上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
上記樹脂フィルムは、プリプレグでなくてもよい。上記樹脂フィルムがプリプレグではない場合には、ガラスクロス等に沿ってマイグレーションが生じなくなる。また、樹脂フィルムをラミネート又はプレキュアする際に、表面にガラスクロスに起因する凹凸が生じなくなる。上記樹脂フィルムは、金属箔又は基材と、該金属箔又は基材の表面に積層された樹脂フィルムとを備える積層フィルムの形態で用いることができる。上記金属箔は銅箔であることが好ましい。
上記積層フィルムは、基材フィルムと、該基材フィルムの第1の表面上に積層された上記樹脂フィルムとを有する。上記樹脂フィルムの該基材フィルムとは反対側の表面上には、保護フィルムが積層されていてもよい。
上記積層フィルムの上記基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム等のオレフィン樹脂フィルム、及びポリイミド樹脂フィルム等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
樹脂フィルムの硬化度をより一層均一に制御する観点からは、上記樹脂フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上であり、好ましくは200μm以下である。上記樹脂フィルムを回路の絶縁層として用いる場合、上記樹脂フィルムにより形成された絶縁層の厚さは、回路を形成する導体層(金属層)の厚さ以上であることが好ましい。上記絶縁層の厚さは、好ましくは5μm以上であり、好ましくは200μm以下である。
(半導体装置、プリント配線板、銅張積層板及び多層プリント配線板)
上記硬化体及び上記Bステージフィルムは、絶縁材料として用いられる。上記硬化体及び上記Bステージフィルムは、半導体装置、積層板及びプリント配線板等の電子部品における絶縁材料として好適に用いられる。
上記樹脂材料、上記Bステージフィルム及び上記硬化体は、プリント配線板において絶縁層を形成するために好適に用いられる。
上記プリント配線板は、例えば、上記樹脂材料を加熱加圧成形することにより得られる。
上記樹脂フィルムに対して、片面又は両面に金属箔を積層できる。上記樹脂フィルムと金属箔とを積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、平行平板プレス機又はロールラミネーター等の装置を用いて、加熱しながら又は加熱せずに加圧しながら、上記樹脂フィルムを金属箔に積層可能である。
上記樹脂材料、上記Bステージフィルム及び上記硬化体は、銅張積層板を得るために好適に用いられる。上記銅張積層板の一例として、銅箔と、該銅箔の一方の表面に積層された樹脂フィルムとを備える銅張積層板が挙げられる。
上記銅張積層板の上記銅箔の厚さは特に限定されない。上記銅箔の厚さは、1μm~50μmの範囲内であることが好ましい。また、上記樹脂材料の硬化物と銅箔との接着強度を高めるために、上記銅箔は微細な凹凸を表面に有することが好ましい。凹凸の形成方法は特に限定されない。上記凹凸の形成方法としては、公知の薬液を用いた処理による形成方法等が挙げられる。
上記樹脂材料、上記Bステージフィルム及び上記硬化体は、多層基板を得るために好適に用いられる。
上記多層基板の一例として、回路基板と、該回路基板上に積層された絶縁層とを備える多層基板が挙げられる。この多層基板の絶縁層の材料が、上述した硬化体である。また、多層基板の絶縁層が、積層フィルムを用いて、上記積層フィルムの上記樹脂フィルムにより形成されていてもよい。上記絶縁層は、回路基板の回路が設けられた表面上に積層されていることが好ましい。上記絶縁層の一部は、上記回路間に埋め込まれていることが好ましい。
上記多層基板では、上記絶縁層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されていることが好ましい。
粗化処理方法は、従来公知の粗化処理方法を用いることができ、特に限定されない。上記絶縁層の表面は、粗化処理の前に膨潤処理されていてもよい。
また、上記多層基板は、上記絶縁層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備えることが好ましい。
また、上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された絶縁層と、該絶縁層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔とを備える多層基板が挙げられる。この多層基板の絶縁層の材料が、上述した硬化体である。上記絶縁層が、銅箔と該銅箔の一方の表面に積層された樹脂フィルムとを備える銅張積層板を用いて、上記樹脂フィルムを硬化させることにより形成されていることが好ましい。さらに、上記銅箔はエッチング処理されており、銅回路であることが好ましい。
上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された複数の絶縁層とを備える多層基板が挙げられる。上記回路基板上に配置された上記複数層の絶縁層の内の少なくとも1層が、上記樹脂材料を用いて形成される。この多層基板の絶縁層の材料が、上述した硬化体である。上記多層基板は、上記樹脂フィルムを用いて形成されている上記絶縁層の少なくとも一方の表面に積層されている回路をさらに備えることが好ましい。
上記樹脂材料、上記Bステージフィルム及び上記硬化体は、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。
上記多層プリント配線板は、例えば、回路基板と、上記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、複数の上記絶縁層間に配置された金属層とを備える。上記絶縁層の内の少なくとも1層の絶縁層の材料が、上述した硬化体である。
図1は、本発明の一実施形態に係る硬化体を用いた多層プリント配線板を模式的に示す断面図である。
図1に示す多層プリント配線板11では、回路基板12の上面12aに、複数層の絶縁層13~16が積層されている。絶縁層13~16は、硬化物層である。回路基板12の上面12aの一部の領域には、金属層17が形成されている。複数層の絶縁層13~16のうち、回路基板12側とは反対の外側の表面に位置する絶縁層16以外の絶縁層13~15には、上面の一部の領域に金属層17が形成されている。金属層17は回路である。回路基板12と絶縁層13の間、及び積層された絶縁層13~16の各層間に、金属層17がそれぞれ配置されている。下方の金属層17と上方の金属層17とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により互いに接続されている。
多層プリント配線板11では、絶縁層13~16が、上記硬化体により形成されている。多層プリント配線板11では、絶縁層13~16の材料が、上記硬化体である。本実施形態では、絶縁層13~16の表面が粗化処理されているので、絶縁層13~16の表面に図示しない微細な孔が形成されている。また、微細な孔の内部に金属層17が至っている。また、多層プリント配線板11では、金属層17の幅方向寸法(L)と、金属層17が形成されていない部分の幅方向寸法(S)とを小さくすることができる。また、多層プリント配線板11では、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続で接続されていない上方の金属層と下方の金属層との間に、良好な絶縁信頼性が付与されている。
(粗化処理及び膨潤処理)
上記樹脂材料は、粗化処理又はデスミア処理される硬化体を得るために用いられることが好ましい。上記硬化体には、更に硬化が可能な予備硬化体も含まれる。海島構造を容易に形成させる観点からは、上記硬化体は、更に硬化が可能な予備硬化体であることが好ましい。また、上記予備硬化体を得るために、樹脂材料を硬化させる際の硬化温度は、120℃以上、180℃以下であることが好ましい。
上記樹脂材料を予備硬化させることにより得られた硬化体の表面に微細な凹凸を形成するために、硬化体は粗化処理されることが好ましい。粗化処理の前に、硬化体は膨潤処理されることが好ましい。硬化体は、予備硬化の後、かつ粗化処理される前に、膨潤処理されており、さらに粗化処理の後に硬化されていることが好ましい。ただし、硬化体は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
上記膨潤処理の方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、硬化体を処理する方法等が用いられる。膨潤処理に用いる膨潤液は、一般にpH調整剤などとして、アルカリを含む。膨潤液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。具体的には、例えば、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30℃~85℃で1分間~30分間、硬化体を処理することにより行なわれる。上記膨潤処理の温度は50℃~85℃の範囲内であることが好ましい。上記膨潤処理の温度が低すぎると、膨潤処理に長時間を要し、更に硬化体と金属層との接着強度が低くなる傾向がある。
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。粗化処理に用いられる粗化液は、一般にpH調整剤などとしてアルカリを含む。粗化液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム及び過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム及び無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
硬化体の表面の算術平均粗さRaは好ましくは10nm以上であり、好ましくは300nm未満、より好ましくは200nm未満、更に好ましくは150nm未満である。この場合には、絶縁層と金属層との接着強度が高くなり、更に絶縁層の表面により一層微細な配線が形成される。さらに、導体損失を抑えることができ、信号損失を低く抑えることができる。上記算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準拠して測定される。
(デスミア処理)
上記樹脂材料を予備硬化させることにより得られた硬化体に、貫通孔が形成されることがある。上記多層基板などでは、貫通孔として、ビア又はスルーホール等が形成される。例えば、ビアは、COレーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビアの直径は特に限定されないが、60μm~80μm程度である。上記貫通孔の形成により、ビア内の底部には、硬化体に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアが形成されることが多い。
上記スミアを除去するために、硬化体の表面は、デスミア処理されることが好ましい。デスミア処理が粗化処理を兼ねることもある。
上記デスミア処理には、上記粗化処理と同様に、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物等の化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。デスミア処理に用いられるデスミア処理液は、一般にアルカリを含む。デスミア処理液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記樹脂材料の使用により、デスミア処理された絶縁層の表面の表面粗さが十分に小さくなる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。なお、表に記載の各成分の含有量は、溶剤を除き、固形分の重量部である。
以下の材料を用意した。
(熱硬化性化合物)
エポキシ化合物:
ビフェニル型エポキシ化合物(日本化薬社製「NC-3000」)
ナフトールアラルキル型エポキシ化合物(新日鐵住金化学社製「TX-1507B」)
レゾルシノールジグリシジルエステル(ナガセケムテックス社製「EX-201」)
ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物(アデカ社製「EP4088S」)
マレイミド化合物:
N-アルキルビスマレイミド化合物1(Designer Molecules Inc.社製「BMI-3000」)
N-アルキルビスマレイミド化合物2(Designer Molecules Inc.社製「BMI-1500」)
N-アルキルビスマレイミド化合物3(下記の合成例1にて合成)
(合成例1)
500mLのナスフラスコに200mLのトルエン、50mLのNMPを入れ、ダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)を10g(24mmol)、トリシクロデカンジアミンを26.5g(136mmol)添加した。次いで、ビシクロ[2.2.2]オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(TCI製)29.8g(120mmol)を少しずつ添加した。ディーンスターク装置にナスフラスコを取り付け、2時間加熱還流した。このようにして、両末端にアミンを有しかつ複数のイミド骨格を有する化合物を得た。縮合時に排出される水分を除去し、室温に戻した後、無水マレイン酸を8.83g(90mmol)加えて攪拌し、同様に加熱し反応させた。水で洗浄したのち、有機層から脱水し、イソプロパノールを入れて生成物の再沈殿を行った。その後真空オーブンで乾燥させ、N-アルキルビスマレイミド化合物3を得た。
(無機充填材)
シリカ含有スラリー(シリカ75重量%:アドマテックス社製「SC4050-HOA」、平均粒径1.0μm、アミノシラン処理、シクロヘキサノン25重量%)
シリカフィラー(アドマテックス社製「C4」、粉体、平均粒径1.0μm、アミノシラン処理)
(硬化剤)
成分X:
フェノール化合物含有液(DIC社製「LA-1356」、固形分60重量%)
活性エステル化合物1含有液(DIC社製「HPC8150-62T」、固形分62重量%)
活性エステル化合物2含有液(DIC社製「EXB-8」、固形分100重量%)
カルボジイミド化合物含有液(日清紡ケミカル社製「V-03」、固形分50重量%)
(硬化促進剤)
ジメチルアミノピリジン(和光純薬工業社製「DMAP」)
2-フェニル-4-メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2P4MZ」、アニオン性硬化促進剤)
(熱可塑性樹脂)
フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YX6954BH30」)
ポリイミド化合物1(ポリイミド樹脂、下記の合成例2にて合成)
ポリイミド化合物2(ポリイミド樹脂、下記の合成例3にて合成)
(合成例2)
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、テトラカルボン酸二無水物(SABICジャパン合同会社製「BisDA-1000」)300.0gと、シクロヘキサノン665.5gとを入れ、反応容器中の溶液を60℃まで加熱した。次いで、反応容器中に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)89.0gと、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製)54.7gとを滴下した。次いで、反応容器中に、メチルシクロヘキサン121.0gと、エチレングリコールジメチルエーテル423.5gとを添加し、140℃で10時間かけてイミド化反応を行った。このようにして、ポリイミド化合物含有溶液(不揮発分26.8重量%)を得た。得られたポリイミド化合物1の分子量(重量平均分子量)は20000であった。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。
(合成例3)
合成例2で得られたポリイミド化合物含有溶液に、メタノールを添加し、高分子成分を沈殿させた後、ろ過することで、高分子成分を除去した。その後、低沸点成分であるメタノールを除去した。得られたポリイミド化合物2の分子量(重量平均分子量)は350000であった。
合成例2,3で合成したポリイミド化合物1,2の分子量は、以下のようにして求めた。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定:
島津製作所社製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、テトラヒドロフラン(THF)を展開媒として、カラム温度40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「SPD-10A」を用い、カラムはShodex社製「KF-804L」(排除限界分子量400,000)を2本直列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー社製「TSKスタンダードポリスチレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、500の物質を使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
(溶剤)
アニソール
メチルエチルケトン
(実施例1)
樹脂フィルムの作製:
下記の表1に示す成分のうち、熱硬化性化合物と無機充填材とを下記の表1に示す配合量(単位は固形分重量部)で配合し、攪拌した後、60℃に昇温して更に攪拌した。次いで、硬化剤と、硬化促進剤と、熱可塑性樹脂とを下記の表1に示す配合量(単位は固形分重量部)で配合し、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、樹脂材料を得た。
アプリケーターを用いて、離型処理されたPETフィルム(東レ社製「XG284」、厚み25μm)の離型処理面上に得られた樹脂材料を塗工した後、100℃のギヤオーブン内で2分10秒間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、PETフィルム上に、厚さが40μmである樹脂フィルム(Bステージフィルム)が積層されている積層フィルム(PETフィルムと樹脂フィルムとの積層フィルム)を得た。
硬化体の作製:
得られた積層フィルムを、100℃で30分間、次いで170℃で30分間加熱して仮硬化させた後、200℃で90分間加熱して硬化させて、硬化体を得た。なお、後述の評価基板の作製時においても、仮硬化は本条件で実施した。
(実施例2)
樹脂フィルムの作製:
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量(単位は固形分重量部)で配合し、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、樹脂材料を得た。
アプリケーターを用いて、離型処理されたPETフィルム(東レ社製「XG284」、厚み25μm)の離型処理面上に得られた樹脂材料を塗工した後、110℃のギヤオーブン内で2分10秒間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、PETフィルム上に、厚さが40μmである樹脂フィルム(Bステージフィルム)が積層されている積層フィルム(PETフィルムと樹脂フィルムとの積層フィルム)を得た。
硬化体の作製:
実施例1と同様にして、硬化体を得た。
(実施例3及び比較例1)
下記の表1に示す成分を下記の表1に示す配合量(単位は固形分重量部)で配合したこと以外は実施例1と同様にして、積層フィルム及び硬化体を得た。
<評価基板の作製>
評価基板(銅張積層板と6層の絶縁-配線回路複合層とを備える評価基板)を下記に従い作製した。なお、評価基板において、各層に形成されたビアホールは連なっている。すなわち、評価基板は、多段スタックビアを有する評価基板である。
1層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
(a1)ラミネート工程:
両面銅張積層板(CCL基板)(各面の銅箔の厚み18μm、基板の厚み0.7mm、基板サイズ100mm×100mm、日立化成社製「MCL-E679FG」)を用意した。この両面銅張積層板の銅箔面の両面をメック社製「Cz8101」に浸漬して、銅箔の表面を粗化処理した。粗化処理された銅張積層板の両面に、名機製作所社製「バッチ式真空ラミネーターMVLP-500/600-IIA」を用いて、積層フィルムの樹脂フィルム(Bステージフィルム)側を銅張積層板上に重ねてラミネートした。ラミネートの条件は、30秒減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃及び圧力0.4MPaでプレスする条件とした。PETフィルムを剥がした後100℃で30分間、次いで170℃で30分間加熱し、樹脂フィルムを半硬化(予備硬化)させた。このようにして、CCL基板に樹脂フィルムの半硬化物が積層されている積層体(1)を得た。
(b1)ビアホール形成工程:
COレーザー加工機(ビアメカニクス社製「LC-4KF212」)を用いて、バーストモード、エネルギー0.4mJ、パルス27μsec、3ショットの条件で、直径約60μmのビアホールを形成した。
(c1)デスミア処理及び粗化処理:
(c1-1)膨潤処理:
60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製「スウェリングディップセキュリガントP」)に、得られた積層体(1)を入れて、10分間揺動させた。その後、純水で洗浄した。
(c1-2)過マンガン酸塩処理(粗化処理及びデスミア処理):
80℃の過マンガン酸カリウム(アトテックジャパン社製「コンセントレートコンパクトCP」)粗化水溶液に、膨潤処理後の積層体(1)を入れて、30分間揺動させた。次に、25℃の洗浄液(アトテックジャパン社製「リダクションセキュリガントP」)を用いて2分間処理した後、純水で洗浄を行い、粗化処理後の積層体(1)を得た。
(c1-3)表面粗さの測定:
粗化処理後の積層体(1)(粗化処理された硬化物)の表面を、非接触3次元表面形状測定装置(Bruker社製「Contour GT-K」)を用いて、95.6μm×71.7μmの測定領域で算術平均粗さRaを測定した。なお、上記算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準拠して測定した。粗化処理された硬化物の表面の表面粗さが200nm以下であることを確認した。
(d1)無電解めっき処理:
粗化処理後の積層体(1)の硬化物の表面を、60℃のアルカリクリーナ(アトテックジャパン社製「クリーナーセキュリガント902」)で5分間処理し、脱脂洗浄した。洗浄後、上記硬化物を25℃のプリディップ液(アトテックジャパン社製「プリディップネオガントB」)で2分間処理した。その後、上記硬化物を40℃のアクチベーター液(アトテックジャパン社製「アクチベーターネオガント834」)で5分間処理し、パラジウム触媒を付けた。次に、30℃の還元液(アトテックジャパン社製「リデューサーネオガントWA」)により、硬化物を5分間処理した。
次に、上記硬化物を化学銅液(アトテックジャパン社製「ベーシックプリントガントMSK-DK」、「カッパープリントガントMSK」、「スタビライザープリントガントMSK」、及び「リデューサーCu」)に入れ、無電解めっきをめっき厚さが0.5μm程度になるまで実施した。無電解めっき後に、残留している水素ガスを除去するため、120℃の温度で30分間アニール処理した。なお、無電解めっきの工程までの全ての工程は、ビーカースケールで処理液を2Lとし、硬化物を揺動させながら実施した。
(e1)レジスト形成:
ドライフィルムレジスト(日立化成社製「RY5125」)を、ホットロールラミネーターを用いて貼り付けた。ラミネート条件は、温度100℃、圧力0.4MPa及びラミネート速度1.5m/分とする条件とし、その後、15分ホールドした。次いで、85mJ/cmで露光した後、1wt%の炭酸ナトリウム水溶液を27℃で、スプレー圧1.2MPa、30秒間スプレー処理して現像を行った。
(f1)電解めっき処理:
次に、無電解めっき処理された硬化物に、電解めっきをめっき厚さが25μmとなるまで実施した。電解銅めっきとして硫酸銅溶液(和光純薬工業社製「硫酸銅五水和物」、和光純薬工業社製「硫酸」、アトテックジャパン社製「ベーシックレベラーカパラシド HL」、アトテックジャパン社製「補正剤カパラシド GS」)を用いて、0.6A/cmの電流を流しめっき厚さが25μm程度となるまで電解めっきを実施した。
(g1)DFR剥離及びエッチング処理:
3wt%の水酸化ナトリウム水溶液を用いてスプレー処理することによりドライフィルムレジスト(DFR)を剥離した。次いで、過水硫酸系の酸性エッチング液(JCU社製「SACプロセス」)にてクイックエッチングを行った。
(h1)本硬化工程:
ピーク温度Tに対し、190℃で1.5時間加熱した。
このようにして、銅張積層板上に1層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
2層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
(a2)ラミネート工程:
(a1)ラミネート工程で実施した粗化処理条件と同様にして、1層目の配線回路層の粗化処理を行った。その後、(a1)ラミネート工程で実施したラミネート条件で、1層目の絶縁-配線回路複合層上に、積層フィルムの樹脂フィルム(Bステージフィルム)側をラミネートした。その後、PETフィルムを剥がした後130℃で60分間加熱して樹脂フィルムを半硬化させた。このようにして、1層目の絶縁-配線回路複合層上に樹脂フィルムの半硬化物が積層されている積層体(2)を得た。
(b2)ビアホール形成工程:
(b1)ビアホール形成工程で実施した工程を、積層体(1)を積層体(2)に変更したこと以外は同様にして、ビアホールを形成した。
(c2)デスミア処理及び粗化処理:
(c1)デスミア処理及び粗化処理で実施した工程を、積層体(1)を積層体(2)に変更したこと以外は同様にして、粗化処理後の積層体(2)を得た。
(d2)無電解めっき処理:
(d1)無電解めっき処理で実施した工程を、粗化処理後の積層体(1)を粗化処理後の積層体(2)に変更したこと以外は同様にして、無電解めっき処理を行った。
(f2)電解めっき処理:
(d2)無電解めっき処理を行った後、(f1)電解めっき処理と同様にして、無電解めっき処理を行った。
(h2)本硬化工程:
(h1)本硬化工程と同様にして、190℃で1.5時間加熱した。
このようにして、1層目の絶縁-配線回路複合層上に2層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
3層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
2層目の絶縁-配線回路複合層の形成で実施した工程と同様にして、2層目の絶縁-配線回路複合層上に3層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
4層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
2層目の絶縁-配線回路複合層の形成で実施した工程と同様にして、3層目の絶縁-配線回路複合層上に4層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
5層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
(a5)ラミネート工程:
(a2)ラミネート工程で実施した工程と同様にして、4層目の絶縁-配線回路複合層上に樹脂フィルムの半硬化物が積層されている積層体(5)を得た。
(b5)ビアホール形成工程:
(b1)ビアホール形成工程で実施した工程を、積層体(1)を積層体(5)に変更したこと以外は同様にして、ビアホールを形成した。
(c5)デスミア処理及び粗化処理:
(c1)デスミア処理及び粗化処理で実施した工程を、積層体(1)を積層体(5)に変更したこと以外は同様にして、粗化処理後の積層体(5)を得た。
(d5)無電解めっき処理:
(d1)無電解めっき処理で実施した工程を、粗化処理後の積層体(1)を粗化処理後の積層体(5)に変更したこと以外は同様にして、無電解めっき処理を行った。
(e5)レジスト形成:
(e1)レジスト形成で実施した工程と同様にして、現像を行った。
(f5)電解めっき処理:
ドライフィルムレジストのパターンが形成された後、(f1)電解めっき処理と同様にして、無電解めっき処理を行った。
(g5)DFR剥離及びエッチング処理:
(g1)DFR剥離及びエッチング処理で実施した工程と同様にして、DFR剥離及びエッチング処理を行った。
(h5)本硬化工程:
(h1)本硬化工程と同様にして、190℃で1.5時間加熱した。
このようにして、4層目の絶縁-配線回路複合層上に5層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
6層目の絶縁-配線回路複合層の形成:
2層目の絶縁-配線回路複合層の形成で実施した工程と同様にして、5層目の絶縁-配線回路複合層上に6層目の絶縁-配線回路複合層を形成した。
このようにして、銅張積層板上に1層目~6層目の絶縁-配線回路複合層が形成された評価基板を作製した。得られた評価基板では、1層目~6層目の配線回路層のうち、1層目及び5層目の配線回路層のみがパターンを有している。
(評価)
(1)パルスNMRによる測定
得られた硬化体を、長さ2cmに裁断し、直径10mmのガラス製のサンプル管(BRUKER社製、品番1824511、長さ180mm、フラットボトム)に導入した。サンプル管をパルスNMR装置(BRUKER社製「the minispec mq20」)に設置し、30℃(10分保持)、70℃(10分保持)、100℃(10分保持)、150℃(10分保持)、170℃(10分保持)と段階的に昇温させた。
30℃、100℃及び170℃において、以下の条件でSolid Echo法での測定を行い、Hのスピン-スピン緩和の自由誘導減衰曲線を得た。
<Solid Echo法>
Scans:128times
Recycle Delay:1sec
Acquisition scale:1.0ms
得られたHのスピン-スピン緩和の自由誘導減衰曲線を、ハード成分、ミドル成分、ソフト成分の3成分に由来する3つの曲線に波形分離した。波形分離は、ガウシアン型とエクスポーネンシャル型との両方を用いて、フィッティングさせることで行った。それぞれの測定で得られた3成分に由来する曲線から、各成分の比率を求めた。
なお、BRUKER社製の解析ソフトウェア「TD-NMRA(Version 4.3 Rev 0.8)」を用い、製品マニュアルに従って、ハード成分はガウシアン型、ミドル成分及びソフト成分はエクスポーネンシャル型でフィッティングを行った。また、解析には緩和曲線の0.6msecまでのポイントを用いてフィッティングを行い、各成分の成分量、緩和時間を求めた。
なお、下記式(X)を用いてフィッティングを行った。
Y=A1*exp(-1/w1*(t/T2A)^w1)+B1*exp(-1/w2*(t/T2B)^w2)+C1*exp(-1/w3*(t/T2C)^w3)・・・式(X)
上記式(X)中、w1、w2、w3はワイブル係数であり、w1は2、w2及びw3は1である。上記式(X)中、A1はハード成分の含有量であり、B1はミドル成分の含有量であり、C1はソフト成分の含有量であり、T2Aはハード成分の緩和時間であり、T2Bはミドル成分の緩和時間であり、T2Cはソフト成分の緩和時間である。上記式(X)中、tは時間である。
得られた硬化体を用いて上記のパルスNMR測定及び上記の解析を行うことにより、以下を求めた。
30℃でのハード成分の含有量と30℃でのミドル成分の含有量と30℃でのソフト成分の含有量との合計100%中の30℃でのミドル成分の含有量(%)
100℃でのハード成分の含有量と100℃でのミドル成分の含有量と100℃でのソフト成分の含有量との合計100%中の100℃でのミドル成分の含有量(%)
170℃でのハード成分の含有量と170℃でのミドル成分の含有量と170℃でのソフト成分の含有量との合計100%中の170℃でのミドル成分の含有量(%)
30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間(ミリ秒)
100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間(ミリ秒)
170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間(ミリ秒)
比(30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)
比(100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間/170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間)
(2)HAST試験後の接続信頼性
温度85℃及び湿度85%に設定した恒温恒湿槽内に、得られた評価基板を24時間保管した。保管後、評価基板を常温で乾燥した。スタックビアを含んだ回路の電圧上昇を測定した。なお、電圧上昇が小さいほど、高温高湿条件下で保管後の絶縁層と金属層との密着性に優れる。
[HAST試験後の接続信頼性の評価基準]
〇:電圧上昇が10%以下
△:電圧上昇が10%を超える
(3)冷熱サイクル試験後の接続信頼性
得られた評価基板において、以下の2条件で液漕冷熱衝撃試験(冷熱サイクル試験)を行った。その後、スタックビアを含んだ回路の電圧上昇を測定した。
試験条件1:-55℃~125℃、各5分、1000サイクル
試験条件2:-65℃~150℃、各5分、1000サイクル
[冷熱サイクル試験後の接続信頼性の評価基準]
〇:電圧上昇が10%以下
×:電圧上昇が10%を超える
組成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 0007112440000003
11…多層プリント配線板
12…回路基板
12a…上面
13~16…絶縁層
17…金属層

Claims (10)

  1. 樹脂材料の硬化体であって、
    絶縁材料として用いられる硬化体であり、
    前記樹脂材料が、熱硬化性化合物と、無機充填材と、溶剤とを含み、
    前記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含み、
    前記エポキシ化合物が、25℃で液状のエポキシ化合物と、25℃で固形のエポキシ化合物とを含み、前記25℃で液状のエポキシ化合物の25℃での粘度は500mPa・s以下であり、
    前記溶剤の沸点は、180℃以下であり、
    パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離し、かつ、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、
    前記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、前記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下であり、
    前記170℃でのハード成分の含有量と前記170℃でのミドル成分の含有量と前記170℃でのソフト成分の含有量との合計100%中、前記170℃でのミドル成分の含有量が25%以上60%以下である、硬化体。
  2. パルスNMRを用いて得られる100℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、100℃でのハード成分、100℃でのミドル成分、100℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、
    前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.5以上1以下である、請求項1に記載の硬化体。
  3. 前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.7以上1以下である、請求項2に記載の硬化体。
  4. 前記樹脂材料が、沸点が180℃以下である前記溶剤を2種以上含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化体。
  5. 前記樹脂材料が、硬化剤含み、
    記硬化剤が、活性エステル化合物を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の硬化体。
  6. 樹脂材料がフィルム状に成形されたBステージフィルムであって、
    絶縁材料として用いられるBステージフィルムであり、
    前記樹脂材料が、熱硬化性化合物と、無機充填材と、溶剤とを含み、
    前記熱硬化性化合物が、エポキシ化合物を含み、
    前記エポキシ化合物が、25℃で液状のエポキシ化合物と、25℃で固形のエポキシ化合物とを含み、前記25℃で液状のエポキシ化合物の25℃での粘度は500mPa・s以下であり、
    前記溶剤の沸点は、180℃以下であり、
    Bステージフィルムを、130℃で30分間、170℃で30分間、200℃で1時間、この順に加熱してBステージフィルムの硬化体を得て、パルスNMRを用いて得られる30℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、30℃でのハード成分、30℃でのミドル成分、30℃でのソフト成分の3成分に分離し、かつ、パルスNMRを用いて得られる170℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、170℃でのハード成分、170℃でのミドル成分、170℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、
    前記30℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.45以上であり、前記170℃でのミドル成分の緩和時間が0.04ミリ秒以下であり、
    前記170℃でのハード成分の含有量と前記170℃でのミドル成分の含有量と前記170℃でのソフト成分の含有量との合計100%中、前記170℃でのミドル成分の含有量が25%以上60%以下である、Bステージフィルム。
  7. パルスNMRを用いて得られる100℃での自由誘導減衰曲線に基づいて、前記硬化体に含まれる成分を、スピン-スピン緩和時間の短い順に、100℃でのハード成分、100℃でのミドル成分、100℃でのソフト成分の3成分に分離したときに、
    前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.5以上1以下である、請求項6に記載のBステージフィルム。
  8. 前記100℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間の、前記170℃でのミドル成分のスピン-スピン緩和時間に対する比が0.7以上1以下である、請求項7に記載のBステージフィルム。
  9. 多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために用いられる、請求項6~8のいずれか1項に記載のBステージフィルム。
  10. 回路基板と、
    前記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、
    複数の前記絶縁層間に配置された金属層とを備え、
    複数の前記絶縁層の内の少なくとも1層の前記絶縁層の材料が、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬化体である、多層プリント配線板。
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