JP7112392B2 - 製鋼所スラグを加工および活性化するための方法 - Google Patents

製鋼所スラグを加工および活性化するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7112392B2
JP7112392B2 JP2019521828A JP2019521828A JP7112392B2 JP 7112392 B2 JP7112392 B2 JP 7112392B2 JP 2019521828 A JP2019521828 A JP 2019521828A JP 2019521828 A JP2019521828 A JP 2019521828A JP 7112392 B2 JP7112392 B2 JP 7112392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
steel mill
belite
mill slag
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019521828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020500142A (ja
Inventor
ホルジャー ウェルフィート
Original Assignee
ロエシェ ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロエシェ ゲーエムベーハー filed Critical ロエシェ ゲーエムベーハー
Publication of JP2020500142A publication Critical patent/JP2020500142A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7112392B2 publication Critical patent/JP7112392B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B18/00Use of agglomerated or waste materials or refuse as fillers for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of agglomerated or waste materials or refuse, specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B18/04Waste materials; Refuse
    • C04B18/14Waste materials; Refuse from metallurgical processes
    • C04B18/141Slags
    • C04B18/142Steelmaking slags, converter slags
    • C04B18/143L.D. slags, i.e. Linz-Donawitz slags
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B5/00Treatment of  metallurgical  slag ; Artificial stone from molten  metallurgical  slag 
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Description

本発明は、製鋼所スラグ(steelworks slag)、好ましくはLDスラグを、セメント産業向けの水硬性複合材料(hydraulic composite material)として加工および活性化するための方法に関する。
本発明の趣旨の範囲内において、製鋼所スラグは、LDスラグおよび例えば電気アーク炉スラグ(electric arc furnace slag:EAFS)であるとみなすことができる。
製鋼においては、粗鉄(crude iron)の製造中に、高炉スラグに加えて、とりわけ製鋼所スラグも生じる。製鋼所スラグは、リンツ-ドナヴィッツ(Linz-Donawitz)法による溶解に由来するため、LDスラグとも呼ばれる。前記スラグは、BOF(Basic Oxygen Furnace(塩基性酸素転炉))スラグとも呼ばれる。LDスラグは、クリンカー(clinker)相を含有する。クリンカー相は、原則として、複合セメント中の複合材料または複合物質として使用されるためのものと考えることもできる。例えば、3質量パーセントから8質量パーセントの間のエーライト(alite)(CS、ケイ酸三カルシウム)および10質量パーセントから28質量パーセントの間のビーライト(belite)(CS、ケイ酸二カルシウム)、ならびに5質量パーセントから40質量パーセントのアモルファスガラス相が存在する。
しかしながら、存在するクリンカー相およびガラス相の水硬性を利用することができるような形でLDスラグを加工することはまだ可能になっていない。そのため、現在までのところ、LDスラグは、水砕スラグとは違い、セメント用の複合材料としては使用されていない。しかしながら、その代わりに、単に道路建設における充填材料として使用されており、また、程度は限られてはいるが肥料としても使用されている。しかしながら、さらなる追加の成分に応じた新たな要件は、この使用を続けることがもはや不可能であることを意味しており、これはLDスラグの廃棄の増大につながる。しかしながら、現行のEUの環境規制により、場合によっては廃棄がもはや許されないことがあるため、廃棄は問題になることが分かっている。
したがって、原則として、このような由来の生成物をセメント産業向けの複合材料として使用することができるような形で、LDスラグ中に存在するエーライトおよびビーライトクリンカー相を加工することが望ましいと考えられる。しかしながら、確立された教科書的見解によれば、これは不可能である。例えば、実験によれば、実験室ボールミル内で、3,000ブレーン(Blaine)に粉砕されたLDスラグは、セメント中の複合材料として使用されたときに実質的に不活性であるように振舞う。確立された見解によれば、これは、ビーライト相の熱形成によると推測され、この熱形成の結果、非反応性ビーライト改変が起こるはずである。
本出願人は、本願の出願日にはまだ公開されていないPCT出願(PCT/EP2015/066348)において、LDスラグを極めて微細に細砕した場合、例えば約11,000ブレーンに細砕した場合には、存在するビーライトなどの水硬性活性成分の少なくとも1つの結晶面が解放されることで、LDスラグの水硬可能性(hydraulic potential)を発動させうることが可能であることを確認した。
しかしながら、この種の微細な粉砕では非常に多くのエネルギーを使用する必要があり、したがって、経済的観点から、製鋼所スラグ、特にLDスラグをセメント産業向けの水硬性複合材料として使用することを可能にする方法であって、より少ないエネルギーを使用する方法を開発することが望ましい。
国際公開第2014/034020号 国際公開第94/17006号
したがって、本発明の目的は、製鋼所スラグをセメント産業向けの水硬性複合材料として加工および活性化するための方法であって、エネルギー効率のよい方式で実行することができる方法を詳細に示すことにある。
本発明によれば、この目的は、製鋼所スラグ、好ましくはLDスラグを、セメント産業向けの水硬性複合材料として加工および活性化するための方法であって、請求項1に記載された特徴を有する方法によって達成される。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項および以下の説明、ならびに図面および図面の説明に詳細に示されている。
本発明に基づく方法によれば、流体製鋼所スラグ、特に実質的に未処理の流体製鋼所スラグが冷却され、この流体製鋼所スラグは最も早くて4時間後に凝固し、それによって、凝固した製鋼所スラグ中に、少なくとも30質量パーセントの鉱物結晶質ビーライト相が存在する。続いて、凝固した製鋼所スラグが、5,500ブレーンから7,000ブレーンの間の粉末度(fineness)に細砕され、ビーライト相の結晶は、それらの周囲の非反応性相から解放される。最後に、このように細砕された製鋼所スラグが、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供される。
本発明の文脈内で、「実質的に未処理の」は、製鋼所スラグまたはLDスラグが、上流の生産工程、例えばリンツ-ドナヴィッツ法から、さらなる処理なしで直接に使用されることを意味すると理解することができる。骨材の追加が存在すべきではないことも意図されている。
本発明は、相互に組み合わせることで効果を発揮する複数の基本的な思想および発見に基づく。存在するビーライトを活性化することがそれによって可能になる上述の発見に基づいて、最初に、製鋼所スラグ、特にLDスラグが細かく細砕されるほど、例えば細かく粉砕されるほど、スラグの水硬凝固可能性は高くなり、したがって、スラグを、セメント産業向けの複合材料としてより都合よく使用することができると仮定した。
この仮定は、細かく粉砕された場合には、通常は製鋼所スラグまたはLDスラグ中の非反応性相によって取り囲まれている、存在するビーライト結晶が、セメント複合材料として使用されたときにビーライト結晶が水と反応することができるような形で、これらの非反応性相から解放されることが分かったことに基づく。
しかしながら、LDスラグを11,000ブレーンよりも細かく粉砕しても、反応性をそれ以上増大させることはできないことも分かった。この結果をさらに理解するため、LDスラグの例を使用して、凝固した製鋼所スラグの詳細な分析を実行した。導入の項で既に示したが、従来、LDスラグの鉱物組成は、約25質量パーセントのエーライト相およびビーライト相、ならびに5質量パーセントから40質量パーセントの間のリートベルト(Rietveld)法によるX線アモルファス相であると仮定した。詳細な走査電子顕微鏡調査では、X線アモルファス相の分析中に、X線アモルファス相が、一般に仮定されるガラス相ではなく、X線回折法では別の相として検出することができない極めて小さな潜晶質(cryptocrystalline)ビーライトであることが確認された。
このことは、異なる製鋼所からのLDスラグの場合であっても、質量パーセントで表したビーライト相と質量パーセントで表したリートベルト法によるX線アモルファス相との和は実質的に同じあるというさらなる発見につながった。
最初は、セメントに関する確立された教示に従って、潜晶質部分は複合材料の反応性部分を表すと仮定した。しかしながら、一連の実験でこのことを証明することはできなかった。さらなる分析では、ビーライト結晶に関して既に確認されたのと同様に、潜晶質相も、非反応性相、例えば鉄鉱物相と境界を接しており、これらの相中に埋め込まれていることが明らかになった。
11,000ブレーンよりも細かく粉砕した場合であっても、潜晶質結晶のこの被覆を取り除くことは可能ではなく、したがって、経済的な視点から、この相を活性化することは不可能であった。
これらの発見に基づいてさらに、本発明によれば、製鋼所スラグを経済的に利用するためには、リートベルト法によるX線アモルファス相の割合または潜晶質ビーライトの割合をできるだけ小さくする必要であること、およびビーライトと潜晶質ビーライトとの和が一定であることから、それによっておそらく、ビーライト相の質量パーセントが変化すると思われることが結論された。
したがって、本発明は、流体製鋼所スラグを徐冷することを提案する。製鋼所スラグが最も早くて4時間後に凝固するように製鋼所スラグを冷却すれば十分であることが分かっている。5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、または48時間後でないと凝固が起こらない場合には、よりいっそう都合のよい結果を部分的に達成することができる。
このようにして冷却した製鋼所スラグ、特にLDスラグは、5,500ブレーンから7,000ブレーンの間の中程度の粉末度で既に解放および活性化されうる不釣合いに高い割合の結晶質ビーライトを示す。
したがって、まとめると、意図的な徐冷は、製鋼所スラグ、特にLDスラグ中の結晶質ビーライト相の割合を増大させ、X線アモルファス相の割合または潜晶質ビーライトの割合を低減させることを可能にする。その結果として、細砕または粉砕に対する合理的な経費で、ビーライトを解放すること、したがってビーライトを活性化することが可能であり、したがって、スラグを、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供することが可能である。
凝固した製鋼所スラグ、特にLDスラグは、20質量パーセント未満のリートベルト法によるX線アモルファスフラクションを含むことが好ましい。X線アモルファスフラクションは特に潜晶質ビーライトである。既に述べたとおり、製鋼所スラグ中の通常のビーライトフラクションとX線アモルファス相として検出される潜晶質ビーライトとの間には関連がある。凝固した製鋼所スラグ、例えばLDスラグ中の前記潜晶質ビーライトの質量パーセントで表した割合が小さいほど、結晶質ビーライト相の質量パーセントで表した割合は大きくなる。このことは、粉砕後の凝固した製鋼所スラグの凝固可能性をできるだけ高くすることができるように、流体製鋼所スラグまたはLDスラグは、潜晶質ビーライトの割合ができるだけ小さくなり、したがってビーライトの割合が大きくなるように冷却されることが好ましいことを意味する。
さらなる分析中に、流体製鋼所スラグ、特にLDスラグのLSF(Lime Saturation Factor II)は50から80の間であることが好ましいことが分かった。この点について、以下の定義を有するLSFが仮定される。
Figure 0007112392000001
流体製鋼所スラグまたはLDスラグの組成が必要なLSFを有する場合には、ビーライト相の形成が促進されるか、または最初にビーライト相の形成が可能になることが分かっている。前述のとおり、本発明の意図するところは、ビーライト相をできるだけ多くすることであるため、所望のLSFを設定する、例えばドーピングすることによって、これに影響を与えることもできる。
原則として、冷却および凝固の前の流体製鋼所スラグ、特にLDスラグの温度は、1,600℃から1,700℃の間、好ましくは1,620℃から1,650℃の間の温度とすることができる。流体製鋼所スラグの凝固は1,400℃から1,450℃の間の温度で起こる。流体製鋼所スラグに対するこの温度範囲では特に、その中で流体製鋼所スラグが処理および/または輸送される容器、例えば炉または皿(pan)の材料に対する要件と顕著なビーライト形成との間において良好な妥協点になることが分かった。これは、この温度範囲が、凝固したスラグ中でのビーライト形成に全くまたはほとんど影響を及ぼさないためである。温度ができるだけ低いこともオペレータにとって望ましい。このことは、熱的防護のための経費がより少なくて済むことを意味するためである。
原則として、細砕後、特に粉砕後に、粉砕された製鋼所スラグ、特にLDスラグを、さらなる分級(classification)なしで直接に、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供することが可能である。加工され、細砕、特に粉砕された製鋼所スラグは、セメント産業向けの水硬性複合材料として直接に使用されるのに十分な所望の特性を有する。
しかしながら、よりいっそう高品質の複合材料を作り出すために、セメント産業向けの水硬性複合材料として使用される前に、粉砕された製鋼所スラグから、8,500ブレーン超の粉末度を有する超微細粒(ultrafine grains)を分離除去することも可能である。
最初に、粉砕材料の細砕、特に粉砕では、粉砕材料の粉末度に分布があることを説明しておくべきである。この場合、この分布は、ミルに依存した、ガウス分布に匹敵する分布である。したがって、5,500ブレーンから7,000ブレーンの間の所望の粉末度であっても、この範囲を超える粉末度、例えば8,500ブレーン以上の粉末度を有する材料が存在する。この場合、これらの極めて微細なフラクションは通常、既に潜晶質ビーライトであることが分かっている。潜晶質ビーライトは、活性化することができないと考えられる。例えば20質量パーセント以下の質量百分率を構成することがあるこの潜晶質ビーライトが分離除去される場合には、全質量に関して、粉砕された製鋼所スラグまたはLDスラグの反応性をさらに増大させることができる。
必要な緩慢な凝固が達成される限りにおいて、本発明は、流体製鋼所スラグ向けの特定の冷却法だけに限定されない。規定された冷却のための有利な方法は例えば、流体製鋼所スラグまたはLDスラグを、少なくとも90cmの層厚のパッチまたはベッドとし、そこで、能動冷却の追加の冷却剤なしでスラグを冷却させる方法である。言うまでもなく、凝固させる製鋼所スラグの少なくともコア領域に対して上で論じた時間が守られる限りにおいて、能動冷却のための冷却助剤を使用すること、例えば表面に水ジェットを当てることも可能である。
凝固した製鋼所スラグまたはLDスラグを細砕するために、ミルと分級機(classifier)の組合せが使用されると有利である。この場合、これは例えば、垂直ローラミル、特にLOESCHEタイプの垂直ローラミルを含むミルと分級機の組合せとすることができる。ミルと分級機の組合せは、少なくとも5,500ブレーンの必要な微細な細砕に関して良好なエネルギー効率を示す。垂直ローラミルの使用、特にLOESCHEタイプの垂直ローラミルの使用が有利であると分かったのは、細砕に加えて、粉砕する材料に剪断力が作用し、したがってビーライト結晶中に微細割れ(microcrack)が部分的に形成されるためである。この割れは、後の水との反応に対して正の影響を有する。
ミルと分級機の組合せは、細砕ミルと下流の分級機との組合せであり、分級機は、粉砕チャンバに直接に隣接することができる。しかしながら、分級機を、粉砕チャンバからさらに離して配置することもできる。
次に、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
水が接近できない遮蔽されたビーライトを含むLDスラグの第1の走査電子顕微鏡図である。 ビーライトおよび潜晶質(X線アモルファス)ビーライトを含むLDスラグの第2の走査電子顕微鏡図である。 解放されたビーライトを含む粉砕されたLDスラグの第1の走査電子顕微鏡図である。 粉砕後も遮蔽された潜晶質ビーライトを含む粉砕されたLDスラグの第2の走査電子顕微鏡図である。 解放されたビーライトおよび粉砕技術(垂直ローラミル)による割れの誘発を含む粉砕されたLDスラグの第3の走査電子顕微鏡図である。
下の表は、LDスラグの主要成分のRFAによる平均組成を質量パーセントで示す。この平均組成の平均LSF IIは約73.1になる。
Figure 0007112392000002
対照的に、表2は、平均LDスラグと本発明に従って冷却されたLDスラグのリートベルト法による鉱物相組成を主要成分について質量パーセントで示す。
Figure 0007112392000003
本発明によれば、流体LDスラグが最も早くて4時間後に凝固するように、流体LDスラグが冷却される。表2から分かるように、この冷却の効果は特に、X線アモルファス相として検出される相の割合が大幅に低減し、ビーライトの割合が大幅に増大することである。その他の相のその他の差異は、1つには、この表では、特に取得された生成物、具体的には本発明に基づくLDスラグに対して、平均LDスラグ組成物が指定されていることに基づく。
その結果、本発明によって判明したとおり、あまり反応性ではないX線アモルファスフラクションが減り、活性と考えられるビーライトフラクションが増える。このことは、適当な冷却レジームによって既に達成されているため、このことは、追加のエネルギー投入なしで、例えば特に微細な粉砕による追加のエネルギー投入なしで、セメント産業向けのLDスラグの凝固可能性を大幅に増大させることができることを意味する。しかしながら、本発明によれば、これまでのところセメント産業向けとして適切であるとは考えられていないLDスラグから高品質の複合材料を生産するためには、対応する冷却レジームだけでは不十分であるということを考慮することも必要である。
本発明によれば、この目的のためには、これに加えて、LDスラグがそれに応じて細砕されることが必要不可欠である。この細砕は、5,500ブレーンから7,000ブレーンの間の範囲への粉砕によって実行されることが好ましい。この細砕が、6,000ブレーンから6,500ブレーンへの細砕であると有利なことがある。
本発明の文脈内では、この細砕をローラミル、特に垂直ローラミルを使用して実行することが有利であることが分かっている。この目的にはLOESCHE型の垂直ローラミルが特に適していることも分かっている。これは、LOESCHE型の垂直ローラミルが、細砕を実行することに加えてさらに、粉砕材料に対する追加の力、具体的には剪断力を導入するためである。この力は後に、最終生成物に対する正の効果を有する。
図1は、本発明に基づく方法に従った方式ではない方式で冷却されたLDスラグの第1の走査電子顕微鏡図を示す。このことは、このスラグが、例えば集中的な加水によって能動的に冷却されたものであることを意味する。この集中的な加水は従来からしばしば実行されている。
添付図では、使用されている略語が、マグネシウムウスタイト(Mg-W)、ブラウンミラライト(CAF)、生石灰(FK)、X線アモルファス相(AP)、鉄ウスタイト(Fe-W)、金属鉄(Fe-met)およびスレボロドルスカイト(SR)を表す。
第1に、この走査電子顕微鏡図は、リートベルト法によって決定された相組成を裏付けている。加えて、反応性であると仮定されるビーライトが、マグネシウムウスタイトおよびスレボロドルスカイトによって取り囲まれていることが分かる。これらの相は非反応性であることが知られている。言い換えると、反応性のビーライト相は、非反応性の相、特に鉄相によって遮蔽されており、したがって、水は進入することができず、したがって水和は起こりえない。
図2も、従来のLDスラグの走査電子顕微鏡図を図1と同様の分解能で示している。この図では、確立された科学的コンセンサスとは対照的に、リートベルト法によって検出されるX線アモルファス相が、ガラス相ではなく潜晶質ビーライトであることを確認することが可能である。この相はX線アモルファスビーライトとも呼ばれる。これらの潜晶質結晶は、非反応性の鉄ウスタイト(Fe-W)によって取り囲まれている。
図3および4はそれぞれ、LDスラグの走査電子顕微鏡図を示すが、この場合には、LDスラグが、LOESCHEミルによって約7000の粉末度に粉砕されている。
これらの画像から明らかなように、ビーライトは、水の進入の強化に能動的に寄与することができるような態様で、周囲の非反応性相から分離されている。対照的に、特に図4では、このような微細な粉砕の場合でも、APとも呼ばれる潜晶質ビーライト相は依然として非反応性相によって取り囲まれており、潜晶質ビーライト相を解放することは可能ではなかったことが分かる。
第1に、これがガラス相ではなく潜晶質ビーライト相であること、第2に、約7,000ブレーンに粉砕した場合でも潜晶質結晶も解放することは可能ではないことの発見は、本発明による徐冷が結晶の成長を促進すること、および徐冷によって、潜晶質結晶から通常のビーライト構造が生じることの発見につながった。その結果として、粉砕した場合には、より高い質量パーセントのビーライトが存在し、同時に、ビーライトを解放することができる。したがって、本発明に従って冷却され、粉砕されたLDスラグは、従来のLDスラグよりも反応性である。
垂直ローラミル、特にLOESCHEミルを使用する利点が図5に示されている。この図も、粉砕されたLDスラグの走査電子顕微鏡図を示す。この場合には、ビーライトの縁領域から、およびヘヤライン亀裂(hairline fissure)が存在することから、水が進入した場合に表面が水と接触するだけでなく、水は結晶内へより深く進入することができることが分かる。その結果、大幅に速い、より集中的な反応が起こる。ビーライト結晶内およびビーライト結晶縁でのこの種の割れの発生は特に、LOESCHE型の垂直ローラミルを細砕に使用したときに達成される。
したがって、セメント産業における複合材料として使用するために、本発明に基づく方法を使用して、LDスラグを、エネルギー効率のよい方式で加工することが可能である。

Claims (11)

  1. 製鋼所スラグを、セメント産業向けの水硬性複合材料として加工および活性化するための方法において、
    リンツ-ドナヴィッツ法から更なる処理なしで使用される流体の製鋼所スラグが冷却され、前記流体の製鋼所スラグが最も早くて4時間後に凝固し、
    前記凝固した製鋼所スラグ中に、少なくとも30質量パーセントの鉱物結晶質ビーライト相が存在し、
    前記凝固した製鋼所スラグが、少なくとも5,500cm/gから7,000cm/gの粉末度に細砕され、前記ビーライト相の結晶が、それらの周囲の水と反応しない非反応性相から解放されており、
    前記細砕された製鋼所スラグが、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供される
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記凝固した製鋼所スラグが、20質量パーセント未満のリートベルト法によるX線アモルファスフラクションを含むことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、前記X線アモルファスフラクションが潜晶質ビーライトであることを特徴とする方法。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の方法であって、前記流体製鋼所スラグのLSF II(Lime Saturation Factor II)が50から80の間であることを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の方法であって、前記流体製鋼所スラグが1,400℃から1,450℃の間で凝固することを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の方法であって、冷却前の前記流体製鋼所スラグの温度が、1,600℃から1,700℃の範囲にあることを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、前記細砕された製鋼所スラグが、粉砕後に、さらなる分級なしで直接に、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供されることを特徴とする方法。
  8. 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法であって、セメント産業向けの水硬性複合材料としての使用に供される前に、前記細砕された製鋼所スラグから、8,500cm /g超の粉末度を有する超微細粒が分離除去されることを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法であって、前記流体製鋼所スラグが、少なくとも90cmの層厚のパッチとして冷却されることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の方法であって、前記凝固した製鋼所スラグが、ミルと分級機の組合せの中で細砕されることを特徴とする方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、垂直ローラミルが前記ミルとして使用されることを特徴とする方法。
JP2019521828A 2016-10-31 2017-10-06 製鋼所スラグを加工および活性化するための方法 Active JP7112392B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP16196654.4 2016-10-31
EP16196654.4A EP3315471B1 (de) 2016-10-31 2016-10-31 Verfahren zum aufbereiten und aktivieren von stahlwerkschlacken
PCT/EP2017/075460 WO2018077590A1 (de) 2016-10-31 2017-10-06 Verfahren zum aufbereiten und aktivieren von stahlwerkschlacken

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020500142A JP2020500142A (ja) 2020-01-09
JP7112392B2 true JP7112392B2 (ja) 2022-08-03

Family

ID=57249696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019521828A Active JP7112392B2 (ja) 2016-10-31 2017-10-06 製鋼所スラグを加工および活性化するための方法

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP3315471B1 (ja)
JP (1) JP7112392B2 (ja)
KR (1) KR102425677B1 (ja)
CN (1) CN109923086B (ja)
RU (1) RU2019115104A (ja)
WO (1) WO2018077590A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2022246028A1 (en) 2021-03-26 2023-09-21 Sika Technology Ag Dry grinding of steel making slag, ground steel making slag, and its use in construction materials

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013186257A1 (fr) 2012-06-12 2013-12-19 Centre National De La Recherche Scientifique (C.N.R.S) Procédé de traitement de laitier d'aciérie de conversion
JP2015534530A (ja) 2012-09-06 2015-12-03 ロエシェ ゲーエムベーハー 製鋼スラグを加工するための方法および水硬性鉱物結合材

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0243281A (ja) * 1988-08-03 1990-02-13 Sumitomo Metal Ind Ltd 地盤改良材
AT398419B (de) * 1993-01-26 1994-12-27 Holderbank Financ Glarus Verfahren zur herstellung von zement aus metallurgischen schlacken
ES2596526T3 (es) * 2013-09-02 2017-01-10 Loesche Gmbh Procedimiento para tratar escoria de acería así como un aglutinante mineral hidráulico

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013186257A1 (fr) 2012-06-12 2013-12-19 Centre National De La Recherche Scientifique (C.N.R.S) Procédé de traitement de laitier d'aciérie de conversion
JP2015534530A (ja) 2012-09-06 2015-12-03 ロエシェ ゲーエムベーハー 製鋼スラグを加工するための方法および水硬性鉱物結合材

Also Published As

Publication number Publication date
CN109923086B (zh) 2021-08-20
EP3315471B1 (de) 2020-06-03
WO2018077590A1 (de) 2018-05-03
RU2019115104A (ru) 2020-11-30
KR20190078596A (ko) 2019-07-04
CN109923086A (zh) 2019-06-21
KR102425677B1 (ko) 2022-07-26
JP2020500142A (ja) 2020-01-09
EP3315471A1 (de) 2018-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tsakiridis et al. Utilization of steel slag for Portland cement clinker production
Muhmood et al. Cementitious and pozzolanic behavior of electric arc furnace steel slags
Sekulić et al. Mechanical activation of cement with addition of fly ash
Chen et al. Recycling of desulfurization slag for the production of autoclaved aerated concrete
JP2014196218A (ja) 路盤材の製造方法
JP7112392B2 (ja) 製鋼所スラグを加工および活性化するための方法
CN109455969B (zh) 由工业固废钢渣制备混凝土微膨胀剂的方法
JP2011190140A (ja) セメントクリンカー焼成物とその製造方法
WO2015028668A1 (de) Verfahren zur aufbereitung von stahlwerkschlacken sowie hydraulisches mineralisches bindemittel
CN106311728B (zh) 一种从钢渣磁选粉中回收金属铁的方法
KR20120074355A (ko) 페로니켈 슬래그로부터 마그네슘을 침출하는 방법
CN105439576A (zh) 一种水渣沟耐磨料的制备方法
CN111003982A (zh) 超细硅砂尾矿粉蒸压加气混凝土及其制备方法
JP2020132485A (ja) スラグ、スラグの製造方法、及び、土木用資材
JP2006016212A (ja) コンクリート組成物
WO2014175294A1 (ja) 流動性改善型セメントクリンカー
CN107793132A (zh) 基于陶瓷抛光渣的陶瓷砖及其制备方法
JP2009228042A (ja) スラグ除去材およびスラグの除去方法
JP2007084365A (ja) 軽量気泡コンクリートの製造方法
JP6809095B2 (ja) スラグの製造方法
JP5381383B2 (ja) 非膨張性路盤材の製造方法
JP2009228043A (ja) スラグ除去材および除去方法
CN109928653A (zh) 一种利用熔融态高炉渣直接水泥化的方法
Yuan et al. High-temperature modification of steel slag using composite modifier containing silicon calcium slag, fly ash, and reservoir sediment
TWI399355B (zh) Method for manufacturing secondary aluminum slag

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190705

A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A529

Effective date: 20190618

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200604

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210617

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7112392

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150