JP7112291B2 - 底開きコンテナおよびその移送方法 - Google Patents

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本発明は、コンテナ本体の底が開いてコンテナ本体を荷物から引き抜くことが可能な底開きコンテナ、およびその移送方法に関する。
複数の段ボール箱などの荷物をまとめて運搬するためには、これらの荷物をコンテナに収容した状態でコンテナごとまとめて運搬することが効率的である。しかし、コンテナの利用効率を上げるためには、荷物を所定の設置場所まで運搬した後にコンテナだけを荷物から引き抜いてコンテナを回収する必要がある。そこでコンテナの利用効率の向上のために、従来より、コンテナ本体の底が開いてコンテナ本体を荷物から引き抜くことが可能な底開きコンテナが知られている。
従来の底開きコンテナの一例として、特許文献1記載の底開きコンテナ20は、図14~17に示されるように、略立方体の中空箱体を形成することが可能な布状のコンテナ本体24と、当該コンテナ本体24の外周を取り囲む3本の環状のテープ23とを備えている。
コンテナ本体24は、正方形の底布21と、当該底布21の四辺から十字状に延びる一対の第1側布22aおよび一対の第2側布22bとを有する。一対の第1側布22aは、底布21を挟んで互いに対向する位置に配置され、一対の第2側布22bは、一対の第1側布22aが対向する向きと直交する向きに互いに対向する位置に配置されている。底布21および図14の上下両側に位置する一対の第2側布22bに連続するように、一連のスリット28が形成されている。
コンテナ本体24は、荷物が積まれる前の状態では、図14に示されるように展開することが可能である。
3本の環状のテープ23のうちの2本の環状のテープ23は、底布21および図14の上下両側に位置する一対の第2側布22bの外面に沿って溶着されている。環状のテープ23における一対の第1側布22bの先端面から突出した部分によって、吊上げ用ループ25が形成されている。
3本の環状のテープ23のうちの残り1本の環状のテープ23は、底布21および図14の左右両側に位置する一対の第1側布22aの外面に沿って溶着されている。環状のテープ23における一対の第1側布22aの先端面から突出した部分によって、引抜き用ループ27が形成されている。
上記のように構成された底開きコンテナ20では、図15に示されるように、複数の段ボール箱などの荷物を積んだ状態でフォークリフトのフォークFで吊り上げる場合には、まず、スリット28の両側のひも29を結んでスリット28を閉じ、かつ、一対の第1側布22aおよび一対の第2側布22bを立てた状態でそれぞれの先端部に設けられたひも30を結んで対向する側布同士が開かないようにし、底開きコンテナ20を立方体形状に維持する。
ついで、一対の第2側布22bの先端部から突出する吊上げ用ループ25にフォークリフトのフォークFを係合させ、フォークFを上昇させる。これにより、フォークFから吊上げ用ループ25を介して一対の第2側布22bに上方向の力が作用する。その結果、底開きコンテナ20は、スリット28が開かないで立方体形状を維持しながら吊り上げられる。
ついで、荷物が積まれた底開きコンテナ20を吊り上げて所定の位置まで移動して所定の設置面に設置した後には、図16~17に示されるようにして底開きコンテナ20は荷物Bから引き抜かれる。具体的には、フォークリフトを第1側布22aに対向する向きに移動させ、一対の第1側布22aの先端部から突出する一対の引抜き用ループ27にフォークリフトのフォークFを係合させる。スリット28の両側のひも29の結び目を解いた後、フォークFを上昇させれば、図17(a)、(b)に示されるように、スリット28が開いて荷物が設置面に設置された状態で底開きコンテナ20のみが吊り上げられることにより、底開きコンテナ20の引抜きが可能になる。
実願昭57-50282(実開昭58-151596号)のマイクロフィルム
特許文献1の底開きコンテナ20は、複数の段ボール箱などの荷物を積んだ状態でフォークリフトのフォークFで吊り上げる場合には、図15に示されるように、フォークリフトのフォークFから吊上げ用ループ25を介して一対の第2側布22bに上方向の力が作用させることにより、底開きコンテナ20の吊上げを行っている。
そのため、底開きコンテナ20の吊上げ時には、図18に示されるように、一対の第2側布22bが吊り上げられることに伴って、当該一対の第2側布22bは、底開きコンテナの内部に積まれた段ボール箱などの荷物Bを両側から圧迫する(すなわち、一対の第2側布22bが対向する2方向から圧迫する)。その結果、底開きコンテナ内部の荷物Bが型崩れや損傷するおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、吊上げ時に底開きコンテナ内部の荷物が型崩れや損傷するおそれを低減することが可能な底開きコンテナおよびその移送方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の底開きコンテナは、矩形の底布、当該底布の外周縁における互いに対向する位置に延設された一対の第1側布、および当該外周縁における前記一対の第1側布が対向する向きと直交する向きで互いに対向する位置に延設された一対の第2側布を有し、前記底布を横断するとともに前記一対の第2側布のそれぞれの一部にまで連続するスリットが形成されているコンテナ本体と、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれにおける前記底布と反対側の端部に取り付けられた4個の吊り部と、前記4個の吊り部に連結して前記コンテナ本体を吊上げ可能な状態にする連結部材とを備えており、前記吊り部および前記連結部材は、前記スリットが形成された前記一対の第2側布に取り付けられた2個の前記吊り部と前記連結部材との連結を解除することが可能な構成を有することを特徴とする。
かかる構成により、底開きコンテナのスリットを有するコンテナ本体の内部に荷物を積んで吊り上げるときには、連結部材を一対の第1側布および一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の吊り部に連結し、連結部材を吊上げ装置の上下移動部分(例えばフォークリフトのフォーク)に連結し、連結部材を介して荷物が積まれたコンテナ本体を吊り上げることができる。このとき、吊り上げるときにコンテナ本体に作用する力は4個の吊り部を介して4枚の側布(すなわち、一対の第1側布および一対の第2側布)に確実に伝わり、コンテナ本体内部の荷物を圧迫する力が一対の第1側布が対向する方向および一対の第2側布の対向する方向の4方向に分散されるので、コンテナ本体内部の荷物が型崩れや損傷するおそれが低減する。なお、吊上げ時には、スリットが形成された一対の第2側布にも上方向の力が作用するので、スリットが開くことはない。
また、荷物が積まれたコンテナ本体を設置面に設置した後、コンテナ本体を荷物から引き抜く場合には、スリットが形成された一対の第2側布に取り付けられた2個の前記吊り部と前記連結部材との連結を解除すればよい。これにより、スリットが形成されていない一対の第1側布を吊り上げることにより、スリットが開いて荷物が設置面に設置された状態でコンテナ本体のみが吊り上げられることにより、コンテナ本体の引抜きが可能になる。
前記連結部材は、帯または線状体が環状に閉じた形状を有するのが好ましい。
かかる構成では、連結部材が帯または線状体が環状に閉じた形状を有するので、環状の連結部材を4個の吊り部に容易かつ確実に連結することが可能であり、かつ、コンテナ本体を吊り上げる作業のときには、環状の連結部材を介して4個の吊り部に吊上げ力を確実に作用させることが可能であり、コンテナ本体内部の荷物が型崩れや損傷するおそれが低減する。
前記連結部材は、吊上げ装置に装着可能なアタッチメントであり、前記アタッチメントは、前記4個の吊り部に個別に着脱自在に連結する4個の吊り部側連結部と、前記吊上げ装置の上下移動部分に着脱自在に連結する吊上げ装置側連結部とを備えており、前記吊り部側連結部と前記吊上げ装置側連結部とが互いの相対的な高さが変わらないように連結されているのが好ましい。
かかる構成では、連結部材として上記のアタッチメントを用いることにより、帯または線状体を環状にした連結部材と比較して連結部材を緊張状態で延ばすために必要な高さが必要なくなり、吊上げ装置の上下移動部分と底開きコンテナの4個の吊り部との間の距離を小さくすることが可能になる。それにより、底開きコンテナを吊り上げるときに必要な高さを低減することが可能になる。その結果、コンテナ本体の高さ(すなわち、第1側布および第2側布の高さ)を伸長させることが可能になり、コンテナ本体に積むことが可能な荷物を増やすことができ、底開きコンテナの荷物の積載量を増やすことが可能である。
前記底開きコンテナは、前記一対の第1側布における前記吊り部を挟んだ対向位置に両端が固定された引抜き用係合部材をさらに備えているのが好ましい。
かかる構成では、第1側布における前記吊り部を挟んだ対向位置に両端が固定された引抜き用係合部材をさらに備えているので、コンテナ本体を荷物から引き抜くときには、吊上げ装置の上下移動部分またはアタッチメントを引抜き用係合部材に係合させて一対の第1側布を吊り上げれば、吊り部を用いて吊り上げる場合よりも、第1側布に対して2点から吊り上げることが可能になり、コンテナ本体を荷物から引き抜くときにコンテナ本体が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
本発明の請求項5に係る底開きコンテナの移送方法は、請求項1記載の底開きコンテナの移送方法であって、前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、吊上げ装置の上下移動部分に連結した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含むことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る底開きコンテナの移送方法では、吊上げ工程のときには、連結部材を一対の第1側布および一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の吊り部に連結し、連結部材を吊上げ装置の上下移動部分(例えばフォークリフトのフォーク)に連結し、連結部材を介して荷物が積まれたコンテナ本体を吊り上げることができる。このとき、吊り上げるときにコンテナ本体に作用する力は4個の吊り部を介して4枚の側布(すなわち、一対の第1側布および一対の第2側布)に確実に伝わり、コンテナ本体内部の荷物を圧迫する力が一対の第1側布が対向する方向および一対の第2側布の対向する方向の4方向に分散されるので、コンテナ本体内部の荷物が型崩れや損傷するおそれが低減する。なお、吊上げ時には、スリットが形成された一対の第2側布にも上方向の力が作用するので、スリットが開くことはない。
また、荷物が積まれたコンテナ本体を設置面に設置した後、コンテナ本体を荷物から引き抜く場合には、まず、スリットが形成された一対の第2側布に取り付けられた2個の前記吊り部と前記連結部材との連結を解除する。ついで、上記の引抜き工程のように、吊上げ装置の上下移動部分(例えば、フォークリフトのフォーク)の向きを前記コンテナ本体に対する上記の吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きを維持した状態で上下移動部分を上昇させることにより、スリットが形成されていない一対の第1側布を吊り上げる。これにより、コンテナ本体のスリットが開いて荷物が設置面に設置された状態でコンテナ本体のみが吊り上げられることにより、コンテナ本体の引抜きが可能になる。したがって、吊上げ装置の上下移動部分の向きを吊上げ工程のときの向きから変えずにコンテナ本体を荷物から引き抜くことが可能になる。その結果、当該引抜き工程時に吊上げ装置を吊上げ工程時の位置から後退および90度旋回移動する動作が必要なくなり、引抜き作業を限られたスペースで容易かつ素早く、安全に行うことが可能になる。
本発明の請求項6に係る底開きコンテナの移送方法は、請求項4記載の底開きコンテナの移送方法であって、前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、吊上げ装置の上下移動部分に連結し、かつ、当該上下移動部分を前記引抜き用係合部材に通した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、当該上下移動部分を前記引抜き用係合部材に通して当該引抜き用係合部材に係合した状態で、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含むことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る底開きコンテナの移送方法では、上記の請求項5に係る底開きコンテナの移送方法の作用効果に加えて、引抜き工程のときにコンテナ本体を荷物から引き抜くときには、吊上げ装置の上下移動部分を引抜き用係合部材に係合させて一対の第1側布を吊り上げることにより、吊り部を用いて吊り上げる場合よりも、第1側布に対して2点から吊り上げることが可能になる。その結果、コンテナ本体を荷物から引き抜くときにコンテナ本体が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
本発明の請求項7に係る底開きコンテナの移送方法は、請求項4記載の底開きコンテナの移送方法であって、前記一対の第1側布に両端が固定された前記引抜き用係合部材のうち、吊上げ装置に近い側の引抜き用係合部材の一端部が前記第1側布に着脱自在に固定可能であり、他端部が前記第1側布に固定された引抜き用係合部材を準備する工程と、前記引抜き用係合部材を吊上げ装置の上下移動部分に係合しない状態で、かつ、前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、前記吊上げ装置の上下移動部分に連結した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、前記一対の第1側布における前記吊上げ装置に近い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に前記他端部が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛けるとともに前記一端部を前記第1側布に固定し、かつ、前記吊上げ装置に遠い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に両端が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛ける工程と、前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、当該上下移動部分を前記吊上げ装置に近い側および遠い側の両方の前記引抜き用係合部材に通してこれらの引抜き用係合部材に係合した状態で、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含む。
本発明の請求項7に係る底開きコンテナの移送方法では、上記の請求項5に係る底開きコンテナの移送方法の作用効果に加えて、短い引抜き用係合部材を適用した場合でも、吊上げ工程および引抜き工程が可能であり、引抜き工程のときにコンテナ本体が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
すなわち、吊上げ工程のときには、引抜き用係合部材を吊上げ装置の上下移動部分に係合しない状態で連結部材および4個の吊り部を介してコンテナ本体を吊り上げることが可能である。そして、引抜き工程の前に、前記一対の第1側布における前記吊上げ装置に近い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に前記他端部が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛けるとともに前記一端部を前記第1側布に固定し、かつ、前記吊上げ装置に遠い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に両端が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛けることにより、短い引抜き用係合部材でも上下移動部分に連結することが可能である。そして、引抜き工程のときにコンテナ本体を荷物から引き抜くときには、吊上げ装置の上下移動部分を吊上げ装置に近い側および遠い側の両方の引抜き用係合部材に係合させて一対の第1側布を吊り上げることにより、吊り部を用いて吊り上げる場合よりも、第1側布に対して2点から吊り上げることが可能になる。その結果、コンテナ本体を荷物から引き抜くときにコンテナ本体が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
本発明の底開きコンテナおよびその移送方法によれば、底開きコンテナを吊り上げたときに底開きコンテナ内部の荷物が型崩れや損傷するおそれを低減することができる。
さらに、本発明の底開きコンテナの移送方法によれば、上記の効果に加えて、引抜き工程時に吊上げ装置を吊上げ工程時の位置から後退および90度旋回移動する動作が必要なくなり、引抜き作業を限られたスペースで容易かつ素早く、安全に行うことができる。
本発明の実施形態に係る底開きコンテナの全体斜視図である。 図1のコンテナ本体が展開され、4個の吊り部がコンテナ本体に取り付けられた状態を示す平面図である。 本発明の連結部材の一例である環状の第1吊りベルトの正面図である。 図1の底開きコンテナにおける第1吊りベルト、第2吊ベルト、および4個の吊り部の平面配置を概略的に示す説明図である。 図1の底開きコンテナを用いた移送方法における吊上げ工程を底開きコンテナが一部切欠いた状態で示す概略説明図である。 図1の底開きコンテナを用いた移送方法における吊上げ工程を示す斜視説明図である。 図1の底開きコンテナを用いた移送方法における引抜き工程における一対の第2側布の吊り部を第1吊りベルトから外した状態を示す斜視説明図である。 図1の底開きコンテナを用いた移送方法における引抜き工程におけるスリットが開いて荷物が通る途中の状態を示す斜視説明図である。 図1の底開きコンテナを用いた移送方法における引抜き工程におけるコンテナ本体が荷物から完全に引き抜かれた状態を示す斜視説明図である。 本発明の変形例に係る底開きコンテナにおける第1吊りベルト、第2吊りベルト、およびカラビナからなる3個の吊り部およびリング状テープからなる1個の吊り部の平面配置を概略的に示す説明図である。 本発明の他の変形例に係る底開きコンテナにおける第1吊りベルト、第2吊りベルト、およびカラビナからなる1個の吊り部およびリング状テープからなる3個の吊り部の平面配置を概略的に示す説明図である。 本発明のさらに他の変形例に係るフォークリフトのフォークに装着可能なアタッチメントからなる連結部材を備えた底開きコンテナの概略斜視図である。 本発明のさらに他の変形例に係るフォークリフトのフォークに装着可能なアタッチメントからなる連結部材を備えるとともに、さらに第2吊りベルトが追加された底開きコンテナの概略斜視図である。 従来の底開きコンテナの展開図である。 図14の底開きコンテナの吊上げ工程を示す斜視図である。 図14の底開きコンテナの引抜き工程を示す斜視図である。 図14の底開きコンテナの引抜き工程を示す正面図であって、(a)はスリットが開く直前の状態、(b)はスリットが開いた状態を示す図である。 図14の底開きコンテナを吊り上げたときに、コンテナ内部の荷物に型崩れが生じた状態を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1に示される底開きコンテナ1は、複数の段ボール箱Bなどの荷物をまとめて運搬することができ、かつ、コンテナ本体2の底が開いてコンテナ本体2を荷物から引き抜くことが可能な構成を有している。底開きコンテナ1は、上下移動部分を有する吊上げ装置、例えば、図5~6に示される昇降可能なフォークFを有するフォークリフトFR、またはクレーンなどの装置によって吊り上げて搬送される。
ここで、本発明の「荷物」には、上記の段ボール箱Bだけでなく、紙材の束や1個の大きな物など種々の物が含まれ、包装形態、大きさ、形状、または数に制限の無い荷物全般が含まれる。
底開きコンテナ1は、具体的には、コンテナ本体2と、吊り部としての4個のカラビナ(すなわち、2個の第1カラビナ3a、および2個の第2カラビナ3b)と、第1吊りベルト4と、一対の第2吊りベルト5とを備えている。
コンテナ本体2は、図1~2に示されるように、矩形の底布2c、当該底布2cの外周縁における互いに対向する位置に延設された一対の第1側布2a、および当該外周縁における一対の第1側布2aが対向する向きと直交する向きで互いに対向する位置に延設された一対の第2側布2bを有する。本実施形態のコンテナ本体2は、図2に示されるように展開した状態では、正方形の底布2cの四辺から一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bが十字状に延びている形状をしており、一方、図1に示されるように一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bを立てることにより、略立方体の中空の箱形形状になる。
第1側布2aおよび第2側布2bは、それぞれ、荷物に当接する主部分2a1、2b1と、当該主部分2a1、2b1の先端から張り出す張出し部分2a2、2b2とを有する。
なお、第1側布2aおよび第2側布2bの主部分2a1、2b1は、四角形(とくに正方形)に限定されるものではなく、先端側へ向かうにつれて細くなるように台形形状であってもよい。
底布2cおよび一対の第2側布2bには、底布2cを横断するとともに一対の第2側布2bのそれぞれの一部(主部分2bの全部または一部)にまで連続するスリット2dが形成されている。
4個のカラビナ3a、3bは、第1吊りベルト4と係合および離脱が可能な部材からなり、本発明の吊り部の一形態である。図1~2および図4に示されるように、4個のカラビナ3a、3bのうち、2個の第1カラビナ3aは、一対の第1側布2aのそれぞれにおける底布2cと反対側の端部(具体的には張出し部分2a2)に取り付けられ、2個の第2カラビナ3bは、一対の第2側布2bのそれぞれにおける底布2cと反対側の端部(具体的にはフランジ部分2b2)に取り付けられている。
本発明の吊り部には、上記のようなカラビナ3a、3bやシャックルなどの取り外し可能な吊り金具など、第1吊りベルト4や後述のアタッチメント14(図12参照)などの連結部材によって吊られることが可能なものであればいかなるものでもよい。
第1吊りベルト4は、図1、および図3~4に示されるように、吊り部である上記の4個のカラビナ3a、3bに連結してコンテナ本体2を吊上げ可能な状態にする構成を有しており、本発明の連結部材の一形態である。第1吊りベルト4は、帯または線状体が環状に閉じた形状を有する。
図1~4に示されるように、スリット2dが形成された一対の第2側布2bに取り付けられた第2カラビナ3bと第1吊りベルト4とは、互いに連結を解除することが可能な構成を有する。また、スリット2dが形成されていない一対の第1側布2aに取り付けられた第1カラビナ3aも、第1吊りベルト4とは、互いに連結を解除することが可能な構成を有する。
本実施形態では、第1カラビナ3aおよび第2カラビナ3bは、それぞれ一部が途切れて開口が形成されたリング状の本体と、当該開口を開閉自在に閉じる閉止部材とを有しているので、第1吊りベルト4との連結および解除を作業者は工具を用いずに手のみで容易に行うことが可能である。
第2吊りベルト5は、一対の第1側布2aのそれぞれにおける第1カラビナ3aを挟んだ対向位置に両端が固定された帯または線条体からなる。第2吊りベルト5は、本発明の引抜き用係合部材の一形態である。
一対の第1側布2aにそれぞれ設けられた第2吊りベルト5は、後述の底開きコンテナ1の引抜き工程のときに、フォークリフトFRのフォークF(図5~6参照)に係合することにより、フォークFを上昇したときに一対の第1側布2aに対してそれぞれ第2吊りベルト5の両端の2点で吊り上げることが可能になる。
上記のように構成された底開きコンテナ1では、以下のようにして当該底開きコンテナ1の吊上げおよび引抜きを行う。
すなわち、本実施形態の底開きコンテナ1の移送方法は、以下の吊上げ工程と、引抜き工程とを含む。
まず、吊上げ工程の前に、図2に示される展開状態のコンテナ本体2の底布2cの上に荷物として複数の段ボール箱B(図1参照)を積み上げる。このとき、スリット2dは、第2側布2bの外面に設けられたマジックテープ(登録商標)9などの閉止手段で閉じておく。その後、図1に示されるように、一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bを立ち上げて底開きコンテナ1を立方体形状にして、複数の段ボール箱Bの下方および側方周囲を覆う。段ボール箱Bの積み方については、本発明ではとくに限定しておらず、各段ごとに90度向きを変える交互積み(図5参照)の他にも、従来公知のレンガ積みや風車積みなどであってもよい。
なお、このように段ボール箱Bを収納した状態の底開きコンテナ1を保管する場合には、図2の一対の第1側布2aの張出し部分2a2にそれぞれ設けられたマジックテープ7、および一対の第2側布2bの張出し部分2b2に設けられたマジックテープ8によって、張出し部分2a2同士、および張出し部分2b2同士を連結しておけばよい。これにより、底開きコンテナ1は立方体形状を維持できるととともに、底開きコンテナ1の上面を張出し部分2a2、2b2によって閉じることが可能である。
吊上げ工程では、図1および図4~6に示されるように、第1吊りベルト4を、一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bのそれぞれに取り付けられた4個のカラビナ3a、3bに連結して、平面視で略正方形形状に張られた状態にする(図4参照)。そして、第1吊りベルト4をフォークリフトFRのフォークFによって下からすくい上げることにより、第1吊りベルト4を当該フォークFに連結する。このとき、吊上げ工程の後に引抜き工程へそのまま移行できるように、一対の第2吊りベルト5もたわませた状態でフォークFに係合しておく(すなわち、フォークFをC字状の第2ベルト5に通した状態にする)。
第1吊りベルト4がフォークFに連結された状態で、フォークFを上昇させることにより、第1吊りベルト4およびそれに連結された4個のカラビナ3a、3bを介して荷物(段ボール箱B)が積まれた底開きコンテナ1のコンテナ本体2を吊り上げる。フォークFによって吊り上げられた底開きコンテナ1は、所定の設置面、例えば地面または工場の床面に設置されたパレットPの上まで移動して下降することにより、当該パレットPの上に設置される。
ついで、図7に示されるように、コンテナ本体2の底布2cがパレットP(設置面)に着地した状態で、スリット2dが形成されている一対の第2側布2bの第2カラビナ3bから第1吊りベルト4を外す。あわせて、スリット2dを閉じるマジックテープ9(図2参照)の結合を解除する。
このとき、図7に示される第1吊りベルト4は、一対の第1側布2aの第1カラビナ3aのうちの1つに連結しているが、一対の第1カラビナ3aの両方に連結しておいてもよいし、または両方から外しておいてもよい。
引抜き工程では、フォークリフトFRのフォークFの向きをコンテナ本体2に対する吊上げ工程のときのフォークFの向きから変えずに一対の第2吊りベルト5が係合した状態を維持しておく(すなわち、フォークFをC字状の第2ベルト5に通して第2ベルト5に係合した状態にしておく)。その状態で、図7~9に示されるように、フォークFを上昇させることにより、一対の第2吊りベルト5を介してスリット2dが形成されていない一対の第1側布2aを吊り上げることによって、スリット2dが開いて荷物(段ボール箱B)がパレットPに設置された状態でコンテナ本体2を吊り上げて、当該コンテナ本体2を段ボール箱Bから引き抜くことが可能である。
(本実施形態の特徴)
(1)
上記のように本実施形態の底開きコンテナ1およびその移送方法では、吊上げ工程のときには、第1吊りベルト4を一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bのそれぞれに取り付けられた4個のカラビナ3a、3bに連結し、第1吊りベルト4をフォークリフトFRのフォークFに連結し、第1吊りベルト4を介して荷物(本実施形態では段ボール箱B)が積まれたコンテナ本体2を吊り上げることができる。このとき、吊り上げるときにコンテナ本体2に作用する力は4個のカラビナ3a、3bを介して4枚の側布(すなわち、一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2b)に確実に伝わり、コンテナ本体2内部の荷物を圧迫する力が一対の第1側布2aが対向する方向および一対の第2側布2bの対向する方向の4方向に分散されるので、吊上げ時にコンテナ本体2内部の荷物が型崩れや損傷するおそれが低減する。
したがって、本実施形態の底開きコンテナ1を用いれば、段ボール箱Bなど比較的外力に弱い荷物を運搬するときの型崩れや損傷を防ぐことが可能になるので、運搬可能な荷物の種類が拡大し、底開きコンテナの汎用性が向上する。
なお、吊上げ時には、スリット2dが形成された一対の第2側布2bにも上方向の力が作用するので、スリット2dが開くことはない。
(2)
また、本実施形態の底開きコンテナ1の移送方法では、荷物が積まれたコンテナ本体2を設置面(本実施形態ではパレットP)に設置した後、コンテナ本体2を荷物から引き抜く場合には、まず、スリット2dが形成された一対の第2側布2bに取り付けられた第2カラビナ3bと第1吊りベルト4との連結を解除する。ついで、上記の引抜き工程のように、フォークリフトFRのフォークFの向きをコンテナ本体2に対する上記の吊上げ工程のときのフォークFの向きと同じ向きを維持した状態でフォークFを上昇させることにより、スリット2dが形成されていない一対の第1側布2aを吊り上げる。これにより、コンテナ本体2のスリット2dが開いて荷物が設置面に設置された状態でコンテナ本体2のみが吊り上げられることにより、コンテナ本体2の引抜きが可能になる。
したがって、フォークリフトFRのフォークFの向きを吊上げ工程のときの向きから変えずにコンテナ本体2を荷物から引き抜くことが可能になる。その結果、当該引抜き工程時にフォークリフトFRを吊上げ工程時の位置から後退および90度旋回移動する動作が必要なくなり、引抜き作業を限られたスペースで容易かつ素早く、安全に行うことが可能になる。
(3)
本実施形態の底開きコンテナ1では、第1吊りベルト4が帯または線状体が環状に閉じた形状を有する。そのため、環状の第1吊りベルト4を4個のカラビナ3a、3bに容易かつ確実に連結することが可能であり、かつ、コンテナ本体2を吊り上げる作業のときには、環状の第1吊りベルト4を介して4個のカラビナ3a、3bに吊上げ力を確実に作用させることが可能である。その結果、コンテナ本体2内部の荷物が型崩れや損傷するおそれが低減する。
しかも、底開きコンテナ1を使用しないときには第1吊りベルト4を巻いた状態かまたは折り曲げた状態で保管または運搬することが可能である。そのため、第1吊りベルト4の保管および運搬が容易であり、保管および運搬時の占有スペースが小さくて済む。
(4)
さらに、本実施形態の底開きコンテナ1は、第1側布2aにおけるカラビナ3aを挟んだ対向位置に両端が固定された引抜き用係合部材として第2吊りベルト5を備えている。そのため、上記の本実施形態の底開きコンテナ1の移送方法における引抜き工程のときにコンテナ本体2を荷物から引き抜くときには、フォークリフトFRのフォークFを第2吊りベルト5に係合させて一対の第1側布2aを吊り上げれば、第1カラビナ3aを用いて吊り上げる場合よりも、第1側布2aに対して2点から吊り上げることが可能になり、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
なお、本発明の引抜き用係合部材は、一対の第1側布2aのそれぞれにおける吊り部(第1カラビナ3a)を挟んだ対向位置に両端が固定された構造を有していればよく、上記のような帯または線条体からなる第2吊りベルト5に限定されない。したがって、例えば、フォークFで吊り上げ可能な金属製または合成樹脂製のC字形状の部材なども本発明の引抜き用係合部材として用いることが可能である。
(変形例)
(A)
なお、上記実施形態の底開きコンテナ1は、第2吊りベルト5などの引抜き用係合部材を有しており、この第2吊りベルト5を用いて引抜き工程のときに一対の第1側布2aを引き上げているが、本発明はこれに限定されない。本発明の変形例として、底開きコンテナ1は、第2吊りベルト5などの引抜き用係合部材を備えていなくてもよい。この場合、引抜き工程のときには、第2吊りベルト5を用いずに、第1吊りベルト4(連結部材)を介して一対の第1側布2aを引き上げるようにすれば、コンテナ本体2を荷物から引き抜くことが可能である。
なお、引抜き工程のときに第1吊りベルト4を介して一対の第1側布2aを引き上げる場合、第1側布2aの幅方向に延びる金属製または硬質の合成樹脂製のバーを当該第1側布2aに取り付けておけば、第1側布2aに対して幅方向に均一に上方向の力を作用することができる。その結果、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
(B)
上記実施形態では、4個の吊り部として4個のカラビナ3a、3bを用いた例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくともスリット2dが形成された一対の第2側布2bに設けられた吊り部が連結部材(上記実施形態では第1吊りベルト4)との連結が解除できる構造であればよい。このような観点から、本発明の変形例として、図10~11に示されるように、カラビナ3a、3bの数を減らした構造にしてもよい。
例えば、図10に示される構造のように、一対の第1側布2aのうち、フォークFの先端側で吊り上げられる側(図10の下側)の第1側布2aの端部に吊り部としてカラビナの代わりにリング状テープ10を設けて第1吊りベルト4に係合するようにしてもよい。
または、図11に示される構造のように、カラビナの数を2個まで減らしてもよい。この図11の構造では、フォークFの先端側で吊り上げられる図11の下側の第1側布2a、および一対の第2側布2bの端部に吊り部としてカラビナの代わりにリング状テープ10が3か所設けられている。これら3か所のリング状テープ10は、図11の上側の第1側布2aに設けられた第1カラビナ3aとともに、第1吊りベルト4に係合させればよい。そして、第1吊りベルト4を3か所のリング状テープ10から取り外すことができるように、第1吊りベルト4の一部を切断して切断された両端部をカラビナ11で分離可能に結合すればよい。
(C)
上記実施形態では、本発明の連結部材の一例として環状の第1吊りベルト4を挙げて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、4個のカラビナ3a、3b(吊り部)に連結してコンテナ本体2を吊上げ可能な状態にする構成であれば種々の形態の連結部材を採用してもよい。
例えば、本発明の変形例として、連結部材は、図12に示されるように、フォークリフトFRなどの吊上げ装置に装着可能なアタッチメント14であってもよい。
アタッチメント14は、アタッチメント本体14aと、4個の吊り部側連結部14bと、フォーク側連結部14cとを備える。
アタッチメント本体14aは、スチールまたは硬質の合成樹脂などからなる高い曲げ剛性を有する矩形形状の枠体によって構成されている。
4個の吊り部側連結部14bは、アタッチメント本体14aの四方の角部のそれぞれ下部に取り付けられている。4個の吊り部側連結部14bは、フックやカラビナなどからなり、コンテナ本体2に設けられた4個のカラビナ3a、3b(吊り部)に個別に着脱自在に連結することが可能である。
フォーク側連結部14cは、アタッチメント本体14aの上部に取り付けられ、フォークリフトFRのフォークFに着脱自在に連結するように構成されている。図12のフォーク側連結部14cは、水平方向に延び、フォークFを上側および両側を覆うC字状断面形状を有する部材で構成されている。フォークFを水平移動させてフォーク側連結部14cの下側の空間に挿入させ、その後、フォークFを上昇させることにより、フォーク側連結部14cをフォークFに連結させることが可能である。フォーク側連結部14cは、本発明の吊り部側連結部の一形態である。
上記のアタッチメント14では、吊り部側連結部14bとフォーク側連結部14cとは、互いの相対的な高さが変わらないように、アタッチメント本体14aを介して剛的に連結されている。
図12に示される変形例では、上記のように4個の吊り部側連結部14bがカラビナやフックなどで構成されている。そのため、これら吊り部側連結部14bに連結される4個の吊り部として、コンテナ本体の2の一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bの上端部には、それぞれ2個の第1リング13aおよび2個の第2リング13bが設けられている。なお、吊り部として、第1リング13aおよび2個の第2リング13bの代わりに図1に示されるようにカラビナを用いてもよい。
アタッチメント14を用いてコンテナ本体2を吊り上げるときには、フォーク側連結部14cをフォークリフトFRのフォークFに連結した状態で、4個の吊り部側連結部14bをコンテナ本体2側の2個の第1リング13aおよび2個の第2リング13bにそれぞれ連結した後、フォークFを上昇させることにより、コンテナ本体2を4点で吊り上げることが可能である。
一方、アタッチメント14を用いてコンテナ本体2を荷物から引き抜くときには、吊り部側連結部14bを2個の第2リング13bから外した後、フォークFを上昇させることにより、2個の第1リング13aを介して一対の第1側布2aを引き上げる。これにより、スリット2dが開いて、コンテナ本体2を荷物から引き抜くことが可能である。
上記のように、第1吊りベルト4としてアタッチメント14を用いることにより、帯または線状体を環状にした第1吊りベルト4と比較して図5に示されるように当該第1吊りベルト4を緊張状態で延ばすために必要な高さが必要なくなり、フォークリフトFRのフォークFと底開きコンテナ1の4個の吊り部(2個の第1リング13aおよび2個の第2リング13b)との間の距離を小さくすることが可能になる。それにより、底開きコンテナ1を吊り上げるときに必要な高さを低減することが可能になる。その結果、コンテナ本体2の高さ(すなわち、第1側布2aおよび第2側布2bの高さ)を伸長させることが可能になり、コンテナ本体2に積むことが可能な荷物を増やすことができ、底開きコンテナ1の荷物の積載量を増やすことが可能である。
なお、第1側布2aにおける第1リング13aの周辺において、第1側布2aの幅方向に延びる金属製または硬質の合成樹脂製のバーを当該第1側布2aに取り付けておけば、第1側布2aに対して幅方向に均一に上方向の力を作用することができる。その結果、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
(D)
また、図13に示される変形例のように、上記の図12のようにフォークリフトFRのフォークFに装着可能な連結部材としてアタッチメント14を備えるとともに、さらに引抜き用係合部材として第2吊りベルト5が一対の第1側布2aに両端が固定されてもよい。
この場合、アタッチメント14には、各第2吊りベルト5が係合することが可能な棒状または板状の係合部14dを設けるのが好ましい。係合部14dは、アタッチメント本体14aから前後方向(フォーク側連結部14cが延びる方向)に突出している。係合部14dは、各第2吊りベルト5につき2か所設ければ2点で吊り上げることが可能であるので好ましい。
このような図13に示される構成では、アタッチメント14を用いることにより、上記変形例(C)と同様の効果が得られることに加えて、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときには、アタッチメント14の係合部14dを第2吊りベルト5に係合させて一対の第1側布2aを吊り上げれば、第1リング13aを用いて吊り上げる場合よりも、第1側布2aに対して2点から吊り上げることが可能になり、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
(E)
引抜き用係合部材として、一対の第1側布2aに両端が固定された第2吊りベルト5は、図2に示されるように、フォークリフトFRに近い側の第2吊りベルト5の一方の端部がカラビナ6を介して第1側布2aの張出し部分2a2に着脱自在に固定され、他方の端部が張出し部分2a2に固定されていてもよい。
この場合、短い引抜き用係合部材(すなわち、第2吊りベルト5)を適用した場合でも、吊上げ工程および引抜き工程が可能であり、引抜き工程のときにコンテナ本体が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
すなわち、このような図2に示される一方の端部が着脱自在に固定された第2吊りベルト5を用いた底開きコンテナの移送方法は、以下のような吊上げ工程および引抜き工程が可能になる。この移送方法では、まず、一対の第1側布2aに両端が固定された第2吊りベルト5のうち、フォークリフトFRに近い側(図2の右側)の第2吊りベルト5の一端部がカラビナ6によって第1側布2aに着脱自在に固定可能であり、他端部が第1側布2aに固定された第2吊りベルト5を準備する。
ついで、第2吊りベルト5をフォークリフトFRのフォークFに係合しない状態で、かつ、連結部材として第1吊りベルト4(図1参照)を、一対の第1側布2aおよび一対の第2側布2bのそれぞれに取り付けられた4個の第1カラビナ3aおよび第2カラビナ3bに連結するとともに、フォークリフトFRのフォークFに連結した状態で、フォークFを上昇させることにより、第1吊りベルト4を介して荷物が積まれたコンテナ本体2を吊り上げる(吊上げ工程)。
その後、コンテナ本体2の底布2cがパレットPなどの設置面に着地し、その状態で、スリット2dが形成された一対の第2側布2bの2個の第2カラビナ3bから第1吊りベルト4を外す。
ついで、一対の第1側布2aにおけるフォークリフトFRに近い側(図2の右側)の第2吊りベルト5を、第1側布2aに他端部が固定された状態でフォークFの上側に掛けるとともに一端部を第1側布2aに固定し、かつ、フォークリフトFRに遠い側(図2の左側)の第2吊りベルト5を、第1側布2aに両端が固定された状態でフォークFの上側に掛ける。
その後、コンテナ本体2に対する吊上げ工程のときのフォークFの向きと同じ向きでフォークFを上昇させることにより、当該フォークFをフォークリフトFRに近い側および遠い側の両方の第2吊りベルト5に通してこれらの第2吊りベルト5に係合した状態で、スリット2dが形成されていない一対の第1側布2aを吊り上げることによって、スリット2dが開いて荷物が設置面に設置された状態でコンテナ本体2を吊り上げて、当該コンテナ本体2を荷物から引き抜く(引抜き工程)。
この変形例(E)による底開きコンテナの移送方法では、上記(本実施形態の特徴)(1)に係る底開きコンテナの移送方法の作用効果に加えて、短い第2吊りベルト5を適用した場合でも、吊上げ工程および引抜き工程が可能であり、引抜き工程のときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
すなわち、吊上げ工程のときには、第2吊りベルト5をフォークリフトFRのフォークFに係合しない状態で第1吊りベルト4および4個の第1カラビナ3aおよび第2カラビナ3bを介してコンテナ本体2を吊り上げることが可能である。そして、引抜き工程の前に、一対の第1側布2aにおけるフォークリフトFRに近い側の第2吊りベルト5を、第1側布2aに他端部が固定された状態でフォークFの上側に掛けるとともに一端部を第1側布2aに固定し、かつ、フォークリフトFRに遠い側の第2吊りベルト5を、第1側布2aに両端が固定された状態でフォークFの上側に掛けることにより、短い第2吊りベルト5でもフォークFに連結することが可能である。そして、引抜き工程のときにコンテナ本体2を荷物から引き抜くときには、フォークリフトFRのフォークFをフォークリフトFRに近い側および遠い側の両方の第2吊りベルト5に係合させて一対の第1側布2aを吊り上げることにより、第1カラビナ3aおよび第2カラビナ3bを用いて吊り上げる場合よりも、第1側布2aに対して2点から吊り上げることが可能になる。その結果、コンテナ本体2を荷物から引き抜くときにコンテナ本体2が荷物に引っかかるなどの不具合を防止することが可能である。
1 底開きコンテナ
2 コンテナ本体
2a 第1側布
2b 第2側布
2c 底布
2d スリット
3a 第1カラビナ(吊り部)
3b 第2カラビナ(吊り部)
4 第1吊りベルト(連結部材)
5 第2吊りベルト(引抜き用係合部材)
10 リング状テープ(吊り部)
13a 第1リング(吊り部)
13b 第2リング(吊り部)
14 アタッチメント
14b 吊り部側連結部
14c フォーク側連結部(吊上げ装置側連結部)
B 段ボール箱(荷物)
F フォーク
FR フォークリフト
P パレット

Claims (7)

  1. 矩形の底布、当該底布の外周縁における互いに対向する位置に延設された一対の第1側布、および当該外周縁における前記一対の第1側布が対向する向きと直交する向きで互いに対向する位置に延設された一対の第2側布を有し、前記底布を横断するとともに前記一対の第2側布のそれぞれの一部にまで連続するスリットが形成されているコンテナ本体と、
    前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれにおける前記底布と反対側の端部に取り付けられた4個の吊り部と、
    前記4個の吊り部に連結して前記コンテナ本体を吊上げ可能な状態にする連結部材とを備えており、
    前記吊り部および前記連結部材は、前記スリットが形成された前記一対の第2側布に取り付けられた2個の前記吊り部と前記連結部材との連結を解除することが可能な構成を有する
    ことを特徴とする底開きコンテナ。
  2. 前記連結部材は、帯または線状体が環状に閉じた形状を有する、
    請求項1に記載の底開きコンテナ。
  3. 前記連結部材は、吊上げ装置に装着可能なアタッチメントであり、
    前記アタッチメントは、
    前記4個の吊り部に個別に着脱自在に連結する4個の吊り部側連結部と、
    前記吊上げ装置の上下移動部分に着脱自在に連結する吊上げ装置側連結部と
    を備えており、
    前記吊り部側連結部と前記吊上げ装置側連結部とが互いの相対的な高さが変わらないように連結されている、
    る請求項1に記載の底開きコンテナ。
  4. 前記一対の第1側布における前記吊り部を挟んだ対向位置に両端が固定された引抜き用係合部材をさらに備えている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の底開きコンテナ。
  5. 請求項1記載の底開きコンテナの移送方法であって、
    前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、吊上げ装置の上下移動部分に連結した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、
    前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、
    前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含む
    ことを特徴とする底開きコンテナの移送方法。
  6. 請求項4記載の底開きコンテナの移送方法であって、
    前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、吊上げ装置の上下移動部分に連結し、かつ、当該上下移動部分を前記引抜き用係合部材に通した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、
    前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、
    前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、当該上下移動部分を前記引抜き用係合部材に通して当該引抜き用係合部材に係合した状態で、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含む
    ことを特徴とする底開きコンテナの移送方法。
  7. 請求項4記載の底開きコンテナの移送方法であって、
    前記一対の第1側布に両端が固定された前記引抜き用係合部材のうち、吊上げ装置に近い側の引抜き用係合部材の一端部が前記第1側布に着脱自在に固定可能であり、他端部が前記第1側布に固定された引抜き用係合部材を準備する工程と、
    前記引抜き用係合部材を吊上げ装置の上下移動部分に係合しない状態で、かつ、前記連結部材を、前記一対の第1側布および前記一対の第2側布のそれぞれに取り付けられた4個の前記吊り部に連結するとともに、前記吊上げ装置の上下移動部分に連結した状態で、前記上下移動部分を上昇させることにより、前記連結部材を介して荷物が積まれた前記コンテナ本体を吊り上げる吊上げ工程と、
    前記コンテナ本体の底布が設置面に着地し、その状態で、前記スリットが形成された前記一対の第2側布の2個の吊り部から前記連結部材を外す工程と、
    前記一対の第1側布における前記吊上げ装置に近い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に前記他端部が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛けるとともに前記一端部を前記第1側布に固定し、かつ、前記吊上げ装置に遠い側の引抜き用係合部材を、前記第1側布に両端が固定された状態で前記上下移動部分の上側に掛ける工程と、
    前記コンテナ本体に対する前記吊上げ工程のときの前記上下移動部分の向きと同じ向きで前記上下移動部分を上昇させることにより、当該上下移動部分を前記吊上げ装置に近い側および遠い側の両方の前記引抜き用係合部材に通してこれらの引抜き用係合部材に係合した状態で、前記スリットが形成されていない前記一対の第1側布を吊り上げることによって、前記スリットが開いて前記荷物が前記設置面に設置された状態で前記コンテナ本体を吊り上げて、当該コンテナ本体を荷物から引き抜く引抜き工程とを含む
    ことを特徴とする底開きコンテナの移送方法。
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