JP7112142B2 - 平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置及びその方法 - Google Patents
平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置及びその方法 Download PDFInfo
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Description
(1)平面部品の具体的な表面形状について十分に考慮せず、工具皿を平坦化するだけで、研磨中に平面部品の表面形状の収束速度が遅くなる。
(2)研磨パッドの平坦化装置は静圧装置を用いているため、装置のコストが高くなる。
(3)研磨パッドに溝を切ることで全アパーチャの決定性研磨を行うと、研磨パッドの利用率が低くなり、処理コストが高くなる。
(4)一部の装置は研磨パッドのドレッシングにおいて、グレーズ層の除去のみを実現するが、研磨パッドの全体的な表面形状への制御力を欠いている。
(5)従来の研磨装置は、加工・測定の一体化設計を実現せず、平面部品の自動化量産力の不足をもたらしている。
本発明の一態様は、平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置であって、制御システムと、ベースと、昇降板と、研磨モジュールと、測定モジュールとを備え、
前記制御システムは、ロボットアームの位置姿勢、スイングアームの揺動、ガイドレールのスライダの移動、レーザー変位センサの起動、昇降板の昇降、ダイヤモンドドレッサに接続されたモータの起動、環型研磨装置の作動の制御に用いられ、前記制御システムの制御盤が、装置全体の側面に位置し、
前記研磨モジュールと前記測定モジュールはいずれもベースに位置し、前記昇降板は研磨モジュールと測定モジュールとの間に位置し、
前記研磨モジュールは、スイングアーム機構と、研磨パッド表面ドレッサ機構と、研磨パッド表面形状測定装置と、環型研磨工具皿機構とを備え、
前記スイングアーム機構は、ステッピングモータと、ベースに取り付けられるカラムと、一端がカラムにヒンジ結合され、他端が環型研磨工具皿機構の上方に張り出すスイングアームとを備え、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構は、スイングアームの後側に固定される円筒軸と、リニア軸受と、リニア軸受を介して円筒軸に取り付けられるモータと、モータの回転軸に取り付けられるとともに研磨パッドの上方に位置するダイヤモンドドレッサと、を備え、
前記研磨パッド表面形状測定装置は、スイングアームの前側に固定されるリニアガイドレールと、スライダを介してリニアガイドレールに摺動接続され、スライダの下方に固定されるレーザー変位センサと、を備え、
環型研磨工具皿機構は、研磨パッドと、固定ボルトと、従動輪と、シフトフォークと、駆動輪モータと、固定フレームと、駆動輪と、回転テーブルとを備え、前記回転テーブルが固定ボルトを介して環型研磨装置の主軸に取り付けられ、前記研磨パッドが回転テーブルに貼り付けられ、前記固定フレームはネジでベースに取り付けられ、前記駆動輪モータが固定フレームの側壁に取り付けられ、前記シフトフォークが固定フレームの側壁に取り付けられるとともに駆動輪モータの下方に位置し、前記従動輪及び駆動輪が、それぞれシフトフォークの両端に取り付けられるとともに研磨パッドの上方に張り出し、
前記測定モジュールは、測定ステーション、乾燥ステーション及び洗浄ステーションを有する平面部品の表面形状自動測定装置と、ロボットアーム機構と、を備え、
前記洗浄ステーション、乾燥ステーション及び測定ステーションは、左から右へ順次にベースに取り付けられ、前記ロボットアーム機構の台座が装置全体の側壁に固定されるとともに乾燥ステーションの上方に位置し、
前記ステッピングモータは、制御システムでカラムに沿うスイングアームの回転角及び速度を制御し、
レーザー変位センサの測定軌跡が研磨パッドの中心位置に通過するまで前記研磨パッド表面形状測定装置をスイングアームで動かし、レーザー変位センサの位置姿勢及び研磨パッドからの高さを測定データ収集要件を満たすように調整し、レーザー変位センサをリニアガイドレールに沿って移動するすなわち研磨パッドの径方向に沿って移動するように制御し、研磨パッドの径方向の表面形状を取得し、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構は、リニア軸受を介してスイングアームに接続され、研磨パッドをドレッシングしている過程において、ダイヤモンドドレッサが、その自重及びモータの重量により、研磨パッドの表面との定圧接触を維持し、スイングアームの揺動速度を制御することにより、研磨パッドの径方向上の異なる位置におけるダイヤモンドドレッサの滞留時間を制御して研磨パッドに対する決定性ドレッシングを実現する。
研磨パッド及び平面部品の元の表面形状を測定するステップAと、平坦化研磨パッドを用いる時の平面部品の材料除去率分布関数を得るステップBと、平面部品の表面形状を迅速に収束させる研磨パッドの好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決めるステップCと、研磨パッドをドレッシングするステップDと、平面部品を研磨するステップEと、平面部品の表面形状を測定するステップFと、を備え、
ステップAでは、スイングアームを、研磨パッドの径方向に沿ってレーザー変位センサの測定ヘッドを移動させる位置に調整し、リニアガイドレールに沿ってレーザー変位センサを移動させることにより、研磨パッドの元の表面形状を採集し、ロボットアーム機構で平面部品を測定ステーションに搬送し、平面部品の元の表面形状を取得し、
ステップBでは、ガイドレールとレーザー変位センサを起動してガイドレールのスライダによりレーザー変位センサを研磨パッドに沿って径方向に移動させ、研磨パッドの元の表面形状を測定し、スイングアームと、ダイヤモンドドレッサに接続されたモータとを起動して、ダイヤモンドドレッサに研磨パッドの径方向に沿って均一速度で研磨パッドをドレッシングさせ、そして、研磨パッドの表面形状データを再測定し、下記の式(1)のように、ドレッシング前後の研磨パッドの表面形状の差及びドレッシング時間により研磨パッドのドレッシング除去率分布関数を取得し、
ただし、MRRpiはi番目の離散点における研磨パッドのドレッシング除去率を示し、u0 piはi番目の離散点における研磨パッドの元の表面形状を示し、u1 piはi番目の離散点における研磨パッドのドレッシング済の表面形状を示し、tpは研磨パッドのドレッシング時間を示し、nは研磨パッドの径方向の離散点の数を示し、前記表面形状は、研磨パッドの表面における全ての離散点の高さデータであり、
元の研磨パッドの表面形状及び水平面について差分処理を行い、研磨パッド表面の除去量分布関数を確定し、ドレッシングしている過程において、ドレッシング圧力が一定に維持され、研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知であり、研磨パッドの各径方向におけるダイヤモンドドレッサの滞留時間を確定し、研磨パッドを平坦化した後でその平坦化研磨パッドにおいて平面部品を研磨し、下記の式(2)のように、研磨前後の平面部品の表面形状の差により平面部品の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を取得し、
ただし、MRRc(r,θ)は平面部品の材料除去率分布関数を表し、uc(r,θ)は研磨前の平面部品の表面形状を示し、u’c(r,θ)は研磨後の平面部品の表面形状を示し、rは平面部品におけるある点から平面部品の中心までの距離を表し、θは平面部品の中心を座標原点とする座標系下での平面部品におけるある点の角度を表し、tcは研磨時間を示し、
ステップCでは、平面部品及び平坦化研磨パッドの表面形状と、平面部品の平坦化研磨パッドで研磨する時の除去率分布関数とに基づいて、研磨パッドの表面形状設計法で平面部品の表面形状を迅速に収束させる研磨パッドの好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決め、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるステップC1と、研磨パッドの好ましい表面形状を取得するステップC2と、研磨パッドのドレッシングパラメータを決めるステップC3と、研磨時間を予測するステップC4と、を具体的に含み、
ステップC1では、平面部品の材料除去率分布関数は、下記の式(3)のプリンストン方程式を満たし、
ただし、K(r,θ)はプリンストン係数を表し、P(r,θ)は研磨作業中の接触圧力を示し、V(r,θ)は研磨パッドに対する平面部品の回転速度を示し、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるために、プリンストン方程式(3)を式(4)に変換し、
研磨パッドを平坦化するときの平面部品の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を式(2)により算出し、
研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータに基づいて、下記の式(5)のように運動学的分析により各位置における平面部品と研磨パッドとのの相対運動速度V(r,θ)を取得し、
ただし、vx(r,θ)は平面部品と研磨パッドとの相対運動速度の平面部品のx軸における速度成分を表し、vy(r,θ)は平面部品と研磨パッドとの相対運動速度の平面部品のy軸における速度成分を表し、ωpは研磨パッドの公転速度を示し、ωcは研磨パッドの自転速度を示し、
下記の式(6)のように、弾性基礎の仮定に基づいて、接触圧力分布関数モデルを算出し、
ただし、Kは剛性係数を表し、δは侵入深さを表し、u(r,θ)は弾性層の厚さを表し、vはポアソン比を表し、Eは弾性率を表し、Lは研磨パッドの厚さを表し、up(r,θ)は研磨作業範囲内の研磨パッドの周方向に均質化された表面形状を表し、Fは正圧、即ち平面部品及び釣り合い重りの重量を表し、Aは平面部品の離散点に代表される領域の面積を表し、
弾性基礎の仮定に基づいて、平面部品の表面形状及び研磨パッドの表面形状が既知である場合、機械分析により各点における研磨圧力P(r,θ)を取得し、
以上により、MRRc(r,θ)、V(r,θ)及びP(r,θ)が既に取得されたので、式(4)により平面部品のプリンストン係数K(r,θ)を求め、
ステップC2では、研磨過程中においてプリンストン係数が変わらないという仮定と弾性基礎の仮定とに基づいて、ステップBで得られた平面部品の表面形状に対して正規化及び鏡像対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して全アパーチャの決定性研磨に必要な研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、
前記した研磨パッドの好ましい表面形状を得る方法は、
下記の式(7)のように、ステップBで得られた平面部品の表面形状に対して正規化及び鏡面対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、
即ち、
研磨工程においてプリンストン係数K(r,θ)が変わらないという仮定に基づいて、研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータが変わらないとV(r,θ)が不変になるという事実を考慮して、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して平面部品の表面の好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を取得し、
弾性基礎の仮定に基づいて、ステップBで得られた平面部品の表面形状が既知である場合、研磨パッドのいずれの表面形状に対応する接触圧力も求め、好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を最適化目標とし、全アパーチャの決定性研磨に必要な相応する研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、且つ平面部品の表面における好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)を求めることであり、
ステップC3では、
研磨パッドの好ましい表面形状と平坦化研磨パッドの表面形状がそれぞれ既に測定され、ドレッシング中のドレッシング圧力が一定に維持され、ステップBにより研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知である上で、下記の式(8)のように、研磨パッドの径方向位置におけるダイヤモンドドレッサの滞留時間を決め、
ただし、Tpiは研磨パッドのi番目の離散点におけるダイヤモンドドレッサの滞留時間を示し、upiはi番目の離散点における平坦化研磨パッドの表面形状を示し、u’piはi番目の離散点における研磨パッドの好ましい表面形状を示し、
ステップC4では、下記の式(9)のように好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)を取得し、
ステップBに得られた平面部品の表面形状の好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去分布関数MRR’c(r,θ)と併せて研磨中の平面部品の表面形状の進化を導き出し、平面部品の表面形状の最大高低値であるPV値が最小になる時の対応する研磨時間を予測研磨時間として選択し、
ステップDでは、
研磨パッド表面ドレッサ機構を制御して研磨パッドの表面形状を算出された研磨パッドの好ましい表面形状にドレッシングし、
ステップEでは、
ステップBで平坦化研磨パッドを用いて平面部品の材料除去率分布関数を測定するときと同じプロセスパラメータで平面部品を研磨し、前記プロセスパラメータは、平面部品及び研磨パッドのそれぞれの回転速度、研磨液組成、研磨液供給位置、研磨液流速、研磨荷重を含み、
ステップFでは、
ロボットアーム機構は、研磨済の平面部品を洗浄ステーションに搬送し、平面部品の表面における研磨液及び他の不純物を20~26℃の脱イオン水で洗浄し、そして平面部品を乾燥ステーション内のクランプ位置決め装置に搬送し、20~26℃の室温風を出力する強力な送風機で平面部品に対して快速乾燥処理を行い、平面部品の表面がきれいになった後、測定ステーションに搬送し、平面部品の表面形状を測定し、研磨結果が要件を満たしているかどうかを判断し、要件を満たしていない場合、ステップAに戻り、要件を満たす高精度の平面部品を得るまで操作を繰り返す。
[付記1]
制御システムと、ベース(1)と、昇降板(6)と、研磨モジュールと、測定モジュールと、を備え、
前記制御システムは、ロボットアームの位置姿勢、スイングアーム(31)の揺動、ガイドレールのスライダの移動、レーザー変位センサー(21)の起動、昇降板(6)の昇降、ダイアモンドドレッサ(74)に接続されたモータ(71)の起動、環型研磨装置の作動を制御するために用いられ、前記制御システムの制御盤は、装置全体の側面に位置し、
研磨モジュールと測定モジュールはいずれもベース(1)に位置し、昇降板(6)は研磨モジュールと測定モジュールとの間に位置し、
前記研磨モジュールは、スイングアーム機構(3)と、研磨パッド表面ドレッサ機構(7)と、研磨パッド表面形状測定装置(2)と、環型研磨工具皿機構(8)と、を備え、
前記スイングアーム機構(3)は、ステッピングモータ(33)と、ベース(1)に取り付けられるカラム(32)と、一端がカラム(32)にヒンジ結合され、他端が環型研磨工具皿機構(8)の上方に張り出すスイングアーム(31)とを備え、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構(7)は、スイングアーム(31)の後側に固定される円筒軸(73)と、リニア軸受(72)と、リニア軸受(72)を介して円筒軸(73)に取り付けられるモータ(71)と、モータの回転軸(71)に取り付けられるとともに研磨パッド(81)の上方に位置するダイヤモンドドレッサ(74)とを備え、
前記研磨パッド表面形状測定装置(2)は、スイングアーム(31)の前側に固定されるリニアガイドレール(22)と、スライダを介してリニアガイドレール(22)に摺動接続され、スライダの下方に固定されるレーザー変位センサー(21)と、を備え、
環型研磨工具皿機構(8)は、研磨パッド(81)と、固定ボルト(82)と、従動輪(83)と、シフトフォーク(84)と、駆動輪モータ(85)と、固定フレーム(86)と、駆動輪(87)と、回転テーブル(89)とを備え、前記回転テーブル(89)が固定ボルト(82)を介して環型研磨装置の主軸に取り付けられ、前記研磨パッド(81)が回転テーブル(89)に貼り付けられ、前記固定フレーム(86)はネジでベース(1)に取り付けられ、前記駆動輪モータ(85)が固定フレーム(86)の側壁に取り付けられ、前記シフトフォーク(84)が固定フレーム(86)の側壁に取り付けられるとともに駆動輪モータ(85)の下方に位置し、前記従動輪(83)及び前記駆動輪(87)は、それぞれシフトフォーク(84)の両端に取り付けられるとともに研磨パッド(81)の上方に張り出し、
前記測定モジュールは、測定ステーション(51)、乾燥ステーション(52)及び洗浄ステーション(53)を有する平面部品の表面形状自動測定装置(5)と、ロボットアーム(4)と、を備え、
前記洗浄ステーション(53)、乾燥ステーション(52)及び測定ステーション(51)は、左から右へ順次にベース(1)に取り付けられ、前記ロボットアーム機構(4)の台座が装置全体の側壁に固定されるとともに乾燥ステーション(52)の上方に位置し、
前記ステッピングモータ(33)は、制御システムでカラム(32)に沿うスイングアーム(31)の回転角及び速度を制御し、
レーザー変位センサ(21)の測定軌跡が研磨パッド(81)の中心位置を通過するまで前記研磨パッド表面形状測定装置(2)をスイングアーム(31)で動かし、レーザー変位センサ(21)の位置姿勢及び研磨パッド(81)からの高さを測定データ収集要件を満たすように調整し、レーザー変位センサ(21)をリニアガイドレール(22)に沿って移動するすなわち、研磨パッド(81)の径方向に沿って移動するように制御し、研磨パッド(81)の径方向の表面形状を取得し、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構(7)は、リニア軸受(72)を介してスイングアーム(31)に接続され、研磨パッド(81)をドレッシングしている過程において、ダイヤモンドドレッサ(74)が、その自重及びモータ(71)の重量に依存して、研磨パッド(81)の表面との定圧接触を維持し、スイングアーム(31)の揺動速度を制御することにより、研磨パッド(81)の径方向上の異なる位置におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を制御して研磨パッド(81)に対する決定性ドレッシングを実現する、平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置。
前記洗浄ステーション(53)は脱イオン水噴霧装置と汚水蓄積容器とを備え、前記乾燥ステーション(52)は平面部品(88)のクランプ位置決め装置を備えたパレットラックと強力な送風機とを備え、前記測定ステーション(51)は平面度測定器を備える、ことを特徴とする付記1に記載の平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置。
平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置で研磨を行い、
研磨パッド(81)及び平面部品(88)の元の表面形状を測定するステップAと、平坦化研磨パッドを用いる時の平面部品の材料除去率分布関数を得るステップBと、平面部品(88)の表面形状を迅速に収束させる研磨パッド(81)の好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決めるステップCと、研磨パッド(81)をドレッシングするステップDと、平面部品(88)を研磨するステップEと、平面部品(88)の表面形状を測定するステップFと、を備え、
ステップAでは、スイングアーム(31)を、研磨パッド(81)の径方向に沿ってレーザー変位センサー(21)の測定ヘッドを移動させる位置に調整し、リニアガイドレール(22)に沿ってレーザー変位センサー(21)を移動させることにより、研磨パッド(81)の元の表面形状を採集し、ロボットアーム機構(4)で平面部品(88)を測定ステーション(51)に搬送し、平面部品(88)の元の表面形状を取得し、
ステップBでは、ガイドレールとレーザー変位センサー(21)を起動してガイドレールのスライダによりレーザー変位センサー(21)を研磨パッド(81)に沿って径方向に移動させ、研磨パッド(81)の元の表面形状を測定し、スイングアームと、ダイヤモンドドレッサ(74)に接続されたモータ(71)とを起動して、ダイヤモンドドレッサ(74)に研磨パッド(81)の径方向に沿って均一速度で研磨パッド(81)をドレッシングさせ、そして、研磨パッド(81)の表面形状データを再測定し、下記の式(1)のように、ドレッシング前後の研磨パッド(81)の表面形状の差及びドレッシング時間により研磨パッド(81)のドレッシング除去率分布関数を取得し、
ただし、MRRpiはi番目の離散点における研磨パッド(81)のドレッシング除去率を示し、u0 piはi番目の離散点における研磨パッド(81)の元の表面形状を示し、u1 piはi番目の離散点における研磨パッド(81)のドレッシング済の表面形状を示し、tpは研磨パッド(81)のドレッシング時間を示し、nは研磨パッド(81)の径方向の離散点の数を示し、前記表面形状は、研磨パッド(81)の表面における全ての離散点の高さデータであり、
元の研磨パッド(81)の表面形状及び水平面について差分処理を行い研磨パッド(81)表面の除去量分布関数を確定し、ドレッシングしている過程において、ドレッシング圧力が一定に維持され、研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知であり、研磨パッド(81)の各径方向におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を確定し、研磨パッド(81)を平坦化した後でその平坦化研磨パッドにおいて平面部品(88)を研磨し、下記の式(2)のように、平面部品の研磨前後の表面形状の差により平面部品の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を取得し、
ただし、MRRc(r,θ)は平面部品の材料除去率分布関数を表し、uc(r,θ)は研磨前の平面部品(88)の表面形状を示し、u’c(r,θ)は研磨後の平面部品(88)の表面形状を示し、rは平面部品(88)におけるある点から平面部品(88)の中心までの距離を表し、θは平面部品(88)の中心を座標原点とする座標系下での平面部品(88)におけるある点の角度を表し、tcは研磨時間を示し、
ステップCでは、平面部品(88)及び平坦化研磨パッドの表面形状と、平面部品(88)の平坦化研磨パッドで研磨する時の除去率分布関数とに基づいて、研磨パッドの表面形状設計法で平面部品(88)の表面形状を迅速に収束させる研磨パッドの好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決め、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるステップC1と、研磨パッドの好ましい表面形状を取得するステップC2と、研磨パッド(81)のドレッシングパラメータを決めるステップC3と、研磨時間を予測するステップC4とを具体的に含み、
ステップC1では、平面部品の材料除去率分布関数は、下記の式(3)のプリンストン方程式を満たし、
ただし、K(r,θ)はプリンストン係数を表し、P(r,θ)は研磨作業中の接触圧力を示し、V(r,θ)は研磨パッド(81)に対する平面部品(88)の回転速度を示し、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるために、プリンストン方程式(3)を式(4)に変換し、
研磨パッド(81)を平坦化するときの平面部品(88)の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を式(2)により算出し、
研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータに基づいて、下記の式(5)のように、運動学的分析により各位置における平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度V(r,θ)を取得し、
ただし、vx(r,θ)は平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度の平面部品(88)のx軸における速度成分を表し、vy(r,θ)は平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度の平面部品(88)のy軸における速度成分を表し、ωpは研磨パッド(81)の公転速度を示し、ωcは研磨パッド(81)の自転速度を示し、
下記の式(6)のように、弾性基礎の仮定に基づいて、接触圧力分布関数モデルを算出し、
ただし、Kは剛性係数を表し、δは侵入深さを表し、u(r,θ)は弾性層の厚さを表し、vはポアソン比を表し、Eは弾性率を表し、Lは研磨パッド(81)の厚さを表し、up(r,θ)は研磨作業範囲内の研磨パッド(81)の周方向に均質化された表面形状を表し、Fは正圧、即ち平面部品(88)及び釣り合い重りの重量を表し、Aは平面部品(88)の離散点に代表される領域の面積を表し、
弾性基礎の仮定に基づいて、平面部品(88)の表面形状及び研磨パッドの表面形状が既知である場合、機械分析により各点における研磨圧力P(r,θ)を取得し、
以上により、MRRc(r,θ)、V(r,θ)及びP(r,θ)が既に取得されたので、式(4)により平面部品(88)のプリンストン係数K(r,θ)を求め、
ステップC2では、研磨過程中においてプリンストン係数が変わらないという仮定と弾性基礎の仮定とに基づいて、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状に対して正規化及び鏡面対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して全アパーチャの決定性研磨に必要な研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、
前記した研磨パッドの好ましい表面形状を得る方法は、
下記の式(7)のように、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状に対して正規化及び鏡面対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、
即ち、
研磨過程中においてプリンストン係数K(r,θ)が変わらないという仮定に基づいて、研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータが変わらないとV(r,θ)が不変になるという事実を考慮して、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して平面部品の表面の好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を取得し、
弾性基礎の仮定に基づいて、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状が既知である場合、研磨パッド(81)のいずれの表面形状に対応する接触圧力も求め、好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を最適化目標とし、全アパーチャの決定性研磨に必要な研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、且つ平面部品(88)の表面における好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)を求めることであり、
ステップC3では、
研磨パッドの好ましい表面形状と平坦化研磨パッドの表面形状がそれぞれ既に測定され、ドレッシング中のドレッシング圧力が一定に維持され、ステップBにより研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知である上で、下記の式(8)のように、研磨パッド(81)の径方向位置におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を決め、
ただし、Tpiは研磨パッド(81)のi番目の離散点におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を示し、upiはi番目の離散点における平坦化研磨パッドの表面形状を示し、u’piはi番目の離散点における研磨パッド(81)の好ましい表面形状を示し、
ステップC4では、下記の式(9)のように好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)を取得し、
ステップBに得られた平面部品(88)の表面形状の好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去分布関数MRR’c(r,θ)と併せて研磨中の平面部品(88)の表面形状の進化を導き出し、平面部品(88)の表面形状の最大高低値であるPV値が最小になる時の対応する研磨時間を予測研磨時間として選択し、
ステップDでは、
研磨パッド表面ドレッサ機構(7)を制御して研磨パッドの表面形状を算出された研磨パッド(81)の好ましい表面形状にドレッシングし、
ステップEでは、
ステップBで平坦化研磨パッドを用いて平面部品の材料除去率分布関数を測定するときと同じプロセスパラメータで平面部品(88)を研磨し、前記プロセスパラメータは、平面部品(88)及び研磨パッド(81)のそれぞれの回転速度、研磨液組成、研磨液供給位置、研磨液流速、研磨荷重を含み、
ステップFでは、
ロボットアーム機構(4)は、研磨済の平面部品(88)を洗浄ステーション(53)に搬送し、平面部品(88)の表面における研磨液及び他の不純物を20~26℃の脱イオン水で洗浄し、そして平面部品(88)を乾燥ステーション(52)内のクランプ位置決め装置に搬送し、20~26℃の室温風を出力する強力な送風機で平面部品(88)に対して快速乾燥処理を行い、平面部品(88)の表面がきれいになった後、測定ステーション(51)に搬送し、平面部品(88)の表面形状を測定し、研磨結果が要件を満たしているかどうかを判断し、要件を満たしていない場合、ステップAに戻し、要件を満たす高精度の平面部品(88)を得るまで繰り返す、平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨方法。
2、研磨パッド表面形状測定装置
3、スイングアーム機構
4、ロボットアーム機構
5、平面部品の表面形状自動測定装置
6、昇降板
7、研磨パッド表面ドレッサ機構
8、環型研磨工具皿機構
21、レーザー変位センサ
22、リニアガイドレール
31、スイングアーム
32、カラム
33、ステッピングモータ
51、測定ステーション
52、乾燥ステーション
53、洗浄ステーション
71、モータ
72、リニア軸受
73、円筒軸
74、ダイヤモンドドレッサ
81、研磨パッド
82、固定ボルト
83、従動輪
84、シフトフォーク
85、駆動輪モータ
86、固定フレーム
87、駆動輪
88、平面部品
89、回転テーブル
Claims (3)
- 制御システムと、ベース(1)と、昇降板(6)と、研磨モジュールと、測定モジュールと、を備え、
前記制御システムは、ロボットアームの位置姿勢、スイングアーム(31)の揺動、ガイドレールのスライダの移動、レーザー変位センサー(21)の起動、昇降板(6)の昇降、ダイアモンドドレッサ(74)に接続されたモータ(71)の起動、環型研磨装置の作動を制御するために用いられ、前記制御システムの制御盤は、装置全体の側面に位置し、
研磨モジュールと測定モジュールはいずれもベース(1)に位置し、昇降板(6)は研磨モジュールと測定モジュールとの間に位置し、
前記研磨モジュールは、スイングアーム機構(3)と、研磨パッド表面ドレッサ機構(7)と、研磨パッド表面形状測定装置(2)と、環型研磨工具皿機構(8)と、を備え、
前記スイングアーム機構(3)は、ステッピングモータ(33)と、ベース(1)に取り付けられるカラム(32)と、一端がカラム(32)にヒンジ結合され、他端が環型研磨工具皿機構(8)の上方に張り出すスイングアーム(31)とを備え、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構(7)は、スイングアーム(31)の後側に固定される円筒軸(73)と、リニア軸受(72)と、リニア軸受(72)を介して円筒軸(73)に取り付けられるモータ(71)と、モータの回転軸(71)に取り付けられるとともに研磨パッド(81)の上方に位置するダイヤモンドドレッサ(74)とを備え、
前記研磨パッド表面形状測定装置(2)は、スイングアーム(31)の前側に固定されるリニアガイドレール(22)と、スライダを介してリニアガイドレール(22)に摺動接続され、スライダの下方に固定されるレーザー変位センサー(21)と、を備え、
環型研磨工具皿機構(8)は、研磨パッド(81)と、固定ボルト(82)と、従動輪(83)と、シフトフォーク(84)と、駆動輪モータ(85)と、固定フレーム(86)と、駆動輪(87)と、回転テーブル(89)とを備え、前記回転テーブル(89)が固定ボルト(82)を介して環型研磨装置の主軸に取り付けられ、前記研磨パッド(81)が回転テーブル(89)に貼り付けられ、前記固定フレーム(86)はネジでベース(1)に取り付けられ、前記駆動輪モータ(85)が固定フレーム(86)の側壁に取り付けられ、前記シフトフォーク(84)が固定フレーム(86)の側壁に取り付けられるとともに駆動輪モータ(85)の下方に位置し、前記従動輪(83)及び前記駆動輪(87)は、それぞれシフトフォーク(84)の両端に取り付けられるとともに研磨パッド(81)の上方に張り出し、
前記測定モジュールは、測定ステーション(51)、乾燥ステーション(52)及び洗浄ステーション(53)を有する平面部品の表面形状自動測定装置(5)と、ロボットアーム機構(4)と、を備え、
前記洗浄ステーション(53)、乾燥ステーション(52)及び測定ステーション(51)は、左から右へ順次にベース(1)に取り付けられ、前記ロボットアーム機構(4)の台座が装置全体の側壁に固定されるとともに乾燥ステーション(52)の上方に位置し、
前記ステッピングモータ(33)は、制御システムでカラム(32)に沿うスイングアーム(31)の回転角及び速度を制御し、
レーザー変位センサ(21)の測定軌跡が研磨パッド(81)の中心位置を通過するまで前記研磨パッド表面形状測定装置(2)をスイングアーム(31)で動かし、レーザー変位センサ(21)の位置姿勢及び研磨パッド(81)からの高さを測定データ収集要件を満たすように調整し、レーザー変位センサ(21)をリニアガイドレール(22)に沿って移動するすなわち、研磨パッド(81)の径方向に沿って移動するように制御し、研磨パッド(81)の径方向の表面形状を取得し、
前記研磨パッド表面ドレッサ機構(7)は、リニア軸受(72)を介してスイングアーム(31)に接続され、研磨パッド(81)をドレッシングしている過程において、ダイヤモンドドレッサ(74)が、その自重及びモータ(71)の重量に依存して、研磨パッド(81)の表面との定圧接触を維持し、スイングアーム(31)の揺動速度を制御することにより、研磨パッド(81)の径方向上の異なる位置におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を制御して研磨パッド(81)に対する決定性ドレッシングを実現する、平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置。 - 前記洗浄ステーション(53)は脱イオン水噴霧装置と汚水蓄積容器とを備え、前記乾燥ステーション(52)は平面部品(88)のクランプ位置決め装置を備えたパレットラックと強力な送風機とを備え、前記測定ステーション(51)は平面度測定器を備える、ことを特徴とする請求項1に記載の平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置。
- 請求項1又は2に記載の平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨装置で研磨を行い、
研磨パッド(81)及び平面部品(88)の元の表面形状を測定するステップAと、平坦化研磨パッドを用いる時の平面部品の材料除去率分布関数を得るステップBと、平面部品(88)の表面形状を迅速に収束させる研磨パッド(81)の好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決めるステップCと、研磨パッド(81)をドレッシングするステップDと、平面部品(88)を研磨するステップEと、平面部品(88)の表面形状を測定するステップFと、を備え、
ステップAでは、スイングアーム(31)を、研磨パッド(81)の径方向に沿ってレーザー変位センサー(21)の測定ヘッドを移動させる位置に調整し、リニアガイドレール(22)に沿ってレーザー変位センサー(21)を移動させることにより、研磨パッド(81)の元の表面形状を採集し、ロボットアーム機構(4)で平面部品(88)を測定ステーション(51)に搬送し、平面部品(88)の元の表面形状を取得し、
ステップBでは、ガイドレールとレーザー変位センサー(21)を起動してガイドレールのスライダによりレーザー変位センサー(21)を研磨パッド(81)に沿って径方向に移動させ、研磨パッド(81)の元の表面形状を測定し、スイングアームと、ダイヤモンドドレッサ(74)に接続されたモータ(71)とを起動して、ダイヤモンドドレッサ(74)に研磨パッド(81)の径方向に沿って均一速度で研磨パッド(81)をドレッシングさせ、そして、研磨パッド(81)の表面形状データを再測定し、下記の式(1)のように、ドレッシング前後の研磨パッド(81)の表面形状の差及びドレッシング時間により研磨パッド(81)のドレッシング除去率分布関数を取得し、
ただし、MRRpiはi番目の離散点における研磨パッド(81)のドレッシング除去率を示し、u0 piはi番目の離散点における研磨パッド(81)の元の表面形状を示し、u1 piはi番目の離散点における研磨パッド(81)のドレッシング済の表面形状を示し、tpは研磨パッド(81)のドレッシング時間を示し、nは研磨パッド(81)の径方向の離散点の数を示し、前記表面形状は、研磨パッド(81)の表面における全ての離散点の高さデータであり、
元の研磨パッド(81)の表面形状及び水平面について差分処理を行い研磨パッド(81)表面の除去量分布関数を確定し、ドレッシングしている過程において、ドレッシング圧力が一定に維持され、研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知であり、研磨パッド(81)の各径方向におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を確定し、研磨パッド(81)を平坦化した後でその平坦化研磨パッドにおいて平面部品(88)を研磨し、下記の式(2)のように、平面部品の研磨前後の表面形状の差により平面部品の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を取得し、
ただし、MRRc(r,θ)は平面部品の材料除去率分布関数を表し、uc(r,θ)は研磨前の平面部品(88)の表面形状を示し、u’c(r,θ)は研磨後の平面部品(88)の表面形状を示し、rは平面部品(88)におけるある点から平面部品(88)の中心までの距離を表し、θは平面部品(88)の中心を座標原点とする座標系下での平面部品(88)におけるある点の角度を表し、tcは研磨時間を示し、
ステップCでは、平面部品(88)及び平坦化研磨パッドの表面形状と、平面部品(88)の平坦化研磨パッドで研磨する時の除去率分布関数とに基づいて、研磨パッドの表面形状設計法で平面部品(88)の表面形状を迅速に収束させる研磨パッドの好ましい表面形状及びそのドレッシングパラメータを決め、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるステップC1と、研磨パッドの好ましい表面形状を取得するステップC2と、研磨パッド(81)のドレッシングパラメータを決めるステップC3と、研磨時間を予測するステップC4とを具体的に含み、
ステップC1では、平面部品の材料除去率分布関数は、下記の式(3)のプリンストン方程式を満たし、
ただし、K(r,θ)はプリンストン係数を表し、P(r,θ)は研磨作業中の接触圧力を示し、V(r,θ)は研磨パッド(81)に対する平面部品(88)の回転速度を示し、
プリンストン係数K(r,θ)を求めるために、プリンストン方程式(3)を式(4)に変換し、
研磨パッド(81)を平坦化するときの平面部品(88)の材料除去率分布関数MRRc(r,θ)を式(2)により算出し、
研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータに基づいて、下記の式(5)のように、運動学的分析により各位置における平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度V(r,θ)を取得し、
ただし、vx(r,θ)は平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度の平面部品(88)のx軸における速度成分を表し、vy(r,θ)は平面部品(88)と研磨パッド(81)との相対運動速度の平面部品(88)のy軸における速度成分を表し、ωpは研磨パッド(81)の公転速度を示し、ωcは研磨パッド(81)の自転速度を示し、
下記の式(6)のように、弾性基礎の仮定に基づいて、接触圧力分布関数モデルを算出し、
ただし、Kは剛性係数を表し、δは侵入深さを表し、u(r,θ)は弾性層の厚さを表し、vはポアソン比を表し、Eは弾性率を表し、Lは研磨パッド(81)の厚さを表し、up(r,θ)は研磨作業範囲内の研磨パッド(81)の周方向に均質化された表面形状を表し、Fは正圧、即ち平面部品(88)及び釣り合い重りの重量を表し、Aは平面部品(88)の離散点に代表される領域の面積を表し、
弾性基礎の仮定に基づいて、平面部品(88)の表面形状及び研磨パッドの表面形状が既知である場合、機械分析により各点における研磨圧力P(r,θ)を取得し、
以上により、MRRc(r,θ)、V(r,θ)及びP(r,θ)が既に取得されたので、式(4)により平面部品(88)のプリンストン係数K(r,θ)を求め、
ステップC2では、研磨過程中においてプリンストン係数が変わらないという仮定と弾性基礎の仮定とに基づいて、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状に対して正規化及び鏡面対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して全アパーチャの決定性研磨に必要な研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、
前記した研磨パッドの好ましい表面形状を得る方法は、
下記の式(7)のように、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状に対して正規化及び鏡面対称処理を行い、それを好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)の正規化結果とし、
即ち、
研磨過程中においてプリンストン係数K(r,θ)が変わらないという仮定に基づいて、研磨工程で用いられた回転速度のプロセスパラメータが変わらないとV(r,θ)が不変になるという事実を考慮して、平面部品の材料除去率分布関数を算出するモデルと併せて分析して平面部品の表面の好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を取得し、
弾性基礎の仮定に基づいて、ステップBで得られた平面部品(88)の表面形状が既知である場合、研磨パッド(81)のいずれの表面形状に対応する接触圧力も求め、好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)の正規化結果を最適化目標とし、全アパーチャの決定性研磨に必要な研磨パッドの好ましい表面形状を取得し、且つ平面部品(88)の表面における好ましい接触圧力分布関数P’(r,θ)を求めることであり、
ステップC3では、
研磨パッドの好ましい表面形状と平坦化研磨パッドの表面形状がそれぞれ既に測定され、ドレッシング中のドレッシング圧力が一定に維持され、ステップBにより研磨パッドのドレッシング除去率分布関数が既知である上で、下記の式(8)のように、研磨パッド(81)の径方向位置におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を決め、
ただし、Tpiは研磨パッド(81)のi番目の離散点におけるダイヤモンドドレッサ(74)の滞留時間を示し、upiはi番目の離散点における平坦化研磨パッドの表面形状を示し、u’piはi番目の離散点における研磨パッド(81)の好ましい表面形状を示し、
ステップC4では、下記の式(9)のように好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去率分布関数MRR’c(r,θ)を取得し、
ステップBに得られた平面部品(88)の表面形状の好ましい研磨パッドに対応する平面部品の材料除去分布関数MRR’c(r,θ)と併せて研磨中の平面部品(88)の表面形状の進化を導き出し、平面部品(88)の表面形状の最大高低値であるPV値が最小になる時の対応する研磨時間を予測研磨時間として選択し、
ステップDでは、
研磨パッド表面ドレッサ機構(7)を制御して研磨パッドの表面形状を算出された研磨パッド(81)の好ましい表面形状にドレッシングし、
ステップEでは、
ステップBで平坦化研磨パッドを用いて平面部品の材料除去率分布関数を測定するときと同じプロセスパラメータで平面部品(88)を研磨し、前記プロセスパラメータは、平面部品(88)及び研磨パッド(81)のそれぞれの回転速度、研磨液組成、研磨液供給位置、研磨液流速、研磨荷重を含み、
ステップFでは、
ロボットアーム機構(4)は、研磨済の平面部品(88)を洗浄ステーション(53)に搬送し、平面部品(88)の表面における研磨液及び他の不純物を20~26℃の脱イオン水で洗浄し、そして平面部品(88)を乾燥ステーション(52)内のクランプ位置決め装置に搬送し、20~26℃の室温風を出力する強力な送風機で平面部品(88)に対して快速乾燥処理を行い、平面部品(88)の表面がきれいになった後、測定ステーション(51)に搬送し、平面部品(88)の表面形状を測定し、研磨結果が要件を満たしているかどうかを判断し、要件を満たしていない場合、ステップAに戻し、要件を満たす高精度の平面部品(88)を得るまで繰り返す、平面部品の全アパーチャの決定性研磨のスイングアーム式研磨方法。
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